(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-14
(45)【発行日】2025-03-25
(54)【発明の名称】シャッター
(51)【国際特許分類】
E06B 9/171 20060101AFI20250317BHJP
【FI】
E06B9/171
(21)【出願番号】P 2021132816
(22)【出願日】2021-08-17
【審査請求日】2024-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 理史
(72)【発明者】
【氏名】相馬 剛
(72)【発明者】
【氏名】岩田 潤一
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-105736(JP,A)
【文献】実開昭58-167258(JP,U)
【文献】特開2001-280040(JP,A)
【文献】特開2010-7241(JP,A)
【文献】米国特許第6463990(US,B1)
【文献】米国特許第5275223(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00- 9/92
B60R 5/00- 5/04
B65H 18/00-18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッター面材と、前記シャッター面材が巻取り可能に連結された巻取りパイプとを備え
ると共に、建物の開口部の屋外側に設けられるシャッターであって、
前記巻取りパイプは、金属板で形成されたパイプ本体部と、前記パイプ本体部の長手方向に沿った縁部同士をカシメて接合したカシメ部とを有し、
前記カシメ部は、前記巻取りパイプの内周側に突出し、
前記巻取りパイプの中空部には付属部品が設置され、
前記付属部品には、前記巻取りパイプの外周側に開口した凹部が形成され、
前記凹部には、前記カシメ部が配置され
、
前記凹部は、一対の側面および底面を有し、
前記一対の側面のうちの一方の側面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さくされ、
前記底面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さくされ、
前記凹部と前記カシメ部との間には隙間が形成される
ことを特徴とするシャッター。
【請求項2】
複数のスラットを連結して構成されるシャッター面材と、前記シャッター面材が巻取り可能に連結された巻取りパイプとを備え、
前記巻取りパイプは、金属板で形成されたパイプ本体部と、前記パイプ本体部の長手方向に沿った縁部同士をカシメて接合したカシメ部とを有し、
前記カシメ部は、前記巻取りパイプの外周側に突出し、
前記シャッター面材は、前記巻取りパイプに取り付けられる取付スラットまたは前
記スラットに連結した取付部品によって当該巻取りパイプに連結され、
前記取付スラットまたは前記取付部品には、前記カシメ部に対向する側面が形成され、
前記カシメ部は、前記側面に連続する部分に覆われる
ことを特徴とするシャッター。
【請求項3】
請求項
2に記載のシャッターにおいて、
前記取付スラットの前記側面は、前記巻取りパイプの周方向において前記カシメ部に当接する
ことを特徴とするシャッター。
【請求項4】
請求項
2または請求項
3に記載のシャッターにおいて、
前記取付スラットまたは前記取付部品が前記巻取りパイプに取り付けられ、
前記取付スラットまたは前記取付部品の前記側面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さい
ことを特徴とするシャッター。
【請求項5】
請求項
4に記載のシャッターにおいて、
前記取付スラットまたは前記取付部品の前記側面に連続する内面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さい
ことを特徴とするシャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板を接合することによって形成されるスチールパイプなどの巻取りパイプを備えるシャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッター枠と、シャッター枠に支持されるシャッター面材と、シャッター面材を収納するシャッターケースとを備えており、シャッターケースの内部には、シャッター面材を巻取り可能な筒状の回転ドラムが設置される外部シャッターが知られている(特許文献1参照)。この回転ドラムは、例えば、アルミ製の押出形材で構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の外部シャッターにおける回転ドラムを押出形材ではなく、ロール成形した金属板の長手方向に沿った縁部同士をカシメ(加締め)て筒状に形成した巻取りパイプで構成することで、コスト削減を図ることが考えられる。
