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特許7650880装飾用パネルおよび当該パネルからなる装飾用床カバー材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-14
(45)【発行日】2025-03-25
(54)【発明の名称】装飾用パネルおよび当該パネルからなる装飾用床カバー材
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/08 20060101AFI20250317BHJP
   B32B 13/04 20060101ALI20250317BHJP
   B32B 3/02 20060101ALI20250317BHJP
   B32B 33/00 20060101ALI20250317BHJP
   E04F 13/14 20060101ALI20250317BHJP
【FI】
E04F15/08 F
B32B13/04
B32B3/02
B32B33/00
E04F15/08 A
E04F13/14 102D
E04F13/14 102A
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022526269
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2020081371
(87)【国際公開番号】W WO2021089835
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】2024192
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブーケ,エディ・アルベリック
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03456900(EP,A1)
【文献】実開昭61-121181(JP,U)
【文献】特開2001-058888(JP,A)
【文献】実開昭60-188719(JP,U)
【文献】特開2019-190272(JP,A)
【文献】特開2004-026597(JP,A)
【文献】登録実用新案第3016805(JP,U)
【文献】特開2018-016958(JP,A)
【文献】特開2010-065426(JP,A)
【文献】ALC(軽量気泡コンクリート),セラミックアーカイブス,2008年,https://www.ceramic.or.jp/museum/contents/pdf/2008_02_01.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
B32B 13/04
B32B 3/02
B32B 33/00
B32B 27/00
E04F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾用パネルであって、
上側部および下側部を有するコア層と、
前記コア層の上側部に直接的または間接的に接続された、プリントされた装飾用上部層と、
第1連結外形を含む第1パネル側縁端と、
第2連結外形を含む第2パネル側縁端であって、前記第2連結外形が、水平方向および垂直方向の両方で、第2の同一のパネルの前記第1連結外形と相互に連結するように設計された、第2パネル側縁端と、を含み、
前記第1連結外形は、
-上向き舌部と、
-上向き舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの上向きフランクと、
-上向き舌部と上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、他の同一のパネルの前記第2連結外形の下向き舌部の少なくとも一部を受けるように適合された、上向き溝と、を含み、
前記第2連結外形は、
-第1下向き舌部と、
-下向き舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの第1下向きフランクと、
-下向き舌部と下向きフランクとの間に形成された第1下向き溝であって、他の同一のパネルの前記第1連結外形の上向き舌部の少なくとも一部を受けるように適合された、下向き溝と、を含み、
前記装飾用パネルは、
第3連結外形を含む第3パネル側縁端と、
第4連結外形を含む第4パネル側縁端であって、前記第4連結外形が、水平方向および垂直方向の両方で、他の同一のパネルの前記第3連結外形と相互に連結するように設計された、第4パネル側縁端と、をさらに含み、
前記第3連結外形は、
-前記装飾用パネルの上側部と略平行な方向に延在する側方の舌部と、
-前記側方の舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの第2下向きフランクと、
-前記側方の舌部と前記第2下向きフランクとの間に形成された第2下向き溝と、を含み、
前記第4連結外形は、
-第2の同一のパネルの前記第3連結外形の側方の舌部の少なくとも一部を収容するように構成された第3溝であって、上唇部および下唇部によって画定されており、前記下唇部に上向きロック要素が設けられている、第3溝を含み、
