(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-14
(45)【発行日】2025-03-25
(54)【発明の名称】骨を治療するための圧縮ナット、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/84 20060101AFI20250317BHJP
A61B 17/72 20060101ALI20250317BHJP
【FI】
A61B17/84
A61B17/72
(21)【出願番号】P 2022554558
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 IB2021052044
(87)【国際公開番号】W WO2021181330
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2024-03-11
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】スプライター・グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】シェラー・サイモン
(72)【発明者】
【氏名】デフォッセ・ヘンリ
(72)【発明者】
【氏名】ビュートラー・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】アエビ・ディス
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/021987(WO,A1)
【文献】特開2011-115583(JP,A)
【文献】独国実用新案第202007017159(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0256207(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0228049(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0326533(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/72
A61B 17/84―17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を治療するための圧縮ナットであって、
ヘッド、及び前記ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体であって、前記本体は、非ねじ付き部を介して前記ヘッドから離れている、前記本体のねじ付き部の外面に沿った雄ねじを含む、ヘッド及び本体と、
前記本体を通って長手方向に延びるチャネルであって、前記チャネルの内面に沿って延びる雌ねじを含み、前記雌ねじは、中に受け入れられた止めねじの端部と螺合するように構成されている、チャネルとを含
み、
前記本体の前記非ねじ付き部は、段付きラグを含み、前記ヘッドに隣接する前記非ねじ付き部の一部分が、前記非ねじ付き部の残りの部分よりも大きい直径を有している、圧縮ナット。
【請求項2】
前記自由端は、前記圧縮ナットが骨内に押し込まれる際に骨を切断するように構成された切断歯を含む、請求項1に記載の圧縮ナット。
【請求項3】
前記切断歯の尖端は、前記圧縮ナットが前記骨内に押し込まれるために回転される回転方向に向かって傾斜している、請求項
2に記載の圧縮ナット。
【請求項4】
前記ヘッドに隣接する前記雌ねじの一部分は、中に受け入れられた止めねじの対応する拡大したねじ付き頂点部と係合するための拡大した頂点を含む、請求項1に記載の圧縮ナット。
【請求項5】
前記自由端に近接する前記雌ねじの一部分は、ねじ付き止めねじが中に受け入れられるときに変形されるように構成された拡大した頂点を含む、請求項1に記載の圧縮ナット。
【請求項6】
前記ヘッドは、その中を貫通して延びる1つ以上の穴を含み、前記1つ以上の穴のそれぞれは、固定ねじを中に受け入れるように構成されており、前記固定ねじが前記穴の中に受け入れられるとき、前記固定ねじのシャフトが前記圧縮ナットの前記本体の外面に沿って延びている、請求項1に記載の圧縮ナット。
【請求項7】
前記ヘッドが複数の穴を含
み、前記穴のそれぞれは隣接する穴から等距離に離隔されている、請求項
6に記載の圧縮ナット。
【請求項8】
前記圧縮ナットは、前記1つ以上の穴内に収容された固定ねじを更に含み
、前記固定ねじは、前記1つ以上の穴に対して回転されて前記骨内に押し込まれ
るように構成される、請求項
6に記載の圧縮ナット。
【請求項9】
前記本体の一部分は、その長手方向軸に向かって半径方向内側に変形され、中にねじ式に受け入れられた止めねじとの干渉を生じさせる、請求項1に記載の圧縮ナット。
【請求項10】
長骨を治療するためのシステムであって、
骨の髄管を通して挿入可能で、近位端から遠位端まで延びる髄内釘であって、前記髄内釘の長手方向軸に対して傾斜して延びる軸に沿って前記髄内釘を通って延びる止め穴を含む、髄内釘と、
前記骨内に、かつ前記止め穴を通して挿入されるように構成された止めねじであって、ヘッド部と、前記ヘッド部から自由端まで延びるシャフトとを含み、前記シャフトがそれに沿って延びるねじ山を含む、止めねじと、
骨内に挿入されるように構成された第1の圧縮ナットであって、ヘッドと、前記ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体とを含み、前記本体は、非ねじ付き部を介して前記ヘッドから離れている前記本体のねじ付き部の外面に沿った雄ねじと、中を通って長手方向に延びるチャネルとを含み、雌ねじが、前記チャネルの内面に沿って延びており、前記止めねじの一部分と螺合する、第1の圧縮ナットとを含む、システム。
【請求項11】
骨内に挿入されるように構成された第2の圧縮ナットを更に含み、前記第2の圧縮ナットは、ヘッドと、前記ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体と、中を通って延びるチャネルとを含み、前記第2の圧縮ナットの前記チャネルは、前記止めねじの前記シャフトの一部分をねじ式に受け入れるために、前記チャネルに沿って延びる雌ねじを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記止めねじの前記ヘッドに隣接する前記ねじ山の一部分は、拡大した頂点を含み、前記第1の圧縮ナットの前記ヘッドに隣接する前記雌ねじは、前記止めねじの前記拡大した頂点と係合するための対応する拡大した頂点を含む、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の圧縮ナットの前記自由端に近接する前記雌ねじの一部分は、前記止めねじが中にねじ式に受け入れられるときに変形されるように構成された拡大した頂点を含む、請求項
10に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の圧縮ナットの前記本体の前記非ねじ付き部は、段付きラグを含み、前記第1の圧縮ナットの前記ヘッドに隣接する前記非ねじ付き部の一部分が、前記非ねじ付き部の残りの部分よりも大きな直径を有している、請求項
