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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】サーバ、プログラム及び判定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0834 20230101AFI20250319BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20250319BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20250319BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
G06Q10/0834
G06Q10/06
B65G61/00 540
A61B5/11 200
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021025367
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127300
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】中村 文宣
【審査官】橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-073462(JP,A)
【文献】特開2017-033393(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208363(WO,A1)
【文献】特許第5170745(JP,B2)
【文献】特開2020-017050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と通信を行う通信部と、
前記通信部が受信した情報に基づいて前記電子機器又はユーザが身体に装着する装着型電子機器の所持状態に関する所持状態情報を取得する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により前記電子機器から受信した当該電子機器の現在位置を示す第1位置情報と前記所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定し、ユーザが所持していないことを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器よりも、ユーザが所持していることを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器を優先的に前記配送発注の対象に設定することを特徴とするサーバ。
【請求項2】
サーバに、
電子機器と通信を行う通信処理機能と、
前記通信処理機能によって受信した情報に基づいて前記電子機器又はユーザが身体に装着する装着型電子機器の所持状態に関する所持状態情報を取得する配達員選定機能と、を実行させ、
前記配達員選定機能は、前記通信処理機能により前記電子機器から受信した当該電子機器の現在位置を示す第1位置情報と前記所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定し、ユーザが所持していないことを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器よりも、ユーザが所持していることを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器を優先的に前記配送発注の対象に設定することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
サーバが実行する所持状態の判定方法であって、
電子機器と通信を行う通信処理ステップと、
前記通信処理ステップによって受信した情報に基づいて前記電子機器又はユーザが身体に装着する装着型電子機器の所持状態に関する所持状態情報を取得する配達員選定ステップと、を実行させ、
前記配達員選定ステップでは、前記電子機器から受信した当該電子機器の現在位置を示す第1位置情報と前記所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定し、ユーザが所持していないことを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器よりも、ユーザが所持していることを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器を優先的に前記配送発注の対象に設定する判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、プログラム及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配達員の候補者の位置情報をサーバが取得して、商品を受け取る店の近くにいる配達員を選出する仕組みが知られている。位置情報は、配達員の所持するスマートフォン等の電子機器から送信されるので、商品を受け取る店の近くにいる配達員が優先的に選択され、配送時間を短縮することができる。この種の技術が記載されているものとして特許文献1がある。
【0003】
特許文献1は、一般ユーザを商品の配達者にできる仕組みを提供する情報処理装置に関するものである。特許文献1には、配達員端末から受信する配達要求が有する商品識別子と対になる店舗位置情報に対して、予め決められた関係を有する候補者位置情報と対になる連絡先情報を取得し、候補者にオファー情報を送信する情報処理装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-17050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、配達員が所持する電子機器の位置情報に基づいて配達員を選出する方式の場合、商品を受け取る店の近くに電子機器を固定しておけば、その電子機器の所持者である配達員が優先的に選出されてしまうことになる。悪意のある配達員が中継端末を利用することにより、配達員は店の近くにいなくても発注を受けることができるので配達の遅延を招いてしまう。
【0006】
