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特許7652334監視システム、モデル生成装置、モデル生成方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】監視システム、モデル生成装置、モデル生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20250319BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024507406
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2022012627
(87)【国際公開番号】W WO2023175903
(87)【国際公開日】2023-09-21
【審査請求日】2024-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】杉山 洋平
(72)【発明者】
【氏名】奥田 実
(72)【発明者】
【氏名】中谷 友洋
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-111261(JP,A)
【文献】特開2021-72057(JP,A)
【文献】特開2016-75989(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0202012(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0018940(US,A1)
【文献】米国特許第7788195(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得するテンプレート情報取得手段を有し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する入力情報取得手段と、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する制御手段と、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成するモデル生成手段と、
を有するモデル生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のモデル生成装置において、
前記テンプレート情報取得手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容、および前記入力情報項目定義情報で特定される前記項目のうち、少なくとも一方が異なる複数の前記テンプレート情報のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択された前記テンプレート情報を取得する、モデル生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のモデル生成装置において、
前記モデル生成手段は、さらに、取得された前記入力情報に基づいて、モデルを生成する、モデル生成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のモデル生成装置において、
前記テンプレート情報は、モデルの生成アルゴリズムを特定するアルゴリズム定義情報を含み、
前記モデル生成手段は、前記アルゴリズム定義情報で特定される前記生成アルゴリズムに基づいて前記モデルを生成する、モデル生成装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のモデル生成装置において、
前記制御手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成すると判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をする、モデル生成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のモデル生成装置において、
前記制御手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成しないと判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をしない、モデル生成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のモデル生成装置において、
前記二次情報生成定義情報は、生成される前記二次情報の項目を特定する二次情報項目定義情報を含む、モデル生成装置。
【請求項8】
金融取引における不正取引を検出するモデルを生成するモデル生成装置と、
前記モデル生成装置が生成した前記モデルを用いて前記金融取引を監視する監視装置と、を備え、
前記モデル生成装置は、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得するテンプレート情報取得手段を有し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する入力情報取得手段と、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する制御手段と、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成するモデル生成手段と、
を有する、監視システム。
【請求項9】
1以上のコンピュータが、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、前記1以上のコンピュータが、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得し、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御し、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成する、モデル生成方法。
【請求項10】
コンピュータに、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得する手順、を実行させ、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記コンピュータに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する手順、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する手順、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成する手順、を実行させるためのプログラ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システム、モデル生成装置、モデル生成方法および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融取引において不正が疑われる取引は、増加傾向にある。このため、口座取引の監視を強化することが望まれている。
【0003】
口座取引の監視を行う取引モニタリングシステムの一例が特許文献1に記載されている。特許文献1のシステムは、取得手段と、算定手段と、決定手段とを備え、判断の難易度が高い場合は習熟度の高い担当者に判断させるなどすることにより、疑わしい取引か否かの判断が複雑であっても正確に判断するための支援をする。
【0004】
特許文献2に記載には、不正な金融取引を検知する不正金融取引検知プログラムが記載されている。特許文献2に記載のプログラムにおいて、新たに不正取引を検知する新規検知対象者の銀行口座における取引履歴に関する取引情報を取得する情報取得ステップと、予め取得した過去の検知対象者の銀行口座における取引履歴に関する参照用取引情報と、当該過去の検知対象者の不正取引の可能性との3段階以上の連関度を参照し、上記情報取得ステップにおいて取得した取引情報に基づき、上記新規検知対象者の不正取引の可能性を判定する判定ステップとをコンピュータに実行させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-61548号公報
【文献】特開2021-144355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献に記載された技術においても、機械学習やディープラーニングなどの学習の技術を使用し、過去のデータなどに基づいて学習データを生成し、不正検出に使用することが記載されている。また、上述した特許文献に記載の技術においては、「疑わしい取引」や「不正金融取引」についてのスコアを取引単位で算出し、不正な金融取引を検知している。このため、上述した特許文献に記載の技術では、口座単位または顧客単位で金融取引の不正を検出することは想定されていなかった。
これに対し、本発明者は、金融取引における不正取引を検出するために使用されるモデルを生成する場合、金融取引に関する情報は膨大にあるが、それら全ての情報に基づいてモデルを生成しても、不正取引を検出する性能が高いモデルになるとは限らないことに着目した。そして、本発明者は、目的に合致した高性能のモデルを生成するために、モデルを生成する際にどの情報を使用し、どのような説明変数を生成するかを検討した。
【0007】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、金融取引の不正検知の目的に合致した高性能のモデルを生成できる監視システム、モデル生成装置、モデル生成方法および記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得するテンプレート情報取得手段を有し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する入力情報取得手段と、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する制御手段と、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成するモデル生成手段と、
を有するモデル生成装置が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、
金融取引における不正取引を検出するモデルを生成するモデル生成装置と、
前記モデル生成装置が生成した前記モデルを用いて前記金融取引を監視する監視装置と、を備え、
前記モデル生成装置は、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得するテンプレート情報取得手段を有し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する入力情報取得手段と、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する制御手段と、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成するモデル生成手段と、
を有する、監視システムが提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、
1以上のコンピュータが、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、前記1以上のコンピュータが、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得し、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御し、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成する、モデル生成方法が提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、
コンピュータに、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得する手順、を実行させ、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記コンピュータに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する手順、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する手順、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成する手順、を実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0012】
なお、本発明の他の態様としては、上記一態様の方法を少なくとも1以上のコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、モデル生成装置上で、そのモデル生成方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0014】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0015】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0016】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、金融取引の不正検知の目的に合致した高性能のモデルを生成できる監視システム、モデル生成装置、モデル生成方法および記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る監視装置の概要を示す図である。
