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特許7651853第1ノード、ネットワークシステム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】第1ノード、ネットワークシステム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/04 20090101AFI20250319BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20250319BHJP
【FI】
H04W40/04
H04W84/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020212132
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022098631
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】矢島 健一
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-336768(JP,A)
【文献】特開2005-064723(JP,A)
【文献】特開2007-006395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内で、自ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信する送信部と、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、予測された前記通信不可の情報を受信する受信部と、
予測された前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御する制御部と、
を備える第1ノード。
【請求項2】
前記制御部は、予測された前記通信不可の情報を受信した場合、前記第1ノードと前記第2ノードと前記第3ノードと前記第4ノードと前記第5ノードの相互の間の距離、および、前記第1ノードと前記第2ノードと前記第3ノードと前記第4ノードと前記第5ノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて前記第5ノードを選択する、
請求項1に記載の第1ノード。
【請求項3】
前記送信部は、ネクストホップノードが前記第2ノードであることと、通信の宛先である宛先ノードが前記第3ノードであることと、自ノードの前記送信電力の情報と、を含むメッセージを送信し、
前記送信部は、前記受信部が予測された前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネクストホップノードが前記第5ノードであることと、通信の宛先である宛先ノードが前記第3ノードであることと、自ノードの前記送信電力の情報と、を含むメッセージを送信する、
請求項1又は2に記載の第1ノード。
【請求項4】
前記制御部は、自ノードの位置情報と、前記第2ノードの前記位置情報と、に基づいて前記第1ノードの前記送信電力を決定する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の第1ノード。
【請求項5】
前記第2ノードから前記第3ノード宛のメッセージの受信を契機に、前記第4ノードが前記第2ノードと前記第3ノードとの間の前記通信不可を予測する、
請求項1から4のいずれか1つに記載の第1ノード。
【請求項6】
前記第4ノードが前記第2ノードと前記第3ノードとの間に存在し、前記第4ノードが前記第2ノードから送信されたメッセージを受信できなかった場合、前記第4ノードが前記第2ノードと前記第3ノードとの間の前記通信不可を予測する、
請求項1から4のいずれか1つに記載の第1ノード。
【請求項7】
ネットワーク内で、自ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信する送信部と、
前記第2ノードの位置と、前記第3ノードの位置と、前記第2ノードの前記データを送信する際の送信範囲と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、予測された前記通信不可の情報を受信する受信部と、
予測された前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の位置、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信範囲に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御する制御部と、
を備える第1ノード。
【請求項8】
第1ノードと第2ノードと第3ノードと第4ノードと第5ノードとを備え、
前記第1ノードは、
ネットワーク内で、前記第1ノードから前記第2ノードを経由して前記第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信する第1送信部と、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、予測された前記通信不可の情報を受信する第1受信部と、
予測された前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御する制御部と、を有し、
前記第2ノードは、
前記第1ノードから前記データを受信する第2受信部と、