本発明は、配達員が商品を受け取る店の近くにいるか否かを適切に判定できるサーバ、プログラム及び判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のサーバは、電子機器と通信を行う通信部と、前記通信部が受信した情報に基づいて前記電子機器又はユーザが身体に装着する装着型電子機器の所持状態に関する所持状態情報を取得する制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により前記電子機器から受信した当該電子機器の現在位置を示す第1位置情報と前記所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定し、ユーザが所持していないことを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器よりも、ユーザが所持していることを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器を優先的に前記配送発注の対象に設定する
【発明の効果】
【0008】
本発明のサーバ、プログラム及び判定方法によれば、配達員が商品を受け取る店の近くにいるか否かを適切に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバが適用される配送システムの模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバのハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバの機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る配達員端末のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る配達員端末の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ、配達員端末及びウェアラブル端末による配送処理を説明する模式図である。
図9】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバによる配送処理の流れの一例を示すフローチャートの前半である。
図10】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバによる配送処理の流れの一例を示すフローチャートの後半である。
図11】本発明の一実施形態に係る配達員端末による配送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末による配送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ及び配達員端末による配送処理を説明する模式図である。
図14】本発明の一実施形態に係る配送管理サーバによる配送処理の流れの一例を示すフローチャートの後半である。
図15】本発明の一実施形態に係る配達員端末による配送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
<配送システム>
配送システムSの概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ10が適用される配送システムSの模式図である。なお、ここでいうシステムは、複数の装置や複数の手段等により構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0012】
本実施形態の配送システムSは、配送を管理する配送管理サーバ10によって実現される。配送管理サーバ10は、インターネット等のネットワーク1を介して注文者端末200から指定の店100の商品の配送注文を受け付ける。配送管理サーバ10は、ネットワーク1を介して店100に設置される店側端末101に注文情報を送信するとともに、配達員端末30に配送に関する情報を送信する。また、配送管理サーバ10は、配送処理後に、注文者端末200に配送状況を示す情報を送信する。
【0013】
配送管理サーバ10は、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のコンピュータであってもよいし、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
【0014】
配達員端末30は、配達員が所持する第1の電子機器である。配達員端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯可能なコンピュータである。ウェアラブル端末60は、例えば、スマートウォッチ等の装着型電子機器である。ウェアラブル端末60は、配達員端末30とペアリングを行って各種の情報の送受信を行う。
【0015】
注文者端末200は、注文者が所持する電子機器である。注文者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯可能なコンピュータやデスクトップ等の据え置き型のコンピュータである。
【0016】
店側端末101は、店100に設置される端末である。店側端末101は、スマートフォン、タブレット等の携帯可能なコンピュータやデスクトップ等の据え置き型のコンピュータである。
【0017】
<配送管理サーバ>
次に、配送管理サーバ10の一例について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ10のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0018】
配送管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入力部14と、出力部15と、記憶部16と、通信部17と、を備える。
【0019】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス18を介して相互に接続されている。CPU11は、CPU11は、ROM12に記録されているプログラム又はRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0020】
バス18は入出力インターフェース19にも接続される。入出力インターフェース19には、入力部14と、出力部15と、記憶部16と、通信部17と、が接続されている。
