(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】被験者の頭部の血流変化を検出するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/026 20060101AFI20250319BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20250319BHJP
A61B 5/282 20210101ALI20250319BHJP
A61B 5/349 20210101ALI20250319BHJP
【FI】
A61B5/026 140
A61B5/256 110
A61B5/282
A61B5/349
(21)【出願番号】P 2022523700
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 AU2020050896
(87)【国際公開番号】W WO2021077154
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-08-17
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】522160675
【氏名又は名称】ニューロフラックス プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボへメン サミュエル ジェイコブズ
(72)【発明者】
【氏名】ボートン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】カイム アンドレ
【審査官】渡戸 正義
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0183431(US,A1)
【文献】特表2014-504936(JP,A)
【文献】登録実用新案第3217016(JP,U)
【文献】特開2006-051343(JP,A)
【文献】特開2019-088433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0537
A61B 5/24 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の頭部の血流変化を検出する方法であって、
前記被験者の頭皮領域で心臓生体電気信号を検知し、基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の頭皮における検知された前記心臓生体電気信号のパラメータの値を測定すること、及び
測定された前記パラメータの値をパラメータの所定の値と比較して、前記被験者の頭部の血流変化を測定することを含み、
前記パラメータは、検知された前記心臓生体電気信号を示す電圧対時間のグラフの平均ピーク
振幅である、頭部の血流変化検出方法。
【請求項2】
前記基準心臓生体電気信号は、前記被験者の心臓に隣接して配置された基準電極によって受信される、請求項1に記載の頭部の血流変化検出方法。
【請求項3】
前記パラメータの値を第1の電極により測定すること、
前記基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の胸部領域での心臓生体電気信号のパラメータの値を
第2の電極により測定すること、及び
前記被験者の頭皮領域で測定された
前記心臓生体電気信号のパラメータ
の値と、前記被験者の胸部領域で
測定された前記心臓生体電気信号のパラメータ
の値との比率を算出することを更に含む、請求項2に記載の頭部の血流変化検出方法。
【請求項4】
前記比率を、血流が損なわれていない状態を示す所定の比率と比較することを更に含む、請求項3に記載の頭部の血流変化検出方法。
【請求項5】
前記比率を、血流障害の状態を示す所定の比率と比較することを更に含む、請求項3に記載の頭部の血流変化検出方法。
【請求項6】
前記基準心臓生体電気信号は、前記被験者の心臓に隣接する胸部領域又は前記被験者の胸部領域全体で行われるECG測定値である、請求項1に記載の頭部の血流変化検出方法。
【請求項7】
被験者の頭部の血流変化を検出するためのシステムであって、
前記被験者の胸部に配置可能な基準電極と、
前記被験者の頭皮領域に配置可能であるとともに、前記基準電極に対して生体電気信号を受信するように構成された第1の電極と、
使用中、前記被験者の胸部領域に配置可能であるととも
に、心臓生体電気信号を受信するように構成された第2の電極と、
前記基準電極及び前記
第2の電極のそれぞれに接続されたヘッドギアと、
を備え、
前記ヘッドギアは、
前記被験者の胸部領域で受信された基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の頭皮領域で受信された心臓生体電気信号のパラメータの値を測
定するように構成された処理ユニットを含
み、
前記パラメータは、前記心臓生体電気信号を示す電圧対時間のグラフの平均ピーク振幅であり、測定された前記パラメータの値を前記パラメータの所定の値と比較して前記被験者の頭部の血流変化を測定する、システム。
