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特許7651172薬液塗布具、およびそれを備える薬液塗布容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-17
(45)【発行日】2025-03-26
(54)【発明の名称】薬液塗布具、およびそれを備える薬液塗布容器
(51)【国際特許分類】
   A61M 35/00 20060101AFI20250318BHJP
   B65D 47/42 20060101ALI20250318BHJP
   B65D 47/12 20060101ALI20250318BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20250318BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20250318BHJP
【FI】
A61M35/00 Z
B65D47/42 200
B65D47/12 200
A45D34/04
A61J1/05 313Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021129551
(22)【出願日】2021-08-06
(65)【公開番号】P2023023750
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】小川 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】宮武 諭
(72)【発明者】
【氏名】野間 翔太
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-246051(JP,A)
【文献】特開2003-010342(JP,A)
【文献】実開昭59-069175(JP,U)
【文献】特開2016-050017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 35/00
B65D 47/42
B65D 47/12
A45D 34/04
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刷毛と、
前記刷毛が取り付けられる刷毛挿設孔を有する中栓と、
前記刷毛や前記中栓の先端部が嵌挿される嵌挿穴を有するキャップとを備えており、
前記中栓における前記刷毛挿設孔を構成する面の反対側にある前記中栓の外面には、前記嵌挿穴に前記刷毛や前記中栓の前記先端部が嵌挿された状態で前記キャップを保持する保持部が形成されており、
前記キャップの内側には、前記保持部によって保持される被保持部が形成されている
薬液塗布具。
【請求項2】
前記保持部は雄ネジであり、前記被保持部は前記保持部に係合する雌ネジである
請求項1に記載の薬液塗布具。
【請求項3】
前記中栓の外側には、前記キャップの内側と当接するキャップ当接面が形成されており、
前記キャップ当接面は、前記刷毛が取り付けられる前記中栓の先端側から反対側に向けて、前記中栓の中心側から外側に傾斜するテーパ面である
請求項1または2に記載の薬液塗布具。
【請求項4】
前記キャップの内側には、前記中栓の外側と当接する中栓当接面が形成されており、
前記中栓当接面は、前記嵌挿穴の開口側から前記嵌挿穴の奥側に向けて、前記キャップの外側から中心側に傾斜するテーパ面である
請求項1または2に記載の薬液塗布具。
【請求項5】
前記中栓における前記刷毛が取り付けられるのとは反対側の端部には薬液容器本体の首部が挿設される薬液容器本体挿設口が形成されており、
前記薬液容器本体挿設口を構成する前記端部の外径は、前記キャップにおける最大外径以上である
請求項1からのいずれか1項に記載の薬液塗布具。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載の薬液塗布具と、
薬液が貯められる薬液容器本体とを備える
