(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-17
(45)【発行日】2025-03-26
(54)【発明の名称】商品販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20250318BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2025004583
(22)【出願日】2025-01-14
【審査請求日】2025-01-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715009765
【氏名又は名称】株式会社すなおネット
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】末松 大吉
(72)【発明者】
【氏名】山口 順子
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-096951(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0244273(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に陳列された第1の商品と、前記店舗に陳列されておらず、配送にて提供される第2の商品と、を共に販売するための商品販売システムであって、
賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、
前記第2の商品となり得る商品である候補商品の情報を候補商品情報として記録する商品情報記録手段と、
前記商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、前記所定期限を徒過している前記候補商品情報を、前記第1の商品に表示された識別情報を消費者の端末で読み込むことでアクセス可能であるウェブサイトに掲載する商品情報更新手段と、を備える
商品販売システム。
【請求項2】
前記識別情報を販売者の端末で読み込むことを条件として、前記商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、前記消費者が前記第1の商品と共に精算しようとしている商品である同時購入商品の中に前記候補商品が含まれているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記候補商品が含まれていないと判定することを条件として、その旨を報知する報知手段と、を備える
請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記識別情報を販売者の端末で読み込むことを条件として、前記商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、前記消費者が前記第1の商品と共に精算しようとしている商品である同時購入商品の中に前記候補商品が含まれているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記候補商品が含まれていると判定することを条件として、所定の値引き処理を行う値引手段と、を備える
請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記候補商品が含まれていないと判定した場合に、前記第1の商品と前記第2の商品の組み合わせが成立していないことを販売者に知らしめるために、アラート表示を行う
請求項2または請求項3に記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記商品情報記録手段は、商品の在庫数の情報が記録されると共に、
前記商品情報更新手段は、前記商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、在庫切れの前記候補商品情報を、前記ウェブサイトから削除する
請求項1、請求項2または請求項3に記載の商品販売システム。
【請求項6】
第1の商品と第2の商品を共に販売するための商品販売システムであって、
賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、
前記第2の商品となり得る商品である候補商品の情報を候補商品情報として記録する商品情報記録手段と、
前記商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、前記所定期限を徒過している前記候補商品情報を、前記第1の商品に表示された識別情報を消費者の端末で読み込むことでアクセス可能であるウェブサイトに掲載する商品情報更新手段と、を備える
