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特許7652882プロペラシャフトのヨーク及びプロペラシャフト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】プロペラシャフトのヨーク及びプロペラシャフト
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/24 20060101AFI20250319BHJP
   F16D 3/26 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
B60K17/24
F16D3/26 X
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023505153
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 JP2022001043
(87)【国際公開番号】W WO2022190619
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2021040280
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(72)【発明者】
【氏名】久保 昌史
(72)【発明者】
【氏名】石倉 健一郎
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102006039535(DE,A1)
【文献】特開2017-122830(JP,A)
【文献】特開2006-193375(JP,A)
【文献】特開2005-163179(JP,A)
【文献】特開平5-118343(JP,A)
【文献】特開2018-128139(JP,A)
【文献】特開2015-117741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0113083(US,A1)
【文献】特開2004-162738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/24
F16D 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラシャフトのヨークであって、
回転軸に固定される固定部と、
前記固定部から前記回転軸の回転軸線の方向である軸方向に沿って延出し、前記回転軸線を挟んで前記軸方向に直交する径方向に対向する一対のアーム部である第1アーム部及び第2アーム部と、
前記第1アーム部と前記第2アーム部を軸支する十字軸と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部の基端側に設けられたアーム基部と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部において前記アーム基部よりも先端側に設けられ、前記径方向の内側部が凹状に窪むことにより前記アーム基部に対して比較的薄肉に形成されたアーム先端部と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部の前記アーム基部の前記径方向の内側における前記回転軸線の周方向の両側縁部に前記軸方向に沿って延びるアーム内側縁面取り部と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部において、前記アーム基部の前記径方向の外側であって、かつ前記周方向の両側端縁に沿って設けられ、前記アーム内側縁面取り部よりも大きな前記周方向の幅を有し、かつ前記周方向の幅が概ね一定となるように前記軸方向に延在し、前記アーム基部の外側から前記回転軸線に向かって凹むアーム外側縁面取り部と、
を備えたことを特徴とするプロペラシャフトのヨーク。
【請求項2】
請求項1に記載のプロペラシャフトのヨークであって、
前記アーム外側縁面取り部は、切削面が平面状に形成されてなるC面取り状のアーム外側縁C面取り部と、前記アーム外側縁C面取り部と前記アーム基部の前記周方向の一側面とを滑らかに接続するR面取り状のアーム外側縁第1R面取り部と、前記アーム外側縁C面取り部と前記アーム基部の前記周方向の他側面とを滑らかに接続するR面取り状のアーム外側縁第2R面取り部と、を有することを特徴とするプロペラシャフトのヨーク。
【請求項3】
請求項2に記載のプロペラシャフトのヨークであって、
前記アーム外側縁第1R面取り部及び前記アーム外側縁第2R面取り部は、いずれも半径3mmのR面取りによって構成されたことを特徴とするプロペラシャフトのヨーク。
【請求項4】
請求項1に記載のプロペラシャフトのヨークであって、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部の前記周方向の側面と前記回転軸線とのなす角が3度以下に設定されていることを特徴とするプロペラシャフトのヨーク。
【請求項5】
請求項1に記載のプロペラシャフトのヨークであって、
前記アーム基部は、外側面が外方へ向かって膨出する円弧状の曲面によって形成されていることを特徴とするプロペラシャフトのヨーク。
【請求項6】
請求項1に記載のプロペラシャフトのヨークであって、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部は、前記十字軸が挿入されるアーム貫通孔の外側端部にザグリ部を有し、
