(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-13
(45)【発行日】2025-03-24
(54)【発明の名称】抗刺激組成物およびその製造方法と応用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20250314BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20250314BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20250314BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20250314BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20250314BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/34
A61K8/60
A61K8/41
A61K8/73
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2023557286
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2022081921
(87)【国際公開番号】W WO2022199507
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】202110325869.3
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523353742
【氏名又は名称】北京東方▲びょう▼森生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NUTRI-WOODS BIO-TECH(BEIJING)CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.3,M2-5 Zone,Xinggu Economic Development Zone,Pinggu District,Beijing 101299(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】劉 有停
(72)【発明者】
【氏名】蘇 牧楠
(72)【発明者】
【氏名】呂 永博
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第2011-0006387(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2005-0028565(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K36/00-36/05
A61K36/07-36/9068
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗刺激組成物の製造方法であって、前記製造方法は、
(1)ピーチガム1~
3部、サボテン0.5~
1部、ツボクサ0.5~
1部および車前子0.1~
0.5部を、原料の合計:水=1:10~1:80の重量比で、50~95℃の抽出温度で0.5~5h抽出し、濾過し、濾液の重量を基準として1~5倍に濃縮して、濃縮液を得るステップと、
(2)濃縮液の重量を基準として、成分5)
5~
20%、グリセリン10~
30%、トレハロース
8~30%、ヘキサンジオール
1~
1.5%、ペンタンジオール
1.5~
2%、EDTA二ナトリウム
0.2~
0.5%、及びキサンタンガム
0.05~
0.1%を調合するステップと、を含み、
前記成分5)は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、またはβ-シクロデキストリンから選択されることを特徴とする抗刺激組成物の製造方法。
【請求項2】
請求項
1に記載の製造方法により製造された抗刺激組成物の、抗刺激、化粧品中の刺激源の拮抗のための化粧品の製造への応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗刺激組成物およびその製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上につれて、人々の美容とスキンケアへの要求はますます高くなる。近年、中国における化粧品の生産量と消費量が急増し、それに伴う皮膚有害反応も日に日に増加し、注目されている。化粧品による皮膚有害反応は、皮膚科ではよくある病気となっている。中国では、2005年~2014年までに、化粧品副作用に悩んでいる人は合計13534人いると報告され、そのうち95.40%が女性であり、80.85%が青壮年患者(20~44歳)である。確診病例は、5446件であり、主な病変タイプは、化粧品副作用接触皮膚炎(94.66%)であり、診断基準に含まれない他の病変タイプが132件あり、確診病例は、合計14209件の化粧品に関する。これからわかるように、化粧品の副作用現象は日に日に増加し、消費者も化粧品会社もこの問題を重要視する必要があり、化粧品の副作用問題は早急に解決する必要がある。したがって、化粧品の刺激に対して効果的な拮抗作用を有する原料の開発が急務となっている。
【0003】
