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特許7650801熱抑制されたデンプン及び作製のためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-14
(45)【発行日】2025-03-25
(54)【発明の名称】熱抑制されたデンプン及び作製のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C08B 30/06 20060101AFI20250317BHJP
   A23L 29/219 20160101ALI20250317BHJP
【FI】
C08B30/06
A23L29/219
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021537032
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-01
(86)【国際出願番号】 US2019068663
(87)【国際公開番号】W WO2020139997
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】62/786,066
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/846,941
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19175255.9
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】シャー、タラク
(72)【発明者】
【氏名】レーン、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シャー、カムレシュ
【審査官】吉田 早希
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-148878(JP,A)
【文献】国際公開第2018/069535(WO,A1)
【文献】特開2003-128701(JP,A)
【文献】Starch/Starke,1978年,No.2,pp.47-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08B 30/06
A23L 29/219
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥プロセスにおいて、熱抑制及び脱水されている、熱抑制されたデンプンであって、
(a)前記熱抑制されたデンプンを用いた6%固形分及びpH6を有するデンプンスラリーの高温ピーク粘度50~500cP、及びHunter L値91~94;及び
(b)前記熱抑制されたデンプンを用いた6%固形分及びpH6を有するデンプンスラリーの高温ピーク粘度500~1200cP、及びHunter L値93~95;
からなる群から選択されるHunter L値及び高温ピーク粘度を有し、
デンプン純度95%超である、熱抑制されたデンプン。
【請求項2】
前記熱抑制されたデンプンが、前記熱抑制されたデンプンを用いた6%固形分及びpH3を有するデンプンスラリーを95℃で15分間保持したときに200cP未満変化する粘度を更に有する、請求項1に記載の熱抑制されたデンプン。
【請求項3】
前記熱抑制されたデンプンが、5%未満の可溶性デンプン含有量を有する、請求項1又は2に記載の熱抑制されたデンプン。
【請求項4】
コーン、ワキシーコーン、高アミロースコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、サゴ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンティルマメ、及びソラマメからなる群から選択されるデンプンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記述されるような前記熱抑制されたデンプンと、第2の食用成分と、を含む、食用組成物。
【請求項6】
熱抑制されたデンプンを調製する方法であって、
a)デンプンを提供することと、
b)前記デンプンに緩衝剤及び酸を添加して、酸性pHを有するpH調整デンプンを得ることと、
c)前記pH調整デンプンを熱抑制することと、を含み、
工程b)における前記pH調整が、水性スラリー中で生じ、前記水性スラリーが、前記酸、及び前記緩衝剤を含み;
前記水性スラリーのpHが4.0から5.5未満であり、
工程c)の前に、前記pH調整デンプンが、前記デンプンの5重量%を下回る含水量まで脱水され、
前記デンプンが、1%未満のタンパク質を含む、方法。
【請求項7】
熱抑制されたデンプンを調製する方法であって、
a)デンプンを含むデンプンスラリーを得、必要な場合、前記デンプンスラリーのpHを調整して、5.5~6.5のpHを有するデンプンを得る工程と、
b)前記デンプンスラリーに緩衝剤を添加し、少なくとも0.25時間浸漬して、緩衝化処理されたデンプンスラリーを得る工程と、
c)前記緩衝化処理されたデンプンスラリーのpHを4.0超~5.5未満に調整し、必要な場合、前記緩衝化処理されたデンプンスラリーのpHが4.0超~5.5未満に安定化するまで、前記緩衝化処理されたデンプンスラリーの前記pHを調整し続けて、pH調整デンプンを得る工程と、
d)乾燥プロセスにおいて、前記pH調整デンプンを脱水して、含水率1%未満の乾燥デンプンを得る工程と、
e)前記乾燥デンプンを熱抑制して、熱抑制されたデンプンを得る工程であって、前記乾燥デンプンを、前記デンプンの糊化を上回る温度で0.2~4時間加熱する工程と、
を含み、
前記デンプンは、1%未満のタンパク質を含む、方法。
【請求項8】
前記緩衝剤が、クエン酸緩衝剤である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記デンプンがpH5未満を有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記熱抑制を、流動床反応器において行う、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記熱抑制を、連続プロセスで行う、請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記熱抑制されたデンプンが、5%未満の可溶性デンプン量を有する、請求項6~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記緩衝剤が、前記デンプンの5%未満の量で添加される、請求項6~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記熱抑制されたデンプンが、コーン、ワキシーコーン、高アミロースコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、サゴ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンティルマメ、及びソラマメからなる群から選択されるデンプンから得られている、請求項6~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記熱抑制されたデンプンが、1200~2000cPのピーク高温粘度を有し、前記熱抑制を、25~150分間、150℃~170℃の温度で行う、請求項6~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記熱抑制されたデンプンが、600~1200cPのピーク高温粘度を有し、前記熱抑制を、30~100分間、150℃~180℃の温度で行う、請求項6~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記熱抑制されたデンプンが、50~500cPの高温ピーク粘度を有し、前記熱抑制を、30~200分間、155℃~180℃の温度で行う、請求項6~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
これは、2018年12月28日に出願された、米国特許仮出願第62/786,066号、2019年5月13日に出願された、米国特許仮出願第62/846,941号、及び2019年5月17日に出願された、欧州特許出願第EP19175255.9号の利益を主張するPCT出願であり、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本明細書は、改善された熱抑制されたデンプン、より具体的には、改善された乾燥熱抑制されたデンプンを開示する。
【背景技術】
【0003】
デンプンは、植物から取得可能なグルコースポリマー、アミロース、及びアミロペクチンである。しかしながら、アミロース及びアミロペクチンは、植物内には存在せず、その代わりに、複数のアミロペクチン(及び通常)アミロースポリマーから作製された顆粒中に存在する。顆粒は、結晶性及び非晶質領域を有し、水中で加熱されるとき、顆粒は膨潤し、最終的には崩壊する、糊化と呼ばれるプロセスである。膨潤により、デンプンは、増粘剤として作用することを可能にするが、これは、デンプンが作用する際に分解をもたらす。
【発明の概要】
【0004】
本技術分野において、抑制は、とりわけ糊化に抵抗するようにデンプンを改質するために使用される1組のプロセスのうちの任意の1つを表す。先の1組の抑制プロセスは、デンプンの糊化温度を上回る温度で脱水デンプンを加熱することを伴う。いくつかの先の熱抑制は、アルコール中の脱水デンプンを処理し、次いでアルコールスラリーを加熱する(湿式プロセス)。他の先のプロセスは、空気中又は真空中でデンプンを脱水する(乾燥プロセス)。このようなプロセスは、一般的に、限定されるものではないが、連続プロセスで進行するには遅すぎる進捗、顕著なビニル風味又は顕著な粒状風味などの顕著な風味を生成すること、及び褐色化デンプンを生成することを含む、様々な欠点を有した。本明細書は、前述及び他の問題を克服する、熱抑制されたデンプンを得るための改善された方法を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】改善された方法の様々な実施形態のいくつかで作製された、熱抑制されたデンプンの粘度プロファイル描画を比較する。
【0006】
図1B図1Bに描画された粘度プロファイルの終点を描画する。
【0007】
図1C】様々な熱抑制されたデンプンの粘度プロファイルの終点を描画し、本技術の実施形態を使用して得られた熱抑制されたデンプンの終点描画を、先行技術を使用する熱抑制されたデンプンのいくつかの実施形態に照らして比較する。
【0008】
図2】熱抑制時間が増加する際の白色度における変化を描画し、従来の一般的な方法によって作製された、熱抑制されたデンプンの様々な実施形態に対する、改善された方法によって作製された熱抑制されたデンプンの様々な実施形態のうちのいくつかに関する白色度を比較する。
【0009】
図3】改善された方法の様々な実施形態のうちのいくつかによって得られた、熱抑制されたデンプンの、pH6スラリーで得られた、粘度プロファイルを描画する。
【0010】
図4】改善された方法の様々な実施形態のうちのいくつかによって得られた、熱抑制されたデンプンの、pH3で得られた、プロファイルされた粘度を描画する。
【0011】
図5】改善された方法(図4の実施形態とは異なる)の様々な実施形態のうちのいくつかによって得られた、熱抑制されたデンプンの、pH3で得られた、粘度プロファイルを描画する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本技術は、改善された熱抑制されたデンプン及びかかるデンプンを作製するための改善された方法に関し、様々な非限定的な実施形態において、本明細書は、熱抑制されたデンプンを作製するための改善された方法、及び乾燥熱抑制されたデンプンを作製するための改善された方法、改善された熱抑制されたデンプン、改善された熱抑制されたデンプン、改善された乾燥熱抑制されたデンプン、所望のピーク高温粘度を有することが抑制された、熱抑制又は乾燥熱抑制されたデンプン、より白い乾燥熱抑制されたデンプン、改善された味を有する熱抑制又は乾燥熱抑制されたデンプンを作製するための連続方法を開示する。
【0013】
本明細書に記載される任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンは、顆粒デンプン(糊化されていないことを意味する)から得られる。本明細書に記載される任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンは、顆粒デンプン(糊化されていないことを意味する)である。任意の実施形態では、熱抑制に有用なデンプンは、粉砕植物材料(例えば、粉)を得るために、デンプン含有植物部分を粉砕することから得られ得る。粉砕植物材料の粉砕に続いて、粉砕植物材料中に存在するデンプン及びタンパク質を、粉砕されていない植物部分中に存在する際と、本質的に同じ割合(w/w)で含み得る。粉砕に続いて、粉砕植物材料は、(例えば、空気分級を使用する乾式プロセス、又は等電点分離若しくはヒドロシロニック(hydrocylonic)分離を使用する湿式プロセスによって)分画されて、粉砕植物材料の1つの構成要素の重量パーセンテージ比率を別のものに対して調整(例えば、タンパク質に対してデンプン含有量を増加させる)してもよい。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するためのプロセスは、任意のデンプン含有粉砕植物材料、又は粉砕及び分画された植物材料に適用され得る。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するためのプロセスは、約95%超のデンプン(w/w)、又は約98%超のデンプン(w/w)、又は約99%超のデンプン(w/w)を有する粉砕及び分画された植物材料に適用されてもよい。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンは、粉砕植物材料、又は粉砕及び分画された植物材料を熱抑制することによって得られ得、かかる実施形態では、熱抑制されたデンプンは、熱抑制された粉砕植物材料、若しくは粉砕及び分画された植物材料中に存在してもよく、又は熱抑制に続いて更に分画されてもよい。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンは、食品用デンプン(例えば、米国薬局方によって定義される通り)から得られる。任意の実施形態では、熱抑制プロセスにおいて有用なデンプンは、1%未満、又は0.5%未満、又は0.3%未満のタンパク質(w/w)を含む。
【0014】
デンプンの「抑制」は、本技術分野において既知であり、本明細書では、その全範囲の意味を有するものと理解される。デンプンの抑制の完全な意味を限定するものではないが、抑制されたデンプン(及びデンプンが抑制されるレベル、程度、又は量)は、デンプンの増粘力又は膨潤力に対して記載され得、抑制されたデンプンは、非常に抑制されている、及びそれゆえ、比較的低い増粘力又は膨潤力を有する、中程度に抑制される、又は低抑制を有すると考えられる。
【0015】
デンプンの「糊化」は、デンプンが加熱された水(時間及び温度に応じて)であるときに生じる1組の現象を対象にする、本技術分野において既知の用語である。本明細書では、糊化は、本技術分野において完全な意味を有すると理解される。デンプンの糊化の完全な意味を限定するものではないが、任意の実施形態では、非糊化デンプンは、偏光下で見たときにマルタクロスの回折パターンを呈し、糊化デンプンは、そのようなことはない。
【0016】
本明細書で使用される際、「熱抑制」は、非糊化され、脱水されたデンプンを、デンプンを抑制する方式で加熱する任意のプロセスを表す。熱抑制は、デンプンを熱抑制するための湿潤及び乾燥プロセスの両方を表す。
【0017】
本明細書において、「乾燥熱抑制」は、デンプンが本質的に水分を含まない条件で、脱水及び熱抑制されるプロセスを表す。いくつかの実施形態では、水分を含まない条件は、ガスがデンプンと反応しない任意のガスの熱抑制デンプンを含む。例示的な非限定的な実施形態では、ガスは空気であり、これは任意の圧力、又は、例えば、約1気圧であってもよい。例示的な非限定的な実施形態では、デンプンは、低ガス圧で、又は本質的に真空条件下で抑制され得る。任意の実施形態では、乾燥熱抑制プロセスは、乾燥熱抑制されたデンプンを生成する。
【0018】
本明細書において、「湿潤熱抑制」プロセスは、デンプンがアルコール溶液などの非水性溶液中で、脱水され、熱抑制されるか、又はその両方であるプロセスを表す。湿潤熱抑制プロセスで作製されたデンプンは、湿潤熱抑制されたデンプンとして称される。
【0019】
