(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-13
(45)【発行日】2025-03-24
(54)【発明の名称】パネルを支持部材に接続するアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16B 5/02 20060101AFI20250314BHJP
【FI】
F16B5/02 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021013548
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2024-01-26
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファイルズ, ジョー
(72)【発明者】
【氏名】カートライト, ジェフリー アレン
(72)【発明者】
【氏名】ローグ, アダム アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ファウラー, ロバート ビー.
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-128236(JP,A)
【文献】特開2003-262103(JP,A)
【文献】特開平10-169626(JP,A)
【文献】特開2016-114139(JP,A)
【文献】特開2009-204159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0195269(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/02
B64C 1/00
B64C 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルを支持部材に接続するアセンブリであって、
前記支持部材から延在するサドルフィッティングであって、前記パネルを受け入れる間隙によって離間された第1のプレート及び第2のプレートを備えたサドルフィッティング、
前記パネルにおける開口と係合するように構成されたインデックスフィッティングであって、
内側及び反対側の外側を有するフランジであって、前記内側が、前記開口において前記パネルの第1の面に対して接触するように構成されている、フランジ
前記フランジの前記内側から外側に延在し、前記パネルにおける前記開口内に嵌合するように寸法設定されたボスであって、前記フランジから離れた端に面を含む、ボス
を備えたインデックスフィッティング、
前記開口において前記パネルの第2の面に対して接触するように構成された内側を有する背面フィッティングであって、前記パネルにおける前記開口と位置合わせされる開口をさらに備えた背面フィッティング、及び
前記ボスを通って延在し、前記サドルフィッティングを前記インデックスフィッティングに接続する1つ又は複数のファスナ
を備え、
前記インデックスフィッティングは、前記フランジの前記内側が前記パネルの前記第1の面に対して接触した状態で、前記ボスが、前記パネルにおける前記開口及び前記背面フィッティングにおける前記開口を通って延在するように寸法設定され、
前記インデックスフィッティングは、前記フランジの前記外側が前記第1のプレートと接触し、前記ボスの前記面が前記第2のプレートと接触した状態で、前記サドルフィッティングにおける前記間隙内に嵌合するようにさらに寸法設定されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記ボスが、より長い長軸及びより短い短軸を有する非円形断面形状を含み、前記長軸は、前記短軸に対して垂直である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ボスの前記面が第1の平面にあり、前記フランジの前記内側が第2の平面にあり、前記第1の平面が前記第2の平面に対して平行である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記フランジ及び前記背面フィッティングが、両方とも接着剤で前記パネルに接合されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記サドルフィッティングが、前記支持部材を受け入れるチャネルを形成する本体をさらに含み、前記本体が、前記サドルフィッティングを前記支持部材に取り付けるためのファスナを受け入れるように構成された1つ又は複数の開口をさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記背面フィッティングの外側が、前記サドルフィッティングの前記第2のプレートから離間されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記フランジが、外縁に沿った切り欠きをさらに含み、前記切り欠きが、ファスナを受け入れるように寸法設定され、前記インデックスフィッティングを前記パネルにおける前記開口に対して配向させる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
