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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-13
(45)【発行日】2025-03-24
(54)【発明の名称】スリーパーソファ
(51)【国際特許分類】
   A47C 17/13 20060101AFI20250314BHJP
   A47C 19/04 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
A47C17/13
A47C19/04 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2024139455
(22)【出願日】2024-08-21
【審査請求日】2024-10-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日時:令和 6年 7月10日 展示会名:国際モダンホスピタルショウ2024 開催場所:東京ビックサイト 東展示棟
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397038853
【氏名又は名称】ナゼロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一幸
【審査官】松山 雛子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-116106(JP,U)
【文献】特開2020-195546(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2624330(KR,B1)
【文献】実開昭59-189567(JP,U)
【文献】特開2001-061599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/13
A47C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状の基台の上に、底面にスリットが穿設された補強部材を備えた座面部を積層してなるソファ本体と、前記基台に内蔵された補助基台とを備えており、その補助基台をソファ本体の前記基台から外部へ引き出すことによって、ベッドとしても利用可能なスリーパーソファであって、
前記ソファ本体の前記座面部に、背もたれの構成部材として機能するバックフレームが、座面に対して略垂直になるように設けられており、
前記ソファ本体の前記基台から引き出した前記補助基台の上に載置するための補助座面部が、前記バックフレームに着脱自在に装着されており、
前記ソファ本体の前記座面部の下面の周縁際に、複数の係合突起が下向きに設けられており、
前記基台の上面際に、前記係合突起と係合可能な複数の被係合手段が設けられており、
さらに、前記係合突起は、前記座面部を前記基台に対して180°回転させた場合でも同じ位置になるように配置されていることを特徴とするスリーパーソファ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに転換可能なソファであるスリーパーソファに関し、特に簡単な操作でソファからベッドへ転換することができるスリーパーソファに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベッドに転換可能なソファであるスリーパーソファはソファベッドとも称され、すでに色々なタイプのものが商品化されて、病院、職場や家庭等で使用されている。このスリーパーソファは、背もたれを倒して座面シートの面積を増加させてベッドに転換するタイプもあるが、背もたれを倒すだけでは広げる大きさに限界があり、ソファの座面を追加したり引き延ばしたりして広げるタイプのものも使用されている。
【0003】
特許文献1には、「ベッドに転換可能なソファであるスリーパーソファを、ソファの形態時に、力を要することなく一人で素早く、簡単かつ安全に、移動して配置することのできるスリーパーソファの提供すること」を課題として、「ソファ本体の下端にキャスターが設けられ、ソファ本体から引出し収納自在に設けられる可動部を引き出すことによりベッドの形態となり、収納することによりソファの形態となるスリーパーソファにおいて、可動部はクッション支持台と側板とから構成され、可動部の収納時にクッション支持台が、収納部に設けられた押し下げ部材と乗り上げ部材との間に挟まれ、側板の下端が床面FLから浮き上がってキャスターによる移動を妨げないスリーパーソファ(特許文献1:要約より抜粋)」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-58430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る移動容易なスリーパーソファ(特許文献1:発明の名称)は、ベッドとして機能させるための可動部を座面シートの架台枠内部の収納部に収納した場合、可動部の側板の下端部が床面より浮き上がる構造であり、可動部を収納しソファの形態としたときに、キャスターによるソファの移動が妨げられないために、力を要することなく一人で素早く、簡単かつ安全に、移動して配置することができる。しかしながら、座面シートがソファ本体に固定されているので、ソファとして使用する際、右肘掛けを左肘掛けのソファに変更(いわゆる座面変更)することが構造的にできないため、配置する際のレイアウトの自由度が大きいとは言えない。