【0021】
入力部14及び出力部15は、有線又は無線により電気的に入出力インターフェース19に接続されるユーザインターフェースである。入力部14は例えばキーボードやマウス等によって構成され、出力部15は、画像を表示するディスプレイや音声を拡声するスピーカ等によって構成される。なお、出力部15及び入力部14は、タッチパネルのように表示機能と入力機能が一体的な構成であってもよい。
【0022】
記憶部16は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成され、配送管理サーバ10の種々のデータを保存する装置である。
【0023】
通信部17は、CPU11が、インターネット等のネットワークを介して他のコンピュータとの間で通信を行う装置である。
【0024】
次に、配送管理サーバ10の機能的構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ10の機能的構成のうち、配送管理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0025】
配送管理サーバ10の各種の制御を行う制御部20は、演算処理を実行するCPU11によって実現される。
【0026】
また、記憶部16には、配送拠点データベース25、配達員データベース26及び注文者データベース27が構築される。配送拠点データベース25には、予め登録される店100の店側端末101の接続先、店100の位置、商品等に関する情報が格納される。また、配達員データベース26には、予め登録される配達員が所持する配達員端末30に関する情報等が格納されており、注文者データベース27には、注文者が指定した商品に関する情報、商品を受け取る位置に関する受取位置情報、決済情報等が格納される。
【0027】
本実施形態の制御部20は、通信処理部(通信処理機能)21と、注文処理部(注文処理機能)22と、配達員選定部(配達員選定機能)23と、配送処理部(配送処理機能)24と、を有する。
【0028】
通信処理部21は、通信部17を介して外部の機器と通信するための処理を実行する。例えば、通信処理部21は、配送管理サーバ10に接続される注文者端末200や配達員端末30と各種の情報を送受信するための処理を実行する。
【0029】
注文処理部22は、注文者端末200からの商品の配送を受け付けるための処理を実行する。例えば、注文処理部22は、注文者によって指定された店100及び商品に関する注文情報を注文者端末200から受け付けると、配送拠点データベース25を参照し、指定された店側端末101に対して注文情報を送信する。また、注文処理部22は、商品の購入に関する処理も実行する。
【0030】
配達員選定部23は、記憶部16に構築される配達員データベース26と注文者データベース27を参照し、候補の配達員を複数抽出する。配達員選定部23は、複数の配達員の位置情報をそれぞれ取得し、所定の基準に基づいて配達員を選定する処理を実行する。この配達員を選定する処理については後述する。
【0031】
配送処理部24は、配達員選定部23が選定した配達員の配達員端末30から配送状況に関する情報を受信し、注文者端末200に配送状況に関する情報を送信する処理を実行する。
【0032】
<配達員端末>
次に、配達員端末30の一例について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る配達員端末30のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0033】
本実施形態の配達員端末30は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、入力部34と、出力部35と、記憶部36と、通信部37と、GNSS部38と、加速度センサ39と、バッテリ41と、バス42と、入出力インターフェース43と、近距離通信部45と、を備えるコンピュータである。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。
【0034】
配達員端末30の通信部37は、ネットワーク1に接続するインターネット回線のための第1無線通信部である。
【0035】
GNSS部38は、位置情報を取得するための測位情報取得部である。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略称であり、GNSS部38はGPS等の衛星測位システムを利用する。GNSS部38は、アンテナを含み、複数の測位衛星から送信される測位衛星信号に基づいて測位を行って自身の位置を特定する。
【0036】
加速度センサ39は、任意の方向の移動と加速度を検出する装置である。例えば、加速度センサ39は、静電容量型或いはピエゾ抵抗素子型の3軸センサであり、3軸方向のそれぞれに生じる加速度を検出する。
【0037】
バッテリ41は、配達員端末30に電力を供給する。例えば、バッテリ41はリチウムイオン電池によって構成される。
【0038】
近距離通信部45は、ウェアラブル端末60と通信を行う第2無線通信部である。近距離通信部45は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi-Fi(Wireless Fidelity)の通信規格に基づいた通信方式でウェアラブル端末60と通信を行う。
【0039】
次に、配達員端末30の機能的構成について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る配達員端末30の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。
【0040】
配達員端末30の各種の制御を行う制御部50は、演算処理を実行するCPU31によって実現される。本実施形態の制御部50は、通信処理部(通信処理機能)51と、表示処理部(表示処理機能)52と、入力処理部(入力処理機能)53と、位置情報取得部(位置情報取得機能)54と、所持状態判定部(所持状態判定機能)55と、を有する。
【0041】
通信処理部51は、通信部37を介して配送管理サーバ10と各種の情報をやり取りする処理を実行し、近距離通信部45を介してウェアラブル端末60と各種の情報をやり取りする処理を実行する。
【0042】