10に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の圧縮ナットの前記ヘッドは、その中を貫通して延びる1つ以上の穴を含み、前記1つ以上の穴のそれぞれは、固定ねじを中に受け入れるように構成され、前記固定ねじが前記穴の中に受け入れられるとき、前記固定ねじのシャフトが前記第1の圧縮ナットの前記本体の外面に沿って延びている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の穴内に収容された固定ねじを更に含
み、前記固定ねじは、前記1つ以上の穴に対して回転されて前記骨内に押し込ま
れるように構成される、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の圧縮ナットの前記本体の一部分は、その長手方向軸に向かって半径方向内側に変形され、前記止めねじが中にねじ式に受け入れられるときに前記止めねじとの干渉をもたらす、請求項
10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、骨を治療するための圧縮ナット、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、大腿骨などの長骨の骨折は、骨の骨折を所望通りに回復させた後、骨の髄管を通して挿入された髄内釘を使用して治療され得る。場合によっては、特に遠位顆部骨折の場合、骨の遠位端から髄管に挿入可能な逆行性釘を使用して骨は治療され得る。止めねじは、髄内釘を通って横方向に延びる止め穴に挿入され、髄内釘を骨に固定し、かつ/又は骨に追加の安定性を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、骨を治療するための圧縮ナットに関する。ナットは、ヘッド、及びヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体を含む。本体は、非ねじ付き部を介してヘッドから離れている、本体のねじ付き部の外面に沿った雄ねじを含む。ナットはまた、本体を通って長手方向に延びるチャネルも含む。チャネルは、チャネルの内面に沿って延びる雌ねじを含み、雌ねじは、中に受け入れられた止めねじの端部と螺合するように構成されている。
【0004】
一実施形態では、自由端は、圧縮ナットが骨内に押し込まれる際に骨を切断するように構成された切断歯を含む。
【0005】
一実施形態では、切断歯の尖端は、圧縮ナットが骨内に押し込まれるために回転される回転方向に向かって傾斜している。
【0006】
一実施形態では、ヘッドに隣接する雌ねじの一部分は、中に受け入れられた止めねじの対応する拡大したねじ付き頂点部と係合するための拡大した頂点を含む。
【0007】
一実施形態では、自由端に近接する雌ねじの一部分は、ねじ付き止めねじが中に受け入れられるときに変形されるように構成された拡大した頂点を含む。
【0008】
一実施形態では、本体の非ねじ付き部は段付きラグを含み、ヘッドに隣接する非ねじ付き部の一部分が、非ねじ付き部の残りの部分よりも大きい直径を有している。
【0009】
一実施形態では、ヘッドは、その中を貫通して延びる1つ以上の穴を含み、1つ以上の穴のそれぞれは、固定ねじを中に受け入れるように構成されており、固定ねじが穴の中に受け入れられるとき、固定ねじのシャフトが圧縮ナットの本体の外面に沿って延びている。
【0010】
一実施形態では、ヘッドが複数の穴を含む場合、穴のそれぞれは隣接する穴から等距離に離隔されている。
【0011】
一実施形態では、圧縮ナットは、1つ以上の穴内に収容された固定ねじを更に含み、圧縮ねじを骨に固定することが望まれる場合、固定ねじは、1つ以上の穴に対して回転されて骨内に押し込まれ得る。
【0012】
一実施形態では、本体の一部分は、その長手方向軸に向かって半径方向内側に変形され、中にねじ式に受け入れられた止めねじとの干渉を生じさせる。
【0013】
本開示はまた、長骨を治療するためのシステムにも関する。システムは、骨の髄管を通して挿入可能で、近位端から遠位端まで延びる髄内釘であって、髄内釘の長手方向軸に対して傾斜して延びる軸に沿って髄内釘を通って延びる止め穴を含む、髄内釘と、骨内に、かつ止め穴を通して挿入されるように構成された止めねじであって、ヘッド部と、ヘッド部分から自由端まで延びるシャフトと、を含み、シャフトがそれに沿って延びるねじ山を含む、止めねじと、骨に挿入されるように構成された第1の圧縮ナットとを含む。第1の圧縮ナットは、ヘッドと、ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体とを含む。本体は、非ねじ付き部を介してヘッドから離れている本体のねじ付き部の外面に沿った雄ねじと、中を通って長手方向に延びるチャネルとを含む。雌ねじは、チャネルの内面に沿って延びており、止めねじの一部分と螺合する。
【0014】
一実施形態では、システムは、骨内に挿入されるように構成された第2の圧縮ナットを更に含む。第2の圧縮ナットは、ヘッドと、ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体と、中を通って延びるチャネルとを含み、第2の圧縮ナットのチャネルは、止めねじのシャフトの一部分をねじ式に受け入れるために、チャネルに沿って延びる雌ねじを含む。
【0015】
一実施形態では、止めねじのヘッドに隣接するねじ山の一部分は、拡大した頂点を含み、第1の圧縮ナットのヘッドに隣接する雌ねじは、止めねじの拡大した頂点と係合するための対応する拡大した頂点を含む。
【0016】
一実施形態では、第1の圧縮ナットの自由端に近接する雌ねじの一部分は、止めねじが中にねじ式に受け入れられるときに変形されるように構成された拡大した頂点を含む。
【0017】
一実施形態では、第1の圧縮ナットの本体の非ねじ付き部は、段付きラグを含み、第1の圧縮ナットのヘッドに隣接する非ねじ付き部の一部分が、非ねじ付き部の残りの部分よりも大きな直径を有している。
【0018】
一実施形態では、第1の圧縮ナットのヘッドは、その中を貫通して延びる1つ以上の穴を含み、1つ以上の穴のそれぞれは、固定ねじを中に受け入れるように構成され、固定ねじが穴の中に受け入れられるとき、固定ねじのシャフトが第1の圧縮ナットの本体の外面に沿って延びている。
【0019】
一実施形態では、システムは、1つ以上の穴内に収容された固定ねじを更に含み、第1の圧縮ねじを骨に固定することが望まれる場合、固定ねじは、1つ以上の穴に対して回転されて骨内に押し込まれ得る。
【0020】
一実施形態では、第1の圧縮ナットの本体の一部分は、その長手方向軸に向かって半径方向内側に変形され、止めねじが中にねじ式に受け入れられるときに止めねじとの干渉をもたらす。
【0021】
更に、本開示は、骨を治療する方法に関する。この方法は、骨の遠位端にある挿入点を通して、長骨の髄管に髄内釘を挿入することと、骨を通して第1の圧縮ナットを挿入することであって、第1の圧縮ナットのチャネルが、髄内釘の遠位部を通って延びる止め穴と実質的に長手方向に整列する、挿入することと、骨を通して止めねじを押し込むことであって、止めねじのシャフトが、骨を横切って止め穴を通って延び、シャフトの一部分が、第1の圧縮ナット内にねじ式に受け入れてそれと係合し、止めねじは、ヘッド部を含み、このヘッド部からシャフトが自由端まで延びる、押し込むことと、を含む。
【0022】