任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンは、以下のベース材料、コーン、ワキシーコーン、高アミロースコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、サゴ、クズウコン、マメ科植物(エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンティルマメ、ソラマメ、ハウチワマメ、及びヤエナリを含む、マメ科の植物からの種子)、ソルガム、大麦、ワキシー大麦、及び小麦のうちの1つ以上から作製され得る。本明細書において、ワキシーコーンデンプンを参照すると、限定されるものではないが、WaxiPro(登録商標)コーンスターチの名称でIngredion Incorporatedにより販売されるハイブリッドワキシーコーンスターチを含む、ハイブリッド、異種交配、及び他のワキシーコーンスターチ変形例への参照を含む。本明細書において、ワキシーは、デンプンの記述子として、約10%未満、又は約7%未満、又は約5%未満、又は約3%未満、又は約1%未満、又は本質的に0重量%のアミロース含有量などの、低アミロースを有するデンプンを意味する。本明細書において、デンプンの説明として高アミロースとは、約40%超のアミロースを有するデンプン、例えば、限定されるものではないが、約50重量%のアミロース含有量を有するデンプン、又はデンプン顆粒中に約70重量%のアミロースを有するデンプンを意味する。
【0020】
本技術は、熱抑制されたデンプン及び乾燥熱抑制されたデンプンに関連する。いくつかの実施形態では、乾燥熱抑制されたデンプンは、同じ塩基からの天然デンプンの白色度と等しいHunter Lによって記載される白色度を有する。様々な他の実施形態では、乾燥熱抑制されたデンプンは、約92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95、又は約93~約95、又は約94~約95、又は約95のHunter L値を有する。熱抑制されたデンプンの任意の実施形態では、抑制レベルにかかわらず、前述の白色度が得られる。様々な実施形態では、前述の白色度は、洗浄にかかわらず得られ、デンプンは、既知の技術を使用して洗浄されて、得られたデンプンの白色度を更に改善し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンは、92、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95、又は約93~約95、又は約94~約95、又は約95のHunter L値によって説明されるような白色度を有し、かつ低減された粒状風味、厚紙風味、プラスチック風味、ビニル風味、又はこれらの混合物などの改善された風味を有する。熱抑制されたデンプンの任意の実施形態では、前述の白色度及び改善された風味は、抑制レベルにかかわらず得られる。
【0022】
いくつかの実施形態では、熱抑制された、又は乾燥熱抑制されたデンプンは、所望の高温ピーク粘度を有するように熱抑制される。任意の実施形態では、高温ピーク粘度は、Micro-Visco-AmyloGraph(MV AG)(例えば、Brabender GmbH & Co KGから入手可能)を使用して測定することができ、これは、定義された時間及び温度経過にわたるデンプンスラリーの相対粘度変化を描画する。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンは、Micro-Visco-AmyloGraph Units(「MVAG-UNITS」、「MVU」)で測定することができる。一般的に、MV AG描画は、デンプンスラリーが定義された時間保持され、比較的低温からピーク高温まで温度が傾斜する際のデンプンスラリーの粘度変化を測定する。一般的に使用されるMV AG描画は、室温から50℃までデンプンスラリーを加熱し、スラリーを50℃から95℃まで、8℃/分の加熱速度で更に加熱し、スラリーを95℃で15分間保持する(本明細書では95℃+15とも呼ばれる)の時間及び温度経過中に、pH6を有する6%のデンプン固形物スラリーの粘度変化を記録する。拡張されたMV AG試験は、加熱が95℃+15で完了した後、冷却する際のスラリーの粘度変化を更に描画してもよい。
有用な粘度測定値は、95℃~95℃+15で得られた最高粘度であるピーク高温粘度である。実施形態では、デンプンは、最大約2000MVU、又は約50及び約2000MVU、又は約500MVU未満、又は約50~約500、又は約100~約500MVU、又は約100~約400MVU、又は約100~約300MVU、又は約100~約200MVU、又は約500~約1200MVU、又は約600~約1200MVU、又は約700~約1200MVU、又は約800~約1200MVU、又は約900~約1200MVU、又は約1000~約1200MVU、又は約1200~約2000MVU、又は約1300~約2000MVU、又は約1400~約2000MVU、又は約1500~約2000MVU、又は約1600~約2000MVU、又は約1700~約2000MVU、又は約1800~約2000MVUのピーク高温粘度を有するように抑制される。
【0023】
いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンは、約600MVU未満、又は約500MVU未満、又は約400MVU未満、又は約100~約600MVU未満、又は約200~約600MVU未満、又は約300~約600MVU未満、又は約200~約500MVU、又は約300~500MVU未満のピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する熱抑制されたデンプンとして記載することができる、高いレベルの抑制を有する。いくつかの実施形態では、高熱抑制されたデンプンは、約200~約600MVU未満のピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する。いくつかの実施形態では、高熱抑制されたデンプンは、約300~約500MVUのピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する。いくつかの実施形態では、熱抑制された高熱抑制されたデンプンは、95℃~95℃+15分までの上昇粘度(固形分6%、及びpH3におけるスラリー)を更に有する。いくつかの実施形態では、熱抑制された高熱抑制されたデンプンは、約500~約1000MVU、又は約500~約900MVU、又は約500~約800MVU、又は約500~約700MVU、又は約600~約1000MVU、又は約700~約1000MVU、又は約600~約900MVU、又は約600~約800MVU、又は約700~約800の、95℃~95℃+15までの粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)を更に有する。いくつかの実施形態では、熱抑制された高熱抑制されたデンプンは、約600~900MVUの95℃~95℃+15までの粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)を更に有する。いくつかの実施形態では、高熱抑制されたデンプンは、約700~800MVUの95℃~95℃+15までの粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)を更に有する。任意の実施形態では、高いレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約91超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約91及び約96、又は約92~約95の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、高いレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約91~約94の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、高いレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約94の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、高熱抑制を有するデンプンは、低減された粒状風味、厚紙風味、プラスチック風味、ビニル風味、又はこれらの混合物などの改善された風味を更に有する。
【0024】
任意の実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンは、約600~約1100MVU、又は約600~1000MVU、又は約600~約900MVU、又は約600~800MVUのピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する熱抑制されたデンプンとして記載することができる、中程度のレベルの抑制を有する。任意の実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約600~約1000MVUのピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する。いくつかの実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約600~約800MVUのピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6のスラリー)を有する。いくつかの実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、95℃~95℃+15分までの安定粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)、又は約200MVU未満、又は約150MVU未満、又は約100MVU未満、又は約50MVU未満の粘度を更に有する。中程度のレベルの抑制を有する任意の熱抑制されたデンプンにおいて、約92超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95の白色度を更に有する。任意の実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約93~約95の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約94の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約95の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、中程度の熱抑制を有するデンプンは、低減された粒状風味、厚紙風味、プラスチック風味、ビニル風味、又はこれらの混合物などの改善された風味を更に有する。
【0025】
任意の実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンは、連続プロセスにおいて、約1200~約2000MVU、又は約1200~約1900MVU、又は約1200~約1800MVU、又は約1200~約1700MVU、又は約1200~約1600MVU、又は約1200~約1500MVU、又は約1300~約1600MVU、又は約1300~約1500MVUのピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する熱抑制されたデンプンとして記載することができる、低レベルの抑制を有する。任意の実施形態では、低レベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約1200~約1700MVUのピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する。任意の実施形態では、低レベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約1300~約1500MVUのピーク高温粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する。任意の実施形態では、低抑制を有するスラリー(6%固形分、及びpH6)中の熱抑制されたデンプンは、95°~95°+15分の安定粘度を更に有するか、又は約200MVU未満、若しくは約150MVU未満、若しくは約100MVU未満、若しくは約50MVU未満で変化する粘度を有する。任意の実施形態では、低熱抑制を有するデンプンは、約92超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92超及び約96、又は約92、及び約95の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、低熱抑制を有するデンプンは、約94~約96の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、低熱抑制を有するデンプンは、約95の(Hunter L値によって測定される)白色度を更に有する。任意の実施形態では、低熱抑制を有するデンプンは、低減された粒状風味、厚紙風味、プラスチック風味、ビニル風味、又はこれらの混合物などの改善された風味を更に有する。
【0026】
規定の時間及び温度経過にわたるデンプンスラリーの相対粘度はまた、cPで粘度を報告する、急速ビスコ-アナライザ(rapid-visco-analyzer、RVA)を使用して測定されてもよい。RVA試験は、MV AG試験に使用される際に同じ時間及び温度経過を使用してもよい。MV AGのように、RVA試験中のデンプンスラリーのピーク高温粘度を知ることが有用である。ピーク高温粘度は、MV AG試験において、すなわち、95℃~95℃+15で得られる場合と、RVA試験において同じ意味を有する。MVU及びcPは、必ずしも対応するわけではないが、例えばhttp://www.starch.dk/ISI/methods/19brabenderNotes.htmで公開された単位間の変換を可能にすることが既知である。cPによって測定される有用なピーク粘度は、概して、MVUと同じ範囲内である。したがって、実施形態では、デンプンは、最大約2000cP、又は約50~約2000cPのピーク高温粘度を有するように抑制される。同様に、高度に抑制されたデンプンは、約500cP未満、又は約50~約500cP、又は約100~約500cP、又は約100~約400cP、又は約100~約300cP、又は約100~約200cPのピーク高温粘度を有する。中程度に抑制されたデンプンは、約500~約1200cP、又は約600~約1200cP、又は約700~約1200cP、又は約800~約1200cP、又は約900~約1200cP、又は約1000~約1200cPのピーク高温粘度を有する。低抑制を有するデンプンは、約1200~約2000cP、又は約1300~約2000cP、又は約1400~約2000cP、又は約1500~約2000cP、又は約1600~約2000cP、又は約1700~約2000cP、又は約1800~約2000cPのピーク高温粘度を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンは、膨潤体積を有してもよく、これはまた、沈殿体積(すなわち、完全膨潤させた後のデンプン沈殿物の体積)、又は膨潤力とも称される場合がある。概して、高度に抑制されたデンプンは、より少なく抑制されたデンプン未満で膨潤する。膨潤体積は、塩がデンプンの膨潤を防止するため、試験溶液中でデンプンがどれだけ使用されるかを含む測定条件に基づいて、大きく変化する。高度に、中程度に、かつ低度に抑制されたデンプンの膨潤体積は、約1~約50mg/L、及び内部の全てのサブレンジにおよぶ。膨潤体積は、以下:a)ビーカー内の1%NaCl溶液中に5%デンプンスラリーを調製すること、b)最低温度95℃の煮沸水液槽を使用して、ビーカー内のスラリーを20分間加熱し、最初の3分間撹拌し、次いで残りの時間にわたって時計ガラスで覆うこと、c)スラリーを1%に希釈し、24時間沈降させ、任意選択的に、沈降したデンプンの体積を測定すること、のように測定され得る。
【0028】
他の非限定的な実施形態では、明細書は、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンを作製するための方法を開示する。本明細書に記載される任意の実施形態では、デンプンを熱抑制するための方法は、デンプン調製工程及び熱抑制工程を含むものとして考えられ得る。任意の実施形態では、デンプン調製工程は、任意選択的な中和工程、緩衝工程、及びpH調整工程を含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、熱抑制工程は、脱水工程及び熱抑制工程を含む。
【0029】