パネルを支持部材に接続するアセンブリであって、
前記支持部材に接続されるように構成されたサドルフィッティングであって、前記パネルを受け入れる間隙によって離間された第1のプレート及び第2のプレートを備えたサドルフィッティング、
前記サドルフィッティングの前記第2のプレートと前記パネルの第2の面との間に位置付けされた背面フィッティングであって、前記パネルの開口の周りで延在するように成形された背面フィッティング、
前記サドルフィッティングの前記第1のプレートと前記パネルの第1の面との間に位置付けされたフランジを備えたインデックスフィッティングであって、当該インデックスフィッティングが、前記フランジから外側に、前記パネルにおける前記開口を通って延在するボスをさらに備え、前記ボスが、前記パネルの前記第2の面を越えて外側に位置付けされた面を備え、当該インデックスフィッティングは、前記パネルより幅広く、当該インデックスフィッティングの第1の端が前記サドルフィッティングの前記第1のプレートに対して接触し、当該インデックスフィッティングの第2の端が前記サドルフィッティングの第2のプレートに対して接触する状態で、前記サドルフィッティングの前記間隙の中に嵌合するように寸法設定されている、インデックスフィッティング、及び
前記サドルフィッティングを前記インデックスフィッティングに接続する1つ又は複数のファスナ
を備えているアセンブリ。
【請求項9】
前記サドルフィッティングが、前記支持部材に取り付けられるように構成され、1つ又は複数のファスナを受け入れる1つ又は複数の開口を含む、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記インデックスフィッティングの前記フランジが、接着剤で前記パネルの前記第1の面に接続され、前記背面フィッティングが、前記接着剤で前記パネルの前記第2の面に接続されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、パネルを支持体に取り付けるアセンブリに関し、より具体的には、パネルを確実に支持し、パネルの厚さの変動に対応するアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]パネルを支持構造体に取り付けるための施工例は多く存在する。これらの例には、内装と外装の両方の施工例が含まれる。ある特定の例には、航空機の客室の内部でパネルを構造フレームに取り付けることが含まれる。このパネルは、次いで、客室内の内装壁のための二次支持構造体を形成する。
【0003】
[0003]現状の設計には、パネルの両側に配置されるプレートが含まれる。プレートは、パネルの開口と位置合わせされる開口を含む。ファスナが、パネルとプレートを貫通し、支持構造体に接続される。こうした設計には、プレートをパネルの両側に適切に位置合わせするための配向と固定機構が欠けている。これにより、結果として手間のかかる構造となり、構成要素を製作するために複雑な寸法設計と特別な工具が必要であり得る。
【0004】
[0004]現状の設計のもう1つの問題は、様々なパネルの厚さに対応する能力が欠けているということである。一部の構造体が緩い構造であったり、他の構造体が堅固な構造であるためファスナの挿入完了に工具を必要としたりするので、種々の構造体への取り付けは変化する場合がある。この変化のために、パネルを支持構造体に取り付けるとき、パネルの位置が合わないということが起こり得る。さらに、この変化のために、パネルが支持構造体に対して意図せずに可動であるということが起こり得る。
【0005】
[0005]パネルを支持構造体に取り付けることには、接着剤の塗布も含まれ得る。プレートをパネルに接合するために、接着剤が塗布される。現状の設計上の問題は、接着剤が、パネルを貫通する取り付け孔の中に流入する傾向があるということである。このため、孔を開放してファスナを受け入れ可能とするために、孔を洗浄するか、さもなければ孔をリーミングする必要がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]一態様は、パネルを支持部材に接続するアセンブリを対象としている。当該アセンブリは、支持部材から延在するサドルフィッティングを備えている。サドルフィッティングは、パネルを受け入れる間隙によって離間された第1のプレート及び第2のプレートを備えている。インデックスフィッティングは、パネルにおける開口と係合するように構成されている。インデックスフィッティングは、フランジを備えており、フランジは、開口においてパネルの第1の面に対して接触するように構成された内側を備え、さらに反対側の外側を備えている。インデックスフィッティングは、フランジの内側から外側に延在し、パネルにおける開口内に嵌合するように寸法設定されたボスをさらに備えている。ボスは、フランジから離れた一端に面を備えている。アセンブリは、開口においてパネルの第2の面に対して接触するように構成された内側を有する背面フィッティングをさらに備えている。背面フィッティングは、パネルにおける開口と位置合わせされる開口を備えている。アセンブリは、ボスを通って延在し、サドルフィッティングをインデックスフィッティングに接続する1つ又は複数のファスナを備えている。インデックスフィッティングは、フランジの内側がパネルの第1の面に対して接触した状態で、ボスが、パネルにおける開口及び背面フィッティングにおける開口を通って延在するように寸法設定されている。インデックスフィッティングは、フランジの外側が第1のプレートと接触し、ボスの面が第2のプレートと接触した状態で、サドルフィッティングにおける間隙内に嵌合するようにさらに寸法設定されている。
