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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】ネットワーク装置、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/27 20180101AFI20250319BHJP
   H04W 8/20 20090101ALI20250319BHJP
   H04W 74/0833 20240101ALI20250319BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20250319BHJP
【FI】
H04W76/27
H04W8/20
H04W74/0833
H04W92/20 110
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023516517
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 CN2020115425
(87)【国際公開番号】W WO2022056693
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-05-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/163394(WO,A1)
【文献】Qualcomm Incorporated,RACH based uplink small data transmission with or without anchor relocation[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2007541,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2007541.zip>,2020年08月07日
【文献】ZTE Corporation, Sanechips,Details of RRC-based IDT[online],3GPP TSG RAN WG2 #111-e R2-2007449,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_111-e/Docs/R2-2007449.zip>,2020年08月06日
【文献】3GPP,3GPP TS 38.423 V16.2.0 (2020-07),Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/38_series/38.423/38423-g20.zip>,2020年07月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から、RRCResumeRequestメッセージを受信する手段と、
前記端末装置のコンテキストを第1のネットワーク装置に転送するよう第2のネットワーク装置に要求する第1のメッセージであって、後続のスモールデータ送信(SDT)の送信が予想されるか否かを示す第1の指示を含む前記第1のメッセージを、前記第2のネットワーク装置に送信する手段と、
前記端末装置の前記コンテキストの一部のみを転送するための第2のメッセージを、前記第2のネットワーク装置から受信する手段と、を備え、
前記第2のメッセージは、前記端末装置の無線リンク制御(RLC)設定を含む、
第1のネットワーク装置。
【請求項2】
前記SDTは、ランダムアクセスチャネル(RACH)に基づく、
請求項1に記載の第1のネットワーク装置。
【請求項3】
前記第1のメッセージは、RETRIEVE UE CONTEXT REQUESTメッセージである、
請求項1または2に記載の第1のネットワーク装置。
【請求項4】
前記第2のメッセージはさらに、アップリンク送信のためのユーザプレーントランスポートネットワーク層(UP TNL)情報を含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の第1のネットワーク装置。
【請求項5】
前記第2のネットワーク装置により、前記端末装置の前記コンテキストが完全にリロケーションされないと決定される、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の第1のネットワーク装置。
【請求項6】
第1のネットワーク装置により実行される通信方法であって、
端末装置から、RRCResumeRequestメッセージを受信することと、
前記端末装置のコンテキストを前記第1のネットワーク装置に転送するよう第2のネットワーク装置に要求する第1のメッセージであって、後続のスモールデータ送信(SDT)の送信が予想されるか否かを示す第1の指示を含む前記第1のメッセージを、前記第2のネットワーク装置に送信することと、
前記端末装置の前記コンテキストの一部のみを転送するための第2のメッセージを、前記第2のネットワーク装置から受信することと、を含み、
前記第2のメッセージは、前記端末装置の無線リンク制御(RLC)設定を含む、
通信方法。
【請求項7】
前記SDTは、ランダムアクセスチャネル(RACH)に基づく、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のメッセージは、RETRIEVE UE CONTEXT REQUESTメッセージである
請求項またはに記載の方法。
【請求項9】
前記第2のメッセージはさらに、アップリンク送信のためのユーザプレーントランスポートネットワーク層(UP TNL)情報を含む、
請求項乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のネットワーク装置により、前記端末装置の前記コンテキストが完全にリロケーションされないと決定される、
請求項乃至のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として、電気通信の分野に関し、特に、端末装置の非アクティブ状態におけるデータ送信のための通信方法、通信装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、非アクティブ状態にある端末装置は依然として、送信すべき少量で頻繁ではないデータトラフィック(以下、スモールデータ送信(SDT)とも称する)を有する場合がある。第3世代パートナープロジェクト(3GPP(登録商標))リリース16までは、非アクティブ状態はデータ送信をサポートしておらず、端末装置はダウンリンクデータとアップリンクデータのいずれについても接続を再開しなければならない(すなわち、接続状態に入らなければならない)。各データ送信において、データパケットの量と頻度が如何に小さくても、接続が確立され、その後非アクティブ状態にリリースされることになる。これは、不必要な電力消費とシグナリングオーバーヘッドを引き起こす。
【0003】
これに対し、3GPP(登録商標)リリース17は、非アクティブ状態にあるランダムアクセスチャネル(RACH)に基づくSDTおよび事前に設定された物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)リソースに基づくSDTを既に承認している。したがって、シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。この場合、SDTを如何にして実行するかが注目される問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の実施形態は、通信方法、通信装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信方法が提供される。この方法は、非アクティブ状態にある端末装置において、送信すべきアップリンクデータを有する一つ又は複数のデータ無線ベアラ(DRB)が前記非アクティブ状態におけるデータ送信をサポートするか否かを決定することと、前記一つ又は複数のDRBが前記非活動状態におけるデータ送信をサポートするとの決定に従って、前記アップリンクデータに関連付けられるペイロードサイズと前記一つ又は複数のDRBに関連付けられる閾値とに基づいて、前記非アクティブ状態において前記アップリンクデータを送信するか否かを決定することと、前記非アクティブ状態において前記アップリンクデータを送信するとの決定に従って、前記非アクティブ状態において前記アップリンクデータを第1のネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信方法が提供される。この方法は、第1のネットワーク装置において、非アクティブ状態において端末装置により送信されるアップリンクデータを受信することと、前記端末装置のコンテキストを維持する第3のネットワーク装置に、前記端末装置のコンテキストのアンカをリロケーションする要求であって、送信すべき残りのデータが存在するか否かに関する第1の指示を含む要求を送信することと、を含む。
【0007】
第3の態様において、通信方法が提供される。この方法は、端末装置の非アクティブ状態におけるデータ送信の期間中に、前記端末装置のセルが第1のネットワーク装置の第1のセルから第2のネットワーク装置の第2のセルへ再選択されたときに、前記第2のネットワーク装置において前記端末装置から、接続を再開するための第1の要求を受信することと、前記端末装置のコンテキストを維持する第4のネットワーク装置に、前記端末装置のコンテキストのアンカをリロケーションする第2の要求を送信することと、を含む。
【0008】
第4の態様において、通信方法が提供される。この方法は、端末装置のコンテキストを維持する第3のネットワーク装置において第1のネットワーク装置から、非アクティブ状態において前記端末装置のコンテキストのアンカをリロケーションする要求であって、送信すべきアップリンクデータ以外の残りのデータが存在するか否かに関する第1の指示を含む前記要求を受信することと、前記第1の指示に基づいて、前記アンカをリロケーションするか否かを決定することと、アンカをリロケーションしないとの決定に従って、前記非アクティブ状態において前記アップリンクデータを送信するためのコンテキストの少なくとも一部を前記第1のネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0009】
第5の態様において、通信方法が提供される。この方法は、端末装置のコンテキストを維持する第4のネットワーク装置において第2のネットワーク装置から、前記端末装置のコンテキストのアンカをリロケーションする第2の要求を受信することと、前記アンカをリロケーションするとの決定に従って、送信すべきアップリンクデータに関連付けられるデータパケットのシーケンス番号及びハイパーフレーム番号に関する情報を前記第2のネットワーク装置に送信することと、前記データパケットを前記第2のネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0010】
第6の態様において、端末装置が提供される。端末装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを備える。メモリは、プロセッサにより実行された場合、端末装置に本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0011】
第7の態様において、第1のネットワーク装置が提供される。第1のネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを備える。メモリは、プロセッサにより実行された場合、第1のネットワーク装置に本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0012】
第8の態様において、第2のネットワーク装置が提供される。第2ネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを備える。メモリは、プロセッサにより実行された場合、第2のネットワーク装置に本開示の第3の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0013】