商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売システムに関する。詳しくは、各種商品の廃棄量の低減を実現可能な商品販売システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品を中心として商品の安全性が消費者に注目されており、消費者が商品を選択する際に、消費者は商品自体や商品の原料がどの様な物であるのかという点にまで関心を示すようになっている。
【0003】
そのため、商品の提供者は、提供する商品や商品の原料の成分や産地、製造年月日等の情報を商品の包装に貼付したラベルに記載したり、ICタグに記録したりして、商品を提供している。
【0004】
しかし、単に情報を記載や記録したものを商品に添付して提供するだけでは、その情報の改竄や偽造等が容易であり、現に情報の改竄や偽造等が行われている事実もあり、消費者に信用度が低く、消費者が安心して商品を選択することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明の発明者は、単に情報を記載や記録したものを食品に添付するのではなく、食品の原料を粉末にした原料粉末見本を食品に添付して食品を提供する技術を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特許文献1の技術によって、食品の品質の「見える化」が実現することで、消費者が安心して食品を選択できるようになるが、近年問題視されている「食品ロス」を減らすことには直結し難い。
また、廃棄物の低減が求められているのは食品に限られていない。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、廃棄量の低減を実現可能な商品販売システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、店舗に陳列された第1の商品と、前記店舗に陳列されておらず、配送にて提供される第2の商品と、を共に販売するための商品販売システムであって、賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、前記第2の商品となり得る商品である候補商品の情報を候補商品情報として記録する商品情報記録手段と、前記商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、前記所定期限を徒過している前記候補商品情報を、前記第1の商品に表示された識別情報を消費者の端末で読み込むことでアクセス可能であるウェブサイトに掲載する商品情報更新手段と、を備える。
【0010】
また、本発明は、第1の商品と第2の商品を共に販売するための商品販売システムであって、賞味期限、若しくは、出荷期限、若しくは、消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限、のいずれか1つを所定期限と定義し、前記第2の商品となり得る商品である候補商品の情報を候補商品情報として記録する商品情報記録手段と、前記商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、前記所定期限を徒過している前記候補商品情報を、前記第1の商品に表示された識別情報を消費者の端末で読み込むことでアクセス可能であるウェブサイトに掲載する商品情報更新手段と、を備える。
【0011】
ここで、第1の商品(例えば、店舗に陳列された商品)と第2の商品(例えば、店舗に陳列されておらず、配送にて提供される商品)を共に販売することによって、消費者は第1の商品と第2の商品の双方を入手することとなり、商品の売れ残りの低減が期待できる。
即ち、第1の商品を入手したい(購入したい)消費者は、第1の商品を入手するために第2の商品をも入手することとなり、第2の商品が、それ単体では様々な事情で売れ残りが心配される場合であっても、第1の商品と共に販売することで、消費者に受け入れられやすくなることが期待できる。
【0012】
なお、第1の商品に表示された識別情報を消費者の端末で読み込むことで、「候補商品の情報」が掲載されたウェブサイトにアクセス可能であることによって、候補商品を消費者に知らしめることができる。
【0013】
また、商品情報更新手段が、商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、所定期限を徒過している候補商品情報を、ウェブサイト(第1の商品に表示された識別情報を消費者の端末で読み込むことでアクセス可能なウェブサイト)に掲載することによって、判定基準日に応じた情報を消費者に知らしめることができる。
