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特許7652495衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリー、並びにその製造装置及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリー、並びにその製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20250319BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20250319BHJP
   F16F 7/12 20060101ALI20250319BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20250319BHJP
   B29C 45/06 20060101ALI20250319BHJP
   B29C 45/70 20060101ALI20250319BHJP
   H01M 50/247 20210101ALN20250319BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/227
F16F7/12
B29C45/14
B29C45/06
B29C45/70
H01M50/247
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023565412
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 KR2022020612
(87)【国際公開番号】W WO2023136487
(87)【国際公開日】2023-07-20
【審査請求日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0005308
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ハク・スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヒュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジョ・ヨン・ファン
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/198279(WO,A1)
【文献】特開2012-023009(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0004003(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第1412866(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0326567(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0081299(US,A1)
【文献】特開2014-164815(JP,A)
【文献】特開2004-148571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20 - 50/298
H01M 50/00 - 50/198
F16F 7/00 - 7/14
B29C 45/00 - 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックおよび衝撃吸収部材を備える電池パックアセンブリーを製造するための装置であって、
前記電池パックの一側部に前記衝撃吸収部材が形成されるように高分子樹脂が充填されるジグと、
前記電池パック及び前記ジグを支持するように所定の広さを有する平板状の支持部と、
前記ジグに充填された高分子樹脂を硬化させるための硬化部と、
を含み、
前記ジグは、所定の広さを有する長方形の底プレート、前記底プレートの縁部に沿って定の高さに延びた4個の側壁、前記電池パックの一側縁部が前記底プレートに着座するように前記4個の側壁のうちのいずれか一つの側壁に備えられた開放口、及び一側面が前記底プレートと密着した状態で前記4個の側壁の間に位置するエア形成バーを含む、
装置。
【請求項2】
前記支持部の上面には、複数の前記ジグが着座している、
請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記支持部は時計方向または反時計方向に回転可能な円形を有し、前記支持部の上面に位置するジグは1個以上である、
請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記衝撃吸収部材が形成された電池パックを前記ジグから分離した後、前記ジグ及び前記支持部に残っている高分子樹脂を除去するための洗浄部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記高分子樹脂はUV硬化性樹脂である、
請求項に記載の装置。
【請求項6】
電池パックおよび衝撃吸収部材を備える電池パックアセンブリーを製造するための方法であって、
ジグに前記電池パックを着座させる第1段階と、
前記電池パックの一側部に沿って高分子樹脂が位置するように前記ジグに高分子樹脂を充填する第2段階と、
前記電池パックの一側部に衝撃吸収部材が形成されるように高分子樹脂を硬化させる第3段階と、
を含み、
前記ジグは、所定の広さを有する長方形の底プレート、前記底プレートの縁部に沿って所定の高さに延びた4個の側壁、前記電池パックの一側縁部が前記底プレートに着座するように前記4個の側壁のうちのいずれか一つの側壁に備えられた開放口、及び一側面が前記底プレートと密着した状態で前記4個の側壁の間に位置するエア形成バーを含み、