図2】本実施形態の監視装置の動作例を示すフローチャートである。
図3】実施形態に係る監視システムのシステム構成を概念的に示す図である。
図4】監視装置を実現するコンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
図5】取引情報のデータ構造例を示す図である。
図6】顧客情報のデータ構造例を示す図である。
図7】口座情報のデータ構造例を示す図である。
図8】不正取引スコアのデータ構造例を示す図である。
図9】不正取引情報の出力画面の例を示す図である。
図10】根拠情報出力画面の例を示す図である。
図11】実施形態に係るモデル生成装置の概要を示す図である。
図12】本実施形態のモデル生成装置の動作例を示すフローチャートである。
図13】実施形態に係る監視システムのシステム構成を概念的に示す図である。
図14】二次情報の一例である期間内取引情報のデータ例を示す図である。
図15】実施形態のモデル生成装置の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図16】期間内取引情報のデータ例を示す図である。
図17】期間内操作結果情報を示す期間内取引情報のデータ例を示す図である。
図18】場所比較情報を含む二次情報のデータ構造例を示す図である。
図19】取引金額割合情報を含む二次情報のデータ構造例を示す図である。
図20】実施形態のモデル生成装置の動作例を示すフローチャートである。
図21】実施形態に係るモデル生成装置の概要を示す図である。
図22】実施形態のモデル生成装置の動作例を示すフローチャートである。
図23】実施形態に係る監視システムのシステム構成を概念的に示す図である。
図24】テンプレート情報のデータ構造を示す図である。
図25】インポート画面の一例を示す図である。
図26】入力情報選択画面の一例を示す図である。
図27】二次情報選択画面の一例を示す図である。
図28】テンプレート情報のデータ構造例を示す図である。
図29】テンプレート選択画面の一例を示す図である。
図30】実施形態のモデル生成装置の動作例を示すフローチャートである。
図31】テンプレート情報のデータ構造例を示す図である。
図32】実施形態のモデル生成装置の動作例の要部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下の各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0020】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0021】
(第1実施形態)
<最小構成例>
図1は、実施形態に係る監視装置100の概要を示す図である。監視装置100は、入力部102と、生成部104と、出力部106と、を備える。
入力部102は、金融取引における、過去の取引情報、顧客に関する情報である顧客情報、および、口座に関する情報である口座情報を入力する。
生成部104は、入力部102によって入力された取引情報、顧客情報、および、口座情報を用いて、学習済みモデルを使用して、不正取引に関する情報である不正取引情報を生成する。
出力部106は、生成部104によって生成された不正取引情報を出力する。
不正取引情報は、口座別不正取引スコアおよび顧客別不正取引スコアの少なくとも一方を含む。
<動作例>
図2は、本実施形態の監視装置100の動作例を示すフローチャートである。
まず、入力部102は、金融取引における、過去の取引情報、顧客に関する情報である顧客情報、および、口座に関する情報である口座情報を入力する(ステップS101)。そして、生成部104は、入力部102によって入力された取引情報、顧客情報、および、口座情報を用いて、学習済みモデルを使用して、不正取引に関する情報である不正取引情報を生成する(ステップS103)。出力部106は、生成部104によって生成された不正取引情報を出力する(ステップS105)。ここで、不正取引情報は、口座別不正取引スコアおよび顧客別不正取引スコアの少なくとも一方を含む。
【0022】
この監視装置100において、入力部102は、金融取引における、過去の取引情報、顧客に関する情報である顧客情報、および、口座に関する情報である口座情報を入力する。生成部104は、入力部102によって入力された取引情報、顧客情報、および、口座情報を用いて、学習済みモデルを使用して、不正取引に関する情報である不正取引情報を生成する。出力部106は、生成部104によって生成された不正取引情報を出力する。そして、不正取引情報は、口座別不正取引スコアおよび顧客別不正取引スコアの少なくとも一方を含む。
【0023】
このように監視装置100によれば、取引単位では金融取引の不正が検知できないという問題を解決し、口座単位または顧客単位で金融取引の不正を検出することができる監視システム、監視装置、監視方法および記録媒体を得ることができる。
【0024】
以下、監視装置100の詳細例について説明する。
【0025】
(第2実施形態)
<システム概要>
図3は、実施形態に係る監視システム1のシステム構成を概念的に示す図である。
監視システム1は、監視装置100を用いて金融取引を監視するシステムである。
【0026】
監視システム1、監視装置100を備える。監視装置100は、金融取引の不正を監視する。監視装置100は、金融取引サーバ30と通信ネットワーク3aを介して接続される。
【0027】
通信ネットワーク3aは、複数のネットワークを組み合わせて構成されてよいが、いずれも外部からの不正アクセスに対してセキュアなネットワークであるものとする。さらに、金融取引サーバ30は、複数のATM20と通信ネットワーク3bを介して接続されている。通信ネットワーク3bは、金融取引サーバ30と接続するための専用の回線であり、高度なセキュリティ対策が施されているネットワークである。
【0028】
監視装置100は、記憶装置120を有する。記憶装置120は、監視装置100が入力および処理する各種データを記憶する。監視装置100は、モデル110を記憶する記憶装置(不図示)をさらに有する。モデル110は、金融取引の不正を検出するための学習済みモデルである。モデル110を記憶する記憶装置および記憶装置120は、監視装置100の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり、モデル110の記憶装置および記憶装置120いずれも、監視装置100と一体のハードウェアであってもよいし、監視装置100とは別体のハードウェアであってもよい。
【0029】
また、モデル110は、後述する実施形態のモデル生成装置200(またはモデル生成装置300)により生成される。
【0030】
金融取引サーバ30は、金融機関毎に設けられていてよく、当該金融機関の金融取引に関する情報を管理する。金融取引サーバ30は、当該金融機関の金融取引に関する情報を記憶する記憶装置40を含む。記憶装置40は、金融取引サーバ30の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり、記憶装置40は、金融取引サーバ30と一体のハードウェアであってもよいし、金融取引サーバ30とは別体のハードウェアであってもよい。
【0031】
複数のATM20における金融取引に関する情報は、通信ネットワーク3bを介して、当該金融取引に関連する金融機関の金融取引サーバ30に送信され、記憶装置40に記憶される。
【0032】
監視装置100は、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータにより実現される。金融取引サーバ30は、サーバコンピュータなどにより実現されてもよいが、金融取引サーバ30は、金融機関側のシステムであるため、本発明では特に限定されない。
【0033】
さらに、監視システム1は、操作端末10を備えてもよい。操作端末10は、監視装置100と通信ネットワーク3aを介して接続される。操作端末10は、金融機関または金融取引を監視する機関の担当者が使用する端末である。操作端末10は、パーソナルコンピュータなどである。監視装置100は、操作端末10に、監視装置100における金融取引の監視結果、例えば、不正取引の検出結果などを出力させることができる。
【0034】
<ハードウェア構成例>
図4は、監視装置100を実現するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。図3の金融取引サーバ30、および操作端末10も、コンピュータ1000によって実現される。
【0035】
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0036】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0037】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0038】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0039】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は監視装置100の各機能(例えば、図1の入力部102、生成部104、出力部106など)、あるいは、後述するモデル生成装置200の各機能(例えば、図11の二次情報生成部202、モデル生成部204、図15の入力部206など)、後述するモデル生成装置300の各機能(例えば、図21のテンプレート情報取得部302、入力情報取得部304、制御部306、モデル生成部308など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は監視装置100の記憶装置120と、監視装置100、モデル生成装置200、およびモデル生成装置300のモデル110の記憶装置と、金融取引サーバ30の記憶装置40と、の各データも記憶してもよい。
【0040】
プログラムモジュールは、記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれてよい。
【0041】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。入出力インタフェース1050は、ブルートゥース(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信を行う通信インタフェースとしても機能する。
【0042】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060が通信ネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0043】
そして、コンピュータ1000は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、必要な機器(例えば、監視装置100または操作端末10のディスプレイ、操作部(キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッドなど)、スピーカ、マイクロフォン、プリンタ等)に接続する。
【0044】
図1の各実施形態の監視装置100、図11および図15の各実施形態のモデル生成装置200および、図21のモデル生成装置300の各構成要素は、図4のコンピュータ1000のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。各実施形態の監視装置100、モデル生成装置200およびモデル生成装置300を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0045】
<機能構成例>
以下、実施形態の監視装置100の機能構成例について図1を用いて説明する。
入力部102は、金融取引における、過去の取引情報400、顧客に関する情報である顧客情報410、および、口座に関する情報である口座情報420を入力する。
【0046】
図5は、取引情報400のデータ構造例を示す図である。
取引情報400は、例えば、取引毎に、当該取引が発生した口座を特定可能な、口座の保有店の店番(店舗コード)、科目(普通預金、当座預金など)を示す科目コード、および口座番号と、当該取引が発生した口座を保有する顧客の顧客番号と、当該取引を特定可能な取引明細番号と、当該取引の取引種別(例えば、現金出金、振込出金などの種別)と、当該取引のチャネル(例えば、店舗窓口、ATM、インターネットバンキングなど)を示す取引チャネルと、当該取引を実施した日付(取引日)と、その時刻と、当該取引の取引金額と、当該取引が発生した口座の取引後残高と、取引口座に適用される支払限度額を示す支払可能残高)と、当該取引の送金先の口座を特定可能な相手金融機関コード、相手店舗コード、および相手口座番号とを含む。
【0047】
図6は、顧客情報410のデータ構造例を示す図である。
