(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】磁気カード読取装置、磁気カード読取方法、及び、そのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 13/067 20060101AFI20250319BHJP
G06K 7/08 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
G06K13/067 Z
G06K7/08 040
(21)【出願番号】P 2023217582
(22)【出願日】2023-12-25
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】草間 友輝
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-225060(JP,A)
【文献】実開昭56-005248(JP,U)
【文献】実開昭56-045960(JP,U)
【文献】実開平05-079666(JP,U)
【文献】特開2003-203208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 13/06 - 13/067
G06K 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、
前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する制御手段と、
を備える、磁気カード読取装置。
【請求項2】
前記制御手段は、磁気カードのスワイプ方向順に前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
請求項1に記載の磁気カード読取装置。
【請求項3】
前記読取部物体検知センサが、磁気カード挿入側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第3の物体検知センサと、磁気カード排出側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第4の物体検知センサとにより構成され、
前記最下部物体検知センサが、前記投影範囲外の磁気カード挿入側の近傍に設けられる第2の物体検知センサと、前記投影範囲外の磁気カード排出側の近傍に設けられる第5の物体検知センサとにより構成され、
前記制御手段は、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
請求項2に記載の磁気カード読取装置。
【請求項4】
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサと、
をさらに備え、
前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられ、
前記制御手段は、少なくとも前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があることにより、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する、
請求項3に記載の磁気カード読取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
請求項4に記載の磁気カード読取装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第3の物体検知センサによる磁気カードの検知から、前記第4の物体検知センサの前記磁気カードの検知完了までの時間の計測結果より、前記磁気カードの操作速度が適切か否かを判定する、
請求項3に記載の磁気カード読取装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードを検知することにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝の底部からの前記磁気カードの高さが適切であると判定する、
および/または、
前記制御手段は、前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサのいずれかにおいて、磁気カードによる遮光/通光を繰り返さないことにより、前記磁気カードのバタつきがないと判定する、
請求項4に記載の磁気カード読取装置。
【請求項8】
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサであって、前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられた前記第6の物体検知センサと、
前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があることにより、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する制御手段と、
を備える、磁気カード読取装置。
【請求項9】
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、
前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順を検知し、
前記遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する、
磁気カード読取方法。
【請求項10】
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、
前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順を検知し、
前記遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する、
ことをコンピュータに実行させる磁気カード読取装置のためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気カード読取装置、磁気カード読取方法、及び、そのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