【0006】
本発明の目的は、簡単な操作でソファからベッドに(あるいは、ベッドからソファに)転換することができる上、配置する際のレイアウトの自由度が大きいスリーパーソファを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、略矩形状の基台の上に、底面にスリットが穿設された補強部材を備えた座面部を積層してなるソファ本体と、前記基台に内蔵された補助基台とを備えており、その補助基台をソファ本体の前記基台から外部へ引き出すことによって、ベッドとしても利用可能なスリーパーソファであって、前記ソファ本体の前記座面部に、背もたれの構成部材として機能するバックフレームが、座面に対して略垂直になるように設けられており、前記ソファ本体の前記基台から引き出した前記補助基台の上に載置するための補助座面部が、前記バックフレームに着脱自在に装着されており、前記ソファ本体の前記座面部の下面の周縁際に、複数の係合突起が下向きに設けられており、前記基台の上面際に、前記係合突起と係合可能な複数の被係合手段が設けられており、さらに、前記係合突起は、前記座面部を前記基台に対して180°回転させた場合でも同じ位置になるように(所謂、回転対称になるように)配置されているスリーパーソファであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載のスリーパーソファは、ソファ本体の座面部が、基台に対して着脱自在になっているとともに、前後に180°回転させた状態でも取り付け可能であるため、ソファ本体の補助基台の引き出し側と反対側(たとえば左側)に肘掛けを設けるとともに、ソファ本体の座面部の後方の端縁際に背もたれを設ける場合でも、座面部を基台から取り外して前後に180°回転させて取り付けることによって、逆向きの仕様のスリーパーソファ(すなわち、右側に肘掛けが設けられたスリーパーソファ)に変換することができる。したがって、請求項1に記載のスリーパーソファは、配置する際のレイアウトの自由度が大きく、利便性に優れている。
【0011】
請求項2に記載のスリーパーソファは、ソファ本体の座面部に固着されたバックフレームに、補助座面部が着脱自在に装着されているため、ソファとして使用する際には、補助座面部を、バックフレームに取り付けた状態で背もたれ用のクッションとして用いることができ、ベッドとして使用する際には、補助座面部を、バックフレームから取り外して補助基台の上に載置してマットレスの一部として使用することができる。したがって、請求項2に記載のスリーパーソファは、非常に利便性に優れている。
【0012】
請求項3に記載のスリーパーソファは、座面部の下面の周縁際に複数の係合突起が下向きに設けられているとともに、基台の上面際に係合突起と係合可能な複数の被係合手段が設けられているため、ソファ本体の座面部の下面の係合突起を、基台の上面際の被係合手段に係合させるだけで、謂わば、ワンタッチで(すなわち、短時間で容易に)座面部を基台に対して着脱することができるので、きわめて利便性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】スリーパーソファを示す説明図(正面図)である(aはベッド仕様の状態を示したものであり、bはソファ仕様の状態を示したものである)。
図2】内部を透視したスリーパーソファを示す説明図(正面図)である(aは、ベッド仕様の状態を示したものであり、bは、ソファ仕様の状態を示したものである)。
図3】座面部の支持フレームを示す説明図である(aは正面図および正面図におけるα,β部分を拡大して示したものであり、bは底面図であり、cは左側面図である)。
図4】座面部を示す説明図である(aは底面図であり、bはaにおけるγ部分の拡大図である)。
図5】バックレームを示す説明図である(aは正面図であり、bは左側面図である)。
図6】基台を示す説明図(平面図)である。
図7】座面部を基台から取り外して回転させてから取り付ける様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<スリーパーソファの構造>
