(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】ドローンネットワーク及び操作方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/08 20090101AFI20250319BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20250319BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20250319BHJP
H04W 52/46 20090101ALI20250319BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20250319BHJP
【FI】
H04W52/08
H04W4/40
B64C39/02
H04W52/46
H04W84/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021001233
(22)【出願日】2021-01-07
【審査請求日】2023-12-21
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(74)【代理人】
【識別番号】100217467
【氏名又は名称】鶴崎 一磨
(72)【発明者】
【氏名】ネーサン ディー.ヒラー
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101309097(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0195048(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105072676(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0193781(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
B64C 39/02
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1受信機、第1送信機、及び第1プロセッサを含む第1ドローンと、
前記第1ドローンから離間して配置可能であって、第2受信機、第2送信機、及び第2プロセッサを含む第2ドローンと、を含み、前記第1送信機は、前記第2ドローンへ向かって、前記第2受信機が受信するための信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されており、前記第2送信機は、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成されており、前記リターン信号は、前記第2プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記最低信号電力データに基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されて
おり、
前記第1送信機は、フェージング電力レベルを有する信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記最低信号電力を特定するために前記フェージング電力レベルを監視するよう構成されている、ドローンネットワーク。
【請求項2】
第1受信機、第1送信機、及び第1プロセッサを含む第1ドローンと、
前記第1ドローンから離間して配置可能であって、第2受信機、第2送信機、及び第2プロセッサを含む第2ドローンと、を含み、前記第1送信機は、前記第2ドローンへ向かって、前記第2受信機が受信するための信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されており、前記第2送信機は、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成されており、前記リターン信号は、前記第2プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記最低信号電力データに基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されており、
前記第1送信機は、固定電力レベルの信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて特定された減衰値に基づいて、前記最低信号電力データを生成するよう構成されている
、ネットワーク。
【請求項3】
前記第1プロセッサは、前記第2ドローンへ向かって出力する信号の電力を、前記最低信号電力にほぼ等しい電力レベルに変調するよう構成されている、請求項1
又は2に記載のネットワーク。
【請求項4】
第1受信機、第1送信機、及び第1プロセッサを含む第1ドローンと、
前記第1ドローンから離間して配置可能であって、第2受信機、第2送信機、及び第2プロセッサを含む第2ドローンと、を含み、前記第1送信機は、前記第2ドローンへ向かって、前記第2受信機が受信するための信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されており、前記第2送信機は、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成されており、前記リターン信号は、前記第2プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記最低信号電力データに基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されており、
前記第2プロセッサは、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて、前記信号に含まれる余剰信号電力を特定するようさらに構成されており、前記第2ドローンは、当該第2ドローン内に前記余剰信号電力を収集及び蓄積するよう構成されたエネルギー収集サブシステムをさらに含む
