(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06V 40/18 20220101AFI20250319BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20250319BHJP
【FI】
G06V40/18
G06T7/00 510D
(21)【出願番号】P 2023532945
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 JP2021025604
(87)【国際公開番号】W WO2023281654
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】吉見 航介
【審査官】岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】特許第3768225(JP,B2)
【文献】特開2014-093639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/00-40/70
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出する検出手段と、
前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して
画像の虹彩領域に対して虹彩情報を隠蔽するための画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理
が行われたことを示すメタデータを、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する付与手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記画像処理として、前記人物画像の輝度に基づいて、前記対象人物を照らす光の光源の状態を推定し、前記光源の状態の推定結果に基づいて、前記虹彩からの反射光を模したノイズパターンを生成し、前記虹彩領域の少なくとも一部に、生成した前記ノイズパターンを重畳する処理を行う
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、前記画像処理として、前記虹彩からの反射光に相当する反射パターンが前記虹彩領域に映り込んでいる場合に、前記虹彩領域の少なくとも一部に、前記反射パターンを用いた処理を行う
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理手段は、前記人物画像に前記
メタデータが付与されていない場合に、前記虹彩領域の少なくとも一部に対して前記画像処理を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理手段は、複数の前記人物画像の中から少なくとも一つの人物画像を選択するための入力を受け付け、前記選択された少なくとも一つの人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して前記画像処理を行う
請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出し、
前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して
画像の虹彩領域に対して虹彩情報を隠蔽するための画像処理を行い、
前記画像処理
が行われたことを示すメタデータを、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する
画像処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出し、
前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して
画像の虹彩領域に対して虹彩情報を隠蔽するための画像処理を行い、
前記画像処理
が行われたことを示すメタデータを、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する
画像処理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、例えば、画像に写り込んだ人物の虹彩に関する虹彩情報の不正な利用を防止可能な画像処理装置、画像処理方法及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
画像に写り込んだ人物の虹彩に関する虹彩情報の不正な利用を防止可能な画像処理装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、画像から虹彩領域を検出し、検出した虹彩領域に対して、人物に固有の特徴データが抽出できないように画像変換を行う画像処理装置が記載されている。
【0003】
その他、この開示に関連する先行技術文献として、特許文献2から特許文献6があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3768225号
【文献】特開2017-131302号公報
【文献】特許第4976156号
【文献】特許第4174244号
【文献】特開2004-023733号公報
【文献】特開2001-186325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この開示は、先行技術文献に記載された技術の改良を目的とする画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像処理装置の一の態様は、少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出する検出手段と、前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理に関する処理情報を、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する付与手段とを備える。
【0007】
画像処理方法の一の態様は、少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出し、前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して画像処理を行い、前記画像処理に関する処理情報を、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する。
【0008】
記録媒体の一の態様は、コンピュータに、少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出し、前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して画像処理を行い、前記画像処理に関する処理情報を、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する画像処理方法を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第2実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第2実施形態における画像処理装置が行う個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、所定色によって塗りつぶされた虹彩領域を示す。
【
図6】
図6(a)から
図6(d)は、重畳パターンが重畳された虹彩領域を示す。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)のそれぞれは、人物画像を分割することで得られる複数の単位画像領域を示す。
【
図8】
図8は、ノイズパターン(ハイライト)が重畳された虹彩領域を示す。
【
図9】
図9は、ノイズパターン(ハイライト)が重畳された虹彩領域を示す。
【
図10】
図10は、第5実施形態における画像処理装置が行う個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第6実施形態における画像処理装置が行う個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第7実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第7実施形態における表示オブジェクトを示す。
【
図14】
図14は、第7実施形態における表示オブジェクトを示す。
【
図15】
図15(a)から
図15(b)のそれぞれは、第7実施形態における表示オブジェクトを示す。
【
図16】
図16は、第8実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、第8実施形態における画像処理装置が行う個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、第9実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の実施形態について説明する。
【0011】
(1)第1実施形態
はじめに、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第1実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第1実施形態が適用された画像処理装置1を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第1実施形態について説明する。
【0012】
図1は、第1実施形態における画像処理装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像処理装置1は、検出部11と、画像処理部12とを備えている。検出部11は、少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像IMGから、虹彩を含む虹彩領域を検出する。画像処理部12は、人物画像IMGの虹彩領域の少なくとも一部に対して画像処理を行う。画像処理は、例えば、人物画像IMGを、虹彩のパターンに関する虹彩情報が虹彩領域から取得可能でない人物画像IMGに変換する処理を含んでいてもよい。尚、以下の説明では、説明の便宜上、画像処理が行われていない人物画像IMGを、“人物画像IMG1”と称し、画像処理が行われた人物画像IMGを、“保護画像IMG2”と称することで、両者を区別する。
【0013】
ここで、人物画像IMG1は、上述した画像処理が行われていない原画像であるため、人物画像IMG1の虹彩領域から虹彩情報が取得可能である可能性がある。その結果、対象人物の目が写り込んだ人物画像IMG1が対象人物とは異なるユーザによって利用される状況下において、人物画像IMG1の虹彩領域から取得可能な虹彩情報がユーザ(特に、悪意を持ったユーザ)によって不正に利用される可能性があるという第1の技術的問題が生ずる。しかるに、第1実施形態における画像処理装置1は、人物画像IMG1を、虹彩領域から虹彩情報が取得可能でない保護画像IMG2に変換する。このため、人物画像IMG1に代えて保護画像IMG2がユーザによって利用される状況下において、ユーザは、保護画像IMG2の虹彩領域から虹彩情報を取得することができない。その結果、虹彩情報の不正な利用が防止される。つまり、第1実施形態における画像処理装置1は、上述した第1の技術的問題を解決することができる。
