(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20250319BHJP
G16H 50/80 20180101ALI20250319BHJP
【FI】
G16H10/00
G16H50/80
(21)【出願番号】P 2023508368
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2021012865
(87)【国際公開番号】W WO2022201488
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】相原 愛
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-046668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置との間で通信を行う通信手段と、
第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得手段と、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、前記第1の端末装置、及び前記第2の端末装置の何れかの端末装置を選択する選択手段と
前記選択手段が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得手段と
を備える、端末装置。
【請求項2】
前記選択手段が選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を指示する指示手段
を更に備える請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1の端末装置が検知する通行者の体調に関する情報、及び前記第2の端末装置が取得する通行者の体調に関する情報は、通行者の体温に関する情報を含んでいる
請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記難易情報取得手段は、利用者の携帯端末と、前記第2の端末装置との間の通信状況に関する情報を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
請求項1から3の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記難易情報取得手段は、
前記第1の端末装置が備える検知手段によって、所定期間において生体認証で認知される生体の総数と、当該所定期間において認知される顔の総数と
の差分を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
請求項1から3の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記第2の端末装置が備える取得手段は、
通行者の携帯端末から、近距離通信によって通行者の体調に関する情報を取得する
請求項1から5の何れか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置との間で通信を行う通信手段と、
第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得手段と、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、前記第1の端末装置、及び前記第2の端末装置の何れかの端末装置を選択する選択手段と
前記選択手段が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得手段と
を備える、情報処理システム。
【請求項8】
前記選択手段が選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を指示する指示手段
を更に備える請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第1の端末装置が検知する通行者の体調に関する情報、及び前記第2の端末装置が取得する通行者の体調に関する情報は、通行者の体温に関する情報を含んでいる
請求項7または8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
端末装置が行う情報処理方法であって、
通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得すること、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、
前記第1の端末装置、及び
通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置
の何れかの端末装置を選択することと、並びに
前記選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得すること
を含んでいる情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症発症の疑いがある人に関する情報を収集する端末装置、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界中に拡大した新型コロナウウィルス(COVID-19)感染の影響により、人の出入りが激しいエリアでの感染症拡大の防止対策が実施されている。例えば、空港等では、固定の検温システムが設置されたり、感染者管理が難しく感染者が拡大する傾向にあるスラム街等では、ドローンを使用した、人の監視や検温の実証テストが実施されたりしている。これに関連する技術として、下記の特許文献1、2に開示された発明がある。
【0003】
特許文献1は、感染症の拡大防止を支援する感染拡大防止支援装置とその作動方法および作動プログラム、並びに感染拡大防止支援システムに関する。感染拡大防止支援装置は、生体情報または生体情報履歴に基づいて、監視対象者が感染症を発症したか否かを判定する発症判定部と、監視対象者の中で、発症判定部で感染症を発症したと判定された発症判定者がいる場合に、複数人の移動履歴を元にした、感染症の感染拡大防止に寄与する寄与情報を提示する寄与情報提示部とを備える。
【0004】
特許文献2は、感染通知方法及び感染通知装置に関する。感染通知方法は、利用者の病気感染を検知すると、感染者の端末装置の識別子及び所定期間に基づき、所定期間内に、感染者の端末装置と指定距離内に指定時間以上、無線通信を実行した端末装置の識別子を記憶部に記憶された接触情報から特定し、特定された識別子の端末装置宛に感染情報を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特開2017-004165号公報
【文献】日本国特開2012-194808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、監視対象者に選定された入院患者の生体情報及び移動履歴を収集し、感染症発症の判定や感染拡大防止に寄与する情報を提示する発明が記載されているが、病院のみならず広域での感染拡大が想定される場合、監視対象者を指定することは困難となる。
【0007】
そのため、多くの人の情報を取得できる位置に感染症発症の疑いのある者を検知する装置の設置を行うことが望まれるが、装置を設置する場合、装置を設置するための十分なスペースが必要となる。また、例えばイベントなどの開催による施設の特設や人の密集により、視界が悪くなると、装置での情報取得が困難となる場合もある。
【0008】
特許文献2は、端末装置を利用した感染通知方法が記載されているが、端末装置で情報を収集する場合、電波を遮蔽するような障害物の多い場所では情報を収集することが困難となる。特に遮蔽物に弱い5G等の通信では、この課題が顕著となる。
【0009】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、所定エリアにおける感染症発症の疑いがある人に関する情報を、障害物等の状況に応じて好適に収集する技術を提供することを一目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る携帯端末は、通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置との間で通信を行う通信手段と、第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得手段と、前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、前記第1の端末装置、及び前記第2の端末装置の何れかの端末装置を選択する選択手段と、前記選択手段が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得手段とを備える。
【0011】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置との間で通信を行う通信手段と、第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得手段と、前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、前記第1の端末装置、及び前記第2の端末装置の何れかの端末装置を選択する選択手段と、前記選択手段が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得手段とを備える。
【0012】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得すること、前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、前記第1の端末装置、及び通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置の何れかの端末装置を選択することと、並びに、前記選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得することを含んでいる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、所定エリアにおける感染症発症の疑いがある人に関する情報を、障害物等の状況に応じて好適に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の例示的実施形態1に係る端末装置Aの機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態2に係る携帯端末の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態2に係る携帯端末における情報送信方法の流れを示すフロー図である。
【
図6】本発明の例示的実施形態3に係る端末装置Bの機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の例示的実施形態3に係る端末装置Bにおける情報送信方法の流れを示すフロー図である。
【
図8】本発明の例示的実施形態4に係る端末装置Cの機能的構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の例示的実施形態4に係る端末装置Cにおける情報送信方法の流れを示すフロー図である。
【
図10】本発明の例示的実施形態5に係るネットワームシステムにおける各装置の配置例を示す図である。
【
図11】端末装置Aおよび端末装置Bの外観例を示す図である。
【
図13】本発明の例示的実施形態5に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【
図14】
図12に示すネットワークシステムが、複数の対象敷地に配置される場合を示す図である。
【
図15】本発明の例示的実施形態6に係る携帯端末の機能的構成を示すブロック図である。
【
図16】本発明の例示的実施形態6に係る携帯端末における情報送信方法の流れを示すフロー図である。
【
図17】本発明の例示的実施形態7に係る端末装置Aの機能的構成を示すブロック図である。
【
図18】本発明の例示的実施形態7に係る端末装置Aにおける情報送信方法の流れを示すフロー図である。
【
図19】本発明の例示的実施形態7に係る端末装置Aにおける対象情報取得処理の流れを示すフロー図である。
【
図20】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本願発明の背景)