任意の実施形態では、デンプン調製工程は、スラリーが、当該技術分野において一般的に使用されるように使用される、1つ以上のデンプンスラリー中で実行される。用語の完全な理解を制限することなく、スラリーは、液体及び微粒子を含む、半液体混合物であると理解され得る。本発明において有用なデンプンスラリーは、より低い固形分含有量限界を有さない。上限では、デンプン含有量は、混合物がもはや半液体ではないほど十分に高く、この状態において、組成物は、デンプンケーキ、すなわち一緒に固着し、凝集塊を形成することができる湿潤デンプンと称される場合がある。任意の実施形態では、デンプンスラリーは、スラリーの約30重量%~約60重量%、又は約35重量%~約55重量%、又は約35重量%~約50重量%、又は約35重量%~約45重量%、又は約36重量%~約44重量%、又は約37重量%~約43重量%、又は約40重量%のデンプンを含む。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するために有用なデンプンスラリーは、固形分含有量が35%~50%のデンプン固形分を有する。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するために有用なスラリーは、水性スラリーである。
【0030】
任意の実施形態では、本明細書に記載されるような熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、熱抑制の前に、緩衝溶液又は水性緩衝溶液中にデンプンを浸漬して、緩衝化デンプンを形成することを含む。任意の実施形態では、上記の緩衝工程は、好適な食品用緩衝剤を使用する。本明細書に記載される任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するために有用な食品用緩衝剤は、共役酸、又は有機酸の塩である。少なくともいくつかの実施形態では、緩衝剤は、炭酸塩緩衝剤又はクエン酸塩緩衝剤である。いくつかの実施形態では、食品用緩衝剤は、クエン酸カリウム及び/又はクエン酸三カリウムである。任意の実施形態では、食品用緩衝剤は、約10重量%未満、又は5重量%未満、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満、又は約1重量%未満、又は0重量%超~約4重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約0.1重量%~約2重量%、又は約0.1重量%~約1重量%、又は約0.5重量%~約2重量%、又は約0.6重量%~約2重量%、又は約0.8重量%~約2重量%、又は約0.9重量%~約2重量%重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1重量%のデンプンの量で、熱抑制の前に、デンプンスラリーに添加される。
【0031】
PH調整工程においてクエン酸塩緩衝剤及び/又はクエン酸を使用する任意の実施形態では、スラリーのクエン酸塩及びクエン酸含有量の合計は、約5重量%未満、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満、又は約1重量%未満、又は0重量%超~約4重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約0.1重量%~約2重量%、又は約0.1重量%~約1重量%、又は約0.5重量%~約2重量%、又は約0.6重量%~約2重量%、又は約0.8重量%~約2重量%、又は約0.9重量%~約2重量%重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1重量%のデンプンである。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンを作製する方法は、デンプンスラリーに、約0.1%及び約2%(w/wのデンプン)の量で、緩衝剤(例えば、クエン酸塩緩衝剤)を添加することによって、デンプンのpHを調整することを含む。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンを作製する方法は、デンプンスラリーに約0.5%及び約1.5%(w/wのデンプン)の量で、緩衝剤(例えば、クエン酸塩緩衝剤)を添加することによって、デンプンのpHを調整することを含む。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプン又は乾燥熱抑制されたデンプンを作製する方法は、デンプンスラリーに、約0.9%及び約1.2%(w/wのデンプン)の量で、緩衝剤(例えば、クエン酸塩緩衝剤)を添加することによって、デンプンのpHを調整することを含む。任意の実施形態では、デンプンは、緩衝溶液中に、少なくとも約0.25時間、又は約0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間浸漬される。緩衝溶液中にデンプンを0.5~24時間浸漬した後、デンプンスラリーのpHが約6.5~約7.5であるように、スラリーのpHが浸漬中に経時的に増加することが観察される。
【0032】
デンプンは、一般的に、約5.0~約6.5の天然pHを有するが、一般的に、タンパク質からデンプンを分離するために使用されるプロセスは、デンプンの天然pHを変化させることが観察される。本明細書に記載される任意の実施形態では、緩衝の前に、デンプンは、約5.0~約6.5の天然pH以外のpHを有して得られ得る。本明細書に記載されるプロセスの任意の実施形態では、デンプンは、約5.0未満のpHを有して得られ、約5.0~約6.5のpHを有するデンプンを得るために、(限定されるものではないが、水酸化ナトリウムを含む)好適な塩基を含む溶液中にデンプンを浸漬することによって、デンプンのpHを調節する。本明細書に記載されるプロセスの任意の実施形態では、デンプンは、約6.5超のpHを有して得られ、約5.0~約6.5のpHを有するデンプンを得るために、(限定されるものではないが、塩酸を含む)好適な酸を含む溶液中にデンプンを浸漬することによって、デンプンのpHを調節する。本明細書に記載される任意の実施形態では、デンプンは、デンプンスラリーが5.0~6.5の安定したpHを有するまで、酸性又は塩基性溶液中に浸漬される。本明細書に記載される任意の実施形態では、デンプンは、酸性又は塩基性溶液中に、少なくとも約0.25時間、又は約0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間浸漬される。
【0033】
本明細書に記載される任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、緩衝化デンプンスラリーのpHを、熱抑制前に酸性pHに調整することを含む。任意の実施形態では、緩衝化デンプンは、天然pHに調整され、緩衝溶液中に少なくとも約0.25時間、又は0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間浸漬される。任意の実施形態では、デンプンは、デンプンスラリーのpHが、4.0超~6.0未満、又は約4超~約5.5、又は約4超~約5.4、又は約4超~約5.3、又は約4超~約5.2、又は約4超~約5.1、又は約4超~約5、又は約4超~約4.9、又は約4超~約4.8、又は約4超~約4.7、又は約4超~約4.6、又は約4超~約4.5、又は約4.1~約4.6、又は約4.2~約4.7、又は約4.3~約4.8、又は約4.5~約5.5、又は約4.4~約5.5、又は約4.3~約5.5、又は約4.2~約5.5、又は約4.1~約5.5、又は約4.6~約5.4、又は約4.8~約5.3のpHで安定化するのに十分な時間で酸性pHにpH調整される。任意の実施形態では、スラリーのpHを調整することは、pHを約4.5及び5.5に調整することを含み得る。任意の実施形態では、pHスラリーを調整することは、pHを約4.8~約5.2に調整することを含み得る。任意の実施形態では、pHを調整することは、pHを約5又は少なくとも約5に調整することを含んでもよい。任意の実施形態では、デンプンのpHは、溶液からデンプンを脱水及び乾燥させた後、水のデンプンに対する比が4:1における水中に乾燥デンプンを再懸濁し、pHを測定することによって測定される。
【0034】
本明細書に開示される任意の実施形態では、酸性デンプンスラリーのpHの量は、可溶性含有量によって測定されるデンプン加水分解を制限又は防止するように制御される。本明細書に開示される任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンは、約20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満、又は約5%未満、又は本質的に0%の可溶性含有量を有する。
【0035】
任意の実施形態では、デンプンのpHを調整することは、食品用酸をデンプン又はデンプンスラリーに添加することを含む。任意の実施形態では、食品用酸は、任意の食品用酸、又は有機酸、又は鉱酸である。いくつかの実施形態では、デンプン又はデンプンスラリーのpHを調整するために使用される食品用酸としては、塩酸、硫酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、食品用酸は、塩酸である。
【0036】
任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、熱抑制の前に、デンプンを所望の含水量(w/w/)に脱水して、所望の低含水量を有するデンプンを得ることを含む。様々な実施形態では、回収されたpHが調整されたデンプンは、約5重量%未満、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満、又は約1重量%未満、又は約0重量%の含水量まで脱水されるか、若しくは約0重量%~約6重量%、又は約0重量%~約3%、又は約0重量%~約2重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約4重量%、又は約1重量%及び約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1重量%、又は約0重量%の含水量まで脱水される。いくつかの実施形態では、pH調整デンプンは、デンプンの約4重量%~約6重量%、又は約5重量%の含水量まで乾燥され、これは、実質的に無水状態と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、pH調整デンプンは、デンプンの約0重量%~約2重量%、又は約1重量%の含水量まで乾燥され、これは無水状態と呼ばれることがある。任意の実施形態では、デンプンは、フラッシュ乾燥、オーブン乾燥、凍結乾燥、又は噴霧乾燥などの従来の乾燥技術、若しくは流動床レクタなどのデンプンを熱抑制するのに好適な反応器内で乾燥させることを使用して脱水される。任意の実施形態では、乾燥熱抑制されたデンプンを作製する方法は、デンプンを乾燥させるのに十分であるが、デンプンの糊化温度を下回る温度で、デンプン又はpH調整デンプンを乾燥させることを含む。任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンの作製方法は、約120℃を下回る、又は約110℃を下回る、又は約105℃を下回る、又は約100℃を下回る、又は約80℃~約120℃、又は約85℃~約120℃、又は約90℃~約110℃、又は約95℃~約110℃、又は約95℃~約105℃の温度でデンプンを乾燥させることを含む。
【0037】
任意の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製する方法は、デンプンの糊化温度を超える1つ以上の温度まで、pH調整された脱水デンプンを乾燥加熱することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、脱水デンプンを、約120℃を上回る、又は約130℃を上回る、又は約135℃を上回る、又は約140℃を上回る、又は約145℃を上回る、又は約150℃を上回る、又は約155℃を上回る、又は約160℃を上回る、又は約165℃を上回る、又は最大約180℃の温度、又は約120℃~約200℃、又は約120℃~約190℃、又は約120℃~約180℃、又は約130℃~約170℃、又は約135℃~約165℃、又は約140℃~約165℃、又は約145℃~約165℃、又は約150℃~約165℃、又は約155℃~約165℃の温度まで、乾燥加熱することを含む。任意の実施形態では、デンプンは、約155℃~約165℃の温度まで加熱される。任意の実施形態では、デンプンは、約165℃の温度まで加熱される。任意の実施形態では、デンプンは、約160℃の温度まで加熱される。任意の実施形態では、デンプンは、約155℃の温度まで加熱される。
【0038】
様々な実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、約0.5時間未満、又は約0.05~約4時間、又は約0.1~約4時間、又は約0.2~約4時間、又は約0.2~約3時間、又は約0.2~約2時間、又は約0.2~約1.5時間、又は約0.25~約1.5時間、又は約0.3~約1.5時間、又は約0.35~約1.5時間、又は約0.4~約1.5時間、又は約0.45~約1.5時間、又は約0.5~約1.5時間、又は約0.5~約1時間、又は約0.5~約0.9時間、又は約0.5~約0.8時間、又は約0.5~約0.7時間、又は約0.5~約0.6時間、約0.1時間、又は約0.2時間、又は約0.3時間、又は約0.4時間、又は約0.5時間、又は約0.6時間、又は約0.7時間、又は約0.8時間、又は約0.9時間、又は約1時間の間、pH調整された脱水デンプンを乾燥加熱することを含む。任意の実施形態では、デンプンは、約20分(0.33時間)及び約200分(3.33時間)の間、pH調整された脱水デンプンを熱抑制乾燥加熱してもよい。任意の実施形態では、デンプンは、約20分(0.33時間)及び約60分(1時間)の間、pH調整された脱水デンプンを熱抑制乾燥加熱してもよい。任意の実施形態では、デンプンは、約20分(0.33時間)及び約40分(0.67時間)の間、pH調整された脱水デンプンを熱抑制乾燥加熱してもよい。任意の実施形態では、デンプンは、約1時間及び2時間の間、pH調整された脱水デンプンを熱抑制乾燥加熱してもよい。
【0039】
乾燥加熱に対する参照は、上記の加熱条件下で、デンプンと化学的に反応しない空気又は他のガス中での加熱を意味する。乾燥加熱は、アルコール又は他の非水性溶液中での加熱と対比される。乾燥加熱に使用される空気は、様々な含水量を有し得るが、任意の実施形態では、空気の含水量は、デンプンを糊化するために必要とされるもの未満である。任意の実施形態では、デンプンは、約1気圧の空気圧で空気中で脱水される。任意の実施形態では、デンプンは、空気中で約1気圧で熱抑制される。
【0040】
いくつかの実施形態では、脱水及び熱抑制は、同じ装置において生じ得る。いくつかの実施形態では、脱水工程及び熱抑制工程は、別個の又は異なる装置内で生じ得る。
【0041】
任意の実施形態では、熱抑制中、デンプン(すなわち、pH調整デンプン並びに/又はpH調整及び脱水デンプン)は、アルコールを実質的に含まなくてもよい。本明細書で使用される際、「実質的に含まない」とは、デンプンの重量に基づいて、約1重量%未満又は0.5%重量未満を含む、約2重量%未満のアルコールを意味する。任意の実施形態では、熱抑制中、デンプンは、アルコールを含み得ない。任意の実施形態では、脱水中、デンプンは、アルコールを含み得ない。アルコールは、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロピル、又はイソプロピルアルコールを含む、C4以下のアルコールを含まないことを意味する。
【0042】
任意の実施形態では、デンプンは、デンプンスラリーの前に、又は1つ以上のサイクルの熱抑制後に、水又は水溶液中で洗浄されてもよい。
【0043】
本技術は、酸性pHを有するpH調整デンプンを得るために緩衝剤及び酸をデンプンに添加することと、pH調整デンプンを脱水して、脱水されたpH調整デンプンを得ることと、脱水されたpH調整デンプンを熱抑制することと、を含む方法を提供する。pH調整工程中、緩衝剤及び酸は、いずれかの順序で添加されてもよい。
【0044】
本技術は、天然pHを有するためにスラリー中のデンプンを調整することと、デンプンスラリーに緩衝剤を添加することと、スラリーのpHを酸性pHに調整することと、デンプンを脱水し、デンプンを熱抑制することと、を含む方法を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態では、本技術は、デンプン、緩衝剤、酸、及び水溶液を混合して、デンプンスラリーを得、pH調整デンプンを得ることと、デンプンスラリーからpH調整デンプンを回収することと、pH調整デンプンを脱水して、pH調整された脱水デンプンを得ることと、pH調整された脱水デンプンを熱抑制することと、を含む方法を提供する。任意の実施形態では、緩衝剤、酸、及び水溶液は、デンプンと任意の順序で混合されてもよい。任意の実施形態では、水溶液は、水であってもよいか、又は緩衝溶液であってもよいか、又は酸性溶液であってもよい。任意の実施形態では、デンプンは、デンプンの糊化温度を下回る温度で調整される。任意の実施形態では、デンプンは、デンプンの糊化温度を上回る温度で熱抑制される。
【0046】
