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特許7650343半田フィレット検査装置及び半田フィレット検査方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-13
(45)【発行日】2025-03-24
(54)【発明の名称】半田フィレット検査装置及び半田フィレット検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20250314BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20250314BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250314BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20250314BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
G01N21/956 B
G01N21/88 J
G06T7/00 350C
G06V10/82
H05K3/34 512B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023211616
(22)【出願日】2023-12-15
【審査請求日】2024-12-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】菊池 和義
(72)【発明者】
【氏名】平野 正徳
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-209205(JP,A)
【文献】国際公開第2022/196003(WO,A1)
【文献】特開2006-017484(JP,A)
【文献】特開2006-322951(JP,A)
【文献】特開2022-088818(JP,A)
【文献】特開平04-295747(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0309637(US,A1)
【文献】小林 左千夫,AI・IoT導入によるメリットとDX推進への課題(2)製品の外観異常箇所を高精度で検出する画像検査AIの開発,月刊自動認識,日本,日本工業出版株式会社,2022年06月05日,Vol.35 No.7,p.23-28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
H05K 3/34
G06T 7/00
G06V 10/82
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板において電子部品を半田付けする半田フィレットを検査するための半田フィレット検査装置であって、
半田フィレットを含む前記プリント基板における所定の被検査領域の画像データを取得可能な画像データ取得手段と、
入力される画像データから特徴量を抽出する符号化部、及び、該特徴量から画像データを再構成する復号化部を有するニューラルネットワークに対し、良品の半田フィレットに係る画像データのみを学習データとして学習させて生成した識別手段と、
前記画像データ取得手段により取得した画像データに基づき、検査対象の半田フィレットの画像を含む検査用画像データを取得する検査用画像データ取得手段と、
前記検査用画像データを前記識別手段へ入力して再構成された画像データを再構成画像データとして取得可能な再構成画像データ取得手段と、
前記検査用画像データ及び前記再構成画像データを比較可能な比較手段とを備え、
前記比較手段による比較結果に基づき、半田フィレットの良否を判定可能に構成されており、
前記学習データは、1のランドに対応する半田フィレットを示す1の半田フィレット画像を、該1の半田フィレット画像のサイズよりも大きなサイズの画像枠に設けてなるものであり、
前記検査用画像データ取得手段は、前記画像データ取得手段により取得された画像データから抽出した前記1の半田フィレット画像を、前記学習データの画像枠と同サイズの画像枠に設けてなる、前記学習データと同サイズの前記検査用画像データを取得することを特徴とする半田フィレット検査装置。
【請求項2】
前記画像データ取得手段により取得された画像データから、前記検査用画像データを構成する前記1の半田フィレット画像を抽出する半田フィレット画像抽出手段を備え、
前記半田フィレット画像抽出手段は、前記画像データ取得手段により取得された画像データにおける半田フィレットの占める領域を特定するとともに、特定した領域における連結成分の画像を、前記検査用画像データを構成する前記1の半田フィレット画像として抽出可能であることを特徴とする請求項1に記載の半田フィレット検査装置。
【請求項3】
入力される画像データから特徴量を抽出する符号化部、及び、該特徴量から画像データを再構成する復号化部を有するニューラルネットワークに対し、良品の半田フィレットに係る画像データのみを第二学習データとして学習させて生成した第二識別手段を備え、
前記第二学習データは、前記1の半田フィレット画像を、該1の半田フィレット画像のサイズよりも大きい一方、前記学習データの画像枠のサイズよりも小さなサイズの第二画像枠に設けてなるものであり、
前記画像データ取得手段により取得された画像データから抽出した前記1の半田フィレット画像のサイズが前記第二画像枠のサイズよりも小さなものである場合、前記検査用画像データ取得手段は、前記第二画像枠に前記1の半田フィレット画像を設けてなる、前記第二学習データと同サイズの前記検査用画像データを取得し、前記再構成画像データ取得手段は、該検査用画像データを前記第二識別手段に入力して再構成された前記再構成画像データを取得し、前記比較手段は、該検査用画像データ及び該再構成画像データを比較するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半田フィレット検査装置。
【請求項4】
前記学習データ及び前記検査用画像データは、前記1の半田フィレット画像の中心又は重心が前記画像枠の中心と一致し、かつ、該1の半田フィレット画像における前記電子部品側の部位が予め定めた方向を向くように設定したものであることを特徴とする請求項1に記載の半田フィレット検査装置。
【請求項5】
前記比較手段は、前記検査用画像データにおける前記1の半田フィレット画像のみを比較対象として、前記検査用画像データ及び前記再構成画像データの比較を行うことが可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半田フィレット検査装置。
【請求項6】
プリント基板において電子部品を半田付けする半田フィレットを検査するための半田フィレット検査方法であって、
半田フィレットを含む前記プリント基板における所定の被検査領域の画像データを取得可能な画像データ取得工程と、
前記画像データ取得工程により取得した画像データに基づき、検査対象の半田フィレットの画像を含む検査用画像データを取得する検査用画像データ取得工程と、
入力される画像データから特徴量を抽出する符号化部、及び、該特徴量から画像データを再構成する復号化部を有するニューラルネットワークに対し、良品の半田フィレットに係る画像データのみを学習データとして学習させて生成した識別手段を用い、前記検査用画像データ取得工程により取得された検査用画像データを前記識別手段へ入力して再構成された画像データを再構成画像データとして取得可能な再構成画像データ取得工程と、
前記検査用画像データ及び前記再構成画像データを比較する比較工程とを含み、
前記比較工程における比較結果に基づき、半田フィレットの良否を判定し、
前記学習データは、1のランドに対応する半田フィレットを示す1の半田フィレット画像を、該1の半田フィレット画像のサイズよりも大きなサイズの画像枠に設けてなるものであり、
前記検査用画像データ取得工程では、前記画像データ取得工程により取得された画像データから抽出した前記1の半田フィレット画像を、前記学習データの画像枠と同サイズの画像枠に設けてなる、前記学習データと同サイズの前記検査用画像データを取得することを特徴とする半田フィレット検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を半田付けする半田フィレットを検査するための検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント基板上に電子部品を実装する基板製造ラインにおいては、まずプリント基板のランド上にクリーム半田が印刷される(半田印刷工程)。次に、該クリーム半田の粘性に基づいてプリント基板上に電子部品が仮止めされる(マウント工程)。その後、かかるプリント基板がリフロー炉へ導かれ、クリーム半田を加熱溶融することで半田付けが行われる(リフロー工程)。このような基板製造ラインにおいては、プリント基板に係る検査を行う検査装置を設けることがある。
【0003】
昨今では、リフロー工程後のクリーム半田、すなわち、電子部品を半田付けする半田フィレットの検査を行うための検査装置として、AIモデルを用いるものが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。この検査装置は、所定の検査プログラムを実行することにより、検査画像に基づく所定の指標を計測し、計測値を用いて検査対象の状態を検査する。尚、実行される検査プログラムは、電子部品の種類(部品種)ごとにAIモデルを生成している。ここで、多くの場合、電子部品の種類に応じて該電子部品が実装されるランドのサイズは異なるから、この検査プログラムは、ランドのサイズごとに異なるAIモデルを生成するものであると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-140951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ランドのサイズは種々異なるところ、ランドのサイズごとに異なるAIモデルを生成し用意するためには、煩雑な作業を行わなければならず、多大な労力や手間が必要となるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、AIモデルとしての識別手段を得るにあたっての労力や負担を低減することができるとともに、識別手段を、ランドのサイズが異なる場合であっても共通に利用することができる半田フィレット検査装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0008】
