(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-13
(45)【発行日】2025-03-24
(54)【発明の名称】商品提供処理装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20250314BHJP
G07F 5/22 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
G07F9/00 110Z
G07F5/22 M
G07F5/22 Q
(21)【出願番号】P 2022172998
(22)【出願日】2022-10-28
【審査請求日】2024-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】500313606
【氏名又は名称】株式会社ブイシンク
(74)【代理人】
【識別番号】100156362
【氏名又は名称】八木 健一
(72)【発明者】
【氏名】井部 孝也
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-195617(JP,A)
【文献】特開2003-114932(JP,A)
【文献】特開2001-250163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/22
G07F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を格納する格納部を有し、ユーザの操作により商品が選択されると、選択された商品が格納されている格納部から商品を提供する商品提供処理装置において、
ユーザにより選択された商品が商品を提供する責任者により承認された承認商品であるか否かを判定する認証手段と、
前記認証手段により承認商品であると判定されたことを条件として、前記格納部から商品を提供する商品提供手段と、
提供する商品が前記格納部に格納された正しい商品であるか誤り商品であるか否かを判定する誤商品判定手段と、
前記格納部からの商品の提供を停止する商品提供停止手段と
、
前記格納部に格納された商品を撮影する内部カメラと、
画像を表示する画像表示部とを備え、
前記誤商品判定手段は、
補充者により商品を前記格納部に補充する補充作業が行われた後、前記内部カメラによって前記格納部を撮影し、撮影した撮影補充商品画像と正しい商品が格納されているときの見本補充商品画像との第1のパターンマッチングを行い、誤り商品が格納されていないか否かを判定し、
前記画像表示部は、
前記第1のパターンマッチングによる判定結果に加え、前記撮影補充商品画像と前記見本補充商品画像とを表示し、
前記商品提供停止手段は、
前記誤商品判定手段によって誤り商品であると判定されると、誤り商品が格納された格納部からの商品の提供を停止する
ことを特徴とする商品提供処理装置。
【請求項2】
前記誤商品判定手段は、
商品を提供可能な稼働中であるときに、前記内部カメラによって前記格納部に格納された提供する商品を撮影し、撮影した提供商品画像と正しい商品の見本商品画像との
第2のパターンマッチングを行い、提供する商品が誤り商品でないか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の商品提供処理装置。
【請求項3】
補充者が前記撮影補充商品画像と前記見本補充商品画像とが対応していることを確認した確認操作を受け付ける確認操作受付部とを備え、
前記商品提供停止手段は、
前記確認操作受付部によって前記確認操作を受け付けると、補充者の補充作業が完了したとして商品の提供を許可する
ことを特徴とする
請求項1に記載の商品提供処理装置。
【請求項4】
ユーザを撮影する外部カメラと、
前記外部カメラによって撮影されたユーザ撮影画像に基づいてユーザを識別するユーザ識別手段と、
ユーザにより選択された商品が医薬品である場合には、選択された医薬品についての成分情報を抽出する成分情報抽出手段と、
前記ユーザ識別手段によって識別されたユーザに対応付けられた過去に提供した医薬品の履歴情報により、前記成分情報抽出手段によって抽出された第1の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたか否かを判定する濫用防止判定手段とを備え、
前記商品提供停止手段は、
前記濫用防止判定手段によって特定の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたと判定した場合には、商品の提供を停止する
ことを特徴とする請求項1~
請求項3のいずれかに記載の商品提供処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ識別手段によって識別されたユーザに対応付けられた過去に提供した医薬品の履歴情報により、前記成分情報抽出手段によって抽出された第2の成分情報に対応付けられた第1の禁忌成分または第2の禁忌成分を含む医薬品が特定期間において提供されたか否かを判定する禁忌防止判定手段とを備え、
前記画像表示部は、
前記禁忌防止判定手段によって第1の禁忌成分または第2の禁忌成分を含む医薬品が特定期間において提供されたと判定すると、注意事項を表示し、
前記商品提供停止手段は、
前記禁忌防止判定手段によって第1の禁忌成分を含む医薬品が特定期間において提供されたと判定すると、商品の提供を停止する
ことを特徴とする
請求項4に記載の商品提供処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤った商品が提供されることを防止する商品提供処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、自動販売機から様々な商品が提供されてきており、ユーザの利便性が向上してきている。
【0003】
また、自動販売機に格納された商品(例えば医薬品、酒、タバコ等)によっては、ユーザが販売責任者等の承認・確認を受けてからでなければ、商品を提供できないようになっている。
【0004】
例えば、自動販売機から商品として医薬品を提供する場合には、予め設置された自動販売機(薬剤供給装置、販売器械)を利用してテレビ会議システム等により薬剤師と問診を行い、問診にて薬剤師から推薦された医薬品を購入することを決定すると、薬剤師の操作・指示により自動販売機から医薬品が提供される販売システム、販売方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-109414号公報
【文献】特開2003-114932公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザが商品を選択した後に、商品提供処理装置から誤った商品が提供されることがある。これは、商品提供処理装置に商品を補充した補充者が、所定の格納部に誤った商品を補充したことによるヒューマンエラーが原因であることが多いものと推定される。
【0007】
特に、商品提供処理装置から商品として医薬品を提供する場合には、誤った医薬品が提供されてしまうと、誤った医薬品の服用により健康被害が生じることになってしまう。さらに、医薬品の販売名の中には、複数の医薬品の間で名称が類似しているものがあったり、医薬品の大項目の販売名は同じであるが、小項目の販売名が異なったりするものである(例えば、ABC1.0、ABC2.0、ABCプレミアム等)。このため、商品提供処理装置から商品として医薬品を提供する場合には、補充者のヒューマンエラーを防止し、商品提供処理装置から誤った商品が提供されることをなくすことは、健康被害を防止するためにも重要な課題となっている。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、誤った商品が提供されることを防止する商品提供処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、商品を格納する格納部を有し、ユーザの操作により商品が選択されると、選択された商品が格納されている格納部から商品を提供する商品提供処理装置において、ユーザにより選択された商品が商品を提供する責任者により承認された承認商品であるか否かを判定する認証手段と、前記認証手段により承認商品であると判定されたことを条件として、前記格納部から商品を提供する商品提供手段と、提供する商品が前記格納部に格納された正しい商品であるか誤り商品であるか否かを判定する誤商品判定手段と、前記格納部からの商品の提供を停止する商品提供停止手段と、前記格納部に格納された商品を撮影する内部カメラと、画像を表示する画像表示部とを備え、
前記誤商品判定手段は、補充者により商品を前記格納部に補充する補充作業が行われた後、前記内部カメラによって前記格納部を撮影し、撮影した撮影補充商品画像と正しい商品が格納されているときの見本補充商品画像との第1のパターンマッチングを行い、誤り商品が格納されていないか否かを判定し、
前記画像表示部は、前記第1のパターンマッチングによる判定結果に加え、前記撮影補充商品画像と前記見本補充商品画像とを表示し、
前記商品提供停止手段は、前記誤商品判定手段によって誤り商品であると判定されると、誤り商品が格納された格納部からの商品の提供を停止することを特徴とする。
【0010】
好適には、本発明に係る商品提供処理装置においては、前記格納部に格納された商品を撮影する内部カメラを備え、前記誤商品判定手段は、商品を提供可能な稼働中であるときに、前記内部カメラによって前記格納部に格納された提供する商品を撮影し、撮影した提供商品画像と正しい商品の見本商品画像との第1のパターンマッチングを行い、提供する商品が誤り商品でないか否かを判定することが望ましい。
【0012】
好適には、本発明に係る商品提供処理装置においては、補充者が前記撮影補充商品画像と前記見本補充商品画像とが対応していることを確認した確認操作を受け付ける確認操作受付部とを備え、前記商品提供停止手段は、前記確認操作受付部によって前記確認操作を受け付けると、補充者の補充作業が完了したとして商品の提供を許可することが望ましい。
【0013】
好適には、本発明に係る商品提供処理装置においては、ユーザを撮影する外部カメラと、前記外部カメラによって撮影されたユーザ撮影画像に基づいてユーザを識別するユーザ識別手段と、ユーザにより選択された商品が医薬品である場合には、選択された医薬品についての成分情報を抽出する成分情報抽出手段と、前記ユーザ識別手段によって識別されたユーザに対応付けられた過去に提供した医薬品の履歴情報により、前記成分情報抽出手段によって抽出された第1の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたか否かを判定する濫用防止判定手段とを備え、前記商品提供停止手段は、前記濫用防止判定手段によって特定の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたと判定した場合には、商品の提供を停止することが望ましい。
【0014】
好適には、本発明に係る商品提供処理装置においては、画像を表示する画像表示部と、前記ユーザ識別手段によって識別されたユーザに対応付けられた過去に提供した医薬品の履歴情報により、前記成分情報抽出手段によって抽出された第2の成分情報に対応付けられた第1の禁忌成分または第2の禁忌成分を含む医薬品が特定期間において提供されたか否かを判定する禁忌防止判定手段とを備え、前記画像表示部は、前記禁忌防止判定手段によって第1の禁忌成分または第2の禁忌成分を含む医薬品が特定期間において提供されたと判定すると、注意事項を表示し、前記商品提供停止手段は、前記禁忌防止判定手段によって第1の禁忌成分を含む医薬品が特定期間において提供されたと判定すると、商品の提供を停止することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、誤った商品が提供されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態1に係る商品提供処理装置の扉を閉鎖しているときの斜視図の一例である。
【
図2】実施形態1に係る商品提供処理装置の扉を開放しているときの斜視図の一例である。
【
図3】実施形態1に係る商品提供処理装置の側面図の構成を模式的に示す模式図の一例である。
【
図4】実施形態1に係る商品提供システムの構成を示すブロック図の一例である。
【
図5】実施形態1に係る商品提供システムの予約受付時における処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【
図6】実施形態1に係る商品提供システムの予約受取時における処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【
図7】実施形態1に係る商品提供処理装置の主制御処理を示すフローチャートの一例である。
【
図8】実施形態1に係る商品提供処理装置の商品補充確認処理を示すフローチャートの一例である。
【
図9】実施形態1に係る商品提供処理装置のOTC医薬品の健康被害抑制処理を示すフローチャートの一例である。
【
図10】実施形態1に係る商品提供処理装置の商品提供処理を示すフローチャートの一例である。
【
図11】実施形態1に係るユーザ端末装置の端末表示部に表示される表示画面の一例である。
【
図12】実施形態1に係る商品提供処理装置において予約商品を受け取るときの表示部に表示される表示画面1の一例である。
【
図13】実施形態1に係る商品提供処理装置において予約商品を受け取るときの表示部に表示される表示画面2の一例である。
【
図14】実施形態1に係る商品提供処理装置において補充作業が行われたときの表示部に表示される表示画面の一例である。
【
図15】実施形態2に係る商品提供システムの予約受付時における処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【
図16】実施形態2に係る商品提供システムの予約受取時における処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。
【0018】
本実施形態では、ユーザが商品提供処理装置を操作する際にユーザと対向する方向を「前方」と称し、前方とは反対方向を「後方」と称する。また、本実施形態では、商品提供処理装置の垂直方向・高さ方向を「上下方向」と称し、商品提供処理装置の水平方向・横幅方向を「左右方向」と称する。
【0019】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る商品提供システム1及び商品提供処理装置100について説明する。実施形態1に係る商品提供処理装置100は、商品として医薬品を提供可能な商品提供処理装置である。特に、本実施形態1に係る商品提供処理装置100は、様々なサイズの医薬品を提供可能な商品提供処理装置であるとともに、提供する医薬品に過度な衝撃を与えることなく、ユーザに提供することができる商品提供処理装置である。
【0020】
また、実施形態1に係る商品提供処理装置100は、商品の代金を支払うために用いられる支払ユニットが備えられた第1商品提供処理装置100A(いわゆる自動販売機)と、コンビニエンスストア等の販売店の店舗内に設置され、支払ユニットが備えられていない第2商品提供処理装置100Bとの2種類の商品提供処理装置がある。
なお、第1商品提供処理装置100Aと第2商品提供処理装置100Bとを区別せず、第1商品提供処理装置100Aまたは第2商品提供処理装置100Bのいずれの商品提供処理装置100においても共通の構成要素・制御内容を説明するときには、商品提供処理装置100という。
【0021】
[商品提供処理装置の外部構成]
まず、実施形態1に係る商品提供処理装置100の外部構成について説明する。
図1は、実施形態1に係る商品提供処理装置100の扉3を閉鎖しているときの斜視図の一例であり、
図2は、実施形態1に係る商品提供処理装置100の扉3を開放しているときの斜視図の一例である。また、
図3は、実施形態1に係る商品提供処理装置100の側面図の構成を模式的に示す模式図の一例である。
【0022】
図1(a)は、第1商品提供処理装置100Aの扉3を閉鎖しているときの斜視図の一例であり、
図1(b)は、第2商品提供処理装置100Bの扉3を閉鎖しているときの斜視図の一例である。
【0023】
