(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-17
(45)【発行日】2025-03-26
(54)【発明の名称】カバー部材
(51)【国際特許分類】
A61B 6/42 20240101AFI20250318BHJP
【FI】
A61B6/42 500T
(21)【出願番号】P 2022134810
(22)【出願日】2022-08-26
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】飯田 正和
(72)【発明者】
【氏名】杉原 義人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優輔
(72)【発明者】
【氏名】廣田 政之
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 美穂
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-508007(JP,A)
【文献】実開昭57-070230(JP,U)
【文献】特開昭62-092933(JP,A)
【文献】特開平04-319941(JP,A)
【文献】特開2013-228469(JP,A)
【文献】特開2005-284280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
G03B 42/00-42/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングプレートを覆うカバー部材であって、
前記イメージングプレートから放射線像を読み取る放射線像の読取装置に備えられた前記イメージングプレートの挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有
し、
前記イメージングプレートの第1の面側に位置する第1領域と、
前記イメージングプレートにおける、前記第1の面と反対側の第2の面側に位置する第2領域と
備え、
前記第1領域は、
前記第1の面の少なくとも一部を覆うことが可能な第3領域と、
外力を受けていないときに前記第3領域から曲がった状態であり、前記抗挿入部としての第4領域と
を有する、カバー部材。
【請求項2】
請求項1に記載のカバー部材であって、
外力を受けていない前記第4領域の状態を第1状態としたとき、前記第4領域は、前記第1状態から、外力を受けることにより、前記第1状態よりも前記第3領域からの曲がり角度が小さい第2状態に変化することが可能である、カバー部材。
【請求項3】
請求項1に記載のカバー部材であって、
シート部材が2つに折り曲げられた構造を有し、
折り曲げ箇所で互いに繋がる第1シート部分及び第2シート部分を有し、
前記第1シート部分が前記第1領域を構成し、
前記第2シート部分が前記第2領域を構成する、カバー部材。
【請求項4】
イメージングプレートを覆うカバー部材であって、
前記イメージングプレートから放射線像を読み取る放射線像の読取装置に備えられた前記イメージングプレートの挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有し、
前記イメージングプレートの第1の面側に位置する第1領域と、
前記イメージングプレートにおける、前記第1の面と反対側の第2の面側に位置する第2領域と
を備え、
前記第1領域は、
前記第1の面の少なくとも一部を覆うことが可能な第3領域と、
前記第3領域から曲がり、前記抗挿入部としての第4領域と
を有し、
前記第4領域は、前記第3領域から内側に曲がっており、
前記第4領域は、外力を受けることにより前記第3領域から前記内側に曲がる第1状態から前記第1状態よりも曲がり角度が大きく前記第3領域の裏側に来る第2状態に変化し、当該外力の解除に応じて前記第2状態から前記第1状態に戻ろうとし、
前記第4領域が前記第2状態のときに前記第4領域における前記イメージングプレートに接触する面と前記イメージングプレートの前記第1の面との間の第1摩擦係数は、前記第2領域における前記イメージングプレートに接触する面と前記イメージングプレートの前記第2の面との間の第2摩擦係数よりも大きい、カバー部材。
【請求項5】
イメージングプレートを覆うカバー部材であって、
前記イメージングプレートから放射線像を読み取る放射線像の読取装置に備えられた前記イメージングプレートの挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有し、
前記イメージングプレートの第1の面側に位置する第1領域と、
前記イメージングプレートにおける、前記第1の面と反対側の第2の面側に位置する第2領域と
を備え、
前記第1領域は、
前記第1の面の少なくとも一部を覆うことが可能な第3領域と、
前記第3領域から曲がり、前記抗挿入部としての第4領域と
を有し、
前記第4領域を前記第3領域から曲げる方向に付勢する付勢部材を備える、カバー部材。
【請求項6】
請求項
1から請求項5のいずれか一つに記載のカバー部材であって、
前記第3領域と前記第4領域の境界に位置する加工部を備え、
前記加工部は、外力に対する強度が前記加工部の周辺の部分の強度よりも小さい構成である、カバー部材。
【請求項7】
請求項
6に記載のカバー部材であって、
前記加工部は、切り込み、凹み及び貫通孔の少なくとも一つを有するか、その厚みが前記加工部の周辺の部分の厚みよりも小さく設定されているか、その硬度が前記加工部の周辺の部分の硬度よりも低く設定されているか、その素材の密度が前記加工部の周辺の部分の素材の密度よりも低く設定されているか、あるいは前記加工部の周辺の部分よりも少ない層数で構成されている、カバー部材。
【請求項8】
イメージングプレートを覆うカバー部材であって、
前記イメージングプレートの第1の面側に位置する第1シート部分と、
前記イメージングプレートにおける、前記第1の面と反対側の第2の面側に位置する第2シート部分と
を備え、
前記第1シート部分は、前記イメージングプレートから放射線像を読み取る放射線像の読取装置に備えられた前記イメージングプレートの挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有し、
前記第1シート部分は、前記抗挿入部として、部分的に幅方向に大きくなっている幅広部分を有する、カバー部材。
【請求項9】
請求項8に記載のカバー部材であって、
シート部材が2つに折り曲げられた構造を有し、
前記第1シート部分及び前記第2シート部分は、折り曲げ箇所で互いに繋がる、カバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イメージングプレートを覆うカバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、X線撮影に用いる撮像板を覆うカバー部材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イメージングプレートから放射線像を読み取る読取装置にイメージングプレートが挿入されるとき、イメージングプレートを覆うカバー部材が誤挿入される可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、イメージングプレートを覆うカバー部材が読取装置に誤挿入されにくくすることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
カバー部材の一態様は、イメージングプレートを覆うカバー部材であって、前記イメージングプレートから放射線像を読み取る放射線像の読取装置に備えられた前記イメージングプレートの挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有する。
【発明の効果】
【0007】
カバー部材の一態様は、読取装置の挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有することから、カバー部材が読取装置に誤挿入されにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図2】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図3】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図4】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図5】イメージングプレートアセンブリが防水バックに収容されている様子の一例を示す概略図である。
【