2020年に世界的に拡散した新型コロナウウィルス(COVID―19)の影響により、世界中で感染症感染者が増加し、大勢の死者をもたらした。感染症発症者の増加による世界的な経済活動停止は様々な観点において大きな影響を及ぼした。特に、観光客の行き交っていた大都市の国々(例:米国 ハワイ/ニューヨーク)でも感染症発症者が増加したことから、観光客の受け入れをストップし、その結果、観光業で営んでいた人々の経済状態が悪化し大都市内の治安が急激に悪化した。
【0016】
ブラジル・タイ・インド・ケニアなどの国では、貧困層のスラム街での衛生環境管理の脆弱さから、特に感染症発症者が増加し、その状況に対して国を挙げての対策に乗り込むレベルに達した。しかし、限られた空間内での感染症の調査は難航するだけでなく、国が派遣した人員に対する不満を抱える住民も多かった。ドローン機材による各種試験も実施されたが、ドローン機材の飛行は音を発する事が義務付けられているため住民からの騒音トラブルも想定できた。
【0017】
New Normalな時代を迎える今、経済活動を営みながらも感染症発症の疑いがある者を早期に発見する環境を構築するためにも、技術的な対策措置も求められる。特に感染症発症者が極めて多く増加したスラム街や観光地を含めた都市部での感染症対策は必須である。しかし、スラム街や観光地を含めた大都市のような密集地帯は複雑な敷地レイアウトが施されるが、従来技術では室内空間などの通信環境を考慮された空間内の技術提案がほとんどであるため、屋外もしくは複雑な狭域的空間に対応した技術提案がない。
【0018】
あらゆる空間にも対応できる柔軟な技術環境の構築と、対象者の視線も考慮した対策案が求められる。
【0019】
〔例示的実施形態1〕
本発明の一例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0020】
(端末装置Aの構成)
本例示的実施形態に係る端末装置A100の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、本発明の例示的実施形態1に係る端末装置A100の機能的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、端末装置A100は、通信部101と、難易情報取得部104と、選択部105と、体調情報取得部106とを含む。
【0021】
通信部101は、端末装置Aとは異なる端末装置B、及び、端末装置Aとも端末装置Bとも異なる端末装置Cとの間で通信を行う。ここで、端末装置Bのことを第1の端末装置と呼び、端末装置Cのことを第2の端末装置と呼ぶこともある。
【0022】
端末装置Bは、通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている。また、端末装置Cは、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている。
【0023】
難易情報取得部104は、端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する。
【0024】
ここで、「端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報」とは、端末装置Bにおいて、通行者等の体調情報の取得のしやすさを示す情報である。一例として、当該難易に関する情報は、端末装置Bが備える検知手段及び他の手段の少なくとも何れかによる検知結果から得ることができる。例えば、通行人や障害物が多く、生体認証可能な画像を取得できず、生体認証を行うことができない人が発生することが考えられる。そのような場合、当該難易に関する情報は、
・端末装置Bが備える検知手段によって所定期間において生体認証で認知される生体の総数と、
・当該検知手段又は端末装置Bが備える他の手段によって上記所定期間において認知される顔の総数と
の差分や割合によって表現することができる。ここで、当該所定の期間の具体例は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、1分~1時間程度とすることができる。換言すれば、端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報は、上記所定の期間を1サイクルとして、リアルタイムで更新され得る情報である。
【0025】
したがって、難易情報取得部104は、一例として、端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関するリアルタイムな情報を取得することができる。
【0026】
また、上記難易に関する情報として、
・利用者の携帯端末と、端末装置Cとの間の通信状況に関する情報
を用いる構成としてもよい。本例示的実施形態において、端末装置Bと端末装置Cの具体的配置は何ら限定されるものではないが、一例として、端末装置Bと端末装置Cとが混在して配置される場合、上記難易に関する情報として、利用者の携帯端末と、端末装置Cとの間の通信状況に関する情報を好適に用いることができる。
【0027】
また、上記の通信状況に関する情報もリアルタイムで更新され得る情報である。したがって、このような構成としても、難易情報取得部104は、端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関するリアルタイムな情報を取得することができる。
【0028】
選択部105は、難易情報取得部104が取得した前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、端末装置B、及び端末装置Cの何れかの端末装置を選択する。ここで、選択部105による具体的な選択処理は、本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、選択部105は、前記体調情報取得の難易に関する情報が、体調情報を取得することが所定の度合いよりも難しいことを示している場合に、端末装置Cを選択する構成としてもよい。また、選択部105は、前記体調情報取得の難易に関する情報が、体調情報を取得することが前記所定の度合いよりも難しくはないことを示している場合に、端末装置Bを選択する構成としてもよい。
【0029】
具体的には、認知される顔の総数と生体の総数とを体調情報取得の難易に関する情報とする場合は、認知される顔の総数と生体の総数との差分が所定の値(例えば、10人)以上の場合や、認知される顔の総数/生体の総数が所定の割合(例えば、0.5)以下の場合に、体調情報の取得が難しいと判断してもよい。
【0030】
また、利用者の携帯端末と、端末装置Cとの間の通信状況に関する情報を体調情報取得の難易に関する情報とする場合は、再送率が所定の割合(例えば、50%)以上であることから、体調情報の取得が難しいと判断してもよい。
【0031】
体調情報取得部106は、選択部105が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する。
【0032】
なお、体調情報取得部106は、選択部105が選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を指示する指示部として機能する構成としてもよい。この構成の場合、選択部105が選択した端末装置は、当該指示を受信したことを契機として、通行者の体調に関する情報の取得を行う構成としてもよい。
【0033】
(端末装置Aによる効果)
以上のように、本例示的実施形態に係る端末装置A100では、
・通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている端末装置B(第1の端末装置)、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている端末装置C(第2の端末装置)との間で通信を行う通信部101と、
端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得部104と、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、端末装置B、及び端末装置Cの何れかの端末装置を選択する選択部105と
選択部105が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得部106と
を備える構成を採用している。
【0034】
上記のように構成された端末装置A100によれば、端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報を参照して、端末装置B、及び端末装置Cの何れかの端末装置を選択し、選択した端末装置から通行者の体調に関する情報を取得するので、体調情報取得の難易に応じて、通行者の体調に関する情報を好適に収集することができるという効果を奏する。
【0035】
一例として、人が密集する場所や、狭い路地の多い町などでも端末装置を介して利用者の体調に関する情報を好適に集めることができる。
【0036】
(情報処理方法の流れ)
続いて、
図2を参照して、例示的実施形態1に係る情報処理方法について説明する。
図2は、例示的実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
【0037】
(ステップS14)
まず、ステップS14において、端末装置A100の難易情報取得部104は、通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている端末装置B(第1の端末装置)の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する。「体調情報取得の難易に関する情報」については上述したため、ここでは説明を省略する。
【0038】
(ステップS15)
続いて、ステップS15において、端末装置A100の選択部105は、ステップ1S4において取得した体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、
前記端末装置B、及び
通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている端末装置C(第2の端末装置)
の何れかの端末装置を選択する。選択部105による選択処理については上述した内容と同様である。
【0039】
(ステップS16)
続いて、ステップS16において、端末装置A100の体調情報取得部106は、ステップS15において選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する。
【0040】
(情報処理方法による効果)
以上のように構成された情報処理方法によれば、本例示的実施形態に係る端末装置A100と同様の効果を奏する。
【0041】
(情報処理システム)
続いて、
図3を参照して、例示的実施形態1に係る情報処理システムについて説明する。
図3は、例示的実施形態1に係る情報処理システム1000の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本例示的実施形態に係る情報処理システム1000は、本例示的実施形態に係る端末装置A100と同様の構成要素を備えている。ただし、情報処理システム1000では、通信部101、難易情報取得部104、選択部105、及び、体調情報取得部106は、端末装置A100とはことなり、1つの端末装置内に設けられている必要はない。一例として、それぞれが異なる装置内に設けられた通信部101、難易情報取得部104、選択部105、及び、体調情報取得部106が、互いに、グローバルネットワーク又はローカルネットワークを介して、情報処理システム1000内に分散的に存在する構成としてもよい。一例として、それぞれが異なる装置内に設けられた通信部101、難易情報取得部104、選択部105、及び、体調情報取得部106は、有線又は無線の何れかで接続されて通信する構成とすることができる。無線の例として、Wifi(登録商標)、LTE、4G、5G、ローカル5G等が挙げられる。
【0042】
(情報処理システムによる効果)
以上のように構成された情報処理システム1000によれば、本例示的実施形態に係る端末装置A100と同様の効果を奏する。
【0043】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0044】
(携帯端末の構成)
本例示的実施形態に係る携帯端末10の構成について、
図4を参照して説明する。
図4は、本発明の例示的実施形態1に係る携帯端末10の機能的構成を示すブロック図である。携帯端末10は、検知部11と、操作検出部12と、制御部13と、通信部14とを含む。
【0045】
検知部11は、サーモグラフィー機能を有し、監視対象者である携帯端末10の利用者の体温を検知する。
【0046】
