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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】土留構造物
(51)【国際特許分類】
   E02D 17/08 20060101AFI20250319BHJP
   E02D 29/02 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
E02D17/08 A
E02D29/02 310
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021065611
(22)【出願日】2021-04-08
(65)【公開番号】P2022161075
(43)【公開日】2022-10-21
【審査請求日】2024-01-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和2年8月に「令和2年度 土木学会全国大会 第75回 年次学術講演会 講演概要集,第VIー195頁,公益社団法人土木学会」において公開 (2)令和2年9月9日に「令和2年度 土木学会全国大会 第75回 年次学術講演会 https://confit.atlas.jp/jsce2020」において公開 (3)令和2年9月23日に「土木施工,第61巻,第10号,第68~71頁,株式会社オフィス・スペース」において公開 (4)令和2年10月29日に「プレストレストコンクリート工学会 第29回シンポジウム論文集,第627~630頁,公益社団法人プレストレストコンクリート工学会」において公開 (5)令和3年1月31日に「プレストレストコンクリート 一般号,第63巻,第1号,第9~14頁,公益社団法人プレストレストコンクリート工学会」において公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594128913
【氏名又は名称】株式会社長大
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 賢二
(72)【発明者】
【氏名】藤本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】草野 瑞季
(72)【発明者】
【氏名】西村 一朗
(72)【発明者】
【氏名】草道 香成
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-088080(JP,A)
【文献】特開2007-107233(JP,A)
【文献】特開2001-303883(JP,A)
【文献】特開2012-036716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 17/08
E02D 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜面を含む地盤を掘削して形成された土留構造物であって、
平面視弧状の曲線部と、前記曲線部の両端からそれぞれ延設された一対の直線部と、を備え、閉合されることがないように形成された平面視U字状のU字ビームと、
前記U字ビームの下側に接続された土留壁と、を備えており、
前記曲線部は、前記曲線部の外側の地盤に向けて放射状に配置された複数の縫い付け部材により前記地盤に固定されており、
前記一対の直線部は、前記曲線部が形成された地表面よりも傾斜の大きい地表面に沿って下側に延設されているとともに、複数の縫い付け部材により前記地盤に固定されており、
前記土留壁は、前記U字ビームにより囲まれた領域を掘削することにより露出した地山面に沿って形成されていることを特徴とする、土留構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土留構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁下部工や鉄塔基礎等の基礎構造の施工では、所定の深さまで地盤を垂直に掘削して、基礎構造を構築する場合がある。このような基礎構造の施工では、地盤の掘削に伴い、土留構造物を形成する必要がある。
地表面が傾斜した場所において地盤を垂直に掘削する場合には、掘削により不安定となる地山に土留構造物を適用し、安定化を図る必要がある。このような土留構造物として、例えば、特許文献1には、地表面に形成された平面視リング状のリングビームと、リングビームの内側の領域を掘削することにより露出した地山面を遮蔽する円筒状のコンクリート壁とにより構成されたものが開示されている。この土留構造物は、リングビームの内側の領域を掘り下げながらコンクリート壁を形成するいわゆる逆巻き工法により所定の深さまで形成する。傾斜面に対して地盤を垂直に掘削すると、土留構造物に対して作用する土圧が不均一となるが、土留構造物がリング状に形成されていることで、安定性を確保できる。