顧客情報410は、取引情報400に含まれる取引が発生した口座の保有店の店番(店舗コード)と、当該取引が発生した口座を保有する顧客の顧客番号と、当該顧客の人格(個人、法人、金融機関、公金、個人事業主など)を示す人格コード、当該口座を保有する顧客の生年月日、当該口座を保有する顧客の国籍などを含む。
【0048】
図7は、口座情報420のデータ構造例を示す図である。
口座情報420は、取引情報400に含まれる取引が発生した口座の保有店の店番(店舗コード)と、当該口座の科目(普通預金、当座預金など)を示す科目コードと、当該口座の口座番号と、当該口座を保有する顧客の顧客番号と、当該口座を開設した日付とを含む。
【0049】
入力部102が各情報の入力を受け付けるタイミングは、例えば、1日の営業時間の終了後から営業開始までの間の所定のタイミングに1日分単位で入力を受け付けてもよいし、営業時間内も含めた所定のタイミングで前営業日まで(または所定期間の)の所定日数分をまとめて受け付けてもよい。入力部102が入力した情報は、それぞれ取引情報400、顧客情報410、および口座情報420として記憶装置120に記憶される。
【0050】
生成部104は、入力部102によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420を用いて、学習済みモデル110を使用して、不正取引に関する情報である不正取引情報430を生成する。
【0051】
不正取引情報430は、不正取引を示すスコアを含む。スコアは、取引別、口座別、および顧客別のスコアの少なくとも一つのスコアが生成される。特に、不正取引情報430は、口座別の不正取引スコアおよび顧客別の不正取引スコアの少なくとも一方を含むのが好ましい。生成された不正取引情報430は、記憶装置120に記憶される。
【0052】
スコアは、当該取引が不正であるか否かを示す値および不正であることの確からしさを示す値の少なくとも一方であり、例えば、0~100の範囲の数値で示される場合、0に近い程、不正である可能性は低くなり、100に近い程、不正である可能性が高くなることを示してもよい。あるいは、スコアは、正負の値を用いてもよく、負の値である場合、不正である可能性が高くなり、正の値である場合、不正である可能性は低くなることを示してもよい。
【0053】
不正取引スコアの基準は、当該取引が発生した口座または顧客が、法人か個人かによって変えてもよい。
例えば、法人取引と個人取引を分けて、それぞれの母集団でスコアを降順に並べる。この場合、法人と個人で、上位から所定割合(N%)の取引を抽出する際のスコアは異なる値となる。このようにして得られる値を法人および個人の不正取引スコアの基準値としてそれぞれ用いてもよい。
【0054】
「金融取引における不正」とは、例えば、禁じられた取引先との金融取引や、不正を目的とした金融取引である。このような取引の一例は、資金洗浄(マネーロンダリング)やテロリズムに対する資金供与を目的とした金融取引である。このような取引においては、他人名義の口座を買い取り、不正な取引に利用することがある。そのような場合、口座が売買される前後において、入出金の状況が急変することがある。急に入出金額が増えたり、急に入出金回数が増えたりする。あるいは、不正取引に使用される口座は、入金と出金が短時間で繰り返されたりするなどの特徴を有している。
【0055】
監視装置100は、このような不正取引の特徴を学習してモデル化した学習済みモデルを用いて金融取引における不正の有無を予測し、スコア化する。ここで「学習」とは、機械学習やディープラーニングなどを含む。
【0056】
図8は、各不正取引スコアのデータ構造例を示す図である。図8(a)は、取引別の不正取引情報430、図8(b)は、口座別の不正取引情報430、図8(c)は、顧客別の不正取引情報430のデータ構造例をそれぞれ示している。
【0057】
図8(a)の取引別の不正取引情報430は、当該取引を特定可能な取引明細番号と、不正取引スコアが少なくとも紐付けられている。取引別の不正取引情報430は、さらに、当該取引が発生した口座を保有する店舗の店番と、当該口座の科目コードと、当該口座の口座番号と、当該口座を保有している顧客の顧客番号とをさらに含んでもよい。
【0058】
図8(b)の口座別の不正取引情報430は、当該取引が発生した口座の口座番号と、不正取引スコアが少なくとも紐付けられている。口座別の不正取引情報430は、さらに、当該取引が発生した口座を保有する店舗の店番と、当該口座の科目コードと、当該口座を保有している顧客の顧客番号とをさらに含んでもよい。
【0059】
図8(c)の顧客別の不正取引情報430は、当該取引が発生した口座を保有する顧客の顧客番号と、不正取引スコアが少なくとも紐付けられている。顧客別の不正取引情報430は、さらに、当該取引が発生した口座を保有する店舗の店番と、当該口座の科目コードと、当該口座の口座番号とをさらに含んでもよい。
【0060】
顧客別の不正取引情報430を特定する際、取引が発生した口座を保有している顧客の顧客番号が一致する顧客を同一人物としている。ただし、顧客に関連する取引を特定する場合、当該取引が発生した口座を保有している顧客の顧客番号だけでなく、他の顧客の属性、例えば、顧客の生年月日や国籍などの情報のうち、全部または少なくとも一部が一致するときに、同一の顧客に関連する取引であると特定してもよい。あるいは、複数の口座のうち、当該口座を保有している顧客の顧客番号だけでなく、他の顧客の属性、例えば、顧客の生年月日や国籍などの情報のうち、全部または少なくとも一部が一致するときに同一の顧客に関連する口座であると特定してもよい。
【0061】
出力部106は、生成部104によって生成された不正取引情報430を出力する。例えば、出力部106は、監視装置100のディスプレイ、あるいは、操作端末10のディスプレイに不正取引情報430を示す画面500を表示させてもよい。
【0062】
操作端末10には、監視システム1を利用するための権限が予め付与されており、操作端末10を使用する担当者は、監視システム1にログインするためのアカウント情報(例えば、ユーザ名およびパスワード)を予め取得しておく。また、操作端末10には、予め当該監視システム1が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、プログラムを起動した後、監視システム1にアカウント情報を用いてログインすることで、監視システム1のメニュー画面から「不正取引情報430の閲覧」を選択して画面500を表示させることができる。
【0063】
図9は、各不正取引情報430の出力画面500の例を示す図である。図9(a)は、取引別の不正取引情報430の出力画面500であり、例えば、閾値以上のスコアを有する取引に関する情報をリストにして出力する。リストは、例えば、閾値以上のスコアを有する取引の取引明細番号と、不正取引スコアの値とを少なくとも含む。リストには、さらに、当該取引が発生した口座の口座番号と、当該口座を保有する顧客の顧客番号とを含んでもよいし、さらに、相手口座番号、相手顧客番号などを含んでもよい。また、当該リスクは、不正取引スコアが高い順にソートされてもよい。
【0064】
図9(b)は、口座別の不正取引情報430の出力画面500であり、例えば、閾値以上のスコアを有する口座の口座番号と、不正取引スコアの値とを少なくとも含む。リストには、さらに、当該口座を保有する顧客の顧客番号、当該口座を保有する店舗の店番などを含んでもよい。また、当該リスクは、不正取引スコアが高い順にソートされてもよい。
【0065】
図9(c)は、顧客別の不正取引情報430の出力画面500であり、例えば、閾値以上のスコアを有する顧客の顧客番号と、不正取引スコアの値とを少なくとも含む。リストは、さらに、当該顧客が保有する口座の口座番号と、当該口座を保有する店舗の店番とを含んでもよい。また、当該リスクは、不正取引スコアが高い順にソートされてもよい。
【0066】
さらに、出力部106は、各不正取引情報430を生成した根拠となる根拠情報を出力する。
【0067】
図10は、根拠情報出力画面510の例を示す図である。図10(a)は、口座別の不正取引情報430の根拠情報を含む根拠情報出力画面510の例を示している。この根拠情報出力画面510は、口座別の不正取引スコアが閾値以上の口座について、当該口座の口座番号を表示する不正取引口座情報表示部512と、口座別の不正取引スコアの値を表示するスコア表示部514と、当該不正の根拠となる根拠情報を表示する根拠情報表示部516と、当該根拠情報の元となる情報を表示する元情報表示部518と、を含む。
【0068】
この例では、2022年2月を境として、当該口座における取引回数が急増していることを示す根拠情報が根拠情報表示部516に表示されている。
【0069】
図10(b)は、不正取引情報430の根拠情報を含む根拠情報出力画面510の例を示している。この根拠情報出力画面510は、顧客別の不正取引スコアが閾値以上の顧客について、当該顧客の顧客番号と、当該顧客が保有している少なくとも一つの口座の情報、例えば、口座の店番と、科目と、口座番号とを含む顧客情報を表示する顧客情報表示部519を、図10(a)の根拠情報出力画面510の不正取引口座情報表示部512の替わりに含むとともに、スコア表示部514と、根拠情報表示部516と、元情報表示部518と、を含む。
【0070】
この例では、2022年2月から、当該顧客の保有する口座における取引金額が急増していることを示す根拠情報が根拠情報表示部516に表示されている。
【0071】
このように、出力部106は、各不正取引情報430を生成した根拠となる根拠情報を出力するので、担当者は、不正取引の疑いがあるとして出力された取引について、その判断の妥当性を具体的に確認することができる。そのため担当者の確認作業の負担を低減できる。
【0072】
<動作例>
以下、実施形態の監視装置100の動作例について図2を用いて説明する。
まず、入力部102は、所定のタイミングで、金融取引における、過去の取引情報400、顧客に関する情報である顧客情報410、および、口座に関する情報である口座情報420を入力する(ステップS101)。入力された取引情報400、顧客情報410および口座情報420は、記憶装置120に記憶される。
【0073】
そして、生成部104は、入力部102によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420を用いて、学習済みモデル110を使用して、不正取引に関する情報である不正取引情報430を生成する(ステップS103)。不正取引情報430は、顧客別の不正取引情報430および口座別の不正取引情報430の少なくとも一方を含む。不正取引情報430は、さらに、取引別の不正取引情報430を含んでもよい。各不正取引情報430は、記憶装置120に記憶される。
【0074】
そして、出力部106は、生成部104によって生成された不正取引情報430を出力する(ステップS105)。出力部106は、例えば、操作端末10のディスプレイに図9(a)~図9(c)のうち少なくともいずれか1つの画面500を表示させる。さらに、出力部106は、操作端末10のディスプレイに図10(a)および図10(b)の少なくとも一方の根拠情報出力画面510を表示させてもよい。
【0075】
例えば、出力部106は、図9(b)の画面500を操作端末10のディスプレイに表示させているときに、口座番号のカラムの選択操作を受け付けると、表示画面を画面500から、図10(a)の口座別の不正取引情報430の根拠情報出力画面510に移行させてもよい。同様に、出力部106は、図9(c)の画面500を操作端末10のディスプレイに表示させているときに、顧客番号のカラムの選択操作を受け付けると、表示画面を画面500から、図10(b)の顧客別の不正取引情報430の根拠情報出力画面510に移行させてもよい。
【0076】
以上、本実施形態によれば、監視装置100は、入力部102と、生成部104と、出力部106と、を備えている。入力部102は、金融取引における、過去の取引情報、顧客に関する情報である顧客情報、および、口座に関する情報である口座情報を入力する。生成部104は、入力部102によって入力された取引情報、顧客情報、および、口座情報を用いて、学習済みモデル110を使用して、不正取引に関する情報である不正取引情報を生成する。出力部106は、生成部104によって生成された不正取引情報を出力する。不正取引情報は、口座別の不正取引スコアおよび顧客別の不正取引スコアの少なくとも一方を含む。
【0077】
このように監視装置100によれば、取引単位では金融取引の不正が検知できないという問題を解決し、口座単位または顧客単位で金融取引の不正を検出することができる。
【0078】
また、不正取引情報は、取引別の不正取引情報430を含むこともできるので、漏れなく金融取引の不正を検知できる。
【0079】
(第3実施形態)
図11は、実施形態に係るモデル生成装置200の概要を示す図である。本実施形態のモデル生成装置200は、図1の監視装置100が使用する学習済みモデル110を生成する。はじめに、モデル生成装置200の最小構成例について説明する。
【0080】
<最小構成例>
モデル生成装置200は、二次情報生成部202と、モデル生成部204と、を備える。
二次情報生成部202は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の性能の向上に寄与する二次情報を生成する。
モデル生成部204は、二次情報生成部202によって生成された二次情報を用いて、モデル110を生成する。
【0081】
<動作例>
図12は、本実施形態のモデル生成装置200の動作例を示すフローチャートである。