、ネットワーク。
【請求項5】
第1受信機、第1送信機、及び第1プロセッサを含む第1ドローンと、
前記第1ドローンから離間して配置可能であって、第2受信機、第2送信機、及び第2プロセッサを含む第2ドローンと、を含み、前記第1送信機は、前記第2ドローンへ向かって、前記第2受信機が受信するための信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されており、前記第2送信機は、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成されており、前記リターン信号は、前記第2プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記最低信号電力データに基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されており、
前記第2ドローンと比較して、前記第1ドローンからより短い距離に配置可能な第3ドローンをさらに含み、前記第3ドローンは、
前記第1ドローンによって出力された前記信号を受信するよう構成された第3受信機と、
前記第3ドローンで前記信号を処理するための最低信号電力を特定するとともに、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて、前記信号に含まれる余剰信号電力を特定するよう構成された第3プロセッサと、
前記第3ドローン内に前記余剰信号電力を収集及び蓄積するよう構成されたエネルギー収集サブシステムと、を含む
、ネットワーク。
【請求項6】
前記第3ドローンは、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成された第3送信機をさらに含み、前記リターン信号は、前記第3プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記リターン信号に含まれた前記最低信号電力データの解析に基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローン及び前記第3ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されている、請求項
5に記載のネットワーク。
【請求項7】
第1受信機、第1送信機、及び第1プロセッサを含む第1ドローンと、
前記第1ドローンから離間して配置可能であって、第2受信機、第2送信機、及び第2プロセッサを含む第2ドローンと、を含み、前記第1送信機は、前記第2ドローンへ向かって、前記第2受信機が受信するための信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されており、前記第2送信機は、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成されており、前記リターン信号は、前記第2プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記最低信号電力データに基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されており、
前記
第1及び第2ドローンの各々は、
信号を受信するよう構成された受信サブシステムと、
前記信号を
各ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するとともに、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて、前記信号に含まれる余剰信号電力を特定するよう構成されたプロセッサと、
前記余剰信号電力を収集及び蓄積するよう構成されたエネルギー収集サブシステムと、を含む
、ドローンネットワーク。
【請求項8】
各ドローンは、レーザエミッタ及び光変調器を備える送信サブシステムをさらに含み、前記レーザエミッタ及び前記光変調器は、両方とも前記プロセッサにより制御可能であり、前記レーザエミッタは、前記光変調器へ向かって出力を供給するよう構成されており、前記光変調器は、前記出力の電力を選択的に変調して、各ドローンから出力する信号を形成するよう構成されている、請求項
7に記載のドローンネットワーク。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記信号に余剰信号電力が含まれるか否かを特定するよう構成されるとともに、前記余剰信号電力が特定されると、前記光変調器を使用して、出力される前記信号の電力を変調するよう構成されていること、
前記レーザエミッタは、変調逆反射体を含むこと、及び
前記受信サブシステムと前記送信サブシステムとの間で選択的に出力及び入力をルーティングするよう構成されたサーキュレータを含むこと、のうちの少なくとも1つを実現する、請求項
8に記載のドローンネットワーク。
【請求項10】
ドローンネットワークの動作を制御する方法であって、
第1ドローンから第1信号を出力することと、
前記ネットワークにおける第2ドローンにおいて前記第1信号を受信することと、
前記第2ドローンにおいて、前記第1信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定することと、
前記第2ドローンで特定された最低信号電力データを含むリターン信号を、前記第2ドローンから前記第1ドローンへ出力することと、
前記第1ドローンから前記第2ドローンへ第2信号を出力することと、を含み、前記第2信号の電力は、前記最低信号電力データに基づいて変調さ
れ、
前記ネットワークにおいて、前記第2ドローンと比較して前記第1ドローンからより短い距離に配置可能な第3ドローンにおいて前記第1信号を受信することと、
前記第3ドローンにおいて、前記第1ドローンから出力された前記第1信号に含まれる余剰信号電力を蓄積することと、
前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンを選択的に相対移動させて、前記第3ドローンよりも前記第1ドローンからより短い距離に前記第2ドローンを配置することと、
