(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】光送受信モジュールおよび光トランシーバ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20250319BHJP
【FI】
G02B6/42
(21)【出願番号】P 2021010955
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】水野 泰孝
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-173875(JP,A)
【文献】国際公開第2020/138337(WO,A1)
【文献】特開2012-159529(JP,A)
【文献】特開2019-153744(JP,A)
【文献】特開2016-208025(JP,A)
【文献】特開2004-241514(JP,A)
【文献】米国特許第07153043(US,B1)
【文献】KUROKAWA, M. et al.,“High Optical Output Power and High-responsivity IC-TROSA for 800 Gbps applications”,2021 European Conference on Optical Communication (ECOC),2021年09月13日,pp.1-3,DOI: 10.1109/ECOC52684.2021.9606101
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-1/39
H01S 5/00-5/50
H04B 10/40
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光素子と、発光素子と、前記発光素子から出力される光を変調する光変調器と、を内蔵するパッケージと、
複数の第一端子が設けられた裏面を有し、前記受光素子、前記発光素子および前記光変調器の少なくともいずれか一つを制御する
、前記複数の第一端子に接続された制御回路が搭載されたリジッド回路基板と、
前記複数の第一端子にはんだ付けされた複数の第二端子が表面に設けられた本体部と、前記複数の第二端子に接続される複数の信号配線
と、を有するフレキシブル回路基板と、
を備え、
前記リジッド回路基板は、前記フレキシブル回路基板を介して前記リジッド回路基板の
前記裏面が前記パッケージの一面と対向して前記パッケージに
固定されるとともに、前記発光素子、前記光変調器および前記受光素子の少なくともいずれか一つは、前記複数の信号配線を介して前記制御回路に電気的に接続される、
光送受信モジュール。
【請求項2】
前記フレキシブル回路基板は、前記リジッド回路基板と接続される本体部と、前記本体部の一辺に設けられた第1端部と、前記本体部の前記一辺と反対側の一辺に設けられた第2端部と、を有し、
前記第1端部および前記第2端部は、それぞれ前記パッケージに接続されている、
請求項1に記載の光送受信モジュール。
【請求項3】
前記パッケージは、前記パッケージの一面に交差する第1側面および第2側面を有し、
前記第1端部は、前記第1側面にはんだによって接続され、
前記第2端部は、前記第2側面にはんだによって接続されている、
請求項2に記載の光送受信モジュール。
【請求項4】
前記リジッド回路基板の一面と前記パッケージの一面との間に載置される複数のスペーサを備え、
前記複数のスペーサのそれぞれの高さは、前記リジッド回路基板の一面に搭載される前記制御回路を含む制御用部品の高さより高い、
請求項2または請求項3に記載の光送受信モジュール。
【請求項5】
前記本体部は、内側に開口部を有する、
請求項4に記載の光送受信モジュール。
【請求項6】
前記複数のスペーサは、前記開口部を貫通する、
請求項5に記載の光送受信モジュール。
【請求項7】
前記リジッド回路基板と前記フレキシブル回路基板とは、一体形成されている、
請求項1に記載の光送受信モジュール。
【請求項8】
一端が前記リジッド回路基板に取り付けられ、他端に第2フレキシブル基板が挿抜自在に接続されるコネクタを備える、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光送受信モジュール。
【請求項9】
請求項1から
請求項8のいずれか一項に記載の光送受信モジュールを搭載する、
光トランシーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光送受信モジュールおよび光トランシーバに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等で伝送される情報量の増大に伴い、光ファイバを用いた伝送路での情報の伝送速度の向上が求められている。伝送速度の向上の要求に伴い、データセンターでは、1ラックあたりの伝送容量の増大が検討課題になってきており、光信号を送受信する光トランシーバの小型化が求められている。例えば、特許文献1には、IC-TROSA(Integrated Coherent Transmit-Receive Optical Sub Assembly)を、小型のフォームファクタ(Form Factor)の1つであるQSFP-DD(Quad Small Form Factor Pluggable Double Density)で実現する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2020/0150366号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