第9の態様において、第3のネットワーク装置が提供される。第3のネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを備える。メモリは、プロセッサによって実行された場合、送信装置に本開示の第4の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0014】
第10の態様において、第4のネットワーク装置が提供される。第4のネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを備える。メモリは、プロセッサによって実行された場合、第4のネットワーク装置に本開示の第5の態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0015】
第11の態様において、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。命令は、少なくとも一つのプロセッサ上で実行された場合、当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様に記載の方法を実行させる。
【0016】
第12の態様において、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様に記載の方法を実行させる。
【0017】
第13の態様において、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体を提供する。命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第3の態様に記載の方法を実行させる。
【0018】
第14の態様において、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体を提供する。命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第4の態様に記載の方法を実行させる。
【0019】
第15の態様において、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体を提供する。命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第5の態様に記載の方法を実行させる。
【0020】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0022】
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0023】
図2】本開示の実施形態にかかる、SDT中の通信のためのプロセスを示す模式図である。
【0024】
図3】本開示の実施形態にかかる、セル再選択時の通信のためのプロセスを示す模式図である。
【0025】
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実装される例示的な通信方法を示す図である。
【0026】
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、現在のサービングネットワーク装置としての第1のネットワーク装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
【0027】
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、新たなサービングネットワーク装置としての第2のネットワーク装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
【0028】
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDT中の最後のサービングネットワーク装置としての第3のネットワーク装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
【0029】
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる、セル再選択時の最後のサービングネットワーク装置としての第4のネットワーク装置において実現される例示的な通信方法を示す図である。
【0030】
図9】本開示の実施形態を実装するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0031】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる制限も示唆しないことを理解すべきである。本文で説明される開示内容は、以下で説明される方法とはことなる様々な方法で実施することができる。
【0033】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本文で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0034】
本文で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を意味する。端末装置の例としては、ユーザ装置(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラーホン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT)装置、あらゆるモノのインターネット(IoE)装置、マシンタイプ通信(MTC)装置、V2X通信のための車載装置などを含むが、これらに限定されず、V2Xの「X」は歩行者、車両又はインフラ/ネットワーク、あるいはデジタルカメラなどの画像取得装置、ゲーム装置、音楽保存及び再生装置、あるいは無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧を可能とするインターネット家電などを表す。「端末装置」という用語は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末、または無線装置と互換的に使用することができる。また、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置が通信可能なセルまたはカバレッジを提供またはホストすることのできる装置を意味する。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、次世代ノードB(gNB)、送受信点(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0035】
一実施形態において、端末装置は、第1のネットワーク装置及び第2のネットワーク装置に接続することができる。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置の一方をマスターノードとして、他方をセカンダリ―ノードとしてもよい。第1のネットワーク装置と第2のネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。一実施形態において、第1のネットワーク装置は第1 RAT装置であってもよく、第2のネットワーク装置は第2 RAT装置であってもよい。一実施形態において、第 1RAT装置はeNBであり、第2 RAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1のネットワーク装置または第2のネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信することができる。一実施形態において、第1の情報は、第1のネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、そして第2の情報は、第2のネットワーク装置から直接または第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第2のネットワーク装置により設定された端末装置の設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から第1のネットワーク装置を介して送信することができる。第2のネットワーク装置により設定された端末装置の再設定に関する情報は、第2のネットワーク装置から直接又は第1のネットワーク装置を介して端末装置に送信することができる。
【0036】
本明細書で使用される単数形「1つ」、及び「前記」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含まれる。「含む」という用語およびその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンエンド用語として理解されるべきである。「に基づく」という用語は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。「一実施形態」および「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの別の実施形態」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を指すことができる。その他の明示的及び暗黙的な定義は以下に含まれることがある。
【0037】
いくつかの例において、値、プロシージャ、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと呼ばれる。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことは、理解されるべきである。
【0038】
従来では、少量且つ頻繁でないデータ交換を行うさまざまなアプリケーションが存在する。例えば、モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、インスタントメッセージ(IM)サービスからのトラフィック、例えばIM又は電子メールクライアント及び他のサービスからのハートビートまたはキープアライブトラフィック、様々なアプリケーションにおけるプッシュ通知、ウェアラブル装置からのトラフィック(例えば、周期的な位置情報を含む)などを含むことができる。非モバイル装置のいくつかのアプリケーションでは、SDTは、センサデータ(例えば、IoTネットワーク内で定期的にまたはイベントトリガ方式で送信される温度、圧力示度数)、スマートメーターから送信される計測及び警報情報などを含むことができる。
【0039】
上記したように、3GPP(登録商標)リリース17は、非アクティブ状態にあるRACHに基づくSDTおよび事前に設定されたPUSCHリソースに基づくSDTを既に承認している。この場合、SDTの実現についてよりに詳細を検討する必要がある。また、SDT中のセル再選択時のロスの無いデータ送信をどのようにサポートするかも検討する必要がある。
【0040】
これに鑑みて、本開示の実施形態は、SDT中の通信のための解決策を提供する。この解決策は、SDTの強化を実現するだけでなく、移動中のSDTのロスの無い送信を実現することもできる。以下、添付図面を参照して、本開示の原理および実施態様について詳細に説明する。
【0041】
通信ネットワークの例
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100を示す模式図である。図1に示すように、通信ネットワーク100は、第1のネットワーク装置110と、第2のネットワーク装置120と、第3のネットワーク装置130と、第4のネットワーク装置140と、端末装置150とを含むことができる。端末装置150は、第1のネットワーク装置110と、第2のネットワーク装置120と、第3のネットワーク装置130と、第4のネットワーク装置140とのうちのいずれかによりサービングされることができる。図1における装置の数は説明の目的で与えられており、本開示に対するいかなる制限も暗示していないことは、理解すべきである。通信ネットワーク100は、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置を含むことができる。