操作検出部12は、例えば、携帯端末10の表示装置であるタッチパネルへのタッチ操作によって発生するイベントを検出し、携帯端末10に操作があったことを検出する。制御部13は、端末装置10(携帯端末)への操作を契機として、以下の処理を行う。
【0047】
なお、端末装置10への操作は、端末装置10が備えるハードウェアボタンに対する操作であってもよいし、端末装置10が備える表示部が表示するGUI(Graphical User Interface)への操作であってもよい。ハードウェアボタンは、例えば、ロックを解除する際に押下されるホームボタン等である。
【0048】
制御部13は、操作検出部12によって携帯端末10への操作が検出されると、検知部11から利用者の体温情報を取得する。また、制御部13は、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れか取得する。利用者に関する情報は、例えば、カメラで撮像した利用者の顔の認証結果等である。また、携帯端末10に関する情報は、例えば、携帯端末10のMAC(Media Access Control)アドレスである。これらの情報は、携帯端末10の利用者を特定するための情報として使用されるが、必ずしも利用者が携帯端末10の所有者とは限らないので、顔認証等で利用者を特定する方が好ましい。
【0049】
なお、制御部13による上記の処理例は本例示的実施形態を限定するものではない。例えば、制御部13は、操作検出部12による携帯端末10への操作を契機とする代わりに、所定時間毎(例えば3~4時間毎)に検知部11から利用者の体温情報を取得する構成としてもよい。
【0050】
また、端末装置Aからの指示があった場合に、上記を契機として検知部11から利用者の体温情報を取得する構成としてもよい。
【0051】
通信部14は、ビーコン、Small Cell、ローカル5G、ローカルLTE(Long Term Evolution)等の近距離通信機能を有する装置によって構成される。制御部13は、通信部14を介して、利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかとを、後述の端末装置Cに送信する。なお、通信部14は、近距離通信に限定されるものではなく、基地局を介した公衆回線を利用する通信等であってもよい。なお、利用者の体温情報は、利用者が感染症発症の疑いがある否かを判定する際に使用される。例えば、端末装置10は、体温が所定の値以上であれば、感染症発症の疑いのある人であると判定する。
【0052】
通信部14は、端末装置Cに近距離通信で情報を送信するため、端末装置C付近に障害物が存在していても、端末装置Cは感染症発症の疑いがある人に関する情報を収集することができる。
【0053】
以上のように、本例示的実施形態に係る携帯端末10においては、携帯端末10への操作を契機として、制御部13が、検知部11によって検知された利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかとを、通信部14を介して端末装置に送信するようにした。したがって、端末装置において、感染症発症の疑いがある人に関する情報を容易に収集することが可能となる。
【0054】
(情報送信方法の流れ)
図5は、本発明の例示的実施形態1に係る携帯端末10の情報送信方法の流れを示すフロー図である。まず、制御部13は、操作検出部12によって携帯端末10の操作が行われたか否かを判定する(S1)。携帯端末10の操作がなければ(S1,No)、ステップS1の処理を繰り返す。
【0055】
また、携帯端末10の操作があれば(S1,Yes)、制御部13は、検知部11によって利用者の体温を検知する(S2)。そして、制御部13は、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかを取得する(S3)。そして、制御部13は、通信部14を介して、利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかとを、後述の端末装置Cに送信する(S4)。
【0056】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報送信方法においては、携帯端末10への操作を契機として、利用者の体温を検知し、検知された利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかとを、端末装置に送信する。したがって、端末装置において、感染症発症の疑いがある人に関する情報を容易に収集することが可能となる。
【0057】
〔例示的実施形態3〕
(端末装置Bの構成)
本例示的実施形態に係る端末装置B200の構成について、
図6を参照して説明する。
図6は、本発明の例示的実施形態3に係る端末装置B200の機能的構成を示すブロック図である。端末装置B200は、検知部201と、認証部202と、生成部203と、通信部204とを含む。
【0058】
検知部201(検知手段)は、サーモグラフィー機能を有し、検知可能範囲内の監視対象者である通行者の体温を検知する。
【0059】
検知部201は、体温を検知した後、当該体温が検知された通行人に関する位置や画像等の情報を、当該体温に関連付けて、認証部202に提供する構成としてもよい。
【0060】
認証部202は、カメラ等で撮像された通行者の顔の画像を取得する。ここで、認証部202が取得する通行者の顔の画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0061】
そして、認証部202は、顔の画像を解析することにより、咳をする行為、くしゃみをする行為等を認知して、感染症発症の疑いがある症状を検出する。また、同じ通行者の解析を再度行うことを防止するため、認証部202は、通行者の顔の画像を、顔IDと共に記憶しておき、通行者の顔の画像を解析する前に、記憶している顔の画像との認証を行い、既に解析を行った通行者と同一人であれば、その通行者の顔の解析を行わないようにしてもよい。また、同じ通行者であっても、端末装置B200付近を通ったときにたまたま咳・くしゃみをしない可能性もある。そのため、認証部202は、同じ通行者であっても、当該通行者が通る度に、当該通行者の顔の解析を行う構成としてもよい。あるいは、同じ通行者であっても、前回の通過から所定時間(例えば3~4時間)経過した後には、当該通行者の顔の解析を再度行う構成としてもよい。
【0062】
生成部203は、検知部201によって検知された体温情報と、認証部202によって検出された感染症発症の疑いがある症状とから、総合的に通行者が感染症発症の疑いがあるか否かを判定し、判定結果を集計した情報を生成し、通信部204に出力する。例えば、この集計した情報には、検知した通行者の総数、感染症発症の疑いがあると判定された通行者の数、感染症発症の疑いがある症状等の情報が含まれる。
【0063】
また、生成部203は、上記の処理において、検知部201で検知した通行者の体温情報と、認証部202によって検出した症状とを、互いに関連付ける構成とすることができる。一例として、検知部201で検知した通行者の体温情報と、認証部202によって検知した症状とに対して、認証部202による顔IDを付す構成としてもよい。
【0064】
また、生成部203は、前記集計した情報に、「端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報」を含める構成としてもよい。
【0065】
ここで当該難易に関する情報とは、端末装置B200において、体調情報の取得のしやすさを示す情報である。一例として、当該難易に関する情報は、端末装置B200が備える検知部201による検知結果から得ることができる。例えば、当該難易に関する情報は、
・検知部201によって所定期間において生体認証で認知される生体の総数と、
・検知部201によって上記所定期間において認知される顔の総数と
の差分によって表現することができる。ここで、当該所定の期間の具体例は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、1分~1時間程度とすることができる。換言すれば、端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関する情報は、上記所定の期間を1サイクルとして、リアルタイムで更新され得る情報である。
【0066】
通信部204は、LAN等のローカルネットワークを介して端末装置A100との間で通信を行う。通信部204は、生成部203によって生成された集計結果を端末装置A100に送信する。なお、通信部204は、有線通信、無線通信のいずれかで通信してもよい。また、通信部204は、LTE、4G、5G等の無線通信の基地局としての機能を有する構成としてもよいし、LTE、4G、5G等の無線通信の基地局を経由した通信を行うことができるような構成としてもよい。
【0067】
また、通信部204は、端末装置A100からの指示を取得する取得部としても機能する構成としてもよい。一例として、通信部204は、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信可能な構成としてもよい。この構成の場合、一例として、通信部204が、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信した場合、当該受信を契機として、検知部201、認証部202、生成部203、及び通信部204が上述した処理を行う構成としてもよい。
【0068】
以上のように、本例示的実施形態に係る端末装置B200においては、生成部203が、検知部201によって検知された通行者の体温情報、および認証部202によって検出された感染症発症の疑いがある症状を集計した情報を生成し、通信部204が、生成部203によって生成された情報を端末装置A100に送信する。したがって、端末装置A100は、複数の端末装置B200からの集計結果を取得することができ、端末装置B200が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0069】
また、上述のように、本例示的実施形態に係る端末装置B200においては、通信部204が、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信した場合、当該受信を契機として、検知部201、認証部202、生成部203、及び通信部204が上述した処理を行う構成としてもよい。したがって、本例示的実施形態に係る端末装置B200によれば、端末装置A100からの指示に基づき、通行者の体調に関する情報の取得を好適に行うことができる。
【0070】
(情報送信方法の流れ)
図7は、本発明の例示的実施形態3に係る端末装置B200における情報送信方法の流れを示すフロー図である。まず、検知部201は、通行者の体温を検知する(S21)。そして、認証部202は、通行者の生体認証を行う(S22)。
【0071】
次に、生成部203は、検知部201による体温の検知および認証部202による生体認証を続けるか否かを判定する(S23)。検知および認証を続ける場合(S23,Yes)、ステップS21に戻って以降の処理を繰り返す。
【0072】
また、検知および認証を続けない場合(S23,No)、生成部203は、体温情報および認証結果を集計する(S24)。そして、通信部204は、生成部203によって生成された集計結果を端末装置A100に送信する(S25)。
【0073】
なお、上記情報送信方法では、ステップS21において、通信部204が、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信したか否かを判断する構成とし、当該指示を受信した場合に、通行者の体温を検知し、その後、ステップS22以降に進む構成としてもよい。
【0074】
また、ステップS21における検知、ステップS22における認証、及びステップS24による結果の集計は並行して行ってもよい。また、ステップS21における検知、およびステップS22における認証を続けている場合でも、ステップS24による結果の集計は定期的に行ってもよい。
【0075】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報送信方法においては、検知された通行者の体温情報、および検出された感染症発症の疑いがある症状を集計した情報を生成し、生成された情報を端末装置A100に送信する。したがって、端末装置A100は、複数の端末装置B200からの集計結果を取得することができ、端末装置B200が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0076】