前記第2ドローンにおいて、前記第1ドローンから出力された前記第1信号に含まれる余剰信号電力を蓄積することと、をさらに含む、方法。
【請求項11】
前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンはドローン集団を構成しており、前記方法は、前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンが相対的に移動する際、地球に対して固定された位置に前記ドローン集団を配置することをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンはドローン集団を構成しており、前記方法は、前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンが相対的に移動する際、地球に対して相対的な速度で前記ドローン集団を移動させることをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも前記第1ドローン及び前記第2ドローンを含む複数のドローンがドローン集団を構成しており、前記方法は、前記ドローン集団の相対的な中心に前記第1ドローンを移動させることをさらに含む、請求項
10~12のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、概して無人航空ビークルに関し、より具体的には、ドローンネットワークにおけるエネルギーの使用を効率的に管理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信、配達、及び/又は偵察や監視の任務を実行するために、飛行ドローンなどの無人航空ビークルが使用されている。これらの任務を実行するために、飛行ビークルは、相互接続された少なくとも半自律的な「集団(swarm)」にグループ化される場合がある。この集団は、任務の実行中にドローンの操作及び動作を連携させるために互いに通信可能な複数のビークルを含みうる。各ビークルは、通信機器を装備することができ、集団における1つ以上のビークルは、特定の任務を実行するためのペイロードを装備することができる。また、飛行ビークルは、典型的には、プロペラ推進システムを使用して、飛行を維持するとともに目的地との間を移動する。少なくともいくつかの公知の航空ビークルは、通信、任務の実行、及び推進動作を容易にするために、当該ビークルに搭載されたバッテリから電力を引き出す。公知のネットワークについて幾つかある問題の中でも特に、バッテリが供給する電力には限りがあるため、集団が長時間に亘って任務を実行する能力には限界がある。
【0003】
このセクションは、以下で説明及び/又は請求する本開示の様々な態様に関連しうる技術分野の様々な態様を読み手に紹介することを意図している。この説明は、本開示の様々な態様をより深く理解するための背景情報を読み手に提供するのに役立つものであろう。したがって、これらの記載は上記を考慮して読むべきものであり、先行技術として認める(admissions of prior art)ものではない。
【発明の概要】
【0004】
一態様は、ドローンネットワークである。前記ネットワークは、第1受信機、第1送信機、及び第1プロセッサを含む第1ドローンと、前記第1ドローンから離間して配置可能な第2ドローンと、を含む。前記第2ドローンは、第2受信機、第2送信機、及び第2プロセッサを含む。前記第1送信機は、前記第2ドローンへ向かって、前記第2受信機が受信するための信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されている。前記第2送信機は、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成されている。前記リターン信号は、前記第2プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記最低信号電力データに基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されている。
【0005】
他の態様はドローンである。前記ドローンは、信号を受信するよう構成された受信サブシステムと、前記信号を前記ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されたプロセッサとを含む。前記プロセッサはまた、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて、前記信号に含まれる余剰信号電力を特定するよう構成されている。前記ドローンは、前記余剰信号電力を収集及び蓄積するよう構成されたエネルギー収集サブシステムをさらに含む。
【0006】
さらに他の態様は、ドローンネットワークの動作を制御する方法である。前記方法は、第1ドローンから第1信号を出力することと、前記ネットワークにおける第2ドローンにおいて前記信号を受信することと、前記第2ドローンにおいて、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定することと、前記第2ドローンで特定された最低信号電力データを含むリターン信号を、前記第2ドローンから前記第1ドローンへ出力することと、前記第1ドローンから前記第2ドローンへ第2信号を出力することと、を含み、前記第2信号の電力は、前記最低信号電力データに基づいて変調される。
【0007】
上述した本開示の態様に関連して説明した特徴には、様々な改変例が存在する。また、上述した本開示の態様にはさらなる特徴を盛り込むことも可能である。これらの改変例及び追加的特徴は個々に存在してもよいし、任意の組み合わせで存在してもよい。例えば、本開示の例示的な実施形態に関連して以下に説明する様々な特徴は、単独で、或いは任意の組み合わせで、上述した本開示の態様のいずれかに盛り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示的なドローンネットワークを示す図である。
【
図2】