図6】読取装置の挿入口の近くに位置するイメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図7】読取装置の挿入口の近くに位置するイメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図8】読取装置の挿入口の近くに位置するイメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図9】読取装置の挿入口の近くに位置するイメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図10】読取装置の挿入口の近くに位置するイメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図11】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図14】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図15】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図16】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図17】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図18】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図19】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図20】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図21】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図22】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図23】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図24】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図25】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図26】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図27】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図30】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【
図31】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~3は、イメージングプレートアセンブリ1Aの一例を示す概略図である。イメージングプレートアセンブリ(IPアセンブリともいう)1Aは、例えば、イメージングプレート2と、当該イメージングプレート2を覆うカバー部材3Aとを備える。IPアセンブリ1Aは、例えば、人の口腔内の撮影で使用される。IPアセンブリ1Aの使用用途はこれに限られない。
【0010】
図1及び
図2では、イメージングプレート2とカバー部材3Aとが横に並べられた様子の一例が示されている。
図3では、イメージングプレート2がカバー部材3Aの一部の上に置かれている様子の一例が示されている。
図1及び
図3は斜視図であって、
図2は側面図である。
【0011】
イメージングプレート2は、放射線像を記録する記録媒体である。イメージングプレート2は放射線像形成層20を有する。イメージングプレート2は、放射線像形成層20が位置する表面と、当該表面とは反対側の裏面とを有する。イメージングプレート2は、例えば、四隅が丸まった略長方形の平たい形状を成している。放射線像形成層20は、照射された放射線のエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーに応じた輝尽光を発する層である。イメージングプレート2は、樹脂で形成されたフィルムを有する。フィルムは、放射線像形成層20が設けられる表面と、当該表面とは反対側の裏面とを有する。放射線像形成層20は、例えば、フィルムの表面に塗布された輝尽性蛍光体で構成される。放射線像形成層20に照射される放射線としては、例えばX線が採用される。X線発生器からのX線が撮影対象物を透過してイメージングプレート2に照射されると、X線の強度に応じたエネルギーが放射線像形成層20に蓄積される。X線の強度は、撮影対象物におけるX線吸収領域の分布に基づいたものであるため、放射線像形成層20に蓄積されたエネルギーの分布は、X線による撮影対象物の放射線像である。このように、イメージングプレート2は、例えばX線による放射線像を潜像として記録する。
【0012】
カバー部材3Aで覆われたイメージングプレート2は、例えば、防水バッグ5に収容される(後述の
図5参照)。そして、カバー部材3Aで覆われたイメージングプレート2は、防水バッグ5に収容された状態で、人の口腔内に配置される。イメージングプレート2が口腔内に配置された状態で、イメージングプレート2の放射線像形成層20に放射線が照射される。イメージングプレート2の放射線像形成層20には、例えば、歯牙の放射線像が記録される。
【0013】
イメージングプレート2に記録された放射線像は、読取装置によって読み取られる。放射線像の読取装置10は、例えば、イメージングプレート2が挿入される挿入口11を備える(後述の
図6~10参照)。イメージングプレートは、例えば、1枚ずつ読取装置の挿入口に挿入される。読取装置は、挿入口から挿入されたイメージングプレート2の放射線像形成層20から放射線像を読み取り、読み取った放射線像を表す画像データを生成する。生成された画像データは、例えば、読取装置が備える表示部に表示されてもよい。また、読取装置は、生成した画像データを外部装置に送信してもよい。外部装置が表示装置である場合、表示装置は、読取装置からの画像データを表示してもよい。
【0014】
以後、イメージングプレート2の表面を読取対象面21と呼び、イメージングプレート2の裏面を非読取面22と呼ぶ。
【0015】
カバー部材3Aは、イメージングプレート2を保護する部材である。カバー部材3Aは、例えば、放射線透過素材で構成されている。また、カバー部材3Aは、例えば、可視光に対する遮光性を有する材料で構成されている。カバー部材3Aは、紙及び樹脂の少なくとも一方で構成されてもよいし、紙及び樹脂以外の材料で構成されてもよい。
【0016】
カバー部材3Aは、例えば、概ね、一枚のシート部材が2つに折り曲げられた構造を有しており、折れ曲がり箇所30を有する。カバー部材3Aは、例えば、折れ曲がり箇所30を基点(言い換えれば開閉軸)として開閉可能である。カバー部材3Aは、折れ曲がり箇所30で互いに繋がる第1カバー部31及び第2カバー部32を有する。第1カバー部31及び第2カバー部32の一方を第1領域と呼ぶ場合、第1カバー部31及び第2カバー部32の他方を第2領域と呼んでもよい。
【0017】
第1カバー部31は、例えば長方形のシート部分である。第2カバー部32は、例えば、長方形のシート部分の端部が折り曲げられた構造を有する。第1カバー部31の長手方向の一端と第2カバー部32の長手方向の一端とが互いに繋がっている。第2カバー部32は、第1カバー部31との接続箇所(言い換えれば折れ曲がり箇所30)を基点として、第1カバー部31に対して相対的に開閉することが可能である。第1カバー部31の長手方向の長さは、第2カバー部32の長手方向の長さと同じであってもよいし、第2カバー部32の長手方向の長さよりも大きくてもよいし、第2カバー部32の長手方向の長さよりも小さくてもよい。以後、折れ曲がり箇所30を接続箇所30と呼ぶことがある。
【0018】
第2カバー部32は、イメージングプレート2を覆うことが可能な平たい第1部分32aと、第1部分32aから曲がる平たい第2部分32bとを備える。第2カバー部32の長手方向における第1部分32aの一端は、接続箇所30で第1カバー部31と繋がっている。第2部分32bは、第2カバー部32の長手方向における第1部分32aの他端から外側に折れ曲がっている。第2部分32bは、第2カバー部32の長手方向の一方端部を構成している。第2カバー部32を第1領域と呼び、第1カバー部31を第2領域と呼ぶ場合、第1部分32aを第3領域と呼び、第2部分32bを第4領域と呼んでもよい。
図1~3の例では、第1部分32aに対する第2部分32bの折れ曲がり角度は90度の状態で示してあるが、90度未満の状態になり得る構成であってもよいし、90度よりも大きく180度未満の状態になり得る構成であってもよい。
【0019】