表示処理部52は、配達員端末30の出力部35に画像を表示するための処理を実行する。例えば、表示処理部52は、配送管理サーバ10から取得した情報に基づいて配達員端末30に配送に関する情報を表示する処理を実行する。
【0043】
入力処理部53は、ユーザ(配達員)による入力部34の操作を受け付ける処理を実行する。例えば、入力処理部53は、出力部35に表示された情報に基づいて配達員が配送を受任することを示す操作が行われたことを受け付ける処理を実行する。
【0044】
位置情報取得部54は、GNSS部38が検出する測位信号に基づいて配達員端末30の現在位置を示す第1位置情報を取得する処理を実行する。
【0045】
所持状態判定部55は、配達員が配達員端末30を実際に所持しているか否かを示す所持状態情報を取得する。なお、ここでいう「所持状態」は、実際にユーザである配達員が配達員端末30を手に持っていたり、配達員の衣服のポケットに配達員端末30を収容していたりするような身に着けている状態に限定されるわけではない。例えば、配達員が所持する鞄に配達員端末30を入れていたり、配達員が配達に使う自転車、二輪自動車、四輪自動車等の移動手段に配達員端末30を固定したり、当該移動手段の中に配達員端末430を置いてある状態等も「所持状態」に含まれるものとする。また、ユーザの移動とともに配達員端末30が移動する状態や配達員端末30がウェアラブル端末60と近距離無線通信で通信可能な位置にある状態を所持状態ということもできる。所持状態判定部55が、所持状態情報を取得するための処理についても後述する。
【0046】
<電子機器>
次に、ウェアラブル端末60の一例について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末60のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0047】
本実施形態のウェアラブル端末60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、入力部64と、出力部65と、記憶部66と、通信部67と、GNSS部68と、加速度センサ69と、生体センサ70と、バッテリ71と、バス72と、入出力インターフェース73と、近距離通信部75と、を備えるコンピュータである。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。
【0048】
配達員端末30が備えていない構成である生体センサ70について説明する。生体センサ70は、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得装置である。生体情報は、ユーザの脈拍やウェアラブル端末60がユーザの皮膚に接触しているか否か等である。
【0049】
本実施形態の生体センサ70は、ウェアラブル端末60の裏面(ユーザに接触する面)側に配置される。生体センサ70は、例えば、光学式のものや電流に基づく電流検知式のものが用いられる。光学式の場合、生体センサ70は、ユーザの皮膚に光を照射し、その反射光を測定すること等により、ユーザの生体情報を検出する。電流検知式の場合、生体センサ70は、ユーザの皮膚の微弱電流を直接検出することによって生体情報を取得したり、微弱な電流を皮膚に流して心拍を計測する生体インピーダンス法等を利用して生体情報を取得したりする。
【0050】
次に、ウェアラブル端末60の機能的構成について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末60の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。
【0051】
ウェアラブル端末60の各種の制御を行う制御部80は、演算処理を実行するCPU61によって実現される。本実施形態の制御部80は、通信処理部(通信処理機能)81と、表示処理部(表示処理機能)82と、入力処理部(入力処理機能)83と、位置情報取得部(位置情報取得機能)84と、生体情報取得部(生体情報取得機能)85と、所持状態判定部(所持状態判定機能)86と、を有する。
【0052】
通信処理部81は、通信部67を介して配送管理サーバ10と各種の情報をやり取りする処理を実行し、近距離通信部75を介して配達員端末30と各種の情報をやり取りする処理を実行する。
【0053】
表示処理部82は、ウェアラブル端末60の出力部65に画像を表示するための処理を実行する。例えば、表示処理部82は、配達員端末30から取得した情報を表示したり、後述する生体情報取得部85が取得した情報を表示したりする処理を実行する。
【0054】
入力処理部83は、ユーザ(配達員)による入力部64の操作を受け付ける処理を実行する。例えば、入力処理部83は、出力部65に表示された情報に基づいて表示する情報を切り替える処理等を実行する。
【0055】
位置情報取得部84は、GNSS部68が検出する測位信号に基づいてウェアラブル端末60の現在位置を示す第2位置情報を取得する処理を実行する。
【0056】
生体情報取得部85は、生体センサ70から取得する信号に基づいてユーザの脈拍を示す情報や、ユーザがウェアラブル端末60を身に着けているか否かを示す情報等の生体情報を取得する。
【0057】
所持状態判定部86は、配達員が配達員端末30を実際に所持しているか否かを判定するための処理を実行する。この処理について後述する。
【0058】
<配送処理の例>
次に、配送処理の例について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ10、配達員端末30及びウェアラブル端末60による配送処理を説明する模式図である。以下の説明において、配達員Aが所持する配達員端末30を配達員端末30aとし、配達員Bが所持する配達員端末30を配達員端末30bとして説明する。
【0059】
図8に示すように、配達員Aは、配達員端末30aとウェアラブル端末60を実際に所持している。これに対して配達員Bは、配達員端末30bを実際に所持するとともに、現在位置を偽装するため店100の近くに中継端末130を固定しているものとする。この中継端末130は、現在位置情報を取得する機能と、配送管理サーバ10からの位置情報の要請に対して中継端末130の位置情報を応答することができる機能と、を有するコンピュータである。
【0060】
配送管理サーバ10の通信処理部21は、注文者Cの注文者端末200から配送管理サーバ10に対し、店100の商品を注文者Cの自宅まで配送する依頼を示す注文情報を受信すると、配送処理を開始する。