QSFP-DDにIC-TROSA等の光送受信モジュールを搭載する場合、光電変換回路を含む光電変換用部品と光学部品だけでなく、光電変換回路を制御する制御回路を含む制御用部品をQSFP-DDの筐体に収納する必要がある。また、光送受信モジュールでは、光電変換用部品はMSA(Multi-Source Agreement)で定められた電気インターフェースに応じて配置され、光学部品は光電変換用部品および光インターフェースの位置に合わせて配置される。
【0005】
このため、光送受信モジュール内に光電変換用部品、光学部品および制御用部品を混在して配置する場合、制御用部品を配置する領域は限られ、空いている領域に制御用部品を高密度に実装する必要がある。部品が高密度に実装された光送受信モジュールにおいて制御用部品の不具合が発生した場合、制御用部品の交換等のリワークは困難である。また、光電変換用部品と光学部品とが内蔵される光送受信モジュールは、気密封止される。気密封止された光送受信モジュールでは、部品の不具合の発生時に部品をリワークすることは困難である。リワークができない場合、不具合が発生した光送受信モジュールを廃却せざるを得ない。
【0006】
そこで、本開示は、光電変換回路を制御する制御回路のリワークが容易な光送受信モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の一観点によれば、光送受信モジュールは、受光素子と、発光素子と、前記発光素子から出力される光を変調する光変調器と、を内蔵するパッケージと、複数の第一端子が設けられた裏面を有し、前記受光素子、前記発光素子および前記光変調器の少なくともいずれか一つを制御する、前記複数の第一端子に接続された制御回路が搭載されたリジッド回路基板と、前記複数の第一端子にはんだ付けされた複数の第二端子が表面に設けられた本体部と、前記複数の第二端子に接続される複数の信号配線と、を有するフレキシブル回路基板と、を備え、前記リジッド回路基板は、前記フレキシブル回路基板を介して前記リジッド回路基板の前記裏面が前記パッケージの一面と対向して前記パッケージに固定されるとともに、前記発光素子、前記光変調器および前記受光素子の少なくともいずれか一つは、前記複数の信号配線を介して前記制御回路に電気的に接続される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、光電変換回路を制御する制御回路のリワークが容易な光送受信モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態にかかる光送受信モジュールを有する光トランシーバの構成の一例を示す透過斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3のIC-TROSAの回路構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、IC-TROSAのパッケージを気密封止する前の状態を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、リジッド基板をフレキシブル基板にはんだ付けした後、フレキシブル回路基板の不要部分を切除する工程を示す説明図である。
【
図8】
図8は、制御用部品とスペーサとを搭載したリジッド基板の一例を示す部分断面図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態にかかる光送受信モジュールにおけるフレックスリジッド回路基板の一例を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図9のフレックスリジッド回路基板を裏面から見た状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
〔1〕本開示の一態様にかかる光送受信モジュールは、受光素子と、発光素子と、前記発光素子から出力される光を変調する光変調器と、を内蔵するパッケージと、前記受光素子、前記発光素子および前記光変調器の少なくともいずれか一つを制御する制御回路が搭載されたリジッド回路基板と、複数の信号配線を有するフレキシブル回路基板と、を備え、前記リジッド回路基板は、前記フレキシブル回路基板を介して前記リジッド回路基板の一面が前記パッケージの一面と対向して前記パッケージに接続されるとともに、前記発光素子、前記光変調器および前記受光素子の少なくともいずれか一つは、前記複数の信号配線を介して前記制御回路に電気的に接続される。
【0012】
この光送受信モジュールでは、制御回路と、受光素子、発光素子および光変調器とをそれぞれ独立した異なる領域に配置できるため、制御回路に不具合が発生した場合、制御回路を含む制御用部品を交換するなどのリワークを容易に行うことができる。したがって、光電変換回路を制御する制御回路のリワークが容易な光送受信モジュールを提供することができる。
【0013】
〔2〕上記〔1〕において、前記フレキシブル回路基板は、前記リジッド回路基板と接続される本体部と、前記本体部の一辺に設けられた第1端部と、前記本体部の前記一辺と反対側の一辺に設けられた第2端部と、を有し、前記第1端部および前記第2端部は、それぞれ前記パッケージに接続されていてもよい。これにより、リジッド回路基板の一面に搭載される制御回路の搭載領域をまとまって確保することができる。
【0014】
〔3〕上記〔2〕において、前記パッケージは、前記パッケージの一面に交差する第1側面および第2側面を有し、前記第1端部は、前記第1側面にはんだによって接続され、前記第2端部は、前記第2側面にはんだによって接続されていてもよい。第1端部および第2端部をパッケージの第1側面および第2側面にそれぞれはんだ付けすることで、リジッド回路基板をパッケージに強固に固定することができる。
