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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-13
(45)【発行日】2025-03-24
(54)【発明の名称】免疫機能向上用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/745 20150101AFI20250314BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20250314BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20250314BHJP
   A23L 33/135 20160101ALN20250314BHJP
   A61K 47/26 20060101ALN20250314BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20250314BHJP
   A23L 33/125 20160101ALN20250314BHJP
   A23C 9/00 20060101ALN20250314BHJP
   C12N 1/20 20060101ALN20250314BHJP
【FI】
A61K35/745 ZNA
A61P37/04
A61P31/12
A23L33/135
A61K47/26
A61P43/00 121
A23L33/125
A23C9/00
C12N1/20 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020089637
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021182890
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-04-12
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-02623
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平工 明里
(72)【発明者】
【氏名】須田 義人
【審査官】川合 理恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-167327(JP,A)
【文献】国際公開第2018/180728(WO,A1)
【文献】特表2014-513697(JP,A)
【文献】Thi Kim Chung LE et al.,Oral administration of Bifidobacterium spp. improves insulin resistance, induces adiponectin, and prevents inflammatory adipokine expressions,Biomedical Research,2014年,Vol.35, No.5,Pages 303-310
【文献】Hui Mi et al.,Bifidobacterium Infantis Ameliorates Chemotherapy-Induced Intestinal Mucositis Via Regulating T Cell Immunity in Colorectal Cancer Rats,Cellular Physiology and Biochemistry,2017年,Vol. 42,Pages 2330-2341
【文献】Meng-Yun Liu et al.,Protective effect of Bifidobacterium infantis CGMCC313-2 on ovalbumin-induced airway asthma and β-lactoglobulin-induced intestinal food allergy mouse models,World Journal of Gastroenterology,2017年,Vol.23, No.12,Pages 2149-2158
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/745
A61P 37/02
A61P 31/00
A23L 33/00
A23C 9/00
C12N 1/20
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫機能向上用組成物であって、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)を含み、
前記免疫機能向上は、サイトカインの産生を促進することによる免疫機能向上であり、
前記サイトカインは、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記免疫機能向上用組成物は、経口により摂取されるように用いられる、組成物。
【請求項2】
病原性微生物感染を抑制し、
前記病原性微生物がウイルスである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
飲食品組成物である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)は生菌である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
ヒトミルクオリゴ糖をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
調製粉乳または調製液状乳である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)を含む免疫機能向上剤であって、
前記免疫機能向上は、サイトカインの産生を促進することによる免疫機能向上であり、
前記サイトカインは、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記免疫機能向上剤は、経口により摂取されるように用いられる、免疫機能向上剤。
【請求項8】
哺乳動物(ただしヒトを除く)における、免疫機能向上のためのビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)の使用であって、
前記免疫機能向上は、サイトカインの産生を促進することによる免疫機能向上であり、
前記サイトカインは、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)は、経口により摂取されるように用いられる、使用。
【請求項9】
免疫機能向上用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)の使用であって、
前記免疫機能向上は、サイトカインの産生を促進することによる免疫機能向上であり、
前記サイトカインは、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記免疫機能向上用組成物は、経口により摂取されるように用いられる、使用。
【請求項10】
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)を哺乳動物(ただしヒトを除く)に経口投与する工程を含む、免疫機能を向上させる方法であって、
前記免疫機能の向上は、サイトカインの産生を促進することによる免疫機能の向上であり、