【0014】
(2)第2実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第2実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第2実施形態が適用された画像処理装置2を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第2実施形態について説明する。
【0015】
(2-1)画像処理装置2の構成
初めに、
図2を参照しながら、第2実施形態における画像処理装置2の構成について説明する。
図2は、第2実施形態における画像処理装置2の構成を示すブロック図である。尚、以下の説明では、既に説明済みの構成要素については、同一の参照符号を付することで、その詳細な説明を省略する。
【0016】
図2に示すように、画像処理装置2は、演算装置21と、記憶装置22とを備えている。更に、画像処理装置2は、通信装置23と、入力装置24と、出力装置25とを備えていてもよい。但し、画像処理装置2は、通信装置23、入力装置24及び出力装置25のうちの少なくとも一つを備えていなくてもよい。演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、入力装置24と、出力装置25とは、データバス26を介して接続されていてもよい。
【0017】
演算装置21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Proecssing Unit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)のうちの少なくとも一つを含む。演算装置21は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置21は、記憶装置22が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置21は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、画像処理装置2が備える図示しない記録媒体読み取り装置(例えば、後述する入力装置24)を用いて読み込んでもよい。演算装置21は、通信装置23(或いは、その他の通信装置)を介して、画像処理装置2の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置21は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置21内には、画像処理装置2が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置21は、画像処理装置2が行うべき動作(言い換えれば、処理)を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0018】
第2実施形態では、画像処理装置2は、人物画像IMG1に写り込んだ対象人物の個人情報を保護するための個人情報保護動作を行う。第2実施形態では、人物画像IMG1は、少なくとも対象人物の目が写り込んだ画像である。この場合、画像処理装置2は、対象人物の個人情報の一例として、人物画像IMG1に写り込んだ対象人物の虹彩に関する虹彩情報を保護するための個人情報保護動作を行う。言い換えれば、画像処理装置2は、対象人物の個人情報の一例として、人物画像IMG1に写り込んだ対象人物の虹彩に関する虹彩情報の不正な利用を防止するための個人情報保護動作を行う。
【0019】
図2には、個人情報保護動作を実行するために演算装置21内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。
図2に示すように、演算装置21内には、「検出手段」の一具体例である虹彩領域検出部211と、「画像処理手段」の一具体例である虹彩情報隠蔽部212と、「付与手段」の一具体例であるメタデータ付与部213とが実現される。但し、第2実施形態において、演算装置21内には、メタデータ付与部213が実現されなくてもよい。尚、虹彩領域検出部211、虹彩情報隠蔽部212及びメタデータ付与部213の夫々の動作の詳細については、
図3等を参照しながら後に詳述する。
【0020】
記憶装置22は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置22は、演算装置21が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置22は、演算装置21がコンピュータプログラムを実行している場合に演算装置21が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置22は、画像処理装置2が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置22は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0021】
通信装置23は、不図示の通信ネットワークを介して、画像処理装置2の外部の装置と通信可能である。
【0022】
入力装置24は、画像処理装置2の外部からの画像処理装置2に対する情報の入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置24は、画像処理装置2のオペレータが操作可能な操作装置(例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つ)を含んでいてもよい。例えば、入力装置24は、画像処理装置2に対して外付け可能な記録媒体にデータとして記録されている情報を読み取り可能な読取装置を含んでいてもよい。
【0023】
出力装置25は、画像処理装置2の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置25は、情報を画像として出力してもよい。つまり、出力装置25は、出力したい情報を示す画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、情報を音声として出力してもよい。つまり、出力装置25は、音声を出力可能な音声装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置25は、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。
【0024】
(2-2)画像処理装置2が行う個人情報保護動作
続いて、
図3を参照しながら、第2実施形態における画像処理装置2が行う個人情報保護動作について説明する。
図3は、第2実施形態における画像処理装置2が行う個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【0025】
図3に示すように、虹彩領域検出部211は、少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像IMG1を取得する(ステップS11)。例えば、虹彩領域検出部211は、対象人物を撮像することで人物画像IMG1を生成する撮像装置(つまり、カメラ)から、人物画像IMG1を取得してもよい。例えば、記憶装置22に人物画像IMG1が記憶されている場合には、虹彩領域検出部211は、記憶装置22から人物画像IMG1を取得してもよい。例えば、画像処理装置2に対して外付け可能な記録媒体に人物画像IMG1が記憶されている場合には、虹彩領域検出部211は、画像処理装置2が備える記録媒体読取装置(例えば、入力装置24)を用いて、記録媒体から人物画像IMG1を取得してもよい。例えば、画像処理装置2の外部の装置(例えば、クラウドサーバ)に人物画像IMG1が記憶されている場合には、虹彩領域検出部211は、通信装置23を用いて、外部の装置から人物画像IMG1を取得してもよい。
【0026】
その後、虹彩領域検出部211は、ステップS11において取得された人物画像IMG1から、対象人物の虹彩を含む虹彩領域IAを検出する(ステップS12)。虹彩領域IAの一例が、
図4に示されている。
図4に示すように、虹彩領域IAは、虹彩の外縁(つまり、外側の輪郭)OEと虹彩の内縁(つまり、内側の輪郭)IEとによって囲まれた環状の(言い換えれば、ドーナツ形状の)領域を少なくとも含む。このため、虹彩領域検出部211は、人物画像IMG1から、虹彩の外縁OEに関する特徴点と虹彩の内縁IEに関する特徴点とを検出することで、虹彩領域IAを検出してもよい。尚、瞳孔の外縁が、虹彩の内縁IEとして用いられてもよい。
【0027】
虹彩は、対象人物の目に含まれている。このため、虹彩領域検出部211は、人物画像IMG1から虹彩領域IAを直接的に検出することに代えて、人物画像IMG1から、対象人物の目を含む目領域を検出し、検出した目領域から虹彩領域IAを検出してもよい。目領域は、例えば、対象人物の両目を含む所定形状(例えば、矩形)の領域であってもよい。
【0028】
虹彩は、対象人物の顔に含まれている。このため、虹彩領域検出部211は、人物画像IMG1から虹彩領域IAを直接的に検出することに代えて、人物画像IMG1から、対象人物の顔を含む顔領域を検出し、検出した顔領域から虹彩領域IAを検出してもよい。或いは、虹彩領域検出部211は、検出した顔領域から更に目領域を検出し、検出した目領域から虹彩領域IAを検出してもよい。
【0029】
図4に示すように、虹彩の一部が瞼によって隠されている場合がある。この場合、虹彩領域検出部211は、人物画像IMG1から、瞼の縁ERを検出し、検出した瞼の縁ERに基づいて、環状の虹彩領域IAから、瞼によって隠されている領域部分を削除してもよい。この場合、虹彩領域IAは、虹彩の外縁OEと虹彩の内縁IEと瞼の縁ERとよって囲まれた領域であってもよい。
【0030】
再び
図3において、その後、虹彩領域検出部211は、ステップS12において人物画像IMG1から虹彩領域IAが検出されたか否かを判定する(ステップS13)。つまり、虹彩領域検出部211は、ステップS11において取得された人物画像IMG1に、対象人物の虹彩が写り込んでいるか否かを判定する。
【0031】
ステップS13における判定の結果、ステップS12において虹彩領域IAが検出されていない(つまり、人物画像IMG1に対象人物の虹彩が写り込んでいない)と判定される場合には(ステップS13:No)、対象人物の虹彩に関する虹彩情報を保護する必要性が低いと想定される。この場合、画像処理装置2は、
図3に示す個人情報保護動作を終了してもよい。その後、画像処理装置2は、新たな人物画像IMG1を取得した場合に、
図3に示す個人情報保護動作を再度行ってもよい。
【0032】