【0015】
〔4〕上記〔2〕または〔3〕において、前記リジッド回路基板の一面と前記パッケージの一面との間に載置される複数のスペーサを備え、前記複数のスペーサのそれぞれの高さは、前記リジッド回路基板の一面に搭載される前記制御回路を含む制御用部品の高さより高くてもよい。これにより、リジッド回路基板の一面に搭載される制御用部品がパッケージとショートすることを防止することができる。また、リジッド回路基板の裏面に搭載される制御用部品がパッケージに押圧状態で接触することで破損することを防止することができる。
【0016】
〔5〕上記〔4〕において、前記本体部は、内側に開口部を有してもよい。これにより、スペーサをフレキシブル回路基板と衝突させることなく、パッケージに接触させることが可能になり、リジッド回路基板をパッケージ上に確実に支持することが可能になる。
【0017】
〔6〕上記〔5〕において、前記複数のスペーサは、前記開口部を貫通してもよい。複数のスペーサを開口部に貫通させることにより、スペーサをフレキシブル回路基板と衝突させることなく、パッケージに接触させることができる。
【0018】
〔7〕上記〔1〕において、前記リジッド回路基板と前記フレキシブル回路基板とは、一体形成されていてもよい。これにより、回路基板の裏面の部品搭載可能領域を、リジッド回路基板に比べて広くすることができ、制御用部品の搭載効率を向上することができる。また、回路基板へ搭載する制御用部品の配置配線の自由度が増加するため、基板設計を容易にすることができる。
【0019】
〔8〕本開示の別の態様にかかる光トランシーバは、上記〔1〕から〔7〕のいずれかの光送受信モジュールを搭載してもよい。この光トランシーバでは、制御回路と、受光素子、発光素子および光変調器とをそれぞれ独立した異なる領域に配置できるため、制御回路に不具合が発生した場合、制御回路を含む制御用部品を交換するなどのリワークを容易に行うことができる。したがって、光電変換回路を制御する制御回路のリワークが容易な光トランシーバを提供することができる。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の光送受信モジュールおよび光トランシーバの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態は、以下の説明に限定されるものではない。以下の説明では、信号等の情報が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。特に断らない限り、図において矢じりを付けた線は、信号または情報の伝達経路を示す。また、図中に単線で示す信号線は、複数ビットの場合もある。
【0021】
〔第1の実施形態〕
〔光トランシーバの全体構成〕
図1は、第1の実施形態にかかる光送受信モジュールを有する光トランシーバの構成の一例を示す透過斜視図である。例えば、
図1に示す光トランシーバ100は、IC-TROSA200と、ホスト基板300と、IC-TROSA200およびホスト基板300が収納されるQSFP-DD規格に準じた筐体400とを有する。なお、
図1では、IC-TROSA200およびホスト基板300が見えるように、筐体400の一部を透過させている。
【0022】
IC-TROSA200は、図示しない光変調器、受光素子および波長可変レーザ等を含む光電変換回路と、光電変換回路を制御する制御回路とを有する。IC-TROSA200は、光送受信モジュールの一例である。なお、光トランシーバ100に搭載される光送受信モジュールは、IC-TROSA200に限定されない。ホスト基板300は、図示しないホスト装置のコネクタに接続される端子部302を有する。
【0023】
筐体400は、IC-TROSA200の一面側(
図1の下側)に、IC-TROSA200から発生する熱を放出する放熱部402を有する。また、筐体400は、端子部302の反対側に、図示しない光ケーブルが挿入される挿入部404を有する。IC-TROSA200の例は、
図3以降で説明する。
【0024】
図2は、
図1の光トランシーバ100の分解斜視図である。筐体400は、IC-TROSA200およびホスト基板300を収納する収納空間を有する上筐体410と、下筐体420とを有する。光トランシーバ100は、放熱部402を上にして図示しないホスト装置に接続される。これにより、IC-TROSA200から発生した熱を、放熱部402を介して上方(
図2では下方)に逃がすことができる。
【0025】
〔光送受信モジュールの全体構成〕
図3は、
図1のIC-TROSA200を示す斜視図である。IC-TROSA200は、光電変換回路が内蔵される箱状のパッケージ210と、制御回路が搭載される矩形形状のリジッド回路基板220とを有する。また、IC-TROSA200は、パッケージ210に内蔵される回路とリジッド回路基板220に搭載される回路とを電気的に相互に接続するフレキシブル回路基板230を有する。特に限定されないが、例えば、光電変換回路が内蔵されるパッケージ210は、セラミック等で形成され、リジッド回路基板220は、複数の配線層を有するガラスエポキシ基板で形成される。
【0026】
パッケージ210において、長さ方向Lの一端には、図示しない光ケーブルのフェルールが挿入されるスリーブ242、244が取り付けられる。また、パッケージ210において、長さ方向Lの他端には、