【0014】
即ち、第2の商品が「所定期限(『賞味期限』若しくは『出荷期限』若しくは『消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数となる期限』である)が徒過した商品」である場合に、第2の商品に該当するか否かは、それを判定する日(判定基準日)によって異なることになるが、商品情報更新手段が候補商品情報をウェブサイトに掲載することによって、上述のとおり、判定基準日に応じた情報を消費者に知らしめることができるのである。
【0015】
また、判定手段が、識別情報を販売者の端末で読み込むことを条件として、商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、消費者が第1の商品と共に精算しようとしている商品である同時購入商品の中に候補商品が含まれているか否かを判定する場合には、第1の商品と第2の商品を共に入手(購入)しようとしているか否かを把握することができる。
【0016】
更に、報知手段が、判定手段が「候補商品が含まれていない」と判定することを条件として、その旨を報知する場合には、第1の商品と第2の商品を共に精算していないことを販売者に知らしめることができる。
なお、販売者に知らしめることによって、販売者から消費者に対して、第2の商品と共に精算するように促す契機となることが期待でき、確実なセット販売(第1の商品と第2の商品のセット販売)の実現が期待できる。
【0017】
また、値引手段が、判定手段が「候補商品が含まれている」と判定することを条件として、所定の値引き処理を行う場合には、第1の商品を第2の商品と共に入手しよう(購入しよう)という消費者のインセンティブが高まることを期待できる。
【0018】
更に、商品情報記録手段に商品の在庫数が記録されると共に、商品情報更新手段が、商品情報記録手段に記録されている情報を確認し、在庫切れの候補商品情報を、ウェブサイトから削除する場合には、消費者が入手できる(購入できる)商品のみをウェブサイトに掲載することができる。
【0019】
ところで、ここでの「商品」とは「一次産品」及び「二次産品」の双方を含む。
また、ここでの「商品」は単数であっても複数であっても良い。
更に、ここでの「商品」は、「新品」は勿論のこと、「中古品」(ここでの「中古品」とは「未使用品」や「未開封品」を含むが、これに限らない)、「売れ残り品」、「返品された商品」であっても良い。
【0020】
また、ここでの「商品」とは「食品」を含み、「食品(一次産品)」及び「食品(二次産品)」の双方を含む。
即ち、栄養素の摂取や嗜好を目的とした飲食物(生鮮食品、動物性食品、植物性食品、加工食品、冷凍食品、嗜好食品、調味用材料、健康食品、サプリメント、飲料、加工材料等)を含むことは勿論のこと、医薬品や医薬部外品をも含む趣旨である。例えば、漢方薬も含まれる。また、飼料、養殖用飼料、ドッグフード等、魚や動物を対象としたものも含む趣旨である。
【0021】
なお、ここでの「食品(一次産品)」とは、加工前の生鮮食品、動物性食品、植物性食品そのものであり、例えば、大根やキャベツ等の野菜、あるいは鶏肉や牛肉等の生肉そのものが該当する。また、例えば、果物、豆類、貝類、魚類も該当する。
【0022】
また、ここでの「食品(二次産品)」とは、未加工の生鮮食品、未加工の動物性食品、未加工の植物性食品を加工した産品であり、もち、饅頭、漬物、野菜炒め、ステーキ、ハンバーグ、ラーメン、弁当、パン、牛乳、チーズ、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、冷凍食品、缶詰、ペットボトル入りのお茶やジュース、コーヒー、清涼飲料等が該当する。
【0023】
更に、ここでの「二次産品」には、一次産品を原料として加工した二次産品を含むことは勿論のこと、二次産品を原料として加工した二次産品も含む。例えば、味付け済みの卵を原料として仕入れ、焼成して製造された玉子焼きも含む。更に、ここでの「二次産品」には、二次産品を原料として仕入れた二次産品も含む。例えば、玉子焼きを原料として仕入れ、仕入れた玉子焼きを詰めた弁当も含む。
【0024】
また、ここでの「共に販売」について、「第1の商品」は単数であっても複数であっても良く、「第2の商品」も単数であっても複数であっても良い。
即ち、「共に販売」とは、(1)「単数の第1の商品」と「単数の第2の商品」の組み合わせ、(2)「単数の第1の商品」と「複数の第2の商品」の組み合わせ、(3)「複数の第1の商品」と「単数の第2の商品」の組み合わせ、(4)「複数の第1の商品」と「複数の第2の商品」の組み合わせ、のいずれであっても良い。
【0025】
また、ここでの「第1の商品」と「第2の商品」との組み合わせは、(1)同一の商品、(2)同種同類の商品、(3)異なる商品、のいずれであっても良い。