また、本例示的実施形態に係る情報送信方法においては、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信したことを契機として、各ステップを実行する構成としてもよい。このようにすることで、本例示的実施形態に係る情報送信方法によれば、端末装置A100からの指示に基づき、通行者の体調に関する情報の取得を好適に行うことができる。
【0077】
〔例示的実施形態4〕
(端末装置Cの構成)
本例示的実施形態に係る端末装置C300の構成について、
図8を参照して説明する。
図8は、本発明の例示的実施形態4に係る端末装置C300の機能的構成を示すブロック図である。端末装置C300は、第1の通信部301と、集計部302と、第2の通信部303とを含む。
【0078】
第1の通信部301は、ビーコン、Small Cell、ローカル5G、ローカルLTE等の近距離通信機能を有する装置によって構成され、狭域的空間での設置を可能としている。第1の通信部301は、携帯端末10から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかと、を受信する。
【0079】
集計部302は、第1の通信部301を介して受信した情報を集計する。例えば、同じ携帯端末10の利用者からの情報を複数回受信している場合、1回分の情報のみを残し、他の情報を削除して集計する。この集計した情報には、受信した携帯端末10の利用者の総数、感染症発症の疑いがあると判定された利用者の数、感染症発症の疑いがある症状等の情報が含まれる。
【0080】
なお、集計部302は、一定の時間内に、複数回同じ携帯端末10の利用者から情報を受信した場合には、1回分の情報のみを残して他の情報を削除して集計する構成としてもよい。
【0081】
また、集計部302は、前記集計した情報に、「端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報」を含める構成としてもよい。
【0082】
ここで当該体調情報取得難易に関する情報とは、端末装置B200において、体調情報の取得のしやすさを示す情報である。
【0083】
集計部302は、利用者の携帯端末と、端末装置C300との間の通信状況に関する情報を、前記体調情報取得の難易に関する情報として、前記集計した情報に含める構成としてもよい。本例示的実施形態において、端末装置B200と端末装置C300の具体的配置は何ら限定されるものではないが、一例として、端末装置B200と端末装置C300とが混在して配置される場合、上記難易に関する情報として、利用者の携帯端末と、端末装置Cとの間の通信状況に関する情報を好適に用いることができる。
【0084】
第2の通信部303は、LAN等のローカルネットワークを介して端末装置A100との間で通信を行う。第2の通信部303は、集計部302によって集計された集計結果を端末装置A100に送信する。なお、第2の通信部303は、有線通信、無線通信のいずれかで通信してもよい。
【0085】
また、第1の通信部301は、端末装置A100からの指示を取得する取得部としても機能する構成としてもよい。一例として、第1の通信部301は、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信可能な構成としてもよい。この構成の場合、一例として、第1の通信部301が、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信した場合、当該受信を契機として、上記利用者の体調情報を取得する構成としてもよい。また、集計部302及び第2の通信部303も、上記指示に受信を契機として、上述した処理を行う構成としてもよい。
【0086】
なお、第1の通信部302、及び第2の通信部303は、LTE、4G、5G等の無線通信の基地局としての機能を有する構成としてもよいし、LTE、4G、5G等の無線通信の基地局を経由した通信を行うことができるような構成としてもよい。
【0087】
以上のように、本例示的実施形態に係る端末装置C300においては、集計部302が、第1の通信部301を介して受信した情報を集計する。そして、第2の通信部303が、集計部302によって集計された集計結果を端末装置A100に送信する。したがって、端末装置A100は、複数の端末装置C300からの集計結果を取得することができ、端末装置C300が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0088】
また、上述のように、本例示的実施形態に係る端末装置C300においては、第1の通信部301が、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信した場合、当該受信を契機として、上記利用者の体調情報を取得する構成としてもよい。したがって、本例示的実施形態に係る端末装置C300によれば、端末装置A100からの指示に基づき、通行者の体調に関する情報の取得を好適に行うことができる。
【0089】
(情報送信方法の流れ)
図9は、本発明の例示的実施形態4に係る端末装置C300における情報送信方法の流れを示すフロー図である。まず、第1の通信部301は、携帯端末10から情報を受信したか否かを判定する(S31)。携帯端末10から情報を受信していなければ(S31,No)、ステップS33に処理が進む。
【0090】
また、携帯端末10から情報を受信していれば(S31,Yes)、集計部302は、携帯端末10から受信した情報を含んだ全ての情報を集計し(S32)、情報の集計を終了するか否かを判定する(S33)。
【0091】
情報の集計を終了しない場合(S33,No)、ステップS31に戻って以降の処理を繰り返す。また、情報の集計を終了する場合(S33,Yes)、第2の通信部303は、集計部302によって集計された集計結果を端末装置A100に送信し(S34)、処理を終了する。
【0092】
なお、上記情報送信方法では、ステップS31において、第1の通信部301が、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信したか否かを判断する構成とし、当該指示を受信した場合に、携帯端末10から情報を受信したか否かを判定する構成としてもよい。
【0093】
また、ステップS31における情報受信の判定、ステップS32における情報の集計は並行して行ってもよい。また、ステップS31における情報受信の判定を続けている場合でも、ステップS32による情報の集計は定期的に行ってもよい。
【0094】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報送信方法においては、携帯端末10から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかとを近距離通信によって受信し、受信した情報を集計し、集計された集計結果を端末装置A100に送信する。したがって、端末装置A100は、複数の端末装置C300からの集計結果を取得することができ、端末装置C300が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0095】
また、本例示的実施形態に係る情報送信方法においては、端末装置A100から、通行者の体調に関する情報の取得を行う旨の指示を受信したことを契機として、各ステップを実行する構成としてもよい。したがって、本例示的実施形態に係る情報送信方法によれば、端末装置A100からの指示に基づき、通行者の体調に関する情報の取得を好適に行うことができる。
【0096】
なお、端末装置C300は、端末装置A100及び端末装置B200に比べ、構成要素が少なくて済むため、端末装置A100及び端末装置B200に比べ小型に設計することができる。したがって、端末装置C300は、様々な空間に好適に配置することができる。
【0097】
〔例示的実施形態5〕
(ネットワークシステム1の構成)
図10は、本発明の例示的実施形態5に係るネットワームシステムにおける各装置の配置例を示す図である。
図10に示す例では、対象敷地内を、一例として、広域的空間と狭域的空間の2つの空間に区別した上で、広域的空間には街路灯型の端末装置A100と、街路灯型の端末装置B200-1~200-8とを設置する。また、狭域的空間には街路灯型の端末装置C300-1~300-9を設置する。各端末装置は装置の位置情報の識別を可能とするため、各端末装置に通し番号を付加し、通し番号に対応して、端末装置の位置情報を記憶しておく。これにより、通し番号を参照することによって、端末装置が設置される位置情報を取得することができる。
【0098】
なお、端末装置A100、端末装置B200-1~200-8および端末装置C300-1~300-9は、上述した例示的実施形態における端末装置A100、端末装置B200および端末装置C300と同様の構成を有する。
【0099】
本例示的実施形態においては、人が1人または2人が通れる幅(約600mm~900mm)を有するエリアを狭域的空間とし、2~3名以上が通れる幅(約1200mm~)を広域的空間とするが、これに限定されるものではない。
【0100】
また、本例示的実施形態においては、遮蔽物が多いか、又は、LTE、4G、5G等での通信が困難な場所を狭域的空間とし、遮蔽物が少ないか、又は、LTE、4G、5G等での通信が問題なく行える場所を広域的空間としてもよい。
【0101】
広域的空間においては、設置された端末装置B200-1~200-8によって、検知可能範囲内で、感染症発症の疑いがある者の検出を実施する。端末装置B200-1~200-8は、それぞれの集計結果を端末装置A100に送信する。
【0102】
広域的空間に設置された端末装置A100は、端末装置B200-1~200-8および端末装置C300-1~300-9から集計結果を受信し、集計結果を参照してレポートを作成する。端末装置A100は、後述のように、端末装置B200-1~200-8と同様に、サーモグラフィー機能を有する検知部および顔認証等を行う認証部を備え、検知可能範囲内で、感染症発症の疑いがある者の検出を実施するようにしてもよい。また、顔認証等を行う認証部に代えて、より一般に生体認証を行う生体認証部を備える構成としてもよい。
【0103】
なお、
図10に関する端末装置A100、端末装置B200、端末装置C300の配置のさせ方は、あくまで一例であり、具体的な配置方法は本例示的実施形態を限定するものではない。
【0104】
例えば、対象敷地内において、広域的空間と狭域的空間とが複雑に入り組みあった場合もあり得る。また、対象敷地内において、広域的空間と狭域的空間との区別が必ずしも明確ではない場合もあり得る。
【0105】
このような場合、端末装置B200と、端末装置C300とを混在するように配置してもよい。より具体的には、端末装置B200の各々がカバーする領域と、端末装置C300の各々がカバーする領域とが互いにオーバーラップするように、端末装置B200と端末装置C300を配置する構成としてもよい。
【0106】
また、端末装置B200と、端末装置200と端末装置C300の設置のタイミングは、本例示的実施形態を限定するものではなく、例えば、任意のタイミングで行ってもよいし、イベントの開催及び予定等のタイミングで行ってもよい。
【0107】
図11は、端末装置A100および端末装置B200の外観例を示す図である。上述のように、端末装置A100および端末装置B200は、一例として、広域的空間に配置されており、街路灯の形状を有している。
図11に示すように、カメラや検温のための検知部等が通行者の視線よりも上の位置に設けられており、通行者にストレスを与えないように配慮されている。
【0108】
また、一例として、狭域的空間においては、設置された端末装置C300-1~300-9によって携帯端末10からの情報が受信され、集計される。端末装置C300は、サーモグラフィー機能を有する検知部および顔認証等を行う認証部を備えていないが、これらの機能は携帯端末10が有している。ただし、これは本例示的実施形態を限定するものではなく、端末装置C300-1~300-9は、端末装置B200と同様に、検知部及び認証部を備える構成としてもよい。
【0109】
図12は、端末装置C300の外観例を示す図である。上述のように、端末装置C300は、一例として、狭域的空間に配置されており、街路灯の形状を有している。端末装置C300は、ビーコン等の近距離通信を用いて携帯端末10との間で通信を行い、携帯端末10から利用者の体温情報や認証結果を受信する。
図12に示すように、狭域的空間には遮蔽物が多いため、遮蔽物に強いビーコン等の技術が用いられる。
【0110】
なお、端末装置C300は、街路灯の形での設置形態に限らず、他の形状または設置形態であってもよい。例えば、端末装置C300が、建物の外壁や内壁に取り付けられたり、信号機の外側または内側に取り付けられてもよい。
【0111】
