(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】充電管理装置、電子機器及び充電管理方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20250319BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
H02J7/34 A
H02H7/18
(21)【出願番号】P 2021090729
(22)【出願日】2021-05-31
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】廣本 邦雄
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-120316(JP,A)
【文献】特開2012-239372(JP,A)
【文献】特開2000-134811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
H02H 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器と二次電池とに接続可能な充電管理装置であって、
前記充電管理装置と前記充電器との接続が継続している時間を測定する時間測定部と、
前記充電器により供給された充電電力により前記二次電池を充電して前記二次電池の充電状態を充電末に到達させる電力供給制御部と、
を備え、
前記電力供給制御部は、
前記時間が設定時間に達した時点以降に、前記二次電池により放電された放電電力を負荷に供給して前記充電状態が前記充電末より低い特定充電状態まで低下したか否かを判定し、
前記充電状態が前記特定充電状態まで低下した時点以降に、前記放電電力を前記負荷に供給することを停止し、前記充電器により供給された電力を前記負荷に供給する充電管理装置。
【請求項2】
前記電力供給制御部は、前記充電状態が前記充電末に到達した時点以降であって前記放電電力を前記負荷に供給することを開始する時点より前に、前記電力を前記負荷に供給する、請求項1に記載の充電管理装置。
【請求項3】
前記電力供給制御部は、前記時間が前記設定時間に達した時点以降に前記二次電池の電圧が予め定められた閾値以下に低下したことを、前記充電状態が前記特定充電状態まで低下したこととして判定する、請求項1又は2に記載の充電管理装置。
【請求項4】
前記時間を測定することは、前記充電器が前記充電管理装置に接続されるのに応答して開始される、請求項1~3のいずれか1項に記載の充電管理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の充電管理装置を備える電子機器。
【請求項6】
前記負荷は、前記電子機器の機能を実現する処理を行うシステム処理回路を備える、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
充電器と二次電池とに接続可能な充電管理装置と前記充電器との接続が継続している時間を測定する工程と、
前記充電器により供給された充電電力により前記二次電池を充電して前記二次電池の充電状態を充電末に到達させる工程と、
前記時間が設定時間に達した時点以降に、前記二次電池により放電された放電電力が負荷に供給されて前記充電状態が前記充電末より低い特定充電状態まで低下したか否かが判定される工程と、
前記充電状態が前記特定充電状態まで低下した時点以降に、前記放電電力が前記負荷に供給されることが停止され、前記充電器により供給された電力が前記負荷に供給される工程と、
を含む充電管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電管理装置、電子機器及び充電管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、直列接続された複数の素電池から構成される組電池の電圧に応じて放電を制御する技術が開示されている。特許文献2には、リチウムイオン電池の充電停止時から、リチウムイオン電池保有機器の充電用端子間の電圧を計測し、設定電圧以上であった場合は充電停止を継続し、設定電圧以下を検出した際に、リチウムイオン電池を充電する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-249237号公報