しかし、シャッターの使用において巻取りパイプのカシメ部分が外れると、シャッター面材を巻き取れなくなるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、巻取りパイプのカシメ外れを抑制できるシャッターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシャッターは、シャッター面材と、前記シャッター面材が巻取り可能に連結された巻取りパイプとを備え、前記巻取りパイプは、金属板で形成されたパイプ本体部と、前記パイプ本体部の長手方向に沿った縁部同士をカシメて接合したカシメ部とを有し、前記カシメ部は、前記巻取りパイプの内周側に突出し、前記巻取りパイプの中空部には付属部品が設置され、前記付属部品には、前記巻取りパイプの外周側に開口した凹部が形成され、前記凹部には、前記カシメ部が配置されることを特徴とする。
本発明のシャッターは、複数のスラットを連結して構成されるシャッター面材と、前記シャッター面材が巻取り可能に連結された巻取りパイプとを備え、前記巻取りパイプは、金属板で形成されたパイプ本体部と、前記パイプ本体部の長手方向に沿った縁部同士をカシメて接合したカシメ部とを有し、前記カシメ部は、前記巻取りパイプの外周側に突出し、前記シャッター面材は、前記巻取りパイプに取り付けられる取付スラットまたは前記取付スラットに連結した取付部品によって当該巻取りパイプに連結され、前記取付スラットまたは前記取付部品には、前記カシメ部に対向する側面が形成され、前記カシメ部は、前記側面に連続する部分に覆われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、巻取りパイプのカシメ外れを抑制できるシャッターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るシャッターを示す縦断面図。
【
図2】第1実施形態に係るシャッターの要部を示す説明図。
【
図3】本発明の第2実施形態に係るシャッターの要部を示す説明図。
【
図4】本発明の第3実施形態に係るシャッターの要部を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、第1実施形態に係るシャッター1は、戸建て住宅等の建物における外壁の開口部の屋外側に設けられるものである。前述した開口部には上枠21、下枠22および左右の縦枠23を枠組みした窓枠2が設けられている。シャッター1は、シャッター枠3と、シャッター枠3に上下開閉自在かつ上方に巻上げ可能に支持されるシャッター面材4と、巻上げたシャッター面材4を収納するシャッターケース5とを備えており、シャッターケース5の内部には、シャッター面材4を巻取り可能な筒状の巻取りパイプ6が設置されている。
以下の説明において、X軸方向をシャッター1の左右方向(巻取りパイプ6の長手方向)とし、X軸方向に直交するY軸方向をシャッター1の上下方向とし、X,Y軸方向に直交するZ軸方向をシャッター1の見込み方向とする。
【0010】
シャッター枠3は左右のシャッター縦枠31を備えている。シャッター面材4は上下に連結した複数のスチール製のスラット41を備えており、複数のスラット41のうちの最上位のスラット41A(取付スラット、トップスラット)はねじ7および裏板8を用いて巻取りパイプ6にねじ止めされており、最上位のスラット41Aには下位の複数のスラットが連なっている。シャッターケース5は左右のシャッター縦枠31の上部に配置されている。巻取りパイプ6の長手方向における両端はシャッターケース5に軸心C(
図3参照)を中心に回転可能に支持されている。シャッターケース5にはシャッター面材4が通る開口51が形成されている。
【0011】
巻取りパイプ6には、付属部品としての補助ホイール9や他のホイールなどが組付けられている。補助ホイール9は、巻取りパイプ6の中空部のX軸方向における中央位置に配置され、後述する凹部611,612に嵌合する。
【0012】
補助ホイール9は、
図2に示すように、外周略円形状のホイール本体90と、ホイール本体90の外周面に形成された凹部92とを有している。ホイール本体90は、外周円筒部911、中間円筒部912および内周円筒部913を有しており、外周円筒部911、中間円筒部912および内周円筒部913は、放射状に延びた複数のリブ914によって一体に連続している。外周円筒部911には、凹部611,612に嵌合する嵌合凹部915,916が形成されている。
また、外周円筒部911には、嵌合凹部915,916とは別に、巻取りパイプ6の外周側に開口した前述した凹部92が形成されており、凹部92には、後述するカシメ部65が配置されている。凹部92は、一対の側面921,922および底面923を有している。巻取りパイプ6の周方向において、側面921は後述するカシメ部65の連続部分78に対向しており、側面922はカシメ部65の連続部分79に対向している。また、巻取りパイプ6の径方向において、底面923はカシメ部65の内片部71に対向している。なお、前述した周方向は、巻取りパイプ6の軸心Cを中心として回転するR方向に沿っている。
【0013】
巻取りパイプ6は、