【請求項8】
前記処理ユニットは、ブレインコンピュータインターフェース(BCI)である、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ヘッドギアは、
使用中、前記第1の電極と前記被験者の頭皮との間の接触を確実にするための、前記被験者の頭部上に延在する湾曲片及び前記被験者の頭部の周囲に延在する弾性バンドと、
前記湾曲片から延びる耳フック
及び前記湾曲片から延びる耳クリップと、を更に備え、
前記耳フックは、前記ヘッドギアが前記被験者に配置されるとき、前記被験者の耳
の周りに
嵌合するように構成さ
れ、
前記耳クリップは、前記基準電極
とは別の基準電極を備え、前記別の基準電極は前記被験者の耳に配置可能である、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理ユニットは、前記第1の電極から受信した前記心臓生体電気信号を処理し、処理された心臓生体電気信号を受信機に送信するように構成された、ブレインコンピュータインターフェース(BCI)である、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
送信された心臓生体電気信号を受信するための受信機を更に備え、
前記受信機は、無線受信機である、請求項
7に記載のシステム。
【請求項12】
前記基準電極、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの1つ又は複数は、無線電極である、請求項
7に記載のシステム。
【請求項13】
被験者の頭部の血流変化を検出するための方法であって、
前記被験者の心臓に隣接して配置された基準電極によって受信された基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の頭皮領域におけ
る心臓生体電気信号のパラメータの値を測定すること、
前記基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の胸部領域に配置された電極によって受信された心臓生体電気信号のパラメータの値を測定すること、
前記被験者の頭皮領域で測定された前記心臓生体電気信号のパラメータの値と、前記被験者の胸部領域で測定された前記心臓生体電気信号のパラメータの値との比率を算出すること、
前記比率を、血流が損なわれていない状態を示す所定の比率と比較して、前記被験者の頭部の血流変化を測定すること、を含み、
前記被験者の胸部領域に配置された電極によって受信された前記心臓生体電気信号のパラメータは、前記心臓生体電気信号を示す電圧対時間のグラフの平均ピーク振幅である、頭部の血流変化検出方法。
【請求項14】
前記比率を、血流が損なわれていない状態を示す所定の比率と比較することを更に含む、請求項13に記載の頭部の血流変化検出方法。
【請求項15】
前記比率を、血流障害の状態を示す所定の比率と比較することを更に含む、請求項13に記載の頭部の血流変化検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の頭部の血流変化を検出するための装置及び方法に関する。
【0002】
本発明は、主として、頭部の潅流変化を受けている、又は生じそうな患者を監視するために開発されたものであり、以下、本出願に関して説明する。しかしながら、本発明は、この特定の使用分野に限定されないことが理解されるであろう。
【背景技術】
【0003】
脳卒中は、脳内の血液供給の突然の中断によって引き起こされる。虚血性脳卒中では、脳の動脈に閉塞があり、血液が脳の一部にアクセスすることが妨げられる。
【0004】
CT及び/又はMRIスキャンは、脳卒中患者の脳の血液灌流を評価して脳の血液灌流を観察するための最も一般的な方法である。
【0005】
CT又はMRIスキャンは、体のある領域の血液の有無を検出できるため、閉塞(虚血性脳卒中の場合)又は血管の破裂(出血性脳卒中の場合)を検出できる。
【0006】
このようなスキャンは、血管及び脳内の血液灌流を監視するためにも行われる。虚血性脳卒中の場合、血栓を溶解する際に脳領域に送達される抗凝固薬の効果を評価するために治療中に使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの方法にはいくつかの制限がある。患者は、特定の条件下でCT又はMRI装置によってスキャンされる必要がある。CT及びMRI装置は高価であり、通常、数が限られている。CT及びMRI装置は大きい傾向がある。
【0009】
CT及びMRI装置はまた、脳内の血液灌流の継続的なリアルタイムモニタリングを提供しない。
【0010】
本発明は、先行技術の欠陥の少なくともいくつかを克服または実質的に改善する解決策を提供すること、または少なくとも代替案を提供することを目的としている。
【0011】
先行技術情報が本明細書で参照される場合、そのような参照は、その情報がオーストラリアまたは他の国における技術の一般知識の一部を形成することを認めるものではないことを理解されたい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様において、被験者の頭部における血流変化を検出する方法であって、