前記第3連結外形および前記第4連結外形とは、2つの同一のパネルの第3および第4連結外形が回転移動によって互いに連結できるように構成されており、この回転移動で、第1のパネルの側方の舌部の少なくとも一部が、他方の同一のパネルの第3溝に挿入されるとともに、前記他方のパネルの前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第1のパネルの前記第2下向き溝に挿入され、
前記コア層は、少なくとも1つの気泡コンクリート層を含み、当該気泡コンクリート層は、気泡としての空気ポケットが存在するコンクリート材料の基材からなる、装飾用パネル。
【請求項2】
平坦であり、4つの側縁端を含む矩形の外形を有する、請求項1に記載の装飾用パネル。
【請求項3】
第1および第2パネル側縁端は、パネルの対向する側縁端である、請求項1または2に記載の装飾用パネル。
【請求項4】
-気泡コンクリート中の気泡は、前記気泡コンクリートの総体積の60~85体積%を占めるか、または、
-前記気泡コンクリートの密度は、400~800kg/mの範囲内である、請求項1~3の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項5】
前記気泡は、主要な部分が独立気泡型である、請求項4に記載の装飾用パネル。
【請求項6】
気泡コンクリート中の気泡の主要な部分は、大きさが、毛細管作用によって水を吸収する程度に十分に小さい、請求項1~5の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項7】
前記気泡コンクリートは、前記コンクリート材料を高温かつ高圧下でオートクレーブすることによって得られたものである、請求項1~6の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項8】
前記コンクリート材料は、粒子状材料と、結合剤としてのセメントと、の混合物を含む、請求項1~7の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項9】
前記セメントは、トバモライト、すなわち、CaSi16(OH)・4HOおよび/またはCaSi(O,OH)18・5HO、等のケイ酸カルシウム水和物ミネラルである、請求項8に記載の装飾用パネル。
【請求項10】
前記粒子状材料は、砂、粉砕燃料灰、フライアッシュ、石灰、および/または酸化アルミニウム粉末を含む、請求項8または9に記載の装飾用パネル。
【請求項11】
前記粒子状材料は、セルロース系粒子を含む、請求項8~10の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項12】
前記セルロース系粒子の少なくとも一部が繊維によって形成されている、請求項11に記載の装飾用パネル。
【請求項13】
補強層が前記コア層に含まれている、請求項1~12の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項14】
前記コア層は、前記気泡コンクリートを、少なくとも50重量%含む、請求項1~13の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項15】
防水性層が、前記コア層と上部層との間に位置してる、請求項1~14の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項16】
上部層は、少なくとも1つの装飾層と、当該装飾層を覆う少なくとも1つの透明な摩耗層と、を含む、請求項1~15の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項17】
前記摩耗層は、100℃を超える融解温度を有る、請求項16に記載の装飾用パネル。
【請求項18】
前記コア層の前記下側部に付着させた支持層を含む、請求項1~17の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項19】
厚さが3~10mmである、請求項1~18の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項20】
前記コア層は、紡織繊維層、セルロース層、炭素繊維層、および/またはガラス繊維層等の、少なくとも1つの補強層を含む、請求項1~19の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項21】
前記コア層は、少なくとも2つの前記気泡コンクリート層を含み、少なくとも1つの補強層が、2つの前記気泡コンクリート層の間に位置している、請求項20に記載の装飾用パネル。
【請求項22】
各連結外形の少なくとも一部は、前記コア層と一体形成されている、請求項1~21の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項23】
前記装飾用上部層が、前記コア層の上側部の少なくとも一部のみを覆っている、請求項1~22の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項24】
上向き舌部の、上向きフランクの方を向く側部は、上向き舌部の内側部であり、上向き舌部の、上向きフランクとは反対側を向く側部は、上向き舌部の外側部であり、
下向き舌部の、下向きフランクの方を向く側部は、下向き舌部の内側部であり、下向き舌部の、下向きフランクとは反対側を向く側部は、下向き舌部の外側部であり、
上向き舌部の内側部の少なくとも一部は、上向きフランクに向かって、または上向きフランクから離れて傾斜しており、
