(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-14
(45)【発行日】2025-03-25
(54)【発明の名称】アンテナアセンブリ及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/06 20060101AFI20250317BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20250317BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20250317BHJP
【FI】
H01Q21/06
H01Q1/38
H01Q13/08
(21)【出願番号】P 2023549079
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 IB2022051090
(87)【国際公開番号】W WO2022175782
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-08-15
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Molex, LLC
【住所又は居所原語表記】2222 Wellington Court,60532 Lisle,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ジーンルイ メンデス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ピー オマリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン イー デレン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ジェイ タガン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム イー スピンク ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジーノ アントニーニ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス トゥーリー
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/153098(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/093154(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0173184(US,A1)
【文献】特開平11-248545(JP,A)
【文献】特開2015-080031(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0236424(US,A1)
【文献】特開2021-022920(JP,A)
【文献】米国特許第05905466(US,A)
【文献】国際公開第2020/084841(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 21/06
H01Q 1/38
H01Q 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型のアンテナアセンブリであって、
アンテナ要素と、
誘電体フィラー要素と、
誘電体要素と、
前記アンテナ要素、誘電体フィラー要素、及び誘電体要素を封入及び保護し、アンテナアセンブリのための接地基準を提供するためのハウジングと、
を備え、
前記一体型のアンテナアセンブリにおいて、誘電体フィラー要素は、アンテナ要素の二極対とハウジングとの間のエアギャップを充填する、一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項2】
前記アンテナ要素が矩形パッチアンテナ要素を含む、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項3】
前記アンテナ要素は、以下の周波数帯域:
DC~6000MHz、
24250MHz~27500MHz、
26500MHz~29500MHz、
27500MHz~28350MHz、
37000MHz~40000MHz、及び
39500MHz~43500MHz、のうちの1つ以上にわたって動作する、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジングは、第1のハウジングであり、前記一体型のアンテナアセンブリは、第2のハウジングを更に備え、前記第1のハウジングには、前記第2のハウジングの1つ以上の第2の接続要素に接続する1つ以上の第1の接続要素が設けられている、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項5】
前記1つ以上の第1の接続要素が雄型接続要素であり、前記1つ以上の第2の接続要素が雌型接続要素である、請求項4に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項6】
前記アンテナ要素は、前記一体型のアンテナアセンブリの垂直軸から0度~90度の配向角度で構成され、
望ましくは、前記アンテナ要素は、前記一体型のアンテナアセンブリの垂直軸から75度の配向角度で構成される、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項7】
複数のアンテナ要素のうちのいくつかは、前記一体型のアンテナアセンブリの垂直軸から45度の配向角度で構成される、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項8】
前記一体型のアンテナアセンブリは、アンテナ要素の二極対を複数備え、前記アンテナ要素の各々は、前記二極対のうちの1つ以上に容量結合されるか、又は直接取り付けられる、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項9】
前記二極対の各々は、前記二極対の電磁特性に影響を及ぼす同調セクションを含む、請求項8に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項10】
各同調セクションは、拡散バリア層の上に形成された導電層を含むか、又は、はんだが前記同調セクションのそれぞれの極に引き上げられることを防止するために、導電層が剥離された部分及び拡散層を含む、請求項9に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項11】
前記誘電体フィラー要素は、アンテナ要素の二極対のそれぞれの極と関連付けられて、該それぞれの極のインピーダンスを制御する、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項12】
前記誘電体フィラー要素は、LCP材料から構成され、及び/又は、前記誘電体フィラー要素の各々は少なくとも2つに分離された構造を含む、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジングが皿形状に構成されている、請求項1に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項14】
前記ハウジングは、実質的に平坦で円形の中心上面を含み、該中心上面は、該中心上面の周囲から実質的に平坦で円形の底面の周囲に向かって延在する複数の角度付きリブを有し、
望ましくは、各リブは、上面から実質的に45度の角度で構成される、請求項13に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【請求項15】
前記一体型のアンテナアセンブリは、隣接するリブの間に構成された角度付き凹面部分を更に備え、及び/又は、各角度付き凹面部分は、1つの開口を備えて構成され、前記リブ及び開口は、45度に対応する角度で構成される、請求項14に記載の一体型のアンテナアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年2月18日に出願された、米国特許仮出願第63/150,594号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、屋内及び屋外用途のためのシングル及びデュアル偏波アンテナの分野に関する。例えば、セルラ(例えば、5G、LTE)用途及びモノのインターネット(Internet of Things、IoT)用途である。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、記載される発明のより良い理解を促すために有用であり得る態様を紹介する。したがって、このセクションにおける記述は、こうした観点から読まれるべきであり、先行技術において何が自認であるか、否かとして理解されるべきではない。
【0004】
許容可能な動作パラメータ(例えば、帯域幅、反射減衰量、利得、アイソレーション、ステアリング)を維持しながら、様々な電気的、機械的及び環境的条件を満たすようにアンテナを設計することは難題である。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、許容可能な動作パラメータで動作する様々な例示的なアンテナアセンブリについて説明する。
【0006】
本発明の一実施形態は、一体型アンテナアセンブリを含むことができる。そのようなアセンブリは、複数のアンテナ要素(例えば、4、8、16、又は32個の要素)と、複数の誘電体フィラー要素と、複数の誘電体要素と、複数のアンテナ、誘電体フィラー、及び誘電体要素を封入及び保護し、アセンブリのための接地基準を提供するためのハウジングとを備えてもよい。例示的な一実施形態では、アンテナ要素は、例えば、矩形パッチアンテナ要素を含むことができる。
