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<図1>
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図1
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図2
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図3
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図4
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図5
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図6
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図7
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図8
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図9
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図10
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図11
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図12
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図13
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図14
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図15
  • -実装システム、実装方法及び矯正システム 図16
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-13
(45)【発行日】2025-03-24
(54)【発明の名称】実装システム、実装方法及び矯正システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20250314BHJP
【FI】
H05K13/04 M
H05K13/04 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021081831
(22)【出願日】2021-05-13
(65)【公開番号】P2022175449
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2024-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉野 晋平
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弘之
(72)【発明者】
【氏名】桜井 浩二
(72)【発明者】
【氏名】赤坂 勝彦
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-005330(JP,A)
【文献】国際公開第2017/119114(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/136662(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品を捕捉可能な捕捉部を移動可能に有し、前記第1部品を実装予定位置に実装する実装ヘッドと、
前記実装予定位置を含む実装面であって、第2部品が既に実装されている前記実装面を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置の撮像結果に基づいて、前記第1部品が前記第2部品に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能な判定装置と、
前記第2部品を移動させる矯正処理を実行可能な矯正装置と、を備え、
前記判定装置は、前記判定処理において、前記第1部品が前記第2部品に干渉すると判定された場合に前記第2部品を前記矯正装置により移動可能か否かを判定する、
実装システム。
【請求項2】
前記判定装置は、前記実装予定位置に前記第1部品を実装した場合の前記第1部品と、前記実装予定位置に隣接して実装されている前記第2部品と、の間の隙間の寸法が閾値以下である場合に、前記第1部品が前記第2部品に干渉すると判定する、
請求項1に記載の実装システム。
【請求項3】
前記矯正装置は、前記撮像装置の撮像結果に基づく前記第2部品の位置情報に基づいて、前記第1部品との干渉を解消する方向に前記第2部品を移動させる、
請求項1又は2に記載の実装システム。
【請求項4】
前記矯正装置は、前記実装ヘッドに設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項5】
前記実装ヘッドは、複数の前記捕捉部を有し、
前記矯正装置は、前記複数の捕捉部のうち前記第1部品を保持していない捕捉部を含む、
請求項4に記載の実装システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記実装ヘッドに設けられ、前記実装面のうち前記捕捉部の移動方向において前記捕捉部と対向する領域を含む撮像領域を撮像する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項7】
前記判定装置は、前記矯正装置により前記第2部品を移動させた後の前記撮像装置の撮像結果に基づいて、前記第1部品が前記第2部品に干渉するか否かを判定する再判定処理を実行する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項8】
前記判定装置が、前記矯正装置により前記第2部品を移動可能でないと判定した場合に、前記矯正装置は、前記第2部品干渉する第3部品を移動させた後、前記第2部品を移動させる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の実装システム。
【請求項9】
前記矯正装置は、前記撮像装置の撮像結果に基づく前記第2部品及び前記第3部品の位置情報に基づいて、前記第2部品との干渉を解消する方向に前記第3部品を移動させた後、前記第1部品との干渉を解消する方向に前記第2部品を移動させる、
請求項8に記載の実装システム。
【請求項10】
第1部品を捕捉可能な捕捉部を移動可能に有し、前記第1部品を実装予定位置に実装する実装ヘッドと、
前記実装予定位置を含む実装面であって、第2部品が既に実装されている前記実装面を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置の撮像結果に基づいて、前記第1部品が前記第2部品に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能な判定装置と、
前記第2部品を移動させる矯正処理を実行可能な矯正装置と、を備える実装システムに用いられる実装方法であって、
前記判定処理において前記第1部品が前記第2部品に干渉すると判定された場合に、前記第2部品を前記矯正装置により移動可能か否かを判定するステップを有する、
実装方法。
【請求項11】
装予定位置に実装される第1部品が、前記実装予定位置を含む実装面に既に実装されている第2部品に干渉する場合に、前記第2部品、及び前記第2部品が干渉すると判定された第3部品を移動させる矯正処理を実行可能な矯正装置を備える、
矯正システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に実装システム、実装方法及び矯正システムに関し、より詳細には、対象物の実装面に部品を実装する実装システム、実装方法及び矯正システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、部品保持装置と、制御装置と、を備える電子部品実装装置(実装システム)が記載されている。
【0003】
部品保持装置(実装ヘッド)は、回路基板(対象物)上における電子部品(第1部品)の実装予定位置を含む実装予定領域を撮像する撮像装置を有する。制御装置は、撮像装置の撮像結果に基づいて、隣接電子部品(第2部品)の実装予定領域への侵入の有無を判断する。制御装置は、隣接電子部品が実装予定領域に侵入していると判断すると、実装予定位置を補正し、部品保持装置が保持する電子部品を、補正後の実装予定位置に実装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-076693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電子部品実装装置では、例えば、隣接電子部品に実装ずれが生じている場合に、部品保持装置が保持する電子部品の実装予定位置を補正したとしても、電子部品と隣接電子部品とが干渉する可能性がある。
【0006】
本開示の目的は、第1部品と第2部品との干渉を抑制することが可能な実装システム、実装方法及び矯正システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る実装システムは、実装ヘッドと、撮像装置と、判定装置と、矯正装置と、を備える。前記実装ヘッドは、第1部品を捕捉可能な捕捉部を移動可能に有し、前記第1部品を実装予定位置に実装する。前記撮像装置は、前記実装予定位置を含む実装面であって、第2部品が既に実装されている前記実装面を撮像する。前記判定装置は、前記撮像装置の撮像結果に基づいて、前記第1部品が前記第2部品に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能である。前記矯正装置は、前記第2部品を移動させる矯正処理を実行可能である。前記判定装置は、前記判定処理において、前記第1部品が前記第2部品に干渉すると判定された場合に前記第2部品を前記矯正装置により移動可能か否かを判定する。
【0008】