前記サイトカインは、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫機能向上用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
腸管は、身体によって異物となる物質の侵入を防ぐバリア機能を有するとともに、病原菌から身体を守る免疫器官であることが知られている。腸には全身の免疫細胞の7割が集まっていると言われており、全身の健康に重要な役割を有する。
【0003】
一部の乳酸菌は、免疫機能に関与する可能性が指摘されている。例えば特許文献1(特開2018-177740号公報)には、乳酸菌の代謝物が、サイトカイン産生を制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-177740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、免疫機能を向上させる新たな組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下に例示する[1]~[14]に関する。
[1] 免疫機能向上用組成物であって、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を含む組成物。
[2] サイトカインの産生を制御する、[1]に記載の組成物。
[3] 前記サイトカインは、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-β、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含む、[2]に記載の組成物。
[4] 病原性微生物感染を抑制する、[1]に記載の組成物。
[5] 飲食品組成物である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 前記細菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)である、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7] 前記細菌は生菌である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8] ヒトミルクオリゴ糖をさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9] 調製粉乳または調製液状乳である、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[10] ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を含む免疫機能向上剤。
[11] 免疫機能向上のためのビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の使用。
[12] 免疫機能向上に用いられる、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌。
[13] 免疫機能向上用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の使用。
[14] ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を哺乳動物に投与する工程を含む、免疫機能を向上させる方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、免疫機能を向上させる新たな組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例における、M-63投与群のブタの大腸のCD8免疫染色写真である。
図2】実施例における、control群のブタの大腸のCD8免疫染色写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<免疫機能向上剤および免疫機能向上用組成物>
本発明に係る免疫機能向上剤は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis)に属する細菌を含む。本発明に係る免疫機能向上剤は、摂取または投与された対象の免疫機能を向上させることができる。
【0010】
本発明に係る免疫機能向上用組成物は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を含む。本発明に係る免疫機能向上用組成物は、本発明に係る免疫機能向上剤を含んでもよく、本発明に係る免疫機能向上剤そのものであってもよい。本発明に係る免疫機能向上用組成物は、摂取または投与された対象の免疫機能を向上させることができる。
【0011】
免疫機能が向上すると、感染症にかかりにくくしたり、悪性腫瘍のリスクを下げたり、アレルギー症状が生じにくくすることができる。免疫機能が向上すると、これらが生じた場合でも、症状を軽減したり、症状の進行を遅延させたり、状態が回復するまでの期間を短縮することができる。
【0012】
本明細書において、免疫機能は自然免疫および獲得免疫を含む。免疫機能が向上するとは、具体的には免疫細胞(マクロファージ、樹状細胞、好中球、T細胞、B細胞およびNK細胞を含む)の活性化および適切な抑制、免疫細胞の分化制御、サイトカインの産生制御(産生促進および抑制を含む。)、ウイルス感染の抑制、細菌感染の抑制、真菌感染の抑制、寄生虫の排除、抗体産生の促進等の態様を含む。サイトカインは、炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインを含む。
【0013】
マクロファージ、樹状細胞、好中球等の貪食細胞は、病原体等を貪食および分解する。NK細胞は、細胞傷害性因子を放出し、病原体に感染した宿主細胞を破壊する。B細胞は、抗体を産生し、病原体の不活化等を行う。このような免疫細胞の活性化および抑制には、サイトカインが重要な役割を担っている。サイトカインには、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキンおよび腫瘍壊死因子等が含まれる。ヘルパーT細胞は、Th1細胞、Th2細胞およびTh17細胞に分類され得る。Th1細胞は、細胞性免疫に関与し、IFN-γをはじめとするサイトカインを放出してNK細胞やマクロファージを活性化する。Th2細胞は、液性免疫に関与し、IL-4をはじめとするサイトカインを放出して抗体産生を促進する。
【0014】
ケモカインは、白血球等の遊走を引き起こし、炎症の形成に関与する分泌タンパク質であり、その構造からCC、CXC、C、CX3Cの4つのサブファミリーに分類される。CCサブファミリーに属する単球走化性因子(Monocyte chemotactic protein 1:MCP1)は、単球、マクロファージおよび内皮細胞において発現する。MCP1は、急性心筋炎の患者の血清中で増加するほか、虚血、出血、外傷、感染、低酸素症、末梢神経損傷を含む多くのタイプの中枢神経系(CNS)傷害において上方制御されることが報告されている。MCP1は、乾癬、慢性関節リウマチ、アテローム性動脈硬化等の単球浸潤を特徴とする疾患への関与も示唆されている。
【0015】
インターロイキン-6(IL-6)は、T細胞、マクロファージを含む様々な細胞から産生される。IL-6は、炎症反応において重要な役割を果たし、例えばIL-8やMCP-1等のケモカインの産生亢進、ICAM-1、VCAM-1等の細胞接着分子の発現亢進、B細胞からの抗体産生細胞への分化促進、制御性T細胞の抑制を行う。インターロイキン-8(IL-8)は、マクロファージ、上皮細胞および血管内皮細胞等から産生される。IL-8は感染部位への好中球の遊走を誘導するとともに、食作用を誘導する。