カバー部材3Aに外力が加えられていないときには、例えば、第2カバー部32は第1カバー部31に対して相対的に開いた状態となっており、カバー部材3Aは開状態となっている。つまり、カバー部材3Aに外力が加えられていないとき、カバー部材3Aはそれ自身で開状態を維持することができる。そして、第1カバー部31と第2カバー部32とが互いに近づくように、第1カバー部31及び第2カバー部32の少なくとも一方に外力が加えられると、カバー部材3Aが閉状態となって、第1カバー部31と第2カバー部32とでイメージングプレート2を挟むことができる。例えば、第1カバー部31と第2カバー部32の第1部分32aがそれらの外側から指で挟まれると、カバー部材3Aが閉状態となる。イメージングプレート2は、閉状態のカバー部材3Aで覆われることになる。本例では、イメージングプレート2がカバー部材3Aで挟まれている状態が、イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われている状態となる。
図3には、開状態のカバー部材3Aの第1カバー部31の上にイメージングプレート2が置かれている様子の一例が示されている。
【0020】
なお、カバー部材3Aに外力が加えられていないときに、カバー部材3は閉状態であってもよい。つまり、カバー部材3Aはそれ自身で開いた状態になることができなくてもよい。この場合、イメージングプレート2がカバー部材3Aで挟まれるときには、IPアセンブリ1Aの使用者がカバー部材3Aを手動操作してカバー部材3Aを開状態にする。
【0021】
図4は、イメージングプレート2がカバー部材3Aで挟まれている様子の一例、言い換えれば、イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われている様子の一例を示す概略図である。イメージングプレート2の長手方向と第1カバー部31の長手方向とが平行となるように、イメージングプレート2はカバー部材3Aで挟まれる。また、イメージングプレート2の読取対象面21及び非読取面22が第1カバー部31及び第2カバー部32とそれぞれ接触するように、イメージングプレート2はカバー部材3Aで挟まれる。イメージングプレート2がカバー部材3Aで挟まれた状態では、言い換えれば、イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われた状態では、第1カバー部31はイメージングプレート2の読取対象面21の全領域を覆い、第2カバー部32の第1部分32aはイメージングプレート2の非読取面22の大部分を覆う。第1カバー部31はイメージングプレート2の読取対象面21側に位置し、第2カバー部32はイメージングプレート2の非読取面22側に位置する。
【0022】
第2部分32bは、それに外力が加えられていない状態では、第1部分32aから折れ曲がっている。ここで、第2部分32bが外力を受けていない状態を第1状態と呼ぶ。第2部分32bは、外力を受けることにより、第1状態から、第1状態よりも曲がり角度が小さい第2状態に変化し、当該外力の解除に応じて第2状態から第1状態に戻ろうとする。第2部分32bは、外力を受けることにより、第1状態から、第1部分32aと平らになる第2状態に変化してもよい。例えば、
図4のようにカバー部材3Aが閉じた状態において、第2部分32bが、第1部分32a側とは反対側に倒れるような外力が第2部分32bに加えられると、第2部分32bは、第1状態から第2状態に変化して第1部分32aと平らになる。そして、第2部分32bは、外力が取り除かれると、第1部分32aと平らな第2状態から、第1部分32aから折れ曲がる第1状態に戻る。なお、第2状態から第1状態に戻った場合に、第2部分32bの曲がり角度が元の曲がり角度よりも小さくなっていてもよい。また、第2部分32bは、第1部分32aと平らになるまでは変化できなくてもよい。また、第2部分32bに外力が加えられていないときには、第2部分32bは折れ曲がっていない状態であってもよい。つまり、第2部分32bはそれ自身で折れ曲がった状態になることができなくてもよい。この場合、カバー部材3Aにおいて第2部分32bの折れ曲がり(立ち上がり)が必要な場面に際して、使用者がカバー部材3Aを手動操作して第2部分32bを折れ曲がった状態にすることができる(この場合は、第1状態および第2状態と外力の付与および解除との関係は、逆転する)。
【0023】
以下のIPアセンブリ1Aの説明では、特に断らない限り、第2部分32bには外力が加わっておらず、第2部分32bは折れ曲がっているものとする。また、IPアセンブリ1Aといえば、特に断らない限り、イメージングプレート2がカバー部材3で覆われているIPアセンブリ1A(言い換えれば、イメージングプレート2がカバー部材3で挟まれているIPアセンブリ1A)を意味する。
【0024】
カバー部材3Aでイメージングプレート2が挟まれている場合、
図4に示されるように、イメージングプレート2の非読取面22の一部22aは第2カバー部32で覆われていない露出領域22aとなる。なお、カバー部材3Aでイメージングプレート2が挟まれている場合、第1部分32aがイメージングプレート2の非読取面22の全領域を覆ってもよい。
【0025】
カバー部材3Aで覆われたイメージングプレート2は、
図5に示されるように、第2部分32bが第1部分32aと平らな状態で防水バッグ5に収容される。第2部分32bが第1部分32aと平らな状態のカバー部材3Aでイメージングプレート2が覆われた場合、
図5に示されるように、イメージングプレート2の非読取面22の全領域は第2カバー部32で覆われる。第2部分32bが第1部分32aと平らな状態では、例えば、イメージングプレート2の長手方向に沿った第1カバー部31の第1の長さ(
図5の左右方向の長さ)と、イメージングプレート2の長手方向に沿った第2カバー部32の第2の長さ(
図5の左右方向の長さ)とは同じである。なお、第2部分32bが第1部分32aと平らな状態では、第1の長さと第2の長さとは互いに異なってもよい。この場合、第1の長さが第2の長さよりも大きくてもよいし、第2の長さが第1の長さよりも大きくてもよい。ただし、イメージングプレート2の放射線像形成面20である読取対象面21が外光によって不慮の露光をしないために、第1カバー部31の第1の長さは、少なくともイメージングプレート2の長手方向の全長と同じかそれ以上であることが必要である。
【0026】
撮影時には、カバー部材3A及びイメージングプレート2を収容する防水バッグ5が口腔内に配置される。これらに加えて、更なる外装部材や位置付具(いずれも不図示)と共に口腔内に配置されることもある(後述の他の実施例でも同様)。そして、防水バッグ5内のイメージングプレート2の放射線像形成層20に向かって入射するように放射線が照射されて撮影される。なお、イメージングプレートアセンブリ1Aは、防水バッグ5や更なる外装部材が含まれる一式の形態で構成されるものであってもよい(本発明で開示されるイメージングプレートアセンブリの各実施例も同様)。
【0027】
撮影が終了すると、口腔内から防水バッグ5等の撮影に使用した一式が取り出される。そして、防水バッグ5から、カバー部材3Aで覆われたイメージングプレート2が取り出される。防水バッグ5から取り出されたイメージングプレート2は、例えば人の指によってカバー部材3Aで挟まれた状態で、読取装置10の挿入口11の近くまで運ばれる。
図6は、読取装置10の挿入口11の近くに位置するIPアセンブリ1Aの一例を示す概略図である。
図6では、読取装置10の構成のうち、挿入口11周辺の構成だけが示されている。挿入口11は、イメージングプレート2の形状に応じて細長い形状となっている。
【0028】
カバー部材3Aで覆われたイメージングプレート2が読取装置10の挿入口11の近くまで運ばれると、イメージングプレート2はカバー部材3Aから取り出されて挿入口11に挿入される。このとき、例えば、イメージングプレート2の非読取面22の露出領域22aが人の指で接触操作されることによって、
図7に示されるように、カバー部材3Aからイメージングプレート2が人の指で直接押し出されて、挿入口11に挿入される。読取装置10は、挿入されたイメージングプレート2から放射線像を読み取る。
図7では、説明のために、イメージングプレート2が押し出された状態において、イメージングプレート2と挿入口11とが離間している画になっている。しかしながら、実際の使用においては、イメージングプレート2が押し出される場面では、イメージングプレート2と挿入口11とは極至近距離を保つか又は離間なしの(接触している)状態が保たれ、放射線像形成面20である読取対象面21が外光によって不慮の露光をしない様態となっている。
【0029】
なお、挿入口11が上側を向いており、イメージングプレート2が下方に落とされて挿入口に挿入されるように読取装置10が構成される場合、イメージングプレート2は指で押し出されずに、カバー部材3Aが開くだけで挿入口に挿入されてもよい。あるいは、イメージングプレート2は指で少し押し出された後に自重で挿入口側に向かって移動して挿入口に挿入されてもよい。