本開示の一態様に係る実装方法は、実装システムに用いられる実装方法である。前記実装システムは、実装ヘッドと、撮像装置と、判定装置と、矯正装置と、を備える。前記実装ヘッドは、第1部品を捕捉可能な捕捉部を移動可能に有し、前記第1部品を実装予定位置に実装する。前記撮像装置は、前記実装予定位置を含む実装面であって、第2部品が既に実装されている前記実装面を撮像する。前記判定装置は、前記撮像装置の撮像結果に基づいて、前記第1部品が前記第2部品に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能である。前記矯正装置は、前記第2部品を移動させる矯正処理を実行可能である。前記実装方法は、前記判定処理において前記第1部品が前記第2部品に干渉すると判定された場合に、前記第2部品を前記矯正装置により移動可能か否かを判定するステップを有する。
【0009】
本開示の一態様に係る矯正システムは、矯正装置を備える。前記矯正装置は、実装予定位置に実装される第1部品が、前記実装予定位置を含む実装面に既に実装されている第2部品に干渉する場合に、前記第2部品、及び前記第2部品が干渉すると判定された第3部品を移動させる矯正処理を実行可能である
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る実装システム、実装方法及び矯正システムによれば、第1部品と第2部品との干渉を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る実装システムの概略構成図である。
図2図2は、同上の実装システムの要部の斜視図である。
図3図3は、同上の実装システムのブロック図である。
図4図4は、同上の実装システムにおいて対象物に実装される部品の斜視図である。
図5図5は、同上の実装システムにおいて対象物への部品の実装を説明するための側面図である。
図6図6は、同上の実装システムにおいて対象物への部品の実装を説明するための側面図である。
図7図7は、同上の実装システムが実行する実装方法を示すフローチャートである。
図8図8は、同上の実装システムの矯正処理を説明するための側面図である。
図9図9は、同上の実装システムの矯正処理を説明するための側面図である。
図10図10は、同上の実装システムの矯正処理を説明するための側面図である。
図11図11は、同上の実装システムの矯正処理を説明するための側面図である。
図12図12は、同上の実装システムの矯正処理を説明するための側面図である。
図13図13は、同上の実装システムの矯正処理を説明するための側面図である。
図14図14は、同上の実装システムの矯正処理を説明するための側面図である。
図15図15は、実施形態の変形例1に係る実装システムの要部の側面図である。
図16図16A図16Cは、実施形態の変形例2に係る実装システムの矯正処理を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
以下、実施形態に係る実装システム、実装方法及び矯正システムについて、図面を参照して説明する。下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(1)実装システムの概要
以下、本実施形態に係る実装システム1の概要について説明する。
【0014】
本実施形態に係る実装システム1は、図1に示すように、第1部品81を対象物9に実装するための実装装置(実装機)である。実装システム1は、例えば、工場、研究所、事務所及び教育施設等の施設において、電子機器、自動車、衣料品、食料品、医薬品及び工芸品等の種々の製品の製造のための作業に用いられる。
【0015】
本実施形態では、実装システム1が、工場での電子機器の製造に用いられる場合について説明する。一般的な電子機器は、例えば、電源回路及び制御回路等の各種の回路ブロックを有している。これらの回路ブロックの製造にあたっては、一例として、はんだ塗布工程、実装工程、及びはんだ付け工程が、この順で行われる。はんだ塗布工程では、基板(プリント配線板を含む)にクリーム状はんだが塗布(又は印刷)される。実装工程では、基板に部品(電子部品を含む)が実装(搭載)される。はんだ付け工程では、例えば、部品が実装された状態の基板を、リフロー炉にて加熱することにより、クリーム状はんだを溶かしてはんだ付けが行われる。実装システム1は、実装工程において、対象物9である基板91に対して、第1部品81を実装する作業を行う。
【0016】
このように、対象物9(基板91)への第1部品81の実装に用いられる実装システム1は、図1に示すように、実装ヘッド2と、撮像装置3(図2参照)と、判定装置51と、矯正装置24と、駆動装置4と、制御装置5と、基台61と、搬送装置62と、複数の部品供給装置63と、固定カメラ7と、を備える。搬送装置62は、基台61上をX軸方向に延びた一対のコンベア機構62aを有しており、対象物9である基板91をX軸方向に搬送して所定の実装スペースに位置決めする。複数の部品供給装置63は、基台61に連結される台車64のフィーダベース65にX軸方向に並んで取り付けられたテープフィーダを有する。各部品供給装置63は、リール66より供給されるキャリアテープ67をピッチ送りし、キャリアテープ67に保持された第1部品81を部品供給口63aに供給する。リール66は、台車64に保持されている。固定カメラ7は、基台61上に取り付けられ、上方を撮像する。
【0017】
実装ヘッド2は、第1部品81を捕捉するための捕捉部21を有する。捕捉部21は、一例として吸着ノズルからなり、第1部品81を、解放(つまり捕捉を解除)可能な状態で捕捉(保持)する。実装システム1は、捕捉部21にて第1部品81を捕捉した状態で、捕捉部21を基板91に近づけるように下降させて、第1部品81を基板91の実装面911に実装する。
【0018】
上述の実装システム1が用いられる部品の実装分野、特に電子部品の挟実装分野においては、近年、電子部品の微小化及び高密度化が進む中、基板91の歩留まり率の向上を図ることが求められている。具体的な第1部品81としては、例えば、平面視において、幅0.1mmで、長さ0.2mmの電子部品が挙げられる。
【0019】
そこで、実装システム1では、実装ヘッド2は、第1部品81を捕捉可能な捕捉部21を対象物9(基板91)に向けて移動可能に有し、第1部品81を対象物9の実装面911上の実装予定位置P1(図2参照)に実装する。撮像装置3は、第2部品82が既に実装されている対象物9を撮像する。判定装置51は、撮像装置3の撮像結果に基づいて、第1部品81が第2部品82に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能である。矯正装置24は、第2部品82を移動させる矯正処理を実行可能である。駆動装置(アクチュエータ22、駆動装置4)は、矯正装置24を駆動する。制御装置5は、矯正装置24が矯正処理を実行可能なように駆動装置を制御する。そして、制御装置5は、判定装置51により第1部品81が干渉すると判定された第2部品82を矯正装置24により移動させる。第1部品81は、例えば、対象物9としての基板91の実装面911に実装予定の電子部品である。言い換えると、第1部品81は、基板91の実装面911に実装するために、実装ヘッド2の捕捉部21により捕捉された状態の電子部品である。また、第2部品82は、例えば、基板91の実装面911に実装済みの電子部品である。
【0020】
このような実装システム1では、判定装置51により第1部品81が干渉すると判定された実装済みの第2部品82を矯正装置24により移動させている。これにより、第1部品81を実装する際に、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制することが可能となる。その結果、第1部品81が実装される対象物9の不良率を低減することが可能となり、対象物9の歩留まり率を向上させることが可能となる。
【0021】
また、近年では、更なる狭ピッチの隣接実装への対応が求められている。例えば、図4に示すように、少なくとも1つ(図示例では4つ)の実装済み部品(第2部品82及び第3部品83)が既に実装されている基板91の実装面911に、第1部品81を実装することがある。このとき、第1部品81を第2部品82に干渉させずに、基板91の実装面911に実装することが求められる。そのため、従来、基板91の個々の寸法ばらつき(基板91の製造に係る精度、並びに、熱及び湿気による伸縮等)、及び捕捉部21による第1部品81の捕捉位置のずれに応じて、第1部品81の実装予定位置を補正していた。しかしながら、従来の装着精度、及び実装予定位置の補正方法では、今後の市場が求める条件を満たす狭隣接実装への対応が困難になる。
【0022】
図4では、基板91の実装面911に、実装済み部品として第2部品821,822がY軸方向に並んで既に実装されており、第1部品81は、Y軸方向において第2部品821,822の間に実装される。第1部品81及び第2部品821,822の各々は、基板91の実装面911にY軸方向に沿って等間隔で形成されているランド92上に塗布されたはんだ93によって実装される。はんだ93は、第1部品81、第2部品82及び第3部品83と基板91とを接合する接合部材に相当する。
【0023】
図5及び図6は、実装済み部品である第2部品822と第1部品81とをX軸方向から見た側面図である。本実施形態では、第1部品81及び第2部品82に対して予め設定されているY軸方向の隣接ピッチYpを40μmとする。また、第1部品81及び第2部品82のY軸方向の寸法公差として、片側公差Ytを+5μm、両側公差を±10μmとする。また、第1部品81と第2部品82との間に形成されるY軸方向の隙間G1の寸法(隙間寸法)をYg1とする。
【0024】
理想的には、第1部品81、第2部品82及び第3部品83等の各実装部品は、ランド92のY軸方向の中心と実装部品のY軸方向の中心とが一致する基準位置に実装されることが好ましい。しかしながら、機械的な精度及びソフトウェア処理の精度等によって、実装部品の実装位置が基準位置からずれてしまう、所謂、実装ずれが生じることがある。以下では、このような機械的な精度及びソフトウェア処理の精度等によって生じる実装ずれの最大値(絶対値)を、実装ずれ値Ym(図6参照)と称す。なお、実装部品の実際の実装位置と基準位置とのずれが所定値以下であれば、実装ずれが生じていないとみなしてもよい。本実施形態では、実装ずれ値Ymを20μmとする。
【0025】
図5では、第1部品81のY軸方向の寸法は片側公差Ytを含み、第2部品822のY軸方向の寸法も片側公差Ytを含んでいる。また、第1部品81及び第2部品822の各々の実装ずれは生じていない。この場合、隙間寸法Yg1は「Yg1=Yp-2・Yt=30μm」となり、第1部品81は第2部品822に干渉しない。