前記ザグリ部は、前記軸方向において、一部が前記アーム外側縁面取り部と重なるように設けられたことを特徴とするプロペラシャフトのヨーク。
【請求項7】
軸部と、ヨークとを備えたプロペラシャフトであって、
前記ヨークは、
回転軸に固定される固定部と、
前記固定部から前記回転軸の回転軸線の方向である軸方向に沿って延出し、前記回転軸線を挟んで前記軸方向に直交する径方向に対向する一対のアーム部である第1アーム部及び第2アーム部と、
前記第1アーム部と前記第2アーム部を軸支する十字軸と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部の基端側に設けられたアーム基部と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部において前記アーム基部よりも先端側に設けられ、前記径方向の内側部が凹状に窪むことにより前記アーム基部に対して比較的薄肉に形成されたアーム先端部と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部の前記アーム基部の前記径方向の内側における前記回転軸線の周方向の両側縁部に前記軸方向に沿って延びるアーム内側縁面取り部と、
前記第1アーム部及び前記第2アーム部において、前記アーム基部の前記径方向の外側であって、かつ前記周方向の両側端縁に沿って設けられ、前記アーム内側縁面取り部よりも大きな前記周方向の幅を有し、かつ前記周方向の幅が概ね一定となるように前記軸方向に延在し、前記アーム基部の外側から前記回転軸線に向かって凹むアーム外側縁面取り部と、
を有することを特徴とするプロペラシャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロペラシャフトのヨーク及びプロペラシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロペラシャフトのヨークの一例として、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
このプロペラシャフトは、カルダンジョイントからなる自在継手を介して、車載の変速装置や差動装置の回転軸と接続されている。そして、この自在継手は、プロペラシャフトの回転軸線を挟んで対向するようにそれぞれ二股状に形成された一対のヨークである第1ヨークと第2ヨークとが十字軸を介して連結されることによって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-144817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の自在継手に用いられるヨーク(第1、第2ヨーク)は、アーム部の径方向外側における周方向両側縁部が角部によって構成されている。すなわち、当該アーム部の径方向外側面と、この径方向外側面と径方向内側面とを接続する周方向両側面と、がほぼ直角に接続されている。このため、当該アーム部の回転半径が大きくなり、他の車載部品と干渉してしまうおそれがあった。
【0006】
なお、この際、前記アーム部の回転半径を低減する手段として、第1ヨーク及び第2ヨークの各アーム部間の距離、すなわち第1ヨーク及び第2ヨークにおいて一方のアーム外側面と他方のアーム外側面との間の距離を短縮することが考えられる。ところが、このようなヨークのサイズダウンを行った場合には、ヨークを鍛造するための金型を新しく設計することを余儀なくされ、ヨークとプロペラシャフトの製造コストの低廉化に寄与することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、前記従来のプロペラシャフトのヨークの技術的課題に鑑みて案出されたものであり、第1アーム部と第2アーム部との外側面間距離を短縮することなく第1、第2アーム部の回転半径を縮小することができるプロペラシャフトのヨーク及びプロペラシャフトを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、その一態様として、第1アーム基部の径方向の外側においてプロペラシャフトの回転軸線の周方向の両側端縁に沿って延びるように設けられ、前記第1アーム基部の外側から前記回転軸線に向かって凹む第1アーム外側縁面取り部と、第2アーム基部の前記径方向の外側において前記回転軸線の周方向の両側端縁に沿って延びるように設けられ、前記第2アーム基部の外側から前記回転軸線に向かって凹む第2アーム外側縁面取り部と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1アーム部と第2アーム部との外側面間距離を短縮することなく、第1アーム部及び第2アーム部の回転半径を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るプロペラシャフトの側面図である。
図2図1に示す第1自在継手を軸部側から見た斜視図である。
図3図1に示す第2自在継手を軸部側から見た斜視図である。
図4図3に示す第2自在継手の第1ヨークを第2ヨーク側から見た斜視図である。
図5図4のA方向から見た矢視図である。
図6図4のB方向から見た矢視図である。
図7図3に示す十字軸の正面図である。
図8図5のC-C線断面図である。