下向き舌部の内側部の少なくとも一部は、下向きフランクに向かって、または下向きフランクから離れて傾斜している、請求項1~23の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項25】
プリントされた装飾層は、装飾用画像がプリントされた基礎層または基礎膜を含む、請求項1~24の何れか一項に記載の装飾用パネル。
【請求項26】
装飾用カバー材であって、
相互に接続された複数の、請求項1~25の何れか一項に記載の装飾用パネルを含む、装飾用カバー材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル、特に、装飾用パネル、床パネル、天井パネル、または壁パネルに関する。また、本発明は、相互に連結した複数のパネルからなる床カバー材に関する。
【背景技術】
【0002】
装飾用床カバー材の分野では、装飾用パネルは、MDF(中密度繊維板)またはHDF(高密度繊維板)を用いたコア層を有しており、コア層の上に装飾用基板を付着させて、パネルに所望の外観を持たせていることが知られている。これらの公知のパネルの主な短所として、コア層の吸湿性があり、これは、パネルの寿命および耐久性に影響する。この理由から、MDF/HDFを用いた従来のパネルは、やはり装飾用基板を上に設けたポリ塩化ビニル(PVC)系パネルにますます置き換えられている。これらのPVC系パネルには、MDF/HDFを用いたパネルと比べて比較的防水性が高いという長所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらのPVC系パネルの欠点は、耐熱性が非常に低いことであり、その結果、これらのパネルは、熱源(例えば、発熱する放熱器のみならず、単なるランプであっても)に曝されると、一般的に容易に変形する(曲がる)。MDF/HDFを用いたパネルとPVC系パネルとの両方に共通の、さらなる重大な欠点として、これらのパネルの燃焼性がある。家具が燃焼性であると、例えば、タバコやろうそくにまつわる過失によって、火事が家で容易に起こってしまうため、懸念が持たれる。
【0004】
それゆえ、装飾用フローリングの分野では、前記欠点の少なくとも1つに対応する装飾用パネルをさらに開発する、特に、比較的耐火性の高い装飾用パネルを開発する、という一般的な要求がある。また、通常の使用時に温度の変動に晒された際の寸法安定性が向上した装飾用パネルを開発する、というさらなる要求がある。
【0005】
その上、実際の使用を考えて、パネルは、断熱(thermal insulation)、音の吸収、および圧縮強度に関して、良好な、好ましくは、優秀な性質を有することが、一般的な要件である。
【0006】
前記文脈において、本発明の目的は、上述の一般的な要求および要件の一部または全てを満足することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、以下の装飾用パネルを提供することによって達成される。すなわち、
装飾用パネル、特に、床パネル、天井パネル、または壁パネルであって、
上側部および下側部を有するコア層と、
コア層の上側部に接続された装飾用上部層と、
第1連結外形を含む第1パネル側縁端と、
第2連結外形を含む第2パネル側縁端であって、第2連結外形が、水平方向および垂直方向の両方で、第2の同一のパネルの第1連結外形と相互に連結するように設計された、第2パネル側縁端と、を含み、
コア層は、気泡コンクリート層を含み、気泡コンクリート層は、気泡としての空気ポケットが存在するコンクリート材料の基材からなる、
装飾用パネル。
【0008】
本発明に係るパネルのコア層の一部として使用される気泡コンクリート層によって、パネルにとってのいくつかの利点がもたらされる。とりわけ、以下の利点である。
-熱伝導度の低減、それゆえ、熱絶縁(thermal isolation)の増加
-十分な圧縮強度
-比較的軽量のパネル
-適切な吸音性
-優秀な耐火性
-冷凍/解凍サイクルに対するパネルの十分な寸法安定性
-木工具を用いて側縁端を切断およびプロファイリングする際の良好な加工性
【0009】
上に列挙した利点は、以下に提示する好ましい実施形態のいくつかによってさらに向上する。
【0010】
本発明に係るパネルの基本的な設計に関して、パネルは、平坦であり、4つの側縁端を含む矩形の外形を有することが好ましい。その上、パネルにおいて、第1および第2パネル側縁端は、パネルの対向する側縁端であることが好ましい。
【0011】
このような種類のパネルは、多数のパネルを相互に接続することによって床、天井、または壁カバー材を構成する際に、最も実用的である。
【0012】
好ましくは、本発明に係るパネルにおいて、
-気泡コンクリート中の気泡は、気泡コンクリートの総体積の60~85体積%を占めるか、または、
-気泡コンクリートの密度は、400~800kg/m3の範囲内である。
【0013】
このようなパネルは、効果的に軽量であり、吸音性および熱絶縁(thermal isolation)が良好であることが実証されている。
【0014】
本発明に係るパネルにおいて、前記気泡は、主要な部分が独立気泡型であり、前記主要な部分は、好ましくは、気泡の少なくとも80%であり、最も好ましくは、気泡の少なくとも90%であることが好ましい。
【0015】