本技術は、前述の方法によって作製されたデンプンを更に提供する。本技術は、前述の方法によって作製され、約92超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95、又は約93~約95、又は約94~約95、又は約95のHunter L値を有するデンプンを更に提供する。本技術は、前述のHunter L値を有し、先行技術のプロセスから作製されたデンプンと比較して改善された風味を有する、前述の方法によって作製されたデンプンを更に提供する。
【0047】
いくつかの実施形態では、低レベルの熱抑制を有する、熱抑制されたデンプンは、約25~150分、又は約50~150分、又は約100~150分間で、約150℃~約170℃の温度で作製される。
【0048】
いくつかの実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約30~100分間、約150℃~180℃の温度で作製される。いくつかの実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約60~100分間、約150℃~170℃の温度で作製される。いくつかの実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約30~50分の間、約160℃~180℃の温度で作製される。
【0049】
いくつかの実施形態では、高熱抑制は、約30~200分の間、約155℃~180℃の温度で作製される。いくつかの実施形態では、高熱抑制は、約30~60分の間、約160℃~170℃の温度で作製される。いくつかの実施形態では、高熱抑制は、約100~200分の間、約160℃~170℃の温度で作製される。いくつかの実施形態では、高熱抑制は、約150~200分の間、約160℃~170℃の温度で作製される。
【0050】
熱抑制されたデンプンを作製するための上記の方法は、化学的に改質されたデンプンのように作用するようにデンプンを物理的に改質する。本明細書に記載された方法を使用すると、化学的に架橋されることを伴わずに、化学的に架橋されたデンプンのような反応を示す熱抑制されたデンプンを生じさせる。本明細書に記載された方法を使用すると、酸加水分解されない熱抑制されたデンプンを生じさせる。
【0051】
本技術は、バッチ反応プロセス、連続反応プロセスなど、又はこれらの組み合わせにおいて、熱抑制されたデンプンを作製するための方法を提供する。
【0052】
いくつかのバッチ反応プロセスでは、一定量のデンプンは、熱抑制されたデンプンが所望のピーク高温粘度を得るために十分な時間反応器内に保持され、その後デンプンが反応器から放出され得る。いくつかの例示的なバッチ反応プロセスは、流動床反応器を使用し得る。流動床反応器は、シェル反応器を含んでもよく、流体が固形分を通って流れることを可能にする1つ以上のチャンバを有してもよく、任意の実施形態では、流体は空気である。流体は、固形分(及び任意の実施形態では、デンプン)を分散させて、比較的均質な流体固形分系を形成してもよい。シェル反応器は、熱を提供するために被覆されてもよい。例示的な流動床反応器は、その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,378,434号に記載される。固形分は、不定時間反応器シェル内に保持されてもよく、反応の完了に続いて、反応器シェル内のオリフィスを通して空にすることができる。このような反応は、反応器シェル内に充填され得る固定量を利用してもよく、次いで、次の一定量のデンプンを反応器シェルに添加する前に、反応器シェルから除去することができる。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、一定量のpH調整デンプンを1つ以上の温度で加熱して、デンプンを脱水し、デンプンを熱抑制することを含み、かかる加熱は、連続的であっても段階的であってもよい。いくつかの他の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、デンプンを熱抑制するための1つ以上の温度で、一定量の脱水されたpH調整デンプンを加熱することを含む。
【0053】
デンプンを熱抑制するために有用な他の反応器は、デキストリン化装置などを含み、ここで、デンプンは、機械的手段、ブレード、パドル、ロータ、ねじなどを有するミキサなどの回転手段などの、機械的手段を使用して流動化され、操作時にデンプンを流体様に移動させる。かかる反応器は、デンプンを熱抑制するための所望の温度を維持するために、加熱器又は加熱された蒸気で被覆され得る。いくつかの実施形態では、機械的流動化手段を使用して熱抑制することは、実質的に真空条件下で行われる。
【0054】
いくつかの連続的な反応プロセスでは、デンプンは、デンプンが、出る前に一定時間反応器内に保持されるか、反応器から押し出されるか、又は別様に反応器から除去されるように、時間連続方式で反応器に添加され得、及び反応器を通過してもよい。いくつかの実施形態では、熱抑制デンプンを得るために使用される温度は、反応器内のデンプンの滞留時間を考慮するように調整される。いくつかの実施形態では、反応器内に保持されるデンプンは、デンプンを十分な時間保持して、所望の抑制度を得るように改質される。いくつかの実施形態では、プロセスは、実質的に連続的なプロセスを可能にするように改質される流動床を含んでもよい。いくつかの実施形態では、実質的に連続的なプロセスで熱抑制されたデンプンを作製するために有用な改質流動化は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,722,722号に開示される。いくつかの実施形態では、使用するための装置は、固形分材料が1つのセルから次のセルへと時系列式に通過することを可能にする開口部によって、直列に接続された1つ以上の区分を有する反応器シェルを含む。反応器シェルは、1つ以上のセルを更に含んでもよく、そのうちの少なくとも1つは、デンプン試料の加熱を可能にするように被覆されてもよい。いくつかの実施形態では、デンプンは、1つのセルから次に連続的に通過し、デンプンを所望の高温ピーク粘度を有するように熱抑制する時間の間、反応器内の滞留内に維持された後、反応器シェルから最終的に出る。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、1つ以上の温度で連続反応器を通して、pH調整デンプンを通過させて、デンプンを脱水し、デンプンを熱抑制することを含み、1つの温度から別の温度への進行は、連続的又は段階的であり得る。いくつかの他の実施形態では、熱抑制されたデンプンを作製するための方法は、ある量の脱水されたpH調整デンプンを、1つ以上の温度で連続反応器を通過させて、デンプンを熱抑制することを含む。
【0055】
連続反応プロセスのいくつかの他の実施形態では、Vomm Impianti e Processi Sriから入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第0710670号に記載されているものなどの反応器を使用する。いくつかの実施形態では、かかる反応器は、加熱された管状反応器を含んでもよく、ロータブレードを使用して、反応器の水平長さを通じてデンプンを押し込んでもよい。固形分材料を乾燥又は熱改質するために業界で使用される他の方法もまた、使用され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、デンプンは、約10~約40分間、約150℃~約170℃の温度で連続プロセスにおいて低レベルの抑制に熱抑制される。いくつかの実施形態では、デンプンは、約25~約40分間、約150℃~約160℃の温度で連続プロセスにおいて低いレベルの抑制に熱抑制される。いくつかの実施形態では、デンプンは、約10~約25分、又は約10~約15分の間、約160℃~170℃で連続プロセスにおいて低レベルの抑制に熱抑制される。いくつかの実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約60~約100分、又は約60~約70分の間、約150℃~約170℃で、連続プロセスにおいて、連続プロセスで作製される。いくつかの実施形態では、中程度のレベルの抑制を有する熱抑制されたデンプンは、約10~約25分の間、約160℃~約180℃の温度で、連続プロセスにおいて作製される。いくつかの実施形態では、高熱抑制は、約10~約25分の間、約180℃~約200℃の温度で、連続プロセスにおいて作製される。前述の実施形態の各々では、デンプンは、少なくとも約91、又は少なくとも約92、又は約91~約95、又は約92~約95のHunter L値によって測定される白色度を有する。
【0057】
本技術は、先行技術のデンプンよりも高いプロセス耐性を有する、熱抑制されたデンプンを提供する。
【0058】
本技術は、工業製品、化粧品製品、家庭用製品、医薬品、及び食用製品、並びにこれらの組み合わせにおける熱抑制されたデンプンの使用を提供する。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、食品組成物中の成分として使用される。
【0059】
いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、食品組成物中で、1重量%~99%重量%の量で使用される。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、栄養食品、非栄養食品、薬剤、又は栄養補助目的のために提供され得る食用組成物中の成分である。いくつかの実施形態では、食用製品は、錠剤形態であり、熱抑制されたデンプンは、賦形剤若しくは結合剤、又は崩壊剤として使用される。
【0060】
いくつかの実施形態では、食用製品は、熱抑制されたデンプン及び第2の食用成分を含む。任意の実施形態では、第2の食用成分は、任意の食用の第2の成分である。いくつかの実施形態では、第2の食用の乳成分は、乳(及び他の液体乳製品)、非脂肪乳固形物、又は乳清若しくはカゼインなどの乳タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、第2の食用成分は、3~8のpHを有する水性成分であり、かかる成分としては、限定されるものではないが、乳、(任意の供給源からの)果物及び野菜ジュース、酢、油、並びに液体抽出物が挙げられる。いくつかの実施形態では、第2の食用成分は、天然、アルファ化、又は他の改質形態であり得る、別のデンプン又は粉である。いくつかの実施形態では、第2の成分は、ガム又はヒドロコロイドである。いくつかの実施形態では、第2の成分は、食品中の安定剤又は乳化剤として有用である。いくつかの実施形態では、第2の成分は、卵又は抽出物又は粉を含むサポニンである。いくつかの実施形態では、第2の成分は、酵母、細菌、ベーキングソーダ、又はベーキングパウダなどの発酵剤又は膨張剤である。
【0061】
いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、食品組成物中の成分であり、1つ以上の以下の非限定的な例:飲料、焼成品(ケーキ、クッキー、ブラウニー、パイクスト、パン、グルテンフリー製品)、菓子製品、レトルト製品、冷凍製品、乳製品、ソース、グレービー、エマルジョンであり得る。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、食品組成物の約1~約99重量%、約1~約50重量%、例えば、約1~約10重量%の量で使用される。いくつかの実施形態では、焼成品は、約25重量%~約50重量%、又は約25~約35重量%の熱抑制されたデンプンを含む。いくつかの実施形態では、焼成品において、熱抑制されたデンプンは、焼成品中の全てのデンプンの約25%~100%、又は約50~100%、又は約75~100%になる。いくつかの実施形態では、食品組成物は、例えば水性構成要素又は油構成要素などの液体構成要素を含み、かかる組成物は、例えば、飲料、レトルト製品、ソース、グレービー、ヨーグルト、及び他の乳製品組成物、又はマヨネーズのような乳化された組成物を含み、かかる組成物において、熱抑制されたデンプンは、約0.1~20%、又は約1%~約15%、又は約1%~約10%、又は約1%~約5の量で使用される。
【0062】
いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、限定するものではないが、レトルト、均質化、発酵、及び凍結などの過酷な条件下で加工及び/又は保存された食品を含む、エマルジョン又はエマルジョン状食品に安定した厚さを提供するために使用される。様々な実施形態では、乾燥熱抑制されたデンプンは、自由解凍安定性を提供するか、又は離水若しくは冷凍食用製品の老化に抵抗するために使用される。
【0063】
いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、化学的に架橋された、又は別様に抑制されたデンプンを置き換えるために食用製品に使用される。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、非抑制デンプンを置き換える。いくつかの実施形態では、熱抑制されたデンプンは、食用組成物内に使用されるデンプンの量を低減するために使用される。
【0064】
本明細書全体を通して、開示される範囲内の全ての部分範囲、及び具体的に指定された範囲の任意のペアリングを含むことが意図される様々な範囲が列記される。
【0065】
熱抑制されたデンプンを含む食品組成物の非限定的な実施形態は、以下の通りである。
実施例1-例示的なレシピ
【0066】
1a.ヨーグルト:
【表1】
【0067】
全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、乳に添加する。混合物を、Breddo Likwifierブレンダを使用して、約500rpmで20~30分間ブレンドし、保持タンクに移し、次いでMicroThermics(登録商標)HVHW HTST加工装置を通して加工し、上流加工については、混合物を60℃(140°F)及び725又は2175psiで均質化し、次いで98℃(208°F)で6分間低温殺菌する。下流加工については、混合物を65℃(150°F)で予熱し、次いで85~90℃(185~195°F)及び725又は2175psiで6分間加熱した。低温殺菌したヨーグルトミックスを、約43℃(110°F)に冷却した。発酵された試料では、pHを4.6に低下させ、ヨーグルトを約7~13℃(45~55°F)に冷却した。他の実施形態では、均質化は、65℃で実行される。実施形態では、均質化プロセスは予熱を含み、実施形態では、温度及び圧力を、周囲温度及び圧力から低温殺菌に所望されるものまで上昇させる。
【0068】
1b.マヨネーズ
【表2】
【0069】
全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、水に添加する。混合物を、Fryma Korum DISHO 7インラインホモジナイザーを用いて、真空下(600~700ミリバール)でブレンドする。次いで、水相を95℃まで加熱してデンプンを調理し、次いで30℃以下に冷却する。卵黄を添加し、水相とブレンドする。次いで、油を高剪断及び真空(600~700ミリバール)下でプレエマルジョンに添加し、乳化するまで均質化する。次いで、酢を添加し、乳化し、温度を約20℃に保持する。
【0070】
1c.スプーンですくうことができるドレッシング
【表3】
【0071】
全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、完全な分散のために撹拌しながら水及び酢に添加する。混合物を、195℃~200℃に、約15~20分間、良好な程度のデンプン調理まで加熱する。次いで、結果として得られたペーストを、80℃に冷却する。次いで、以下の成分を、一緒に添加する-
表1c-部分2
【表4】
【0072】
卵黄をペーストに添加し、十分に混合する。次いで、油を撹拌しながらゆっくりと添加して、プレエマルジョンを形成する。次いで、このプレエマルジョンをコロイドミルに通過させて、最終的なスプーンですくうことができるドレッシングエマルジョンを形成する。
【0073】
1d.クリームスープ
【表5】
【0074】
全ての乾燥成分を、一緒にブレンドする。水及びクリームをビーカーに加え、浸漬ブレンダを用いてレシチンを分散させる。次に、乾燥成分を撹拌下で添加する。混合物を88℃~90℃(190°F~195°F)に加熱し、良好なデンプン調理に達するまで保持した(約12~18分)。冷却後、各混合物を使用して、2オンスジャーを充填した。粉末ミックスを、クリーム用の粉末乳固形物などの乾燥成分に置き換えることによって行うことができる。
【0075】
1e.ベシャメル
【表6】
【0076】
1f.プディング
【表7】
【0077】
プディングは、デンプン、糖、及びバニラをミルク中で泡立て、成分が分散するまで混合することによって作製される。次いで、混合物を、90℃に温度設定したThermomix(登録商標)で調理する。調理中に、混合物を速度1で40分間攪拌するか、又はデンプンが完全に調理されるまで撹拌する。次に、調理済みプディングをジャーに充填し、冷却させる。