薬液塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば皮膚に塗布する薬液等に用いられる薬液塗布容器の薬液塗布具、およびそれを備える薬液塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、薬液を溜めておく薬液容器本体と、当該薬液を皮膚等に塗布するための刷毛、中栓、および、キャップを含む薬液塗布具とを備える薬液塗布容器が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一般にこのような薬液塗布容器は薬液容器本体の開口部外側にキャップが係合するようになっている。このため、薬液塗布容器の製造メーカーからは薬液容器本体と薬液塗布具とを分離し、さらに、キャップを薬液塗布具から分離した状態で当該薬液塗布容器を薬液の製造メーカーに納品し、この薬液の製造メーカーにて、薬液を薬液容器本体に充填した後、刷毛(および中栓)やキャップを順に組み付けるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-91449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した手順だと、薬液の製造メーカーにおいてキャップを組み付ける際に誤って当該キャップが刷毛の先端に干渉したり、剥き出しの刷毛をどこかにぶつける等して、刷毛が損傷を受ける不具合が発生していた。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、薬液を薬液容器本体に充填した後で当該薬液容器本体に薬液塗布具を組み付ける際に刷毛が損傷するのを回避できる薬液塗布具およびそれを備える薬液塗布容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、
刷毛と、
前記刷毛が取り付けられる刷毛挿設孔を有する中栓と、
前記刷毛や前記中栓の先端部が嵌挿される嵌挿穴を有するキャップとを備えており、
前記中栓における前記刷毛挿設孔を構成する面の反対側にある前記中栓の外面には、前記嵌挿穴に前記刷毛や前記中栓の前記先端部が嵌挿された状態で前記キャップを保持する保持部が形成されており、
前記キャップの内側には、前記保持部によって保持される被保持部が形成されている
薬液塗布具が提供される。
【0008】
好適には、
前記保持部は雄ネジであり、前記被保持部は前記保持部に係合する雌ネジである。
【0009】
好適には、
前記中栓の外側には、前記キャップの内側と当接するキャップ当接面が形成されており、
前記キャップ当接面は、前記刷毛が取り付けられる前記中栓の先端側から反対側に向けて、前記中栓の中心側から外側に傾斜するテーパ面である。
【0010】
好適には、
前記キャップの内側には、前記中栓の外側と当接する中栓当接面が形成されており、
前記中栓当接面は、前記嵌挿穴の開口側から前記嵌挿穴の奥側に向けて、前記キャップの外側から中心側に傾斜するテーパ面である。
【0013】
好適には、
前記中栓における前記刷毛が取り付けられるのとは反対側の端部には薬液容器本体の首部が挿設される薬液容器本体挿設口が形成されており、
前記薬液容器本体挿設口を構成する前記端部の外径は、前記キャップにおける最大外径以上である。
【0014】
本発明の他の局面によれば、
上述した薬液塗布具と、薬液が貯められる薬液容器本体とを備える薬液塗布容器が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る薬液塗布容器の薬液塗布具では、キャップの嵌挿穴に刷毛や中栓の先端部が嵌挿された状態で当該キャップを保持する保持部が薬液塗布具を構成する中栓の外側に形成されており、かつ、キャップの内側に、当該保持部によって保持される被保持部が形成されている。
【0016】
これにより、薬液塗布容器の製造メーカーから薬液容器本体と薬液塗布具とを分離して薬液の製造メーカーに納品する際、キャップの嵌挿穴に刷毛や中栓の先端部を嵌挿して中栓の保持部とキャップの被保持部とを組み合わせた状態で搬送することができる。
【0017】
したがい、薬液の製造メーカーにおいてキャップを中栓に組み付ける際に誤って当該キャップが刷毛の先端に干渉したり、剥き出しの刷毛をどこかにぶつける等して刷毛が損傷を受ける不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る薬液塗布容器10を示す断面図である。
図2】実施形態に係る薬液塗布容器10を示す分解断面図である。
図3】変形例1に係る薬液塗布容器10を示す断面図である。
図4】変形例1に係る薬液塗布容器10を示す分解断面図である。
図5】変形例3に係る薬液塗布容器10を示す断面図である。
図6】変形例3に係る薬液塗布容器10を示す分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(薬液塗布容器10の構成)
