(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-14
(45)【発行日】2025-03-25
(54)【発明の名称】回路接続装置、及び回転電機装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20250317BHJP
H01R 12/58 20110101ALI20250317BHJP
【FI】
H05K7/14 A
H01R12/58
(21)【出願番号】P 2024521447
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2022020622
(87)【国際公開番号】W WO2023223449
(87)【国際公開日】2023-11-23
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】竹島 健太
(72)【発明者】
【氏名】船引 雄介
(72)【発明者】
【氏名】園田 功
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-162738(JP,A)
【文献】特開2017-175069(JP,A)
【文献】特開2003-051688(JP,A)
【文献】特開2020-047769(JP,A)
【文献】特開2018-037568(JP,A)
【文献】国際公開第2019/012898(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/028671(WO,A1)
【文献】特開2001-196770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H01R 12/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と接続される接続端子を有するコネクタと、
電子部品が実装されるとともに、前記接続端子が圧入される端子孔が形成される回路基板と、
前記回路基板を支持する基板支持部材と、
前記回路基板を前記基板支持部材に固定する固定部材と、
を備え、
前記回路基板は、前記電子部品が実装される実装部と、前記固定部材によって前記基板支持部材に固定されるとともに前記基板支持部材に支持される被支持部と、を有し、
前記被支持部は、前記実装部と前記端子孔との間に配置される、
回路接続装置。
【請求項2】
前記回路基板は、前記基板支持部材に支持される第2の被支持部をさらに有し、
前記端子孔は、前記被支持部と前記第2の被支持部との間に配置される、
請求項1に記載の回路接続装置。
【請求項3】
前記基板支持部材は、
前記回路基板の前記被支持部を支持する支持部と、
前記回路基板の前記第2の被支持部を支持する第2の支持部と、
前記支持部と前記第2の支持部との間に配置され、前記端子孔に圧入された前記接続端子の先端が収容される収容凹部と、を有しており、
前記収容凹部は、前記支持部と、前記第2の支持部と、前記支持部と前記第2の支持部とを接続する一対の側部と、により囲まれている、
請求項2に記載の回路接続装置。
【請求項4】
前記基板支持部材には、前記収容凹部に収容される前記接続端子の先端を外部から視認可能な視認孔が形成されている、請求項3に記載の回路接続装置。
【請求項5】
前記回路基板は、第2の電子部品が実装される第2の実装部をさらに有し、
前記第2の被支持部は、前記第2の実装部と前記端子孔との間に配置される、請求項2~4のいずれか一項に記載の回路接続装置。
【請求項6】
前記回路基板から見て、前記基板支持部材が位置する側を下側とするとき、前記接続端子は前記端子孔に下側に向けて圧入されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載の回路接続装置。
【請求項7】
前記基板支持部材から見て、前記回路基板が位置する側を上側とするとき、前記接続端子は前記端子孔に上側に向けて圧入されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載の回路接続装置。
【請求項8】
前記基板支持部材は金属製であり、GNDに電気的に接続されており、
前記固定部材は金属製であり、前記基板支持部材に電気的に接続されており、
前記被支持部には、前記電子部品としてのノイズ抑制部品と前記固定部材とを電気的に接続する電気接続部が形成されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載の回路接続装置。
【請求項9】
前記回路基板の厚さ方向から見たときに、前記被支持部は、前記コネクタと重なる位置に配置される、
請求項1~
4のいずれか一項に記載の回路接続装置。
【請求項10】
回転電機と、
前記回転電機を制御する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の回路接続装置と、
を備える、回転電機装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路接続装置、及び回転電機装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機装置の制御ユニットとして、電子部品が実装される回路基板と、外部と接続される接続端子を有するコネクタと、を有する回路接続装置が用いられる。例えば接続端子としてプレスフィット端子が用いられる場合、プレスフィット端子を、回路基板に形成される端子孔に圧入することで、半田付け等を行うことなく、回路基板とコネクタとの電気的接続を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接続端子を端子孔に圧入するときに、回路基板には押圧力がかかる。近年、例えば回転電機装置の冗長化のために、コネクタの接続端子の数が増加している。この場合、接続端子を端子孔に圧入するときに回路基板にかかる押圧力も増加する。特許文献1の構造では、回路基板にかかる押圧力によって回路基板に歪みが生じ、回路基板に実装される電子部品が損傷等する可能性がある。
【0005】
また、特許文献1には、制御ユニットが、電子部品が実装される親基板と、接続端子が接続される子基板と、を有する構造も開示されている。しかしながら、この場合には、回転電機装置の構成部品の数が増加してしまう。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、構成部品の数の増加を抑えつつ、回路基板の歪みを抑え、回路基板に実装される電子部品の損傷を防止することができる回路接続装置、及び回転電機装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る回路接続装置は、外部と接続される接続端子を有するコネクタと、電子部品が実装されるとともに、前記接続端子が圧入される端子孔が形成される回路基板と、前記回路基板を支持する基板支持部材と、前記回路基板を前記基板支持部材に固定する固定部材と、を備え、前記回路基板は、前記電子部品が実装される実装部と、前記固定部材によって前記基板支持部材に固定されるとともに前記基板支持部材に支持される被支持部と、を有し、前記被支持部は、前記実装部と前記端子孔との間に配置される。
【0008】