図2のホスト基板300に接続するためのフレキシブル回路基板250が接続される。なお、IC-TROSA200において、フレキシブル回路基板250およびスリーブ242、244を除く外形寸法の最大サイズは、MSAにより決められている。MSAで決められたIC-TROSA200のサイズは、幅が最大15.1mm(幅方向Wのサイズ)、長さが最大30mm(長さ方向Lのサイズ)、高さが最大6.5mmである。
【0027】
パッケージ210に実装される光電変換回路とホスト基板300との間では、高周波信号が送受信される。このため、パッケージ210の端子とフレキシブル回路基板250の端子とは、はんだ付けされる。また、フレキシブル回路基板250の端子と図示しないホスト基板300の端子とは、はんだ付けされる。
【0028】
リジッド回路基板220には、パッケージ210内の光電変換回路の動作状態をモニタし、光電変換回路を制御するマイコン222等の制御用部品および他の複数の制御用部品224と、コネクタ226とが実装される。リジッド回路基板220に搭載されるマイコン222は、制御回路の一例である。
【0029】
コネクタ226は、リジッド回路基板220において、長さ方向Lの他端側に取り付けられる。コネクタ226には、一端がホスト基板300に接続されるフレキシブル回路基板240(
図2に示す)の他端が挿抜自在に接続される。なお、リジッド回路基板220には、表面(
図3の上側)だけでなく、裏面にも各種制御用部品が搭載される。
【0030】
リジッド回路基板220の複数の端子(図示せず)は、リジッド回路基板220の裏面側に対向するフレキシブル回路基板230の本体部232に設けられる複数の端子(図示せず)と接続される。リジッド回路基板220とフレキシブル回路基板230との接続は、
図4および
図7で説明する。
【0031】
フレキシブル回路基板230は、リジッド回路基板220の裏面に対向し、リジッド回路基板220の矩形形状とパッケージ210の表面(
図3の上面)の矩形形状とに対応する形状を有する本体部232を有する。また、フレキシブル回路基板230は、フレキシブル回路基板230の表面と反対側に突出する一対の突出部234、236を有する。
【0032】
突出部234、236は、本体部232の幅方向Wの両側であって長さ方向Lに沿う一対の辺にそれぞれ設けられる。突出部234、236は、それぞれ第1端部および第2端部の一例である。各突出部234、236は、長さ方向Lに配列された複数の端子を有する。各突出部234、236の端子は、パッケージ210の幅方向Wの両側のパッケージ210の表面に交差する側面212、214に設けられた端子にはんだ付けされる。フレキシブル回路基板230は、本体部232の複数の端子と突出部234、236の複数の端子とをそれぞれ接続する複数の信号配線を有する。側面212、214は、それぞれ第1側面および第2側面の一例である。
【0033】
フレキシブル回路基板230は、リジッド回路基板220にはんだ付けされ、さらに、パッケージ210にはんだ付けされる。これにより、リジッド回路基板220は、リジッド回路基板220の裏面(一面)をパッケージ210の表面(一面)と対向させてパッケージ210に固定される。そして、パッケージ210に内蔵される光電変換回路は、複数の信号配線を介してリジッド回路基板220に搭載される制御回路に電気的に接続される。
【0034】
図3に示すように、リジッド回路基板220に搭載される制御回路を含む制御用部品は、パッケージ210の外部に露出している。制御用部品と光電変換用部品とをそれぞれ独立した異なる領域に配置することで、制御用部品(制御回路)に不具合が発生した場合、制御用部品を交換するなどのリワークを容易に行うことができる。制御用部品をパッケージ210の外部に配置することで、制御用部品に搭載される制御回路の動作により発生するノイズが、パッケージ210内の光電変換回路に影響することを軽減できる。
【0035】
また、リジッド回路基板220の外形寸法を、パッケージ210の外形寸法と同程度の大きさにすることができる。例えば、リジッド回路基板220の外形寸法は、MSAにより定められたIC-TROSAの最大幅(15.1mm)と最大長さ(30mm)にすることが可能である。このため、制御用部品の配置の自由度と、リジッド回路基板220に形成する配線の自由度とを向上することができ、実装設計(配線レイアウト)を容易することができる。
【0036】
外形寸法の大きいリジッド回路基板220を使用できるため、汎用の制御用部品を使用することができ、IC-TROSA200のコストを低減することができ、開発期間を短縮することができる。さらに、パッケージ210内に制御用部品を配置する必要がないため、光電変換用部品および光学部品のレイアウトの自由度を向上することができ、実装設計を容易にすることができる。
【0037】
これに対して、IC-TROSAのパッケージ内に制御用部品(制御回路)を実装する場合、例えば、複数の制御用部品をASIC(Application Specific Integrated Circuit)等に集積して1チップ化する必要がある。この場合、IC-TROSAのコストは、大幅に上昇する。また、通常、光電変換回路を搭載するパッケージは、気密封止されるため、パッケージ内に搭載された回路の不具合が見つかった場合、不具合が見つかった回路を含む部品をリワークすることは困難である。このため、パッケージ内に搭載された回路の不具合が見つかった場合、パッケージを破棄する必要がある。
【0038】
さらに、IC-TROSAのパッケージ内に制御用部品を搭載するリジッド回路基板を収納する場合、リジッド回路基板のサイズは、リジッド回路基板220に比べて小さくなる。このため、制御用部品の実装効率が低下する。さらに、IC-TROSAのパッケージ内に収納されたリジッド回路基板とパッケージ内の光電変換用部品とを接続するための配線の引き回しおよびはんだ付けは困難である。