一実施形態では、骨を通して止めねじを押し込むことは、第1の圧縮ナットがシャフトの自由端を受け入れてそれと係合するように、第1の圧縮ナットとは反対側の骨の側部から骨内に止めねじを挿入することを含む。
【0023】
一実施形態では、骨を通して止めねじを押し込むことは、止めねじが骨内に完全に押し込まれると、第1の圧縮ナットが止めねじのヘッド部に隣接するシャフトの一部分と係合するように、第1の圧縮ナットのチャネルを通してシャフトを挿入することを含む。
【0024】
一実施形態では、この方法は、止めねじの自由端が第2の圧縮ナット内に受け入れられ、それと螺合するように、第1の圧縮ねじとは反対側の骨の側部から骨内に第2の圧縮ナットを挿入することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の例示的な一実施形態によるシステムの一部分の側面図である。
【
図2】
図1のシステムによるワッシャを備えた止めねじの側面図である。
【
図3】
図1のシステムによる挿入装置及び圧縮ナットの側面図である。
【
図4】
図1のシステムによる圧縮ナットの透視図である。
【
図5】
図4の圧縮ナットの部分的な側面断面図である。
【
図6】
図4の圧縮ナットの第1の端部から見た平面図である。
【
図7】本開示の別の例示的な実施形態によるシステムである。
【
図8】
図7のシステムによる止めねじの一部分を示す図である。
【
図9】
図7のシステムによる圧縮ナットの断面図である。
【
図10】本開示の別の例示的な実施形態による圧縮ナットの断面図である。
【
図11】本開示の別の例示的な実施形態によらない圧縮の断面図である。
【
図12】本開示の更なる別の例示的な実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【
図13】本開示の代替実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【
図14】本開示の更なる別の代替実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【
図15】本開示の別の例示的な実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【
図18】本開示の別の例示的な実施形態によるシステムの側面図である。
【
図23】本開示の別の例示的な実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【
図25】代替実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【
図26】
図25の圧縮ナットを長手方向軸の周りに約90度回転させた、別の側面図である。
【
図27】本開示の別の例示的な実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【
図30】本開示の更なる別の例示的な実施形態による圧縮ナットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、以下の説明及び添付の図面を参照して理解することができ、類似の構成要素は同じ参照番号で言及される。本実施形態は骨の治療に関し、具体的には長骨の治療に関する。例示的な実施形態は、長骨(例えば、大腿骨)の髄管を通して挿入されるように構成された髄内釘を、髄内釘を通って横方向に延びる止め穴を通して挿入可能な止めねじと、止めねじのねじ付き端部と係合するように構成された圧縮ナットとを組み合わせて含むシステムを説明する。
【0027】
止めねじ及び圧縮ナットは共に、例えば、骨の遠位端において追加的安定性、固定、及び/又は圧縮を提供するように作用する。例示的な実施形態は、ヘッド部と、止めねじのねじ付き端部をねじ式に受け入れるように構成されたチャネルを含む本体部とを含む圧縮ナットを説明する。この実施形態の圧縮ナットはまた、骨の遠い断片を回転させることなく骨断片を圧縮するために、本体部の遠位部のみに沿った雄ねじを含む。
【0028】
当業者が理解するように、例示的な実施形態は、大腿骨逆行性釘システムを具体的に示して説明するが、本開示のシステムは、例えば、上腕骨又は脛骨などの様々な長骨のいずれかを治療するために使用され得る。更に、当業者が理解するように、例示的な実施形態は、骨の遠位端に安定性及び/又は圧縮を提供するように止めねじ及び圧縮ナットを示して説明するが、骨の任意の部分にわたって追加的安定性/圧縮を提供するために、止めねじ及び圧縮ナットを使用することができる。本明細書で使用される場合、当業者には理解されるように、近位及び遠位という用語がそれぞれ骨の近位端及び遠位端に対応する方向を指すことを意図することに留意されたい。
【0029】
図1~
図6に示すように、本開示の例示的な一実施形態によるシステム100は、長骨(例えば、大腿骨)の髄管を通して挿入されるように構成された髄内釘102を、例えば骨に対して髄内釘102の遠位端108を固定し、骨に安定性及び/又は圧縮を提供するための止めねじ104及び圧縮ナット106と共に含む。止めねじ104は、骨の第1の側部から、髄内釘102の一部分を通って横方向に延びる止め穴110を通して挿入されるように構成されている。圧縮ナット106は、ヘッド114、及びヘッド114から延びる本体116を含み、本体116は、骨の第1の側部の反対側にある第2の側部からの止めねじ104の自由端118と係合し、止めねじ104がそこを通って延びる骨の一部分に、追加的安定性、固定、及び/又は圧縮を提供するように構成されている。
【0030】
本体116は、ヘッド114から離れている本体116の部分122の周りに沿って延びる雄ねじ120を含み、圧縮ナット106の本体116が骨内に挿入されて止めねじ104の自由端118と係合する場合、骨の断片化した部分の回転を防止しながら骨の圧縮を提供する。例示的な一実施形態では、圧縮ナット102は、挿入装置124を使用して骨内に挿入することができ、当業者が理解するように、挿入装置124は、押し込み用凹部128の対応する部分と係合するようにサイズ決め、成形、構成された押し込み端126を含む。
【0031】
髄内釘102は、遠位端108から近位端(図示せず)まで延びている。例示的な一実施形態では、髄内釘102は、骨の遠位端の挿入点を介して大腿骨の髄管に通して挿入されるように構成された、大腿骨逆行性釘である。当業者が理解するように、この実施形態における髄内釘102は、骨の髄管のサイズ及び形状に対応するようにサイズ決め、成形及び構成される。
【0032】
一実施形態では、止め穴110は、釘102の遠位部132を通って横方向に延び、そこを通して止めねじ104を受け入れ、例えば、大腿骨の遠位端にわたって安定性を提供するように構成される。止め穴110は、釘102の長手方向軸に対して傾斜する軸に沿って、遠位部132を通って延びる。一実施形態では、止め穴110は、釘102の長手方向軸に実質的に垂直な軸に沿って、遠位部132を通って延びる。別の実施形態では、止め穴110は、釘102の長手方向軸に対して非垂直に傾斜する軸に沿って、遠位部132を通って延びる。例示的な実施形態は単一の止め穴110を説明するが、当業者が理解するように、髄内釘102は、止め穴のそれぞれがこれらの止めねじ104をそれぞれ受け入れるように構成された複数の止め穴110を含み得る。
【0033】