【0016】
インターフェロンは、ウイルス等の病原体の侵入に反応して細胞が分泌する。インターフェロンとして、I型インターフェロン、II型インターフェロン、III型インターフェロンが知られている。I型インターフェロンであるインターフェロン-αおよびβ(IFN-α、β)は、T細胞、B細胞、マクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞等の多くの細胞で産生され、特に抗ウイルス応答に重要である。IFN-αおよびβは、マクロファージおよびNK細胞を活性化する。II型インターフェロンであるインターフェロン-γ(IFN-γ)は、T細胞およびNK細胞等から分泌される。IFN-γは、炎症を強化し、マクロファージおよび樹状細胞等の貪食作用を促進する。
【0017】
本発明に係る組成物または剤は、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-β、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含むサイトカインの産生を制御し得る。本発明に係る組成物または剤は、炎症性サイトカインの産生を促進し得る。本発明に係る組成物または剤は、インターロイキン-6、インターロイキン-8、単球走化性因子、インターフェロン-β、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つを含むサイトカインの産生を促進し得る。
【0018】
本発明に係る組成物または剤は、ウイルス、細菌、真菌等の病原性微生物感染を抑制することができる。病原性微生物に感染した細胞は、キラーT細胞およびNK細胞等により排除される。CD8は、キラーT細胞のマーカーであり、病原性微生物感染の指標として用いることができる。CD8発現量が多い場合は病原性微生物感染が多く、CD8発現量が少ない場合は病原性微生物感染が抑制されていると判断することができる。
【0019】
上記サイトカインの産生が促進されることで、腸管だけでなく全身の免疫機能が向上する。その結果、全身、中枢神経系、呼吸器、消化器、尿路、皮膚、リンパ節等様々な部位での病原性微生物による感染症の予防、治療または症状が軽減され得る。
【0020】
乳幼児は、免疫機能が十分に発達していないため、免疫機能を向上させることは乳幼児にとって特に重要である。
【0021】
<ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌>
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は、グラム陽性の偏性嫌気性桿菌である。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌としては、本発明の効果を損なわない限り、公知または未知のビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を1種または2種以上任意に選択することができる。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスは、単にビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)との略称で呼称される場合もある。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスBCCM LMG23728、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)等が挙げられる。
【0022】
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスBCCM LMG23728は、ベルギーの保存機関であるBelgian Coordinated Collections of Microorganisms(BCCM)(住所:ベルギー、B-1000 ブリュッセル シアンス通り(ウェーテンスカップ通り)8)から入手することができる。
【0023】
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)は、2018年1月26日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP-02623の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスBCCM LMG23728と、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)とは、実質的に同一の細菌である。
【0024】
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63の菌形状は桿菌または分岐状の多形であり、芽胞の形成はなく、運動性もない。BL寒天培地平板上に本菌を塗布し、嫌気状態で37℃48時間培養すると、不透明な円形半球状の光沢を有するコロニーを形成する。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63は、アラビノース、キシロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、メビリオース、ラフィノース、ツラノースに対する発酵性を有する。
【0025】
本発明に係る組成物または剤に含まれるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌としては、上記の寄託株と実質的に同一の細菌を含んでよい。寄託株と実質的に同一の細菌としては、例えば、寄託株を親株とする派生株が含まれる。派生株としては、寄託株から育種された株および寄託株から自然に生じた株が含まれる。
【0026】
本明細書において「実質的に同一の細菌」とは、同属または同種の細菌であって、16S rRNA遺伝子の塩基配列が、当該細菌の16S rRNA遺伝子の塩基配列と98%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは100%の同一性を有し、かつ、好ましくは当該細菌と同一の菌学的性質を有する細菌である。実質的に同一の細菌は、(1)RAPD(Randomly Amplified Polymorphic DNA)法またはPFGE(Pulsed-field gel electrophoresis)法により同一の菌株と判定される細菌(Probiotics in food/Health and nutritional properties and guidelines forevaluation 85 Page43に記載)、(2)当該細菌株由来の遺伝子のみ保有し、外来由来の遺伝子を持たず、DNAの同一性が95%以上である細菌、または(3)当該細菌株から育種された株(遺伝子工学的改変、突然変異、自然突然変異を含み、同一の形質を有する細菌であってもよい。
【0027】
本発明に係る組成物または剤に含まれるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は、生菌であっても死菌であってもよく、生菌および死菌の両方であってもよいが、好ましくは生菌である。生きた状態で摂取または投与され、宿主に有益な作用をもたらす微生物をプロバイオティクスともいう。死菌は、破砕物であってもよい。本発明の効果を損なわない限り、培養後に加熱または凍結乾燥等の追加操作を行ってもよい。追加操作は、生菌の生残性が高いものであることが好ましい。