【0042】
図1に示すように、第1ネットワーク装置110は、無線通信チャネル等のチャネルを介して端末装置150と通信することができる。同様に、第2、第3及び第4のネットワーク装置120、130及び140の各々は、無線通信チャネルのようなチャネルを介して端末装置150と通信することもできる。第1、第2、第3及び第4のネットワーク装置110、120、130及び140は、互いに通信することができる。
【0043】
通信ネットワーク100における通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、マシンタイプ通信(MTC)などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠することができる。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行することができる。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0044】
第1、第2、第3及び第4のネットワーク装置110、120、130及び140のそれぞれは、少なくとも一つのセル(図示せず)を有することができる。いくつかのシナリオにおいて、より早い段階で、端末装置150は、接続状態において第3のネットワーク装置130によりサービングされ、第3のネットワーク装置130は、端末装置150についてのコンテキストを維持する。いくつかの場合において、第3のネットワーク装置130は、非アクティブ状態に入るように端末装置150に命令することができ、その後、端末装置150は非アクティブ状態に入ることができる。端末装置150が第1のネットワーク装置110へ移動している間、端末装置150は第1のネットワーク装置110によりサービングされるように切り替えられる。この場合、第3のネットワーク装置130は、端末装置150についてのコンテキストを維持する最後のサービングネットワーク装置であってもよい。いくつかの場合において、第1のネットワーク装置110は、端末装置150についてのコンテキストを維持する最後のサービングネットワーク装置であってもよい。
【0045】
他のいくつかのシナリオにおいて、端末装置150の移動に起因して、端末装置150は、非アクティブ状態中に、一つのセルから別のセルへのセル再選択を実行することができる。例えば、端末装置150は、非アクティブ状態中に、第1のネットワーク装置110の第1のセルから第2のネットワーク装置120の第2のセルへのセル再選択を実行することができる。便宜上、セル再選択時に、第4のネットワーク装置140は、端末装置150についてのコンテキストを維持する最後のサービングネットワーク装置であると仮定する。いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、それ自体が第1のネットワーク装置110であってもよい。いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、それ自体が第3のネットワーク装置130であってもよい。
【0046】
本願の実施形態は、これらのシナリオにおける通信のための改善された解決策を提供する。図2図3を参照して以下で説明する。図2は本開示の実施形態にかかる、SDT中の通信のためのプロセス200を示す模式図である。説明のために、図1を参照してプロセス200を説明する。プロセス200は、図1に示すような端末装置150と、第1のネットワーク装置110と第3ネットワーク装置130とを含むことができる。この例において、端末装置150は、現在、第1のネットワーク装置110によりサービングされており、且つ非アクティブ状態にあると仮定する。
【0047】
SDTの決定とパフォーマンス
図2に示すように、一つ又は複数のDRBから新たなアップリンクデータが存在する場合、端末装置120は、該一つ又は複数のDRBがSDTをサポートするか否かを決定(201)する。いくつかの実施形態において、端末装置120は、第1のネットワーク装置110から、DRBについてSDTが第1のネットワーク装置110により許可されるか否かを示すシグナリングを受信し、受信したシグナリングに基づいて、該1つ又は複数のDRBがSDTをサポートするか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、シグナリングはRRCReconfigurationメッセージであってもよい。あるいは、いくつかの実施形態において、シグナリングはRRCReleaseメッセージとすることができる。もちろん、任意の他の適切なシグナリングも可能である。
【0048】
全てのDRBがSDTをサポートする場合、端末装置120は、このアップリンクデータに関連付けられるペイロードサイズと、この一つまたは複数のDRBに関連付けられる閾値とに基づいて、非アクティブ状態においてこのアップリンクデータを送信するか否かを決定(202)する。いくつかの実施形態において、この閾値は、第1のネットワーク装置110により設定されることが可能である。例えば、この閾値は、第1のネットワーク装置110からのシステムメッセージ内でブロードキャストされることができる。別の例として、この閾値は、RRCReconfigurationメッセージまたはRRCReleaseメッセージなどのRRCメッセージのみを使用して、端末装置150に設定されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、この閾値は、端末装置ごとに設定されてもよい。例えば、端末装置150について第1の閾値サイズが設定される。いくつかの実施形態において、端末装置150は、このアップリンクデータの合計ペイロードサイズを決定することができる。合計ペイロードサイズが第1の閾値サイズより小さいと決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態においてこのアップリンクデータを送信すると決定することができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、この閾値は、DRBごとに設定されてもよい。例えば、DRBについて第2の閾値サイズが設定される。いくつかの実施形態において、SDTについては1つのみのDRBを許可することができる。もちろん、SDTについては2つ以上のDRBを許可してもよい。いくつかの実施形態において、第2の閾値サイズは、DRBの各々について共通的に設定される。これらの実施形態において、端末装置150は、DRBの各々に対応するアップリンクデータ内のデータのペイロードサイズを決定することができる。ペイロードサイズが第2の閾値サイズより小さい場合、端末装置150は、非アクティブ状態においてこのアップリンクデータを送信すると決定することができる。いくつかの代替実施形態において、第2の閾値サイズは、DRBの各々について独立して設定される。これらの実施形態において、端末装置150は、DRBの各々に対応するアップリンクデータ内のデータのペイロードサイズを決定することができる。ペイロードサイズが対応する第2の閾値サイズより小さい場合、端末装置150は、非アクティブ状態においてこのアップリンクデータを送信すると決定することができる。
【0051】
非アクティブ状態にいてこのアップリンクデータを送信すると決定した場合、端末装置150は、このアップリンクデータを第1のネットワーク装置110に送信(203)する。いくつかの実施形態において、端末装置150は、4ステップまたは2ステップのRACHプロシージャなどのRACHプロシージャを実行してこのアップリンクデータを送信してもよい。例えば、端末装置150がRACHに基づくSDTを実行すると決定した場合、端末装置150は、少なくともこのアップリンクデータを有するDRBを再開し、4ステップのRACHプロシージャのメッセージ3(msg 3)または2ステップのRACHプロシージャのメッセージA(msg A)内のRRC Resume Requestメッセージで多重化されたアップリンクデータで4ステップまたは2ステップのRACHプロシージャを開始することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、端末装置150は、第1のネットワーク装置110からSDTのための帯域幅部分(BWP)に関する設定を受信し、アップリンクデータ送信のために、BWP設定に基づいてRACHプロシージャを実行することができる。こうして、初期BWP上のトラフィック負荷を著しく軽減することができる。いくつかの実施形態において、初期BWP以外に一つ又は複数のBWPをSDT専用に設定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、BWP設定は、第1のネットワーク装置110からのシステムメッセージ内でブロードキャストされてもよい。代替として、BWP設定は、専用シグナリングを介して端末装置150に設定されてもよい。例えば、該専用シグナリングは、RRCReleaseメッセージであってもよい。もちろん、任意の他の適切なシグナリングも可能である。
【0054】
いくつかの実施形態において、端末装置150は、SDTのための事前に設定されたアップリンクリソースを介してアップリンクデータを送信することもできる(CGベースSDTとも呼ばれる)。アップリンクデータの送信のために任意の他の適切な方法を使用してもよく、本明細書ではこれについて制限を設けないことを注意すべきである。
【0055】
いくつかの実施形態において、端末装置150は、アップリンクデータ以外の残りのデータを送信するか否かに関する指示を送信することもできる。いくつかの実施形態において、端末装置150はバッファ状態報告(BSR)を送信することで、残りのデータが存在するか否かを示すことができる。こうして、ネットワーク装置が端末装置150のコンテキストについてアンカリロケーションを実行するか否かを決定するのに役立つ。例えば、端末装置150は、4ステップのRACHプロシージャのmsg 3または2ステップのRACHプロシージャのmsg A内で指示を送信することができる。
【0056】
SDTのためのアンカリロケーションプロセッシング
端末装置150により送信されるアップリンクデータが受信されると、第1のネットワーク装置110は、端末装置150のコンテキストのアンカをリロケーションする要求を第3のネットワーク装置130に送信(204)することができる。第3のネットワーク装置130は、コンテキストを維持する最後のサービングネットワーク装置である。例えば、第1のネットワーク装置110は、それ自身が最後のサービングネットワーク装置以外の新たなネットワーク装置であるか否かを決定することができる。それ自体が新たなネットワーク装置であると決定した場合、第1のネットワーク装置110は、最後のサービングネットワーク装置として機能する第3のネットワーク装置130に要求を送信することができる。
【0057】
例えば、第1のネットワーク装置110は、RETRIEVE UE CONTEXT REQUESTメッセージを第3のネットワーク装置130に送信することができる。いくつかの実施形態において、この要求は、送信すべき残りのデータが存在するか否かに関する第1の指示を含む。言い換えれば、第1の指示は、ワンショット(one-shot)SDTが存在するか否かを示す。こうして、送信すべき残りのデータが存在するか否かを、最後のサービングネットワーク装置に明示的に示すことができる。例えば、第1の指示は、1ビットであってもよい。該ビットの第1の値は、残りのデータが存在することを示し、該ビットの第2の値は、残りのデータが存在しないことを示すことができる。もちろん、任意の他の適切な方法も可能である。
【0058】
いくつかの代替実施形態において、指示は、ダウンリンク送信のためのユーザプレーントランスポートネットワーク層(UP TNL)情報を含むことができる。この情報により、この指示は、残りのデータが存在しないことを示す。いくつかの代替実施形態において、この指示は、送信すべき残りのデータが存在するか否かを暗黙的に示すために、端末装置150からのBSRを含むことができる。
【0059】
アンカをリロケーションする要求が受信されると、第3のネットワーク装置130は、要求内の第1の指示に基づいてアンカがリロケーションされるか否かを決定(205)する。