前記データを前記第3ノードに送信する第2送信部と、を有し、
前記第2受信部は、前記通信不可が予測された場合、前記第1ノードから前記データを受信せず、
前記第2送信部は、前記通信不可が予測された場合、前記データを前記第3ノードに送信せず、
前記第3ノードは、
前記第2ノードから前記データを受信する第3受信部を有し、
前記第3受信部は、前記通信不可が予測された場合、前記第5ノードから前記データを受信し、
前記第4ノードは、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの前記送信電力と、に基づいて前記通信不可を予測する予測部と、
予測された前記通信不可の情報を前記第1ノードに送信する第4送信部と、を有し、
前記第5ノードは、
前記通信不可が予測された場合、前記第1ノードから前記データを受信する第5受信部と、
前記通信不可が予測された場合、前記データを前記第3ノードに送信する第5送信部と、を有する、
ネットワークシステム。
【請求項9】
ネットワーク内で、第1ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信することと、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、予測された前記通信不可の情報を受信することと、
予測された前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御することと、
を備える第1ノードの方法。
【請求項10】
ネットワーク内で、第1ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信することと、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、予測された前記通信不可の情報を受信することと、
予測された前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御することと、
をコンピュータに実行させる第1ノードのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1ノード、ネットワークシステム、方法及びプログラムに関するものであり、特に、移動体通信のアドホックネットワークトポロジーを素早く変更することが可能な第1ノード、ネットワークシステム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アドホックネットワークで採用されている多くの通信方式では、定期的に各ノードが送信するHelloメッセージ等により、ネットワーク内の全ての各ノード間の通信リンクで通信が可能であるか否かを判断し、その後にネットワーク構成(ネットワークトポロジー)の決定を行う。ネットワーク構成の変更は、Helloメッセージ等でノード間のリンクの通信状態の変化を検出した後、ネットワークトポロジーを制御するための制御メッセージであってノード間のリンクの情報を含む該制御メッセージを交換することにより行う。尚、通信リンクを単にリンクと称することもある。
【0003】
特許文献1の0019-0022段落には「自局が立ち上がると、位置情報取得手段により自局の位置情報を取得する。次に、自局の局名識別情報、位置情報、ならびに通信可能な加入局の局名識別情報及びその位置情報をブロードキャスト送信する。このブロードキャスト送信を受信した加入局B12及び加入局C13は、これに応答して自局の局名識別情報、位置情報、ならびに通信可能な加入局の局名識別情報及びその位置情報を同様に送信するが、加入局D14は、加入局A11の電波到達範囲外のため、応答しない。この受信した内容に基づいて加入局A11は、自局内の加入局レイアウトテーブルを編集する。」と記載され、特許文献1の0029-0032段落には、「加入局C13からのブロードキャスト送信がST4の動作ステップで受信されなくなり、継続して受信可能な加入局B12からのブロードキャスト送信に含まれる加入局C13の位置情報に基づいて、ST4の動作ステップにて加入局レイアウトテーブルを更新する。加入局C13の位置情報は加入局B12により中継されて更新され、また、通信経路情報も、直接通信が不可能になって中継経路のみの内容に更新される。加入局C13あての送信データが発生すると、これに続くST6の動作ステップでは、加入局B12経由の通信経路が選択され」と記載されている。しかしながら、ネットワーク内の各ノード間の通信不可を予測した場合、ネットワーク内の複数のノード間の距離、および複数のノードのそれぞれの送信電力に基づいて、通信可能なノードを選択し、通信可能なノードを経由してデータを宛先ノードまで送信することは記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-229173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のとおり、ネットワークにおいては、各ノードからのHelloメッセージの定期的な送信でリンクの通信状態の変化を検出していた。このため、リンクの通信切断が発生した際、検出までに時間がかかり、それが原因でネットワークトポロジーの変更に時間がかかるという課題があった。特に、航空機のような高速移動する移動体では、ノード間の相対的な位置関係が大きく変化するので、ノード間のリンクの通信が途絶する期間が長くなりその影響を受けやすかった。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題のいずれかを解決する第1ノード、ネットワークシステム、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る第1ノードは、