【0026】
また、図6では、第1部品81及び第2部品822の各々に、Y軸方向において互いに近付く向きに実装ずれ値Ym(=20μm)の実装ずれが生じている。この場合、隙間寸法Yg1は、第1部品81と第2部品822とが互いに重複している寸法に相当し、「Yg1=Yp-2・Yt-2・Ym=-10μm」となって、第1部品81は第2部品822に干渉する。
【0027】
そこで、実装システム1は、狭隣接実装の際に、第1部品81に隣接する第2部品82の位置を把握し、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制するように、第1部品81との干渉を解消する方向に第2部品82を矯正装置24により移動させる。
【0028】
ここで、「第1部品81が第2部品822に干渉する」という状態は、図6に示すように、第1部品81と第2部品822とが互いに重複する状態に限定されない。「第1部品81が第2部品822に干渉する」という状態は、例えば、第1部品81と第2部品822とが互いに重複しない場合であっても、隙間寸法Yg1が所定寸法(閾値)以下である状態を含む。すなわち、後述の判定装置51は、実装予定位置P1に第1部品81を実装した場合の第1部品81と、実装予定位置P1に隣接して実装されている第2部品82と、の間の隙間G1の寸法(隙間寸法)Yg1が閾値以下である場合に、第1部品81が第2部品82に干渉すると判定する。実装システム1は、隙間寸法Yg1が所定寸法以下であれば、干渉の可能性が高いとして、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制するように、第1部品81との干渉を解消する方向に第2部品82を矯正装置24により移動させる。
【0029】
(2)詳細
(2.1)前提
本実施形態では一例として、表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology)による部品(第1部品81)の実装に、実装システム1が用いられる場合について説明する。つまり、第1部品81は、表面実装用の部品(SMD:Surface Mount Device)であって、対象物9としての基板91の表面(実装面911)上に配置されることをもって実装される。ただし、この例に限らず、挿入実装技術(IMT:Insertion Mount Technology)による第1部品81の実装に、実装システム1が用いられてもよい。この場合には、第1部品81は、リード端子を有する挿入実装用の部品であり、対象物9としての基板91の孔にリード端子を挿入することをもって、基板(対象物9)の表面(実装面911)上に実装される。
【0030】
本開示でいう「撮像光軸」は、撮像装置3で撮像される画像(撮像装置3の撮像画像)についての光軸であって、後述の撮像装置3の撮像素子31(図3参照)及び光学系32(図3参照)の両方によって定まる光軸である。つまり、撮像素子31の受光面の中心と、光学系32を通して撮像素子31の受光面の中心に結像する部位と、を結ぶ直線が撮像装置3の撮像光軸となる。
【0031】
本開示でいう「撮像結果」は、撮像装置3の撮像画像であって、静止画(静止画像)及び動画(動画像)を含む。さらに、「動画」は、コマ撮り等により得られる複数の静止画にて構成される撮像画像を含む。撮像装置3の撮像画像は、撮像装置3から出力されたデータそのものでなくてもよい。例えば、撮像装置3の撮像画像は、必要に応じて適宜データの圧縮、他のデータ形式への変換、又は撮像装置3の撮像画像から一部を切り出す加工、ピント調整、明度調整、若しくはコントラスト調整等の加工が施されていてもよい。本実施形態では一例として、撮像装置3の撮像画像は、フルカラーの動画である。
【0032】
本開示でいう「直交」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者間の角度が、実質的に効果が得られる公差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。また、本開示でいう「平行」についても同様に、二者間の角度が厳密に0度である状態だけでなく、二者間の角度が、実質的に効果が得られる公差の範囲内で略平行する状態も含む意味である。
【0033】
また、本開示でいう「第2部品82を移動させる」は、捕捉部21により捕捉した第2部品82を基板91の実装面911から一旦取り外した後に再度実装する場合と、捕捉部21により捕捉した第2部品82を基板91の実装面911に沿って水平移動させる場合と、第2部品82の側面に接触した状態で第2部品82を基板91の実装面911に沿って水平移動させる場合と、を含む。
【0034】
以下では一例として、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸を設定し、対象物9である基板91の表面(実装面911)に平行な軸を「X軸」及び「Y軸」とし、基板91の厚み方向に平行な軸を「Z」軸とする。さらに、Z軸に沿う両方向のうち一方向を上方向とし、他方向を下方向とする。例えば、捕捉部21が基板91の実装面911に対向しているとき、基板91は、捕捉部21の下方に位置する。なお、X軸、Y軸及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向は実装システム1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0035】
また、実装システム1には、冷却水の循環用のパイプ、電力供給用のケーブル及び空圧(正圧及び真空を含む)供給用のパイプ等が接続されるが、本実施形態では、これらの図示を適宜省略する。
【0036】
(2.2)実装システムの構成
次に、本実施形態に係る実装システム1の各構成要素について、図1図3を参照して説明する。
【0037】
本実施形態に係る実装システム1は、図1図3に示すように、実装ヘッド2と、撮像装置3と、駆動装置4と、制御装置5と、を備えている。また、本実施形態では、実装システム1は、図3に示すように、実装ヘッド2、撮像装置3、駆動装置4及び制御装置5に加えて、搬送装置62と、部品供給装置63と、固定カメラ7と、を更に備えている。ただし、搬送装置62、部品供給装置63及び固定カメラ7は、実装システム1に必須の構成ではない。つまり、搬送装置62、部品供給装置63及び固定カメラ7の全部又は一部は、実装システム1の構成要素に含まれなくてもよい。また、図2では、実装ヘッド2、撮像装置3及び駆動装置4のみを図示し、その他の実装システム1の構成の図示を適宜省略している。
【0038】
(2.2.1)実装ヘッド
実装ヘッド2は、少なくとも1つの捕捉部21を有している。本実施形態では、実装ヘッド2は、1つの捕捉部21を有している。実装ヘッド2は、捕捉部21にて第1部品81を捕捉した状態で、捕捉部21を基板91に近づけるように移動させ、第1部品81を基板91の実装面911に実装する。つまり、実装ヘッド2は、捕捉部21を、基板91に向けて移動可能に保持する。要するに、実装ヘッド2は、第1部品81を捕捉可能な捕捉部21を対象物9に向けて移動可能に有し、第1部品81を対象物9の実装面911上の実装予定位置P1(図2参照)に実装する。
【0039】
本実施形態では、実装ヘッド2は、捕捉部21に加えて、矯正装置24と、捕捉部21及び矯正装置24を移動させるためのアクチュエータ22(図3参照)と、捕捉部21、アクチュエータ22及び矯正装置24を保持するヘッドボディ23と、を更に有している。すなわち、矯正装置24は、実装ヘッド2に設けられている。本実施形態に係る実装システム1では、1つのヘッドボディ23に、捕捉部21、アクチュエータ22及び矯正装置24を1つずつ保持している。
【0040】
捕捉部21は、例えば、吸着ノズルである。捕捉部21は、制御装置5にて制御され、第1部品81を捕捉(保持)する捕捉状態と、第1部品81を解放(捕捉を解除)する解放状態と、を切替可能である。ただし、捕捉部21は、吸着ノズルに限らず、例えば、ロボットハンドのように第1部品81を挟む(摘む)ことによって捕捉(保持)する構成であってもよい。
【0041】
捕捉部21による第1部品81の捕捉に関しては、実装ヘッド2は、動力としての空圧(真空)の供給を受けて動作する。つまり、実装ヘッド2は、捕捉部21に繋がる空圧(真空)の供給路上のバルブを開閉することによって、捕捉部21の捕捉状態と、解放状態と、を切り替える。
【0042】
アクチュエータ22は、捕捉部21及び矯正装置24をZ軸方向に直進移動させる。さらに、アクチュエータ22は、捕捉部21及び矯正装置24をZ軸方向に沿った軸線を中心とする回転方向(以下、「θ方向」という)に回転移動させる。本実施形態では一例として、Z軸方向への捕捉部21及び矯正装置24の移動に関しては、アクチュエータ22は、リニアモータで発生する駆動力にて駆動する。θ方向への捕捉部21及び矯正装置24の移動に関しては、アクチュエータ22は、回転型モータで発生する駆動力にて駆動する。一方で、後述するように、実装ヘッド2は、駆動装置4によりX軸方向及びY軸方向に直進移動する。結果的に、実装ヘッド2に含まれる捕捉部21及び矯正装置24は、駆動装置4及びアクチュエータ22によって、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びθ方向に移動することが可能である。本実施形態では、実装ヘッド2(のアクチュエータ22)及び駆動装置4により、矯正装置24を駆動する駆動装置が構成されている。
【0043】
ヘッドボディ23は、一例として、金属製であって、X軸方向に長い直方体状に形成されている。捕捉部21、アクチュエータ22及び矯正装置24がヘッドボディ23に組み付けられることによって、ヘッドボディ23は、捕捉部21、アクチュエータ22及び矯正装置24を保持する。本実施形態では、捕捉部21は、Z軸方向及びθ方向への移動が可能な状態で、アクチュエータ22を介してヘッドボディ23に間接的に保持される。また、本実施形態では、矯正装置24は、Z軸方向及びθ方向への移動が可能な状態で、アクチュエータ22を介してヘッドボディ23に間接的に保持される。実装ヘッド2は、ヘッドボディ23が駆動装置4にてX-Y平面内で移動させられることによって、X-Y平面内を移動する。
【0044】