【0028】
本発明に係る組成物または剤に含まれるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は、ビフィドバクテリウム属細菌(ビフィズス菌)の培養に通常用いられる方法を適宜変更して培養することができる。培養温度は、例えば25~50℃であってよく、好ましくは30~40℃である。培養は、嫌気条件下で行うことが好ましく、例えば炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら培養することができる。培地のpHは、当該細菌が育成できる範囲であれば特に限定されないが、例えばpH6.0~8.0である。
【0029】
本発明に係る組成物または剤に含まれるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を培養する培地としては特に限定されず、当該細菌の培養に通常用いられる培地を必要により適宜変更して使用することができる。培地の炭素源としては、例えばガラクトース、グルコース、フルクトース、マンノース、セロビオース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて使用できる。培地の窒素源としては、例えばアンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類、硝酸塩類等を使用できる。培地の無機塩類としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。培地にはペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。調製済みの培地としては、例えばMRS培地を好適に用いることができる。
【0030】
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は、免疫機能向上のために使用され得る。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は、食品、薬剤中等に長年使用されているものであるため、かつ、動物の腸内に善玉菌として存在するものであるため、生体への安全性が高いことが期待される。また、副作用や依存性が生じにくいと考えられるため、長期間、連続的に摂取することが可能で、適用対象が気軽に摂取することができる。
【0031】
本発明に係る組成物または剤は、免疫機能向上効果を妨げない限り、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌以外の細菌を含んでもよい。本発明に係る組成物または剤に含まれ得る細菌としては、例えば他のビフィドバクテリウム属細菌および乳酸菌が挙げられる。他のビフィドバクテリウム属細菌としては、例えばビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム、ビフィドバクテリウム・アニマリス・サブスピーシーズ・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・シュードロンガ等が挙げられる。乳酸菌としては、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ガセリ等が挙げられる。
【0032】
本発明に係る組成物または剤は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の培養物を含んでもよい。培養物は、希釈または濃縮されていてもよい。細菌の培養物には、細菌の分泌物および代謝物が含まれ得る。
【0033】
<飲食品組成物>
本発明に係る組成物は、医薬、飲食品および飼料として広く用いることができる。組成物は、経口または経管により摂取されることが好ましく、経口摂取されることがより好ましい。組成物は、医薬または飲食品の形態で日常的に摂取することができる。本発明の組成物は、好ましくは飲食品組成物である。本発明に係る飲食品組成物は、安全で手軽に免疫機能を向上させることができる。
【0034】
本発明に係る飲食品組成物は、液状、ペースト状、固体、粉末等の形態を問わず、錠菓、流動食等の形態も含まれる。本発明に係る飲食品組成物としては、例えば小麦粉製品、即席食品、農産加工品、水産加工品、畜産加工品、乳・乳製品、油脂類、基礎調味料、複合調味料・食品類、冷凍食品、菓子類、飲料、これら以外の市販品等が挙げられる。
【0035】
小麦粉製品としては、例えばパン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等が挙げられる。即席食品類としては、例えば即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等が挙げられる。農産加工品としては、例えば農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等が挙げられる。水産加工品としては、例えば水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等が挙げられる。畜産加工品としては、例えば畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等が挙げられる。乳・乳製品としては、例えば発酵乳、加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等が挙げられる。油脂類としては、例えばバター、マーガリン類、植物油等が挙げられる。基礎調味料としては、例えばしょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等が挙げられる。複合調味料・食品類としては、調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等が挙げられる。冷凍食品としては、例えば素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等が挙げられる。菓子類としては、例えばキャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、その他の菓子等が挙げられる。飲料としては、例えば炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等が挙げられる。上記以外の市販食品としては、例えばベビーフード、ふりかけ、お茶漬けのり等が挙げられる。
【0036】
飲食品組成物におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は特に限定されず、一日あたりの摂取量に基づいて適宜選択することができる。飲食品組成物におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は、例えば1×10~1×1012cfu/gまたは1×10~1×1012cfu/mLとすることが好ましく、1×10~1×1011cfu/gまたは1×10~1×1011cfu/mLとすることがより好ましく、1×10~1×1010cfu/gまたは1×10~1×1010cfu/mLとすることがさらに好ましい。単位cfuは、colony forming unitsの略であり、コロニー形成単位である。細菌が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mLは、個細胞/gまたは個細胞/mLと置き換えることができる。