操作者が手動で装置のスワイプ溝に対して磁気カードをスワイプして、磁気カードに記録されたデータを装置に読み取らせる磁気カード読取装置がある。このような磁気カード読取装置に対して、操作者による磁気カードの適切でない操作によって、カードの読取不良が発生する場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1は、操作者によるカード操作の癖や慣れ等による読取不良を回避・低減するための磁気カード読取装置を開示する。より具体的には、特許文献1は、スライド操作状況を利用者に提示することで、磁気カード読取装置のスワイプ溝における磁気カードの縦ぶれやスワイプ速度が不適切な際の読取不良を回避・低減する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作者が手動で装置のスワイプ溝に対して磁気カードをスワイプする際、各種要因で磁気カードの読取装置による読取不良が発生し得る。しかし、特許文献1は、磁気カード読取装置のスワイプ溝における磁気カードの縦ぶれやスワイプ速度が不適切な際の読取不良等を回避・低減し得るものの、その他の要因に読取不良の回避がしにくい構成となっている。すなわち、特許文献1に開示の磁気カード読取装置では、操作者による操作ミスによる読取不良かの判断が十分にできない。
【0006】
本開示の目的は、上述の課題を解決する磁気カード読取装置、磁気カード読取方法、及び、そのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る磁気カード読取装置は、磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する制御手段と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る磁気カード読取装置は、磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサであって、前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられた前記第6の物体検知センサと、前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があることにより、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する制御手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る磁気カード読取方法は、磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順を検知し、前記遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する。
【0010】
本開示の一態様に係る磁気カード読取装置のためのプログラムは、磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順を検知し、前記遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する、ことをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記一態様によれば、作者による操作ミスによる読取不良かの判断がしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示に係る一実施形態における磁気カード読取装置の構成の概要を示す図である。
【
図2】本開示に係る一実施形態における磁気カード読取装置のスワイプ溝を上面から見た際の物体検知センサの配置位置を示す図である。
【
図3】本開示に係る一実施形態における磁気カード読取装置のスワイプ溝の断面を横から見た際の物体検知センサの配置位置を示す図である。
【
図4】磁気カードがスワイプ溝の底部に対して角度をもってスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す図である。
【
図5】磁気ストライプの設けられる方向と異なる方向で、磁気カードがスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す図である。
【
図6】磁気カードのスワイプ速度が適切でなかったことによる操作ミスの検知例を示す図である。
【
図7】磁気カードがスワイプ溝の底部より高い位置でスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す図である。
【
図8】磁気カードがスワイプ溝内においてバタついてスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す図である。
【
図9】本開示に係る一実施形態における磁気カード読取装置のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】本開示に係る一実施形態における磁気カード読取装置による操作ミスの検知の動作フローを示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態における構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示に係る一実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0014】
図1は、本開示に係る一実施形態における磁気カード読取装置の構成の概要を示す図である。磁気カード読取装置10は、磁気読取部11、6つの物体検知センサ1~6、制御部12を備える。磁気読取部11は、磁気カード読取装置10のスワイプ溝にてスワイプされる磁気カードの磁気ストライプより、磁気ストライプに記録される情報を読み取る。物体検知センサ1~6は、磁気カード読取装置10のスワイプ溝の内壁中に設けられ、スワイプ溝内にてスワイプされる磁気カードの検知を行う。物体検知センサ1~6は、一例として、磁気カード読取装置10のスワイプ溝に対してスワイプされる磁気カードによる遮光/通光を検知する機能により、磁気カードの検知を行う。制御部12は、磁気読取部11や物体検知センサ1~6より得らえるデータの処理や、読取不良の場合に操作ミスに起因するか否かを判断するための処理を行う。磁気読取部11、物体検知センサ1~6、制御部12は、信号ケーブルを介して通信し得るように構成される。