【0078】
工業規模のプロセスにおいては、全ての乾燥成分を一緒にブレンドし、乳に添加する。混合物を、Breddo Likwifierブレンダを使用して、約500rpmで20~30分間ブレンドし、保持タンクに移し、次いでMicroThermics(登録商標)HVHW HTST加工装置を通して加工し、上流加工については、混合物を60℃~65℃(140~150°F)及び725~2175psiで均質化し、次いで98℃(208°F)で30秒間低温殺菌する。次に、調理済みプディングをジャーに充填し、冷却させる。
【0079】
以下は、熱抑制されたデンプンの更なる例示的な実施形態、並びにそのデンプンの特性評価である。
【0080】
1g.グレービー
【表8】
【0081】
1h.ペットフード
【表9】
【表10】
実施例2-熱抑制されたデンプンの試験
実施例2A-熱抑制されたデンプンの膨潤体積及び可溶性含有量
【0082】
デンプンの膨潤体積及び可溶性含有量は、以下のように測定される。
【0083】
1.ビーカー内の1%NaCl溶液中に5%デンプンスラリーを調製する。2.煮沸水液槽(最低温度95℃)で20分間調理する(最初の3分間撹拌し、次いで残りの時間、時計ガラスで覆う)。3.溶液をメスシリンダ内で1%に希釈し、それを24時間沈降させる(その粒径が小さいほど、沈降が遅いため、ワキシー米デンプンには72時間が必要とされる)。4.沈降した試料の体積をミリリットルで記録する。5.上清の一定分量をシリンダから抽出する。6.手持ち式屈折計又は偏光計を使用して、上清中のデンプン濃度を測定し、可溶化率(%)を計算する。
実施例2b-白色度及び粘度試験
【0084】
熱抑制時間に対するpHの効果を、以下のように評価した。図1Aを参照すると、本出願人らは、クエン酸塩緩衝剤及び約5に調整されたpHを使用して、熱抑制されたワキシーコーンデンプンのMVU粘度を測定した。デンプンを、約1%水分(w/w)に脱水し、示される時間、310°F(約154℃)で加熱した。MVUプロファイルを、以下の加熱プロファイル:45℃~95℃の温度で6分にわたり加熱し、次いで95℃で更に6分間保持、を使用する、6%固形分(w/w)及びpH6を有するデンプンスラリーに対して得た。2つの図1Bを参照すると、95°+6分間の各試料の粘度を、描画し、抑制量は加熱時間とともに変化することを例示する。上記の試験を、上記のように作製したデンプンを使用するが、320°F又は330°F(約160℃~約165℃)で加熱して繰り返した。加熱時間及び温度によって抑制がどのように変化するかを例示するために、上記と同じ描画を得た。影響のある緩衝系及びpH調整を例示するために、ワキシーコーンデンプンを、上記の時間及び温度で抑制したが、デンプンを、炭酸塩緩衝化し、pHを約8に調整するか、又はクエン酸緩衝化し、pHを約7に調整した。95℃+6分の粘度の完全なセットは、図1Cに描画される。
図2は、上記デンプンのHunter L値を描画する。粉末の色を判定するために、Hunter Color QUEST II分光測色計球体モデルを、Universal V.36ソフトウェア及び石英窓を有するNIR圧縮セルとともに使用した。機器は、光トラップ、白色及び灰色の標準化タイル、並びに緑色の較正タイルを使用して標準化される。最初に、光トラップは、試料ホールドに挿入され、次いで取り出され、白色タイル及び灰色タイルが続く。XYZ単位を使用して、白色及び緑色のタイルを使用して、機器を較正する。一度機器が較正されると、単位は、ハンタ単位に変更される。石英セルを使用して、窓が覆われ、セルが充填されるまで、およそ4グラムのデンプンが、セルに添加される。カバーをセル上に配置し、セルを分光測色計の試料ホルダ内に配置する。ソフトウェアを使用して、読み取り試料を選択して、データを取得する。収集されたデータは、L、a、b、及びYI D1925(2/C)の形態である。
6%固形分デンプンスラリーの粘度変化を、次の時間経過にわたって測定した:デンプンは、クエン酸塩緩衝剤を使用して作製され、pH5に調整され、デンプンスラリーを室温から50℃まで加熱し、スラリーを50℃~95℃に加熱速度8℃/分で更に加熱し、スラリーを95℃で15分間保持するように加熱した。デンプンを加熱して、市販の低度、中程度、及び高度に抑制されたデンプンと一致する所望の粘度プロファイルを得た。図3は、pH6スラリー中の低度に抑制されたデンプンの粘度プロファイルを例示する。図4は、pH3スラリー中の中程度に抑制されたデンプンの粘度プロファイルを例示する。図5は、pH3スラリー中の高度に抑制されたデンプンの粘度プロファイルを例示する。
【0085】
熱抑制に対する時間、温度、及びpHの効果を評価した。全ての試料において、ワキシーコーンデンプンは熱的であった。試料を、クエン酸塩緩衝剤を使用して、pHを約5に調整し、クエン酸塩緩衝剤を使用し、pHを約7に調整し、炭酸塩緩衝剤を使用し、pHを約8に調整して、作製した。上記の緩衝系を使用する熱抑制を、約1%の水分(w/w)まで脱水した。次いで、各緩衝系からのデンプン試料を、310°F、320°F、又は330°F(約154℃、160℃、又は165℃のうちの1つに熱抑制した。各熱抑制温度で作製された試料を、0(非抑制)、20、40、60、80、100、120、140、160、及び180分のうちの1つの間加熱した。全ての試料を、Hunter L値として記録された白色度で試験した。所与の緩衝系及び抑制温度に関して、抑制時間の増加の際のHunter Lの変化は、図2に報告される。
実施例3-乾燥熱抑制されたデンプンの官能試験
【0086】
官能試験は、デンプンペーストの風味(糊化までの水加熱におけるデンプン)を比較した。官能試験員は、ワキシーコーンデンプンから作製された、開示された乾燥熱抑制されたデンプンの実施形態、市販の熱抑制されたデンプン、アルコールベースのプロセスから作製されたワキシーコーンデンプン、市販の乾燥熱抑制ワキシーコーンデンプン、及び未改質ワキシーコーンデンプンから作製されたペーストを評価した。全ての熱抑制された試料を、約800MVUのピーク高温粘度を有するように測定した。
【0087】
10人の訓練された試験員を使用して官能試験を行った。官能試験員は、芳香、風味、味、及び食感の違いを検出する彼らの能力、並びにこれらの違いを表現する彼らの能力に基づいて選択された。個々の官能試験員は、パネルの組込み前に4ヶ月間訓練され、全ての官能試験員は、継続的なメンテナンス訓練に参加した。訓練は、官能試験員を官能専門用語(TEXICON(登録商標)及びSWEETABULARY(登録商標))、及び0は風味属性が検出されなかったことを意味し、15は風味属性が極端であったことを意味する、15点の普遍スケールの評価基準が定義された一団に導入することを含む。
【0088】
試験を、以下の通りに進めた:官能試験員には、各試料の3通りを、単一評価法及びバランスの取れた順序で提示された。評価中、パネリストは、スプーン一杯の試料を採り、嚥下点まで試料を口で操作し、試料を吐き出し、唾液を飲みこみ、以下の風味の知覚強度を評価するように指示された。官能試験員は、以下の属性に関して試料を評価した:i)全体的に風味強度-試料の全風味のインパクトを意味する、ii)全体的に原料風味強度-原料によって寄与される風味の知覚強度を意味する、iii)白色紙風味強度-白色紙によって寄与される風味の知覚強度を意味する、iv)厚紙風味強度-褐色紙/厚紙によって寄与される風味の知覚強度を意味する、v)全体的に化学風味強度(溶媒、プラスチック/ビニル、塩素など)-任意の化学物質によって寄与される風味の知覚強度を意味する。官能試験員はまた、味がした化学風味を記載するように求められた。
【0089】
評価を、Compusense(登録商標)Cloudデータ取得ソフトウェアを通じて収集し、データを、XLSTAT(2016)データ分析ソフトウェアを使用して、統計的有意性及び統計的関連性について分析した。
【0090】
試料を、Ingredionのグローバルアプリケーションチームによって調製した。試料を、4オンスのプラスチックカップに蓋をして、40°Fで保管し、分配した。
【0091】
結果を、Sensory Space内にマッピングされた主成分分析(Principal Component Analysis、「PCA」)で報告した。PCAは、定量的変数を含む多次元データセットを調査及び描画する。Sensory Spaceは、変数間の相関の研究及び可視化を可能にする。それは、線形回帰、ロジスティック回帰、又は判別分析などのモデリング方法においてこれらの因子を使用するための初期変数の線形の組み合わせである非相関因子を得ること、並びに多次元空間における観察を可視化して、均一な又は非定型的な観察群を識別することを可能にする。
【0092】
描画されたSensory Spaceは、試料について観察された風味の相対強度をマッピングする。風味特性は、描画の外周に沿って配置される。試料が特性に近づくほど、その試料について風味特性が観察されたことがより強くなる。先行技術に見られるように、乾燥熱抑制されたワキシーコーンデンプンは、最も強力な厚紙及び穀物風味を有した。
【0093】
本技術は、以下の非限定的な態様に更に関連する。
【0094】
第1の態様では、本技術は、改善された熱抑制されたデンプンを開示する。
【0095】
第2の態様では、本技術は、約92超、又は約92~約96のHunter L値を有する、第1の態様に記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0096】
第3の態様では、本技術は、約50~約2000MVU、又は約50~約500MVU、又は約500~約1200MVU、又は約1200~約2000MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する、第1又は第2の態様に記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0097】
第4の態様では、本技術は、約50~約2000cP、又は約50~約500cP、又は約500~約1200cP、又は約1200~約2000cPの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0098】
第5の態様では、本技術は、約50~約500MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)、及び約91~約94のHunter L値を更に有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0099】
第6の態様では、本技術は、約500~約1000MVUの95℃~95℃+15までの粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)を更に有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0100】
第7の態様では、本技術は、約500~約1200MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を更に有し、約93~約95のHunter L値を有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0101】
第8の態様では、本技術は、95℃~95℃+15分まで、約200MVU未満で変化する粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)を更に有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0102】
第9の態様では、本技術は、約1200~約2000MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を更に有し、約94~約96のHunter L値を有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0103】
第10の態様では、本技術は、95℃~95℃+15分まで、約200MVU未満で変化する粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を更に有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0104】
第11の態様では、本技術は、約10~約50mL/gの沈降体積を有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0105】
第12の態様では、本技術は、熱抑制された粉砕植物材料を得るために、粉砕された植物材料を熱抑制することによって得られ、熱抑制されたデンプンが、熱抑制された粉砕植物材料中に存在している、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0106】
第13の態様では、本技術は、熱抑制及び分画された植物材料を得るために、粉砕及び分画された植物材料を熱抑制することによって得られ、熱抑制されたデンプンが、熱抑制された粉砕及び分画された植物材料中に存在している、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0107】
第14の態様では、本技術は、熱抑制の前に、粉砕及び分画された植物材料が、約95%(w/w)超のデンプン含有量を有する、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0108】
第15の態様では、本技術は、食品用デンプンから得られる、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0109】
第16の態様では、本技術は、コーン、ワキシーコーン、高アミロースコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、サゴ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンティルマメ、及びソラマメからなる群から得られている、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0110】
第17の態様では、本技術は、アルコールを実質的に含まない、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0111】
第18の態様では、本技術は、乾燥プロセスにおいて、熱抑制され、脱水されている、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0112】
第19の態様では、本技術は、i)デンプンに緩衝剤及び酸を添加して、酸性pHを有するpH調整デンプンを得ることと、ii)乾燥プロセスにおいてpH調整を脱水して、脱水されたpH調整デンプンを得ることと、iii)乾燥プロセスにおいて脱水されたpH調整デンプンを熱抑制することと、を含む、プロセスによって作製される、前述の態様のいずれか1つに記載の熱抑制されたデンプンに関する。
【0113】
第20の態様では、本技術は、緩衝剤がデンプンの5重量%未満の量である、第19の態様に記載のプロセスによって作製される熱抑制されたデンプンに関する。
【0114】
第21の態様では、本技術は、緩衝剤が、クエン酸塩緩衝剤である、第19又は第20の態様のプロセスから作製される熱抑制されたデンプンに関する。
【0115】
第22の態様では、本技術は、工程i)中、デンプンのpHが、約4~約6未満、又は約4.5~約5.5に調整される、第19~第21の態様のいずれか1つに記載のプロセスから作製される熱抑制されたデンプンに関する。
【0116】
第23の態様では、本技術は、工程i)におけるデンプンに対するpH調整が、水性デンプンスラリー中で生じ、デンプンスラリーが、デンプン、緩衝剤、及び酸を含み、デンプンスラリーが、約4~約6未満、又は約4.5~約5.5のpHを有する、第19~第22の態様のいずれか1つに記載のプロセスによって作製された熱抑制されたデンプンに関する。
【0117】
第24の態様では、本技術は、工程iii)中、脱水されたpH調整デンプンが、アルコールを実質的に含まない、第19~第23の態様のいずれか1つに記載のプロセスによって作製された熱抑制されたデンプンに関する。
【0118】
第25の態様では、本技術は、工程ii)中、pH調整デンプンが、アルコールを実質的に含まない、第19~第24の態様のいずれか1つに記載のプロセスによって作製された熱抑制されたデンプンに関する。
【0119】
第26の態様では、本技術は、工業製品、化粧品、家庭用製品、及び食用製品における前述の態様のいずれか1つに記述されるような、熱抑制されたデンプンの使用に関する。
【0120】
第27の態様では、本技術は、第1~第25の態様のいずれか1つに記述されるような熱抑制されたデンプン、及び第2の食用成分を含む食用組成物に関する。
【0121】
第28の態様では、本技術は、医薬組成物、栄養補助組成物、非栄養組成物、又は食品組成物からなる群から選択される、第27の態様の食用組成物に関する。
【0122】