手段1.プリント基板において電子部品を半田付けする半田フィレットを検査するための半田フィレット検査装置であって、
半田フィレットを含む前記プリント基板における所定の被検査領域の画像データを取得可能な画像データ取得手段と、
入力される画像データから特徴量を抽出する符号化部、及び、該特徴量から画像データを再構成する復号化部を有するニューラルネットワークに対し、良品の半田フィレットに係る画像データのみを学習データとして学習させて生成した識別手段と、
前記画像データ取得手段により取得した画像データに基づき、検査対象の半田フィレットの画像を含む検査用画像データを取得する検査用画像データ取得手段と、
前記検査用画像データを前記識別手段へ入力して再構成された画像データを再構成画像データとして取得可能な再構成画像データ取得手段と、
前記検査用画像データ及び前記再構成画像データを比較可能な比較手段とを備え、
前記比較手段による比較結果に基づき、半田フィレットの良否を判定可能に構成されており、
前記学習データは、1のランドに対応する半田フィレットを示す1の半田フィレット画像を、該1の半田フィレット画像のサイズよりも大きなサイズの画像枠に設けてなるものであり、
前記検査用画像データ取得手段は、前記画像データ取得手段により取得された画像データから抽出した前記1の半田フィレット画像を、前記学習データの画像枠と同サイズの画像枠に設けてなる、前記学習データと同サイズの前記検査用画像データを取得することを特徴とする半田フィレット検査装置。
【0009】
尚、1の半田フィレット画像は、1のランド上に少なくとも一部が位置する半田フィレットの連結成分(塊部分)の全体を示す画像(後述する手段2の画像)であってもよいし、半田フィレットの連結成分のうち1のランド上に存在する部分のみを示す画像であってもよい。また、1の半田フィレット画像は、半田フィレットの連結成分に加え、その周囲に位置するランドや電極などを含むものであってもよい。
【0010】
加えて、学習データを構成する1の半田フィレット画像は、良品の半田フィレットが設けられたプリント基板を撮像して得た画像データ(実画像データ)から抽出したもの(つまり、実際の半田フィレットの画像)であってもよいし、仮想的に生成した良品の半田フィレットの画像であってもよい。前記実画像データとしては、例えば、これまでの検査で蓄積された画像データや、リフロー工程後に作業者が目視により選別した、良品のプリント基板の画像データなどを挙げることができる。
【0011】
さらに、上記「ニューラルネットワーク」には、例えば複数の畳み込み層を有する畳み込みニューラルネットワークなどが含まれる。上記「学習」には、例えば深層学習(ディープラーニング)などが含まれる。上記「識別手段(生成モデル)」には、例えばオートエンコーダ(自己符号化器)や、畳み込みオートエンコーダ(畳み込み自己符号化器)などが含まれる。
【0012】
加えて、「識別手段」は、良品の半田フィレットに係る画像データ(良品の半田フィレットに係る1の半田フィレット画像を画像枠に設けてなる学習データ)のみを学習させて生成したものである。そのため、不良品の半田フィレットに係る検査用画像データを識別手段に入力したときに生成される再構成画像データは、不良部分が修正された(例えば、形状や面積などが正しいものとされた)検査用画像データとほぼ一致することになる。すなわち、半田フィレットに不良部分があるときには、該半田フィレットに係る再構成画像データとして、不良部分がないものと仮定した場合の該半田フィレットに係る仮想的な画像データが生成される。
【0013】
上記手段1によれば、検査用画像データは、画像データ取得手段により取得された画像データから抽出した1の半田フィレット画像を画像枠に設けてなるものとされている。従って、検査用画像データのサイズ(幅及び高さ)は、ランドのサイズによって細かく変動することはなく、一定となる。これにより、ランドのサイズごとに異なる識別手段を多数用意する必要がなくなり、識別手段を得るにあたっての労力や手間を低減することができる。また、ランドのサイズが異なる場合であっても識別手段を共通に利用することができる。
【0014】
さらに、上記手段1によれば、学習データの画像枠と検査用画像データの画像枠とは同サイズとされており、学習データ及び検査用画像データの各サイズは同一とされている。従って、検査用画像データを識別手段へと入力したときに、該検査用画像データに対応する適切な再構成画像データをより確実に出力することができ、ひいては半田フィレットの良否判定をより正確に行うことができる。これにより、良好な検査精度をより確実に得ることができる。
【0015】
加えて、上記手段1によれば、検査用画像データと、該検査用画像データを識別手段へ入力して再構成された再構成画像データとを比較し、その比較結果に基づき、半田フィレットの良否を判定している。そのため、比較する両画像データは、それぞれ同一の半田フィレットに係るものとなる。従って、別途用意した基準との比較によって良否を判定する手法とは異なり、誤検出を防止するために比較的緩い検査条件を設定する必要はなく、より厳しい検査条件を設定することができる。さらに、比較する両画像データにおいて、検査対象であるプリント基板の撮像条件(例えばプリント基板の配置位置や配置角度、たわみ等)や、検査装置側の撮像条件(例えば照明状態やカメラの画角等)を一致させることができる。これらが相俟って、半田フィレットの良否判定をより精度よく行うことができる。
【0016】
手段2.前記画像データ取得手段により取得された画像データから、前記検査用画像データを構成する前記1の半田フィレット画像を抽出する半田フィレット画像抽出手段を備え、
前記半田フィレット画像抽出手段は、前記画像データ取得手段により取得された画像データにおける半田フィレットの占める領域を特定するとともに、特定した領域における連結成分の画像を、前記検査用画像データを構成する前記1の半田フィレット画像として抽出可能であることを特徴とする手段1に記載の半田フィレット検査装置。
【0017】
上記手段2によれば、半田フィレット画像抽出手段によって、画像データ取得手段により取得された画像データにおける半田フィレットの占める領域が特定されるとともに、特定した領域における連結成分の画像が、検査用画像データを構成する1の半田フィレット画像として抽出される。従って、1の半田フィレット画像は、半田フィレットにおけるランド上に位置する部分の画像のみならず、半田フィレットにおけるランドからはみ出した部分の画像を含むものとなる。つまり、図27に示すように、半田フィレット5がランド3からはみ出していたとしても、図28に示すように、1の半田フィレット画像Ihは、このはみ出し部分を含むものとなる。これにより、一部がランドからはみ出した半田フィレットに係る良否判定を適切に行うことが可能となり、検査精度を一層高めることができる。
【0018】
手段3.入力される画像データから特徴量を抽出する符号化部、及び、該特徴量から画像データを再構成する復号化部を有するニューラルネットワークに対し、良品の半田フィレットに係る画像データのみを第二学習データとして学習させて生成した第二識別手段を備え、
前記第二学習データは、前記1の半田フィレット画像を、該1の半田フィレット画像のサイズよりも大きい一方、前記学習データの画像枠のサイズよりも小さなサイズの第二画像枠に設けてなるものであり、
前記画像データ取得手段により取得された画像データから抽出した前記1の半田フィレット画像のサイズが前記第二画像枠のサイズよりも小さなものである場合、前記検査用画像データ取得手段は、前記第二画像枠に前記1の半田フィレット画像を設けてなる、前記第二学習データと同サイズの前記検査用画像データを取得し、前記再構成画像データ取得手段は、該検査用画像データを前記第二識別手段に入力して再構成された前記再構成画像データを取得し、前記比較手段は、該検査用画像データ及び該再構成画像データを比較するように構成されていることを特徴とする手段1に記載の半田フィレット検査装置。
【0019】
上記手段3によれば、1の半田フィレット画像のサイズが比較的小さい場合、検査用画像データ取得手段によって、比較的小さなサイズの第二画像枠に1の半田フィレット画像を設けてなる比較的小さなサイズの検査用画像データが取得される。そして、再構成画像データ取得手段によって、この比較的小さな検査用画像データが第二識別手段に入力されることで再構成画像データが出力され、また、比較手段によって、それぞれ比較的小さな検査用画像データ及び再構成画像データが比較される。従って、検査用画像データの画像枠を常に一定サイズとする場合と比べて、再構成画像データを取得するための処理や比較手段による比較処理の迅速化を図ることができ、ひいては検査速度をより向上させることができる。
【0020】
手段4.前記学習データ及び前記検査用画像データは、前記1の半田フィレット画像の中心又は重心が前記画像枠の中心と一致し、かつ、該1の半田フィレット画像における前記電子部品側の部位が予め定めた方向を向くように設定したものであることを特徴とする手段1に記載の半田フィレット検査装置。
【0021】
尚、上記手段4に係る技術事項を、上記手段3に適用してもよい。すなわち、第二学習データを、1の半田フィレット画像の中心又は重心が第二画像枠の中心と一致し、かつ、該1の半田フィレット画像における電子部品側の部位が予め定めた方向を向くように設定したものとしてもよい。勿論、上記手段3に係る検査用画像データについても同様に設定してもよい。
【0022】
上記手段4によれば、学習データや検査用画像データにおける半田フィレットの向き及び位置を概ね揃えることができる。従って、識別手段の生成に用いた学習データが比較的少ないものであっても、半田フィレットの良否判定を精度よく行うことができる。すなわち、識別手段を得るにあたっての労力や手間をより効果的に低減しつつ、良好な検査精度を得ることができる。
【0023】