本開示に係る回転電機装置は、回転電機と、前記回転電機を制御する前記回路接続装置と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、構成部品の数の増加を抑えつつ、回路基板の歪みを抑え、回路基板に実装される電子部品の損傷を防止することができる回路接続装置、及び回転電機装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る回転電機装置の概略断面図である。
【
図2】実施の形態1に係る回路接続装置の斜視図である。
【
図3A】実施の形態1に係る回路基板の斜視図である。
【
図3B】実施の形態1に係る回路基板の斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係るコネクタの斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る基板支持部材の斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る回路基板及び基板支持部材の斜視図である。
【
図7A】実施の形態1に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図7B】実施の形態1に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図8A】実施の形態1の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図8B】実施の形態1の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図9A】実施の形態1の他の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図9B】実施の形態1の他の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図10】実施の形態2に係る回路接続装置の斜視図である。
【
図11】実施の形態2に係る回路基板及び基板支持部材の斜視図である。
【
図12A】実施の形態2に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図12B】実施の形態2に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図13A】実施の形態2の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図13B】実施の形態2の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図14A】実施の形態3に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図14B】実施の形態3に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図15】実施の形態3の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図16A】実施の形態4に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図16B】実施の形態4に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図17】実施の形態5に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図18】実施の形態5の変形例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図19A】実施の形態6に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図19B】実施の形態6に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図20A】実施の形態1の比較例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【
図20B】実施の形態1の比較例に係る回路接続装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る回路接続装置2及び回転電機装置100について、図面を参照して説明する。
図1は、回転電機装置100の概略断面図である。回転電機装置100は、多相巻線型の回転電機1と、回転電機1を制御する回路接続装置2とを備える。
【0012】
回転電機1は、回転軸11と、ロータ12と、ステータ13と、ケース14と、巻線15と、環状配線部16と、配線端子17と、第1、第2の軸受18a、18bと、から主に構成されている。
【0013】
図1は、回転軸11に沿った回転電機装置100の断面図である。
図1において、紙面下側が回転軸11の出力側であり、紙面上側が回転軸11の非出力側である。
【0014】
回転軸11は、軸心に沿って延びる。ロータ12は、回転軸11に固定される。ロータ12の外周面には、複数対の永久磁石(不図示)が配置されている。これらの永久磁石は、界磁極を構成する。
【0015】
ステータ13は、ロータ12の外周を囲むように設けられる。ステータ13は、ケース14の内面に固定されている。ロータ12の外周面とステータ13の内周面との間には、エアギャップが形成されている。エアギャップは、回転軸11の軸心周りの周方向において全周にわたって形成されている。
【0016】
ケース14は、回転軸11、ロータ12、及びステータ13を収容する。ケース14は、円筒部14aと、底部14bとを有する。円筒部14aは、ステータ13を外周側から覆う。ステータ13は、円筒部14aに圧入により固定される。底部14bは、円筒部14aの下端を覆う。なお、円筒部14aの上端は、後述する回路接続装置2の基板支持部材5により覆われる。
【0017】
巻線15は、ステータ13に巻装される。巻線15は、U相巻線と、V相巻線と、W相巻線とを備える。
【0018】
環状配線部16は、巻線15に対して回転軸11の非出力側(すなわち、
図1における上側)に配置されている。環状配線部16は、巻線15の端部にTIG溶接等で接続されている。
【0019】
配線端子17は、環状配線部16と接続される。配線端子17は、環状配線部16から、基板支持部材5を貫通して回転軸11の非出力側に延びる。配線端子17は、環状配線部16を介して巻線15の端部に電気的に接続されている。配線端子17は、3本の導体で構成されている。これら3本の導体はそれぞれ、巻線15のU相巻線の配線端子、V相巻線の配線端子、及びW相巻線の配線端子と接続されている。
【0020】
回転軸11の非出力側の端部には、第1の軸受18aが設けられる。第1の軸受18aは、基板支持部材5に固定されている。回転軸11の出力側の端部には、第2の軸受18bが設けられる。第2の軸受18bは、底部14bに固定されている。第1の軸受18a及び第2の軸受18bは、回転軸11を回転自在に支持する。
【0021】
回転軸11の非出力側の端面には、センサロータ19が固定されている。センサロータ19は、回転軸11とともに回転する。センサロータ19は、1対または複数対の永久磁石を備えている。