図1に示すネットワークにおけるエネルギーの使用を管理する例示的な方法を示すフロー図である。
【
図3】
図1に示すネットワークにおけるエネルギーの使用を管理する別の方法を示すフロー図である。
【
図4】
図1に示すネットワークで使用可能なドローンの内部コンポーネントを示す概略図である。
【
図5】ドローンネットワークを操作する例示的な方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。
【0010】
以下で説明する例には、ドローン又はドローンネットワークにおけるエネルギーの使用を効率的に管理するためのシステム及び方法が含まれる。本明細書において、「ドローン」なる用語は、自律的又は遠隔操作される無人航空ビークルを指す。ネットワークにおけるドローンは、消費電力が約10ワットの比較的小型のドローンであってもよいし、ミツバチのようなサイズのドローンであってもよいし、携帯型ドローンであってもよい。ドローンの「集団」が目的地の上空で静止している間、又は目的地との間を移動している間、これらのドローンは通常互いに離間している。例えば、集団の外縁における第1ドローンは、当該集団の反対側の外縁における第2ドローンとは第1距離を空けた位置にあってもよいし、集団において内側に位置する第3ドローンから、より短い第2距離を空けた位置にあってもよい。一例において、ネットワークにおけるドローンは、高いデータレートの相互通信を容易に行うためにレーザ通信システムを使用して、ドローンの動作及び任務を連携させる。本明細書で説明するように、通信動作を実行している間に電力を節約するため、及び、ネットワークにおけるドローン間で送信される信号から得られる余剰電力、又は地上システムから受信する信号から得られる余剰電力を蓄えるため、ドローンの動作を動的に調節可能である。
【0011】
例えば、本明細書で説明するシステム及び方法は、エネルギー効率の良い方法で、ネットワークにおけるドローン間、例えば、第1ドローンから第2、第3、及び/又は次に続くドローンへ容易に信号を送信することができる。一例において、第1ドローンは、少なくとも第2ドローンへ信号を送信する送信サブシステムを有する。第1ドローンはまた、第2ドローンからリターン信号を受信する受信サブシステムを有する。リターン信号には、第1ドローンが、その信号送信電力を、第2ドローンで処理できる程度の最低信号電力に変調できるようにするためのデータが含まれる。したがって、第1ドローンは、第2ドローンとの通信に必要な信号電力を超えない最低信号電力で信号を送信することにより、エネルギー及びバッテリ寿命を節約することができる。しかしながら、第3ドローンは、第1ドローンからより短い第2距離に配置されるため、変調信号は、余剰信号電力を有する状態で当該第3ドローンにおいて受信される。したがって、第3ドローンは、当該第3ドローンにおいて余剰信号電力を収集及び蓄積するためのエネルギー収集サブシステムを含む。複数のドローンは、集団における電力消費負荷及びエネルギー収集ポテンシャルのバランスを取り易くするために、相対的に再配置することができる。したがって、ドローンは、互いに連携して集団の動作性能を高めることができ、また、集団により画定される物理空間内のブロードキャスト領域を維持することにより、データ送信セキュリティを向上させることができる。
【0012】
本明細書において、単数形で記載されている要素又は工程は、特に明示されていない限り、複数の要素又は工程を排除するものではない。さらに、本開示の「例」、「例示的な実施形態」、又は「一実施形態」に言及することは、これらに記載された特徴を同様に含む他の実施形態の存在を排除するものではない。
【0013】
図1は、例示的なドローンネットワーク100を示す。例示的な実施形態において、ネットワーク100は、集団104を規定する複数のドローン102を含む。これらのドローンは、集団104の内外で互いに独立して移動したり、連携動作において互いに同期して移動したりすることができる。ドローン102は、集団104における個々のドローン102の動作を容易にし、且つこれらの動作を連携させるために、互いに無線で通信可能に接続されている。さらに、少なくともいくつかのドローン102は、集団104内で互いに異なる距離で離間していてもよい。例えば、ドローン102は、第1ドローン106と、第1ドローン106から第1距離D
1を空けて離間した第2ドローン108と、第1ドローン106及び第2ドローン108からより短い第2距離D
2を空けて離間した第3ドローン110と、を含みうる。
【0014】
集団104における互いに反対側の外縁に第1ドローン106及び第2ドローン108を配置することにより、第2ドローン108が、集団104において第1ドローン106から最も離れて配置されたドローン102となるようにしてもよい。第1ドローン106と第2ドローン108との間で効果的に通信が行われるように、これらの間で送信される信号は、閾値電力レベルよりも大きい信号電力を有する。第2ドローン108と比較して第1ドローン106からの距離がより短い位置におけるドローン102もまた、第1ドローン106から第2ドローン108に送信される信号を意図的又は非意図的に受信する受信体である。しかしながら、第1ドローン106から第2ドローン108に送信される信号は、第1ドローン106に対して他のドローン102が近接しているため、第3ドローン110などの他のドローン102で受信されるときには余剰信号電力を含みうる。以下により詳細に説明するように、信号に含まれる余剰電力は、集団104の動作稼働時間を長くするために、他のドローン102によって収集及び蓄積される。
【0015】
図2は、ネットワーク100(
図1に示す)におけるエネルギーの使用を管理する例示的な方法を示すフロー図である。例示的な実施形態において、第1ドローン106は、第2ドローン108が受信するための第1信号112を出力する。第2ドローン108は、第1信号112を解析して、第1ドローン106から出力された信号を第2ドローン108で処理するために必要な最低信号電力(すなわち閾値電力レベル)を特定する。デジタル信号の場合、第2ドローン108の信号処理能力、したがって、信号における最低信号電力、さらに場合によっては余剰電力を特定する能力は、少なくとも部分的には、第2ドローン108が、信号を規定するビットストリームのビットを解読する能力に基づいている。例えば、第2ドローン108のプロセッサ(