以下、図面を用いて、本発明が適用された薬液塗布容器10の構成の一例について説明する。
【0020】
図1および図2に示すように、薬液塗布容器10は、大略、薬液容器本体12と、薬液塗布具13とで構成されている。
【0021】
薬液容器本体12は、薬液Lが貯められる略円柱状の有底筒状部材であり、その先端部に形成された首部20は、中栓14の端部に形成された薬液容器本体挿設口30に挿設されるようになっている。また、薬液容器本体12の首部20の上端には薬液Lが注入される開口22が形成されており、同首部20の外周には、中栓14の薬液容器本体挿設口30(後述)における内面に形成された雌ネジ36に螺合する雄ネジ24が形成されている。
【0022】
本実施形態に係る薬液容器本体12は上述のように略円柱状に形成されているが、薬液容器本体12の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、略角柱状であってもよいし、より複雑な形状であってもよい。また、薬液容器本体12の材質も特に限定されるものではなく、例えば、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(PET)、エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一つが挙げられるが、後述する刷毛16から薬液を滴下させて使用する場合は、ポリエチレン(PE)やエラストマーが最適であり、使用者に薬液の残量を認識させたい場合はポリエチレン(PE)、ポリエステル(PET)が好適である。
【0023】
薬液塗布具13は、中栓14と、刷毛16と、キャップ18とで構成されている。もちろん、これら以外の部材を加えて薬液塗布具13を構成してもよい。
【0024】
中栓14は、略円柱状の筒状部材であり、中栓本体26と、当該中栓本体26の先端部27における長手方向の中心部に形成された刷毛挿設孔28と、この刷毛挿設孔28とは反対側の端部(後端部38)に形成された薬液容器本体挿設口30とを有している。なお、刷毛挿設孔28と薬液容器本体挿設口30とは中栓本体26の内側で互いに連通している。
【0025】
また、中栓本体26における先端部27の外周には中栓雄ネジ32が形成されている。本実施形態では、この中栓雄ネジ32が、キャップ18を保持する「保持部」に相当する。
【0026】
さらに、この中栓雄ネジ32の近傍に位置する、先端部27における先端位置には、キャップ18の内側と当接するキャップ当接面34が形成されている。このキャップ当接面34は、刷毛16が取り付けられる中栓14の先端側から反対側(後端側)に向けて、当該中栓14の中心側から外側に傾斜するテーパ面になっている。
【0027】
また、中栓14における薬液容器本体挿設口30は、上述したように薬液容器本体12の首部20が挿設されるようになっており、当該薬液容器本体挿設口30の内面には、薬液容器本体12における首部20の外周に形成された雄ネジ24と螺合する雌ネジ36が形成されている。
【0028】
本実施形態に係る中栓14は上述のように略円柱状に形成されているが、薬液容器本体挿設口30を構成する中栓14の後端部38における外形状はこれに限定されるものではなく、例えば、略角柱状であってもよいし、より複雑な形状であってもよい。また、中栓14の材質も特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる群より選ばれる少なくとも一つが挙げられ、刷毛16を刷毛挿設孔28に挿入し易く、かつ、薬液容器本体12に対して組み付けやすい剛性があればよい。
【0029】
刷毛16は、所定の比重および強度を有する合成繊維の束を所定の密度で略円柱状に押し束ねて形成されたものである。この刷毛16の図中下端部から浸透した薬液Lが毛細管現象によって刷毛16の図中上端部まで浸透してくることにより、当該上端部を皮膚等に押し当てることで薬液Lを所望の位置に塗布できるようになっている。
【0030】
本実施形態に係る刷毛16の外形は上述のように略円柱状に形成されているが、刷毛16の外形状はこれに限定されるものではなく、例えば、略角柱状であってもよいし、より複雑な形状であってもよい。また、刷毛16の材質も特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル繊維(PET、PBT)、ポリプロピレン繊維(PP)、ポリアミド繊維(PA)、アクリル繊維(PMMA)、ポリアセタール繊維(POM)からなる群より選ばれる少なくとも一つが挙げられる。