図2に示すように、金属板としてのスチール板でロール成形されたパイプ本体部61と、パイプ本体部61の長手方向(X軸方向)に沿った縁部62,63同士を接合した接合部としてのカシメ部65とを有しており、カシメ部65によるカシメによってパイプ本体部61を周方向に連続させて筒状に形成している。
パイプ本体部61には、内周側に凹んだ凹部611,612と、最上位のスラット41Aの巻取りパイプ6に対する取付位置を位置決めする位置決め部613とが当該パイプ本体部61の長手方向に沿って形成されている。凹部611は、
図2に示すように、一対の側片614および底片615と、一対の側片614からそれぞれ折り返された係止片616とを有している。凹部611には、パイプ本体部61の長手方向に沿って所定間隔を隔てた裏板8が複数配置されており、前述した係止片616によって裏板8が脱落しないように係止している。また、凹部612は、一対の側片617および底片618を有して形成されており、凹部612には、補助ホイール9などの付属部品(
図1参照)に対して巻取りパイプ6の周方向に嵌合する。本実施形態では補助ホイール9は巻取りパイプ6の中空部に配置されて当該巻取りパイプ6を補強している。このため、巻取りパイプ6の外周側に補強部品を設けなくても巻取りパイプ6に必要な強度を得ることができ、巻取りパイプ6の筒形状(略円筒形状)を保つことができる。
この凹部611,612は、スラット41Aを巻取りパイプ6に取り付けた取付位置と巻取りパイプ6の軸心Cが通る軸心位置とを結ぶ仮想線V1上に位置している。凹部611,612は、
図1に示すようにシャッター面材4を繰り出してスラット41がY軸方向に沿った状態では、互いにZ軸方向に対向して配置され、本実施形態では、凹部611が屋外側に配置され且つ凹部612が屋内側に配置される。凹部611,612は、カシメ部65に対して周方向に間隔を隔てて配置されている。このため、周方向における凹部611,612が形成される位置は、カシメ部65による接合位置とは異なることとなる。
【0014】
カシメ部65は、第一片部70および第二片部75を有している。第一片部70は、パイプ本体部61の内周側に位置する内片部71と、内片部71から外周側に折り返された第一折返し片部72とを有している。第二片部75は、パイプ本体部61の外周側に位置する外片部76と、外片部76から内周側に折り返された第二折返し片部77とを有している。内片部71は、パイプ本体部61の縁部62から内周側に突出して連続している。外片部76は、パイプ本体部61の縁部63に連続している。
このカシメ部65では、巻取りパイプ6の内周側から外周側に向かって、内片部71、第二折返し片部77、第一折返し片部72、外片部76の順に各片部が重なっている。第一折返し片部72が外片部76および第二折返し片部77の間に配置され、第二折返し片部77が内片部71および第一折返し片部72の間に配置されている。内片部71が縁部62に連続する連続部分78(縁部62から折り曲げられて内周側に突出した部分)は、カシメ部65の幅方向における一端を形成しており、内片部71および第一折返し片部72の連続部分79(折返し部分)は、カシメ部65の幅方向における他端を形成している。カシメ部65は、仮想線V1に対して、90°以上の角度θで交わり且つ軸心Cを通る仮想線V2上の位置に、配置されている。
【0015】
前述したシャッター1では、凹部92の側面921と連続部分78との間の寸法は、カシメ部65の連続部分78と連続部分79との間の寸法L(カシメ部65の幅寸法)よりも小さい。カシメ部65の幅寸法Lは、本実施形態では8mm程度である。また、凹部92の底面923と内片部71との間の寸法は、カシメ部65の幅寸法Lよりも小さい。このため、カシメ部65が外れようとしても、カシメ部65は底面923乃至側面921に当たるので、カシメ部65の外れは抑制される。
【0016】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るシャッターは、第1実施形態に係るシャッター1と概略同様に形成されているが、
図3に示すように、前述した巻取りパイプ6に代えて巻取りパイプ6Bを備えている。
巻取りパイプ6Bは、巻取りパイプ6と比べて、前述したカシメ部65とは異なる位置に形成されたカシメ部65Bを有している。カシメ部65Bは、巻取りパイプ6Bの外周側に突出しており、スラット41Aを巻取りパイプ6Bに取り付けた取付位置が
図3に示す位置にある状態で、当該取付位置の上方側に配置されている。このカシメ部65Bはスラット41Aの上部に当接して位置決め機能を発揮するので、巻取りパイプ6Bに前述した位置決め部613は形成されていない。
スラット41Aは第1実施形態と同様のものであり、巻取りパイプ6Bに取り付けた取付状態では、スラット41Aの一方の端部411(
図3において上側の端部)は、カシメ部65Bの後述する連続部分78Bに周方向に対向する側面412を有しており、第2実施形態では、側面412は連続部分78Bに当接してスラット41Aを位置決めしている。スラット41Aは、側面412に連続した内面413を有している。カシメ部65Bは、スラット41Aの側面412および内面413(側面412に連続する部分)によって外周側から覆われている。