特許(CN201911356697.5)は、抗刺激組成物およびその製造方法を開示し、前記製造方法は、以下のステップを含む。(1)ピーチガムおよびサボテンを水で抽出して初期抽出物を得るステップであって、ピーチガムとサボテンの重量比は、好ましくは、1:5~15:1であり、さらに好ましくは、1:10~10:1であるステップ、(2)初期抽出物を遠心分離して上清を得るステップ、(3)前記上清を精密濾過して精密濾液を得るステップ、精密濾液を前記成分(デキストリン、シクロデキストリン、メチルシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、トレハロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース)と混合して固形物を生成するステップ、(5)ステップ(4)で混合後に生成された固形物を乾燥させるステップ。しかしながら、上記特許は、化粧品に含まれる界面活性剤による皮膚刺激にのみ対処する。
【0004】
したがって、上記問題について、化粧品に含まれる刺激源による皮膚刺激を様々な方法で軽減し、配合原料が刺激性のためにその使用が制限される問題を回避し、化粧品の皮膚刺激による副作用を軽減する抗刺激組成物の開発は、非常に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術における上述の欠点に基づいて、本発明は、原料の構成が単純で、製造工程が単純で、各成分間の相互作用により、化粧品原料による皮膚刺激を効果的に抑制することができる抗刺激組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の抗刺激組成物は、乳酸刺激に対して拮抗作用を有し、SDSによる赤血球溶血に対する阻害率を高め、SDSによるニワトリ胚漿尿膜刺激を軽減することができる。
【0007】
本発明の抗刺激組成物は、化粧品に含まれる様々な刺激源に拮抗できるなどの効果を有する。本発明を化粧品に適用することで、抗刺激効果が期待され、化粧品に含まれる酸性物質、界面活性剤、エッセンス、香料および防腐剤などの様々な刺激源による皮膚刺激に拮抗することができる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、以下に示す技術案により実現する。
本発明の第一の態様は、抗刺激組成物を提供する。
【0009】
本発明によれば、前記抗刺激組成物は、1~30重量部のピーチガムと、0.1~10重量部のサボテンと、0.1~10重量部のツボクサと、0.01~5重量部の車前子と、を含む。
【0010】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、前記抗刺激組成物は、1~5重量部のピーチガムと、0.5~2重量部のサボテンと、0.5~2重量部のツボクサと、0.1~1重量部の車前子と、を含む。
【0011】
本発明によれば、前記抗刺激組成物は、さらに成分5)を含む。
【0012】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、前記成分5)は、デキストリン、シクロデキストリン、マルトデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、β-シクロデキストリンおよび難消化性デキストリンから選択される1種または複数種である。
【0013】
本発明によれば、前記植物組成物は、
(1)ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子を抽出し、濾過し、濃縮して初期抽出液を得るステップと、
(2)初期抽出液を成分5)、グリセリン、トレハロースおよび化粧品に一般的に使用される補剤と調合するステップと、
(3)滅菌して、抗刺激組成物を得るステップと、を含む製造方法で製造される。
【0014】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(1)において、ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子の合計重量と水との重量比は、1:10~1:80(m/m)である。
【0015】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、ステップ(1)において、ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子の合計重量と水との重量比は、1:10(m/m)、1:11(m/m)、1:12(m/m)、1:13(m/m)、1:14(m/m)、1:15(m/m)、1:16(m/m)、1:17(m/m)、1:18(m/m)、1:20(m/m)、1:30(m/m)、1:40(m/m)、1:45(m/m)、1:50(m/m)、1:55(m/m)、1:60(m/m)、1:65(m/m)、1:70(m/m)、1:75(m/m)、1:80(m/m)、および上記値の間の値であり得る。
【0016】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(1)における抽出温度は、50~100℃である。
【0017】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(1)における抽出温度は、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、および上記値の間の値であり得る。
【0018】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(1)における抽出時間は、0.5~5hである。
【0019】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(1)における抽出液は、1~5倍に濃縮される。
【0020】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(2)において、成分5)の添加量は、材料液全体の重量を基準として1~30%である。