【0022】
回路接続装置2は、回転電機1の巻線15に流れる電流を制御する制御ユニットである。回路接続装置2は、回路基板3と、コネクタ4と、基板支持部材5と、第1締結部材6(固定部材)と、第2締結部材7と、カバー20と、を有している。カバー20は、回路基板3及び基板支持部材5を覆う。
図2は、回路接続装置2の斜視図であって、カバー20を取り外した状態を示す図である。
【0023】
回路基板3は、印刷配線基板である。
図1に示されるように、回路基板3は、第1面3aと、第2面3bとを有している。
図3Aは、第1面3a側から見た回路基板3の斜視図であり、
図3Bは、第2面3b側から見た回路基板3の斜視図である。
【0024】
以下、
図2に示されるように、第1面3aに沿った平面における一方向を第1方向D1と称し、上記平面における第1方向D1に直交する方向を第2方向D2と称する。また、第1方向D1及び第2方向D2に直交する方向を第3方向D3と称する。第3方向D3は、回路基板3の厚さ方向である。第3方向D3において、回路基板3が位置する側を上側と称し、基板支持部材5が位置する側を下側と称する。第1面3aは、回路基板3の上側の面であり、第2面3bは、回路基板3の下側の面である。
【0025】
回路基板3は、回転電機1を駆動するためのパワー回路、回転電機1の駆動を制御するための制御回路、センサ等からの信号が入力される信号回路、電源及び信号に含まれるノイズ成分を除去するためのノイズフィルタ回路等を有している。回路基板3には、上記回路を構成する各種の電子部品31が実装される。電子部品31は、回路基板3の第1面3a及び第2面3bに実装される。
【0026】
制御回路は、電子部品31としての回転センサ31Aを有する。回転センサ31Aは、回路基板3の第2面3bに実装される。回転センサ31Aは、磁気センサである。
図1に示されるように、回転センサ31Aは、センサロータ19と同軸上に配置されている。センサロータ19と回転センサ31Aとは、ギャップを介して対向する。回転センサ31Aは、回転軸11とともに回転するセンサロータ19の永久磁石からの磁界の変化を検出して電気信号に変換する。センサロータ19及び回転センサ31Aにより、回転軸11の回転状態が検出される。なお、回転センサ31Aとして、レゾルバ、ホールセンサ、光学センサ等を用いてもよい。
【0027】
回路基板3には、複数の端子孔32が形成される。複数の端子孔32は、第1方向D1に、等間隔に並んで配置される。なお、複数の端子孔32同士の間隔は、等間隔でなくてもよい。
【0028】
複数の端子孔32は、回路基板3のうち、第2方向D2における一方側の端部に配置される。端子孔32は、回路基板3を第3方向D3に貫通する。なお、端子孔32は、複数個所に分散して配置されていてもよい。
【0029】
複数の端子孔32には、後述するコネクタ4の複数のプレスフィット端子44がそれぞれ圧入される。端子孔32の内面には、プレスフィット端子44と接続される不図示の導電層(電気接続用のパターン)が形成されている。
【0030】
図3A及び
図3Bに示されるように、回路基板3は、実装部R11と、端子側被支持部R12(被支持部)と、巻線側被支持部R13と、を有する。
【0031】
実装部R11には、電子部品31が実装される。実装部R11は、端子側被支持部R12と巻線側被支持部R13との間に配置される。
【0032】
端子側被支持部R12は、実装部R11と端子孔32との間に配置される。端子側被支持部R12には、第1締結部材6が装着される第1締結穴33が形成される。第1締結穴33は、回路基板3を第3方向D3に貫通する。図示の例においては、2つの第1締結穴33が第1方向D1に並んで形成される。第1締結穴33の数は、1または3以上であってもよい。
【0033】
端子側被支持部R12において、回路基板3の第2面3bは、基板支持部材5の支持面5aに当接している。端子側被支持部R12は、基板支持部材5に支持される。端子側被支持部R12は、第1締結部材6によって基板支持部材5に固定される。
【0034】
巻線側被支持部R13は、実装部R11を挟んで、端子側被支持部R12の反対側に配置される。巻線側被支持部R13は、回路基板3のうち、第2方向D2における他方側の端部に配置される。巻線側被支持部R13は、実装部R11の内側に配置されてもよい。巻線側被支持部R13には、第2締結部材7が装着される第2締結穴34が形成される。第2締結穴34は、回路基板3を第3方向D3に貫通する。図示の例においては、1つの第2締結穴34が形成される。第2締結穴34の数は、2以上であってもよい。
【0035】
巻線側被支持部R13において、回路基板3の第2面3bは、基板支持部材5の支持面5aに当接している。巻線側被支持部R13は、基板支持部材5に支持される。巻線側被支持部R13は、第2締結部材7によって基板支持部材5に固定される。
【0036】
回路基板3には、複数(本実施の形態では3つ)の巻線用貫通孔35が形成される。巻線用貫通孔35は、回路基板3を第3方向D3に貫通する。巻線用貫通孔35には、配線端子17の3本の導体がそれぞれ挿通される。配線端子17の端部は、回路基板3に半田付け等で接続されている。
【0037】
図4は、コネクタ4の斜視図である。コネクタ4は、外部電源からの電力を回路基板3に供給する。コネクタ4は、外部の制御装置等からの各種信号を回路基板3に供給する。
図4に示されるように、コネクタ4は、本体部40と、電源端子41と、信号端子42と、複数のプレスフィット端子44(接続端子)と、を備える。
【0038】
本体部40は、樹脂製である。例えば、本体部40の材質は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、またはポリフェニレンサルファイド(PPS)である。本体部40は、内部に電源端子41を収容する電源側ハウジング40aと、内部に信号端子42を収容する信号側ハウジング40bと、を有する。なお、本実施の形態においては、電源側ハウジング40aと信号側ハウジング40bとを別個の容器としたが、電源側ハウジング40aと信号側ハウジング40bとが単一の容器により形成されていてもよい。また、電源側ハウジング40aと信号側ハウジング40bとが、3つ以上の容器により形成されていてもよい。すなわち、電源端子41及び信号端子42を、単一の容器に収容してもよく、3つ以上の容器に分けて収容してもよい。
【0039】
電源端子41は、外部電源と接続される。信号端子42は、外部の制御装置等と接続される。なお、本実施の形態においては、電源端子41と信号端子42とが異なる形状であるが、電源端子41及び信号端子42として、同一形状の端子を用いてもよい。電源端子41及び信号端子42として、3種類以上の形状の端子を用いてもよい。
【0040】
複数のプレスフィット端子44は、電源端子41及び信号端子42のそれぞれと対応して設けられる。なお、1つの電源端子41に対して複数のプレスフィット端子44が設けられていてもよい。プレスフィット端子44は、対応する電源端子41または信号端子42と接続されている。プレスフィット端子44は、第3方向D3に延びている。プレスフィット端子44は、電源端子41及び信号端子42の延出方向と反対側に延びている。複数のプレスフィット端子44は、第1方向D1に等間隔に並んで配置される。なお、プレスフィット端子44は、電源端子41及び信号端子42の延出方向に交差する方向(例えば、電源端子41及び信号端子42の延出方向に直交する方向)に延びていてもよい。複数のプレスフィット端子44は、複数個所に分散して配置されていてもよい。