【0030】
カバー部材3Aにおいて、イメージングプレート2と接触する面とイメージングプレート2との間の摩擦係数は、小さく設定されてもよい。これにより、イメージングプレート2は、カバー部材3Aに対して滑りやすくなり、挿入口11に挿入されやすくなる。例えば、カバー部材3Aの基材が紙である場合を考える。この場合、第1カバー部31における、イメージングプレート2の読取対象面21と接触する内側の面に、ポリエチレンテレフタレート(PET)等で構成された、表面が滑らかな樹脂層を設けることによって、当該内側の面とイメージングプレート2との間の摩擦係数を小さくしてもよい。また、イメージングプレート2の読取対象面21にPET等で構成された樹脂層を更に設けることによって、第1カバー部31の内側の面とイメージングプレート2の読取対象面21との間の摩擦係数を小さくしつつ、機械的な損傷を軽減する仕様としてもよい。また、第2カバー部32の第1部分32aにおける、イメージングプレート2の非読取面22と接触する内側の面に、PET等で構成された樹脂層を設けることによって、当該内側の面とイメージングプレート2との間の摩擦係数を小さくしてもよい。また、イメージングプレート2の非読取面22に、PET等で構成された樹脂層を設けることによって、第2カバー部32の第1部分32aの内側の面とイメージングプレート2の非読取面22との間の摩擦係数を小さくしてもよい。カバー部材3Aあるいはイメージングプレート2の表面に樹脂層を設ける方法は、塗布であってもよいし、予め準備された樹脂層の貼り付けであってもよい。
【0031】
カバー部材3Aは、読取装置10の挿入口11への挿入に抗する抗挿入部を有する。抗挿入部は、例えば、挿入口11の高さ方向において挿入口11への挿入に抗するように構成されている。例えば、第2カバー部32において、第1部分32aから立ち上がっている第2部分32bが、抗挿入部として機能する。イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われている状態では、
図6に示されるように、イメージングプレート2の厚み方向に沿ったIPアセンブリ1Aの最大寸法H1は、挿入口11の高さH11よりも大きく設定されている。また、イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われている状態では、カバー部材3Aが閉状態となっているときに、イメージングプレート2の幅方向に沿ったカバー部材3Aの寸法W1は挿入口11の幅W11よりも小さく設定されている。イメージングプレート2の幅方向は、イメージングプレート2の厚み方向及び長手方向に垂直な方向である。イメージングプレート2の幅方向に沿ったカバー部材3Aの寸法W1は、イメージングプレート2の幅方向に沿ったIPアセンブリ1Aの寸法であるといえる。イメージングプレート2の幅方向に沿ったカバー部材3Aの寸法W1は、イメージングプレート2の幅方向に沿った第1カバー部31及び第2カバー部32の寸法と一致する。もっとも、IPアセンブリ1Aが他のパーツを更に含む構成である場合はこの限りではない。イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われている状態では、イメージングプレート2の厚み方向に沿った第2部分32bの寸法(高さ)は、挿入口11の高さH11よりも大きく設定されてもよいし、同じに設定されてもよいし、小さく設定されても抗挿入部として機能することができるのでよい。イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われている状態でのイメージングプレート2の厚み方向に沿った第2部分32bの寸法は、第1部分32aの厚み方向に沿った第2部分32bの寸法であるといえる。
【0032】
なお、上記の例では、第2部分32bは折り曲げられているが、湾曲するように曲げられてもよい。また、第2部分32bは曲げられなくてもよい。この場合、第2部分32bの厚みが第1部分32aの厚みよりも大きく設定されて、第2部分32bの外側の面が、第1部分32aの外側の面よりも外側に突出してもよい。これにより、第2部分32bは抗挿入部として機能することができる。第2部分32bの厚みは、挿入口11の高さH11よりも大きく設定されてもよいし、同じに設定されてもよいし、小さく設定されてもよい。
【0033】
このように、カバー部材3Aは、読取装置10の挿入口11への挿入に抗する抗挿入部を有することから、イメージングプレート2が挿入口11に挿入される場合に、カバー部材3Aが読取装置10に誤挿入されにくくなる。
【0034】
また、カバー部材3Aでは、第1部分32aから曲がる第2部分32bが抗挿入部として機能することから、簡単な構造で抗挿入部を実現することができる。
【0035】
また、第1部分32aから曲がる第2部分32bは、第1状態から、外力を受けることにより、第1状態よりも曲がり角度が小さい第2状態に変化することが可能である。そのため、例えばカバー部材3Aが防水バッグ5内に収容されている場合のように、第2部分32bが第2状態のときに、周囲の照明装置(例えば蛍光灯あるいはLED(light-emitting diode))あるいは太陽光などが発する外光としての可視光が、イメージングプレート2に入射しにくくなる。よって、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。また、第2部分32bが、第2状態において第1部分32aと平らになる場合には、周囲の可視光がイメージングプレート2にさらに入射しにくくなることから、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。
【0036】
なお、IPアセンブリ1Aが防水バッグ5から取り出されて挿入口11の近くまで運ばれる間、第2部分32bは曲がり角度が小さい第2状態であってもよい。つまり、IPアセンブリ1Aの使用者は、防水バッグ5からIPアセンブリ1Aを取り出した後、第2部分32bをイメージングプレート2側に押し付けて第2部分32bを第2状態にした状態で、挿入口11の近くまでIPアセンブリ1Aを運んでもよい。これにより、防水バッグ5からイメージングプレート2が取り出された後、イメージングプレート2に周囲の可視光が照射されにくくなり、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。
【0037】
読取装置10は、
図8に示されるように、挿入口11の周縁に、カバー部材3Aから押し出されたイメージングプレート2の読取対象面21を受ける受け部12を有してもよい。受け部12は、例えば挿入口11の下側に位置する。このように、イメージングプレート2の読取対象面21を受ける受け部12が設けられることによって、イメージングプレート2が挿入口11に挿入される際にイメージングプレート2と挿入口11とが離間していても周囲の可視光が読取対象面21に入射しにくくなることから、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。
【0038】
また、
図9に示されるように、挿入口11は周囲から奥まって位置してもよい。これにより、イメージングプレート2が挿入口11に挿入される場合に、周囲の可視光がイメージングプレート2に入射しにくくなる。よって、イメージングプレート2が挿入口11に挿入される際にイメージングプレート2と挿入口11とが離間していても、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。
【0039】
また、
図10に示されるように、挿入口11が周囲から奥まって位置するとともに、受け部12が設けられてもよい。この場合、周囲の可視光がイメージングプレート2にさらに入射しにくくなることから、イメージングプレート2が挿入口11に挿入される際にイメージングプレート2と挿入口11とが離間していても、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。
【0040】
カバー部材3Aは、第2部分32bが曲がった状態で出荷されて流通してもよいし、第2部分32bが曲がっていない状態で(つまり、第2カバー部32が平らな状態で)出荷されて流通してもよい。前者の場合、平らな第2カバー部32を有するカバー部材3Aが作製された後に製造段階で第2部分32bが曲げられてもよいし、第2部分32bが予め曲がった状態のカバー部材3Aが成型品として作製されてもよい。後者の場合、IPアセンブリ1Aの使用者が、例えば、イメージングプレート2を読取装置10の挿入口11に挿入する段階で、イメージングプレート2を覆うカバー部材3Aの第2部分32bを曲げて、カバー部材3Aが挿入口11に誤挿入されにくくしてもよい。