【0026】
更に、「同種同類の商品」とは、商品同士が「商品として同一視できる」といった関係を意味している。例えば、クリームパンとジャムパンとでは、菓子パンという点で共通しているものの、菓子パンの種類が異なるために同種同類の商品ではない。なお、クリームパン同士でも、クリームの色彩が異なる場合には、同種同類の商品ではない。即ち、外観の色違いは同種同類の商品ではない。また、赤ワインと白ワインとは、例え、同一農法、同一農場であったとしても、商品として同一視できる関係には無いため、同種同類とは言えない。
【0027】
また、ここでの「賞味期限」とは、「品質が変わらずに美味しく食べることができる期限」を意味しており、賞味期限を過ぎたとしても、直ぐに食べられなくなることを意味するものではない。
【0028】
また、ここでの「消費期限」とは、「安全に食べることができる期限」を意味しており、消費期限を過ぎた場合には、食べられなくなることを意味している。
【0029】
更に、ここでの「出荷期限」とは、「卸売業者やメーカーが小売店に納品できる期限」を意味しており、出荷期限を過ぎた場合には、商慣行上、小売店から卸売業者やメーカーに返品されてしまうことを意味している。
なお、「出荷期限」としては、商慣行上、「食品の賞味期限の1/3」とされることが多い(例えば、製造日から数えて6ヶ月先が賞味期限の食品の場合には、製造日から数えて2ヶ月先が出荷期限となる)が、ここでの「出荷期限」は「食品の賞味期限の1/4」であっても良い。更には、「食品の賞味期限の2ヶ月前」や「食品の消費期限の1年前」であっても良い。
【発明の効果】
【0030】
本発明の商品販売システムでは、各種商品の廃棄量の低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】ウェブサイトに掲載される情報を説明するための模式図である。
【
図3】食品製品の販売システムの構成例の一例を説明するための模式図である。
【
図4】食品情報記録手段を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明を行う。
ここで、本実施の形態では、2023年4月21日時点を基準として、換言すると、賞味期限が2023年4月20日以前の場合には、賞味期限が徒過しており、賞味期限が2023年4月21日以降の場合には、賞味期限が到来していないものとして、説明を行う。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0033】
<1.実施の形態>
[食品製品の説明]
図1は本発明を適用した商品販売システムで販売する食品製品Aを説明するための模式図であり、ここで示す食品製品Aは、食品1Aを含んで構成されている。
具体的には、食品製品Aは、食品1Aをビニール2で包装しており、ビニール2にはシール3が貼り付けられている。
【0034】
ここで、食品1Aは、店舗に陳列されて販売されている食品であるものの、単体としては取引(販売)されていない食品であり、食品1Bと共に販売される食品である。
即ち、食品1Aの入手(購入)を希望する消費者は、食品1Bをも入手(購入)する必要がある。
【0035】
また、食品1Bは、食品1Aと共に販売される食品であるものの、店舗に陳列はなされておらず(例えば、店舗から離れた倉庫等に保管されており)、配送にて提供される食品である。
即ち、食品製品Aを入手(購入)した消費者は、食品1Aは店舗で入手できる(店舗で手渡しされる)ものの、食品1Bは郵便や宅配便にて受け取ることになる。
なお、本実施の形態の食品1Bは、「賞味期限を徒過した食品」である。
【0036】
また、シール3には、
図1で示すように、食品1Bの情報にアクセス可能な識別情報4(例えば、二次元バーコード等)が表示されている。
ここで識別情報4(二次元バーコード等)にはURLが記録されており、スマートフォン等の消費者端末で識別情報4を読み取ることで、インターネットを通じて、「食品1Bの情報」が記載されたウェブサイトにアクセスすることが可能である。
【0037】
具体的には、シール3に表示された識別情報4を消費者端末で読み込むと、
図2で示すような、食品1Bの情報が記載されたウェブサイトが消費者端末に表示される。
【0038】
なお、ウェブサイトに記載される「食品1Bの情報」とは、厳密には、消費者が選択することで「食品1B」として「食品1A」と共に購入することができる食品の候補の情報を意味する。即ち、消費者に選択されることで「食品1B」になり得る食品(食品1Bの候補の食品)を意味する。
【0039】
ここで、識別情報4を介してアクセスするウェブサイトには、「食品1Bの情報」として、「食品bbbの情報」と「食品fffの情報」が記載されている。