【0007】
[0007]別の態様では、ボスは、より長い長軸及びより短い短軸を有する非円形断面形状を含み、長軸は、短軸に対して垂直である。
【0008】
[0008]別の態様では、ボスの面は第1の平面にあり、フランジの内側は第2の平面にあり、第1の平面は第2の平面に対して平行である。
【0009】
[0009]別の態様では、フランジ及び背面フィッティングは、両方とも接着剤でパネルに接合されている、
【0010】
[0010]別の態様では、フランジは、ボスの周りを完全に延在する。
【0011】
[0011]別の態様では、サドルフィッティングは、支持部材を受け入れるチャネルを形成する本体をさらに含み、本体は、サドルフィッティングを支持部材に取り付けるためのファスナを受け入れるように構成された1つ又は複数の開口をさらに含む。
【0012】
[0012]別の態様では、背面フィッティングの外側が、サドルフィッティングの第2のプレートから離間されている。
【0013】
[0013]別の態様では、フランジは、外縁に沿った切り欠きを含み、切り欠きが、ファスナを受け入れるように寸法設定され、インデックスフィッティングをパネルにおける開口に対して配向させる。
【0014】
[0014]一態様は、パネルを支持部材に接続するアセンブリを対象としている。アセンブリは、支持部材に接続されたサドルフィッティングを備えており、サドルフィッティングは、パネルを受け入れる間隙によって離間された第1のプレート及び第2のプレートを備えている。背面フィッティングは、サドルフィッティングの第2のプレートとパネルの第2の面との間に位置付けされており、背面フィッティングは、パネルの開口の周りで延在するように成形されている。インデックスフィッティングは、サドルフィッティングの第1のプレートとパネルの第1の面との間に位置付けされたフランジを備えている。インデックスフィッティングは、フランジから外側に、パネルにおける開口を通って延在するボスを備えている。ボスは、パネルの第2の面を越えて外側に位置付けされた面を備えている。インデックスフィッティングは、パネルより幅広く、インデックスフィッティングの第1の端がサドルフィッティングの第1のプレートに対して接触し、インデックスフィッティングの第2の端がサドルフィッティングの第2のプレートに対して接触する状態で、サドルフィッティングの間隙の中に嵌合するように寸法設定されている。アセンブリは、サドルフィッティングをインデックスフィッティングに接続する1つ又は複数のファスナをさらに備えている。
【0015】
[0015]別の態様では、サドルフィッティングは、支持部材に取り付けられるように構成され、1つ又は複数のファスナを受け入れる1つ又は複数の開口を含む。
【0016】
[0016]別の態様では、背面フィッティングは、接着剤でパネルの前記第2の面に接続される。
【0017】
[0017]別の態様では、インデックスフィッティングのフランジは、パネルの第1の面に接続される。
【0018】
[0018]別の態様では、ファスナは、ヘッドを備えたクィックリリースピン、細長いシャフト、及びシャフトから延在するばね付勢部材を備えている。
【0019】
[0019]別の態様では、1つ又は複数の開口は、インデックスフィッティングのボス及びフランジを通って延在し、1つ又は複数の開口の各々が、サドルフィッティングをインデックスフィッティングに接続するためにファスナのうちの1つを受け入れるように構成されている。
【0020】
[0020]別の態様では、インデックスフィッティングの第1の端は、パネルの第1の面から反対側に向いているフランジの外側に形成され、インデックスフィッティングの第2の端が、ボスの面に形成される。
【0021】
[0021]別の態様では、ボスの面は、背面フィッティングの外側に比べて、パネルの第2の面からさらに外側に位置付けされている。
【0022】
[0022]別の態様では、ボスは、細長い断面形状を含み、その長軸は、その短軸より長く、短軸に対して垂直である。
【0023】
[0023]一態様は、パネルを支持部材に取り付ける方法を対象としている。当該方法は、インデックスフィッティングをパネルにおける開口を通して挿入することと、インデックスフィッティングの第1の端をパネルの第1の面から外側に位置付け、インデックスフィッティングの第2の端をパネルの第2の面から外側に位置付けすることと、インデックスフィッティングをパネルの第2の面に対して接続された背面フィッティングに対して接触させることと、パネル、インデックスフィッティング、及び背面フィッティングを支持部材から延在するサドルフィッティングの間隙内に挿入することと、1つ又は複数のファスナをサドルフィッティング及びインデックスフィッティングを通して挿入し、パネルを支持部材に接続することを含む。