【0015】
制御部12は、磁気データ処理部13、物体検知センサ処理部14、時間計測処理部15を備える。磁気データ処理部13は、磁気読取部11で得られたデータの処理をする。また、磁気データ処理部13は、磁気読取部11で得られたデータの処理結果に基づき、磁気カードの読取不良があったか否かも判断する。物体検知センサ処理部14は、物体検知センサ1~6により得られる磁気カードの検知信号に基づき、読取不良が操作者の操作ミスかどうかを判定する。時間計測処理部15は、物体検知センサ3,4による検知データを基に、操作者による磁気カードの操作速度算出のための時間を計測する。なお、物体検知センサ処理部14は、この時間の計測結果に基づく磁気カードの操作速度を求め、磁気読取部11による磁気データの読み取りの際の許容範囲内かどうかを判定する。
【0016】
なお、磁気読取部11の読取データは、信号ケーブルを介して磁気データ処理部13に提供される。物体検知センサ1~6の検知データは、信号ケーブルを介して物体検知センサ処理部14に提供される。なお、物体検知センサ3,4の検知データは、信号ケーブルを介して時間計測処理部15にも提供される。
【0017】
次に、6つの物体検知センサ1~6の配置位置について説明する。
図2、
図3は、磁気カード読取装置10のスワイプ溝内の側面における6つの物体検知センサ1~6の配置位置を示した図である。
図2は磁気カード読取装置10のスワイプ溝を上部から見た際の物体検知センサ1~6の配置位置を示し、
図3は磁気カード読取装置10のスワイプ溝の断面を横から見た際の物体検知センサ1~6の配置位置を示す。
図2、
図3において、符号30は磁気カードのスワイプ方向を、符号31はスワイプ溝における磁気カードの挿入側を、符号32はスワイプ溝における磁気カードの排出側を示す。また、符号40は磁気カードを、符号41は磁気カード40に備えられ、磁気データを記録する磁気ストライプを示す。本開示の例では、磁気カード40がスワイプ溝にてスワイプされる際、磁気ストライプ41は磁気カード40の磁気読取部11で読み取り可能な側の片面に設けられているものとする。また、符号20は、磁気カード読取装置10の筐体の断面部分を示す。
【0018】
図2、
図3に示すように、物体検知センサ1は磁気カード読取装置10の磁気カード挿入側に設けられ、物体検知センサ6は磁気カード読取装置10の磁気カード排出側に設けられる。物体検知センサ2、5は物体検知センサ1、6の間に設けられ、物体検知センサ2は物体検知センサ1寄りに、物体検知センサ5は物体検知センサ6寄りに設けられる。また、物体検知センサ1,2,5,6は、磁気カード読取装置10のスワイプ溝内の側面最下部に設けられる。ここで「最下部」とは、スワイプ溝内の側面であって、スワイプ溝の底面に接する部分をいう。さらに、「最下部」とは、磁気カード40をスワイプ溝の底面より浮かしてスワイプしても磁気読取部11が磁気ストライプよりデータを読み取れるスワイプ溝内の磁気カード40の位置において、そのような磁気カード40のスワイプ溝の底部側の端(磁気カードの下端)を検知できるような位置であってもよい。
【0019】
物体検知センサ3,4は、磁気読取部11のスワイプ方向側の側面に接してそれぞれ設けられる。物体検知センサ3は磁気読取部11の磁気カードの挿入側の側面に、物体検知センサ4は磁気読取部11の磁気カードの排出側の側面に接してそれぞれ設けられる。磁気読取部11は、磁気カード読取装置10のスワイプ溝内の側面であって、スワイプ溝内のスワイプ方向側における略中央であって、磁気カードがスワイプ溝の最下部に沿ってスワイプされる際、磁気カード40の磁気ストライプ41が通過する位置に設けられる。
【0020】
なお、物体検知センサ2,5は、磁気読取部11および物体検知センサ3,4をスワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲42の外であって投影範囲42の近傍に設けられ、かつ、磁気カードがスワイプ溝の最下部に沿ってスワイプされる際、物体検知センサ2,3,4,5の順に磁気カードが検知される位置に設けられる。これは、後述する磁気カードがワイプ溝の底部に対して角度をもってスワイプされたか否かを検知するのに好ましいからである。
【0021】
また、物体検知センサ1、6は、磁気カード40の端部領域45a、45bを同時に検知できる位置である47a、47bの位置にそれぞれ設けられる。ここで、磁気カード40の端部領域45a、45bにおける磁気カード40の横側の幅46a、46bは、これらが同じになるように、磁気カード40の縦の幅44より磁気カード40の横の幅を引いた長さの1/2より短いものとする。なお、物体検知センサ1の位置47aは端部領域45aの中央付近かそれより挿入側31が好ましく、物体検知センサ6の位置47bは端部領域45bの中央付近かそれより排出側32が好ましい。これは、後述する磁気カードが誤って縦向きにしてスワイプされたかを検知する際に好ましいからである。
【0022】
以下では、物体検知センサ1~6は、スワイプ溝の内面に設けられた発光素子と、スワイプ溝の対向するスワイプ溝の反対側内面に設けられた受光素子とのセットにより構成さる場合を例として説明する。この場合、物体検知センサ1~6は、受光素子での受光/遮光、すなわち、物体検知センサにおける磁気カードによる通光/遮光の検知により磁気カードの検知を行う。より具体的には、物体検知センサ1~6は遮光の検知により磁気カードの検知を行い、物体検知センサ1~6は通光の検知により磁気カードの非検知を行う。
【0023】
本開示による磁気カード読取装置10では、磁気カードの読取不良が、操作者による磁気カード操作における下記の操作ミスであり得ることを検知することが可能である。
【0024】
1)磁気カードがスワイプ溝の底部に対して角度をもってスワイプされたことによる操作ミス
2)磁気カードを縦にして磁気カードがスワイプされたことによる操作ミス
3)磁気カードのスワイプ速度が適切でなかったことによる操作ミス
4)磁気カードがスワイプ溝の底部より高い位置でスワイプされたことによる操作ミス