以下、本発明に係るスリーパーソファの一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1図2は、スリーパーソファ10を示したものであり、スリーパーソファ10は、二人掛けのコンパクトなソファ(図1(b))からベッド(図1(a))へ、簡単な操作で相互に変換することが可能なソファ兼ベッドである。
【0015】
スリーパーソファ10は、略矩形状の基台20の上に略矩形状の座面部30(すなわち、座ったときにクッションとして機能し、寝たときにマットレスとして機能する部分)を積層してなるソファ本体40、ソファ本体40の基台20に(詳しくは、基台20の収納部21に)内蔵される伸長部木枠51および側板53からなる補助基台50等を備えている。また、スリーパーソファ10には、ソファとして使用する際には肘掛けとなり、ベッドとして使用する際はヘッドボードとして機能する固定肘木枠90が、ソファ本体40の一端側(図1における左側)に、長手方向と垂直な方向に沿って設置されている。
【0016】
座面部30は、土台である金属製で矩形の支持フレーム31の上に、クッション材として機能する発泡ウレタン等の弾性部材からなる扁平な直方体状の弾性シート32を載置し、それらの支持フレーム31および弾性シート32をカバー33で覆ったものであり、一人で容易に持ち上げられるように軽量に設計されている。また、座面部30の後方の側面には、スリーパーソファ10をソファとして使用する際には背もたれとして機能し、ベッドとして使用する際には落下防止ガードとして機能する2つのバックフレーム60,60が、所定の距離を隔てて等間隔に装着されている。
【0017】
図3は、支持フレーム31を示したものであり、支持フレーム31は、略長方形状に組んだ角パイプの片面に、スチールメッシュを格子状に張り巡らせたものであり、前方の角パイプおよび後方の角パイプの左右両端際の内面に、それぞれ、基台20に座面部30を固定するための矩形の帯状の係合突起80,80・・が、板面を左右方向に向けた状態で下向きに突出するように設けられている。そして、それらの係合突起80,80・・には、ボルト孔が穿設されている。また、各係合突起80、80・・は、180°回転させた場合でも同じ位置になるように(所謂、回転対称になるように)配置されている。加えて、支持フレーム31の後方の角パイプには、バックフレーム60の先端部分を挿通させた状態で固着(螺着)させるための筒状係止体35,35・・が、所定の距離を隔てて等間隔に固着されている。
【0018】
また、図4は、座面部30の底面を示したものであり、支持フレーム31および弾性シート32を覆うカバー33は、合成樹脂製の織布によって形成された外カバー33aと、合成樹脂製の不織布によって形成された内カバー33bとからなり、ファスナー36によって、内カバー33bの部分を外カバー33aに対して開放できるようになっている。また、外カバー33aの左右前後のコーナー際(略楕円状の開口部際)には、それぞれ、帯状の係合突起80を挿通させるための一定幅のスリット37,37・・が、左右方向に沿って穿設されている。そして、それらの各スリット37の周囲を表面から覆うように、中央に左右方向に沿ってスリット39を穿設してなる略楕円形の補強部材38が、スリット39を外カバー33aのスリット37と合致させた状態で、外カバー33aに貼着されている。かかる補強部材38は、ネオプレーンゴムをナイロン生地で挟み込んだものであり、十分な伸縮性と高い破断強度とを有しているため、カバー33のスリット37の破断を効果的に防止することができる。
【0019】
そして、当該カバー33は、底面の各スリット37,37・・(および、各補強部材38、38・・のスリット39,39・・)に支持フレーム31の係合突起80,80・・を挿通させ、かつ、ファスナー36を介して内カバー33bと一体になった状態で、支持フレーム31および弾性シート32を全体的に覆っている。なお、カバー33は、上記の如く、外カバー33aの端縁(略楕円形の開口部)に内カバー33bがファスナーによって装着されるので、支持フレーム31および弾性シート32を十分な(適度な)張力で皺などを生じさせることなく包み込むことができる。
【0020】
一方、図5は、座面部30の後方の側面に固着されたバックフレーム60,60を示したものであり、バックフレーム60は、金属製の棒状体を立体的に折り曲げ形成したものである。そして、各バックフレーム60は、分岐した各先端部分が、それぞれ、カバー33の後方の側面の外側に位置する部分に所定の距離を隔てて等間隔で設けられた一対の挿通孔を介して、支持フレーム31の後方の角パイプに固着された筒状係止体35,35・・に挿入されて、着脱自在に固着(螺着)されている。なお、カバー33の後方の側面の外側に位置する部分に設けられた各挿通孔の周囲には、合成樹脂製の補強リングが設けられている。
【0021】