前記高分子樹脂は4個の側壁の内側に充填される、
方法。
【請求項7】
前記方法は、さらに、
前記衝撃吸収部材が形成された電池パックを前記ジグから分離する第4段階を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記ジグに残っている高分子樹脂を除去するために洗浄する第5段階を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記高分子樹脂はUV硬化性樹脂であり、
前記方法は、さらに、
前記第1段階と前記第3段階との間に、前記電池パックの上面にUV硬化性物質でプリントする段階を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、さらに、
前記第3段階と前記第5段階との間に、前記電池パックアセンブリーを検査する段階を含む、
請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年1月13日付の韓国特許出願第10-2022-0005308号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリー、並びにその製造装置及び製造方法に関するものであり、具体的には電池パックが落下するとき、電池パックが受ける衝撃を吸収または緩和して電池パックの物理的損傷を防止することができる衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリー、並びにその製造装置及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
二次電池は大気汚染物質を発生させる化石燃料の代替エネルギー源であり、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びエネルギー貯蔵デバイス(ESS)などに適用されている。
【0004】
現在、広く使われる二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セルは、所要の出力電圧または充放電容量に応じて複数の電池セルを直列または並列に連結して電池モジュールを構成することが一般的である。
【0005】
特に、スタック型またはスタック/フォルディング型電極組立体をアルミニウムラミネートシートのパウチ型電池ケースに内蔵した構造のパウチ型リチウムイオン電池は、低い製造コスト及び高いエネルギー密度などの利点によって、使用量が次第に増加している趨勢である。
【0006】
一方、移動通信の技術が急速に開発されるのに伴い、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータ(PC)のような各種のモバイル機器に対する大衆的な人気が高くなっているのが実情である。このようなモバイル機器にも充放電の可能な二次電池が装着されるが、使用者の不注意などによってモバイル機器を落下させた場合、装着されていた二次電池を損傷してしまうことがある。
【0007】
特に、パウチ型二次電池には電解液が注液されるが、衝撃によってパウチが破れるなど、損傷すると、電解液が流れ出てモバイル機器の故障を引き起こす可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0055175号公報
【文献】韓国公開特許第10-2016-0063763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、落下などの物理的衝撃から電池パックを保護することができる衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリー、並びにその製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために本発明に係る電池パックアセンブリーは、電池パック(110)と、前記電池パック(110)の一側に備えられた衝撃吸収部材(120)と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーにおいて、前記衝撃吸収部材(120)は、エアポケット部(121)を備えている高分子樹脂を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置であって、電池パック(110)の一側部に衝撃吸収部材(120)が形成されるように高分子樹脂が充填されるジグ(200)と、前記電池パック(110)及び前記ジグ(200)を支持するように所定の広さを有する平板状の支持部(300)と、前記ジグ(200)に充填された高分子樹脂を硬化させるための硬化部(400)とを含み、前記ジグ(200)は、所定の広さを有する長方形の底プレート(210)、前記底プレート(210)の縁部に沿って所定の高さに延びた4個の側壁(220)、前記電池パック(110)の一側縁部が前記底プレート(210)に着座するように前記4個の側壁(220)のうちのいずれか一つの側壁(220)に備えられた開放口(230)、及び一側面が前記底プレート(210)と密着した状態で前記4個の側壁(220)の間に位置するエア形成バー(240)を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置において、前記支持部(300)の上面には複数のジグ(200)が着座していることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置において、前記支持部(300)は時計方向または反時計方向に回転可能な円形を有し、前記支持部(300)の上面に位置するジグ(200)は1個以上であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置において、前記衝撃吸収部材(120)が形成された電池パック(110)をジグ(200)から分離した後、ジグ(200)及