図2に示すように、例示的な実施形態による止めねじ104は、当業者が理解するように、ヘッド部134及びそこから自由端118まで延びるシャフト136を含む、標準的な骨ねじである。シャフト136は、止めねじ104が、止めねじの長手方向軸を中心とした止めねじ104の回転により、骨内にかつ止め穴110に通して挿入することができるように、シャフトに沿ったねじ山138を含む。当業者が理解するように、止めねじ104は、例えば、ヘッド部134内の押し込み用凹部と係合可能なねじ回しを使用し、骨内に押し込まれ得る。係合させると、ねじ回しの回転によって止めねじ104を対応して回転させ、止めねじを骨内に押し込むことができるように、ねじ回し及び押し込み用凹部は、対応してサイズ決めして成形される。完全に挿入されると、ヘッド部134は、骨の第1の側部に沿って骨の皮質に当接することができ、止めねじ104の長さは、実質的に骨の幅にわたって延びるように、止めねじ104は、止め穴110を通して骨内に挿入可能である。
【0034】
図3~
図6に示すように、圧縮ナット106は、第1の端部130から第2の自由端140まで延び、ヘッド部114と、ヘッド部114から第2の端部140まで延びる本体116とを含む。本体116は、第2の端部140から中に長手方向に延びるチャネル142を含む。チャネル142は、中に止めねじ104の自由端118を受け入れるように構成され、チャネルの内面146に沿った雌ねじ144を含む。止めねじ104のシャフト136を中心に回転されると、圧縮ナット106の雌ねじ144は、止めねじ104のねじ山138と係合するように、雌ねじ144は、止めねじ104のねじ山138に対応する。
【0035】
この実施形態による本体116の自由端140は、圧縮ナット106が骨内に挿入されるときに骨の皮質に面する圧縮ナット106の表面150の周りに延びる複数の切断歯148を含む。切断歯148は、圧縮ナット106の本体116が骨内に挿入される際に骨の切断を容易にする鋭いエッジを含む。一実施形態では、切断歯148の尖端149は、圧縮ナット106を骨内に押し込むために圧縮ナット106が回転される回転方向に対応する方向に傾斜している。各切断歯148は、尖端149に向かって相互に傾斜する第1のエッジ151及び第2のエッジ153により画定される。一例では、第1のエッジ151は、圧縮ナット106の長手方向軸に実質的に平行に延びることができるが、それに対して第2のエッジ153は、尖端149に向かって傾斜している。
【0036】
圧縮ナット106の本体116はまた、上記のように、非ねじ付き部123を介してヘッド114から離れている本体116の部分122に沿って外面152の周りに延びる雄ねじ120を含む。ねじ付き部122は、1mm~5mmの例示的な範囲を有することができ、非ねじ付き部123は、0mm~15mmの例示的な範囲を有することができる。一実施形態では、ねじ付き部122は、自由端140に近接して延びる。したがって、圧縮ナット106が骨内に押し込まれる場合、雄ねじ120は、圧縮ナット106が止めねじ104にねじ止められると、骨と係合し、骨に圧縮を提供すると同時に、例えば、骨の第2の側部に沿った骨の断片化した部分の回転も防止する。特に、圧縮ナット106は、第1の側部とは反対側の骨の第2の側部に押し込むことができ、圧縮ナット106の長手方向軸は、止め穴を通して挿入された止めねじ104の長手方向軸と実質的に一直線になり、圧縮ナット106が骨内に押し込まれると、本体116が止めねじ104の自由端118にねじ止められる。
【0037】
止めねじ104と同様に、圧縮ナット106のヘッド114は、圧縮ナット106の回転によって圧縮ナット106を骨内に押し込む、例えば、挿入装置124などのねじ回しに係合可能な押し込み用凹部128を含む。一実施形態では、押し込み用凹部128は、チャネル142に開かれ、それと連通する。この実施形態では、押し込み用凹部128及びチャネル142のそれぞれは、圧縮ナット106の長手方向軸と軸方向に整列される。例示的な実施形態では、押し込み用凹部128は、中央部154と、そこから半径方向に延びる複数の係合用凹部156とを含む。一実施形態では、係合用凹部156のそれぞれは、相互に等距離に離隔され得る。中央部154及び複数の係合用凹部156は、対応してサイズ決めされ成形された挿入物の押し込み用先端126が受け入れ可能であり、それと係合可能であるようにサイズ決め、成形及び構成されてもよく、その長手方向軸の周りの挿入装置124の回転により、圧縮ナット106は対応して回転する。
【0038】
一実施形態では、挿入装置124は、ハンドル部160と、そこから押し込み用先端126まで延びるシャフト162とを含む。上記のように、押し込み用先端126は、圧縮ナット106の押し込み用凹部128内に受け入れられるようにサイズ決めされ成形される。特に、押し込み用先端126は、シャフト162から延びる複数の半径方向外側に延びる突起164を含み、突起164のそれぞれは、押し込み用凹部128の係合用凹部156の対応する1つに受け入れられる。一実施形態では、突起164の数は、凹部156の数に対応する。
【0039】
例示的な方法によれば、システム100は、長骨の骨折を治療するために使用されてもよく、特に遠位大腿骨の骨折を治療するために使用されてもよい。この実施形態では、髄内釘102は、大腿骨の遠位端を通して挿入され、髄内釘102の遠位部132が大腿骨の遠位端内に受け入れられる。下穴は、例えば、ドリルビットを使用して、骨の遠位端を通して穿孔されてもよく、下穴が骨を横切って延び、髄内釘の止め穴110を通る。下穴が穿孔されると、ガイドワイヤは、パイロット穴を通して挿入され得、ガイドワイヤの端部は、骨の第1の側部及び第2の側部において骨の外面から延びる。
【0040】
一実施形態では、圧縮ナット106は、ガイドワイヤの上をスライドし、骨内に挿入される。特に、圧縮ナット106の本体116の自由端140の切断歯148は、例えば、挿入装置124を使用して、圧縮ナット106がその長手方向軸の周りを回転する際に骨内に切り込まれる。圧縮ナット106は、本体116が骨内に受け入れられ、ヘッド114が骨の第2の側部において骨の外側に当接するまで、骨内に押し込まれる。示されないが、当業者が理解するように、下穴を穿孔するためのドリルビット及び/又は圧縮ナット106をガイドするためのガイドワイヤは、例えば、髄内釘102の遠位端108に接続された照準アーム又は他の同様の装置の使用を介して、骨に向けられ、止め穴110を通してガイドされ得ることが当業者に理解される。
【0041】
圧縮ナット106を骨内に挿入すると、ガイドワイヤが骨から除去され、止めねじ104が骨の第1の側部から下穴を通して挿入され得る。止めねじ104は、シャフト136の自由端118が圧縮ナット106のチャネル142内に受け入れられ、自由端118に沿ったねじ山138が、圧縮ナット106のチャネル142に沿って延びる雌ねじ144と螺合するまで、下穴及び髄内釘102の止め穴110を通して押し込まれる。シャフト136は骨を横切って延び、止めねじ104のヘッド部134は骨の第1の側部に沿った皮質に当接する。ヘッド部134は骨に当接するものとして説明されるが、当業者が理解するように、ワッシャ158をヘッド部134と骨の皮質との間に配置できる。止めねじ104及び圧縮ナット106が骨内に挿入されて相互に係合すると、止めねじ104及び圧縮ナット106の一方を更に回転させることにより、最終的な圧縮を制御することができる。
【0042】
別の例示的なシステム1100によれば、