【0039】
図4は、
図3の分解斜視図である。フレキシブル回路基板230は、リジッド回路基板220の裏面(一面)に対向する本体部232の幅方向Wの両側に、長さ方向Lに沿ってそれぞれ配列される複数の端子を有する。フレキシブル回路基板230の本体部232の複数の端子は、リジッド回路基板220の裏面に設けられる端子にはんだ付けされる。なお、
図7で説明するように、実際には、フレキシブル回路基板230は、リジッド回路基板220にはんだ付けされた後、不要部分が切除される。
【0040】
リジッド回路基板220、フレキシブル回路基板230の本体部232およびパッケージ210において、長さ方向Lの長さは、幅方向Wの長さより大きい。このため、リジッド回路基板220とフレキシブル回路基板230とを接続するはんだ付け用の端子を長さ方向Lに沿って形成することで、端子を幅方向Wに形成する場合に比べて、多くの端子を形成することができる。
【0041】
このため、長さ方向Lと幅方向Wとに同じ数の端子を形成する場合、長さ方向Lに形成する端子の方がサイズを大きくでき、確実にはんだ付けができる。また、端子間隔も大きくできるため、隣接する端子でのはんだブリッジを防止することができる。
【0042】
また、はんだ付け用の端子を幅方向Wの両側に長さ方向Lに沿って形成することで、
図7に示すように、リジッド回路基板220の裏面の制御用部品の搭載領域をまとまって確保することができる。さらに、長さが幅方向Wに比べて長い長さ方向Lに、フレキシブル回路基板230の突出部234、236を形成することで、リジッド回路基板220をパッケージ210に確実かつ強固に固定することができる。
【0043】
パッケージ210の内部には、光変調器、受光素子および波長可変レーザ等の複数の回路部品216と光学部品とが搭載される。各回路部品216は、パッケージ210の後側の端子部219に設けられた端子に接続され、
図3に示したフレキシブル回路基板250の端子に接続される。パッケージ210は、回路部品216が実装された後、板状のリッド218を被せて気密封止される。
【0044】
リジッド回路基板220には、裏面の四隅付近のそれぞれにスペーサ260が固定されている。
図4に示す例では、スペーサ260は、直方体形状であるが、直方体形状に限定されず、円柱形状等でもよい。スペーサ260の先端(リジッド回路基板220と反対側)は、パッケージ210の一面(すなわち、リッド218上)に接触される。なお、スペーサ260は、リジッド回路基板220の周囲の4カ所に固定されることが好ましいが、固定される位置および数は、
図4に示す例に限定されない。
【0045】
スペーサ260を介してリジッド回路基板220をパッケージ210上に支持することで、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品がパッケージ210と接触することを防止することができる。これにより、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品がパッケージ210とショートすることを防止することができる。また、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品がパッケージ210(リッド218)に押圧状態で接触することで破損することを防止することができる。
【0046】
なお、フレキシブル回路基板230のベースフィルムおよび信号配線は、スペーサ260に対応する位置には設けられない。すなわち、フレキシブル回路基板230の本体部232は、スペーサ260が貫通される開口部237を内部(中央部)に有する。このため、スペーサ260をフレキシブル回路基板230と衝突させることなく、パッケージ210に接触させることができ、リジッド回路基板220をパッケージ210上に確実に支持することができる。
【0047】
そして、リジッド回路基板220の裏面(一面)は、
図3に示したように、フレキシブル回路基板230を介してパッケージ210の上面(一面)と対向した状態で、パッケージ210に固定される。これにより、パッケージ210に搭載される発光素子、光変調器および受光素子等の部品は、フレキシブル回路基板230に設けられる複数の信号配線を介してリジッド回路基板220の前記回路に電気的に接続される。
【0048】
図4に示すように、この実施形態のIC-TROSA200は、制御回路が実装されるリジッド回路基板220と光電変換回路が実装されるパッケージ210とをそれぞれ製造することができ、それぞれを個別に検査することができる。個別に検査したリジッド回路基板220とパッケージ210とを、フレキシブル回路基板230を介して組み立ててIC-TROSA200を製造することで、組み立て後の最終検査での不良率を低減することができる。この結果、例えば、組み立て後に見つかった制御回路の不具合によるリワーク作業を減らすことができる。なお、制御回路を内蔵する制御用部品は、リジッド回路基板220に実装されるため、リワーク作業を容易にすることができる。
【0049】
〔光送受信モジュールの回路構成〕
図5は、
図3のIC-TROSA200の回路構成を示す機能ブロック図である。
図5において、太い破線の矢印は、光信号の伝送経路を示す。また、
図5において、実線の矢印は電気信号(制御信号)を示す。1本で制御信号は、実際には複数の制御信号を含む場合がある。
【0050】