【0060】
いくつかの実施形態において、第1の指示が、残りのデータが存在しないこと、すなわち、ワンショットSDTであることを示す場合、第3のネットワーク装置130は、コンテキストをリロケーションするか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、第1の指示が残りのデータが存在すること、すなわち、ワンショットSDTではないことを示す場合、第3のネットワーク装置130は、アンカを第1のネットワーク装置110にリロケーションすることができる。その理由は、非ワンショットSDTの場合、4ステップRACHプロセスのmsg4または2ステップRACHプロセスのmsg Bは、SRB1を使用して新たなネットワーク装置により生成されるべきであるため、コンテキストが必要であるからである。
【0061】
アンカリロケーションが実行される場合、第3のネットワーク装置130は、コンテキストを含む、要求への応答を第1のネットワーク装置110に送信することができる。例えば、第3のネットワーク装置130は、RETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージを第1のネットワーク装置110に送信することができる。
【0062】
アンカリロケーションが実行されない場合、第3のネットワーク装置130は、非アクティブ状態におけるアップリンクデータ送信のためのコンテキストの少なくとも一部を第1のネットワーク装置110に送信(206)することができる。次に、第1のネットワーク装置110は、コンテキストの該一部に基づいて、アップリンクデータに関連付けられるデータパケットを第3のネットワーク装置130に送信(207)し、端末装置150のコンテキストをリリース(208)することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、第3のネットワーク装置130は、第1のネットワーク装置110に、端末装置150に送信すべき接続リリースメッセージと、アップリンク送信のためのUP TNL情報と、コンテキストの、少なくとも端末装置150の無線リンク制御(RLC)設定を含む一部とを含むメッセージを送信することができる。例えば、第3のネットワーク装置130は、カプセル化されたRRCReleaseメッセージと、アップリンクデータについてのUP TNL情報と、コンテキストの、少なくとも端末装置150のRLC設定を有する一部とを有する、RETRIEVE UE CONTEXT FAILUREメッセージをフィードバックすることができる。次に、第1のネットワーク装置110は、RLC設定に従ってRLCエンティティを確立することができる。RLCプロセッシング後、第1のネットワーク装置110は、一つ又は複数のUL PDCP PDUを第3のネットワーク装置130に送信することができる。第3のネットワーク装置130は、アップリンクデータのサービスデータ適応プロトコル(SDAP)およびPDCPプロセッシングを実行してから、そのアップリンクデータをコアネットワークに送信することができる。別のダウンリンク(DL)データが存在する場合、第3のネットワーク装置130は、該別のダウンリンクデータのSDAPおよびPDCPプロセッシングを実行してから、一つ又は複数のDL・PDCP・PDUを第1のネットワーク装置110に送信することができる。そして、第1のネットワーク装置は、DLデータをRRCReleaseメッセージとともに端末装置150に送信する。第1のネットワーク装置110はまた、コンテキストの該一部をリリースする。
【0064】
いくつかの実施形態において、第3のネットワーク装置130は、第1のネットワーク装置110に、このコンテキストとアンカをリロケーションしないことを示す第2の指示とを含む、要求に対する応答を送信することができる。例えば、第3のネットワーク装置130は、コンテキストと第2の指示とを有するRETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージをフィードバックすることができる。別の例として、第3のネットワーク装置130は、コンテキストとアップリンク送信についてのアップリンクTNL情報とを有するRETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージをフィードバックすることができる。アンカをリロケーションしないことを応答が示唆する場合、第1のネットワーク装置110は、コンテキストに従ってRLCエンティティを確立し、RLCプロセッシング後に一つまたは複数のUL PDCP PDUを第3のネットワーク装置130に送信することができる。DLデータが第3のネットワーク装置130により受信された場合、第3のネットワーク装置130は、SDAP及びPDCP処理後に、DL PDCP PDUを第1のネットワーク装置110に送信することができる。第1のネットワーク装置110は、RLC及びMACプロセッシング後にDLデータを端末装置150に送信する。
【0065】
いくつかの実施形態において、第1のネットワーク装置110は、一つ又は複数のDRBのためにRLC、PDCP、およびSDAPエンティティを確立し、RLC、PDCP、およびSDAPプロセッシング後にULデータを第3のネットワーク装置130に送信することができる。DLデータが第3のネットワーク装置130により受信された場合、第3のネットワーク装置130は、DLデータを第1のネットワーク装置110に送信することができる。
【0066】
第1のネットワーク装置110は、RRCReleaseメッセージなどのRRCメッセージを生成し、アップリンクデータに関連付けられるダウンリンクデータの有無にかかわらず、RRCメッセージを端末装置150に送信(209)することができる。いくつかの実施形態において、ダウンリンクデータは、4ステップのRACHプロセスのmsg 4または2ステップのRACHプロセスのmsg B内で、RRCメッセージとともに端末装置150に送信されることができる。第1のネットワーク装置110は、SDTプロシージャ後にコンテキストをリリースすべきである。
【0067】
SDT中の新たなアップリンク送信の処理
SDT中に、新たなアップリンク送信(本明細書では別のアップリンク送信とも称する)がある場合、端末装置150は、それが新たなアップリンクデータまたはシグナリングであるか否か、およびこの新たなアップリンクデータを有するDRB(別のDRBとも称する)がSDTをサポートするか否かに基づいて、該別のアップリンク送信をプロセッシングすることができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、端末装置150は、別のアップリンク送信がアップリンクシグナリングを含むか否かを決定(210)することができる。該別のアップリンク送信がアップリンクシグナリングを含むと決定した場合、端末装置150は、端末装置150に関連付けられるDRBを一時停止(212)し、RACHプロシージャに基づく接続状態において該別のアップリンク送信を実行(213)することができる。例えば、端末装置150は、媒体アクセス制御(MAC)エンティティをリセットし、一時停止されていない全てのDRBを一時停止し、通常のデータ転送のためのRRC Resumeプロセスを開始することができる。第1のネットワーク装置110からRRCResumeメッセージが受信されると、端末装置150は、RRCResumeメッセージ内で示されるようにRLC再確立とPDCP再確立とを実行することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、RLC層の確認応答モード(AM)にあるDRBについてのPDCP状態報告を第1のネットワーク装置110に送信することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、接続状態において且つRACHプロシージャに基づいて、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信を実行することもできる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信をキャンセルしてもよい。
【0069】
該別のアップリンク送信がアップリンクシグナリングを含まない、すなわち、該別のアップリンク送信が別のアップリンクデータを含むと決定した場合、端末装置150は、該別のアップリンクデータを有する該別のDRBが現在のDRBの各々と異なり且つ該別のDRBがSDTをサポートするか否かとを決定(211)することができ、該別のDRBがSDTをサポートしないと決定した場合、端末装置150は、端末装置150に関連付けられるDRBを一時停止(212)し、RACHプロシージャに基づく接続状態において該別のアップリンク送信を実行(213)することができる。例えば、端末装置150は、MACエンティティをリセットし、一時停止されていない全てのDRBを一時停止し、通常のデータ転送のためのRRC Resumeプロセスを開始することができる。第1のネットワーク装置110からRRCResumeメッセージが受信されると、端末装置150は、RRCResumeメッセージ内で示されるようにRLC再確立とPDCP再確立とを実行することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、RLC層のAMにあるDRBについてのPDCP状態報告を第1のネットワーク装置110に送信することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、接続状態において且つRACHプロシージャに基づいて、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信を実行することもできる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信をキャンセルしてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、該別のDRBが現在のDRBの各々と異なり且つSDTをサポートすると決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態において該別のアップリンク送信を実行するか否かを決定(214)することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、該別のアップリンク送信とアップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信(本明細書では、未完了データ送信とも称する)とがSDTの条件を満たすか否かを決定することができる。アップリンクデータの場合のSDTについての決定と同様に、端末装置150は、該別のアップリンク送信と未完了データ送信との合計ペイロードサイズを決定することができ、合計ペイロードサイズが閾値より小さいと決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態において該別のアップリンク送信を実行すると決定することができる。ここでは簡潔にするため、その他の詳細は省略している。
【0071】
非アクティブ状態において該別のアップリンク送信を実行すると決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態において該別のアップリンク送信を実行(215)することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、該別のDRBを再開し、MACエンティティをリセットし、MACセルグループ設定をリリースし、一時停止されていないDRBについてRLC再確立を実行し、該別のアップリンク送信を実行するためにSDTプロセスを開始することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、非アクティブ状態において、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信を実行することもできる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信をキャンセルしてもよい。