図7~
図9に示すように、システム1100は、2つの圧縮ナット1106(1106a、1106b)を含み、釘構造の安定性を高めるために止めねじ1104の両端を固定するために使用され得る。止めねじ1104は、ヘッド部1134及びシャフト1136を含む止めねじ1104と実質的に同様であってもよく、シャフト1136は、その外面に沿って延びるねじ山1138を有する。一実施形態では、
図8に示すように、ねじ山1138は、シャフト1136の残りの部分に対して、ヘッド1134に隣接するシャフト1136の一部分に沿って拡大した頂点1139を含む。
【0043】
2つの圧縮ナット1106のそれぞれは、システム100のナット106と実質的に同様であってもよく、非ねじ付き部1123を介してヘッド1114から離れている本体1116の部分1122に沿った雄ねじ1120を含む。しかし、この実施形態では、
図9に示すように、圧縮ナット1106a及び1106bの本体1116を通って延びるチャネル1142に沿った雌ねじ1144は、止めねじ1104のシャフト1136に沿ったねじ山1138と一致し、第1の圧縮ナット1106aと止めねじ1104との組み立てを容易にする。特に、ヘッド1114に隣接するチャネル1142の部分1143に沿った雌ねじ1144の部分は、シャフト1136の拡大した頂点1139に対応する。
【0044】
システム100に関して上に記述した例示的な方法と同様に、システム1100を利用する場合、髄内釘1102が骨内に挿入されてもよく、髄内釘102の一部分を通って横方向に延びる止め穴1110を通して骨を横切って下穴が開けられる。しかし、この実施形態では、第1のナット1106aは、第1のナット1106のヘッド部1114が第1の側部に沿った皮質に接触するまで、骨の第1の側部に沿った皮質を通して挿入される。止めねじ1104の自由端は、第1のナット1106aのヘッド部1114内に挿入され、ナット1106aの本体1116を通して挿入され、止めねじ1104のシャフト1136は、本体1116の内部に沿ったねじ山と係合する。シャフト1136のねじ山1138が第1の圧縮ナット1106aの雌ねじ1144と一致すると、止めねじ1104は、自由端が本体1116を越えて延び、止めねじ1104のヘッド部1134が第1のナット1106aのヘッド部1114に当接するまで、第1のナット1106aに対して長手方向に容易に移動することができる。言い換えれば、拡大した頂点1139は、圧縮ナット1106aのヘッド1114に隣接するチャネル1142の部分1143内に存在し、それと係合する。
【0045】
上述のように、止めねじ1104が第1のナット1106aを通して骨内に挿入されると、第2のナット1106bは、止めねじ1104の自由端と係合するために、第1の側部とは反対側の骨の第2の側部に沿った皮質を通して挿入され得る。選択的には、第2の圧縮ナット1106bは、止めねじ1104が挿入される前に、骨の第2の側部から骨に挿入されてもよく、シャフト1136の自由端が第2の圧縮ナット1106bの本体1116内に受け入れられてそれと係合するまで、止めねじは、第1の圧縮ナット1106bを通して骨内に挿入される。当業者が理解するように、圧縮ナット1106a、1106bの骨への挿入、及びシャフト1136の自由端と第2の圧縮ナット1106bとの係合は、システム100に関して上に記述したナット106の挿入と実質的に同様であり得る。
【0046】
図10に示すように、別の例示的な実施形態による圧縮ナット206は、以下に示すことを除いて、圧縮ナット106と実質的に同様であり、システム100に関して上に記述したように、髄内釘及び止めねじと併せて使用することができる。圧縮ナット106と同様に、圧縮ナット206は、システム100に関して上に記述したように、止めねじ104と実質的に同様であり得る止めねじの自由端と係合するように構成される。圧縮ナット206は、ヘッド214と、ヘッドから自由端240まで長手方向に延びる本体216とを含む。圧縮ナット106と同様に、圧縮ナット206は、本体216の非ねじ付き部223を介してヘッド214から離れている、本体216のねじ付き部222に沿って延びる雄ねじ220を含む。圧縮ナット106と同様に、圧縮ナット206はまた、自由端240から中に長手方向に延びるチャネル242を含み、チャネル242は、止めねじの端部を受け入れてそれと係合するように構成された雌ねじ244を含む。
【0047】
しかし、この実施形態では、雌ねじ244の一部分は、アセンブリ(例えば、髄内釘、止めねじ、及び圧縮ナット206)への周期的負荷に起因する可能性のある術後の圧縮ナット206の緩みを防止又は軽減するように構成された拡大した頂点245を含む。特に、止めねじ104の自由端が圧縮ナット206のチャネル242と螺合する場合、止めねじと圧縮ナット206とが完全に組み立てられると、拡大した頂点245が変形して止めねじを圧縮ナット206に対して止める。拡大した頂点245は、ねじ山244の一部分のみに沿って延び、止めねじと圧縮ナット206との最初の組み立てを容易にする。一実施形態では、拡大した頂点245は、ねじ山244の単一の巻きに沿って延び得る。しかし、当業者が理解するように、拡大した頂点245がそれに沿って延びるねじ山の部分は、必要に応じて変更することができる。
【0048】
図11に示すように、別の例示的な実施形態による圧縮ナット306は、以下に指摘する点を除いて、上述の圧縮ナット106、206と実質的に同様であり得る。同様に、圧縮ナット306は、ヘッド314と、ヘッドから自由端340まで長手方向に延びる本体316とを含む。本体316は、非ねじ付き部323を介してヘッド314から離れているねじ付き部322に沿って延びる雄ねじ320を含む。しかし、この実施形態では、非ねじ付き部323は、段付きラグ366を含み、ヘッド314に直接隣接する非ねじ付き部323の部分368が、非ねじ付き部323の残りの部分370よりも大きな直径を有している。残りの部分370のより小さい直径は、骨の断片を回転させることなくナット圧縮を可能にし、より大きい直径を有する部分368は、骨の皮質と係合し、骨への圧縮ナット306の挿入中に雄ねじ320を介して除去された骨領域を埋めることによって安定性を維持する。
【0049】
図12に示すように、別の例示的な実施形態による圧縮ナット406は、以下に指摘する点を除いて、上述の圧縮ナット106~306と実質的に同様であり、ヘッド414と、ヘッドから自由端440まで長手方向に延びる本体416とを含む。本体416は、非ねじ付き部423を介してヘッド414から離れているねじ付き部422に沿って延びる雄ねじ420を含む。しかし、この実施形態では、圧縮ナット406は、ヘッド414を貫通して延びる複数の穴472を更に含み、各穴472は、ねじ474を受け入れるように構成され、回転安定性を高め、骨の表面積を増加させる。圧縮ナット406は、要求の厳しい骨領域(例えば、骨粗鬆症の骨)又は負荷伝達を改善するための要求の厳しい骨折パターンにおいて特に有用であり得る。
【0050】