第29の態様では、本技術は、食品組成物である、第27又は第28に記載の態様の食用組成物に関する。
【0123】
第30の態様では、本技術は、ソース、グレービー、ドレッシング、乳製品、ヨーグルト、焼成品、レトルト製品、及びスープからなる群から選択される、食品組成物である、第27~第29の態様のいずれか1つに記載の食用組成物に関する。
【0124】
第31の態様では、本技術は、ソース、グレービー、ドレッシング、乳製品、ヨーグルト、レトルト製品、及びスープからなる群から選択され、デンプンが、組成物の約1重量%~約10重量%の量で使用される、第27~第30の態様のいずれか1つに記載の食用組成物に関する。
【0125】
第31の態様では、本技術は、焼成品が、焼成品の約25%~約50%のデンプンの総デンプン含有量を有し、熱抑制されたデンプンが、総デンプン(総デンプンの重量)の約25%~約100%を構成する、焼成品である、第27の態様に記載の食用組成物に関する。
【0126】
第32の態様では、本技術は、デンプンを提供することと、i)デンプンに緩衝剤及び酸を添加して、酸性pHを有するpH調整デンプンを得ることと、ii)pH調整デンプンを熱抑制することと、を含む、熱抑制されたデンプンを作製するための方法に関する。
【0127】
第33の態様では、本技術は、pH調整デンプンが約4~約6未満のpHを有する、第32の態様に記載の方法に関する。
【0128】
第34の態様では、本技術は、緩衝剤が、デンプンの約5%未満の量で添加される、第32又は第33の態様に記載の方法に関する。
【0129】
第35の態様では、本技術は、緩衝剤が、クエン酸塩緩衝剤である、第32~第34の態様のいずれか一項に記載の方法に関する。
【0130】
第36の態様では、本技術は、工程i)におけるpH調整が、水性スラリー中で生じ、水性スラリーが、酸、緩衝剤、及びデンプンを含み、水性スラリーがそれによって酸性pHを有する、第32~第35の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0131】
第37の態様では、本技術は、水性スラリーが、約4~約6未満、又は約4.5~約5.5のpHを有する、第32~第36の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0132】
第38の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、約0.05~約4時間、又は約0.33~約3.33時間、又は約1~約2時間の間、デンプンの糊化温度を上回る温度までデンプンを加熱することによって、工程ii)において熱抑制される、第32~第37の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0133】
第39の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、約120℃~約200℃の温度でpH調整デンプンを加熱することによって、工程ii)において熱抑制される、第32~第38の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0134】
第40の態様では、本技術は、工程ii)の前に、pH調整デンプンが、デンプンの約5重量%を下回る含水量まで脱水される、第32~第39の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0135】
第41の態様では、本技術は、工程ii)の前に、pH調整デンプンが、デンプンの糊化温度を下回る温度で脱水される、第32~第40の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0136】
第42の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、約0.05~約1.5時間、工程ii)において熱抑制される、第32~第41の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0137】
第43の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、約20~約40分間、約150℃~約170℃の温度で、工程ii)において熱抑制される、第32~第42の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0138】
第44の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、約30~約50分間、約160℃~約180℃の温度で、工程ii)において熱抑制される、第32~第43の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0139】
第45の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、約45~約60分、約160℃~約180℃の温度で、工程ii)において熱抑制される、第32~第44の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0140】
第46の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、乾燥プロセスにおいて、脱水及び熱抑制される、第32~第45の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0141】
第47の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、空気中又は真空中で、脱水及び熱抑制される、第32~第46の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0142】
第48の態様では、本技術は、デンプンが粉砕植物材料又は粉砕及び分画された植物材料として提供される、第32~第47の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0143】
第49の態様では、本技術は、デンプンが、約95重量%超のデンプンのデンプン含有量を有する粉砕及び分画された植物材料として提供される、第32~第49の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0144】
第50の態様では、本技術は、デンプンが、食品用デンプンとして提供される、第32~第49の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0145】
第51の態様では、本技術は、工程ii)の熱抑制中に、pH調整デンプンが、実質的にアルコールを含まない、第32~第50の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0146】
第52の態様では、本技術は、工程ii)の熱抑制の前に、pH調整デンプンが、脱水され、脱水中に、pH調整デンプンが、実質的にアルコールを含まない、第32~第51の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0147】
第53の態様では、本技術は、実質的にアルコールを含まない熱抑制されたデンプンを作製する、第32~第52の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0148】
第54の態様では、本技術は、工程i)の前、又は工程ii)の後、又はその両方で、デンプンを洗浄することを更に含む、第32~第53の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0149】
第55の態様では、本技術は、バッチプロセス、連続状プロセス、連続プロセス、及びこれらの組み合わせのうちの1つで実行される、第32~第54の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0150】
第56の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、流動床反応器において熱抑制される、第32~第55の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0151】
第57の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、連続プロセスにおいて熱抑制され、任意選択的に、連続プロセスが、約10~約25分間続く、第32~第56の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0152】
第58の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、VOMM反応器において熱抑制される、第32~第57の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0153】
第59の態様では、本技術は、デンプンが、単一の装置において、脱水及び熱抑制される、第32~第59の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0154】
第60の態様では、本技術は、デンプンが、異なる装置において、脱水及び熱抑制される、第32~第59の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0155】
第61の態様では、本技術は、熱抑制されたデンプンが、約92超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95、又は約93~約95、又は約94~約95、又は約95のHunter L値を有する、第32~第60の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0156】
第62の態様では、本技術は、方法が、約中性以上のpHで作製された試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約2又は少なくとも約3のHunter L値分、熱抑制されたデンプンの白色度値を改善する、第32~第61の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0157】
第63の態様では、本技術は、方法が、約中性以上のpHでの試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約3、又は少なくとも約4、又は少なくとも約5のHunter L値分、未洗浄の熱抑制されたデンプンの白色度値を改善する、第32~第62の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0158】
第64の態様では、本技術は、工程(i)中、デンプンが、酸性スラリー中に約0.5~約24時間浸漬される、第32~第63の態様のいずれか1つに記載のデンプンの方法に関する。
【0159】
第65の態様では、本技術は、熱抑制されたデンプンを調製する方法であって、a)デンプンスラリーを得る工程と、(b)任意選択的に、デンプンスラリーのpHをpH調整して、デンプンの天然pHと実質的に同等のpHを有するデンプンを得る工程と、(c)デンプンスラリーに緩衝剤を添加し、数分間超浸漬して、緩衝化デンプンを得る工程と、(d)スラリーのpHを4.0超~6.0未満に調整し、スラリー中にデンプンを浸漬し、必要な場合、スラリーのpHが約4.0超~約6.0未満に安定化するまで、スラリーのpHを調整し続けて、pH調整デンプンを得る工程と、(e)pH調整デンプンを脱水して、得る工程と、(f)乾燥デンプンを熱抑制して、熱抑制されたデンプンを得る工程と、を含む、方法に関する。
【0160】
第66の態様では、本技術は、工程(b)において、デンプンが、任意選択的に、約0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間、pH調整されたスラリー中にデンプンを浸漬することによって約5.5~約6.5のpHに調整され、デンプンスラリーが、任意選択的に、塩基又は酸の添加によってpH調整される、第65の態様の方法に関する。
【0161】
第67の態様では、本技術は、工程(a)の前に、約5未満のpHを有するデンプンを得ることを更に含み、工程(b)のpH調整が、デンプンスラリーに塩基を添加することによって達成され、塩基が、任意選択的に、水酸化ナトリウムである、第65又は第66の態様の方法に関する。
【0162】
第68の態様では、本技術は、デンプンが、工程(b)において、約0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間浸漬される、第65~第67の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0163】
第69の態様では、本技術は、工程(d)が、任意選択的に、塩酸を使用して、スラリーのpHをより低いpHに調整する、第65~第68の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0164】
第70の態様では、本技術は、デンプンが、工程(d)において、約0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間浸漬される、第65~第69の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0165】
第71の態様では、本技術は、緩衝剤が、クエン酸塩緩衝剤、又は炭酸塩緩衝剤のいずれかである、第65~第70の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0166】
第72の態様では、本技術は、工程(d)において、デンプンが、約4超~約5.5、又は約4超~約5.4、又は約4超~約5.3、又は約4超~約5.2、又は約4超~約5.1、又は約4超~約5、又は約4超~約4.9、又は約4超~約4.8、又は約4超~約4.7、又は約4超~約4.6、又は約4超~約4.5、又は約4.1~約4.6、又は約4.2~約4.7、又は約4.3~約4.8、又は約4.5~約5.5、又は約4.4~約5.5、又は約4.3~約5.5、又は約4.2~約5.5、又は約4.1~約5.5、又は約4.6~約5.4、又は約4.8~約5.3、又は約4.8~約5.2のpHに調整される、第65~第71の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0167】
第73の態様では、本技術は、工程(e)において、デンプンが、デンプンの約5重量%、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満、又は約1重量%未満、又は約0重量%の含水量の含水量まで脱水されるか、若しくは約0重量%~約6重量%、又は約0重量%~約3重量%、又は約0重量%~約2重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約4重量%、又は約1重量%及び約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1重量%~約0重量%の含水量まで脱水される、第65~第72の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0168】
第74の態様では、本技術は、工程(e)において、デンプンが、デンプンの糊化温度を下回る温度で脱水される、第65~第73の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0169】
第75の態様では、本技術は、デンプンが、工程(f)において、約0.05~約4時間、又は約0.1~約4時間、又は約0.2~約4時間、又は約0.2~約3時間、又は約0.2~約2時間、又は約0.2~約1.5時間、又は約0.25~約1.5時間、又は約0.3~約1.5時間、又は約0.35~約1.5時間、又は約0.4~約1.5時間、又は約0.45~約1.5時間、又は約0.5~約1.5時間、又は約0.5~約1時間、又は約0.5~約0.9時間、又は約0.5~約0.8時間、又は約0.5~約0.7時間、又は約0.5~約0.6時間、約0.1時間、又は約0.2時間、又は約0.3時間、又は約0.4時間、又は約0.5時間、又は約0.6時間、又は約0.7時間、又は約0.8時間、又は約0.9時間、又は約1時間、デンプンの糊化を上回る温度に加熱される、第65~第74の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0170】
第76の態様では、本技術は、デンプンが、工程(f)において、約120℃~約200℃、又は約120℃~約190℃、又は約120℃~約180℃、又は約130℃~約170℃、又は約135℃~約165℃、又は約140℃~約165℃、又は約145℃~約165℃、又は約150℃~約165℃、又は約155℃~約165℃の温度で熱抑制される、第65~第75の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。任意の実施形態では、デンプンが、約155℃~約165℃の温度に加熱される。