【0007】
例示的なアンテナ要素は、24250MHz~27500MHz、26500MHz~29500MHz、27500MHz~28350MHz、37000MHz~40000MHz、及び39500MHz~43500MHzなどの例示的で非限定的な周波数帯域のうちの1つ以上にわたって動作することができる。代替的に、アンテナ要素は、例えば、(i)上記の周波数帯域より下(例えば、6000MHz周波数より下)、(ii)上記の周波数帯域のうちの1つの間、例えば、28350~37000MHz、及び/又は(iii)上記の周波数帯域より上で動作してもよい。
【0008】
一実施形態において、アセンブリは、例えば、ワイヤレス無線ハブを備えてもよい。
【0009】
アンテナアセンブリのハウジングは、(i)端部ハウジング、(ii)中間ハウジング、及び(iii)端部ハウジングキャップのうちの1つ以上を備えてもよく、誘電材料(例えば、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer、LCP)材料)から構成されてもよく、又はダイカストハウジングであってもよい。1つ以上の中間ハウジングの各々は、それぞれの中間ハウジングを中間ハウジングのうちの別のものに、又は1つ以上の端部ハウジングのうちの1つに、又は端部ハウジングキャップのうちの1つ以上に接続するために、1つ以上の対向する雄型及び雌型接続要素を備えてもよい。更に、雌型接続要素の各々は、1つ以上の対向する雄型接続要素のうちの1つを受容するための溝付きスロットを備えてもよく、雄型接続要素の各々は、例えば、突出タブを備えてもよい。
【0010】
実施形態において、アンテナ要素は、例えば、0~90度の配向角度で構成されてもよい。1つの特定の実施形態では、アンテナ要素は、75度の配向角度で構成されてもよい。別の実施形態では、アンテナ要素は45度で構成されてもよい。更に別の実施形態では、アンテナ要素は、0度の角度で構成されてもよい。更に、複数のアンテナ要素のうちのいくつかは、45度の配向角度で構成されてもよく、複数のアンテナ要素のうちのアンテナ要素のうちの1つは、0度の配向角度で構成されてもよい。
【0011】
また更に、アンテナアセンブリは、1つ以上の極を備えてもよく、アンテナ要素の各々は、1つ以上の極のうちの1つ以上に容量結合されるか、又は直接取り付けられ、1つ以上の極の各々は、各極の電磁特性(例えば、反射減衰量)に影響を及ぼす同調セクションを備えてもよい。実施形態では、そのような各同調セクションは、とりわけ、はんだが同調セクションのそれぞれの極に引き上げられることを防止するために、拡散バリア層(例えば、剥離導電層及び拡散層)の上に形成される導電層を備えてもよい。
【0012】
実施形態では、アセンブリの誘電体フィラー要素の各々は、(i)アンテナアセンブリのそれぞれの極とハウジングとの間に構成されて、各極のインピーダンスを制御してもよく、(ii)少なくとも2つの構造を備えてもよく、(iii)LCP材料から構成されてもよく、又は、代替的に、例えば、一体構造であってもよい。
【0013】
更に、実施形態では、本発明のアンテナアセンブリの1つ以上の極及び/又はハウジングの各々は、1つ以上の整列構造を備えてもよい。
【0014】
上述した例示的な実施形態に加えて、本発明者らは、皿形状に構成され得るハウジングを備えるアンテナアセンブリについて説明する。このような皿形状のハウジングは、実質的に平坦で円形の中心上面を更に含んでもよく、中心上面は、中心上面の周囲から実質的に平坦で円形の底面の周囲に向かって延在する複数の角度付きリブを有し、各リブは、上面から実質的に45度の角度で構成されてもよい。
【0015】
更に、隣接するリブの間に、角度付き凹面部分が構成されてもよく、各角度付き凹面部分は、少なくとも2つの開口を備えて更に構成されてもよく、リブ及び開口は、例えば、45度に対応する角度で構成される。
【0016】
代替的に、一実施形態では、そのようなアンテナアセンブリの上面は、少なくとも2つの開口を備えて構成される少なくとも1つの凹部分を含んでもよく、上面及び2つの開口は、0度で構成される。
【0017】
更に別の実施形態では、各角度付き凹面部分は、1つの開口を備えて構成されてもよく、リブ及び開口は、45度に対応する角度で構成されてもよい。
【0018】
単極変形例では、上面は、1つの開口を備えて構成される少なくとも1つの凹部分を含んでもよく、上面及び開口は、0度で構成される。
【0019】
他の形状のハウジングも本発明者らによって提供される。例えば、アンテナアセンブリは、「ドーナツ形状」ハウジングを備えてもよい。そのようなハウジングは、実質的に平坦な中央周辺構造を更に備えてもよく、中央周辺構造は、構造の周囲から実質的に平坦で円形の底面の周囲に向かって延在する複数の角度付きリブを有し、各リブは、構造から実質的に45度の角度で構成されてもよく、隣接するリブの間に角度付き凹面部分が構成されてもよい。各角度付き凹面部分は、少なくとも2つの開口部を備えて構成されてもよく(二極バージョン)、リブ及び開口部は、45度に対応する角度で構成されるか、又は1つの開口部を備えて構成されてもよく(単極バージョン)、ここでも、リブ及び開口部は、45度に対応する角度で構成される。
【0020】
これら及び追加の実施形態の更なる説明は、図面、図面に含まれる注釈、及び以下に含まれる特許請求の範囲の文言によって提供される。以下に含まれる特許請求の範囲は、展開形式で、すなわち、最も広いものから最も狭いものまで階層的に、参照により本明細書に組み込まれ、各可能な組み合わせは、独特の独立した実施形態として記載される複数の従属請求項の参照によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示は、例として示され、添付図面に限定されるものではなく、ここにおいて、同様の参照番号は類似の要素を示す。
【0022】
【
図1A】一実施形態による例示的なアンテナアセンブリの図を示す。
【
図1B】一実施形態による例示的なアンテナアセンブリの異なる図を示す。
【
図1C】一実施形態による例示的なアンテナアセンブリの異なる図を示す。
【
図2】一実施形態による
図1A~
図1Cの例示的なアンテナアセンブリの正面図を示す。
【
図3A】一実施形態によるアンテナアセンブリのハウジング構成要素の図を示す。
【
図3B】一実施形態によるアンテナアセンブリのハウジング構成要素の図を示す。
【
図3C】一実施形態によるアンテナアセンブリのハウジング構成要素の図を示す。
【
図4A】一実施形態による本発明のアンテナアセンブリの図を示す。
【
図4B】一実施形態による本発明のアンテナアセンブリの異なる例示的な図を示す。
【
図5A】一実施形態による、アセンブリのハウジング内に封入されたアセンブリの要素を読者が見ることを可能にする、本発明のアンテナアセンブリの図を示す。
【
図5B】一実施形態による、アセンブリのハウジング内に封入されたアセンブリの要素を読者が見ることを可能にする、本発明のアンテナアセンブリの異なる図を示す。
【
図5C】一実施形態による、アセンブリのハウジング内に封入されたアセンブリの要素を読者が見ることを可能にする、本発明のアンテナアセンブリの異なる図を示す。
【
図6】一実施形態による一対のパッチアンテナ極要素を示す本発明のアンテナアセンブリの断面を示す。
【
図7A】一実施形態による誘電体フィラー要素を含む本発明のアンテナアセンブリの図を示す。
【
図7B】一実施形態による誘電体フィラー要素を含む本発明のアンテナアセンブリの異なる図を示す。
【
図8】一実施形態による本発明のアンテナアセンブリを組み立てるために使用され得る例示的な工程を示す。
【
図9】一実施形態による例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリの別の実施形態を示す。
【
図10A】一実施形態による、説明を容易にするためにそのハウジングから分離された単一アンテナの例証的な図を示す。
【
図10B】一実施形態によるアンテナ要素の極の抗ウィッキング特徴を示す。
【
図10C】一実施形態によるアンテナ要素の極の抗ウィッキング特徴を示す。
【
図10D】一実施形態によるアンテナ要素の極の抗ウィッキング特徴を示す。
【
図11】一実施形態による、
図9に示す本発明のアンテナアセンブリを組み立てるために使用され得る、例示的な工程を示す。
【
図12A】一実施形態によるアンテナアセンブリの反射減衰量の例示的なシミュレーションされた測定値を示す。
【
図12B】一実施形態によるアンテナアセンブリの反射減衰量の例示的なシミュレーションされた測定値を示す。
【
図13A】一実施形態によるアンテナアセンブリの利得の例示的なシミュレーションされた測定値を示す。
【
図13B】一実施形態によるアンテナアセンブリの利得の例示的なシミュレーションされた測定値を提供する。
【
図13C】一実施形態によるアンテナアセンブリの利得の例示的なシミュレーションされた測定値を示す。
【
図13D】一実施形態によるアンテナアセンブリの利得の例示的なシミュレーションされた測定値を示す。
【
図14A】一実施形態によるアンテナアセンブリの例示的なシミュレーションされたアイソレーション測定値を示す。
【
図14B】一実施形態によるアンテナアセンブリの例示的なシミュレーションされたアイソレーション測定値を示す。
【
図15A】アンテナ要素の極の望ましくないゆがみ又は誤形状を示す。
【
図15B】実施形態による、ゆがみ及び誤形状に対する例示的な本発明の解決策を示す。
【
図15C】実施形態による、ゆがみ及び誤形状に対する別の例示的な本発明の解決策を示す。
【
図15D】実施形態に係る例示的な整列構造を示す。
【
図16A】一実施形態による更に別の例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリを示す。
【
図17】説明を容易にするために、それぞれの例示的な構成要素に分離された
図16Aの本発明のアセンブリを示す。
【
図18A】透明ハウジングを有する
図16Aに示す本発明のアセンブリの上面等角図を示す。
【
図18B】透明ハウジングを有する