【0072】
非アクティブ状態において該別のアップリンク送信を実行しないと決定した場合、端末装置150は、端末装置150に関連付けられるDRBを一時停止し、RACHプロシージャに基づく接続状態において該別のアップリンク送信を実行することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、アイドル状態に入ると、該別のアップリンク送信を実行することができる。代替として、端末装置150は、MACエンティティをリセットし、MACエンティティについてのMACセルグループ設定をリリースし、全てのRLC及びPDCPエンティティをリリースし、RRC setup Requestメッセージを第1のネットワーク装置110に送信することにより、該別のアップリンク送信のためのRRC確立プロセスを開始することができる。もちろん、端末装置150は、現在のSDT送信の後に、該別のアップリンク送信のために、通常のデータ送信のためのRRC Resumeプロセスを開始することもできる。
【0073】
いくつかの代替実施形態において、SDT中、RACHに基づくSDTであっても、CGに基づくSDTであっても、または後続のSDTであっても、SDTをサポートしない(すなわち、設定されていない)DRBからの新たなアップリンクデータが存在する場合、または新しいアップリンクシグナリングが到着した場合、または現在のDRB以外の他のDRBからの新たなアップリンクデータがある場合、端末装置150は、アイドル状態に入ると、該別のアップリンク送信を実行することができる。代替として、端末装置150は、MACエンティティをリセットし、MACエンティティについてのMACセルグループ設定をリリースし、全てのRLC及びPDCPエンティティをリリースし、RRC setup Requestメッセージを第1のネットワーク装置110に送信することにより、該別のアップリンク送信のためのRRC確立プロセスを開始することができる。もちろん、端末装置150は、現在のSDT送信の後に、該別のアップリンク送信のために、通常のデータ送信のためのRRC Resumeプロセスを開始することもできる。
【0074】
こうして、該他のDRBからの新たなアップリンク送信の場合に、ロスの無い送信をサポートすることができる。
【0075】
SDT中のセル再選択プロセッシング
端末装置150がSDTを実行しているとき、RACHに基づくSDTであっても、CGに基づくSDTであっても、または後続のSDTであっても、現在のセル(本明細書では第1のセルとも称する)から新たなセル(本明細書では第2のセルとも称する)へのセル再選択が発生すると、端末装置は、第2のセルがSDTをサポートするか否か、すなわち、第2のセルにおいてSDTが許可されるか否かをチェックすることができる。これについては、図3を参照して詳細に説明する。図3は本開示の実施形態にかかる、セル再選択時の通信のためのプロセス300を示す模式図である。説明のために、図1を参照してプロセス300を説明する。プロセス300には、図1に示すような端末装置150と、第2のネットワーク装置120と第4のネットワーク装置140とが関与してもよい。この例において、非アクティブ状態における端末装置150のサービングセルが、第1のネットワーク装置110の第1のセルから第2のネットワーク装置120の第2のセルに再選択され、第4のネットワーク装置140が、端末装置150のコンテキストを維持する最後のサービングネットワーク装置であると仮定する。
【0076】
SDTをサポートする新たなセル
図3に示すように、端末装置150は、第2のセルにおいてSDTを実行できるか否かを決定(301)することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、第2のセルがSDTをサポートするか否か、およびSDTの条件が満たされているか否かを決定することができる。端末装置150は、第2のセルがSDTをサポートし、且つSDTの条件が満たされていると決定した場合、端末装置150は、第2のセルにおいてSDTを実行できると決定することができる。例えば、端末装置150は、第2のネットワーク装置120からのシステムメッセージに基づいて、第2のセルがSDTをサポートするか否かを決定することができる。別の例として、端末装置150は、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータのペイロードサイズに基づいて、SDTの条件が満たされているか否かを決定することができる。これは一例に過ぎず、本願はこれについて制限も設けない。
【0077】
第2のセルにおいてSDTを実行できると決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態を維持(302)することができる。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態が維持されている間に、端末装置150は、端末装置150のMAC層のMACエンティティをリセットすることができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、MACエンティティについてのMACセルグループ設定をリリースすることができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、端末装置150に関連付けられる一時停止されていないDRBについて、端末装置150のRLC層のRLCエンティティの再確立を実行することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、端末装置150に関連付けられる一時停止されていないDRBについて、端末装置150のPDCP層のPDCPエンティティの再確立を実行することができる。
【0078】
そして、端末装置150は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを第2のセルに送信(303)することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、前述した第1のセル(すなわち、第1のネットワーク装置110)におけるSDTプロシージャのように、第2のセルにおいてSDTプロセスを開始することができる。例えば、端末装置150は、第2のネットワーク装置120への接続を再開する要求(本明細書では、第1の要求とも称する)を送信することができる。一例として、端末装置150は、RRC Resume Requestメッセージを送信することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、RLC AM DRBについてのPDCP状態報告を第2のセル110に送信することができる。
【0079】
端末装置150からの第1の要求の受信時に、第2のネットワーク装置120は、それ自身が端末装置150をサービングする新たなネットワーク装置であるか否かを決定することができる。それ自体が新たなネットワーク装置であると決定した場合、第2のネットワーク装置120は、第4のネットワーク装置140に、端末装置150のコンテキストのアンカをリロケーションする第2の要求を送信(306)することができる。いくつかの実施形態において、第2の要求は、アップリンク送信およびダウンリンク送信のためのUP TNL情報(すなわち、データ転送のためのUP TLN情報)を含むことができる。例えば、第2のネットワーク装置120は、データ転送のためのUP TNL情報を含むRETREVE UE CONTEXT REQUESTメッセージを送信することができる。もちろん、任意の他の適切なメッセージも可能である。
【0080】
アンカをリロケーションする第2の要求の受信時に、第4のネットワーク装置140は、アンカをリロケーションするか否かを決定(307)することができる。第4のネットワーク装置140が、アンカをリロケーションすると決定した場合、すなわち、アンカリロケーションを実行すると決定した場合、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、アップリンクデータに関連付けられるデータパケットのSN及びHFNに関する情報を送信(308)することができる。言い換えれば、第4のネットワーク装置140は、アップリンクとダウンリンクとのPDCP SN及びHFN状態情報、すなわち、まだコアネットワークに送信されていない端末装置150からのアップリンクデータパケットとまだ端末装置150に正常に送信されていないコアネットワークからのダウンリンクデータパケットとに関するSN及びHFN情報を送信することができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、コンテキストを含む、第2の要求への応答内で、このSN及びHFN情報を第2のネットワーク装置120に送信することができる。例えば、第4のネットワーク装置140は、RETRIEVE UE CONTEXT RESPONSE内でSN及びHFN情報を送信することができる。いくつかの代替実施形態において、第4のネットワーク装置140は、SN及びHFN情報を、この情報の送信専用のメッセージ内で送信することができる。例えば、第4のネットワーク装置140は、コンテキストを含むRETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージを送信し、SN STATUS TRANSFERメッセージ内でSN及びHFN情報を送信することもできる。もちろん、任意の他の適切なメッセージも可能であり、本願は上記の例に限定されない。
【0082】
アンカをリロケーションする第2の要求がデータ転送のためのUP TNL情報を含まないいくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、データ転送のためのUP TNL情報を取得する要求(本明細書では第3の要求とも称する)を送信することができる。いくつかの実施形態において、第3の要求は、データ転送のためのUP TNL情報に関連付けられるPDUセッションアイデンティティ(ID)を含むことができる。いくつかの代替または追加の実施形態において、第3の要求は、データ転送のためのUP TLN情報に関連付けられるDRB IDリストを含むことができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、第3の要求は、第2の要求への応答内に含まれてもよい。例えば、第3の要求は、RETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージ内に含めることができる。もちろん、第3の要求は、任意の他の適切なメッセージ内で送信されてもよい。
【0084】
第3の要求の受信時に、第2のネットワーク装置120は、データ転送のためのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。第3の要求がPDUセッションIDを含むいくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、PDUセッションIDについてのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。第3の要求がDRB IDリストを含むいくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、DRB IDリストについてのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。いくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、XN-U ADDRESS INDICATIONメッセージを介して、データ転送のためのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。もちろん、任意の他の適切なメッセージも可能である。
【0085】
次に、第4のネットワーク装置140は、データ転送プロシージャを実行(309)して、データパケットを第4のネットワーク装置140から第2のネットワーク装置120に転送することができる。データパケットは、まだコアネットワークに送信されていない端末装置150からのアップリンクデータパケットと、まだ端末装置150に正常に送信されていないコアネットワークからのダウンリンクデータパケットとを含むことができる。
