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特許7651068運用計画立案装置、運用計画立案システム、記憶装置、情報処理装置および運用計画立案プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-14
(45)【発行日】2025-03-25
(54)【発明の名称】運用計画立案装置、運用計画立案システム、記憶装置、情報処理装置および運用計画立案プログラム
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/32 20060101AFI20250317BHJP
【FI】
B64F1/32
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024517656
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2022018889
(87)【国際公開番号】W WO2023209806
(87)【国際公開日】2023-11-02
【審査請求日】2024-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】丸山 高弘
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520946(JP,A)
【文献】特開2001-307300(JP,A)
【文献】特開2014-199538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案する運用計画立案装置であって、
複数の駐機場での前記地上作業に使用可能な前記設備の情報である設備情報を記憶する設備情報記憶部と、
前記設備情報と、複数の前記駐機場の各々について航空機の駐機を開始する予定時刻および前記航空機の駐機を終了する予定時刻を含む駐機スケジュールとに基づいて、複数の前記駐機場での前記設備の使用についてのスケジュールを含む前記運用計画を作成する運用計画作成部と、
を備えることを特徴とする運用計画立案装置。
【請求項2】
前記運用計画作成部は、複数の前記駐機場の1つから複数の前記駐機場の他の1つまでにおける前記設備の移動に要する時間または移動距離の情報を組み入れた計算によって前記運用計画を作成することを特徴とする請求項1に記載の運用計画立案装置。
【請求項3】
前記運用計画作成部は、前記設備の使用による前記地上作業に要する時間の標準である標準作業時間のデータを組み入れた計算によって前記運用計画を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の運用計画立案装置。
【請求項4】
前記航空機に搭載される搭載物の量についての情報に基づいて前記標準作業時間のデータを補正する標準作業時間補正部を備え、
前記運用計画作成部は、補正された前記標準作業時間のデータを組み入れた計算によって前記運用計画を作成することを特徴とする請求項3に記載の運用計画立案装置。
【請求項5】
前記運用計画作成部は、前記設備のエネルギー残量を算出し、前記エネルギー残量を組み入れた計算によって前記運用計画を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の運用計画立案装置。
【請求項6】
前記運用計画作成部は、あらかじめ設定された量のエネルギーを前記設備が消費するのに要する時間のデータに基づいて、前記設備のエネルギー残量を算出することを特徴とする請求項5に記載の運用計画立案装置。
【請求項7】
前記運用計画作成部は、あらかじめ設定された量のエネルギーを前記設備に供給するのに要する時間のデータに基づいて、エネルギー供給に要する時間である供給時間を算出し、前記運用計画を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の運用計画立案装置。
【請求項8】
空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案する運用計画立案システムであって、
複数の駐機場での前記地上作業に使用可能な前記設備の情報である設備情報を記憶する設備情報記憶部と、
前記設備情報と、複数の前記駐機場の各々について航空機の駐機を開始する予定時刻および前記航空機の駐機を終了する予定時刻を含む駐機スケジュールとに基づいて、複数の前記駐機場での前記設備の使用についてのスケジュールを含む運用計画を作成する運用計画作成部と、
を備えることを特徴とする運用計画立案システム。
【請求項9】
前記駐機スケジュールを記憶するスケジュール記憶部を備え、
前記運用計画作成部は、前記設備情報と前記スケジュール記憶部から取得した前記駐機スケジュールとに基づいて前記運用計画を作成することを特徴とする請求項8に記載の運用計画立案システム。
【請求項10】
前記航空機に搭載される搭載物の量についての情報である搭載量情報を記憶する搭載量情報記憶部と、
前記搭載量情報記憶部から取得した前記搭載量情報に基づいて、前記設備の使用による前記地上作業に要する時間の標準である標準作業時間のデータを補正する標準作業時間補正部と、を備え、
前記運用計画作成部は、補正された前記標準作業時間のデータを組み入れた計算によって前記運用計画を作成することを特徴とする請求項8または9に記載の運用計画立案システム。
【請求項11】
作成された前記運用計画に従って前記設備を運用する場合における前記設備の維持および管理に要する費用と前記設備を扱う作業員の人件費とを含む運用コストを算出する運用コスト算出部と、
複数の前記駐機場の各々に前記設備を配置する場合における前記設備の維持および管理に要する費用と、算出された前記運用コストとをシミュレーションによって比較するシミュレーション部と、
を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の運用計画立案システム。
【請求項12】
空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案する運用計画立案装置による前記運用計画の立案において使用される情報を記憶する記憶装置であって、
複数の駐機場での前記地上作業に使用可能な前記設備の使用についてのスケジュールを含む前記運用計画の作成において使用される情報であって、複数の前記駐機場の各々について航空機の駐機を開始する予定時刻および前記航空機の駐機を終了する予定時刻を含む駐機スケジュールを記憶するスケジュール記憶部と、
前記駐機スケジュールを出力するスケジュール出力部と、
を備えることを特徴とする記憶装置。
【請求項13】
前記設備の使用による前記地上作業に要する時間の標準である標準作業時間のデータの補正において使用される情報であって、前記航空機に搭載される搭載物の量についての情報である搭載量情報を記憶する搭載量情報記憶部と、
前記搭載量情報を出力する搭載量情報出力部と、
を備えることを特徴とする請求項12に記載の記憶装置。
【請求項14】
空港での地上作業において使用される設備であって、複数の駐機場での前記地上作業に使用可能な前記設備について運用計画立案装置によって立案された運用計画の情報を処理する情報処理装置であって、
前記運用計画の情報が入力される運用計画入力部と、
前記運用計画に従って前記設備を運用する場合における前記設備の維持および管理に要する費用と前記設備の移動に要する費用とを含む運用コストを、前記運用計画に基づいて算出する運用コスト算出部と、