図16Aに示す本発明のアセンブリの底面等角図を示す。
【
図18C】透明ハウジングを有する
図16Aに示す本発明のアセンブリの側面等角図を示す。
【
図19A】ハウジングが除去された、
図16Aに示す本発明のアセンブリの別の上面図を示す。
【
図19B】ハウジングが除去された、
図16Aに示す本発明のアセンブリの別の底面図を示す。
【
図20A】別の例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリを示す。
【
図20B】別の例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリを示す。
【
図20C】一実施形態によるアンテナハウジングを示す。
【
図21A】別の例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリを示す。
【
図21B】別の例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリを示す。
【
図21C】一実施形態によるアンテナハウジングを示す。
【0023】
本発明の特定の実施形態は、様々な図面及び略図を参照して以下に開示される。説明及び例示の両方は、理解を強化するための意図で起草されてきた。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張される場合があり、商業的に成功した実装に有益であるか、又は更に必要である周知の要素は、実施形態をより少ない曖昧さで、かつより明瞭にすることができるように、描写されない場合がある。更に、本明細書で説明される寸法及び他のパラメータは、単に例示的であり、非限定的である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例示及び説明の両方における簡潔さ及び明瞭さは、当業者が、当該技術分野において既に知られているものを考慮して、本開示の製造、使用、及び最良の実施を効果的に可能にすることが求められている。当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の特定の実施形態に様々な修正及び変更がなされ得ることが理解されよう。そのため、本明細書及び図面は、限定的又は包括的ではなく、例証的かつ例示的であるとみなされるべきであり、本明細書に記載される特定の実施形態への全てのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。更に、以下の詳細な説明は、代表的な実施形態を説明し、明示的に開示された組み合わせ(複数可)に限定されることを意図するものではないことを、理解されたい。したがって、特に明記されない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にする目的で別様に説明又は示されなかった追加の組み合わせを形成するために、一緒に組み合わされてもよい。
【0025】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」という用語、又はこれらのあらゆる他の変形は非排他的な含有物を指すように意図され、要素のリストを含むプロセス、方法、製造品、デバイス又は装置(例えば、コネクタ)は、当該リスト上のそれら要素だけを含むのではなく、明示的に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、製造品、デバイス若しくは装置に固有ではない他の要素も含む場合があるようなものである。本明細書で使用するとき、「a」又は「an」という用語は、1つ又は2つ以上として定義される。本明細書で使用するとき、「複数(plurality)」という用語は、2つ又は2つを超えるものとして定義される。本明細書で使用するとき、「別の(another)」という用語は、少なくとも第2以上として定義される。本明細書に別途示されない限り、もしある場合は、「第1」及び「第2」、「上部」、「底部」などの関係用語の使用は、1つのエンティティ又はアクションを別のエンティティ又はアクションから区別するためにのみ使用されるのであり、その際、そのようなエンティティ又はアクション間の実際の関係、優先度、重要性、又は順序を必ずしも必要とする又は暗示することはない。
【0026】
本明細書で使用するとき、「結合された(coupled)」という用語は、1つの導体内の電流に関連する少なくとも電界のエネルギーが、ガルバニックに接続されていない別の導体上に印加されることを意味する。別の言い方をすれば、「結合」という単語は、機械的接続、ガルバニック電気接続、又は磁場媒介電磁相互作用のいずれにも限定されないが、その意味が本明細書における特定の説明の文脈によって制限されない限り、1つ以上のこのような接続を含んでもよい。
【0027】
本明細書における「又は」又は「及び/又は」の使用は、包括的であると定義され(A、B又はCは、任意の1つ又は任意の2つ又は3つ全ての文字を意味する)、排他的であるとは定義されない(排他的であると明示的に示されている場合を除く)。したがって、場合によっては、「及び/又は」の使用は、他の場所での「又は」の使用が、その「又は」の使用が排他的であることを意味することを暗示すると解釈されるべきではない。
【0028】
本明細書で使用するとき、「含む(including )」及び/又は「有する(having)」という用語は、含む(comprising)ものとして、(すなわち、オープン言語)として定義される。
【0029】
1つ以上の例示的な実施形態を、方法として説明する場合があることにも留意されたい。方法を、代表的なシーケンス(すなわち、連続的)で説明する場合があるが、このような方法を、並行に、共同して、又は同時に実行してもよいことを、理解されたい。加えて、方法内の各変形工程の順序は、入れ替えられてもよい。説明する方法は、完了したときに終了することができ、また、例えば、そうした工程が当業者に既知である場合、本明細書に記載されていない追加の工程を含んでもよい。
【0030】
本明細書で使用するとき、「矩形」は、矩形幾何学形状の例示的なサブセットとして「正方形」幾何学形状を含む幾何学形状を示す。
【0031】
本発明で使用する場合、「実施形態」又は「代表的な」という用語は、本開示の範囲内に含まれる実施例を意味する。
【0032】
ここで
図1A~
図1Cを参照すると、一実施形態による例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリ1の異なる図が示されている。図示のように、アセンブリ1は、矩形の二極「パッチ」アンテナと、例えば、例示的なミリ波周波数で動作する電気通信機器(図示しないが、例えば、送信機、受信機)に機械的かつ電気的に接続するアンテナアセンブリ(単極アンテナアセンブリも本開示の範囲内であるが)との組み合わせであってもよい。例示的な周波数帯域を以下の表1に提供する。
【0033】
(表1)
24250MHz~27500MHz
26500MHz~29500MHz
27500MHz~28350MHz
37000MHz~40000MHz
39500MHz~43500MHz
【0034】
上記の周波数帯域にもかかわらず、例示的なアンテナアセンブリは、上記のものとは異なる周波数帯域で動作してもよいことを理解されたい。例えば、代替の帯域は、(i)上記の周波数帯域より下(例えば、6000MHz周波数より下)、(ii)上記の周波数帯域のうちの1つの間、例えば、28350~37000MHz、及び/又は(iii)上記の周波数帯域より上でもよい。
【0035】
本発明のアンテナアセンブリ1の1つの例示的な用途は、例えば、ワイヤレス無線ハブである。
【0036】
図2は、例示的なアンテナ1の正面図を示し、アンテナ1は、他の構成要素の中でも、複数の中央の実質的に矩形のパッチアンテナ要素3a~3n(「n」は最後の要素を示す)と、複数の誘電体フィラー要素8a~8nと、複数の誘電体要素9a~9nと、要素3a~3n、8a~8n、6a~6n及び9a~9nを封入及び保護し、接地基準及び他の要素の中でも要素3a~3n、5a~5n、8a~8n及び9a~9nの正確な間隔/ピッチを提供するためのハウジング2とを備える。
図2に示す実施形態では、アセンブリ1は、8個のパッチアンテナ要素3a~3nを含むが、これは単なる例示であり、より多くの又はより少ない要素(例えば、4、16、32など)が本発明のアセンブリに含まれてもよい。説明を容易にするために、アンテナ要素3a~3dは、「上部アンテナ」の一部であると呼ばれることがあり、要素3e~3nは、「下部アンテナ」の一部であると呼ばれることがある。
【0037】
例示的なハウジング2は、単端部ハウジング2aと、3個の中間ハウジング2b~2dと、単端部ハウジングキャップ2eとを備えて示されており、ハウジングの各々は、例えば、1つ以上の要素3a~3nを保護することができ、又は1つ以上の要素3a~3nに関連付けることができる。端部ハウジング、中間ハウジング及びハウジング端部キャップのこの数も例示的なものであり、例えば要素3a~3nの数に応じて、より多くの又はより少ないそのようなハウジング構成要素が含まれてもよいことを理解されたい。一実施形態では、ハウジングは、適切な機械的及び環境的性能を促進する正確な物理的及び機械的特性とともに適切な電気的性能を促進する誘電率及びめっきを有する誘電体材料(例えば、液晶ポリマー又は「LCP」)から構成されてもよい。代替の実施形態では、ハウジングはダイカストハウジングであってもよい。
【0038】
図3A~
図3Cは、一実施形態による、要素3a~3nが封入されていない単端部ハウジング2a、中間ハウジング2b~2d、及び単端部ハウジングキャップ2eの追加の図を示す。図示されるように、各ハウジング(例えば、2a~2e)は、1つ以上のチャネル11a~11nを含むように構成されてもよい。一実施形態では、各チャネル11a~11nは、他の構成要素の中でも、電極の長手方向伝送部分(以下、「長手方向部分」)を受容するように構成されてもよい(長手方向部分は
図3A~
図3Cに示されていない、ただし、