【文献】特開2019-110627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、二次電池の電圧に応じて放電が繰り返されることにより二次電池が劣化するおそれがある。特許文献2に開示された技術では、二次電池を備える電子機器と充電器とを接続する状態を継続した場合、二次電池の電圧を設定電圧に維持するために、二次電池の充電と放電とが繰り返される。そのため、特許文献2に開示された技術では、二次電池を備える電子機器と充電器とを接続する状態を継続した場合、二次電池の充電と放電とが繰り返されることにより、二次電池が劣化するおそれがある。本開示の一態様は、充電器に接続する状態が継続する場合に二次電池の劣化を抑制できる充電管理装置、電子機器及び充電管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る充電管理装置は、充電器と二次電池とに接続可能な充電管理装置であって、前記充電管理装置と前記充電器との接続が継続している時間を測定する時間測定部と、前記充電器により供給された充電電力により前記二次電池を充電して前記二次電池の充電状態を充電末に到達させる電力供給制御部と、を備え、前記電力供給制御部は、前記時間が設定時間に達した時点以降に、前記二次電池により放電された放電電力を負荷に供給して前記充電状態が前記充電末より低い特定充電状態まで低下したか否かを判定し、前記充電状態が前記特定充電状態まで低下した時点以降に、前記放電電力を前記負荷に供給することを停止し、前記充電器により供給された電力を前記負荷に供給する。
【0006】
本開示の一態様に係る電子機器は、充電器と二次電池とに接続可能な充電管理装置を備える。前記充電管理装置は、前記充電管理装置と前記充電器との接続が継続している時間を測定する時間測定部と、前記充電器により供給された充電電力により前記二次電池を充電して前記二次電池の充電状態を充電末に到達させる電力供給制御部と、を備え、前記電力供給制御部は、前記時間が設定時間に達した時点以降に、前記二次電池により放電された放電電力を負荷に供給して前記充電状態が前記充電末より低い特定充電状態まで低下したか否かを判定し、前記充電状態が前記特定充電状態まで低下した時点以降に、前記放電電力を前記負荷に供給することを停止し、前記充電器により供給された電力を前記負荷に供給する。
【0007】
本開示の一態様に係る充電管理方法は、充電器と二次電池とに接続可能な充電管理装置と前記充電器との接続が継続している時間を測定する工程と、前記充電器により供給された充電電力により前記二次電池を充電して前記二次電池の充電状態を充電末に到達させる工程と、前記時間が設定時間に達した時点以降に、前記二次電池により放電された放電電力が負荷に供給されて前記充電状態が前記充電末より低い特定充電状態まで低下したか否かが判定される工程と、前記充電状態が前記特定充電状態まで低下した時点以降に、前記放電電力が前記負荷に供給されることが停止され、前記充電器により供給された電力が前記負荷に供給される工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】電子機器で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】二次電池の充電状態の時間推移の一例を示す図である
【
図4】充電管理システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一実施形態)
図1~
図3を参照して、第一実施形態について説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、電子機器100の構成の一例を示す図である。
図1に例示するように、電子機器100は、二次電池101と、負荷102と、充電管理装置103とを含む。電子機器は、スマートフォン、ノートPC(Personal Computer)、タブレット端末等である。電子機器100は、充電器111と接続可能である。
【0011】
二次電池101は、電子機器100を駆動させる充電池である。例えば、二次電池101は、リチウムイオン電池である。二次電池101がリチウムイオン電池以外の二次電池であってもよい。
【0012】
負荷102は、システム処理回路104を備える。システム処理回路104は、電子機器100の機能を実現するための処理を行う。システム処理回路104は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。また、システム処理回路104は、電子機器100が備える液晶ディスプレイ等に対する表示処理を制御してもよい。
【0013】
充電管理装置103は、充電器111と二次電池101とに接続可能であり、二次電池101及び負荷102に電力を供給することを制御する。例えば、充電管理装置103は、スイッチングデバイス、昇圧、降圧回路、マイコンやCPU等の制御回路にて実現される。
【0014】
充電管理装置103は、充電器接続部105と、接続検出部106と、時間測定部107と、電力供給制御部108とを含む。充電器接続部105は、充電管理装置103に充電器111を接続するためのインターフェイスである。接続検出部106は、充電管理装置103と充電器111との接続を検出する。時間測定部107は、充電管理装置103と充電器111との接続が継続している時間を測定する。電力供給制御部108は、二次電池101及び負荷102に電力を供給することを制御する。
【0015】
図2は、電子機器100で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図3は、二次電池101の充電状態(SOC(State of Charge))の時間推移の一例を示す図である。電子機器100が