【0017】
カシメ部65Bは、第一片部70Bおよび第二片部75Bを有している。第一片部70Bは、パイプ本体部61の内周側に位置する内片部71Bと、内片部71Bから外周側に折り返された第一折返し片部72Bとを有している。第二片部75Bは、パイプ本体部61の外周側に位置する外片部76Bと、外片部76Bから内周側に折り返された第二折返し片部77Bとを有している。外片部76Bは、パイプ本体部61の縁部63Bから外周側に突出して連続している。内片部71Bは、パイプ本体部61の縁部62Bに連続している。
このカシメ部65Bでは、巻取りパイプ6Bの内周側から外周側に向かって、内片部71B、第二折返し片部77B、第一折返し片部72B、外片部76Bの順に各片部が重なっている。第一折返し片部72Bが外片部76Bおよび第二折返し片部77Bの間に配置され、第二折返し片部77Bが内片部71Bおよび第一折返し片部72Bの間に配置されている。外片部76Bが縁部63Bに連続する連続部分78B(縁部63Bから折り曲げられて外周側に突出した部分)は、カシメ部65Bの幅方向における一端を形成しており、外片部76Bおよび第二折返し片部77Bの連続部分79B(折返し部分)は、カシメ部65Bの幅方向における他端を形成している。
【0018】
前述したスラット41Aの側面412と連続部分78Bとの寸法は、連続部分78Bと連続部分79Bとの間の寸法(カシメ部65Bの幅寸法)よりも小さい。また、スラット41Aの内面413と外片部76Bとの間の寸法は、カシメ部65Bの幅寸法よりも小さい。このため、カシメ部65Bが外れようとしても、カシメ部65Bは内面413乃至側面412に当たるので、カシメ部65の外れは抑制される。
【0019】
[第3実施形態]
以下、本発明の実施形態について説明する。
第3実施形態に係るシャッターは、第2実施形態に係るシャッターと概略同様に形成されているが、
図5に示すように、巻取りパイプ6Bには、取付部品100がねじ7および裏板8を用いて取り付けられており、シャッター面材4を構成する上下に連なる複数のスラット81は取付部品100に連結されている。
取付部品100は、一対の側片および底片を有して断面略凹形状に形成された取付部101と、
図5において取付部101の一方の側片から下側に連続した溝部102と、
図5において取付部101の他方の側片から上側に連続した湾曲板状の覆部103とを有している。取付部101はねじ7によって巻取りパイプ6Bにネジ止めされており、溝部102にはスラット81が連結されており、覆部103はカシメ部65Bを外周側から覆っている。
取付部101の底片には、凹部611の開口に配置されて係止片616に当接する突出部104が形成されており、係止片616への当接で取付部品100を位置決めする。
覆部103は、取付部101から離間した端部105に形成された側面106と、側面106に連続した内面107とを有している。巻取りパイプ6Bの周方向において側面106はカシメ部65Bの連続部分78Bに対向しており、側面106に連続する部分である内面107はカシメ部65Bを外周側から覆っている。
【0020】
前述した取付部品100の側面106と連続部分78Bとの間の寸法は、連続部分78Bと連続部分79Bとの間の寸法(カシメ部65Bの幅寸法)よりも小さい。また、内面107と外片部76Bとの間の寸法は、カシメ部65Bの幅寸法よりも小さい。このため、カシメ部65Bが外れようとしても、カシメ部65Bは内面107乃至側面106に当たるので、カシメ部65の外れは抑制される。
【0021】
[変形例]
第1から第3実施形態では、スチール板によって巻取りパイプ6,6Bが構成されているが、これに限らず、アルミ製などの金属材料によって形成された金属板をロール成形して構成されてもよい。また、スラット41はスチール製ではなく、他の材料で構成されていてもよい。
第1実施形態では、底面923と内片部71との間の寸法がカシメ部65の幅寸法Lよりも小さくされているが、幅寸法L以上であってもよい。また、第2,3実施形態では、内面107,413と外片部76Bとの間の寸法がカシメ部65Bの幅寸法よりも小さくされているが、カシメ部65Bの幅寸法以上であってもよい。
第1から第3実施形態では、カシメ部65,65Bは前述したように各片部が配置されてカシメられているが、側面106,412,921でカシメ外れを抑制可能であれば、他のカシメ形状であってもよい。また、他のカシメ形状のカシメ部である場合には、凹部92の側面922によってカシメ外れを抑制する構成であってもよく、スラット41Aをねじ止めした際の変形によって形成される側面によってカシメ外れを抑制する構成であってもよく、取付部101の覆部103側の側片における側面によってカシメ外れを抑制する構成であってもよい。
第1実施形態では、補助ホイール9に凹部92が形成されているが、ホイール11,12などの他の付属部品にも同様に凹部92が形成されていてもよい。また、カシメ外れ抑制用の凹部92を有した専用部品を巻取りパイプ6の付属部品としてもよい。
第2実施形態では、スラット41Aの側面412は、カシメ部65Bに当接しているが、カシメ部65Bから周方向に離れて配置されていてもよい。