5)磁気カードがスワイプ溝内においてバタついてスワイプされたことによる操作ミス
以下では、本開示による磁気カード読取装置10が上記の5つの操作ミスをどのように検知するかについて、図を用いて説明する。
【0025】
図4は、磁気カードがスワイプ溝の底部に対して角度をもってスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す。例えば、磁気カードが、磁気カード読取装置10のスワイプ溝の底面に沿ってスワイプされた場合、物体検知センサ1~6での磁気カードによる遮光/通光の検知が、それぞれ、物体検知センサ1、物体検知センサ2、物体検知センサ3、物体検知センサ4、物体検知センサ5、物体検知センサ6の順となる。一方、
図4に示す磁気カード40aの場合のように、磁気カードがスワイプ溝の底面に対して挿入側に傾いてスワイプされた場合、物体検知センサ1~6での磁気カード40aの遮光検知が、物体検知センサ1、物体検知センサ3、物体検知センサ2、・・・等となり、物体検知センサ1~6での磁気カード40aの検知が、正しい順番で検知されない。また、磁気カード40bの場合のように、磁気カードがスワイプ溝の底面に対して排出側に傾いてスワイプされた場合、物体検知センサ1~6での磁気カード40bによる遮光後の通光の検知が、物体検知センサ1、物体検知センサ2、物体検知センサ5、物体検知センサ3・・・等となり、物体検知センサ1~6での磁気カード40bの遮光後の通光の検知が、正しい順番で検知されない。このような場合、磁気カードの挿入角/排出角による操作ミスであると検知することができる。
【0026】
図5は、磁気カードが磁気ストライプの設けられる方向と異なる方向で、磁気カードがスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す。例えば、
図5に示すように操作者が磁気カード40を縦方向に持ち、磁気カード40が磁気カード読取装置10のスワイプ溝にてスワイプされた場合、物体検知センサ1、6での磁気カードによる遮光の検知期間に重なり合う期間が生じない。このような場合、磁気カードの磁気ストライプの設けられる方向と異なる方向、すなわち、磁気カードの長辺ではなく短辺でのスワイプによる操作ミスであると検知することができる。
【0027】
図6は、磁気カードのスワイプ速度が適切でなかったことによる操作ミスの検知例を示す。例えば、磁気カードが、磁気カード読取装置10のスワイプ溝に沿ってスワイプされた場合、磁気カード40aの位置における物体検知センサ3での磁気カードによる遮光の検知から、磁気カード40bの位置における物体検知センサ4での磁気カードによる遮光後の通光の検知の時間を計測する。そして、時間の計測結果と磁気カードの横方向の長さに基づき、磁気カードのスワイプ速度を求める。そして、求めた磁気カードのスワイプ速度が上限のしきい値以上となる、または、下限のしきい値以下となる場合、磁気カードのスワイプ速度が適切でなかったことによる操作ミスであると検知することができる。ここでは、磁気カード40aの位置における物体検知センサ3での磁気カードによる遮光による検知から、磁気カード40bの位置における物体検知センサ4での磁気カードによる遮光後の通光の検知の時間を計測するものとして説明した。この場合、比較的長めの時間の計測となり、より平均的なスワイプ速度を求めることができて好ましい。しかし、これに限定するものではない。例えば、物体検知センサ3での磁気カードによる遮光による磁気カードの検知から、物体検知センサ4での磁気カードによる遮光の検知までの計測時間と、磁気読取部11のスワイプ方向の幅よりスワイプ速度を求めるようにしてもよい。この時間計測は、スワイプ溝の最下部に設けられる物体検知センサ1,2,5,6を利用してもよいが、磁気カードをスワイプする際のバタつきの影響を受けやすいため必ずしも好ましくない。しかし、物体検知センサ3,4の利用に限定するものではなく、物体検知センサ1~6のいずれか2つと、用いた物体センサの間隔や磁気カードの横幅も用いたスワイプ速度の計測を行うようにしてもよい。
【0028】
図7は、磁気カードがスワイプ溝の底部より高い位置でスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す。例えば、磁気カード40が磁気カード読取装置10のスワイプ溝に沿ってスワイプされた間に、スワイプ溝の最下部に設けられる物体検知センサ1,2,5,6のいずれかの1つまたは2つ以上の物体検知センサにおいて、磁気カードによる遮光による磁気カードの検知がなかった場合、磁気カードがスワイプ溝の底部より高い位置でスワイプされたことによる操作ミスと検知することができる。
【0029】
図8は、磁気カードがスワイプ溝内においてバタついてスワイプされたことによる操作ミスの検知例を示す。ここでのバタつきは、スワイプ方向に対して直行する方向での磁気カードのバタつきを意味する。一例として、磁気カード読取装置10のスワイプ溝の底部に塵やゴミがあった場合において、磁気カードがスワイプ溝に沿ってスワイプされた場合を例にして説明する。磁気カード40aの位置において、物体検知センサ5は磁気カードによる遮光を検知する。磁気カード40bの位置において、物体検知センサ5は磁気カードが底部より浮くことによる通光を検知する。さらに、磁気カード40cの位置において、物体検知センサ5は磁気カードによる再度の遮光を検知し、磁気カードのスワイプの終了により物体検知センサ5は通光を再度検知する。このように、磁気カードの一度のスワイプの間に、いずれかの物体検知センサが複数回、遮光と通光を検知した場合、磁気カードがスワイプ溝内においてバタついてスワイプされたことによる操作ミスと検知することがでる。なお、スワイプ溝内における磁気カードのスワイプ時のバタつきは、操作者の操作時の癖により起こることもある。
【0030】
以上、
図4から
図8を用いて説明したように、物体検知センサ1~6の遮光/通光の検知結果を利用して、スワイプ時の磁気カードの操作ミスを判断することができる。
【0031】