矯正装置24は、図9に示すように、接触部材241を有している。接触部材241は、Z軸方向に沿って長尺な丸棒状に形成されている。図9では、接触部材241の先端部は、先端(下端)に近づくほど径が小さくなるような先細り形状である。なお、接触部材241は、Y軸方向に並ぶ2つの第2部品821,822間に差込可能な大きさ(径)であれば、先端部が先細り形状でなくてもよい。また、接触部材241は、丸棒状に限らず、例えば、角棒状であってもよいし、板状であってもよい。矯正装置24は、上述したように、アクチュエータ22によって、Z軸方向に直進移動可能であり、かつθ方向に回転可能である。
【0045】
矯正装置24は、主矯正処理と、副矯正処理と、を実行可能である。主矯正処理は、実装予定位置P1(図2参照)に対して第1部品81を実装可能なように、第1部品81との干渉を解消する方向に第2部品82を移動させる処理である。副矯正処理は、第2部品82を移動させた際に第2部品82が第3部品83に干渉しないように、第2部品82との干渉を解消する方向に第3部品83を移動させる処理である。第3部品83は、第2部品82と同じ実装済み部品であって、Y軸方向において第2部品82に対して実装予定位置P1側とは反対側に実装されている(図4参照)。図4では、複数の第2部品821,822のうち一方の第2部品821に対して実装予定位置P1側とは反対側に第3部品831が実装されており、他方の第2部品822に対して実装予定位置P1側とは反対側に第3部品832が実装されている。本実施形態では、主矯正処理が、第2部品82を移動させる矯正処理に相当する。このように、矯正装置24は、第2部品82を移動させる矯正処理を実行可能である。
【0046】
上述した構成によれば、実装ヘッド2は、捕捉部21にて第1部品81を捕捉した状態で、捕捉部21を基板91に近づけるように移動させ、第1部品81を基板91の実装面911に実装することが可能となる。つまり、実装ヘッド2は、捕捉部21を、少なくとも、基板91に近づけた下限位置と、下限位置に比較して基板91から離れた上限位置と、の間で移動させる。要するに、実装ヘッド2は、第1部品81を捕捉した状態の捕捉部21を、上限位置から下限位置に移動させることで、第1部品81を基板91の実装面911に実装する。
【0047】
また、実装ヘッド2は、基板91の実装面911に既に実装されている第2部品82及び第3部品83を、矯正装置24によって基板91の実装面911に沿って水平方向に移動させることが可能となる。より詳細には、実装ヘッド2は、矯正装置24の接触部材241を第2部品82の側面に接触させた状態で、基板91の実装面911に沿って矯正装置24を水平方向に移動させることにより、基板91の実装面911に沿って第2部品82を移動させることが可能となる。これにより、第1部品81との干渉を解消する方向に第2部品82を移動させることが可能となる。また、実装ヘッド2は、矯正装置24の接触部材241を第3部品83の側面に接触させた状態で、基板91の実装面911に沿って矯正装置24を水平方向に移動させることにより、基板91の実装面911に沿って第3部品83を移動させることが可能となる。これにより、第2部品82との干渉を解消する方向に第3部品83を移動させることが可能となる。
【0048】
(2.2.2)撮像装置
本実施形態では、実装システム1は、複数(図示例では2つ)の撮像装置3を備えている。以下、複数の撮像装置3を区別する場合には、複数の撮像装置3の一方を「第1撮像装置3A」、他方を「第2撮像装置3B」と称する。
【0049】
複数の撮像装置3は、図2に示すように、実装ヘッド2に設けられている。各撮像装置3は、撮像素子31と、光学系32と、を有している。各撮像装置3は、例えば、動画を撮像するビデオカメラである。本実施形態では図8に示すように、複数の撮像装置3は、基板91の実装面911のうち、捕捉部21の移動方向(基板91に近づく方向)において捕捉部21と対向する領域を含む撮像領域R1を撮像する。要するに、複数の撮像装置3は、第2部品82が既に実装されている対象物9(基板91)を撮像する。複数の撮像装置3の撮像画像には、第1部品81の実装予定位置P1、第2部品821,822及び第3部品831,832が含まれる。
【0050】
撮像素子31は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)のようなイメージセンサである。撮像素子31は、受光面に結像した画像を電気信号に変換して出力する。
【0051】
光学系32は、1つ以上のレンズ及びミラー等を含んでいる。本実施形態では一例として、光学系32は、複数のレンズの組み合わせ(レンズ群)にて実現される。光学系32は、図8に示すような撮像領域R1からの光を撮像素子31の受光面に結像させる。なお、光学系32は、上記の構成に限定されない。
【0052】
複数の撮像装置3は、実装ヘッド2のヘッドボディ23に保持されることにより、実装ヘッド2に固定されている。本実施形態では、複数の撮像装置3は、ヘッドボディ23の下面、つまりヘッドボディ23のうち基板91との対向面に固定されることで、ヘッドボディ23に保持されている。また、ヘッドボディ23の下面には、捕捉部21が配置されており、捕捉部21及び複数の撮像装置3は、X軸方向において横並びに配置されている。より詳細には、複数の撮像装置3は、X軸方向において捕捉部21の両側に配置されている。
【0053】
第1撮像装置3Aは、図8図14に示すように、基板91の実装面911の垂線(Z軸に沿った直線)に平行な撮像光軸Ax1を有している。また、第2撮像装置3Bは、図8図14に示すように、基板91の実装面911の垂線(Z軸に沿った直線)に平行な撮像光軸Ax2を有している。つまり、第1撮像装置3Aは、その撮像光軸Ax1が実装面911の垂線に対して平行となるような姿勢でヘッドボディ23に固定されている。また、第2撮像装置3Bは、その撮像光軸Ax2が実装面911の垂線に対して平行となるような姿勢でヘッドボディ23に固定されている。これにより、第1撮像装置3A及び第2撮像装置3Bは、捕捉部21が実装予定位置P1の上方に位置している状態で、捕捉部21の移動方向において捕捉部21と対向する領域を含む撮像領域R1を撮像可能である。
【0054】
また、複数の撮像装置3は、基板91の上方に位置しているときに、撮像領域R1とは別に、基板91の全体を撮像することが好ましい。この場合、制御装置5は、基板91の全体が写った全体画像を用いて、基板91の寸法ばらつきに基づく実装予定位置P1の補正が可能になる。また、基板91の全体画像は、撮像装置3以外のカメラによって撮像されてもよい。
【0055】
(2.2.3)駆動装置
駆動装置4は、実装ヘッド2を移動させる装置である。本実施形態では、駆動装置4は、X-Y平面内で、実装ヘッド2を移動させる。ここでいう「X-Y平面」は、X軸及びY軸を含む平面であって、Z軸と直交する平面である。言い換えると、駆動装置4は、実装ヘッド2をX軸方向及びY軸方向に移動させる。本実施形態では、複数の撮像装置3が実装ヘッド2に固定されているため、駆動装置4は、複数の撮像装置3についても実装ヘッド2と共にX軸方向及びY軸方向に移動させる。言い換えると、駆動装置4は、実装ヘッド2及び複数の撮像装置3を、X-Y平面内で移動させる。図1において、実装ヘッド2及び複数の撮像装置3は、駆動装置4によって、部品供給装置63の部品供給口63aの上方と、搬送装置62の実装スペースに位置決めされている基板91の上方との間を移動する。
【0056】
具体的には、駆動装置4は、図2に示すように、X軸駆動部41と、Y軸駆動部42と、を有している。X軸駆動部41は、実装ヘッド2をX軸方向に直進移動させる。Y軸駆動部42は、実装ヘッド2をY軸方向に直進移動させる。Y軸駆動部42は、実装ヘッド2を、X軸駆動部41ごとY軸に沿って移動させることで、実装ヘッド2をY軸方向に直進移動させる。本実施形態では一例として、X軸駆動部41及びY軸駆動部42の各々は、リニアモータを含み、電力供給を受けてリニアモータで発生する駆動力により、実装ヘッド2を移動させる。
【0057】
ここで、実装ヘッド2は、上述したように、矯正装置24を有している。したがって、駆動装置4は、矯正装置24を駆動する駆動装置でもある。
【0058】
(2.2.4)制御装置
制御装置5は、実装システム1の各部を制御する。制御装置5は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムにより実現され得る。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、制御装置5(判定装置51を含む)として機能する。プログラムは、ここでは制御装置5のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0059】
制御装置5は、例えば、実装ヘッド2、複数の撮像装置3、駆動装置4、部品供給装置63、搬送装置62及び固定カメラ7の各々と電気的に接続されている。制御装置5は、実装ヘッド2及び駆動装置4に制御信号を出力し、捕捉部21にて捕捉した第1部品81を基板91の実装面911に実装するように、実装ヘッド2及び駆動装置4を制御する。また、制御装置5は、実装ヘッド2及び駆動装置4に制御信号を出力し、矯正装置24が矯正処理を実行可能なように、実装ヘッド2及び駆動装置4を制御する。要するに、本実施形態では、実装ヘッド2及び駆動装置4により、矯正装置24を駆動する駆動装置が構成されている。さらに、制御装置5は、複数の撮像装置3及び固定カメラ7に制御信号を出力し、複数の撮像装置3及び固定カメラ7を制御したり、複数の撮像装置3及び固定カメラ7の各々で撮像された画像を、複数の撮像装置3及び固定カメラ7の各々から取得したりする。
【0060】
制御装置5は、図1及び図3に示すように、判定装置51を有している。判定装置51は、複数の撮像装置3の撮像結果に基づいて、第1部品81が第2部品82に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能である。判定処理は、第1判定処理と、第2判定処理と、を含む。第1判定処理は、実装予定位置P1に対して第1部品81を実装可能であるか否かを判定する処理(図7の第1判定工程S5参照)である。第2判定処理は、第1判定処理において第1部品81を実装できないと判定した場合に、第2部品82を移動可能であるか否かを判定する処理(図7の第2判定工程S7参照)である。
【0061】