【0024】
[0024]別の態様では、当該方法は、インデックスフィッティングのフランジをパネルの第1の面に接合し、背面フィッティングをパネルの第2の面に接合すること含む。
【0025】
[0025]別の態様では、当該方法は、インデックスフィッティングの、パネルにおける開口内での回転を防止することを含む。
【0026】
[0026]別の態様では、当該方法は、パネルの上縁をサドルフィッティングの間隙内に位置付けし、パネルの底縁をサドルフィッティングから離なすように位置付けすることを含む。
【0027】
[0027]別の態様では、当該方法は、インデックスフィッティングの第1の端及び第2の端をサドルフィッティングに対して接触させ、サドルフィッティングを背面フィッティングから離間させることを含む。
【0028】
[0028]上述の特徴、機能、及び利点は、様々な態様において単独で実現することができ、又は、さらに別の態様において組み合わせることができるが、これらのさらなる詳細は、以下の説明及び添付図面を参照することによって確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】パネルを支持部材に取り付けるアセンブリの分解斜視図である。
【
図2】パネルにおける開口において位置付けされたインデックスフィッティング及び背面フィッティングの分解斜視図である。
【
図3】インデックスフィッティング、及びインデックスフィッティングをパネルに対して配向するファスナの斜視図である。
【
図4】パネルにおける開口において位置付けされたインデックスフィッティング及び背面フィッティングの分解斜視図である。
【
図5】支持部材に接続されたサドルフィッティングの斜視図である。
【
図6】パネルを支持部材に接続するアセンブリのシステムの斜視図である。
【
図7】
図6の線VII-VIIに沿って切り取られた断面図である。
【
図9】
図8の線IX-IXに沿って切り取られた断面図である。
【
図10】パネルを支持部材に取り付ける方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0039]
図1は、パネル100を支持部材110に接続するアセンブリ10の分解図である。各アセンブリ10は、パネル100における開口101内に係合するインデックスフィッティング(index fitting)20を含む。インデックスフィッティング20は、開口101内に嵌合するように寸法設定されたボス22、及びパネル100の第1の面102に対して接触するフランジ23を含む。背面フィッティング30は、パネル100の第2の面103において位置付けされる。サドルフィッティング(鞍状取り付け具)40は、支持部材110上に位置付けされる。サドルフィッティング40は、間隙43によって離間された第1のプレート41及び第2のプレート42を備えている。インデックスフィッティング20、背面フィッティング30、及びパネル100は、インデックスフィッティング20が、第1のプレート41及び第2のプレート42に対して接触している状態で、間隙43の中に嵌合するように寸法設定されている。1つ又は複数のファスナ50は、パネル100を支持部材110に接続する。
【0031】
[0040]
図2に示すように、インデックスフィッティング20は、第1の面102でパネル100における開口101の中に挿入されるように構成されている。インデックスフィッティング20は、フランジ23から外側に延在するボス22を含む。ボス22は、側壁25及び面24を含む。一実施例では、面24は、平坦であり、第1の平面にあり、フランジ23の内側26は、平坦であり、第2の平面にある。第1の平面と第2の平面は互いに平行である。ボス22は、パネル100における開口101の形状に実質的に適合する断面形状を有する。
図2の実施例では、ボス22は、長軸M及び短軸Nを有する長楕円形形状を有する。軸M及びNは、互いに対して垂直であり、長軸Mは、短軸Nより短い。ボス22の細長い断面形状は、開口101の形状に適合し、パネル100に対するインデックスフィッティング20の回転を防止する。ボス22には様々な異なる断面形状が含まれ得る。それには楕円や多角形が含まれるが、これらに限定されない。
図3は、円形断面形状を有するボス22を含む。回転を防止するために、フランジ23は、外縁に沿って切り欠き29を含む。切り欠き29は、パネル100に取り付けられるファスナ90を受け入れるように寸法設定される。切り欠き29とファスナ90は、インデックスフィッティング20を、パネル100に対する固定配向で位置付けするように機能する。
図4は、
図2のボス22より小さな楕円形を有するボス22を含む。
【0032】