図5C及び
図6の構成要素14a、14aa、15a及び15aaを参照されたい)。
【0039】
図4A及び
図4Bは、本発明のアセンブリ1の例示的な寸法を示すが、ここでも、これらの寸法は例示に過ぎず、要素3a~3nの数(例えば、高さ20.9mm、18.5mm又は12mmであってもよい)及び/又はアセンブリ1の配向角度(すなわち、垂直軸からのアセンブリ1の要素2a~2nの傾斜度)に応じて他の寸法が使用されてもよいことを理解されたい。
図4Aに示す実施形態では、アセンブリ1は、75度の配向角4を有する要素3a~3nで構成されているが、これも例示である。追加の実施形態では、この角度は、例えば、0~90度の角度を含んでもよい。
【0040】
図4Bでは、寸法は「PI」(「ピッチ」を表す)で示されている。この寸法は、1つの要素(例えば、3e)の中心線から別の隣接する要素(例えば、3a又は3f)の中心線まで測定することができる。本開示の実施形態によれば、各要素間のピッチ寸法の値は、要素3a~3nの動作周波数が変化するにつれて変化し得る(例えば、24250MHzで動作するパッチアンテナのピッチは、37000MHzで動作するパッチアンテナのピッチとは異なる)ことを理解されたい。
【0041】
図5A~
図5Cを参照すると、ハウジング2が透明であるアセンブリ1の図が示されている。透明なハウジング2は、アセンブリ1の要素がハウジング2によってどのように封入されているかを読者が見ることができるように示されていることを理解されたい。例えば、電極5b、6b及び5e、6eの長手方向部分14a、14aa及び15a、15aaがそれぞれ示されているが、単極バージョンでは、1つの長手方向部分のみが必要とされることが理解される。
【0042】
ここで
図6を参照すると、アセンブリ1の断面が示されている。より詳細には、3個の中央パッチアンテナ要素3a、3b及び3eが示されている。一実施形態では、各要素3a~3nは、極5a~5n、6a~6n(図には数個の極のみが示されている)に容量結合されてもよく、又は直接取り付けられてもよい。例えば、パッチ要素3aは、極5a、6aに容量結合されるか、又は直接取り付けられてもよく、パッチ要素3bは、極5b、6bに容量結合されてもよく、パッチ要素3eは、極5e、6eに容量結合されてもよく、ここで、図示された二極の実施形態では、一方の極は、例示的なパッチアンテナが、ある周波数において、一方の直線軸(例えば、x軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にし、他方の極は、パッチアンテナが、別の直交直線軸(例えば、y軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にする(すなわち、各対内の各個々の極の相対的な直交配向は、二極パッチアンテナ構成を表す)ことを理解されたい。明確にするために、例えば、上部アンテナ1aの各アンテナ要素3a~3dは、「長い電極」(略して「長い極」)及び「短い電極」(「短い極」)(例えば、要素3bについて、長手方向部分14aを含む長い極6b及び長手方向部分14aaを含む短い極5b)に関連付けられてもよく、下部アンテナ1bの各要素3e~3nもまた、長い極及び短い極(例えば、要素3eについて、長手方向部分15aを含む長い極6e及び長手方向部分15aaを含む短い極5e)に関連付けられてもよい。この場合も、単極バージョンでは、1つの長手方向部分のみが必要とされることが理解される。
【0043】
例示的な同調セクション7も示されている。理解を容易にするために単一の同調セクション7のみに符号が付されているが(すなわち、
図6では同調セクションの全てには符号が付されていない)、各極5a~5n、6a~6nは、そのような同調セクション7を含んでもよい。本開示の一実施形態によれば、各同調セクション(例えば、セクション7)は、各極5a~5n、6a~6nの電磁特性に影響を与えるように機能する。例えば、極6bは、同調セクション7を含むことができる。一実施形態では、同調セクションは、各極の電磁結合特性に影響を及ぼすように機能する、いわゆる「ドッグボーン」形状セクションを含んでもよい(例えば、「ドッグボーン」セクションが長いほど、双極子に対する影響が大きくなる)。このようにして、単極又は二極アンテナの電磁特性は、設計基準の所望のセットを達成するために制御され得る(例えば、最適な全体的性能のために各電極の反射減衰量を最大化する(反射を最小化する))。
【0044】
上述した要素に加えて、前述したように、各アセンブリ1は、1つ以上の誘電体フィラー要素を更に備えてもよい。ここで
図7Aを参照すると、中央の矩形パッチアンテナ要素3e、3fが示されており、これらの各々は、二極5e、6e又は5f、6f(ここで、信号は、各極の端部から送信され得る)にそれぞれ関連付けられ、少なくとも1つの誘電体フィラー要素8e、8fは、それぞれの二極対5e、6e及び/又は5f、6fとハウジング2との間にそれぞれ構成される。
図7Aにはフィラー要素8e、8fのみが示されているが、少なくとも1つのそれぞれの誘電体フィラー要素8a~8nが二極対5a~5n又は6a~6nとハウジング2との間に構成されることが理解されるべきであり、単極バージョンもそのような誘電体フィラー要素を含むことが理解される。
【0045】
一実施形態では、アンテナ要素の各極に関連付けられた各誘電体フィラー要素8a~8nは、個々の極5a~5n又は6a~6nのインピーダンスを制御するようにエアギャップを充填するように機能することができ、所望の電気的、機械的及び環境的性能を容易にする正確な物理的及び機械的特性を提供するように機能する誘電率からなる材料(例えば、LCPであり、その一例としてCelanese Corporation製のLCP、Model LKX1761、Zenite LCPがある)から構成することができる。
【0046】
図7Bは、単一の中央の矩形パッチアンテナ要素3e、対応する例示的な誘電体フィラー要素8e、及び誘電体要素9dを示す。図示されるように、誘電体フィラー要素8eは、単一の構造を含んでもよいが、代替的に、単一の構造は、少なくとも2つの構造に分離されてもよい。実施形態では、本発明の誘電体フィラー要素は、(i)別個の部品として構成され、個々の部品としてハウジングに組み立てられてもよく、及び/又は(ii)アンテナサブアセンブリを作成し、次にハウジングに組み立てられるように、二極又は単極アンテナに組み立てられてもよいことを理解されたい。更に、別の実施形態では、アンテナ構成要素及び/又はハウジングの幾何学形状がインピーダンス制御を必要としない(すなわち、フィラー材を必要とせずにインピーダンスを制御するように構成される)ので、誘電体フィラー材要素は、必要とされなくてもよい。
【0047】
ここで
図8を参照すると、開示される実施形態による、アセンブリ1などの本発明のアンテナアセンブリを組み立てるために使用され得る例示的な工程が示されている。
図8では、中間ハウジング2b~2dは、それぞれ、1つ以上の対向する雄型及び雌型接続要素10a~10n、12a~12n(「n」は最後の雄/雌型要素を表す)を備えることができ、対向する雄型及び雌型要素の各対は、各中間ハウジングを(i)別の中間ハウジング(例えば、2c~2b、2d~2c)、(ii)端部ハウジング2a、又は(iii)端部ハウジングタブ2eのいずれかに、例えば、それらの間にそれぞれのアンテナ要素を伴って接続するために、互いに接続する(すなわち、嵌合する)ように機能する。更に、端部ハウジング2aは、1つ以上の雌型要素12a~12nを含んでもよく、各雌型要素は、中間ハウジング(例えば、2a~2b)の雄型要素10a~10nに、例えば、それらの間のそれぞれのアンテナ要素とともに、接続するように機能し、端部ハウジングタブ2eは、1つ以上の雄型接続要素10a~10nを含んでもよく、各雄型接続要素は、中間ハウジング(例えば、2e~2d)の雌型接続要素10a~10nに、例えば、それらの間のそれぞれのアンテナ要素とともに、接続するように機能する。アセンブリ1の雄型及び雌型接続要素は、逆にされて、依然としてアセンブリ1を構成することができることを理解されたい。アセンブリ1をハウジングセクションごとに構築することによって、アセンブリ1は、モジュール式アセンブリであると言うことができる。とは言うものの、本発明のアセンブリはまた、非モジュール構成(例えば、単体構造)を備えてもよいことを理解されたい。
【0048】
一実施形態では、各雌型接続要素12a~nは、対向する雄型接続要素10a~10nを受容するための溝付きスロットをハウジング要素2a~2e内に含むことができ、雄型接続要素10a~10nのそれぞれは、ハウジング要素2a~2eの表面から突出するタブを含むことができる。アセンブリ1を組み立てるための他の構造(雄型及び雌型嵌合接続要素以外)も、同様に使用され得る。
【0049】
ここで
図9を参照すると、一実施形態による例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリ100の別の実施形態が示されている。図示のように、アセンブリ100は、例えば、ミリ波周波数で動作する電気通信機器(図示しないが、例えば、送信機、受信機)に機械的かつ電気的に接続する矩形の二極「パッチ」アンテナ要素300a~300n(「n」は最後のアンテナ要素を示すが、前述のように、単極アンテナアセンブリも本開示の範囲内である)の組み合わせであってもよい。例示的で非限定的な動作周波数帯域が上記の表1に提供されている。本発明のアンテナアセンブリ100の1つの例示的な用途は、例えば、ワイヤレス無線ハブである。そのような周波数範囲にもかかわらず、例示的なアンテナアセンブリ100は、上記の範囲未満の周波数(例えば、6000MHz未満の周波数)で動作してもよいことを理解されたい。
【0050】
図9が示すように、75度の配向角度を使用するのではなく、例示的なアンテナアセンブリ100は、(垂直軸から)0度の配向角度のアセンブリとして構成されてもよい。
【0051】