このように、特許文献1の土留構造物は、傾斜面を掘削することにより生じる不均一な土圧に伴う変形を、閉合したリングビームにより抑制しながら地山を補強するものであるが、急傾斜地など用地が確保できない場合には、閉合したリングビームを形成できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-303883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、閉合したリングビームを形成することができない傾斜地において、地盤の掘削に伴う変形を抑制することが可能な土留構造物を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の土留構造物は、傾斜面を含む地盤を掘削して形成されたものであって、平面視弧状の曲線部と前記曲線部の両端からそれぞれ延設された一対の直線部とを備え、閉合されることがないように形成された平面視U字状のU字ビームと、前記U字ビームの下側に接続された土留壁とを備えている。前記曲線部は前記曲線部の外側の地盤に向けて放射状に配置された複数の縫い付け部材により前記地盤に固定されており、前記一対の直線部は前記曲線部が形成された地表面よりも傾斜の大きい地表面に沿って下側に延設されているとともに複数の縫い付け部材により前記地盤に固定されており、前記土留壁は前記U字ビームにより囲まれた領域を掘削することにより露出した地山面に沿って形成されている。
【0006】
かかる土留構造物によれば、閉合したリングビームを形成することができない場合であっても、傾斜地を掘削することにより生じる変形を抑止することができる。すなわち、掘削に伴い地盤が変形(前倒れ)するが、土留壁頭部に設置したU字ビーム曲線部及びロックボルトやグラウンドアンカー等の縫い付け部材が地盤の変形を抑制し安定を確保している。また、斜面側の地山表面には掘削境界部の孔壁保護を目的としてU字ビームの曲線部から延長する形で直線部を構築し、直線部自身の安定(滑動)を縫い付け部材で地山と一体化することで確保している。また、土留壁は、吹付コンクリート及びロックボルト等の縫い付け部材により補強することで作用荷重に対して十分な耐力を確保している。
なお、前記直線部は、前記曲線部が形成された地表面よりも傾斜の大きい地表面に沿って、前記曲線部の端部から延設するのが望ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の土留構造物によれば、閉合したリングビームを形成することができない傾斜地であっても、地山の掘削により生じる変形を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の土留構造物を示す平面図である。
図2】(a)は土留構造物の縦断面図、(b)は土留構造物の正面図である。
図3】U字ビームの断面図である。
図4】土留壁の断面図である。
図5】(a)は本実施形態の土留構造物の構築方法のフローチャート、(b)はビーム形成工程が含む作業のフローチャート、(c)は壁形成工程が含む作業のフローチャートである。
図6】掘削工程を示す断面図である。
図7】地盤改良工の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、山岳地帯等で斜面上に新設構造物を構築する場合において、新設構造物Sの基礎Bを施工するための土留構造物1について説明する。図1および図2に本実施形態の土留構造物1を示す。
本実施形態では、平面(または傾斜が緩やかな斜面)に連続して急傾斜面(崖)を有する場所において、平面と急傾斜面とを含む位置に基礎Bを構築する場合について説明する。基礎の構築に先立って構築する本実施形態の土留構造物1は、図1および図2に示すように、地表面に形成されたU字ビーム2と、地盤を掘削して形成された土留壁3とを備えている。
【0010】
U字ビーム2は、基礎Bを構築するための立坑(土留構造物1)の坑口コンクリートであって、図1に示すように、平面視弧状の曲線部4と、曲線部4の両端からそれぞれ延設された一対の直線部5,5とにより平面視U字状を呈している。曲線部4は、両端が斜面下側になるように設けられており、U字ビーム2の斜面下側の両端部は互いに離間しており、閉合していない。また、U字ビーム2は、曲線部4と直線部5,5によって囲まれた領域に基礎Bを形成することが可能な形状を有している。
図3は、U字ビーム2の断面図である。図3に示すように、U字ビーム2は、地盤に打設されたロックボルト(縫い付け部材6)により地盤に固定された鉄筋コンクリート部材である。
曲線部4は、地表面の傾斜が小さく比較的平らな部分(等高線上)に形成されている。曲線部4の両端(曲線部4と直線部5との境界)は、平面または緩斜面と急傾斜面との角部に位置している。曲線部4は、土留構造物1の内側に構築される基礎の外周面と接触することがないように、構築される基礎の幅(外径)よりも大きな内径を有している。
直線部5は、急傾斜面(曲線部4が形成された地表面よりも傾斜の大きい地表面)に沿って形成されている。直線部5は、図2(a)に示すように、曲線部4の端部から斜面下側に向けて延設されている。本実施形態の一対の直線部5は平行であり、直線部5同士の間隔は構築される基礎の幅(外径)よりも大きい。