手段5.前記比較手段は、前記検査用画像データにおける前記1の半田フィレット画像のみを比較対象として、前記検査用画像データ及び前記再構成画像データの比較を行うことが可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の半田フィレット検査装置。
【0024】
上記手段5によれば、比較手段は、検査用画像データにおける1の半田フィレット画像のみを比較対象として、検査用画像データ及び再構成画像データの比較を行う。すなわち、比較手段は、両画像データの比較を行うにあたって、検査用画像データにおける1の半田フィレット画像以外の部分を比較対象としない。従って、両画像データの全体を比較する場合と比べて、両画像データの比較に係る処理負担を低減することができ、検査の高速化、効率化を図ることができる。また、検査用画像データにおける1の半田フィレット画像以外の部分、すなわち、半田フィレットとは無関係の部分が良否判定に影響を与えることをより確実に防止でき、ひいては検査精度の更なる向上を図ることが可能となる。
【0025】
手段6.プリント基板において電子部品を半田付けする半田フィレットを検査するための半田フィレット検査方法であって、
半田フィレットを含む前記プリント基板における所定の被検査領域の画像データを取得可能な画像データ取得工程と、
前記画像データ取得工程により取得した画像データに基づき、検査対象の半田フィレットの画像を含む検査用画像データを取得する検査用画像データ取得工程と、
入力される画像データから特徴量を抽出する符号化部、及び、該特徴量から画像データを再構成する復号化部を有するニューラルネットワークに対し、良品の半田フィレットに係る画像データのみを学習データとして学習させて生成した識別手段を用い、前記検査用画像データ取得工程により取得された検査用画像データを前記識別手段へ入力して再構成された画像データを再構成画像データとして取得可能な再構成画像データ取得工程と、
前記検査用画像データ及び前記再構成画像データを比較する比較工程とを含み、
前記比較工程における比較結果に基づき、半田フィレットの良否を判定し、
前記学習データは、1のランドに対応する半田フィレットを示す1の半田フィレット画像を、該1の半田フィレット画像のサイズよりも大きなサイズの画像枠に設けてなるものであり、
前記検査用画像データ取得工程では、前記画像データ取得工程により取得された画像データから抽出した前記1の半田フィレット画像を、前記学習データの画像枠と同サイズの画像枠に設けてなる、前記学習データと同サイズの前記検査用画像データを取得することを特徴とする半田フィレット検査方法。
【0026】
上記手段6によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0027】
尚、上記各手段に係る技術事項を適宜組み合わせてもよい。従って、例えば、上記手段2に係る技術事項に対し、上記手段3等に係る技術事項を組み合わせてもよい。また、例えば、上記手段6に対し、上記手段2~5に係る技術事項のうちの少なくとも1つを適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】プリント基板の一部を拡大した部分拡大平面図である。
図2】プリント基板の製造ラインの構成を示すブロック図である。
図3】半田フィレット検査装置を模式的に示す概略構成図である。
図4】半田フィレット検査装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】ニューラルネットワークの構造を説明するための模式図である。
図6】ニューラルネットワークの学習処理の流れを示すフローチャートである。
図7】検査処理の流れを示すフローチャートである。
図8】学習用元画像データを示す模式図である。
図9】学習用元画像データにおける半田フィレットの占める領域を示す模式図である。
図10】学習用元画像データから抽出した1の半田フィレット画像を示す模式図である。
図11】第一画像枠や第一学習データGaを示す模式図である。
図12】第一画像枠や第一学習データGbを示す模式図である。
図13】第二画像枠や第二学習データGcを示す模式図である。
図14】第二画像枠や第二学習データGdを示す模式図である。
図15】検査用元画像データの一例を示す模式図である。
図16】検査用元画像データにおける半田フィレットの占める領域を示す模式図である。
図17】検査用元画像データから抽出した1の半田フィレット画像の一例を示す模式図である。
図18】検査用元画像データから抽出した1の半田フィレット画像の一例を示す模式図である。
図19】第一検査用画像データKaの一例や第一画像枠を示す模式図である。
図20】第一検査用画像データKaの一例や第一画像枠を示す模式図である。
図21】第一検査用画像データKbや第一画像枠を示す模式図である。
図22】第二検査用画像データKcの一例や第二画像枠を示す模式図である。
図23】第二検査用画像データKcの一例や第二画像枠を示す模式図である。
図24】第二検査用画像データKdや第二画像枠を示す模式図である。
図25】第一AIモデルに対し第一検査用画像データKaを入力したときに、第一AIモデルから出力される再構成画像データを示す模式図である。
図26】第二AIモデルに対し第二検査用画像データKcを入力したときに、第二AIモデルから出力される再構成画像データを示す模式図である。
図27】ランドからはみ出した状態の半田フィレットを示す模式図である。
図28】ランドからはみ出した状態の半田フィレットに係る1の半田フィレット画像を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まずプリント基板の構成について説明する。図1は、プリント基板の一部を拡大した部分拡大平面図である。
【0030】
図1に示すように、プリント基板1は、ガラスエポキシ樹脂等からなる平板状のベース基板2の表面に、銅箔からなる配線パターン(図示略)や複数のランド3が形成されたものである。ベース基板2の表面のうちランド3を除く部分にはレジスト膜4がコーティングされている。
【0031】
さらに、ランド3上には、半田フィレット5を介してチップ等の電子部品6が搭載されている。尚、図1等では、便宜上、半田フィレット5を示す部分に散点模様を付している。半田フィレット5は、後述するリフロー工程において、半田粒をフラックスで練ってなるクリーム半田を加熱することで形成されたものである。半田フィレット5は、プリント基板1において電子部品6を半田付けするためのものであり、電極6aとランド3とを接合する。本実施形態では、半田フィレット5として、比較的大きなランド3に設けられ、比較的大きな電子部品6に対応する比較的大きな半田フィレット5a,5bと、比較的小さなランド3に設けられ、比較的小さな電子部品6に対応する比較的小さな半田フィレット5c,5dとが存在している。
【0032】
次に、プリント基板1を製造する製造ライン(製造工程)について図2を参照して説明する。図2は、プリント基板1の製造ライン10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、製造ライン10には、その上流側(図2上側)から順に、半田印刷機12、半田印刷状態検査装置13、部品実装機14、リフロー装置15及び半田フィレット検査装置16が設置されている。
【0033】
半田印刷機12は、プリント基板1の各ランド3上にクリーム半田を印刷するための半田印刷工程を行う。半田印刷工程では、例えば、スクリーン印刷によりクリーム半田の印刷が行われる。スクリーン印刷では、まずスクリーンマスクの下面をプリント基板1に接触させた状態で、該スクリーンマスク上面にクリーム半田を供給する。スクリーンマスクには、プリント基板1の各ランド3に対応する複数の開口部が形成されている。次いで、前記スクリーンマスクの上面に所定のスキージを接触させつつ移動させることにより、前記開口部内にクリーム半田を充填する。その後、プリント基板1を前記スクリーンマスクの下面から離隔させることにより、プリント基板1の各ランド3にクリーム半田が印刷される。
【0034】
半田印刷状態検査装置13は、ランド3上に印刷されたクリーム半田の形状や、クリーム半田に対する異物の付着有無などについての検査を行う。
【0035】
部品実装機14は、クリーム半田が印刷されたランド3上に電子部品6を搭載する。部品実装機14によって、電子部品6の電極6aがそれぞれ所定のクリーム半田に対し仮止めされる。
【0036】
リフロー装置15は、クリーム半田を加熱溶融させることで、ランド3と電子部品6の電極6aとを半田接合(半田付け)するリフロー工程を行う。リフロー工程により、クリーム半田を加熱してなる半田フィレット5が形成され、その結果、ランド3及び電子部品6(電極6a)が固定される。
【0037】
半田フィレット検査装置16は、半田フィレット5の形状、面積、量などに関する検査を行うことで、リフロー工程において半田接合(半田付け)が適切に行われたか否か等について検査する。半田フィレット検査装置16については後に詳述する。
【0038】
この他、図示は省略するが、製造ライン10は、半田印刷機12と半田印刷状態検査装置13との間などの上記各装置間に、プリント基板1を移送するためのコンベア等を備えている。また、半田印刷状態検査装置13と部品実装機14との間や半田フィレット検査装置16の下流側には分岐装置が設けられている。そして、半田印刷状態検査装置13や半田フィレット検査装置16にて良品判定されたプリント基板1は、そのまま下流側へ案内される一方、不良品判定されたプリント基板1は分岐装置により不良品貯留部へと排出されるようになっている。
【0039】
次いで、半田フィレット検査装置16の構成について図3,4を参照して詳しく説明する。図3は、半田フィレット検査装置16を模式的に示す概略構成図である。図4は、半田フィレット検査装置16の機能構成を示すブロック図である。
【0040】
半田フィレット検査装置16は、プリント基板1の搬送や位置決め等を行う搬送機構31と、プリント基板1の画像データを得るための検査ユニット32と、搬送機構31や検査ユニット32の駆動制御をはじめ、半田フィレット検査装置16における各種制御や画像処理、演算処理を実行する制御装置33(図4参照)とを備えている。