複数の前記駐機場の各々に前記設備を配置する場合における前記設備の維持および管理に要する費用と、算出された前記運用コストとをシミュレーションによって比較するシミュレーション部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案する運用計画立案装置としてコンピュータを機能させる運用計画立案プログラムであって、
複数の駐機場での前記地上作業に使用可能な前記設備の情報である設備情報と、複数の前記駐機場の各々について航空機の駐機を開始する予定時刻および前記航空機の駐機を終了する予定時刻を含む駐機スケジュールとに基づいて、複数の前記駐機場での前記設備の使用についてのスケジュールを含む前記運用計画を作成するステップ
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする運用計画立案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案する運用計画立案装置、運用計画立案システム、記憶装置、情報処理装置および運用計画立案プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空港に航空機が着陸してから航空機が離陸するまでの間に実施される地上作業では、ハイリフトローダー、トーイングトラクター、およびコンテナドーリーといった設備が使用される。空港における複数の駐機場の各々に設備一式が配置されると、複数の駐機場の中での設備のやりくりが不要となる。その一方で、発着する航空機が少ないほど設備の使用率が低下することとなる。この場合、複数の駐機場の各々に設備一式が配置されることが、必ずしも設備を効率的に運用することにはならない。
【0003】
特許文献1には、空港における貨物の搬送に使用される搬送設備の制御に関し、預けられた手荷物を効率的に搬送するための搬送ルートを算出するためのモデルを使用して、搬送設備の制御パラメータを演算することが開示されている。特許文献1では、搬送設備の能力または制約を示す情報を入力データとして、貨物の搬送が最適な状態であることを示す設定値が出力されるように、搬送ルートの最適条件が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-62700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される従来の技術では、複数の駐機場で使用される設備の運用に関する記述は無く、駐機場で使用される設備を効率的に運用することができないという問題があった。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、空港での地上作業において使用される設備を効率的に運用するための運用計画を立案可能とする運用計画立案装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる運用計画立案装置は、空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案する運用計画立案装置である。本開示にかかる運用計画立案装置は、複数の駐機場での地上作業に使用可能な設備の情報である設備情報を記憶する設備情報記憶部と、設備情報と、複数の駐機場の各々について航空機の駐機を開始する予定時刻および航空機の駐機を終了する予定時刻を含む駐機スケジュールとに基づいて、複数の駐機場での設備の使用についてのスケジュールを含む運用計画を作成する運用計画作成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる運用計画立案装置は、空港での地上作業において使用される設備を効率的に運用するための運用計画を立案できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかる運用計画立案システムの構成例を示す図
図2】実施の形態1にかかる運用計画立案装置において記憶される設備情報の例を示す図
図3】実施の形態1にかかる運用計画立案装置へ入力される駐機スケジュールの例を示す図
図4】実施の形態1にかかる運用計画立案装置へ入力される搭載量情報の例を示す図
図5】実施の形態1にかかる運用計画立案装置に記憶される標準作業時間のデータの例を示す図
図6】実施の形態1にかかる運用計画立案装置に記憶される移動情報の例を示す図
図7】実施の形態1にかかる情報処理装置に記憶される設備費用の情報の例を示す図
図8】実施の形態1にかかる運用計画立案システムによって作成される運用計画の例を示す図
図9】実施の形態1にかかる運用計画立案システムの動作手順の例を示すフローチャート
図10】実施の形態2にかかる運用計画立案システムの構成例を示す図
図11】実施の形態2にかかる運用計画立案装置において記憶される消費時間情報の例を示す図
図12】実施の形態2にかかる運用計画立案装置において記憶される供給時間情報の例を示す図
図13】実施の形態1または2において機械学習を用いて運用計画を作成する場合における運用計画作成部の構成例を示す図
図14図13に示す運用計画作成部が備える学習装置の構成例を示す図
図15図13に示す運用計画作成部が備える推論装置の構成例を示す図
図16】実施の形態1または2にかかる運用計画立案装置のハードウェア構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかる運用計画立案装置、運用計画立案システム、記憶装置、情報処理装置および運用計画立案プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる運用計画立案システム10Aの構成例を示す図である。運用計画立案システム10Aは、空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案するシステムである。
【0012】
運用計画立案システム10Aは、運用計画立案装置11Aと記憶装置12と情報処理装置13とを備える。運用計画立案装置11Aと記憶装置12と情報処理装置13とは、ネットワークに接続されている。運用計画立案装置11Aと記憶装置12と情報処理装置13とは、ネットワークを介して互いに情報の送受信を行う。実施の形態1において、ネットワークは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)であるが、LAN(Local Area Network)であっても良い。
【0013】
運用計画立案装置11Aは、空港での地上作業において使用される設備についての運用計画を立案する装置である。運用計画立案装置11Aは、例えば、空港のターンアラウンド業務を運営する事業者により運用される。運用計画立案装置11Aは、設備情報を記憶する設備情報記憶部21と、駐機スケジュールが入力されるスケジュール入力部22と、標準作業時間のデータを記憶する標準作業時間記憶部23と、設備の移動についての移動情報を記憶する移動情報記憶部24とを備える。
【0014】
設備情報は、複数の駐機場での地上作業に使用可能な設備の情報であって、空港に現存する設備の一覧情報である。駐機スケジュールは、複数の駐機場の各々について航空機の駐機を開始する予定時刻および航空機の駐機を終了する予定時刻を含む。駐機スケジュールには、地上作業の対象である全ての航空機について、機種の情報、使用する駐機場の情報、駐機開始時刻、および、駐機終了時刻といった情報が含まれる。
【0015】
標準作業時間は、設備の使用による地上作業に要する時間の標準である。地上作業に要する時間とは、1機あたりの作業時間であるものとする。標準作業時間は、機種ごとにあらかじめ設定される。移動情報は、複数の駐機場の1つから複数の駐機場の他の1つまでにおける設備の移動についての情報である。移動情報は、駐機場間の移動に要する時間の情報、または、駐機場間の距離の情報である。