【0061】
図9及び図10を参照し、配送管理サーバ10の配送処理について説明する。図9は本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ10による配送処理の流れの一例を示すフローチャートの前半であり、図10はフローチャートの後半である。
【0062】
図9に示すように、配送管理サーバ10の注文処理部22が配送管理サーバ10から配送要請を示す情報を受信すると(ステップS10)、配達員選定部23が、複数の配達員端末30に対してそれぞれの現在位置を問い合わせるための情報を送信する(ステップS11)。複数の配達員端末30は、配達員データベース26に登録される配達員端末30であり、配達員端末30aや配達員端末30bが含まれるものとする。
【0063】
配達員選定部23は、複数の配達員端末のそれぞれから現在位置情報を取得する(ステップS12)と、それぞれの現在位置情報に基づいて候補となる配達員端末30のリストの並べ替え処理を行う(ステップS13)。この並べ替え処理では、店100に近い位置であればあるほど、リストの上位に位置することなる。
【0064】
次に、配達員選定部23は、最も近い配達員端末30を選択する(ステップS14)。図8の例では、配達員端末30bは、配達員端末30aよりも店100から遠い位置にあるものの、中継端末130が配達員端末30aよりも店100に近い位置にあるため、この時点では配達員端末30bが配達員端末30aよりも上位になる。
【0065】
次に、配達員選定部23は、配達員が配達員端末30とともにウェアラブル端末60を所持しているか否かを判定する(図10のステップS15)。図8の例では、配達員Bの中継端末130はウェアラブル端末60とペアリングしていないので、ウェアラブル端末60を所持していないと判定される。一方、配達員Aの配達員端末30aは、ウェアラブル端末60とペアリングを行っているので(ステップS15;Yes)、ウェアラブル端末60を所持していると判定される。
【0066】
ウェアラブル端末60を所持している場合、配達員選定部23は、配達員端末30が所持する現在位置情報とウェアラブル端末60が所持する現在位置が一致するか否かを判定する(ステップS16)。ここでいう一致とは、完全に一致する場合だけではなく、配達員端末30の現在位置とウェアラブル端末60の現在位置が同じ場所にあるとみなせる範囲の場合も含まれる。図8の例では、配達員Aは配達員端末30aとウェアラブル端末60の両方を実際に所持しているので、配達員端末30aの第1位置情報と、ウェアラブル端末60の第2位置情報と、が一致することになる(ステップS16;Yes)。
【0067】
配達員端末30aの第1位置情報と、ウェアラブル端末60の第2位置情報と、が一致する場合、配達員選定部23は、ウェアラブル端末60によって取得される心拍に関するデータが正常であるか否かを判定する(ステップS17)。心拍に関するデータが正常の場合、配達員選定部23は、配達員端末30に対して配送を依頼する配送発注情報を送信する(ステップS18)。
【0068】
次に、ステップS15、ステップS16、ステップS17の判定処理の何れかでNoと判定された場合について説明する。ステップS15、ステップS16、ステップS17の判定処理の何れか1つでもクリアできなかった場合、処理はステップS19に移行する(ステップS15;No、ステップS16;No、ステップS17;No)。
【0069】
ステップS19では、配達員選定部23が、ステップS15~ステップS17の判定を行った配達員端末30が最終の配達員端末30か否かを判定する。ここでいう最終の配達員端末30は、現在位置に基づくリストの最下位の配達員端末30のことである。
【0070】
最終の配達員端末30ではなかった場合は、次に有力な候補である配達員端末30をリストから選択する(ステップS21)。配達員選定部23は処理をステップS15に戻し、新たに選択された配達員端末30に対してステップS15の判定処理が実行される。図8の例では、配達員端末30bの後、配達員端末30aに対してステップS15~ステップS17の判定が行われることになる。配達員端末30aがステップS15~ステップS17の判定で全てYesと判定されれば、配達員端末30aが配送発注を受けることになる。
【0071】
ステップS19において、最終の配達員端末30だった場合は、判定処理を行う対象がなくなったことになるので、配達員選定部23は、処理をステップS20に進める(ステップS19;Yes)。そして、配達員選定部23は、店100に最も近い配達員端末30を選択し(ステップS20)、選択した配達員端末30に対して配送発注する(ステップS18)。この場合、複数の配達員端末30の全てがステップS15~ステップS17の判定をクリアできなかったことになり、現在位置だけに基づいて配送発注を行う配達員端末30が選択されることになる。
【0072】
次に、配達員Aが所持する配達員端末30a側の処理について説明する。図11は、本発明の一実施形態に係る配達員端末30aによる配送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
配達員端末30aの通信処理部51が配送管理サーバ10から現在位置の問合わせを示す情報を受信すると(ステップS101)、所持状態判定部55がウェアラブル端末60の接続状況を確認する(ステップS102)。例えば、所持状態判定部55は、BLEを通じて通信可能なウェアラブル端末60があるか否かを判定する。
【0074】
所持状態判定部55は、ウェアラブル端末60との通信が可能であることを確認すると(ステップS102;Yes)、ウェアラブル端末60に対して現在位置を示す第2位置情報と、所持状態を示す所持状態情報を要求する(ステップS103)。
【0075】
所持状態判定部55は、ウェアラブル端末60から第2位置情報及び所持状態情報を受信する(ステップS104)。例えば、所持状態情報は、ウェアラブル端末60が取得した生体情報でもよいし、ウェアラブル端末60が心拍等に関する生体情報に基づいて判定した判定結果でもよい。なお、生体情報には、心拍等のデータが正常に測定されたことを含むデータだけではなく、生体情報が取得できなかったことを示す情報も含まれるものとする。
【0076】