[0041]インデックスフィッティング20のフランジ23は、パネル100における開口101より大きい。この寸法により、ボス22が開口101内に維持され、インデックスフィッティング20が開口101を通過してしまうことが防止される。フランジ23は、内側26及び外側27を含む。ボス22が開口101内に位置付けされているとき、内側26は、パネル100の第1の面102に対して接触するように平坦である。一実施例では、フランジ23は、ボス22の周りを完全に延在し、開口101の数々の点においてパネル100に接触する。別の実施例では、フランジ23は、非連続的であり、ボス22の周りを完全に延在しない。
【0033】
[0042]1つ又は複数の開口21は、ボス22及びフランジ23を通って延在する。開口21の各々は、ファスナ50を受け入れるように寸法設定される。
図2は、一対の開口21を有する実施例を含む。
図3及び
図4は、単一の開口21を有する実施例を含む。
【0034】
[0043]背面フィッティング30は、パネル100の第2の面103に位置付けされる。背面フィッティング30は、ボス22と接触し、ボス22を支持するように、開口101において位置付けされる。背面フィッティング30は、開口101の周りを完全に延在するか、又は開口101の周りを部分的に延在し得る。
図2に示されているように、一実施例では、背面フィッティング30は、中央開口31を有する環状形状を有する。開口31は、パネル100における開口101に適合するように寸法設定且つ成形される。背面フィッティング30は、実質的に薄くて平坦な形状を有し、パネル100に対して接触する内側32と、パネル100から反対側に向いている外側33とを有する。内側32は、パネル100の第2の面103との接触を容易にするように平坦である。
【0035】
[0044]サドルフィッティング40は、支持部材110から延在し、インデックスフィッティング20と係合する。一実施例では、サドルフィッティング40は、1つ又は複数のファスナで支持部材110に接続された別個のピースである。別の実施例では、サドルフィッティング40は、支持部材110と一体化されており、一体型の単一構造を有する。
【0036】
[0045]接着剤60は、インデックスフィッティング20及び背面フィッティング30のうちの1つ又は複数をパネル100に固定することができる。
図4に示されているように、一実施例では、接着剤60は、パネル100の第1の面102及び第2の面103のうちの1つ又はその両方において開口101の周りを完全に延在してもよい。他の実施例は、開口101の1つ又は複数の限られたセクションに沿って位置付けされた接着剤60を含み得る。使用においては、接着剤60は、インデックスフィッティング20のフランジ23の内側26をパネル100の第1の面102に接合し、背面フィッティング30の内側32をパネル100の第2の面103に接合する。この接合により、パネル100の面102、103を通してせん断荷重を伝えることが実現する。他の実施例では、インデックスフィッティング20及び背面フィッティング30は、パネル100に接合されない。
【0037】
[0046]
図5に示されるように、サドルフィッティング40は、間隙43によって分離された第1のプレート41と第2のプレート42を含む。1つ又は複数の開口44は、第1のプレート41及び第2のプレート42を通って延在し、ファスナ50を受け入れる。本体45は、第1のプレート41と第2のプレート42との間で延在し、これらを接続する。本体45は、支持部材110と係合するように構成されている。
図5に例示されているように、一実施例では、本体45は、支持部材110を受け入れるC字形状の空洞を含む。1つ又は複数のファスナ46は、本体45を通って延在し、本体45を支持部材110に接続する。
【0038】
[0047]ファスナ50は、パネル100を支持部材110に接続する。ファスナ50は、伸張した長さを含み、サドルフィッティング40、アセンブリ10、及びパネル100を通って延在する。一実施例では、ファスナ50は、
図1に示すように、クィックリリースピン(quick release pin)である。ファスナ50は、ヘッド51、及び細長いシャフト52を含む。ばね付勢ピンは、シャフト52から外側に延在する。別の実施例では、ファスナ50は、ナットを受け入れるように構成された、ネジ切られた端を有する細長いナットを含む。
【0039】
[0048]
図6は、パネル100を支持部材110に接続する幾つかのアセンブリ10を有するシステム115を示す。パネル100を使用して、様々な構造体を構築することができる。一実施例は、航空機の内部に位置付けされたパネル100を含む。別の実施例は、建物の内部で壁を形成するパネル100を含む。一実施例では、
図6に示されているように、各パネル100は、2つ以上のアセンブリ10を含む。第1のアセンブリ10は、楕円の開口101の中に挿入される、楕円断面形状のボス22を含む。第2のアセンブリ10は、円形の開口101の中に挿入される、円形断面形状のボス22を含む。楕円のボス22を有する第1のアセンブリ10は、位置決めコネクタと呼ばれ、支持部材110に対するパネル100の位置を位置決めする。円形のボス22を有する第2のアセンブリ10は、フローティングコネクタであり、支持部材110に対するパネル100の接続をさらに支持する。これらのアセンブリ10は、パネル100に沿って離間される。これらのアセンブリ10は、それぞれ同じ支持部材110に又はそれぞれ異なる支持部材に接続されてもよい。