一実施形態では、複数の二極アンテナ要素300a~300nに加えて、アセンブリ100は、他の要素/構成要素の中でも特に要素300a~300nを封入して保護するとともに、接地基準を提供し、アンテナ要素300a~300nの正確な間隔/ピッチを確立するためのハウジング200を備えることができる。
図9に示す実施形態では、アセンブリ100は、16個の中央の矩形パッチアンテナ要素300a~300nを含むが、これは単なる例示であり、より多くの又はより少ない要素(例えば、4、8、32など)が本発明のアセンブリに含まれてもよい。更に、例示的なハウジング200は、単一の構造を備えるように示されているが、これも例示的なものであり、代替的に、単一のハウジングを2つ以上のモジュール式ハウジングに分離することができることを理解されたい。一実施形態において、ハウジング200は、適切な機械的及び環境的性能を促進する正確な物理的及び機械的特性とともに適切な電気的性能を促進する誘電率及びめっきを有する誘電体(例えば、LCP)から構成されてもよい。代替の実施形態では、ハウジングはダイカストであってもよい。
【0052】
図9はまた、アセンブリ100の例示的な寸法を示す。実施形態では、1つの要素300nの中心線から別の隣接する要素300n-1(すなわち、最後から2番目のアンテナ)の中心線までの測定される「P2」(「ピッチ」を表す)と示される要素間のピッチは、要素300a~300nの所望の動作周波数が変化するにつれて変化し得る(例えば、24250MHzで動作するパッチアンテナ間のピッチは、37000MHzで動作するパッチアンテナ間のピッチとは異なる)。
【0053】
図10Aは、説明を容易にするためにそのハウジング200から分離された単一の要素300dの例証的な図を示す。一実施形態では、各パッチ要素300a~300nは、極500a~500n、600a~600nに容量結合されてもよく、又は直接取り付けられてもよい。例えば、パッチ要素300dは、極500d、600dに容量結合されてもよく、この二極の実施形態では、一方の極は、例示的なパッチアンテナが、ある周波数において、一方の直線軸(例えば、x軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にし、他方の極は、パッチアンテナが、別の直交直線軸(例えば、y軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にする(すなわち、各対内の各個々の極の相対的な直交配向は、二極パッチアンテナ構成を表す)ことを理解されたい。
【0054】
ここで
図10Bを参照すると、各極500a~500n、600a~600nは、各極500a~500n、600a~600nの電磁特性に影響を与えるように機能する同調セクション700a~700n(
図10Bでは2つだけ、700a、700bが示されている)を含むことができることを理解されたい。一実施形態では、各同調セクション700a~700nは、各双極子の電磁特性に影響を及ぼすように機能する「ドッグボーン」形状セクションを含んでもよい(例えば、「ドッグボーン」セクションが長いほど、双極子に対する影響が大きくなる。
図8のセクション7を参照)。このようにして、単極又は二極アンテナ要素の電磁特性は、設計基準の所望のセットを達成するために制御され得る(例えば、最適な全体的性能のために極伝送線の反射減衰量を最大化する(反射を最小化する))。
【0055】
更に、
図10Bはまた、本発明のアセンブリの付加的特徴を図示する。例えば、各同調セクション700a~700n(700a、bとして2つのみが示されている)は多層セクションとして形成され得、それにおいて例示的な導電層(例えば、金)が例示的な拡散バリア層(例えば、ニッケル)の上に形成され得る。一実施形態では、導電層は、例えば、レーザによってめっき後プロセスにおいて除去又は剥離されてもよい(又は最初に追加されなくてもよい)。その結果、各同調セクションの拡散バリア層は大気にさらされ、露出した層上に酸化物が形成される。極を基板(例えば、プリント配線板)に接続するために使用されるリフローはんだ付けプロセス中に、はんだがはんだ付け接合部から極に引き上げられる(「吸い上げられる」)のを酸化物が防止するので、極のそのような剥離部分は、「抗ウィッキング」セクションと呼ばれ得る。はんだは、引き上げられ得ないので、はんだ接合部の近くに残る。これにより、はんだ接合の信頼性が向上する。別の言い方をすれば、酸化物が形成されないとき(導電層が剥離されないとき)、はんだは、接合部から離れるように極に引き上げられるか、又は「吸い上げられ」、はんだ接合部に残るはんだが少なくなり、接合部が弱くなる(すなわち、はんだ接合部の信頼性が低下する)。
【0056】
更に、はんだが極に引き上げられる場合(抗ウィッキングセクションが存在しない場合)、はんだは、それが流れている、又は流れた極の部分にわたって均一に分配されない可能性がある。このような不均一な分布は、極、したがって本発明のアセンブリの電気的性能(反射減衰量、耐電圧)に悪影響を及ぼす可能性がある。逆に、極への抗ウィッキングセクションの組み込みは、はんだの不均一な分布の問題を取り除き、実質的にはんだが極を流れ上がることを可能にしないので、電気的性能を改善する。
【0057】
抗ウィッキング同調セクション700a、700bの例示的な非限定的な寸法も
図10Cに示されている。
【0058】
図10A~
図10Cは、0度の配向角度を有するアンテナアセンブリの抗ウィッキング特徴を示すが、抗ウィッキング特徴は、0度以外の異なる配向角度を有するアセンブリに組み込まれてもよいことを理解されたい。例えば、
図10Dは、例えば、75度の配向角度を有するアンテナアセンブリのための抗ウィッキング同調セクション番号7000、700b、及び7000cを示す(前述の図、例えば、
図6参照)。
【0059】
極500a~500n、600a~600nの各対は、少なくとも1つの対応する誘電体フィラー要素800a~800n(「n」は最後の要素を意味する)に関連付けられてもよく、単極の実施形態では、単極は対応する誘電体フィラー要素に関連付けられることが理解される。
図10Aには、極500d、600d及び少なくとも1つの誘電体フィラー要素800dがそれぞれ示されており、少なくとも1つのそれぞれの誘電体フィラー要素800a~800nが各極500a~500n、600a~600nに関連付けられているが、これらは
図9又は
図10Aには示されていないことが理解される。
【0060】
一実施形態では、アンテナ要素の各極に関連付けられた各誘電体フィラー要素800a~800nは、個々の極のインピーダンスを制御するようにエアギャップを充填するように機能することができ、所望の電気的、機械的及び環境的性能を容易にする正確な物理的及び機械的特性を提供するように機能する誘電率からなる材料(例えば、LCPであり、その一例としてCelanese Corporation製のLCP、Model LKX1761、Zenite LCPがある)から構成することができる。
【0061】
誘電体フィラー要素800dは単一の構造として示されているが、代替的に、単一の構造は少なくとも2つの構造に分離されてもよい。前述したように、実施形態では、本発明の誘電体フィラー要素は、(i)別個の部品として構成され、個々の部品としてハウジングに組み立てられてもよく、及び/又は(ii)アンテナサブアセンブリを作成し、次にハウジングに組み立てられるように、アンテナに組み立てられてもよいことを理解されたい。更に、別の実施形態では、アンテナ構成要素及び/又はハウジングの幾何学形状がインピーダンス制御を必要としない(すなわち、フィラー材を必要とせずにインピーダンスを制御するように構成される)ので、誘電体フィラー材要素は、必要とされなくてもよい。
【0062】
ここで
図11を参照すると、実施形態による、アセンブリ100などの本発明のアンテナアセンブリを組み立てるために使用され得る例示的な簡略化された工程が示されている。簡略化された実施形態では、誘電体フィラー要素800aは、最初にハウジング200の角に配置されてもよい。その後、極500a、600aを有するアンテナ要素300aは、アセンブリ100の一部(又は、単一の要素のみが存在する場合、アセンブリ100全体)を形成するようにハウジング200内に配置されてもよい。
【0063】
図12A、
図12B、
図13A~
図13D、及び
図14A、
図14Bは、アセンブリ1及びアセンブリ100にそれぞれ類似した本発明のアンテナアセンブリについて反射減衰量、利得、及び単一の要素の極間アイソレーションのシミュレーションされた測定値の例示的なグラフを提供する。より詳細には、
図12Aでは、4アンテナ線形アレイ(下部アンテナ)を編成するアンテナ要素を使用した75度の配向に対する反射減衰量が示されており、
図12Bでは、0度の配向に対する反射減衰量が示されている。
図13A及び
図13Bには、4アンテナ線形アレイ(下部アンテナ)を編成するアンテナ要素を使用した75度の配向に対する2つの異なる周波数における利得が示されており、
図13C及び
図13Dには、0度の配向に対する2つの異なる周波数における利得が示されている。
図14Aには、4アンテナ線形アレイ(下部アンテナ)を編成するアンテナ要素を使用した75度の配向に対するアイソレーション測定値が示されており、
図14Bには、0度の配向に対するアイソレーション測定値が示されている。
【0064】
ここで
図15Aを参照すると、アンテナアセンブリ(例えば、75度の配向角度アセンブリ)の例示的な極5000a、6000aが示されている。極5000a、6000aの形成中に、極の端部は、例えば、距離d1だけ変形又は誤った形状(まとめて「誤形状」)になり得る。これが起こると、極5000a、6000aの所望の電気的特性、したがってそれらの関連するアセンブリが劣化する可能性がある(例えば、予想される反射減衰量、インピーダンス、及び耐電圧が満たされない可能性がある)。
【0065】
実験において、本発明者らは、75度配向の極の寸法は、極5000a、6000a及びアセンブリの電気特性の望ましくない劣化を回避するために、端部が0.50mm(0.020インチすなわち、d1は0.50mm未満である)を超えてゆがんだり、又は別様に誤形状になったりしないように制御されるべきであることを発見した。