【0041】
搬送機構31は、プリント基板1の搬入出方向に沿って配置された一対の搬送レール31aと、各搬送レール31aに対し回転可能に配設された無端のコンベアベルト31bとを備えている。また、図示は省略するが、搬送機構31には、前記コンベアベルト31bを駆動するモータ等の駆動手段と、プリント基板1を所定位置に位置決めするためのチャック機構とが設けられている。搬送機構31は、制御装置33(後述する搬送機構制御部79)により駆動制御される。
【0042】
上記構成の下、半田フィレット検査装置16へ搬入されたプリント基板1は、搬入出方向と直交する幅方向の両側縁部がそれぞれ搬送レール31aに挿し込まれるとともに、コンベアベルト31b上に載置される。続いて、コンベアベルト31bが動作を開始し、プリント基板1が所定の検査位置まで搬送される。プリント基板1が検査位置に達すると、コンベアベルト31bが停止するとともに、前記チャック機構が作動する。このチャック機構の動作により、コンベアベルト31bが押し上げられ、コンベアベルト31bと搬送レール31aの上辺部によってプリント基板1の両側縁部が挟持された状態となる。これにより、プリント基板1が検査位置に位置決め固定される。検査が終了すると、チャック機構による固定が解除されるとともに、コンベアベルト31bが動作を開始する。これにより、プリント基板1は、半田フィレット検査装置16から搬出される。勿論、搬送機構31の構成は、上記形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
【0043】
検査ユニット32は、搬送レール31a(プリント基板1の搬送路)の上方に配設されている。検査ユニット32は、第一照明装置32a、第二照明装置32b、第三照明装置32c及びカメラ32dを備えている。本実施形態では、カメラ32dが「画像データ取得手段」を構成する。
【0044】
また、検査ユニット32は、X軸方向(図3左右方向)への移動を可能とするX軸移動機構32e(図4参照)、及び、Y軸方向(図3前後方向)への移動を可能とするY軸移動機構32f(図4参照)をも備えている。これら移動機構32e,32fは、制御装置33(後述する移動機構制御部76)により駆動制御される。
【0045】
第一照明装置32a及び第二照明装置32bは、プリント基板1の三次元計測を行うにあたり、それぞれプリント基板1における所定の被検査領域に対し斜め上方から三次元計測用の所定の光(縞状の光強度分布を有するパターン光)を照射する。
【0046】
具体的に、第一照明装置32aは、所定の光を発する第一光源32a1や、該第一光源32a1からの光を縞状の光強度分布を有する第一パターン光に変換する第一格子を形成する第一液晶シャッタ32a2を備えており、制御装置33(後述する照明制御部72)により駆動制御される。
【0047】
第二照明装置32bは、所定の光を発する第二光源32b1や、該第二光源32b1からの光を縞状の光強度分布を有する第二パターン光に変換する第二格子を形成する第二液晶シャッタ32b2を備えており、制御装置33(後述する照明制御部72)により駆動制御される。
【0048】
上記構成の下、各光源32a1,32b1から発せられた光はそれぞれ集光レンズ(図示略)に導かれ、そこで平行光にされた後、液晶シャッタ32a2,32b2を介して投影レンズ(図示略)に導かれ、プリント基板1に対しパターン光として投影されることとなる。また、本実施形態では、各パターン光の位相がそれぞれ4分の1ピッチずつシフトするように、液晶シャッタ32a2,32b2の切替制御が行われる。
【0049】
尚、格子として液晶シャッタ32a2,32b2を使用することにより、理想的な正弦波に近いパターン光を照射することができる。これにより、三次元計測の計測分解能が向上する。また、パターン光の位相シフト制御を電気的に行うことができ、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
第三照明装置32cは、プリント基板1の二次元計測を行うにあたり、プリント基板1における所定の被検査領域に対し二次元計測用の所定の光(例えば均一光)を照射する。第三照明装置32cは、青色光を照射可能なリングライト、緑色光を照射可能なリングライト、及び、赤色光を照射可能なリングライトを具備している。尚、第三照明装置32cは、公知技術と同様の構成であるため、その詳細な説明については省略する。
【0051】
カメラ32dは、プリント基板1の所定の被検査領域を真上から撮像する。カメラ32dは、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の撮像素子と、該撮像素子に対しプリント基板1の像を結像させる光学系(レンズユニットや絞りなど)とを有しており、その光軸が上下方向(Z軸方向)に沿うように配置されている。勿論、撮像素子は、これらに限定されるものではなく、他の撮像素子を採用してもよい。
【0052】
カメラ32dは、制御装置33(後述するカメラ制御部73)により駆動制御される。より詳しくは、制御装置33は、各照明装置32a,32a,32cによる照射処理と同期をとりながら、カメラ32dによる撮像処理を実行する。これにより、照明装置32a,32b,32cのいずれかから照射された光のうち、プリント基板1にて反射した光が、カメラ32dによって撮像される。その結果、半田フィレット5を含むプリント基板1の被検査領域の画像データが取得されることとなる。尚、プリント基板1の「被検査領域」は、カメラ32dの撮像視野(撮像範囲)の大きさを1単位としてプリント基板1に予め設定された複数のエリアのうちの1つのエリアである。
【0053】
また、本実施形態におけるカメラ32dは、カラーカメラで構成されている。これにより、第三照明装置32cの各色リングライトから同時に照射され、プリント基板1に反射した各色の光を一度に撮像することができる。
【0054】
カメラ32dによって撮像され生成された画像データは、該カメラ32dの内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置33(後述の画像取得部74)に転送される。そして、制御装置33は、転送された画像データを記憶するとともに、該画像データを基に各種画像処理や演算処理等を実施する。
【0055】
制御装置33は、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムや固定値データ等を記憶するROM(Read Only Memory)、各種演算処理の実行に際して各種データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)及びこれらの周辺回路等を含んだコンピュータからなる。
【0056】
そして、制御装置33は、CPUが各種プログラムに従って動作することで、メイン制御部71、照明制御部72、カメラ制御部73、画像取得部74、データ処理部75、移動機構制御部76、学習部77、検査部78、搬送機構制御部79などの各種機能部として機能する。
【0057】
但し、上記各種機能部は、上記CPU、ROM、RAMなどの各種ハードウェアが協働することで実現されるものであり、ハード的又はソフト的に実現される機能を明確に区別する必要はなく、これらの機能の一部又は全てがICなどのハードウェア回路により実現されてもよい。
【0058】
さらに、制御装置33には、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される入力部55、液晶ディスプレイ等で構成される、表示画面を備えた表示部56、各種データやプログラム、演算結果、検査結果等を記憶可能な記憶部57、外部と各種データを送受信可能な通信部58などが設けられている。
【0059】
ここで、制御装置33を構成する上記各種機能部について詳しく説明する。
【0060】
メイン制御部71は、半田フィレット検査装置16全体の制御を司る機能部であり、照明制御部72やカメラ制御部73など他の機能部と各種信号を送受信可能に構成されている。
【0061】
照明制御部72は、照明装置32a,32b,32cを駆動制御する機能部であり、メイン制御部71からの指令信号に基づき、照射光の切換制御などを行う。
【0062】
カメラ制御部73は、カメラ32dを駆動制御する機能部であり、メイン制御部71からの指令信号に基づき撮像タイミングなどを制御する。
【0063】
画像取得部74は、カメラ32dにより撮像され取得された画像データを取り込むための機能部である。
【0064】
データ処理部75は、画像取得部74により取り込まれた画像データに所定の画像処理を施したり、該画像データを用いて二次元計測処理や三次元計測処理などを行ったりする機能部である。
【0065】
移動機構制御部76は、X軸移動機構32e及びY軸移動機構32fを駆動制御する機能部であり、メイン制御部71からの指令信号に基づき、検査ユニット32の位置を制御する。移動機構制御部76は、X軸移動機構32e及びY軸移動機構32fを駆動制御することにより、検査ユニット32を、検査位置に位置決め固定されたプリント基板1の任意の被検査領域の上方位置へ移動させることができる。そして、プリント基板1に設定された複数の被検査領域に検査ユニット32が順次移動されつつ、該被検査領域に係る検査が実行されていくことで、プリント基板1全域の検査が実行される。
【0066】
学習部77は、学習データを用いてディープニューラルネットワーク90(以下、単に「ニューラルネットワーク90」という。図5参照)の学習を行い、「識別手段」としての第一AI(Artificial Intelligence)モデル101及び「第二識別手段」としての第二AIモデル102を構築する機能部である。
【0067】
尚、本実施形態における各AIモデル101,102は、後述するように、良品の半田フィレット5に係る画像データのみを学習データとして、ニューラルネットワーク90を深層学習(ディープラーニング)させて構築した生成モデルであり、いわゆるオートエンコーダ(自己符号化器)の構造を有する。
【0068】