び支持部(300)に残っている高分子樹脂を除去するための洗浄部(600)をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置において、前記高分子樹脂はUV硬化性樹脂であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための方法であって、ジグ(200)に前記電池パック(110)を着座させる第1段階と、前記電池パック(110)の一側部に沿って高分子樹脂が位置するように前記ジグ(200)に高分子樹脂を充填する第2段階と、電池パック(110)の一側部に衝撃吸収部材(120)が形成されるように高分子樹脂を硬化させる第3段階と、を含み、前記ジグ(200)は、所定の広さを有する長方形の底プレート(210)、前記底プレート(210)の縁部に沿って所定の高さに延びた4個の側壁(220)、前記電池パック(110)の一側縁部が前記底プレート(210)に着座するように前記4個の側壁(220)のうちのいずれか一つの側壁(220)に備えられた開放口(230)、及び一側面が前記底プレート(210)と密着した状態で前記4個の側壁(220)の間に位置するエア形成バー(240)を含み、前記高分子樹脂は4個の側壁(220)の内側に充填されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための方法において、前記衝撃吸収部材(120)が形成された電池パック(110)をジグ(200)から分離する第4段階をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための方法において、前記ジグ(200)に残っている高分子樹脂を除去するために洗浄する第5段階をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための方法において、前記高分子樹脂はUV硬化性樹脂であり、前記第1段階と第3段階との間に、前記電池パック(110)の上面にUV硬化性物質でプリントする段階をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための方法において、前記第3段階と第5段階との間に、電池パックアセンブリーを検査する段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリーによれば、電池パックに衝撃吸収部材を備えているので、落下などによる物理的衝突が発生しても、電池パックの損傷を防止または最小化することができるという利点がある。
【0023】
また、本発明に係る衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリーによれば、落下などによる物理的衝突の際、電池パックの電解液が漏出することを防止または最小化することができるので、デバイスの損傷を減らすことができるという利点がある。
【0024】
また、本発明に係る電池パックアセンブリー製造装置及び製造方法によれば、衝撃吸収部材を装着することができる多数のジグを支持部に備えているので、量産が可能であり、さらに製造時間を減らすことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の好適な実施例に係る電池パックアセンブリーの概念図である。
図2】本発明の好適な実施例に係る電池パックアセンブリーを製造するためのジグの斜視図である。
図3】本発明の好適な実施例に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置の平面図である。
図4図3に示した装置の正面図である。
図5】複数のジグが一つの支持部に装着された状態を示す平面図である。
図6】複数の電池パックがそれぞれのジグに装着された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本出願において、「含む」、「有する」または「備える」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品、またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0027】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては、同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0028】
以下、本発明に係る衝撃吸収機能を備えた電池パックアセンブリー、並びにその製造装置及び製造方法について説明する。
【0029】
図1は本発明の好適な実施例に係る電池パックアセンブリーの概念図である。
【0030】
図1を参照すると、本発明に係る電池パックアセンブリーは、外部衝撃の際、電池パックを保護することができる機能を備えている。
【0031】
具体的には、電池パックアセンブリーは、電池パック110と、衝撃吸収部材120とを含む。
【0032】
電池パック110は平らな六面体状を有することができるが、これに限定されず、ケースの内部には電極組立体が収納され、ケースの外側に電源連結部111が所定の長さで突出した状態である。
【0033】
ケースは、外部被覆層、金属層、及び内部被覆層を含むラミネートシートを使うことができる。
【0034】
内部被覆層は電極組立体と直接的に接触するので、絶縁性及び耐電解液性を有しなければならなく、また外部に対する密閉のためにシーリング性、すなわち、内部層同士熱接着されたシーリング部位は、優れた熱接着強度を有しなければならない。
【0035】
このような内部被覆層の材料としては、耐化学性に優れながらもシーリング性が良いポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンアクリル酸、ポリブチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリイミド樹脂から選択することができるが、これに限定されず、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械的物性及び耐化学性に優れたポリプロピレンが最も好ましい。