図1(a)に示すように、第1商品提供処理装置100Aの筐体2の前面には、扉3が設けられている。第1商品提供処理装置100Aでは、扉3が開かれることによって、補充者により医薬品の補充作業及び医薬品の代金の回収作業等が行われる。
【0024】
扉3の前面側には、医薬品の説明、QRコード(登録商標)等のコード情報等を表示する表示部10と、ユーザの選択操作を受け付ける操作入力部11とで構成されたタッチスクリーンが設けられている。
【0025】
また、扉3の前面には、ユーザが購入した医薬品を取り出すための商品取出口12が設けられている。この商品取出口12の前方かつ上端側には、埃、砂塵、害虫の侵入を防止するための開閉扉13が軸支されている。
【0026】
本実施形態においては、商品取出口12は、扉3のやや中央部に設けられている。このため、購入した医薬品をユーザが背を屈めたり、膝を曲げたりすることなく、安定した姿勢で取り出せることができる。なお、商品取出口12は、扉3の下方部に設けられてもよいし、扉3の上方部に設けられてもよい。
【0027】
また、扉3の前面側の上方部には、音声等を出力するためのスピーカ19と、ユーザを撮影するための外部カメラ20とが設けられている。
【0028】
そして、第1商品提供処理装置100Aの扉3の前面には、支払ユニットとして、硬貨を受け付ける硬貨投入ユニット14と、紙幣を受け付けるビルバリユニット15と、カードの金銭情報を受け付けるカード決済ユニット16とが設けられている。さらに、レシートを出力するレシートプリンタ17と、釣銭を取り出すための釣銭取出口18とが設けられている。
【0029】
図1(b)に示すように、第2商品提供処理装置100Bには、第1商品提供処理装置100Aと同様に、第2商品提供処理装置100Bの筐体2の前面に扉3が設けられており、扉3の前面側には、表示部10と操作入力部11と商品取出口12とスピーカ19と外部カメラ20とが設けられている。ただし、第2商品提供処理装置100Bは、第1商品提供処理装置100Aと異なり、支払ユニット(硬貨投入ユニット14、ビルバリユニット15、カード決済ユニット16、レシートプリンタ17、釣銭取出口18)が備えられていない。第2商品提供処理装置100Bから提供された医薬品については、第2商品提供処理装置100Bが設置された販売店において会計処理が行われることになる。
【0030】
図2に示すように、第1商品提供処理装置100Aまたは第2商品提供処理装置100Bのいずれの商品提供処理装置100の内部にも、医薬品Pの種類ごとに分かれて医薬品を格納し、左右方向の複数の格納レーンR1~R4と上下方向の複数の格納段D1~D10とで区画される複数の格納部30が設けられている。本実施形態においては、4つの格納レーンR1~R4と10段の格納段D1~D10とから区画される40個の格納部30を設けることが可能であるが、格納レーンと格納段との数は適宜設計変更が自由である。例えば、6つの格納レーンと6つの格納段としてもよい。
【0031】
複数の格納部30は、それぞれが互い略同一の構造に形成され、それぞれの幅方向及び長手方向が商品提供処理装置100の幅方向及び前後方向にそれぞれ沿うように配置されている。また、それぞれの格納部30は、商品提供処理装置100から取り外しが可能であり、医薬品のサイズに応じた様々なサイズの医薬品を格納可能となっている。
【0032】
例えば、
図2に示すように、第3格納レーンR3と第6格納段D6とから区画される格納部30を取り外すことにより、第3格納レーンR3と第7格納段D7とから区画される格納部30において、上下方向の高さの高い医薬品Phを格納することができる。また、第1格納レーンR1及び第2格納レーンR2、並びに第5格納段D5とから区画される2つの格納部30のように、幅の広い医薬品Pwを2つの格納部30に跨って格納することもできる。このように、本実施形態に係る商品提供処理装置100では、医薬品のサイズに応じた様々なサイズの医薬品を提供することができる。
【0033】
図3に示すように、それぞれの格納部30には、格納部30に格納された医薬品Pを前方に搬送するコンベア31と、コンベア31に載置された医薬品Pを前方に押すプッシャ32とが備えられている。なお、複数の格納部30に跨って収納されている医薬品Pは、複数のコンベア31が同時に駆動することになる。
【0034】
また、商品提供処理装置100の内部には、扉3と複数の格納部30との間に配置されるとともに、商品提供処理装置100の上下方向に沿って昇降可能に構成されたエレベータ40が設けられている。エレベータ40は、格納部30から搬送された医薬品を受け入れ、受け入れた医薬品を商品取出口12に搬送するものである。
【0035】
エレベータ40は、
図2及び
図3に示すように、商品提供処理装置100の前後方向の両端側に開口縁を有する角筒状に形成されている。より具体的には、エレベータ40は、格納部30から搬送された医薬品を載置可能なトレイ41と、トレイ41の上方に対向して配置された平板状の天井板42と、トレイ41と天井板42との左右方向の両端側に設けられ、トレイ41と天井板42とを連結する側面板43とを備えて角筒状に形成されている。
【0036】
トレイ41の左右方向の長さは、左右方向のすべての格納レーンR1~R4にわたる幅以上の長さから構成されており、複数の格納レーンに亘って格納された幅の広い医薬品Pwをトレイ41に載置することができる。さらに、
図3に示すように、トレイ41は、前側に緩やかに傾斜しており、トレイ41に搬送された医薬品が商品取出口12に滑り落ちていき、ユーザが商品取出口12から提供された医薬品を取り出しやすく構成されている。
【0037】
側面板43の上下方向の長さは、上下方向に隣接した2つの格納段にわたる高さHと略同一の長さで構成されており、2つの格納段に亘って格納された高さの高い医薬品Phをトレイ41に載置することができる。
【0038】
また、天井板42には、格納部30を撮影する内部カメラ21が載置されている。
図3に示すように、内部カメラ21が載置された天井板42の載置領域には、下方かつ格納部30に向けて傾斜した開口孔42aが形成されている。この開口孔42aを介して内部カメラ21により、エレベータ40と対向する位置にある格納部30、その格納部30に格納された医薬品を撮影することができる。
【0039】
なお、本実施形態においては、内部カメラ21を天井板42に載置して構成したが、内部カメラ21により格納部30に格納された医薬品が撮影できれば、内部カメラ21の設置場所は天井板42に限られない。
【0040】
さらに、商品提供処理装置100の内部には、商品取出口12に対向し、エレベータ40の後方に配置されるとともに、格納部30の上下方向に配置され、商品提供処理装置100の側面視において略L字型状に形成された障壁棚50が設けられている。
【0041】
障壁棚50は、商品提供処理装置100の上下方向に対して平行な平板状の障壁部51と、商品提供処理装置100の上下方向に対して垂直な平板状の棚部52とを有し、棚部52には、商品提供処理装置100の制御に用いられる制御基板53が載置されている。
【0042】
図3に示すように、エレベータ40は、医薬品を提供する前は商品取出口12と障壁棚50との間の待機位置で待機している。
【0043】
エレベータ40が待機位置に待機しているときには、エレベータ40の後方側の開口縁と障壁部51との空隙から少なくとも商品が通過できないように、障壁部51は、エレベータ40の後方側の開口縁を塞ぐように構成されている。これにより、エレベータ40が待機位置に待機しているときには、商品提供処理装置100の商品取出口12から手を入れて商品を不正に抜き取ろうとしても、エレベータ40が角筒状に形成されており、上下方向に関してはトレイ41及び天井板42が壁となり、左右方向に関しては側面板43が壁となり、後方向に関しては障壁部51が壁となり、商品が不正に抜き取られることを防止できる。
【0044】
また、障壁棚50の棚部52に制御基板53を載置したことから、商品提供処理装置100の内部の限られた配置スペースを有効活用できることに加え、障壁棚50が商品提供処理装置100の上下方向に対して略中央部にあることから、商品提供処理装置100が浸水したときにおいても制御基板53の保護を図ることができる。
【0045】
さらに、エレベータ40の駆動に関しても、エレベータ40の待機位置が、上下方向に対して格納段D1~D10のやや中央寄り(略中央位置)に設けられていることから、待機位置から提供する医薬品が収納された格納部30の格納段Dまでの昇降距離を短縮させることができ、提供する医薬品の提供速度を向上させることもできる。
【0046】
また、
図2及び
図3に示すように、扉3の背面であって商品取出口12の上方には、商品取出口12に軸支された開閉扉13を開閉させるシャッター機構90が設けられている。
【0047】
また、
図2及び
図3に示すように、第1商品提供処理装置100Aにおいては、扉3の背面には、硬貨投入ユニット14とビルバリユニット15とカード決済ユニット16とレシートプリンタ17と釣銭取出口18とに接続され、金銭情報・カード情報・釣銭情報の入出力を行う金銭情報入出力部60が設けられている。
【0048】
なお、第2商品提供処理装置100Bは、第1商品提供処理装置100Aと異なり、支払ユニットが備えられていないことから、金銭情報入出力部60が設けられていない。
【0049】
[商品提供システムの内部構成]
次に、ユーザの端末装置200により医薬品を選択し、商品提供処理装置100を介して医薬品が提供される商品提供システムの内部構成について説明する。
図4は、実施形態1に係る商品提供システム1の構成を示すブロック図の一例である。
【0050】
図4に示すように、実施形態1に係る商品提供システム1は、複数の商品提供処理装置100(第1商品提供処理装置100A及び第2商品提供処理装置100B)と、ユーザが操作を行うユーザ端末装置200と、各種の処理を行うサーバ300と、医薬品を提供する責任者である薬剤師が操作を行う複数の薬剤師端末装置340とにより構成されている。そして、サーバ300は、商品提供処理装置100とユーザ端末装置200と薬剤師端末装置340とが公衆回線を介して相互に通信可能に接続されている。
【0051】
第1商品提供処理装置100Aは、表示部10と、操作入力部11と、スピーカ19と、外部カメラ20と、内部カメラ21と、コンベア31と、エレベータ40と、金銭情報入出力部60と、制御部70と、通信部80と、記憶部81と、シャッター機構90とを少なくとも備えている。また、本実施形態においては、制御部70、通信部80及び記憶部81は、制御基板53(
図3参照)に搭載されている。
【0052】
コンベア31は、医薬品が載置されるベルトを駆動させるモータからなるベルト駆動部34と、ベルトの位置を把握するためのベルト位置センサ35とを備えている。
【0053】
エレベータ40は、エレベータ40を上下方向に昇降させるモータからなる昇降駆動部44と、エレベータ40の位置を把握するためのエレベータセンサ45とを備えている。
【0054】
シャッター機構90は、商品取出口12に軸支された開閉扉13を開閉させるモータからなる開閉駆動部91と、開閉扉13の開閉状態を把握するためのシャッターセンサ92とを備えている。
【0055】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサからなり、記憶部81に記憶されている所定の制御プログラムを実行して、医薬品を提供するための各種の制御を行う。
【0056】
制御部70は、制御基板53の入力ポート(図示せず)を介して、操作入力部11とベルト位置センサ35とエレベータセンサ45とに接続されており、これらのデバイスから制御部70に各種の情報を入力できるように構成されている。また、制御部70は、制御基板53の出力ポート(図示せず)を介して、表示部10とベルト駆動部34と昇降駆動部44とに接続されており、制御部70からこれらのデバイスに各種の情報を出力ができるように構成されている。さらに、制御部70は、制御基板53の入出力ポート(図示せず)を介して、外部カメラ20、内部カメラ21、金銭情報入出力部60と通信部80とに接続されており、制御部70とこれらのデバイスとで各種の情報を入出力ができるように構成されている。
【0057】
通信部80は、第1商品提供処理装置100Aとサーバ300(後述する商品提供サーバ310)との間で通信状態を確立して相互に通信可能な状態とする通信モジュールからなり、通信方式としては有線通信又は無線通信を問わない。
【0058】
記憶部81は、不揮発性メモリの記憶装置からなり、制御部70が各種制御を行うための制御プログラムや一時的な情報が記憶される。
【0059】
第2商品提供処理装置100Bも、第1商品提供処理装置100Aと同様に、表示部10と、操作入力部11と、スピーカ19と、外部カメラ20と、内部カメラ21と、コンベア31(ベルト駆動部34、ベルト位置センサ35)と、エレベータ40(昇降駆動部44、エレベータセンサ45)と、制御部70と、通信部80と、記憶部81とを備えている。ただし、第2商品提供処理装置100Bは、第1商品提供処理装置100Aと異なり、支払ユニットが備えられていないことから、金銭情報入出力部60が備えられていない。
【0060】
ユーザ端末装置200は、パソコン、タブレット、スマートフォン等の端末装置からなり、ユーザが操作を行う端末装置である。そして、ユーザ端末装置200は、端末制御部201と、端末記憶部202と、端末入力部203と、端末表示部204と、コード読取り部205とを少なくとも備えている。
【0061】
端末制御部201は、CPUなどのプロセッサからなり、ユーザの操作に応じて各種の制御を行う。特に、端末制御部201は、サーバ300(後述する商品提供サーバ310)にアクセスして、商品提供サーバ310に医薬品を選択させる制御を行う。
【0062】
端末記憶部202は、読み書き可能な不揮発性のフラッシュメモリからなり、商品提供サーバ310から受信した各種の情報が記憶される。
【0063】
端末入力部203は、キーボードやタッチパネル等の入力部からなり、ユーザの操作に関する情報を入力可能である。
【0064】
端末表示部204は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像を表示する画像表示装置からなり、ユーザの操作に応じた画像や商品提供サーバ310から受信した画像を表示することが可能である。
【0065】
コード読取り部205は、商品提供処理装置100の表示部10に表示されたコード情報を読み取り、読み取ったコード情報を解析可能なコードリーダである。
【0066】
サーバ300は、商品提供サーバ310と、薬剤師サーバ320と、データベース記憶部330とから構成されている。
【0067】
商品提供サーバ310は、医薬品を提供させるための処理を行うサーバであり、商品提供処理装置100とユーザ端末装置200と薬剤師サーバ320とデータベース記憶部330とに接続されている。商品提供サーバ310は、ユーザ端末装置200に対しては、ユーザ端末装置200からの操作指示により医薬品を選択したり、ユーザ端末装置200に商品提供処理装置100が設置された地図情報を送信したりする。また、商品提供サーバ310は、商品提供処理装置100に対しては、商品提供処理装置100に医薬品の提供を許可したりする。また、商品提供サーバ310は、薬剤師サーバ320に対しては、薬剤師による承認を行わせる指示をしたりする。
【0068】
薬剤師サーバ320は、薬剤師端末装置340に関する処理を行うサーバであり、商品提供サーバ310とデータベース記憶部330と薬剤師端末装置340とに接続されている。薬剤師サーバ320は、薬剤師端末装置340のアクセス数を把握したり、薬剤師端末装置340に薬剤師に承認を行わせたり、薬剤師端末装置340にインセンティブの支払いを行ったりする。
【0069】
データベース記憶部330は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SDD)、光ディスクドライブ、磁気テープ装置等の大容量の記憶装置からなり、医薬品を提供させるための各種情報を記憶している。具体的には、データベース記憶部330は、医薬品を提供させるための各種情報として、「医薬品の情報」、ユーザの固有情報が対応付けられた「予約商品の情報」・「提供商品の情報」・「ユーザ画像」、商品提供処理装置の固有情報が対応付けられた位置情報・商品の在庫数・格納部提供状態(格納部提供許可状態、格納部提供停止状態)・見本補充商品画像の情報、薬剤師の固有情報等を記憶している。