【0011】
土留壁3は、図2(a)および(b)に示すように、U字ビーム2の下側に接続されている。土留壁3は、U字ビーム2により囲まれた領域を掘削することにより露出した地山面に吹き付けられた吹付けコンクリートにより形成されている。本実施形態の土留壁3は、ほぼ垂直に形成されている。図4に土留壁3の断面図を示す。図4に示すように、土留壁3は、壁用ロックボルト32と壁鉄筋33と吹付けコンクリート(一次吹付けコンクリート31および二次吹付けコンクリート34)により構成されている。
【0012】
以下、本実施形態の土留構造物1の構築方法について説明する。図5に本実施形態の土留構造物1の構築方法のフローチャートを示す。土留構造物1の構築方法は、図5(a)に示すように、保護工程S1と、ビーム形成工程S2と、掘削工程S3と、壁形成工程S4とを備えている。
保護工程S1では、U字ビーム2の構築予定箇所周囲の地表面に保護材7を散布する(図1参照)。本実施形態では、樹脂系材料を散布(樹脂散布)するが、保護材7を構成する材料は限定されるものではなく、この他に例えばセメント系吹付け材を使用することもできる。本実施形態では、直線部5の構築予定箇所の外側(他方の直線部5と反対側)の急傾斜地に対して、直線部5の外面から5m程度の範囲に保護材7を散布する。
【0013】
ビーム形成工程S2では、傾斜面を含む地表面に平面視U字状のU字ビーム2を形成する。本実施形態のビーム形成工程S2は、図5(b)に示すように、縫い付け部材設置作業S21、組鉄筋作業S22およびコンクリート打設作業S23を備えている。
縫い付け部材設置作業S21では、U字ビーム2を形成する地盤に縫い付け部材6を設置する(図2(a)および図3参照)。本実施形態では、縫い付け部材6としてロックボルトを使用する。縫い付け部材6の施工は、地盤を削孔することで形成した掘削孔内にロックボルトを挿入するとともに固化材を注入することにより行う。このとき、縫い付け部材6の頭部は、地表面から突出させておく。本実施形態では、曲線部4に対して長さが6.0mのロックボルトを1.3mピッチで放射状に打設し、直線部5に対しては長さが3.5mのロックボルトを鉛直方向に1.2mピッチで打設する。
組鉄筋作業S22では、地表面に沿ってビーム用鉄筋(図示せず)を組み立てる。ビーム用鉄筋は、縫い付け部材6を囲むように配筋する。また、組鉄筋作業S22では、ビーム用鉄筋の組み立てとともに、ビーム用鉄筋の周囲に型枠を組み立てる。
コンクリート打設作業S23では、型枠内にコンクリートを打設する。コンクリートは、縫い付け部材6の頭部および鉄筋を巻き込んだ状態で打設する。
【0014】
掘削工程S3では、U字ビーム2により囲まれた領域の地盤を掘削する。本実施形態では、U字ビーム2の下側に垂直面が形成されるように地盤を掘削する。地盤の掘削に伴って発生した掘削土は、適宜搬出する。図6に地盤の掘削状況を示す。図6に示すように、地盤の掘削に伴い、U字ビーム2により囲まれた領域に、作業スペースとしての平な底盤8を形成する。このとき、底盤8の縁部には、堤81を形成する。堤81は、底盤8の縁部の内側を先に掘り下げる(底盤8の縁部を掘り下げないで残す)ことにより形成することが好ましい。堤81の形状は限定されるものではないが、本実施形態では、高さが1.0m、底辺幅が1.0m程度の断面台形状とする。本実施形態では、1サイクル毎の掘削高さは、1.2mとする。
亀裂が多い地盤では、地盤の掘削に先立ち、周辺地盤(平面視でU字ビーム2の外側の地盤)に対して薬液注入による地盤改良を行う。本実施形態では、U字ビーム2の内側の領域もしくはU字ビームの外周から、斜め下向きにフォアポーリング61を実施して、地盤改良を行うものとする。図7にフォアポーリング61を示す。図7に示すように、フォアポーリング61は亀裂面を横断するように削孔した掘削孔62に中空ボルト63を差し込み、中空ボルト63を利用して掘削孔内に薬液を注入する。
【0015】
壁形成工程S4では、地盤の掘削により露出した地山面に沿って土留壁3を形成する。本実施形態の土留壁3は、地盤に向けて打設された壁用ロックボルト32と、2回に分けて吹き付けられたコンクリート(一次吹付けコンクリート31および二次吹付けコンクリート34)と、一次吹付けコンクリート31に埋め込まれた金網31aと、二次吹付けコンクリート34に埋め込まれた壁鉄筋33とにより構成する。本実施形態の壁形成工程S4は、図5(c)に示すように、一次吹付け作業S41、補強作業S42、組鉄筋作業S43および二次吹付け作業S44を備えている。
一次吹付け作業S41では、地盤の掘削により露出した地山面に対して、一次吹付けコンクリート31を吹き付ける(図4参照)。こうすることで、浮石の落石や、亀裂を有する岩盤の崩落を抑制する。本実施形態では、格子状の金網31aを地山面に沿って配置し、その後、一次吹付けコンクリート31を吹き付ける。一次吹付けコンクリート31の配合や吹付厚さは適宜決定すればよい。