図9は、磁気カード読取装置10のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。磁気カード読取装置10の制御部12は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53により構成される。ROM52には、制御部12の機能として含まれる磁気データ処理部13、物体検知センサ処理部14、時間計測処理部15の機能を実現するコンピュータプログラムが記憶される。RAM53は、CPU51が稼働中に用いるデータ等を一時的に記憶する作業領域等として利用される。また、磁気カード読取装置10は、磁気カードの読み取り情報等を他の装置に対して出力する、あるいは、磁気カード読取装置10の設定等のための入出力ポート54を含んでもよい。これらは、磁気読取部11や物体検知センサ1~6とともに通信ケーブルとなるバス等で接続される。また、ROMは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により構成され、制御部12の機能を実現するためのコンピュータプログラムを更新できるようにしてもよい。
【0032】
次に、磁気カード読取装置10の動作についてフローチャートを用いて説明する。
図10は、磁気カード読取装置10による操作ミスの検知の動作フローを示す図である。磁気カード読取装置10は磁気カードの読取が可能となった後、磁気カードの挿入開始を検知する為、物体検知センサ処理部14がいずれかの物体検知センサでの遮光の検知がないかを監視する。ここで、いずれかの物体検知センサでの遮光の検知がなされた場合、物体検知センサ処理部14は、各物体検知センサ1~6より検知のタイミングや検知結果に関する検知データを受信する。
【0033】
物体検知センサ処理部14は、物体検知センサ1より前に他の物体検知センサによる遮光が検知された場合(ステップS0:No)、操作位置の操作ミスによる読取不良として判断し、読取状態を終了する(ステップS7)。一方、物体検知センサ処理部14は、物体検知センサ1により最初に磁気カードの挿入が検知された場合(ステップS0:Yes)、磁気カードの挿入角度による操作ミスがないかの判断に移る(ステップS1)。
【0034】
物体検知センサ1での磁気カード挿入の検知後(ステップS0:Yes)、物体検知センサ処理部14は、物体検知センサ1~6の検知データを基に、各物体検知センサ1~6にて物体検知センサ1、物体検知センサ2、物体検知センサ3、物体検知センサ4、物体検知センサ5、物体検知センサ6という正しい順番で遮光が検知されたか判断する(ステップS1)。正しい順番で遮光が検知されていない場合(ステップS1:No)、磁気カードのスワイプ溝に対する挿入角度による操作ミスと判断し、読取状態を終了する(ステップS7)。一方、物体検知センサ1~6にて正しい順番で遮光が検知されている場合(ステップS1:Yes)、物体検知センサ処理部14は、磁気読取部11でのセンシングの結果、磁気データ処理部13が磁気カードのデータの読取を正常に行ったと判断するかを監視する(ステップS2)。
【0035】
磁気カードのデータが正常に読み取られた場合(ステップS2:Yes)、物体検知センサ処理部14は、磁気カードが正常に操作されたとして読取状態を終了する(ステップS9)。一方、磁気カードの読み取りが正常に行われない、すなわち、読取不良が発生した場合(ステップS2:No)、物体検知センサ処理部14は、磁気カードの向きによる操作ミスか判断する(ステップS3)。
【0036】
磁気カードが正しく読み取れなかった場合(ステップS2:No)、物体検知センサ処理部14は、すべての物体検知センサ1~6で、同時に遮光を検知している期間があるか判断する(ステップS3)。同時に遮光を検知している期間がない場合(ステップS3:No)、カード向きによる操作ミスと判断し、読取状態を終了する(ステップS7)。なお、物体検知センサ処理部14は、少なくとも物体検知センサ1と物体検知センサ6とで同時に遮光を検知する期間がない場合に、カード向きによる操作ミスと判断し読取状態を終了する(ステップS7)ようにしてもよい。
【0037】
カード向きによる操作ミスでない場合、物体検知センサ処理部14は、物体検知センサ1~6の検知データを基に、物体検知センサ1、物体検知センサ2、物体検知センサ3、物体検知センサ4、物体検知センサ5、物体検知センサ6という正しい順番で遮光後の通光を検知したか判断する(ステップS4)。正しい順番で遮光後の通光が検知されていない場合(ステップS4:No)、磁気カードのスワイプ溝に対する排出角度による操作ミスと判断し、読取状態を終了する(ステップS7)。一方、物体検知センサ1~6において正しい順番で遮光後の通光が検知されている場合(ステップS4:Yes)、物体検知センサ処理部14は、スライド中のカードバタつきがないか判断する(ステップS5)。
【0038】
排出角度による操作ミスではない場合、物体検知センサ処理部14は、物体検知センサ1の遮光の検知から物体検知センサ6の遮光後の通光の検知までに、いずれかの物体検知センサで複数回、通光と遮光を検知する物体検知センサがないか判断する(ステップS5)。複数回、通光と遮光を検知する物体検知センサがある場合(ステップS5:No)、物体検知センサ処理部14は、スワイプ中の磁気カードのバタつきによる操作ミスと判断し、読取状態を終了する(ステップS7)。
【0039】
一方、スワイプ中の磁気カードのバタつきによる操作ミスと判断しない場合、物体検知センサ処理部14は、時間計測処理部15での物体検知センサ3による遮光の検知から物体検知センサ4の遮光後の通光の検知までの時間の計測結果を基に、磁気カードのスワイプ速度を算出する。磁気カードのスワイプ速度が許容範囲内でない場合、すなわちスワイプ速度が上限速度以上または加減速度以下の場合(ステップS6:No)、物体検知センサ処理部14は、操作速度による操作ミスと判断し読取状態を終了する(ステップS7)。一方、許容範囲内のスワイプ速度である場合(ステップS6:Yes)、ユニット故障と判断して、読取状態を終了する(ステップS8)。
【0040】
なお、
図10の例では、物体検知センサ処理部14はいずれかの操作ミスがあったと判断して(ステップS7)、読取状態を終了しているが、これに限定されるものではない。例えば、物体検知センサ処理部14は、読取不良が操作ミスによる要因と判断した場合、操作者に操作ミスによる読取不良と操作ミス要因を操作者が認識できるように通知し、再操作を操作者に促すようにしてもよい。さらに、物体検知センサ処理部14は、ユニット故障(ステップS8)と判断しても再操作を操作者に促し、所定回数連続でユニット故障(ステップS8)と判断した際に、最終的にユニット故障(ステップS8)と判断するようにしてもよい。