【0041】
プレスフィット端子44は、全体として細長い板状に形成される。プレスフィット端子44の先端部には、プレスフィット部44aが形成される。プレスフィット部44aの幅(最大幅)は、端子孔32の径よりも大きい。プレスフィット部44aには孔が形成されており、これにより、プレスフィット部44aは弾性変形することが可能である。なお、プレスフィット部44aに、プレスフィット部44aを弾性変形可能とする凹部が形成されていてもよい。
【0042】
プレスフィット端子44は、端子孔32に圧入される。このとき、プレスフィット端子44は、端子孔32の内面に形成される導電層と接触して電気的に接続される。これにより、コネクタ4が回路基板3に電気的に接続される。プレスフィット端子44を用いることにより、半田付け等を行うことなく、回路基板3とコネクタ4とを電気的に接続することができる。したがって、回路接続装置2の製造が容易となり、また製造時間を短縮することができる。
【0043】
図1に示されるように、基板支持部材5は、ステータ13と回路基板3との間に設けられる。基板支持部材5は、ケース14に固定される。基板支持部材5は、ステータ13を上方から覆っている。基板支持部材5は、回転電機1の内部を閉塞する蓋の役目をなす。
【0044】
基板支持部材5には、回路基板3が取り付けられる。基板支持部材5は、回路基板3を支持する支持面5aを有する。支持面5aは、基板支持部材5の上側の面である。基板支持部材5は、例えば金属製である。例えば、基板支持部材5の材質は、アルミニウム、またはADC12等のアルミニウム合金である。基板支持部材5は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂により形成されていてもよい。
【0045】
図5は、基板支持部材5の斜視図である。
図5に示されるように、基板支持部材5の支持面5aには、回路基板3の第2面3bに実装される電子部品31を収容する第1収容凹部51が設けられる。第1収容凹部51は、実装部R11に対応する位置に設けられる。図示の例においては、2つの第1収容凹部51が形成される。なお、第1収容凹部51の数は、1または3以上であってもよい。
【0046】
基板支持部材5には、回転軸用貫通孔52が形成される。回転軸用貫通孔52は、基板支持部材5を第3方向D3に貫通する。
図1に示されるように、回転軸用貫通孔52には、回転軸11の非出力側の端部が挿通される。
【0047】
基板支持部材5は、端子側支持部R21(支持部)と、巻線側支持部R22と、を有する。なお、本実施の形態では、基板支持部材5の支持面5aは、端子側支持部R21から巻線側支持部R22まで、基板支持部材5の全域に連続して延びる単一面として構成されている。しかしながら、第1収容凹部51の形状(すなわち、回路基板3の第2面3bに実装される電子部品31の配置)等に応じて、支持面5aが複数の面に分断されていてもよい。
【0048】
端子側支持部R21は、回路基板3の端子側被支持部R12と対応する位置に設けられる。端子側支持部R21は、端子側被支持部R12を下方から支持する。
【0049】
端子側支持部R21には、第1締結部材6が装着される第3締結穴53が形成される。第3締結穴53は、第1締結穴33に対応する位置に形成される。図示の例においては、2つの第3締結穴53が形成される。第3締結穴53の数は、1または3以上であってもよい。
【0050】
巻線側支持部R22は、回路基板3の巻線側被支持部R13と対応する位置に設けられる。巻線側支持部R22は、巻線側被支持部R13を下方から支持する。
【0051】
巻線側支持部R22には、第2締結部材7が装着される第4締結穴54が形成される。第4締結穴54は、第2締結穴34に対応する位置に形成される。図示の例においては、1つの第4締結穴54が形成される。第4締結穴54の数は、2以上であってもよい。
【0052】
基板支持部材5の支持面5aには、第2収容凹部55が設けられる。第2収容凹部55は、端子孔32に対応する位置に設けられる。第2収容凹部55には、端子孔32に圧入されたプレスフィット端子44の先端部が収容される。第2収容凹部55は、端子側支持部R21と、端子側支持部R21の第1方向D1における両端から第2方向D2の一方側に向けて延びる一対の側部R23と、により区画される。第2収容凹部55は、第2方向D2の一方側に向けて開放されている。なお、一対の側部R23は省略されていてもよい。
【0053】
基板支持部材5には、複数(本実施の形態では3つ)の巻線用貫通孔56が形成される。巻線用貫通孔56は、基板支持部材5を第3方向D3に貫通する。巻線用貫通孔56には、配線端子17の3本の導体がそれぞれ挿通される。
【0054】
第1締結部材6は、例えば、ネジである。第1締結部材6は、金属製である。例えば、第1締結部材6の材質は、鉄、またはステンレスである。第1締結部材6は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂により形成されていてもよい。第1締結部材6は、回路基板3の第1面3a側から、第1締結穴33及び第3締結穴53に装着される。第1締結部材6は、回路基板3を基板支持部材5に向けて押圧した状態で、回路基板3を基板支持部材5に固定する。
【0055】
第2締結部材7は、例えば、ネジである。第2締結部材7は、樹脂により形成されていてもよい。第2締結部材7は、金属製でもよい。第2締結部材7は、回路基板3の第1面3a側から、第2締結穴34及び第4締結穴54に装着される。第2締結部材7は、回路基板3を基板支持部材5に向けて押圧した状態で、回路基板3を基板支持部材5に固定する。
【0056】
次に、
図2、
図6、
図7A及び
図7Bを参照して、実施の形態1に係る回路接続装置2の製造方法を説明する。
【0057】
図6に示されるように、まず、回路基板3を基板支持部材5に取り付ける。このとき、基板支持部材5の支持面5aと回路基板3の第2面3bとが対向する。回路基板3の端子側被支持部R12は、基板支持部材5の端子側支持部R21に載置される。回路基板3の巻線側被支持部R13は、基板支持部材5の巻線側支持部R22に載置される。回路基板3の第2面3bに実装される電子部品31は、第1収容凹部51に収容される。第1締結部材6を第1締結穴33及び第3締結穴53に装着し、第2締結部材7を第2締結穴34及び第4締結穴54に装着することにより、回路基板3と基板支持部材5とを締結する。
【0058】
次に、コネクタ4を回路基板3に取り付ける。
図7Aに示されるように、コネクタ4を回路基板3の第1面3a側に配置する。コネクタ4は、第3方向D3から見たときに端子側被支持部R12(すなわち、第1締結部材6)とコネクタ4とが重なるように配置される。