【0070】
なお、本実施形態においては「医薬品の情報」は、各種の医薬品の分類(第一類医薬品、第二類または第三類医薬品)、各種の医薬品に含まれる成分情報、併用禁忌となる各種の成分情報の禁忌組合せ、併用注意となる各種の成分情報の注意組合せ、各種の医薬品の見本商品画像等を含むものである。また、「予約商品の情報」は、予約した医薬品、予約個数、予約完了時期、問診した薬剤師の固有情報等を含むものである。また、「提供商品の情報」は、提供した医薬品、提供個数、提供時期、提供した商品提供処理装置の固有情報を含むものである。
【0071】
なお、本実施形態においては、商品提供サーバ310と、薬剤師サーバ320とを分けて構成したが、薬剤師サーバ320の機能を商品提供サーバ310に持たせて、1つのサーバで構成してもよい。さらには、より詳細に機能ごとにサーバを分けて、3つ以上のサーバで構成してもよい。
【0072】
薬剤師端末装置340は、パソコン、タブレット、スマートフォン等の端末装置からなり、薬剤師が操作を行う端末装置である。
【0073】
また、薬剤師端末装置340は、カメラ等の生体認証により、予め登録された薬剤師であるか否かの本人認証を行う本人認証機能を有している。この本人認証機能は、薬剤師が薬剤師端末装置340にログインするとき、薬剤師が各種の承認作業を行うとき等において、その都度に本人認証を行う。これにより、薬剤師の資格者以外の承認行為を防止することができる。
【0074】
[商品提供システムのシーケンス図]
次に、商品提供システム1の処理遷移について説明する。
図5は、実施形態1に係る商品提供システムの予約受付時における処理遷移を示すシーケンス図の一例であり、
図6は、実施形態1に係る商品提供システムの予約受取時における処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【0075】
図5及び
図6に示したシーケンス図は、左列から順番に、ユーザ端末装置200、商品提供処理装置100、サーバ300(商品提供サーバ310及び薬剤師サーバ320)、薬剤師端末装置340の処理を示している。なお、以下に説明する各処理については、例示的な順序でステップSの要素を図示しており、図示した特定の順序に限定されない。したがって、
図5及び
図6に示すフローチャートにおいて、処理結果に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えることが可能である。このことは、後述する
図7~
図10、
図15及び
図16においても同様である。
【0076】
(予約受付時のシーケンス)
ユーザがユーザ端末装置200により医薬品を予約商品として決定する場合について説明する。
【0077】
図5に示すように、ユーザ端末装置200は、ユーザから商品提供サーバ310へのログイン操作があると、商品選択ログイン処理を行う(ステップS1)。
この商品選択ログイン処理では、最初にパスワード等のユーザの固有情報を商品提供サーバ310に送信する。
【0078】
商品提供サーバ310は、ユーザ端末装置200からユーザの固有情報を受信すると、ユーザ認証処理を行う(ステップS31)。
このユーザ認証処理では、ユーザ端末装置200から受信したユーザの固有情報がデータベース記憶部330に登録されたユーザの固有情報であるか否かを判定する。そして、受信したユーザの固有情報が登録されているユーザの固有情報であるか否かのユーザ認証結果情報をユーザ端末装置200に送信する。また、受信したユーザの固有情報があらかじめ登録されたユーザの固有情報であると、ユーザの認証が成功したものとして、受信したユーザの固有情報をアクセス中のユーザの固有情報として登録し、商品提供サーバ310とユーザ端末装置200との通信状態を確立する。
【0079】
ユーザ端末装置200は、ユーザの認証が成功したことを示すユーザ認証結果情報を受信すると、商品提供処理装置100から提供される医薬品を予約商品として決定する予約商品決定処理を行う(ステップS2)。
この予約商品決定処理では、医薬品名から医薬品を選択したり、症状から医薬品を選択したりして、商品提供処理装置100から提供される医薬品を予約商品として決定する。
【0080】
ユーザ端末装置200は、予約商品が決定された後、予約商品が特定の医薬品であるか否かを判定する特定予約商品判定処理を行う(ステップS3)。
この特定予約商品判定処理では、予約商品が特定の医薬品(例えば、第一類医薬品)であるか否かを判定する。そして、予約商品が特定の医薬品であると判定した場合には、ステップS4の問診要求処理に移し、予約商品が特定の医薬品ではない通常の医薬品(例えば、第二類または第三類医薬品等のOTC医薬品)と判定した場合には、ステップS4、S5の処理を行わずに、ステップS6の通常予約商品確定処理に移す。
【0081】
また、ユーザ端末装置200は、予約商品として決定した医薬品が特定の医薬品であると判定した場合には、ユーザに薬剤師と特定の医薬品に関する問診を行わせるために、問診要求処理を行う(ステップS4)。
この問診要求処理では、予約商品として決定した特定の医薬品の予約商品情報、薬剤師に問診を要求する問診要求情報等を商品提供サーバ310に送信する。
【0082】
商品提供サーバ310は、予約商品情報、問診要求情報等を受信すると、薬剤師サーバ320に予約商品情報、問診要求情報等を転送する。
【0083】
薬剤師サーバ320は、商品提供サーバ310を介して予約商品情報、問診要求情報等を受信すると、薬剤師からの問診を受け付けるための問診受付開始処理を行う(ステップS32)。
この問診受付開始処理では、すべての薬剤師端末装置340に対して、ユーザの問診があることを通知する問診受付情報を送信する。
【0084】
薬剤師端末装置340は、薬剤師サーバ320から問診受付情報を受信すると、ユーザの問診があることを通知される。
【0085】
薬剤師端末装置340は、薬剤師がユーザの問診を行いたい場合には、まず薬剤師サーバ320にログインする薬剤師ログイン処理を行う(ステップS51)。
この薬剤師ログイン処理では、最初に薬剤師端末装置340に搭載されたカメラ等の生体認証により薬剤師の本人認証を行い、本人認証が成功すると、薬剤師サーバ320に薬剤師の固有情報を送信する。
【0086】
薬剤師サーバ320は、薬剤師端末装置340から薬剤師の固有情報を受信すると、受信した薬剤師の固有情報の認証をする薬剤師認証処理を行う(ステップS33)。
この薬剤師認証処理では、受信した薬剤師の固有情報がデータベース記憶部330に登録された薬剤師の固有情報であるか否かを判定し、受信した薬剤師の固有情報が登録された薬剤師の固有情報であると、薬剤師の認証が成功したものとする。そして、薬剤師の認証結果を示す薬剤師認証結果情報を薬剤師端末装置340に送信する。また、薬剤師の認証が成功すると、受信した薬剤師の固有情報をアクセス中の薬剤師の固有情報として登録するとともに、薬剤師サーバ320にアクセス中の薬剤師のアクセス数を更新する。
【0087】
薬剤師端末装置340は、薬剤師サーバ320から薬剤師の認証が成功したことを示す薬剤師認証結果情報を受信すると、後述するユーザの問診の申請を行うことができる。
【0088】
薬剤師端末装置340は、ユーザの問診の申請を行う場合には、問診申請処理を行う(ステップS52)。
この問診申請処理では、薬剤師端末装置340に搭載されたカメラ等の生体認証により薬剤師の本人認証を行い、本人認証が成功すると、問診申請情報、薬剤師の固有情報を薬剤師サーバ320に送信する。
【0089】
薬剤師サーバ320は、問診申請情報、薬剤師の固有情報を受信すると、いずれの薬剤師端末装置340からの問診の申請を許可するか否かの判定をする問診振分け処理(ステップS34)を行う。
この問診振分け処理では、最初に薬剤師サーバ320に問診申請情報を送信した薬剤師端末装置340に対してユーザの問診の申請を許可し(いわゆる早い者勝ちで許可し)、薬剤師端末装置340と薬剤師サーバ320とユーザ端末装置200との通信状態を確立する。これにより、ユーザの問診において薬剤師の参加を待機している待機時間を短縮させることができる。また、薬剤師端末装置340からの問診の申請を許可したか否かの問診申請結果情報を薬剤師端末装置340に送信する。
【0090】
ユーザ端末装置200は、通信状態が確立された薬剤師端末装置340との問診を行う問診処理を行う(ステップS5)。
この問診処理では、チャット等の文字ベースまたは音声会話等の手段により、薬剤師端末装置340からの薬剤師の問診についての問診内容をユーザが回答し、回答した問診内容の情報を薬剤師サーバ320に送信する。
【0091】
薬剤師サーバ320は、ユーザ端末装置200からの問診内容を送信する問診内容送信処理(ステップS35)を行う。
この問診内容送信処理では、ユーザからの問診内容を示す問診内容情報を、ユーザの問診の申請を許可した薬剤師端末装置340に送信する。
【0092】
薬剤師端末装置340は、ユーザからの問診内容に基づいて薬剤師により問診結果の操作が行われると、問診結果を示す第1承認結果情報を薬剤師サーバ320に送信する薬剤師第1承認処理を行う(ステップS53)。
この薬剤師第1承認処理では、薬剤師により特定の医薬品を承認する承認操作が行われると、第1承認結果情報として第1承認情報を薬剤師サーバ320に送信し、薬剤師により特定の医薬品を承認しない否認操作が行われると、第1承認結果情報として第1否認情報を薬剤師サーバ320に送信する。
【0093】
薬剤師サーバ320は、薬剤師端末装置340から第1承認結果情報を受信すると、第1インセンティブ支払処理を行う(ステップS36)。
この第1インセンティブ支払処理では、まず現在の薬剤師のアクセス数に基づいて、インセンティブの単価を設定する。そして、設定したインセンティブの単価の一部(例えば、50%)である第1インセンティブを特定の医薬品の承認を行った薬剤師に対して支払うように、第1インセンティブを電子マネーとして薬剤師端末装置340に送信したり、薬剤師の銀行口座に振り込んだりする支払処理が行われる。さらに、薬剤師サーバ320は、薬剤師端末装置340から受信した第1承認結果情報を商品提供サーバ310に転送する。
【0094】
ここで、深夜帯・休日等の薬剤師のアクセス数が少ない時間には、インセンティブの単価を高く設定し、昼間・平日等の薬剤師のアクセス数が多い時間には、インセンティブの単価を低く設定することが望ましい。これにより、アクセスの少ない時間のインセンティブ単価の設定を自動的にコントロールすることができ、深夜帯・休日等の薬剤師による承認業務を安定的に行わせることができる。
【0095】
また、最初に薬剤師サーバ320に問診申請情報を送信し、特定の医薬品の承認を行った薬剤師に対してインセンティブの一部が支払われることになる。
【0096】
商品提供サーバ310は、薬剤師サーバ320を介して薬剤師端末装置340から第1承認結果情報を受信すると、特定予約商品確定処理を行う(ステップS37)。
この特定予約商品確定処理では、第1承認結果情報として第1承認情報を受信すると、予約商品として決定した特定の医薬品を確定し、第1承認結果情報として第1否認情報を受信すると、予約商品として決定した特定の医薬品の情報を破棄する。
【0097】
ユーザ端末装置200は、予約商品として決定した医薬品が特定の医薬品でない通常の医薬品であると判定した場合には、予約商品として決定した通常の医薬品を確定する通常予約商品確定処理を行う(ステップS6)。なお、予約商品として決定した医薬品が特定の医薬品であると判定した場合には、通常予約商品確定処理は行われない。
この予約結果処理では、予約商品として決定した予約商品情報、ユーザの固有情報等を商品提供サーバ310に送信する。
【0098】
商品提供サーバ310は、確定した予約商品の情報をデータベース記憶部330に登録する予約商品登録処理を行う(ステップS38)。
この予約商品登録処理では、ユーザの固有情報に対応付けて予約商品の登録情報(予約した医薬品、予約個数、予約完了時期、問診した薬剤師の固有情報)をデータベース記憶部330に登録する。
【0099】
商品提供サーバ310は、予約商品登録処理を行った後、予約商品を提供可能な商品提供処理装置100の位置情報を抽出する位置情報抽出処理を行う(ステップS39)。
この位置情報抽出処理では、データベース記憶部330に記憶された商品提供処理装置100に関する情報を参照し、予約商品に対応した商品の在庫数があり、かつ、予約商品に対応した商品を格納している格納部30が格納部提供許可状態にある商品提供処理装置の固有情報を抽出する。そして、抽出した商品提供処理装置の固有情報に対応付けられた位置情報を抽出し、抽出した位置情報をユーザ端末装置200に送信する。このように、商品の在庫数があり、格納部提供許可状態にある商品提供処理装置100の位置情報を抽出していることから、予約した医薬品を受け取る際に、商品提供処理装置100で売り切れや提供停止状態になり、予約した医薬品を受け取ることができないという機会を減少させることができる。さらに、位置情報抽出処理では、予約商品登録処理により登録された予約商品の登録情報をユーザ端末装置200に送信する。
【0100】
ユーザ端末装置200は、商品提供サーバ310から予約商品の登録情報及び商品提供処理装置100の位置情報等を受信すると、予約商品の登録情報及び商品提供処理装置100の位置情報を表示する予約結果一覧表示処理を行う(ステップS7)。
この予約結果一覧表示処理では、まず受信した予約商品の登録情報を端末記憶部202に記憶する。そして、予約商品の登録情報及び商品提供処理装置100の位置情報に基づいて、端末表示部204に予約商品の登録情報を示す説明画像及び商品提供処理装置の位置を示す位置情報画像を表示する。この説明画像によりどの医薬品の予約が確定したのか確認することができるとともに、位置情報画像の表示により、ユーザはどこに行けば、商品提供処理装置100により医薬品を受け取ることができるのかを把握することができる。
【0101】
(予約受取時のシーケンス)
次に、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品を受け取る場合について説明する。
【0102】
図6に示すように、商品提供処理装置100は、ユーザ等からの操作を受け付ける受付待機処理を行っている(ステップS11)。
この受付待機処理では、ユーザ等からの操作種類を判別し、ユーザから予約商品の受取操作があると、認証コード情報表示処理(ステップS12)に処理を移す。
【0103】
商品提供処理装置100は、ユーザから予約商品の受取操作があると、認証コード情報表示処理を行う(ステップS12)。
この認証コード情報表示処理では、商品提供処理装置100の表示部10に認証コード情報を表示させる。この「認証コード情報」には、商品提供サーバ310に接続する予約接続情報(URL)、商品提供処理装置の固有情報、ユーザ端末装置200の端末記憶部202に記憶されている予約商品の登録情報を呼び出す予約商品呼出指示情報等が含まれている。
【0104】
ユーザ端末装置200は、商品提供処理装置100の表示部10に認証コード情報が表示されると、認証コード情報読み取り処理を行う(ステップS8)。
この認証コード情報読み取り処理では、商品提供処理装置100の表示部10に表示された認証コード情報を読み取り、読み取った認証コード情報を解析し、解析した認証コード解析情報(予約接続情報、商品提供処理装置の固有情報、予約商品呼出指示情報等)を取得する。そして、認証コード解析情報に含まれた予約商品呼出指示情報に基づいて、端末記憶部202に記憶されている予約商品の登録情報を呼び出す。
【0105】
ユーザ端末装置200は、認証コード解析情報を取得した後、予約登録情報送信処理を行う(ステップS9)。
この予約登録情報送信処理では、認証コード解析情報に含まれた予約接続情報に基づいて商品提供サーバ310にアクセスし、呼び出した予約商品の登録情報、ユーザの固有情報、認証コード解析情報に含まれた商品提供処理装置の固有情報等を商品提供サーバ310に送信する。
【0106】
商品提供サーバ310は、ユーザ端末装置200から予約商品の登録情報、ユーザの固有情報、商品提供処理装置の固有情報等を受信すると、提供先振り分け処理を行う(ステップS41)。