次に、位置情報取得部54は、GNSS部38が受信した測位信号に基づいて生成される自機の現在位置を示す第1位置情報を取得する(ステップS105)。そして、所持状態判定部55は、所持状態情報を配送管理サーバ10に回答として送信する(ステップS106)。例えば、配送管理サーバ10に送信される所持状態情報は、第1位置情報、第2位置情報及び生体情報に基づいて所持状態判定部55が判定した判定結果である。また、第1位置情報、第2位置情報及び生体情報を所持状態情報として配送管理サーバ10に送信し、配送管理サーバ10側で所持状態の判定を行ってもよい。
【0077】
次に、配達員Aが所持し、配達員端末30aと通信するウェアラブル端末60側の処理について説明する。図12は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末60による配送処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0078】
ウェアラブル端末60の通信処理部81が配達員端末30aから現在位置の問合わせを示す情報を受信すると(ステップS201)、位置情報取得部84は、GNSS部68が受信した測位信号に基づいて生成されるウェアラブル端末60の現在位置を示す第2位置情報を取得する(ステップS202)。そして、生体情報取得部85が生体センサ70の検出値に基づく生体情報を取得する(ステップS203)。例えば、生体情報は、心拍データ等である。
【0079】
次に、所持状態判定部86は、第2位置情報及び生体情報に基づく所持状態情報を回答として配達員端末30aに送信する(ステップS204)。配達員端末30a側での所持状態情報の処理については上述の通りである。
【0080】
以上説明した例では、配達員Aがウェアラブル端末60を所持している例を説明した。次に、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。図13は、本発明の一実施形態に係る配送管理サーバ10及び配達員端末30cによる配送処理を説明する模式図である。なお、以下の説明において既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称又は符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0081】
図13の実施形態では、配達員Aがウェアラブル端末60を所持していない点が図8の例とは異なっている。この例では、配達員Aが所持する配達員端末30cが、加速度センサ39によって配達員Aの体動を検出し、配達員Aの体動に基づいて配達員Aが配達員端末30cを実際に所持しているか否かを判定する。即ち、配達員端末30cが単独で所持状態の判定を行うことになる。
【0082】
次に、図14を参照して配送管理サーバ10側での処理を説明する。図14は、本発明の一実施形態に係る配送管理サーバによる配送処理の流れの一例を示すフローチャートの後半である。図14のフローチャートは、図10のフローチャートと基本的には同じ流れである。ステップS15においてウェアラブル端末60なしと判定された場合に(ステップS15;No)、ステップS30の処理が追加されている点が図10のフローチャートと異なっている。
【0083】
ステップS30では、配達員選定部23が配達員端末30cから送信されてきた情報の中に体動情報が含まれていたか否かを判定する(ステップS30)。体動情報が含まれていた場合(ステップS30;Yes)、ユーザが所持しているとみなすことができるので、配達員選定部23は処理をステップS18の配送発注を行う処理に移行させる。体動情報が含まれていなかった場合(ステップS30;No)、配達員選定部23は、処理をステップS19の処理に移行させる。ステップS19以降の処理は上述の通りである。
【0084】
次に、図15を参照して配達員端末30c側での処理を説明する。図15は、本発明の一実施形態に係る配達員端末30cによる配送処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートは、図11のフローチャートと基本的には同じ流れである。ステップS102においてウェアラブル端末60との接続ありと判定されなかった場合に(ステップS102;No)、ステップS130、ステップS131の処理が追加されている点が図11のフローチャートと異なっている。
【0085】
ステップS130では、所持状態判定部55が体動情報を有しているか否かを判定する(ステップS130)。例えば、所持状態判定部55は、加速度センサ39により取得された直近の加速度を調べ、配達員端末30c直近まで加速度を検出していた場合に配達員Aが持ち歩いていると判定する。
【0086】
ステップS130で体動情報を有している場合(ステップS130;Yes)、所持状態判定部55は体動情報に基づく所持状態情報を設定する(ステップS131)。次に、所持状態判定部55は、処理をステップS115の処理に移行させて第1位置情報を取得する。そして、所持状態判定部55は、第1位置情報とともに体動情報を配送管理サーバ10に送信するステップS116の処理を実行する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態の配達員端末30は、配送管理サーバ10と通信する通信部37と、自機の現在位置を示す第1位置情報を取得するGNSS部38と、配達員(ユーザ)の生体情報を取得する近距離通信部45又は体動情報を取得する加速度センサ39と、近距離通信部45により取得された生体情報又は加速度センサ39によって取得された体動情報に基づいて自機がユーザによって所持されているか否かを示す所持状態情報を取得する制御部50と、を備える。制御部50は、第1位置情報とともに、制御部50が判定した所持状態情報を通信部37により配送管理サーバ10に送信する制御を行う。
【0088】
これにより、所持状態情報によって配達員が実際に所持しているか否かを判別できるので、中継端末130を店100の近くに固定しておくような偽装を配送管理サーバ10側で認識することができる。従って、配送管理サーバ10は実際に店100の近くにいる配達員Aを選出できるようになる。
【0089】
本実施形態では、所持情報取得部は、体動情報を取得する加速度センサ39によって構成され、制御部50は、加速度センサ39の検出値に基づいてユーザの所持状態を判定する。
【0090】
加速度センサ39の検出値を利用することにより、直前に配達員端末30cが移動しているか否かを判別できるので、店100の近くに中継端末130を固定するような偽装を配達員端末30単独の処理により判別することができる。