【0041】
また、
図10において、物体検知センサ処理部14は、いずれかの物体検知センサで遮光を検知した(ステップS0)後、続いて磁気カードの正常読取ができたかの判断を行い(ステップS2)、磁気カードの正常読取ができない場合(ステップS2:No)に、ステップS1およびステップS3以降の操作ミスの有無を判断するようにしてもよい。
【0042】
以上の通り本開示の磁気カード読取装置10は、
図4から
図8や
図10で示した複数の操作ミスの要因を監視して、操作ミスによる読取不良か否かを判断できる。特に、磁気読取部11の位置も考慮して物体検知センサの配置を工夫することで、磁気カードのスワイプ溝に対する挿入角・排出角における操作ミスが検知できるようになる。すなわち、磁気カードが斜めの状態でスワイプされることによる操作ミスも検知できるようになる。さらには、磁気ストライプが設けられる方向の磁気カードの幅を考慮して、物体検知センサの配置を工夫することで、スワイプ時のカード向きが適正か否かも検知できるようになる。従って、操作者による操作ミスによる読取不良かの判断がしやすくなる。
【0043】
なお、本開示では、
図2に示すようにスワイプ溝の内壁の一方に磁気読取部11を設ける例を示したが、これに限定するものでない。例えば、スワイプ溝の内壁の両側に磁気読取部11を設けるようにしてもよい。この場合、磁気カードのスワイプ方向が逆であっても磁気カードを読み取ることできるようになる。
【0044】
また、本開示では、物体検知センサ2と物体検知センサ3のセット、物体検知センサ4と物体検知センサ5のセットを共に設ける例を示したが、少なくとも一方のセットのみを設けるようにしてもよい。これにより、スワイプ溝に対する磁気カードの挿入角または排出角による操作ミスの少なくとも一方を検知できるようになる。
【0045】
また、本開示では磁気カードの読み取りのための装置を例にしているが、これに限定されるものではない。たとえば、本開示の技術を応用することにより、カードのスワイプ箇所が溝形状で、かつ、手動でカードをスワイプさせる装置や、またそのような装置を実装する端末で、カードのスワイプの際の操作ミスの検知ができるようになる。
【0046】
図11は、本開示の一実施形態を示す図である。磁気カード読取装置10は、読取部物体検知センサ61と、最下部物体検知センサ62と、制御手段63と、を備える。 読取部物体検知センサ61は、磁気カードのスワイプ溝に設けられ、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる。最下部物体検知センサ62は、前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられ、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる。制御手段63は、前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する。
【0047】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0048】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0049】
(付記1)
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、
前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する制御手段と、
を備える、磁気カード読取装置。
【0050】
(付記2)
前記制御手段は、磁気カードのスワイプ方向順に前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
付記1に記載の磁気カード読取装置。
【0051】
(付記3)
前記読取部物体検知センサが、磁気カード挿入側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第3の物体検知センサと、磁気カード排出側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第4の物体検知センサとにより構成され、
前記最下部物体検知センサが、前記投影範囲外の磁気カード挿入側の近傍に設けられる第2の物体検知センサと、前記投影範囲外の磁気カード排出側の近傍に設けられる第5の物体検知センサとにより構成され、
前記制御手段は、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
付記1または付記2に記載の磁気カード読取装置。
【0052】
(付記4)
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサと、
をさらに備え、
前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられ、
前記制御手段は、少なくとも前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があることにより、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する、
付記3に記載の磁気カード読取装置。
【0053】
(付記5)
前記制御手段は、前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
付記4に記載の磁気カード読取装置。
【0054】
(付記6)
前記制御手段は、前記第3の物体検知センサによる磁気カードの検知から、前記第4の物体検知センサの前記磁気カードの検知完了までの時間の計測結果より、前記磁気カードの操作速度が適切か否かを判定する、
付記3から付記5のいずれかに記載の磁気カード読取装置。
【0055】
(付記7)
前記制御手段は、前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードを検知することにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝の底部からの前記磁気カードの高さが適切であると判定する、