この提供先振り分け処理では、受信した商品提供処理装置の固有情報を有する商品提供処理装置100に対して、予約商品の登録情報、ユーザの固有情報等を送信する。
【0107】
商品提供処理装置100は、商品提供サーバ310から予約商品の登録情報、ユーザの固有情報等を受信すると、商品グレード判定処理を行う(ステップS13)。
この商品グレード判定処理では、予約商品の登録情報から予約した医薬品が「注意の必要な医薬品」であるか否かを判定する。
【0108】
この「注意の必要な医薬品」とは、上述した特定の医薬品(例えば、第一類医薬品)であることに限られず、OTC医薬品であったしても、その医薬品に含まれる成分が適正な使用量を超えて濫用されることにより健康被害が生じる恐れがある医薬品や、その医薬品に含まれる成分と他の医薬品の成分との組み合わせ(併用注意・併用禁忌)により健康被害が生じる恐れがある医薬品を含むものであり、上述した特定の医薬品よりも広い概念で健康被害が生じる恐れがある医薬品のことをいう。
【0109】
商品提供処理装置100は、商品グレード判定処理において、予約した医薬品が注意の必要な医薬品であると判定した場合には、ステップS14のOTC医薬品の対象判定処理に移し、予約した医薬品が注意の必要な医薬品でないと判定した場合には、ステップS14~S16の処理を行わずに、ステップS18の提供商品確定処理に移す。
【0110】
商品提供処理装置100は、予約した医薬品が注意の必要な医薬品であると判定すると、OTC医薬品の対象判定処理を行う(ステップS14)。
このOTC医薬品の対象判定処理では、OTC医薬品について健康被害抑制すべき医薬品の対象であるか否かを判定する。そして、OTC医薬品について健康被害抑制すべき医薬品の対象であると判定した場合には、ステップS15のOTC医薬品の健康被害抑制処理に移し、OTC医薬品について健康被害抑制すべき医薬品の対象でないと判定した場合には、ステップS16のユーザ撮影処理に移す。
【0111】
商品提供処理装置100は、OTC医薬品について健康被害抑制すべき医薬品の対象であると判定すると、OTC医薬品の健康被害抑制処理を行う(ステップS15)。
このOTC医薬品の健康被害抑制処理では、提供する医薬品の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたか否かを判定する濫用防止判定処理や、提供する医薬品の成分情報と過去の成分情報とが禁忌組合せまたは注意組合せとなるか否かを判定する禁忌防止判定処理を行う。このOTC医薬品の健康被害抑制処理の詳細については、
図9を用いて後述する。
【0112】
商品提供処理装置100は、予約した医薬品が注意の必要な医薬品であると判定した場合には、外部カメラ20によりユーザを撮影するユーザ撮影処理を行う(ステップS16)。
【0113】
商品提供処理装置100は、外部カメラ20によりユーザが撮影されると、提供申請処理を行う(ステップS17)。
この提供申請処理では、薬剤師に対して医薬品の提供の承認を申請するための提供申請情報、外部カメラ20により撮影されたユーザ画像、ユーザの固有情報等を商品提供サーバ310に送信する。
【0114】
商品提供サーバ310は、提供申請情報、ユーザ画像、ユーザの固有情報等を受信すると、ユーザの固有情報に対応付けられた予約商品の登録情報を抽出し、抽出した予約商品の登録情報と、商品提供処理装置100から受信した提供申請情報、予約商品の登録情報、ユーザ画像、ユーザの固有情報等を薬剤師サーバ320に送信する。
【0115】
薬剤師サーバ320は、商品提供サーバ310を介して予約商品の登録情報、提供申請情報、ユーザ画像、ユーザの固有情報等を受信すると、提供承認受付処理を行う(ステップS42)。
この提供承認受付処理では、予約商品の登録情報に含まれる医薬品が特定の医薬品である場合には、予約商品の登録情報に含まれる問診した薬剤師の固有情報を抽出し、問診した薬剤師の固有情報を有する薬剤師端末装置340に対して、医薬品の提供に関する承認作業を通知する提供承認受付情報を送信する。また、提供承認受付処理では、予約商品の登録情報に含まれる医薬品が特定の医薬品でない場合(注意の必要な通常の医薬品である場合)には、すべての薬剤師端末装置340に対して、提供承認受付情報を送信する。
【0116】
薬剤師端末装置340は、薬剤師サーバ320から提供承認受付情報を受信すると、医薬品の提供に関する承認作業があることを通知される。
【0117】
薬剤師端末装置340では、薬剤師が医薬品の提供に関する承認作業を行いたい場合には、上述した薬剤師ログイン処理(ステップS51)が行われ、薬剤師サーバ320では、上述した薬剤師認証処理(ステップS33)が行われる。また、薬剤師端末装置340は、薬剤師サーバ320から薬剤師の認証が成功したことを示す薬剤師認証結果情報を受信すると、医薬品の提供に関する承認作業の申請を行うことができる。
【0118】
薬剤師端末装置340は、医薬品の提供に関する承認作業の申請を行う場合には、提供承認申請処理を行う(ステップS54)。
この提供承認申請処理では、薬剤師端末装置340に搭載されたカメラ等の生体認証により薬剤師の本人認証を行い、本人認証が成功すると、提供承認申請情報、薬剤師の固有情報を薬剤師サーバ320に送信する。
【0119】
薬剤師サーバ320は、提供承認申請情報、薬剤師の固有情報を受信すると、いずれの薬剤師端末装置340からの承認作業の申請を許可するか否かの判定をする提供承認振分け処理(ステップS44)を行う。
この提供承認振分け処理では、予約商品の登録情報に含まれる医薬品が特定の医薬品である場合には、受信した薬剤師の固有情報が予約商品の登録情報に含まれる問診した薬剤師の固有情報と対応する薬剤師端末装置340に対して承認作業の申請を許可する。また、提供承認振分け処理では、予約商品の登録情報に含まれる医薬品が注意の必要な通常の医薬品である場合には、最初に薬剤師サーバ320に提供承認申請情報を送信した薬剤師端末装置340に対して承認作業の申請を許可する。そして、薬剤師端末装置340からの承認作業の申請を許可したか否かの提供承認申請結果情報を薬剤師端末装置340に送信するとともに、承認作業の申請を許可した薬剤師端末装置340には、予約商品の登録情報、ユーザ画像、ユーザの固有情報等を送信する。
【0120】
薬剤師端末装置340は、予約商品の登録情報、ユーザ画像、ユーザの固有情報等を受信することにより、薬剤師が予約商品の登録情報やユーザ画像等を確認し、医薬品の提供に関する承認作業を行うことができる。
【0121】
薬剤師端末装置340は、薬剤師により医薬品の提供に関する承認作業の操作が行われると、承認結果を示す第2承認結果情報を薬剤師サーバ320に送信する薬剤師第2承認処理を行う(ステップS55)。
この薬剤師第2承認処理では、医薬品を提供することを承認する承認操作が行われると、第2承認結果情報として第2承認情報を薬剤師サーバ320に送信し、医薬品を提供することを否認する否認操作が行われると、第2承認結果情報として第2否認情報を薬剤師サーバ320に送信する。そして、第2承認結果情報を受信した薬剤師サーバ320は、第2承認結果情報を商品提供サーバ310に転送する。
【0122】
なお、本実施形態では、予約商品の登録情報に含まれる医薬品が注意の必要な通常の医薬品(OTC医薬品)である場合にも、薬剤師第2承認処理が行われるように構成したが、予約商品の登録情報に含まれる医薬品が特定の医薬品(例えば、第一類医薬品)である場合にのみ、薬剤師第2承認処理が行われるように構成してもよい。このように構成する場合には、予約商品の登録情報に含まれる医薬品が通常の医薬品であるときには、上述したステップS17、S42等の処理を行わなければよい。
【0123】
商品提供サーバ310は、薬剤師サーバ320を介して薬剤師端末装置340から第2承認結果情報を受信した場合には、提供承認結果反映処理を行う(ステップS45)。
この提供承認結果反映処理では、第2承認結果情報を商品提供処理装置100に送信する。
【0124】
商品提供処理装置100は、予約した医薬品が注意の不要な医薬品である場合、または予約した医薬品が注意の必要な医薬品であるときに商品提供サーバ310から第2承認結果情報を受信した場合には、提供商品確定処理を行う(ステップS18)。
この提供商品確定処理では、予約した医薬品が注意の不要な医薬品である場合には、予約商品の登録情報に含まれる医薬品を提供する医薬品として確定する。
また提供商品確定処理では、予約した医薬品が注意の必要な医薬品である場合には、第2承認結果情報として薬剤師の承認を示す第2承認情報を受信すると、予約商品の登録情報に含まれる医薬品を提供する医薬品として確定し、第2承認結果情報として薬剤師の否認を示す第2否認情報を受信すると、提供する医薬品を確定せずに、予約商品の提供を禁止する提供禁止情報をセットする。
【0125】
商品提供処理装置100は、提供する医薬品を確定すると、確定した医薬品をユーザに提供する商品提供処理を行う(ステップS19)。そして、商品提供処理によりユーザへの医薬品の提供が完了すると、予約商品の提供が完了したことを示す提供完了情報とユーザの固有情報等を商品提供サーバ310に送信する。この商品提供処理の詳細については、
図10を用いて後述する。
【0126】
商品提供サーバ310は、商品提供処理装置100から提供完了情報等を受信すると、商品提供完了処理を行う(ステップS46)。
この商品提供完了処理では、ユーザの固有情報に対応付けて提供商品の情報(提供した医薬品、提供個数、提供時期、提供した商品提供処理装置の固有情報)等をデータベース記憶部330に登録する。さらに、商品提供サーバ310は、薬剤師サーバ320に提供完了情報等を転送する。
【0127】
薬剤師サーバ320は、商品提供サーバ310から提供完了情報等を受信すると、第2インセンティブ支払処理を行う(ステップS47)。
この第2インセンティブ支払処理では、特定の医薬品である場合には、ステップS36の第1インセンティブ支払処理によって設定されたインセンティブの単価の残額(例えば、50%)である第2インセンティブを医薬品の提供に関する承認作業を行った薬剤師に対して支払うように、第2インセンティブを電子マネーとして薬剤師端末装置340に送信したり、薬剤師の銀行口座に振り込んだりする支払処理が行われる。また、第2インセンティブ支払処理では、注意の必要な通常の医薬品(OTC医薬品)である場合には、特定の医薬品の第2インセンティブよりも低い第3インセンティブを支払う支払処理が行われる。
【0128】
このように、ユーザが予約商品として特定の医薬品を決定した場合には、薬剤師に対しては、予約商品の決定後の問診による承認時点においてインセンティブの一部が支払われ、商品提供処理装置100から商品の提供が行われた時点でインセンティブの残額を支払われるように構成されている。このため、ユーザが予約商品を決定したものの、予約商品をキャンセルして実際には商品提供処理装置100から商品の提供が行われなかった場合であっても、問診による承認時点においてインセンティブの一部が支払われることから、薬剤師による承認業務を積極的に行わせ、商品提供システム1の稼働率を向上させることができる。
【0129】
商品提供処理装置100は、商品提供処理によりユーザへの医薬品の提供が完了すると、在庫数算出処理を行う(ステップS20)。
この在庫数算出処理では、格納部30に格納された医薬品の在庫数を算出し、算出した在庫数の情報と商品提供処理装置の固有情報とを商品提供サーバ310に送信する。
【0130】
商品提供サーバ310は、商品提供処理装置100から在庫数の情報等を受信すると、在庫数更新処理を行う(ステップS48)。
この在庫数更新処理では、受信した商品提供処理装置の固有情報に対応付けて在庫数を更新して、データベース記憶部330に記憶する。
【0131】
なお、上述したシーケンス図におけるユーザ端末装置200、商品提供処理装置100、サーバ300(商品提供サーバ310及び薬剤師サーバ320)、薬剤師端末装置340の処理は、代表的な処理を例示したものであり、この他にも多数の機能を果たすための処理が行われている。
【0132】
例えば、商品提供サーバ310は、後述するパターンマッチングを行わせるための医薬品の見本商品画像や見本補充商品画像を商品提供処理装置100に送信する。
【0133】
[商品提供処理装置の制御処理]
次に、商品提供処理装置100の制御処理の詳細について説明する。
図7は、実施形態1に係る商品提供処理装置100の主制御処理を示すフローチャートの一例である。
【0134】
(商品提供処理装置の主制御処理)
図7に示す商品提供処理装置100の主制御処理は、商品提供処理装置100に電源が供給されたときに行われる処理である。
【0135】
図7に示すように、ステップS101において、制御部70は、電断復帰処理を行う。
この電断復帰処理では、各種の情報を初期化するとともに、商品提供サーバ310と通信確認を行い、商品提供サーバ310から必要な情報を取得する。本実施形態においては、商品提供サーバ310から各種の医薬品に含まれる成分情報、各種の医薬品の見本商品画像、正しく商品が格納部30に補充されたときの見本補充商品画像を取得し、記憶部81に記憶する。この処理を終了すると、処理をステップS102に移す。
【0136】
ステップS102において、制御部70は、ユーザからの操作や補充者からの商品補充の操作を受け付ける受付待機処理を行う。
この受付待機処理は、
図6に示した受付待機処理(ステップS11)に対応する処理であり、ユーザからの操作を受け付ける受付表示画面を表示部10に表示させるとともに、ユーザからの操作や補充者からの商品補充の操作を受け付けることを待機する処理である。そして、ユーザからの操作や補充者からの商品補充の操作を受け付けると、処理をステップS103に移す。
【0137】
ステップS103において、制御部70は、補充者からの商品補充の開始操作を受け付けたか否かを判定する。補充者からの商品補充の開始操作としては、扉3を開放したことや、扉3を閉鎖しているロック状態を解除したこと、操作入力部11に補充者が補充開始パスワード等を入力したことが挙げられる。
制御部70は、補充者からの商品補充の開始操作を受け付けたと判定した場合には、処理をステップS104に移し、補充者からの商品補充の開始操作を受け付けていないと判定した場合には、処理をステップS106に移す。
【0138】
ステップS104において、制御部70は、補充者からの商品補充の終了操作を受け付けたか否かを判定する。補充者からの商品補充の終了操作としては、扉3を閉鎖したことや、扉3を閉鎖しているロック状態となったこと、操作入力部11に補充者が補充終了パスワード等を入力したことが挙げられる。
制御部70は、補充者からの商品補充の終了操作を受け付けたと判定した場合には、処理をステップS105に移し、補充者からの商品補充の終了操作を受け付けていないと判定した場合には、補充者からの商品補充の終了操作を受け付けるまで待機する。
【0139】
ステップS105において、制御部70は、補充者による補充作業が正しく行われたか否かを確認する商品補充確認処理を行う。この商品補充確認処理の詳細については、
図8を用いて後述する。この処理を終了すると、処理をステップS102に戻す。
【0140】
ステップS106において、制御部70は、ユーザからの予約商品の受取操作を受け付けたか否かを判定する。
制御部70は、ユーザからの予約商品の受取操作を受け付けたと判定した場合には、処理をステップS107に移し、ユーザからの予約商品の受取操作を受け付けていないと判定した場合には、処理をステップS115に移す。
【0141】
ステップS107において、制御部70は、認証コード情報を表示させる認証コード情報表示処理を行う。
この認証コード情報表示処理は、
図6に示した認証コード情報表示処理(ステップS12)に対応する処理であり、商品提供処理装置100の表示部10に認証コード情報を表示させる。この処理を終了すると、処理をステップS108に移す。
【0142】
ステップS108において、制御部70は、商品提供サーバ310から予約商品の登録情報及びユーザの固有情報を受信したか否かを判定する。
制御部70は、予約商品の登録情報及びユーザの固有情報を受信したと判定した場合には、処理をステップS109に移し、予約商品の登録情報及びユーザの固有情報を受信していないと判定した場合には、予約商品の登録情報及びユーザの固有情報を受信するまで待機する。
【0143】