基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の頭皮領域で心臓生体電気信号のパラメータの値を測定すること、及び
測定された前記パラメータの値をパラメータの所定の値と比較して、前記被験者の頭部の血流変化を測定することを含む、頭部の血流変化を検出する方法が提供される。
【0013】
前記基準心臓生体電気信号は、前記被験者の心臓に隣接して配置された基準電極によって受信されてもよい。
【0014】
この方法は、
前記基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の胸部領域での心臓生体電気信号のパラメータの値を測定すること、及び
前記被験者の頭皮領域で測定された心臓生体電気信号のパラメータと、前記被験者の胸部領域での心臓生体電気信号のパラメータとの比率を算出することを更に含むことができる。
【0015】
この方法は、前記比率を、血流が損なわれていない状態を示す所定の比率と比較することを更に含むことができる。
【0016】
この方法は、前記比率を、血流障害の状態を示す所定の比率と比較することを更に含むことができる。
【0017】
前記基準心臓生体電気信号は、前記被験者の心臓に隣接する胸部領域又は前記被験者の胸部領域全体で行われるECG(心電図)測定値であってもよい。
【0018】
前記心臓生体電気信号は、電圧対時間グラフによって表すことができる。
【0019】
前記パラメータは、測定された心臓生体電気信号を示す電圧対時間のグラフの平均ピーク振幅であってもよい。
【0020】
別の態様では、被験者の頭部の血流変化を検出するためのヘッドギア装置であって、
使用中、前記被験者の心臓に隣接する胸部に配置可能な基準電極と、
使用中、前記被験者の頭皮領域に配置可能な第1の電極と、
前記基準電極及び前記第1の電極のそれぞれに接続されたヘッドギアと、
を備え、
前記ヘッドギアは、
基準心臓生体電気信号に対して前記被験者の頭皮領域で心臓生体電気信号のパラメータの値を測定し、前記被験者の頭部の血流変化を測定するように構成されたコンピュータに、測定した前記心臓生体電気信号のパラメータの値を送信するように構成された処理ユニットを含む、ヘッドギア装置が提供される。
【0021】
ヘッドギア装置は、使用中、前記被験者の胸部領域に配置されるとともに、前記被験者の心臓に隣接する心臓生体電気信号を受信するように構成された第2の電極を更に備えることができる。
【0022】
前記処理ユニットは、前記第1の電極及び前記第2の電極から受信した心臓生体電気信号を処理し、前記心臓生体電気信号の表示を受信機に送信するように構成されたブレインコンピュータインターフェース(BCI)を備えてもよい。
【0023】
前記基準電極、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの1つ又は複数は、無線(ワイヤレス)電極であってもよい。
【0024】
さらに別の態様では、被験者の頭部の血流変化を検出するためのシステムであって、
前記被験者の胸部に配置可能な基準電極と、
前記被験者の頭皮領域に配置可能であるとともに、前記基準電極に対して生体電気信号を受信するように構成された第1の電極と、
使用中、前記被験者の胸部領域に配置可能であるとともに、前記基準電極に対して心臓に隣接する心臓生体電気信号を受信するように構成された第2の電極と、
前記基準電極及び前記第1の電極のそれぞれに接続されたヘッドギアと、
を備え、
前記ヘッドギアは、
前記被験者の胸部領域で受信された基準心臓生体電気信号と比較して、前記被験者の頭皮領域で受信された心臓生体電気信号のパラメータの値を測定し、前記被験者の頭部の血流変化を測定するように構成されたコンピュータに、測定した前記心臓生体電気信号のパラメータの値を送信するように構成された処理ユニットを含む、システムが提供される。
【0025】
前記処理ユニットは、ブレインコンピュータインターフェース(BCI)であってもよい。
【0026】
システムは、送信された心臓生体電気信号を受信するための受信機を更に備え、
前記受信機は、無線受信機であってもよい。
【0027】
前記基準電極、前記第1の電極及び前記第2の電極のうちの1つ又は複数は、無線電極であってもよい。
【0028】
さらに別の態様では、被験者の頭部の血流変化を検出するための方法であって、
前記ヘッドギア装置を提供すること、
前記被験者の心臓に隣接する胸部に基準電極を配置すること、
前記被験者の頭皮領域に第1の電極を配置すること、
前記被験者の胸部に第2の電極を配置すること、
基準心臓生体電気信号を取得すること、
前記被験者の頭皮領域で心臓生体電気信号を取得すること、及び
取得された基準心臓生体電気信号及び前記被験者の頭皮領域で取得された心臓生体電気信号を、前記被験者の頭部の血流変化を測定するように構成されたプロセッサに送信すること、を含む、頭部の血流変化検出方法が提供される。
【0029】
前記プロセッサは、請求項3に記載の方法に従って、前記被験者の頭部の血流変化を測定するように構成されていてもよい。