【0037】
飲食品組成物におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、任意に設定することができる。飲食品組成物におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は、飲食品組成物の最終組成物に対し、0.3質量%~5.0質量%に設定することができる。
【0038】
飲食品組成物の摂取量は、投与または摂取対象の体重1kg当たりのビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の量として、1×10~1×1012cfu/日が好ましく、1×10~1×1011cfu/日がより好ましく、1×10~1×1010cfu/日がさらに好ましい。該細菌が死菌の場合、cfu/日は、個細胞/日と置き換えることができる。
【0039】
飲食品組成物は、調製粉乳または調製液状乳であってもよい。調製粉乳としては、乳児用調製粉乳または調製液状乳、フォローアップ用調製粉乳または調製液状乳、低出生体重児用調製粉乳または調製液状乳、小児用調製粉乳または調製液状乳、成人用調製粉乳または調製液状乳、高齢者用調製粉乳または調製液状乳、アレルギー用調製粉乳または調製液状乳、乳糖不耐症用調製粉乳または調製液状乳、先天代謝異常用調製粉乳または調製液状乳等が挙げられる。飲食品組成物は、特に乳児用調製粉乳または調製液状乳、フォローアップ用調製粉乳または調製液状乳、低出生体重児用調製粉乳または調製液状乳、小児用調製粉乳または調製液状乳であることが好ましい。
【0040】
組成物は、その種類に応じて種々の添加物を含むことができる。組成物は、好ましくはヒトミルクオリゴ糖を含む。ヒトミルクオリゴ糖は、人乳に含まれる乳糖を除く三糖以上のオリゴ糖の総称である。哺乳動物の乳は、ラクト-N-テトラオース(LNT)、ラクト-N-ネオテトラオース(LNnT)、ラクト-N-ヘキサオース(LNH)、ラクト-N-ネオヘキサオース(LNnH)などの12系列のコア骨格をもつ。これらの骨格にルイスa,b,xやα2-3/2-6N-アセチルノイラミン酸が付加されることにより、糖鎖には100種類ものバリエーションが存在する。ヒトミルクオリゴ糖は、母乳中に10~20g/L含まれ、130種類以上のオリゴ糖が含まれ得る。
【0041】
組成物に含まれるヒトミルクオリゴ糖としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌が利用可能であるオリゴ糖であれば、本発明の効果を損なわない限り、公知または未知のヒトミルクオリゴ糖を1種または2種以上、任意に選択して用いることができる。ヒトミルクオリゴ糖としては、例えばL-fucose、Lacto-N-fucopentaose I、Lacto-N-fucopentaose II、2’-Fucosyllactose、3’-Fucosyllactose、Lacto-N-fucopentaose III、3’-Fucosyllacto-N-hexaose、Lacto-N-difucohexaose I、Lacto-difucotetraose、Lacto-difucohexaose I、Lactodifucohexaose II、Lacto-N-tetraose、Difucosyl syalyllacto-N-hexaose、Syalyllacto-N-tetraose、Fucosylsyalyl lacto-N-hexaose I、3’-Fucosylsialyl lacto-N-tetraose(Fuc 1,2 Gal,Fuc 1,4 Gal NAC)、Lacto-N-neotetraose、3’-Sialyl-3-fucosyllactose、Disialomonofucosyllacto-N-neohexaose、Monofucosylmonosialyl lacto-N-octaose、Sialyllacto-N-fucohexaose II、Disialyllacto-N-fucopentaose II、Monofucosyldisialyllacto-N-tetraose、2’-Sialyllactose、2’-Sialyllactosamine、3’-Sialyllactose、3’-Sialyllactosamine、6’-Sialyllactose、6’-Sialyllactosamine、Sialyllacto-N-neotetraose c、Monosialyllacto-N-hexaose、Disialyllacto-N-hexaose I、Monosialyllacto-N-neohexaose I、Monosialyllacto-N-neohexaose II、Disialyllacto-N-neohexaose、Disialyllacto-N-tetraose、Disialyllacto-N-hexaose II、Sialyllacto-N-tetraose a、Disialyllacto-N-hexaose I、Sialyllacto-N-tetraose b、2’-Fucosyllacto-N-hexaose、3’-Fucosyllacto-N-neohexaose、2’-Fucosyl-N-acetylglucosamine、Lacto-N-fucopentaose V、Lacto-N-hexaose、Para-lacto-N-hexaose、Lacto-N-neohexaose、Para-lacto-N-neohexaose、Monofucosyllacto-N-hexaose II、Isomeric fucosylated lacto-N-hexaose (1)、Isomeric fucosylated lacto-N-hexaose (3)、Isomeric fucosylated lacto-N-hexaose (2)、Difucosyl-para-lacto-N-neohexaose、Difucosyl-para-lacto-N-hexaose、2’ 3’-Difucosyllacto-N-hexaose、Lacto-N-neoocataose、Para-lacto-N-octanose、Iso-lacto-N-octaose、Lacto-N-octaose、Monofucosyllacto-neoocataose、Monofucosyllacto-N-ocataose、Difucosyllacto-N-octaose I、Difucosyllacto-N-octaose II、Difucosyllacto-N-neoocataose II、Difucosyllacto-N-neoocataose I、Lacto-N-decaose、Trifucosyllacto-N-neooctaose、Trifucosyllacto-N-octaose、Trifucosyl-iso-lacto-N-octaose、Lacto-N-difuco-hexaose II、Sialyl-lacto-N-tetraose a、Sialyl-lacto-N-tetraose b、Sialyl-lacto-N-tetraose c、Sialyl-fucosyl-lacto-N-tetraose I、Sialyl-fucosyl-lacto-N-tetraose II、Disialyl-lacto-N-tetraose、Lacto-N-neotetraose等とこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の組成物は、好ましくは2’-フコシルラクトース(以下、「2’-FL」ともいう。)、ラクト-N-フコペンタオースI(以下、「LNFPI」ともいう。)、ラクト-N-ジフコヘキサオースI(以下、「LNDFP I」ともいう。)およびラクト-N-テトラオース(以下、「LNnT」ともいう。)から選択される少なくとも1つを含む。