このようなパネルは、冷凍/解凍サイクルに対して十分な寸法安定性を有する。これは、水和水がコンクリート基材から気化し、水として独立気泡に凝結しても、他の気泡の水とともに蓄積することがないからである。それゆえ、気泡コンクリートの個々の気泡のいずれにおいても、含水量は少なく保たれ、その結果、冷凍/解凍サイクル中の構造的損傷のリスクが最小に保たれる。
【0016】
その上、本発明に係るパネルにおいて、気泡コンクリート中の気泡の主要な部分は、大きさが、毛細管作用によって水を吸収する程度に十分に小さい。
【0017】
このような、気泡が比較的小さい気泡コンクリート層を有するパネルは、加工性および圧縮強度が良好であることが分かっている。
【0018】
気泡コンクリートは、泡コンクリート、オートクレーブ養生セルラーコンクリート(ACC)、オートクレーブ養生気泡コンクリート(AAC)、および/またはオートクレーブ養生軽量コンクリート(ALC)とも呼ばれる。
【0019】
本発明に係るパネルの前記気泡コンクリートは、コンクリート材料を高温かつ高圧下でオートクレーブすることによって得られたものであることが一般に好ましい。
【0020】
コンクリート材料をオートクレーブするプロセスによって、パネルのコア層に用いるのに非常に好適な気泡コンクリート材料が得られることが実証されている。
【0021】
本発明に係るパネルの気泡コンクリート層の基材を構成する前記コンクリート材料は、粒子状材料と、結合剤としてのセメントと、の混合物を含むことが好ましい。
【0022】
前記コンクリート材料としては、以下が特に好ましい。
-セメントは、カルシウム系、すなわち、酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを含むミネラル化合物、および/または、ケイ酸カルシウム系、すなわち、酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを含む、ケイ酸を加えたミネラル化合物である。
-前記セメントは、トバモライト、すなわち、CaSi16(OH)・4HOまたはCaSi(O,OH)18・5HO、等のケイ酸カルシウム水和物ミネラルである。
-前記粒子状材料は、砂、粉砕燃料灰、フライアッシュ、石灰、および/または、(酸化)アルミニウム粉末を含む。
-前記粒子状材料は、セルロース系粒子、好ましくは、木材粒子等のリグノセルロース系粒子を含む。
【0023】
気泡コンクリートの製造中、(まだ気泡を有していない)コンクリートを混合し、型に入れて鋳造する。また、気泡コンクリートを軽量化し(典型的にはコンクリートの重量の20%)、気泡コンクリートに熱的特性(thermal property)を持たせるいくつかの化学反応が起こる。
【0024】
アルミニウム粉末は、水酸化カルシウムおよび水と反応して水素を生じる。水素ガスは、発泡し、未加工の混合物の体積を倍増させて、直径が3ミリメートルまでの気泡を生じる。気泡形成プロセスの最後に、水素は大気中に逃れ、空気と置き換えられる。
【0025】
粒子状材料に含まれている前記セルロース系粒子の少なくとも一部が繊維によって形成されていることがさらに好ましい。
【0026】
コンクリート材料に含まれ得る追加的または代替的な粒子状材料としては、高炉スラグ微粉末、シリカフューム、天然ポゾラン、メタカオリン、およびか焼シェールまたはか焼クレー等の、いわゆるセメント状用材がある。
【0027】
木材粒子としてのセルロース系粒子は、木材粉末、木屑、木毛、および/または木材チップであってもよい。木材の代わりに、アサ等の他の天然繊維源を用いてもよい。
【0028】
好ましい実施形態において、コア層は、紡織繊維層、セルロース層(特に紙層)、炭素繊維層、および/またはガラス繊維層等の、少なくとも1つの補強層を含む。補強層は、織られた層であっても、不織層であってもよい。より好ましい実施形態において、コア層は、少なくとも2つの気泡コンクリート層を含み、少なくとも1つの補強層が、2つの気泡コンクリート層の間に位置している。少なくとも1つの補強層が、1または複数の気泡コンクリート層に組み込まれていてもよく、および/または、気泡コンクリート層を2つの(実質的な)気泡コンクリート(副)層に細分してもよい。気泡コンクリートは、部分的または全体的に、補強層に形成された穴に浸透しているものと考えることができる。
【0029】
好ましくは、本発明に係るパネルにおいて、補強層がコア層に含まれている。
【0030】
補強層は、パネルの小さな表面積における曲げまたは突然の衝撃に対するパネルの安定性をさらに向上させる。少なくとも1つの補強層は、好ましくは、不織層または織られた層、特に、例えばガラス繊維からなる布であり、厚さは、0.2~0.4mmであってもよい。補強層は、ジュート等の天然繊維を含んでいてもよく、代替的に、補強層は、合成繊維、特に、ナイロン繊維等のポリマー繊維を含む。
【0031】
補強層は、好ましくは、コア層と略平行な配向面を有する平面構造体である。
【0032】
本発明に係るパネルのコア層は、気泡コンクリートを、少なくとも50重量%、好ましくは50~90重量%含むことがさらに好ましい。その上、コア層は、補強層を、1重量%から10重量%含むことが好ましい。
【0033】
本発明に係るパネルにおいて、防水性層が、コア層と上部層との間に位置しており、好ましくは、上部層をコア層に付着させる防水性接着剤の形態である、と有利である。
【0034】