ここで、ニューラルネットワーク90の構造について図5を参照して説明する。図5は、ニューラルネットワーク90の構造を概念的に示した模式図である。図5に示すように、ニューラルネットワーク90は、入力される画像データGAから特徴量(潜在変数)TAを抽出する「符号化部」としてのエンコーダ部91と、該特徴量TAから画像データGBを再構成する「復号化部」としてのデコーダ部92と有してなる畳み込みオートエンコーダ(CAE:Convolutional Auto-Encoder)の構造を有している。
【0069】
畳み込みオートエンコーダの構造は公知のものであるため、詳しい説明は省略するが、エンコーダ部91は複数の畳み込み層(Convolution Layer)93を有し、各畳み込み層93では、入力データに対し複数のフィルタ(カーネル)94を用いた畳み込み演算が行われた結果が次層の入力データとして出力される。同様に、デコーダ部92は複数の逆畳み込み層(Deconvolution Layer)95を有し、各逆畳み込み層95では、入力データに対し複数のフィルタ(カーネル)96を用いた逆畳み込み演算が行われた結果が次層の入力データとして出力される。そして、後述する学習処理では、各フィルタ94,96の重み(パラメータ)が更新されることとなる。
【0070】
検査部78は、半田フィレット5の検査を行う機能部である。本実施形態において、検査部78は、形状、面積、量といった点で半田フィレット5が適切に形成されているか否かについての検査を行う。
【0071】
搬送機構制御部79は、搬送機構31を駆動制御する機能部であり、メイン制御部71からの指令信号に基づき、プリント基板1の位置を制御する。
【0072】
記憶部57は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成されており、例えば各AIモデル101,102(ニューラルネットワーク90及びその学習により獲得した学習情報)を記憶する所定の記憶領域を有している。
【0073】
通信部58は、例えば有線LAN(Local Area Network)や無線LAN等の通信規格に準じた無線通信インターフェースなどを備え、外部と各種データを送受信可能に構成されている。例えば検査部78により行われた検査の結果などが通信部58を介して外部に出力されたり、半田印刷状態検査装置13により行われた検査の結果が通信部58を介して入力されたりする。
【0074】
次に、半田フィレット検査装置16によって行われるニューラルネットワーク90の学習処理について図6のフローチャートを参照して説明する。
【0075】
所定の学習プログラムの実行に基づき、学習処理が開始されると、メイン制御部71は、はじめにステップS101において、ニューラルネットワーク90の学習を行うための前処理を行う。
【0076】
この前処理では、まず予め半田フィレット検査装置16に蓄積された多数のプリント基板1の検査情報を取得する。続いて、該検査情報に基づき、記憶部57から、リフロー後検査に合格した良品の半田フィレット5に係る画像データである学習用元画像データIgを取得する(例えば、図8参照)。
【0077】
この学習用元画像データIgは、リフロー工程後のプリント基板1に係るものであり、ニューラルネットワーク90の学習に用いる後述の学習データGa,Gb,Gc,Gd(以下、「学習データGa~Gd」と簡略化して表記することがある)を得るために使用される。また、この学習用元画像データIgには、第一照明装置32a又は第二照明装置32bからパターン光を照射した状態で、カメラ32dによりプリント基板1を撮像して得た画像データである三次元データと、第三照明装置32cから均一光を照射した状態で、カメラ32dによりプリント基板1を撮像して得た画像データである二次元データとが含まれる。
【0078】
尚、学習用元画像データIgは、カメラ32dにより得られたままの特段の処理を施していない画像データ(例えば、単色の輝度画像データやRGB輝度画像データなど)であってもよいし、カメラ32dにより得られた画像データに対し所定の処理を施すことで得た画像データ(例えば、RGB画像データを変換して得たHLS画像データや、画像データを変換して得た高さ画像データなど)であってもよい。さらに、学習用元画像データIgは、いわゆるカラーハイライト方式(赤、緑、青の光を異なる入射角で半田フィレット5の表面に照射し、各色の反射光をカメラ32dで撮影することにより半田フィレット5の三次元形状を二次元の色相情報として検出する方法)を利用する場合に取得される画像データであってもよい。
【0079】
次いで、取得した学習用元画像データIgから、第一学習データGa,Gb及び第二学習データGc,Gdを作成する(学習データGa~Gdについては図11~14参照)。本実施形態では、第一学習データGa,Gbが「学習データ」に相当する。第一学習データGa,Gbは第一AIモデル101の生成に、第二学習データGc,Gdは第二AIモデル102の生成に、それぞれ利用される。
【0080】
各学習データGa~Gdを得るにあたっては、まず、取得した学習用元画像データIgにおける半田フィレット5の占める領域を特定する(例えば、図9参照)。学習用元画像データIgが二次元データである場合には、例えば、輝度や色相、彩度などを用いて半田フィレット5の占める領域を特定する。また、学習用元画像データIgが三次元データである場合には、例えば、高さ情報などを用いて半田フィレット5の占める領域を特定する。
【0081】
次いで、特定した半田フィレット5の占める領域における連結成分(塊部分)の画像を、1の半田フィレット画像Ih(例えば、図10参照)として抽出する。1の半田フィレット画像Ihは、1のランド3に対応するものであり、本実施形態では、半田フィレット5の占める領域のうち、設計上の1のランド3上に位置している連結成分(塊部分)を、1の半田フィレット画像Ihとして抽出する。尚、ランド3の位置を考慮することなく、単に1の連結成分(塊部分)を1の半田フィレット画像Ihとして抽出してもよい。
【0082】
次いで、第一画像枠W1及び第二画像枠W2から、抽出した1の半田フィレット画像Ihを貼り付ける画像枠を選択する(各画像枠W1,W2については、図11~14参照)。
【0083】
本実施形態において、第一画像枠W1は、高さ(図11等の紙面上下方向の幅)がn(ピクセル)、幅(図11等の紙面左右方向の幅)がn(ピクセル)の矩形画像であり、そのサイズ(幅及び高さ)は、設計データ等に基づき、抽出した1の半田フィレット画像Ihのサイズよりも大きなものとなるように設定されている。
【0084】
第二画像枠W2は、高さがm(ピクセル)、幅がm(ピクセル)の矩形画像であり、そのサイズ(幅及び高さ)は第一画像枠W1のサイズよりも小さなものとなるように設定されている。
【0085】
また、各画像枠W1,W2は、(何も貼り付けられていない場合においては)全ての画素が同値を持つものとされている。例えば、各画像枠W1,W2を構成する各画素の有する輝度や高さ情報などが「0」とされている。尚、この同値は、1の半田フィレット画像Ihの構成画素が有する値と比較的大きく異なるものであることが好ましい。従って、この同値として、通常使用される値以外の値(例えば、負数など)を用いることが好ましい。
【0086】
画像枠W1,W2の選択は、1の半田フィレット画像Ihのサイズや形状に基づき行われる。1の半田フィレット画像Ihのサイズ(幅及び高さ)が第二画像枠W2のサイズよりも大きい場合には、第一画像枠W1が選択される。一方、1の半田フィレット画像Ihのサイズが第二画像枠のサイズよりも小さい場合には、第二画像枠W2が選択される。
【0087】
次いで、選択した画像枠W1,W2に対し1の半田フィレット画像Ihを貼り付けることで、1の半田フィレット画像Ihを画像枠W1,W2に設けてなる各学習データGa~Gdを得る。
【0088】
本実施形態では、第一画像枠W1に対し、半田フィレット5aに対応する1の半田フィレット画像Ihを貼り付けることで第一学習データGa(例えば、図11参照)が得られ、第一画像枠W1に対し、半田フィレット5bに対応する1の半田フィレット画像Ihを貼り付けることで第一学習データGb(例えば、図12参照)が得られる。
【0089】
また、第二画像枠W2に対し、半田フィレット5cに対応する1の半田フィレット画像Ihを貼り付けることで第二学習データGc(例えば、図13参照)が得られ、第二画像枠W2に対し、半田フィレット5dに対応する1の半田フィレット画像Ihを貼り付けることで第二学習データGd(例えば、図14参照)が得られる。
【0090】
尚、貼り付け位置の調整や1の半田フィレット画像Ihの回転処理などが行われることで、各学習データGa~Gdは、1の半田フィレット画像Ihの中心又は重心が画像枠W1,W2の中心と一致し、かつ、該1の半田フィレット画像Ihにおける電子部品6側の部位が所定の方向を向くように設定される。「1の半田フィレット画像Ihにおける電子部品6側の部位」は、1の半田フィレット画像Ihにおける電子部品6と隣接する部位であって、本実施形態では、直線状をなしている。そして、この直線状部位が、所定の方向(例えば右方向)を向くように、1の半田フィレット画像Ihの回転処理が行われる。
【0091】
そして、1の半田フィレット画像Ihの抽出や選択した画像枠W1,W2に対する1の半田フィレット画像Ihの貼り付けといった上記処理を繰り返し行うことで、1の学習用元画像データIgから各学習データGa~Gdを取得する。さらに、複数の学習用元画像データIgを用いることで、最終的にそれぞれ必要数の第一学習データGa,Gb及び第二学習データGc,Gdを取得する。尚、本実施形態において、各学習データGa~Gdには、二次元データに基づき取得されたものと、三次元データに基づき取得されたものとが含まれる。
【0092】
ステップS101において学習に必要な数の学習データGa~Gdが取得されると、続くステップS102において、メイン制御部71からの指令に基づき、学習部77が、未学習のニューラルネットワーク90を準備する。例えば予め記憶部57等に格納されているニューラルネットワーク90を読み出す。又は、記憶部57等に格納されているネットワーク構成情報(例えばニューラルネットワークの層数や各層のノード数など)に基づいて、ニューラルネットワーク90を構築する。
【0093】