図4に示す)は、信号を解析してビット誤り率を特定し、このビット誤り率が、閾値(すなわち、最低信号ビット誤り率)と比較される。特定されたビット誤り率が閾値を超える場合、最低信号電力が確認され、余剰信号電力が存在する可能性がある。アナログ信号の場合、第2ドローン108の信号処理能力は、少なくとも部分的には、信号のスプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)に基づいている。例えば、最低信号電力は、SFDRの下端における電力と特定し、余剰信号電力は、SFDRの下端よりも大きい任意の電力レベルにおける電力と特定することができる。
【0016】
一例において、第1ドローン106は、最低信号電力の特定を容易にするために、フェージング電力レベルを有する第1信号112を出力する。例えば、
図2に示す第1処理ステップ114において、第1ドローン106は、第2ドローン108で第1信号112を処理するために必要な最低限の電力よりも大きい第1信号電力を有する第1信号112を出力する。第1ドローン106が第1信号電力で第1信号112の出力を継続する場合、第1ドローン106における貴重な予備電力が非効率的な速度で使い果たされる可能性がある。さらに、第2ドローン108で処理するために必要な信号電力よりも大きい信号電力で第1信号112を出力すると、第1信号112が、ネットワーク100の外に搬送されて、不安全な意図しない第三者の受信体に受信される可能性がある。したがって、第1処理ステップ114から第2処理ステップ116において、第1信号112の信号電力は、第1信号電力から第2信号電力へと徐々に低減される。例示的な実施形態においては、第2ドローン108において、第1信号112のフェージング電力レベルが監視される。第2ドローン108は、フェージング電力レベルを解析して、第2ドローン108で第1信号112を処理するために必要な最低信号電力を特定する。
【0017】
第3処理ステップ118において、第2ドローン108は、第1ドローン106へ向かってリターン信号120を出力する。リターン信号120は、最低信号電力データを含み、当該データは、第2ドローン108に第1信号112を出力し、当該第2ドローン108において当該第1信号112を処理できるようにするための電力レベルに関する情報を、第1ドローン106に与えるデータである。リターン信号120は、最低信号電力で第1ドローン106へ向かって出力されてもよい。第1ドローン106は、リターン信号120を受信して、最低信号電力データに基づいて、第2ドローン108へ向かって出力する信号の電力を変調する。したがって、第4処理ステップ122において、第1ドローン106と第2ドローン108との間で効果的且つ省電力の通信が確立される。具体的には、第1ドローン106及び第2ドローン108のエネルギーの節約を容易にするために、第1ドローン106と第2ドローン108との間で第1信号112及びリターン信号120を最低信号電力で送信する。
【0018】
例示的な実施形態においては、処理ステップ114、116、118、及び122の全体を通して、第1ドローン106と第2ドローン108との間に第3ドローン110が配置される。動作中、第3ドローン110は、第1ドローン106及び第2ドローン108から出力される信号を第3ドローン110で処理するために必要な最低信号電力を特定するために、第1信号112及びリターン信号120を解析する。第3ドローン110は、第1ドローン106及び第2ドローン108からより短い第2距離D
2(
図1に示す)を空けて配置されているため、第3ドローン110で第1信号112及びリターン信号120を処理するための最低信号電力は、例えば、第2ドローン108で第1信号112を処理するための最低信号電力よりも小さい。したがって、第3ドローン110は、当該第3ドローン110での受信時に第1信号112及びリターン信号120が余剰信号電力を含むと特定することができる。余剰信号電力は、第3ドローン110で受信した第1信号112及びリターン信号120の電力と、第3ドローン110で信号を処理するための最低信号電力との間の差に基づいて特定することができる。したがって、第3ドローン110は、動作性能及び耐用年数を向上させるために、余剰信号電力を収集及び蓄積することができる。
【0019】
図3は、ネットワーク100(
図1に示す)におけるエネルギーの使用を管理する代替の方法を示すフロー図である。上述したように、第2ドローン108は、第1ドローン106から出力された第1信号112を解析して、第1ドローン106から出力された信号を第2ドローン108で処理するために必要な最低信号電力を特定する。例示的な実施形態において、第1ドローン106は、最低信号電力の特定を容易にするために、固定電力レベルの第1信号112を出力する。例えば、
図3に示す第1処理ステップ124において、第1ドローン106は、第2ドローン108で第1信号112を処理するために必要な最低限の電力よりも大きい信号電力を有する第1信号112を出力する。次に、第2ドローン108は、減衰値によって第1信号112の電力レベルを減衰させる。減衰値は、最低信号電力と、第2ドローン108で受信された第1信号112の電力との間の差に基づいて特定される。第2処理ステップ126において、第2ドローン108は、第1ドローン106へ向かってリターン信号120を出力する。リターン信号120には、第2ドローン108によって特定された減衰値を含む最低信号電力データが含まれる。第1ドローン106は、リターン信号120を受信して、最低信号電力データに基づいて、第2ドローン108へ向かって出力される信号の電力を変調し、その際、例えば、減衰値に比例して信号の電力を変調する。したがって、第3処理ステップ128において、第1ドローン106と第2ドローン108との間で効果的且つ省電力の通信が確立される。具体的には、第1ドローン106及び第2ドローン108のエネルギーの節約を容易にするために、第1ドローン106と第2ドローン108との間で第1信号112及びリターン信号120を最低信号電力で送信する。