IC-TROSA200のパッケージ210には、波長可変レーザ11、MMI(Multi Mode Interference)素子とフォトダイオードPDとを集積したMMI/PDモジュール12、TIA(Transimpedance Amplifier)13、ドライバ14および光変調器15が内蔵される。また、パッケージ210には、波長可変レーザ11を冷却するTEC(Thermo-Electric Cooler)16および光変調器15を冷却するTEC17が内蔵される。
【0051】
リジッド回路基板220は、マイコン21、電流出力DAC22および電圧出力DAC23等の部品を有する。以下では、電流出力DAC22は、IDAC22とも称し、電圧出力DAC23は、VDAC23とも称する。マイコン21は、
図3のマイコン222に対応する。マイコン21、IDAC22およびVDAC23は、パッケージ210に内蔵される光電変換回路を制御する制御回路の一例である。ホスト基板300は、TECコントローラ31、CPU(Central Processing Unit)32およびDSP(Digital Signal Processor)33を有する。
【0052】
マイコン21は、ホスト基板300のCPU32から受信する制御信号に基づいて動作する。マイコン21は、TEC16の温度を示す温度モニタ信号TH1をTEC16から受信し、受信した温度モニタ信号TH1を、フレキシブル回路基板240を介してTECコントローラ31に出力する。マイコン21は、TEC17の温度を示す温度モニタ信号TH2をTEC17から受信し、受信した温度モニタ信号TH2をTECコントローラ31に出力する。なお、リジッド回路基板220に伝達された温度モニタ信号TH1、TH2は、マイコン21を介さずにTECコントローラ31に直接供給されてもよい。
【0053】
マイコン21は、波長可変レーザ11の状態を示すパワーモニタ信号および波長モニタ信号等の各種モニタ信号PD1を波長可変レーザ11から受信する。マイコン21は、MMI/PDモジュール12の状態を示す各種モニタ信号PD2をMMI/PDモジュール12から受信する。マイコン21は、光変調器15の状態を示す各種モニタ信号PD3を光変調器15から受信する。
【0054】
マイコン21は、SPI(Serial Peripheral Interface)に対応する信号線SPI1を介して、TIA13およびドライバ14を制御する制御信号を出力する。また、マイコン21は、SPIインターフェースに対応する信号線SPI2を介して、IDAC22およびVDAC23を制御する制御信号を出力する。
【0055】
IDAC22は、マイコン21からの制御信号に基づいて、波長可変レーザ11を発振させる電流LDと、波長可変レーザ11の波長を制御する制御信号HT1とを、波長可変レーザ11に出力する。VDAC23は、マイコン21からの制御信号に基づいて、光変調器15を制御するマッハツェンダーバイアスMZVを光変調器15に出力する。
【0056】
波長可変レーザ11は、IDAC22から受信する電流信号HT1に基づいて、所定の波長の光信号を生成し、図示しないビームスプリッタで分割した光信号をMMI/PDモジュール12と光変調器15とに出力する。波長可変レーザ11は、発光素子の一例である。
【0057】
MMI/PDモジュール12は、スリーブ244に接続された光ケーブルから受ける位相変調され、偏波多重された光信号を、例えば、MMI素子による90°ハイブリッドで偏波分離する。MMI/PDモジュール12は、偏波分離した光信号を波長可変レーザ11からの光信号と干渉させた後、フォトダイオードPDにより、X偏波の同相成分Iおよび直交成分Qと、Y偏波の同相成分Iおよび直交成分Qとを検出する。フォトダイオードPDは、検出したX偏波の同相成分Iおよび直交成分Qと、Y偏波の同相成分Iおよび直交成分Qとをそれぞれ電流信号に変換し、変換した電流信号をTIA13に出力する。フォトダイオードPDは、受光素子の一例である。
【0058】
TIA13は、マイコン21からの制御信号に基づいて動作する。TIA13は、MMI/PDモジュール12のフォトダイオードPDから受信するX偏波およびY偏波のそれぞれの同相成分Iの電流信号および直交成分Qの電流信号を増幅し、それぞれの電圧信号を生成する。TIA13は、生成した電圧信号をDSP33に出力する。
【0059】
ドライバ14は、マイコン21からの制御信号に基づいて動作し、DSP33から受信するX偏波およびY偏波のそれぞれの同相成分Iの信号および直交成分Qの信号に基づいて光変調器15を駆動する。
【0060】
光変調器15は、例えば、マッハツェンダー型変調器であり、VDAC23からのX偏波およびY偏波のそれぞれ同相成分I用および直交成分Q用のマッハツェンダーバイアスMZVを受けて動作する。光変調器15は、波長可変レーザ11から出力される光信号を用いて、同相成分Iの信号および直交成分Qの信号を偏波合成することで、位相変調され、偏波多重された光信号を生成する。生成された光信号は、スリーブ242に接続された光ケーブルに出力される。
【0061】
TECコントローラ31は、マイコン21を介して受信する温度モニタ信号TH1に基づいて、TEC16を制御する制御信号TEC1をTEC16に出力する。TECコントローラ31は、マイコン21を介して受信する温度モニタ信号TH2に基づいて、TEC17を制御する制御信号TEC2をTEC17に出力する。CPU32は、IC-TROSA200を制御するとともに、DSP33を制御する。
【0062】
DSP33は、フレキシブル回路基板250を介して、TIA13からX偏波の同相成分Iおよび直交成分Qの電圧信号と、Y偏波の同相成分Iおよび直交成分Qとの電圧信号を受信する。DSP33は、受信した電圧信号に基づいて、並列の高速受信データ信号を(デジタル信号)を生成し、生成した高速受信データ信号を図示しないホスト装置に出力する。