【0041】
カバー部材3Aは、
図11に示されるように、第2部分32bを第1部分32aから曲げる方向に付勢する付勢部材35を備えてもよい。これにより、第2部分32bの姿勢が維持されやすくなる。よって、第2部分32bの曲がり角度が意図せずに小さくなってカバー部材3Aが読取装置10に誤挿入されるといったことが発生しにくくなる。
【0042】
付勢部材35は、例えば、第1部分32aと第2部分32bとの境界部の外側の面に設けられる。付勢部材35として、例えば、樹脂等からなる弾性シートが採用される。付勢部材35としての弾性シートは、その面方向かつ第2カバー部32の長手方向に沿って引っ張られた状態で、第1部分32aと第2部分32bとの境界部に貼り付けられる。これにより、弾性シートの収縮力によって第2部分32bは第1部分32aから曲がる方向に付勢される。なお、付勢部材35の構成はこれに限られない。付勢部材35の形状は、
図11のようにカバー部材3Aの幅方向に長い形状に限らず、幅方向に短い形状でもよい。また、付勢部材35は、単一のパーツで構成されてもよいし、複数のパーツで構成されてもよい。付勢部材35の構成は、少なくとも、第2部分32bの所定の姿勢を維持できる付勢力を保てる構成であればよい。
【0043】
第2カバー部32は、第1部分32aと第2部分32bの境界に位置する加工部320を備えてもよい。
図12は、加工部320を備える第2カバー部32の一例を示す概略図である。加工部320は、外力に対する強度が加工部320の周辺の部分の強度よりも小さい構成となっている。このような加工部320が第2カバー部32に設けられることによって、第2部分32bは加工部320で曲がり易くなる。よって、抗挿入部として機能する、第1部分32aから曲がる第2部分32bを、簡単に実現することができる。加工部320は、第2カバー部32を曲げ易くする加工部であるといえる。また、加工部320は、第2カバー部32が曲がり易くなるように加工された部分であるといえる。
【0044】
加工部320を有する第2カバー部32は、カバー部材3Aが出荷される前の製造段階において加工部320で曲げられてもよいし、カバー部材3Aが出荷された後においてIPアセンブリ1Aの使用者によって加工部320で曲げられてもよい。後者の場合、使用者は、例えば、イメージングプレート2を読取装置10の挿入口11に挿入する段階で、カバー部材3Aの第2部分32bを加工部320で曲げることによって、カバー部材3Aが挿入口11に誤挿入されにくくしてもよい。使用者は、加工部320を利用して第2カバー部32を簡単に曲げることができる。
【0045】
加工部320は切り込みであってもよい。この場合、切り込みの形状は、直線状であってもよいし、点線状であってもよいし、鎖線状であってもよい。また、加工部320は、凹み及び貫通孔の少なくとも一つを有してもよい。この場合、加工部320は、例えば、細長い凹部(言い換えれば溝)あるいは横に長い貫通孔で構成されてもよいし、複数の凹部で構成されてもよいし、複数の貫通孔で構成されてもよい、少なくとも一つの凹部と少なくとも一つの貫通孔との組み合わせで構成されてもよい。また、加工部320は、その厚みが加工部320の周辺の部分の厚みよりも小さく設定されて構成されてもよい。また、加工部320は、その硬度が加工部320の周辺の部分の硬度よりも低く設定されて構成されてもよい。この場合、第2カバー部32では、例えば、加工部320が紙あるいは樹脂だけで構成され、加工部320以外の部分が紙とその表面に設けられた樹脂層とで構成されてもよい。また、加工部320は、その素材の密度が加工部320の周辺の部分の素材の密度よりも低く設定されて構成されてもよい。この場合、第2カバー部32では、例えば、加工部320が繊維の密度が低い紙で構成され、加工部320以外の部分が繊維の密度が高い紙で構成されてもよい。また、加工部320は、その周辺の部分よりも少ない層数で構成されてもよい。この場合、第2カバー部32では、例えば、加工部320が1層の紙で構成され、加工部320以外の部分が2層の紙で構成されてもよい。
【0046】
上記の例では、第1部分32aから曲がる第2部分32bの折れ曲がり領域は、カバー部材3Aで覆われているイメージングプレート2の幅方向と平行とであったが、第2部分32bの折れ曲がり領域の形状はこの限りではない。例えば、
図13に示されるように、第2部分32bの折れ曲がり領域321は、イメージングプレート2の幅方向に対して斜めであってもよい。また、折れ曲がり領域321は、直線ではなく、曲線であってもよい。
【0047】
抗挿入部は、第2カバー部32だけではなく第1カバー部31にも設けられてもよい。
図14は、抗挿入部が第1カバー部31及び第2カバー部32の両方に設けられたカバー部材3A(カバー部材3AAともいう)を備えるIPアセンブリ1Aの一例を示す概略図である。
【0048】
カバー部材3AAでは、第1カバー部31は、イメージングプレート2を覆うことが可能な平たい第1部分31aと、第1部分31aから曲がる平たい第2部分31bとを備える。第1カバー部31の長手方向における第1部分31aの一端は第2カバー部32と繋がっている。第2部分31bは、第1カバー部31の長手方向における第1部分31aの他端から外側に折れ曲がっている。第1カバー部31を第1領域と呼び、第2カバー部32を第2領域と呼ぶ場合、第1部分31aを第3領域と呼び、第2部分31bを第4領域と呼んでもよい。
図14の例では、第1部分31aに対する第2部分31bの折れ曲がり角度は90度の状態で示してあるが、90度未満の状態になり得る構成であってもよいし、90度よりも大きく180度未満の状態になり得る構成であってもよい。また、第2部分31bは、湾曲するように曲がっていてもよい。
【0049】
第2部分32bと同様に、第2部分31bは、それに外力が加えられていない状態では曲がっている。ここで、第2部分31bが外力を受けていない状態を第1状態と呼ぶ。第2部分31bは、外力を受けることにより、第1状態から、第1状態よりも曲がり角度が小さい第2状態に変化し、当該外力の解除に応じて第1状態に戻ろうとする。第2部分31bは、外力を受けることにより、第1状態から、第1部分31aと平らになる第2状態に変化してもよい。なお、第2状態から第1状態に戻った場合に、第2部分31bの曲がり角度が元の曲がり角度よりも小さくなっていてもよい。また、第2部分31bは、第1部分31aと平らになるまでは変化できなくてもよい。なお、第2部分31bに外力が加えられていないときには、第2部分31bは折れ曲がっていない状態であってもよい。つまり、第2部分31bはそれ自身で折れ曲がった状態になることができなくてもよい。この場合、カバー部材3AAにおいて第2部分31bの折れ曲がり(立ち上がり)が必要な場面に際して、使用者がカバー部材3AAを手動操作して第2部分31bを折れ曲がった状態にすることができる(この場合は、第1状態および第2状態と外力の付与および解除との関係は、逆転する)。
【0050】
第2部分31bが曲がっている状態のカバー部材3Aでイメージングプレート2が覆われている場合、第1カバー部31の第1部分31aは、イメージングプレート2の読取対象面21の大部分を覆う。
【0051】
カバー部材3AAでは、イメージングプレート2とそれを覆うカバー部材3Aとは、第2部分31bが第1部分31aと平らであり、かつ第2部分32bが第1部分32aと平らな状態で防水バッグ5に収容される。第2部分31bが第1部分31aと平らな状態のカバー部材3Aでイメージングプレート2が覆われている場合、第1カバー部31は、イメージングプレート2の読取対象面21の全領域を覆う。
【0052】
なお、第2部分31bが曲がっている状態のカバー部材3Aでイメージングプレート2が覆われている場合、第1カバー部31の第1部分31aは、イメージングプレート2の読取対象面21の全領域を覆ってもよい。この場合、読取対象面21の不慮の露光が抑制される。
【0053】
カバー部材3AAでは、第2カバー部32の第2部分32bだけではなく、第1カバー部31の第2部分31bも、挿入口11の高さ方向において挿入口11への挿入に抗する抗挿入部として機能する。イメージングプレート2がカバー部材3AAで覆われている状態では、イメージングプレート2の厚み方向に沿った第2部分31bの寸法(高さ)は、挿入口11の高さH11よりも大きく設定されてもよいし、同じに設定されてもよいし、小さく設定されてもよい。
【0054】
このように、抗挿入部が、第1カバー部31及び第2カバー部32の両方に設けられることによって、カバー部材3Aが読取装置10に誤挿入されにくくなる。また、カバー部材3Aにイメージングプレート2を挟む時に、カバー部材3Aに対するイメージングプレート2の表裏の向きが制限されなくなる。
【0055】