図2に例示するステップS201の処理を開始する時点において、充電器111は電源に接続している状態であるものとする。さらに、本例では、電子機器100がステップS201の処理を開始する時点において、二次電池101の充電状態は充電末よりも低い状態であるものとする。つまり、電子機器100がステップS201の処理を開始する時点において、二次電池101は、満充電状態ではないものとする。
【0016】
ステップS201において接続検出部106は、充電管理装置103と充電器111との接続を検出したか否かを判定する。例えば、接続検出部106は、充電器接続部105と充電器111とが接続して、電力供給制御部108に電圧が印加されたことを検出することで、充電管理装置103と充電器111との接続を検出してもよい。または、充電器接続部105が電子機器100と充電器111とを嵌め合わせるためのロック機構を備える場合、接続検出部106は、当該ロック機構が動作し、電子機器100と充電器111とが嵌め合わされたことを検出することで、充電管理装置103と充電器111との接続を検出してもよい。接続検出部106は、充電管理装置103と充電器111との接続を検出できればよく、充電管理装置103と充電器111との接続を検出する方法の詳細は問わない。
【0017】
ステップS201において接続検出部106が充電管理装置103と充電器111との接続を検出しない場合、充電管理装置103は処理をステップS201に戻す。つまり、接続検出部106は、充電管理装置103と充電器111との接続を検出する時点t300より前においては、ステップS201の処理を繰り返す。一方、ステップS201において接続検出部106が充電管理装置103と充電器111との接続を検出した場合、ステップS202において時間測定部107は時間を測定することを開始する。つまり、時間測定部107が時間を測定することは、充電器111が充電管理装置103に接続されるのに応答して開始される。本例では、接続検出部106が充電管理装置103と充電器111との接続を検出した後、ステップS212の処理が実行されるまで充電管理装置103と充電器111との接続が継続されるものとする。
【0018】
ステップS203において電力供給制御部108は、充電器111から二次電池101に充電電力121を供給して二次電池101を充電することを開始する。例えば、電力供給制御部108は、充電器接続部105と二次電池101間の電流路にMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチングデバイスが設けられる場合、当該スイッチングデバイスによって充電器接続部105と二次電池101間の電流路を導通して、充電器111により供給された充電電力121により二次電池101を充電する。
【0019】
ステップS204において電力供給制御部108は、二次電池101の充電状態が充電末に到達したか否かを判定する。つまり、電力供給制御部108は、二次電池101が満充電状態に到達したか否かを判定する。
【0020】
ステップS204において二次電池101の充電状態が充電末に到達していない場合、充電管理装置103は、ステップS203に処理を戻す。つまり、電力供給制御部108は、二次電池101の充電状態が充電末に到達する時点t301より前である場合、充電器111により供給された充電電力121により二次電池101を充電する。これにより、電力供給制御部108は、充電器111により供給された充電電力121により二次電池101を充電して二次電池101の充電状態を充電末に到達させる。つまり、電力供給制御部108は、充電器111により供給された充電電力121により二次電池101を満充電状態まで充電する。
【0021】
一方、ステップS204において二次電池101の充電状態が充電末に到達した場合、ステップS205において電力供給制御部108は、充電器111から二次電池101に充電電力121を供給することを停止する。例えば、電力供給制御部108は、充電器接続部105と二次電池101間にスイッチングデバイスが設けられる場合、当該スイッチングデバイスによって充電器接続部105と二次電池101間の電流路を遮断して、充電器111から二次電池101に充電電力121を供給することを停止する。
【0022】
ステップS206において電力供給制御部108は、充電器111から負荷102に電力122を供給する。例えば、電力供給制御部108は、充電器接続部105と負荷102間にスイッチングデバイスが設けられる場合、当該スイッチングデバイスによって充電器接続部105と負荷102間の電流路を導通して、充電器111により供給された電力122を負荷102に供給する。そして、電力供給制御部108は、電力122によりシステム処理回路104に電子機器100の機能を実現する処理を行わせる。
【0023】
充電管理装置103がステップS205からステップS206の処理を実行することにより、二次電池101の過充電を抑制でき、過充電による二次電池101の劣化を抑制できる。さらに、充電管理装置103がステップS205からステップS206の処理を実行することにより、二次電池101は充電及び放電することなく、二次電池101の充電状態の低下を抑制しつつ、システム処理回路104は、電子機器100の機能を実現する処理を行う。