【0040】
そして、「食品bbbの情報」としては、食品bbbの賞味期限の情報(具体的には、「賞味期限:2023年4月20日」という表示)、食品bbbの消費期限の情報(具体的には、「消費期限:2023年8月20日」という表示)、食品bbbの価格(具体的には、「価格:300円」という表示)、食品bbbの定価(具体的には、「定価:1,500円」という表示)が記載されている。
【0041】
また、「食品fffの情報」としては、食品fffの賞味期限の情報(具体的には、「賞味期限:2023年4月19日」という表示)、食品fffの消費期限の情報(具体的には、「消費期限:2023年8月19日」という表示)、食品fffの価格(具体的には、「価格:80円」という表示)、食品fffの定価(具体的には、「定価:800円」という表示)が記載されている。
【0042】
[システムの構成]
図3は、本発明を適用した商品販売システムの一例である食品製品の販売システムの構成例の一例を説明するための模式図であり、
図1で示す食品製品Aを提供する(販売する)ためのシステムの構成例である。
【0043】
図3で示す食品製品の販売システム11は、インターネット12を介して、食品製品の購入希望者(消費者)が利用する消費者端末13や、食品製品の販売者が利用する販売者端末18と、各種情報をやり取り可能に構成されている。
【0044】
また、食品製品の販売システム11は、食品情報記録手段14と、在庫情報確認手段15と、候補食品決定手段16と、情報出力手段17と、同時購入食品情報記録手段19と、食品情報判定手段20と、値引手段21と、アラート手段22とを有する。
【0045】
ここで、食品情報記録手段14は、「商品情報記録手段」の一例であり、「食品1B」となり得る食品(食品1Bの候補の食品)の情報として、「食品aaaの情報」「食品bbbの情報」「食品cccの情報」「食品dddの情報」「食品eeeの情報」「食品fffの情報」を記録可能に構成されている。
【0046】
本実施の形態では、
図4で示すように、「管理番号1」として食品aaaについて、その賞味期限、消費期限、定価、在庫数が記録されている。
具体的には、名称として「aaa」、賞味期限として「2023年5月31日」、消費期限として「2023年9月30日」、定価として「1,500円」、在庫数として「100」といった情報が記録されている。なお、在庫数については、食品aaaの販売や仕入れによって、その数量が増減する。
【0047】
また、「管理番号2」として食品bbbについて、その賞味期限、消費期限、定価、在庫数が記録されている。
具体的には、名称として「bbb」、賞味期限として「2023年4月20日」、消費期限として「2023年8月20日」、定価として「1,500円」、在庫数として「20」といった情報が記録されている。なお、在庫数については、食品bbbの販売や仕入れによって、その数量が増減する。
【0048】
更に、「管理番号3」として食品cccについて、その賞味期限、消費期限、定価、在庫数が記録されている。
具体的には、名称として「ccc」、賞味期限として「2023年5月31日」、消費期限として「2023年9月30日」、定価として「1,000円」、在庫数として「20」といった情報が記録されている。なお、在庫数については、食品cccの販売や仕入れによって、その数量が増減する。
【0049】
また、「管理番号4」として食品dddについて、その賞味期限、消費期限、定価、在庫数が記録されている。
具体的には、名称として「ddd」、賞味期限として「2023年4月20日」、消費期限として「2023年8月20日」、定価として「500円」、在庫数として「0」といった情報が記録されている。なお、在庫数については、食品dddの販売や仕入れによって、その数量が増減する。
【0050】
また、「管理番号5」として食品eeeについて、その賞味期限、消費期限、定価、在庫数が記録されている。
具体的には、名称として「eee」、賞味期限として「2023年5月31日」、消費期限として「2023年9月30日」、定価として「500円」、在庫数として「0」といった情報が記録されている。なお、在庫数については、食品eeeの販売や仕入れによって、その数量が増減する。
【0051】
また、「管理番号6」として食品fffについて、その賞味期限、消費期限、定価、在庫数が記録されている。
具体的には、名称として「fff」、賞味期限として「2023年4月19日」、消費期限として「2023年8月19日」、定価として「800円」、在庫数として「50」といった情報が記録されている。なお、在庫数については、食品fffの販売や仕入れによって、その数量が増減する。
【0052】