【0021】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(2)において、グリセリンの添加量は、材料液全体の重量を基準として10~50%である。
【0022】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(2)において、トレハロースの添加量は、材料液全体の重量を基準として1~30%である。
【0023】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(2)における化粧品に一般的に使用される補剤は、防腐剤、キレート剤および増粘剤を含む。
【0024】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、前記防腐剤は、ヘキサンジオールやペンタンジオールである。
【0025】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、前記キレート剤は、エデト酸(EDTA)二ナトリウムである。
【0026】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、前記増粘剤は、キサンタンガムである。
【0027】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、ヘキサンジオールの添加量は、材料液全体の重量を基準として0.1~5%である。
【0028】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、ペンタンジオールの添加量は、材料液全体の重量を基準として0.1~5%である。
【0029】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、エデト酸二ナトリウムの添加量は、材料液全体の重量を基準として0.01~5%である。
【0030】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、キサンタンガムの添加量は、材料液全体の重量を基準として0.01~1%である。
【0031】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(3)における滅菌方法は、本分野の通常の滅菌方法である。
【0032】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(3)における滅菌方法は、高温滅菌である。
【0033】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(3)における滅菌温度は、70~100℃である。
【0034】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(3)における滅菌時間は、20~60minである。
【0035】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に記載の抗刺激組成物の製造方法を提供する。
【0036】
本発明によれば、前記抗刺激組成物の製造方法は、
(1)ピーチガム1~30部、サボテン0.1~10部、ツボクサ0.1~10部および車前子0.01~5部を、原料の合計:水=1:10~1:80(m/m)の比率で、50~100℃の抽出温度で0.5~5h抽出し、濾過し、1~5倍に濃縮して、初期抽出液を得るステップと、
(2)初期抽出液に、成分5)1~30%(材料液全体の重量を基準として、以下同じ)、グリセリン10~50%、トレハロース1~30%、成分5)1~30%、ヘキサンジオール0.1~5%、ペンタンジオール0.1~5%、エデト酸二ナトリウム0.01~5%、キサンタンガム0.01~1%を調合するステップと、
(3)滅菌して、抗刺激組成物を得るステップと、を含む。
【0037】
本発明の一部の具体的な実施形態によれば、前記製造方法のステップ(1)における抗刺激組成物は、1~5重量部のピーチガムと、0.5~2重量部のサボテンと、0.5~2重量部のツボクサと、0.1~1重量部の車前子と、を含む。
【0038】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(2)における成分5)は、デキストリン、シクロデキストリン、マルトデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、β-シクロデキストリンおよび難消化性デキストリンから選択される1種または複数種である。
【0039】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(3)における滅菌方法は、高温滅菌である。
【0040】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(3)における滅菌温度は、70~100℃である。
【0041】
本発明によれば、前記製造方法のステップ(3)における滅菌時間は、20~60minである。
【0042】
本発明の第三の態様は、本発明の第一の態様に記載の抗刺激組成物、および/または本発明の第二の態様に記載の抗刺激組成物の製造方法により製造された抗刺激組成物が化粧品および/またはスキンケア製品への応用を提供する。
【0043】
本発明によれば、前記抗刺激組成物は、抗刺激や化粧品中の刺激源に拮抗するためのスキンケア製品および/または化粧品の製造に使用される。
【0044】
本発明によれば、前記化粧品および/または種類や剤形は、特別な制限はなく、例えば、フェイスパック、クリーム、洗顔料、美容液または乳液などであり得る。
【発明の効果】
【0045】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
