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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】光半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02212 20210101AFI20250319BHJP
   H01S 5/024 20060101ALI20250319BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
H01S5/02212
H01S5/024
H01S5/042 610
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024522835
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2022021591
(87)【国際公開番号】W WO2023228367
(87)【国際公開日】2023-11-30
【審査請求日】2024-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】淵田 歩
(72)【発明者】
【氏名】大谷 龍輝
(72)【発明者】
【氏名】篠原 弘介
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/140473(WO,A1)
【文献】特開2020-126987(JP,A)
【文献】特開2011-018800(JP,A)
【文献】特開2008-034640(JP,A)
【文献】特開2003-188456(JP,A)
【文献】特開2018-018995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有するステムと、
前記ステムの前記第1面側に設けられた半導体レーザと、
前記ステムを前記第1面から前記第2面に貫通するリードピンと、
第3面と、前記第3面と反対側の第4面と、を有し、前記第3面が前記ステムの前記第2面と接触する放熱ブロックと、
を備え、
前記放熱ブロックには、前記第3面と前記第4面を繋ぐ側面を切り欠き、前記第3面から前記第4面に貫通する溝が形成され、
前記溝を形成する前記放熱ブロックの内側面には絶縁膜が設けられ、
前記リードピンは前記放熱ブロックの前記溝に挿入されることを特徴とする光半導体装置。
【請求項2】
前記第1面のうち前記ステムの中心から一方の側に偏った位置に設けられ、前記半導体レーザが搭載された実装ブロックを備え、
前記溝の底部は前記一方の側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
【請求項3】
前記放熱ブロックには複数の前記溝が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の光半導体装置。
【請求項4】
前記放熱ブロックは、前記第3面から前記ステム側に延び、前記ステムの前記第1面と前記第2面とを繋ぐ側面と接触する段差部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光半導体装置。
【請求項5】
前記放熱ブロックの前記第4面側で前記リードピンに接続されるフレキシブル基板を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光半導体装置。
【請求項6】
第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有するステムと、
前記ステムの前記第1面側に設けられた半導体レーザと、
前記ステムを前記第1面から前記第2面に貫通する複数のリードピンと、
第3面と、前記第3面と反対側の第4面と、を有し、前記第3面が前記ステムの前記第2面と接触する放熱ブロックと、
を備え、
前記第3面と前記第4面と繋ぐ前記放熱ブロックの側面には、絶縁膜が設けられ、
前記放熱ブロックは、前記ステムの前記第2面の中心部から前記複数のリードピンの間を通って延びることを特徴とする光半導体装置。
【請求項7】
前記放熱ブロックは、前記第2面と垂直な方向から見て長方形であることを特徴とする請求項6に記載の光半導体装置。
【請求項8】
前記放熱ブロックは、前記第2面と垂直な方向から見て十字型であることを特徴とする請求項6に記載の光半導体装置。
【請求項9】
前記放熱ブロックは、前記第3面から前記ステム側に延び、前記ステムの前記第1面と前記第2面を繋ぐ側面と接触する段差部を有することを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の光半導体装置。
【請求項10】