これによって、パネルのコア層は、周囲空気に存在し、上部層を通って侵入する可能性がある湿気からさらに保護される。防水性層は、ポリマーであってもよく、合成または天然樹脂であってもよい。防水性接着剤は、例えば、二成分接着剤または熱溶融型接着剤であってもよい。
【0035】
好ましくは、本発明に係るパネルにおいて、上部層は、少なくとも1つの装飾層と、当該装飾層を覆う少なくとも1つの透明な摩耗層と、を含む。
【0036】
この文脈における好適な摩耗層は、100℃を超える融解温度を有し、好ましくはポリウレタンからなる。
【0037】
装飾層は、目に見えることになり、パネルに魅力的な外観を持たせるために使用する。この目的のために、装飾層は、デザインパターンを有していてもよく、可能なデザインの例を少し挙げるとすれば、例えば、木目調のデザイン、大理石や花崗岩等の天然石の石目に似た鉱物粒子のデザイン(mineral grain design)、または、色のパターン、色の混合、もしくは単一の色、とすることができる。
【0038】
装飾用上部層は、好ましくは、プリントされた装飾用上部層である。つまり、上部層のプリントされた装飾用画像は、塗装、および/または(インクジェット式の)印刷、特にデジタル印刷、によって実現する。装飾用画像は、コア層の上に直接プリントされていてもよい。しかしながら、プリントされた装飾層は、基礎層または基礎膜、特に、装飾用画像がプリントされた、熱可塑性の基礎層または熱可塑性の膜を含むことが典型的にはより好ましい。印刷工程の前に、または、印刷工程に続いて、基礎層を、例えば融着または接着によって、直接的または間接的にコア層に付着させる。
【0039】
好ましくは、前記装飾用上部層が、コア層の上側部の少なくとも一部のみを覆っている。コア層の側壁および後面には、好ましくは、装飾用上部層は実質的に設けられていない。
【0040】
本発明に係るパネルは、好ましくは、コア層の下側部に付着させた支持層を含む。支持層は、特に、パネルを下にある表面と接触させて配置して、床、天井、または壁カバー材を形成する際に、コア層の下側部において保護的な機能および適合を助ける機能を有する。
【0041】
支持層は、好ましくは、エラストマー等の柔軟な材料からなる。支持層の厚さは、典型的には、約0.1~2.5mmである。支持層の好適な材料としては、ポリエチレン、コルク、ポリウレタン、およびエチレン酢酸ビニル等がある。
【0042】
その上、本発明に係るパネルは、厚さが3~10mmであり、好ましくは、4mm~8mmの間であり、この場合、意図する用途にとって最も好適となる。
【0043】
本発明に係るパネルのコア層は、好ましくは、厚さが、少なくとも3mmであり、好ましくは、少なくとも4mmであり、より好ましくは、少なくとも5mmである。
【0044】
本発明に係るパネルの連結外形について、以下が好ましい。すなわち、
第1連結外形は、
-上向き舌部と、
-上向き舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの上向きフランクと、
-上向き舌部と上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、他の同一のパネルの第2連結外形の下向き舌部の少なくとも一部を受けるように適合された、上向き溝と、
-好ましくは、少なくとも1つの第1ロック要素であって、好ましくは、上向き舌部の、上向きフランクとは反対側を向く遠位の側部に設けられる、第1ロック要素と、を含み、
第2連結外形は、
-第1下向き舌部と、
-下向き舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの第1下向きフランクと、
-下向き舌部と下向きフランクとの間に形成された第1下向き溝であって、第2の同一のパネルの第1連結外形の上向き舌部の少なくとも一部を受けるように適合された、下向き溝と、
-好ましくは、少なくとも1つの第2ロック要素であって、前記第2の同一のパネルの第1ロック要素との共作用のために適合されており、好ましくは、下向きフランクに設けられる、第2ロック要素と、を含む。
【0045】
好ましくは、第1ロック要素は、膨らみおよび/または凹部を含み、第2ロック要素は、膨らみおよび/または凹部を含む。膨らみは、一般に、隣接する連結したパネルの凹部に少なくとも部分的に受けられるように適合されており、これによって、ロックされた連結、好ましくは垂直方向にロックされた連結を実現する。第1ロック要素および第2ロック要素を、膨らみと凹部との組み合わせによって形成せず、共作用する外形を有する表面同士および/または高摩擦接触面同士といった他の組み合わせによって形成することも考えられる。後者の実施形態において、第1ロック要素および第2ロック要素のうちの少なくとも1つのロック要素は、係合した(連結した)状態の他のパネルのもう一方のロック要素との間で摩擦を生じさせるように構成された、任意で別途の、塑性材料からなる(平坦な、または他の形状の)接触面によって形成してもよい。
【0046】
以下の構成も、本発明の範囲内である。
第1連結外形および第2連結外形は、連結状態で、予め張力が働くように構成されており、この張力は、連結したパネル同士を、それぞれの縁端部において、互いに向かって付勢し、好ましくは、これは、第1連結外形および第2連結外形の輪郭を重複させる、特に、下向き舌部および上向き溝の輪郭を重複させる、および/または、上向き舌部および下向き溝の輪郭を重複させることによって実現する。