人物画像IMG1から虹彩領域IAが検出されていない場合には、メタデータ付与部213は、人物画像IMG1に対して、当該人物画像IMG1から虹彩領域IAが検出されていない(つまり、当該人物画像IMG1に対象人物の虹彩が写り込んでいない)ことを示すメタデータを付与(言い換えれば、挿入)してもよい(ステップS16)。例えば、人物画像IMG1がExif(Exchangeable image file format)に準拠した画像である場合には、メタデータ付与部213は、Exifに準拠したメタデータの一部として、人物画像IMG1から虹彩領域IAが検出されていないことを示すメタデータを人物画像IMG1に付与してもよい。この場合、対象人物は、人物画像IMG1に付与されているメタデータを参照することで、当該人物画像IMG1を利用するユーザが対象人物の虹彩情報を不正に利用することができないということを認識することができる。このため、対象人物は、対象人物の虹彩情報の不正な利用が防止されているという安心感を得ることができる。
【0033】
他方で、ステップS13における判定の結果、ステップS12において虹彩領域IAが検出されている(つまり、人物画像IMG1に対象人物の虹彩が写り込んでいる)と判定される場合には(ステップS13:Yes)、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから、対象人物の虹彩に関する虹彩情報が取得可能であるか否かを判定する。
【0034】
虹彩情報は、例えば、虹彩のパターンに関する情報を含んでいてもよい。虹彩のパターンは、例えば、虹彩を用いて対象人物を認証する虹彩認証に用いられる。このため、対象人物の虹彩のパターンに関する情報が対象人物とは異なるユーザ(特に、悪意のあるユーザ)によって不正に利用された場合には、虹彩認証によって、対象人物とは異なるユーザが対象人物であると誤判定される可能性がある。つまり、対象人物とは異なるユーザが、対象人物になりすます可能性がある。このため、虹彩パターン情報は、個人情報保護動作によって保護することが好ましい個人情報となり得る。
【0035】
虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから(つまり、虹彩領域IAを含む人物画像IMG1から)虹彩のパターンを特定可能であるか否かを判定することで、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であるか否かを判定してもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定可能である場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であると判定してもよい。一方で、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定可能でない場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でないと判定してもよい。
【0036】
特に、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから、虹彩認証を行うことができる程度に精度よく虹彩のパターンを特定可能であるか否かを判定することで、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であるか否かを判定してもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから、虹彩認証を行うことができる程度に精度よく虹彩のパターンを特定可能である場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であると判定してもよい。一方で、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから、虹彩のパターンを特定可能であるものの、特定された虹彩のパターンの精度が虹彩認証を行うことができないほどに低い場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でないと判定してもよい。もちろん、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから虹彩のパターンをそもそも特定可能でない場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でないと判定してもよい。
【0037】
虹彩領域IAの解像度(つまり、人物画像IMG1の解像度)が低くなるほど、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが難しくなる。逆に、虹彩領域IAの解像度が高くなるほど、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが容易になる。このため、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAの解像度が所定の第1閾値よりも高いか否かを判定することで、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であるか否かを判定してもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAの解像度が第1閾値よりも高い場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であると判定してもよい。他方で、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAの解像度が第1閾値よりも低い場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でないと判定してもよい。尚、第1閾値は、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが可能な虹彩領域IAの解像度と、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが可能でない虹彩領域IAの解像度とを区別可能な適切な値に設定されていてもよい。
【0038】
虹彩領域IAのサイズ(典型的には、虹彩領域IAを構成する画素の総数)が小さくなるほど、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが難しくなる。逆に、虹彩領域IAのサイズが大きくなるほど、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが容易になる。このため、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAのサイズが所定の第2閾値よりも大きいか否かを判定することで、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であるか否かを判定してもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAのサイズが第2閾値よりも大きい場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であると判定してもよい。他方で、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAのサイズが第2閾値よりも小さい場合に、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でないと判定してもよい。尚、第2閾値は、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが可能な虹彩領域IAのサイズと、虹彩領域IAから虹彩のパターンを特定することが可能でない虹彩領域IAのサイズとを区別可能な適切な値に設定されていてもよい。
【0039】
ステップS14における判定の結果、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でないと判定される場合には(ステップS14:No)、ユーザが虹彩情報をそもそも取得することができないがゆえに、虹彩情報を保護する必要性が低いと想定される。この場合、画像処理装置2は、
図3に示す個人情報保護動作を終了してもよい。その後、画像処理装置2は、新たな人物画像IMG1を取得した場合に、
図3に示す個人情報保護動作を再度行ってもよい。
【0040】
虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でない場合には、メタデータ付与部213は、人物画像IMG1に対して、当該人物画像IMG1から虹彩情報が取得可能でないことを示すメタデータを付与(言い換えれば、挿入)してもよい(ステップS16)。例えば、人物画像IMG1がExifに準拠した画像である場合には、メタデータ付与部213は、Exifに準拠したメタデータの一部として、人物画像IMG1から虹彩情報が取得可能でないことを示すメタデータを人物画像IMG1に付与してもよい。この場合、対象人物は、人物画像IMG1に付与されているメタデータを参照することで、当該人物画像IMG1を利用するユーザが対象人物の虹彩情報を不正に利用することができないということを認識することができる。このため、対象人物は、対象人物の虹彩情報の不正な利用が防止されているという安心感を得ることができる。
【0041】
他方で、ステップS14における判定の結果、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であると判定される場合には(ステップS14:Yes)、人物画像IMG1を利用するユーザが、人物画像IMG1から取得した虹彩情報を不正に利用する可能性がある。このため、虹彩情報を保護する必要性が高いと想定される。そこで、この場合には、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAから虹彩情報が取得できなくなるように、虹彩情報を隠蔽する(ステップS15)。第2実施形態では、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩情報を隠蔽するために、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能な人物画像IMG1を、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能でない保護画像IMG2に変換する。つまり、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩情報が隠蔽されていなかった人物画像IMG1を、虹彩情報が隠蔽されている保護画像IMG2に変換する。この場合、人物画像IMG1を利用するユーザには、人物画像IMG1に代えて、保護画像IMG2が提供される。その結果、保護画像IMG2を利用するユーザは、保護画像IMG2から虹彩情報を取得することができない。このため、ユーザは、人物画像IMG1に写り込んでいる対象人物の虹彩情報を不正に利用することができなくなる。
【0042】
虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1の虹彩領域IAの少なくとも一部に対して画像処理を行うことで、人物画像IMG1を保護画像IMG2に変換してもよい。画像処理は、虹彩情報を隠蔽するための画像処理を含む。上述したように、第2実施形態では、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1を保護画像IMG2に変換することで、虹彩情報を隠蔽する。このため、画像処理は、虹彩領域IAから虹彩情報を取得することが可能な人物画像IMG1を、虹彩領域IAから虹彩情報を取得することができない保護画像IMG2に変換する画像処理を含む。
【0043】
以下、虹彩情報隠蔽部212が行う画像処理の一例について説明する。但し、虹彩情報隠蔽部212が行う画像処理が、以下に説明する画像処理に限定されることはない。虹彩情報隠蔽部212は、以下に説明する画像処理を行わなくてもよい。虹彩情報隠蔽部212は、以下に説明する画像処理とは異なる画像処理を行ってもよい。
【0044】
画像処理は、
図5に示すように、虹彩領域IAの少なくとも一部を所定色で塗りつぶす処理を含んでいてもよい。例えば、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1の虹彩領域IAの少なくとも一部を所定色で塗りつぶすことで、虹彩領域IAが所定色で塗りつぶされていない人物画像IMG1を、虹彩領域IAの少なくとも一部が所定色で塗りつぶされている保護画像IMG2に変換してもよい。その結果、人物画像IMG1に写り込んでいた虹彩のパターンは、保護画像IMG2内において所定色によって塗りつぶされる。このため、保護画像IMG2を利用するユーザは、保護画像IMG2から虹彩情報を取得することができない。
【0045】
所定色は、どのような色であってもよい。但し、本来の虹彩の色とは大きく異なる色が所定色として用いられる場合には、本来の虹彩の色に似ている色が所定色として用いられる場合と比較して、保護画像IMG2に写り込んでいる虹彩(つまり、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IA)に対して対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性がある。そこで、所定色として、対象人物又はユーザに違和感を抱かせる可能性が相対的に低い色が用いられてもよい。例えば、所定色として、人物画像IMG1に写り込んでいる虹彩のベース色(言い換えれば、基底色)が用いられてもよい。虹彩のベース色は、虹彩の色ヒストグラムの中央値に相当する色であってもよい。その結果、虹彩情報隠蔽部212は、対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性が相対的に低い保護画像IMG2を生成することができる。つまり、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩の見た目が自然な(言い換えれば、過度に不自然でない)保護画像IMG2を生成することができる。
【0046】
画像処理は、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAの少なくとも一部に、所定の重畳パターンを重畳する処理を含んでいてもよい。一般的に、人物画像IMG1内の虹彩領域IAは、単一色の領域ではなく、ある色の領域であって且つ虹彩のパターンが描かれた領域である。そうすると、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンが重畳されていない場合には、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンが重畳されている場合と比較して、保護画像IMG2に写り込んでいる虹彩(つまり、所定色で塗りつぶされており且つ所定のパターンが重畳されていない虹彩領域IA)に対して対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性が高くなる。逆に言えば、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンが重畳されている場合には、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンが重畳されていない場合と比較して、保護画像IMG2に写り込んでいる虹彩(つまり、所定色で塗りつぶされており且つ所定のパターンが重畳されている虹彩領域IA)に対して対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性が低くなる。従って、虹彩情報隠蔽部212は、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンを重畳することで、対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性が相対的に低い保護画像IMG2を生成することができる。つまり、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩の見た目が自然な(言い換えれば、過度に不自然でない)保護画像IMG2を生成することができる。
【0047】
重畳パターンは、虹彩のパターンとは異なるものの虹彩のパターンを模した第1疑似パターンを含んでいてもよい。例えば、第1疑似パターンは、
図6(a)に示すように、瞳孔から放射状に延びる複数の線分を含む放射パターンを含んでいてもよい。例えば、第1疑似パターンは、
図6(b)に示すように、一見すると虹彩のパターンを構成する線分に似ているものの、実際には虹彩のパターンを構成する線分とは異なる形状を有する人工パターンを含んでいてもよい。
図6(b)は、第1疑似パターンが、音符が虹彩のパターンを構成する線分であるかのように配列された人工パターンを含む例を示している。
【0048】
重畳パターンは、虹彩のパターンそのものではないものの、虹彩上に現れる(言い換えれば、映し出される)と想定されるパターンを模した第2疑似パターンを含んでいてもよい。例えば、ある人物が何らかのカラーパターンが形成されたコンタクトレンズ(例えば、カラーコンタクトレンズ)を装着している場合には、当該人物の虹彩上には、コンタクトレンズに形成されたカラーパターンに対応するパターンが現れると想定される。このため、第2疑似パターンは、
図6(c)に示すように、コンタクトレンズに形成されるカラーパターンを含んでいてもよい。また、ある人物の目が光によって照らされている場合には、当該人物の虹彩上には、虹彩からの反射光に相当する反射パターンが現れると想定される。このため、第2疑似パターンは、
図6(d)に示すように、虹彩からの反射光に相当する反射パターン(いわゆる、ハイライト)を模したノイズパターンを含んでいてもよい。また、ある人物の虹彩には、当該人物の周囲の風景が写り込む可能性がある。このため、第2疑似パターンは、虹彩に写り込んだ風景を模した風景パターンを含んでいてもよい。
【0049】
所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAに対して対象人物又はユーザが抱く違和感は、虹彩領域IAのサイズが大きくなるほど高くなると想定される。なぜならば、虹彩領域IAのサイズが大きくなればなるほど、虹彩領域IAの塗りつぶしが目立つからである。逆に、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAに対して対象人物又はユーザが抱く違和感は、虹彩領域IAのサイズが小さくなるほど低くなると想定される。なぜならば、虹彩領域IAのサイズが小さくなればなるほど、虹彩領域IAの塗りつぶしが目立たなくなるからである。そこで、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAのサイズが所定の第3閾値よりも大きい場合に、虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンを重畳してもよい。一方で、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAのサイズが所定の第3閾値よりも小さい場合には、虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンを重畳しなくてもよい。尚、第3閾値は、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAに対して対象人物又はユーザが違和感を抱くほどに虹彩領域IAのサイズが大きい状態と、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAに対して対象人物又はユーザが違和感を抱くほどには虹彩領域IAのサイズが大きくない状態とを区別可能な適切な値に設定されていてもよい。
【0050】
再び
図3において、虹彩情報が隠蔽された場合には、メタデータ付与部213は、保護画像IMG2に対して、当該保護画像IMG2では虹彩情報が隠蔽されていることを示すメタデータを付与(言い換えれば、挿入)してもよい(ステップS16)。つまり、虹彩情報を隠蔽するための画像処理が人物画像IMG1に対して行われた場合には、メタデータ付与部213は、人物画像IMG1に対して行われた画像処理に関する処理情報としてのメタデータを付与してもよい(ステップS16)。例えば、保護画像IMG2がExifに準拠した画像である場合には、メタデータ付与部213は、Exifに準拠したメタデータの一部として、保護画像IMG2では虹彩情報が隠蔽されていることを示すメタデータを保護画像IMG2に付与してもよい。
【0051】
ユーザは、虹彩情報が隠蔽されている保護画像IMG2から、虹彩情報を取得することができない。このため、保護画像IMG2では虹彩情報が隠蔽されていることを示すメタデータは、保護画像IMG2から虹彩情報を取得可能でないことを示すメタデータと等価であるとみなしてもよい。また、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAの少なくとも一部に対して画像処理を行うことで、虹彩情報を隠蔽する。このため、保護画像IMG2では虹彩情報が隠蔽されていることを示すメタデータは、保護画像IMG2の虹彩領域IAに対して画像処理(特に、虹彩情報を隠蔽するための画像処理)が行われたことを示すメタデータと等価であるとみなしてもよい。
【0052】
(2-3)画像処理装置2の技術的効果
以上説明したように、画像処理装置2は、虹彩情報が隠蔽されていない人物画像IMG1を、虹彩情報が隠蔽されている保護画像IMG2に変換する。このため、人物画像IMG1に代えて保護画像IMG2がユーザによって利用される状況下において、ユーザは、保護画像IMG2の虹彩領域IAから虹彩情報を取得することができない。その結果、虹彩情報の不正な利用が防止される。つまり、第2実施形態における画像処理装置2は、第1実施形態における画像処理装置と同様に、上述した第1の技術的問題を解決することができる。
【0053】