本実施形態では、ニューラルネットワーク90として、第一学習データGa,Gbを用いた学習を行うためのものと、第二学習データGc,Gdを用いた学習を行うためのものとを別々に構築する。また、ニューラルネットワーク90として、二次元データに基づき取得された学習データGa~Gdによる学習を行うものと、三次元データに基づき取得された学習データGa~Gdによる学習を行うものとを別々に構築する。従って、本実施形態では、計4つのニューラルネットワーク90を構築する。
【0094】
ステップS103では、再構成画像データを取得する。すなわち、メイン制御部71からの指令に基づき、学習部77が、ステップS102において取得された学習データGa~Gdを入力データとして、ニューラルネットワーク90の入力層に与え、これにより該ニューラルネットワーク90の出力層から出力される再構成画像データを取得する。より詳しくは、学習部77が、ニューラルネットワーク90の入力層に対し、ステップS102において取得された学習データGa~Gdのうち該ニューラルネットワーク90に対応するものを入力データとして与え、これにより該ニューラルネットワーク90の出力層から出力される再構成画像データを取得する。例えば、学習部77は、二次元データにより得られた第一学習データGa,Gbを用いて学習を行うニューラルネットワーク90の入力層に対し、該第一学習データGa,Gbを入力データとして与えるとともに、該ニューラルネットワーク90から出力される再構成画像データを取得する。つまり、学習部77は、計4種類のニューラルネットワーク90のそれぞれに対し、適切な学習データGa~Gdを入力するとともに、出力された再構成画像データを取得する。
【0095】
続くステップS104では、学習部77が、入力した学習データGa~Gdと、ニューラルネットワーク90により出力された再構成画像データとを比較し、その誤差が十分に小さいか否か(所定の閾値以下であるか否か)を判定する。
【0096】
ここで、前記誤差が十分に小さい場合には、ステップS106にて、学習部77は、学習の終了条件を満たすか否かを判定する。例えば、後述するステップS105の処理を経ることなくステップS104にて肯定判定されることが所定回数連続で行われた場合や、用意した学習データGa~Gdの全てを用いた学習が所定回数反復して行われた場合には、終了条件を満たすと判定される。終了条件を満たす場合には、ニューラルネットワーク90及びその学習情報(後述する更新後のパラメータ等)をAIモデル101,102として記憶部57に格納し、本学習処理を終了する。
【0097】
本実施形態では、最終的に、第一AIモデル101として、二次元データにより取得された第一学習データGa,Gbを学習してなるAIモデルと、三次元データにより取得された第一学習データGa,Gbを学習してなるAIモデルとが格納される。
【0098】
また、第二AIモデル102として、二次元データにより取得された第二学習データGc,Gdを学習してなるAIモデルと、三次元データにより取得された第二学習データGc,Gdを学習してなるAIモデルとが格納される。
【0099】
一方、ステップS106にて終了条件を満たさない場合には、ステップS102に戻り、ニューラルネットワーク90の学習を再度行う。
【0100】
また、ステップS104にて、前記誤差が十分に小さくない場合には、ステップS105においてネットワーク更新処理(ニューラルネットワーク90の学習)を行った後、再びステップS103へ戻り、上記一連の処理を繰り返す。
【0101】
具体的に、ステップS105のネットワーク更新処理では、例えば誤差逆伝播法(Backpropagation)などの公知の学習アルゴリズムを用いて、学習データGa~Gdと再構成画像データとの差分を表す損失関数が極力小さくなるように、ニューラルネットワーク90における上記各フィルタ94,96の重み(パラメータ)をより適切なものに更新する。尚、損失関数としては、例えばBCE(Binary Cross-entropy)などを利用することができる。
【0102】
ステップS103~105の処理を何度も繰り返すことにより、ニューラルネットワーク90では、学習データGa~Gdと再構成画像データとの誤差が極力小さくなり、より正確な再構成画像データが出力されるようになる。
【0103】
そして、最終的に得られる各AIモデル101,102は、良品の半田フィレット5に係る画像データが入力されたときに、該画像データとほぼ一致する再構成画像データを生成するものとなる。また、各AIモデル101,102は、形状や面積、量の点で不良品の半田フィレット5に係る画像データが入力されたときには、半田フィレット5の形状や面積、量を修正した該画像データとほぼ一致する再構成画像データを生成するものとなる。すなわち、半田フィレット5が不良品であるときには、該半田フィレット5に係る再構成画像データとして、不良部分がないものと仮定した場合の該半田フィレット5に係る仮想的な画像データが生成される。
【0104】
次に、半田フィレット検査装置16によって行われる検査処理について図7のフローチャートを参照して説明する。但し、図7に示す検査処理は、プリント基板1における被検査領域毎に実行される処理である。
【0105】
半田フィレット検査装置16へプリント基板1が搬入され、所定の検査位置に位置決めされると、所定の検査プログラムの実行に基づき、検査処理が開始される。
【0106】
検査処理が開始されると、まずステップS301において、画像データ取得工程が行われる。画像データ取得工程では、検査対象のプリント基板1に係る検査用元画像データIk(例えば、図15参照)を取得する。検査用元画像データIkは、後述する検査用画像データKa,Kb,Kc,Kd(以下、「検査用画像データKa~Kd」と簡略化して表記することがある)を得るための画像データである。尚、本実施形態では、検査対象のプリント基板1として、ランド3から半田フィレット5がはみ出していたり、半田フィレット5の形状や面積に異常があったりするものを一例として挙げている。
【0107】
検査用元画像データIkには、第一照明装置32a又は第二照明装置32bからパターン光を照射した状態で、カメラ32dによりプリント基板1を撮像して得た画像データである三次元データと、第三照明装置32cから均一光を照射した状態で、カメラ32dによりプリント基板1を撮像して得た画像データである二次元データとが含まれる。画像データ取得工程では、三次元データの取得工程と、二次元データの取得工程とが行われる。
【0108】
まず、三次元データの取得工程について説明する。この工程では、第一照明装置32aから照射される第一パターン光の位相を変化させつつ、位相の異なる第一パターン光の下で4回の撮像処理を行った後、第二照明装置32bから照射される第二パターン光の位相を変化させつつ、位相の異なる第二パターン光の下で4回の撮像処理を行い、計8通りの三次元データを取得する。以下、詳しく説明する。
【0109】
上述したように、半田フィレット検査装置16へ搬入されたプリント基板1が所定の検査位置に位置決め固定されると、メイン制御部71からの指令に基づき、移動機構制御部76が、まずX軸移動機構32e及びY軸移動機構32fを駆動制御して検査ユニット32を移動させ、カメラ32dの撮像視野(撮像範囲)をプリント基板1の所定の被検査領域に合わせる。
【0110】
併せて、照明制御部72が、両照明装置32a,32bの液晶シャッタ32a2,32b2を切替制御し、該両液晶シャッタ32a2,32b2に形成される第一格子及び第二格子の位置を所定の基準位置に設定する。
【0111】
第一格子及び第二格子の切替設定が完了すると、照明制御部72が、第一照明装置32aの第一光源32a1を発光させ、第一パターン光を照射するとともに、カメラ制御部73が、カメラ32dを駆動制御して、該第一パターン光の下での1回目の撮像処理を実行する。尚、撮像処理により生成された画像データは、随時、画像取得部74に取り込まれる(以下同様)。これにより、複数のランド3(半田フィレット5)を含んだ被検査領域の三次元データが取得される。
【0112】
その後、照明制御部72は、第一パターン光の下での1回目の撮像処理の終了と同時に、第一照明装置32aの第一光源32a1を消灯するとともに、第一液晶シャッタ32a2の切替処理を実行する。具体的には、第一液晶シャッタ32a2に形成される第一格子の位置を前記基準位置から、第一パターン光の位相が4分の1ピッチ(90°)ずれる第二の位置へ切替設定する。
【0113】
第一格子の切替設定が完了すると、照明制御部72が、第一照明装置32aの光源32a1を発光させ、第一パターン光を照射するとともに、カメラ制御部73が、カメラ32dを駆動制御して、該第一パターン光の下での2回目の撮像処理を実行する。以後、同様の処理を繰り返し行うことで、90°ずつ位相の異なる第一パターン光の下での4通りの三次元データを取得する。
【0114】
続いて、照明制御部72が、第二照明装置32bの第二光源32b1を発光させ、第二パターン光を照射するとともに、カメラ制御部73が、カメラ32dを駆動制御して、該第二パターン光の下での1回目の撮像処理を実行する。
【0115】
その後、照明制御部72が、第二パターン光の下での1回目の撮像処理の終了と同時に、第二照明装置32bの第二光源32b1を消灯するとともに、第二液晶シャッタ32b2の切替処理を実行する。具体的には、第二液晶シャッタ32b2に形成される第二格子の位置を前記基準位置から、第二パターン光の位相が4分の1ピッチ(90°)ずれる第二の位置へ切替設定する。
【0116】
第二格子の切替設定が完了すると、照明制御部72が、第二照明装置32bの光源32b1を発光させ、第二パターン光を照射するとともに、カメラ制御部73が、カメラ32dを駆動制御して、該第二パターン光の下での2回目の撮像処理を実行する。以後、同様の処理を繰り返し行うことで、90°ずつ位相の異なる第二パターン光の下での4通りの三次元データを取得する。
【0117】
次いで、二次元データの取得工程について説明する。この工程では、メイン制御部71からの指令に基づき、照明制御部72が第三照明装置32cを発光させ、所定の被検査領域に対し均一光を照射しつつ、カメラ制御部73がカメラ32dを駆動制御して、該均一光の下での撮像処理を実行する。これにより、プリント基板1上の所定の被検査領域が撮像され、該被検査領域に係る二次元データが取得される。
【0118】