【0063】
また、DSP33は、並列の高速送信データ信号(デジタル信号)をホスト装置から受信する。DSP33は、受信した並列の高速送信データ信号を、X偏波の同相成分Iおよび直交成分Qの信号と、Y偏波の同相成分Iの信号および直交成分Qの信号に変換する。DSP33は、変換したX偏波およびY偏波の同相成分Iの信号および直交成分Qの信号をドライバ14に出力する。
【0064】
〔光送受信モジュールのパッケージの構成〕
図6は、IC-TROSA200のパッケージ210を気密封止する前の状態を示す分解斜視図である。パッケージ210の内部に設けられた収納空間には、
図5に示した波長可変レーザ11、MMI/PDモジュール12、TIA13、ドライバ14、光変調器15およびTEC16、17等の複数の回路部品216が搭載される。
【0065】
パッケージ210の内部に回路部品216が搭載された後、パッケージ210の開口部にリッド218が載置され、パッケージ210が気密封止される。気密封止されたパッケージ210を壊すことなく、パッケージ210からリッド218を取り外すことは困難である。したがって、一度気密封止されたパッケージ210の回路部品216をリワークすることは困難である。
【0066】
〔リジッド回路基板とフレキシブル回路基板との接続〕
図7は、リジッド回路基板220にフレキシブル回路基板230をはんだ付けした後、フレキシブル回路基板230の不要部分を切除する例を示す説明図である。フレキシブル回路基板230の本体部232の不要部分については、切除して除去してもよい。
【0067】
例えば、リジッド回路基板220の裏面に、各種の制御用部品271、272とスペーサ260と、フレキシブル回路基板230の端子とがはんだ付けされ、
図7の左側に示す状態になる。フレキシブル回路基板230は、各種の制御用部品271、272とともにリジッド回路基板220にはんだ付けされてもよく、各種の制御用部品271、272とは別にリジッド回路基板220にはんだ付けされてもよい。
【0068】
この後、フレキシブル回路基板230において、リジッド回路基板220の長さ方向Lの両端に位置する不要部分が切除される。切除する不要部分は、リジッド回路基板220の端子にはんだ付けされる端子を含まない領域であり、幅方向Wに延在する領域231A、231Bである。領域231A、231Bを切除して除去することにより、本体部232は、リジッド回路基板220の端子にはんだ付けされる端子を含む端子領域238、239により分離して構成される。
【0069】
突出部234、236が連結されたフレキシブル回路基板230をリジッド回路基板220にはんだ付けした後に、フレキシブル回路基板230の不要部分を切除することで、突出部234、236の端子の位置精度が低下することを防止することができる。ここで、端子の位置精度は、長さ方向Lのずれと、突出部234、236の幅方向Wの間隔のずれとを含む。これに対して、突出部234、236をそれぞれ有する2枚のフレキシブル回路基板をリジッド回路基板220にそれぞれはんだ付けする場合、突出部234、236の端子の位置精度が低下するおそれがある。
【0070】
〔リジッド回路基板へのスペーサの配置〕
図8は、制御用部品271、272とスペーサ260とを搭載したリジッド回路基板220の一例を示す部分断面図である。例えば、スペーサ260は、リジッド回路基板220にはんだ付けされたときの高さH1が、リジッド回路基板220の裏面(
図8の上側)に搭載される全ての制御用部品のはんだ付け後の高さより高くなるように設計される。
【0071】
図8に示す例では、スペーサ260の高さH1は、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品のうち、最も背が高い制御用部品271の高さH2よりも高い。これにより、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品がパッケージ210とショートすることを防止することができる。また、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品がパッケージ210に押圧状態で接触することによる破損を防止することができる。
【0072】
以上、この実施形態では、光電変換回路を制御する制御回路をパッケージ210の外部に配置されるリジッド回路基板220に実装することで、制御回路に不具合が発生した場合、制御回路が搭載される制御用部品を交換するなどのリワークを容易に行うことができる。したがって、光電変換回路を制御する制御回路のリワークが容易な光送受信モジュール200および光トランシーバ100を提供することができる。また、制御用部品をパッケージ210の外部に配置することで、制御用部品に搭載される制御回路の動作により発生するノイズが、パッケージ210内の光電変換回路に影響することを軽減できる。
【0073】
リジッド回路基板220をパッケージ210の外部に配置することで、リジッド回路基板220のサイズを大きくすることができる。この結果、制御回路が搭載される制御用部品の配置の自由度と、リジッド回路基板220に形成する配線の自由度とを向上することができ、実装設計(配線レイアウト)を容易することができる。汎用の制御用部品を使用できるため、IC-TROSA200のコストを低減することができ、開発期間を短縮することができる。
【0074】
リジッド回路基板220およびフレキシブル回路基板230において、はんだ付け用の端子を幅方向Wの両側に長さ方向Lに沿って形成することで、リジッド回路基板220をパッケージ210に確実かつ強固に固定することができる。
【0075】