【0171】
第77の態様では、本技術は、デンプンが、工程(f)において、150℃~170℃の温度で20~40分間、又は160℃~180℃の温度で30~50分間、又は160℃~180℃の温度で45及び60分間、熱抑制される、第65~第76の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0172】
第78の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、乾燥プロセス、及び任意選択的に、空気中又は真空中で、脱水及び熱抑制される、第65~第77の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0173】
第79の態様では、本技術は、熱抑制されたデンプンが、実質的にアルコールを含まず、任意選択的に、工程(a)~(f)の各工程において実質的にアルコールを含まない、第65~第78の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0174】
第80の態様では、本技術は、工程(a)の前、又は工程(f)の後、又はその両方で、デンプンを洗浄することを更に含む、第65~第79の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0175】
第81の態様では、本技術は、方法が、バッチプロセス、連続状プロセス、連続プロセス、及びこれらの組み合わせのうちの1つで実行される、第65~第80の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0176】
第82の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、流動床反応器、又は機械的ミキサにおいて熱抑制される、第65~第82の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0177】
第83の態様では、本技術は、pH調整デンプンが、連続プロセスにおいて、又は任意選択的に、VOMM反応器内で、又は任意選択的に、約10分~約25分間熱抑制される、第65~第82の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0178】
第84の態様では、本技術は、デンプンが、1つ以上の装置において、脱水及び熱抑制される、第65~第83の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0179】
第85の態様では、本技術は、熱抑制が、約92超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95、又は約93~約95、又は約94~約95、又は約95のHunter L値を有する、第65~第84の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0180】
第86の態様では、本技術は、方法が、約中性以上のpHで作製された試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約2又は少なくとも約3のHunter L値分、熱抑制されたデンプンの白色度値を改善する、第65~第85の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0181】
第87の態様では、本技術は、方法が、約中性以上のpHで、試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約3、又は少なくとも約4、又は少なくとも約5のHunter L値分、未洗浄の熱抑制されたデンプンの白色度値を改善する、第65~第86の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0182】
第88の態様では、本技術は、デンプンのタンパク質レベルが、1%(w/w)未満であるか、又は0.5%未満であるか、又は0.3%未満である、第65~第87の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0183】
第89の態様では、本技術は、熱抑制が、約20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満、又は約5%未満、又は本質的に0%の可溶性デンプン含有量を有する、第65~第88の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0184】
第90の態様では、本技術は、方法から得られるデンプンが、最大約2000MVU、又は約50及び約2000MVU、又は約500MVU未満、又は約50~約500、又は約100~約500MVU、又は約100~約400MVU、又は約100~約300MVU、又は約100~約200MVU、又は約500~約1200MVU、又は約600~約1200MVU、又は約700~約1200MVU、又は約800~約1200MVU、又は約900~約1200MVU、又は約1000~約1200MVU、又は約1200~約2000MVU、又は約1300~約2000MVU、又は約1400~約2000MVU、又は約1500~約2000MVU、又は約1600~約2000MVU、又は約1700~約2000MVU、又は約1800~約2000MVUのピーク高温粘度を有する、第65~第89の態様のいずれか1つに記載の方法に関する。
【0185】
第91の態様では、本技術は、前述のプロセスのいずれかに従って作製されるデンプンに関する。
【0186】
第92の態様では、本技術は、工業製品、化粧品、家庭用製品、及び食用製品からなる群における、第91の態様に記載のデンプンの使用に関する。
【0187】
第93の態様では、本技術は、第91の態様に記載のデンプンと、第2の成分と、を含む組成物に関する。
【0188】
本技術の様々な実施形態及び態様の記述は、例示的であり、限定するものではない。本明細書に具体的に記述されない技術の他の実施形態及び態様は、当業者の技能の範囲内であり、したがって、少なくとも以下の理由により、文字通り又は同等のいずれかの特許請求の範囲に包含される。
【0189】
数字を修飾するための「約」の使用は、プラス又はマイナス10%を記述した数を含むことを意味する。請求項における値の法的に許容される記述は、概ねその値を意味する。特許請求の範囲、又は明細書における約の使用は、対象にする等価物の全範囲を制限することを意図するものではない。
【0190】
「約中性pH」の使用は、約6.5~約7.5のpH範囲を含むことを意味する。
【0191】
不定冠詞「a」又は定冠詞「the」の記述は、文脈が別様に明確に規定しない限り、1つ以上を意味することを意味する。
【0192】
ある実施形態が、例示及び記載される一方で、当業者であれば、前述の明細書を読んだ後、変更、等価物の置換、及び他の種類の変更を方法にもたらすことができ、本技術のデンプンは、食品組成物、栄養補助組成物、又は医薬組成物、工業組成物、家庭用組成物、及び化粧品組成物における、かかるデンプンの使用を含む。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような、かかる変形形態又は態様を含むか、又はそれらに組み込まれることができる。
【0193】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載される態様に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正及び変更は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、当然のことながら、変化し得る、方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物学的系に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で使用される用語は、態様の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。それゆえ、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義、及びそれらの任意の等価物のみによって示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨のみの例示として見なされることが意図される。本明細書中の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0194】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(1つ又は複数)、限定(1つ又は複数)のない状況で好適に実践され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。追加的に、「から本質的になる」という句は、具体的に記述されたそれらの要素、並びに特許請求される技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0195】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に含まれるより狭い種及び下位集団の各々はまた、その技術の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記述されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は否定的な制限を有する技術の概念の記載を含む。
【0196】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。いかなる列記された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されている同じ範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」などの言語は全て、記述された数を含み、後に上で考察される部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各々の個々の部材を含み、各別個の値は、本明細書において個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0197】
本明細書において参照される全ての刊行物、特許出願、交付済み特許、及び他の文書(例えば、ジャーナル、記事、及び/又は教科書)は、それぞれの個々の刊行物、特許出願、発行特許、又は他の文書が、その全体が引用することで本明細書の一部をなすことが具体的、かつ個別に示されているかのように、引用することで本明細書の一部をなす。引用することで組み込まれた本文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲内で除外される。
【0198】
他の実施形態は、かかる特許請求の範囲が権利となる等価物の全範囲とともに記載される。
本開示は以下も包含する。
[1] 改善された熱抑制されたデンプン。
[2] 約92超、又は約92~約96のHunter L値を有する、態様1に記載の熱抑制されたデンプン。
[3] 約50~約2000MVU、又は約50~より約500MVU、又は約500~約1200MVU、又は約1200~約2000MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する、態様1又は2に記載の熱抑制されたデンプン。
[4] 約50~約2000cP、又は約50~約500cP、又は約500~約1200cP、又は約1200~約2000cPの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有する、態様1~3のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[5] 約50~約500MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)、及び少なくとも約91、又は約91~約94のHunter L値を有する、態様1~4のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[6] 約500~約1000MVUの95℃~95℃+15までの粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)を更に有する、態様1~5のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[7] 約500~約1200MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有し、約93~約95のHunter L値を有する、態様1~6のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[8] 95℃~95℃+15分まで、約200MVU未満で変化する粘度(6%固形分、及びpH3におけるスラリー)を更に有する、態様1~7のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[9] 約1200~約2000MVUの高温ピーク粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を有し、約94~約96のHunter L値を有する、態様1~8のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[10] 95℃~95℃+15分まで、約200MVU未満で変化する粘度(6%固形分、及びpH6におけるスラリー)を更に有する、態様1~9のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[11] 約10~約50mL/gの沈降体積を有する、態様1~10のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[12] 熱抑制された粉砕植物材料を得るために、粉砕された植物材料を熱抑制することによって得られ、前記熱抑制されたデンプンが、前記熱抑制された粉砕植物材料中に存在している、態様1~11のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[13] 熱抑制及び分画された植物材料を得るために、粉砕及び分画された植物材料を熱抑制することによって得られ、前記熱抑制されたデンプンが、前記熱抑制された粉砕及び分画された植物材料中に存在している、態様1~12のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[14] 熱抑制の前に、前記粉砕及び分画された植物材料が、95%(w/w)超のデンプン含有量を有する、態様1~13のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[15] 食品用デンプンから得られている、態様1~14のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[16] コーン、ワキシーコーン、高アミロースコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、サゴ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンティルマメ、及びソラマメからなる群から得られている、態様1~15のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[17] アルコールを実質的に含まない、態様1~16のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[18] 乾燥プロセスにおいて熱抑制され、脱水されている、態様1~17のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[19] i)デンプンに緩衝剤及び酸を添加して、酸性pHを有するpH調整デンプンを得ることと、ii)乾燥プロセスにおいて前記pH調整を脱水して、脱水されたpH調整デンプンを得ることと、iii)乾燥プロセスにおいて前記脱水されたpH調整デンプンを熱抑制することと、を含む、プロセスによって作製される、態様1~18のいずれか一項に記載の熱抑制されたデンプン。
[20] 前記緩衝剤が、前記デンプンの約5重量%未満の量である、態様19に記載のプロセスによって作製される、熱抑制されたデンプン。
[21] 前記緩衝剤が、クエン酸塩緩衝剤である、態様19又は20に記載のプロセスによって作製される、熱抑制されたデンプン。