まず、二次情報生成部202は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の性能の向上に寄与する二次情報を生成する(ステップS201)。そして、モデル生成部204は、二次情報生成部202によって生成された二次情報を用いて、モデル110を生成する(ステップS203)。
【0082】
このモデル生成装置200は、二次情報生成部202と、モデル生成部204と、を備えている。二次情報生成部202は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の性能の向上に寄与する二次情報を生成する。モデル生成部204は、二次情報生成部202によって生成された二次情報を用いて、モデル110を生成する。
【0083】
このようにモデル生成装置200によれば、金融取引の不正検知の目的に合致した高性能のモデル110を生成できる。
【0084】
以下、モデル生成装置200の詳細例について説明する。
【0085】
(第4実施形態)
<システム概要>
図13は、実施形態に係る監視システム1のシステム構成を概念的に示す図である。図13の監視システム1は、図3の監視システム1の構成に加え、さらに、モデル生成装置200を備えている。モデル生成装置200は、通信ネットワーク3aを介して金融取引サーバ30に接続される。ただし、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0086】
モデル生成装置200は、記憶装置220を含むとともに、モデル110を記憶する記憶装置(不図示)を含んでもよい。モデル110の記憶装置および記憶装置220は、モデル生成装置200の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり、モデル110の記憶装置および記憶装置220いずれも、モデル生成装置200と一体のハードウェアであってもよいし、モデル生成装置200とは別体のハードウェアであってもよい。
【0087】
モデル生成装置200は、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータなどにより実現される。
【0088】
<機能構成例>
以下、モデル生成装置200の機能構成について図11を用いて説明する。
二次情報生成部202は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の性能の向上に寄与する二次情報を生成する。二次情報は、金融取引における不正取引の有無や不正取引であることの確からしさを目的変数とするモデル110の説明変数となる情報を含む。例えば、上記したように、不正取引に使用される口座は、入金と出金が短時間で繰り返されたりするなどの特徴を有している。そのため、二次情報として、所定期間内における、入金と出金が短時間で繰り返される特徴の取引を示す入金から出金までの時間差や、1日当たりの入金回数、1日当たりの出金回数などを生成する。モデル生成部204は、金融取引の不正の有無や不正取引であることの確からしさを目的変数とするモデル110の説明変数として生成した二次情報に基づいてモデル110を生成することで、モデル110の不正取引の検出性能を向上させることができる。
【0089】
二次情報440は、所定期間の取引内容に関する期間内取引情報442を含む。
図14は、二次情報440の一例である期間内取引情報442のデータ例を示す図である。期間内取引情報442は、例えば、所定期間の日数の一例であって、ある口座またはある顧客の取引情報に関する前回処理日からの経過日数と、当該期間内における以下の情報を含む。処理日とは、二次情報440を生成する処理を行った日である。期間内取引情報442は、入金時刻から出金時刻までの時間(分)を示す入出金時間差、1日当たりの入金回数、1日当たりの出金回数、1ヶ月の入金回数、1ヶ月の出金回数、1日の累計の入金金額、1日の累計の出金金額、1ヶ月の最小入金金額、1ヶ月の最小出金金額、1ヶ月の最大入金金額、1ヶ月の最大出金金額、および1日の入出金の差額などの少なくとも一つを含む。
【0090】
モデル生成部204は、二次情報生成部202によって生成された二次情報440を用いて、モデルを生成する。例えば、期間内取引情報442を含む二次情報440を用いてモデルを生成する。
【0091】
モデル110は、上記したように、金融取引の不正取引の有無や不正取引であることの確からしさを検出するモデルである。つまり、二次情報440は、金融取引の不正パターンを効果的に学習するための説明変数となる情報を含む。二次情報440は、上記以外にも様々考えられ、そのバリエーションについては、後述する実施形態で詳細に説明する。
【0092】
<動作例>
以下、実施形態のモデル生成装置200の動作について図12を用いて説明する。
まず、二次情報生成部202は、金融取引における不正取引を検出するモデルの性能の向上に寄与する二次情報440を生成する(ステップS201)。二次情報生成部202は、例えば、図14に示す期間内取引情報442を二次情報440として生成する。二次情報生成部202は、例えば、上記実施形態で説明した取引情報400(図5)を用いて、期間内取引情報442を生成することができる。
【0093】
そして、モデル生成部204は、ステップS201で二次情報生成部202によって生成された二次情報440を用いて、モデル110を生成する(ステップS203)。
モデル110は、不正取引の取引パターンの特徴を示す期間内取引情報442を用いて生成されるので、このモデル110を用いた金融取引の不正検出の性能を向上できる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態によれば、モデル生成装置200は、二次情報生成部202と、モデル生成部204と、を備えている。二次情報生成部202は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の性能の向上に寄与する二次情報を生成する。モデル生成部204は、二次情報生成部202によって生成された二次情報を用いて、モデル110を生成する。
【0095】
このようにモデル生成装置200によれば、金融取引の不正検知の目的に合致した高性能のモデル110を生成できる。
【0096】
また、二次情報440は、所定期間の取引内容に関する期間内取引情報を含むので、一取引のみでは検知できない不正が疑わしい事象も検知できるようになる。例えば、入金と出金が短時間で頻繁に繰り返されるようなケースを不正取引として検知でするようになる。
【0097】
(第5実施形態)
図15は、実施形態のモデル生成装置200の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態は、二次情報を生成するのに使用する一次情報を入力する構成を有する点以外は、第4実施形態と同じである。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0098】
<機能構成例>
モデル生成装置200は、図11のモデル生成装置200と同じ二次情報生成部202と、モデル生成部204と、を有するとともに、さらに、入力部206を有する。
入力部206は、過去の取引情報400、顧客に関する情報である顧客情報410、および、口座に関する情報である口座情報420を入力する。
二次情報生成部202は、入力部206によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420に基づいて二次情報440を生成する。
モデル生成部204は、入力部206によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420、ならびに、モデル生成部204によって生成された二次情報440を用いて、モデル110を生成する。
【0099】
取引情報400、顧客情報410、および口座情報420は、第2実施形態の図5図6、および図7の各情報と同じである。
【0100】
二次情報生成部202は、入力部206によって入力された取引情報400、顧客情報410、および口座情報420のうち、少なくとも2つ以上の情報に基づいて、二次情報440を生成する。
【0101】
二次情報生成部202は、二次情報440を、1つの情報ではなく2つ以上の情報に基づいて生成するので、より不正取引の取引パターンの特徴を有する二次情報440をモデル110の学習に使用させることで、モデル110の不正検出の性能を向上させることができる。
【0102】
以下、二次情報440の他の例について説明する。
【0103】
<例1:期間取引先情報>
二次情報440の期間内取引情報442は、ある取引の取引先が所定期間の取引先群と異なるか否かを示す期間取引先情報を含んでもよい。
【0104】
<例2:期間取引差異情報>
二次情報440の期間内取引情報442は、ある取引内容が所定期間の取引内容群とどれだけ差異があるかを示す期間取引差異情報を含んでもよい。
【0105】
図16は、期間内取引情報442のデータ例を示す図である。
図16(a)は、期間取引差異情報を示す期間内取引情報442の例を示している。この期間内取引情報442は、所定期間の日数の一例であって、ある口座の取引情報に関する前回処理日からの経過日数と、当該期間における一取引当りの入金金額の平均と、ある取引の入金金額との差額、および当該期間における一取引当りの出金金額の平均と、ある取引の出金金額との差額の少なくとも一方を含む。
【0106】
つまり、モデル生成部204は、例えば、一取引当りの入金金額の平均との差額が閾値以上の場合、当該取引は不正取引の可能性が高いことをモデル110に学習させる。そして、上記実施形態の監視装置100において、この学習済みのモデル110を用いると、一取引当りの入金金額の平均との差額が閾値以上の場合、当該取引は不正取引の可能性が高いことを示す不正スコアを出力させることができる。
【0107】
図16(b)は、期間取引先情報を示す期間内取引情報442の例を示している。この期間内取引情報442は、ある口座において、所定期間の日数の一例であって、ある口座の取引情報に関する前回処理日からの経過日数と、当該期間における当該口座の取引先、例えば、当該口座からの振込先が、同一の口座を含むか否かを示すフラグ(同一口座への振込有無フラグ)を含む。例えば、同一口座への振込が所定期間内にあった場合には、フラグに1がセットされ、同一口座への振込が所定期間内になかった場合には、フラグに0がセットされてもよい。
【0108】
例えば、モデル生成部204は、同一口座への振込がある場合(つまり同一口座への振込有無フラグに1がセットされている場合)には、当該口座における当該取引先への取引は、不正取引の可能性が高いことをモデル110に学習させる。
【0109】
<例3:期間内操作結果情報>
期間内取引情報442は、所定期間の取引装置の操作に対する結果を示す期間内操作結果情報である。
取引装置とは、ATM20である。取引装置の操作に対する結果は、例えば、ATM20での操作がエラーとなった回数などを含むことができる。
【0110】
図17は、期間内操作結果情報を示す期間内取引情報442のデータ例を示す図である。この期間内取引情報442は、所定期間の日数を示す、ある口座の取引情報に関する前回処理日からの経過日数と、当該期間における、ATM20での操作がエラーとなった1日当りの回数、およびATM20での操作がエラーとなった1ヶ月の回数の少なくとも一方を含む。
【0111】
例えば、モデル生成部204は、ある口座の取引において、ATM20での操作でエラーが発生した回数が閾値より多い場合、当該口座は不正取引に利用されている可能性が高いことをモデル110に学習させる。そして、上記実施形態の監視装置100において、この学習済みのモデル110を用いると、ATM20での操作でエラーが発生した回数が閾値より多い場合、当該口座は不正取引に利用されている可能性が高いことを示す不正スコアを出力させることができる。
【0112】
<例4:場所比較情報>
二次情報440は、場所を示す情報の比較結果を示す場所比較情報である。
場所を示す情報とは、取引が行われた場所であり、例えば、店舗の窓口における取引であれば、当該店舗の店番、ATM20における取引であれば、ATM20を管理している店舗の店番である。場所比較情報は、取引が行われた店舗の店番と、当該取引を行った口座を保有する店舗の店番とを比較し、店番が同じか異なるかを示す別店処理フラグで示すことができる。つまり、口座の店舗と異なる店舗で取引が行われた場合、別店処理フラグに1がセットされ、口座の店舗と同じ店舗で取引が行われた場合、別店処理フラグは0がセットされる。
【0113】
図18は、場所比較情報を含む二次情報440のデータ構造例を示す図である。
この二次情報440は、当該取引を特定可能な取引識別情報と、当該取引の別店処理フラグとを含む。この二次情報440は、さらに、当該取引が行われた口座を特定可能な情報(例えば、当該口座を保有する店舗の店番、当該口座の科目コード、および当該口座の口座番号)を含んでもよい。
【0114】
つまり、モデル生成部204は、例えば、ある取引の別店処理フラグに1がセットされている場合、当該取引は不正取引の可能性が高いことをモデル110に学習させる。そして、上記実施形態の監視装置100において、この学習済みのモデル110を用いると、ある取引の別店処理フラグに1がセットされている場合、当該取引は不正取引の可能性が高いことを示す不正スコアを出力させることができる。
【0115】
<例5:取引金額割合情報>