【0020】
図2及び
図3に示す例において、例えば、干渉により第2ドローン108が信号112を処理する能力が制限される場合、最低信号電力を特定するために、第1ドローン106から出力される信号電力を増大することも可能である。
【0021】
再度
図1を参照すると、集団104におけるドローン102は、ネットワーク100の内外で互いに独立して移動可能、及び/又は連携動作において互いに同期して移動可能である。例えば、ドローン102が相対的に移動する際、地球に対して固定された位置に集団104を配置することができる。これに代えて、ドローン102が相対的に移動する際、地球に対して相対的な速度で集団104を移動させることができる。いずれの例においても、ドローン102は、集団104における電力消費負荷及びエネルギー収集ポテンシャルのバランスを取り易くするために、相対的に移動することができる。
【0022】
例えば、
図1に示す集団構成において、第1ドローン106は、第2ドローン108と効果的に通信するために、第3ドローン110との通信で使用するよりも大きい電力を使用する必要があるので、第1ドローン106の電力消費負荷は、第3ドローン110と比較して大きい。したがって、集団104の外縁における位置から第1ドローン106を内側に移動させることにより、集団104における他のドローン102に対する第1ドローン106の距離を短くして、他のドローン102と効果的に通信するための電力量を低減することができる。一例において、第1ドローン106は、所定時間に亘って外縁に配置された後、又は第1ドローン106の残りのバッテリ寿命の分析に基づいて、集団104の相対的中心に移動されてもよい。
【0023】
他の例において、集団104における第1ドローン106及び第3ドローン110の相対位置を入れ替えて、第3ドローン110を集団104の相対的中心から当該集団104の外縁に移動させてもよい。集団104の動作中、及び位置の入れ替えまでの間に、第3ドローン110は、より少ない送信電力を使用するとともに、他のドローン102から電力を収集する。したがって、第1ドローン106及び第3ドローン110を相対的に移動させることにより、集団104の全体における電力消費負荷及びエネルギー収集ポテンシャルのバランスを取ることが容易になる。
【0024】
上記説明は、ドローン106、108、及び110に関するものであるが、受信、解析、電力変調、及び送信の処理は、エネルギー節約の管理を容易にするために、ネットワーク100内の全てのドローン102によって同時に行われてもよい。
【0025】
図4は、ネットワーク100(
図1に示す)で使用可能なドローン102の内部コンポーネントを示す概略図である。例示的な実施形態において、ドローン102は、送信サブシステム130と、受信サブシステム132と、エネルギー収集サブシステム134と、プロセッサ136とを含む。サブシステム130、132、及び134は、互いの間で1つ以上のコンポーネントを共有してもよい。したがって、ドローン102は、出力信号142の出力、及び他のドローン102からの入力信号144の受信を行うための、収集レンズ(collection lens)138及びカルミネーティングレンズ(culminating lens)140を含む。
【0026】
第1受信モードにおいて、入力信号144は、レンズ138及び140を介してサーキュレータ146へ向けてルーティングされる。サーキュレータ146は、自由空間光サーキュレータ又は繊維系サーキュレータ146であってもよい。サーキュレータ146は、同じコンポーネントから信号を送受信することを可能にする受動的なマルチポートデバイスである。したがって、サーキュレータ146で受信された入力信号144は、調節可能なビームスプリッタ148へ向かってルーティングされる。ビームスプリッタ148は、プロセッサ136によって制御されて、当該ビームスプリッタにより実行される分割比が決定される。代替の例において、サーキュレータ146で受信された入力信号144は、調節可能なファイバカプラ(図示略)へ向かってルーティングされる。一例において、プロセッサ136は、入力信号144を第1出力150及び第2出力152に分割するようにビームスプリッタ148を制御する。以下でより詳細に説明するが、第1出力150は、プロセッサ136へ向かってルーティングされ、第2出力152は、エネルギー収集サブシステム134のコンポーネントへ向かってルーティングされる。
【0027】
例示的な実施形態において、第1出力150は、ビームスプリッタ148とプロセッサ136との間に配置された光学フィルタ154及び受信機156を介してルーティングされる。光学フィルタ154は、入力信号144の第1出力150、及び受信機156からのノイズをフィルタリングする。受信機156は、光信号を電子信号に変換するフォトダイオード、及び信号から電気ノイズをフィルタリングする電気フィルタによって形成される。次に、プロセッサ136は、第1出力150を解析して、ドローン102で入力信号144を処理するために必要な最低信号電力を特定する。送信サブシステム130は、プロセッサ136と通信可能なレーザエミッタ158と、当該レーザエミッタ158と各レンズ138及び140との間に配置されたコリメータ160とを含む。したがって、一例において、プロセッサ136は、上述したように、最低信号電力が特定されると、最低信号電力データを含む出力信号142(例えば、リターン信号120)を送信するために、レーザエミッタ158を制御する。一実施形態において、レーザエミッタ158は、CWNd3+:YAGエミッタである。
【0028】
代替の例において、集団104における一定数のドローン102は、独立型(standalone)レーザエミッタ158を搭載しており、残りのドローン102は、変調逆反射体(modulating retroreflector)であるレーザエミッタ158を搭載している。したがって、一定数のドローン102、例えば単一のドローン102は、レーザ送信源であってもよく、残りのドローン102は、当該発信源から受信した信号を反射させることによりエネルギーを節約してもよい。