カバー部材3AAは、第2部分31bを第1部分31aから曲げる方向に付勢する付勢部材35を備えてもよい。また、カバー部材3AAでは、第1カバー部31は、第1部分31aと第2部分31bの境界に位置する加工部320を備えてもよい。
【0056】
上記の例では、第2部分32bは、外側に曲がっているが、内側に曲がっていてもよい。
図15及び
図16は、内側に曲がる第2部分32bを有するカバー部材3Bを備えるIPアセンブリ1Bの一例を示す概略図である。IPアセンブリ1Bは、上記のイメージングプレート2と、それを覆うカバー部材3Bとを備える。カバー部材3Bは、第2部分32bが内側に曲がっている点以外はカバー部材3Aと同様である。
図15は斜視図であって、
図16は側面図である。
【0057】
第2部分32bは、例えば、第1部分32aから内側に90度折れ曲がっている状態で示してある。第1部分32aに対する第2部分32bの折れ曲がり角度は、90度未満の状態になり得る構成であってもよいし、90度よりも大きく180度未満の状態になり得る構成であってもよい。また、第2部分32bは、湾曲するように曲がっていてもよい。
【0058】
第2部分32bは、それに外力が加えられていない状態では、第1部分32aから内側に曲がっている。ここで、第2部分32bが外力を受けていない状態を第1状態と呼ぶ。第2部分32bは、外力を受けることにより、第1状態から、第1状態よりも曲がり角度が大きく第1部分32aの裏側に来る第2状態に変化し、当該外力の解除に応じて第2状態から第1状態に戻ろうとする。例えば、第2部分32bがさらに内側に曲がるような外力が第2部分32bに加えられると、第2部分32bは、第1状態から第2状態に変化する。そして、第2部分32bは、外力が取り除かれると、第2状態から第1状態に戻る。第2状態から第1状態に戻った場合に、第2部分32bの曲がり角度が元の曲がり角度よりも大きくなってもよい。なお、第2部分32bに外力が加えられていないときには、第2部分32bは折れ曲がっていない状態であってもよい。つまり、第2部分32bはそれ自身で折れ曲がった状態になることができなくてもよい。この場合、カバー部材3Bにおいて第2部分32bの折れ曲がりが必要な場面に際して、使用者がカバー部材3Bを手動操作して第2部分32bを折れ曲がった状態にすることができる(この場合は、第1状態および第2状態と外力の付与および解除との関係は、逆転する)。また、この場合、外力が加えられて曲がることが可能であり、かつ外力が取り除かれた場合に自然と元の状態に戻るような素材で、第2カバー部32が構成されてもよい。当該素材としては、例えば、ユポ紙(登録商標)が挙げられる。
【0059】
第2部分32bは、外力を受けることにより、第1状態から、第1部分32aの内側の面と接触する第2状態に変化してもよい。
図17は、第2部分32bが第1部分32aの内側の面と接触している様子の一例を示す概略図である。なお、第2部分32bは、第1部分32aの内側の面と接触する程度までには内側に曲がらなくてもよい。
【0060】
カバー部材3Aと同様に、カバー部材3Bに外力が加えられていないときに、カバー部材3Bは閉状態であってもよい。つまり、カバー部材3Bはそれ自身で開いた状態になることができなくてもよい。この場合、外力が加えられていないカバー部材3Bでは、内側に曲がっている第2部分32bがイメージングプレート2と当接することになる。
【0061】
図18に示されるように、イメージングプレート2は、例えば、第2部分32bが第1部分32aの内側の面と接触するようにカバー部材3Bで挟まれる。IPアセンブリ1Bの使用者は、イメージングプレート2をカバー部材3Bで挟む場合、第1部分32aにおける第2部分32bと接触する部分32aaと、第1カバー部31とを、外側から指で挟むようにしてIPアセンブリ1Bを保持する。イメージングプレート2がカバー部材3Bで挟まれている状態では、第2部分32bは、イメージングプレート2の非読取面22と接触する面32bbを有する。イメージングプレート2がカバー部材3Bで挟まれている状態では、イメージングプレート2の厚み方向に沿ったIPアセンブリ1Bの最大寸法H2は、挿入口11の高さH11よりも大きく設定されている。第2部分32bに外力が加わっていない状態において、第1部分32aの厚み方向に沿った第2部分32bの寸法(高さ)は、挿入口11の高さH11よりも大きく設定されてもよいし、同じに設定されてもよいし、小さく設定されてもよい。
【0062】
イメージングプレート2がカバー部材3Bで覆われた状態では、IPアセンブリ1Aと同様に、イメージングプレート2の非読取面22の一部22aは第2カバー部32で覆われていない露出領域22aとなる。なお、カバー部材3Bでイメージングプレート2が挟まれている場合、第2カバー部32がイメージングプレート2の非読取面22の全領域を覆ってもよい。
【0063】
カバー部材3Bで覆われているイメージングプレート2は、
図18の状態で、防水バッグ5に収容される。そして、カバー部材3B及びイメージングプレート2を収容する防水バッグ5が口腔内に配置され(これらに加えて、更なる外装部材や位置付具(いずれも不図示)と共に口腔内に配置されることもあるが)、防水バッグ5内のイメージングプレート2の放射線像形成層20に放射線が照射されて撮影される。
【0064】
撮影が終了すると、口腔内から防水バッグ5が取り出される。そして、防水バッグ5から、カバー部材3B及びイメージングプレート2が取り出される。防水バッグ5から取り出されたイメージングプレート2は、例えば人の指によってカバー部材3Bで挟まれた状態で、つまり
図18の状態で、読取装置10の挿入口11の近くまで運ばれる。
【0065】
カバー部材3Bでは、第1部分32aから内側に曲がる第2部分32bが抗挿入部として機能する。カバー部材3Bで覆われたイメージングプレート2が読取装置10の挿入口11に挿入される場合、カバー部材3Bを指で挟む力が弱められて、閉じていたカバー部材3Bが開こうとする。このとき、
図19に示されるように、第2部分32bが第1状態に戻ろうとして、第2部分32bの内側への曲がり角度が小さくなる。これにより、
図18あるいは
図19の状態であっても、第2部分32bの厚み分あるいは長さ分の立ち上がりにより部分32aa辺りが浮き上がるので、カバー部材3Bが挿入口11に誤挿入されにくくなる。また、第2部分32bが第1状態に戻ろうとするときに、第2部分32bの面32bbとイメージングプレート2の非読取面22との摩擦により、イメージングプレート2がカバー部材3Bの外側に向かって移動する(
図19の矢印参照)。これにより、イメージングプレート2の非読取面22においてカバー部材3で覆われていない露出領域が大きくなり、使用者は当該露出領域を接触操作してイメージングプレート2を直接押し出しやすくなる。よって、イメージングプレート2が挿入口11に挿入されやすくなる。
【0066】
なお、カバー部材3Bがそれ自身で開いた状態になることができなくても、
図18の状態においてカバー部材3Bを指で挟む力が弱められると、第2部分32bが第1状態に戻ろうとするため、カバー部材3Bは、
図19に示されるように、
図18の状態から少し開いた状態となる。
【0067】
第2部分32bが第2状態のときに第2部分32bにおけるイメージングプレート2に接触する面32bbとイメージングプレート2の非読取面22との間の摩擦係数を大きくしてもよい。これにより、第2部分32bが第2状態から第1状態に戻ろうとするときに、イメージングプレート2がカバー部材3Bの外側に向かってより移動しやすくなることから、当該移動の推進力を利用してイメージングプレート2が挿入口11に挿入されやすくなる。
【0068】
ここで、第2部分32bの面32bbとイメージングプレート2の非読取面22との間の摩擦係数を第1摩擦係数とする。また、第1カバー部31におけるイメージングプレート2に接触する内側の面とイメージングプレート2の読取対象面21との間の摩擦係数を第2摩擦係数とする。第1摩擦係数を大きくする場合、第1摩擦係数を第2摩擦係数よりも大きく設定してもよい。
【0069】
第1摩擦係数を第2摩擦係数よりも大きく設定する方法としては様々な方法が考えられる。例えば、カバー部材3Bの基材が紙である場合を考える。この場合、第1カバー部31の内側の面からは基材の紙を露出させ、第2部分32bの面32bbには、ゴムあるいはウレタン等からなる樹脂層を塗布あるいは貼り付けで設けて、第1摩擦係数を第2摩擦係数よりも大きくしてもよい。このとき、第2部分32bの外側の面(面32bbが位置する側の面)のすべてに樹脂層を設けてもよいし、第2部分32bの外側の面の一部に樹脂層を設けてもよい。あるいは、第2部分32bの面32bbからは基材の紙を露出させ、第1カバー部31の内側の面にPET等で構成された樹脂層を設けて、第1摩擦係数を第2摩擦係数よりも大きくしてもよい。あるいは、第1カバー部31の内側の面にPET等で構成された樹脂層を設けるとともに、第2部分32bの面32bbには、ゴムあるいはウレタン等からなる樹脂層を設けることで、第1摩擦係数を第2摩擦係数よりも大きくしてもよい。このとき、第2部分32bの外側の面のすべてに樹脂層を設けてもよいし、第2部分32bの外側の面の一部に樹脂層を設けてもよい。あるいは、第1カバー部31の内側の面からは露出する紙のきめの粗さよりも、第2部分32bの面32bbから露出する紙のきめの粗さを大きくして、第1摩擦係数を第2摩擦係数よりも大きくしてもよい。また、イメージングプレート2の非読取面22に樹脂層を塗布あるいは貼り付け等の方法で設けることによって、第1摩擦係数を第2摩擦係数よりも大きくしてもよい。