ネットワーク内で、自ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信する送信部と、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、前記通信不可の情報を受信する受信部と、
前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御する制御部と、
を備える。
【0008】
本開示に係る第1ノードは、
ネットワーク内で、自ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信する送信部と、
前記第2ノードの位置と、前記第3ノードの位置と、前記第2ノードの前記データを送信する際の送信範囲と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、前記通信不可の情報を受信する受信部と、
前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の位置、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信範囲に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御する制御部と、
を備える。
【0009】
本開示に係るネットワークシステムは、
第1ノードと第2ノードと第3ノードと第4ノードと第5ノードとを備え、
前記第1ノードは、
ネットワーク内で、前記第1ノードから前記第2ノードを経由して前記第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信する第1送信部と、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、前記通信不可の情報を受信する第1受信部と、
前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御する制御部と、を有し、
前記第2ノードは、
前記第1ノードから前記データを受信する第2受信部と、
前記データを前記第3ノードに送信する第2送信部と、を有し、
前記第2受信部は、前記通信不可が予測された場合、前記第1ノードから前記データを受信せず、
前記第2送信部は、前記通信不可が予測された場合、前記データを前記第3ノードに送信せず、
前記第3ノードは、
前記第2ノードから前記データを受信する第3受信部を有し、
前記第3受信部は、前記通信不可が予測された場合、前記第5ノードから前記データを受信し、
前記第4ノードは、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの前記送信電力と、に基づいて前記通信不可を予測する予測部と、
前記通信不可の情報を前記第1ノードに送信する第4送信部と、を有し、
前記第5ノードは、
前記通信不可が予測された場合、前記第1ノードから前記データを受信する第5受信部と、
前記通信不可が予測された場合、前記データを前記第3ノードに送信する第5送信部と、を有する、
ネットワークシステム。
【0010】
本開示に係る方法は、
ネットワーク内で、第1ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信することと、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、前記通信不可の情報を受信することと、
前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御することと、
を備える。
【0011】
本開示に係るプログラムは、
ネットワーク内で、第1ノードから第2ノードを経由して第3ノードにデータを送信するため、前記データを前記第2ノードに送信することと、
前記第2ノードと前記第3ノードとの間の距離と、前記第2ノードの送信電力と、に基づいて前記第2ノードと前記第3ノードとの間の通信不可を予測した第4ノードから、前記通信不可の情報を受信することと、
前記通信不可の情報を受信した場合、前記ネットワーク内の複数のノード間の距離、および前記複数のノードのそれぞれの前記送信電力に基づいて、前記第2ノードに代わる第5ノードを前記複数のノードのうちから選択し、自ノードから前記第5ノードを経由して前記データを前記第3ノードに送信するように制御することと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、移動体通信のアドホックネットワークトポロジーを素早く変更することが可能な第1ノード、ネットワークシステム、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る第1ノードを例示するブロック図である。
図2】実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図3】実施の形態1に係るノードを例示するブロック図である。
図4】実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図5】実施の形態1に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
図6】実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図7】実施の形態1に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