判定装置51は、複数の撮像装置3の撮像結果に基づいて、第1判定処理及び第2判定処理(判定処理)を実行する。より詳細には、判定装置51は、第1判定処理において、複数の撮像装置3の撮像結果に基づいて、基板91の実装面911における実装予定位置P1の位置情報及び第2部品82の位置情報を取得し、これらの情報に基づいて、実装予定位置P1と第2部品821における実装予定位置P1側の端面との間の寸法Ys1、及び実装予定位置P1と第2部品822における実装予定位置P1側の端面との間の寸法Ys2を計測する(図8参照)。そして、判定装置51は、寸法Ys1が基準値以上であれば、第1部品81が第2部品821に干渉しないと判定し、基準値未満であれば、第1部品81が第2部品821に干渉すると判定する。また、判定装置51は、寸法Ys2が基準値以上であれば、第1部品81が第2部品822に干渉しないと判定し、基準値未満であれば、第1部品81が第2部品822に干渉すると判定する。また、判定装置51は、第1部品81が第2部品82に接触しない(平面視で重ならない)場合であっても、実装予定位置P1に第1部品81を実装した場合における第1部品81と第2部品82との間の隙間G1(図5参照)の寸法Yg1(図5参照)が閾値以下であれば、第1部品81が第2部品82に干渉すると判定する。判定装置51により第1部品81が第2部品82に干渉すると判定された場合、制御装置5は、第2部品82の移動量を算出する。そして、矯正装置24は、主矯正処理において、制御装置5により算出された移動量だけ第2部品82を移動させる。
【0062】
また、判定装置51は、第2判定処理において、複数の撮像装置3の撮像結果に基づいて、基板91の実装面911における第3部品83の位置情報を更に取得し、第2部品82の位置情報及び第3部品83の位置情報に基づいて、第2部品82と第3部品83との間の隙間寸法を計測する。そして、判定装置51は、制御装置5により算出された第2部品82の移動量と上記隙間寸法とを比較し、第2部品82の移動量が上記隙間寸法よりも大きければ、第2部品82が第3部品83に干渉すると判定し、小さければ、第2部品82が第3部品83に干渉しないと判定する。判定装置51により第2部品82が第3部品83に干渉すると判定された場合、制御装置5は、第3部品83の移動量を算出する。そして、矯正装置24は、副矯正処理において、制御装置5により算出された移動量だけ第3部品83を移動させる。すなわち、判定装置51は、判定処理(第2判定処理)において、矯正装置24により第2部品82を移動させた場合の第2部品82が、第2部品82に隣接して実装されている第3部品83に干渉するか否かを更に判定する。
【0063】
また、判定装置51は、判定処理に加えて、再判定処理を実行する。再判定処理は、矯正装置24により第2部品82を移動させた後に複数の撮像装置3により撮像された撮像画像に基づいて、第1部品81が第2部品82に干渉するか否かを判定する処理である。より詳細には、判定装置51は、再判定処理において、複数の撮像装置3の撮像結果に基づいて、基板91の実装面911における実装予定位置P1の位置情報及び第2部品82の位置情報を取得し、これらの位置情報に基づいて、実装予定位置P1と第2部品821における実装予定位置P1側の端面との間の寸法Ys1、及び実装予定位置P1と第2部品822における実装予定位置P1側の端面との間の寸法Ys2を計測する(図8参照)。そして、判定装置51は、寸法Ys1が基準値以上であれば、第1部品81が第2部品821に干渉しないと判定し、基準値未満であれば、第1部品81が第2部品821に干渉すると判定する。また、判定装置51は、寸法Ys2が基準値以上であれば、第1部品81が第2部品822に干渉しないと判定し、基準値未満であれば、第1部品81が第2部品822に干渉すると判定する。また、判定装置51は、再判定処理において、第1部品81が第2部品82に接触しない(平面視で重ならない)場合であっても、実装予定位置P1に第1部品81を実装したと仮定した場合における第1部品81と第2部品82との間の隙間G1(図5参照)の寸法Yg1(図5参照)が閾値以下であれば、第1部品81が第2部品82に干渉すると判定する。
【0064】
制御装置5は、判定装置51により第1部品81が第2部品82に干渉すると判定された場合、矯正装置24に主矯正処理を実行させる。このとき、矯正装置24は、制御装置5により算出された移動量だけ第2部品82を移動させる。言い換えると、制御装置5は、複数の撮像装置3の撮像結果に基づく第2部品82の位置情報に基づいて、矯正装置24により第1部品81との干渉が解消する方向(実装予定位置P1から離れる方向)に第2部品82を移動させる。
【0065】
また、制御装置5は、判定装置51により第2部品82が第3部品83に干渉すると判定された場合、矯正装置24により副矯正処理を実行させる。このとき、矯正装置24は、制御装置5により算出された移動量だけ第3部品83を移動させる。言い換えると、制御装置5は、複数の撮像装置3の撮像結果に基づく第2部品82及び第3部品83の位置情報に基づいて、矯正装置24により第2部品82との干渉を解消する方向(第2部品82から離れる方向)に第3部品83を移動させる。
【0066】
本実施形態では、矯正装置24、駆動装置(アクチュエータ22、駆動装置4)及び制御装置5により矯正システム10が構成されている。すなわち、矯正システム10は、矯正装置24と、駆動装置と、制御装置5と、を備える。矯正装置24は、対象物9の実装面911上の実装予定位置P1に実装される第1部品81が、対象物9の実装面911上に既に実装されている第2部品82に干渉する場合に、第2部品82を移動させる矯正処理を実行可能である。駆動装置は、矯正装置24を駆動する。制御装置5は、矯正装置24が矯正処理を実行可能なように駆動装置を制御する。なお、本実施形態では、判定装置51が制御装置5に含まれており、判定装置51も矯正システム10を構成しているが、判定装置51は矯正システム10に含まれていなくてもよい。
【0067】
(2.2.5)部品供給装置
部品供給装置63は、実装ヘッド2の捕捉部21にて捕捉される第1部品81を供給する。部品供給装置63は、一例として、キャリアテープに収容された第1部品81を供給するテープフィーダを有している。または、部品供給装置63は、複数の第1部品81が載せ置かれたトレイを有していてもよい。実装ヘッド2は、このような部品供給装置63から、第1部品81を捕捉部21にて捕捉する。なお、部品供給装置63は、テープフィーダとトレイとの両方を有していてもよい。
【0068】
(2.2.6)搬送装置
搬送装置62は、対象物9としての基板91を搬送する装置である。搬送装置62は、例えば、ベルトコンベヤ等で実現される。搬送装置62は、基板91を、例えば、X軸に沿って搬送する。搬送装置62は、少なくとも実装ヘッド2の下方、つまりZ軸方向において捕捉部21と対向する実装スペースに、基板91を搬送する。そして、搬送装置62は、実装ヘッド2による基板91への第1部品81の実装が完了するまでは、実装スペースに基板91を停止させる。
【0069】
(2.2.7)固定カメラ
固定カメラ(部品認識カメラ)7は、部品供給装置63の部品供給口63aの上方と、実装スペースに位置決めされている基板91の上方と、の間を移動している実装ヘッド2を下方から撮像する。したがって、固定カメラ7の撮像画像には、捕捉部21に捕捉されている第1部品81が写っている。すなわち、固定カメラ7の撮像画像には、捕捉部21と第1部品81との相互の位置関係の情報、言い換えると捕捉部21に対する第1部品81のずれの情報が含まれている。
【0070】
なお、固定カメラ7は、部品供給口63aから基板91に移動している実装ヘッド2を下方から撮像することが好ましい。この場合、固定カメラ7は、常時撮像するのではなく、第1部品81を捕捉している捕捉部21が固定カメラ7の上方を通過するタイミングで撮像する。
【0071】
また、固定カメラ7は、部品供給口63aの下方に設置されてもよい。また、実装システム1は、固定カメラ7の撮像領域を照明する照明装置を更に備えていてもよい。
【0072】
(2.2.8)その他
実装システム1は、実装ヘッド2、複数の撮像装置3、駆動装置4、制御装置5、部品供給装置63、搬送装置62及び固定カメラ7の他、バックアップ装置、照明装置及び通信部等を備えていてもよい。
【0073】
バックアップ装置は、搬送装置62によって実装スペースに搬送された基板91をバックアップする。つまり、搬送装置62によって実装スペースに搬送された基板91は、バックアップ装置にて、実装スペースに保持される。
【0074】
照明装置は、撮像装置3の撮像領域R1(図8参照)を照明する。照明装置は、少なくとも撮像装置3が撮像するタイミングで点灯すればよく、例えば、撮像装置3の撮像タイミングに合わせて発光する。本実施形態では、撮像装置3の撮像画像は、フルカラーの動画であるので、照明装置は、白色光等の可視光領域の波長域の光を出力する。本実施形態では一例として、照明装置は、LED(Light Emitting Diode)等の光源を複数有している。照明装置は、これら複数の光源を発光させることで、撮像装置3の撮像領域R1を照らす。照明装置は、例えば、リング照明又は同軸落射照明等の適宜の照明方式にて実現される。照明装置は、例えば、撮像装置3と共に実装ヘッド2に固定されている。
【0075】
通信部は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、上位システムと通信するように構成されている。これにより、実装システム1は、上位システムとの間でデータを授受することが可能である。
【0076】
(3)実装方法
次に、本実施形態に係る実装方法について、図7を参照して説明する。
【0077】
本実施形態に係る実装方法は、実装システム1に用いられる実装方法である。実装システム1は、実装ヘッド2と、撮像装置3と、判定装置51と、矯正装置24と、駆動装置(アクチュエータ22、駆動装置4)と、制御装置5と、を備える。実装ヘッド2は、第1部品81を捕捉可能な捕捉部21を対象物9に向けて移動可能に有し、第1部品81を対象物9の実装面911上の実装予定位置P1に実装する。撮像装置3は、第2部品82が既に実装されている対象物9を撮像する。判定装置51は、撮像装置3の撮像結果に基づいて、第1部品81が第2部品82に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能である。矯正装置24は、第2部品82を移動させる矯正処理を実行可能である。駆動装置は、矯正装置24を駆動する。制御装置5は、矯正装置24が矯正処理を実行可能なように駆動装置を制御する。実装方法は、制御ステップを有する。制御ステップは、判定装置51により第1部品81が干渉すると判定された第2部品82を矯正装置24により移動させるステップである。
【0078】