【0040】
[0049]
図7は、パネル100を支持部材110に接続するアセンブリ10を示す。インデックスフィッティング20は、ボス22がパネル100における開口101を通って延在する状態で位置付けされる。ボス22は、フランジ23の内側26と面24との間で測定された長さL1を含む。長さL1は、パネル100の幅Wより大きい。この寸法により、内側26が、パネル100の第1の面102に対して接触し、面24が、パネル100の第2の面103を越えて外側に位置付けされる。背面フィッティング30は、パネル100の第2の面103に位置付けされる。ボス22の面24は、背面フィッティング30の外側33からさらに外側に延在する。一実施例では、第2のプレート42と背面フィッティング30の外側33との間に間隙が形成される。
【0041】
[0050]インデックスフィッティング20が開口101の中に挿入されると、フランジ23の内側26が、パネルの第1の面102に対して接触する。ボス22は、パネル100の第2の面103を越えて外側に延在するように寸法設定される。ボス22は、内側32と外側33との間で測定された背面フィッティング30の厚さを越える量で第2の面103を越えて外側に延在する。この寸法により、結果的に、ボス22の面24が、サドルフィッティング40の第2のプレート42に対して接触する。背面フィッティング30はこの接触に干渉しない。
【0042】
[0051]インデックスフィッティング20のサイズにより、各端が、パネル100の面102、103を越えて外側に延在する。これにより、接着剤60が1つ又は複数の開口21の中に入ることが減少するか、又は防止される。
【0043】
[0052]パネル100、インデックスフィッティング20、及び背面フィッティング30は、サドルフィッティング40の間隙43の中に嵌合するように寸法設定される。フランジ23の外側27は、第1のプレート41に対して接触し、面24は、第2のプレート42に対して接触する。つまり、インデックスフィッティング20は、フランジ23の外側27と面24との間で測定された長さL2を含む。この長さL2は、間隙43の幅より短いか、又はその幅と等しい。サドルフィッティング40は、インデックスフィッティング20のみに係合する。この係合により、パネルの厚さの変動及び積層公差に起因する接続の変動がなくなる。
【0044】
[0053]ボス22は、背面フィッティング30を通って突出し、背面フィッティング30を越えて外側に延在する。この位置付けにより、ボス22が、背面フィッティング30に対して接触し、背面フィッティング30によって支持される。一実施例では、インデックスフィッティング20のフランジ23、及び背面フィッティング30が、接着剤60でパネル100に接合される。ボス22がサドルフィッティング40に接触している状態で、パネル100上のせん断荷重が、第1の面102と第2の面103を通して伝えられる。別の実施例では、フランジ23及び/又は背面フィッティング30は、パネル100に対して位置付けされるが、パネル100に接合されない。
【0045】
[0054]アセンブリ10は、様々なパネル100を支持し得る。一実施例は、低密度内部ハニカムコアを含むハニカムコア複合材サンドイッチパネル100であり、第1の面102及び第2の面103を形成する高剛性外側シートを有する。一実施例は、様々な材料から構成されたパネル100を含み、様々な材料には、木、プラスチック、金属、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。様々なパネル100は、様々な形状及びサイズを含み得る。一実施例では、パネル100は、様々な構成に対応するために、CNC加工される。様々な構成により、固有の天井取付点、荷重経路、及びシステムインターフェースが設けられ得る。
【0046】
[0055]アセンブリ10の1つの用途は、航空機の内部の構造部材を支持することである。
図8は、胴体201を有する航空機200を示す。胴体201は、乗客を移送するための客室エリア、並びにシステム及び支持体を収容するための上部エリアから形成される。
図9に示されるように、客室エリア202は、乗客を収容するための座席の列を含む。上部エリア204は、支持部材110に取り付けられたパネル100を含む。内装ライニング160がパネル100に取り付けられ、客室エリア202と上部エリア204との間に境界を形成する。客室エリア202の中に他の様々な特徴を形成するために、内装ライニング160をさらに構成してもよい。
【0047】
[0056]