補強作業S42では、図2および図4に示すように、一次吹付けコンクリート31が吹き付けられた地山面に対して壁用ロックボルト32を打設する。本実施形態では、壁用ロックボルト32として長さが5.5mの棒鋼を、1サイクル毎に高さ方向1本、水平方向1.3mピッチで打設する。すなわち、土留壁3は、高さ方向に1.2m、水平方向に1.3mピッチで壁用ロックボルト32が打設されている。なお、壁用ロックボルト32の構成や、数および配置は適宜決定すればよい。
組鉄筋作業S43では、一次吹付けコンクリート31の表面に沿って壁鉄筋33を組み立てる。このとき、壁鉄筋33は、一次吹付けコンクリート31に固定された取付部材(図示せず)を介して固定してもよいし、壁用ロックボルト32の頭部に固定してもよい。
二次吹付け作業S44では、壁用ロックボルト32の頭部および壁鉄筋33を巻き込むように、一次吹付けコンクリート31の表面に二次吹付けコンクリート34を吹き付ける。本実施形態の二次吹付けコンクリート34の配合は、一次吹付けコンクリート31と同じとする。本実施形態では、一次吹付けコンクリート31と二次吹付けコンクリート34の厚さの合計が250mmとなるようにする。なお、一次吹付けコンクリート31の内側に型枠を設置し、二次吹付けコンクリート34に代えてコンクリートを打設してもよい。
掘削工程S3と壁形成工程S4とを繰り返すことにより所定の深さまで土留壁3を形成する。
【0016】
以上、本実施形態の土留構造物1および土留構造物1の構築方法によれば、曲線部4および一対の直線部5,5を有するU字ビーム2を利用することで、傾斜地を掘削することにより生じる変形を抑止することができる。すなわち、掘削に伴い地盤が変形(前倒れ)するが、土留壁頭部に設置したU字ビーム2の曲線部4及びロックボルトやグラウンドアンカー等の縫い付け部材6が地盤の変形を抑制し安定を確保している。また、斜面側の地山表面には掘削境界部の孔壁保護を目的としてU字ビーム2の曲線部4から延長する形で直線部5を構築し、直線部5自身の安定(滑動)を縫い付け部材6で地山と一体化することで確保している。また、土留壁3は、吹付コンクリート及び壁用ロックボルト32等の縫い付け部材により補強することで作用荷重に対して十分な耐力を確保している。その結果、閉合したリングビームを形成することができない急傾斜地であっても、地盤の変形を抑制しつつ、地盤の掘削および土留壁3の施工を可能としている。
また、土留壁3は、いわゆる逆巻き工法により形成するため、安定性を確保しつつ形成することを可能としている。
また、掘削工程S3および壁形成工程S4の際に作業スペースとなる底盤8を形成する度(掘削に伴って底盤8の位置を下げる度)に、底盤8の斜面側の縁部に堤81を形成しているため、重機、作業員、資材、土砂等が底盤8から斜面下側に落下する危険性を低減できる。
また、U字ビーム2の形成予定箇所の周囲の地表面に保護材7を吹き付けているため、掘削の振動等に起因する斜面崩落等を抑制できる。
【0017】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、縫い付け部材6としてロックボルトを使用したが、縫い付け部材6はロックボルトに限定されるものではなく、例えば、グラウンドアンカーを採用してもよい。また、縫い付け部材6の寸法、数および配設ピッチは限定されるものではない。
前記実施形態では、壁形成工程S4において、一次吹付け作業S41、補強作業S42、組鉄筋作業S43および二次吹付け作業S44を実施するものとしたが、壁形成工程S4では、必ずしも前記作業を全て実施する必要はない。すなわち、地山が比較的安定している場合には、壁用ロックボルト32の打設を省略してもよいし、吹付けコンクリートの吹付け回数の1回にしてもよい。
また、壁形成工程S4では、壁用ロックボルト32に代えて、固化材注入やウレタン注入等による地盤改良を行ってもよい。
なお、土留構造物1の施工に先立ち、周辺地盤に対して薬液注入等による地盤改良を行ってもよい。
前記実施形態では、ビーム形成工程S2の前に保護工程S1を実施するものとしたが、保護工程S1とビーム形成工程S2の順番は限定されるものではなく、U字ビーム2を形成したから保護工程S1を実施してもよいし、U字ビーム2の施工と並行して保護工程S1を実施してもよい。
また、前記実施形態では、保護工程S1において、樹脂散布を行うものとしたが、保護工程における保護工法は限定されるものではなく、例えば、周辺地盤に対して薬液注入を行ってもよいし、落石防護ネットの設置を行ってもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 土留構造物
2 Uビーム
3 土留壁
31 一次吹付けコンクリート
32 壁用ロックボルト
33 壁鉄筋
34 二次吹付けコンクリート
4 曲線部
5 直線部
6 縫い付け部材
7 保護材
8 底盤
81 堤
B 基礎
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7