【0042】
2’-FLおよびLNnTは、ビフィズス菌増殖活性を有し、ビフィズス菌に選択的に利用されることによりビフィズス菌の増殖因子として作用することが知られており、ビフィズス菌優勢な腸内細菌叢の形成に重要である。また、ヒトミルクオリゴ糖は合成が可能で、工業的に利用できる。
【0043】
ヒトミルクオリゴ糖の添加方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えばヒトミルクオリゴ糖を液状または粉末化後に添加して混合し、本発明の組成物を製造できる。
【0044】
ヒトミルクオリゴ糖の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、任意に設定することができる。本発明では、組成物中のヒトミルクオリゴ糖の含有量は、組成物の最終組成物に対し、0.3質量%~5.0質量%に設定することができる。
【0045】
組成物は、プレバイオティクスをさらに含んでもよい。プレバイオティクスとは、大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分のことである。プレバイオティクスは、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されないが、例えばラクチュロース、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸、ポリデキストロース、イヌリン等が好ましく、その中でも、ラクチュロース、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖等がより好ましく、ラクチュロース、ラフィノースおよびガラクトオリゴ糖がさらに好ましい。
【0046】
本発明の飲食品組成物の製造は、当業者に公知の方法で行うことができ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を公知の飲食品に添加することによって製造してもよいし、飲食品の原料中に混合して新たな飲食品組成物を製造することもできる。食品組成物の製造は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を添加および混合する工程の他に、成形工程、殺菌工程、発酵工程、焼成工程、乾燥工程、冷却工程、造粒工程、包装工程等を適宜組み合わせて行うことができる。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は、発酵乳製造用スターターとして使用してもよい。
【0047】
組成物の製造におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は、特に限定されないが、例えば1×10~1×1012cfu/gまたは1×10~1×1012cfu/mLとすることが好ましく、1×10~1×1011cfu/gまたは1×10~1×1011cfu/mLとすることがより好ましく、1×10~1×1010cfu/gまたは1×10~1×1010cfu/mLとすることがさらに好ましい。細菌が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mLは、個細胞/gまたは個細胞/mLと置き換えることができる。
【0048】
免疫機能向上用飲食品組成物は、免疫機能向上等の保健用途が表示された飲食品として提供・販売されることが可能である。このような表示は特に限定されないが、例えば「免疫の機能を向上する」、「免疫力をアップする」、「風邪を予防する」、「健康を増進する」、「ウイルス感染を抑制する」、「細菌感染を抑制する」、「真菌感染を抑制する」、「寄生虫を排除する」、「疲れにくい」、「寒気を緩和する」が挙げられる。「表示」行為には、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、上記用途を想起・類推させ得るような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本発明の「表示」行為に該当する。
【0049】
表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
【0050】
「表示」には、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者庁によって認可される表示、例えば特定保健用食品、栄養機能食品、もしくは機能性表示食品に係る制度、またはこれらに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、機能性表示食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等を挙げることができる。
【0051】
<医薬組成物>
医薬組成物は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を含有する限り特に制限されない。医薬組成物は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌をそのまま使用してもよく、生理的に許容される液体または製剤担体を配合して製造してもよい。
【0052】
医薬組成物の剤形は特に制限されず、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の固形製剤;溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、座剤、軟膏剤等に製剤化することができる。製剤化に際しては、通常の製剤化に用いられている製剤担体を用いることができる。また、医薬組成物は、公知のまたは将来的に見出される免疫機能向上作用を有する成分を含有することもできる。
【0053】
医薬組成物におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は特に限定されず、剤形に合わせて一日あたりの摂取量または投与量に基づいて適宜選択することができる。医薬組成物におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は、例えば1×10~1×1012cfu/gまたは1×10~1×1012cfu/mLとすることが好ましく、1×10~1×1011cfu/gまたは1×10~1×1011cfu/mLとすることがより好ましく、1×10~1×1010cfu/gまたは1×10~1×1010cfu/mLとすることがさらに好ましい。細菌が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mLは、個細胞/gまたは個細胞/mLと置き換えることができる。
【0054】
医薬組成物の投与量は、投与対象の体重1kg当たりのビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の量として、1×10~1×1012cfu/日が好ましく、1×10~1×1011cfu/日がより好ましく、1×10~1×1010cfu/日がさらに好ましい。細菌が死菌の場合、cfu/日は、個細胞/日と置き換えることができる。医薬組成物の投与方法は、経口投与でも非経口投与でもよい。医薬組成物の投与は、一日一回でもよく、複数回に分けてもよい。