第1連結外形および第2連結外形は、前記パネルのうちの2つを、折り畳み移動および/または垂直方向の移動によって互いに連結できるように構成されたおり、連結状態で、第2連結部の下向き舌部の少なくとも一部が、第1連結部の上向き溝に挿入され、下向き舌部が第1連結部によってクランプされ、および/または、上向き舌部が第2連結部によってクランプされる。
【0047】
好ましくは、
上向き舌部の、上向きフランクの方を向く側部は、上向き舌部の内側部であり、上向き舌部の、上向きフランクとは反対側を向く側部は、上向き舌部の外側部であり、
下向き舌部の、下向きフランクの方を向く側部は、下向き舌部の内側部であり、下向き舌部の、下向きフランクとは反対側を向く側部は、下向き舌部の外側部であり、
上向き舌部の内側部の少なくとも一部は、上向きフランクに向かって、または上向きフランクから離れて傾斜しており、
下向き舌部の内側部の少なくとも一部は、下向きフランクに向かって、または下向きフランクから離れて傾斜している。
このように、上向き舌部と下向き舌部との内側部の傾斜方向によって、パネル同士の間で、「閉溝」連結または「開溝」連結を実現できる。
【0048】
また、本発明に係るパネルの連結外形について、以下が好ましい。すなわち、
前記パネルは、第3パネル辺および第4パネル辺にそれぞれ位置する、少なくとも1つの第3連結外形および少なくとも1つの第4連結外形を含み、
第3連結外形は、
-コア層の上側部と略平行な方向に延在する側方の舌部と、
-側方の舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの第2下向きフランクと、
-側方の舌部と第2下向きフランクとの間に形成された第2下向き溝と、を含み、
第4連結外形は、
-第2の同一のパネルの第3連結外形の側方の舌部の少なくとも一部を収容するように構成された第3溝であって、上唇部および下唇部によって画定されており、下唇部に上向きロック要素が設けられている、第3溝を含み、
第3連結外形と第4連結外形とは、2つの同一のパネルの第3および第4連結外形が回転移動によって互いに連結できるように構成されており、この回転移動で、第1のパネルの側方の舌部の少なくとも一部が、他方の同一のパネルの第3溝に挿入されるとともに、前記他方のパネルの上向きロック要素の少なくとも一部が、第1のパネルの第2下向き溝に挿入されている。
【0049】
好ましくは、各連結外形の少なくとも一部は、コア層と一体形成されている。各連結外形を、全体として、コア層の縁端部をプロファイリングすることによって形成することが考えられる。
【0050】
また、本発明は、装飾用カバー材、特に、装飾用床カバー材、装飾用天井カバー材、または装飾用壁カバー材であって、相互に連結した複数の、本発明に係る装飾用パネルを含む、装飾用カバー材に関する。前記カバー材は、交差する壁同士や家具同士の内側の角、および、入口用の通路等の外側の角、等の垂直方向の角にも好適に設置できる可能性がある。
【0051】
本発明のさらなる実施形態を、以下の非限定的な項のセットに提示する。
【0052】
1.装飾用パネル、特に、床パネル、天井パネル、または壁パネルであって、
上側部および下側部を有するコア層と、
コア層の上側部に接続された装飾用上部層と、
第1連結外形を含む第1パネル側縁端と、
第2連結外形を含む第2パネル側縁端であって、第2連結外形が、水平方向および垂直方向の両方で、第2の同一のパネルの第1連結外形と相互に連結するように設計された、第2パネル側縁端と、を含み、
コア層は、気泡コンクリート層を含み、気泡コンクリート層は、気泡としての空気ポケットが存在するコンクリート材料の基材からなる、装飾用パネル。
【0053】
2.項1に記載のパネルであって、平坦であり、4つの側縁端を含む矩形の外形を有する、パネル。
【0054】
3.項1または2に記載のパネルであって、第1および第2パネル側縁端は、パネルの対向する側縁端である、パネル。
【0055】
4.先行する項の1つに記載のパネルであって、
-気泡コンクリート中の気泡は、気泡コンクリートの総体積の60~85体積%を占めるか、または、
-気泡コンクリートの密度は、400~800kg/mmの範囲内である、パネル。
【0056】
5.項4に記載のパネルであって、前記気泡は、主要な部分が独立気泡型であり、前記主要な部分は、好ましくは、気泡の少なくとも80%であり、最も好ましくは、気泡の少なくとも90%である、パネル。
【0057】
6.先行する項の1つに記載のパネルであって、気泡コンクリート中の気泡の主要な部分は、大きさが、毛細管作用によって水を吸収する程度に十分に小さい、パネル。
【0058】
7.先行する項の1つに記載のパネルであって、前記気泡コンクリートは、コンクリート材料を高温かつ高圧下でオートクレーブすることによって得られたものである、パネル。
【0059】
8.先行する項の1つに記載のパネルであって、
前記コンクリート材料は、粒子状材料と、結合剤としてのセメントと、の混合物を含み、
セメントは、好ましくは、
-カルシウム系、すなわち、酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを含むミネラル化合物、および/または、
-ケイ酸カルシウム系、すなわち、酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを含む、ケイ酸を加えたミネラル化合物である、パネル。
【0060】