【0016】
また、運用計画立案装置11Aは、設備の運用計画を作成する運用計画作成部25と、運用計画の情報を出力する運用計画出力部26と、移動情報を出力する移動情報出力部27と、標準作業時間のデータを補正する標準作業時間補正部28と、搭載量情報が入力される搭載量情報入力部29とを備える。
【0017】
運用計画作成部25は、複数の駐機場での設備の使用についてのスケジュールを含む運用計画を作成する。運用計画作成部25は、設備情報と、駐機スケジュールと、設備の移動に要する時間または移動距離の情報である移動情報と、標準作業時間のデータとを組み入れた計算によって、設備の運用計画を作成する。すなわち、運用計画作成部25は、設備情報と、駐機スケジュールと、設備の移動に要する時間または移動距離の情報である移動情報と、標準作業時間のデータとに基づいて、設備の運用計画を作成する。
【0018】
このように、設備情報と、駐機スケジュールと、移動情報と、標準作業時間のデータとの各々は、運用計画作成部25による運用計画の作成において使用される情報である。運用計画作成部25は、設備情報記憶部21から設備情報を取得する。運用計画作成部25は、スケジュール入力部22から駐機スケジュールを取得する。運用計画作成部25は、標準作業時間記憶部23から標準作業時間のデータを取得する。運用計画作成部25は、移動情報記憶部24から移動情報を取得する。
【0019】
運用計画作成部25は、使用する設備の数ができるだけ少なく、かつ、設備の移動ができるだけ少なくなるような運用計画を求めることによって、設備を効率的に運用するための運用計画を作成する。
【0020】
搭載量情報は、航空機に搭載される搭載物の量についての情報である。標準作業時間補正部28は、搭載量情報入力部29から搭載量情報を取得する。標準作業時間補正部28は、標準作業時間記憶部23から標準作業時間のデータを取得する。標準作業時間補正部28は、搭載量情報に基づいて標準作業時間のデータを補正する。このように、搭載量情報は、標準作業時間のデータの補正において使用される情報である。標準作業時間補正部28によって補正された標準作業時間のデータは、標準作業時間記憶部23に記憶される。
【0021】
記憶装置12は、運用計画立案装置11Aによる運用計画の立案に使用される情報を記憶する装置である。記憶装置12は、例えば、航空機による運送を行う事業者により運用される。記憶装置12は、駐機スケジュールを記憶するスケジュール記憶部31と、駐機スケジュールを出力するスケジュール出力部32と、搭載量情報を記憶する搭載量情報記憶部33と、搭載量情報を出力する搭載量情報出力部34とを備える。
【0022】
スケジュール出力部32は、運用計画立案装置11Aへ駐機スケジュールを送信する。運用計画立案装置11Aのスケジュール入力部22は、スケジュール出力部32から送信される駐機スケジュールを受信する。搭載量情報出力部34は、運用計画立案装置11Aへ搭載量情報を送信する。運用計画立案装置11Aの搭載量情報入力部29は、搭載量情報出力部34から送信された搭載量情報を受信する。
【0023】
情報処理装置13は、運用計画立案装置11Aによって立案された運用計画の情報を処理する装置である。情報処理装置13は、例えば、空港のターンアラウンド業務を運営する事業者により運用される。情報処理装置13は、運用計画の情報が入力される運用計画入力部41と、シミュレーションを行うシミュレーション部42と、運用コストを算出する運用コスト算出部43と、設備費用の情報を記憶する設備費用記憶部44と、移動情報が入力される移動情報入力部45とを備える。
【0024】
運用計画立案装置11Aの運用計画出力部26は、情報処理装置13へ運用計画の情報を送信する。運用計画入力部41は、運用計画出力部26から送信された運用計画の情報を受信する。運用計画立案装置11Aの移動情報出力部27は、情報処理装置13へ移動情報を送信する。移動情報入力部45は、移動情報出力部27から送信される移動情報を受信する。
【0025】
設備費用は、設備の維持および管理に要する費用である。運用コストは、運用計画に従って設備を運用する場合における設備の維持および管理に要する費用と設備の移動に要する費用とを含む。設備の移動に要する費用には、設備の移動を行う作業員の人件費が含まれる。なお、設備の移動に要する費用には、人件費以外の費用が含まれても良い。例えば、設備の移動に要する費用には、移動の際に設備が消費するエネルギーの費用が含まれても良い。
【0026】
運用コスト算出部43は、移動情報入力部45から移動情報を取得する。運用コスト算出部43は、設備費用記憶部44から設備費用の情報を取得する。運用コスト算出部43は、移動情報を基に、設備の移動に要する費用を求める。例えば、運用コスト算出部43には、単位時間当たりの人件費の情報があらかじめ設定されている。運用コスト算出部43は、設備の移動に要する時間に単位時間当たりの人件費を乗算することによって、作業員1人当たりの人件費を算出する。運用コスト算出部43は、算出された人件費の値に、移動に要する作業員の数を乗算することによって、設備の移動に要する費用である人件費を求める。運用コスト算出部43は、設備費用に、設備の移動に要する費用を足し合わせることによって、運用コストを算出する。運用コスト算出部43は、運用コストの算出結果をシミュレーション部42へ出力する。
【0027】
シミュレーション部42は、設備費用記憶部44から設備費用の情報を取得する。シミュレーション部42は、設備費用の情報を基に、複数の駐機場の各々に設備を配置する場合における設備の維持および管理に要する費用を求める。シミュレーション部42は、複数の駐機場の各々に設備を配置する場合における設備の維持および管理に要する費用と、運用コスト算出部43によって算出された運用コストとをシミュレーションによって比較する。情報処理装置13を運用する事業者は、情報処理装置13によるシミュレーションの結果を基に、費用の観点から運用計画を評価することができる。
【0028】
なお、運用計画作成部25により作成される運用計画が、複数の駐機場の中で設備を移動させながら各駐機場で設備が使用されることを示す運用計画ではなく、複数の駐機場の各々に設備が配置されることを示す従来の運用計画となる場合もあり得る。従来の運用計画が作成された場合、運用コスト算出部43によって算出される運用コストは、複数の駐機場の各々に設備が配置される場合における設備の維持および管理に要する費用である。この場合でも、従来の運用計画が設備を効率的に運用可能な運用計画であることを保証できる。ただし、運用計画作成部25は、運用計画を作成する際の制約を設けても良い。運用計画を作成する際の制約とは、運用計画において使用される設備の数が空港における駐機場の数よりも少ないこと、および、同一の設備を複数の駐機場で使用することである。運用計画作成部25は、この2つの制約のうちの1つを設けても良いし、両方を設けても良い。
【0029】
次に、運用計画立案装置11Aによる運用計画の作成において使用される情報の詳細について説明する。図2は、実施の形態1にかかる運用計画立案装置11Aにおいて記憶される設備情報の例を示す図である。設備情報には、設備IDと、設備タイプの情報とが含まれる。設備IDは、空港での地上作業において使用される複数の設備の各々に付された識別子である。各設備は、設備IDによって一意に識別される。設備タイプの情報は、設備の分類名、または、2以上の設備をひとまとめに扱うためのグループ名などである。設備情報記憶部21には、空港での地上作業において使用される全ての設備についての設備情報が記憶される。
【0030】