【0024】
ステップS207において電力供給制御部108は、時間測定部107によって時間の測定が開始されてから設定時間が経過したか否かを判定する。つまり、ステップS207において電力供給制御部108は、電子機器100と充電器111とが接続されてから設定時間が経過したか否かを判定する。例えば、設定時間は、二次電池101の充電状態が充電末である場合に、二次電池101が劣化することを抑制できる時間である。例えば、二次電池101の充電状態が放電末から充電末に達するまでに要する時間が2時間である場合、設定時間は1日である。
【0025】
ステップS207において時間測定部107によって時間の測定が開始されてから設定時間が経過していない場合、充電管理装置103は、ステップS206に処理を戻す。つまり、電力供給制御部108は、二次電池101の充電状態が充電末に到達した時点t301以降であって、充電管理装置103と充電器111との接続が継続している時間が設定時間に達する時点t302より前である場合、ステップS206の処理により充電器111から負荷102に電力122を供給する。
【0026】
一方、ステップS207において時間測定部107によって時間の測定が開始されてから設定時間が経過した場合、ステップS208において電力供給制御部108は、充電器111から負荷102に電力122を供給することを停止する。つまり、電力供給制御部108は、充電管理装置103と充電器111との接続が継続している時間が設定時間に達した時点t302以降である場合、充電器111から負荷102に電力122を供給することを停止する。例えば、電力供給制御部108は、充電器接続部105と負荷102間の電流路にスイッチングデバイスが設けられる場合、当該スイッチングデバイスによって充電器接続部105と負荷102間の電流路を遮断して、充電器111から負荷102に電力122を供給することを停止する。
【0027】
ステップS209において電力供給制御部108は、二次電池101から負荷102に放電電力123を供給する。例えば、電力供給制御部108は、二次電池101と負荷102間の電流路にスイッチングデバイスが設けられる場合、当該スイッチングデバイスによって二次電池101と負荷102間の電流路を導通する。これにより、電力供給制御部108は、二次電池101から負荷102に放電電力123を供給して、システム処理回路104に電子機器100の機能を実現する処理を行わせる。
【0028】
充電管理装置103はステップS208からステップS209の処理を実行することにより、二次電池101の充電状態が充電末である状態が長時間維持されることによる二次電池101の劣化を抑制しつつ、負荷102に電力が供給される状態を維持できる。さらに、充電管理装置103は、二次電池101の充電状態が充電末である場合において、二次電池101の劣化を抑制できる時間、二次電池101の充電状態の低下を抑制することで充電状態の低下による電子機器100の利便性の低下を抑制できる。
【0029】
ステップS210において電力供給制御部108は、二次電池101の充電状態が、充電末より低い特定充電状態まで低下したか否かを判定する。つまり、電力供給制御部108は、時間測定部107によって測定された時間が設定時間に達した時点t302以降に、二次電池101により放電された放電電力123を負荷102に供給して充電状態が充電末より低い特定充電状態まで低下したか否かを判定する。例えば、特定充電状態は、二次電池101が長時間一定電圧で維持されても電池劣化が進行しにくい状態である。ステップS210において電力供給制御部108は、二次電池101の電圧が予め定められた閾値以下に低下したことを、二次電池101の充電状態が特定充電状態まで低下したこととして判定してもよい。
【0030】
ステップS210において二次電池101の充電状態が特定充電状態まで低下していない場合、充電管理装置103はステップS209に処理を戻す。つまり、二次電池101の充電状態が特定充電状態まで低下するまで、二次電池101から負荷102に放電電力123が供給されることが継続される。
【0031】
一方、ステップS210において二次電池101の充電状態が特定充電状態まで低下した場合、ステップS211において電力供給制御部108は、二次電池101から負荷102に放電電力123を供給することを停止する。例えば、電力供給制御部108は、二次電池101と負荷102間の電流路にスイッチングデバイスが設けられる場合、当該スイッチングデバイスによって二次電池101と負荷102間の電流路を遮断して、二次電池101から負荷102に放電電力123を供給することを停止する。
【0032】
ステップS212において電力供給制御部108は、充電器111から負荷102に電力122を供給する。つまり、電力供給制御部108は、二次電池101の充電状態が特定充電状態まで低下した時点t303以降に、放電電力123を負荷102に供給することを停止し、充電器111により供給された電力122を負荷102に供給する。例えば、電力供給制御部108は、充電器接続部105と負荷102間の電流路にスイッチングデバイスが設けられる場合、当該スイッチングデバイスによって充電器接続部105と負荷102間の電流路を導通して、充電器111から負荷102に電力122を供給する。そして、電力供給制御部108は、電力122によりシステム処理回路104に電子機器100の機能を実現する処理を行わせる。