本発明の抗刺激組成物は、ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子を含み、材料組成および製造工程が単純であり、各成分間の相互作用は、化粧品原料による皮膚刺激を効果的に抑制することができる。有効性評価実験により、本発明の抗刺激組成物は、乳酸刺激に拮抗し、SDSによる赤血球溶血に対する阻害率を高め、SDSによるニワトリ漿尿膜刺激を軽減することができ、化粧品に含まれる様々な刺激源に拮抗することができる。本発明を化粧品に適用することで、抗刺激効果が期待され、化粧品に含まれる乳酸、界面活性剤、エッセンス、香料、および防腐剤などの様々な刺激源による皮膚刺激に拮抗することができる。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、具体的な実施例に基づいて本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0047】
以下の実施例に記載の実験方法は、特に説明しない限り、通常の方法であり、記載の実験材料および試薬は、特に説明しない限り、商業的供給源から入手することができる。
【0048】
本発明の主な原料名、サプライアー・メーカー、および産地は、表1に示す通りである。
【表1】
【0049】
実施例1
ピーチガム3g、サボテン1g、ツボクサ1gおよび車前子0.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水204gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、実施例1の抗刺激組成物を得ることができる。
【0050】
実施例2
ピーチガム10g、サボテン5g、ツボクサ5gおよび車前子1gを原料として、原料の合計:水=1:30(m/m)の比率で水630gを添加し、70℃の抽出温度で3h抽出後、濾過し、2倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン20%、トレハロース8%、β-シクロデキストリン5%、ヘキサンジオール1.5%、ペンタンジオール1.5%、エデト酸二ナトリウム0.5%およびキサンタンガム0.1%を調合し、100℃で30min滅菌することで、実施例2の抗刺激組成物を得ることができる。
【0051】
実施例3
ピーチガム15g、サボテン7g、ツボクサ5gおよび車前子3gを原料として、原料の合計:水=1:50(m/m)の比率で水1500gを添加し、50℃の抽出温度で5h抽出後、濾過し、3倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン10%、トレハロース20%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン20%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.5%およびキサンタンガム0.1%を調合し、100℃で30min滅菌することで、実施例3の抗刺激組成物を得ることができる。
【0052】
実施例4
ピーチガム25g、サボテン8g、ツボクサ8gおよび車前子5gを原料として、原料の合計:水=1:70(m/m)の比率で水3220gを添加し、95℃の抽出温度で1h抽出後、濾過し、4倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン30%、トレハロース30%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン10%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.5%およびキサンタンガム0.1%を調合し、100℃で30min滅菌することで、実施例4の抗刺激組成物を得ることができる。
【0053】
実施例5
ピーチガム30g、サボテン10g、ツボクサ10gおよび車前子5gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水2200gを添加し、85℃の抽出温度で1h抽出後、濾過し、2倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、実施例5の抗刺激組成物を得ることができる。
【0054】
実施例6
ピーチガム1g、サボテン0.1g、ツボクサ0.1gおよび車前子0.01gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水48.4gを添加し、85℃の抽出温度で1h抽出後、濾過し、2倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、実施例6の抗刺激組成物を得ることができる。
【0055】
比較例1
ピーチガム3g、サボテン2gおよび車前子0.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水204gを追加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリンそ24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例1の抗刺激組成物を得ることができる。
【0056】
比較例2
ツボクサ5.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水204gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例2の抗刺激組成物を得ることができる。
【0057】
比較例3