このように、広域的空間にはハイスペックで屋外向けのローカルネットワークを用いて端末装置A100および端末装置B200を接続し、狭域的空間には遮蔽物に強い通信技術であるビーコン技術等を用いて携帯端末10および端末装置C300を接続することにより、あらゆる空間での通信環境を柔軟に構築することができる。そのため、複雑なレイアウト構成を対象敷地とする際に、全敷地内での高品質な通信ネットワークの構築が可能となる。
【0112】
また、上述のように、端末装置A100は、端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得し、当該難易に関する情報に基づいて、端末装置B200及び端末装置C300の何れかを選択し、選択した端末装置から通行者の体調に関する情報を取得する。
【0113】
したがって、本例示的実施形態に係るネットワークシステム1によれば、端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に応じて、端末装置B200及び端末装置C300の何れかから好適に通行者の体調に関する情報を取得することができる。
【0114】
図13は、本発明の例示的実施形態5に係るネットワークシステム1の構成例を示す図である。ネットワークシステム1は、端末装置A100と、端末装置B200-1~200-8と、端末装置C300-1~300-9と、携帯端末10とを含む。
【0115】
端末装置A100と、端末装置B200-1~200-8と、端末装置C300-1~300-9とがローカルネットワーク600を介して接続される。また、端末装置C300-1~300-9と、携帯端末10とがビーコン等の近距離通信によって接続される。
【0116】
また、端末装置A100は、セントラルネットワーク500を介して、政府、自治体等の行政機関に設けられるサーバ400と接続される。セントラルネットワーク500は、公衆回線、FTTH(Fiber To The Home)等を利用したインターネット等の広域通信網等である。
【0117】
図14は、
図13に示すネットワークシステム1が、複数の対象敷地に配置される場合を示す図である。対象敷地1~5のそれぞれに、ネットワークシステム1-1~1-5が設けられており、ネットワークシステム1-1~1-5がセントラルネットワーク500を介して政府、自治体等の行政機関に設けられるサーバ400と接続される。
【0118】
サーバ400は、ネットワークシステム1-1~1-5のそれぞれに配置された端末装置A100からレポートを受信し、レポートを参照することにより各対象敷地内における感染症発症の疑いがある人の割合等の情報を取得する。そして、サーバ400は、レポートに含まれる情報を解析し、例えば、AI機能を用いて、各対象敷地内の感染症発症の疑いがある人の割合の推定情報や、適切な支援策の提案情報等を作成する。
【0119】
また、サーバ400は、適切な支援策を実施した後の各対象敷地内の感染症発症の疑いがある人の割合を取得して、支援策の前後における感染症発症の疑いがある人の割合の推移などを解析することも可能である。
【0120】
以上のように、本例示的実施形態に係るネットワークシステム1においては、端末装置A100が、端末装置B200-1~200-8および端末装置C300-1~300-9から受信した集計結果に基づいてレポートを作成し、サーバ400に送信するようにした。したがって、サーバ400は、各対象敷地内の感染症発症の疑いがある人の割合の推定情報や、適切な支援策の提案情報等を作成することができる。
【0121】
また、本例示的実施形態に係るネットワークシステム1においては、仮に社会的な感染症拡大という状況に陥った場合であっても、物理的遠く離れた複数の各エリア全ての情報をリアルタイムに同時に収集することができる。これにより、各エリアの深刻さレベルを認識の上で、各エリアに対する適切な支援策を、広く組織レベルで検討することができる。
【0122】
〔例示的実施形態6〕
(携帯端末の他の構成例)
本例示的実施形態に係る携帯端末10aの構成について、
図15を参照して説明する。
図15は、本発明の例示的実施形態6に係る携帯端末10aの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図4に示す例示的実施形態1に係る携帯端末10と同じ構成および機能を有する部材については、同じ参照番号を付すことにし、詳細な説明は繰り返さない。
【0123】
携帯端末10aは、検知部11と、操作検出部12と、制御部13aと、通信部14と、撮像部15と、認証部16とを含む。撮像部15は、携帯端末10aに搭載されるカメラ等によって構成され、携帯端末10aの利用者の顔の画像を撮像する。
【0124】
認証部16は、撮像部15によって撮像された利用者の顔の画像を用いて生体認証を行うことにより、利用者が携帯端末10aの所有者であるか否かを判定する。また、認証部16は、顔の画像を解析することにより、咳をする行為、くしゃみをする行為等を認知して、感染症発症の疑いがある症状を検出する。なお、認証部16は、顔認証による生体認証に限定されず、例えば、指紋認証等の生体認証であってもよい。
【0125】
制御部13aは、操作検出部12によって携帯端末10aへの操作が検出されると、検知部11から利用者の体温情報を取得する。また、制御部13aは、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れか取得する。利用者に関する情報は、認証部16によって検出された感染症発症の疑いがある症状、生体認証結果等である。また、携帯端末10に関する情報は、例えば、携帯端末10aのMACアドレスである。
【0126】
制御部13aは、検知部11によって検知された体温情報と、認証部16によって検出された感染症発症の疑いがある症状とから、総合的に利用者が感染症発症の疑いがあるか否かを判定するようにしてもよい。そして、制御部13aは、通信部14を介して、利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10aに関する情報の少なくとも何れかとを、端末装置C300に送信する。
【0127】
図16は、本発明の例示的実施形態6に係る携帯端末10aの情報送信方法の流れを示すフロー図である。まず、制御部13aは、操作検出部12によって携帯端末10aの操作が行われたか否かを判定する(S41)。携帯端末10aの操作がなければ(S41,No)、ステップS41の処理を繰り返す。
【0128】
また、携帯端末10aの操作があれば(S41,Yes)、制御部13aは、検知部11によって利用者の体温を検知する(S42)。そして、撮像部15は、利用者の顔の画像を撮像する(S43)。
【0129】
次に、認証部16は、撮像部15によって撮像された利用者の顔の画像から、利用者の顔認証を行う(S44)。制御部13aは、利用者に関する情報及び携帯端末10aに関する情報の少なくとも何れかを取得する。そして、制御部13aは、通信部14を介して、利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10aに関する情報の少なくとも何れかとを、端末装置C300に送信する(S45)。
【0130】
以上のように、本例示的実施形態に係る携帯端末10aにおいては、認証部16が、顔の画像を解析することにより、感染症発症の疑いがある症状を検出する。したがって、携帯端末10aは、端末装置C300に、利用者の体温情報および感染症発症の疑いがある症状から総合的に判断された情報を送信することが可能となる。
【0131】
〔例示的実施形態7〕
(端末装置Aの詳細な構成例)
本例示的実施形態に係る端末装置A100の詳細な構成について、
図17を参照して説明する。
図17は、本発明の例示的実施形態7に係る端末装置A100の機能的構成を示すブロック図である。
【0132】
図17に示すように、本例示的実施形態に係る端末装置A100は、第1の通信部101、生成部102、及び、第2の通信部103を備えている。
【0133】
第1の通信部101は、LAN(Local Area Network)等のローカルネットワークを介して、上述した端末装置B200および端末装置C300との間で通信を行う。第1の通信部101は、一例として、端末装置C300から、利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末10に関する情報の少なくとも何れかとの集計結果を受信する。また、第1の通信部101は、一例として、端末装置B200から、通行者の体温情報、および感染症発症の疑いがある症状を集計した情報を受信する。なお、第1の通信部101は、有線通信、無線通信のいずれかで通信してもよい。
【0134】
生成部102は、端末装置B200および端末装置C300から受信した集計結果に基づいて、所定エリアの感染症発症の疑いがある人に関するレポートを作成する。このレポートには、少なくとも、所定エリアにおける感染症発症の疑いがある人の割合が含まれる。
【0135】
なお、上記レポートは、人間による読み取りが容易なように、自然言語を用いて記載されたものであってもよいし、主としてコンピュータが読み取りが容易なように、コンピュータ用言語を用いて記載されたものであってもよい。また、生成部102は、上記のレポートを、自動文章生成機能等を有するAI(より具体的には、学習済の生成モデル)を用いて生成する構成としてもよい。生成部102の詳細構成については後述する。
【0136】
第2の通信部103は、インターネット等の広域通信網(セントラルネットワーク)を介して、政府、自治体等の行政機関の敷地内に設置されるサーバとの間で通信を行う。第2の通信部103は、生成部102によって生成されたレポートをサーバに送信する。なお、第2の通信部103は、有線通信、無線通信のいずれかで通信してもよい。
【0137】
(生成部)
図17に示すように、生成部102は、検知部111と、認証部112と、集計部113と、体調情報収集部114と、解析部115とを含む。検知部111は、サーモグラフィー機能を有し、検知可能範囲内の監視対象者である通行者の体温を検知する。
【0138】
認証部112は、カメラ等で撮像された通行者の顔の画像を取得する。そして、認証部112は、顔の画像を解析することにより、咳をする行為、くしゃみをする行為等を認知して、感染症発症の疑いがある症状を検出する。
【0139】
集計部113は、検知部111によって検知された体温情報と、認証部112によって検出された感染症発症の疑いがある症状とから、総合的に通行者が感染症発症の疑いがあるか否かを判定し、判定結果を集計した情報を生成する。
【0140】
体調情報収集部114は、
図17に示すように、難易情報取得部1141、選択部1142、指示部1143、及び体調情報取得部1144を備えている。
【0141】
(難易情報取得部)
難易情報取得部1141は、端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する。
【0142】
ここで、「端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関する情報」とは、端末装置B200において、体調情報の取得のしやすさを示す情報である。一例として、当該難易に関する情報は、端末装置B200が備える検知部201及び他の手段の少なくとも何れかによる検知結果から得ることができる。例えば、当該難易に関する情報は、
・端末装置B200が備える検知部201によって所定期間において生体認証で認知される生体の総数と、
・当該検知部201によって上記所定期間において認知される顔の総数と
の差分によって表現することができる。ここで、当該所定の期間の具体例は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、1分~1時間程度とすることができる。換言すれば、端末装置Bの周辺における体調情報取得の難易に関する情報は、上記所定の期間を1サイクルとして、リアルタイムで更新され得る情報である。
【0143】
したがって、難易情報取得部1141は、一例として、端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関するリアルタイムな情報を取得することができる。
【0144】
また、上記難易に関する情報として、
・利用者の携帯端末と、端末装置C300との間の通信状況に関する情報
を用いる構成としてもよい。本例示的実施形態において、端末装置B200と端末装置C300の具体的配置は何ら限定されるものではないが、一例として、端末装置B200と端末装置C300とが混在して配置される場合、上記難易に関する情報として、利用者の携帯端末10、10aと、端末装置Cとの間の通信状況に関する情報を好適に用いることができる。