9.項8に記載のパネルであって、前記セメントは、トバモライト、すなわち、CaSi16(OH)・4HOおよび/またはCaSi(O,OH)18・5HO、等のケイ酸カルシウム水和物ミネラルである、パネル。
【0061】
10.項8または9に記載のパネルであって、前記粒子状材料は、砂、粉砕燃料灰、フライアッシュ、石灰、および/または酸化アルミニウム粉末を含む、パネル。
【0062】
11.先行する項8から10の1つに記載のパネルであって、前記粒子状材料は、セルロース系粒子、好ましくは、木材粒子等のリグノセルロース系粒子、を含む、パネル。
【0063】
12.項11に記載のパネルであって、前記セルロース系粒子の少なくとも一部が繊維によって形成されている、パネル。
【0064】
13.先行する項の1つに記載のパネルであって、補強層がコア層に含まれている、パネル。
【0065】
14.先行する項の1つに記載のパネルであって、コア層は、気泡コンクリートを、少なくとも50重量%、好ましくは50~90重量%含む、パネル。
【0066】
15.先行する項の1つに記載のパネルであって、
防水性層が、コア層と上部層との間に位置しており、好ましくは、上部層をコア層に付着させる防水性接着剤の形態である、パネル。
【0067】
16.先行する項の1つに記載のパネルであって、上部層は、少なくとも1つの装飾層と、当該装飾層を覆う少なくとも1つの透明な摩耗層と、を含む、パネル。
【0068】
17.項16に記載のパネルであって、
前記摩耗層は、100℃を超える融解温度を有し、好ましくはポリウレタンからなる、パネル。
【0069】
18.先行する項の1つに記載のパネルであって、コア層の下側部に付着させた支持層を含む、パネル。
【0070】
19.先行する項の1つに記載のパネルであって、厚さが3~10mmである、パネル。
【0071】
20.上記の項の1つに記載のパネルであって、
第1連結外形は、
-上向き舌部と、
-上向き舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの上向きフランクと、
-上向き舌部と上向きフランクとの間に形成された上向き溝であって、他の同一のパネルの第2連結外形の下向き舌部の少なくとも一部を受けるように適合された、上向き溝と、
-少なくとも1つの第1ロック要素であって、好ましくは、上向き舌部の、上向きフランクとは反対側を向く遠位の側部に設けられる、第1ロック要素と、を含み、
第2連結外形は、
-第1下向き舌部と、
-下向き舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの第1下向きフランクと、
-下向き舌部と下向きフランクとの間に形成された第1下向き溝であって、他の同一のパネルの第1連結外形の上向き舌部の少なくとも一部を受けるように適合された、下向き溝と、
-少なくとも1つの第2ロック要素であって、前記他の同一のパネルの第1ロック要素との共作用のために適合されており、好ましくは、下向きフランクに設けられる、第2ロック要素と、を含む、パネル。
【0072】
21.上記の項の何れかに記載のパネルであって、
前記パネルは、第3パネル辺および第4パネル辺にそれぞれ位置する、少なくとも1つの第3連結外形および少なくとも1つの第4連結外形を含み、
第3連結外形は、
-前記パネルの上側部と略平行な方向に延在する側方の舌部と、
-側方の舌部から離れて設けられた、少なくとも1つの第2下向きフランクと、
-側方の舌部と第2下向きフランクとの間に形成された第2下向き溝と、を含み、
第4連結外形は、
-第2の同一のパネルの第3連結外形の側方の舌部の少なくとも一部を収容するように構成された第3溝であって、上唇部および下唇部によって画定されており、下唇部に上向きロック要素が設けられている、第3溝を含み、
第3連結外形と第4連結外形とは、2つの同一のパネルの第3および第4連結外形が回転移動によって互いに連結できるように構成されており、この回転移動で、第1のパネルの側方の舌部の少なくとも一部が、他方の同一のパネルの第3溝に挿入されるとともに、前記他方のパネルの上向きロック要素の少なくとも一部が、第1のパネルの第2下向き溝に挿入される、パネル。
【0073】
22.先行する項の1つに記載のパネルであって、
コア層は、紡織繊維層(textile layer)、セルロース層、炭素繊維層、および/またはガラス繊維層等の、少なくとも1つの補強層を含む、パネル。
【0074】
23.項22に記載のパネルであって、
コア層は、少なくとも2つの気泡コンクリート層を含み、少なくとも1つの補強層が、2つの気泡コンクリート層の間に位置している、パネル。
【0075】
24.先行する項の1つに記載のパネルであって、
各連結外形の少なくとも一部は、コア層と一体形成されている、パネル。
【0076】
25.先行する項の1つに記載のパネルであって、
装飾用上部層が、コア層の上側部の少なくとも一部のみを覆っている、パネル。
【0077】
26.先行する項の1つに記載のパネルであって、
上向き舌部の、上向きフランクの方を向く側部は、上向き舌部の内側部であり、上向き舌部の、上向きフランクとは反対側を向く側部は、上向き舌部の外側部であり、
下向き舌部の、下向きフランクの方を向く側部は、下向き舌部の内側部であり、下向き舌部の、下向きフランクとは反対側を向く側部は、下向き舌部の外側部であり、
上向き舌部の内側部の少なくとも一部は、上向きフランクに向かって、または上向きフランクから離れて傾斜しており、