【0030】
本発明はまた、広く、本出願の明細書において参照され又は表示されている部分、要素及び特徴、並びに個々に又は集合的に、及び前記部分、要素又は特徴の2つ以上の任意の組合せのいずれか又は全ての組合せからなると言うことができ、本発明が関係する技術分野において既知の等価物を有する特定の整数が本明細書において言及されている場合、そのような既知の等価物は、あたかも個別に記載されているかのように、本明細書に組み込まれているとみなされる。
【0031】
本発明も他の態様も開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の範囲に含まれる他の形態にもかかわらず、本発明の実施形態は、例として、添付の図面を参照して、以下に説明される。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るヘッドギア装置の概略図である。
【
図2】
図2は、人工的に生成したEMS信号を用いて行った実験の設定と結果を示す。
【
図3】
図3は、無酸素運動前後の平均心臓生体信号振幅と無酸素運動前後の平均振幅を示したチャートである。
【
図4】
図4は、無酸素運動前後の胸部心臓生体信号振幅に対する割合としての頭皮心臓生体信号振幅のグラフである。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る心臓生体電気信号の表現のグラフである。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係るヘッドギア装置の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態に係るヘッドギア装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
心臓は、体内において最大の電気信号を生成する。血液は、体内において最も導電性の高い成分の1つであるため、電気信号の伝播の主要な経路を提供する。出願人は、脳血流(CBF)又は被験体の頭部を流れる血流が減少すると、この伝播が減少し、被験体の頭皮全体などの頭部領域において検知される脳外電気信号の振幅を減少させることを見出した。脳外電気信号は、被験体の心臓によって生成される心臓生体電気信号又は生体電気信号であり得る。脳外生体電気信号は、別の生体電気信号であり得る。脳外生体電気信号は、人工的に生成された電気的筋刺激などの人工的に生成された刺激の結果であり得る。
【0034】
図1は、被験体の頭部における血流の変化を検出するために使用することができるヘッドギア装置100の一例を示す。この実施形態では、脳外生体電気信号は心臓生体電気信号である。他の実施形態では、他のタイプの脳外生体電気信号を使用することができると考えられる。ヘッドギア装置は、EEG信号を記録するように構成されたEEGヘッドセットと、EEGヘッドセットと動作可能に結合され、脳及び脳外の生体電気信号のような生体電気信号を受信し、記録するように構成された頭皮電極とを備えている。
【0035】
ヘッドギア装置は、心臓に隣接する(例えば、被験体の胸部領域)心臓生体電気信号及び頭部に隣接する(例えば、被験体の頭皮における)心臓生体電気信号を検知する。この情報は、ヘッドギア40内の処理ユニットに送信され、その後、ヘッドギア40は、その情報を受信機に送信する。受信機は、プロセッサを含むコンピュータに情報を送信する。プロセッサは、アルゴリズムを実装して情報を処理し、被験体の頭部における血流変化を測定することができる。コンピュータは、ヘッドギア装置から離れた場所にあってもよいし、ヘッドギア装置の一部であってもよい。コンピュータ内のプロセッサは、次いで、受信された信号及び/又は測定された血流変化の表示をディスプレイ上に表示することができる。
【0036】
図1に示すように、使用時、基準電極10は、患者の胸部(心臓に隣接する)の左側に配置される。第1の電極又は第1の記録電極20は、被験体の頭皮領域に配置される。第1電極20は、被験体の頭皮領域上の任意の位置に配置することができる。例えば、第1電極は、EEG検査に関連して頭皮電極を適用するための国際的な10-20システム(international 10-20 system)によって定義された位置の頭皮領域に配置することができる。
【0037】
第1電極20は、基準電極10によって検知された基準信号に対して、被験体の頭部領域又は頭皮領域において心臓生体電気信号を検知する。出願人は、基準電極10を、患者の胸部領域等、患者の心臓に隣接して配置し、第1電極20で患者の頭皮領域における電気的活動を記録することにより、心臓に関連する頭皮における電気的活動の成分(被験体の頭皮領域における心臓生体電気活動)が発音されるか、又は容易に検出され得ることを見出した。
【0038】
図1に示されるように、第2の記録電極30は、基準電極10の近くの患者の胸部領域上に配置される。出願人は、基準信号に対してこの第2電極によって記録された信号が、心臓が血液を送り出す間に、被験体の心臓に最も近い生体電気活動を示すことを見出した。
【0039】
図6は、