取得された検査用元画像データIk(三次元データ及び二次元データ)は、記憶部57に記憶される。
【0119】
尚、検査用元画像データIkは、カメラ32dにより得られたままの特段の処理を施していない画像データ(例えば、単色の輝度画像データやRGB輝度画像データなど)であってもよいし、カメラ32dにより得られた画像データに対し所定の処理を施すことで得た画像データ(例えば、RGB画像データを変換して得たHLS画像データや、画像データを変換して得た高さ画像データなど)であってもよい。さらに、検査用元画像データIkは、いわゆるカラーハイライト方式を利用する場合に取得される画像データであってもよい。
【0120】
次に、ステップS302にて、検査用画像データ取得工程を実行する。検査用画像データ取得工程では、画像データ取得工程にて得られた検査用元画像データIkに基づき、それぞれ後述する第一検査用画像データKa,Kb及び第二検査用画像データKc,Kdを取得する。
【0121】
これら検査用画像データKa~Kdを得るにあたっては、まず、取得した検査用元画像データIkにおける半田フィレット5の占める領域を特定する(例えば、図16参照)。半田フィレット5の占める領域は、輝度や色相、彩度、高さ情報などを用いて特定することができる。
【0122】
次いで、特定した半田フィレット5の占める領域における1の半田フィレット画像Ih(例えば、図17,18参照)を抽出する。1の半田フィレット画像Ihは、1のランド3に対応するものであり、本実施形態では、特定した領域における連結成分(塊部分)のうち、設計データ又は製造データ上の1のランド3に少なくとも一部が重なるものの全体の画像を、1の半田フィレット画像Ihとして抽出する。従って、連結成分の一部が設計データ又は製造データ上のランド3からはみ出している場合、1の半田フィレット画像Ihは、該ランド3からはみ出した部分を含む連結成分の全体から構成される(例えば、図18参照)。尚、設計データ等を用いることなく、単に1の連結成分を1の半田フィレット画像Ihとして抽出してもよい。また、1の半田フィレット画像Ihは、半田フィレット5の連結成分(塊部分)に加え、その周囲に位置するランド3や電極6aなどを含むものであってもよい。本実施形態では、検査用元画像データIkから1の半田フィレット画像Ihを抽出する検査部78が「半田フィレット画像抽出手段」を構成する。
【0123】
そして、抽出した1の半田フィレット画像Ihのサイズや形状に基づき、第一画像枠W1及び第二画像枠W2から適切な画像枠を選択するとともに、選択した画像枠W1,W2に対し該1の半田フィレット画像Ihを設けてなる、検査用画像データKa~Kdを取得する(検査用画像データKa~Kdについては図19~24参照)。
【0124】
すなわち、抽出した1の半田フィレット画像Ihのサイズが第二画像枠W2のサイズよりも大きい場合には、第一画像枠W1に対し該1の半田フィレット画像Ihを貼り付けることで第一検査用画像データKa,Kb(例えば、図19~21参照)を取得する。従って、第一検査用画像データKa,Kbのサイズ(幅及び高さ)は第一学習データGa,Gbのサイズと同一となる。尚、図20では、参考として、正常な形状・面積の半田フィレット5を二点鎖線で仮想的に示している。
【0125】
また、抽出した1の半田フィレット画像Ihのサイズが第二画像枠W2のサイズよりも小さい場合には、第二画像枠W2に対し該1の半田フィレット画像Ihを貼り付けることで、第二検査用画像データKc,Kd(例えば、図22~24参照)を取得する。従って、第二検査用画像データKc,Kdのサイズは第二学習データGc,Gdのサイズと同一となる。
【0126】
尚、画像枠W1,W2に対し1の半田フィレット画像Ihを貼り付ける際には、貼り付け位置の調整や画像の回転処理などが行われる。これにより、各検査用画像データKa~Kdは、各学習データGa~Gdと同様に、1の半田フィレット画像Ihの中心又は重心が画像枠W1,W2の中心と一致し、かつ、該1の半田フィレット画像Ihにおける電子部品6側の部位が所定の方向を向くものとなる。
【0127】
そして、1の半田フィレット画像Ihの抽出や選択した画像枠W1,W2に対する1の半田フィレット画像Ihの貼り付けといった上記処理を繰り返し行うことで、1の検査用元画像データIkから各検査用画像データKa~Kdを取得する。尚、本実施形態において、各検査用画像データKa~Kdには、二次元データに基づき取得されたものと、三次元データに基づき取得されたものとが含まれる。本実施形態では、検査用画像データKa~Kdを取得する検査部78が「検査用画像データ取得手段」を構成する。
【0128】
続くステップS303では、再構成画像データ取得工程を実行する。具体的には、メイン制御部71からの指令に基づき、検査部78が、ステップS302にて取得した検査用画像データKa~Kdを、該検査用画像データKa~Kdの種別に対応するAIモデル101,102の入力層へ入力する。従って、第一検査用画像データKa,Kbは第一AIモデル101に、第二検査用画像データKc,Kdは第二AIモデル102に、それぞれ入力される。また、二次元データに基づき取得された検査用画像データKa~Kdは、二次元データに対応するAIモデル101,102に入力され、三次元データに基づき取得された検査用画像データKa~Kdは、三次元データに対応するAIモデル101,102に入力される。そして、AIモデル101,102によって再構成されて出力層から出力される画像データを、再構成画像データとして取得する。取得した再構成画像データは、該再構成画像データの元となった検査用画像データKa~Kdと関連付けて記憶される。
【0129】
ここで、各AIモデル101,102は、形状等が不適切な半田フィレット5に係る検査用画像データKa,Kc(図20,22参照)が入力された場合、上記のように学習したことにより、再構成画像データSとして、形状等が修正された、良品の半田フィレット5に係る画像データを出力する(例えば、図25,26参照)。
【0130】
一方、各AIモデル101,102は、良品の半田フィレット5に係る検査用画像データKa~Kdが入力された場合、再構成画像データSとして、該検査用画像データKa~Kdとほぼ同一の良品の半田フィレット5に係る画像データを出力する。尚、再構成画像データSのサイズ(幅及び高さ)は、その元となった検査用画像データKa~Kdのサイズと同一となる。本実施形態では、再構成画像データSを取得する検査部78が「再構成画像データ取得手段」を構成する。
【0131】
ステップS304では、取得した再構成画像データSに基づく良否判定処理を行う。良否判定処理では、メイン制御部71からの指令に基づき、検査部78が、上記ステップS302で取得した検査用画像データKa~Kdの全体と、該検査用画像データKa~Kdを用いてステップS303で取得した再構成画像データSの全体とを比較して、両画像データKa~Kd,Sの差分を算出する。例えば、両画像データKa~Kd,Sにおける同一座標のドット(画素)をそれぞれ比較して、輝度の差が所定値以上となったドットの塊の面積(ドット数)を算出する。本実施形態では、検査用画像データKd~Kd及び再構成画像データSを比較する検査部78が「比較手段」を構成する。また、検査用画像データKa~Kd及び再構成画像データSを比較する工程が「比較工程」に相当する。
【0132】
続いて、検査部78は、算出した差分が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。そして、検査部78は、算出した差分が所定の閾値よりも大きい場合には、「良品」と判定する一方、差分が所定の閾値よりも小さい場合には、「品」と判定する。
【0133】
さらに、検査部78は、プリント基板1の被検査領域に係る全ての検査用画像データKa~Kdについて上記判定を行い、全ての検査用画像データKa~Kdについて「良品」と判定した場合には、該被検査領域について「良品」と判定するとともに、この結果を記憶部57に記憶する。一方、検査部78は、被検査領域に係る全ての検査用画像データKa~Kdについて上記判定を行った結果、少なくとも1の検査用画像データKa~Kdについて「不良品」と判定した場合には、該被検査領域について「不良品」と判定するとともに、この結果を記憶部57に記憶する。
【0134】
そして、半田フィレット検査装置16は、プリント基板1における全ての被検査領域について上記検査処理が行われた結果、全被検査領域について「良品」と判定された場合には、半田フィレット5に異常のないプリント基板1であると判定(合格判定)し、この結果を記憶部57に記憶する。
【0135】
一方、半田フィレット検査装置16は、「不良品」と判定された被検査領域が1つでも存在する場合には、半田フィレット5に異常のあるプリント基板1であると判定(不合格判定)し、この結果を記憶部57に記憶するとともに、表示部56や通信部58などを介して、その旨を外部に報知する。
【0136】
以上詳述したように、本実施形態によれば、検査用画像データKa~Kdは、1の半田フィレット画像Ihを画像枠W1,W2に設けてなるものとされている。従って、各検査用画像データKa~Kdのサイズ(幅及び高さ)は、ランド3のサイズによって細かく変動することはなく、一定となる。これにより、ランド3のサイズごとに異なるAIモデル(識別手段)を多数用意する必要がなくなり、AIモデル101,102を得るにあたっての労力や手間を低減することができる。また、ランド3のサイズが異なる場合であってもAIモデル101,102を共通に利用することができる。
【0137】
さらに、学習データGa~Gdの画像枠W1,W2と検査用画像データKa~Kdの画像枠W1,W2とは同サイズとされており、学習データGa~Gd及び検査用画像データKa~Kdの各サイズは同一とされている。従って、検査用画像データKa~KdをAIモデル101,102へと入力したときに、該検査用画像データKa~Kdに対応する適切な再構成画像データSをより確実に出力することができ、ひいては半田フィレット5の良否判定をより正確に行うことができる。これにより、良好な検査精度をより確実に得ることができる。
【0138】