また、在庫情報確認手段15は、消費者が食品1Bの情報を求めた場合に(具体的には、
図1に示す識別情報4を消費者端末13で読み込んだ場合に)、食品情報記録手段14に記録された在庫数を確認可能に構成されている。
具体的には、識別情報4を消費者端末13で読み込み、消費者端末13から、食品1Bの情報出力希望の旨の情報を受信した場合に、食品aaa~食品fffの在庫数の情報にアクセスして在庫数の確認を行う。
【0053】
なお、在庫情報確認手段15は、「食品aaa~食品fffの在庫数の情報」に加えて、「食品aaa~食品fffの消費期限の情報」の確認を行う。そして、消費期限を徒過している場合には、その食品については在庫切れと判断する。
【0054】
本実施の形態では、在庫情報確認手段15による確認によって、「食品aaa」「食品bbb」「食品ccc」及び「食品fff」の在庫があることが分かる。
また、在庫情報確認手段15による確認によって、食品aaa~食品fffのいずれの食品についても、消費期限を徒過していないことが分かる。
【0055】
また、候補食品決定手段16は、「商品情報更新手段」の一例であり、賞味期限を徒過した食品の在庫がある場合には、「賞味期限を徒過した食品」を、食品1Bとなり得る食品(候補食品)に決定する。
【0056】
本実施の形態では、候補食品決定手段16は、在庫がある食品(食品aaa、食品bbb、食品ccc、及び、食品fff)を対象として、「賞味期限の情報」の確認を行い、賞味期限を徒過した食品である「食品bbb」「食品fff」を候補食品として決定する。
【0057】
更に、候補食品決定手段16は、「賞味期限の情報からの経過日数」と「定価の情報」に応じて、候補食品の価格(販売価格)を算出する。
例えば、賞味期限を1日過ぎた場合には定価の80%引き、賞味期限を2日過ぎた場合には定価の90%引き、賞味期限を3日過ぎた場合には定価の95%引き、賞味期限を4日以上過ぎた場合には定価の99%引き、といった具合である。
【0058】
そして、食品bbbは、賞味期限を1日過ぎており、定価が1,500円であるために、販売価格として「300円(定価の80%引き)」と算出する。また、食品fffは、賞味期限を2日過ぎており、定価が800円であるために、販売価格として「80円(定価の90%引き)」と算出する。
【0059】
また、情報出力手段17は、候補食品決定手段16の決定結果に基づいて、消費者端末13に情報を出力可能に構成されている。
具体的には、本実施の形態における情報出力手段17は、
図2に示すような情報を出力する。
【0060】
なお、本実施の形態では、2023年4月21日時点を基準として説明を行っている。即ち、「食品aaa」「食品ccc」「食品eee」は賞味期限が到来しておらず、「食品bbb」「食品ddd」「食品fff」の賞味期限が徒過している場合を例に挙げて説明を行っている。
しかし、賞味期限が到来したか否か(賞味期限を徒過したか否か)は、判断基準日によって変わることになるため、判断基準日を考慮の上、それぞれの食品につき、賞味期限が徒過した食品であるか否かを判断することになる。
【0061】
具体的には、その賞味期限が2023年5月31日である食品を食品Aとし、その賞味期限が2023年1月20日である食品を食品Bとすると、(1)2023年1月20日以前は、食品A及び食品Bのいずれも「その賞味期限が到来していない食品」に該当し、(2)2023年1月21日~2023年5月31日は、食品Aが「その賞味期限が到来していない食品」に該当し、食品Bが「その賞味期限が徒過した食品」に該当し、(3)2023年6月1日以降は、食品A及び食品Bのいずれもが「その賞味期限が徒過した食品」に該当することになる。
【0062】
より詳しくは、在庫情報確認手段15は、消費者が情報を求めた日を基準日として(換言すると、在庫情報確認手段15が在庫数を確認する日を基準日として)、食品情報記録手段14に記録されている食品につき、それぞれ、「その賞味期限が到来していない食品」、「その賞味期限が徒過した食品」のいずれに該当するかを判断するといった具合である。
【0063】
そのため、食品情報記録手段に記録されている情報が変わらない場合(具体的には、食品aaa~食品fffの賞味期限の情報が変わらない場合)であっても、(1)(2)(3)といった判断基準日の違いによって、情報出力手段17が出力する情報が変化することになる。
【0064】
また、同時購入食品情報記録手段19は、販売者端末18で
図1に示す識別情報4を読み込んだ場合に、食品製品Aと共に精算(会計)しようとする食品(以下、「同時購入食品」という)の情報を記録可能に構成されている。
即ち、精算(会計)のために、レジ(販売者端末18)で識別情報4(二次元バーコード等)を読み込んだ食品の情報(同時購入食品の情報)が販売者端末18から送信され、送信された「同時購入食品の情報」が同時購入食品情報記録手段19に記録される。