図1に示される本発明の一実施形態によるヘッドギア装置を用いて取得された心臓生体電気信号の読み取りを示す。AF3、T7、Pz及びAF4のそれぞれは、被験体の頭皮領域における記録電極30の位置を示す。T8は、上述の第2電極30のように、被験体の胸部領域に配置された記録電極を示す。
図6において、検知された心臓生体電気信号は、電圧対時間で表される。ここで、電圧は、信号の相対的強度を表す。見てわかるように、電極T8の心臓生体電気信号を表す電圧対時間のグラフは、心臓の電気的活動の発生源に最も近いため、ピーク振幅が最も高くなる。
【0040】
被験体の頭部における血流変化を検出する方法は、基準心臓生体電気信号に対する被験体の頭皮における心臓生体電気信号のパラメータの価値を測定することを含む。
【0041】
例えば、心臓生体電気信号のパラメータは、信号の平均ピーク振幅であり得る。
【0042】
電極AF3、T7、Pz及びAF4のそれぞれから
図5に示される電圧対時間の信号は、被験体の胸部領域に配置された基準電極によって受信された信号に対して被験体の頭部領域で取られた心臓生体電気信号の例である。
【0043】
図5において、パラメータは、心臓生体電気信号を表す電圧対時間グラフの振幅である。有利には、心臓生体電気信号は、時間の経過とともに心臓を繰り返し収縮させるのに必要な電気的活動に対応する、特徴的で反復性の特徴を有する。
【0044】
本方法は、さらに、測定されたパラメータの値を、パラメータの所定の値と比較して、被験体の頭部における血流の任意の変化を測定することを含む。
【0045】
パラメータが平均ピーク振幅である場合、パラメータの所定の値は、患者の頭部の血流が損なわれていないときに記録された第1電極が配置された同じ領域における平均ピーク振幅とすることができる。例えば、患者が、所定の値が測定されたときと比較して、脳を流れる血流に障害がある場合、測定された平均ピーク振幅の値は、その患者についての所定の平均ピーク振幅の値よりも低くなる。
【0046】
心臓生体電気活動は、患者固有であり得るため、被験体の頭皮領域において測定された心臓生体電気信号のパラメータと、被験体の胸部領域における心臓生体電気信号のパラメータとの比率を計算することができる。例えば、基準電極に対して第1電極によって記録された心臓生体電気信号の平均ピーク振幅を、基準電極に対して第2電極によって記録された心臓生体電気信号の平均ピーク振幅によって割ることができる。この比率を所定の比率と比較して、被験者の頭部への血流に変化が生じたかどうかを判断することができる。例えば、所定の比率は、頭部の血流が損なわれていない平均的な被験者を示すことができる。または、所定の比率は、被験体の頭部における血流障害の程度を示すことができる。
【0047】
この方法は、患者の脳内の血流の経時的変化を検出し、患者を継続的に監視するために使用することができる。例えば、虚血性脳卒中の間、脳内の血管に血栓が存在し、脳内の血流を損なう。本方法を用いると、被験体の頭部領域で測定された心臓生体電気信号のピーク振幅は、血管内に血栓が存在している間、比較的低くなるであろう。血栓を溶解するために患者に薬剤を投与する場合、この方法及びヘッドギア装置を用いて、血栓が溶解しているかどうか、及び薬剤を投与する前から脳内の血流が増加しているかどうかを判断することができる。
【0048】
血栓がうまく溶解した場合、被験体の頭部領域で測定された心臓生体電気信号のピーク振幅は、血栓が血管内に存在している間に測定されたものよりも相対的に高い。本方法及びヘッドギアはまた、被験体の脳内の血流をモニタすることが有益である種々の用途に使用することができる。例えば、この方法は、せん妄又は外傷性脳損傷のような脳内の血流障害に関連する状態を監視するために使用することができる。
【0049】
図6は、被験体の頭部における血流の変化を検出するためのヘッドギア装置の一実施形態を示す。
【0050】
ヘッドギア装置200は、ユーザの頭部に装着可能なヘッドギアを備える。基準電極210は、ヘッドギアから延在し、被験体の心臓に隣接する胸部領域に配置及び適用することができる。したがって、基準電極210は、使用中、被験体の心臓に隣接する胸部領域に配置可能である。1つ又は複数の電極220は、被験体の頭皮領域上に配置可能である。電極220の1つは、第1の電極とすることができる。電極220は、脳血流の変化のモニタリングを最適化するために、主要な脳血管領域全体に配置することができる。
【0051】
ヘッドギア装置200は、ワイヤレスで携帯型のEEGヘッドセットである。
【0052】
ヘッドギア装置は、使用中の被験体の胸部領域に配置され、使用中、心臓に隣接する心臓生体電気信号を受信するように構成された第2電極230を含む。
【0053】
各電極220は、使用中、身体及びヘッドギア装置に適用されたときに、生体電気信号を検知し、伝達するように構成される。
【0054】
基準電極210、1つ以上の電極220、及び第2の電極230のそれぞれは、EEGヘッドセットと動作可能に接続された頭皮電極であって、生体電気信号を検知して受け取り、生体電気信号をEEGヘッドセットに伝達する。
【0055】