第3実施形態では、取付部品100の側面106は、カシメ部65Bに対して周方向の間隔を隔てて配置されているが、カシメ部65Bに当接して取付部品を位置決めしてもよい。また、前述したように位置決めする場合や位置決め不要な場合には、突出部104の構成は省略してもよい。
【0022】
[発明のまとめ]
本発明のシャッターは、シャッター面材と、前記シャッター面材が巻取り可能に連結された巻取りパイプとを備え、前記巻取りパイプは、金属板で形成されたパイプ本体部と、前記パイプ本体部の長手方向に沿った縁部同士をカシメて接合したカシメ部とを有し、前記カシメ部は、前記巻取りパイプの内周側に突出し、前記巻取りパイプの中空部には付属部品が設置され、前記付属部品には、前記巻取りパイプの外周側に開口した凹部が形成され、前記凹部には、前記カシメ部が配置されることを特徴とする。
本発明のシャッターによれば、付属部品の凹部にカシメ部が配置されているので、カシメ部が外れようとしても凹部に当接し、カシメ外れを抑制できる。
【0023】
本発明のシャッターでは、前記凹部は、一対の側面および底面を有し、前記一対の側面のうちの一方の側面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さくてもよい。
このような構成によれば、カシメ部が外れようとした場合には、前述した寸法関係となっているので、一方の側面によってカシメ外れを抑制できる。
【0024】
本発明のシャッターでは、前記底面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さくてもよい。
このような構成によれば、カシメ部が外れようとした場合には、前述した寸法関係となっているので、凹部の底面によってカシメ外れをより好適に抑制できる。
【0025】
本発明のシャッターは、複数のスラットを連結して構成されるシャッター面材と、前記シャッター面材が巻取り可能に連結された巻取りパイプとを備え、前記巻取りパイプは、金属板で形成されたパイプ本体部と、前記パイプ本体部の長手方向に沿った縁部同士をカシメて接合したカシメ部とを有し、前記カシメ部は、前記巻取りパイプの外周側に突出し、前記シャッター面材は、前記巻取りパイプに取り付けられる取付スラットまたは前記取付スラットに連結した取付部品によって当該巻取りパイプに連結され、前記取付スラットまたは前記取付部品には、前記カシメ部に対向する側面が形成され、前記カシメ部は、前記側面に連続する部分に覆われることを特徴とする。
本発明のシャッターによれば、取付スラットまたは取付部品の前述した側面が前記カシメ部に対向しているので、この側面によって、カシメ部が外れようとするのを止めることができ、カシメ外れを抑制できる。
【0026】
本発明のシャッターでは、前記取付スラットの前記側面は、前記巻取りパイプの周方向において前記カシメ部に当接してもよい。
このような構成によれば、取付スラットの前記側面を前述した通りにカシメ部に当接することで、取付スラットを位置決めでき、所定位置で巻取りパイプに取り付けることが容易となる。
【0027】
本発明のシャッターでは、前記取付スラットまたは前記取付部品が前記巻取りパイプに取り付けられ、前記取付スラットまたは前記取付部品の前記側面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さくてもよい。
このような構成によれば、カシメ部が外れようとした場合には、前述した寸法関係となっているので、前記側面によってカシメ外れを抑制できる。
【0028】
本発明のシャッターでは、前記取付スラットまたは前記取付部品の前記側面に連続する内面と前記カシメ部との間の寸法は、前記カシメ部の幅寸法よりも小さくてもよい。
このような構成によれば、カシメ部が外れようとした場合には、前述した寸法関係となっているので、前記内面によってカシメ外れをより好適に抑制できる。
【符号の説明】
【0029】
1…シャッター、100…取付部品、101…取付部、102…溝部、103…覆部、104…突出部、105,411…端部、106,412,921,922…側面、107,413…内面、11,12…ホイール、13,14…バランススプリング、15…シャフト、2…窓枠、21…上枠、22…下枠、23…縦枠、3…シャッター枠、31…シャッター縦枠、4…シャッター面材、41,41A,81…スラット、5…シャッターケース、51…開口、6,6B…巻取りパイプ、61…パイプ本体部、611,612,92…凹部、613…位置決め部、614,617…側片、615,618…底片、616…係止片、62,62B,63,63B…縁部、65,65B…カシメ部、7…ねじ、70,70B…第一片部、71,71B…内片部、72,72B…第一折返し片部、75,75B…第二片部、76,76B…外片部、77,77B…第二折返し片部、78,78B…連続部分、79,79B…連続部分、8…裏板、9…補助ホイール(付属部品)、90…ホイール本体、911…外周円筒部、912…中間円筒部、913…内周円筒部、914…リブ、915,916…嵌合凹部、923…底面、C…軸心、L…寸法、V1,V2…仮想線、θ…角度。