【0145】
また、上記の通信状況に関する情報もリアルタイムで更新され得る情報である。したがって、このような構成としても、難易情報取得部1141は、端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関するリアルタイムな情報を取得することができる。
【0146】
(選択部)
選択部1142は、難易情報取得部1141が取得した前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、端末装置B200、及び端末装置C300の何れかの端末装置を選択する。ここで、選択部1142による具体的な選択処理は、本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、選択部1142は、前記体調情報取得の難易に関する情報が、体調情報を取得することが所定の度合いよりも難しいことを示している場合に、端末装置C300を選択する構成としてもよい。また、一例として、選択部1142は、前記体調情報取得の難易に関する情報が、体調情報を取得することが所定の度合いよりも難しくはないことを示している場合に、端末装置B200を選択する構成としてもよい。
【0147】
より具体的にいえば、選択部1142は、
・端末装置B200が備える検知部201によって所定期間において生体認証で認知される生体の総数から、
・当該検知部201によって上記所定期間において認知される顔の総数
を減算して得られる差分値が所定の値以上である場合に、前記体調情報を取得することが所定の度合いよりも難しいと判断する構成とし、上記差分値が所定の値未満である場合に、前記体調情報を取得することが所定の度合いよりも難しくはないと判断する構成としてもよい。
【0148】
また、選択部1142は、
・利用者の携帯端末と、端末装置C300との間の通信状況に関する情報
が、当該通信状況が所定の程度よりも悪いことを示している場合に、前記体調情報を取得することが所定の度合いよりも難しいと判断する構成としてもよいし、当該通信状況が所定の程度よりも良いことを示している場合に、前記体調情報を取得することが所定の度合いよりも難しくはないと判断する構成としてもよい。
【0149】
(指示部)
指示部1143は、端末装置B200、及び端末装置C300のうち、選択部1142が選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を、第1の通信部101を介して指示する。
【0150】
(対象情報取得部1144)
体調情報取得部1144は、端末装置B200、及び端末装置C300のうち、選択部1142が選択し、指示部1143が指示した端末装置から、第1の通信部101を介して、通行者の体調に関する情報を取得する。
【0151】
体調情報収集部114は、以上のようにして第1の通信部101によって受信された端末装置B200および端末装置C300からの体調情報に関する集計結果を含むコンテンツを収集すると共に、集計部113によって生成された集計結果を収集する。
【0152】
解析部115は、コンテンツ収集部114によって収集された集計結果を解析することによって、所定エリアの感染症発症の疑いがある人に関するレポートを作成する。このレポートには、少なくとも、所定エリアにおける感染症発症の疑いがある人の割合が含まれる。
【0153】
以上のように、本例示的実施形態に係る端末装置A100では、
・通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている端末装置B200(第1の端末装置)、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている端末装置C300(第2の端末装置)との間で通信を行う第1の通信部101と、
端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得部1141と、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、端末装置B200、及び端末装置C300の何れかの端末装置を選択する選択部1142と
選択部1142が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得部1144と
を備える構成を採用している。
【0154】
上記のように構成された端末装置A100によれば、端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を参照して、端末装置B200、及び端末装置C300の何れかの端末装置を選択し、選択した端末装置から通行者の体調に関する情報を取得するので、体調情報取得の難易に応じて、通行者の体調に関する情報を好適に収集することができる。
【0155】
また、以上のように、本例示的実施形態に係る端末装置A100においては、生成部102が、第1の通信部101によって受信された集計結果から、少なくとも、所定エリアの感染症発症の疑いがある人の割合を含むレポートを生成する。したがって、政府、自治体等の行政機関の敷地内に設置されるサーバにおいて、受信したレポートを参照することによって、各エリアにおける感染症発症の疑いがある人の割合を把握することができ、適切な支援策等の提案を作成することが可能となる。
【0156】
(情報送信方法の流れ)
図18は、本発明の例示的実施形態7に係る端末装置A100における情報送信方法の流れを示すフロー図である。まず、検知部111は、通行者の体温を検知する(S51)。そして、認証部112は、通行者の生体認証を行う(S52)。
【0157】
次に、集計部113は、検知部111による体温の検知および認証部112による生体認証を続けるか否かを判定する(S53)。検知および認証を続ける場合(S53,Yes)、ステップS51に戻って以降の処理を繰り返す。
【0158】
また、検知および認証を続けない場合(S53,No)、集計部113は、体温情報および認証結果を集計する(S54)。そして、コンテンツ収集部114は、第1の通信部101によって受信された端末装置B200および端末装置C300からの体調情報に関する集計結果を含むコンテンツを収集すると共に(S55)、集計部113によって生成された集計結果を収集する(S56)。
【0159】
次に、解析部115は、コンテンツ収集部114によって収集された集計結果を解析し、レポートを作成する。そして、第2の通信部103は、解析部115によって作成されたレポートをサーバ400に送信する(S58)。
【0160】
(体調情報取得処理の詳細)
上述したステップS55における体調情報取得処理の詳細について、
図19を参照して説明する。
図19は、ステップS55における体調情報取得処理の詳細を示すフロー図である。
【0161】
(ステップS551)
まず、ステップS551において、端末装置A100の難易情報取得部1141は、通行者の体調に関する情報を検知する検知部201を備えている端末装置B200の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する。「体調情報取得の難易に関する情報」については上述したため、ここでは説明を省略する。
【0162】
(ステップS552)
続いて、ステップS552において、端末装置A100の選択部1142は、ステップS551において取得した体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、端末装置B200、及び、端末装置C300の何れかの端末装置を選択する。選択部1142による選択処理については上述した内容と同様である。
【0163】
(ステップS553)
続いて、ステップS553において、端末装置A100の指示部1143は、端末装置B200、及び端末装置C300のうち、選択部1142が選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を、第1の通信部101を介して指示する。
【0164】
(ステップS554)
続いて、ステップS554において、端末装置A100の体調情報取得部106は、ステップS552において選択し、ステップS553において指示した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する。
【0165】
以上のように構成された情報処理方法によれば、本例示的実施形態に係る端末装置A100と同様の効果を奏する。
【0166】
〔ソフトウェアによる実現例〕
携帯端末10、端末装置A100、端末装置B200および端末装置C300の制御ブロック(特に制御部13、13a、認証部16、112、202、生成部102、203、集計部113、302、コンテンツ収集部114、解析部115)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0167】
後者の場合、携帯端末10、端末装置A100、端末装置B200および端末装置C300は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。
【0168】
図20は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ20は、プロセッサ21と、記録媒体30に記録されたプログラムPを記憶するメモリ22とを含み、内部バス23を介して接続される。
【0169】
コンピュータ20において、プロセッサ21がプログラムPを記録媒体30から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。プロセッサ21としては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。記録媒体30としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、プログラムPを展開するメモリ22として、RAM(Random Access Memory)などを備えている。また、プログラムPは、プログラムPを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータ20に供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0170】
(本願発明が利用できる分野)
地震や津波などの災害発生後の人名救助の際に利用が考えられる。災害によって崩壊した建物の中に閉じ込められ、意識がある状態であるにもかかわらず、外に出られない状態にある人(被災者)の命を早期に発見する方法として、本発明の活用が考えられる。
【0171】
また、本発明の端末装置A100と端末装置C300とを、災害発生後に仮設的に設置する。災害対策として、災害が発生する以前の段階で、携帯端末10に、顔認証および体温検知の代わりの生体認証として、指紋認証の生体認証技と、ビーコンアプリケーションとを搭載する。そして、被災者が被災した際に、指紋認証技術を搭載したビーコンアプリケーションを通じて、指紋認証を行うと、携帯端末10の識別情報と位置情報とが仮設された端末装置C300のビーコンに送信される。
【0172】
端末装置C300から、端末装置A100に全情報を送信することで、どの位置にどの携帯端末10を所持する被災者が反応(SOS)を送っているのかを把握することができ、優先的かつ早期に救助に向かうことができる。
【0173】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した例示的実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した例示的実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる例示的実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0174】
〔付記事項2〕
上述した例示的実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0175】
態様1に係る携帯端末は、利用者の体温を検知する検知手段と、端末装置との間で通信を行う通信手段と、当該携帯端末への操作を契機として、検知手段によって検知された利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを、通信手段を介して端末装置に送信する制御手段と、を備える。
【0176】
上記の構成によれば、端末装置において、感染症発症の疑いがある人に関する情報を容易に収集することが可能となる。
【0177】
態様2に係る携帯端末においては、態様1の構成に加えて、操作が、携帯端末が備えるハードウェアボタンの押下である。
【0178】