【0086】
アンカをリロケーションしないと第4のネットワーク装置140が決定した場合、すなわち、アンカリロケーションを実行しないと第4のネットワーク装置140が決定した場合、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、コンテキストの少なくとも一部を送信することができる。したがって、第2のネットワーク装置120は、コンテキストの該一部に基づいて、アップリンクデータに関連付けられるデータパケットを第4のネットワーク装置140に送信し、端末装置150のコンテキストをリリースすることができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、端末装置150に送信すべき接続リリースメッセージと、アップリンク送信のためのUP TNL情報と、コンテキストの、少なくとも端末装置150のRLC設定を含む一部とを含むメッセージを送信することができる。例えば、第4のネットワーク装置140は、カプセル化されたRRCReleaseメッセージと、UP TNL情報と、コンテキストの、少なくとも端末装置150のRLC設定を有する一部とを有する、RETRIEVE UE CONTEXT FAILUREメッセージをフィードバックすることができる。したがって、第2のネットワーク装置120は、RRCReleaseメッセージを端末装置150に転送することができる。次に、第2のネットワーク装置120は、RLC設定に従ってRLCエンティティを確立することができる。RLCプロセッシング後、第2のネットワーク装置120は、一つ又は複数のUL PDCP PDUを第4のネットワーク装置140に送信することができる。次に、第2のネットワーク装置120は、コンテキストをリリースすることができる。第4のネットワーク装置140は、アップリンクデータのSDAPおよびPDCPプロセッシングを実行してから、そのアップリンクデータをコアネットワークに送信することができる。別のDLデータが存在する場合、第4のネットワーク装置140は、該別のダウンリンクデータのSDAPおよびPDCPプロセッシングを実行してから、一つ又は複数のDL・PDCP・PDUを第2のネットワーク装置120に送信することができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、このコンテキストとアンカをリロケーションしないことを示す第2の指示とを含む、要求に対する応答を送信することができる。例えば、第3のネットワーク装置130は、コンテキストと第2の指示とを有するRETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージをフィードバックすることができる。別の例として、第4のネットワーク装置140は、コンテキストとアップリンク送信についてのアップリンクTNL情報とを有するRETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージをフィードバックすることができる。アンカをリロケーションしないことを応答が示唆する場合、第2のネットワーク装置120は、コンテキストに従ってRLCエンティティを確立し、RLCプロセッシング後に一つまたは複数のUL PDCP PDUを第4のネットワーク装置140に送信することができる。
【0089】
第2のネットワーク装置120は、RRCReleaseメッセージなどのRRCメッセージを生成し、アップリンクデータに関連付けられるダウンリンクデータの有無にかかわらず、RRCメッセージを端末装置150に送信することができる。いくつかの実施形態において、ダウンリンクデータは、4ステップのRACHプロシージャのmsg 4または2ステップのRACHプロシージャのmsg B内で、RRCメッセージとともに端末装置150に送信されることができる。
【0090】
SDTをサポートしない新たなセル
第2のセルがSDTをサポートしないと決定された場合、端末装置150は、非アクティブ状態を維持したまま、端末装置150に関連付けられるDRBを一時停止(310)することができる。次に、端末装置150は、接続状態におけるアップリンクデータの送信のためにRACHプロシージャを実行(311)することができる。例えば、端末装置150は、非アクティブ状態を維持してMACエンティティをリセットし、一時停止されていない全てのDRBを一時停止し、通常のデータ転送のためのRRC Resumeプロシージャを開始することができる。第2のネットワーク装置120からRRCResumeメッセージが受信されると、端末装置150は、RRCResumeメッセージ内で示されるようにDRBについてRLC再確立とPDCP再確立とを実行することができる。
【0091】
端末装置150からの第1の要求の受信時に、第2のネットワーク装置120は、それ自身が端末装置150をサービングする新たなネットワーク装置であるか否かを決定することができる。それ自体が新たなネットワーク装置であると決定した場合、第2のネットワーク装置120は、第4のネットワーク装置140に、端末装置150のコンテキストのアンカをリロケーションする第2の要求を送信(312)することができる。いくつかの実施形態において、第2の要求は、アップリンク送信およびダウンリンク送信のためのUP TNL情報(すなわち、データ転送のためのUP TLN情報)を含むことができる。例えば、第2のネットワーク装置120は、データ転送のためのUP TNL情報を含むRETREVE UE CONTEXT REQUESTメッセージを送信することができる。もちろん、任意の他の適切なメッセージも可能である。
【0092】
アンカをリロケーションする第2の要求の受信時に、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、アップリンクデータに関連付けられるデータパケットのSN及びHFNに関する情報を送信(313)することができる。言い換えれば、第4のネットワーク装置140は、アップリンクとダウンリンクとのPDCP SN及びHFN状態情報、すなわち、まだコアネットワークに送信されていない端末装置150からのアップリンクデータパケットとまだ端末装置150に送信されていないコアネットワークからのダウンリンクデータパケットとに関するSN及びHFN情報を送信することができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、コンテキストを含む、第2の要求への応答内で、このSN及びHFN情報を第2のネットワーク装置120に送信することができる。例えば、第4のネットワーク装置140は、RETRIEVE UE CONTEXT RESPONSE内でSN及びHFN情報を送信することができる。いくつかの代替実施形態において、第4のネットワーク装置140は、SN及びHFN情報を、この情報の送信専用のメッセージ内で送信することができる。例えば、第4のネットワーク装置140は、コンテキストを含むRETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージを送信し、SN STATUS TRANSFERメッセージ内でSN及びHFN情報を送信することもできる。もちろん、任意の他の適切なメッセージも可能であり、本願は上記の例に限定されない。
【0094】
アンカをリロケーションする第2の要求がデータ転送のためのUP TNL情報を含まないいくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、データ転送のためのUP TNL情報を取得する要求(本明細書では第3の要求とも称する)を送信することができる。いくつかの実施形態において、第3の要求は、データ転送のためのUP TLN情報に関連付けられるPDUセッションアイデンティティ(ID)を含むことができる。いくつかの代替または追加の実施形態において、第3の要求は、データ転送のためのUP TLN情報に関連付けられるDRB IDリストを含むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、第3の要求は、第2の要求への応答内に含まれてもよい。例えば、第3の要求は、RETRIEVE UE CONTEXT RESPONSEメッセージ内に含めることができる。もちろん、第3の要求は、任意の他の適切なメッセージ内で送信されてもよい。
【0096】
第3の要求の受信時に、第2のネットワーク装置120は、データ転送のためのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。第3の要求がPDUセッションIDを含むいくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、PDUセッションIDについてのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。第3の要求がDRB IDリストを含むいくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、DRB IDリストについてのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。いくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、XN-U ADDRESS INDICATIONメッセージを介して、データ転送のためのUP TNL情報を第4のネットワーク装置140に送信することができる。もちろん、任意の他の適切なメッセージも可能である。
【0097】
次に、第4のネットワーク装置140は、データ転送プロシージャを実行(314)して、データパケットを第4のネットワーク装置140から第2のネットワーク装置120に転送することができる。データパケットは、まだコアネットワークに送信されていない端末装置150からのアップリンクデータパケットと、まだ端末装置150に送信されていないコアネットワークからのダウンリンクデータパケットとを含むことができる。
【0098】
図3に示すプロセスにより、SDT中のセル再選択時のロスの無い送信をサポートすることができる。
【0099】
なお、図2及び図3に示す動作は、本開示の実施形態を実現するのに必ずしも必要ではなく、必要に応じて、より多くの動作またはより少ない動作を調整することができる。図2及び図3で例示されるプロセスに対応し、本開示の実施形態は、端末装置およびネットワーク装置において実現される通信方法を提供する。図4から8を参照し、以下にこれらの方法を説明する。
【0100】
通信方法の例
図4は本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実現される例示的な通信方法400を示す図である。例えば、方法400は、図1に示すような端末装置150において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法400を説明する。方法400は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解すべきである。
【0101】
ブロック410において、端末装置150は、送信すべきアップリンクデータを有する一つ又は複数のDRBが、端末装置150の非アクティブ状態におけるデータ送信をサポートするか否かを決定する。すなわち、端末装置150は、該一つまたは複数のDRBがSDTをサポートするか否かを決定する。
【0102】
該一つ又は複数のDRBが非アクティブ状態におけるデータ送信をサポートする場合、ブロック420において、端末装置150は、アップリンクデータに関連付けられるペイロードサイズと該一つ又は複数のDRBに関連付けられる閾値とに基づいて、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信するか否かを決定する。いくつかの実施形態において、端末装置150は、アップリンクデータの合計ペイロードサイズを決定してもよく、また、合計ペイロードサイズが第1の閾値サイズより小さいと決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信すると決定することができる。