図8】実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図9】実施の形態1に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
図10】実施の形態2に係る第1ノードを例示するブロック図である。
図11】実施の形態2に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図12】実施の形態2に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0015】
[実施の形態1]
<第1ノードの構成の概要>
実施の形態1に係る第1ノードを例示するブロック図である。
図1は、実施の形態1に係る第1ノードの最小構成を示す。
【0016】
図1に示すように、実施の形態1に係る第1ノード11は、送信部111と、受信部112と、制御部113と、を備える。各ノードを移動体、又は通信機器と称することもある。ノード間の通信を移動体通信と称することもある。
【0017】
送信部111は、ネットワーク内で、第1ノード11から第2ノード12を経由して第3ノード13にデータを送信するため、データを第2ノード12に送信する。実施の形態1に係るネットワークは、ノード同士が直接通信するので、該ネットワークをアドホックネットワークと称することもある。アドホックネットワークの接続形態のことを、アドホックネットワークトポロジーと称する。
【0018】
受信部112は、第2ノード12と第3ノード13との間の距離と、第2ノード12の送信電力と、に基づいて第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可を予測した第4ノード14から、通信不可の情報を受信する。尚、受信部112は、第4ノード14から直接に通信不可の情報を受信できない場合、他ノード(第2ノード12や後述する第5ノード15)を介して通信不可の情報を受信する。
【0019】
制御部113は、第4ノード14から通信不可の情報を受信した場合、ネットワーク内の複数のノード間の距離、および複数のノードのそれぞれの送信電力に基づいて、第2ノード12に代わる第5ノード15を複数のノードのうちから選択する。制御部113は、第1ノード11から第5ノード15を経由してデータを第3ノード13に送信するように制御する。
【0020】
制御部113は、第4ノード14から通信不可の情報を受信した場合、第1ノード11と第2ノード12と第3ノード13と第4ノード14と第5ノード15の相互の間の距離、および、第1ノード11と第2ノード12と第3ノード13と第4ノード14と第5ノード15のそれぞれの送信電力に基づいて第5ノード15を選択する。
【0021】
制御部113は、第1ノード11の位置情報と、第2ノード12の位置情報と、に基づいて第1ノード11の送信電力を決定する。
【0022】
受信部112は、第2ノード12の位置と、第3ノード13の位置と、第2ノード12のデータを送信する際の送信範囲と、に基づいて第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可を予測した第4ノード14から、通信不可の情報を受信してもよい。制御部113は、第4ノード14から通信不可の情報を受信した場合、ネットワーク内の複数のノード間の位置、および複数のノードのそれぞれの送信範囲に基づいて、第2ノード12に代わる第5ノード15を複数のノードのうちから選択してもよい。
【0023】
送信部111は、ネクストホップノードが第2ノード12であることと、通信の宛先である宛先ノードが第3ノード13であることと、第1ノード11の送信電力の情報と、を含むメッセージを送信する。また、送信部111は、受信部112が通信不可の情報を受信した場合、ネクストホップノードが第5ノード15であることと、通信の宛先である宛先ノードが第3ノード13であることと、第1ノード11の送信電力の情報と、を含むメッセージを送信する。第2ノード12と第4ノード14は、当該メッセージを受信する。
【0024】
第2ノード12は、メッセージを受信することにより、自ノード(第2ノード12)がネクストホップノードであることと、通信の宛先が第3ノード13であることを知る。第2ノード12は、ネクストホップノードと宛先ノードが第3ノード13であることを含むメッセージを送信する。第4ノード14は、第2ノード12から送信された第3ノード13宛のメッセージが受信可能範囲内の場合に受信する。第4ノード14は、該メッセージの受信を契機に、第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可を予測する。
【0025】
これにより、アドホックネットワーク内で、通信不可であるリンクの通信を他リンクに変更することができ、ノード間の通信不可の時間を短縮することができる。その結果、実施の形態1によれば、移動体通信のアドホックネットワークトポロジーを素早く変更することが可能な第1ノード、ネットワークシステム、方法及びプログラムを提供することができる。
【0026】
また、実施の形態1では、通信不可を実際に測定して検出するのではなく、予測するので、検出する場合と比べてより早くアドホックネットワークトポロジーを変更することができる。
【0027】
<ネットワークシステムの構成の概要>
図2は、実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図2は、実施の形態1に係るネットワークシステムの最小構成を示す。