上記の構成によれば、ロックを解除するとき等に使用されるハードウェアボタンが押下されたときに、体温情報等を端末装置に送信するので、端末装置に情報を送信する頻度を減らすことができる。
【0179】
態様3に係る携帯端末においては、態様1又は2の構成に加えて、制御手段が端末装置に送信する情報には、利用者に関する情報が含まれ、携帯端末はさらに、利用者の生体認証を行う認証手段を備え、利用者に関する情報は、認証手段による生体認証結果である。
【0180】
上記の構成によれば、利用者に関する情報が生体認証結果であるので、端末装置において、携帯端末の利用者を特定することができる。
【0181】
態様4に係る携帯端末においては、態様3の構成に加えて、携帯端末はさらに、画像を撮像する撮像手段を備え、認証手段は、撮像手段によって撮像された利用者の顔の画像から感染症発症の疑いがある症状を検出し、制御手段は、検知手段によって検知された利用者の体温情報、および認証手段によって検出された感染症発症の疑いがある症状を、通信手段を介して端末装置に送信する。
【0182】
上記の構成によれば、利用者の体温情報、および感染症発症の疑いがある症状を、通信手段を介して端末装置に送信するので、端末装置において、携帯端末の利用者が感染症発症の疑いがあるか否かを判定することができる。
【0183】
態様5に係る携帯端末においては、態様1~4のいずれかの構成に加えて、携帯端末に関する情報は、携帯端末の識別情報である。
【0184】
上記の構成によれば、携帯端末の利用者を特定することができる。
【0185】
態様6に係る端末装置は、携帯端末との間で近距離通信を行う端末装置であって、携帯端末から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを近距離通信によって受信する第1の通信手段と、第1の通信手段を介して受信した情報を集計する集計手段と、集計手段によって集計された集計結果を他の端末装置に送信する第2の通信手段とを備える。
【0186】
上記の構成によれば、集計手段が、携帯端末から受信した情報を集計し、第2の通信手段が、集計結果を他の端末装置に送信するので、他の端末装置は、端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0187】
態様7に係る端末装置においては、態様6の構成に加えて、第1の通信手段によって受信する情報には、利用者に関する情報が含まれ、利用者に関する情報は、利用者の生体認証結果を含む。
【0188】
上記の構成によれば、利用者に関する情報が生体認証結果であるので、端末装置において、携帯端末の利用者を特定することができる。
【0189】
態様8に係る端末装置においては、態様7の構成に加えて、利用者に関する情報は、利用者の顔の画像から検出された感染症発症の疑いがある症状に関する情報を含む。
【0190】
上記の構成によれば、端末装置において、携帯端末の利用者が感染症発症の疑いがあるか否かを判定することができる。
【0191】
態様9に係る端末装置は、態様6~8のいずれかの構成に加えて、携帯端末に関する情報は、前記携帯端末の識別情報である。
【0192】
上記の構成によれば、携帯端末の利用者を特定することができる。
【0193】
態様10に係る端末装置は、他の端末装置との間で通信を行う端末装置であって、他の端末装置から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとの集計結果を受信する第1の通信手段と、第1の通信手段によって受信された集計結果から、少なくとも、所定エリアの感染症発症の疑いがある人の割合を含むレポートを生成する生成手段と、生成手段によって生成されたレポートをサーバに送信する第2の通信手段とを備える。
【0194】
上記の構成によれば、サーバにおいて、受信したレポートを参照することによって、各エリアにおける感染症発症の疑いがある人の割合を把握することができる。
【0195】
態様11に係る端末装置においては、態様10の構成に加えて、第1の通信手段によって受信する集計結果には、利用者に関する情報が含まれ、利用者に関する情報は、利用者の生体認証結果を含む。
【0196】
上記の構成によれば、利用者に関する情報が生体認証結果であるので、端末装置において、携帯端末の利用者を特定することができる。
【0197】
態様12に係る端末装置においては、態様11の構成に加えて、利用者に関する情報は、利用者の顔の画像から検出された感染症発症の疑いがある症状に関する情報を含む。
【0198】
上記の構成によれば、端末装置において、携帯端末の利用者が感染症発症の疑いがあるか否かを判定することができる。
【0199】
態様13に係る端末装置においては、態様10~12のいずれかの構成に加えて、携帯端末に関する情報は、携帯端末の識別情報である。
【0200】
上記の構成によれば、携帯端末の利用者を特定することができる。
【0201】
態様14に係る端末装置は、通行者の体温を検知する検知手段と、通行者の顔の画像から感染症発症の疑いがある症状を検出する認証手段と、検知手段によって検知された通行者の体温情報、および認証手段によって検出された感染症発症の疑いがある症状を集計した情報を生成する生成手段と、生成手段によって生成された情報を他の端末装置に送信する通信手段とを備える。
【0202】
上記の構成によれば、他の端末装置が、端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することができる。
【0203】
態様15に係るネットワークシステムは、携帯端末と、携帯端末との間で近距離通信を行う端末装置とを備えるネットワークシステムであって、携帯端末は、利用者の体温を検知する検知手段と、端末装置との間で近距離通信を行う第1の通信手段と、携帯端末への操作を契機として、検知手段によって検知された利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを、第1の通信手段を介して端末装置に送信する制御手段と、を含み、端末装置は、携帯端末から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを近距離通信によって受信する第2の通信手段と、第2の通信手段を介して受信した情報を集計する集計手段と、集計手段によって集計された集計結果を他の端末装置に送信する第3の通信手段と、を含む。
【0204】
上記の構成によれば、端末装置において、感染症発症の疑いがある人に関する情報を容易に収集することが可能となる。また、他の端末装置は、端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0205】
態様16に係るネットワークシステムは、第1の端末装置と、第1の端末装置との間で通信を行う第2の端末装置とを備えるネットワークシステムであって、第1の端末装置は、携帯端末から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを近距離通信によって受信する第1の通信手段と、第1の通信手段を介して受信した情報を集計する集計手段と、集計手段によって集計された集計結果を第2の端末装置に送信する第2の通信手段とを含み、第2の端末装置は、第1の端末装置から集計結果を受信する第3の通信手段と、第3の通信手段によって受信された集計結果から、少なくとも、所定エリアの感染症発症の疑いがある人の割合を含むレポートを生成する生成手段と、生成手段によって生成されたレポートをサーバに送信する第4の通信手段とを含む。
【0206】
上記の構成によれば、第2の端末装置は、第1の端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。また、サーバは、各エリアにおける感染症発症の疑いがある人の割合を把握することができる。
【0207】
態様17に係る情報送信方法は、携帯端末への操作を契機として、利用者の体温を検知するステップと、検知された利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを、端末装置に送信するステップと、を含む。
【0208】
上記の構成によれば、端末装置において、感染症発症の疑いがある人に関する情報を容易に収集することが可能となる。
【0209】
態様18に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに情報送信方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、情報送信方法は、携帯端末への操作を契機として、利用者の体温を検知するステップと、検知された利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを、端末装置に送信するステップと、を含む。
【0210】
上記の構成によれば、端末装置において、感染症発症の疑いがある人に関する情報を容易に収集することが可能となる。
【0211】
態様19に係る情報送信方法は、携帯端末から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを近距離通信によって受信するステップと、受信した情報を集計するステップと、集計された集計結果を他の端末装置に送信するステップと、を含む。
【0212】
上記の構成によれば、他の端末装置は、端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0213】
態様20に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに情報送信方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、情報送信方法は、携帯端末から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを近距離通信によって受信するステップと、受信した情報を集計するステップと、集計された集計結果を他の端末装置に送信するステップと、を含む。
【0214】
上記の構成によれば、他の端末装置は、端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することが可能になる。
【0215】
態様21に係る情報送信方法は、端末装置から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとの集計結果を受信するステップと、受信された集計結果から、少なくとも、所定エリアの感染症発症の疑いがある人の割合を含むレポートを生成するステップと、生成されたレポートをサーバに送信するステップと、を含む。
【0216】
上記の構成によれば、サーバにおいて、受信したレポートを参照することによって、各エリアにおける感染症発症の疑いがある人の割合を把握することができる。
【0217】
態様22に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに情報送信方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、情報送信方法は、端末装置から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとの集計結果を受信するステップと、受信された集計結果から、少なくとも、所定エリアの感染症発症の疑いがある人の割合を含むレポートを生成するステップと、生成されたレポートをサーバに送信するステップと、を含む。
【0218】
上記の構成によれば、サーバにおいて、受信したレポートを参照することによって、各エリアにおける感染症発症の疑いがある人の割合を把握することができる。
【0219】
態様23に係る情報送信方法は、通行者の体温を検知するステップと、通行者の顔の画像から感染症発症の疑いがある症状を検出するステップと、検知された通行者の体温情報、および検出された感染症発症の疑いがある症状を集計した情報を生成するステップと、生成された情報を端末装置に送信するステップと、を含む。
【0220】
上記の構成によれば、端末装置が、端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することができる。
【0221】
態様24に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに情報送信方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、情報送信方法は、通行者の体温を検知するステップと、通行者の顔の画像から感染症発症の疑いがある症状を検出するステップと、検知された通行者の体温情報、および検出された感染症発症の疑いがある症状を集計した情報を生成するステップと、生成された情報を端末装置に送信するステップと、を含む。