図7Bに示されるように、コネクタ4を回路基板3に向けて押圧し、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入する。すなわち、本実施の形態では、プレスフィット端子44は、端子孔32に、下側に向けて圧入される。プレスフィット端子44が圧入される方向は、第3方向D3と略同一である。なお、図示の例では、プレスフィット端子44が端子孔32に圧入されたとき、回路基板3とコネクタ4とは離間して配置されている。しかしながら、コネクタ4が第1締結部材6と干渉しなければよく、回路基板3とコネクタ4とが近接または当接して配置されてもよい。
【0059】
ここで、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに、回路基板3には押圧力がかかる。本実施の形態では、実装部R11と端子孔32との間に、端子側支持部R21によって支持される端子側被支持部R12が設けられている。回路基板3にかかる押圧力を、端子側被支持部R12によって受け止めることができるため、この押圧力が実装部R11に直接伝達されることが防止でき、実装部R11の歪みを抑えることができる。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態に係る回路接続装置2は、外部と接続されるプレスフィット端子44を有するコネクタ4と、電子部品31が実装されるとともに、プレスフィット端子44が圧入される端子孔32が形成される回路基板3と、回路基板3を支持する基板支持部材5と、回路基板3を基板支持部材5に固定する第1締結部材6と、を備える。回路基板3は、電子部品31が実装される実装部R11と、第1締結部材6によって基板支持部材5に固定されるとともに基板支持部材5に支持される端子側被支持部R12と、を有する。端子側被支持部R12は、実装部R11と端子孔32との間に配置される。
【0061】
回路基板3は、電子部品31が実装される実装部R11と端子孔32との間に配置され、基板支持部材5によって支持される端子側被支持部R12を有している。したがって、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに回路基板3にかかる押圧力を、端子側被支持部R12によって受け止めることができ、この押圧力が実装部R11に直接伝達されることが防止できる。したがって、回路基板3の歪みを抑えることができ、実装部R11に実装される電子部品31が損傷等することが防止できる。また、回路基板3に、電子部品31が実装されるとともに、プレスフィット端子44が圧入される端子孔32が形成される。したがって、電子部品が実装される親基板と、プレスフィット端子が接続される子基板とを別個に設ける場合と比べて、回路接続装置2の構成部品の数の増加を抑えることができる。以上より、本実施の形態に係る回路接続装置2によれば、構成部品の数の増加を抑えつつ、回路基板3の歪みを抑え、回路基板3に実装される電子部品31の損傷を防止することができる。
【0062】
また、端子側被支持部R12が設けられていない場合と比べて、電子部品31を端子孔32により近い位置まで実装することができるため、電子部品31の実装領域が拡大する。電子部品31を回路基板3に効率的に実装することができるため、回路基板3の小型化を図ることができる。
【0063】
また、例えば冗長化のために、コネクタ4のプレスフィット端子44の数が増加すると、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに回路基板3にかかる押圧力も増加する。このような場合であっても、回路基板3にかかる押圧力を端子側被支持部R12によって受け止めることにより、回路基板3の歪みを抑えることができる。
【0064】
また、第3方向D3から見たときに、端子側被支持部R12は、コネクタ4と重なる位置に配置される。
これにより、第3方向D3から見たときに端子側被支持部R12がコネクタ4と重ならない位置に配置される場合と比較して、端子側被支持部R12の位置を端子孔32に近づけることができる。端子側被支持部R12の位置が端子孔32に近いほど、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに回路基板3にかかる押圧力が実装部R11に伝達されることを防止する効果が大きくなる。したがって、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに回路基板3にかかる押圧力が、実装部R11に伝達されることがより効果的に防止できる。また、実装部R11の位置を端子孔32に近づけることができるため、電子部品31を端子孔32により近い位置まで実装することができる。
【0065】
実施の形態1の比較例.
図20Aおよび
図20Bは、実施の形態1の比較例に係る回路接続装置202の概略構成を示す図である。
図20Aおよび
図20Bに示されるように、回路接続装置202において第1締結部材6が設けられない場合には、コネクタ4を回路基板3に取り付けるときに、押し部材9によって回路基板3を基板支持部材5に向けて押し付けることにより回路基板3を一時的に固定することが考えられる。この場合に、端子側被支持部R12を、第3方向D3から見たときにコネクタ4と重なる位置に配置しようとすると、コネクタ4と押し部材9との干渉を避けるために、コネクタ4に押し部材9が挿通される挿通孔45を設ける必要がある。さらに、回路基板3への異物の侵入を防止するために、コネクタ4を回路基板3に取付けた後に挿通孔45を塞ぐ必要がある。したがって、回路接続装置202の製造が煩雑になる。
【0066】
本実施の形態に係る回路接続装置2では、第1締結部材6を用いて回路基板3を基板支持部材5に固定する。したがって、比較例に係る回路接続装置202のように、コネクタ4を回路基板3に取り付けるときに押し部材9等を設けることが不要であり、端子側被支持部R12を、実装部R11と端子孔32との間であって、第3方向D3から見たときにコネクタ4と重なる位置に容易に配置することができる。
【0067】
実施の形態1の変形例.
図8A及び
図8Bに示されるように、プレスフィット端子44は、端子孔32に、上側に向けて圧入されていてもよい。この場合、コネクタ4は、回路基板3の第2面3b側に配置される。基板支持部材5は、回路基板3とコネクタ4との間に配置される。基板支持部材5には、プレスフィット端子44が挿通される端子用貫通孔57が形成される。プレスフィット端子44は、端子用貫通孔57に挿通され、端子孔32に圧入される。
【0068】
また、
図9及び
図9Bに示されるように、回路基板3の第1面3aに受け部材8が設けられていてもよい。受け部材8は、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに回路基板3を上方から支持する。受け部材8は、複数の端子孔32を囲むように設けられる。受け部材8は、回路基板3における、端子孔32の第2方向D2における両側部分を支持する。プレスフィット端子44が端子孔32に圧入されるときに回路基板3にかかる押圧力を、受け部材8によって上方から抑え込むことにより、回路基板3の歪みをより効果的に抑えることができる。
【0069】
なお、受け部材8は、回路基板3における、端子孔32の第2方向D2における片側部分のみを支持するよう構成されていてもよい。例えば、受け部材8は、端子孔32と端子側被支持部R12との間のみに配置されていてもよい。
【0070】
実施の形態2.