付記4から付記6のいずれかに記載の磁気カード読取装置。
【0056】
(付記8)
前記制御手段は、前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサのいずれかにおいて、磁気カードによる遮光/通光を繰り返さないことにより、前記磁気カードのバタつきがないと判定する、
付記4から付記7のいずれかに記載の磁気カード読取装置。
【0057】
(付記9)
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサであって、前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられた前記第6の物体検知センサと、
前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があることにより、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する制御手段と、
を備える、磁気カード読取装置。
【0058】
(付記11)
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、
前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順を検知し、
前記遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する、
磁気カード読取方法。
【0059】
(付記12)
磁気カードのスワイプ方向順に前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
付記11に記載の磁気カード読取方法。
【0060】
(付記13)
前記読取部物体検知センサが、磁気カード挿入側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第3の物体検知センサと、磁気カード排出側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第4の物体検知センサとにより構成され、
前記最下部物体検知センサが、前記投影範囲外の磁気カード挿入側の近傍に設けられる第2の物体検知センサと、前記投影範囲外の磁気カード排出側の近傍に設けられる第5の物体検知センサとにより構成され、
前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
付記11または付記12に記載の磁気カード読取方法。
【0061】
(付記14)
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサと、
をさらに備え、
前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられ、
少なくとも前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があることにより、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する、
付記13に記載の磁気カード読取方法。
【0062】
(付記15)
前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
付記14に記載の磁気カード読取方法。
【0063】
(付記16)
前記第3の物体検知センサによる磁気カードの検知から、前記第4の物体検知センサの前記磁気カードの検知完了までの時間の計測結果より、前記磁気カードの操作速度が適切か否かを判定する、
付記13から付記15のいずれかに記載の磁気カード読取方法。
【0064】
(付記17)
前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードを検知することにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝の底部からの前記磁気カードの高さが適切であると判定する、
付記14から付記16のいずれかに記載の磁気カード読取方法。
【0065】
(付記18)
前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサのいずれかにおいて、磁気カードによる遮光/通光を繰り返さないことにより、前記磁気カードのバタつきがないと判定する、
付記14から付記17のいずれかに記載の磁気カード読取方法。
【0066】
(付記19)
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサであって、前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられた前記第6の物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、
前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があるか判定し、
前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があると判定した場合、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する、
磁気カード読取装置における、磁気カード読取方法。
【0067】
(付記21)
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられる最下部物体検知センサであって、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる前記最下部物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、
前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順を検知し、
前記遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する、
ことをコンピュータに実行させる磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0068】