【0028】
図2に示すように、実施の形態1に係るネットワークシステム10sは、第1ノード11と第2ノード12と第3ノード13と第4ノード14と第5ノード15とを備える。第1ノード11は既に説明したので説明を省略する。第1ノードにおいては、送信部を第1送信部と称し、受信部を第1受信部と称する。第4ノード14は、第2ノード12と第5ノード15と通信可能であるものとする。
【0029】
第2ノード12は、第2受信部122と、第2送信部121と、を有する。第2受信部122は、第1ノード11からデータを受信する。第2送信部121は、データを第3ノード13に送信する。第2受信部122は、第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可が予測された場合、第1ノード11からデータを受信しない。第2送信部121は、第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可が予測された場合、データを第3ノードに送信しない。
【0030】
第3ノード13は、第3受信部132を有する。第3受信部132は、第2ノード12からデータを受信する。第3受信部132は、第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可が予測された場合、第5ノード15からデータを受信する。
【0031】
第4ノードは、予測部143と第4送信部141とを有する。予測部143は、第2ノード12と第3ノード13との間の距離と、第2ノード12の送信電力と、に基づいて第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可を予測する。第4送信部141は、第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可の情報を第1ノード11に送信する。
【0032】
第4ノード14は、ネットワーク内の複数のノードの位置情報と送信電力とを受信する。第4ノード14は、第2ノード12の位置情報と第3ノード13の位置情報とに基づいて、第2ノード12と第3ノード13との間の距離を求める。
【0033】
前記第5ノードは、第5受信部152と、第5送信部151と、を有する。第5受信部152は、第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可が予測された場合、第1ノード11からデータを受信する。第5送信部151は、第2ノード12と第3ノード13との間の通信不可が予測された場合、データを第3ノード13に送信する。
【0034】
<ノードの構成の詳細>
図3は、実施の形態1に係るノードを例示するブロック図である。
図1に示す第1ノード11から第5ノード15のそれぞれのノードは同一の構成を有し、図3に示すノード10は、同一の構成を有するノードを代表して示したものである。
【0035】
図3に示すように、ノード10は、通信機能を有する移動体であり、送信部101と受信部102とルーティング制御部103とルーティング情報保存部104と無線通信監視部105とメッセージ処理部106と通信不可リンク情報保存部107と周辺ノード位置情報保存部108と自ノード位置情報保存部109とルーティング変更通知部110とメッセージ作成部111mとを備える。
【0036】
図3に示す送信部101は、図1に示す送信部111に相当し、図3に示す受信部102は、図1に示す受信部112に相当する。また、図3に示すルーティング制御部103とルーティング情報保存部104と無線通信監視部105とメッセージ処理部106と通信不可リンク情報保存部107と周辺ノード位置情報保存部108と自ノード位置情報保存部109とルーティング変更通知部110とメッセージ作成部111mは、図1に示す制御部113に相当する。尚、図3に示す要素と図1に示す要素とは、上記に示す対応関係に無くてもよい。
【0037】
送信部101は、ルーティング情報保存部104に保存されたルーティング情報に基づいて、ネクストホップノード、宛先ノード、送信電力(無線通信の送信出力)、無線の送信範囲等の情報をメッセージに含め、該メッセージを無線信号にして他ノードに送信する。
【0038】
受信部102は、他ノードから無線信号を受信し、受信した無線信号からメッセージを生成(構成)する。
【0039】
ルーティング制御部103は、周辺ノード位置情報保存部108に保存された情報も参照し、ネットワーク内の通信経路を示すルーティングを決定する。ルーティング制御部103は、送信部101と受信部102を経由して他ノードとルーティングの情報(ルーティング情報と称する)を交換するために必要な情報を交換する。これにより、ルーティング制御部103は、他ノードとルーティング情報を交換する。ルーティング制御部103は、決定したルーティング情報をルーティング情報保存部104に保存する。
【0040】
ルーティング情報保存部104は、ルーティング情報を保存する。ルーティング情報保存部104は、ルーティング制御部103から通知されたルーティング情報により、ルーティング情報を更新する。
【0041】
無線通信監視部105は、受信部102経由で自ノード10宛以外の無線信号を受信し、ルーティング情報保存部104、周辺ノード位置情報保存部108、及び自ノード位置情報保存部109から取得した情報に基づいて、通信不可のリンク(通信不可リンク)が存在しているか否かを判断する。無線通信監視部105が取得した情報には、各ノードの位置情報及び各ノードの送信電力等が含まれる。
【0042】