【0036】
内部被覆層と接する金属層は、外部から水分や各種のガスが電池の内部に浸透することを防止するバリア層に相当し、このような金属層の好ましい材料としては、軽いながらも成形性に優れたアルミニウム薄膜を使うことができる。
【0037】
そして、金属層の他側面は外部被覆層を備え、このような外部被覆層は、電極組立体を保護しながら耐熱性及び耐化学性を確保することができるように、引張強度、透湿防止性、及び空気透過防止性に優れた耐熱性ポリマーを使うことができ、一例としてナイロンまたはポリエチレンテレフタレートを使うことができるが、これに限定されない。
【0038】
ケースの内部に収納される電極組立体は、複数の電極が積層された形態のスタック型電極組立体、正極及び負極の間に分離膜が介在された状態で巻き取られた形態のゼリーロール型電極組立体、複数の単位セルが積層される形態のラミネーション/スタック型電極組立体、及び単位セルが分離膜シートに位置する状態で巻き取られる形態のスタック/フォルディング型電極組立体に分類することができる。
【0039】
ラミネーション/スタック型電極組立体及びスタック/フォルディング型電極組立体を製造するために単位セルを製造する。このような単位セルは、正極及び負極の間に分離膜が介在された形態のモノセル(mono-cell)、及び正極、負極及び正極、または負極、正極及び負極が積層され、前記正極と負極との間に分離膜が介在されるバイセル(bi-cell)の形態を有することができる。
【0040】
本発明に係る電極組立体は負極/分離膜/正極/分離膜/負極が積層された構造を有することができ、その他にも電極組立体を構成する正極及び負極の個数を自由に設定して使うことができるというのは言うまでもない。また、複数の単位セルをラミネーションするラミネーション/スタック型電極組立体を使うこともでき、電極組立体の構造はこの明細書に記載された電極組立体のいずれにも適用することができる。
【0041】
電極組立体の正極及び負極はそれぞれ正極タブ及び負極タブを備え、これらの一対のタブはそれぞれ正極リード及び負極リードとスポット(Spot)溶接などによって連結された状態で、セルケースの外側に所定の長さで突出するか、または電源連結部111を通して外側に突出するように形成されることができる。
【0042】
ここで、電源連結部111の一例としては、フレキシブルプリント回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Board)であり得る。フレキシブルプリント回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Board)は柔軟に撓う銅箔のような金属箔に可撓性フィルムを外層として形成したプリント基板を意味し、電池パックアセンブリー100がデバイスに装着されると、電源及び信号を取り交わすことができるように電池パック110に装着される。
【0043】
衝撃吸収部材120は、電池パック110がデバイスに装着された状態で落下した場合、電池パック110にかかる衝撃を吸収または緩和するためのものである。前記のような機能を具現するための衝撃吸収部材120は、電池パック110の一側部、より詳細には電源連結部111が備えられていない一側端面及び縁部に備えられる。
【0044】
具体的には、前述した衝撃吸収部材120は電池パック110の一側端面及び厚さ方向(Y軸方向)の側面に密着して固定された状態で、電池パック110の長手方向(Z軸方向)に沿って所定の長さに延びている。
【0045】
ここで、衝撃吸収部材120は柔軟性を有して多少の形状変形が可能であれば特に限定されず、高分子樹脂、例えばエポキシ樹脂にUV(Ultraviolet Ray)硬化剤が含有されている。
【0046】
そして、電池パック110の一側端面から所定の距離だけ離隔した位置には高分子樹脂が満たされていない状態のバー(bar)状のエアポケット部121が備えられている。このようなエアポケット部121によって、外部衝撃が電池パック110に伝達されることを緩和または防止する。
【0047】
図2は本発明の好適な実施例に係る電池パックアセンブリーを製造するためのジグの斜視図である。
【0048】
電池パック110に衝撃吸収部材120を形成するためのジグ200は、底プレート210と、側壁220と、開放口230と、エア形成バー240と、を含む。
【0049】
具体的には、底プレート210は所定の広さを有する長方形を有し、側壁220は、底プレート210の縁部に沿って所定の高さに延びた4個からなる。
【0050】
そして、開放口230は電池パック110の一側縁部が底プレート210に着座することができるように4個の側壁220のうちのいずれか一つの側壁220に備えられることが好ましく、エア形成バー240は、底プレート210と密着した状態で前述した4個の側壁220の間に位置している。
【0051】
以上のような構造を有するジグ200に電池パック110の一側部が着座し、4個の側壁220の内側に高分子樹脂が満たされた後、硬化すれば、中にはエアポケット部121が形成され、電池パック110の一側端面及び縁部の一部に付着された状態の衝撃吸収部材120を備えた電池パックアセンブリー100が得られる。
【0052】
次に、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置について説明する。
【0053】
図3は本発明の好適な実施例に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置の平面図であり、図4図3に示した装置の正面図である。そして、図5は複数のジグが一つの支持部に装着された状態を示す平面図であり、図6は複数の電池パックがそれぞれのジグに装着された状態を示す平面図である。