各電極220は、乾式又は半乾式電極とすることができる。
【0056】
ヘッドギア装置200は、電極210、2200、230のそれぞれから生体電気信号を受信するための処理ユニット(図示せず)を含む。処理ユニット(図示せず)は、基準電極によってピックアップされた基準心臓生体電気信号と比較して、被験体の頭皮領域で記録された心臓生体電気信号のパラメータの値を測定し、心臓生体電気信号のパラメータの値を、上述の方法に従って被験体の頭部の血流変化を測定するように構成されたリモートコンピュータに送信するように構成される。
【0057】
例えば、ヘッドギア装置200の処理ユニット(図示せず)は、電極210、220、230のそれぞれから生体電気信号を受信し、心臓生体電気信号をヘッドギア装置の外部の受信機に送信する。一実施形態によると、処理ユニットは、電極から受信した心臓生体電気信号をオンボード処理するためのマイクロコントローラを含むBCIボードのような脳-コンピュータインターフェースを含むことができる。BCIボードは、処理された心臓生体電気信号を受信機に送信することができる。
【0058】
この処理された情報は、リモートコンピュータ(図示せず)の受信機に送ることができる。リモートコンピュータ(図示せず)は、上述の方法の実施形態に従って、被験体の頭部における血流変化を検出するためのアルゴリズムを使用することができる。当業者は、上記の方法の実施形態を実施するための複数の方法があることを理解するであろう。
【0059】
図6に示される実施形態では、ヘッドギア装置200は、頭髪のギアを着用しているユーザの前頭部をクリアするための櫛状部分270を含む。これにより、頭皮を露出させ、頭皮との電極接触が良好になる。ヘッドギア装置200は、使用中、ユーザの頭部上に延在する湾曲片280を含む。ヘッドギア装置200は、使用中、ユーザの頭部の周囲に延在する弾性バンド290を含む。電極220は、湾曲片280及びバンドの下側に配置される。バンド290は伸縮性があるため、様々なサイズや形状の頭にしっかりとフィットする。弾性バンド290及び湾曲片280は、正確な結果を生成するために電極とユーザの頭皮との間の適切な接触を確実にするために、患者の頭にしっかりとフィットするように構成される。
【0060】
耳フック260は、ヘッドギア装置がユーザに配置されるとき、ユーザの耳の周りに嵌合するように構成される。耳クリップ240は、基準電極210を含む。耳クリップ240を耳にクリップして、基準電極210の代わりに耳クリップを基準電極として使用することができる。
【0061】
図7は、ヘッドギア装置の別の実施形態を示す。ヘッドギア装置300は、電極320を含む弾性バンド390を有する。ヘッドギア装置300は、基準電極として使用することができる耳クリップ340を有する。ヘッドギア装置300は、ユーザの心臓に隣接するユーザの胸部領域に配置可能な基準電極310と、ユーザの胸部に配置可能な電極330とを有する。
【0062】
ヘッドギア装置200及び/又は300は、また、基準電極210の位置を心臓に隣接するものから別の既知の基準位置に変更することによって、又は基準方法をEEGの取得に使用される方法に変更することによって、EEGのみの機能を提供することができる。一例では、基準電極を乳様突起の骨に配置し、第1及び第2の電極を、例えば、EEG電極の国際的な10-20システムによって識別されるように、他の記録位置に移動させることができる。
【0063】
他の実施形態では、ヘッドギア装置は、加速度計、温度センサ、血中酸素飽和度センサ、環境ノイズセンサ及び定量EEGのような種々のセンサのうちの1つ以上を含むことができる。
【0064】
ユーザの心臓に隣接する基準心臓生体電気信号に対して、頭皮における心臓生体電気信号に加えて、ヘッドギア装置によって測定されるパラメータは、以下を含むことができる。
【0065】
1)デルタ/アルファ比(DAR)などの定量的EEG(qEEG)測定。
【0066】
2)心臓及び/又は人工的に生成した電気信号。
【0067】
3)環境(聴覚及び視覚ノイズ)誘発電位。
【0068】
4)加速度計。ヘッドセットは、頭部の脈動灌流イベントによる流体の流れの変化に加えて、ユーザの頭部の動きを監視するために内蔵された加速度計を有することができる。
【0069】
5)温度センサ。ヘッドセットは、患者の体温を監視するための赤外線温度センサを備えることができる。
【0070】
6)近赤外(NIR)センサ、近赤外分光光度計(NIRS)又は緑色光パルスオキシメータなどの内蔵オキシメーターによる血中酸素飽和度。
【0071】
上記のセンサは、ヘッドギア装置内に含めることができる。
【0072】
したがって、ヘッドギア装置は、以下のために使用することができる。
【0073】
1)頭の血流の変化を推測する方法として、頭蓋の位置及び頭蓋の位置を横切る電気信号強度の変化を監視する。この信号は、心臓及び/又は人工的に生成された信号(例:EMS又は独自の信号発生器)であり得る。心臓信号は、心臓の生理機能を評価し、心拍数を監視するためにも使用できる。
【0074】
2)脳に影響を与える環境刺激、特に脳機能の変化と皮質感受性をリアルタイムで監視する手段として、関連する皮質誘発電位を基準にした光刺激と聴覚刺激を監視する。