無線通信監視部105は、各ノードの位置情報と各ノードの送信電力(送信出力)等の情報に基づいて、通信不可リンクを予測し検出する。無線通信監視部105は、通信不可リンクを新たに検出した場合、検出した通信不可リンク情報を通信不可リンク情報保存部107及びルーティング変更通知部110に通知する。
【0043】
メッセージ処理部106は、受信部102経由で受信した自ノード10宛てのメッセージの処理を行う。
【0044】
通信不可リンク情報保存部107は、通信不可リンクの情報を保存する。通信不可リンク情報保存部107は、無線通信監視部105から通知された通信不可リンクの情報で、ルーティング情報を更新する。
【0045】
周辺ノード位置情報保存部108は、レーダーや、他のノードから通知された情報に基づいて、自ノード10の周辺に存在するノードの位置情報(緯度、経度、高度、移動方向等)、ノードの速度の情報、ノードの加速度の情報を保存する。
【0046】
自ノード位置情報保存部109は、GPS(Global Positioning System)や航法システム等から入手した自ノード10の位置情報を保存する。
【0047】
ルーティング変更通知部110は、無線通信監視部105から通知された通信不可リンクの情報に基づいて、そのリンクが通信不可(利用不可)リンクであることを他ノードに通知するためのメッセージを作成し、送信部101に通知する。
【0048】
メッセージ作成部111mは、他ノードに対して送信するメッセージを作成し、作成したメッセージを送信部101に通知する。
【0049】
<ネットワークシステムの動作>
図4は、実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図4は、第1ノード11から第3ノード13へ通信が可能であるときの状態を示す。
図4に示す実線は、ある時刻における第1ノード11から第3ノード13までの通信経路を示し、点線は通信できる可能性の高いリンクを示す。
【0050】
図5は、実施の形態1に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
図6は、実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図6は、図4から時間が経過した後の状態を示し、第2ノード12から第3ノード13への通信が通信不可の状態を示す。
【0051】
図7は、実施の形態1に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
図8は、実施の形態1に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図9は、実施の形態1に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
【0052】
初期の状態として、既存のアドホックルーティング技術により、図4に示すようなアドホックネットワークが構成されているものとする。そして、第1ノード11から第3ノード13への通信経路は、図4の実線で示された経路(第1ノード11→第2ノード12→第3ノード13)とする。
【0053】
図5に示すように、図4に示すアドホックネットワークが構成されている場合、第1ノード11のルーティング情報は、宛先ノードが第3ノード13となり、ネクストホップノードが第2ノード12となる。また、第2ノード12のルーティング情報は、宛先ノードが第3ノード13となり、ネクストホップノードも第3ノード13となる。
【0054】
次に、初期状態から時間が経過し、図6に示すような通信環境になったものとする。図6では、各ノードの相対位置が変更になった、もしくは、第2ノード12から第3ノード13への通信経路の電波環境が悪化したため、第2ノード12から第3ノード13への通信(無線通信)が通信不可になったものとする。ただし、第1ノード11から第2ノード12の通信は、通信不可にはならないものとする。
【0055】
図7に示すように、図6に示すアドホックネットワークが構成されている場合、第1ノード11のルーティング情報は、宛先ノードが第3ノード13となり、ネクストホップノードが第2ノード12となる。また、第2ノード12のルーティング情報は、宛先ノードが第3ノード13となり、ネクストホップノードも第3ノード13となる。また、第4ノード14のルーティング情報は、宛先ノードが第2ノード12となり、ネクストホップノードも第2ノード12となる。また、もう1つの宛先ノードが第5ノード15となり、もう1つのネクストホップノードが第5ノード15となる。
【0056】
図6において、第1ノード11から第3ノード13に向けてメッセージを送信する。このとき、第1ノード11のメッセージ作成部111mは、第3ノード13に送信するメッセージを作成し、作成したメッセージを第1ノード11の送信部101に通知する。第1ノード11の送信部101は、通知されたメッセージからメッセージの宛先(この例では、第3ノード13)を確認し、ルーティング情報保存部104に、この宛先にメッセージを送信する際のネクストホップノードを問い合わせる。第1ノード11の送信部101は、この問い合わせにより、ネクストホップノードが第2ノード12であることを確認し、第2ノード12に向けてメッセージを無線通信で送信する。
【0057】
第2ノード12の受信部102は、第1ノード11から送信された無線通信を受信し、メッセージを生成(構築)する。生成されたメッセージは、自ノード(この場合、第2ノード12)宛ではないため、メッセージを送信部101に通知する。第2ノード12の送信部101は、ルーティング情報保存部104に問い合わせを行い、ネクストホップノードが第3ノード13であることを確認し、第3ノード13にメッセージを無線通信で送信する。