二次情報440は、所定の金額に対する取引金額の割合を示す取引金額割合情報であってもよい。所定の金額とは、当該取引が発生した口座の残高、1ヶ月当りの入金額(あるいは、給与振込額などであってもよい)、および前月の一取引当りの平均取引金額の少なくともいずれか一つである。所定の金額に対して、ある取引の金額の割合が閾値を超える場合に、当該取引は不正取引である。
【0116】
図19は、取引金額割合情報を含む二次情報440のデータ構造例を示す図である。 この二次情報440は、当該取引を特定可能な取引識別情報と、当該取引の取引金額割合情報とを含む。この二次情報440は、さらに、当該取引が行われた口座を特定可能な情報(例えば、当該口座を保有する店舗の店番、当該口座の科目コード、および当該口座の口座番号)を含んでもよい。
【0117】
つまり、モデル生成部204は、例えば、所定の金額に対して、ある取引の金額の割合が閾値を超える場合、当該取引は不正取引の可能性が高いことをモデル110に学習させる。そして、上記実施形態の監視装置100において、この学習済みのモデル110を用いると、ある取引の金額の割合が閾値を超える場合、当該取引は不正取引の可能性が高いことを示す不正スコアを出力させることができる。
【0118】
<動作例>
図20は、実施形態のモデル生成装置200の動作例を示すフローチャートである。
図16のフローは、図12のフローと同じステップS201と、ステップS203を有するとともに、さらに、ステップS201の前にステップS205を有する。
【0119】
まず、入力部206は、過去の取引情報400、顧客に関する情報である顧客情報410、および、口座に関する情報である口座情報420を入力する(ステップS205)。
二次情報生成部202は、ステップS205で入力部206によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420に基づいて二次情報440を生成する(ステップS201)。
モデル生成部204は、ステップS205で入力部206によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420、ならびに、ステップS201でモデル生成部204によって生成された二次情報440を用いて、モデル110を生成する(ステップS203)。
【0120】
以上説明したように、本実施形態によれば、モデル生成装置200は、上記実施形態の構成に加え、さらに、入力部206を備えている。入力部206は過去の取引情報400、顧客に関する情報である顧客情報410、および、口座に関する情報である口座情報420を入力する。そして、二次情報生成部202は、入力部206によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420に基づいて二次情報440を生成し、モデル生成部204は、入力部206によって入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420、ならびに、モデル生成部204によって生成された二次情報440を用いて、モデル110を生成する。
【0121】
このように、本実施形態のモデル生成装置200によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、入力された取引情報400、顧客情報410、および、口座情報420に基づいて二次情報440を生成することができるので、様々な金融取引の不正パターンを効果的に学習するための説明変数となる二次情報440を生成してモデル110を生成することができる。このため、生成されたモデル110を用いた金融取引の不正検出の性能をより向上できる。
【0122】
(第6実施形態)
図21は、実施形態に係るモデル生成装置300の概要を示す図である。本実施形態のモデル生成装置200は、図1の監視装置100が使用する学習済みモデルを生成する点で図11および図15のモデル生成装置200と同じである。本実施形態のモデル生成装置300は、モデル110を生成する際に、テンプレートを用いてモデル110を生成する構成を有する点で、上記したモデル生成装置200と相違する。言い換えると、モデル生成装置300は、テンプレートを用いることで、モデル生成装置200でのモデル110の生成を容易にし、金融取引の不正検出の性能を向上させることを可能にする。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0123】
<最小構成例>
モデル生成装置300は、テンプレート情報取得部302と、入力情報取得部304と、制御部306と、モデル生成部308と、を含む。
テンプレート情報取得部302は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の生成に使用するテンプレート情報を取得する。テンプレート情報は、モデル110の生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、入力情報に基づくモデル110の性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含む。
入力情報取得部304は、テンプレート情報に含まれる入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する入力情報を取得する。
制御部306は、テンプレート情報に含まれる二次情報生成定義情報に応じて、二次情報の生成内容を制御する。
モデル生成部308は、制御された二次情報の生成内容に基づいてモデル110を生成する。
【0124】
<動作例>
図22は、実施形態のモデル生成装置300の動作例を示すフローチャートである。まず、テンプレート情報取得部302は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の生成に使用するテンプレート情報を取得する(ステップS301)。そして、入力情報取得部304は、ステップS301で取得されたテンプレート情報に含まれる入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する入力情報を取得する(ステップS303)。制御部306は、ステップS301で取得されたテンプレート情報に含まれる二次情報生成定義情報に応じて、二次情報の生成内容を制御する(ステップS305)。モデル生成部308は、ステップS305で制御された二次情報の生成内容に基づいてモデル110を生成する(ステップS307)。
【0125】
このモデル生成装置300は、テンプレート情報取得部302と、入力情報取得部304と、制御部306と、モデル生成部308と、を備えている。テンプレート情報取得部302は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の生成に使用するテンプレート情報を取得する。テンプレート情報は、モデル110の生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、入力情報に基づくモデル110の性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含む。入力情報取得部304は、テンプレート情報に含まれる入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する入力情報を取得する。制御部306は、テンプレート情報に含まれる二次情報生成定義情報に応じて、二次情報の生成内容を制御する。モデル生成部308は、制御された二次情報の生成内容に基づいてモデル110を生成する。
【0126】
このモデル生成装置300によれば、金融取引の不正検知の目的に合致した高性能のモデルを容易に生成できる。
【0127】
以下、モデル生成装置300の詳細例について説明する。
【0128】
(第7実施形態)
<システム概要>
図23は、実施形態に係る監視システム1のシステム構成を概念的に示す図である。図23の監視システム1は、図3の監視システム1の構成に加え、さらに、モデル生成装置300を備えている。つまり、図13の監視システム1のモデル生成装置200に替えてモデル生成装置300を備えている。モデル生成装置300は、通信ネットワーク3aを介して金融取引サーバ30に接続される。ただし、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0129】
モデル生成装置300は、記憶装置320を含むとともに、モデル110を記憶する記憶装置(不図示)を含んでもよい。モデル110の記憶装置および記憶装置320は、モデル生成装置300の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり、モデル110の記憶装置および記憶装置320いずれも、モデル生成装置300と一体のハードウェアであってもよいし、モデル生成装置300とは別体のハードウェアであってもよい。
【0130】
モデル生成装置300は、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータなどにより実現される。
【0131】
モデル生成装置300は、金融取引の不正を検出するモデル110を生成する。モデル生成装置300は、金融取引サーバ30の情報を取得してモデル110の生成に使用する。モデル生成装置300が生成したモデル110を使用して監視装置100が金融取引の監視を行う。
【0132】
モデル生成装置300を実現するコンピュータ1000には、モデル110を生成するためのプログラムがインストールされている。モデル生成装置300の各要素の各機能は、プログラムを実行することにより実現される。また、操作端末10をモデル生成装置300の操作端末として機能させてもよく、モデル生成装置300は、通信ネットワーク3aを介して各操作端末10と接続されるサーバとして機能し、操作端末10は、クライアント端末として機能してもよい。
【0133】
上記実施形態と同様に、モデル生成装置300および操作端末10の少なくとも一方には、監視システム1を利用するための権限が予め付与されており、モデル生成装置300および操作端末10を使用する担当者は、監視システム1にログインするためのアカウント情報(例えば、ユーザ名およびパスワード)を予め取得しておく。また、モデル生成装置300および操作端末10には、予め当該監視システム1が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、プログラムを起動した後、監視システム1にアカウント情報を用いてログインすることで、監視システム1のメニュー画面(不図示)から各種操作画面を表示させることができる。オペレータは、各種画面を操作することで、モデル110を生成することができる。
【0134】
<機能構成例>
以下、モデル生成装置300の機能構成について図11を用いて説明する。
テンプレート情報取得部302は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の生成に使用するテンプレート情報380を取得する。
図24は、テンプレート情報380のデータ構造を示す図である。テンプレート情報380は、テンプレート360を定義する各種情報を含む。テンプレート360のテンプレート情報380は、記憶装置320に記憶される。
【0135】
テンプレート情報380は、モデル110の生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報382と、入力情報に基づくモデル110の性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報384とを少なくとも含む。
【0136】
入力情報取得部304は、テンプレート情報380に含まれる入力情報項目定義情報382で特定される各項目について、その項目に対応する入力情報を取得する。
【0137】
例えば、上記実施形態で説明した取引情報400、顧客情報410、および口座情報420などのデータファイルをインポートする際に、各情報(データファイル)のうち、どの項目(一取引レコードのカラム)の情報を入力するかを入力情報項目定義情報382で特定する。
【0138】
モデル生成装置300において、メニュー画面で「データファイルのインポート」の選択を受け付けると、インポート画面520がディスプレイに表示される。図25は、インポート画面520の一例を示す図である。インポート画面520は、ファイル指定リスト522と、OKボタン528と、キャンセルボタン529とを含む。
【0139】
ファイル指定リスト522は、インポートするデータ名のカラムと、当該データのファイルを指定するカラムとを含む。ファイル指定カラムは、ファイル選択ボタン524と選択ファイル表示部526とを含む。モデル生成装置300は、ファイル選択ボタン524の押下を受け付けると、データフォルダを参照するウインドウを開き、データファイルをオペレータに選択させることができる。選択されたデータファイル名が、選択ファイル表示部526に表示される。
【0140】
モデル生成装置300は、OKボタン528の押下を受け付けると、インポートデータのファイル指定を確定して当該メニューを終了する。モデル生成装置300は、キャンセルボタン529の押下を受け付けると、インポートデータのファイル指定をキャンセルして当該メニューを終了する。
【0141】