すなわち、本実施形態に係る実装方法は、本実施形態に係る実装システム1に用いられる実装方法である。この実装方法では、判定装置51により第1部品81が干渉すると判定された第2部品82を矯正装置24により移動させている。そのため、対象物9の実装面911の実装予定位置P1に第1部品81を実装する際に、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制することが可能となる。その結果、第1部品81が実装される対象物9の不良率を低減することが可能となり、対象物9の歩留まり率を向上させることが可能となる。
【0079】
図7は、本実施形態に係る実装方法を含む、実装システム1の全体動作を表すフローチャートである。実装方法は、図7に示すS1~S12の各工程を含む。
【0080】
まず、制御装置5は、実装ヘッド2のアクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、部品供給口63aの第1部品81を捕捉部21に捕捉させる(捕捉工程S1)。
【0081】
次に、制御装置5は、駆動装置4を制御することにより、実装ヘッド2をX軸方向及びY軸方向に移動させて、捕捉部21を実装予定位置P1の上方に移動させる(移動工程S2)。具体的には、制御装置5は、X軸駆動部41にて実装ヘッド2をX軸方向に直進移動させ、かつY軸駆動部42にて実装ヘッド2をY軸方向に直進移動させる。このとき、制御装置5は、捕捉部21に捕捉されている第1部品81のXY座標と、実装予定位置P1のXY座標とが一致するように、実装ヘッド2をX軸方向及びY軸方向に移動させる。なお、第1部品81のXY座標は、Z軸方向からの平面視における第1部品81の中心のXY座標に対応する。
【0082】
図8に示すように、第1部品81のXY座標が実装予定位置P1のXY座標に一致する位置に実装ヘッド2が到達すると、制御装置5は、アクチュエータ22を制御することにより、上限位置から下限位置に向かって捕捉部21を下降させる。そして、制御装置5は、複数の撮像装置3を起動し、複数の撮像装置3は、捕捉部21が上限位置から下限位置に向かう途中で撮像領域R1を撮像する(第1撮像工程S3)。本実施形態では、複数の撮像装置3の撮像画像に、第1部品81の実装予定位置P1、及び基板91の実装面911に既に実装されている実装済み部品(第2部品82及び第3部品83)が含まれている。
【0083】
なお、第1撮像工程S3における複数の撮像装置3の撮像タイミングは、捕捉部21が上限位置に位置しているときでもよい。また、第1撮像工程S3における複数の撮像装置3の撮像タイミングは、第1部品81のXY座標が実装予定位置P1のXY座標に一致する位置に実装ヘッド2が到達する前であってもよい。
【0084】
次に、制御装置5は、複数の撮像装置3による基板91の全体画像及び固定カメラ7の撮像画像に基づいて、実装予定位置P1のXY座標の補正処理を行う(補正工程S4)。制御装置5は、基板91の全体画像から基板91の寸法ばらつきを測定し、基板91の寸法ばらつきに基づいて、実装予定位置P1のXY座標を補正する。また、制御装置5は、固定カメラ7の撮像画像から捕捉部21の中心に対する第1部品81のずれ量を測定し、ずれ量に基づいて実装予定位置P1のXY座標を補正する。
【0085】
制御装置5は、補正工程S4が完了すると、補正後の実装予定位置P1を用いて第1部品81を実装したときに、第1部品81が基板91の実装面911に既に実装されている第2部品82に干渉するか否かを判定する判定処理を判定装置51に実行させる。判定装置51は、第1判定処理において、補正後の実装予定位置P1に第1部品81を実装可能であるか否かを判定する(第1判定工程S5)。第1判定工程S5において、判定装置51により第1部品81が実装可能であると判定された場合、制御装置5は、アクチュエータ22を制御することにより、補正後の実装予定位置P1に第1部品81を実装する(実装工程S6)。第1判定工程S5において、判定装置51により第1部品81が実装可能でないと判定された場合、判定装置51は、第2判定処理を実行する。
【0086】
判定装置51は、第2判定処理において、第2部品82を移動可能であるか否かを判定する(第2判定工程S7)。第2判定工程S7において、判定装置51により第2部品82を移動可能であると判定された場合、制御装置5は、矯正装置24に主矯正処理を実行させる(主矯正工程S9)。主矯正工程S9において、制御装置5は、アクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、矯正装置24にて第1部品81との干渉が解消する方向に第2部品82を移動させる。また、第2判定工程S7において、判定装置51により第2部品82を移動可能でないと判定された場合、制御装置5は、矯正装置24により副矯正処理を実行させる(副矯正工程S8)。副矯正工程S8において、制御装置5は、アクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、矯正装置24にて第2部品82との干渉が解消する方向に第3部品83を移動させる。その後、主矯正工程S9において、制御装置5は、アクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、矯正装置24にて第1部品81との干渉が解消する方向に第2部品82を移動させる。要するに、制御装置5は、判定装置51により第2部品82が干渉すると判定された第3部品83を矯正装置24により移動させた後、第2部品82を矯正装置24により移動させる。この場合において、制御装置5は、矯正装置24により第2部品82との干渉が解消する方向に第3部品83を移動させた後、矯正装置24により第1部品81との干渉が解消する方向に第2部品82を移動させる。
【0087】
次に、制御装置5は、複数の撮像装置3を起動し、複数の撮像装置3は、撮像領域R1を撮像する(第2撮像工程S10)。判定装置51は、複数の撮像装置3による撮像領域R1の撮像画像に基づいて、再判定処理を実行する(再判定工程S11)。再判定工程S11において、判定装置51は、第1部品81が第2部品82に干渉するか否かを判定する。判定装置51により第1部品81が第2部品82に干渉し、実装予定位置P1に第1部品81を実装可能でないと判定された場合、制御装置5は、第2部品82を移動可能であるか否かを判定する(第2判定工程S7)。第2判定工程S7において、判定装置51により第2部品82を移動可能であると判定された場合、制御装置5は、矯正装置24に主矯正処理を実行させる(主矯正工程S9)。判定装置51により第1部品81が第2部品82に干渉せず、第1部品81を実装可能であると判定された場合、制御装置5は、アクチュエータ22を制御することにより、補正後の実装予定位置P1に第1部品81を実装する(実装工程S12)。
【0088】
ここで、制御装置5は、再判定工程S11において補正後の実装予定位置P1に第1部品81を実装可能であると判定された場合に、2つの第2部品821,822の各々と第1部品81との間の隙間が等しくなるように、実装予定位置P1を更に補正してもよい。
【0089】
なお、制御装置5は、判定装置51により実装予定位置P1に第1部品81を実装可能でないと判定された場合に、第2部品82を移動可能であるか否かの判定(第2判定工程S7)をスキップして、矯正装置24に主矯正処理を実行させてもよい(主矯正工程S9)。
【0090】
(4)矯正処理
次に、矯正装置24による矯正処理について、図8図14を参照して説明する。
【0091】
図8では、Y軸方向において実装予定位置P1の両側に位置している2つの第2部品821,822が基準位置に対して実装予定位置P1側にずれており、捕捉部21に捕捉されている第1部品81を実装予定位置P1に実装しようとした場合に、第1部品81が2つの第2部品821,822に干渉する。したがって、制御装置5は、矯正装置24に矯正処理(主矯正処理)を実行させる。制御装置5は、実装ヘッド2のアクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、矯正装置24を実装予定位置P1の上方に移動させると共に、基板91の実装面911に向けて矯正装置24を下降させる(図9参照)。
【0092】
次に、制御装置5は、駆動装置4を制御することにより、Y軸方向において実装予定位置P1から離れる方向(図10の右側)に矯正装置24を移動させて、矯正装置24からの押圧力により実装予定位置P1から離れる向きに第2部品821を移動させる(図10参照)。さらに、制御装置5は、駆動装置4を制御することにより、Y軸方向において反対側(図11の左側)に矯正装置24を移動させて、矯正装置24からの押圧力により実装予定位置P1から離れる向きに第2部品822を移動させる(図11参照)。これにより、図12に示すように、第1部品81が干渉しない位置まで2つの第2部品821,822を移動させた状態になる。
【0093】
そして、制御装置5は、アクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、矯正装置24を上昇させて元の高さ位置(矯正装置24の上限位置)に移動させた後、第1部品81を捕捉している捕捉部21を実装予定位置P1の上方に移動させる(図12参照)。さらに、制御装置5は、アクチュエータ22を制御することにより、第1部品81を捕捉している捕捉部21を下降させて、実装予定位置P1に第1部品81を実装する(図13参照)。制御装置5は、実装予定位置P1に第1部品81を実装した後、捕捉部21による第1部品81の補足状態を解除する。そして、制御装置5は、アクチュエータ22を制御することにより、捕捉部21を上限位置まで移動(上昇)させる(図14参照)。
【0094】
なお、矯正装置24による副矯正処理については、上述の主矯正処理と同様の手順で実行されるため、ここでは副矯正処理の説明を省略する。
【0095】
(5)効果
本実施形態に係る実装システム1では、判定装置51により第1部品81が第2部品82に干渉すると判定された場合、矯正装置24により第1部品81との干渉を解消する方向に第2部品82を移動させている。これにより、第1部品81を実装予定位置P1に実装する際に、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制することが可能となる。その結果、第1部品81が実装される対象物9(基板91)の不良率を低減することが可能となり、対象物9の歩留まり率を向上させることが可能となる。
【0096】