【0029】
第1受信モードにおいて、プロセッサ136は入力信号144の解析も行って、当該信号における余剰信号電力の有無を判定する。入力信号144は、集団104における他のドローン102から受信してもよいし、地上システムから受信してもよい。入力信号144が余剰信号電力を含むと判定した場合、プロセッサ136は、ビームスプリッタ148の比率を調節して、入力信号144の第2出力152がエネルギー収集サブシステム134へ向かってルーティングされるようにする。例示的な実施形態において、エネルギー収集サブシステム134は、太陽電池(PV)セル162と、DC‐DC(電力)コンバータ164と、ドローン102の電力消費コンポーネントに電気的に接続されたバッテリ166とを含む。動作中、太陽電池セル162は、入力信号144(すなわち、レーザ送信)のエネルギーを電気に変換し、DC-DCコンバータ164は、バッテリ166に蓄積するために当該電気をさらに変換する。これに代えて、DC-DCコンバータの出力は、ドローン102のエネルギー消費コンポーネントに直接ルーティングされてもよい。
【0030】
第2受信モードにおいて、ドローン102は、最低信号電力データを含む入力信号144の受信体であってもよい。バッテリ166の節約を容易にするために、プロセッサ136によって入力信号144を解析し、これに従って送信サブシステム130の動作を調整してもよい。例示的な実施形態において、送信サブシステム130は、光変調器168を含み、当該光変調器は、レーザエミッタ158からの出力を受信して、出力信号142を生成するために当該出力を選択的に操作する。例えば、出力信号142が最低信号電力よりも大きい電力レベルで送信されているとプロセッサ136が判断した場合、光変調器168は、出力信号142の電力レベルを最低信号電力に低減するよう動作可能である。
【0031】
図5は、ドローンネットワークを操作する例示的な方法200を示すフロー図である。上記方法200は、第1ドローンから第1信号を出力すること202と、前記ネットワークにおける第2ドローンにおいて前記信号を受信すること204と、前記第2ドローンにおいて、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定すること206と、前記第2ドローンで特定された最低信号電力データを含むリターン信号を、前記第2ドローンから前記第1ドローンへ出力すること208と、前記第1ドローンから前記第2ドローンへ第2信号を出力すること210と、を含み、前記第2信号の電力は、前記最低信号電力データに基づいて変調される。
【0032】
さらに、本開示は、以下の付記を含み、保護範囲は請求の範囲によって規定される。
【0033】
付記1.第1受信機、第1送信機、及び第1プロセッサを含む第1ドローンと、前記第1ドローンから離間して配置可能であって、第2受信機、第2送信機、及び第2プロセッサを含む第2ドローンと、を含み、前記第1送信機は、前記第2ドローンへ向かって、前記第2受信機が受信するための信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するよう構成されており、前記第2送信機は、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成されており、前記リターン信号は、前記第2プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記最低信号電力データに基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されている、ドローンネットワーク。
【0034】
付記2.前記第1送信機は、フェージング電力レベルを有する信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記最低信号電力を特定するために前記フェージング電力レベルを監視するよう構成されている、請求項1に記載のネットワーク。
【0035】
付記3.前記第1送信機は、固定電力レベルの信号を出力するよう構成されており、前記第2プロセッサは、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて特定された減衰値に基づいて、前記最低信号電力データを生成するよう構成されている、付記1又は2に記載のネットワーク。
【0036】
付記4.前記第1プロセッサは、前記第2ドローンへ向かって出力する信号の電力を、前記最低信号電力にほぼ等しい電力レベルに変調するよう構成されている、付記1~3のいずれかに記載のネットワーク。
【0037】
付記5.前記第2プロセッサは、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて、前記信号に含まれる余剰信号電力を特定するようさらに構成されており、前記第2ドローンは、当該第2ドローン内に前記余剰信号電力を収集及び蓄積するよう構成されたエネルギー収集サブシステムをさらに含む、付記1~4のいずれかに記載のネットワーク。
【0038】
付記6.前記第2ドローンと比較して、前記第1ドローンからより短い距離に配置可能な第3ドローンをさらに含み、前記第3ドローンは、前記第1ドローンによって出力された前記信号を受信するよう構成された第3受信機と、前記第3ドローンで前記信号を処理するために必要な最低信号電力を特定するとともに、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて、前記信号に含まれる余剰信号電力を特定するよう構成された第3プロセッサと、前記第3ドローン内に前記余剰信号電力を収集及び蓄積するよう構成されたエネルギー収集サブシステムと、を含む、付記1~5のいずれかに記載のネットワーク。
【0039】