図10は、パネル100を支持部材110に取り付ける方法を示す。当該方法は、インデックスフィッティング20をパネル100における開口101を通して挿入することを含む(ブロック150)。これは、開口101を通してボス22を位置付けすることを含む。ボス22は、開口101に適合する断面形状及びサイズを含む。インデックスフィッティング20の第1の端が、パネル100の第1の面102から外側に位置付けされ、第2の端が、パネル100の第2の面102から外側に位置付けされる(ブロック152)。インデックスフィッティング20の第1の端は、フランジ23の外側27を含み、インデックスフィッティング20の第2の端は、ボス22の面24を含む。インデックスフィッティング20は、パネル100の第2の面103に接続された背面フィッティング30に対して接触する(ブロック154)。これは、開口31において形成された背面フィッティング30の縁に対して接触するボス22の側壁25を含む。パネル100、インデックスフィッティング20、及び背面フィッティング30は、支持部材110から延在するサドルフィッティング40の間隙43の中に挿入される(ブロック156)。一旦間隙43の中に位置付けされると、1つ又は複数のファスナ50が、サドルフィッティング40、インデックスフィッティング20、及び背面フィッティング30を通して挿入され、パネル100を支持部材110に接続する(ブロック158)。
【0048】
[0057]1つ又は複数の追加のアセンブリ10は、パネル100を支持し、位置付けし得る。これらの追加のアセンブリ10は、似たような様態で支持部材110に取り付けられ得る。
【0049】
[0058]インデックスフィッティング20、背面フィッティング30、及びサドルフィッティング40は、様々な材料から構成され得る。この様々な材料には、プラスチック及び金属が含まれるが、これらに限定されない。これらの要素は、同一の材料又は異なる材料から構成され得る。
【0050】
分量又は測定値に関連する「実質的に(substantially)」という語句は、列挙された特性、パラメータ、又は値を正確に達成する必要はないことを意味する。むしろ、偏差又は変動(例えば、公差、測定誤差、測定精度限界、及び当業者にとって既知の他の要因を含む)が、特徴によってもたらされるように意図された効果を排除しない範囲で生じ得る。
【0051】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施例を含む。
【0052】
条項1
パネルを支持部材に接続するアセンブリであって、前記支持部材から延在するサドルフィッティングであって、前記パネルを受け入れる間隙によって離間された第1のプレート及び第2のプレートを備えたサドルフィッティング、前記パネルにおける開口と係合するように構成されたインデックスフィッティングであって、内側及び反対側の外側を有するフランジであって、前記内側が、前記開口において前記パネルの第1の面に対して接触するように構成されている、フランジ、前記フランジの前記内側から外側に延在し、前記パネルにおける前記開口内に嵌合するように寸法設定されたボスであって、前記フランジから離れた端に面を含む、ボスを備えたインデックスフィッティング、前記開口において前記パネルの第2の面に対して接触するように構成された内側を有する背面フィッティングであって、前記パネルにおける前記開口と位置合わせされる開口をさらに備えた背面フィッティング、及び前記ボスを通って延在し、前記サドルフィッティングを前記インデックスフィッティングに接続する1つ又は複数のファスナを備え、前記インデックスフィッティングは、前記フランジの前記内側が前記パネルの前記第1の面に対して接触した状態で、前記ボスが、前記パネルにおける前記開口及び前記背面フィッティングにおける前記開口を通って延在するように寸法設定され、前記インデックスフィッティングは、前記フランジの前記外側が前記第1のプレートと接触し、前記ボスの前記面が前記第2のプレートと接触した状態で、前記サドルフィッティングにおける前記間隙内に嵌合するようにさらに寸法設定されている、アセンブリ。
【0053】
条項2
前記ボスが、より長い長軸及びより短い短軸を有する非円形断面形状を含み、前記長軸は、前記短軸に対して垂直である、条項1に記載のアセンブリ。
【0054】
条項3
前記ボスの前記面が第1の平面にあり、前記フランジの前記内側が第2の平面にあり、前記第1の平面が前記第2の平面に対して平行である、条項1に記載のアセンブリ。
【0055】
条項4
前記フランジ及び前記背面フィッティングが、両方とも接着剤で前記パネルに接合されている、条項1に記載のアセンブリ。
【0056】
条項5
前記サドルフィッティングが、前記支持部材を受け入れるチャネルを形成する本体をさらに含み、前記本体が、前記サドルフィッティングを前記支持部材に取り付けるためのファスナを受け入れるように構成された1つ又は複数の開口をさらに含む、条項1に記載のアセンブリ。
【0057】
条項6
前記背面フィッティングの外側が、前記サドルフィッティングの前記第2のプレートから離間されている、条項1に記載のアセンブリ。
【0058】
条項7
前記フランジが、外縁に沿った切り欠きをさらに含み、前記切り欠きが、ファスナを受け入れるように寸法設定され、前記インデックスフィッティングを前記パネルにおける前記開口に対して配向させる、条項1に記載のアセンブリ。
【0059】
条項8