以下、実施の形態2に係る回路接続装置2Aについて、
図10~12Bを参照して説明する。なお、実施の形態1と同様の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0071】
図11に示されるように、本実施の形態では、回路基板3が、第2の端子側被支持部R14(第2の被支持部)をさらに有している。第2の端子側被支持部R14は、複数の端子孔32を間に挟んで、端子側被支持部R12の反対側に配置される。すなわち、複数の端子孔32は、端子側被支持部R12と第2の端子側被支持部R14との間に配置される。第2の端子側被支持部R14において、回路基板3の第2面3bは、基板支持部材5の支持面5aに当接している。第2の端子側被支持部R14は、基板支持部材5に支持される。
【0072】
基板支持部材5は、第2の端子側支持部R24(第2の支持部)をさらに有している。第2の端子側支持部R24は、回路基板3の第2の端子側被支持部R14と対応する位置に設けられる。第2の端子側支持部R24は、第2の端子側被支持部R14を下方から支持する。
【0073】
本実施の形態では、一対の側部R23は、端子側支持部R21の第1方向D1における両端と第2の端子側支持部R24の第1方向D1における両端とをそれぞれ接続する。基板支持部材5の支持面5aには、端子側支持部R21と、第2の端子側支持部R24と、一対の側部R23と、により区画される第2収容凹部55A(収容凹部)が設けられる。第2収容凹部55Aは、端子側支持部R21と、第2の端子側支持部R24と、一対の側部R23と、により囲まれて閉空間となっている。第2収容凹部55Aには、端子孔32に圧入されたプレスフィット端子44の先端部が収容される。なお、プレスフィット端子44は、端子孔32に下側に向けて圧入される。
【0074】
本実施の形態でも、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、本実施の形態に係る回路接続装置2Aによれば、構成部品の数の増加を抑えつつ、回路基板3の歪みを抑え、回路基板3に実装される電子部品31の損傷を防止することができる。
【0075】
また、回路基板3は、基板支持部材5に支持される第2の端子側被支持部R14をさらに有している。端子孔32は、端子側被支持部R12と第2の端子側被支持部R14との間に配置される。
プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに回路基板3にかかる押圧力を、端子側被支持部R12に加えて、第2の端子側被支持部R14によって受け止めることができる。したがって、回路基板3の歪みをより確実に抑えることができる。
【0076】
また、基板支持部材5は、端子側被支持部R12を支持する端子側支持部R21と、第2の端子側被支持部R14を支持する第2の端子側支持部R24と、端子側支持部R21と第2の端子側支持部R24との間に配置され、端子孔32に圧入されたプレスフィット端子44の先端が収容される第2収容凹部55Aと、を有している。第2収容凹部55Aは、端子側支持部R21と、第2の端子側支持部R24と、端子側支持部R21と第2の端子側支持部R24とを接続する一対の側部R23と、により囲まれている。
プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに、微細な金属屑が生じる可能性がある。第2収容凹部55Aが、端子側支持部R21と、第2の端子側支持部R24と、一対の側部R23と、により囲まれて閉空間となっているため、金属屑が第2収容凹部55Aの外部へ飛散することが防止できる。したがって、金属屑が回路基板3の各種回路等に付着して、回路の短絡等が生じることが防止できる。また、外部から第2収容凹部55Aへ異物が侵入することも防止できる。したがって、外部からの異物がプレスフィット端子44または端子孔32に付着して、回路基板3が誤作動したり、回路基板3及びコネクタ4に酸化物が生成されたりすることを防止できる。
【0077】
実施の形態2の変形例.
図13A及び
図13Bに示されるように、プレスフィット端子44は、端子孔32に、上側に向けて圧入されていてもよい。この場合、コネクタ4は、回路基板3の第2面3b側に配置される。基板支持部材5は、回路基板3とコネクタ4との間に配置される。基板支持部材5には、プレスフィット端子44が挿通される端子用貫通孔57が形成される。プレスフィット端子44は、端子用貫通孔57に挿通され、端子孔32に圧入される。
【0078】
また、第2の端子側支持部R24は、回路基板3の第1面3aに当接し、第2の端子側被支持部R14を上方から支持するよう構成されていてもよい。この場合、プレスフィット端子44が端子孔32に圧入されるときに回路基板3にかかる押圧力を、第2の端子側支持部R24によってより効果的に受け止めることができ、回路基板3の歪みをより効果的に抑えることができる。
【0079】
実施の形態3.
以下、実施の形態3に係る回路接続装置2Bについて、
図14A及び
図14Bを参照して説明する。なお、実施の形態1及び実施の形態2と同様の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0080】
図14A及び
図14Bは、回路接続装置2Bの概略構成を示す図である。
図14Bは、回路接続装置2Bを第2方向D2から見た図である。
【0081】
図14A及び
図14Bに示されるように、本実施の形態は、基板支持部材5に視認孔58が形成されている点において、実施の形態2と異なる。視認孔58は、第2の端子側支持部R24に形成される。視認孔58は、第2収容凹部55Aに収容されるプレスフィット端子44の先端を外部から視認可能に形成されている。第2方向D2から見たときに、視認孔58は、複数のプレスフィット端子44の先端と重なる位置に形成される。視認孔58は、単一の視認孔58により複数のプレスフィット端子44の全ての先端を視認可能な大きさを有する。
【0082】
回路接続装置2Bの外側から、視認孔58を介して、プレスフィット端子44の端子孔32への圧入状態を確認することができる。したがって、プレスフィット端子44の端子孔32への圧入不良による、回路基板3とコネクタ4との接続不良、回路基板3の誤作動等を防止することができる。例えば、視認孔58からプレスフィット端子44の先端が確認できない場合、または視認孔58から視認できるプレスフィット端子44の突出量が不足している場合には、プレスフィット端子44の端子孔32への圧入不良が生じていると判断される。
【0083】
実施の形態3の変形例.