前記放熱ブロックの前記第4面側で前記複数のリードピンに接続されるフレキシブル基板を備えることを特徴とする請求項6からの何れか1項に記載の光半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パッケージベースとキャップとからなるパッケージ内に、レーザが気密封止されたレーザパッケージが開示されている。レーザはパッケージベースに固定される。レーザに駆動電流を供給する給電用配線ピンを含む複数の配線ピンが、パッケージベースから引き出される。パッケージベースの底面には、パッケージベースよりも熱伝導性の高い放熱部材が取り付けられる。放熱部材は、配線ピンが挿通される単数又は複数の挿通孔を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-27413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光素子の高出力化および高速動作化に伴って、パッケージに内蔵される半導体レーザチップ、駆動ICチップ、チップ冷却用ペルチェ素子の発熱量が増加している。発熱量の増加に伴ってレーザチップの温度が上昇すると、光出力低下、高速光信号の劣化、レーザチップの故障を招く恐れがある。
【0005】
この解決策として、放熱ブロックをステム側面とレンズキャップ側面に接触させる構成が考えられる。しかし、このような構成では、ステム裏面に放熱ブロックを配置する構成と比較すると放熱経路が長くなり易い。また、放熱ブロックとステムの接触面積を拡大することが困難であり、放熱効率が低くなるおそれがある。特許文献1では、ステム裏面に放熱ブロックを接触させることで、放熱距離を短縮できる。しかし、放熱ブロックに形成した挿通孔にリードピンを貫通させるため、放熱ブロックの取り付け方法または組立順序に制限が生じるおそれがあった。また、挿通孔の位置、寸法、挿通孔内側を覆う絶縁体の形成に、高い加工精度が要求される可能性がある。
【0006】
本開示は、容易に製造できる光半導体装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の開示に係る光半導体装置は、第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有するステムと、前記ステムの前記第1面側に設けられた半導体レーザと、前記ステムを前記第1面から前記第2面に貫通するリードピンと、第3面と、前記第3面と反対側の第4面と、を有し、前記第3面が前記ステムの前記第2面と接触する放熱ブロックと、を備え、前記放熱ブロックには、前記第3面と前記第4面を繋ぐ側面を切り欠き、前記第3面から前記第4面に貫通する溝が形成され、前記溝を形成する前記放熱ブロックの内側面には絶縁膜が設けられ、前記リードピンは前記放熱ブロックの前記溝に挿入される。
【0008】
第2の開示に係る光半導体装置は、第1面と、前記第1面と反対側の第2面と、を有するステムと、前記ステムの前記第1面側に設けられた半導体レーザと、前記ステムを前記第1面から前記第2面に貫通する複数のリードピンと、第3面と、前記第3面と反対側の第4面と、を有し、前記第3面が前記ステムの前記第2面と接触する放熱ブロックと、を備え、前記第3面と前記第4面と繋ぐ前記放熱ブロックの側面には、絶縁膜が設けられ、前記放熱ブロックは、前記ステムの前記第2面の中心部から前記複数のリードピンの間を通って延びる。
【発明の効果】
【0009】
第1の開示に係る光半導体装置では、放熱ブロックには、第3面と第4面を繋ぐ側面を切り欠き第3面から第4面に貫通する溝が形成される。リードピンは溝に挿入される。このため、ステムへの放熱ブロックの取り付けが容易になり、光半導体装置を容易に製造できる。
第2の開示に係る光半導体装置では、放熱ブロックはステムの第2面の中心部から複数のリードピンの間を通って延びる。このため、放熱ブロックに挿通孔を形成する必要がなく、光半導体装置を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る光半導体装置の断面図である。
図2】実施の形態1に係る光半導体装置の断面図である。
図3】実施の形態1の第1の変形例に係る光半導体装置の断面図である。
図4】実施の形態1の第2の変形例に係る光半導体装置の断面図である。
図5】実施の形態2に係る光半導体装置の断面図である。
図6】実施の形態2に係る光半導体装置の断面図である。
図7】実施の形態3に係る光半導体装置の断面図である。
図8】実施の形態3に係る光半導体装置の断面図である。
図9】実施の形態3の変形例に係る光半導体装置の断面図である。
図10】実施の形態4に係る光半導体装置の断面図である。
図11】実施の形態4に係る放熱ブロックの斜視図である。
図12】実施の形態5に係る光半導体装置の断面図である。