図3は、実施の形態1にかかる運用計画立案装置11Aへ入力される駐機スケジュールの例を示す図である。駐機スケジュールには、航空機番号、各航空機の機種の情報、駐機場コード、到着時の便名、駐機開始時刻の情報、出発時の便名、および駐機終了時刻の情報が含まれる。航空機番号は、空港を発着する複数の航空機の各々に付与されている番号である。各航空機は、航空機番号によって一意に識別される。駐機場コードは、空港における複数の駐機場の各々に付与されているコードである。図3に示す例では、コードは、番号である。各駐機場は、駐機場コードによって一意に識別される。到着時の便名は、空港に到着して駐機を開始する際の便名である。出発時の便名は、駐機を終了して空港を出発する際の便名である。
【0031】
駐機スケジュールは、例えば、航空機による運送を行う事業者により作成され、スケジュール記憶部31に記憶される。スケジュール入力部22には、毎日の駐機スケジュールが入力される。なお、スケジュール記憶部31に記憶される駐機スケジュール、または、スケジュール入力部22へ入力される駐機スケジュールには、図3に示す情報以外の情報が含まれても良い。
【0032】
図4は、実施の形態1にかかる運用計画立案装置11Aへ入力される搭載量情報の例を示す図である。搭載量情報には、便名、各航空機の機種の情報、搭載されるコンテナの数の情報、搭載される貨物の数の情報、および総重量の情報が含まれる。図4に示す例では、手荷物といった小型の荷物が収納されるコンテナの数と、コンテナ以外の搭載物である貨物の数とが分けられている。総重量は、コンテナと貨物とを合わせた重量とする。図4において、総重量の単位は任意であるものとする。搭載量情報に含まれる便名には、到着時の便名と出発時の便名とが含まれる。搭載量情報は、例えば、航空機による運送を行う事業者により作成され、搭載量情報記憶部33に記憶される。搭載量情報入力部29には、空港を発着する全ての航空機についての搭載量情報が入力される。
【0033】
なお、搭載量情報記憶部33に記憶される搭載量情報、または、搭載量情報入力部29へ入力される搭載量情報は、図4に示すものに限られない。搭載量情報ではコンテナの数と貨物の数とが互いに分けられていなくても良く、コンテナの数と貨物の数との合計の情報が搭載量情報に含まれても良い。搭載量情報では、コンテナの重量と貨物の重量とが互いに分けられていても良い。
【0034】
図5は、実施の形態1にかかる運用計画立案装置11Aに記憶される標準作業時間のデータの例を示す図である。標準作業時間記憶部23には、機種ごとの標準作業時間のデータが記憶される。標準作業情報のデータは、機種の情報に紐付けられて記憶される。図5において、標準作業時間の単位は任意であるものとする。また、図5に示す例では、標準作業情報の情報と併せて、機種ごとにおけるコンテナの数の平均と、機種ごとにおける貨物の数の平均と、機種ごとにおける総重量の平均とが記憶される。図5において、総重量の平均の単位は任意であるものとする。運用計画作成部25は、標準作業時間のデータが入力されることにより、標準作業時間のデータを組み入れた計算によって運用計画を作成する。
【0035】
図5に示す例では、標準作業時間のデータと併せて記憶される情報の項目は、図4に示す搭載量情報の項目に対応する。標準作業時間記憶部23に記憶される各情報は、例えば、運用計画立案装置11Aを運用する事業者によって設定される。なお、コンテナの数と貨物の数との合計が搭載量情報に含まれる場合は、コンテナの数と貨物の数との合計の平均が標準作業時間記憶部23に記憶されても良い。搭載量情報においてコンテナの重量と貨物の重量とが互いに分けられている場合は、コンテナの重量の平均と貨物の重量の平均とが標準作業時間記憶部23に記憶されても良い。
【0036】
標準作業時間補正部28は、図4に示す搭載量情報に基づいて、図5に示す標準作業時間のデータを補正する。例えば、標準作業時間補正部28は、標準作業時間のデータとともに記憶されるコンテナの数の平均と、搭載量情報に示されるコンテナの数との差分を求める。標準作業時間補正部28は、標準作業時間のデータとともに記憶される貨物の数の平均と、搭載量情報に示される貨物の数との差分を求める。標準作業時間補正部28は、標準作業時間のデータとともに記憶される総重量の平均と、搭載量情報に示される総重量との差分を求める。標準作業時間補正部28は、求めた各差分を、あらかじめ設定された計算式に代入することによって、補正された標準作業時間を算出する。または、標準作業時間をax+by+czの式により表すこととした場合、標準作業時間補正部28は、当該式に基づいて標準作業時間を補正しても良い。当該式において、a,b,cの各々は重み係数、xはコンテナの数の平均、yは貨物の数の平均、zは総重量の平均とする。なお、標準作業時間のデータを補正する方法としては、任意の方法を適用することができる。
【0037】
図6は、実施の形態1にかかる運用計画立案装置11Aに記憶される移動情報の例を示す図である。移動情報には、複数の駐機場について、1つの駐機場と他の各駐機場との間における設備の移動に要する移動時間の情報が含まれる。また、図6に示す例では、駐機場と供給地点との間における設備の移動に要する移動時間の情報が含まれる。供給地点は、設備がエネルギーの供給を受ける地点とする。実施の形態1において、エネルギーは、ガソリン等の燃料、または、電気エネルギーとする。空港には、複数の供給地点が存在するものとする。移動情報には、複数の供給地点の各々について、各駐機場との間における設備の移動に要する時間の情報が含まれる。図6において、「第1駐機場」は、駐機場コード「1」の駐機場を表す。「第2駐機場」は、駐機場コード「2」の駐機場を表す。「第3駐機場」は、駐機場コード「3」の駐機場を表す。図6において、「第1供給地点」は、複数の供給地点のうちの1つとする。図6において、時間の単位は任意であるものとする。
【0038】
移動時間とは、例えば、移動元の地点である駐機場または供給地点から移動先の地点である駐機場または供給地点へ、作業員が設備を移動させるのにかかる標準的な時間とする。移動元の地点と移動先の地点との間に設備を経由する地点が存在する場合、移動時間は、移動元の地点から経由地点を経て移動先の地点へ移動するまでの時間であっても良い。経由地点は、例えば、設備を用いて駐機場以外の場所へ荷物または貨物を搬送する場合の荷捌き場などである。
【0039】
なお、移動速度が設備ごとに異なる場合を考慮し、移動情報記憶部24には、複数の設備の各々についての移動情報が記憶されても良い。移動情報は、移動時間の情報に限られず、移動元の地点である駐機場または供給地点から移動先の地点である駐機場または供給地点までの距離である移動距離の情報であっても良い。この場合、運用計画作成部25は、移動距離の値を速度の値で除算することによって、設備の移動に要する時間を算出する。
【0040】
運用計画作成部25は、移動時間または移動距離の情報である移動情報が入力されることにより、複数の駐機場の1つから複数の駐機場の他の1つまでにおける設備の移動に要する時間の情報を組み入れた計算によって運用計画を作成する。また、運用計画作成部25は、駐機場と供給地点との間の移動についての情報を含む移動情報が入力されることにより、エネルギーの供給のための設備の移動についてのスケジュールを含む運用計画を作成する。
【0041】
図7は、実施の形態1にかかる情報処理装置13に記憶される設備費用の情報の例を示す図である。設備費用記憶部44には、設備タイプごとの設備費用の情報が記憶される。設備費用の情報は、設備タイプの情報に紐付けられて記憶される。ここでは、設備費用とは、設備の維持および管理に要する年単位の費用とする。図7において、設備費用の単位は任意であるものとする。