図15に示されるように、複数の視認孔58は、複数のプレスフィット端子44のそれぞれに対応して形成されていてもよい。また、1つの視認孔58によって2つ以上のプレスフィット端子44を視認できるように、複数の視認孔58が形成されていてもよい。
【0084】
実施の形態4.
以下、実施の形態4に係る回路接続装置2Cについて、
図16A及び
図16Bを参照して説明する。なお、実施の形態1~実施の形態3と同様の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図16A及び
図16Bに示されるように、本実施の形態では、回路基板3は、第2の実装部R15と、端部側被支持部R16と、をさらに有している。
【0086】
第2の実装部R15には、第2の電子部品63が実装される。第2の実装部R15は、第2の端子側被支持部R14を挟んで、端子孔32の反対側に配置される。すなわち、第2の端子側被支持部R14は、第2の実装部R15と端子孔32との間に配置される。
【0087】
端部側被支持部R16は、第2の実装部R15を挟んで、第2の端子側被支持部R14の反対側に配置される。すなわち、第2の実装部R15は、第2の端子側被支持部R14と端部側被支持部R16との間に配置される。端部側被支持部R16において、回路基板3の第2面3bは、基板支持部材5の支持面5aに当接している。端部側被支持部R16は、基板支持部材5に支持される。端部側被支持部R16は、第2の実装部R15の内側に配置されていてもよい。
【0088】
基板支持部材5は、端部側支持部R25をさらに有している。端部側支持部R25は、端部側被支持部R16と対応する位置に設けられる。端部側支持部R25は、端部側被支持部R16を下方から支持する。
【0089】
基板支持部材5の支持面5aには、回路基板3の第2面3bに実装される第2の電子部品63を収容する第3収容凹部64が設けられる。第3収容凹部64は、第2の実装部R15に対応する位置に設けられる。
【0090】
回路基板3の第2の端子側被支持部R14と基板支持部材5の第2の端子側支持部R24とは、第3締結部材61により締結されている。第3締結部材61は、例えば、ネジである。第2の端子側被支持部R14及び第2の端子側支持部R24には、第3締結部材61が装着される締結穴が形成される。第3締結部材61は、回路基板3を基板支持部材5に向けて押圧した状態で、回路基板3を基板支持部材5に固定する。
【0091】
回路基板3の端部側被支持部R16と基板支持部材5の端部側支持部R25とは、第4締結部材62によりを締結されている。第4締結部材62は、例えば、ネジである。端部側被支持部R16及び端部側支持部R25には、第4締結部材62が装着される締結穴が形成される。第4締結部材62は、回路基板3を基板支持部材5に向けて押圧した状態で、回路基板3を基板支持部材5に固定する。
【0092】
本実施の形態でも、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、本実施の形態に係る回路接続装置2Cによれば、構成部品の数の増加を抑えつつ、回路基板3の歪みを抑え、回路基板3に実装される電子部品31の損傷を防止することができる。
【0093】
また、回路基板3は、第2の電子部品63が実装される第2の実装部R15をさらに有する。第2の端子側被支持部R14は、第2の実装部R15と端子孔32との間に配置される。
第2の実装部R15を設けることにより、電子部品31、63の実装領域を拡大することができる。また、基板支持部材5によって支持される第2の端子側被支持部R14が、第2の実装部R15と端子孔32との間に配置されている。したがって、プレスフィット端子44を端子孔32に圧入するときに回路基板3にかかる押圧力を、第2の端子側被支持部R14によって受け止めることができ、この押圧力が第2の実装部R15に直接伝達されることが防止できる。したがって、回路基板3の歪みを抑えることができ、第2の実装部R15に実装される第2の電子部品63が損傷等することが防止できる。
【0094】
実施の形態5.