スペーサ260を介してリジッド回路基板220をパッケージ210上に支持することで、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品がパッケージ210と接触することを防止することができる。これにより、リジッド回路基板220の裏面に搭載される制御用部品のパッケージ210とのショートと、パッケージ210との接触による破損とを防止することができる。フレキシブル回路基板230に開口部237を設けることで、スペーサ260をフレキシブル回路基板230と衝突させることなく、パッケージ210に接触させることができ、リジッド回路基板220をパッケージ210上に確実に支持することができる。
【0076】
〔第2の実施形態〕
〔フレックスリジッド回路基板による構成例〕
図9は、第2の実施形態にかかる光送受信モジュールにおけるフレックスリジッド回路基板の一例を示す斜視図である。上述した実施形態と同様の要素については同じ符号を付している。
【0077】
この実施形態では、
図4に示したリジッド回路基板220とフレキシブル回路基板230の代わりに、
図9に示すフレックスリジッド回路基板280を使用して光送受信モジュールが形成される。フレックスリジッド回路基板280は、リジッド回路基板の多層配線層の一層にフレキシブル回路基板を形成したハイブリッド回路基板である。すなわち、フレックスリジッド回路基板280は、
図4のリジッド回路基板220とフレキシブル回路基板230とを一体形成することにより実現される。
【0078】
光送受信モジュールにおいて、フレックスリジッド回路基板280を除く構成は、
図1から
図6と同様である。すなわち、フレックスリジッド回路基板280を使用した光送受信モジュールは、
図3から
図6と同様であり、フレックスリジッド回路基板280を使用した光送受信モジュールを含む光トランシーバは、
図1および
図2と同様である。
【0079】
フレックスリジッド回路基板280は、リジッド回路基板部220Aおよびフレキシブル回路基板部230Aを有する。リジッド回路基板部220Aの長さ方向Lのサイズおよび幅方向Wのサイズは、
図3に示したリジッド回路基板220のサイズと同様である。また、リジッド回路基板部220Aに搭載される制御用部品(222、224等)およびコネクタ226は、
図3と同じである。
【0080】
フレキシブル回路基板部230Aは、
図3および
図4に示すフレキシブル回路基板230と同様に、一対の突出部234、236を有する。突出部234、236に設けられた端子は、
図3と同様に、図示しないパッケージ210の両側面212、214に設けられた端子にはんだ付けされる。
【0081】
図10は、
図9のフレックスリジッド回路基板280を裏面から見た状態を示す斜視図である。
図10と
図7とを比較すると分かるように、フレックスリジッド回路基板280では、リジッド回路基板部220Aとフレキシブル回路基板部230Aとを電気的および機械的に接続するはんだ付け用の端子を不要にできる。これにより、フレックスリジッド回路基板280では、回路基板の裏面の部品搭載可能領域を、
図7に比べて広くすることができ、フレックスリジッド回路基板280への制御用部品の搭載効率を向上することができる。また、フレックスリジッド回路基板280へ搭載する制御用部品の配置配線の自由度が増加するため、基板設計を容易にすることができる。
【0082】
以上、この実施形態において、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、光電変換回路を制御する制御回路のリワークが容易な光送受信モジュールおよび光トランシーバを提供することができる。さらに、この実施形態では、フレックスリジッド回路基板280への制御用部品の搭載効率を、
図7のリジッド回路基板220への制御用部品の搭載効率に比べて向上することができる。また、フレックスリジッド回路基板280へ搭載する制御用部品の配置配線の自由度が増加するため、基板設計を容易にすることができる。
【0083】
以上、本開示の実施形態などについて説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範囲内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0084】
11 波長可変レーザ
12 MMI/PDモジュール
13 TIA
14 ドライバ
15 光変調器
16、17 TEC
21 マイコン
22 電流出力DAC
23 電圧出力DAC
31 TECコントローラ
32 CPU
33 DSP
100 光トランシーバ
200 IC-TROSA
210 パッケージ
212、214 側面
216 回路部品
218 リッド
219 端子部
220 リジッド回路基板
220A リジッド回路基板部
222 マイコン
224 制御用部品
226 コネクタ
230 フレキシブル回路基板
230A フレキシブル回路基板部
231A、231B 領域
232 本体部
234、236 突出部
237 開口部
238、239 端子領域
240 フレキシブル回路基板
242、244 スリーブ
250 フレキシブル回路基板
260 スペーサ
271、272 制御用部品
280 フレックスリジッド回路基板
H1、H2 高さ
HT1 電流信号
L 長さ方向
LD 制御信号
MZV マッハツェンダーバイアス
PD フォトダイオード
PD1、PD2、PD3 モニタ信号
SPI1、SPI2 信号線
TEC1、TEC2 制御信号
TH1、TH2 温度モニタ信号
W 幅方向
300 ホスト基板
302 端子部
400 筐体
402 放熱部
404 挿入部
410 上筐体
420 下筐体