【0031】
キャップ18は、薬液塗布容器10を使用しない保管時等において、刷毛16の上端が不所望に物品等に当たって刷毛16自体が損傷したり、薬液Lがそれらに付着したりすることや、薬液Lが刷毛16の上端から自然に蒸発等してしまうのを回避するための部材である。
【0032】
本実施形態に係るキャップ18は、略円錐形状に形成されており、内側に刷毛16や中栓14の先端部が嵌挿される嵌挿穴40が形成されている。また、キャップ18の内側である嵌挿穴40の内面にはキャップ雌ネジ42が形成されている。本実施形態では、このキャップ雌ネジ42が、中栓14に保持される「被保持部」に相当する。
【0033】
さらに、キャップ18の内側には、中栓14のキャップ当接面34と当接する中栓当接面44が形成されている。この中栓当接面44は、嵌挿穴40の開口側(刷毛16や中栓14の先端部27が挿入される側)から当該嵌挿穴40の奥側に向けて、キャップ18の外側から中心側に傾斜するテーパ面になっている。
【0034】
本実施形態に係るキャップ18の外形は上述のように略円錐形状に形成されているが、キャップ18の外形状はこれに限定されるものではなく、例えば、略角柱状や円柱状であってもよいし、より複雑な形状であってもよい。また、このキャップ18における最大外径は、中栓14における薬液容器本体挿設口30を構成する後端部38の外径よりも小さい(換言すれば、薬液容器本体挿設口30を構成する後端部38の外径は、キャップ18における最大外径以上である)ように設定するのが好適である。
【0035】
なお、キャップ18の材質も特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)からなる群より選ばれる少なくとも一つが挙げられ、キャップ18の開栓トルク低下を防止する剛性や、防湿性能が極端に劣るものでなければよい。
【0036】
(薬液塗布容器10の組み立て)
本実施形態に係る薬液塗布容器10の製造手順について簡単に説明する。先ず、中栓14の刷毛挿設孔28に刷毛16の下端を挿入していき、刷毛16を中栓14に取り付ける。然る後、刷毛16および中栓14の先端部27をキャップ18の嵌挿穴40に嵌挿し、中栓14に対してキャップ18を回転させることにより、中栓14の中栓雄ネジ32とキャップ18のキャップ雌ネジ42とを互いに螺合させることにより、中栓14でキャップ18を保持させる。ここまでで、薬液塗布具13が完成する。
【0037】
次に、薬液容器本体12内に予め所定の量の薬液Lを充填した後、当該薬液容器本体12の首部20を中栓14の薬液容器本体挿設口30に嵌挿して、薬液容器本体12の首部20に形成された雄ネジ24と、中栓14の薬液容器本体挿設口30の表面に形成された雌ネジ36とを螺合させることにより、薬液容器本体12と薬液塗布具13とを組み合わせる。これにより、薬液塗布容器10の製造が完了する。
【0038】
(薬液塗布容器10の特徴)
本実施形態に係る薬液塗布容器10の薬液塗布具13では、当該薬液塗布具13を構成する中栓14の外側に、キャップ18の嵌挿穴40に刷毛16や中栓14の先端部27が嵌挿された状態で当該キャップ18を保持する中栓雄ネジ32(保持部)が形成されており、かつ、キャップ18の内側に、当該中栓雄ネジ32(保持部)によって保持されるキャップ雌ネジ42(被保持部)が形成されている。
【0039】
これにより、薬液塗布容器10の製造メーカーから薬液容器本体12と薬液塗布具13とを分離して薬液Lの製造メーカーに納品する際等において、キャップ18の嵌挿穴40に刷毛16や中栓14の先端部27を嵌挿して中栓14の中栓雄ネジ32(保持部)とキャップ18のキャップ雌ネジ42(被保持部)とを組み合わせた状態で搬送することができる。
【0040】
したがい、薬液Lの製造メーカーにおいてキャップ18を中栓14に組み付ける際に誤って当該キャップ18が刷毛16の先端に干渉したり、剥き出しの刷毛16をどこかにぶつける等して刷毛16が損傷を受ける不具合を回避することができる。
【0041】
また、中栓14の外側にキャップ18の内側と当接するキャップ当接面34が形成されており、このキャップ当接面34は、刷毛16が取り付けられる中栓14の先端側から反対側に向けて、中栓14の中心側から外側に傾斜するテーパ面となっている。
【0042】
さらに、キャップ18の内側に中栓14の外側と当接する中栓当接面44が形成されており、この中栓当接面44は、嵌挿穴40の開口側から嵌挿穴40の奥側に向けて、キャップ18の外側から中心側に傾斜するテーパ面となっている。