図13】実施の形態5に係る放熱ブロックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
各実施の形態に係る光半導体装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1、2は、実施の形態1に係る光半導体装置100の断面図である。以下では、光半導体装置100の出射光方向81に垂直な面をXY平面、出射光方向81に平行な方向をZ方向とする。光半導体装置100は、第1面11と、第1面11と反対側の第2面12と、を有するステム10を備える。ステム10の第1面11側には半導体レーザ16が設けられる。図1は、ステム10の中心を通るYZ断面図である。図2図1をA-B直線で切断することで得られるXY断面をステム10の第2面12側から見た図である。
【0013】
複数のリードピン30は、ステム10を第1面11から第2面12に貫通する。ステム10とリードピン30は、鉄等を含む金属で形成される。ステム10とリードピン30は、表面に金メッキが施されていても良い。ステム10は例えば直径5.6mm、厚さ1.2mm程度の円盤形状である。リードピン30は例えば直径0.4mmである。リードピン30のうち長さ15mm程度の部分が、ステム10の第2面12側から引き出されている。ステム10とリードピン30の間には、ガラスなどの絶縁材料からなる封止材32が充填されている。これにより、ステム10とリードピン30は電気的に絶縁されている。複数のリードピン30にはステム10と電気的に短絡されるものが含まれても良い。
【0014】
ステム10の第1面11には金属材料から形成される実装ブロック14が搭載されている。実装ブロック14にはZ方向に光が出射されるように半導体レーザ16が実装されている。半導体レーザ16は、例えば端面出射型のレーザチップである。半導体レーザ16は、発光素子であれば面発光レーザまたはLEDであっても良い。また、半導体レーザ16とリードピン30は図示しない金ワイヤまたは配線基板等を用いて電気的に接続される。リードピン30から電流注入を行うことで、半導体レーザ16を動作させることができる。
【0015】
ステム10の第1面11には、金属から形成される円筒状の鏡筒34が溶接されている。鏡筒34の先端にはガラスレンズ36が取り付けられる。鏡筒34とガラスレンズ36は、実装ブロック14および半導体レーザ16を覆い、封止している。
【0016】
放熱ブロック20は、第3面23と、第3面23と反対側の第4面24とを有し、第3面23がステム10の第2面12と接触する。図2において、ステム10の位置が破線で示されている。放熱ブロック20は金属から形成される。放熱ブロック20には、第3面23と第4面24を繋ぐ側面21を切り欠き、第3面23から第4面24に貫通する溝26が形成される。複数のリードピン30は溝26に挿入される。溝26は、放熱ブロック20がリードピン30と干渉しないように形成される。図2の例では、放熱ブロック20の溝26は矩形であるが、多角形またはU字形等であってもよい。側面21からの溝26の深さは、例えば複数のリードピン30の間隔以上である。ステム10のうち第2面12の外周部が、放熱ブロック20の第3面23と接している。
【0017】
放熱ブロック20のうち、溝26を形成する内側面にはポリイミド等の絶縁膜28が設けられる。これにより、リードピン30と放熱ブロック20が接してもリードピン30と放熱ブロック20が導通することを抑制できる。
【0018】
次に、光半導体装置100の動作を説明する。リードピン30を電源に接続して電流注入を行うと、半導体レーザ16はレーザ発振光を発する。レーザ発振光はガラスレンズ36を通過し、Z方向へ出射される。このとき半導体レーザ16では、レーザ発振とともに熱が発生する。この熱は矢印80で示されるように、熱伝導率の高い実装ブロック14から、ステム10を伝って逃げる。このとき、放熱ブロック20をステム10の第2面12と接するように配置することで、短い放熱経路で第2面12から放熱ブロック20に向かって熱を逃がすことができる。これにより電流注入時に半導体レーザ16の温度が過度に上昇することを抑制できる。従って、光出力特性および信頼性の低下を抑制できる。
【0019】
一般に、発熱源である半導体レーザ16の発光点がステム10の中心付近に位置するように、パッケージは組み立てられることが多い。このため、放熱ブロック20は、ステム10の第2面12の中心に近い領域でステム10と接すると、放熱効率を向上させることができる。
【0020】