【0055】
製剤担体としては、剤形に応じて、各種有機または無機の担体を用いることができる。固形製剤の場合の担体としては、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
【0056】
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α‐デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
【0057】
結合剤としては、例えば上記賦形剤の他、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、マクロゴールが挙げられる。
【0058】
崩壊剤としては、例えば上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプンまたはセルロース誘導体等が挙げられる。
【0059】
滑沢剤としては、例えばタルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ピーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸塩類;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
【0060】
安定剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
【0061】
矯味矯臭剤としては、例えば甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
【0062】
医薬組成物は、単独で投与してもよいし、他の医薬、例えば他の免疫機能向上用医薬、抗生剤、ウイルス抑制剤、抗炎症剤、整腸剤、鎮痛剤等と併用してもよい。
【0063】
<飼料組成物>
本発明に係る飼料組成物としては、例えばペットフード、家畜飼料および養魚飼料等が挙げられる。飼料組成物は、一般的な飼料またはその原料、例えば穀類、粕類、糠類、魚粉、骨粉、油脂類、脱脂粉乳、ホエー、鉱物質飼料、および酵母類等にビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を混合することにより製造することができる。例えばサイレージのように、添加したビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌による発酵工程を経て、飼料組成物が製造されてもよい。製造された飼料組成物は、一般的な哺乳動物、家畜類、養魚類、および愛玩動物等に経口的に投与することが可能である。
【0064】
飼料組成物におけるビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌の含有量は、飼料組成物の態様や投与対象によって適宜設定されるが、例えば1×10~1×1012cfu/gまたは1×10~1×1012cfu/mLとすることが好ましく、1×10~1×1011cfu/gまたは1×10~1×1011cfu/mLとすることがより好ましく、1×10~1×1010cfu/gまたは1×10~1×1010cfu/mLとすることがさらに好ましい。細菌が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mLは、個細胞/gまたは個細胞/mLと置き換えることができる。
【0065】
<免疫機能を向上させる方法>
免疫機能を向上させる方法は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を哺乳動物に投与する工程を含む。ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は、上述のビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を含む組成物の形態で投与されてもよい。
【0066】
哺乳動物としては、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ等が挙げられる。投与対象は、乳幼児であってもよく、ヒトの乳幼児であってもよい。乳幼児とは、乳児および幼児を含み、さらに詳細には、乳児、幼児および新生児を含み、さらに詳細には、乳児、幼児、新生児、未熟児、早産児および低出生体重児を含む。乳幼児期以降も投与を継続してもよい。乳幼児においては、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌を投与することにより、腸内の当該細菌が増殖しやすく、免疫機能向上効果が得られやすい。
【0067】
本明細書において、乳児とは、乳児期にある子供を指し、乳児期とは、対象がヒトである場合には、出生時から満1歳未満(満1歳を迎える日の前日まで)を指すものとする。乳児期とは、母乳などの乳を主な栄養源としている時期を指すものとする。
【0068】
本明細書において、幼児とは、幼児期にある子供を指し、幼児期とは、対象がヒトである場合には、満1歳を迎えた日から学童期に入る前までを指すものとする。幼児期とは、好ましくは、満1歳を迎えた日から、満6歳を迎える日および小学校就学日のいずれか早い日の前日までを指すものとする。
【0069】
本発明に係る組成物または剤は、対象がヒトである場合には、出生時から学童期に入る前までに摂取するまたは投与されることが好ましい。本発明に係る組成物または剤は、対象がヒトである場合には、出生時から満3歳未満(満3歳を迎える日の前日まで)に摂取するまたは投与されることがより好ましく、乳児期に摂取するまたは投与されることがさらに好ましく、満3か月から満1歳未満(満1歳を迎える日の前日まで)に摂取するまたは投与されることがよりさらに好ましい。
【0070】
対象がヒト以外の哺乳動物である場合の当該時期については、これらに相当する時期に換算すればよい。
対象がヒトである場合の「乳児期」は、ラットにおいては出生時から満20日齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては出生時から満10週齢となる日の前日に相当する。ヤギにおいては出生時から満10週齢となる日の前日に相当する。ヒツジにおいては出生時から満12週齢となる日の前日に相当する。ブタにおいては出生時から満8週齢となる日の前日に相当する。サルにおいては出生時から満14週齢となる日の前日に相当する。イヌにおいては出生時から満6週齢となる日の前日に相当する。ネコにおいては出生時から満6週齢となる日の前日に相当する。マウスにおいては出生時から満20日齢に相当する。ハムスターにおいては出生時から満20日齢に相当する。モルモットにおいては出生時から満20日齢に相当する。
【0071】
対象がヒトである場合の「幼児期」は、ラットにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。以下同様に、ウシにおいては満10週齢から満1歳となる日の前日に相当する。ヤギにおいては満10週齢から満1歳となる日の前日に相当する。ヒツジにおいては満12週齢から満1歳となる日の前日に相当する。ブタにおいては満8週齢から満4か月齢となる日の前日に相当する。サルにおいては満14週齢から満1.5歳となる日の前日に相当する。イヌにおいては満6週齢から満6か月齢となる日の前日に相当する。ネコにおいては満6週齢から満6か月齢となる日の前日に相当する。マウスにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。ハムスターにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。モルモットにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。