そして、それらのバックフレーム60には、背もたれ用のクッション材として機能する発泡合成樹脂を織布製のカバーで覆った補助座面部70が、着脱自在に装着されている。補助座面部70は、矩形状に形成されており、高さは、座面部30の高さと略同一になっており、横幅が座面部30の前後幅と略同一になっている。そして、上下の幅が、基台20の内部の収納部から引き出した補助基台50の上面の幅の略1/2になっている(すなわち、引き出した補助基台50の上面に、2つの補助座面部70,70を縦向きに(長手方向が前後方向になるように)並べて配置させると、補助基台50の上面が概ね覆われるようになっている)。、また、各補助座面部70の裏面には、一定幅の横長な装着布71が、面テープによって着脱自在に装着されており、当該装着布71を利用して、図1図2の如く、バックフレーム60に着脱自在になっている。
【0022】
また、図6は、基台20を示したものであり、基台20は、板状の木材を横長で扁平な四角柱状に組み付けたものである。そして、基台20の上面の中央よりやや左側には、一定幅の補強板22が、前後を横断するように懸架されている。そして、その補強板22の前後の端縁際には、カバー33の外カバー33aと内カバー33bとを接合するファスナー36の摘まみを収納するための楕円形の収納孔23,23が前後対称に穿設されている。また、補強板22の下面には、補助基台50の伸長部木枠51を収納部21に収納する際に、伸長部木枠51を下側に押し下げるための押下部材54が固着されている。さらに、基台20の前側の板材および後側の板材の左右の両端際には、支持フレーム31の前後の左右両端際に設けられた係合突起80,80・・を係合させる(螺着する)ための被係合手段である筒ネジ体(筒状体の内部にネジ溝を螺刻したもの)24,24・・が、板面に対して垂直になるように嵌め込まれている。
【0023】
また、基台20の前後の板材には、それぞれ、補助基台50を案内するための一定幅の案内板25,25が、板面を水平にした状態で、平行になるように設けられている。さらに、基台20の底部には、(移動させ易いように)車輪が取り付けられており、基台20のシートカバーの下面には、座面部30での脱着作業を容易にするための開閉用ファスナー(図示せず)が前後の中央位置に長手方向に沿って縫着されている。加えて、基台20の右側の板材の外面には、補助基台50の伸長部木枠51を基台20の収納部21に収納してソファとして利用する際に、補助基台50の側板53を着脱自在に固着するための矩形のマグネット板(図示せず)が固着されている。そして、上記の如く構成された基台20の上面に、座面部30が載置されており、座面部30係合突起80,80・・が、図示しないボルトおよびナットによって、基台20の筒ネジ体24,24・・と螺着された状態になっている。
【0024】
一方、補助基台50は、上面に肘掛け部を形成した側板53の中央(高さ方向における中央)から左側へ、当該側板53の板面に対して垂直になるように、板状の木材を横長で扁平な四角柱状に組み付けた伸長部木枠51を突出させたものである。なお、伸長部木枠51の前後幅は、基台20の前後幅よりも一回り小さくなっている。また、側板53の内面の伸長部木枠51より下側には、基台20の右側面のマグネット板に当着させるための鉄板が貼着されている。一方、伸長部木枠51の底面の前後には、当該伸長部木枠51を基台20の収納部21に収納する際に、滑り性を高めるための合成樹脂(ポリオキシメチレン)製で左右に長尺な直方体状の滑り向上材55が設置されている。
【0025】
<スリーパーソファの使用方法>
上記の如く構成されたスリーパーソファ10を、ソファとして使用する際は、図1(b)、図2(b)の如く、補助基台50の伸長部木枠51を、ソファ本体40の基台20の収容部21に収納する。なお、そのように補助基台50の伸長部木枠51を、基台20の収容部21に収納する場合には、側板53の内面の鉄板が基台20の右側面のマグネット板に当着して、側板53が動かないように固定される。
【0026】
一方、スリーパーソファ10を、ベッドとして使用する際は、図1(a)、図2(a)の如く、補助基台50の伸長部木枠51を、ソファ本体40の基台20の収容部21から外側に引き出す。しかる後、側板53の下部に設置したアジャスタで、補助基台50が床面と平行になるように高さ調整を行う。そして、バックフレーム60に装着されている補助座面部70,70を取り外して、引き出した補助基台50の伸長部木枠51の上に、縦長に並べて載置する。スリーパーソファ10は、そのように、補助基台50の伸長部木枠51を基台20の収容部21から引き出して補助座面部70,70を並べるだけで、きわめて容易に、ソファからベッドに変換することができる。なお、ベッドからソファに変換する際は、上記の作業と逆の作業をすれば良い。
【0027】
また、スリーパーソファ10は、上記の如く、右側に肘掛けを設けた形態から、左側に肘掛けを設けた形態に容易に変換(座面交換)することもできる。図7は、かかる座面交換の様子を示したものである。スリーパーソファ10を、左側に肘掛けを設けた形態に変換する場合には、まず、基台20の底面から、工具等を用いて、基台20の筒ネジ体24,24・・と座面部30の係合突起80,80・・との螺着を解除する。そして、基台20から分離された座面部30を持ち上げて、前後が逆になるように180°回転させる。そのように、座面部30を前後が逆になるように180°回転させることによって、右肘掛けのソファから左肘掛けのソファに変換(座面交換)することができる。