次に、実施の形態1に係る光半導体装置100の効果について説明する。図3は、実施の形態1の第1の変形例に係る光半導体装置200の断面図である。光半導体装置200では、放熱ブロック20の第4面24側で、リードピン30にフレキシブル基板40が接続される。フレキシブル基板40にはリードピン30を挿入するための複数の孔が形成されている。また、フレキシブル基板40は配線パターン等の電気配線を有している。本実施の形態の比較例として、放熱ブロックにリードピン30の挿通孔が設けられる構造を考える。比較例において放熱ブロックは、ステム10の第2面12側からZ方向に取り付ける必要がある。このため、比較例において放熱ブロックの取り付けは、フレキシブル基板40をリードピン30に取り付ける前に行う必要がある。
【0021】
一方、実施の形態1に係る放熱ブロック20は、Z方向およびX方向の2方向からステム10への取り付けが可能である。このため本実施の形態では、フレキシブル基板40をリードピン30に取付けた後に、放熱ブロック20をステム10に取付けることも可能である。このように本実施の形態では、放熱ブロック20の取り付け方法または組立順序の自由度を高めることができ、製造工程の柔軟性を向上させることができる。
【0022】
また、上述の比較例では、放熱ブロックの挿通孔の寸法または位置がずれると、リードピン30が曲がるおそれがある。また、放熱ブロックとリードピン30との干渉により、放熱ブロックの取り付けが不可能となるおそれがある。さらに、直径数mm程度である挿通孔の内側は絶縁体で覆う必要がある。以上から、高い加工精度が要求され、放熱ブロックの加工コストが上昇する可能性がある。これに対し本実施の形態では、放熱ブロック20への挿通孔の形成および挿通孔内側への絶縁体の形成の必要がない。このため、高い加工精度が要求されず、製造コストを抑制できる。
【0023】
また、本実施の形態ではリードピン30を溝26に挿入すれば良いため、放熱ブロック20とリードピン30の位置合わせが容易にできる。このため、ステム10への放熱ブロック20の取り付けを容易に行うことができる。従って、組立コストを抑制できる。このように本実施の形態では、光半導体装置100を容易に製造できる。さらに、本実施の形態の放熱ブロック20は、比較例に係る挿通孔が形成された放熱ブロックよりも少ない金属材料で製造することができる。従って、材料コストを抑制できる。
【0024】
図4は、実施の形態1の第2の変形例に係る光半導体装置300の断面図である。光半導体装置300は放熱ブロック320の構造が光半導体装置100と異なる。他の構成は光半導体装置100の構成と同様である。放熱ブロック320には、リードピン30の配置に合わせて複数の溝26が形成されても良い。光半導体装置300では光半導体装置100よりもステム10と放熱ブロック320の接触面積を大きくできる。従って、放熱効率を向上させることができる。
【0025】
本実施の形態の放熱ブロック20および溝26の形状は、図1から図4に示されるものに限らない。放熱ブロック20はZ方向から見て長方形、多角形、円形または楕円形等であっても良い。溝26は矩形に限らず多角形またはU字型等であっても良い。また、リードピン30の数は限定されない。
【0026】
上述した変形は、以下の実施の形態に係る光半導体装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る光半導体装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0027】
実施の形態2.
図5、6は、実施の形態2に係る光半導体装置400の断面図である。図5はステム10の中心を通るYZ断面図である。図6図5をC-D直線で切断することで得られるXY断面をステム10の第2面12側から見た図である。光半導体装置400は、放熱ブロック420の構造が光半導体装置100と異なる。他の構成は光半導体装置100の構成と同様である。放熱ブロック420の側面21において、溝26はY方向が深さ方向となるように形成されている。つまり、溝26はY軸負方向に向かって開口している。
【0028】
一般に、半導体レーザ16はステム10のXY平面の中心から光が出射するように配置される。このため、半導体レーザ16を載せる実装ブロック14はステム10の中心から偏った位置に配置されることが多い。本実施の形態においても、半導体レーザ16が搭載された実装ブロック14は、ステム10の第1面11のうち、ステム10の中心から一方の側に偏った位置に設けられる。一方の側は、図5においてはY軸正方向である。
【0029】
放熱ブロック420の溝26の底部は、一方の側、つまりY軸正方向側に設けられる。これにより、放熱ブロック420の溝26の底部と、実装ブロック14との距離を縮小できる。本実施の形態では、ステム10の第2面12と放熱ブロック420の接触部分が、実装ブロック14に近づくため、矢印82に示されるように半導体レーザ16から放熱ブロック420までの放熱経路を短縮できる。従って、放熱効率を向上させることができる。
【0030】
実施の形態3.