【0054】
図3図6に示すように、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造するための装置は、前述したジグ200と、支持部300と、硬化部400と、検査部500と、洗浄部600と、移送部700と、を含むことができる。
【0055】
ジグ200は先に詳細に説明したので、その説明を省略する。支持部300は電池パック110の全部または一部及びジグ200を支持するためのものであり、所定の広さを有する円形平板状を有することができる。
【0056】
このような支持部300の上面には複数のジグ200が着座することが好ましく、ジグ200の開放口230が外側に向かうように配置することがより好ましい。これは、電池パック110の装着が容易であるからである。
【0057】
特に、支持部300が時計方向または反時計方向に回転できるように支持部300の下面に支持軸310が備えられる場合には、電池パック110の装着を、より一層容易にすることができるという利点がある。
【0058】
もちろん、支持軸310が省略されて支持部300が回転しないといっても、ジグ200に電池パック110を装着することは可能であり、電池パック110の装着は手作業でまたは電池パック110の上面を吸着板で吸着してからジグ200に着座させるなど、電池パック110を所望の位置まで移動させることができれば特に限定されない。
【0059】
たとえば、図面には4個のジグ200が支持部300の上面に着座しているものとして示されているが、これは一例示に過ぎず、ジグ200の個数はいくらでも変更可能である。
【0060】
硬化部400はジグ200に充填された高分子樹脂を硬化させるためのものである。一例として、衝撃吸収部材120がエポキシ樹脂にUV(Ultraviolet Ray)硬化剤が含有されて構成される場合には、UVランプ(図示せず)を備えたチャンバーであり得、熱硬化性樹脂の場合には、所定の温度に加熱することができる熱源(図示せず)を備えたチャンバーであり得る。
【0061】
検査部500は高分子樹脂が硬化して電池パック110と一体化した衝撃吸収部材120、すなわち電池パックアセンブリー100の良否を判断するためのものであり、ビジョンカメラであり得るが、これに限定されず、作業者が肉眼または手で不良に相当するかを判断することも可能である。
【0062】
もちろん、検査部500では、電池パック110を装着した手段と同一または類似の手段で分離させる。
【0063】
洗浄部600はジグ200に残っていた一部の高分子樹脂を除去するためのものであり、高圧洗浄ノズル(図示せず)を上面または側面に備えたチャンバーであり得る。
【0064】
移送部700は複数のジグ200が着座した状態の支持部300を硬化部400、検査部500、及び洗浄部600に順次移送するためのものであり、コンベヤーベルトであり得るが、これに限定されない。
【0065】
以上のように、本発明の電池パックアセンブリー製造装置は、閉ループ形の移送部700にジグ200が着座した状態の支持部300が硬化部400、検査部500、及び洗浄部600に連続的に移動するので、量産が可能であり、ひいては作業を速かに実行させることができるという利点がある。
【0066】
次に、本発明に係る電池パックアセンブリーを製造する方法について説明する。
【0067】
本発明に係る製造方法は、ジグ200に前記電池パック110を着座させる第1段階と、電池パック110の一側部に沿って高分子樹脂が位置するようにジグ200に高分子樹脂を充填する第2段階と、電池パック110の一側部に衝撃吸収部材120が形成されるように高分子樹脂を硬化させる第3段階と、衝撃吸収部材120が形成された電池パック110をジグ200から分離する第4段階と、及びジグ200に残っている高分子樹脂を除去するために洗浄する第5段階とを含む。
【0068】
一方、第1段階と第3段階との間には、電池パック110の上面にUV硬化性物質でプリントする段階をさらに実行することができる。一般的に、電池パックの一側面には製造日などの電池パックの各種の情報をプリントし、電池パック110を着座させてから前述した情報をプリントすることが好ましく、プリント素材はUV硬化性塗料であることが、より好ましい。
【0069】
これは、衝撃吸収部材120の素材がUV硬化性樹脂である場合、高分子樹脂を硬化させる第3段階で高分子樹脂とプリント素材とを同時に硬化させることができるからである。
【0070】
また、第3段階と第5段階との間に、電池パックアセンブリーを検査する段階をさらに実行することができる。例えば、ビジョンカメラまたは作業者が、衝撃吸収部材120が形成された電池パック110をジグ200から分離する前または分離した後、電池パックアセンブリーの良否を検査する。
【0071】
本発明に係る電池パックアセンブリーはデバイス、例えば携帯電話のようなモバイル機器であり得るが、これに限定されない。
【0072】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にこのような具体的技術は、単に好適な実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であることは当業者に明らかであり、このような変形及び修正も添付の特許請求の範囲に属するものであるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0073】
100 電池パックアセンブリー
110 電池パック
111 電源連結部
120 衝撃吸収部材
121 エアポケット部
200 ジグ
210 底プレート
220 側壁
230 開放口
240 エア形成バー
300 支持部
310 支持軸
400 硬化部
500 検査部
600 洗浄部
700 移送部
図1
図2
図3
図4
図5
図6