下向き舌部の内側部の少なくとも一部は、下向きフランクに向かって、または下向きフランクから離れて傾斜している、パネル。
【0078】
27.先行する項の1つに記載のパネルであって、プリントされた装飾層は、装飾用画像がプリントされた基礎層または基礎膜を含む、パネル。
【0079】
28.装飾用カバー材、特に、装飾用床カバー材、装飾用天井カバー材、または装飾用壁カバー材であって、
相互に接続された複数の、項1から27の何れかに記載の装飾用パネルを含む、装飾用カバー材。
【図面の簡単な説明】
【0080】
以下の添付の図面を参照して、本発明をさらに説明する。
図1】本発明に係るパネルを斜視で示す図である。
図2】本発明に係るパネルの横方向の断面を示す図である。
図3】相互に接続される本発明に係るパネルの連結外形の一実施形態を横方向の断面で示す図である。
図4】相互に接続される本発明に係るパネルの連結外形の一実施形態を横方向の断面で示す図である。
図5】本発明に係るパネルの縦方向の断面を示す図である。
図6】相互に接続される本発明に係るパネルの連結外形の一実施形態を縦方向の断面で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1は、装飾用パネル1を示す。装飾用パネル1の上側部2には、装飾用上部層12が設けられている。パネルは矩形であり、B-B線に沿う縦方向に長さを有し、A-A線に沿う横方向に幅を有する。
【0082】
側縁端9および10に、第1連結外形7および第2連結外形8がそれぞれ設けられている。側縁端3および4に、第3連結外形5および第4連結外形6がそれぞれ設けられている。
【0083】
図2は、図1に示すパネル1の、A-A線に沿う横方向の断面を示す。パネル1は、コア層10を有している。コア層10は、気泡コンクリートの層からなり、独立気泡型の小さな気泡11を含んでいる。気泡コンクリート層10の上側部には、好ましくは、防水性の薄い接着剤層を介して、装飾用上部層12が付着している。気泡コンクリート層10の下側部には、支持層が付着している。側縁端3および4には、第3連結外形5および第4連結外形6がそれぞれ設けられている。
【0084】
図3は、2つのパネル1および1’を互いに接続する際の、図2に描写する第3および第4連結外形5および6を詳細に示す。
【0085】
パネル1’の第3連結外形5は、パネルの上側部と略平行な方向に延在する側方の舌部51と、側方の舌部51から離れて設けられた1つの第2下向きフランク53と、側方の舌部51と第2下向きフランク53との間に形成された第2下向き溝54と、を含む。
【0086】
パネル1の第4連結外形6は、第2の同一のパネル1’の第3連結外形5の側方の舌部51の少なくとも一部を収容するように構成された第3溝61を含む。第3溝61は、上唇部62および下唇部63によって画定され、下唇部には上向きロック要素64が設けられている。
【0087】
図3に示す状態で、第3連結外形5と第4連結外形6とは、それぞれのパネル1,1’が、矢印Tで示すような回転移動によって互いに連結できるように構成されている。この回転移動で、パネル1’の側方の舌部51が、他の同一のパネル1の第3溝61に挿入され、パネル1の上向きロック要素64が、パネル1’の第2下向き溝54に挿入される。
【0088】
図4は、舌部51および第3溝61に丸みを付けた、図3に類似する、連結外形5および6の別のデザインを示す。連結のための回転移動は、図3の代替としての本実施形態では、ヒンジ移動と呼ぶこともできる。他のすべての機能的特徴およびそれらの参照番号は、図3ですでに定義したものと同一である。
【0089】
図5は、図1に示すパネル1の、B-B線に沿う縦方向の断面を示す。パネル1は、コア層10を有している。コア層10は、気泡コンクリートの層からなり、独立気泡型の小さな気泡を含んでいる。気泡コンクリート層10の上側部には、装飾用上部層12が付着している。
【0090】
側縁端9および10には、第1連結外形7および第2連結外形8がそれぞれ設けられている。
【0091】
第1連結外形7は、上向き舌部71と、上向き舌部71から離れて設けられた上向きフランク72と、上向き舌部71と上向きフランク72との間に形成された上向き溝73と、を含む。上向き溝73は、他の同一のパネルの第2連結外形8の下向き舌部81の少なくとも一部を受けるように適合されており、好ましくは、少なくとも1つの第1ロック要素75が、上向き舌部71の、上向きフランク72とは反対側を向く遠位の側部に設けられている。
【0092】
第2連結外形8は、第1下向き舌部81と、下向き舌部81から離れて設けられた第1下向きフランク82と、下向き舌部81と下向きフランク82との間に形成された第1下向き溝83と、を含む。下向き溝83は、他の同一のパネルの第1連結外形7の上向き舌部71の少なくとも一部を受けるように適合されており、他の同一のパネルの第1ロック要素75との共作用のために適合された第2ロック要素85が、下向きフランク82に設けられている。
【0093】
図6は、パネル1の第1連結外形7とパネル1’の第2連結外形8とを接続する際に、左端に描写する、パネルの外形7および8がいかに相互作用し得るかを示す。ここでは、パネル1’を垂直方向で下方に移動させて、下向き溝83に上向き舌部71を受け、上向き溝73に下向き舌部81を受けることによって、外形7および8が互いに係合する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6