【0070】
なお、使用者は、IPアセンブリ1Bを読取装置10の近くまで運ぶ場合に、
図18とは異なり、第2部分32bが第1部分32aと接触しないように第2カバー部32と第1カバー部31をそれらの外側から指で挟んでIPアセンブリ1Bを保持してもよい。
【0071】
カバー部材3Aと同様に、カバー部材3Bにおいても、抗挿入部は、第2カバー部32だけではなく第1カバー部31にも設けられてもよい。これにより、カバー部材3Bが読取装置10に誤挿入されにくくなる。
【0072】
図20は、抗挿入部が第1カバー部31及び第2カバー部32の両方に設けられたカバー部材3B(カバー部材3BBともいう)を備えるIPアセンブリ1Bの一例を示す概略図である。カバー部材3BBは、上述の
図14に示されるカバー部材3AAにおいて、第2部分31b及び32bを内側に曲げたものである。カバー部材3Aが備える第2部分32bに関する説明と同様のことが、カバー部材3AAが備える第2部分31bについても言えたように、カバー部材3Bが備える第2部分32bに関する上記の説明と同様のことが、カバー部材3BBが備える第2部分31bについても言える。
【0073】
イメージングプレート2とそれを覆うカバー部材3BBとは、例えば、
図20の状態で、つまり、第2部分31bが第1部分31aと接触し、かつ第2部分32bが第1部分32aと接触した状態で、防水バッグ5に収容される。第2部分31bは、イメージングプレート2の読取対象面21と接触する面31bbを有する。
【0074】
撮影後、防水バッグ5から取り出されたイメージングプレート2は、
図20のようにカバー部材3Bで挟まれた状態で、読取装置10の挿入口11の近くまで運ばれる。IPアセンブリ1Bの使用者は、イメージングプレート2をカバー部材3BBで挟む場合、第1部分31aにおける第2部分31bと接触する部分31aaと、第1部分32aにおける第2部分32bと接触する部分32aaとを、外側から指で挟むようにしてIPアセンブリ1Bを保持する。
【0075】
カバー部材3BBでは、第2カバー部32の第2部分32bだけではなく、第1カバー部31の第2部分31bも、挿入口11の高さ方向において挿入口11への挿入に抗する抗挿入部として機能する。カバー部材3BBで覆われたイメージングプレート2が読取装置10の挿入口11に挿入される場合、カバー部材3BBを指で挟む力が弱められて、閉じていたカバー部材3BBが開こうとする。このとき、第2部分31bが第2状態から第1状態に戻ろうとして第2部分31bの内側への曲がり角度が小さくなるとともに、第2部分32bが第2状態から第1状態に戻ろうとして第2部分32bの内側への曲がり角度が小さくなる。これにより、第2部分31bと同様に、カバー部材3BBが挿入口11に誤挿入されにくくなる。また、第2部分31b及び32bが第1状態に戻ろうとするときに、第2部分31bの面31bbとイメージングプレート2の読取対象面21との摩擦と、第2部分32bの面32bbとイメージングプレート2の非読取面22との摩擦とによって、イメージングプレート2がカバー部材3BBの外側(
図20の左側)に向かって移動する。このときのイメージングプレート2の推進力は、抗挿入部が第2カバー部32だけに設けられている場合よりも大きくなる。これにより、イメージングプレート2が挿入口11に挿入されやすくなる。
【0076】
カバー部材3Aと同様に、カバー部材3B(カバー部材3BBも含む)は、第2部分32bを第1部分32aから曲げる方向に付勢する付勢部材35を備えてもよい。
図21は、カバー部材3Bが、第2部分32bを第1部分32aから曲げる方向に付勢する付勢部材35を備える様子の一例を示す概略図である。付勢部材35は、例えば、第1部分32aと第2部分32bとの境界部の内側の面に設けられる。例えば、付勢部材35としての弾性シートは、その面方向かつ第2カバー部32の長手方向に沿って引っ張られた状態で、第1部分32aと第2部分32bとの境界部に貼り付けられる。これにより、弾性シートの収縮力によって第2部分32bは第1部分32aから曲がる方向に付勢される。なお、カバー部材3BBは、第2部分31bを第1部分31aから曲げる方向に付勢する付勢部材35(不図示)を備えてもよい。
【0077】
また、カバー部材3B(カバー部材3BBも含む)では、第2カバー部32は、第1部分32aと第2部分32bの境界に位置する加工部320を備えてもよい。また、カバー部材3BBでは、第1カバー部31は、第1部分31aと第2部分31bの境界に位置する加工部320を備えてもよい。
【0078】
なお、カバー部材3BBにおいて、第2部分31bが
図14のように外側に曲がっていてもよい。また、カバー部材3BBにおいて、第2部分32bが
図1等のように外側に曲がっていてもよい。
図22は、カバー部材3BBにおいて、第2部分32bが外側に曲がっている様子の一例を示す概略図である。
【0079】
上記の例では、イメージングプレート2を覆うカバー部材の一部が曲げられることによって抗挿入部が構成されているが、抗挿入部はこれに限られない。
図23は、他の構成の抗挿入部を有するカバー部材3Cと、カバー部材3Cで覆われるイメージングプレート2とを備えるIPアセンブリ1Cの一例を示す概略図である。
【0080】
カバー部材3Cは、
図1~4に示されるカバー部材3Aにおいて、第2カバー部32の形状を変更したものである。
図23には、開状態のカバー部材3Cが示されている。
図24は、イメージングプレート2がカバー部材3Cで挟まれている状態のIPアセンブリ1Cを第1カバー部31側から見た様子の一例を示す概略平面図である。
【0081】
カバー部材3Cの第2カバー部32は、シート状となっており、折れ曲がっていない。第2カバー部32は、部分的に幅方向に大きくなっている幅広部分32xを有する。第2カバー部32の幅方向は、第2カバー部32の厚み方向及び長手方向に対して垂直を成している。幅広部分32xは、例えば、第2カバー部32の長手方向において第2カバー部32の接続箇所30側の端部とは反対側の端部に設けられている。
【0082】
カバー部材3Cでは、幅広部分32xが、挿入口11の幅方向において、挿入口11への挿入に抗する抗挿入部として機能する。イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われた状態において、イメージングプレート2の幅方向に沿ったカバー部材3Cの最大寸法W2は、挿入口11の幅W11(
図6参照)よりも大きく設定されている。イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われた状態において、イメージングプレート2の幅方向に沿ったカバー部材3Cの最大寸法W2は、イメージングプレート2の幅方向に沿ったIPアセンブリ1Cの最大寸法であるといえる。カバー部材3Cの最大寸法W2は、第2カバー部32の幅方向の最大寸法と一致する。
【0083】
このように、カバー部材3Cは、抗挿入部として機能する幅広部分32xを備えていることから、挿入口11に誤挿入されにくくなる。
【0084】
なお、幅広部分32xの位置は上記の例に限られない。例えば、
図25に示されるように、幅広部分32xは、第2カバー部32の長手方向において第2カバー部32の中央部に設けられてもよい。あるいは、
図26に示されるように、第2カバー部32の長手方向において第2カバー部32の接続箇所30側の端部に設けられてもよい。また、第2カバー部32の長手方向における幅広部分32xの寸法は、
図23~26のように第2カバー部32の長手方向の寸法の半分未満であってもよいし、半分以上であってもよい。また、
図27に示されるように、第2カバー部32の幅方向の寸法を全体的に第1カバー部31の幅方向の寸法よりも大きくして、挿入口11の幅W11よりも大きくしてもよい。この場合、第2カバー部32全体が抗挿入部として機能する。
【0085】