パネルを支持部材に接続するアセンブリであって、前記支持部材に接続されるように構成されたサドルフィッティングであって、前記パネルを受け入れる間隙によって離間された第1のプレート及び第2のプレートを備えたサドルフィッティング、前記サドルフィッティングの前記第2のプレートと前記パネルの第2の面との間に位置付けされた背面フィッティングであって、前記パネルの開口の周りで延在するように成形された背面フィッティング、前記サドルフィッティングの前記第1のプレートと前記パネルの第1の面との間に位置付けされたフランジを備えたインデックスフィッティングであって、当該インデックスフィッティングが、前記フランジから外側に、前記パネルにおける前記開口を通って延在するボスを備え、前記ボスが、前記パネルの前記第2の面を越えて外側に位置付けされた面を備え、当該インデックスフィッティングは、前記パネルより幅広く、当該インデックスフィッティングの第1の端が前記サドルフィッティングの前記第1のプレートに対して接触し、当該インデックスフィッティングの第2の端が前記サドルフィッティングの第2のプレートに対して接触する状態で、前記サドルフィッティングの前記間隙の中に嵌合するように寸法設定されている、インデックスフィッティング、及び前記サドルフィッティングを前記インデックスフィッティングに接続する1つ又は複数のファスナを備えているアセンブリ。
【0060】
条項9
前記サドルフィッティングが、前記支持部材に取り付けられるように構成され、1つ又は複数のファスナを受け入れる1つ又は複数の開口を含む、条項8に記載のアセンブリ。
【0061】
条項10
前記インデックスフィッティングの前記フランジが、接着剤で前記パネルの前記第1の面に接続され、前記背面フィッティングが、前記接着剤で前記パネルの前記第2の面に接続されている、条項8に記載のアセンブリ。
【0062】
条項11
前記ファスナが、ヘッドを備えたクィックリリースピン、細長いシャフト、及び前記シャフトから延在するばね付勢部材を備えている、条項8に記載のアセンブリ。
【0063】
条項12
前記インデックスフィッティングの前記ボス及び前記フランジを通って延在する1つ又は複数の開口をさらに備え、前記1つ又は複数の開口の各々が、前記サドルフィッティングを前記インデックスフィッティングに接続するために前記ファスナのうちの1つを受け入れるように構成されている、条項8に記載のアセンブリ。
【0064】
条項13
前記インデックスフィッティングの前記第1の端が、前記パネルの前記第1の面から反対側に向いている前記フランジの外側に形成され、前記インデックスフィッティングの前記第2の端が、前記ボスの前記面に形成されている、条項8に記載のアセンブリ。
【0065】
条項14
前記ボスの前記面が、前記背面フィッティングの外側に比べて、前記パネルの前記第2の面からさらに外側に位置付けされている、条項8に記載のアセンブリ。
【0066】
条項15
前記ボスが、細長い断面形状を含み、その長軸は、その短軸より長く、前記短軸に対して垂直である、条項8に記載のアセンブリ。
【0067】
条項16
パネルを支持部材に取り付ける方法であって、インデックスフィッティングを前記パネルにおける開口を通して挿入することと、前記インデックスフィッティングの第1の端を前記パネルの第1の面から外側に位置付け、前記インデックスフィッティングの第2の端を前記パネルの第2の面から外側に位置付けすることと、前記インデックスフィッティングを前記パネルの前記第2の面に対して接続された背面フィッティングに対して接触させることと、前記パネル、前記インデックスフィッティング、及び前記背面フィッティングを前記支持部材から延在するサドルフィッティングの間隙内に挿入することと、1つ又は複数のファスナを前記サドルフィッティング及び前記インデックスフィッティングを通して挿入し、前記パネルを前記支持部材に接続すること
を含む方法。
【0068】
条項17
前記インデックスフィッティングのフランジを前記パネルの前記第1の面に接合し、前記背面フィッティングを前記パネルの前記第2の面に接合することをさらに含む、条項16に記載の方法。
【0069】
条項18
前記インデックスフィッティングの、前記パネルにおける前記開口内での回転を防止することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【0070】
条項19
前記パネルの上縁を前記サドルフィッティングの前記間隙内に位置付けし、前記パネルの底縁を前記サドルフィッティングから離なすように位置付けすることをさらに含む、条項16に記載の方法。
【0071】
条項20
前記インデックスフィッティングの前記第1の端及び前記第2の端を前記サドルフィッティングに対して接触させ、前記サドルフィッティングを
前記背面フィッティングから離間させることをさらに含む、条項16に記載の方法。
【0072】
[0059]本発明は、本発明の本質的な特徴から逸脱しない限り、本明細書に具体的に提示された方法よりも他の方法で実施することが可能である。本実施形態は、あらゆる点で、例示的且つ非限定的であるとみなすべきであり、特許請求の範囲の意味及び均等性の範囲内に入るすべての変更は、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。