【0066】
したがって、本発明者らは、極の端部の寸法を制御するための解決策を提供する。
図15B及び
図15Cを参照すると、一実施形態では、整列構造をアセンブリに組み込むことによって、そのような望ましくない影響を最小限に抑えることができる。例えば、各極6001a、b及び6002a、bは、1つ以上の整列構造(例えば、バイアスバンプ)6003a~6003nを含んでもよい。代替的又は追加的に、ハウジング6004は、1つ以上の整列構造(例えば、バイアスブロック)6005~6005nを組み込んでもよい(
図15B及び
図15C参照)。本発明者らは、整列構造を組み込むことによって、望ましくない電気的影響を回避するために(例えば、インピーダンスを制御することができ、したがって、反射減衰量を制御することができる)、極の形状を制御することができる(例えば、極をハウジングの空洞の中心に置くことができる)ことを発見した。
【0067】
更に、
図15Dを参照すると、実施形態において、1つ以上の短い極6006a~6006nは、プリント回路基板(図示せず)のスタンドオフに対する短い極(又は複数の極)の位置(例えば、垂直方向上下)を制限するために、1つ以上の整列構造(例えば、バイアスバンプ)6007a~6007nを用いて構成されてもよい。これは、SMT共平面性の制御と呼ぶことができる。
【0068】
次に
図16Aを参照すると、例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリ1000の更に別の実施形態が示されている。図示のように、アセンブリ1000は、例えば、ミリ波周波数で動作する電気通信機器(図示しないが、例えば、送信機、受信機)に機械的かつ電気的に接続する複数の二極アンテナ要素3000a~3000n及び3001a(「n」は最後のアンテナ要素を示すが、前述のように、単極アンテナアセンブリも本開示の範囲内である)を備えてもよい。例示的で非限定的な動作周波数帯域が上記の表1に提供されている。本発明のアンテナアセンブリ1000の1つの例示的な用途は、例えば、ワイヤレス無線ハブである。そのような周波数範囲にもかかわらず、例示的なアンテナアセンブリ1000は、上記の範囲未満の周波数(例えば、6000MHz未満の周波数)で動作してもよいことを理解されたい。
【0069】
図16Aが示すように、例示的なアンテナアセンブリ1000は、垂直軸から45度の配向角度で構成された複数のアンテナ要素3000a~3000n(例えば、7)と、0度の配向角度で構成された少なくとも1つのアンテナ要素3001aとを備え得る。
図16Aに示す実施形態では、アセンブリ1000は、8個のアンテナ要素3000a~3000n、3001aを含むが、これは単なる例示であり、より多くの又はより少ない要素(例えば、4、16、32など)が本発明のアセンブリに含まれてもよい。1つの要素3001aが0度の配向角度で示されているが、これも単なる例示である(すなわち、2つ以上がアセンブリ1000に含まれてもよく、又は要素が含まれなくてもよい。例えば、
図20A~
図20C及び
図21A~
図21C参照)。同様に、7個の要素3000a~3000nが45度の配向角度で示されているが、これも単なる例示である(7個より多い又は少ない要素がアセンブリに含まれてもよい)。
【0070】
アセンブリ1000はまた、複数の誘電体フィラー要素8000a~8000n(例えば、アンテナ要素ごとに1つ)と、複数の誘電体要素9000a~9000n(例えば、アンテナ要素ごとに1つ)と、要素3000a~3000n、3001a、8000a~8000n及び9000a~9000nを封入及び保護し、接地基準及び他の要素の中でも特に要素3000a~3000n、3001aの正確な間隔/ピッチを提供するためのハウジング2000とを備えてもよい(例示的なピッチ値については
図16Dを参照)。
【0071】
例示的なハウジング2000は、単一の構造を含むように示されているが、これも単なる例示である。ハウジング2000は、代替的に、例えば、1つ以上の接続された構造から構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0072】
一実施形態では、ハウジング2000は、適切な機械的及び環境的性能を促進する正確な物理的及び機械的特性とともに適切な電気的性能を促進する誘電率及びめっきを有する誘電体材料(例えば、液晶ポリマー又は「LCP」)から構成されてもよい。代替の実施形態では、ハウジングは、ダイカストハウジングであってもよい。
【0073】
ここで
図16Bを参照すると、アセンブリ1000の別の図が示されている。この図は、アセンブリ1000の底部の図である。図示されるように、アセンブリ1000は、複数の電気接地構造2001a~2001nを備えてもよく、各接地構造は、例えば、1つのアンテナ要素3000a~3000n又は3001aのための電気接地として構成される。一実施形態において、接地構造2001a~2001nは、例えば、1つの非限定的な材料を挙げると、LCPから構成されてもよい。一実施形態において、接地構造2001a~2001nの各々は、例えば、プリント回路基板(printed circuit board 、PCB)の電気接地面に接続されるように構成されてもよい。
【0074】
また、複数のアセンブリ整列構造2002a~2002nが示されており、各整列構造は、アセンブリ1000をPCB上の所定位置に固定するためにPCBに接続されるように構成されている。一実施形態において、構造2002a~2002nは、例えば、1つの非限定的な材料を挙げると、LCPから構成されてもよい。更に、構造2002a~2002nの高さは、機械的整列/取り付けを維持するために、対応するPCBの厚さに基づいて変化してもよい。
【0075】
図16C及び
図16Dは、それぞれ、アセンブリ1000の側面図及び上面図を示す。
図16Dには、例示的なピッチ値P3及びP4が示されており、ピッチ値P3は、それぞれ45度で配向角度要素3000a~3000nにあり、ピッチ値P4は、45度ごとに配向角度要素3000a~3000nと0度要素3001aとの間にある。ピッチ値P3及びP4は単に例示的なものであり、例えばアセンブリ1000の性能要件に基づいて変更されてもよいことを理解されたい。
図16C及び
図16Dはまた、アセンブリ1000の非限定的な例示的な寸法を示す。
【0076】
ここで
図17を参照すると、説明を容易にするために、それぞれの例示的な構成要素に分離されたアセンブリ1000が示されている。
【0077】
図示されるように、ハウジング2000は、複数のアンテナ極開口2003a~2003nを含んでもよく、各開口は、45度の配向角度で構成され、二極アンテナ要素3000a~3000nの電極を受容するように構成され、少なくとも2つのアンテナ極開口2004a、bは、0度の配向角度で構成され、それぞれ、二極アンテナ要素3001aの電極を受容するように構成される。本明細書に示される実施形態では、ハウジング2000は、「皿形状」に構成されてもよく、ハウジングは、実質的に平坦で円形の中心上面又は第1の面2006を含み、面2006は、面2006の周囲から実質的に平坦で円形の底面又は第2の面2007の周囲に向かって延在する複数の角度付きリブ2005a~2005nを有する。一実施形態において、各リブ2005a~2005nは、上面2006から実質的に45度の角度で構成されてもよい。更に、隣接するリブの間には、角度付き凹面部分2008a~2008nが構成され、各角度付き凹面部分2008a~2008nは、少なくとも2つの開口2003a~2003n(二極の実施形態の場合)を備えて構成されてもよく、リブ及び開口は、要素3000a~3000nの角度(例えば、45度)に対応する角度で構成される。更に、上面2006は、少なくとも2つの開口2003a~2003nを備えて構成される少なくとも1つの凹部2009を含んでもよく、面2006及び開口2004a、bは、要素3001aの角度(例えば、0度)に対応する角度で構成される。
【0078】
図17は、本発明のアセンブリ1000の二極の実施形態を示すことを理解されたい。代替的に、同様のハウジングを単極アセンブリ用に構成してもよい。そのような場合、ハウジングは、複数のアンテナ極開口を含んでもよく、各開口は、45度の配向角度で構成され、単極アンテナ要素3000a~3000nの電極を受容するように構成され、1つのアンテナ極開口は、0度の配向角度で構成され、それぞれ、単極アンテナ要素の電極を受容するように構成される。一実施形態では、ハウジングは、「皿形状」に構成されてもよく、ハウジングは、実質的に平坦で円形の中心上面又は第1の面を含み、上面は、上面の周囲から実質的に平坦で円形の底面又は第2の面の周囲に向かって延在する複数の角度付きリブを有する。一実施形態では、各リブは、上面から実質的に45度の角度で構成され得る。更に、隣接するリブの間には、角度付き凹面部分が構成され、各角度付き凹面部分は、1つの開口(単極の実施形態の場合)を備えて構成されてもよく、リブ及び開口は、要素の角度(例えば、45度)に対応する角度で構成される。更に、上面は、1つの開口備えて構成される少なくとも1つの凹部を含んでもよく、上面及び開口は、要素の角度(例えば、0度)に対応する角度で構成される。
【0079】
しかしながら、ハウジング2000の皿形状構成は非限定的な例示的な形状であり、他の形状も本開示の範囲内であることを理解されたい。例えば、ハウジングは、
図20A~
図20C及び
図21A~
図21Cに見られるようなドーナツ形状のハウジングを含んでもよい。
【0080】
続いて、
図17はまた、誘電体フィラー要素がハウジング2000から取り外されていない例示的な0度の配向角度のアンテナ要素3001aと、誘電体フィラー要素8000がハウジング2000から取り外されていない例示的な45度の配向角度のアンテナ要素3000nとを別々に示す。最後に、
図17は、単一の誘電体フィラー要素8000を別々に示す。以下の説明は、各45度の配向角度のアンテナ要素3000a~3000nに適用されることを理解されたい。