複数の穴472のそれぞれは、一実施形態では、圧縮ナット406の長手方向軸に対して傾斜する軸に沿ってヘッド414を通って延びる。穴472は、圧縮ナット406の押し込み用凹部/チャネルの周囲の周りに延びるヘッド414の一部分を通って延び、ねじ474が穴472を通して挿入される場合、ねじ474のシャフト476は、圧縮ナット406の本体416の周囲の周りに延びて骨内に延び、骨内の圧縮ナット406の固定を強化する。一実施形態では、ねじ474は、ドリルねじ/タッピンねじであり得る。しかし、ねじ474は、様々で異なる長さ、直径、ピッチ及び/又は先端を有し得る。穴472は、様々な異なるタイプのねじ474のいずれかを受け入れるように構成された様々な構成のいずれかを有し得る。例えば、穴472は、非ねじ、一方向ねじ、又は可変角度の穴であり得る。
【0051】
圧縮ナット406は、複数の穴472を含むものとして説明及び図示されるが、代替実施形態によれば、
図13に示すように、圧縮ナット406aは、圧縮ナット406aのヘッド414aを通って延びる単一の穴472aを含み得るので、穴472aを通して1つのより大きなタッピンねじ474aを挿入し、圧縮ナット406aを骨に固定することができる。
【0052】
別の実施例によれば、
図14に示すように、圧縮ナット406bは、以下に説明することを除いて、上述のナット406、406aと実質的に同様であり得る。骨処置中に圧縮ナット406bのヘッド414bを通って延びる1つ以上の穴472bを通してねじを挿入することではなく、圧縮ナット406は、穴472b内に事前に予め捕捉されたねじ474bを含み、それによって手術中の貴重な時間を節約する。特に、ねじ474bは、圧縮ナット406bを骨内に挿入する前に、穴472b内に組み立てられ/受け入れられる。したがって、圧縮ナット406bを骨内に挿入すると、外科医又は他の使用者は、1つ以上の予め組み立てられたねじ474bを骨内に押し込むことができる。
【0053】
図15~
図17に示すように、本開示の別の例示的な実施形態による圧縮ナット506は、以下に説明することを除いて、上述の圧縮ナット106~406と実質的に同様であり得、ヘッド514と、ヘッドから自由端540まで延びる本体516とを含む。本体516は、非ねじ付き部523を介してヘッド514から離れているねじ付き部522に沿って延びる雄ねじ520を含む。本体516は、システム100に関して上に記述したように、その中を貫通して延びるチャネル542も含み、チャネル542は、止めねじの自由端を受け入れるように構成される。しかし、この実施形態では、本体516は、圧縮ナット516の長手方向軸に直交する方向に変形され、それと係合する止めねじとの干渉を生じ、それによってシステムへの動的負荷中の圧縮ナット506の緩みを軽減する。
【0054】
一実施形態では、チャネル542に沿った雄ねじ520及び雌ねじの両方が製造された後、本体516は、圧縮ナット506の製造中に変形される。本体516は、圧縮ナット506の長手方向軸に直交する向きの2つ以上の方向から長手方向軸に向かって変形される。一実施形態では、
図15に示すように、本体516が2つの方向から変形される場合、本体516の両側(例えば、直径方向に互いに向き合う側)は互いに内側に押し付けられる。別の実施形態では、本体516は、4つの方向(
図16及び
図17に示す)に変形され、各方向は、相互に関連して実質的に90度の力を加える。
【0055】
しかし、当業者が理解するように、本体516の変形は、相互に関連して様々な構成のいずれかに配置された任意の数の方向から加えられる力に起因し得る。当業者も理解するように、
図16及び
図17は、本体516の誇張された変形を示し、本体516は、圧縮ナット506及び止めねじの相互に関連する回転及び圧縮ナット506の骨内への回転を防止することなく、止めねじとの干渉を生じる結果となるように十分に変形する。上述の例示的な実施形態では、圧縮ナット506は、0.1mm~1mmの例示的な変形を有し得る。
【0056】
図18~
図22に示すように、本開示の別の例示的な実施形態によるシステム600は、上述のシステム100と実質的に同様であり得る。システム600は、同様に、長骨の髄管を通して挿入されるように構成された髄内釘602と共に、例えば、髄内釘602の遠位端608を骨に対して固定し、骨に安定性及び/又は圧縮を提供するための止めねじ604及び圧縮ナット606とを含む。止めねじ604は、骨の第1の側部から骨の第2の側部に向かって髄内釘602の一部分を通って横方向に延びる止め穴610を通して挿入されるように構成される。
【0057】
髄内釘602及び止めねじ604は、システム100に関して上に記述したように、髄内釘102及び止めねじ104の髄内釘602及び止めねじ604と実質的に同様である。圧縮ナット606は、圧縮ナット106と実質的に同様で、ヘッド614と、ヘッドから延びる本体616とを含む。しかし、この実施形態では、本体616は、第1の部分623と、第2の部分622とを含む。第1の部分623は、ヘッド624から、その長さに沿って実質的に一定の断面を有する第2の部分622に向かって先細になる外面652を含む。第1の部分623は、ヘッド614から本体616に沿って先細りの移行部を提供し、骨の形状とのより良好な適合を提供し、軟組織刺激を防止する。システム600は、以下でより詳細に説明するように、圧縮ナット606の押し込み用凹部628と係合するように特にサイズ決め、成形、構成された押し込み用先端626を含む挿入装置624を更に含み得る。
【0058】
圧縮ナット606は、ヘッド614と、ヘッドから自由端640まで延びる本体616とを含む。上述のように、本体616は、ヘッド614から第2の部分622に向かって先細になる第1の部分623を更に含む。一実施形態では、第1の部分623の外面652は実質的に円錐形であり、第2の部分622は実質的に円筒形である。雄ねじ620は、第1の部分623、及び自由端640を含む第2の部分622の両方に沿って延びる。圧縮ナット106と同様に、自由端640は、圧縮ナットが挿入される際に骨の切断を容易にする切断歯648を含む。圧縮ナット606はまた、その中を貫通して延びるチャネル642を含み、チャネル642は、例えば、止めねじ604のシャフト636の自由端に沿ったねじ山638と係合するために、チャネルに沿って延びる雌ねじ644を含む。
【0059】
図21に示すように、圧縮ナット606のヘッド614は、挿入装置624の押し込み用先端626と係合するように構成された押し込み用凹部628を含む。しかし、押し込み用凹部628は、ヘッド614内に延びる複数の凹部656で構成され、凹部656のそれぞれは、挿入装置624の押し込み用先端626の対応する部分を受け入れるように構成される。凹部656は、チャネル642の周囲の周りでヘッド614内に延びる。一実施形態では、凹部656のそれぞれは、凹部656の隣接するものから等距離に離隔され得る。一実施形態では、
図21に示すように、凹部656のそれぞれは、実質的に円形の断面を有する。しかし、当業者が理解するように、押し込み用凹部628のうちの凹部656は、多数の配向のいずれかに構成されてもよく、対応してサイズ決め及び成形された挿入装置624の押し込み用先端626を受け入れ、係合するように押し込み用凹部が構成される限り、様々な形状及びサイズのいずれかを有し得る。
【0060】