[22] 工程i)中、前記デンプンのpHが、約4~約6未満、又は約4.5~約5.5に調整される、態様19~21のいずれか一項に記載のプロセスによって作製される、熱抑制されたデンプン。
[23] 工程i)における前記デンプンに対する前記pH調整が、水性デンプンスラリー中で生じ、前記デンプンスラリーが、前記デンプン、前記緩衝剤、及び前記酸を含み、前記デンプンスラリーが、約4~約6未満、又は約4.5~約5.5のpHを有する、態様19~22のいずれか一項に記載のプロセスによって作製される、熱抑制されたデンプン。
[24] 工程iii)中、前記脱水されたpH調整デンプンが、アルコールを実質的に含まない、態様19~23のいずれか一項に記載のプロセスによって作製される、熱抑制されたデンプン。
[25] 工程ii)中、前記pH調整デンプンが、アルコールを実質的に含まない、態様19~24のいずれか一項に記載のプロセスによって作製される、熱抑制されたデンプン。
[26] 工業製品、化粧品製品、家庭用製品、及び食用製品における、態様1~25のいずれか一項に記述されるような、熱抑制されたデンプンの使用。
[27] 態様1~25のいずれか一項に記述されるような前記熱抑制されたデンプンと、第2の食用成分と、を含む、食用組成物。
[28] 医薬組成物、栄養補助組成物、非栄養組成物、又は食品組成物からなる群から選択される、態様27に記載の食用組成物。
[28] 食品組成物である、態様27に記載の食用組成物。
[29] ソース、グレービー、ドレッシング、乳製品、ヨーグルト、焼成品、レトルト製品、及びスープからなる群から選択される、食品組成物である、態様27に記載の食用組成物。
[30] ソース、グレービー、ドレッシング、乳製品、ヨーグルト、レトルト製品、及びスープからなる群から選択され、前記デンプンが、前記組成物の約1重量%~約10重量%の量で使用される、態様27に記載の食用組成物。
[31] 焼成品が、前記焼成品の約25%~約50%のデンプンの総デンプン含有量を有し、前記熱抑制されたデンプンが、前記総デンプン(前記総デンプンの重量)の約25%~約100%を構成する、前記焼成品である、態様27に記載の食用組成物。
[32] 熱抑制されたデンプンを作製するための方法であって、デンプンを提供することと、i)前記デンプンに緩衝剤及び酸を添加して、酸性pHを有するpH調整デンプンを得ることと、ii)前記pH調整デンプンを熱抑制することと、を含む、方法。
[33] 前記pH調整デンプンが、約4~約6未満のpHを有する、態様32に記載の方法。
[34] 前記緩衝剤が、前記デンプンの5%未満の量で添加される、態様32又は33に記載の方法。
[35] 前記緩衝剤が、クエン酸塩緩衝剤である、態様32~34のいずれか一項に記載の方法。
[36] 工程i)における前記pH調整が、水性スラリー中で生じ、前記水性スラリーが、前記酸、前記緩衝剤、及び前記デンプンを含み、前記水性スラリーがそれによって酸性pHを有する、態様32~35のいずれか一項に記載の方法。
[37] 工程i)における前記pH調整が、約4~約6未満のpHを有する水性スラリー中で生じる、態様32~36のいずれか一項に記載の方法。
[38] 前記pH調整デンプンが、約0.05~約4時間、又は約0.33~約3.33時間、又は約1~約2時間の間、前記デンプンの糊化温度を上回る温度まで前記デンプンを加熱することによって、工程ii)において熱抑制される、態様32~37のいずれか一項に記載の方法。
[39] 前記pH調整デンプンが、約120℃~約200℃の温度で前記pH調整デンプンを加熱することによって、工程ii)において熱抑制される、態様32~38のいずれか一項に記載の方法。
[40] 工程ii)の前に、前記pH調整デンプンが、前記デンプンの約5重量%を下回る含水量まで脱水される、態様32~39のいずれか一項に記載の方法。
[41] 工程ii)の前に、前記pH調整デンプンが、前記デンプンの糊化温度を下回る温度で脱水される、態様32~40のいずれか一項に記載の方法。
[42] 前記pH調整デンプンが、約0.05~約1.5時間、工程ii)において熱抑制される、態様32~41のいずれか一項に記載の方法。
[43] 前記pH調整デンプンが、約20~約40分間、約150℃~約170℃の温度で、工程ii)において熱抑制される、態様32~42のいずれか一項に記載の方法。
[44] 前記pH調整デンプンが、約30~約50分間、160℃~180℃の温度で、工程ii)において熱抑制される、態様32~43のいずれか一項に記載の方法。
[45] 前記pH調整デンプンが、約45~約60分間、160℃~180℃の温度で、工程ii)において熱抑制される、態様32~44のいずれか一項に記載の方法。
[46] 前記pH調整デンプンが、乾燥プロセスにおいて、脱水及び熱抑制される、態様32~45のいずれか一項に記載の方法。
[47] 前記pH調整デンプンが、空気中又は真空中で、脱水及び熱抑制される、態様32~46のいずれか一項に記載の方法。
[48] 前記デンプンが、粉砕植物材料又は粉砕及び分画された植物材料として提供される、態様32~47のいずれか一項に記載の方法。
[49] 前記デンプンが、約95重量%超のデンプンのデンプン含有量を有する粉砕及び分画された植物材料として提供される、態様32~48のいずれか一項に記載の方法。
[50] 前記デンプンが、食品用デンプンとして提供される、態様32~49のいずれか一項に記載の方法。
[51] 工程ii)の前記熱抑制中に、前記pH調整デンプンが、実質的にアルコールを含まない、態様32~50のいずれか一項に記載の方法。
[52] 工程ii)の前記熱抑制の前に、前記pH調整デンプンが、脱水され、脱水中に、前記pH調整デンプンが、実質的にアルコールを含まない、態様32~51のいずれか一項に記載の方法。
[53] 実質的にアルコールを含まない熱抑制されたデンプンを作製する、態様32~52のいずれか一項に記載の方法。
[54] 工程i)の前、又は工程ii)の後、又はその両方で前記デンプンを洗浄することを更に含む、態様32~49のいずれか一項に記載の方法。
[55] 前記方法が、バッチプロセス、連続状プロセス、連続プロセス、及びこれらの組み合わせのうちの1つで実行される、態様32~54のいずれか一項に記載の方法。
[56] 前記pH調整デンプンが、流動床反応器において熱抑制される、態様32~55のいずれか一項に記載の方法。
[57] 前記pH調整デンプンが、連続プロセスで熱抑制され、任意選択的に、前記連続プロセスが、約10~約25分間続く、態様32~56のいずれか一項に記載の方法。
[58] 前記pH調整デンプンが、VOMM反応器において、熱抑制される、態様32~57のいずれか一項に記載の方法。
[59] 前記デンプンが、単一の装置において、脱水及び熱抑制される、態様32~58のいずれか一項に記載の方法。
[60] 前記デンプンが、異なる装置において、脱水及び熱抑制される、態様32~59のいずれか一項に記載の方法。
[61] 前記熱抑制されたデンプンが、約92超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95、又は約93~約95、又は約94~約95、又は約95のHunter L値を有する、態様32~60のいずれか一項に記載の方法。
[62] 前記方法が、約中性以上のpHで作製された試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約2又は少なくとも約3のHunter L値分、熱抑制されたデンプンの白色度値を改善する、態様32~61のいずれか一項に記載の方法。
[63] 前記方法が、約中性以上のpHでの試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約3、又は少なくとも約4、又は少なくとも約5のHunter L値分、未洗浄の熱抑制されたデンプンの白色度値を改善する、態様32~62のいずれか一項に記載の方法。
[64] 工程(i)中、前記デンプンが、酸性スラリー中に約0.5~約24時間浸漬される、第32~第63の態様のいずれか1つに記載のデンプンの方法。
[65] 熱抑制されたデンプンを調製する方法であって、a)デンプンスラリーを得る工程と、(b)任意選択的に、前記デンプンスラリーのpHをpH調整して、デンプンの天然pHと実質的に同等のpHを有するデンプンを得る工程と、(c)前記デンプンスラリーに緩衝剤を添加し、数分間超浸漬して、緩衝化デンプンを得る工程と、(d)前記スラリーの前記pHを約4.0超~約6.0未満に調整し、スラリー中に前記デンプンを浸漬し、必要な場合、前記スラリーのpHが約4.0超~約6.0未満に安定化するまで、前記スラリーの前記pHを調整し続けて、pH調整デンプンを得る工程と、(e)前記pH調整デンプンを脱水して、得る工程と、(f)乾燥デンプンを熱抑制して、熱抑制されたデンプンを得る工程と、を含む、方法。
[66] 前記工程(b)において、前記デンプンが、任意選択的に、約0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間、pH調整されたスラリー中に前記デンプンを浸漬することによって約5.5~約6.5のpHに調整され、前記デンプンスラリーが、任意選択的に、塩基又は酸の添加によってpH調整される、態様65に記載の方法。
[67] 工程(a)の前に、約5未満のpHを有するデンプンを得ることを更に含み、工程(b)の前記pH調整が、前記デンプンスラリーに塩基を添加することによって達成され、前記塩基が、任意選択的に、水酸化ナトリウムである、態様65又は66に記載の方法。
[68] 前記デンプンが、工程(b)において、0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間浸漬される、態様65~67のいずれか一項に記載の方法。
[69] 工程(d)が、任意選択的に、塩酸を使用して、前記スラリーの前記pHをより低いpHに調整する、態様65~68のいずれか一項に記載の方法。
[70] 前記デンプンが、工程(d)において、約0.25~約24時間、又は約0.3時間~約12時間、又は約0.5~約8時間浸漬される、態様65~69のいずれか一項に記載の方法。
[71] 前記緩衝剤が、クエン酸塩緩衝剤又は炭酸塩緩衝剤のいずれかである、態様65~70のいずれか一項に記載の方法。
[72] 工程(d)において、前記デンプンが、約4超~約5.5、又は約4超~約5.4、又は約4超~約5.3、又は約4超~約5.2、又は約4超~約5.1、又は約4超~約5、又は約4超~約4.9、又は約4超~約4.8、又は約4超~約4.7、又は約4超~約4.6、又は約4超~約4.5、又は約4.1~約4.6、又は約4.2~約4.7、又は約4.3~約4.8、又は約4.5~約5.5、又は約4.4~約5.5、又は約4.3~約5.5、又は約4.2~約5.5、又は約4.1~約5.5、又は約4.6~約5.4、又は約4.8~約5.3、又は約4.8~約5.2のpHに調整される、態様65~71のいずれか一項に記載の方法。
[73] 工程(e)において、前記デンプンが、前記デンプンの約5重量%、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満、又は約1重量%未満、又は約0重量%の含水量まで脱水され、若しくは約0重量%~約6重量%、又は約0重量%~約3重量%、又は約0重量%~約2重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約4重量%、又は約1重量%及び約3重量%、又は約1重量%~約2重量%、又は約1重量%~約0重量%の含水量まで脱水される、態様65~72のいずれか一項に記載の方法。
[74] 工程(e)において、デンプンが、前記デンプンの糊化温度を下回る温度で脱水される、態様65~73のいずれか一項に記載の方法。
[75] 前記デンプンが、工程(f)において、約0.05~約4時間、又は約0.1~約4時間、又は約0.2~約4時間、又は約0.2~約3時間、又は約0.2~約2時間、又は約0.2~約1.5時間、又は約0.25~約1.5時間、又は約0.3~約1.5時間、又は約0.35~約1.5時間、又は約0.4~約1.5時間、又は約0.45~約1.5時間、又は約0.5~約1.5時間、又は約0.5~約1時間、又は約0.5~約0.9時間、又は約0.5~約0.8時間、又は約0.5~約0.7時間、又は約0.5~約0.6時間、約0.1時間、又は約0.2時間、又は約0.3時間、又は約0.4時間、又は約0.5時間、又は約0.6時間、又は約0.7時間、又は約0.8時間、又は約0.9時間、又は約1時間、前記デンプンの糊化を上回る温度に加熱される、態様65~74のいずれか一項に記載の方法。
[76] 前記デンプンが、工程(f)において、約120℃~約200℃、又は約120℃~約190℃、又は約120℃~約180℃、又は約130℃~約170℃、又は約135℃~約165℃、又は約140℃~約165℃、又は約145℃~約165℃、又は約150℃~約165℃、又は約155℃~約165℃の温度で熱抑制される、態様65~75のいずれか一項に記載の方法。任意の実施形態では、デンプンが、約155℃~約165℃の温度に加熱される。
[77] 前記デンプンが、工程(f)において、150℃~170℃の温度で20~40分間、又は160℃~180℃の温度で30~50分間、又は160℃~180℃の温度で45及び60分間、熱抑制される、態様65~76のいずれか一項に記載の方法。
[78] 前記pH調整デンプンが、乾燥プロセス、及び任意選択的に、空気中又は真空中で、脱水及び熱抑制される、態様65~77のいずれか一項に記載の方法。
[79] 前記熱抑制されたデンプンが、実質的にアルコールを含まず、任意選択的に、工程(a)~(f)の各工程において実質的にアルコールを含まない、態様65~78のいずれか一項に記載の方法。
[80] 工程(a)の前、又は工程(f)の後、又はその両方で前記デンプンを洗浄することを更に含む、態様65~79のいずれか一項に記載の方法。
[81] 前記方法が、バッチプロセス、連続状プロセス、連続プロセス、及びこれらの組み合わせのうちの1つで実行される、態様65~80のいずれか一項に記載の方法。
[82] 前記pH調整デンプンが、流動床反応器、又は機械的ミキサにおいて熱抑制される、態様65~81のいずれか一項に記載の方法。
[83] 前記pH調整デンプンが、連続プロセスにおいて、及び任意選択的に、VOMM反応器において、並びに任意選択的に、約10~約25分間熱抑制される、態様65~82のいずれか一項に記載の方法。
[84] 前記デンプンが、1つ以上の装置において脱水及び熱抑制される、態様65~83のいずれか一項に記載の方法。
[85] 得られた前記デンプンが、約92超、又は92超、又は93超、又は94超、又は95超、又は約92~約96、又は約92~約95、又は約93~約95、又は約94~約95、又は約95のHunter L値を有する、態様65~84のいずれか一項に記載の方法。
[86] 得られた前記デンプンが、約中性以上のpHで作製された試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約2又は少なくとも約3のHunter L値分、熱抑制されたデンプンの白色度値を有する、態様65~85のいずれか一項に記載の方法。
[87] 得られた前記デンプンが、約中性以上のpHで、試験用熱抑制されたデンプンと比較して、少なくとも約3、又は少なくとも約4、又は少なくとも約5のHunter L値分、未洗浄の熱抑制されたデンプンの白色度値を有する、態様65~86のいずれか一項に記載の方法。
[88] 前記デンプンのタンパク質レベルが、約1%(w/w)未満であるか、又は約0.5%未満であるか、又は約0.3%未満である、態様65~87のいずれか一項に記載の方法。
[89] 前記熱抑制が、約20%未満、又は約15%未満、又は約10%未満、又は約5%未満、又は本質的に0%の可溶性デンプン含有量を有する、態様65~88のいずれか一項に記載の方法。
[90] 前記方法から得られる前記デンプンが、最大約2000MVU、又は約50及び約2000MVU、又は約500MVU未満、又は約50~約500、又は約100~約500MVU、又は約100~約400MVU、又は約100~約300MVU、又は約100~約200MVU、又は約500~約1200MVU、又は約600~約1200MVU、又は約700~約1200MVU、又は約800~約1200MVU、又は約900~約1200MVU、又は約1000~約1200MVU、又は約1200~約2000MVU、又は約1300~約2000MVU、又は約1400~約2000MVU、又は約1500~約2000MVU、又は約1600~約2000MVU、又は約1700~約2000MVU、又は約1800~約2000MVUのピーク高温粘度を有する、態様65~89のいずれか一項に記載の方法。
[91] 態様32~90のいずれか一項に記載のプロセスのいずれかに従って作製されたデンプン。
[92] 工業製品、化粧品製品、家庭用製品、及び食用製品からなる群における、第91の態様に記載のデンプンの使用。
[93] 第91の態様に記載のデンプンと、第2の成分と、を含む、組成物。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5