次に、モデル生成装置300において、メニュー画面で「入力情報項目定義」の選択を受け付けると、入力情報選択画面530がディスプレイに表示される。図26は、入力情報選択画面530の一例を示す図である。ここでは、取引情報400のデータ項目のうち、入力対象とするデータ項目(一取引のレコード内のカラム)を選択するための入力情報選択画面530の例を示している。言い換えると、入力情報選択画面530は、取引情報400のデータ項目のうち、モデル110生成に使用しないデータ項目を除外する選択を受け付けるための画面とも言える。
【0142】
入力情報選択画面530は、入力情報取得部304が取得する入力対象のデータ項目の選択操作を受け付け、入力情報項目定義情報382を生成してテンプレート情報380に含めて記憶装置320に記憶させるための画面である。入力情報選択画面530は、取込定義情報リスト532と、取込元データリスト534と、戻るボタン544と、次へボタン548とを含む。
【0143】
取込定義情報リスト532と、取込元データリスト534を用いて、入力対象のデータ項目と、取込元データとをマッピングさせることができる。取込定義情報リスト532のデータ項目は、取込元データリスト534のデータ項目と同じ順序で同じものが既に並んで表示されているものとする。
【0144】
一方のリストのスクロールバーの操作を受け付けると、他方のリストも一緒にスクロール表示されてよいし、一緒にスクロール表示されなくてもよいし、いずれの動作とするか選択的に設定できてもよい。
【0145】
また、取込定義情報リスト532と取込元データリスト534のデータ項目が一致しない場合には、はじめに、モデル生成装置300は、入力対象のデータ項目(一取引のレコード内のカラム)の取込定義情報リスト532のマッピング列のセルの選択(オペレータによる)を受け付けた後、選択されたデータ項目に対応する、インポート元(取込元データリスト534)のデータファイルのデータ項目(元データ)の選択(オペレータによる)を受け付け、取込先と取込元のデータ項目の対応付けを行ってもよい。
【0146】
この図の例では、取込定義情報リスト532と取込元データリスト534のデータ項目は一致しているものとして説明する。
取込元データリスト534には、インポート元のデータファイル(ここでは、取引情報400としてインポート指定されたデータファイル"TON_INF.csv")の各項目のデータ名(一取引のレコード内のカラム名)(例えば、store_num、sbj_cdなど)が表示される。
【0147】
モデル生成装置300は、オペレータによる、取込元データリスト534のセルの押下により入力情報取得部304が取得すべき入力対象のデータ項目(一取引のレコード内のカラム名)の選択を受け付けることができる。
【0148】
選択されたデータ項目のセルは選択済み表示538される。選択済み表示538は、当該データ項目が選択済みであることをオペレータに通知する表示方法であれば特に限定されないが、例えば、セルの背景色を変更したり、セル内の文字の色を変更したり、セルを強調表示させたりしてもよい。
【0149】
入力情報選択画面530は、さらに、一括選択ボタン540および反映ボタン542を有する。モデル生成装置300は、一括選択ボタン540の押下を受け付けると、取込元データリスト534の取込元のデータファイルのすべてのデータ項目をそのまま一括して選択状態とし、すべてのデータ項目のセルを選択済み表示538とする。つまり、一括選択ボタン540の押下することで、オペレータは、上記したデータ項目毎の選択操作を省略することができる。また、一括選択された状態で、オペレータによる押下を受け付けたセルについて、セル毎に選択を解除できてもよい。
【0150】
モデル生成装置300は、反映ボタン542の押下を受け付けると、取込元データリスト534で選択済み表示538されたセルのデータ項目を、取込定義情報リスト532の対応する行のデータ項目にマッピングさせ、取込定義情報リスト532のマッピング列のセルにそれぞれデータ名が表示されることとなる。
【0151】
例えば、取込元データリスト534で選択された項目のデータ名、例えば、「store_num」は、反映ボタン542の押下により取込定義情報リスト532のデータ項目の「店番」のマッピング列に表示される。この図の例では、上3つのデータ項目が入力対象として選択されて取込定義情報リスト532にマッピングされた状態を示している。
【0152】
モデル生成装置300は、戻るボタン544の押下を受け付けると、当該画面530で受け付けたデータ項目の選択操作をキャンセル(選択済み表示538を消去)してメニュー画面に戻る。モデル生成装置300は、次へボタン548の押下を受け付けると、取込定義情報リスト532に反映されたマッピング情報に基づいて、取込元データリスト534で選択されたデータ項目を入力対象として定義する入力情報項目定義情報382をテンプレート情報380に含めて記憶装置320に記憶させる。
【0153】
なお、入力情報選択画面530は、顧客情報410および口座情報420についても同様に選択指定することができ、それぞれ入力情報項目定義情報382に定義された情報を含めたテンプレート情報380を記憶装置320に記憶させることができる。
【0154】
入力情報取得部304は、このようにして定義された入力情報項目定義情報382を用いて、当該入力情報項目定義情報382で特定される各項目について、その項目に対応する入力情報を取得する。
【0155】
次に、制御部306は、テンプレート情報に含まれる二次情報生成定義情報384に応じて、二次情報440の生成内容を制御する。
【0156】
例えば、上記実施形態で説明した各二次情報440のデータファイルをインポートする際に、各二次情報440のデータファイルのうち、どの項目(一取引レコードのカラム)の情報を説明変数として使用するために生成するか(否か)を二次情報生成定義情報384で定義する。
【0157】
モデル生成装置300において、メニュー画面で「二次情報生成定義」の選択を受け付けると、二次情報選択画面550がディスプレイに表示される。図27は、二次情報選択画面550の一例を示す図である。ここでは、二次情報440のうち、図14の期間内取引情報442のデータ項目のうち、説明変数として使用するデータ項目(一レコード内のカラム)を選択するための二次情報選択画面550の例を示している。言い換えると、二次情報選択画面550は、二次情報440のデータ項目のうち、モデル110生成に使用しないデータ項目を除外する選択を受け付けるための画面とも言える。
【0158】
二次情報選択画面550は、制御部306が制御する二次情報440の生成内容、ここでは、説明変数として使用する二次情報440のデータ項目の選択操作を受け付け、二次情報生成定義情報384を生成してテンプレート情報380に含めて記憶装置320に記憶させるための画面である。二次情報選択画面550は、図26の入力情報選択画面530と同じ、キャンセルボタン536、一括選択ボタン540、反映ボタン542、戻るボタン544、および次へボタン548を含む。
【0159】
二次情報選択画面550は、さらに、取込定義情報リスト552と、取込元データリスト554と、を含む。取込定義情報リスト552と、取込元データリスト554を用いて、説明変数として使用するデータ項目として取り込む取込元データリスト554のデータ項目とをマッピングさせることができる。取込定義情報リスト552のデータ項目は、取込元データリスト554のデータ項目と同じ順序で同じものが既に並んで表示されているものとする。
【0160】
一方のリストのスクロールバーの操作を受け付けると、他方のリストも一緒にスクロール表示されてよいし、一緒にスクロール表示されなくてもよいし、いずれの動作とするか選択的に設定できてもよい。
【0161】
また、取込定義情報リスト552と取込元データリスト554のデータ項目が一致しない場合には、はじめに、モデル生成装置300は、入力対象のデータ項目(一取引のレコード内のカラム)の取込定義情報リスト552のマッピング列のセルの選択(オペレータによる)を受け付けた後、選択されたデータ項目に対応する、インポート元(取込元データリスト554)のデータファイルのデータ項目(元データ)の選択(オペレータによる)を受け付け、取込先と取込元のデータ項目の対応付けを行ってもよい。
【0162】
この図の例では、取込定義情報リスト552と取込元データリスト554のデータ項目は一致しているものとして説明する。
取込元データリスト554には、インポート元のデータファイル(ここでは、二次情報440としてインポート指定されたデータファイル"TON_P_INF.csv")の各項目のデータ名(一レコード内のカラム名)(例えば、date_num、depwdl_time_difなど)が表示される。
【0163】
モデル生成装置300は、オペレータによる、取込元データリスト554のセルの押下により、二次情報440のうち、説明変数として生成対象となるデータ項目(一レコード内のカラム名)の選択を受け付けることができる。
【0164】
選択されたデータ項目のセルは選択済み表示556される。選択済み表示556は、当該データ項目が選択済みであることをオペレータに通知する表示方法であれば特に限定されないが、例えば、セルの背景色を変更したり、セル内の文字の色を変更したり、セルを強調表示させたりしてもよい。
【0165】
モデル生成装置300は、反映ボタン542の押下を受け付けると、取込元データリスト554で選択済み表示556されたセルのデータ項目を、取込定義情報リスト552の対応する行のデータ項目にマッピングさせ、取込定義情報リスト552のマッピング列のセルにそれぞれデータ名が表示されることとなる。
【0166】
例えば、取込元データリスト554で選択された項目のデータ名、例えば、「date_num」は、反映ボタン542の押下により取込定義情報リスト552のデータ項目の「前回処理日からの経過日数」のマッピング列に表示される。この図の例では、4つのデータ項目が二次情報440の生成対象として選択されて取込定義情報リスト552にマッピングされた状態を示している。
【0167】
モデル生成装置300は、次へボタン548の押下を受け付けると、取込定義情報リスト552に反映されたマッピング情報に基づいて、取込元データリスト554で選択されたデータ項目を特定する二次情報項目定義情報を含む二次情報生成定義情報384をテンプレート情報380に含めて記憶装置320に記憶させる。
【0168】
このように、二次情報生成定義情報384は、生成される二次情報440の項目を特定する二次情報項目定義情報を含む。
【0169】
なお、二次情報選択画面550は、他の二次情報440についても同様に選択指定することができ、それぞれ二次情報生成定義情報384に定義された情報を含めたテンプレート情報380を記憶装置320に記憶させることができる。よって、二次情報生成定義情報384の二次情報項目定義情報は、当該異なる二次情報440を示すデータファイル別のデータ項目を定義した情報であってもよい。
【0170】
制御部306は、このようにして定義された二次情報生成定義情報384に応じて、二次情報440の生成内容を制御する。
【0171】
そして、モデル生成部308は、制御部306により制御された二次情報440の生成内容に基づいてモデル110を生成する。つまり、二次情報生成定義情報384で定義された二次情報440を用いたモデル110を生成する。
【0172】
このモデル生成装置300は、テンプレート情報取得部302と、入力情報取得部304と、制御部306と、モデル生成部308と、を備えている。テンプレート情報取得部302は、金融取引における不正取引を検出するモデル110の生成に使用するテンプレート情報を取得する。テンプレート情報は、モデル110の生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、入力情報に基づくモデル110の性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含む。入力情報取得部304は、テンプレート情報に含まれる入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する入力情報を取得する。制御部306は、テンプレート情報に含まれる二次情報生成定義情報に応じて、二次情報の生成内容を制御する。モデル生成部308は、制御された二次情報の生成内容に基づいてモデル110を生成する。
【0173】
このモデル生成装置300によれば、金融取引の不正検知の目的に合致した高性能のモデルを容易に生成できる。
【0174】
(第8実施形態)
本実施形態のモデル生成装置300は、複数の異なる説明変数が定義されたテンプレート情報380の中からテンプレート情報380を選択してモデル110を生成する構成を有する点以外は、図21の上記第7実施形態と同様である。本実施形態のモデル生成装置300は、図21と同様の構成を有するので、図21を用いて説明する。
【0175】
<機能構成例>
テンプレート情報取得部302は、二次情報生成定義情報384で特定される二次情報440の生成内容、および入力情報項目定義情報382で特定される項目のうち、少なくとも一方が異なる複数のテンプレート情報380のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択されたテンプレート情報380を取得する。
【0176】
例えば、上記第7実施形態のモデル生成装置300で定義された入力情報項目定義情報382および二次情報生成定義情報384の定義内容の少なくとも一方が異なるテンプレート情報380にそれぞれ名称を付けて記憶することができる。
【0177】