図22に示すように、挿入装置624は、挿入装置124と実質的に同様であり得、ハンドル部660と、ハンドル部から延びるシャフト662とを含む。一実施形態では、シャフト662は、シャフト662が実質的に管状であるように、その中を貫通して延びるチャネルを含み得る。シャフト662は、ハンドル部660から押し込み用先端626まで延びており、押し込み用先端662は、シャフト662の端面663から延びる複数のプロング664を含む。プロング664のそれぞれは、シャフト662の長手方向軸に実質的に平行にシャフト662から延び、圧縮ナット606の凹部656の対応する1つ内に受け入れられるようにサイズ決めされて成形され、プロング664が凹部656内に受け入れられたときに、挿入装置624に加えられる回転力が対応して圧縮ナット606を回転させ、圧縮ナット606を骨内に押し込む。
【0061】
当業者が理解するように、システム600の様々な構成要素を骨内に挿入するには、止めねじ604及び/又は圧縮ナット606の骨への進行を制御するために、大量のX線が必要である。一実施形態では、挿入部材624のシャフト662は、シャフト662の長さに沿ったマーキング625を含み、例えば、圧縮ナット606を骨内に挿入するためにシャフト662が通過する照準アームの一部分に対するマーキング625の位置は、骨への圧縮ナット606の進行を外科医又は他の使用者に示す。
【0062】
図23及び
図24に示すように、本開示の別の例示的な実施形態による圧縮ナット706は、システム600に関して上に記述した圧縮ナット606と実質的に同様であり得、かつ髄内釘602及び止めねじ604と組み合わせて実質的に同じ方法で使用され得る。圧縮ナット606と同様に、圧縮ナット706は、ヘッド714と、ヘッドから延びる本体716とを含み、本体716は、ヘッド714から第2の部分722まで延びる第1の移行先細部723を含む。雄ねじ720はまた、第1の部分723及び第2の部分722の両方に沿って延びる。圧縮ナット706はまた、その中を貫通して延びるチャネル742も含み、チャネル742は、圧縮ナット706が例えば止めねじ604の自由端にねじ止められるときに、チャネルに沿って延びる雌ねじ744を含む。
【0063】
しかし、止めねじと圧縮ナット706との間の係合を強化するために、本体716は、その壁782を貫通して延びる複数の溝780を含み、壁は、チャネル742の内面、本体716の外面により画定されて、チャネル742の内面が溝780を介して圧縮ナット706の外部に開かれている。溝780は、止めねじに対する本体716の変形を可能にし、それらの間の制御された干渉を提供する。別の実施形態では、溝780は、本体716の第2の部分722を貫通して延びている。
【0064】
一実施形態では、溝780は、本体716の壁782を貫通して横方向に延び、本体716の変形を可能にし、この変形により圧縮ナット706の雌ねじ744と、そこに受け入れられた止めねじのねじ山との間にばね仕掛けのミスマッチが生じる。この実施形態では、溝780は、圧縮ナット706の長手方向軸に対して実質的に垂直に延び、本体716の円周の一部分の周りに延びている。例示的な一実施形態では、本体716の円周の部分は、90°~170°であり得る。更に、ばね仕掛けのミスマッチは、製造中に圧縮ナット706が圧縮又は伸張されることによって生じる可能性がある。
【0065】
複数の溝780は、本体716の円周の一部分の周りに、本体716の長さの一部分に沿って延びる。一実施形態では、複数の溝780のうちの隣接する溝は、本体716の長さに沿って相互に関連してオフセットしてもよい。溝780の横方向の構成は、圧縮ナット706の長手方向軸に沿った本体716の長手方向の拡張又は圧縮、及び圧縮ナット706の長手方向軸に対する屈曲、又は圧縮ナット706の長手方向軸の周りでの本体716のねじれを可能にし、その結果、止めねじの雄ねじと圧縮ナット706の雌ねじ744との間で、ねじのピッチ及び/又は方向が一致しなくなっている。圧縮ナット706と止めねじとの間のこの干渉は、圧縮ナット706を止めねじ704の上に保持し、手術後の圧縮ナット706の緩みを防止/軽減する。
【0066】
一代替実施形態では、
図25及び
図26に示すように、圧縮ナット706aは、その本体716aを貫通して延びる複数の横溝780aを含む、上述の圧縮ナット706と実質的に同様であり得る。しかし、本体716aの長さに沿って相互にオフセットされているのではなく、隣接する溝780aは、本体716aの長さに沿って実質的に整列され得る。溝780aのうちの隣接する溝は、約90°~170°の範囲の本体716aの円周の対応する一部分の周りに延びていてもよく、そうでなくてもよい。
【0067】
別の実施形態では、
図27~
図29に示すように、圧縮ナット806は、上述の圧縮ナット706、706aと実質的に同様であり得る。しかし、横溝ではなく、圧縮ナット806は、本体816の壁882を貫通して長手方向に延びる溝880を有する本体816を含む。溝880のそれぞれは、圧縮ナット806の長手方向軸に実質的に平行な本体816の長さの一部分に沿って延びる。一実施形態では、溝880は対で配置され、溝880の各対の第1の溝880aと第2の溝880bとの間に延びる本体816の部分884は、圧縮ナット806の長手方向軸に向かって半径方向内側に変形され、圧縮ナット806とそのチャネル842内に受け入れられた止めねじとの間に所望の干渉を生じさせる。溝880の各対の第1の溝880aと第2の溝880bとの間の距離は、0.3mm~3mmであり得る。
【0068】
一実施形態では、圧縮ナット806は、4つの変形部884を画定するために4対の溝880を含む。溝880の対のそれぞれは、溝880の対の隣接するものから等距離に離隔され得る。しかし、当業者が理解するように、圧縮ナット806は、様々な構成のいずれかを有する任意の数の変形部884を画定するために、任意の数の対の溝880を含み得る。上述の実施形態では、第1の溝880aと第2の溝880bとの間の部分884は、製造中に変形される。
【0069】
図30~
図32は、圧縮ナット1806の本体1816の壁1882を貫通して延びる長手方向溝1880を含む圧縮ナット1806の別の実施形態を示す。しかし、長手方向に延びる溝1880は対で配置されない。むしろ、溝1880のうちの隣接する溝の間の本体の一部分1884は、本体1816の大部分が圧縮ナット1806に対して変形するように、圧縮ナット1806の長手方向軸に向かって半径方向内側に変形される。一実施形態では、圧縮ナット1806は、溝1880のうちの隣接する溝から等距離に離隔された4つの長手方向溝1880をそれぞれ含む。しかし、当業者が理解するように、溝1880は、変形部1884を画定するために、本体1816の周り及び本体1816に沿って任意の数の構成のいずれかで配置され得る。
【0070】
上記の実施形態は、圧縮ナット706(706a及び806、1806)を横溝又は長手方向溝780のいずれかを含むものとして示し、説明するが、当業者が理解するように、溝780は、溝780が圧縮ナット706の本体716の変形を可能にするように構成される限り、様々なサイズ、形状、及び構成のいずれかを有し得、その結果、圧縮ナット706と、中にねじ式に受け入れられた止めねじとの間に干渉が生じる。例えば、別の実施形態では、圧縮ナットは、本体の壁を貫通して本体の一部分の周りに螺旋状に延びる溝を含み得る。
【0071】
これらの実施形態の趣旨又は範囲から逸脱せずにこれらの実施形態の構造及び方法に改変及び変更を加えることが可能であることを当業者は理解するであろう。したがって、本発明は、これらの実施形態の修正物及び変更物を、それらが添付の「特許請求の範囲」及びそれらの等価物の範囲内に含まれるならば包含するものとする。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 骨を治療するための圧縮ナットであって、