ピーチガム0.1g、サボテン1g、ツボクサ1gおよび車前子0.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水88gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例3の抗刺激組成物を得ることができる。
【0058】
比較例4
ピーチガム3g、サボテン0.05g、ツボクサ1gおよび車前子0.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水166gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例4の抗刺激組成物を得ることができる。
【0059】
比較例5
車前子5.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水204gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例5の抗刺激組成物を得ることができる。
【0060】
比較例6
サボテン1g、ツボクサ1gおよび車前子0.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水88gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例6の抗刺激組成物を得ることができる。
【0061】
比較例7
ピーチガム3g、サボテン1gおよびツボクサ1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水200gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例7の抗刺激組成物を得ることができる。
【0062】
比較例8
ピーチガム3gおよびサボテン1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水200gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例8の抗刺激組成物を得ることができる。
【0063】
比較例9
ピーチガム3g、ツボクサ1gおよび車前子0.1gを原料として、原料の合計:水=1:40(m/m)の比率で水204gを添加し、80℃の抽出温度で2h抽出後、濾過し、1倍に濃縮し、濃縮液の重量を基準として、グリセリン24%、トレハロース9%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン9%、ヘキサンジオール1%、ペンタンジオール2%、エデト酸二ナトリウム0.2%およびキサンタンガム0.05%を調合し、90℃で40min滅菌することで、比較例9の抗刺激組成物を得ることができる。
【0064】
試験例1 酸性物質刺激に対する拮抗
乳酸刺激に対する拮抗効果の評価
乳酸刺激試験
試験サンプルは、実施例1~6および比較例1~9である。
10%の乳酸を刺激源として、乳酸刺激に敏感なボランティア8名(18~55歳、性別に限定なし、ボランティア基準を満たす)を試験対象者として選択して、試験を行う。乳酸10%(刺激群)、試験サンプル3%+乳酸10%(サンプル群)を、それぞれボランティアの2つのほうれい線部位に塗布して、塗布後の0.5min、2.5min、5min、7.5min、10minでチクチクやかゆみの感覚に、0点から3点の範囲で点数を付ける。0点はチクチクやかゆみがないことを表し、1点は軽度のチクチクやかゆみがあることを表し、2点は中程度のチクチクやかゆみがあることを表し、3点は強いチクチクやかゆみがあることを表す。点数差=刺激群の刺激点数平均値-サンプル群の刺激点数平均値。点数差が大きいほど、乳酸刺激に対する拮抗効果が優れていることを示す。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
表17に示すように、比較例に比べて、実施例1~6の乳酸のチクチク点数の点数差やかゆみ点数の点数差は、いずれも比較例1~9より高く、本発明の抗刺激組成物が、より優れた、乳酸刺激に拮抗する効果を有することを示し、比較例1~2や比較例5~9に比べて、実施例1~6の乳酸のチクチク点数の点数差やかゆみ点数の点数差はより高く、実施例1~6が乳酸による皮膚のチクチクおよびかゆみに対する抑制効果がより優れ、その効果は、各成分を単独で使用した場合よりも優れて、明らかな相乗効果を示した。したがって、本発明の抗刺激組成物は、ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子の4つの成分の協同作用により、より優れた、乳酸刺激に拮抗する効果を有することを示した。比較例3~4に比べて、実施例1~6の乳酸のチクチク点数の点数差やかゆみ点数の点数差がより高いことにより、本発明がピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子を一定の割合で組み合わせることで明らかな相乗効果を生み出すことを示し、その効果は、一部の成分による組成物より優れており、より優れた、乳酸刺激に拮抗する効果を有する。
【0082】
試験例2 界面活性剤刺激に対する拮抗
SDSによる赤血球の溶血に拮抗する阻害率(抑制率)効果の評価
赤血球溶血および凝固試験を通じて、実施例1~6および比較例1~9がSDSによる赤血球の溶血に対する阻害率の拮抗効果を検証する。
【0083】
赤血球溶血および凝固試験
(i)赤血球懸濁液処理
室温で、赤血球懸濁液中の赤血球の密度を調整し、530nmの波長で吸光度を測定し、完全溶血する場合の赤血球のOD値を1.3000~1.7000に制御する。
【0084】
(ii)赤血球耐性
システム濃度(system concentration)がそれぞれ20mg/L、30mg/L、40mg/LであるSDS水溶液をサンプルとして使用して、赤血球溶血阻害率を検出し、H50(溶血率が50%であるときのSDSのシステム濃度)を算出する。H50が、25.7~33.1mg/Lの範囲内であることを必要とする。