図28は、テンプレート情報380のデータ構造例を示す図である。図28のテンプレート情報380は、図24のテンプレート情報380の入力情報項目定義情報382、および二次情報生成定義情報384に加え、さらに、テンプレート360を識別するテンプレートIDと、テンプレート名とを含む。つまり、第7実施形態で定義された入力情報項目定義情報382および二次情報生成定義情報384の少なくとも一方が異なるテンプレート情報380には、テンプレートIDと、テンプレート名と、入力情報項目定義情報382と、二次情報生成定義情報384とがそれぞれ紐付けられて記憶される。
【0178】
モデル生成装置300において、メニュー画面で「テンプレート選択」の選択を受け付けと、テンプレート選択画面560がディスプレイに表示される。図29は、テンプレート選択画面560の一例を示す図である。テンプレート選択画面560は、図25と同じOKボタン528と、キャンセルボタン529とを含むとともに、テンプレートリスト562を含む。
【0179】
テンプレートリスト562は、複数のテンプレート情報380のテンプレートIDと、テンプレート名を一覧表示する。例えば、二次情報生成定義情報384により特定される二次情報440の生成内容に応じて、金融取引の不正検出のための説明変数が異なる分析(図中、テンプレート名に「分析1」または「分析2」と示されている。)を行うことができるモデル110を生成することができる。また、図中、テンプレート名に「(フル)」が含まれているテンプレート360は、例えば、二次情報440のデータ項目を除外せず、すべて含むものであることを示している。
【0180】
モデル110の生成に使用するテンプレート360をテンプレートリスト562の中から選択すると、選択されたテンプレート360の行は選択済み表示568される。選択済み表示568は、当該テンプレート360が選択済みであることをオペレータに通知する表示方法であれば特に限定されないが、例えば、セルの背景色を変更したり、セル内の文字の色を変更したり、セルを強調表示させたりしてもよい。
【0181】
また、テンプレート選択画面560は、検索キー入力部(不図示)と、検索ボタン(不図示)を有してもよい。モデル生成装置300は、検索キー入力部に入力された、テンプレートのテンプレートIDまたはテンプレート名の少なくとも一部を検索キーとして受け付けて、登録済みのテンプレート情報380の中から検索して得られたテンプレート情報380をテンプレートリスト562に表示できてもよい。
【0182】
モデル生成装置300は、OKボタン528の押下を受け付けると、選択されたテンプレート360のテンプレート情報380を記憶装置320から読み出す。テンプレート情報380を用いてモデル生成装置300は、モデル110を生成する。
【0183】
また、モデル生成部308は、さらに、入力情報取得部304により取得された入力情報に基づいて、モデル110を生成してもよい。
【0184】
<動作例>
図30は、実施形態のモデル生成装置300の動作例を示すフローチャートである。
図30のフローは、図23のフローと同じステップS301~ステップS307を有するとともに、さらに、ステップS301の前に、ステップS321を有する。
【0185】
はじめに、テンプレート情報取得部302は、図29のテンプレート選択画面560において、オペレータによる、テンプレート360の選択操作およびOKボタン528の押下を受け付ける(ステップS321)。OKボタン528の押下を受け付けると、テンプレート情報取得部302は、テンプレートリスト562のうち選択済み表示568されているテンプレート360のテンプレート情報380を記憶装置320から読み出して取得する(ステップS301)。
ステップS303以降の処理は図23と同様である。
【0186】
また、テンプレート情報380は、さらに、モデル110の生成アルゴリズムを特定するアルゴリズム定義情報386を含んでもよい。
モデル生成部308は、アルゴリズム定義情報386で特定される生成アルゴリズムに基づいてモデル110を生成する。
【0187】
図31は、テンプレート情報380のデータ構造例を示す図である。
図31のテンプレート情報380は、図28のテンプレート情報380のデータ項目に加え、さらに、アルゴリズム定義情報386を含んでいる。
【0188】
アルゴリズム定義情報386により特定される生成アルゴリズムは、例えば、異種混合、ロジスティック回帰、多層パーセプトロン、勾配ブースティングなどが考えられるが、他のアルゴリズムであってもよい。
【0189】
モデル生成装置300は、メニュー画面で「アルゴリズム選択」の選択を受け付けると、アルゴリズム選択画面(不図示)をディスプレイに表示させてもよい。アルゴリズム選択画面は、アルゴリズムの選択を受け付けるUI(User Interface)を含む。モデル生成装置300は、オペレータによるアルゴリズムの選択を受け付けると、選択されたアルゴリズムをアルゴリズム定義情報386に定義してテンプレート情報380に含めて記憶装置320に記憶させる。異なるアルゴリズムが定義されたアルゴリズム定義情報386のテンプレート情報380は、新たなテンプレートIDおよびテンプレート名を紐付けて別のテンプレート情報380として記憶装置320に記憶されてもよい。
【0190】
モデル生成部308は、アルゴリズム定義情報386に定義されるアルゴリズムに基づいて、モデル110を生成する。
【0191】
制御部306は、二次情報生成定義情報384で特定される二次情報440の生成内容に応じて、二次情報440を生成するか否かを判別し、生成すると判別された場合に、二次情報440を生成する制御をする。
【0192】
具体的には二次情報生成定義情報384に二次情報440の生成内容が定義された(図27の二次情報選択画面550で二次情報440のデータ項目が選択された)場合に、テンプレート情報380は、二次情報生成定義情報384を含んでもよい。つまり、図27の二次情報選択画面550で二次情報440の生成内容が定義されなかった場合、テンプレート情報380は、二次情報生成定義情報384を含まないようにしてもよい。
【0193】
制御部306は、テンプレート情報380に二次情報生成定義情報384が含まれる場合、二次情報440の生成を制御すると判別し、テンプレート情報380に二次情報生成定義情報384が含まれない場合、二次情報440の生成を制御しないと判別してもよい。
【0194】
他の例として、図27の二次情報選択画面550で二次情報440の生成内容の定義が行われた否かを示すフラグを二次情報生成定義情報384は含んでもよい。制御部306は、二次情報生成定義情報384のフラグを参照し、当該フラグが二次情報440の生成内容の定義が行われてことを示す場合、二次情報440の生成を制御すると判別し、当該フラグが二次情報440の生成内容の定義が行われていないことを示す場合、二次情報440の生成を制御しないと判別してもよい。
【0195】
制御部306は、二次情報生成定義情報384で特定される二次情報440の生成内容に応じて、二次情報440を生成するか否かを判別し、生成しないと判別された場合に、二次情報440を生成する制御をしない。
【0196】
<動作例>
図32は、実施形態のモデル生成装置300の動作例の要部を示すフローチャートである。図32のフローは、上記実施形態のモデル生成装置300の図22または図30のステップS303の後に実行される。ステップS303で、入力情報取得部304が、ステップS301で取得されたテンプレート情報に含まれる入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する入力情報を取得する。そして、制御部306は、二次情報生成定義情報384で特定される二次情報440の生成内容に応じて、二次情報440を生成するか否かを判別する(ステップS331)。
【0197】
そして、制御部306は、二次情報440を生成しないと判別された場合に(ステップS331のNO)、二次情報440を生成する制御をしない。つまり、ステップS305をバイパスしてステップS307に進む。この場合、モデル生成部308は、二次情報440を生成せずに、ステップS303で入力情報取得部304により取得された入力情報に基づいて、モデル110を生成する(ステップS307)。
【0198】
一方、制御部306は、二次情報440を生成すると判別された場合に(ステップS331のYES)、二次情報440を生成する制御をする。つまり、ステップS305に進み、制御部306は、ステップS301で取得されたテンプレート情報に含まれる二次情報生成定義情報に応じて、二次情報の生成内容を制御する。つまり、制御部306は、二次情報440を生成する。
【0199】
そして、モデル生成部308は、ステップS305で生成された二次情報440を用いてモデル110を生成する(ステップS307)。なお、この場合においても、モデル生成部308は、二次情報440に加え、ステップS303で入力情報取得部304により取得された入力情報に基づいて、モデル110を生成してよい。
【0200】
以上説明したように、本実施形態によれば、テンプレート情報取得部302は、二次情報生成定義情報384で特定される二次情報440の生成内容、および入力情報項目定義情報382で特定される項目のうち、少なくとも一方が異なる複数のテンプレート情報380のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択されたテンプレート情報380を取得する。
【0201】
このように、本実施形態のモデル生成装置300によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、複数の異なる説明変数が定義されたテンプレート情報380の中からテンプレート情報380を選択してモデル110を生成することができるので、予め準備したテンプレート情報380を検出対象に応じて適宜選択して、効率よく金融取引の不正検出を行うことが可能になる。また、検出内容に適した説明変数を用いて金融取引の不正検出を行うことができるので、より不正検出の性能を向上させることができるモデル110を生成できる。
【0202】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、二次情報生成定義情報384は、二次情報440の項目を特定する以外にも、二次情報440の複数の項目についての論理和や論理和などの論理式を用いて定義できてもよい。
【0203】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、少なくとも一つの工程は、他の動作主体、例えば他の装置や人によって行われてもよい。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0204】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者(金融機関の顧客およびその金融取引の相手先)に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0205】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得するテンプレート情報取得手段を有し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する入力情報取得手段と、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する制御手段と、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成するモデル生成手段と、
を有するモデル生成装置。
2. 1.に記載のモデル生成装置において、
前記テンプレート情報取得手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容、および前記入力情報項目定義情報で特定される前記項目のうち、少なくとも一方が異なる複数の前記テンプレート情報のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択された前記テンプレート情報を取得する、モデル生成装置。
3. 1.または2.に記載のモデル生成装置において、
前記モデル生成手段は、さらに、取得された前記入力情報に基づいて、モデルを生成する、モデル生成装置。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載のモデル生成装置において、
前記テンプレート情報は、モデルの生成アルゴリズムを特定するアルゴリズム定義情報を含み、
前記モデル生成手段は、前記アルゴリズム定義情報で特定される前記生成アルゴリズムに基づいて前記モデルを生成する、モデル生成装置。
5. 1.から4.のいずれか一つに記載のモデル生成装置において、
前記制御手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成すると判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をする、モデル生成装置。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載のモデル生成装置において、
前記制御手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成しないと判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をしない、モデル生成装置。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載のモデル生成装置において、