ヘッド、及び前記ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体であって、前記本体は、非ねじ付き部を介して前記ヘッドから離れている、前記本体のねじ付き部の外面に沿った雄ねじを含む、ヘッド及び本体と、
前記本体を通って長手方向に延びるチャネルであって、前記チャネルの内面に沿って延びる雌ねじを含み、前記雌ねじは、中に受け入れられた止めねじの端部と螺合するように構成されている、チャネルとを含む、圧縮ナット。
(2) 前記自由端は、前記圧縮ナットが骨内に押し込まれる際に骨を切断するように構成された切断歯を含む、実施態様1に記載の圧縮ナット。
(3) 前記切断歯の尖端は、前記圧縮ナットが前記骨内に押し込まれるために回転される回転方向に向かって傾斜している、実施態様1に記載の圧縮ナット。
(4) 前記ヘッドに隣接する前記雌ねじの一部分は、中に受け入れられた止めねじの対応する拡大したねじ付き頂点部と係合するための拡大した頂点を含む、実施態様1に記載の圧縮ナット。
(5) 前記自由端に近接する前記雌ねじの一部分は、ねじ付き止めねじが中に受け入れられるときに変形されるように構成された拡大した頂点を含む、実施態様1に記載の圧縮ナット。
【0073】
(6) 前記本体の前記非ねじ付き部は、段付きラグ(stepped lag)を含み、前記ヘッドに隣接する前記非ねじ付き部の一部分が、前記非ねじ付き部の残りの部分よりも大きい直径を有している、実施態様1に記載の圧縮ナット。
(7) 前記ヘッドは、その中を貫通して延びる1つ以上の穴を含み、前記1つ以上の穴のそれぞれは、固定ねじを中に受け入れるように構成されており、前記固定ねじが前記穴の中に受け入れられるとき、前記固定ねじのシャフトが前記圧縮ナットの前記本体の外面に沿って延びている、実施態様1に記載の圧縮ナット。
(8) 前記ヘッドが複数の穴を含む場合、前記穴のそれぞれは隣接する穴から等距離に離隔されている、実施態様7に記載の圧縮ナット。
(9) 前記圧縮ナットは、前記1つ以上の穴内に収容された固定ねじを更に含み、前記圧縮ねじを前記骨に固定することが望まれる場合、前記固定ねじは、前記1つ以上の穴に対して回転されて前記骨内に押し込まれ得る、実施態様7に記載の圧縮ナット。
(10) 前記本体の一部分は、その長手方向軸に向かって半径方向内側に変形され、中にねじ式に受け入れられた止めねじとの干渉を生じさせる、実施態様1に記載の圧縮ナット。
【0074】
(11) 長骨を治療するためのシステムであって、
骨の髄管を通して挿入可能で、近位端から遠位端まで延びる髄内釘であって、前記髄内釘の長手方向軸に対して傾斜して延びる軸に沿って前記髄内釘を通って延びる止め穴を含む、髄内釘と、
前記骨内に、かつ前記止め穴を通して挿入されるように構成された止めねじであって、ヘッド部と、前記ヘッド部から自由端まで延びるシャフトとを含み、前記シャフトがそれに沿って延びるねじ山を含む、止めねじと、
骨内に挿入されるように構成された第1の圧縮ナットであって、ヘッドと、前記ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体とを含み、前記本体は、非ねじ付き部を介して前記ヘッドから離れている前記本体のねじ付き部の外面に沿った雄ねじと、中を通って長手方向に延びるチャネルとを含み、雌ねじが、前記チャネルの内面に沿って延びており、前記止めねじの一部分と螺合する、第1の圧縮ナットとを含む、システム。
(12) 骨内に挿入されるように構成された第2の圧縮ナットを更に含み、前記第2の圧縮ナットは、ヘッドと、前記ヘッドから自由端まで長手方向に延びる本体と、中を通って延びるチャネルとを含み、前記第2の圧縮ナットの前記チャネルは、前記止めねじの前記シャフトの一部分をねじ式に受け入れるために、前記チャネルに沿って延びる雌ねじを含む、実施態様10に記載のシステム。
(13) 前記止めねじの前記ヘッドに隣接する前記ねじ山の一部分は、拡大した頂点を含み、前記第1の圧縮ナットの前記ヘッドに隣接する前記雌ねじは、前記止めねじの前記拡大した頂点と係合するための対応する拡大した頂点を含む、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記第1の圧縮ナットの前記自由端に近接する前記雌ねじの一部分は、前記止めねじが中にねじ式に受け入れられるときに変形されるように構成された拡大した頂点を含む、実施態様11に記載のシステム。
(15) 前記第1の圧縮ナットの前記本体の前記非ねじ付き部は、段付きラグを含み、前記第1の圧縮ナットの前記ヘッドに隣接する前記非ねじ付き部の一部分が、前記非ねじ付き部の残りの部分よりも大きな直径を有している、実施態様11に記載のシステム。
【0075】
(16) 前記第1の圧縮ナットの前記ヘッドは、その中を貫通して延びる1つ以上の穴を含み、前記1つ以上の穴のそれぞれは、固定ねじを中に受け入れるように構成され、前記固定ねじが前記穴の中に受け入れられるとき、前記固定ねじのシャフトが前記第1の圧縮ナットの前記本体の外面に沿って延びている、実施態様11に記載のシステム。
(17) 前記1つ以上の穴内に収容された固定ねじを更に含み、前記第1の圧縮ねじを前記骨に固定することが望まれる場合、前記固定ねじは、前記1つ以上の穴に対して回転されて前記骨内に押し込まれ得る、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記第1の圧縮ナットの前記本体の一部分は、その長手方向軸に向かって半径方向内側に変形され、前記止めねじが中にねじ式に受け入れられるときに前記止めねじとの干渉をもたらす、実施態様11に記載のシステム。
(19) 骨を治療するための方法であって、
前記骨の遠位端にある挿入点を通して、長骨の髄管に髄内釘を挿入することと、
前記骨を通して第1の圧縮ナットを挿入することであって、前記第1の圧縮ナットのチャネルは、前記髄内釘の遠位部を通って延びる止め穴と実質的に長手方向に整列する、挿入することと、
前記骨を通して止めねじを押し込むことであって、前記止めねじのシャフトは、前記骨を横切って前記止め穴を通って延び、前記シャフトの一部分は、前記第1の圧縮ナット内にねじ式に受け入れられてそれと係合し、前記止めねじは、ヘッド部を含み、このヘッド部から前記シャフトが自由端まで延びる、押し込むこととを含む、方法。
(20) 前記骨を通して前記止めねじを押し込むことは、前記第1の圧縮ナットが前記シャフトの前記自由端を受け入れてそれと係合するように、前記第1の圧縮ナットとは反対側の前記骨の側部から前記骨内に前記止めねじを挿入することを含む、実施態様19に記載の方法。
【0076】
(21) 前記骨を通して前記止めねじを押し込むことは、前記止めねじが前記骨内に完全に押し込まれると、前記第1の圧縮ナットが前記止めねじの前記ヘッド部に隣接する前記シャフトの一部分と係合するように、前記第1の圧縮ナットのチャネルを通して前記シャフトを挿入することを含む、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記止めねじの前記自由端が第2の圧縮ナット内に受け入れられ、それと螺合するように、前記第1の圧縮ねじとは反対側の前記骨の側部から前記骨内に前記第2の圧縮ナットを挿入することを更に含む、実施態様21に記載の方法。