ステップS109において、制御部70は、予約商品の登録情報から予約した医薬品が注意の必要な医薬品であるか否かを判定する。このステップS109の処理は、
図6に示した商品グレード判定処理(ステップS13)に対応する処理である。
制御部70は、予約した医薬品が注意の必要な医薬品であると判定した場合には、処理をステップS110に移し、予約した医薬品が注意の必要な医薬品でないと判定した場合には、処理をステップS117に移す。
【0144】
ステップS110において、制御部70は、OTC医薬品について健康被害抑制すべき医薬品の対象であるか否かを判定する。このステップS110の処理は、
図6に示したOTC医薬品の対象判定処理(ステップS14)に対応する処理である。
制御部70は、健康被害抑制すべき医薬品の対象であると判定した場合には、処理をステップS111に移し、健康被害抑制すべき医薬品の対象でないと判定した場合には、処理をステップS112に移す。
【0145】
ステップS111において、制御部70は、OTC医薬品の健康被害抑制処理を行う。このステップS111の処理は、
図6に示したOTC医薬品の健康被害抑制処理(ステップS15)に対応する処理である。このOTC医薬品の健康被害抑制処理の詳細については、
図9を用いて後述する。この処理を終了すると、処理をステップS112に移す。
【0146】
ステップS112において、制御部70は、外部カメラ20によりユーザを撮影するユーザ撮影処理を行う。このステップS112の処理は、
図6に示したユーザ撮影処理(ステップS16)に対応する処理である。
このユーザ撮影処理は、外部カメラ20によりユーザを撮影し、撮影したユーザ画像を取得する。この処理を終了すると、処理をステップS113に移す。
【0147】
ステップS113において、制御部70は、提供申請処理を行う。このステップS113の処理は、
図6に示した提供申請処理(ステップS17)に対応する処理である。
この提供申請処理は、提供申請情報、ユーザ画像、ユーザの固有情報等を商品提供サーバ310に送信する。この処理を終了すると、処理をステップS114に移す。
【0148】
ステップS114において、制御部70は、商品提供サーバ310から第2承認結果情報を受信したか否かを判定する。
制御部70は、第2承認結果情報を受信したと判定した場合には、処理をステップS117に移し、第2承認結果情報を受信していないと判定した場合には、第2承認結果情報を受信するまで待機する。
【0149】
ステップS115において、制御部70は、ユーザからの商品の購入操作を受け付けたか否かを判定する。
制御部70は、ユーザからの商品の購入操作を受け付けたと判定した場合には、処理をステップS116に移し、ユーザからの商品の購入操作を受け付けていないと判定した場合には、処理をステップS102に戻す。
【0150】
ステップS116において、制御部70は、ユーザからの商品の選択操作に応じて、医薬品名から医薬品を選択したり、症状から医薬品を選択したりして、医薬品を選択する商品選択処理を行う。この処理を終了すると、処理をステップS117に移す。
【0151】
ステップS117において、制御部70は、提供する医薬品を確定する提供商品確定処理を行う。この提供商品確定処理は、
図6に示した提供商品確定処理(ステップS18)に対応する処理でもある。
この提供商品確定処理は、ユーザからの商品の購入操作を受け付けた場合(ステップS115)には、ユーザからの商品の確定操作に応じて、選択された医薬品を確定する商品確定処理を行う。
提供商品確定処理は、ユーザからの予約商品の受取操作を受け付けた場合(ステップS106)において、予約した医薬品が注意の不要な医薬品であるとき(ステップS109)には、ユーザからの商品の確定操作に応じて、予約商品の登録情報に含まれる医薬品を提供する医薬品として確定する。また、ユーザからの予約商品の受取操作を受け付けた場合において、予約した医薬品が注意の必要な医薬品であるときには、第2承認結果情報として薬剤師の承認を示す第2承認情報を受信すると、ユーザからの商品の確定操作に応じて、予約商品の登録情報に含まれる医薬品を提供する医薬品として確定し、第2承認結果情報として薬剤師の否認を示す第2否認情報を受信すると、提供する医薬品を確定せずに、商品の提供を禁止する提供禁止情報をセットする。
この処理を終了すると、処理をステップS118に移す。
【0152】
ステップS118において、制御部70は、確定した医薬品を格納部30から提供する商品提供処理を行う。この商品提供処理は、
図6に示した商品提供処理(ステップS19)に対応する処理であり、詳しくは
図10を用いて後述する。この処理を終了すると、処理をステップS119に移す。
【0153】
ステップS119において、制御部70は、格納部30に格納された医薬品の在庫数を算出する在庫数算出処理を行う。この在庫数算出処理は、
図6に示した在庫数算出処理(ステップS20)に対応する処理である。
この在庫数算出処理は、医薬品を提供する前の医薬品の在庫数から、提供した医薬品の提供数を減算して、提供した医薬品の在庫数を算出する。そして、医薬品の在庫数がゼロになれば、表示部10においてその医薬品の売り切れ表示を行う。この処理を終了すると、処理をステップS120に移す。
【0154】
ステップS120において、制御部70は、医薬品の在庫数の情報と商品提供処理装置の固有情報とを商品提供サーバ310に送信する在庫数情報送信処理を行う。これにより、商品提供サーバ310は、受信した商品提供処理装置の固有情報に対応付けて在庫数をデータベース記憶部330に記憶することができ、複数の商品提供処理装置100の在庫数を把握することができる。この処理を終了すると、処理をステップS102に戻す。
【0155】
図示は省略するが、商品提供処理装置100の制御処理として
図7に示した主制御処理の他にも、商品提供サーバ310から各種情報を受信することにより行われる受信割込み処理等がある。
【0156】
(商品提供処理装置の商品補充確認処理)
次に、商品提供処理装置100の商品補充確認処理の詳細について説明する。
図8は、実施形態1に係る商品提供処理装置100の商品補充確認処理を示すフローチャートの一例である。
【0157】
図8に示すように、ステップS121において、制御部70は、昇降駆動部44によりエレベータ40を格納段D1~D10のいずれかの格納段Dと対向する位置に移動させる補充時エレベータ駆動処理を行う。
この補充時エレベータ駆動処理では、最上段の格納段D1から最下段の格納D10(上から下)または最下段の格納段D10から最上段の格納段D1(下から上)の順番に移動するように、エレベータ40を後述する内部カメラ撮影処理により撮影されていない格納段Dと対向する位置に移動させる。この処理を終了すると、処理をステップS122に移す。
【0158】
ステップS122において、制御部70は、内部カメラ21により格納部30の撮影をする補充時内部カメラ撮影処理を行う。
この補充時内部カメラ撮影処理では、内部カメラ21によりエレベータ40と対向している格納段Dにあるすべての格納レーンR1~R4を撮影し、その格納段Dにおける撮影補充商品画像を取得する。この処理を終了すると、処理をステップS123に移す。
【0159】
ステップS123において、制御部70は、補充時パターンマッチング判定処理を行う。
この補充時パターンマッチング判定処理では、上記補充時内部カメラ撮影処理により取得された撮影補充商品画像とその格納段Dに正しく商品が格納部30に補充されたときの見本補充商品画像とのパターンマッチングを行い、誤り商品が補充されていないか否かを判定する。この処理を終了すると、処理をステップS124に移す。
【0160】
ステップS124において、制御部70は、すべての格納段D1~D10に対してのパターンマッチング(補充時パターンマッチング判定処理)が終了したか否かを判定する。
制御部70は、すべての格納段D1~D10に対してのパターンマッチングが終了したと判定した場合には、処理をステップS126に移し、すべての格納段D1~D10に対してのパターンマッチングが終了していないと判定した場合には、処理をステップS121に戻す。
【0161】
このように、ステップS121~ステップS124の処理が繰り返し行われることにより、すべての格納段D1~D10に対しての撮影補充商品画像が取得されるとともに、すべての格納段D1~D10に対してのパターンマッチングが行われることになる。
【0162】
ステップS126において、制御部70は、補充時パターンマッチング表示処理を行う。
この補充時パターンマッチング表示処理では、最初にすべての格納段D1~D10に対する撮影補充商品画像を合成して、全体の撮影補充商品画像を生成する。そして、補充時パターンマッチング判定処理による判定結果(正常・マッチングエラー)を表示部10に表示させるとともに、全体の撮影補充商品画像と全体の見本補充商品画像とを対比させて表示部10に表示させる。この処理を終了すると、処理をステップS127に移す。
【0163】
なお、本実施形態においては、内部カメラ21によって撮影されたすべての格納段D1~D10に対する撮影補充商品画像から全体の撮影補充商品画像を生成するように構成したが、内部カメラ21によってすべての格納部30を一括して撮影し、一括して撮影した画像を全体の撮影補充商品画像としてもよい。
【0164】
ステップS127において、制御部70は、補充時パターンマッチング判定処理により誤り商品が補充されていると判定されたか否か、すなわち、マッチングエラーがあるか否かを判定する。
制御部70は、マッチングエラーがあると判定した場合には、処理をステップS128に移し、マッチングエラーがないと判定した場合には、処理をステップS129に移す。
【0165】
ステップS128において、制御部70は、マッチングエラーのある格納部30からの商品の提供を禁止する一部提供禁止処理を行う。
この一部提供禁止処理では、補充時パターンマッチング判定処理により誤り商品が補充されている格納部30からの商品の提供を停止する格納部提供停止状態を設定する。この処理を終了すると、処理をステップS129に移す。
【0166】
このように、補充者により医薬品の補充作業が行われたときには、補充時パターンマッチング判定処理によりソフトウェア的に正しく医薬品が格納部30に補充されたか否かを判定し、誤り商品が補充された場合には、その格納部30からの医薬品の提供を禁止している。このため、補充者の思い込みや誤解により誤った医薬品が補充されることを防止し、誤った医薬品が提供されることを防止することができる。
【0167】
ステップS129において、制御部70は、1つの格納段Dに対して、補充者が撮影補充商品画像と見本補充商品画像とが対応していることを確認した確認操作を受け付けたか否かを判定する。
制御部70は、1つの格納段Dに対して確認操作を受け付けたと判定した場合には、処理をステップS130に移し、1つの格納段Dに対して確認操作を受け付けていないと判定した場合には、確認操作を受け付けるまで待機する。
【0168】
ステップS130において、制御部70は、確認操作を受け付けた格納段Dを記憶するためのチェックデータ記憶処理を行う。
このチェックデータ記憶処理では、確認操作を受け付けた格納段Dに対応付けてチェックデータを記憶するとともに、確認操作を受け付けた格納段Dがチェック済みである旨を表示部10に表示させる。この処理を終了すると、処理をステップS131に移す。
【0169】
ステップS131において、制御部70は、すべての格納段D1~D10に対するチェックデータが記憶されたか否かを判定する。
制御部70は、すべての格納段D1~D10に対するチェックデータが記憶されたと判定した場合には、処理をステップS132に移し、すべての格納段D1~D10に対するチェックデータが記憶されていないと判定した場合には、処理をステップS129に戻す。
【0170】
このように、ステップS129~ステップS131の処理が繰り返し行われることにより、すべての格納段D1~D10に対して、補充者が撮影補充商品画像と見本補充商品画像とを目視により格納段Dを1つずつチェックし、補充者により誤った商品が補充されることを防止することができる。
【0171】
なお、ステップS129~ステップS131においては、補充者の確認操作として、横の格納段Dを1つずつチェックするように構成したが、すべての格納レーンR1~R4に対して、縦の格納レーンRを1つずつチェックするように構成してもよい。さらには、補充者の確認操作として、1商品を1つずつチェックするように構成してもよいし、すべての商品を一括してチェックするように構成してもよい。
【0172】
ステップS132において、制御部70は、すべての格納部30に補充された医薬品の在庫を算出・送信する全在庫数情報送信処理を行う。
この全在庫数情報送信処理では、すべての格納部30に補充された医薬品の在庫数を算出し、算出した在庫数と商品提供処理装置の固有情報とを商品提供サーバ310に送信する。この処理を終了すると、処理をステップS133に移す。
【0173】
ステップS133において、制御部70は、商品の提供を許可する商品許可処理を行う。
この商品許可処理では、補充者に医薬品の補充作業が終了した旨を表示部10に表示させ、商品の提供を許可する。なお、商品許可処理においては、一部提供禁止処理(ステップS128)により設定された格納部提供停止状態は解除されない。この処理を終了すると、今回の商品補充確認処理を終了する。
【0174】
このように、本実施形態の商品補充確認処理においては、補充者により医薬品の補充作業が行われたときには、正しく医薬品が格納部30に補充されたか否かを補充時パターンマッチング判定処理によりソフトウェアの1段階目のチェックが行われ、補充者が格納段Dを1つずつチェックする確認操作により人為的な2段階目のチェック(ダブルチェック)が行われるので、誤った医薬品が格納部30に補充されることを防止し、誤った医薬品の服用により健康被害が生じることを防止することができる。
【0175】
(OTC医薬品の健康被害抑制処理)
次に、商品提供処理装置100のOTC医薬品の健康被害抑制処理の詳細について説明する。
図9は、実施形態1に係る商品提供処理装置のOTC医薬品の健康被害抑制処理を示すフローチャートの一例である。
【0176】
図9に示すように、ステップS141において、制御部70は、予約商品の登録情報に含まれる医薬品から成分情報を抽出する成分情報抽出処理を行う。
この成分情報抽出処理では、記憶部81に記憶された各種の医薬品に含まれる成分情報を参照し、予約商品の登録情報に含まれる医薬品から成分情報を抽出する。この処理を終了すると、処理をステップS142に移す。
【0177】
ステップS142において、制御部70は、抽出した医薬品の成分情報に基づいて、服用に際し注意が必要となる特定の成分を含んでいるか否かを判定する。
制御部70は、特定の成分を含んでいると判定した場合には、処理をステップS143に移し、特定の成分を含んでいないと判定した場合には、今回のOTC医薬品の健康被害抑制処理を終了する。
【0178】
ステップS143において、制御部70は、サーバチェック要求処理を行う。
このサーバチェック要求処理では、ユーザの固有情報と医薬品の成分情報と商品提供処理装置の固有情報等を商品提供サーバ310に送信する。この処理を終了すると、処理をステップS144に移す。
【0179】
ここで、商品提供サーバ310は、商品提供処理装置100からユーザの固有情報と提供する医薬品の成分情報と商品提供処理装置の固有情報等を受信すると、ユーザの固有情報が対応付けられた過去に提供した医薬品の履歴情報を参照して、濫用防止判定処理と禁忌防止判定処理とを行い、それぞれの判定結果を受信した商品提供処理装置の固有情報を有する商品提供処理装置100に送信する。
【0180】
濫用防止判定処理では、ユーザの固有情報が対応付けられた所定期間に提供した医薬品の履歴情報を参照し、提供する医薬品の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたか否かを判定する。そして、提供する医薬品の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたと判定した場合には、商品提供処理装置100に「成分濫用情報」を送信し、提供する医薬品の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されていないと判定した場合には、商品提供処理装置100に「通常服用情報」を送信する。