【0028】
<スリーパーソファの効果>
スリーパーソファ10は、上記の如く、ソファ本体40の座面部30が、基台20に対して着脱自在になっているとともに、前後に180°回転させた状態でも取り付け可能であるため、ソファ本体40の補助基台50の引き出し側と反対側に肘掛けを設けるとともに、ソファ本体40の座面部30の後方の端縁際に背もたれを設ける場合でも、座面部30を基台20から取り外して前後に180°回転させて取り付けることによって、逆向きの仕様に変換することができる。したがって、スリーパーソファ10は、配置する際のレイアウトの自由度が大きく、利便性に優れている。
【0029】
また、スリーパーソファ10は、ソファ本体40の座面部30に固着されたバックフレーム60,60に、補助座面部70,70が着脱自在に装着されているため、ソファとして使用する際には、補助座面部70,70を、バックフレーム60,60に取り付けた状態で背もたれ用のクッションとして用いることができ、ベッドとして使用する際には、補助座面部70,70を、バックフレーム60,60から取り外して補助基台50の上に載置して、マットレスの一部として使用することができる。したがって、スリーパーソファ10は、非常に利便性に優れている。
【0030】
さらに、スリーパーソファ10は、座面部30の下面の周縁際に複数の係合突起80,80・・が下向きに設けられているとともに、基台20の上面際に係合突起80と係合可能な複数の被係合手段である筒ネジ体24,24・・が設けられているため、ソファ本体40の座面部30の下面の係合突起80,80・・を、基台20の上面際の筒ネジ体24,24・・に係合させるだけで、謂わば、ワンタッチで(すなわち、短時間で容易に)座面部30を基台20に対して着脱することができるので、きわめて利便性に優れている。
【0031】
加えて、スリーパーソファ10は、座面部30を覆うカバー33のスリット37,37・・の周囲に、それぞれ、補強部材38が貼着されており、カバー33の交換時に応力が掛かり易い部分が補強されているので、洗濯等の目的で取り換えを繰り返した場合でも、カバー33が裂けたり破れたりしない。
【0032】
<スリーパーソファの変更例>
本発明に係るスリーパーソファは、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、基台、座面部、ソファ本体、補助基台、伸長部木枠、側板、バックフレーム、補助座面部、係合突起、固定肘木枠等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。たとえば、本発明に係るスリーパーソファは、上記実施形態の如く、座面部に2つのバックフレームおよび補助座面部を装着したものに限定されず、1つあるいは3つ以上のバックフレームおよび補助座面部を装着したものでも良い。また、本発明に係るスリーパーソファは、上記実施形態の如く、クッション材として発泡合成樹脂を用いたものに限定されず、クッション材としてバネを利用したもの等でも良い
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係るスリーパーソファは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、簡単な作業でソファからベッドに相互に変換することができるスリーパーソファとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
10・・スリーパーソファ
20・・基台
30・・座面部
38・・筒ネジ体(被係合手段)
40・・ソファ本体
50・・補助基台
51・・伸長部木枠
53・・側板
60・・バックフレーム
70・・補助座面部
80・・係合突起
90・・固定肘木枠
【要約】      (修正有)
【課題】簡単な作業でソファからベッドに相互に変換することができる上、座面交換等のレイアウト変更にも柔軟に対応することのできるスリーパーソファを提供する。
【解決手段】スリーパーソファ10は、略矩形状の基台20の上に略矩形状の座面部30を積層してなるソファ本体40と、ソファ本体40の基台20に内蔵された補助基台50とを備えており、補助基台50をソファ本体40の基台20から外部へ引き出すことによって、ベッドとしても利用することができるようになっている。また、ソファ本体40の座面部30が、基台20に対して着脱自在になっており、前後に180°回転させた状態でも取り付け可能になっている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7