図7、8は、実施の形態3に係る光半導体装置500の断面図である。光半導体装置500は放熱ブロック520の構造が光半導体装置100と異なる。他の構成は、実施の形態1の構成と同様である。図7はステム10の中心を通るYZ断面図である。図8図7をE-F直線で切断することで得られるXY断面をステム10の第2面12側から見た図である。
【0031】
実施の形態1と同様に、放熱ブロック520の第3面23はステム10の第2面12と接触している。放熱ブロック520は、例えば複数のリードピン30の間を縫ってステム10の第2面12の中心部に配置可能な形状である。つまり放熱ブロック520は、ステム10の第2面12の中心部から複数のリードピン30の間を通って延びる。放熱ブロック520は例えば直方体である。つまり放熱ブロック520は、第2面12と垂直な方向から見て長方形である。
【0032】
第3面23と第4面24と繋ぐ放熱ブロック520の側面21には、ポリイミド等の絶縁膜28が設けられる。絶縁膜28はリードピン30と放熱ブロック520の導通を防ぐために設けられる。絶縁膜28は側面21のうちリードピン30と対向する面に設けられれば良い。
【0033】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。つまり、光半導体装置00を容易に製造でき、材料コストを抑制できる。さらに本実施の形態では、放熱ブロック520に溝加工をする必要がない。このため、加工コストを抑制できる。また、本実施の形態ではステム10の中心部に放熱ブロック520を配置可能であるため、矢印83で示されるように半導体レーザ16から放熱ブロック520までの放熱経路を短縮できる。従って、効率よく熱を逃がすことができる。
【0034】
放熱ブロック520は、リードピン30と干渉しない形状であれば良く、円柱形状または凹凸を持つ形状であっても良い。放熱ブロック520は実装ブロック14の直下に配置されても良い。図9は、実施の形態3の変形例に係る光半導体装置600の断面図である。光半導体装置600は放熱ブロック620を備える。放熱ブロック620は、第2面12と垂直な方向から見て十字型である。放熱ブロック620では、放熱ブロック520よりもステム10と放熱ブロック620の接触面積を拡大できる。このため、放熱効率を向上させることができる。一方、放熱ブロック620はステム10にZ方向からしか取り付けることができない。このため、実施の形態1に比べて製造工程に制限が生じる。
【0035】
実施の形態1と同様に、放熱ブロック520の第4面24側で複数のリードピン30にフレキシブル基板40が接続されても良い。
【0036】
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係る光半導体装置700の断面図である。図11は、実施の形態4に係る放熱ブロック720の斜視図である。光半導体装置700は放熱ブロック720の構造が光半導体装置100と異なる。他の構成は、実施の形態1の構成と同様である。放熱ブロック720は例えばZ方向から見て半円形である。放熱ブロック720には、放熱ブロック20と同様にリードピン30を通す溝26が形成されている。さらに放熱ブロック720は、第3面23からステム10側に延び、ステム10の第1面11と第2面12とを繋ぐ側面13と接触する段差部722を有する。段差部722は第3面23からの高さdを有する。
【0037】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、放熱ブロック720は、ステム10の第2面12および側面13と接する。このため矢印84に示されるように、ステム10側面から放熱ブロック720に至る放熱経路が追加されるため、より効率よく熱を逃がすことができる。高さdがステム10の厚さ以上のときに、段差部722とステム10の側面13との接触面積が最大となり、放熱性も最大化される。しかし、高さdがステム10の厚さより小さくても一定の放熱性は得られる。また、段差部722は組立用ガイドとしても機能する。段差部722により、ステム10と放熱ブロック720の位置関係を決定することができ、組立ズレを抑制できる。
【0038】
実施の形態5.
図12は、実施の形態5に係る光半導体装置800の断面図である。図13は、実施の形態5に係る放熱ブロックの斜視図である。光半導体装置800は放熱ブロック820の構造が光半導体装置500と異なる。他の構成は、実施の形態3の構成と同様である。本実施の形態では、実施の形態3の放熱ブロックに実施の形態4の段差部が設けられている。放熱ブロック820は、ステム10の第2面12の中心部から複数のリードピン30の間を通って延びる。放熱ブロック820は、第3面23からステム10側に延び、ステム10の側面13と接触する段差部822を有する。
【0039】
放熱ブロック820は、ステム10の第2面12および側面13と接する。このため実施の形態3と比較すると、本実施の形態では効率よく熱を逃がすことができる。実施の形態4と比較すると、本実施の形態では半導体レーザ16に近いステム10の中心部が放熱ブロック820と接触するため、ステム10の第2面12からは効率よく放熱することができる。一方、実施の形態4と比較して、本実施の形態ではステム10の側面13と段差部822の接触面積が小さい。このため、ステム10の側面13からの放熱効率は、実施の形態4の方が高い。また、実施の形態4と同様に、本実施の形態では段差部822により組立ズレを抑制できる。
【0040】
各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0041】
10 ステム、11 第1面、12 第2面、13 側面、14 実装ブロック、16 半導体レーザ、20 放熱ブロック、21 側面、23 第3面、24 第4面、26 溝、28 絶縁膜、30 リードピン、32 封止材、34 鏡筒、36 ガラスレンズ、40 フレキシブル基板、100 光半導体装置、200 光半導体装置、300 光半導体装置、320 放熱ブロック、400 光半導体装置、420 放熱ブロック、500 光半導体装置、520 放熱ブロック、600 光半導体装置、620 放熱ブロック、700 光半導体装置、720 放熱ブロック、722 段差部、800 光半導体装置、820 放熱ブロック、822 段差部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13