【0091】
本実施形態では、所持情報取得部は、ユーザが身体に装着するウェアラブル端末60と通信し、生体情報又は体動情報を取得する近距離通信部45によって構成され、制御部50は、近距離通信部45によりウェアラブル端末60から受信した生体情報又は体動情報に基づいてユーザの所持状態を判定する。
【0092】
これにより、ユーザが身体に装着するウェアラブル端末60を利用してより正確にユーザの所持状態を判定することができる。
【0093】
また、本実施形態では、所持情報取得部は、ウェアラブル端末60の現在位置を示す第2位置情報を取得する近距離通信部45によって構成され、制御部50は、近距離通信部45によりウェアラブル端末60から受信した第2位置情報と第1位置情報の比較結果に基づいてユーザの所持状態を判定する。
【0094】
身体に装着するウェアラブル端末60が配達員端末30と同じ位置又は近い位置にあれば、ユーザが実際に配達員端末30を所持している蓋然性が高いので、この方法によってもユーザの所持状態を正確に判定することができる。
【0095】
また、本実施形態のウェアラブル端末60は、他の配達員端末30と通信を確立する近距離通信部75と、ユーザの生体情報を取得する生体センサ70と、体動情報を取得する加速度センサ69と、生体情報又は体動情報に基づいてウェアラブル端末60がユーザによって所持されているか否かを判定する制御部80と、を備える。制御部80は、他の配達員端末30に制御部80が判定したユーザの所持状態に関する所持状態情報を近距離通信部75により送信する制御を行う。
【0096】
これにより、ユーザが身体に装着するウェアラブル端末60を利用してより正確にユーザの所持状態を判定することができる。
【0097】
また、本実施形態の配送管理サーバ10は、配達員端末30と通信を行う通信部17と、通信部17が受信した情報に基づいて配達員端末30又はユーザが身体に装着するウェアラブル端末60の所持状態に関する所持状態情報を取得する制御部20と、を備える。制御部20は、通信部17により配達員端末30から受信した当該配達員端末30の現在位置を示す第1位置情報と所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定する。
【0098】
これにより、所持状態情報によって配達員が実際に配達員端末30を所持しているか否かを判別できるので、中継端末130を店100の近くに固定しておくような偽装を配送管理サーバ10側で認識することができる。従って、配送管理サーバ10は実際に店100の近くにいる配達員Aを選出できるようになる。
【0099】
また、配送管理サーバ10の制御部20は、ユーザが所持していないことを示す所持状態情報を送信した配達員端末30bよりも、ユーザが所持していることを示す所持状態情報を送信した配達員端末30aを優先的に配送発注の対象に設定する。
【0100】
これにより、より確実に店100の近くにいる配達員を選択することができる。
【0101】
以上、本発明に係る一実施形態及び変形例について説明した。本発明は、この実施形態や変形例に限定されるものではない。上記実施形態と変形例のそれぞれを組み合わせてもよいし、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0102】
上記実施形態では、レストラン等の食品を商品として配送するサービスにおいて、配達員端末30が装着型のウェアラブル端末60を利用して所持状態情報を取得する構成を説明したが、この構成に限定されるわけではない。例えば、配達員の鞄や商品を収容する配送バッグに加速度センサを配置し、配達員端末30が当該加速度センサの検出値に基づいて所持状態情報を取得する構成としてもよい。また、配達員が使用する自転車のペダルの動作を監視する動作監視センサを配置し、配達員端末30が当該動作監視センサの検出値に基づいて所持状態情報を取得する構成としてもよい。また、配達員が使用する四輪自動車や二輪自動車の駆動源(モータやエンジン等)の動作を監視する駆動監視センサを配置し、配達員端末30が当該駆動監視センサの検出値に基づいて所持状態情報を取得する構成としてもよい。
【0103】
上述のフローチャートを参照して説明した各ステップの処理は、一部を省略したり、ステップを適宜追加したり、条件を組み合わせてもよい。例えば、生体情報と体動情報の両方を取得して所持状態を判定してもよい。
【0104】
また、本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0105】
そして、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上記実施形態や変形例で示した機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上記実施形態や変形例に限定されない。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0106】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0107】
また、プログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される場合だけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成してもよい。また、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0108】
また、上記実施形態及び変形例で示したハードウェア構成は、あくまで一例であり、特にこの構成に限定されるわけではない。シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものをプロセッサとして機能的構成を実現するものとして採用してもよい。
【0109】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
サーバと通信する第1無線通信部と、
自機の現在位置を示す第1位置情報を取得する位置情報取得部と、
ユーザの生体情報又は体動情報を取得する所持情報取得部と、