【0075】
3)前述の方法を標準的なEEG測定と組み合わせて使用して、脳機能をリアルタイムで監視する。特に、デルタ/アルファ信号比は時間とともに変化し、灌流の変化、発作、せん妄、頭蓋内圧を検出及び監視する。
【0076】
4)電極間の相対的な信号強度を監視することは、虚血領域、治療による変化、血管攣縮/遅発性脳虚血、長期的な損傷、及び回復中の潜在的な変化をマッピングするために使用できる。
【0077】
5)患者の全体的な動きによるものか、頭の脈動灌流イベントによる体液の流れの変化によるものかを問わず、頭の動きを(加速度計を介して)監視する。体温と血中酸素飽和度(NIR/緑色光パルスオキシメータ)も監視される。
【0078】
図示された実施形態以外の実施形態では、ワイヤレス電極を使用することができることが想定される。
【0079】
ヘッドギア装置200、300は、脳内の血流を連続的又は半連続的に監視するために使用することができる。ヘッドギア装置200、300は、電気的安全リスクが低いように、低電圧、低電力の無線電子装置とすることができる。
【0080】
ヘッドギア装置及び方法の実施形態は、救急救命士による評価、救急医療、せん妄、外傷性脳損傷、痙攣、頭蓋内圧のモニタリング及び神経リハビリテーションを含む多くの他の用途で使用することができる。
【0081】
記述された被験体の頭部の血流の変化を検出する方法は、医師または看護師が、CT/MRIスキャンの間に脳卒中患者を定量的に監視することを可能にする。これにより、脳卒中治療をリアルタイムでモニタリングすることができ、治療成績に関する情報が得られれば、患者の管理における次のステップの指針となるであろう。治療がうまくいかない場合、装置は現在の方法よりも速く臨床医にこれを警告することができ、必要であれば患者に二次治療を施すことができるようになる。
【0082】
被験体の頭部の血流変化を検出するための方法及びヘッドギア装置は、くも膜下出血を経験した患者における血管痙攣/遅延性脳虚血を検出するためにも使用することができる。これらの患者は、血管痙攣または減圧症(DCI)の発症を検出するために、これらの患者を継続的にモニタすることができる。経頭蓋ドプラ超音波は現在、血管痙攣を検出するために使用されているが、これは連続的な方法ではなく、時にはあまり正確ではない。血管痙攣/DCIを検出する新しい迅速で正確な方法により、患者は現在の検出方法で可能な限り迅速に治療を受けることができるようになる。これは、血管痙攣/DCIにより他の方法で生じ得る不可逆的損傷を防ぐことができる。
【0083】
被験体の頭部における血流の変化を検出するための方法及びヘッドギア装置は、痙攣、せん妄、外傷性脳損傷、頭蓋内圧及び神経-リハビリテーションのモニタリングにも使用することができる。
【0084】
別の実施形態では、ヘッドギア装置は、ヘルメットが典型的に使用される職業における覚醒状態を監視するために使用され得る「スマートヘルメット」の一部であってもよい。
【0085】
患者の頭部での心臓生体電気信号のモニタリングは、心臓生理学の評価及び心拍数のモニタリングにも使用することができる。運動中の心臓信号のいかなる変化も、患者の心臓生理学の状態を知らせることができる。
【0086】
実験報告書
次の仮説を検証するために実験を行った。
【0087】
心臓は体内で最大の電気信号を生成し、血液は体内で最も導電性の高い成分の1つであるため、電気信号の伝播に主要な経路を提供する。脳血流の減少は、この伝播を減少させ、したがって、胸部で記録された心臓の電気信号の振幅と比較して、頭皮全体で記録された心臓の電気信号の振幅を減少させると仮定された。胸部で記録された心臓の電気信号の振幅と比較して、脳血流の増加はこの伝播を増加させ、したがって頭皮全体で記録された心臓の電気信号の振幅を増加させると仮定された。この方法は、脳卒中、睡眠時無呼吸、せん妄、外傷性脳損傷、または脳血流障害に関連するその他の障害のある患者のモニタリングに役立つ可能性がある。
【0088】
EMOTIV Insight EEGヘッドセットの基準電極を左胸の位置に再配置することにより、EEG頭皮電極を横切る心臓の生体電気信号が検出された。
図1に示すように、頭皮電極T8を右胸の位置に再配置して、胸全体の心臓の生体電気信号を記録した。出願人は、(プッシュアップを介した)無酸素運動によるCBFの低下が心臓の生体電気信号の振幅にどのように影響するかを(OpenBCIEEGヘッドセットを使用して)調査した(
図2)。出願人はまた、これが胸部心臓生体電気信号振幅のパーセンテージとして頭皮心臓生体電気信号振幅にどのように影響するかを調査した。
【0089】
結果:無酸素運動の1分後、心臓の生体信号の振幅とEMSによって誘発される信号の振幅の両方が頭皮電極で減少した(P<0.05)。信号振幅は5分後にベースラインに戻った(
図3)。胸部心臓生体信号振幅のパーセンテージとしての頭皮心臓生体信号振幅もまた、無酸素運動の1分後に減少した。その後、4分後にベースラインに向かって増加した(
図4)。
【0090】