一方で、人物画像IMG1の虹彩領域IAの少なくとも一部に対して行われる画像処理の内容によっては、人物画像IMG1と保護画像IMG2とが一見して区別することが容易ではない可能性がある。この場合、人物画像IMG1であるのか又は保護画像IMG2であるのか一見して区別することが容易ではない画像に対象人物自身の目が写り込んでいる状況下において、対象人物が、虹彩情報の不正な利用が防止されているか否かを容易に認識することができないという第2の技術的問題が生ずる。しかるに、第2実施形態における画像処理装置2は、保護画像IMG2に対して、虹彩領域IAの少なくとも一部に対して画像処理が行われたことを示すメタデータを付与する。つまり、画像処理装置2は、保護画像IMG2に対して、当該保護画像IMG2では虹彩情報が隠蔽されていることを示すメタデータを付与する。このため、対象人物の虹彩が写り込んでいる画像にこのようなメタデータが付与されている場合には、対象人物は、メタデータを確認することで、当該画像が、虹彩領域IAから虹彩情報を取得することができない保護画像IMG2であると容易に認識することができる。その結果、対象人物は、対象人物の虹彩情報の不正な利用が防止されているという安心感を得ることができる。つまり、第2実施形態における画像処理装置2は、第2の技術的問題を解決することができる。
【0054】
このような虹彩情報を隠蔽する場面の一例として、不特定多数のユーザが画像を利用可能なサービス(例えば、SNS(Social Network Service))を提供するサーバに対して、人物画像IMG1をアップロードする場面があげられる。この場合、画像処理装置2は、人物画像IMG1が上述したサーバにアップロードされる前に、上述した個人情報保護動作を行うことで、虹彩情報を隠蔽してもよい。或いは、画像処理装置2は、サーバにアップロードする予定の人物画像IMG1が生成された時点で(例えば、撮像装置が対象人物を撮影した時点で)、上述した個人情報保護動作を行うことで、虹彩情報を隠蔽してもよい。この場合、人物画像IMG1に代えて、保護画像IMG2がサーバにアップロードされる。いずれにせよ、画像処理装置2は、人物画像IMG1がユーザによって利用される前に、上述した個人情報保護動作を行うことで、虹彩情報を隠蔽してもよい。
【0055】
更には、保護画像IMG2に写り込んだ虹彩に関する虹彩情報を不正に利用する意図を有しているユーザは、メタデータを確認することで、虹彩情報を不正に利用することができないということを認識することができる。その結果、メタデータは、実質的には、ユーザによる虹彩な情報の不正利用を抑止する抑止力として作用し得る。
【0056】
更に、画像処理装置2は、虹彩領域IAの少なくとも一部を所定色で塗りつぶすことで、虹彩情報を隠蔽することができる。その結果、画像処理装置2は、複雑な画像処理を行うことなく、虹彩情報を相対的に容易に隠蔽することができる。
【0057】
更に、画像処理装置2は、所定色で塗りつぶされた虹彩領域IAの少なくとも一部に、重畳パターンを重畳することができる。その結果、上述したように、虹彩情報隠蔽部212は、対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性が相対的に低い保護画像IMG2を生成することができる。つまり、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩の見た目が自然な(言い換えれば、過度に不自然でない)保護画像IMG2を生成することができる。
【0058】
尚、虹彩情報を不正に利用する意図を有しているユーザが、重畳パターンが重畳された虹彩領域IAから、重畳パターンに関する情報を虹彩情報として取得する可能性がある。この場合であっても、虹彩認証を行う虹彩認証装置は通常、重畳パターンと一致する虹彩のパターンが照合用のデータベースに登録されていないことを理由に、ユーザが特定の人物と一致すると判定することはない。つまり、重畳パターンに関する情報を虹彩情報として取得したユーザの虹彩認証が、誤って成功する可能性は殆どない。なぜならば、重畳パターンは、あくまで人工的なパターンに過ぎず、実際の人物の虹彩のパターンではないからである。但し、重畳パターンに関する情報が照合用のデータベースに登録されていてもよい。この場合、虹彩認証装置は、重畳パターンに関する情報を虹彩情報として取得したユーザから提供された虹彩情報が示すパターン(つまり、重畳パターン)が、照合用のデータベースに登録された重畳パターンと一致すると判定することになる。この場合、虹彩認証装置は、重畳パターンに関する情報を虹彩情報として取得したユーザが、虹彩情報を不正に利用する意図を有するユーザであると判定してもよい。
【0059】
(2-4)画像処理装置2の適用シーン
続いて、画像処理装置2の適用シーンの一例について説明する。
【0060】
(2-4-1)画像処理装置2の第1の適用シーン
画像処理装置2は、対象人物を撮像することで人物画像IMG1を生成するカメラ(つまり、撮像装置)に適用されてもよい。つまり、画像処理装置2は、カメラに搭載されていてもよい。
【0061】
この場合、画像処理装置2は、カメラによって対象人物が撮像される前に(例えば、カメラのシャッタをユーザが押下する前に)、上述した個人情報保護動作を行うか否かを判定してもよい。例えば、画像処理装置2は、カメラのユーザが個人情報保護動作を行うことを要求している場合には、上述した個人情報保護動作を行うと判定してもよい。例えば、画像処理装置2は、カメラのユーザが個人情報保護動作を行うことを要求していない場合には、上述した個人情報保護動作を行わないと判定してもよい。この場合、画像処理装置2は、出力装置25を用いて、個人情報保護動作を行うか否かをカメラのユーザに通知してもよい。画像処理装置2は、出力装置25の一例であるディスプレイ(例えば、カメラが備えるディスプレイ)を用いて、個人情報保護動作を行うか否かをカメラのユーザに通知するためのメッセージ及びアイコンの少なくとも一つを表示してもよい。
【0062】
個人情報保護動作が行われる場合には、画像処理装置2は、カメラが人物画像IMG1を生成した時点で(つまり、カメラが対象人物を撮像した時点で)、個人情報保護動作を自動的に(つまり、ユーザの指示を必要とすることなく)行ってもよい。或いは、画像処理装置2は、カメラが人物画像IMG1を生成した時点では個人情報保護動作を行わず、カメラが人物画像IMG1を他の装置(つまり、カメラの外部の装置)に出力する時点で、個人情報保護動作を行ってもよい。
【0063】
(2-4-2)画像処理装置2の第2の適用シーン
画像処理装置2は、対象人物(或いは、対象人物を撮像する他の人物)が保有するスマートフォン(或いは、タブレット端末等であり、いわゆる、携帯可能な情報機器)に適用されてもよい。つまり、画像処理装置2は、スマートフォンに搭載されていてもよい。特に、画像処理装置2は、カメラを備えるスマートフォンに搭載されていてもよい。
【0064】
この場合、画像処理装置2がカメラに搭載される場合と同様に、画像処理装置2は、カメラによって対象人物が撮像される前に、上述した個人情報保護動作を行うか否かを判定してもよい。画像処理装置2は、出力装置25を用いて、個人情報保護動作を行うか否かをスマートフォンのユーザ(つまり、対象人物又は他の人物)に通知してもよい。
【0065】
個人情報保護動作が行われる場合には、画像処理装置2がカメラに搭載される場合と同様に、画像処理装置2は、スマートフォンが人物画像IMG1を生成した時点で、個人情報保護動作を自動的に(つまり、ユーザの指示を必要とすることなく)行ってもよい。画像処理装置2は、スマートフォンが人物画像IMG1を他の装置(つまり、スマートフォンの外部の装置)に出力する時点で、個人情報保護動作を行ってもよい。一例として、画像処理装置2は、スマートフォンが人物画像IMG1を外部のサーバ(例えば、上述した不特定多数のユーザが画像を利用可能なサービス(例えば、SNS)を提供するサーバ)にアップロードする時点で、個人情報保護動作を行ってもよい。
【0066】
(2-4-3)画像処理装置2の第3の適用シーン
画像処理装置2は、クライアント-サーバシステムにおけるクライアント端末に適用されてもよい。クライアント端末の一例として、上述したスマートフォンがあげられる。クライアント端末の他の一例として、サーバと通信可能なパソコン等の情報処理装置があげられる。クライアント端末に適用された画像処理装置2は、画像処理装置2がスマートフォンに適用される場合と同様に、スマートフォンが人物画像IMG1を生成した時点及びスマートフォンが人物画像IMG1を他の装置に出力する時点の少なくとも一方において、個人情報保護動作を行ってもよい。
【0067】
或いは、画像処理装置2は、クライアント-サーバシステムにおけるサーバに適用されてもよい。サーバの一例として、上述した不特定多数のユーザが画像を利用可能なサービス(例えば、SNS)を提供するサーバがあげられる。この場合、画像処理装置2は、クライアント端末から人物画像IMG1を取得した時点で、個人情報保護動作を行ってもよい。画像処理装置2は、クライアント端末から取得した人物画像IMG1を不特定多数に公開するための処理を行う(例えば、ウェブサーバ等に人物画像IMG1を格納する)時点で、個人情報保護動作を行ってもよい。その結果、クライアント端末において個人情報保護動作が行われない場合においても、サーバにおいて個人情報保護動作が行われるがゆえに、上述した効果と同様の効果が享受可能となる。
【0068】
(3)第3実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第3実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第3実施形態が適用された画像処理装置3を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第3実施形態について説明する。
【0069】
第3実施形態における画像処理装置3は、第2実施形態における画像処理装置2と比較して、虹彩情報隠蔽部121が、虹彩からの反射光に相当する反射パターン(いわゆる、ハイライト)を模したノイズパターン(
図6(d)参照)を虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳する際に、光源の状態を推定してもよいという点で異なる。画像処理装置3のその他の特徴は、画像処理装置2のその他の特徴と同一であってもよい。
【0070】
具体的には、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1の輝度に基づいて、人物画像IMG1に映り込んでいる対象人物を照らす光の光源の状態を推定してもよい。光源は、照明光で対象人物を照らす照明装置を含んでいてもよい。光源は、環境光で対象人物を実質的に照らす太陽を含んでいてもよい。
【0071】
光源の状態は、光源の位置(例えば、対象人物に対する相対的な位置)を含んでいてもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1を構成する複数の画素の輝度の大小関係に基づいて、光源の位置を推定してもよい。尚、光源の位置に応じて光源からの光が伝搬する方向(つまり、光源が対象人物を光で照らす方向)が変わるがゆえに、光源の位置は、光源の方向(例えば、対象人物に対する相対的な方法)と実質的に等価であるとみなしてもよい。つまり、光源の位置を推定する動作は、光源の方向を推定する動作と実質的に同一であるとみなしてもよい。