前記二次情報生成定義情報は、生成される前記二次情報の項目を特定する二次情報項目定義情報を含む、モデル生成装置。
【0206】
8. 金融取引における不正取引を検出するモデルを生成するモデル生成装置と、
前記モデル生成装置が生成した前記モデルを用いて前記金融取引を監視する監視装置と、を備え、
前記モデル生成装置は、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得するテンプレート情報取得手段を有し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する入力情報取得手段と、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する制御手段と、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成するモデル生成手段と、
を有する、監視システム。
9. 8.に記載の監視システムにおいて、
前記モデル生成装置の前記テンプレート情報取得手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容、および前記入力情報項目定義情報で特定される前記項目のうち、少なくとも一方が異なる複数の前記テンプレート情報のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択された前記テンプレート情報を取得する、監視システム。
10. 8.または9.に記載の監視システムにおいて、
前記モデル生成装置の前記モデル生成手段は、さらに、取得された前記入力情報に基づいて、モデルを生成する、監視システム。
11. 8.から10.のいずれか一つに記載の監視システムにおいて、
前記テンプレート情報は、モデルの生成アルゴリズムを特定するアルゴリズム定義情報を含み、
前記モデル生成装置の前記モデル生成手段は、前記アルゴリズム定義情報で特定される前記生成アルゴリズムに基づいて前記モデルを生成する、監視システム。
12. 8.から11.のいずれか一つに記載の監視システムにおいて、
前記モデル生成装置の前記制御手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成すると判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をする、監視システム。
13. 8.から12.のいずれか一つに記載の監視システムにおいて、
前記モデル生成装置の前記制御手段は、前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成しないと判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をしない、監視システム。
14. 8.から13.のいずれか一つに記載の監視システムにおいて、
前記二次情報生成定義情報は、生成される前記二次情報の項目を特定する二次情報項目定義情報を含む、監視システム。
【0207】
15. 1以上のコンピュータが、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得し、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、前記1以上のコンピュータが、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得し、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御し、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成する、モデル生成方法。
16. 15.に記載のモデル生成方法において、
1以上のコンピュータが、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容、および前記入力情報項目定義情報で特定される前記項目のうち、少なくとも一方が異なる複数の前記テンプレート情報のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択された前記テンプレート情報を取得する、モデル生成方法。
17. 15.または16.に記載のモデル生成方法において、
1以上のコンピュータが、
前記モデルを生成する際、さらに、取得された前記入力情報に基づいて、モデルを生成する、モデル生成方法。
18. 15.から17.のいずれか一つに記載のモデル生成方法において、
前記テンプレート情報は、モデルの生成アルゴリズムを特定するアルゴリズム定義情報を含み、
1以上のコンピュータが、
前記モデルを生成する際、前記アルゴリズム定義情報で特定される前記生成アルゴリズムに基づいて前記モデルを生成する、モデル生成方法。
19. 15.から18.のいずれか一つに記載のモデル生成方法において、
1以上のコンピュータが、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成すると判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をする、モデル生成方法。
20. 15.から19.のいずれか一つに記載のモデル生成方法において、
1以上のコンピュータが、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成しないと判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をしない、モデル生成方法。
21. 15.から20.のいずれか一つに記載のモデル生成方法において、
前記二次情報生成定義情報は、生成される前記二次情報の項目を特定する二次情報項目定義情報を含む、モデル生成方法。
【0208】
22. コンピュータに、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得する手順、を実行させ、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記コンピュータに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する手順、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する手順、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成する手順、を実行させるためのプログラム。
23. 22.に記載のプログラムにおいて、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容、および前記入力情報項目定義情報で特定される前記項目のうち、少なくとも一方が異なる複数の前記テンプレート情報のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択された前記テンプレート情報を取得するする手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
24. 22.または23.に記載のプログラムにおいて、
前記モデルを生成する手順において、さらに、取得された前記入力情報に基づいて、モデルを生成する、プログラム。
25. 22.から24.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記テンプレート情報は、モデルの生成アルゴリズムを特定するアルゴリズム定義情報を含み、
前記モデルを生成する手順において、前記アルゴリズム定義情報で特定される前記生成アルゴリズムに基づいて前記モデルを生成する、プログラム。
26. 22.から25.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成すると判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をする手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
27. 22.から26.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成しないと判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をしない手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
28. 22.から27.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記二次情報生成定義情報は、生成される前記二次情報の項目を特定する二次情報項目定義情報を含む、プログラム。
【0209】
29. コンピュータに、
金融取引における不正取引を検出するモデルの生成に使用するテンプレート情報を取得する手順、を実行させ、
前記テンプレート情報は、前記モデルの生成に使用される各入力情報の項目を特定する入力情報項目定義情報、および、前記入力情報に基づく前記モデルの性能の向上に寄与する二次情報の生成内容を特定する二次情報生成定義情報を含み、
さらに、
前記コンピュータに、
前記テンプレート情報に含まれる前記入力情報項目定義情報で特定される各項目について、その項目に対応する前記入力情報を取得する手順、
前記テンプレート情報に含まれる前記二次情報生成定義情報に応じて、前記二次情報の生成内容を制御する手順、
制御された前記二次情報の生成内容に基づいて前記モデルを生成する手順、を実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
30. 29.に記載の記録媒体において、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容、および前記入力情報項目定義情報で特定される前記項目のうち、少なくとも一方が異なる複数の前記テンプレート情報のうちの一つを選択する入力を受け付けると、当該選択された前記テンプレート情報を取得するする手順、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
31. 29.または30.に記載の記録媒体において、
前記モデルを生成する手順において、さらに、取得された前記入力情報に基づいて、モデルを生成する、プログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
32. 29.から31.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記テンプレート情報は、モデルの生成アルゴリズムを特定するアルゴリズム定義情報を含み、
前記モデルを生成する手順において、前記アルゴリズム定義情報で特定される前記生成アルゴリズムに基づいて前記モデルを生成する、プログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
33. 29.から32.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成すると判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をする手順、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
34. 29.から33.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記二次情報生成定義情報で特定される前記二次情報の生成内容に応じて、前記二次情報を生成するか否かを判別し、生成しないと判別された場合に、前記二次情報を生成する制御をしない手順、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
35. 29.から34.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記二次情報生成定義情報は、生成される前記二次情報の項目を特定する二次情報項目定義情報を含む、プログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0210】
1 監視システム
3a、3b 通信ネットワーク
10 操作端末
20 ATM
30 金融取引サーバ
40 記憶装置
100 監視装置
102 入力部
104 生成部
106 出力部
110 モデル
120 記憶装置
200 モデル生成装置
202 二次情報生成部
204 モデル生成部
206 入力部
220 記憶装置
300 モデル生成装置
302 テンプレート情報取得部
304 入力情報取得部
306 制御部
308 モデル生成部
320 記憶装置
360 テンプレート
380 テンプレート情報
382 入力情報項目定義情報
384 二次情報生成定義情報
386 アルゴリズム定義情報
400 取引情報
410 顧客情報
420 口座情報
430 不正取引情報
440 二次情報
442 期間内取引情報
500 画面
510 根拠情報出力画面
530 入力情報選択画面
550 二次情報選択画面
560 テンプレート選択画面
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32