【0081】
図示されるように、45度の配向角度のアンテナ要素3000nは、二極5000n、6000nに容量結合されるか、又は直接取り付けられてもよく、一方の極は、例示的なアンテナが、ある周波数において、一方の直線軸(例えば、x軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にし、他方の極は、パッチアンテナが、別の直交直線軸(例えば、y軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にする(すなわち、各対内の各個々の極の相対的な直交配向は、二極アンテナ構成を表す)ことを理解されたい。
【0082】
アンテナ要素3000nは、例えば、極5000nのための長手方向部分1400nと、極6000nのための長手方向部分1500nとを含んでもよい。
【0083】
一実施形態では、各長手方向部分1400n、1500nは、例示的な同調セクション7000nを含むことができる。一実施形態によれば、同調セクション7000nは、各極5000n、6000nの電磁特性に影響を与えるように機能する。一実施形態では、同調セクションは、各極の電磁結合特性に影響を及ぼすように機能する、いわゆる「ドッグボーン」形状セクションを含んでもよい(例えば、「ドッグボーン」セクションが長いほど、双極子に対する影響が大きくなる)。このようにして、単極又は二極アンテナの電磁特性は、設計基準の所望のセットを達成するために制御され得る(例えば、最適な全体的性能のために各電極の反射減衰量を最大化する(反射を最小化する))。
【0084】
同様に、例示的な0度の配向角度のアンテナ要素3001aは、二極5001a、6001aに容量結合されてもよく、又は直接取り付けられてもよく、ここでも、一方の極は、例示的なアンテナが、ある周波数において、一方の直線軸(例えば、x軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にし、他方の極は、パッチアンテナが、別の直交直線軸(例えば、y軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にする(すなわち、各対内の各個々の極の相対的な直交配向は、二極アンテナ構成を表す)ことを理解されたい。
【0085】
アンテナ要素3001aは、例えば、極5001aのための長手方向部分1401aと、極6001aのための長手方向部分1501anとを含んでもよい。
【0086】
一実施形態では、各長手方向部分1401a、1501aは、例示的な同調セクション7001aを含むことができる。一実施形態によれば、同調セクション7001aは、各極5001a、6001aの電磁特性に影響を与えるように機能する。一実施形態では、同調セクションは、各極の電磁結合特性に影響を及ぼすように機能する、いわゆる「ドッグボーン」形状セクションを含んでもよい(例えば、「ドッグボーン」セクションが長いほど、双極子に対する影響が大きくなる)。このようにして、単極又は二極アンテナの電磁特性は、設計基準の所望のセットを達成するために制御され得る(例えば、最適な全体的性能のために各電極の反射減衰量を最大化する(反射を最小化する))。
【0087】
上述の要素に加えて、
図17は、例示的な誘電体フィラー要素8000nを示す。一実施形態において、各アンテナ要素3000a~3000n及び3001aに関連付けられた各誘電体フィラー要素8000a~8000nは、それぞれの二極対の間(例えば、極5000nと極6000nとの間、又は極5001aと極6001aとハウジング2000との間)に構成されてもよい。
【0088】
一実施形態では、アンテナ要素の各極に関連付けられた各誘電体フィラー要素8000a~8000nは、個々の極5000a~5000n、6000a~6000n、又は5001aのインピーダンスを制御するようにエアギャップを充填するように機能することができ、所望の電気的、機械的及び環境的性能を容易にする正確な物理的及び機械的特性を提供するように機能する誘電率からなる材料(例えば、セラニーズ社製のLCP、Model LKX1761、Zenite LCP)から構成することができる。
【0089】
図示されるように、誘電体フィラー要素8000nは、単一の構造を含んでもよいが、代替的に、単一の構造は、少なくとも2つの構造に分離されてもよい。実施形態では、本発明の誘電体フィラー要素は、(i)別個の部品として構成され、個々の部品としてハウジングに組み立てられてもよく、及び/又は(ii)アンテナサブアセンブリを作成し、次にハウジングに組み立てられるように、アンテナに組み立てられてもよいことを理解されたい。更に、別の実施形態では、アンテナ構成要素及び/又はハウジングの幾何学形状がインピーダンス制御を必要としない(すなわち、フィラー材を必要とせずにインピーダンスを制御するように構成される)ので、誘電体フィラー材要素は、必要とされなくてもよい。
【0090】
図において、例示的な誘電体フィラー要素8000a~8000nの各々は、湾曲した形状の要素として構成されてもよく、挿入されると、各要素は、凹部2008a~2008n又は2009の周囲の一部と、アンテナ要素に関連付けられたそれぞれの極との間に摩擦によって固定される。
【0091】
各同調セクション7000a~7000n、7001aは、多層セクションとして形成され得、それにおいて例示的な導電層(例えば、金)が例示的な拡散バリア層(例えば、ニッケル)の上に形成され得る。先に説明したように、導電層は、例えば、レーザによってめっき後プロセスにおいて除去又は剥離されてもよい(又は最初に追加されなくてもよい)。その結果、各同調セクションの拡散バリア層は大気にさらされ、露出した層上に酸化物が形成される。先に示したように、極のそのような剥離部分は、はんだ接合の信頼性を向上させる「抗ウィッキング」セクションと呼ぶことができる。別の言い方をすれば、酸化物が形成されないとき(導電層が剥離されないとき)、はんだは、接合部から離れるように極に引き上げられるか、又は「吸い上げられ」、はんだ接合部に残るはんだが少なくなり、接合部が弱くなる(すなわち、はんだ接合部の信頼性が低下する)。
【0092】
先に示したように、はんだが極に引き上げられる場合(抗ウィッキングセクションが存在しない場合)、はんだは、それが流れている、又は流れた極の部分にわたって均一に分配されない可能性がある。このような不均一な分布は、極、したがって本発明のアセンブリ1000の電気的性能(反射減衰量、耐電圧)に悪影響を及ぼす可能性がある。逆に、極への抗ウィッキングセクションの組み込みは、はんだの不均一な分布の問題を取り除き、実質的にはんだが極を流れ上がることを可能にしないので、電気的性能を改善する。
【0093】
図18A~
図18Cを参照すると、ハウジング2000が透明であるアセンブリ1000の上面図、底面図及び側面等角図が示されている。透明なハウジング2000は、アセンブリ1000の構成要素がハウジング2000によってどのように構成され封入されているかを読者が見ることができるように示されていることを理解されたい。
【0094】
同様に、
図19A及び
図19Bは、更に追加の上面図及び底面図をそれぞれ示し、アセンブリ1000の構成要素がどのように構成されるか(例えば、中心要素3001aを除いて45度の配向角度で)を示し、この場合、ハウジングは完全に除去されている。
【0095】
ここで
図20Aを参照すると、一実施形態による例示的な本発明の一体型アンテナアセンブリ10000の別の実施形態が示されている。図示のように、アセンブリ10000は、例えば、ミリ波周波数で動作する電気通信機器(図示しないが、例えば、送信機、受信機)に機械的かつ電気的に接続する複数の単極又は二極アンテナ要素10001a~10001n(「n」は最後のアンテナ要素を示す)を備えてもよい。例示的で非限定的な動作周波数帯域が上記の表1に提供されている。本発明のアンテナアセンブリ10000の1つの例示的な用途は、例えば、ワイヤレス無線ハブである。そのような周波数範囲にもかかわらず、例示的なアンテナアセンブリ10000は、上記の範囲未満の周波数(例えば、6000MHz未満の周波数)で動作してもよいことを理解されたい。
【0096】
図20Aが示すように、例示的なアンテナアセンブリ10000は、垂直軸から45度の配向角度で構成された複数のアンテナ要素10001a~10001n(例えば、8、16、又は32個の要素)を備え得る。先に説明したアセンブリ1000と比較して、アンテナ要素は0度の配向角度で構成されていない。
【0097】
図20Aに示す実施形態では、アセンブリ10000は、32個のアンテナ要素10001a~10001nを含むが、これは単に例示的なものであり、より多くの又はより少ない要素(例えば、4、16、後者の例が
図21A~
図21Cに示される)が本発明のアセンブリに含まれてもよい。
【0098】
アセンブリ10000はまた、複数の誘電体フィラー要素10002a~10002n(例えば、アンテナ要素ごとに1つ)と、複数の誘電体要素10003a~10003n(例えば、アンテナ要素ごとに1つ)と、要素10001a~10001n、10002a~10002n、及び10003a~10003nを封入及び保護し、接地基準及び他の要素の中でも特に要素10001a~10001nの正確な間隔/ピッチを提供するためのハウジング10004とを備えてもよい。
【0099】
例示的なハウジング10004は、単一の構造を含むように示されているが、これも単なる例示である。ハウジング10004は、代替的に、例えば、2つ以上の接続された構造から構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0100】
一実施形態では、ハウジング10004は、適切な機械的及び環境的性能を促進する正確な物理的及び機械的特性とともに適切な電気的性能を促進する誘電率及びめっきを有する誘電体材料(例えば、液晶ポリマー又は「LCP」)から構成されてもよい。代替の実施形態では、ハウジングは、ダイカストハウジングであってもよい。
【0101】