【0072】
一例として、虹彩情報隠蔽部212は、
図7(a)に示すように、人物画像IMG1を左右に並ぶ二つの単位画像領域UIAに分割してもよい。
図7(a)は、人物画像IMG1が、人物画像IMG1の左領域に相当する単位画像領域UIA#Lと人物画像IMG1の右領域に相当する単位画像領域UIA#Rとに分割される例を示している。
【0073】
他の一例として、虹彩情報隠蔽部212は、
図7(b)に示すように、人物画像IMG1を複数の単位画像領域UIAに分割して手もよい。
図7(b)は、人物画像IMG1が9個の単位画像領域UIA(具体的には、単位画像領域UIA#1からUIA#9)に分割される例を示している。単位画像領域UIA#1は、人物画像IMG1内の左上領域に相当し、単位画像領域UIA#2は、人物画像IMG1内の中央上領域に相当し、単位画像領域UIA#3は、人物画像IMG1内の右上領域に相当し、単位画像領域UIA#4は、人物画像IMG1内の左中央領域に相当し、単位画像領域UIA#5は、人物画像IMG1内の中央領域に相当し、単位画像領域UIA#6は、人物画像IMG1内の右中央領域に相当し、単位画像領域UIA#7は、人物画像IMG1内の左下領域に相当し、単位画像領域UIA#8は、人物画像IMG1内の中央下領域に相当し、単位画像領域UIA#9は、人物画像IMG1内の右下領域に相当する。
【0074】
その後、虹彩情報隠蔽部212は、複数の単位画像領域UIAの輝度の大小関係に基づいて、光源の位置を推定してもよい。具体的には、虹彩情報隠蔽部212は、複数の単位画像領域UIAのうちの輝度が相対的に高い少なくとも一つの単位画像領域UIAに対応する位置を、光源の位置として推定してもよい。虹彩情報隠蔽部212は、複数の単位画像領域UIAのうちの輝度が相対的に高い少なくとも一つの単位画像領域UIAが位置する方向に光源が存在すると推定してもよい。
【0075】
例えば、
図7(a)に示す例において、単位画像領域UIA#Lの輝度よりも、単位画像領域UIA#Rの輝度が低い場合には、光源は、単位画像領域UIA#Lが位置する方向(つまり、左側の方向)から対象人物を光で照らしている可能性が高いと推定される。従って、この場合には、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1の中心に対して左側の方向に光源が位置していると推定してもよい。
【0076】
例えば、
図7(b)に示す例において、(i)単位画像領域UIA#3、UIA#6及びUIA#9の輝度がおおむね同じであり、(ii)単位画像領域UIA#3、UIA#6及びUIA#9の輝度よりも、単位画像領域UIA#2、UIA#5及びUIA#8の輝度が低く、且つ、(iii)単位画像領域UIA#2、UIA#5及びUIA#8の輝度よりも、単位画像領域UIA#1、UIA#4及びUIA#7の輝度が低い場合には、光源は、単位画像領域UIA#3、UIA#6及びUIA#9が位置する方向(つまり、右側の方向)から対象人物を光で照らしている可能性が高いと推定される。従って、この場合には、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1の中心に対して右側(特に、右真横)の方向に光源が位置していると推定してもよい。また、例えば、
図7(b)に示す例において、単位画像領域UIA#3の輝度が最も高く且つ単位画像領域UIA#7の輝度が最も低い場合には、光源は、単位画像領域UIA#3が位置する方向(つまり、右上側の方向)から対象人物を光で照らしている可能性が高いと推定される。従って、この場合には、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1内の中心に対して右上側の方向(つまり、右斜め上方)に光源が位置していると推定してもよい。
【0077】
光源の位置が推定された場合には、虹彩情報隠蔽部212は、推定した位置に位置する光源からの光で対象人物が照らされている状況下において対象人物の虹彩に映り込むと想定される反射パターン(いわゆる、ハイライト)を模したノイズパターンを生成してもよい。例えば、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAのうちの光源が存在すると推定された方向に位置する領域に重畳されるノイズパターンを生成してもよい。一例として、
図8に示すように、人物画像IMG1の中心に対して右側(特に、右真横)に光源が位置していると推定された場合には、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩領域IAのうちの光源が存在すると推定された右側に位置する領域に重畳されるノイズパターンを生成してもよい。その結果、虹彩情報隠蔽部212は、対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性がより低い保護画像IMG2を生成することができる。つまり、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩の見た目がより自然な(言い換えれば、過度に不自然でない)保護画像IMG2を生成することができる。
【0078】
光源の状態は、光源の強度(例えば、光源からの光の強度)を含んでいてもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1を構成する複数の画素の輝度に基づいて、光源の強度を推定してもよい。例えば、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1を構成する複数の画素の輝度が高くなるほど、推定される光源の強度が高くなるように、光源の強度を推定してもよい。
【0079】
光源の強度が推定された場合には、虹彩情報隠蔽部212は、推定した強度の光で対象人物が照らされている状況下において対象人物の虹彩に映り込むと想定される反射パターン(いわゆる、ハイライト)を模したノイズパターンを生成してもよい。その結果、虹彩情報隠蔽部212は、対象人物又はユーザが違和感を抱く可能性がより低い保護画像IMG2を生成することができる。つまり、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩の見た目がより自然な(言い換えれば、過度に不自然でない)保護画像IMG2を生成することができる。
【0080】
(4)第4実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第4実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第4実施形態が適用された画像処理装置4を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第4実施形態について説明する。
【0081】
第4実施形態における画像処理装置4は、第2実施形態における画像処理装置2から第3実施形態における画像処理装置3の少なくとも一つと比較して、虹彩情報隠蔽部121が、虹彩からの反射光に相当する反射パターン(いわゆる、ハイライト)を模したノイズパターン(
図6(d)参照)を虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳する際に、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンを利用してもよいという点で異なる。画像処理装置4のその他の特徴は、画像処理装置2から3の少なくとも一つのその他の特徴と同一であってもよい。
【0082】
具体的には、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンを拡大することで得られるパターンを、虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳するノイズパターンとして生成してもよい。或いは、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンを拡大してもよい。いずれの場合であっても、U
図9に示すように、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンを拡大することで得られるパターンが、虹彩領域IAの少なくとも一部に映り込むことに変わりはない。この場合、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンが用いられるがゆえに、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンが拡大されたとしても、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩の見た目が自然な(言い換えれば、過度に不自然でない)保護画像IMG2を生成することができる。また、虹彩領域IAのうちの反射パターン(ハイライト)で覆われている領域のサイズが大きくなるため、虹彩領域IAから虹彩情報が取得される可能性が低くなる。このため、虹彩情報の不正な利用がより適切に防止される。
【0083】
或いは、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンを拡大することに加えて又は代えて、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンの輝度を高めることで得られるパターンを、虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳するノイズパターンとして生成してもよい。或いは、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンの輝度を高めてもよい。いずれの場合であっても、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンの輝度を高めることで得られるパターンが、虹彩領域IAの少なくとも一部に映り込むことに変わりはない。この場合、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンが用いられるがゆえに、人物画像IMG1に実際に映り込んでいる反射パターンの輝度が高められたとしても、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩の見た目が自然な(言い換えれば、過度に不自然でない)保護画像IMG2を生成することができる。
【0084】
(5)第5実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第5実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第5実施形態が適用された画像処理装置5を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第5実施形態について説明する。
【0085】