【0042】
図8は、実施の形態1にかかる運用計画立案システム10Aによって作成される運用計画の例を示す図である。図8には、ある1日についての運用計画の例であって、複数の駐機場での地上作業に使用可能な複数の設備のうちの2つについての運用計画の例を示す。
【0043】
図8に示す運用計画には、設備ID「a0010」の設備について、8時00分から11時00分までは第1駐機場で作業を行い、12時00分から15時00分までは第3駐機場で作業を行い、15時30分から18時30分までは再び第1駐機場で作業を行うというスケジュールが含まれる。また、当該スケジュールによると、設備ID「a0010」の設備は、11時00分から12時00分までの間において第1駐機場から第3駐機場へ移動し、15時00分から15時30分までの間において第3駐機場から第1駐機場へ移動する。
【0044】
図8に示す運用計画には、設備ID「a0011」の設備について、9時00分から12時00分までは第5駐機場で作業を行い、12時30分から14時30分までは第1供給地点にてエネルギー供給を受け、15時00分から18時30分までは第4駐機場で作業を行うというスケジュールが含まれる。また、当該スケジュールによると、設備ID「a0011」の設備は、12時00分から12時30分までの間において第5駐機場から第1供給地点へ移動し、14時30分から15時00分までの間において、第1供給地点から第4駐機場へ移動する。
【0045】
図8にて例示するように、運用計画作成部25は、複数の駐機場での設備の使用についてのスケジュールを含む運用計画を作成する。また、運用計画作成部25は、運用計画に示される1日の中においてエネルギー供給が必要である設備について、設備へのエネルギー供給の予定を含めた運用計画を作成する。
【0046】
次に、運用計画立案システム10Aの動作について説明する。図9は、実施の形態1にかかる運用計画立案システム10Aの動作手順の例を示すフローチャートである。以下に説明する動作手順の前提として、スケジュール記憶部31には、運用計画の作成の対象である日についての駐機スケジュールが記憶されている。設備情報記憶部21には設備情報が記憶されている。標準作業時間記憶部23には、標準作業時間のデータが記憶されている。移動情報記憶部24には、移動情報が記憶されている。搭載量情報記憶部33には、搭載量情報が記憶されている。
【0047】
ステップS1からステップS4は、運用計画立案装置11Aの動作である。ステップS1において、運用計画立案装置11Aは、駐機スケジュールと搭載量情報とを受信する。運用計画立案装置11Aは、スケジュール出力部32から送信される駐機スケジュールを、スケジュール入力部22により受信する。運用計画立案装置11Aは、搭載量情報出力部34から送信される搭載量情報を、搭載量情報入力部29により受信する。
【0048】
ステップS2において、運用計画立案装置11Aは、標準作業時間補正部28により、標準作業時間のデータを補正する。標準作業時間補正部28は、ステップS1において受信された搭載量情報によって、運用計画の作成の対象である便の搭載量が判明している場合に、標準作業時間のデータを補正する。ステップS1において受信された搭載量情報では、運用計画の作成の対象である便の搭載量が判明しない場合は、運用計画立案装置11Aは、ステップS2の手順を省く。
【0049】
ステップS3において、運用計画立案装置11Aは、運用計画作成部25により、設備情報と駐機スケジュールとに基づいて運用計画を作成する。運用計画作成部25は、設備情報と、駐機スケジュールと、移動時間または移動距離の情報である移動情報と、標準作業時間のデータとを組み入れた計算によって、設備の運用計画を作成する。ステップS4において、運用計画立案装置11Aは、ステップS3において作成された運用計画の情報を、運用計画出力部26により出力する。
【0050】
ステップS5およびステップS6は、情報処理装置13の動作である。情報処理装置13は、運用計画出力部26から送信される運用計画の情報を、運用計画入力部41により受信する。また、情報処理装置13は、移動情報出力部27から送信される移動情報を、移動情報入力部45により受信する。ステップS5において、情報処理装置13は、運用計画に従って設備を運用する場合における運用コストを、運用コスト算出部43により算出する。運用コスト算出部43は、運用コストの算出結果をシミュレーション部42へ出力する。
【0051】
ステップS6において、情報処理装置13のシミュレーション部42は、複数の駐機場の各々に設備を配置する場合における費用と、算出された運用コストとをシミュレーションによって比較する。情報処理装置13は、シミュレーションの結果を提示する。以上により、運用計画立案システム10Aは、図9に示す手順による動作を終了する。
【0052】
実施の形態1によると、運用計画立案装置11Aは、設備情報と駐機スケジュールとに基づいて、複数の駐機場での設備の使用についてのスケジュールを含む運用計画を作成する。これにより、運用する設備の数を削減でき、設備を効率的に運用できる。また、運用計画立案装置11Aは、複数の駐機場の1つから複数の駐機場の他の1つまでにおける設備の移動に要する時間または移動距離の情報も考慮して運用計画を作成する。これにより、各駐機場での地上作業のために必要となる設備の移動を考慮しつつ、設備の移動を極力少なくすることができ、設備を効率的に運用できる。また、運用計画立案装置11Aは、設備の使用による地上作業に要する時間の標準である標準作業時間のデータも考慮して運用計画を作成する。これにより、より精度良く運用計画を作成できる。さらに、運用計画立案装置11Aは、航空機に搭載される搭載物の量についての情報に基づいて標準作業時間のデータを補正する。これにより、標準作業時間のばらつきを低減し、より精度良く運用計画を作成できる。
【0053】
実施の形態1にかかる運用計画立案システム10Aにおける各構成要素の分散または統合の具体的形態は、実施の形態1で説明するものに限られない。例えば、スケジュール記憶部31と搭載量情報記憶部33との少なくとも一方が、運用計画立案装置11Aに備えられても良い。スケジュール記憶部31と搭載量情報記憶部33とが運用計画立案装置11Aに備えられることによって、運用計画立案装置11Aの機能と記憶装置12の機能とが、1つの装置によって実現されても良い。または、シミュレーション部42、運用コスト算出部43および設備費用記憶部44の少なくとも1つが、運用計画立案装置11Aに備えられても良い。シミュレーション部42、運用コスト算出部43および設備費用記憶部44が運用計画立案装置11Aに備えられることによって、運用計画立案装置11Aの機能と情報処理装置13の機能とが、1つの装置によって実現されても良い。さらに、運用計画立案装置11Aの機能と、記憶装置12の機能と、情報処理装置13の機能とは、1つの装置によって実現されても良い。
【0054】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2にかかる運用計画立案システム10Bの構成例を示す図である。運用計画立案システム10Bは、設備のエネルギー残量を組み入れた計算によって、設備へのエネルギー供給の予定を含めた運用計画を作成する。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。
【0055】
運用計画立案システム10Bは、運用計画立案装置11Bと記憶装置12と情報処理装置13とを備える。運用計画立案装置11Bは、図1に示す運用計画立案装置11Aと同様の構成に加えて、消費時間記憶部51と供給時間記憶部52とを備える。