【0065】
また、食品情報判定手段20は、同時購入食品情報記録手段19に「同時購入食品の情報」が記録されると、「同時購入食品の情報」の中に、「食品1Bの候補食品の情報」が含まれているか否かを判定する。
即ち、食品製品Aの会計時に、シール3に表示された識別情報をレジ(販売者端末18)で読み込むことで、食品製品Aと共に会計(精算)する食品(同時購入食品)の中に、食品1Bが含まれているか否かを判定する。
【0066】
具体的には、食品情報記録手段14に記録された「賞味期限を徒過した食品の情報」と、同時購入食品情報記録手段19に記録された「同時購入食品の情報」とを比較し、判定する(本実施の形態では、「同時購入食品」に「食品bbb」や「食品fff」が含まれているか否かを判定する)。
【0067】
(1.同時購入食品に「食品1B」が含まれている場合)
同時購入食品の中に、「食品bbb」が含まれている場合には、レジ(販売者端末18)では、1,200円の値引き処理を行う(具体的には、定価1,500円の食品bbbを300円とすべく、1,200円の値引き処理を行う)。
【0068】
同様に、同時購入食品の中に、「食品fff」が含まれている場合には、レジ(販売者端末18)では、720円の値引き処理を行う(具体的には、定価800円の食品fffを80円とすべく、720円の値引き処理を行う)。
【0069】
また同様に、同時購入食品の中に、「食品bbb」と「食品fff」の双方が含まれている場合には、レジ(販売者端末18)では、1,920円の値引き処理を行う(具体的には、定価1,500円の食品bbbを300円とし、定価800円の食品fffを80円とすべく、1,920円の値引き処理を行う。
【0070】
即ち、値引手段21は、食品情報判定手段20によって、「同時購入食品」に「食品bbb」や「食品fff」が含まれていると判定された場合に、値引き額を算出し、値引き情報を販売者端末18に出力する。
例えば、賞味期限を1日過ぎた場合には定価の80%引き、賞味期限を2日過ぎた場合には定価の90%引き、賞味期限を3日過ぎた場合には定価の95%引き、賞味期限を4日以上過ぎた場合には定価の99%引き、といった具合である。
【0071】
そして、食品bbbは、賞味期限を1日過ぎており、定価が1,500円であるために、「同時購入食品」に「食品bbb」が含まれている場合には、値引き額として「1,200円(定価の80%)」と算出し、販売者端末18に出力する。
【0072】
また、食品fffは、賞味期限を2日過ぎており、定価が800円であるために、「同時購入食品」に「食品fff」が含まれている場合には、値引き額として「720円(定価の90%)」と算出し、販売者端末18に出力する。
【0073】
(2.同時購入食品に「食品1B」が含まれていない場合)
同時購入食品の中に、「食品bbb」も「食品fff」も含まれていない場合には、レジ(販売者端末18)に、その旨を表示する(アラートを表示する)。
【0074】
即ち、アラート手段22は、食品判定手段20によって、「同時購入食品」に「食品bbb」や「食品fff」が含まれていないと判定された場合に、その旨を販売者端末18に出力する。
【0075】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の販売システム11では、食品1Aが食品1Bと共にのみ販売されるため、食品1Aを販売する際に、食品1Aのみならず、不可避的に食品1Bをも販売することとなる。
このように、食品1Aと共に食品1Bをも消費者に販売することができ、食品1Bの廃棄を抑止することを通じて、食品ロスの低減を実現することができる。
【0076】
また、本発明を適用した食品製品の販売システム11では、消費者が食品1Bの情報を求めた場合に、候補食品の情報を出力することによって、食品1Bの販売促進が実現し、食品1Bの廃棄を抑止することを通じて、食品ロスの低減を実現することができる。
【0077】
更に、本発明を適用した食品製品の販売システム11では、賞味期限を徒過した食品bbbや食品fffの在庫がある場合には、食品bbbや食品fffを候補食品として決定することによって(換言すると、賞味期限が到来していない食品aaaや食品cccよりも優先的に候補食品とすることによって)、食品bbbや食品fffの販売促進が実現し、食品bbbや食品fffの廃棄を抑止することを通じて、食品ロスの低減を実現することができる。
【0078】
また、本発明を適用した食品製品の販売システム11では、食品1Bの価格が安価に設定(具体的には、定価1,500円を300円、定価800円を80円に設定)されており、食品1Bに対する消費者の購買意欲を喚起することができる。