加えて、検査用画像データKa~Kdと、該検査用画像データKa~KdをAIモデル101,102へ入力して再構成された再構成画像データSとを比較し、その比較結果に基づき、半田フィレット5の良否を判定している。そのため、比較する両画像データKa~Kd,Sは、それぞれ同一の半田フィレット5に係るものとなる。従って、別途用意した基準との比較によって良否を判定する手法とは異なり、誤検出を防止するために比較的緩い検査条件を設定する必要はなく、より厳しい検査条件を設定することができる。さらに、比較する両画像データKa~Kd,Sにおいて、検査対象であるプリント基板1の撮像条件(例えばプリント基板1の配置位置や配置角度、たわみ等)や、検査装置16側の撮像条件(例えば照明状態やカメラの画角等)を一致させることができる。これらが相俟って、半田フィレット5の良否判定をより精度よく行うことができる。
【0139】
また、本実施形態において、検査用画像データKa~Kdを構成する1の半田フィレット画像Ihは、半田フィレット5におけるランド3上に位置する部分の画像のみならず、半田フィレット5におけるランド3からはみ出した部分の画像を含むものとなる。これにより、一部がランド3からはみ出した半田フィレット5に係る良否判定を適切に行うことが可能となり、検査精度を一層高めることができる。
【0140】
さらに、本実施形態では、1の半田フィレット画像Ihのサイズが比較的小さい場合、比較的小さなサイズの第二画像枠W2に1の半田フィレット画像Ihを設けてなる比較的小さなサイズの検査用画像データKc,Kdが取得される。そして、この比較的小さな検査用画像データKc,Kdが第二AIモデル102に入力されることで再構成画像データSが出力され、それぞれ比較的小さな検査用画像データKc,Kd及び再構成画像データSが比較される。従って、検査用画像データの画像枠を常に一定サイズとする場合と比べて、再構成画像データSを取得するための処理や検査部78による比較処理の迅速化を図ることができ、ひいては検査速度をより向上させることができる。
【0141】
加えて、学習データGa~Gdや検査用画像データKa~Kdにおける半田フィレット5の向き及び位置が概ね揃えられるため、AIモデル101,102の生成に用いた学習データGa~Gdが比較的少ないものであっても、半田フィレット5の良否判定を精度よく行うことができる。すなわち、AIモデル101,102を得るにあたっての労力や手間をより効果的に低減しつつ、良好な検査精度を得ることができる。
【0142】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0143】
(a)上記実施形態では、ステップS304の良否判定工程において、検査用画像データKa~Kdの全体と再構成画像データSの全体とを比較するように構成されている。
【0144】
これに対し、検査用画像データKa~Kdにおける1の半田フィレット画像Ihのみを比較対象として、検査用画像データKa~Kd及び再構成画像データSの比較を行うように構成してもよい。つまり、検査用画像データKa~Kdにおける1の半田フィレット画像Ihと、再構成画像データSのうち該1の半田フィレット画像Ihと重なる領域とを比較するように構成してもよい。
【0145】
このように構成した場合には、検査用画像データKa~Kdにおける1の半田フィレット画像Ih以外の部分を比較対象としないことになるから、両画像データKa~Kd,Sの全体を比較する場合と比べて、両画像データKa~Kd,Sの比較に係る処理負担を低減することができる。そのため、検査の高速化、効率化を図ることができる。また、検査用画像データKa~Kdにおける1の半田フィレット画像Ih以外の部分、すなわち、半田フィレット5とは無関係の部分が良否判定に影響を与えることをより確実に防止でき、ひいては検査精度の更なる向上を図ることが可能となる。
【0146】
尚、再構成画像データSにおける半田フィレット5に係る領域のみを比較対象として、検査用画像データKa~Kd及び再構成画像データSの比較を行うように構成してもよい。つまり、再構成画像データSにおける半田フィレット5に係る領域と、検査用画像データKa~Kdにおける該半田フィレット5に係る領域と重なる領域とを比較するように構成してもよい。勿論、上記2つの比較手法を併用してもよい。
【0147】
(b)上記実施形態では、ニューラルネットワーク90の学習にあたって、リフロー後検査に合格したプリント基板1に係る学習用元画像データIgを用いて、学習データGa~Gdを取得している。これに対し、例えばリフロー工程後に作業者が目視により選別した、良品の半田フィレット5に係る学習用元画像データを用いて、学習データGa~Gdを取得してもよい。
【0148】
また、学習部77は、仮想的に生成した良品の半田フィレット5の画像データを用いて、学習データGa~Gdを取得するものであってもよい。
【0149】
(c)上記実施形態では、AIモデル101,102として、二次元データに対応するものと、三次元データに対応するものとが別々に設けられているが、二次元データ及び三次元データのそれぞれに対応する共通のAIモデルを設けることとしてもよい。
【0150】
さらに、第二AIモデル102を省略した構成としてもよい。この場合、第二検査用画像データKc,Kdのサイズを第一検査用画像データKa,Kdのサイズと同一とし、第一AIモデル101によって、検査用画像データKa~Kdに基づく検査を行う構成としてもよい。
【0151】
(d)AIモデル101,102(ニューラルネットワーク90)の構成及びその学習方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ニューラルネットワーク90の学習処理や、再構成画像データ取得工程などを行う際に、必要に応じて各種データに対し正規化等の処理を行う構成としてもよい。また、ニューラルネットワーク90の構造は、図5に示したものに限定されず、例えば畳み込み層93の後にプーリング層を設けた構成としてもよい。勿論、ニューラルネットワーク90の層数や、各層のノード数、各ノードの接続構造などが異なる構成としてもよい。
【0152】
さらに、上記実施形態では、AIモデル101,102(ニューラルネットワーク90)が、畳み込みオートエンコーダ(CAE)の構造を有した生成モデルとなっているが、これに限らず、例えば変分自己符号化器(VAE:Variational Autoencoder)など、異なるタイプのオートエンコーダの構造を有した生成モデルとしてもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、誤差逆伝播法によりニューラルネットワーク90を学習する構成となっているが、これに限らず、その他の種々の学習アルゴリズムを用いて学習する構成としてもよい。
【0154】
加えて、ニューラルネットワーク90は、いわゆるAIチップ等のAI処理専用回路によって構成されることとしてもよい。その場合、パラメータ等の学習情報のみが記憶部57に記憶され、これをAI処理専用回路が読み出して、ニューラルネットワーク90に設定することによって、AIモデル101,102が構成されるようにしてもよい。
【0155】
併せて、上記実施形態において、制御装置33は学習部77を備えており、制御装置33内においてニューラルネットワーク90の学習を行う構成となっているが、これに限られるものではない。例えば、学習部77を省略して、ニューラルネットワーク90の学習を制御装置33の外部で行う構成とし、外部で学習を行ったAIモデル101,102(学習済みのニューラルネットワーク90)を記憶部57に記憶する構成としてもよい。
【0156】
(e)上記実施形態では、検査用元画像データIkとして二次元データ及び三次元データを取得しているが、二次元データ及び三次元データのうちの一方のみを取得する構成としてもよい。また、取得するデータに合わせて、AIモデル101,102として、二次元データ及び三次元データのうちの一方に対応するもののみを設けてもよい。
【0157】
(f)上記実施形態では、1の半田フィレット画像Ihを画像枠W1,W2に貼り付けることで検査用画像データKa~Kdを取得している。これに対し、次のようにして検査用画像データKa~Kdを取得してもよい。すなわち、まず、特定した半田フィレット5の占める領域における連結成分(塊部分)の画像を、1の半田フィレット画像Ihとして抽出するにあたり、1の半田フィレット画像Ihとその周囲部分とを抽出することで、画像枠W1,W2と同サイズの抽出画像を得る。その上で、該抽出画像における前記周囲部分の各画素の持つ値をそれぞれ同値に置き換える(例えば、輝度や高さを「0」とする)ことで、検査用画像データKa~Kdを取得してもよい。勿論、これと同様の手法を利用して、学習データGa~Gdを取得してもよい。
【符号の説明】
【0158】
1…プリント基板、3…ランド、5…半田フィレット、6…電子部品、16…半田フィレット検査装置、32d…カメラ(画像データ取得手段)、78…検査部(検査用画像データ取得手段、再構成画像データ取得手段、比較手段、半田フィレット画像抽出手段)、90…ニューラルネットワーク、91…エンコーダ部(符号化部)、92…デコーダ部(復号化部)、101…第一AIモデル(識別手段)、102…第二AIモデル(第二識別手段)Ih…1の半田フィレット画像、W1…第一画像枠(画像枠)、W2…第二画像枠。
【要約】
【課題】AIモデルとしての識別手段を得るための労力や負担を低減することができるとともに、識別手段をランドのサイズが異なる場合であっても共通に利用可能とする。
【解決手段】所定のニューラルネットワークに対し、良品の半田フィレットに係る画像データのみを学習データとして学習させて生成したAIモデル101,102に対し、カメラ32dにより取得した画像データに基づく検査用画像データを入力して再構成画像データを取得し、検査用画像データ及び再構成画像データを比較することで、半田フィレットの良否を判定する。学習データは、1の半田フィレット画像を該1の半田フィレット画像のサイズよりも大きなサイズの画像枠に設けてなるものとされる。検査用画像データは、カメラ32dにより取得された画像データから抽出した1の半田フィレット画像を、学習データの画像枠と同サイズの画像枠に設けてなるものとされる。
【選択図】 図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図28