【0072】
対象がヒトである場合の「満3歳」は、ラットにおいては満4週齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満6か月齢に相当する。ヤギにおいては満6か月齢に相当する。ヒツジにおいては満6か月齢に相当する。ブタにおいては満3か月齢に相当する。サルにおいては満9か月齢に相当する。イヌにおいては満3か月齢に相当する。ネコにおいては満3か月齢に相当する。マウスにおいては満4週齢に相当する。ハムスターにおいては満4週齢に相当する。モルモットにおいては満4週齢に相当する。
【0073】
対象がヒトである場合の「満3か月」は、ラットにおいては満5日齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満2.5週齢に相当する。ヤギにおいては満2.5週齢に相当する。ヒツジにおいては満3週齢に相当する。ブタにおいては満2週齢に相当する。サルにおいては満3週齢に相当する。イヌにおいては満1.5週齢に相当する。ネコにおいては満1.5週齢に相当する。マウスにおいては満5日齢に相当する。ハムスターにおいては満5日齢に相当する。モルモットにおいては満5日齢に相当する。
【0074】
対象がヒトである場合の「満1歳」は、ラットにおいては満21日齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満10週齢に相当する。ヤギにおいては満10週齢に相当する。ヒツジにおいては満12週齢に相当する。ブタにおいては満8週齢に相当する。サルにおいては満14週齢に相当する。イヌにおいては満6週齢に相当する。ネコにおいては満6週齢に相当する。マウスにおいては満21日齢に相当する。ハムスターにおいては満21日齢に相当する。モルモットにおいては満21日齢に相当する。
【実施例
【0075】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0076】
LWD系統の去勢雄豚を実験群ごとに5頭供試し、宮城大学食産業学部のハウス豚舎で飼養した。ブタは4週齢時に導入し、1週間馴化させたのち、5週齢時から試験を開始した。基礎飼料としての抗菌剤無添加飼料には、生育時期に合わせて、JA全農北日本くみあい飼料株式会社の「HPチャレンジハイミルクワンR」、「八幡平Aマッシュ」、「産直豚肥育B」または「産直豚肥育C」を用いた。M-63投与群のブタには、5~16週齢時に1日1回、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63株(以下、「M-63」という。)粉末を滅菌PBS(-)に懸濁した液を経口投与した。M-63の投与量は、1.0×1011cfu/60kg/日とし、体重の増加にあわせて1週間ごとにステップワイズし、control群のブタには、M-63粉末の代わりに、M-63粉末と等量のタピオカスターチを滅菌PBS(-)懸濁した液を投与した。
【0077】
19週齢時にブタを解剖し、大腸組織中のサイトカイン遺伝子の発現量を測定した。サイトカイン発現量は、リアルタイムPCRによってmRNA量を検出して求めた。内在性コントロールとして、G3PDHを用いた。RNAの抽出には、ISOGENII(株式会社ニッポンジーン)を用い、PrimeScript Rtase(タカラバイオ株式会社)を用いてリアルタイムPCRを行った。検出に用いたプライマーを表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
表2~6に示すように、M-63投与群のブタでは、control群のブタに比べて、IL-6、IL-8、MCP-1、IFN-βおよびIFN-γの発現量が上昇していた。M-63の投与により、サイトカインの発現が活性化されており、免疫機能が向上していることがわかった。
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
以下の方法に従って、ブタの腸管のCD8免疫染色を行った。
(1)凍結ブロックの作成
1.小腸および大腸部組織をPBSで十分に洗浄し、余分な水分をキムタオルで除いた。
2.包埋容器にTissue-Tek O.C.T compound(サラファインテックジャパン株式会社)を8分目まで注ぎ、組織を沈めた。
3.液体窒素に浸し、瞬間的に凍結させ、凍結ブロックとした。凍結ブロックは分析時まで-80℃で保管した。
【0086】
(2)組織切片の作成
1.クライオスタット(Therumo Scientific社)を用いて凍結ブロックを薄切し、凍結切片を作成した。
2.凍結切片をAPSコート付きのスライドガラス(松浪硝子株式会社)に接着させ、凍結組織切片サンプルとした。組織切片サンプルは、分析時まで-80℃で保管した。
【0087】
(3)蛍光免疫染色
1.ハップペン(LIQUID BLOCKER SUPER PAP PEN)で切片の周辺を囲んだ中に、TBS-Ca(Tris-Cl 6.06g、CaCl 0.147g、NaCl 8.8g、pH7.6)を注ぎ、O.C.Tをよく洗い流した。
2.4%パラホルムアルデヒド溶液を注ぎいれ、室温で15分間固定した。
3.固定液をTBS-Caで洗い流した後、メタノール処理を-20℃で30分間行い、再びTBS-Caに置き換えた。
4.スライドガラスを湿潤箱に入れ、5%スキムミルク/TBS-Caをハップペンの中に注ぎ、1時間静置した。
5.TBS-Caを注ぎいれ、3分間静置後洗い流した。
6.一次抗体を5%スキムミルク/TBS-Caで希釈し、4.と同じ方法でスライドガラスに注いだ後、室温で1時間静置した。
7.TBS-Caを注ぎいれ、3分間静置後洗い流した。この作業を2回繰り返した。
8.二次抗体を5%スキムミルク/TBS-Caで希釈し、4.と同じ方法でスライドガラスに注いだ後、室温で30分間静置した。
9.TBS-Caを注ぎいれ、3分間静置後洗い流した。この作業を3回繰り返した。
10.エンテランニューを滴下し、カバーガラスで封入した後、蛍光顕微鏡を用いて観察および撮影した。
【0088】
一次抗体および二次抗体を表7に示す。
【表7】
【0089】
M-63投与群およびcontrol群のブタの小腸パイエル板周辺のCD8免疫染色結果を図1および図2にそれぞれ示す。図中の矢印で示された細胞は、CD8の発現が特に強い細胞である。control群のブタではCD8の強い発現が見られたが、M-63投与群ではCD8の発現は抑えられていた。
【0090】
また、落射蛍光およびDIC用顕微鏡にて、同一の解像度(1040×1388pixel)にてCD8抗体(abcam社、Anti-CD8 alpha antibody[76-2-11](FITC)(ab24883))の蛍光を測定し、CD8の発現面積を測定した結果を表8に示す。M-63投与群では、control群のブタに比べてCD8の発現面積が減少していた。CD8は、キラーT細胞のマーカーであり、M-63投与群では、control群に比べてウイルス感染した細胞が少ないことが示された。M-63の投与により、ウイルス感染が抑制され、免疫機能が向上していることがわかった。
【0091】
【表8】
図1
図2