第5実施形態における画像処理装置5は、第2実施形態における画像処理装置2から第4実施形態における画像処理装置4の少なくとも一つと比較して、対象人物が映り込んでいるにも関わらずメタデータが付与されていない画像(典型的には、人物画像IMG1)に、上述した個人情報保護動作を行ってもよいという点で異なる。画像処理装置5のその他の特徴は、画像処理装置2から4の少なくとも一つのその他の特徴と同一であってもよい。
【0086】
以下、
図10を参照しながら、第5実施形態における個人情報保護動作の流れについて説明する。
図10は、第5実施形態における個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【0087】
図10に示すように、虹彩情報隠蔽部212は、画像を取得する(ステップS51)。その後、虹彩情報隠蔽部212は、ステップS51において取得した画像にメタデータが付与されているか否かを判定する(ステップS52)。取得した画像にメタデータが付与されていると判定された場合には(ステップS52:Yes)、取得した画像は、虹彩情報が隠蔽された保護画像IMG2であると推定される。従って、この場合には、虹彩情報隠蔽部212は、取得した画像に対して、虹彩情報を隠蔽するための画像処理を行わなくてもよい。つまり、画像処理装置5は、
図10のステップS12からステップS16までの動作を行わなくてもよい。一方で、取得した画像にメタデータが付与されていないと判定された場合には(ステップS52:No)、取得した画像は、虹彩情報が隠蔽されていない人物画像IMG1であると推定される。従って、この場合には、虹彩情報隠蔽部212は、取得した画像に対して、虹彩情報を隠蔽するための画像処理を行ってもよい。つまり、画像処理装置5は、
図10のステップS12からステップS16までの動作を行ってもよい。その結果、虹彩情報の不正な利用がより適切に防止される。
【0088】
虹彩情報隠蔽部212は、複数の画像を格納する格納装置(例えば、上述した記憶装置22)から複数の画像を取得し、取得した複数の画像にメタデータが付与されているか否かをまとめて判定してもよい。更に、虹彩情報隠蔽部212は、メタデータが付与されていないと判定された複数の(或いは、少なくとも一つの)画像に対して、虹彩情報を隠蔽するための画像処理をまとめて行ってもよい。つまり、画像処理装置5は、虹彩情報が保護されていない複数の画像をメタデータに基づいて抽出し、抽出した複数の画像の虹彩情報をまとめて保護してもよい。
【0089】
上述したように画像処理装置5がサーバ(例えば、不特定多数のユーザが画像を利用可能なサービス(例えば、SNS)を提供するサーバ)に適用されている場合には、虹彩情報隠蔽部212は、スマートフォン等のクライアント端末からアップロード済みの複数の画像にメタデータが付与されているか否かをまとめて判定してもよい。更に、虹彩情報隠蔽部212は、メタデータが付与されていないと判定された複数の(或いは、少なくとも一つの)画像に対して、虹彩情報を隠蔽するための画像処理をまとめて行ってもよい。その結果、虹彩情報が保護されていない人物画像IMG1がサーバへアップロードされた場合であっても、虹彩情報の不正な利用がより適切に防止される。或いは、画像処理装置5は、メタデータが付与されていない画像(つまり、虹彩情報が保護されていない画像)の不特定多数の利用を禁止してもよい。この場合においても、虹彩情報の不正な利用がより適切に防止される。
【0090】
(6)第6実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第6実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第6実施形態が適用された画像処理装置6を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第6実施形態について説明する。
【0091】
第6実施形態における画像処理装置6は、第2実施形態における画像処理装置2から第5実施形態における画像処理装置5の少なくとも一つと比較して、入力装置24が、個人情報保護動作を行うべき人物画像IMG1を選択する情報の入力を受け付け可能であってもよいという点で異なる。更に、画像処理装置6は、画像処理装置2から5の少なくとも一つと比較して、虹彩情報隠蔽部212が、選択された人物画像IMG1に対して個人情報保護動作を行ってもよいという点で異なる。画像処理装置6のその他の特徴は、画像処理装置2から5の少なくとも一つのその他の特徴と同一であってもよい。
【0092】
以下、
図11を参照しながら、第6実施形態における個人情報保護動作の流れについて説明する。
図11は、第6実施形態における個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【0093】
図11に示すように、入力装置24は、個人情報保護動作を行うべき人物画像IMG1を選択する情報の入力を受け付ける(ステップS61)。一例として、入力装置24は、複数の人物画像IMG1の中から、個人情報保護動作を行うべき少なくとも一つの人物画像IMG1を選択する情報の入力を受け付け可能であってもよい。例えば、入力装置24は、記憶装置22に記憶されている複数の人物画像IMG1の中から、個人情報保護動作を行うべき少なくとも一つの人物画像IMG1を選択する情報の入力を受け付け可能であってもよい。例えば、画像処理装置6がサーバ(例えば、不特定多数のユーザが画像を利用可能なサービス(例えば、SNS)を提供するサーバ)に適用されている場合には、入力装置24は、スマートフォン等のクライアント端末からアップロード済みの複数の人物画像IMG1の中から、個人情報保護動作を行うべき少なくとも一つの人物画像IMG1を選択する情報の入力を受け付け可能であってもよい。この場合、対象人物等は、入力装置24を用いて、個人情報保護動作を行うべき少なくとも一つの人物画像IMG1を選択しているとみなしてもよい。
【0094】
その後、具体的には、虹彩領域検出部211は、ステップS61において選択された人物画像IMG1を取得する(ステップS62)。一方で、虹彩領域検出部211は、ステップS61において選択されていない人物画像IMG1を取得しなくてもよい。その後、画像処理装置6は、ステップS62において取得された人物画像IMG1に対して、ステップS12からステップS16までの動作を行ってもよい。その結果、画像処理装置6は、対象人物等が虹彩情報の保護を必要としている人物画像IMG1に対して、虹彩情報を隠蔽するための画像処理を確実に行うことができる。
【0095】
(7)第7実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第7実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第7実施形態が適用された画像処理装置7を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第7実施形態について説明する。
【0096】
初めに、
図12を参照しながら、第7実施形態における画像処理装置7の構成について説明する。
図12は、第7実施形態における画像処理装置7の構成を示すブロック図である。
図12に示すように、第7実施形態における画像処理装置7は、第2実施形態における画像処理装置2から第5実施形態における画像処理装置5の少なくとも一つと比較して、演算装置21が、論理的な処理ブロックであるUI(User Interface)表示部714を備えていてもよいという点で異なる。UI表示部714は、虹彩情報の保護に関する情報を通知するための表示オブジェクト77を表示するように、出力装置25(特に、表示装置)を制御してもよい。画像処理装置7のその他の特徴は、画像処理装置2から6の少なくとも一つのその他の特徴と同一であってもよい。
【0097】
表示オブジェクト77の第1の例が、
図13に示されている。
図13に示すように、表示オブジェクト77は、虹彩情報が保護されているか否かを示すテキストメッセージ77aを含んでいてもよい。
図13に示す例では、人物画像IMG1又は保護画像IMG2と共に表示オブジェクト77が表示されており、表示オブジェクト77は、人物画像IMG1又は保護画像IMG2に映り込んでいる対象人物P1及びP2の夫々の虹彩情報が保護されていることを示すテキストメッセージ77aを含む例が示されている。
【0098】
表示オブジェクト77の第2の例が、
図14に示されている。
図14に示すように、表示オブジェクト77は、対象人物の右目及び左目の虹彩情報が保護されているか否かを個別示すアイコン77bを、対象人物の数だけ含んでいてもよい。
図14に示す例では、人物画像IMG1又は保護画像IMG2と共に表示オブジェクト77が表示されており、表示オブジェクト77は、人物画像IMG1又は保護画像IMG2に映り込んでいる対象人物P1の両目の双方の虹彩情報が保護されていることを示すアイコン77b#1と、人物画像IMG1又は保護画像IMG2に映り込んでいる対象人物P1の両目の双方の虹彩情報が保護されていないことを示すアイコン77b#2とを含む例が示されている。
【0099】
表示オブジェクト77の第3の例が、
図15(a)及び
図15(b)に示されている。
図15(a)及び
図15(b)に示すように、表示オブジェクト77は、人物画像IMG1又は保護画像IMG2に映り込んでいる対象人物の虹彩情報が保護されているか否かをまとめて示すアイコン77cを含んでいてもよい。
図15(a)に示す例では、人物画像IMG1又は保護画像IMG2と共に表示オブジェクト77が表示されており、表示オブジェクト77は、人物画像IMG1又は保護画像IMG2に映り込んでいる対象人物P1及びP2の双方の虹彩情報が保護されていることを示すアイコン77cを含む例が示されている。
図15(b)に示す例では、人物画像IMG1又は保護画像IMG2と共に表示オブジェクト77が表示されており、表示オブジェクト77は、人物画像IMG1又は保護画像IMG2に映り込んでいる対象人物P1及びP2の少なくとも一方の少なくとも一つの目の虹彩情報が保護されていないことを示すアイコン77cを含む例が示されている。
【0100】
このような表示オブジェクト77が表示される場合には、対象人物は、表示オブジェクト77を確認することで、虹彩情報が保護されているか否かを容易に認識することができる。その結果、対象人物は、対象人物の虹彩情報の不正な利用が防止されているという安心感を得ることができる。
【0101】
UI表示部714は、所望のタイミングで、表示オブジェクト77を表示するように、出力装置25を制御してもよい。例えば、UI表示部714は、対象人物が映り込んだ画像が他の装置(つまり、画像処理装置7の外部の装置)に出力されるタイミングで、表示オブジェクト77を表示するように、出力装置25を制御してもよい。一例として、UI表示部714は、外部のサーバ(例えば、上述した不特定多数のユーザが画像を利用可能なサービス(例えば、SNS)を提供するサーバ)にアップロードされるタイミングで、表示オブジェクト77を表示するように、出力装置25を制御してもよい。
【0102】
(8)第8実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第8実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第8実施形態が適用された画像処理装置8を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第8実施形態について説明する。