付記7.前記第3ドローンは、前記第1ドローンへ向かって、前記第1受信機が受信するためのリターン信号を出力するよう構成された第3送信機をさらに含み、前記リターン信号は、前記第3プロセッサによって特定された最低信号電力データを含み、前記第1プロセッサは、前記リターン信号に含まれた前記最低信号電力データの解析に基づいて、前記第1送信機から前記第2ドローン及び前記第3ドローンへ向かって出力される信号の電力を変調するよう構成されている、付記6に記載のネットワーク。
【0040】
付記8.信号を受信するよう構成された受信サブシステムと、前記信号を前記ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定するとともに、前記信号の電力と前記最低信号電力との間の差に基づいて、前記信号に含まれる余剰信号電力を特定するよう構成されたプロセッサと、前記余剰信号電力を収集及び蓄積するよう構成されたエネルギー収集サブシステムと、を含むドローン。
【0041】
付記9.レーザエミッタ及び光変調器を備える送信サブシステムをさらに含み、前記レーザエミッタ及び前記光変調器は、両方とも前記プロセッサにより制御可能であり、前記レーザエミッタは、前記光変調器へ向かって出力を供給するよう構成されており、前記光変調器は、前記出力の電力を選択的に変調して、前記ドローンから出力する信号を形成するよう構成されている、付記8に記載のドローン。
【0042】
付記10.前記プロセッサは、前記信号に余剰信号電力が含まれるか否かを特定するよう構成されるとともに、前記余剰信号電力が特定されると、前記光変調器を使用して、出力される前記信号の電力を変調するよう構成されている、付記9に記載のドローン。
【0043】
付記11.前記レーザエミッタは、変調逆反射体を含む、付記9又は10に記載のドローン。
【0044】
付記12.前記受信サブシステムと前記送信サブシステムとの間で選択的に出力及び入力をルーティングするよう構成されたサーキュレータをさらに含む、付記9~11のいずれかに記載のドローン。
【0045】
付記13.前記ドローンからリターン信号を出力するよう構成された送信サブシステムをさらに含み、前記リターン信号は、前記プロセッサによって特定された最低信号電力データを含む、付記8に記載のドローン。
【0046】
付記14.前記受信サブシステムは、前記プロセッサによって制御可能なビームスプリッタを含み、前記エネルギー収集サブシステムは、バッテリを含み、前記プロセッサは、ビームスプリッタから受信した第1出力に基づいて、前記信号に余剰信号電力が含まれるか否かを特定するよう構成されるとともに、前記余剰信号電力が特定されると、前記バッテリに対して前記余剰信号電力を含む第2出力を供給するように前記ビームスプリッタに指示するよう構成されている、付記8に記載のドローン。
【0047】
付記15.前記エネルギー収集サブシステムは、前記第2出力を蓄積可能な電力に変換するために、前記ビームスプリッタと前記バッテリとの間に接続された太陽電池セルと電力コンバータとをさらに含む、付記14に記載のドローン。
【0048】
付記16.ドローンネットワークの動作を制御する方法であって、第1ドローンから第1信号を出力することと、前記ネットワークにおける第2ドローンにおいて前記信号を受信することと、前記第2ドローンにおいて、前記信号を前記第2ドローンで処理するために必要な最低信号電力を特定することと、前記第2ドローンで特定された最低信号電力データを含むリターン信号を、前記第2ドローンから前記第1ドローンへ出力することと、前記第1ドローンから前記第2ドローンへ第2信号を出力することと、を含み、前記第2信号の電力は、前記最低信号電力データに基づいて変調される、方法。
【0049】
付記17.前記ネットワークにおいて、前記第2ドローンと比較して前記第1ドローンからより短い距離に配置可能な第3ドローンにおいて前記信号を受信することと、前記第3ドローンにおいて、前記第1ドローンから出力された前記信号に含まれる余剰信号電力を蓄積することと、前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンを選択的に相対移動させて、前記第3ドローンよりも前記第1ドローンからより短い距離に前記第2ドローンを配置することと、前記第2ドローンにおいて、前記第1ドローンから出力された前記信号に含まれる余剰信号電力を蓄積することと、をさらに含む、付記16に記載の方法。
【0050】
付記18.前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンはドローン集団を構成しており、前記方法は、前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンが相対的に移動する際、地球に対して固定された位置に前記ドローン集団を配置することをさらに含む、付記17に記載の方法。
【0051】
付記19.前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンはドローン集団を構成しており、前記方法は、前記第1ドローン、前記第2ドローン、及び前記第3ドローンが相対的に移動する際、地球に対して相対的な速度で前記ドローン集団を移動させることをさらに含む、付記17又は18に記載の方法。
【0052】
付記20.少なくとも前記第1ドローン及び前記第2ドローンを含む複数のドローンがドローン集団を構成しており、前記方法は、前記ドローン集団の相対的な中心に前記第1ドローンを移動させることをさらに含む、付記17~19のいずれかに記載の方法。
【0053】
本明細書の記載は、例を用いてベストモードを含む様々な実施形態を開示するものであり、また、任意の装置又はシステムの作製及び使用、並びに組み入れられた方法の実行を含む様々な実施形態を当業者にとって実施可能にするものである。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものであり、本明細書を読んだ当業者が想定しうる他の例を含みうる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構成要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない均等の構成要素を含む場合、特許請求の範囲に包含されると考えられるべきである。