また、本実施形態に係る実装システム1では、判定装置51は、実装予定位置P1に第1部品81を実装した場合の第1部品81と、実装予定位置P1に隣接して実装されている第2部品82との間の隙間G1の寸法(隙間寸法)Yg1が閾値以下である場合に、第1部品81が第2部品82に干渉すると判定している。これにより、第1部品81と第2部品82との干渉を更に抑制することが可能となる。その結果、対象物9の歩留まり率を更に向上させることが可能となる。
【0097】
また、本実施形態に係る実装システム1では、矯正装置24は実装ヘッド2に設けられている。これにより、矯正装置24が実装ヘッド2以外に設けられている場合に比べて、作業時間を短縮することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態に係る実装システム1では、判定装置51は、矯正装置24により第2部品82を移動させた後に、複数の撮像装置3にて撮像された撮像画像に基づいて、第1部品81が第2部品82に干渉するか否かを判定する再判定処理を実行している。これにより、第1部品81と第2部品82との干渉を更に抑制することが可能となる。
【0099】
また、本実施形態に係る実装システム1では、判定装置51は、判定処理において、矯正装置24により第2部品82を移動させた場合の第2部品82が、第2部品82に隣接して実装されている第3部品83に干渉するか否かを更に判定している(第2判定処理)。そして、制御装置5は、判定装置51により第2部品82が第3部品83に干渉すると判定された場合、第3部品83を矯正装置24により移動させた後、第2部品82を矯正装置24により移動させている。これにより、第1部品81と実装済み部品(第2部品82及び第3部品83)との干渉が広範囲にわたる場合でも、第1部品81と実装済み部品との干渉を抑制することが可能となる。
【0100】
また、本実施形態に係る実装システム1では、複数の撮像装置3は、実装ヘッド2に設けられている。そして、複数の撮像装置3は、基板91の実装面911のうち捕捉部21の移動方向において捕捉部21と対向する領域を含む撮像領域R1を撮像している。これにより、第1部品81の吸着、第1部品81の移動、第1部品81の実装という一連の動作の中で判定装置51による判定処理を実行することができ、複数の撮像装置3の撮像処理のための実装ヘッド2の移動回数を減らすことが可能となる。その結果、生産時間を短縮することが可能となる。
【0101】
(6)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上述の実施形態に係る実装方法と同様の機能は、実装システム1、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0102】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0103】
(6.1)変形例1
変形例1に係る実装システム1について、図15を参照して説明する。
【0104】
変形例1に係る実装システム1は、図15に示すように、捕捉部21が矯正装置24として兼用される点で、上述の実施形態に係る実装システム1と相違する。なお、変形例1に係る実装システム1に関し、上述の実施形態に係る実装システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0105】
変形例1に係る実装システム1では、実装ヘッド2は、複数(図示例では1つのみ図示)の捕捉部21を有している。そして、変形例1に係る実装システム1では、複数の捕捉部21のうち第1部品81を保持していない1つの捕捉部21が矯正装置24として兼用される。すなわち、矯正装置24は、複数の捕捉部21のうち第1部品81を保持していない捕捉部21を含む。
【0106】
変形例1に係る実装システム1では、判定装置51により第1部品81が第2部品82に干渉すると判定された場合、制御装置5は、実装ヘッド2のアクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、矯正装置24としての捕捉部21により第1部品81との干渉を解消する方向に第2部品82を移動させる。その後、制御装置5は、アクチュエータ22及び駆動装置4を制御することにより、第1部品81を捕捉した捕捉部21を実装予定位置P1の上方に移動させて、第1部品81を実装予定位置P1に実装する。
【0107】
変形例1に係る実装システム1では、複数の捕捉部21のうち第1部品81を保持していない捕捉部21が矯正装置24として兼用されている。これにより、捕捉部21とは別に矯正装置24を設けなくてもよく、実装システム1の大型化を抑制することが可能となる。また、変形例1に係る実装システム1では、上述の実施形態に係る実装システム1と同様、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制することが可能となる。要するに、変形例1に係る実装システム1によれば、実装システム1の大型化を抑制しつつ、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制することが可能となる。
【0108】
なお、変形例1に係る実装システム1では、1つの捕捉部21が矯正装置24として兼用されているが、2つ以上の捕捉部21が矯正装置24として兼用されてもよい。
【0109】
(6.2)変形例2
変形例2に係る実装システム1について、図16A図16Cを参照して説明する。
【0110】
変形例2に係る実装システム1は、図16A図16Cに示すように、捕捉部21及び捕捉部21に捕捉されている第1部品81が矯正装置24として兼用される点で、上述の実施形態に係る実装システム1と相違する。なお、変形例2に係る実装システム1に関し、上述の実施形態に係る実装システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0111】
変形例2に係る実装システム1では、図16A~16Cに示すように、複数の第2部品821,822の各々の長さ方向がY軸方向(図16A図16Cの左右方向)に沿うようにして、複数の第2部品821,822が基板91の実装面911に実装されている場合を想定する。また、複数の第2部品821,822間の隙間が、第1部品81の幅より広く、かつ第1部品81の長さより狭い場合を想定する。
【0112】
変形例2に係る実装システム1では、実装ヘッド2は、複数(図示例では1つのみ図示)の捕捉部21を有している。そして、変形例2に係る実装システム1では、複数の捕捉部21のうち第1部品81を保持している捕捉部21及び捕捉部21に保持されている第1部品81が矯正装置24として兼用される。
【0113】
変形例2に係る実装システム1では、上述したように、複数の第2部品821,822間の隙間は第1部品81の長さより狭いため、長さがY軸方向に沿っている第1部品81を上記隙間に差し込むことができない。したがって、制御装置5は、実装ヘッド2のアクチュエータ22を制御することにより、第1部品81を保持している捕捉部21を90度回転させる。これにより、第1部品81の向きが90度回転し、第1部品81の幅がY軸方向に沿う(図16A参照)。上述したように、複数の第2部品821,822間の隙間は第1部品81の幅より広いため、複数の第2部品821,822間の隙間に第1部品81を差し込むことが可能となる。
【0114】
次に、制御装置5は、駆動装置4を制御することにより、第1部品81を保持している捕捉部21をY軸方向に移動させて、第1部品81からの押圧力で実装予定位置P1から離れる方向に複数の第2部品821,822を移動させる(図16B参照)。これにより、複数の第2部品821,822間に、第1部品81を実装するためのスペースを確保することが可能となる(図16C参照)。
【0115】
次に、制御装置5は、アクチュエータ22を制御することにより、第1部品81を保持している捕捉部21を90度回転させる。これにより、第1部品81の向きが90度回転する(図16C参照)。そして、制御装置5は、アクチュエータ22を制御することにより、基板91の実装面911に第1部品81を実装する。
【0116】
変形例2に係る実装システム1では、捕捉部21及び捕捉部21に保持されている第1部品81が矯正装置24として兼用されている。これにより、第1部品81を保持していない捕捉部21が矯正装置24として兼用される場合に比べて、第1部品81を保持している捕捉部21と第1部品81を保持していない捕捉部21との入替作業が不要になり、その結果、第1部品81の実装に要する作業時間を短縮することが可能となる。また、変形例2に係る実装システム1では、上述の実施形態に係る実装システム1と同様、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制することが可能となる。要するに、変形例2に係る実装システム1によれば、第1部品81の実装に要する作業時間を短縮しつつ、第1部品81と第2部品82との干渉を抑制することが可能となる。
【0117】
(6.3)その他の変形例
以下、その他の変形例を列挙する。
【0118】
本開示における実装システム1は、例えば、制御装置5に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における実装システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。更に、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0119】
また、実装システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは実装システム1に必須の構成ではない。実装システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、実装システム1の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0120】
反対に、上述の実施形態において、複数の装置に分散されている実装システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、実装ヘッド2と制御装置5とに分散されている一部の機能が、全て実装ヘッド2に集約されてもよい。
【0121】
実装システム1の用途は、工場での電子機器の製造に限らない。例えば、ガラス板への機械部品の実装に実装システム1が用いられる場合、実装システム1は、対象物であるガラス板に対して、第1部品である機械部品を実装する作業を行う。