【0085】
(iii)被験対象の検出
A.表4に示すように、被験サンプル(実施例1~6および比較例1~9)、PBS(リン酸塩緩衝液)、RBC懸濁液(赤血球懸濁液)およびSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を順次に遠沈管に投入し、均一に混合し、サンプルシステムの最終濃度が試験濃度である。
B.シェーカーに置き、10minインキュベートした後、遠心分離する。
C.現象を観察し、上清を採取してOD530を測定する。
D.溶血阻害率を計算する。
【0086】
【表18】
赤血球溶血阻害率の計算式は、以下の通りである。
赤血球溶血阻害率(%)=(OD_陰性コントロール群-OD_サンプル群)/OD_陰性コントロール群×100
【0087】
赤血球溶血阻害率が高いほど、SDSによる赤血球溶血に対するサンプルの拮抗効果が優れていることを示す。
【0088】
【0089】
表19に示すように、本発明の実施例1~6の抗刺激組成物は、比較例1、比較例6~7および比較例8~9で得られた抗刺激組成物と、比較例2や比較例5で得られた単一抽出物とに比べて、SDSによる赤血球溶血に対する阻害率が高く、これにより、本発明に記載の抗刺激組成物は、任意の単一抽出物と、任意の2つまたは3つの原料を組み合わせて製造される抗刺激組成物とに比べて、SDSによる赤血球溶血に対する阻害率をよく拮抗することができ、本発明がピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子を組み合わせて明らかな相乗効果を生み出したことを示し、実施例1-6の抗刺激組成物は、SDSによる赤血球溶血に対する阻害率が75%以上であるのに対し、比較例3~4の、SDSによる赤血球溶血に対する阻害率はより低い。本発明は、各成分を合理的に配合することにより、異なる成分が相互に促進し合う相乗効果をもたらし、SDSによる赤血球溶血に対してより優れた拮抗効果を発揮する。
【0090】
試験例3 界面活性剤刺激に対する拮抗
ニワトリ胚漿尿膜試験
(i)タマゴの選択:SPF級の白来航鶏の受精されたタマゴ(北京メリア試験動物有限公司より購入)を選択する。タマゴの品質は関連基準の要件を満たし、サプライアーは、農業部門が認める「動物用医薬品の製造、検査用SPFニワトリ(タマゴ)指定生産企業」の資格を取得している必要がある。タマゴは、新鮮で清潔で無傷で、質量が50g~60gである必要がある。孵化してから4日目でタマゴを照らして状態を確認し、未受精のニワトリ胚を廃棄し、殻が割れたものや薄殻のニワトリ胚も使用することができない。
【0091】
(ii)孵化条件:孵化温度は、37.5±0.5℃であり、相対湿度は、55~70%であり、盤回転頻度は、3~6回/hであり、3日間転卵孵化し、4日目で窓を開けた後転卵を停止する。
【0092】
(iii)CAMの製造:ニワトリ胚が孵化して4日が経過したら、電気グラインダを使用してタマゴの小さな端に穴を開け、10mLの注射器を使用して卵白を2~3mL抽出し、再び電気グラインダを使用してタマゴの中央の、大きな端に少し近い位置に1cm×1cmの小窓を開けて、CAMを露出させ、ニワトリ胚の尿膜が損傷しないように、ピンセットで卵殻と卵殻膜を注意深く取り除く。このとき、血管系の構造とニワトリ胚の成長状況を観察する必要がある。小さな端の穴と中央の小窓とをセロハンテープで密閉した後、インキュベーターに入れて培養を続ける。毎日ニワトリ胚の成長を確認し、死んだ胚は適時に廃棄する必要がある。試験には、孵化してから10日目のニワトリ胚を使用する。小窓を密閉しているセロハンテープを剥がし、ピンセットを使用して小窓の領域を拡大し、観察視野を増す。卵膜の完全性を破壊しないように注意する必要がある。このとき、血管系の構造を再度観察し、その完全性と検査への適合性を判断する必要がある。ポリテトラフルオロエチレンリングをCAM上に置き、サンプルの投入を待つ。
【0093】
(iv)サンプル試験:各被験対象が1つの群になり、各群には、6羽のニワトリ胚があり、被験対象40μlをポリテトラフルオロエチレンリング内のCAM表面に直接作用させる。37℃で30min作用させた後、漿尿膜の毒性影響指標(例えば、出血、血管溶解および凝血等)の変化を観察し、それらを総合してエンドポイントスコア(ES)を算出する。被験対象処理群のエンドポイントスコアと陰性コントロール群のエンドポイントスコアとを比較し、サンプルのエンドポイントスコアが低いほど、被験対象の抗刺激効果が強いことを示す。
【0094】
被験サンプルは、実施例1~6および比較例1~9で製造される抗刺激組成物である。
【0095】
【0096】
表19に示すように、SDS0.1%+本発明の実施例1~6の抗刺激組成物5%がSDSによるニワトリ胚漿尿膜刺激に対するニワトリ胚漿尿膜刺激点数(ES)は、いずれも10未満であるのに対し、SDS0.1%+本発明の比較例1~9の抗刺激組成物5%がSDSによるニワトリ胚漿尿膜刺激に対するニワトリ胚漿尿膜刺激点数(ES)は、いずれも12以上である。本発明の実施例1~6の抗刺激組成物がSDSによるニワトリ胚漿尿膜刺激に対するニワトリ胚漿尿膜刺激点数は、比較例2や比較例5で得られた単一抽出物と、比較例1、比較例6~7および比較例8~9で得られた抗刺激組成物とのSDSによるニワトリ胚漿尿膜刺激に対するニワトリ胚漿尿膜刺激点数に比べて低い。これにより、本発明に記載の抗刺激組成物は、任意の単一抽出物と、任意の2つまたは3つの原料を組み合わせて製造される抗刺激組成物とに比べても、SDSによるニワトリ胚漿尿膜刺激をより効果的に軽減することができ、本発明の成分を組み合わせて使用すると、相乗作用により、SDS刺激に拮抗することができることを示し、比較例3~4に比べて、SDSによるニワトリ胚漿尿膜刺激に対する本発明の抗刺激組成物の拮抗作用はより優れ、本発明は、各成分を合理的に配合することにより、異なる成分が相互に促進し合う相乗効果をもたらし、本発明の抗刺激組成物がSDS刺激に拮抗する効果を向上させる。