【0056】
消費時間記憶部51は、消費時間情報を記憶する。消費時間情報は、あらかじめ設定された量のエネルギーを設備が消費するのに要する時間の情報である。供給時間記憶部52は、供給時間情報を記憶する。供給時間情報は、あらかじめ設定された量のエネルギーを設備に供給するのに要する時間の情報である。
【0057】
運用計画作成部25は、消費時間記憶部51から消費時間情報を取得する。運用計画作成部25は、消費時間情報に基づいて、設備のエネルギー残量を算出する。運用計画作成部25は、エネルギー残量を組み入れた計算によって、設備へのエネルギー供給の予定を含めた運用計画を作成する。なお、運用計画作成部25は、運用計画を作成する際、設備へのエネルギー供給の予定を運用計画に含めなくても良い。例えば、運用計画作成部25が運用計画を作成する周期が1日である場合に、運用計画の対象である日は全ての設備においてエネルギー残量が十分であって少なくともその日のエネルギー供給は不要と判断された場合には、運用計画の中にエネルギー供給の予定は含まれなくても良い。
【0058】
運用計画作成部25は、供給時間記憶部52から供給時間情報を取得する。運用計画作成部25は、供給時間情報に基づいて、エネルギー供給に要する時間である供給時間を算出する。運用計画作成部25は、供給時間を含めた運用計画を作成する。なお、運用計画作成部25は、運用計画を作成する際、運用計画に供給時間を含めなくても良い。例えば、運用計画作成部25が運用計画を作成する周期が1日である場合に、運用計画の対象である日は全ての設備においてエネルギー残量が十分であって少なくともその日のエネルギー供給は不要と判断された場合には、運用計画の中に供給時間は含まれなくても良い。
【0059】
運用計画立案装置11Bによる運用計画の作成において使用される情報の詳細について説明する。図11は、実施の形態2にかかる運用計画立案装置11Bにおいて記憶される消費時間情報の例を示す図である。
【0060】
消費時間記憶部51に記憶される消費時間情報には、設備の移動時についてのエネルギー消費の所要時間のデータと、設備による作業時についてのエネルギー消費の所要時間のデータとが含まれる。エネルギー消費の所要時間とは、あらかじめ設定された量のエネルギーを消費するのに要する時間とする。あらかじめ設定された量とは、例えば、設備に貯留可能な最大のエネルギー量を100%とした場合における1%相当のエネルギー量とする。図11において、所要時間のデータの単位は任意であるものとする。所要時間のデータは、設備IDに紐付けられて記憶される。消費時間情報は、例えば、運用計画立案装置11Bを運用する事業者によって設定される。
【0061】
図11に示す例では、所要時間のデータには、エネルギー残量の範囲が紐付けられている。例えば、設備ID「a0010」の設備の消費時間情報には、エネルギー残量「0~35」の場合における所要時間のデータと、エネルギー残量「36~100」の場合における所要時間のデータとが含まれる。エネルギー残量「0~35」とは、設備に貯留可能な最大のエネルギー量を100%として、設備に残されているエネルギーの量が0%から35%であることを示す。エネルギー残量「36~100」とは、設備に残されているエネルギーの量が36%から100%であることを示す。
【0062】
運用計画作成部25は、設備の移動時についてのエネルギー消費の所要時間のデータと移動情報とを基に、移動によって設備が消費するエネルギー量を予測する。運用計画作成部25は、設備による作業時についてのエネルギー消費の所要時間のデータと標準作業時間とを基に、作業によって設備が消費するエネルギー量を予測する。運用計画作成部25は、設備が消費するエネルギー量の予測結果を基に、設備のエネルギー残量を算出する。このように、運用計画作成部25は、消費時間情報に基づいて、設備のエネルギー残量を算出する。運用計画作成部25は、エネルギー残量の範囲ごとのエネルギー消費の所要時間のデータが設定されることによって、エネルギー残量によってエネルギー消費の所要時間が変わる場合において正確なエネルギー残量を算出することができる。
【0063】
図12は、実施の形態2にかかる運用計画立案装置11Bにおいて記憶される供給時間情報の例を示す図である。供給時間記憶部52に記憶される供給時間情報において、エネルギー供給の所要時間とは、あらかじめ設定された量のエネルギーを供給するのに要する時間とする。あらかじめ設定された量とは、例えば、設備に貯留可能な最大のエネルギー量を100%とした場合における1%相当のエネルギー量とする。図12において、所要時間の単位は任意であるものとする。所要時間のデータは、設備IDに紐付けられて記憶される。また、図12に示す例では、図11に示す消費時間情報の場合と同様に、所要時間のデータには、エネルギー残量の範囲が紐付けられている。供給時間情報は、例えば、運用計画立案装置11Bを運用する事業者によって設定される。
【0064】
運用計画作成部25は、供給時間情報と算出されたエネルギー残量とを基に、設備へのエネルギー供給に要する時間を算出する。運用計画作成部25は、エネルギー残量の範囲ごとの供給時間情報が設定されることによって、エネルギー残量によって供給時間が変わる場合において正確な供給時間を算出することができる。
【0065】
なお、運用計画作成部25は、供給時間情報のみに基づいて、設備へのエネルギー供給に要する供給時間を算出しても良い。この場合、供給時間情報は、エネルギー残量の範囲が紐付けられたデータではなく、エネルギー残量に関わらず一定の値とすることができる。すなわち、供給時間記憶部52に記憶される供給時間情報には、エネルギー残量の範囲を示す情報が含まれなくても良い。運用計画作成部25は、エネルギー残量に関わらず一定の値である供給時間情報に基づいて供給時間を算出する。
【0066】
運用計画作成部25は、設備のエネルギー残量を算出し、エネルギー残量を組み入れた計算によって、設備へのエネルギー供給の予定を含めた運用計画を作成する。これにより、運用計画立案装置11Bは、エネルギー残量に応じた適切なタイミングで設備にエネルギーを供給可能とする運用計画を立案することができる。また、運用計画作成部25は、供給時間を算出し、供給時間を含めた運用計画を作成する。これにより、運用計画立案装置11Bは、エネルギー供給に要する時間が組み込まれた運用計画を立案することができる。
【0067】
実施の形態2によると、運用計画立案装置11Bは、設備のエネルギー残量と、設備へのエネルギー供給に要する時間である供給時間とを算出し、エネルギー残量と供給時間とに基づいて、複数の駐機場での設備の使用についてのスケジュールを含む運用計画を作成する。これにより、エネルギー供給の予定を考慮しつつ、設備の移動を極力少なくすることができ、設備をより効率的に運用できる。
【0068】
実施の形態2にかかる運用計画立案システム10Bにおける各構成要素の分散または統合の具体的形態は、実施の形態2で説明するものに限られない。例えば、スケジュール記憶部31と搭載量情報記憶部33との少なくとも一方が、運用計画立案装置11Bに備えられても良い。スケジュール記憶部31と搭載量情報記憶部33とが運用計画立案装置11Bに備えられることによって、運用計画立案装置11Bの機能と記憶装置12の機能とが、1つの装置によって実現されても良い。または、シミュレーション部42、運用コスト算出部43および設備費用記憶部44の少なくとも1つが、運用計画立案装置11Bに備えられても良い。シミュレーション部42、運用コスト算出部43および設備費用記憶部44が運用計画立案装置11Bに備えられることによって、運用計画立案装置11Bの機能と情報処理装置13の機能とが、1つの装置によって実現されても良い。さらに、運用計画立案装置11Bの機能と、記憶装置12の機能と、情報処理装置13の機能とは、1つの装置によって実現されても良い。