前記所持情報取得部により取得された前記生体情報又は前記体動情報に基づいて自機がユーザによって所持されているか否かを示す所持状態情報を取得する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1位置情報とともに、前記所持状態情報を前記第1無線通信部により前記サーバに送信する制御を行うことを特徴とする電子機器。
[付記2]
前記所持情報取得部は、体動情報を取得する加速度センサによって構成され、
前記制御部は、前記加速度センサの検出値に基づいてユーザの所持状態を判定することを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記所持情報取得部は、ユーザが身体に装着する装着型電子機器と通信し、前記生体情報又は前記体動情報を取得する第2無線通信部によって構成され、
前記制御部は、前記第2無線通信部により前記装着型電子機器から受信した前記生体情報又は前記体動情報に基づいてユーザの所持状態を判定することを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記4]
ユーザが装着する装着型電子機器と通信し、当該装着型電子機器の現在位置を示す第2位置情報を取得する第2無線通信部によって構成され、
前記制御部は、前記第2無線通信部により前記装着型電子機器から受信した前記第2位置情報と前記第1位置情報の比較結果に基づいてユーザの所持状態を判定することを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記5]
他の電子機器と通信を確立する無線通信部と、
ユーザの生体情報又は体動情報を取得する所持情報取得部と、
前記所持情報取得部により取得された前記生体情報又は前記体動情報に基づいて自機がユーザによって所持されているか否かを判定する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記他の電子機器に前記制御部が判定したユーザの所持状態に関する所持状態情報を前記無線通信部により送信する制御を行うことを特徴とする電子機器。
[付記6]
電子機器と通信を行う通信部と、
前記通信部が受信した情報に基づいて前記電子機器又はユーザが身体に装着する装着型電子機器の所持状態に関する所持状態情報を取得する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記通信部により前記電子機器から受信した当該電子機器の現在位置を示す第1位置情報と前記所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定することを特徴とするサーバ。
[付記7]
前記制御部は、
ユーザが所持していないことを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器よりも、ユーザが所持していることを示す前記所持状態情報を送信した前記電子機器を優先的に前記配送発注の対象に設定することを特徴とする付記6に記載のサーバ。
[付記8]
電子機器に、
サーバと通信する通信処理機能と、
自機の現在位置を示す第1位置情報を取得する位置情報取得機能と、
ユーザの生体情報又は体動情報を取得し、取得した前記生体情報又は前記体動情報に基づいて自機がユーザによって所持されているか否かを示す所持状態情報を取得する判定機能と、
を実行させ、
前記判定機能は、前記第1位置情報とともに、前記所持状態情報を前記通信処理機能により前記サーバに送信する制御を行うプログラム。
[付記9]
電子機器が実行する所持状態の判定方法であって、
サーバと通信する通信処理ステップと、
自機の現在位置を示す第1位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
ユーザの生体情報又は体動情報を取得し、取得された前記生体情報又は前記体動情報に基づいて自機がユーザによって所持されているか否かを示す所持状態情報を取得する所持状態判定ステップと、を含み、
所持状態判定ステップでは、前記第1位置情報とともに、前記所持状態情報を前記サーバに送信する制御を行う判定方法。
[付記10]
装着型電子機器に、
他の電子機器と通信を確立する通信処理機能と、
ユーザの生体情報又は体動情報を取得し、取得した前記生体情報又は前記体動情報に基づいて自機がユーザによって所持されているか否かを判定する判定機能と、
を実行させ、
前記判定機能は、前記他の電子機器にユーザの所持状態に関する所持状態情報を前記通信処理機能により送信する制御を行うプログラム。
[付記11]
装着型電子機器が実行する所持状態の判定方法であって、
他の電子機器と通信を確立する通信処理ステップと、
ユーザの生体情報又は体動情報を取得し、取得した前記生体情報又は前記体動情報に基づいて自機がユーザによって所持されているか否かを判定する判定ステップと、
を実行させ、
前記判定ステップでは、前記他の電子機器にユーザの所持状態に関する所持状態情報を送信する制御を行う判定方法。
[付記12]
サーバに、
電子機器と通信を行う通信処理機能と、
前記通信処理機能によって受信した情報に基づいて前記電子機器又はユーザが身体に装着する装着型電子機器の所持状態に関する所持状態情報を取得する配達員選定機能と、
を実行させ、
前記配達員選定機能は、前記通信処理機能により前記電子機器から受信した当該電子機器の現在位置を示す第1位置情報と前記所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定することを特徴とするプログラム。
[付記13]
サーバが実行する所持状態の判定方法であって、
電子機器と通信を行う通信処理ステップと、
前記通信処理ステップによって受信した情報に基づいて前記電子機器又はユーザが身体に装着する装着型電子機器の所持状態に関する所持状態情報を取得する配達員選定ステップと、を実行させ、
前記配達員選定ステップでは、前記電子機器から受信した当該電子機器の現在位置を示す第1位置情報と前記所持状態情報に基づいて配送発注を行うか否かを判定する判定方法。
【符号の説明】
【0110】
10 配送管理サーバ
17 通信部
20 制御部
30 配達員端末
37 通信部
38 GNSS部
39 加速度センサ
45 近距離通信部
50 制御部
60 ウェアラブル端末
67 通信部
68 GNSS部
69 加速度センサ
70 生体センサ
75 近距離通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15