【0103】
(8-1)画像処理装置8の構成
初めに、
図16を参照しながら、第8実施形態における画像処理装置8の構成について説明する。
図16は、第8実施形態における画像処理装置8の構成を示すブロック図である。
【0104】
図16に示すように、第8実施形態における画像処理装置8は、第2実施形態における画像処理装置2から第7実施形態の画像処理装置7の少なくとも一つと比較して、演算装置21が、論理的な処理ブロックである警告部814を備えているという点で異なる。画像処理装置8のその他の特徴は、画像処理装置2のその他の特徴と同一であってもよい。尚、警告部814の動作の詳細については、
図17等を参照しながら後に詳述する。
【0105】
(8-2)画像処理装置8が行う個人情報保護動作
続いて、
図17を参照しながら、第8実施形態における画像処理装置8が行う個人情報保護動作について説明する。
図17は、第8実施形態における画像処理装置8が行う個人情報保護動作の流れを示すフローチャートである。
【0106】
図17に示すように、第8実施形態においても、第2実施形態と同様に、画像処理装置8は、ステップS11からステップS14までの動作を行う。
【0107】
第8実施形態では、ステップS14における判定の結果、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であると判定される場合には(ステップS14:Yes)、警告部814は、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であることを対象人物に警告する(ステップS81)。例えば、警告部814は、出力装置25を用いて、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であることを対象人物に警告してもよい。一例として、出力装置25が表示装置を含んでいる場合には、
図18に示すように、警告部814は、虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であることを対象人物に警告するための警告画像を表示するように、出力装置25(つまり、表示装置)を制御してもよい。この場合、警告部814によって警告された対象人物は、虹彩情報の保護の必要性に対して注意を払うことができる。例えば、対象人物は、現段階で保護されていない虹彩情報の隠蔽の必要性に対して注意を払うことができる。
【0108】
虹彩情報隠蔽部212は、警告部814が虹彩領域IAから虹彩情報が取得可能であることを対象人物に警告した後に、虹彩情報を隠蔽する(ステップS15)。この場合、警告部814は、虹彩情報が隠蔽されることを対象人物に通知してもよい。例えば、
図19に示すように、警告部814は、虹彩情報が隠蔽されることを対象人物に通知するための通知画像を表示するように、出力装置25(つまり、表示装置)を制御してもよい。その結果、対象人物は、現段階で保護されていない虹彩情報が隠蔽されることを容易に認識することができる。このため、対象人物は、対象人物の虹彩情報の不正な利用が防止されているという安心感を得ることができる。
【0109】
警告部814は、虹彩情報隠蔽部212が虹彩情報を隠蔽する前に、虹彩情報を隠蔽することを対象人物が希望しているか否かを、対象人物に対して問い合わせてもよい。例えば、
図20に示すように、警告部814は、虹彩情報を隠蔽することを対象人物が希望しているか否かを対象人物に問い合わせるための問い合わせ画像を表示するように、出力装置25(つまり、表示装置)を制御してもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩情報を隠蔽することを対象人物が希望している場合に、虹彩情報を隠蔽してもよい。一方で、虹彩情報隠蔽部212は、虹彩情報を隠蔽することを対象人物が希望していない場合に、虹彩情報を隠蔽しなくてもよい。
【0110】
(9)第9実施形態
続いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第9実施形態について説明する。以下では、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第9実施形態が適用された画像処理装置9を用いて、画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体の第9実施形態について説明する。
【0111】
以下、
図21を参照しながら、第9実施形態における画像処理装置9の構成について説明する。
図21は、第9実施形態における画像処理装置9の構成を示すブロック図である。
【0112】
図21に示すように、第9実施形態における画像処理装置9は、第2実施形態における画像処理装置2から第8実施形態の画像処理装置8の少なくとも一つと比較して、記憶装置22に設定情報921が記憶されているという点で異なる。画像処理装置9のその他の特徴は、画像処理装置2から8の少なくとも一つのその他の特徴と同一であってもよい。
【0113】
設定情報921は、対象人物の虹彩情報の保護に関する情報である。虹彩情報隠蔽部212は、設定情報921に基づいて、虹彩情報を隠蔽する。その結果、第9実施形態では、虹彩情報隠蔽部212は、対象人物毎に適切な態様で虹彩情報を隠蔽することができる。
【0114】
例えば、設定情報921は、対象人物の虹彩情報を隠蔽する(つまり、保護する)べきか否かを示す隠蔽フラグ情報を含んでいてもよい。隠蔽フラグ情報が、対象人物の虹彩情報を隠蔽するべきであることを示している場合には、虹彩情報隠蔽部212は、対象人物の虹彩情報を隠蔽してもよい。一方で、隠蔽フラグ情報が、対象人物の虹彩情報を隠蔽しなくてもよいことを示している場合には、虹彩情報隠蔽部212は、対象人物の虹彩情報を隠蔽しなくてもよい。
【0115】
例えば、設定情報921は、対象人物の虹彩情報を隠蔽する方法(つまり、保護する方法)を示す隠蔽方法情報を含んでいてもよい。例えば、上述したように虹彩領域IAの少なくとも一部を所定色で塗りつぶすことで虹彩情報が隠蔽される場合には、隠蔽方法情報は、虹彩領域IAの少なくとも一部を塗りつぶすための色を指定していてもよい。例えば、上述したように虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳パターンを重畳することで虹彩情報が隠蔽される場合には、隠蔽方法情報は、虹彩領域IAの少なくとも一部に重畳する重畳パターンの種類を指定していてもよい。
【0116】
設定情報921は、対象人物毎に用意されていてもよい。例えば、記憶装置22には、第1の対象人物の虹彩情報の保護に関する情報である第1の設定情報921と、第1の対象人物とは異なる第2の対象人物の虹彩情報の保護に関する情報である第2の設定情報921とが記憶されていてもよい。この場合、虹彩情報隠蔽部212は、人物画像IMG1に写り込んでいる対象人物を特定し、特定した対象人物に対応する設定情報921を取得し、取得した設定情報921に基づいて、特定した対象人物の虹彩情報を隠蔽してもよい。
【0117】
(10)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出する検出手段と、
前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理に関する処理情報を、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する付与手段と
を備える画像処理装置。
[付記2]
前記画像処理手段は、前記画像処理として、前記人物画像の輝度に基づいて、前記対象人物を照らす光の光源の状態を推定し、前記光源の状態の推定結果に基づいて、前記虹彩からの反射光を模したノイズパターンを生成し、前記虹彩領域の少なくとも一部に、生成した前記ノイズパターンを重畳する処理を行う
付記1に記載の画像処理装置。
[付記3]
前記画像処理手段は、前記画像処理として、前記虹彩からの反射光に相当する反射パターンが前記虹彩領域に映り込んでいる場合に、前記虹彩領域の少なくとも一部に、前記反射パターンを用い処理を行う
付記1又は2に記載の画像処理装置。
[付記4]
前記画像処理手段は、前記人物画像に前記処理情報が付与されていない場合に、前記虹彩領域の少なくとも一部に対して前記画像処理を行う
付記1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
[付記5]
前記画像処理手段は、複数の前記人物画像の中から少なくとも一つの人物画像を選択するための入力を受け付け、前記選択された少なくとも一つの人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して前記画像処理を行う
付記1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
[付記6]
少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出し、
前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して画像処理を行い、
前記画像処理に関する処理情報を、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する
画像処理方法。
[付記7]
コンピュータに、
少なくとも対象人物の目が写り込んでいる人物画像から、虹彩を含む虹彩領域を検出し、
前記人物画像の前記虹彩領域の少なくとも一部に対して画像処理を行い、
前記画像処理に関する処理情報を、前記画像処理が行われた前記人物画像に付与する
画像処理方法を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
【0118】
上述の各実施形態の構成要件の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要件の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述のこの開示で引用した全ての文献(例えば、公開公報)の開示を援用してこの開示の記載の一部とする。
【0119】
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる技術的思想に反しない範囲で適宜変更可能である。そのような変更を伴う画像処理装置、画像処理方法、及び、記録媒体もまた、この開示の技術的思想に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
1、2、3、4、5、6、7、8、9 画像処理装置
11 検出部
12 画像処理部
13 付与部
21 演算装置
211 虹彩領域検出部
212 虹彩情報隠蔽部
213 メタデータ付与部
714 UI表示部
77 表示オブジェクト
814 警告部
22 記憶装置
921 設定情報
23 通信装置
24 入力装置
25 出力装置
IMG1 人物画像
IMG2 保護画像
IA 虹彩領域