(付記22)
磁気カードのスワイプ方向順に前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
ことをコンピュータに実行させる付記21に記載の磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0069】
(付記23)
前記読取部物体検知センサが、磁気カード挿入側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第3の物体検知センサと、磁気カード排出側の前記磁気読取部の側面に接するように設けられる第4の物体検知センサとにより構成され、
前記最下部物体検知センサが、前記投影範囲外の磁気カード挿入側の近傍に設けられる第2の物体検知センサと、前記投影範囲外の磁気カード排出側の近傍に設けられる第5の物体検知センサとにより構成され、
前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
ことをコンピュータに実行させる付記21または付記22に記載の磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0070】
(付記24)
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサと、
をさらに備え、
前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられ、
少なくとも前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があることにより、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する、
ことをコンピュータに実行させる付記23に記載の磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0071】
(付記25)
前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードによる遮光および遮光後の通光が検知されることにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切であると判定する、
ことをコンピュータに実行させる付記24に記載の磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0072】
(付記26)
前記第3の物体検知センサによる磁気カードの検知から、前記第4の物体検知センサの前記磁気カードの検知完了までの時間の計測結果より、前記磁気カードの操作速度が適切か否かを判定する、
ことをコンピュータに実行させる付記23から付記25のいずれかに記載の磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0073】
(付記27)
前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサの順に磁気カードを検知することにより、前記磁気カードの前記スワイプ溝の底部からの前記磁気カードの高さが適切であると判定する、
ことをコンピュータに実行させる付記24から付記26のいずれかに記載の磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0074】
(付記28)
前記第1の物体検知センサ、前記第2の物体検知センサ、前記第3の物体検知センサ、前記第4の物体検知センサ、前記第5の物体検知センサ、前記第6の物体検知センサのいずれかにおいて、磁気カードによる遮光/通光を繰り返さないことにより、前記磁気カードのバタつきがないと判定する、
ことをコンピュータに実行させる付記24から付記27のいずれかに記載の磁気カード読取装置のためのプログラム。
【0075】
(付記29)
磁気カードのスワイプ溝に設けられる読取部物体検知センサであって、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる前記読取部物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード挿入箇所に設けられる第1の物体検知センサと、
前記スワイプ溝の側面であって、磁気カード排出箇所に設けられる第6の物体検知センサであって、前記第1の物体検知センサと前記第6の物体検知センサのスワイプ方向の間隔は、磁気ストライプの方向における磁気カードの両方の端部領域が同時に検知できる間隔に合わせて設けられた前記第6の物体検知センサと、を備えた磁気カード読取装置において、
前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があるか判定し、
前記第1の物体検知センサおよび前記第6の物体検知センサで、同時に磁気カードを検知する期間があると判定した場合、スワイプ方向における前記磁気カードの向きが正しと判定する、
ことをコンピュータに実行させる磁気カード読取装置のためのプログラム。
【符号の説明】
【0076】
1~6 物体検知センサ
10 磁気カード読取装置
11 磁気読取部
12 制御部
13 磁気データ処理部
14 物体検知センサ処理部
15 時間計測処理部
40 磁気カード
61 読取部物体検知センサ
62 最下部物体検知センサ
63 制御手段
【要約】
【課題】作者による操作ミスによる読取不良かの判断がしやすくなる磁気カード読取装置を提供する。
【解決手段】磁気カード読取装置は、読取部物体検知センサと、最下部物体検知センサと、制御手段とを備える。読取部物体検知センサは、磁気カードのスワイプ溝に設けられ、磁気カードよりデータを読み取る磁気読取部のスワイプ方向の少なくとも一方の側面に接するように設けられる。最下部物体検知センサは、前記スワイプ溝の側面の最下部に設けられ、前記磁気読取部および前記読取部物体検知センサを前記スワイプ溝の底部に垂直に投影した際の投影範囲外の近傍で前記少なくとも一方の側面側の前記投影範囲外の近傍に設けられる。制御手段は、前記読取部物体検知センサおよび前記最下部物体検知センサでの磁気カードによる遮光/通光の検知順により、前記磁気カードの前記スワイプ溝に対する角度が適切か否かを判定する。
【選択図】
図1