【0069】
実施の形態1において、運用計画立案装置11Aは、設備情報と、駐機スケジュールと、移動時間または移動距離の情報である移動情報と、標準作業時間のデータとに基づいて、任意の方法によって運用計画を作成する。実施の形態2において、運用計画立案装置11Bは、設備情報と、駐機スケジュールと、移動時間または移動距離の情報である移動情報と、標準作業時間のデータと、消費時間情報と、供給時間情報とに基づいて、任意の方法によって運用計画を作成する。運用計画立案装置11A,11Bは、例えば、機械学習を用いて運用計画を作成しても良い。
【0070】
ここで、機械学習を用いる運用計画の作成について説明する。図13は、実施の形態1または2において機械学習を用いて運用計画を作成する場合における運用計画作成部60の構成例を示す図である。運用計画作成部60は、機械学習を用いて運用計画を作成する運用計画作成部25の一例とする。
【0071】
運用計画作成部60は、学習装置61と、推論装置62と、学習済モデル記憶部63とを備える。学習装置61は、設備の効率的な運用を可能とする運用計画を学習する。設備の効率的な運用を可能とする運用計画とは、例えば、使用する設備の数ができるだけ少なく、かつ、設備の移動ができるだけ少なくなるような運用計画である。学習装置61は、学習の結果である学習済モデルを出力する。学習済モデル記憶部63は、学習済モデルを記憶する。推論装置62は、運用計画を推論するための学習済モデルを学習済モデル記憶部63から読み出す。推論装置62は、学習済モデルへ推論用データを入力することによって、推論結果である運用計画を出力する。
【0072】
図14は、図13に示す運用計画作成部60が備える学習装置61の構成例を示す図である。学習装置61は、データ取得部64とモデル生成部65とを備える。データ取得部64は、学習用データを取得し、学習用データをまとめ合わせたデータセットを作成する。実施の形態1の場合、学習用データは、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、標準作業時間のデータ、および運用計画情報である。実施の形態1の場合、運用計画情報は、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、および標準作業時間のデータに基づいて作成された運用計画の情報を含む。実施の形態2の場合、学習用データは、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、標準作業時間のデータ、消費時間情報、供給時間情報、および運用計画情報を含む。実施の形態2の場合、運用計画情報は、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、標準作業時間のデータ、消費時間情報、および供給時間情報に基づいて作成された運用計画の情報である。
【0073】
モデル生成部65は、学習用データを用いて学習済モデルを生成する。実施の形態1の場合、モデル生成部65は、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、および標準作業時間のデータから運用計画を推論するための学習済モデルを生成する。実施の形態2の場合、モデル生成部65は、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、標準作業時間のデータ、消費時間情報、および供給時間情報から運用計画を推論するための学習済モデルを生成する。
【0074】
モデル生成部65が用いる学習アルゴリズムとしては、教師あり学習、教師なし学習、または強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、モデル生成部65が用いる学習アルゴリズムに強化学習(Reinforcement Learning)を適用する場合について説明する。強化学習は、ある環境内におけるエージェントである行動主体が、現在の状態を観測し、取るべき行動を決定する、というものである。エージェントは行動を選択することで環境から報酬を得て、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られるような方策を学習する。強化学習の代表的な手法として、Q学習(Q-Learning)およびTD学習(TD-Learning)などが知られている。例えば、Q学習の場合、行動価値関数Q(s,a)の一般的な更新式である行動価値テーブルは、次の式(1)で表される。行動価値関数Q(s,a)は、環境「s」のもとで行動「a」を選択する行動の価値である行動価値Qを表す。
【0075】
【数1】
【0076】
式(1)において、「s」は、時刻「t」における環境を表す。「a」は、時刻「t」における行動を表す。行動「a」によって、環境は「st+1」に変わる。「rt+1」は、その環境の変化によってもらえる報酬を表す。「γ」は、割引率を表す。「α」は、学習係数を表す。運用計画情報が、環境「s」となる。モデル生成部65内での運用計画の更新の方法または運用計画の更新のポイントが、行動「a」となる。実施の形態1の場合、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、および標準作業時間のデータが、運用計画の更新にあたり参照されるデータとなる。実施の形態2の場合、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、標準作業時間のデータ、消費時間情報、および供給時間情報が、運用計画の更新にあたり参照されるデータとなる。
【0077】
式(1)により表される更新式は、時刻「t+1」における最良の行動「a」の行動価値が、時刻「t」において実行された行動「a」の行動価値Qよりも大きければ、行動価値Qを大きくし、逆の場合は、行動価値Qを小さくする。換言すれば、時刻「t」における行動「a」の行動価値Qを、時刻「t+1」における最良の行動価値に近づけるように、行動価値関数Q(s,a)を更新する。それにより、ある環境における最良の行動価値が、それ以前の環境における行動価値に順次伝播する。
【0078】
モデル生成部65は、報酬計算部66および関数更新部67を有する。報酬計算部66は、データセットに基づいて報酬を計算する。関数更新部67は、報酬計算部66によって算出される報酬に従って、運用計画を決定するための関数を更新する。
【0079】
具体的には、報酬計算部66は、運用計画の効率を指標とする目的関数の値に基づいて、報酬「r」を計算する。運用計画の効率とは、使用する設備の数の少なさ、および、設備の移動の少なさである。例えば、運用計画の効率が向上する方へ目的関数の値が変化した場合において、報酬計算部66は、報酬「r」を増大させる。報酬計算部66は、報酬の値である「1」を与えることによって報酬「r」を増大させる。なお、報酬の値は「1」に限られない。運用計画の効率が低下する方へ目的関数の値が変化した場合において、報酬計算部66は、報酬「r」を減少させる。報酬計算部66は、報酬の値である「-1」を与えることによって報酬「r」を低減させる。なお、報酬の値は「-1」に限られない。
【0080】
関数更新部67は、報酬計算部66によって計算される報酬に従って、運用計画を決定するためのモデルである関数を更新する。関数の更新は、データセットに従って、例えば行動価値テーブルを更新することによって行うことができる。行動価値テーブルは、任意の行動と、その行動価値とを関連付けてテーブルの形式で記憶したデータセットである。例えばQ学習の場合、上記の式(1)により表される行動価値関数Q(s,a)を、運用計画を決定するための関数として用いる。