以下、実施の形態5に係る回路接続装置2Dについて、
図17を参照して説明する。なお、実施の形態1~実施の形態4と同様の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0095】
本実施の形態では、基板支持部材5及び第1締結部材6は金属製である。また、
図17に示されるように、回路基板3の第1面3aに、電子部品31としてのノイズ抑制部品31Bが実装されている。ノイズ抑制部品31Bは、Xコンデンサ及びYコンデンサを含む。ノイズ抑制部品31Bは、回路基板3の端子側被支持部R12に近接して配置される。
【0096】
端子側被支持部R12には、GNDパターン71(電気接続部)が設けられている。GNDパターン71は、回路基板3の第1面3aに配置される。ノイズ抑制部品31BのXコンデンサ及びYコンデンサは、GNDパターン71に電気的に接続されている。第1締結部材6が回路基板3に締結されたときに、第1締結部材6はGNDパターン71に接触し、GNDパターン71と第1締結部材6とが電気的に接続される。
【0097】
基板支持部材5は、GND(グランド)に電気的に接続されている。第1締結部材6が基板支持部材5に締結されたときに、第1締結部材6は基板支持部材5に接触し、第1締結部材6と基板支持部材5とが電気的に接続される。したがって、ノイズ抑制部品31BのXコンデンサ及びYコンデンサは、GNDパターン71、第1締結部材6、及び基板支持部材5を介して、GNDに接続される。
【0098】
本実施の形態でも、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、本実施の形態に係る回路接続装置2Dによれば、構成部品の数の増加を抑えつつ、回路基板3の歪みを抑え、回路基板3に実装される電子部品31の損傷を防止することができる。
【0099】
また、基板支持部材5は金属製であり、GNDに電気的に接続されている。第1締結部材6は金属製であり、基板支持部材5に電気的に接続されている。端子側被支持部R12には、電子部品31としてのノイズ抑制部品31Bと第1締結部材6とを電気的に接続するGNDパターン71が形成されている。
これにより、基板支持部材5及び第1締結部材6を介して、ノイズ抑制部品31BをGNDに接続することができる。
【0100】
また、ノイズ抑制部品31Bを実装部R11のうち端子側被支持部R12に近い位置(すなわち、端子孔32に近い位置)に配置する場合、ノイズ抑制部品31Bによって、電源及び信号のノイズを効果的に除去することができる。例えば、プレスフィット端子44から端子孔32を介して電子部品31へ電源が供給される場合、ノイズ抑制部品31Bによって、電源のノイズを実装部R11に入力されて直ぐに除去することができる。電子部品31から端子孔32を介してプレスフィット端子44へ信号が出力される場合、ノイズ抑制部品31Bによって、信号のノイズを端子孔32の直前で除去することができる。
【0101】
また、端子側被支持部R12によって実装部R11の歪みを抑えることができるため、ノイズ抑制部品31Bとして、歪み耐力は小さいが小型であるセラミックコンデンサ等を用いることができる。したがって、回路基板3の小型化を図ることができる。
【0102】
実施の形態5の変形例.
図18に示されるように、GNDパターン71は、端子側被支持部R12において、回路基板3の第2面3bまで延びるよう形成されていてもよい。この場合、GNDパターン71は、基板支持部材5に直接接続される。ノイズ抑制部品31BのXコンデンサ及びYコンデンサは、GNDパターン71及び基板支持部材5を介して、GNDに接続される。
【0103】
実施の形態6.
以下、実施の形態6に係る回路接続装置2Eについて、
図19A及び
図19Bを参照して説明する。なお、実施の形態1~実施の形態5と同様の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0104】
図19A及び
図19Bに示されるように、本実施の形態において、回路基板3とコネクタ4とは、多極コネクタを用いて接続されている。
【0105】
コネクタ4は、複数のプレスフィット端子44の代わりに、凹側コネクタ部品81を有している。凹側コネクタ部品81は、第1方向D1に並んで配置される複数の接続端子81aと、複数の接続端子81aを保持する保持部材81bと、を有する。保持部材81bは凹部を有しており、この凹部の内側に複数の接続端子81aが配置される。
【0106】
回路基板3は、凸側コネクタ部品82を有している。凸側コネクタ部品82は、第1方向D1に並んで配置される複数の接続嵌合部82a(端子孔)と、複数の接続嵌合部82aを保持する保持部材82bと、を有する。複数の接続嵌合部82aの一端部は、複数の接続端子81aとそれぞれ嵌合される。複数の接続嵌合部82aの他端部82a1は、回路基板3に、例えば半田付けにより固定される。
【0107】
複数の接続端子81aが、複数の接続嵌合部82aの一端部にそれぞれ嵌合されることにより、回路基板3とコネクタ4とが電気的に接続される。接続端子81aを接続嵌合部82aの一端部に嵌合させるときに、回路基板3には押圧力がかかる。基板支持部材5によって支持される端子側被支持部R12が、電子部品31が実装される実装部R11と端子孔32との間に配置されている。したがって、接続端子81aを接続嵌合部82aの一端部に嵌合させるときに回路基板3にかかる押圧力を、端子側被支持部R12によって受け止めることができ、この押圧力が実装部R11に直接伝達されることが防止できる。したがって、回路基板3の歪みを抑えることができ、実装部R11に実装される電子部品31が損傷等することが防止できる。また、回路基板3に、電子部品31が実装されるとともに、接続端子81aが圧入される接続嵌合部82aが形成される。したがって、電子部品が実装される親基板と、接続端子が接続される子基板とを別個に設ける場合と比べて、回路接続装置2Eの構成部品の数の増加を抑えることができる。以上より、本実施の形態に係る回路接続装置2Eによれば、構成部品の数の増加を抑えつつ、回路基板3の歪みを抑え、回路基板3に実装される電子部品31の損傷を防止することができる。
【0108】
なお、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0109】
例えば、プレスフィット端子44、第1締結部材6、第2締結部材7等の数は、回転電機装置100の仕様に応じて適宜変更される。
第1締結部材6及び第2締結部材7は、回路基板3を基板支持部材5に固定できればよく、ネジに限定されない。
基板支持部材5は、回転電機1のケース14と一体に形成されていてもよい。
複数の端子孔32は、第1方向D1における一方側の端部に配置されてもよい。この場合、例えば、実装部R11は、第1方向D1における他方側の端部に配置されており、端子側被支持部R12は、第1方向D1において、実装部R11と端子孔32とに挟まれるように配置されていてもよい。複数の端子孔32は、第1方向D1における一方側の端部と、第2方向D2における一方側の端部とに組み合わせて配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…回転電機 2、2A、2B、2C、2D、2E…回路接続装置 3…回路基板 4…コネクタ 5…基板支持部材 6…第1締結部材(固定部材) 31…電子部品 31B…ノイズ抑制部品 32…端子孔 44…プレスフィット端子(接続端子) 55A…第2収容凹部(収容凹部) 58…視認孔 63…第2の電子部品 71…GNDパターン(電気接続部) 81a…接続端子 82a…接続嵌合部(端子孔) R11…実装部 R12…端子側被支持部(被支持部) R14…第2の端子側被支持部(第2の被支持部) R15…第2の実装部 R21…端子側支持部(支持部) R23…側部 R24…第2の端子側支持部(第2の支持部) 100…回転電機装置