ここで
図20Bを参照すると、アセンブリ10000の別の図が示されている。この図は、アセンブリ10000の底部の図である。図示されるように、アセンブリ10000は、複数の電気接地構造10005a~10005nを備えてもよく、各接地構造は、例えば、1つのアンテナ要素10001a~10001nのための電気接地として構成される。一実施形態において、接地構造10005a~10005nは、例えば、1つの非限定的な材料を挙げると、LCPから構成されてもよい。一実施形態において、接地構造10005a~10005nの各々は、例えば、プリント回路基板(PCB)の電気接地面に接続されるように構成されてもよい。
【0102】
また、複数のアセンブリ整列構造10006a~10006nが示されており、各整列構造は、アセンブリ10000をPCB上の所定位置に固定するためにPCBに接続されるように構成されている。一実施形態において、構造10006a~10006nは、例えば、1つの非限定的な材料を挙げると、LCPから構成されてもよい。更に、構造10006a~10006nの高さは、機械的整列/取り付けを維持するために、対応するPCBの厚さに基づいて変化してもよい。
【0103】
実施形態において、アンテナ要素10001a~10001nのピッチ値は、例えば、アセンブリ1000の要素3000a~3000nのピッチ値と同様であってもよく、ピッチ値は単なる例示であり、例えば、アセンブリ10000の性能要件に基づいて変更されてもよいことが理解される。
【0104】
ここで
図20Cを参照すると、アセンブリ10000のハウジング10004が示されている。
【0105】
図示されるように、ハウジング10004は、複数のアンテナ極開口10007a~10007nを含んでもよく、各開口は、45度の配向角度で構成され、二極アンテナ要素10001a~10001nの電極を受容するように構成される(単極の実施形態の場合、単一の開口のみ)。図示の実施形態では、ハウジング10004は、「ドーナツ形状」に構成されてもよく、ハウジングは、実質的に平坦な中央周辺構造10009内に開口部10008を有する。
【0106】
更に、ハウジング10004は、構造10009の周囲から実質的に平坦で円形の底面10011の周囲に向かって延在する複数の角度付きリブ10010a~10010nを含んでもよい。一実施形態において、各リブ10010a~10010nは、上部構造10009から実質的に45度の角度で構成されてもよい。更に、隣接するリブの間には、角度付き凹面部分10012a~10012nが構成され、各角度付き凹面部分10012a~10012nは、少なくとも2つの開口10007a~10007n(二極の実施形態の場合、単極の実施形態の場合は、単一の開口のみ)を備えて構成されてもよく、リブ及び開口は、要素10001a~10001nの角度(例えば、45度)に対応する角度で構成される。
【0107】
この場合も、
図20Cは、本発明のアセンブリ10000の二極の実施形態を示すことを理解されたい。代替的に、同様のハウジングを単極アセンブリ用に構成してもよい。そのような場合、ハウジングは、複数のアンテナ極開口を含んでもよく、各開口は、45度の配向角度で構成され、単極アンテナ要素10001a~10001nの電極を受容するように構成される。一実施形態では、ハウジングは、前述のように「ドーナツ形状」に構成されてもよい。更に、そのような単極の実施形態は、中央周辺構造の周囲から実質的に平坦で円形の底部又は表面の周囲に向かって延在する複数の角度付きリブを含んでもよい。一実施形態では、各リブは、上部構造から実質的に45度の角度で構成され得る。更に、隣接するリブの間には、角度付き凹面部分が構成され、各角度付き凹面部分は、1つの開口(単極の実施形態の場合)を備えて構成されてもよく、リブ及び開口は、要素の角度(例えば、45度)に対応する角度で構成される。
【0108】
図21A~
図21Cに示す実施形態では、アセンブリ10000’は、
図20A~
図20Cのアセンブリ10000のような32個のアンテナ要素の代わりに16個のアンテナ要素10001a’~10001n’を含むが、これは単なる例示であり、より多くの又はより少ない要素が本発明のアセンブリに含まれてもよい。アセンブリ10000’内のアンテナ要素10001a’~10001n’及びそれらに関連する構成要素(例えば、開口、リブ、凹面部分)の総数及びサイズは、アセンブリ10000内のものと異なってもよいが、要素10001a’~10001n’及びそれらに関連する構成要素(例えば、開口、リブ、凹面部分)の機能は、アセンブリ10000内の要素10001a~10001n及びそれらに関連する構成要素(例えば、開口、リブ、凹面部分)と実質的に同じである。
【0109】
図20A~
図20C及び
図21A~
図21Cに示すアセンブリ10000及び10000’は、前述の要素3000a~3000nと同様の45度の配向角度アンテナ要素を備えてもよいことを理解されたい。例えば、各要素10001a~10001n及び10001a’~10001n’は、二極又は単極に容量結合されるか又は直接取り付けられてもよく、(二極の実施形態の場合)一方の極は、例示的なアンテナが、ある周波数において、一方の直線軸(例えば、x軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にし、他方の極は、パッチアンテナが、別の直交直線軸(例えば、y軸)に沿って偏波される電磁信号を送信又は受信することを可能にする(すなわち、各対内の各個々の極の相対的な直交配向は、二極アンテナ構成を表す)ことを理解されたい。
【0110】
更に、二極の実施形態における各アンテナ要素は、例えば、各極に対して長手方向部分を含むことができる。一実施形態では、各長手方向部分は、例示的な同調セクションを含み得る。一実施形態によれば、前述したように、同調セクションは、各極の電磁特性に影響を与えるように機能する。一実施形態では、同調セクションは、各極の電磁結合特性に影響を及ぼすように機能する、いわゆる「ドッグボーン」形状セクションを含んでもよい(例えば、「ドッグボーン」セクションが長いほど、双極子に対する影響が大きくなる)。このようにして、単極又は二極アンテナの電磁特性は、設計基準の所望のセットを達成するために制御され得る(例えば、最適な全体的性能のために各電極の反射減衰量を最大化する(反射を最小化する))。
【0111】
加えて、各アンテナ要素は、誘電体フィラー要素を含んでもよい。一実施形態では、各アンテナ要素に関連付けられた各誘電体フィラー要素は、それぞれの二極対の間に構成されてもよく、又は単を備えて構成されてもよい。
【0112】
一実施形態では、アンテナ要素の各極に関連付けられた誘電体フィラー要素は、個々の極のインピーダンスを制御するようにエアギャップを充填するように機能することができ、所望の電気的、機械的及び環境的性能を容易にする正確な物理的及び機械的特性を提供するように機能する誘電率からなる材料(例えば、LCPであり、その一例としてセラニーズ社製のLCP、Model LKX1761、Zenite LCPがある)から構成することができる。
【0113】
そのような誘電体フィラー要素は、単一の構造を含んでもよいが、代替的に、単一の構造は、少なくとも2つの構造に分離されてもよい。実施形態では、本発明の誘電体フィラー要素は、(i)別個の部品として構成され、個々の部品としてハウジングに組み立てられてもよく、及び/又は(ii)アンテナサブアセンブリを作成し、次にハウジングに組み立てられるように、アンテナに組み立てられてもよいことを理解されたい。更に、別の実施形態では、アンテナ構成要素及び/又はハウジングの幾何学形状がインピーダンス制御を必要としない(すなわち、フィラー材を必要とせずにインピーダンスを制御するように構成される)ので、誘電体フィラー材要素は、必要とされなくてもよい。
【0114】
更に、各例示的な誘電体フィラー要素は、湾曲した形状の要素として構成されてもよく、挿入されると、各要素は、凹部10012a~10012n及び10012a’~10012n’の周囲の一部と、アンテナ要素に関連付けられたそれぞれの極との間に摩擦によって固定される。
【0115】
各同調セクションは、多層セクションとして形成され得、それにおいて例示的な導電層(例えば、金)が例示的な拡散バリア層(例えば、ニッケル)の上に形成され得る。先に説明したように、導電層は、例えば、レーザによってめっき後プロセスにおいて除去又は剥離されてもよい(又は最初に追加されなくてもよい)。その結果、各同調セクションの拡散バリア層は大気にさらされ、露出した層上に酸化物が形成される。先に示したように、極のそのような剥離部分は、はんだ接合の信頼性を向上させる「抗ウィッキング」セクションと呼ぶことができる。別の言い方をすれば、酸化物が形成されないとき(導電層が剥離されないとき)、はんだは、接合部から離れるように極に引き上げられるか、又は「吸い上げられ」、はんだ接合部に残るはんだが少なくなり、接合部が弱くなる(すなわち、はんだ接合部の信頼性が低下する)。
【0116】
先に示したように、はんだが極に引き上げられる場合(抗ウィッキングセクションが存在しない場合)、はんだは、それが流れている、又は流れた極の部分にわたって均一に分配されない可能性がある。このような不均一な分布は、極、したがって本発明のアセンブリ10000又は10000’の電気的性能(反射減衰量、耐電圧)に悪影響を及ぼす可能性がある’。逆に、極への抗ウィッキングセクションの組み込みは、はんだの不均一な分布の問題を取り除き、実質的にはんだが極を流れ上がることを可能にしないので、電気的性能を改善する。
【0117】
本開示の特定の実施形態に関して、利益、利点、及び解決策を上述したが、このような利益、利点、及び解決策、並びに任意の要素であって、このような利益、利点、若しくは解決策を引き起こすか、又はこのような利益、利点、若しくは解決策を引き起こしてより顕著にする可能性がある要素は、重要で、必要であり、又は本開示に添付された、若しくは本開示に起因する、いずれか又は全ての請求項の重要な特徴若しくは要素として解釈されるべきではないことを、理解されたい。