【0081】
ここまで、モデル生成部65が用いる学習アルゴリズムに強化学習を適用する場合について説明したが、学習アルゴリズムには、強化学習以外の学習が適用されても良い。モデル生成部65は、強化学習以外の公知の学習アルゴリズム、例えば、深層学習(Deep Learning)、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、帰納論理プログラミングまたはサポートベクターマシンといった学習アルゴリズムを用いて機械学習を実行しても良い。
【0082】
学習装置61は、運用計画立案装置11A,11Bに内蔵されるものに限られない。学習装置61は、運用計画立案装置11A,11Bの外部の装置により実現されても良い。この場合、学習装置61として機能する装置は、ネットワークを介して運用計画立案装置11A,11Bに接続可能な装置であっても良い。学習装置61として機能する装置は、クラウドサーバ上に存在する装置であっても良い。
【0083】
図15は、図13に示す運用計画作成部60が備える推論装置62の構成例を示す図である。推論装置62は、推論用データを基に、設備の効率的な運用を可能とする運用計画を推論する。
【0084】
推論装置62は、データ取得部68と推論部69とを有する。データ取得部68は、推論用データを取得する。実施の形態1の場合、推論用データは、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、および標準作業時間のデータである。実施の形態2の場合、推論用データは、設備情報、駐機スケジュール、移動情報、標準作業時間のデータ、消費時間情報、および供給時間情報である。
【0085】
推論部69は、学習装置61によって生成された学習済モデルを、学習済モデル記憶部63から読み出す。推論部69は、学習済モデルへ推論用データを入力することによって、運用計画を推論する。推論部69は、推論結果である運用計画の情報を出力する。
【0086】
このようにして、運用計画作成部60は、機械学習を用いて運用計画を作成する。これにより、運用計画立案装置11A,11Bは、設備の効率的な運用を可能とする運用計画を立案することができる。
【0087】
次に、運用計画立案装置11A,11Bのハードウェア構成について説明する。図16は、実施の形態1または2にかかる運用計画立案装置11A,11Bのハードウェア構成例を示す図である。運用計画立案装置11A,11Bは、処理回路90と通信装置91とを備えるコンピュータシステムにより実現される。処理回路90は、プロセッサ92およびメモリ93を備える。処理回路90は、プロセッサ92がソフトウェアを実行する回路である。
【0088】
運用計画立案装置11A,11Bの処理部である運用計画作成部25および標準作業時間補正部28は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ93に格納される。処理回路90では、メモリ93に記憶されたプログラムである運用計画立案プログラムをプロセッサ92が読み出して実行することにより、運用計画作成部25および標準作業時間補正部28の機能を実現する。すなわち、処理回路90は、運用計画立案装置11A,11Bの処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ93を備える。メモリ93に記憶された運用計画立案プログラムは、運用計画立案装置11A,11Bの手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0089】
プロセッサ92は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)ともいう)である。メモリ93は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。設備情報記憶部21、標準作業時間記憶部23、および移動情報記憶部24は、メモリ93により実現される。スケジュール入力部22、運用計画出力部26、移動情報出力部27、および搭載量情報入力部29は、通信装置91により実現される。
【0090】
次に、記憶装置12のハードウェア構成について説明する。記憶装置12は、図16に示すハードウェア構成と同様のハードウェア構成を備える。ここでは、図16を参照して、記憶装置12のハードウェア構成について説明する。記憶装置12は、処理回路90と通信装置91とを備えるコンピュータシステムにより実現される。スケジュール記憶部31および搭載量情報記憶部33は、メモリ93により実現される。スケジュール出力部32および搭載量情報出力部34は、通信装置91により実現される。
【0091】
次に、情報処理装置13のハードウェア構成について説明する。情報処理装置13は、図16に示すハードウェア構成と同様のハードウェア構成を備える。ここでは、図16を参照して、情報処理装置13のハードウェア構成について説明する。情報処理装置13は、処理回路90と通信装置91とを備えるコンピュータシステムにより実現される。シミュレーション部42および運用コスト算出部43は、メモリ93に記憶されたプログラムをプロセッサ92が読み出して実行することによって実現される。設備費用記憶部44は、メモリ93により実現される。運用計画入力部41および移動情報入力部45は、通信装置91により実現される。
【0092】
運用計画立案装置11A,11B、記憶装置12、および情報処理装置13の各々は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいても良い。運用計画立案装置11A,11B、記憶装置12、および情報処理装置13の各々は、2つ以上の装置で構成されても良い。運用計画立案プログラムは、CD(Compact Disc)-ROM、DVD-ROMなどの記録媒体に格納され、各実施の形態を実現させるために記録媒体が提供されても良い。
【0093】
以上の各実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。各実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。各実施の形態の構成同士が適宜組み合わせられても良い。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【符号の説明】
【0094】
10A,10B 運用計画立案システム、11A,11B 運用計画立案装置、12 記憶装置、13 情報処理装置、21 設備情報記憶部、22 スケジュール入力部、23 標準作業時間記憶部、24 移動情報記憶部、25 運用計画作成部、26 運用計画出力部、27 移動情報出力部、28 標準作業時間補正部、29 搭載量情報入力部、31 スケジュール記憶部、32 スケジュール出力部、33 搭載量情報記憶部、34 搭載量情報出力部、41 運用計画入力部、42 シミュレーション部、43 運用コスト算出部、44 設備費用記憶部、45 移動情報入力部、51 消費時間記憶部、52 供給時間記憶部、60 運用計画作成部、61 学習装置、62 推論装置、63 学習済モデル記憶部、64 データ取得部、65 モデル生成部、66 報酬計算部、67 関数更新部、68 データ取得部、69 推論部、90 処理回路、91 通信装置、92 プロセッサ、93 メモリ。
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