【0043】
このように中栓14のキャップ当接面34およびキャップ18の中栓当接面44をそれぞれテーパ面とすることにより、中栓14とキャップ18とが当接することによる気密性を向上させることができ、嵌挿穴40内において刷毛16を囲む空間が気密されるので、保存中に刷毛16の先端から薬液Lが不所望に蒸発したり漏れ出したりするのを回避できる。また、刷毛16が取り付けられる中栓14の先端側から反対側に向けて、当該中栓14の中心側から外側に傾斜するテーパ面であるキャップ当接面34が中栓当接面44によって中心側に押されることにより、中栓14による、刷毛挿設孔28に挿設された刷毛16の保持力を向上させることができる。
【0044】
なお、本実施形態では、キャップ当接面34および中栓当接面44の両方がテーパ面となっているが、少なくともいずれか一方がテーパ面であればよい。
【0045】
さらに、中栓14における中栓雄ネジ32(保持部)がキャップ当接面34の近傍に形成されていることにより、中栓雄ネジ32(保持部)にキャップ18のキャップ雌ネジ42(被保持部)を強く締め付けることでキャップ当接面34とキャップ18の内面とが互いにより強く押し付け合うことになり、上述した気密性をより向上させることができる。
【0046】
また、中栓14における刷毛16が取り付けられるのとは反対側の端部(後端部38)に薬液容器本体12の首部20が挿設される薬液容器本体挿設口30が形成されており、この薬液容器本体挿設口30を構成する後端部38の外径をキャップ18における最大外径以上に設定することにより、薬液塗布具13を薬液容器本体12に組み合わせるときや、ユーザが薬液塗布容器10を使用する際に、キャップ18の外周面ではなく中栓14の後端部38外周面を保持することになる。
【0047】
これにより、薬液塗布具13を薬液容器本体12に組み合わせる際には、薬液容器本体12に対して確実に中栓14(薬液塗布具13)を取り付けることができるとともに、ユーザが薬液塗布容器10を使用する際には、当該ユーザが中栓14の後端部38の外周面を保持することにより、ユーザの体温で薬液容器本体12内の薬液Lの温度を不所望に上昇させてしまう可能性を低減できる。
【0048】
(変形例1)
上述した実施形態では、薬液容器本体12における首部20が中栓14の後端部38に形成された薬液容器本体挿設口30に嵌挿されるようになっていたが、これに変えて、図3および図4に示すように、中栓14の後端部38が薬液容器本体12の上端部に挿設されるようにしてもよい。
【0049】
(変形例2)
また、上述した実施形態では、中栓14における保持部として中栓雄ネジ32が形成されており、キャップ18における被保持部としてキャップ雌ネジ42が形成されていたが、保持部および被保持部はネジである必要はなく、例えば、中栓14の外面に凹部あるいは凸部を形成し、キャップ18の内面においてこれに対応する凸部あるいは凹部を形成してもよい。
【0050】
(変形例3)
さらに、上述した実施形態では、保持部である中栓雄ネジ32やキャップ当接面34が中栓14の先端部27に形成されていたが、これに変えて、図5および図6に示すように、中栓雄ネジ32やキャップ当接面34を中栓14の先端部27とは異なる位置(図中では、中栓14の中段部)に形成してもよい。
【0051】
もちろん、中栓14における中栓雄ネジ32やキャップ当接面34に合わせて、キャップ18におけるキャップ雌ネジ42や中栓当接面44の位置も嵌挿穴40の開口寄りに形成することになる。
【0052】
(変形例4)
上述した実施形態では、中栓14の保持部として中栓雄ネジ32を形成し、キャップ18の被保持部としてキャップ雌ネジ42を形成していたが、逆に、中栓14の保持部として中栓雌ネジを形成し、キャップ18の被保持部としてキャップ雄ネジを形成してもよい。
【0053】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
10…薬液塗布容器、12…薬液容器本体、13…薬液塗布具
14…中栓、16…刷毛、18…キャップ
20…首部、22…開口、24…雄ネジ
26…中栓本体、27…(中栓本体26の)先端部、28…刷毛挿設孔、30…薬液容器本体挿設口、32…中栓雄ネジ、34…キャップ当接面、36…雌ネジ、38…(中栓本体26の)後端部
40…嵌挿穴、42…キャップ雌ネジ、44…中栓当接面
L…薬液
図1
図2
図3
図4
図5
図6