【0058】
このとき、第3ノード13が第2ノード12の通信可能範囲に存在しないため、第3ノード13は、第2ノード12から送信されたメッセージを受信できない。
【0059】
一方、第4ノード14が第2ノード12の通信可能範囲に存在するため、第4ノード14は、第2ノード12から送信されたメッセージを受信可能である。第4ノード14は、第2ノード12から送信されたメッセージを受信する。すなわち、第4ノード14の受信部102は、無線通信を受信し、メッセージを生成する。メッセージの宛先とネクストホップノードが自ノード(この場合、第4ノード14)ではなく第3ノード13であるため、無線通信監視部105にメッセージを通知する。
【0060】
第4ノード14の無線通信監視部105は、通信不可リンク情報保存部107に、第2ノード12と第3ノード13との間のリンク情報が保存されているか否かを問い合わせ、保存されていないことを確認する。第4ノード14の無線通信監視部105は、周辺ノード位置情報保存部108から第2ノード12及び第3ノード13の位置情報を取得し、自ノード位置情報保存部109から自ノードの位置情報を取得する。
【0061】
第4ノード14の無線通信監視部105は、各ノードの位置情報とメッセージに含まれる各ノードの送信電力(送信出力)等の情報に基づいて、第2ノード12から第3ノード13への無線通信は通信不可であることを予測する。
【0062】
第4ノード14の無線通信監視部105は、通信不可と予測した場合、通信不可リンク情報保存部107とルーティング変更通知部110に通信不可リンクの情報を通知する。
【0063】
第4ノード14の通信不可リンク情報保存部107は、通信不可リンクの情報を保存する。第4ノード14のルーティング変更通知部110は、通知された通信不可リンクの情報に基づいて、第2ノード12と第3ノード13との間の通信リンクが通信不可でありネットワーク内のルーティングの変更を要求する旨のメッセージを作成する。第4ノード14のルーティング変更通知部110は、作成したメッセージを所属するネットワーク(アドホックネットワーク)に送信するため、メッセージを送信部101に通知する。
【0064】
第4ノード14の送信部101は、直接通信可能なノードをルーティング情報保存部104に問い合わせ、取得した直接通信可能な第2ノード12、及び第5ノード15等にメッセージを送信する。
【0065】
第2ノード12と第5ノード15は、上記メッセージを受信し、アドホッネットワーク内のルーティング(通信経路)の変更を、そのアドホックネットワークで使用しているルーティングプロトコルに従い実施する。第2ノード12又は第5ノード15は、ルーティングの変更の旨を第1ノード11に通知する。
【0066】
これにより、第1ノード11から第3ノード13への通信経路は、例えば、図8に示すようなルーティングに変更される。ネットワーク構成の変更後、すなわち、ルーティング(通信経路)の変更後、図8に示す通信経路で第1ノード11から第3ノード13への通信が可能となる。
【0067】
ここで、実施の形態1の特徴を以下に示す。
アドホックネットワークに参加する移動体に搭載されている自ノード(通信機器)であって、
自ノードと、自ノードの周辺の存在する周辺ノードのそれぞれの位置情報を取得する機能と、
メッセージの受信時に前記位置情報から通信不可のリンクを特定し、前記通信不可のリンクを他ノードに通知することで、前記アドホックネットワークのネットワークトポロジーを変更することが可能とすることを特徴とするノード。
【0068】
[実施の形態2]
図10は、実施の形態2に係る第1ノードを例示するブロック図である。
図11は、実施の形態2に係るネットワークシステムを例示するブロック図である。
図12は、実施の形態2に係る各ノードのルーティング情報を例示する図である。
【0069】
実施の形態2に係るノード20は、実施の形態1に係るノード10と比べて、ネットワークデザイン保存部が追加されている点が異なる。
【0070】
図10に示すように、ネットワークデザイン保存部111nは、アドホックネットワークに参加する各ノードの送信時刻、送信ノード(ネクストホップノード)、受信ノード、宛先ノード、送信電力等を保存する。ネットワークデザイン保存部111nは、無線通信監視部105からの問い合わせにより必要な情報を通知する。
【0071】
実施の形態1では、第2ノード12から第3ノード13宛のメッセージの受信を契機に、第4ノード14の無線通信監視部105が、第2ノード12と第3ノード13との間のリンクが通信不可であるかを予測していた。
【0072】
これに対して、実施の形態2では、自ノード(この場合、第4ノード14)が第2ノード12と第3ノード13との間に存在することを確認し、第4ノード14の無線通信監視部105が、第2ノード12から第3ノード13宛のメッセージの送信時刻に、該当するメッセージを受信できなかった場合も契機に通信不可リンクを予測する点が異なる。
【0073】
実施の形態2の動作を説明する。
第2ノード12が第3ノード13に向けて無線の通信を行うまでの動作は、実施の形態1の動作と同様である。それ以降の動作を以下に示す。
【0074】
図11に示すように、第3ノード13と第4ノード14は、第2ノード12の通信可能範囲に存在しないため、第3ノード13と第4ノード14はメッセージを受信しない。
【0075】