【0103】
いくつかの代替実施形態において、端末装置150は、該一つ又は複数のDRBの各々に対応するアップリンクデータ内のデータのペイロードサイズを決定してもよく、また、ペイロードサイズが第2の閾値サイズより小さい場合、端末装置150は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信すると決定することができる。いくつかの追加または代替の実施形態において、第2の閾値サイズは、DRBの各々に関連付けて設定される。
【0104】
非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信すると決定した場合、ブロック430において、端末装置150は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを第1のネットワーク装置110に送信する。いくつかの実施形態において、端末装置150は、第1のネットワーク装置110から、非アクティブ状態におけるデータ送信のためのBWPに関する設定を受信し、この設定に基づいて、アップリンクデータの送信のためのRACHプロシージャを実行することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、第1のネットワーク装置110に、アップリンクデータ以外の残りのデータを送信するか否かに関する指示を送信することもできる。
【0105】
いくつかの実施形態において、端末装置150は、第1のネットワーク装置110の第1のセルから第2のネットワーク装置120の第2のセルへのセル再選択時に、非アクティブ状態におけるデータ送信を第2のセル内で実行できるか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態におけるデータ送信を第2のセル内で実行できると決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態を維持して、非アクティブ状態においてアップリンクデータを第2のセルに送信することができる。
【0106】
いくつかの追加または代替の実施形態において、端末装置150は、非アクティブ状態を維持したまま、端末装置150のMAC層のMACエンティティのリセットと、MACエンティティについてのMACセルグループ設定のリリースと、端末装置150に関連付けられる一時停止されていないDRBについての端末装置150のRLC層のRLCエンティティの再確立と、端末装置150に関連付けられる一時停止されていないDRBについての端末装置150のPDCP層のPDCPエンティティの再確立とのうちの少なくとも一つを実行する。いくつかの実施形態において、端末装置150はさらに、RLC層のAMにあるDRBについてのPDCP状態報告を第2のセル110に送信することができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、非アクティブ状態におけるデータ送信を第2のセル内で実行できないと決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態を維持したまま端末装置150に関連付けられるDRBを一時停止し、接続状態におけるアップリンクデータの送信のためにRACHプロシージャを実行することができる。
【0108】
いくつかの実施形態において、端末装置150は、別のアップリンク送信がアップリンクシグナリングを含むか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、該別のアップリンク送信がアップリンクシグナリングを含むと決定した場合、端末装置150は、端末装置150に関連付けられるDRBを一時停止し、RACHプロシージャに基づく接続状態において該別のアップリンク送信を実行することができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、該別のアップリンク送信がアップリンクシグナリングを含まないと決定した場合、端末装置150は、該別のアップリンク送信を有する別のDRBが一つまたは複数のDRBの各々と異なり且つ該別のDRBが非アクティブ状態におけるデータ送信をサポートするか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、該別のDRBが非アクティブ状態におけるデータ送信をサポートしないと決定した場合、端末装置150は、端末装置150に関連付けられるDRBを一時停止し、RACHプロシージャに基づく接続状態において該別のアップリンク送信を実行することができる。いくつかの実施形態において、端末装置150は、接続状態において且つRACHプロシージャに基づいて、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信を実行することができる。
【0110】
いくつかの実施形態において、該別のDRBが該一つまたは複数のDRBの各々と異なり且つ非アクティブ状態におけるデータ送信をサポートすると決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態において該別のアップリンク送信を実行するか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態において該別のアップリンク送信を実行すると決定した場合、端末装置150は、非アクティブ状態において第1のネットワーク装置への該別のアップリンク送信を実行することができる。いくつかの実施形態において、端末装置120は、非アクティブ状態において、アップリンクデータのうち正常に送信していないデータの送信を実行することができる。
【0111】
図5は本開示のいくつかの実施形態にかかる、第1のネットワーク装置(すなわち、現在のサービングネットワーク装置)において実現される例示的な通信方法500を示す。例えば、方法500は、図1に示すような第1ネットワーク装置110において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法500を説明する。方法500は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解すべきである。
【0112】
図5に示すように、ブロック510において、第1のネットワーク装置110は、非アクティブ状態にある端末装置150により送信されるアップリンクデータを受信することができる。ブロック520において、第1のネットワーク装置110は、端末装置150のコンテストを維持する第3のネットワーク装置130に、前記端末装置のコンテキストのアンカをリロケーションする要求であって、送信すべき残りのデータが存在するか否かに関する第1の指示を含む要求を送信することができる。
【0113】
いくつかの実施形態において、この指示は、ダウンリンク送信のためのUP TNL情報と、端末装置150からのBSRとのうちの少なくとも一つを含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1のネットワーク装置110はさらに、コンテキストとアンカをリロケーションしないことを示す第2の指示とを含む、要求への応答を、第3のネットワーク装置130から受信することができる。いくつかの実施形態において、第1のネットワーク装置110は、コンテキストに基づいて、アップリンクデータに関連付けられるデータパケットを第3のネットワーク装置130に送信し、端末装置150のコンテキストをリリースすることができる。いくつかの実施形態において、第2の指示は、アップリンク送信のためのUP TNL情報を含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、第1のネットワーク装置110は、第3のネットワーク装置130から、端末装置に送信すべき接続リリースメッセージと、アップリンク送信のためのUP TNL情報と、コンテキストの、少なくとも端末装置150のRLC設定を含む一部とを含むメッセージを受信することができる。いくつかの実施形態において、第1のネットワーク装置110は、UP TNL情報とRLC設定とに基づいて、アップリンクデータを第3のネットワーク装置に送信し、接続リリースメッセージを端末装置150に送信することができる。
【0116】
図6は本開示のいくつかの実施形態にかかる、第2のネットワーク装置(すなわち、新たなサービングネットワーク装置)において実現される例示的な通信方法600を示す。例えば、方法600は、図1に示すような第2のネットワーク装置120において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法600を説明する。方法600は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解すべきである。
【0117】
図6に示すように、ブロック610において、端末装置150の非アクティブ状態におけるデータ送信の期間中に、前記端末装置150のセルが第1のネットワーク装置110の第1のセルから第2のネットワーク装置120の第2のセルへ再選択されたときに、前記第2のネットワーク装置120は、前記端末装置150から、接続を再開する第1の要求を受信する。
【0118】
いくつかの実施形態において、非アクティブ状態におけるデータ送信は、第2のセルにおいて実行されてもよく、第2のネットワーク装置120は、端末装置150から、データ送信における正常に送信していないアップリンクデータを受信することができる。いくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、端末装置150から、RLC層のAMにあるDRBについてのPDCP状態報告を受信することもできる。
【0119】
ブロック620において、第2のネットワーク装置120は、端末装置150のコンテキストを維持する第4のネットワーク装置140に、端末装置のコンテキストのアンカをリロケーションする第2の要求を送信する。いくつかの実施形態において、第2の要求は、データ送信のためのユーザプレーントランスポートネットワーク層(UP TNL)情報を含むことができる。これらの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、第4のネットワーク装置140から、コンテキストとデータ送信に関連付けられるデータパケットのシーケンス番号及びハイパーフレーム番号に関する情報とを含む、要求への応答を受信することができる。いくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、コンテキストと情報とに基づいて、第4のネットワーク装置からデータパケットを受信することもできる。
【0120】
いくつかの代替実施形態において、第2のネットワーク装置120は、コンテキストを含む、要求への応答を第4のネットワーク装置140から受信することができる。いくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、第4のネットワーク装置140から、データ送信に関連付けられるデータパケットのシーケンス番号及びハイパーフレーム番号に関する情報を含むメッセージであって、該情報の送信専用のメッセージを受信することもできる。いくつかの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、コンテキストと情報とに基づいて、第4のネットワーク装置140からデータパケットを受信することもできる。
【0121】
いくつかの実施形態において、第2の要求は、データ送信のためUP TNL情報を含まない。これらの実施形態において、第2のネットワーク装置120は、第4のネットワーク装置140から、データ送信のためのUP TNL情報を取得する第3の要求を受信し、その後、第4のネットワーク装置140に、データ送信のためのUP TNL情報を送信することができる。いくつかの実施形態において、第3の要求は、PDUセッションIDと、一つまたは複数のDRBのIDリストとのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0122】