頭皮全体における心臓生体信号振幅及びEMS信号振幅の減少と、観察された胸部心臓生体信号振幅のパーセンテージとしての頭皮心臓生体信号振幅の減少は、無酸素運動によって誘発されたCBF(脳血流)の減少に起因する可能性がある。EMS信号は、心臓生理学とは無関係であるため、制御刺激である。これらの知見は、CCBFの減少が頭皮全体において記録された脳外電気信号の減少によって検出される可能性があるという予備的証拠を提供する。
【0091】
上記の方法は、血流の変化が電気信号の伝播を変化させるという仮説に基づいている。この仮説は、人工的に生成された電気信号(電気的筋肉刺激装置によって生成される)を用いて試験された。EMS信号は、その生成がユーザの生理に依存しないので、制御手段として作用する。上背部にEMSパッドを貼付した。刺激を一定の周波数に設定した。この発生した電気信号は、
図2に示すように脳波ヘッドセットを用いて記録した。
【0092】
頭皮の電気的活動を測定するOpenBCI EEGヘッドセットを使用したEMS信号の記録は、人工的に生成された電気信号の特徴が、被験者の頭皮の近くで測定された頭部の電気的活動に存在することを示した。
【0093】
本明細書全体を通じて、「一実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所における「一実施形態における」又は「一実施形態における」という語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではないが、可能性がある。さらに、特定の特徴、構造又は特徴は、1つ以上の実施形態において、本開示から当業者に明らかなように、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0094】
同様に、本発明の例示的実施形態の上記の説明において、本発明の種々の特徴は、開示を合理化し、種々の発明的態様の1つ以上の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、又はそれらの説明において、一緒にグループ化されることがあることが理解されるべきである。しかし、この開示方法は、請求項に係る発明が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が表すように、決して先に開示した単一の実施形態のすべての特徴に発明的要素が存在するわけではない。したがって、特定の実施形態の詳細な説明に続く請求項は、本明細書により、特定の実施形態の詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として、それ自身に基づいている。
【0095】
さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるが、他の実施形態に含まれないいくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組合せは、本発明の範囲内にあることを意味し、当業者に理解されるように、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の請求項では、請求項に係る実施形態のいずれかを任意の組合せで使用することができる。
【0096】
本明細書に提供される説明において、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本発明の実施例を、こうした特定の詳細なしで実施し得るということが分かる。他の例では、この説明の理解を不明瞭にしないために、周知の方法、構造及び技術は詳細に示されていない。
【0097】
以下の特許請求の範囲及び本発明の前述の説明において、明示的な文言または必要な含意のために文脈が別の方法で要求する場合を除いて、「含む」という単語または「含む」または「含む」などの変形は、包括的意味で使用される。すなわち、記載された特徴の存在を特定するが、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。
【0098】
本明細書で使用される「含める」、「含む」又は「ここで使用されるものを含む」という用語のいずれか1つもまた、少なくともその用語に続く要素/特徴を含むが、他のものを除外しないことを意味するオープンな用語である。したがって、含むことは、含むことと同義であり、含むことを意味する。
【0099】
したがって、本発明の説明された実施形態と考えられるものが記載されてきたが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、他の及び更なる改変を行ってもよく、本発明の範囲内に入る全てのそのような変更及び改変をクレームすることを意図していることを認識するであろう。例えば、上記に与えられたいずれの式も、使用され得る手順を単に代表するものである。ブロック図から機能を追加・削除することができ、機能ブロック間で操作を入れ替えることができる。ステップは、本発明の範囲内で説明される方法に追加又は削除することができる。
【0100】
本発明を特定の実施例を参照して説明したが、本発明が多くの他の形態で実施され得ることは当業者には理解されるであろう。