図12に示すように、この場合の第1ノード11のルーティング情報は、宛先ノードが第3ノード13となり、ネクストホップノードが第2ノード12となる。また、第2ノード12のルーティング情報は、宛先ノードが第3ノード13となり、ネクストホップノードも第3ノード13となる。また、第4ノード14のルーティング情報は、宛先ノードが第5ノード15となり、ネクストホップノードも第5ノード15となる。
【0076】
第4ノード14の無線通信監視部105は、定期的にネットワークデザイン保存部111nに問い合わせを行い、他ノードが送信する時刻に、送信するノードと宛先ノードの間に自ノード(この場合、第4ノード14)が存在するかを確認する。自ノードが間に存在するか否かは、送信ノードの位置を周辺ノード位置情報保存部108から取得し、自ノード位置情報保存部109から自ノードの位置情報を取得しすることで、相対的な位置を確認することにより行う。自ノード(この場合、第4ノード14)が第2ノード12と第3ノード13との間に存在することを確認し、その時刻に該当するメッセージを受信できなかった場合、以下に示すステップを実行する。
【0077】
ステップS101:第4ノード14の無線通信監視部105は、通信不可リンク情報保存部107に、第2ノード12と第3ノード13との間のリンク情報が保存されているか問い合わせを行い、該リンク情報が保存されていないことを確認する。
【0078】
ステップS102:第4ノード14の無線通信監視部105は、各ノードの位置情報とメッセージに含まれる送信出力等の情報とに基づいて、第2ノード12から第3ノード13への通信は通信不可であることを予測する。
【0079】
ステップS103:第4ノード14の無線通信監視部105は、通信不可と予測した場合、通信不可リンク情報保存部107とルーティング変更通知部110に通信不可リンクの情報を通知する。
【0080】
ステップS104:第4ノード14の通信不可リンク情報保存部107は、この通信不可リンク情報を保存する。
【0081】
ステップS105:第4ノード14のルーティング変更通知部110は、通知されたリンク情報に基づいて、所属するアドホックネットワークに対して、第2ノード12と第3ノード13との間のリンクが通信不可であり、アドホックネットワーク内のルーティングの変更を要求するメッセージを作成し、第4ノード14の送信部101に通知する。
【0082】
ステップS106:第4ノード14の送信部101は、直接通信可能なノードをルーティング情報保存部104に問い合わせ、取得した直接通信可能な第5ノード15等に対して、メッセージを送信する。
【0083】
ステップS107:第5ノード15は、第4ノード14から送信されたメッセージを受信し、アドホッネットワークでの通信経路の変更を、そのアドホックネットワークで使用しているルーティングプロトコルに従い実施する。
【0084】
その結果、図8に示すような、第1ノード11から第3ノード13への通信経路に変更され、第1ノード11から第5ノード15を経由した第3ノード13への通信が可能となる。
【0085】
尚、上記の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0086】
上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(具体的にはフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(具体的には光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(具体的には、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0087】
さらに、動作は特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。同様に、いくつかの特定の実施の形態の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは本開示の範囲に対する制限としてではなく、特定の実施の形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施の形態の文脈で説明される特定の特徴は、単一の実施の形態に組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施の形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施の形態で別々にまたは任意の適切な組み合わせで実装されてもよい。
【0088】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0089】
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0090】
10s:ネットワークシステム
10:ノード
101:送信部
102:受信部
103:ルーティング制御部
104:ルーティング情報保存部
105:無線通信監視部
106:メッセージ処理部
107:通信不可リンク情報保存部
108:周辺ノード位置情報保存部
109:自ノード位置情報保存部
110:ルーティング変更通知部
111m:メッセージ作成部
11:第1ノード
111:送信部
112:受信部
113:制御部
12:第2ノード
121:第2送信部
122:第2受信部
13:第3ノード
132:第3受信部
14:第4ノード
141:第4送信部
143:予測部
15:第5ノード
151:第5送信部
152:第5受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12