【0181】
禁忌防止判定処理では、ユーザの固有情報が対応付けられた特定期間に提供した医薬品からも過去の成分情報を抽出し、併用禁忌となる各種の成分情報の禁忌組合せの情報を参照し、提供する医薬品の成分情報と過去の成分情報とが禁忌組合せとなるか否かを判定する。そして、禁忌組合せとなると判定した場合には、商品提供処理装置100に「禁忌有り情報」を送信し、禁忌組合せとならないと判定した場合には、商品提供処理装置100に「禁忌なし情報」を送信する。
また、併用注意となる各種の成分情報の注意組合せの情報とも参照し、提供する医薬品の成分情報と過去の成分情報とが注意組合せとなるか否かを判定する。そして、注意組合せとなると判定した場合には、商品提供処理装置100に「禁忌注意情報」を送信し、注意組合せとならないと判定した場合には、商品提供処理装置100に「注意なし情報」を送信する。
【0182】
商品提供処理装置100の処理に戻り、ステップS144において、制御部70は、商品提供サーバ310から送信された情報に基づいて、所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供するか否かを判定する。具体的には、商品提供サーバ310から「成分濫用情報」を受信することにより所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供すると判定し、商品提供サーバ310から「通常服用情報」を受信することにより所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供しないと判定する。
制御部70は、所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供すると判定した場合には、処理をステップS148に移し、所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供しないと判定した場合には、処理をステップS145に移す。
【0183】
ステップS145において、制御部70は、商品提供サーバ310から送信された情報に基づいて、特定期間に禁忌組合せとなる成分を含む医薬品を提供するか否かを判定する。具体的には、商品提供サーバ310から「禁忌有り情報」を受信することにより特定期間に禁忌組合せとなる成分を含む医薬品を提供すると判定し、商品提供サーバ310から「禁忌なし情報」を受信することにより特定期間に禁忌組合せとなる成分を含む医薬品を提供しないと判定する。
制御部70は、特定期間に禁忌組合せとなる成分を含む医薬品を提供すると判定した場合には、処理をステップS148に移し、特定期間に禁忌組合せとなる成分を含む医薬品を提供しないと判定した場合には、処理をステップS146に移す。
【0184】
ステップS146において、制御部70は、商品提供サーバ310から送信された情報に基づいて、特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供するか否かを判定する。具体的には、商品提供サーバ310から「禁忌注意情報」を受信することにより特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供すると判定し、商品提供サーバ310から「注意なし情報」を受信することにより特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供しないと判定する。
制御部70は、特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供すると判定した場合には、処理をステップS147に移し、特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供しないと判定した場合には、今回のOTC医薬品の健康被害抑制処理を終了する。
【0185】
ステップS147において、制御部70は、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分との併用を注意する旨を表示部10に表示させる併用注意表示データをセットする。この処理を終了すると、今回のOTC医薬品の健康被害抑制処理を終了する。なお、併用注意表示データをセットしても、後述するように医薬品の提供は行われることになる。
【0186】
また、特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供する場合には、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分との併用を注意する旨が表示されるから、ユーザに注意喚起を行い、健康被害が生じることを防止することができる。
【0187】
ステップS148において、制御部70は、所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供する場合または特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供する場合には、医薬品の提供を停止する提供停止処理を行う。この提供停止処理では、商品の提供を禁止する提供禁止情報をセットする。この処理を終了すると、今回のOTC医薬品の健康被害抑制処理を終了する。
【0188】
このように、所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供する場合には、医薬品の提供が停止されるから、同一の有効成分を有する医薬品のユーザによる濫用防止を図り、健康被害が生じることを防止することができる。特に、濫用防止判定処理においては、提供する医薬品の成分情報を含む医薬品が所定期間内に所定数以上提供されたか否かを判定していることから、同じ医薬品に限定されたり、先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)とで区別されたりすることなく、同一の有効成分を有する医薬品のユーザによる濫用防止をより適切に図り、健康被害が生じることより強固に防止することができる。
【0189】
また、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分と併用禁忌に該当する場合には、医薬品の提供が停止されるから、併用禁忌による健康被害が生じることを防止することができる。
【0190】
(商品提供処理装置の商品提供処理)
次に、商品提供処理装置100の商品提供処理の詳細について説明する。
図10は、実施形態1に係る商品提供処理装置の商品提供処理を示すフローチャートの一例である。
【0191】
図10に示すように、ステップS151において、制御部70は、提供禁止情報をセットされているか否かを判定する。
制御部70は、提供禁止情報をセットされていると判定した場合には、処理をステップS152に移し、提供禁止情報をセットされていないと判定した場合には、処理をステップS153に移す。
【0192】
ステップS152において、制御部70は、医薬品の提供が禁止されている旨を表示部10に表示させる医薬品エラー表示処理を行う。
この医薬品エラー表示処理では、提供禁止情報がセットされたことに起因する情報(薬剤師の否認を示す第2否認情報、成分濫用情報、禁忌有り情報)に基づいて、医薬品の提供が禁止されている旨を表示部10に表示させる。この処理を終了すると、今回の商品提供処理を終了する。
【0193】
ステップS153において、制御部70は、エレベータ40を格納部30と対向する位置に移動させるエレベータ往路駆動処理を行う。
このエレベータ往路駆動処理では、提供する医薬品が格納されている格納部30の格納段Dの位置を算出し、算出した格納段Dの位置まで昇降駆動部44によりエレベータ40を移動させる。この処理を終了すると、処理をステップS154に移す。
【0194】
ステップS154において、制御部70は、内部カメラ21により格納部30に格納されている今回提供する予定の医薬品を撮影する内部カメラ撮影処理を行う。
この内部カメラ撮影処理では、内部カメラ21によりエレベータ40と対向している格納部30に格納されている今回提供する予定の医薬品を撮影し、今回提供する予定の医薬品の提供商品画像を取得する。この処理を終了すると、処理をステップS155に移す。
【0195】
ステップS155において、制御部70は、パターンマッチング判定処理を行う。
このパターンマッチング判定処理では、取得した提供商品画像と正しい商品が格納部30に格納されているときの見本商品画像とのパターンマッチングを行い、誤った医薬品が格納されていないか否かを判定する。この処理を終了すると、処理をステップS156に移す。
【0196】
ステップS156において、制御部70は、パターンマッチング判定処理により誤った医薬品が格納されていると判定されたか否か、すなわち、マッチングエラーがあるか否かを判定する。
制御部70は、マッチングエラーがあると判定した場合には、処理をステップS157に移し、マッチングエラーがないと判定した場合には、処理をステップS159に移す。
【0197】
ステップS157において、制御部70は、提供する医薬品が誤って格納されており、医薬品を提供することができない旨を表示部10に表示させる提供エラー表示処理を行う。この処理を終了すると、処理をステップS158に移す。
【0198】
ステップS158において、制御部70は、マッチングエラーのある格納部30からの商品の提供を禁止する一部提供禁止処理を行う。
この一部提供禁止処理では、パターンマッチング判定処理により誤った医薬品が格納されている格納部30からの商品の提供を停止する格納部提供停止状態を設定する。これにより、今後も誤った医薬品が格納されている格納部30からの商品の提供が停止される。そして、昇降駆動部44によりエレベータ40を商品取出口12と対向する位置に戻す。この処理を終了すると、今回の商品提供処理を終了する。
【0199】
このように、医薬品が提供されるときにも、パターンマッチング判定処理により誤った医薬品が格納部30に格納されていないかを直前にチェックし、誤り商品が提供されることを防止している。また、医薬品の補充作業が行われたときにも、誤った医薬品が格納部30に補充されていないかのダブルチェックは行っているが、仮に格納部30の奥の方に誤った医薬品に補充されていた場合であっても、医薬品を提供する直前に誤った医薬品が格納部30に格納されていることを発見でき、より正確に正しい医薬品を提供することができる。
【0200】
さらに、パターンマッチング判定処理により誤った医薬品が格納部30に格納されていると判定した場合であっても、商品提供処理装置100の全商品の提供を停止することなく、誤った医薬品が格納されている格納部30から医薬品の提供を停止することから、正しく医薬品が補充された格納部30からの商品の提供を継続することができ、商品提供処理装置100による商品を提供する稼働率の低下を抑制することができる。
【0201】
これは、内部カメラ21が格納部30に格納されている提供する医薬品を撮影するからであり、内部カメラ21がトレイ41に載置された医薬品を撮影して、トレイ41に載置された医薬品の画像と見本商品画像とのパターンマッチングを行ってしまうと、マッチングエラーのときにはエレベータ40の駆動を停止したり、商品取出口12を閉鎖したりして、商品提供処理装置100の全商品の提供を停止せざるを得なくなってしまうからである。
【0202】
第1商品提供処理装置100Aにおいては、ステップS159において、制御部70は、購入代金支払確認処理を行う。
この購入代金支払確認処理では、提供する医薬品の購入代金を算出し、金銭情報入出力部60よりユーザからの入金を確認して、ユーザからの入金が購入代金に足りていると、ユーザに医薬品を提供するために処理をステップS160に移す。また、ユーザからの入金が購入代金を超えているときには、釣銭を算出し、算出した釣銭を釣銭取出口18に排出する。
【0203】
また、コンビニエンスストア等の販売店の店舗内に設置された第2商品提供処理装置100Bは、支払ユニットが備えられていないことから、上述の購入代金支払確認処理は行われず、ステップS160に処理を移す。上述したように、第2商品提供処理装置100Bから提供された医薬品については、第2商品提供処理装置100Bが設置された販売店において会計処理が行われることになる。
【0204】
ステップS160において、制御部70は、コンベア31を駆動させるコンベア駆動処理を行う。
このコンベア駆動処理では、提供する医薬品が格納された格納部30のコンベア31に備えられたベルト駆動部34を駆動させて、格納部30に格納された提供する医薬品をエレベータ40に搬送する。このコンベア駆動処理により、格納部30に格納された提供する医薬品がエレベータ40のトレイ41に載置されることになる。この処理を終了すると、処理をステップS161に移す。
【0205】
ステップS161において、制御部70は、昇降駆動部44によりエレベータ40を商品取出口12と対向する位置に移動させるエレベータ復路駆動処理を行う。この処理を終了すると、処理をステップS162に移す。
【0206】
ステップS162において、制御部70は、開閉駆動部91により開閉扉13を開放させる商品取出口開放処理を行う。この商品取出口開放処理により、ユーザは商品提供処理装置100から提供された医薬品を商品取出口12から受け取ることができる。この処理を終了すると、処理をステップS163に移す。
【0207】
ステップS163において、制御部70は、医薬品の提供が完了した旨を表示部10に表示させる提供表示処理を行う。
この提供表示処理では、併用注意表示データがセットされている場合には、医薬品の提供の完了とともに、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分との併用を注意する旨を表示部10に表示させ、併用注意表示データがセットされていない場合には、正常に医薬品の提供が完了した旨を表示部10に表示させる。この処理を終了すると、今回の商品提供処理を終了する。
【0208】
なお、本実施形態においては、商品提供サーバ310により濫用防止判定処理と禁忌防止判定処理とを行わせるように構成したが、商品提供処理装置100が商品提供サーバ310からユーザの固有情報が対応付けられた過去に提供した医薬品の情報を取得し、商品提供処理装置100が濫用防止判定処理と禁忌防止判定処理とを行うように構成してもよい。
【0209】
[ユーザ端末装置の表示画面]
上述したユーザ端末装置200の端末表示部204に表示される表示画面の一例について説明する。
図11は、実施形態1に係るユーザ端末装置の端末表示部に表示される表示画面の一例である。
【0210】
図11(a)は、ユーザ端末装置200が予約商品としての医薬品を選択するとき(ステップS2等)に、ユーザ端末装置200の端末表示部204に表示される商品選択表示画面の一例である。
【0211】
図11(a)に示すように、商品選択表示画面においては、ユーザが医薬品を直接選択して医薬品を購入していくための購入ルートを選択する第1ボタン画像と、ユーザが症状を選択して医薬品を購入していくための購入ルートを選択する第2ボタン画像とが少なくとも表示される。ユーザは、第1ボタン画像または第2ボタン画像をタッチすることにより医薬品の購入ルートを決定し、各種の選択情報に基づいて医薬品を絞り込んでいき、絞り込んだ医薬品を予約商品として決定していくことになる。
【0212】
図11(b)は、ユーザが予約商品を決定するとき(ステップS2等)に、ユーザ端末装置200の端末表示部204に表示される予約商品確認表示画面の一例である。
【0213】
図11(b)に示すように、予約商品確認表示画面においては、予約商品として決定される医薬品の情報と、予約商品を決定するための「はい」のボタン画像と、予約商品をキャンセルするための「いいえ」のボタン画像とが表示される。また、予約商品として決定される医薬品が特定の医薬品(例えば第一類医薬品)である場合には、薬剤師による問診が行われることを報知する問診移行画像(例えば「第一類医薬品は、薬剤師の承認が必要になり、薬剤師とのQAが行われます」の文字)が表示される。ユーザは、「はい」のボタン画像をタッチすることにより予約商品を決定し、予約商品として決定される医薬品が特定の医薬品である場合には、薬剤師による問診が行われることになる。
【0214】