【0033】
電力供給制御部108は、電子機器100と充電器111との接続が解除されるまで、充電器111から負荷102に電力122を供給することを継続する。そのため、充電管理装置103は、ステップS211からステップS212の処理を実行することにより、二次電池101が充電及び放電することなく、特定充電状態を維持して二次電池101の充電状態の低下を抑制しつつ、充電器111から負荷102に電力122を供給して、システム処理回路104に電子機器100の機能を実現する処理を行わせることができる。さらに、充電管理装置103は、ステップS211からステップS212の処理を実行することにより、二次電池101の充電及び放電を抑制でき、充電及び放電による二次電池101の劣化を抑制できる。
【0034】
以上より、電子機器100は、充電器111と接続した状態が長時間継続した場合であっても、二次電池101の充電及び放電を抑制しつつ、充電状態を充電末より低く維持することで、二次電池101の劣化を抑制できる。
【0035】
(変形例1)本実施形態に係る充電管理装置103の変形例1として、時間測定部107は、二次電池101の充電状態が充電末に到達したことに応答して、時間を測定することを開始してもよい。その場合、ステップS207において電力供給制御部108は、二次電池101の充電状態が充電末に到達したことに応答して時間を測定することが開始されてから設定時間が経過したか否かを判定する。つまり、電力供給制御部108は、二次電池101の充電状態が充電末に到達してから設定時間、二次電池101は充電及び放電することなく、二次電池101の充電状態の低下を抑制しつつ、充電器111から負荷102に電力122を供給する。これにより、本変形例1においては、充電管理装置103は、二次電池101の充電状態が充電末に到達したことに応答して時間を測定することが開始されてから設定時間、二次電池101の充電状態の低下を抑制することにより、電子機器100の利便性の低下を抑制できる。
【0036】
(第二実施形態)
図4を参照して、第二実施形態について説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第一実施形態と実質的に共通の機能を有する構成及び処理を共通の符号で参照して説明を省略し、第一実施形態と異なる点を説明する。
【0037】
図4は、本実施形態に係る充電管理システム400の構成の一例を示す図である。充電管理システム400は、充電管理装置401と、二次電池402と、負荷403と、充電器404とを含む。充電管理装置401、二次電池402、充電器404は、それぞれ
図1に例示する充電管理装置103、二次電池101、充電器111と同様であるため、詳細な説明は省略する。さらに、充電管理装置401の機能的構成は、
図1に例示する充電管理装置103と同様であり、詳細な説明は省略する。ただし、第二実施形態においては、第一実施形態と異なり、充電管理装置401及び負荷403が異なる装置であり、負荷403が電子機器以外の装置を構成してもよい。
【0038】
充電管理装置401は、充電器404と二次電池402とに接続可能である。さらに、充電管理装置401は、負荷403に接続する。例えば、充電管理装置401は、CPUを備えるコンピュータにより実現される。充電器404は、二次電池402に充電電力411を供給する。負荷403は、充電器404から供給される電力412及び二次電池402から供給される放電電力413により動作する回路等であればよく、その詳細は問わない。
【0039】
充電管理装置401は、第一実施形態に係る充電管理装置103と同様に、二次電池101の充電及び放電を抑制しつつ、充電状態を充電末より低く維持することで、二次電池101の劣化を抑制できる。さらに、充電管理装置401は、第一実施形態に係る充電管理装置103と同様に、二次電池402の劣化を抑制しつつ、負荷403に動作を行わせることができる。
【0040】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態に夫々開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。更に、各実施形態に夫々開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0041】
100 電子機器、101 二次電池、102 負荷、103 充電管理装置、104 システム処理回路、105 充電器接続部、106 接続検出部、107 時間測定部、108 電力供給制御部、111 充電器、121 充電電力、122電力、123 放電電力、400 充電管理システム、401 充電管理装置、402 二次電池、403 負荷、404 充電器、411 充電電力、412 電力、413 放電電力