【0122】
上述の実施形態では、撮像装置3の撮像光軸(Ax1,Ax2)は、基板91の実装面911の垂線に平行であるが、撮像装置3の撮像光軸は、例えば、基板91の実装面911の垂線に対して傾斜していてもよい。すなわち、撮像装置3は、基板91の実装面911に対して斜め方向から撮像するように構成されていてもよい。また、上述の実施形態では、実装システム1は、複数の撮像装置3を備えているが、実装システム1は、例えば、1つの撮像装置3を備えていてもよい。
【0123】
上述の実施形態では、複数の撮像装置3の各々の撮像方向が固定されているが、例えば、複数の撮像装置3の少なくとも1つが実装ヘッド2に対して回転するように構成されていてもよい。この場合、制御装置5は、複数の撮像装置3のうち回転可能に構成された撮像装置3の回転角を考慮して、実装ヘッド2のアクチュエータ22及び駆動装置4を制御する。
【0124】
上述の実施形態では、複数の撮像装置3は、実装ヘッド2に設けられているが、複数の撮像装置3は、例えば、基台61等に固定されていてもよい。この場合においても、複数の撮像装置3は、撮像領域R1(図8参照)を撮像可能なように配置されていることが好ましい。
【0125】
上述の実施形態では、矯正装置24が実装ヘッド2に設けられているが、矯正装置24は、実装ヘッド2以外に設けられていてもよい。また、矯正装置24は、実装ヘッド2を備える実装装置(実装システム1)に限らず、例えば、実装装置とは別の装置に設けられていてもよい。
【0126】
上述の実施形態では、矯正システム10は、実装システム1に設けられているが、実装システム1以外に設けられていてもよい。例えば、第2部品82及び第3部品83を実装する実装工程の後で、かつ第1部品81を実装する実装工程の前に、第2部品82及び第3部品83の実装状態(位置ずれ等)を検査する検査工程が設けられている場合を想定する。この場合、検査工程を実行する検査システムに矯正装置24が設けられていてもよい。要するに、矯正装置24は、実装システム1に設けられる場合に限らず、検査システムに設けられていてもよいし、実装システム1及び検査システム以外のシステムに設けられていてもよい。
【0127】
(態様)
以上説明した実施形態及び変形例等から以下の態様が開示されている。
【0128】
第1の態様に係る実装システム(1)は、実装ヘッド(2)と、撮像装置(3)と、判定装置(51)と、矯正装置(24)と、駆動装置(アクチュエータ22、駆動装置4)と、制御装置(5)と、を備える。実装ヘッド(2)は、第1部品(81)を捕捉可能な捕捉部(21)を対象物(9)に向けて移動可能に有し、第1部品(81)を対象物(9)の実装面(911)上の実装予定位置(P1)に実装する。撮像装置(3)は、第2部品(82)が既に実装されている対象物(9)を撮像する。判定装置(51)は、撮像装置(3)の撮像結果に基づいて、第1部品(81)が第2部品(82)に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能である。矯正装置(24)は、第2部品(82)を移動させる矯正処理を実行可能である。駆動装置は、矯正装置(24)を駆動する。制御装置(5)は、矯正装置(24)が矯正処理を実行可能なように駆動装置を制御する。制御装置(5)は、判定装置(51)により第1部品(81)が干渉すると判定された第2部品(82)を矯正装置(24)により移動させる。
【0129】
この態様によれば、第1部品(81)と第2部品(82)との干渉を抑制することが可能となる。
【0130】
第2の態様に係る実装システム(1)では、第1の態様において、判定装置(51)は、実装予定位置(P1)に第1部品(81)を実装した場合の第1部品(81)と、実装予定位置(P1)に隣接して実装されている第2部品(82)と、の間の隙間(G1)の寸法(Yg1)が閾値以下である場合に、第1部品(81)が第2部品(82)に干渉すると判定する。
【0131】
この態様によれば、第1部品(81)と第2部品(82)との干渉を更に抑制することが可能となる。
【0132】
第3の態様に係る実装システム(1)では、第1又は第2の態様において、制御装置(5)は、撮像装置(3)の撮像結果に基づく第2部品(82)の位置情報に基づいて、矯正装置(24)により第1部品(81)との干渉を解消する方向に第2部品(82)を移動させる。
【0133】
この態様によれば、第1部品(81)と第2部品(82)との干渉を抑制することが可能となる。
【0134】
第4の態様に係る実装システム(1)では、第1~第3の態様において、矯正装置(24)は、実装ヘッド(2)に設けられている。
【0135】
この態様によれば、矯正装置(24)が実装ヘッド(2)以外に設けられている場合に比べて、作業時間を短縮することが可能となる。
【0136】
第5の態様に係る実装システム(1)では、第4の態様において、実装ヘッド(2)は、複数の捕捉部(21)を有する。矯正装置(24)は、複数の捕捉部(21)のうち第1部品(81)を保持していない捕捉部(21)を含む。
【0137】
この態様によれば、実装システム(1)の大型化を抑制しつつ、第1部品(81)と第2部品(82)との干渉を抑制することが可能となる。
【0138】
第6の態様に係る実装システム(1)では、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、撮像装置(3)は、実装ヘッド(2)に設けられ、対象物(9)の実装面(911)のうち捕捉部(21)の移動方向(対象物9に近づく方向)において捕捉部(21)と対向する領域を含む撮像領域(R1)を撮像する。
【0139】
この態様によれば、実装予定位置(P1)に対する第1部品(81)の実装精度を向上させることが可能となる。
【0140】
第7の態様に係る実装システム(1)では、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、判定装置(51)は、矯正装置(24)により第2部品(82)を移動させた後の撮像装置(3)の撮像結果に基づいて、第1部品(81)が第2部品(82)に干渉するか否かを判定する再判定処理を実行する。
【0141】
この態様によれば、第1部品(81)と第2部品(82)との干渉を更に抑制することが可能となる。
【0142】
第8の態様に係る実装システム(1)では、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、判定装置(51)は、判定処理において、矯正装置(24)により第2部品(82)を移動させた場合の第2部品(82)が、第2部品(82)に隣接して実装されている第3部品(83)に干渉するか否かを更に判定する。制御装置(5)は、判定装置(51)により第2部品(82)が干渉すると判定された第3部品(83)を矯正装置(24)により移動させた後、第2部品(82)を矯正装置(24)により移動させる。
【0143】
この態様によれば、第1部品(81)と実装済み部品(第2部品82及び第3部品83)との干渉が広範囲にわたる場合でも、第1部品(81)と実装済み部品との干渉を抑制することが可能となる。
【0144】
第9の態様に係る実装システム(1)では、第8の態様において、制御装置(5)は、撮像装置(3)の撮像結果に基づく第2部品(82)及び第3部品(83)の位置情報に基づいて、矯正装置(24)により第2部品(82)との干渉を解消する方向に第3部品(83)を移動させた後、矯正装置(24)により第1部品(81)との干渉を解消する方向に第2部品(82)を移動させる。
【0145】
この態様によれば、第1部品(81)と実装済み部品(第2部品82及び第3部品83)との干渉が広範囲にわたる場合でも、第1部品(81)と実装済み部品との干渉を抑制することが可能となる。
【0146】
第10の態様に係る実装方法は、実装システム(1)に用いられる実装方法である。実装システム(1)は、実装ヘッド(2)と、撮像装置(3)と、判定装置(51)と、矯正装置(24)と、駆動装置(アクチュエータ22、駆動装置4)と、制御装置(5)と、を備える。実装ヘッド(2)は、第1部品(81)を捕捉可能な捕捉部(21)を対象物(9)に向けて移動可能に有し、第1部品(81)を対象物(9)の実装面(911)上の実装予定位置(P1)に実装する。撮像装置(3)は、第2部品(82)が既に実装されている対象物(9)を撮像する。判定装置(51)は、撮像装置(3)の撮像結果に基づいて、第1部品(81)が第2部品(82)に干渉するか否かを判定する判定処理を実行可能である。矯正装置(24)は、第2部品(82)を移動させる矯正処理を実行可能である。駆動装置は、矯正装置(24)を駆動する。制御装置(5)は、矯正装置(24)が矯正処理を実行可能なように駆動装置を制御する。実装方法は、制御ステップを有する。制御ステップは、判定装置(51)により第1部品(81)が干渉すると判定された第2部品(82)を矯正装置(24)により移動させるステップである。
【0147】
この態様によれば、第1部品(81)と第2部品(82)との干渉を抑制することが可能となる。
【0148】
第11の態様に係る矯正システム(10)は、矯正装置(24)と、駆動装置(アクチュエータ22、駆動装置4)と、制御装置(5)と、を備える。矯正装置(24)は、対象物(9)の実装面(911)上の実装予定位置(P1)に実装される第1部品(81)が、対象物(9)の実装面(911)上に既に実装されている第2部品(82)に干渉する場合に、第2部品(82)を移動させる矯正処理を実行可能である。駆動装置は、矯正装置(24)を駆動する。制御装置(5)は、矯正装置(24)が矯正処理を実行可能なように駆動装置を制御する。
【0149】
この態様によれば、第1部品(81)と第2部品(82)との干渉を抑制することが可能となる。
【0150】
第2~第9の態様に係る構成については、実装システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 実装システム
2 実装ヘッド
3 撮像装置
4 駆動装置(駆動装置)
5 制御装置
9 対象物
10 矯正システム
21 捕捉部
22 アクチュエータ(駆動装置)
24 矯正装置
51 判定装置
81 第1部品
82 第2部品
83 第3部品
91 基板
911 実装面
G1 隙間
P1 実装予定位置
R1 撮像領域
Yg1 寸法
図1
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