図11(c)は、薬剤師がユーザと問診を行っているとき(ステップS5等)に、ユーザ端末装置200の端末表示部204に表示される問診表示画面の一例である。
【0215】
図11(c)に示すように、問診表示画面においては、チャット等の文字ベースにより、薬剤師の会話及びユーザの会話の内容が表示される。なお、本実施形態においては、チャット等の文字ベースにより会話をするように構成したが、音声のみで会話をしてもよいし、ビデオ通話で会話をしてもよい。薬剤師は、ユーザとの問診により薬剤師端末装置340を介して特定の医薬品の承認を行うことになる。
【0216】
図11(d)は、薬剤師により特定の医薬品の承認が行われ、商品提供サーバ310から予約商品の登録情報及び商品提供処理装置の位置情報を受信し、予約結果一覧表示処理(ステップS7)によりユーザ端末装置200の端末表示部204に表示される予約結果一覧表示画面の一例である。
【0217】
図11(d)に示すように、予約結果一覧表示画面においては、予約商品の登録情報を示す説明画像が表示されるとともに、ユーザ端末装置200の現在の位置情報を基準として、周辺の地図画像とともに、予約商品を受け取り可能な商品提供処理装置100の位置情報画像(例えば星のマーク)が表示される。ユーザは、位置情報画像を見て、予約商品を受け取り可能な商品提供処理装置100の位置まで移動することができる。
【0218】
なお、予約商品を受け取り可能な商品提供処理装置100の位置情報画像に加え、その商品提供処理装置100が格納している予約商品の在庫数をあわせて表示させてもよい。このように構成する場合には、商品提供サーバ310は、商品提供処理装置100の位置情報に加え、その商品提供処理装置100の在庫数の情報をユーザ端末装置200に送信すればよい。
【0219】
[商品提供処理装置の表示画面]
上述した商品提供処理装置100の表示部10に表示される表示画面の一例について説明する。
【0220】
(予約受取時の表示画面)
まず、
図12及び
図13を参照して、商品提供処理装置100において予約商品を受け取るときの表示部10に表示される表示画面について説明する。
図12及び
図13は、実施形態1に係る商品提供処理装置100において予約商品を受け取るときの表示部10に表示される表示画面の一例である。
【0221】
図12(a)は、ユーザからの操作を受け付ける受付待機処理を行っているとき(ステップS11及びステップS102)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示される受付表示画面の一例である。
【0222】
図12(a)に示すように、受付表示画面においては、ユーザからの商品の購入操作を受け付けるための購入操作画像と、ユーザからの予約商品の受取操作を受け付けるための受取操作画像とが表示される。ユーザは、購入操作画像をタッチすることにより商品の購入操作を行い、受取操作画像をタッチすることにより予約商品の受取操作を行う。
【0223】
図12(b)は、ユーザから予約商品の受取操作があったとき(ステップS12及びステップS103)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示される認証コード表示画面の一例である。
【0224】
図12(b)に示すように、認証コード表示画面においては、QRコード等の認証コード情報が表示される。ユーザは、ユーザ端末装置200により商品提供処理装置100の表示部10に表示された認証コード情報を読み取り、商品提供サーバ310にアクセスする。
【0225】
図12(c)は、認証コード情報に基づいてユーザ端末装置200が商品提供サーバ310にアクセスし、薬剤師が予約商品の承認作業を行っているとき(ステップS55)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示される承認中表示画面の一例である。
【0226】
図12(c)に示すように、承認中表示画面においては、薬剤師が予約商品の承認作業を行っており、待機中であることが表示される。
【0227】
図12(d)は、薬剤師が予約商品の承認作業が終了し、商品提供サーバ310から第2承認結果情報として薬剤師の承認を示す第2承認情報を受信したとき(ステップS18及びステップS117)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示される提供商品確定表示画面の一例である。
【0228】
図12(d)に示すように、提供商品確定表示画面においては、提供する医薬品の情報と、提供する医薬品を確定するための「はい」のボタン画像と、提供する医薬品をキャンセルするための「いいえ」のボタン画像とが表示される。ユーザは、「はい」のボタン画像をタッチすることにより提供する医薬品を確定し、商品提供処理装置100が医薬品を提供する商品提供処理(ステップS19及びステップS118)を行う。
【0229】
図13(a)は、併用注意表示データがセットされておらず、医薬品を提供したときに提供表示処理(ステップS163)により、商品提供処理装置100の表示部10に表示される正常提供完了表示画面の一例である。
【0230】
図13(a)に示すように、正常提供完了表示画面においては、ユーザに医薬品を提供したことを報知する提供完了画像(例えば「商品取出口から商品をお受け取りください」の文字)が表示される。
【0231】
図13(b)は、併用注意表示データがセットされており、医薬品を提供したときに提供表示処理(ステップS163)により、商品提供処理装置100の表示部10に表示される注意提供完了表示画面の一例である。
【0232】
図13(b)に示すように、注意提供完了表示画面においては、提供完了画像に加え、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分との併用を注意することを報知する併用注意画像(例えば「今回提供した医薬品ABCのA成分と医薬品ZのB成分との併用にご注意ください」の文字)が表示される。
【0233】
図13(c)は、医薬品を提供する際のマッチングエラーにより医薬品を提供しないときに、提供エラー表示処理(ステップS157)により商品提供処理装置100の表示部10に表示される提供エラー表示画面の一例である。
【0234】
図13(c)に示すように、提供エラー表示画面においては、医薬品が提供できないことを報知する提供禁止画像(例えば「本医薬品を提供することができません」の文字)とともに、マッチングエラーを報知するエラー報知画像(例えば「該当する医薬品が見つからず」の文字)が表示される。また、提供エラー表示画面においては、マッチングエラーに対応した第1対応画像(例えば「購入する自動販売機を変更して頂くようお願い申し上げます」の文字)が表示される。
【0235】
図13(d)は、医薬品を提供する際の濫用防止により医薬品を提供しないときに、医薬品エラー表示処理(ステップS152)により商品提供処理装置100の表示部10に表示される濫用防止表示画面の一例である。
【0236】
図13(d)に示すように、濫用防止表示画面においては、提供禁止画像とともに、濫用防止を報知する濫用防止報知画像(例えば「特定成分の濫用防止のため」の文字)が表示される。また、濫用防止表示画面においては、濫用防止に対応した第2対応画像(例えば「薬局等にて薬剤師に相談のうえご購入下さい」の文字)が表示される。
【0237】
図13(e)は、医薬品を提供する際の併用禁忌により医薬品を提供しないときに、医薬品エラー表示処理(ステップS152)により商品提供処理装置100の表示部10に表示される併用禁忌表示画面の一例である。
【0238】
図13(e)に示すように、併用禁忌表示画面においては、提供禁止画像とともに、併用禁忌を報知する併用禁忌報知画像(例えば「医薬品ABCのA成分と医薬品XのC成分とが併用禁忌に該当し」の文字)が表示される。また、併用禁忌表示画面においては、併用禁忌に対応した第2対応画像(例えば「薬局等にて薬剤師に相談のうえご購入下さい」の文字)が表示される。
【0239】
(補充作業時の表示画面)
次に、
図14を参照して、商品提供処理装置100において補充作業が行われたときの表示部10に表示される表示画面について説明する。
図14は、実施形態1に係る商品提供処理装置100において補充作業が行われたときの表示部10に表示される表示画面の一例である。
【0240】
図14(a)は、補充者の医薬品の補充作業が終了し、補充時パターンマッチング表示処理が行われたとき(ステップS126)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示される判定結果表示画面の一例である。
【0241】
図14(a)に示すように、判定結果表示画面においては、補充時パターンマッチング判定処理による判定結果の判定画像(例えば「パターンマッチング:正常」の文字)が表示されるとともに、全体の撮影補充商品画像と全体の見本補充商品画像とが対比するように表示される。補充者は、判定結果表示画面により、補充時パターンマッチング判定処理による判定結果を把握することができる。
【0242】
さらに、判定結果表示画面においては、各格納段Dの撮影補充商品画像と見本補充商品画像とが対応していることを補充者に確認させることを促す確認操作指示画像(例えば「見本画像と撮影画像を対比し、撮影画像の各段をチェック(タッチ)してください」の文字)が表示される。補充者は、撮影補充商品画像の格納段Dを1つずつ見本補充商品画像の格納段Dと対応していることを確認し、確認が終了した撮影補充商品画像の格納段Dをタッチしていくことになる。
【0243】
図14(b)は、撮影補充商品画像の最上段である格納段D1が補充者により確認されたとき(ステップS130)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示されるチェック中表示画面の一例である。
【0244】
図14(b)に示すように、チェック中表示画面においては、撮影補充商品画像の格納段D1が補充者によりタッチされると、撮影補充商品画像の格納段D1が見本補充商品画像の格納段D1と対応していることを確認した確認操作を受け付けたものとして、撮影補充商品画像の格納段D1の背景色が変色され、撮影補充商品画像の格納段D1の右側にチェックマークが表示される。
【0245】
図14(c)は、撮影補充商品画像のすべての格納段Dが補充者により確認されたとき(ステップS130)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示されるチェック済表示画面の一例である。
【0246】
図14(c)に示すように、チェック済表示画面においては、撮影補充商品画像のすべての格納段Dの背景色が変色され、撮影補充商品画像のすべての格納段Dの右側にチェックマークが表示される。また、チェック済表示画面においては、撮影補充商品画像のすべての格納段Dのチェックが終了したことを報知するチェック終了報知画像(例えば「補充チェックが完了しました」の文字)が表示される。
【0247】
図14(d)は、撮影補充商品画像のすべての格納段Dのチェックが終了し、補充者の医薬品の補充作業が終了したとき(ステップS133)に、商品提供処理装置100の表示部10に表示される補充作業終了表示画面の一例である。
【0248】
図14(d)に示すように、補充作業終了表示画面においては、補充者に医薬品の補充作業が終了したことを報知する補充作業終了報知画像(例えば「補充作業お疲れ様でした」の文字)が表示される。
【0249】
以上のように、本実施形態においては、ユーザがユーザ端末装置200から予約商品として特定の商品(特定の医薬品)を決定した場合には、ユーザ端末装置200により責任者(薬剤師)と特定の商品に関する問診等が行われ、責任者により特定の商品の承認が行われることにより、ユーザ端末装置200に予約商品を提供可能な商品提供処理装置100の位置情報が表示される。
このため、ユーザ端末装置200により責任者との問診等が行われ、ユーザのプライバシー保護を図りやすいとともに、ユーザはどこに行けば、商品提供処理装置100により予約商品を受け取ることができるのかを把握することができ、商品の提供の利便性を向上させることができる。
【0250】
さらに、予約商品を提供可能な商品提供処理装置100として、予約商品に対応した商品の在庫数があり、かつ、予約商品に対応した商品を格納している格納部30が格納部提供許可状態にある商品提供処理装置が抽出されるので、予約商品を受け取る際に、商品提供処理装置100で売り切れや提供停止状態になり、予約商品を受け取ることができないという機会を減少させることができる。
【0251】
また、本実施形態においては、ユーザがユーザ端末装置200から予約商品を決定する場合には、予約商品を受け取る商品提供処理装置100を決定しない。そして、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品を受け取る場合には、ユーザ端末装置200から商品提供処理装置100に表示された認証コード情報を読み取って、商品提供サーバ310に予約商品の登録情報等を送信する。商品提供サーバ310は、予約商品の登録情報等を商品提供処理装置100に転送して、商品提供処理装置100は、予約商品の登録情報等に基づいて予約商品の提供を許可する。
このため、ユーザがユーザ端末装置200から予約商品を決定した場合には、予約商品を提供可能な商品提供処理装置100であれば、どこの商品提供処理装置100からでも予約商品を受け取ることができ、商品の提供の利便性が向上する。さらに、商品提供処理装置100においても、事前に予約商品が決定されないので、予約商品を確保しておく処理(予約商品を減算したことによる売り切れ制御、予約期限による予約商品の解除処理、在庫管理処理等)による負担軽減を図ることができるとともに、予約商品を確保したことによる売り切れに対する第三者への提供機会の損失を抑制し、商品提供の稼働の維持を図ることができる。
【0252】
また、本実施形態においては、ユーザがユーザ端末装置200から予約商品として特定の商品(特定の医薬品)を決定した場合には、責任者の1回目の承認処理(ステップS53の薬剤師第1承認処理)を行い、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品を受け取る場合にも、責任者の2回目の承認処理(ステップS55の薬剤師第2承認処理)を行うように構成した。
このため、商品提供処理装置100から予約商品を受け取るユーザが、ユーザ端末装置200から予約商品を決定したユーザになりすまして、予約商品を受け取ることを防止することができる。
【0253】
さらに、責任者に対しては、責任者が1回目の承認処理を行ったときにインセンティブの一部が支払われ(ステップS36の第1インセンティブ支払処理)、責任者が2回目の承認処理を行った後、商品提供処理装置100から予約商品の提供が行われたときにインセンティブの残額が支払われる(ステップS47の第2インセンティブ支払処理)ように構成した。
このため、ユーザが予約商品を決定したものの、予約商品をキャンセルして実際には商品提供処理装置100から商品の提供が行われなかった場合であっても、1回目の承認処理を行ったときにインセンティブの一部が支払われることから、予約商品がキャンセルされることにより責任者の承認業務がすべて無駄になるということはなく、責任者による承認業務を積極的に行わせ、商品提供システム1の稼働率を向上させることができる。
【0254】
さらに、また責任者の1回目の承認処理は、最初に薬剤師サーバ320に問診申請情報を送信した責任者によって行われる(いわゆる早い者勝ち)。
このため、ユーザの問診において責任者の参加を待機している待機時間を短縮させ、商品提供システム1の稼働率をより一層向上させることができる。
【0255】
さらに、また責任者に支払われるインセンティブの単価は、サーバ300への責任者のアクセス数に基づいて設定され、深夜帯・休日等の責任者のアクセス数が少ない時間にはインセンティブの単価が高く設定され、昼間・平日等の責任者のアクセス数が多い時間にはインセンティブの単価が低く設定される(ステップS36)。
これにより、アクセスの少ない時間のインセンティブ単価の設定を自動的にコントロールすることができ、深夜帯・休日等の責任者による承認業務を安定的に行わせ、商品提供システム1の稼働率をより一層向上させることができる。
【0256】