【0079】
ところで、食品1Bを単体で安価に販売する(例えば、食品1Bを、食品1Aとは無関係に、300円や80円で販売する)場合であっても、ある程度の販売数を見込むことができる。
しかし、食品1Aの購入希望者(消費者)にとって、入手したい(購入したい)食品は食品1Aであるために、食品1Bを単体で販売したとしても、消費者の食品1Bの購買意欲が高まるとは限らない。また、食品の提供者(食品1Aや食品1Bの販売者)にとっては、食品1Bを単体で販売したとしても売上拡大に寄与せず、継続販売が困難になる可能性がある。
そのため、本実施の形態では、食品1Aと食品1Bを共に販売することによって、食品1Aを入手したい(購入したい)という消費者のニーズに応えると共に、食品の提供者の売上拡大を実現し、更に、消費者に食品1Bを提供することによる食品ロスの低減をも実現している。
【0080】
更に、本発明を適用した食品製品の販売システム11では、食品1Bの価格の情報を出力し、食品1Bの価格が安価に設定されていることを消費者に伝えることができる点からも、消費者の購買意欲を喚起することができる。
即ち、シール3を介してアクセスするウェブサイトに食品1Bの価格(300円や80円)と定価(1,500円や800円)の双方が記載され、食品1Bの価格が安価である(定価と比べると、1/5や1/10の価格である)ことを消費者に知らしめることができる。そして、食品1Bの価格が安価に設定されていることを消費者に知らしめることによって、消費者の購買意欲を刺激することができ、より一層の食品ロスの低減が期待できる。
【0081】
また、本発明を適用した食品製品の販売システム11では、販売者端末18で識別情報4を読み込むだけで、食品情報判定手段20が判定を行い、「同時購入食品」に「食品bbb」や「食品fff」が含まれている場合には、値引手段21が値引き額を算出するため、販売者は識別情報4を読み込むだけで良く、スムーズな会計(精算)が実現できる。
【0082】
即ち、レジ(販売者端末18)で識別情報4を読み込むだけで値引き処理を行うことができ、「食品1A」と「食品1B」との組み合わせが成立した場合に、値引きするといった方法で販売を行うにあたって、「食品1A」と「食品1B」の組み合わせが成立しているか否か、といった販売者による確認が省略できる。
なお、人による確認作業(販売者による確認作業)を行わないために、ヒューマンエラーが発生することが無く、スムーズな会計(精算)が実現することも期待できる。
【0083】
また、同時購入食品に食品1Bが含まれていない場合にアラート表示を行うことで、「食品1A」と「食品1B」の組み合わせが成立していないことを販売者に知らしめることができる。
なお、販売者から消費者に対して、「食品製品Aは、食品1Bと共に販売する食品である」といったことを伝える契機となり、確実なセット販売の実現が期待できる。
【0084】
<2.変形例>
[変形例1]
上記した実施の形態では、食品1Bが有料(300円や80円)である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品1Aと共に食品1Bを販売することを通じて、食品ロスの低減を実現することができれば充分であって、食品1Bは必ずしも有料である必要は無く、無料(0円)で提供しても良い。
【0085】
[変形例2]
上記した実施の形態では、「賞味期限を徒過した食品」を優先的に候補食品とする場合を例に挙げて説明を行っているが、これに限るものではない。例えば、「出荷期限を徒過した食品」や「消費期限が到来するまでの残り日数が所定の日数未満の食品」を優先的に候補食品としても良い。
【0086】
[変形例3]
上記した実施の形態では、取扱商品が「食品」である場合を例に挙げて説明を行っているが、取扱商品は必ずしも「食品」である必要はなく、「食品以外」であっても良い。
【符号の説明】
【0087】
1A 食品
2 ビニール
3 シール
4 識別情報(二次元バーコード)
11 食品製品の販売システム
12 インターネット
13 消費者端末
14 食品情報記録手段
15 在庫情報記録手段
16 候補食品決定手段
17 情報出力手段
18 販売者端末
19 同時購入食品情報記録手段
20 食品情報判定手段
21 値引手段
22 アラート手段
【要約】
【課題】賞味期限切れ食品の販売促進を通じて、食品ロスの低減を実現する。
【解決手段】店舗に陳列された食品1Aと、店舗に陳列されておらず、配送にて提供される食品1Bと、を共に販売するための食品製品の販売システム11であって、候補食品情報を記録する食品情報記録手段14と、賞味期限を徒過している候補食品情報を決定する候補食品決定手段16を備える。
【選択図】
図3