【0097】
試験例4 防腐剤刺激に対する拮抗
フェノキシエタノール刺激試験
フェノキシエタノールは、現在化粧品に最も一般的に使用される防腐剤であり、抗刺激組成物の有効性を検証するための防腐剤刺激源の代表として使用されることができる。1%のフェノキシエタノールを刺激源として、フェノキシエタノール刺激に敏感なボランティア5名(18~55歳、性別に限定なし、ボランティア基準を満たす)を試験対象者として選択して、試験を行う。フェノキシエタノール1%(刺激群)、試験サンプル3%+フェノキシエタノール1%(サンプル群)を、それぞれボランティアの2つのほうれい線部位に塗布して、塗布後の0.5min、2.5min、5min、7.5min、10minでチクチクや灼熱の感覚に、0点から3点の範囲で点数を付ける。0点はチクチクや灼熱がないことを表し、1点は軽度のチクチクや灼熱があることを表し、2点は中程度のチクチクや灼熱があることを表し、3点は強いチクチクや灼熱があることを表す。点数差=刺激群の刺激点数平均値-サンプル群の刺激点数平均値。点数差が大きいほど、フェノキシエタノール刺激に対する拮抗効果が優れていることを示す。
【0098】
【0099】
表21に示すように、比較例に比べて、実施例1~6のフェノキシエタノールに対する灼熱点数の点数差やチクチク点数の点数差は、いずれも比較例1~9より高く、本発明の抗刺激組成物は、より優れた、フェノキシエタノール刺激に拮抗する効果を有することを示し、比較例1~2や比較例5~9に比べて、実施例1~6のフェノキシエタノールのチクチク点数の点数差や灼熱点数の点数差はより高く、実施例1~6がフェノキシエタノールによる皮膚のチクチクおよび灼熱に対する抑制効果がより優れ、その効果は、各成分を単独で使用した場合よりも優れ、一部の成分の組み合わせによる組成物よりも優れて、明らかな相乗効果を示し、したがって、本発明の抗刺激組成物は、ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子の4つの成分の相乗効果により、より優れた、フェノキシエタノール刺激に拮抗する効果を有することを示し、比較例3~4に比べて、実施例1~6のフェノキシエタノールのチクチク点数の点数差や灼熱点数の点数差はより高いことにより、本発明がピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子を一定の割合で組み合わせることで明らかな相乗効果を生み出すことを示し、より優れた、フェノキシエタノール刺激に拮抗する効果を有する。
【0100】
試験例5 香辛香料刺激に対する拮抗
オイゲノール刺激試験
0.5%のオイゲノールを刺激源として、オイゲノール刺激に敏感なボランティア5名(18~55歳、性別に限定なし、ボランティア基準を満たす)を試験対象者として選択して、試験を行う。オイゲノール0.5%(刺激群)、試験サンプル3%+オイゲノール0.5%(サンプル群)を、それぞれボランティアの2つのほうれい線部位に塗布して、塗布後の0.5min、2.5min、5min、7.5min、10minでチクチク感覚に、0点から3点の範囲で点数を付ける。0点はチクチクがないことを表し、1点は軽度のチクチクがあることを表し、2点は中程度のチクチクがあることを表し、3点は強いのチクチクがあることを表す。点数差=刺激群の刺激点数平均値-サンプル群の刺激点数平均値。点数差が大きいほど、オイゲノール刺激に対する拮抗効果が優れていることを示す。
【0101】
【0102】
表22に示すように、比較例に比べて、実施例1~6のオイゲノールのチクチク点数の点数差は、いずれも比較例1~9より高く、本発明の抗刺激組成物は、より優れた、オイゲノール刺激に拮抗する効果を有することを示し、比較例1~2や比較例5~9に比べて、実施例1~6のオイゲノールのチクチク点数の点数差はより高く、実施例1~6がオイゲノールによる皮膚のチクチクに対する抑制効果がより優れ、その効果は、各成分を単独で使用した場合よりも優れ、一部の成分の組み合わせによる組成物よりも優れて、明らかな相乗効果を示し、したがって、本発明の抗刺激組成物は、ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子の4つの成分の相乗効果により、より優れた、オイゲノール刺激に拮抗する効果を有することを示し、比較例3~4に比べて、実施例1~6のオイゲノールのチクチク点数の点数差はより高いことにより、本発明がピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子を一定の割合で組み合わせていることで明らかな相乗効果を生み出すことを示し、より優れた、オイゲノール刺激に拮抗する効果を有する。
【0103】
本発明の抗刺激組成物は、ピーチガム、サボテン、ツボクサおよび車前子を特定の割合で組み合わせて、各成分を相互に作用させることにより、酸性物質、界面活性剤、防腐剤、香辛香料などの化粧品に含まれる様々な刺激源を効果的に予防、拮抗、または回復することができる。本発明の抗刺激組成物を化粧品に適用することで、抗刺激効果が期待され、化粧品に含まれる様々な刺激源による皮膚刺激に拮抗することができる。
【0104】
本発明の上述の実施例は、本発明を明確に説明するための例であり、本発明の実施形態を限定するものではなく、当業者であれば、上記の説明に基づいて、他の変形や変更を行うことができ、すべての実施形式をここで網羅的に列挙することはできず、本発明の技術案から派生する明らかな変形または変更は、依然として本発明の保護範囲内にある。