また、本実施形態においては、補充者により医薬品の補充作業が行われたときには、撮影補充商品画像と見本補充商品画像とのパターンマッチングを行い(ステップS123)、正しく医薬品が格納部30に補充されたか否かを判定し、誤り商品が補充された場合には、その格納部30からの医薬品の提供を禁止している(ステップS127、S128)。
このため、補充者の思い込みや誤解により誤った医薬品が補充されることを防止し、誤った医薬品が提供されることを防止することができる。これにより、誤った医薬品の服用により健康被害が生じることを防止することができる。
【0257】
さらに、撮影補充商品画像と見本補充商品画像とのパターンマッチングが行われたときには、撮影補充商品画像と見本補充商品画像とのパターンマッチングの判定結果とともに、撮影補充商品画像と見本補充商品画像とを対比させて商品提供処理装置100の表示部10に表示させている(ステップS126、
図14の表示画面)。加えて、撮影補充商品画像の各格納段Dと見本補充商品画像の各格納段Dとが対応していることを補充者に確認させる確認操作を行わせている(ステップS129~S131、
図14の表示画面)。
このため、正しく医薬品が格納部30に補充されたか否かをパターンマッチングによりソフトウェアの1段階目のチェックが行われ、補充者が格納段Dを1つずつチェックする確認操作により人為的な2段階目のチェック(ダブルチェック)が行われるので、誤った医薬品が格納部30に補充されることを防止し、誤った医薬品が提供されることを防止することができる。これにより、誤った医薬品の服用により健康被害が生じることを防止することができる。
【0258】
また、本実施形態においては、商品提供処理装置100が医薬品を提供するときには、提供商品画像と見本商品画像とのパターンマッチングを行い(ステップS155)、正しい医薬品が格納部30に格納されているか否かを判定し、誤った医薬品が格納されている場合には、その格納部30からの医薬品の提供を禁止している(ステップS156、S158)。
このため、医薬品を提供するときには、誤った医薬品が格納部30に格納されていないかを直前にチェックし、誤った医薬品が提供されることを防止することができる。これにより、誤った医薬品の服用により健康被害が生じることを防止することができる。また、医薬品の補充作業が行われたときにも、誤った医薬品が格納部30に補充されていないかのダブルチェックは行っているが、仮に格納部30の奥の方に誤った医薬品に補充されていた場合であっても、医薬品を提供する直前に誤った医薬品が格納部30に格納されていることを発見でき、より正確に正しい医薬品を提供することができる。
【0259】
また、本実施形態においては、補充者により医薬品の補充作業が行われたとき、または商品提供処理装置100が医薬品を提供するときのパターンマッチングにより誤った医薬品が格納部30に格納されていると判定されたときであっても、商品提供処理装置100の全商品の提供を停止することなく、誤った医薬品が格納されている格納部30からの医薬品の提供を停止している。
このため、正しく医薬品が格納された格納部30からの商品の提供を継続することができ、商品を提供する稼働率の低下を抑制することができる。
【0260】
また、本実施形態においては、商品提供処理装置100が医薬品を提供するときには、所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供するか否かを判定し(ステップS144)、所定期間に所定数以上の特定の成分を含む商品を提供すると判定した場合には、医薬品の提供を停止している(ステップS148)。
このため、同一の有効成分を有する医薬品を所定期間に所定数以上提供することになる場合には医薬品の提供が停止されるから、同一の有効成分を有する医薬品のユーザによる濫用防止を図り、健康被害が生じることを防止することができる。特に、同じ医薬品に限定されたり、先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)とで区別されたりすることなく、同一の有効成分を有する医薬品のユーザによる濫用防止をより適切に図り、健康被害が生じることを防止することができる。
【0261】
また、本実施形態においては、商品提供処理装置100が医薬品を提供するときには、特定期間に禁忌組合せとなる成分を含む医薬品を提供するか否かを判定し(ステップS145)、特定期間に禁忌組合せとなる成分を含む医薬品を提供すると判定した場合には、医薬品の提供を停止している(ステップS148)。
このため、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分と併用禁忌に該当する場合には医薬品の提供が停止されるから、併用禁忌による健康被害が生じることを防止することができる。
【0262】
また、本実施形態においては、商品提供処理装置100が医薬品を提供するときには、特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供するか否かを判定し(ステップS146)、特定期間に注意組合せとなる成分を含む医薬品を提供すると判定した場合には、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分との併用を注意する注意喚起を行っている(ステップS147、S152)。
このため、今回提供する医薬品が過去に提供した医薬品の成分との併用を注意する注意喚起が行われることから、今回提供する医薬品により健康被害が生じることを防止することができる。
【0263】
さらに言い換えれば、本実施形態においては、ユーザが予約商品として特定の医薬品を決定した場合には、薬剤師による承認が行われることによりユーザが選択した医薬品が適切な医薬品であるかの「第1のチェック」が行われ、補充者により医薬品の補充作業が行われた場合には、撮影補充商品画像と見本補充商品画像とのパターンマッチングにより正しい医薬品であるかの「第2のチェック」が行われるとともに、補充者の確認操作による「第3のチェック」が行われ、医薬品を提供する場合には、提供商品画像と見本商品画像とのパターンマッチングにより正しい医薬品であるかの「第4のチェック」が行われることになる。これにより、ユーザの病状に対して誤った医薬品の服用により健康被害が生じることをより強固に防止することができる。
【0264】
さらに、医薬品を提供する場合には、同一の有効成分を有する医薬品のユーザによる濫用防止を図る「第5のチェック」、過去に提供した医薬品の成分との併用禁忌に該当する医薬品であるかの「第6のチェック」、過去に提供した医薬品の成分との併用を注意する医薬品であるかの「第7のチェック」が行われることになる。これにより、医薬品の服用により健康被害が生じることをより強固に防止することができる。
【0265】
なお、実施形態1においては、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品(医薬品)を受け取る場合には、商品提供処理装置100が認証コード情報を表示させ、ユーザ端末装置200が認証コード情報を読み取ることにより、商品提供処理装置100から医薬品が提供されるように構成した。
しかしながら、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品(医薬品)を受け取る場合には、ユーザ端末装置200がコード情報を表示させ、商品提供処理装置100がコード情報を読み取ることにより、商品提供処理装置100から医薬品が提供されるように構成してもよい。
【0266】
[実施形態2]
実施形態2に係る商品提供システム1及び商品提供処理装置100は、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品(医薬品)を受け取る場合に、ユーザ端末装置200が承認コード情報を表示させ、商品提供処理装置100が承認コード情報を読み取ることにより、商品提供処理装置100から医薬品が提供されるように構成されている。
以下に、実施形態2に係る商品提供システム1及び商品提供処理装置100について説明する。
【0267】
実施形態2に係る商品提供処理装置100の外部構成及び商品提供システム1の内部構成は、実施形態1に係る商品提供処理装置100の外部構成(
図1~
図3参照)及び商品提供システム1の内部構成(
図5参照)と同様である。実施形態2に係る商品提供システム1及び商品提供処理装置100は、実施形態1に係る商品提供システム1及び商品提供処理装置100と比べて、処理内容が一部相違している。なお、実施形態2の処理を説明するにあたり、実施形態1の処理と同様の処理については同じ符号および同じ番号を付して、その処理に関する詳しい説明を省略する。
【0268】
[実施形態2の商品提供システムのシーケンス図]
図15は、実施形態2に係る商品提供システムの予約受付時における処理遷移を示すシーケンス図の一例であり、
図16は、実施形態2に係る商品提供システムの予約受取時における処理遷移を示すシーケンス図の一例である。
【0269】
(実施形態2の予約受付時のシーケンス)
図15に示すように、商品提供サーバ310は、予約商品登録処理(ステップS38参照)が終了すると、承認コード情報送信処理を行う(ステップS201)。
この承認コード情報送信処理では、承認コード情報等をユーザ端末装置200に送信する。この「認証コード情報」には、商品提供サーバ310に接続する予約接続情報(URL)、ユーザの固有情報、予約商品の登録情報(予約した医薬品、予約個数、予約完了時期、問診した薬剤師の固有情報)等が含まれている。
【0270】
ユーザ端末装置200は、商品提供サーバ310から承認コード情報等を受信すると、承認コード取得処理を行う(ステップS202)。
この承認コード取得処理では、受信した承認コード情報等を端末記憶部202に記憶する。
【0271】
(実施形態2の予約受取時のシーケンス)
図16に示すように、商品提供処理装置100は、ユーザ等からの操作を受け付ける受付待機処理を行っている(ステップS203)。
この受付待機処理では、ユーザ等からの操作種類を判別し、ユーザから予約商品の受取操作があると、承認コード情報読取り処理(ステップS205)に処理を移す。
【0272】
ユーザ端末装置200は、端末記憶部202に記憶された承認コード情報等を読み出し、端末表示部204に承認コード情報を表示させる承認コード情報表示処理を行う(ステップS204)。
【0273】
商品提供処理装置100は、ユーザから予約商品の受取操作があると、承認コード情報読取り処理(ステップS205)を行う。
承認コード情報読取り処理では、ユーザ端末装置200の端末表示部204に表示された承認コード情報を読み取り、読み取った承認コード情報を解析し、解析した承認コード解析情報(予約接続情報、ユーザの固有情報、予約商品の登録情報等)を取得する。
【0274】
商品提供処理装置100は、ステップS16のユーザ撮影処理が行われると、提供申請処理を行う(ステップS206)。
この提供申請処理では、予約商品の登録情報、提供申請情報、ユーザ画像、ユーザの固有情報等を商品提供サーバ310に送信する。
【0275】
このように、実施形態2に係る商品提供システム1及び商品提供処理装置100によっても、ユーザがユーザ端末装置200により予約商品(医薬品)を決定し、ユーザが決定した予約商品(医薬品)を商品提供処理装置100から受け取ることができる。そして、実施形態2においても、実施形態1と同様の作用・効果を奏することができる。
【0276】
[その他の変形例]
【0277】
実施形態1及び実施形態2においては、商品提供処理装置100は、商品として医薬品を提供するように構成したが、酒・たばこ等の商品を提供してもよい。酒・たばこ等の商品を提供する場合には、商品が医薬品であるときの薬剤師が販売責任者に代わることになる。
【0278】
また、実施形態1及び実施形態2においては、商品提供処理装置100は、冷蔵器が搭載されていないが、冷蔵器が搭載し、商品提供処理装置100の内部を適温に調整できるように構成してもよい。
【0279】
実施形態1及び実施形態2においては、商品の購入代金の支払いは、第1商品提供処理装置100Aであるときには、第1商品提供処理装置100Aに備えられた金銭情報入出力部60より行われ、第2商品提供処理装置100Bであるときには、第2商品提供処理装置100Bが設置された販売店において会計処理が行われるように構成した。
しかしながら、商品提供処理装置100から予約商品を受け取るよりも前に、ユーザ端末装置200において事前にオンライン決済をしておくように構成してもよい。
【0280】
実施形態1及び実施形態2においては、商品提供処理装置100が医薬品を提供するときに、今回提供する予定の医薬品を撮影し、撮影した提供商品画像と見本商品画像とのパターンマッチングを行い、誤った医薬品が格納されている場合には、その格納部30からの医薬品の提供を禁止するように構成した(ステップS155、ステップS156、S158等)。
しかしながら、商品提供処理装置100が医薬品を提供した後に、次回提供する予定の医薬品を撮影し、撮影した提供商品画像と見本商品画像とのパターンマッチングを行い、誤った医薬品が格納されている場合には、その格納部30からの医薬品の提供を禁止するように構成してもよい。すなわち、補充者により商品を格納部30に補充する補充作業が行われている以外の商品を提供可能な稼働中であるときに、パターンマッチングを行えばよい。
【0281】
実施形態1及び実施形態2においては、ユーザがユーザ端末装置200から予約商品を決定する場合には、薬剤師の1回目の承認(ステップS53の薬剤師第1承認処理)が行われ、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品を受け取る場合にも、薬剤師の2回目の承認(ステップS55の薬剤師第2承認処理)が行われるように構成したが、ユーザが商品提供処理装置100から予約商品を受け取る場合には、薬剤師の2回目の承認が行われなくてもよい。
【0282】
実施形態1及び実施形態2においては、予約商品として決定した医薬品が通常の医薬品(例えば、第二類または第三類医薬品)である場合には、薬剤師の承認を必要とせずに、通常の医薬品が提供されるように構成した。
しかしながら、予約商品として決定した医薬品が通常の医薬品である場合にも、薬剤師が簡易なチェックを行い、薬剤師の承認を条件として通常の医薬品が提供されるように構成してもよい。
【0283】
実施形態1及び実施形態2においては、第2商品提供処理装置100Bは、商品を格納する格納部30を有し、コンビニエンスストア等の販売店の店舗内に設置されるように構成した。
しかしながら、第2商品提供処理装置100Bは、商品を格納する格納部30を有さずに商品を販売店の店舗内にストックしておき、商品提供処理を行わずに、ユーザ端末装置200やサーバ300との各処理(予約商品の確認・薬剤師の認証等)までを行うように構成してもよい。すなわち、第2商品提供処理装置100Bをコンビニエンスストア等の販売店のレジ前に設置されるPOS端末(セルフレジ・セミセルフレジ)に置き換えてもよい。
【0284】
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用し得ることは、当業者には明らかであろう。
【0285】
上述の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、特許請求の範囲を逸脱することなく本発明の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0286】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語は、限定的でない用語として解釈されるべきである。例えば、「含む」という用語は、「含むものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「備える」という用語は、「備えるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0287】
1 商品提供システム
30 格納部
100 商品提供処理装置
100A 第1商品提供処理装置
100B 第2商品提供処理装置
200 ユーザ端末装置
300 サーバ
310 商品提供サーバ
320 薬剤師サーバ
330 データベース記憶部
340 薬剤師端末装置
R1~R4 格納レーン
D1~D10 格納段