図7は本開示のいくつかの実施形態にかかる、第3のネットワーク装置(すなわち、SDT中の最後のサービングネットワーク装置)において実現される例示的な通信方法700を示す。例えば、方法700は、図1に示すような第3のネットワーク装置130において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法700を説明する。方法700は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解すべきである。
【0123】
図7に示すように、ブロック710において、端末装置150のコンテキストを維持する第3のネットワーク装置130は、非アクティブ状態において端末装置150のコンテキストのアンカをリロケーションする要求であって、送信すべきアップリンクデータ以外の残りのデータが存在するか否かに関する第1の指示を含む要求を受信する。いくつかの実施形態において、第1の指示は、ダウンリンク送信のためのUP TNL情報と、端末装置からのBSRとのうちの少なくとも一つを含む。
【0124】
ブロック720において、第3のネットワーク装置130は、第1の指示に基づいてアンカをリロケーションするか否かを決定する。いくつかの実施形態において、アンカをリロケーションしないと決定した場合、ブロック730において、第3のネットワーク装置130は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信するためのコンテキストの少なくとも一部を第1のネットワーク装置110に送信する。
【0125】
いくつかの実施形態において、第3のネットワーク装置130は、第1のネットワーク装置110に、端末装置に送信すべき接続リリースメッセージと、アップリンク送信のためのUP TNL情報と、コンテキストの、少なくとも端末装置150のRLC設定を含む一部とを含むメッセージを送信することができる。いくつかの代替実施形態において、第3のネットワーク装置130は、第1のネットワーク装置110に、このコンテキストとアンカをリロケーションしないことを示す第2の指示とを含む、要求に対する応答を第1のネットワーク装置110に送信することができる。
【0126】
図8は本開示のいくつかの実施形態にかかる、第4のネットワーク装置(すなわち、セル再選択時の最後のサービングネットワーク装置)において実現される例示的な通信方法800を示す。例えば、方法800は、図1に示すような第4のネットワーク装置140において実現できる。以下、説明のために、図1を参照して方法800を説明する。方法800は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことを理解すべきである。
【0127】
図8に示すように、ブロック810において、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120から、端末装置150のコンテキストのアンカをリロケーションする要求を受信する。第4のネットワーク装置140は、端末装置150のコンテキストを維持する。いくつかの実施形態において、この要求は、アップリンク送信およびダウンリンク送信のためのUP TNL情報(すなわち、データ転送のためのUP TNL情報)を含むことができる。
【0128】
いくつかの実施形態において、この要求は、アップリンク送信およびダウンリンク送信のためのUP TNL情報(すなわち、データ転送のためのUP TNL情報)を含まない。これらの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、第2のネットワーク装置120に、データ転送のためのUP TNL情報を取得する第3の要求を送信し、UP TNL情報を第2のネットワーク装置120から受信することができる。
【0129】
ブロック820において、第4のネットワーク装置140は、アンカをリロケーションするか否かを決定する。アンカをリロケーションすると決定した場合、ブロック830において、第4のネットワーク装置140は、送信すべきアップリンクデータに関連付けられるデータパケットのシーケンス番号及びハイパーフレーム番号に関する情報を第2のネットワーク装置120に送信する。いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、コンテキストを含む、要求への応答内で、この情報を第2のネットワーク装置120に送信することができる。いくつかの実施形態において、第4のネットワーク装置140は、この情報を、この情報の送信専用のメッセージ内で送信することができる。
【0130】
ブロック840において、第4のネットワーク装置140は、データパケットを第2のネットワーク装置120に送信する。
【0131】
図4から図8に記載の方法の実現は、基本的に図2及び図3に関連して説明したプロセスに対応し、そのため、これ以外の詳細はここでは省く。本開示の実施形態にかかる方法400~800により、SDTのための強化されたメカニズムが実現され、SDTのためのロスの無い送信が実現される。
【0132】
装置例
図9は本開示の実施形態を実現するのに適した装置900の概略ブロック図である。装置900は、図1に示す第1、第2、第3及び第4のネットワーク装置110、120、130、140又は端末装置150の別の例示的な実施態様として考えられる。したがって、装置900は、第1、第2、第3及び第4のネットワーク装置110、120、130、140又は端末装置150において、或いはそれらの少なくとも一部として実現することができる。
【0133】
図示されるように、装置900は、プロセッサ910と、プロセッサ910に結合されたメモリ920と、プロセッサ910に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)940と、TX/RX 940に結合された通信インターフェースとを備える。メモリ 910は、プログラム930の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 940は双方向通信に用いられる。TX/RX 940は、通信を容易にするために少なくとも一つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有することができる。通信インターフェースは、eNB/gNB間の双方向通信のためのX2/Xnインターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)/アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)/SGW/UPFとeNB/gNBとの間の通信のためのS1/NGインターフェース、eNB/gNBと中継ノード(RN)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNB/gNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表すことができる。
【0134】
プログラム930は、図1から図8を参照して本文で説明したように、関連するプロセッサ910により実行された場合、装置900が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定する。本文の実施形態は、装置900のプロセッサ910により実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組合せにより実現できる。プロセッサ910は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定することができる。さらに、プロセッサ910とメモリ920との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適したプロセッシング手段950を形成することができる。
【0135】
メモリ920は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現することができる。装置900内には1つのメモリ920のみが示されているが、装置900内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ910は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの一つまたは複数を含むことができる。装置900は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有することができる。
【0136】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現することができる。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置により実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、機器、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装できることを理解されたい。
【0137】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも一つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図2から図8を参照して上述したプロセスまたは方法を実行するために、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合又は分割することができる。プログラムモジュールのマシンが実行可能な命令は、ローカル又は分散型装置内で実行することができる。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体両方内に配置されていてもよい。
【0138】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、一つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータプロセッシング機器のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行することができる。
【0139】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で実装することができ、マシン可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置により使用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体とすることができる。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、機器若しくは装置、又は前述の媒体の任意の適切な組み合せを含むことができるが、これらに限定されない。マシンが読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例は、一つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブル光ディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組合せを含むことができる。
【0140】
なお、操作について特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を、示された特定の順序で実行するか若しくは連続した順序で実行し、又は、説明された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実現されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブ組合せで実装されてもよい。
【0141】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解すべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9