イメージングプレート2を挟むカバー部材3Cは、第2カバー部32の幅広部分32xのうち、第1カバー部31のよりも外側に突出する両端部(つまり、幅広部分32xの長手方向の両端部)が、第1カバー部31の外側の面まで回り込むように曲げられた状態で、防水バッグ5に収容されてもよい。この場合、カバー部材3Cを収容する防水バッグ5のサイズを小さくすることが可能となり、X線撮影時に防水バッグ5の口腔内への挿入が容易になる。この場合、外力が加えられて曲がることが可能であり、かつ外力が取り除かれた場合に自然と元の状態に戻るような素材で、第2カバー部32が構成されてもよい。当該素材としては、例えば、ユポ紙(登録商標)が挙げられる。この場合、防水バッグ5からカバー部材3Cが取り出されたとき、防水バッグ5内では曲げられていた幅広部分32xの両端部が自然と元の状態に戻ることができる。よって、ユーザは、防水バッグ5からカバー部材3Cを取り出した後に、幅広部分32xの曲げられた両端部を伸ばす手動操作が必要なくなる。
【0086】
また、カバー部材3Cにおいても、第1カバー部31及び第2カバー部32の両方に抗挿入部が設けられてもよい。
図28は、第1カバー部31及び第2カバー部32の両方に抗挿入部が設けられたカバー部材3C(カバー部材3CCともいう)の一例を示し概略図である。カバー部材3CCでは、第1カバー部31は、部分的に幅方向に大きくなっている幅広部分31xを有する。カバー部材3CCでは、第2カバー部32の幅広部分32xだけではなく、第1カバー部31の幅広部分31xも抗挿入部として機能する。幅広部分32xと同様に、幅広部分31xの位置と、第1カバー部31の長手方向に沿った幅広部分31xの寸法とは、
図28の例に限られない。また、第1カバー部31の幅方向の寸法を全体的に挿入口11の幅W11よりも大きくしてもよい。
【0087】
なお、カバー部材3CCにおいて、第1カバー部31が、幅広部分31xの替わりに、外側あるいは内側に曲がる第2部分31bを備えてもよい。また、カバー部材3CCにおいて、第2カバー部32が、幅広部分32xの替わりに、外側あるいは内側に曲がる第2部分32bを備えてもよい。
図29は、第2カバー部32が、幅広部分32xの替わりに、外側に曲がる第2部分32bを備える様子の一例を示す概略図である。
【0088】
また、幅広部分32xは、
図30に示されるように外側に曲げられてもよいし、内側に曲げられてもよい。この場合、幅広部分32xは、挿入口11の高さ方向及び幅方向において、挿入口11への挿入に抗する抗挿入部として機能する。同様に、幅広部分31xは、外側に曲げられてもよいし、内側に曲げられてもよい。
【0089】
上記の各例では、イメージングプレート2の読取対象面21及び非読取面22が、第1カバー部31及び第2カバー部32とそれぞれ接触するように、イメージングプレート2がカバー部材で覆われている。しかしながら、イメージングプレート2の読取対象面21及び非読取面22が、第2カバー部32及び第1カバー部31とそれぞれ接触するように、イメージングプレート2がカバー部材で覆われてもよい。
図31は、イメージングプレート2の読取対象面21及び非読取面22が、第2カバー部32及び第1カバー部31とそれぞれ接触するように、イメージングプレート2がカバー部材3Aで覆われている様子の一例を示す概略図である。なお、イメージングプレート2を読取装置の挿入口へ挿入するときに挿入の姿勢(向き)は、
図6で示した状態に限らない。例えば
図6の状態からカバー部材及びイメージングプレート2を180度あるいは左右に90度回転させた状態であっても、本発明のカバー部材及びイメージングプレートアセンブリは適用可能である。
【0090】
以上のように、イメージングプレートアセンブリ及びカバー部材は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0091】
<付記>
本明細書及び図面は下記各態様を開示する。
【0092】
第1の態様に係るカバー部材は、イメージングプレートを覆うカバー部材であって、前記イメージングプレートから放射線像を読み取る放射線像の読取装置に備えられた前記イメージングプレートの挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有する。
【0093】
第1の態様によると、カバー部材は、読取装置の挿入口への挿入に抗する抗挿入部を有することから、イメージングプレートが挿入口に挿入される場合に、カバー部材が読取装置に誤挿入されにくくなる。
【0094】
第2の態様は、第1の態様に係るカバー部材であって、前記抗挿入部は、前記挿入口の高さ方向及び幅方向の少なくとも一方において、前記挿入口への挿入に抗する。
【0095】
第3の態様は、第2の態様に係るカバー部材であって、前記カバー部材は、前記イメージングプレートの第1の面側に位置する第1領域と、前記イメージングプレートにおける、前記第1の面と反対側の第2の面側に位置する第2領域とを備え、前記抗挿入部は、前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方に設けられている。
【0096】
第4の態様は、第3の態様に係るカバー部材であって、前記第1領域は、前記第1の面の少なくとも一部を覆うことが可能な第3領域と、前記第3領域から曲がり、前記抗挿入部としての第4領域とを有する。この場合、第3領域から曲がる第4領域が抗挿入部として機能することから、簡単な構造で抗挿入部を実現することができる。
【0097】
第5の態様は、第4の態様に係るカバー部材であって、前記第4領域は、前記第3領域から内側に曲がっており、前記第4領域は、外力を受けることにより前記第3領域から前記内側に曲がる第1状態から前記第1状態よりも曲がり角度が大きく前記第3領域の裏側に来る第2状態に変化し、当該外力の解除に応じて前記第2状態から前記第1状態に戻ろうとし、前記第4領域が前記第2状態のときに前記第4領域における前記イメージングプレートに接触する面と前記イメージングプレートの前記第1の面との間の第1摩擦係数は、前記第2領域における前記イメージングプレートに接触する面と前記イメージングプレートの前記第2の面との間の第2摩擦係数よりも大きい。この場合、第4領域が第2状態から第1状態に戻ろうとするときに、第4領域とイメージングプレートの第1の面との摩擦により、イメージングプレートがカバー部材の外側に向かって移動することができる。これにより、イメージングプレート2が挿入口に挿入されやすくなる。
【0098】
第6の態様は、第4または第5の態様に係るカバー部材であって、前記第4領域を前記第3領域から曲げる方向に付勢する付勢部材を備える。この場合、第4領域の姿勢が維持されやくなる。よって、第4領域の姿勢が自然に変化してカバー部材が読取装置に誤挿入されるといったことが発生しにくくなる。
【0099】
第7の態様は、第4から第6の態様のいずれか一つに係るカバー部材であって、前記第3領域と前記第4領域の境界に位置する加工部を備え、前記加工部は、外力に対する強度が前記加工部の周辺の部分の強度よりも小さい構成である。この場合、第1領域は加工部で曲がり易くなることから、抗挿入部として機能する、第3領域から曲がる第4領域を簡単に実現することができる。
【0100】
第8の態様に係るカバー部材は、イメージングプレートを覆うカバー部材であって、前記イメージングプレートの第1の面側に位置する第1領域と、前記イメージングプレートにおける、前記第1の面と反対側の第2の面側に位置する第2領域とを備え、前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方は加工部を有し、前記加工部は、外力に対する強度が前記加工部の周辺の部分の強度よりも小さい構成である。
【0101】
第8の態様によると、第1領域及び第2領域の少なくとも一方が加工部で曲げられることによって、イメージングプレートが挿入口に挿入される場合に、カバー部材が読取装置に誤挿入されにくくなる。また、第1領域及び第2領域の少なくとも一方は加工部を利用して簡単に曲げられることができる。
【0102】
第9の態様は、第8の態様に係るカバー部材であって、前記加工部は、切り込み、凹み及び貫通孔の少なくとも一つを有するか、その厚みが前記加工部の周辺の部分の厚みよりも小さく設定されているか、その硬度が前記加工部の周辺の部分の硬度よりも低く設定されているか、その素材の密度が前記加工部の周辺の部分の素材の密度よりも低く設定されているか、あるいは前記加工部の周辺の部分よりも少ない層数で構成されている。
【0103】
第10の態様に係るイメージングプレートアセンブリは、第1から第9の態様のいずれか一つに係るカバー部材と、前記カバー部材で覆われるイメージングプレートとを備える。
【符号の説明】
【0104】
1A,1B,1C イメージングプレートアセンブリ
2 イメージングプレート
3A,3AA,3B,3BB,3C,3CC カバー部材
10 読取装置
11 挿入口
21 読取対象面
22 非読取面
31 第1カバー部
31a 第1部分
31b 第2部分
31bb,32bb 面
31x 幅広部分
32 第2カバー部
32a 第1部分
32b 第2部分
32bb 面
32x 幅広部分
35 付勢部材
320 加工部