【0222】
上記の構成によれば、端末装置が、端末装置が設置された全エリアにおける情報を収集することができる。
【0223】
〔付記事項3〕
上述した実施形態の一部又は全部は、更に、以下のように表現することもできる。
【0224】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、利用者の体温を検知する検知処理と、端末装置との間で通信を行う通信処理と、携帯端末への操作を契機として、検知処理によって検知された利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを、前記通信処理により端末装置に送信する制御処理とを実行する携帯端末。
【0225】
なお、この携帯端末は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記検知処理と、前記通信処理と、前記制御処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0226】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、携帯端末から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとを近距離通信によって受信する受信手段と、受信処理によって受信した情報を集計する集計処理と、集計処理によって集計された集計結果を他の端末装置に送信する送信処理とを実行する端末装置。
【0227】
なお、この端末装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記受信処理と、前記集計処理と、前記送信処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0228】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、他の端末装置との間で通信を行う端末装置であって、他の端末装置から利用者の体温情報と、利用者に関する情報及び携帯端末に関する情報の少なくとも何れかとの集計結果を受信する受信処理と、受信処理によって受信された集計結果から、少なくとも、所定エリアの感染症発症の疑いがある人の割合を含むレポートを生成する生成処理と、生成処理によって生成されたレポートをサーバに送信する送信処理とを実行する端末装置。
【0229】
なお、この端末装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記受信処理と、前記生成処理と、前記送信処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0230】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、通行者の体温を検知する検知処理と、通行者の顔の画像から感染症発症の疑いがある症状を検出する認証処理と、検知処理によって検知された通行者の体温情報、および認証処理によって検出された感染症発症の疑いがある症状を集計した情報を生成する生成処理と、生成処理によって生成された情報を他の端末装置に送信する送信処理とを実行する端末装置。
【0231】
なお、この端末装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記検知処理と、前記認証処理と、前記生成処理と、前記送信処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0232】
〔付記事項4〕
上述した例示的実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0233】
(態様A1)
通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置との間で通信を行う通信手段と、第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得手段と、前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、前記第1の端末装置、及び前記第2の端末装置の何れかの端末装置を選択する選択手段と、前記選択手段が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得手段とを備えている端末装置。
【0234】
上記の構成によれば、所定エリアにおける感染症発症の疑いがある人に関する情報を、障害物等の状況に応じて好適に収集することがえきる。
【0235】
(対応A2)
前記選択手段が選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を指示する指示手段
を更に備える態様A1に記載の端末装置。
【0236】
上記の構成によれば、選択手段が選択した端末装置に対して指示したうえで、体調情報を好適に収集することができる。
【0237】
(態様A3)
前記第1の端末装置が検知する通行者の体調に関する情報、及び前記第2の端末装置が取得する通行者の体調に関する情報は、通行者の体温に関する情報を含んでいる
態様A1またはA2に記載の端末装置。
【0238】
上記の構成によれば、通行者の体温に関する情報を含む好適な体調情報を収集することができる。
【0239】
(態様A4)
前記難易情報取得手段は、利用者の携帯端末と、前記第2の端末装置との間の通信状況に関する情報を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
態様A1からA3の何れか1項に記載の端末装置。
【0240】
上記の構成によれば、体調情報取得の難易に関する情報を好適に取得することができる。
【0241】
(態様A5)
前記難易情報取得手段は、
前記第1の端末装置が備える検知手段によって、所定期間において生体認証で認知される生体の総数と、当該所定期間において認知される顔の総数と
の差分を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
態様A1からA3の何れか1項に記載の端末装置。
【0242】
上記の構成によれば、体調情報取得の難易に関する情報を好適に取得することができる。
【0243】
(態様A6)
前記第2の端末装置が備える取得手段は、
通行者の携帯端末から、近距離通信によって通行者の体調に関する情報を取得する
態様A1からA5の何れか1項に記載の端末装置。
【0244】
上記の構成によれば、体調情報を好適に取得することができる。
【0245】
(態様A7)
通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置、及び、通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置との間で通信を行う通信手段と、
第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得する難易情報取得手段と、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、前記第1の端末装置、及び前記第2の端末装置の何れかの端末装置を選択する選択手段と
前記選択手段が選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得する体調情報取得手段と
を備える、情報処理システム。
【0246】
(態様A8)
前記選択手段が選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を指示する指示手段
を更に備える態様A7に記載の情報処理システム。
【0247】
(態様A9)
前記第1の端末装置が検知する通行者の体調に関する情報、及び前記第2の端末装置が取得する通行者の体調に関する情報は、通行者の体温に関する情報を含んでいる
態様A7またはA8に記載の情報処理システム。
【0248】
(態様A10)
前記難易情報取得手段は、利用者の携帯端末と、前記第2の端末装置との間の通信状況に関する情報を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
態様A7からA9の何れか1項に記載の情報処理システム。
【0249】
(態様A11)
前記難易情報取得手段は、
前記第1の端末装置が備える検知手段によって、所定期間において生体認証で認知される生体の総数と、当該所定期間において認知される顔の総数と
の差分を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
態様A7からA9の何れか1項に記載の情報処理システム。
【0250】
(態様A12)
前記第2の端末装置が備える取得手段は、
通行者の携帯端末から、近距離通信によって通行者の体調に関する情報を取得する
態様A7からA11の何れか1項に記載の情報処理システム。
【0251】
(態様A13)
通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得すること、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、
前記第1の端末装置、及び
通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置
の何れかの端末装置を選択することと、並びに
前記選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得すること
を含んでいる情報処理方法。
【0252】
(態様A14)
前記選択した端末装置に対して、通行者の体調に関する情報の取得を指示する指示こと
を更に含む態様A13に記載の情報処理方法。
【0253】
(態様A15)
前記第1の端末装置が検知する通行者の体調に関する情報、及び前記第2の端末装置が取得する通行者の体調に関する情報は、通行者の体温に関する情報を含んでいる
態様A13またはA14に記載の情報処理方法。
【0254】
(態様A16)
前記体調情報取得の難易に関する情報を取得する工程では、
利用者の携帯端末と、前記第2の端末装置との間の通信状況に関する情報を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
態様A13からA15の何れか1項に記載の情報処理方法。
【0255】
(態様A17)
前記体調情報取得の難易に関する情報を取得する工程では、
前記第1の端末装置が備える検知手段によって、所定期間において生体認証で認知される生体の総数と、当該所定期間において認知される顔の総数と
の差分を、前記体調情報取得の難易に関する情報として取得する
態様A13からA15の何れか1項に記載の情報処理方法。
【0256】
(態様A18)
前記第2の端末装置が備える取得手段は、
通行者の携帯端末から、近距離通信によって通行者の体調に関する情報を取得する
態様A13からA17の何れか1項に記載の情報処理方法。
【0257】
〔付記事項5〕
上述した実施形態の一部又は全部は、更に、以下のように表現することもできる。
【0258】
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
通行者の体調に関する情報を検知する検知手段を備えている第1の端末装置の周辺における体調情報取得の難易に関する情報を取得すること、
前記体調情報取得の難易に関する情報に基づいて、
前記第1の端末装置、及び
通行者の携帯端末から通行者の体調に関する情報を取得する取得手段を備えている第2の端末装置
の何れかの端末装置を選択することと、並びに
前記選択した端末装置から、通行者の体調に関する情報を取得すること
を実行する端末装置。
【0259】
なお、この端末装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、上記の各処理を前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0260】
1 ネットワークシステム
10,10a 携帯端末
11,111,201 検知部
12 操作検出部
13,13a 制御部
14,204 通信部
15 撮像部
16,112,202 認証部
20 コンピュータ
21 プロセッサ
22 メモリ
23 内部バス
30 記録媒体
100 端末装置A
101,301 第1の通信部
102,203 生成部
103,303 第2の通信部
113,302 集計部
114 コンテンツ収集部
115 解析部
200 端末装置B
300 端末装置C
400 サーバ
500 セントラルネットワーク
600 ローカルネットワーク
P プログラム