図9】本発明に係るヨークの回転半径と従来のヨークの回転半径とを比較した図であり、本発明に係るヨーク及び従来のヨークの第1アーム部の平面図である。
図10】第1ヨークの他例を示す、図5のC-C線断面相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るプロペラシャフトのヨーク及びプロペラシャフトの実施形態について、図面に基づき詳述する。また、以下では、説明の便宜上、図1の左側を「前」、右側を「後」として説明すると共に、各図の回転軸線Zに沿う方向を「軸方向」、回転軸線Zに直交する方向を「径方向」、回転軸線Z周りの方向を「周方向」として説明する。
【0012】
(プロペラシャフトの構成)
図1は、本発明に係るプロペラシャフトPSの外観を表した、当該プロペラシャフトの側面図である。
【0013】
図1に示すように、プロペラシャフトPSは、車両の前方に配置される回転軸である図示外の第1回転軸と、車両の後方に配置される回転軸である図示外の第2回転軸と、の間に、車両の前後方向に沿って配置される。例えば、FR(フロントエンジン・リアドライブ)駆動方式の車両では、前記第1回転軸は、車両の前方に配置され、エンジンやモータ等の駆動源から回転力が伝達される変速装置(トランスミッション)の出力軸に相当し、また、前記第2回転軸は、車両の後方に配置され、車両の後輪へ回転力を伝達する差動装置(デファレンシャル)の入力軸に相当する。
【0014】
すなわち、本実施形態に係るプロペラシャフトPSは、軸部が前後に2分割された2ピース構造を有し、前記第1回転軸に接続される第1軸部材S1と前記第2回転軸に接続される第2軸部材S2とが、周知の等速ジョイントである第3自在継手J3を介して、回転軸線Zを中心に一体回転可能に接続されたものである。また、プロペラシャフトPSは、第3自在継手J3の近傍に配置された、周知のブラケットBKTを介して車体(図示外)に懸架されるセンターベアリングCBにより、回転可能に支持されている。
【0015】
プロペラシャフトPSの前端部は、カルダンジョイントによって構成される第1自在継手J1を介して、前記図示外の第1回転軸に接続される。同様に、プロペラシャフトPSの後端部についても、カルダンジョイントによって構成される第2自在継手J2を介して、前記図示外の第2回転軸に接続される。
【0016】
(自在継手の構成)
図2は、第1自在継手J1を軸部側から見た斜視図を示しており、図3は、第2自在継手J2を軸部側から見た斜視図を示している。なお、第1自在継手J1と第2自在継手J2は概ね同じ構成を有するものであるため、本実施形態では便宜上、第2自在継手J2についてのみ詳述することとし、第1自在継手J1のうち第2自在継手J2と同様の構成については、図2において第2自在継手J2と同一の符号を付すことにより、具体的な説明を省略する。
【0017】
図2に示すように、第1自在継手J1は、プロペラシャフトPSの第1軸部材S1(図1参照)に接続される第1ヨーク1と、前記第1回転軸に接続される第2ヨーク2と、からなる一対のヨークと、この一対のヨーク(第1ヨーク1と第2ヨーク2)の間に介在して両者を相対回動可能に連結する十字軸(スパイダ)3と、を備える。
【0018】
図3に示すように、第2自在継手J2は、プロペラシャフトPSの第2軸部材S2(図1参照)に接続される第1ヨーク1と、前記第2回転軸に接続される第2ヨーク2と、からなる一対のヨークと、この一対のヨーク(第1ヨーク1と第2ヨーク2)の間に介在して両者を相対回動可能に連結する十字軸(スパイダ)3と、を備える。
【0019】
第1ヨーク1は、例えば摩擦圧接によりプロペラシャフトPSの第2軸部材S2(図1参照)に固定される固定部としての筒状基部10と、筒状基部10の第2ヨーク2との対向面からプロペラシャフトPSの回転軸線Zに沿って第2ヨーク2側へ向かって平行に延びる一対の第1、第2アーム部11,12と、を有する。なお、筒状基部10と第1、第2アーム部11,12とは、例えば鋳造によって一体に形成されている。
【0020】
第1、第2アーム部11,12は、回転軸線Zに対して線対称に設けられている。第1、第2アーム部11,12の先端側には、回転軸線Zを挟んで対向する第1、第2アーム貫通孔110,120が、径方向(径方向線Yの方向)に沿って貫通形成されている。第1、第2アーム貫通孔110,120と十字軸3の両軸部31,33(図7参照)との間には、円筒状のニードル軸受4が挿入されていて、このニードル軸受4によって、十字軸3の両軸部31,33(図7参照)が回動可能に支持されている。なお、ニードル軸受4は、第1、第2アーム貫通孔110,120の外側端部に段差状に拡径形成してなる第1、第2ザグリ部110a,120aの各段部110b,120bをかしめることにより、第1、第2アーム貫通孔110,120において抜け止め固定される。なお、図3では、図示の都合上、第1、第2ザグリ部110a,120aの各段部110b,120bをかしめる前の状態を示している。
【0021】
第2ヨーク2は、概ね板状に形成されたフランジ部20と、このフランジ部20における第1ヨーク1との対向面からプロペラシャフトPSの回転軸線Zに沿って第1ヨーク1側へと平行に延びる一対のアーム部である第1アーム部11及び第2アーム部12と、を有する。なお、フランジ部20と第1、第2アーム部11,12とは、例えば鋳造によって一体に形成されている。
【0022】
フランジ部20は、概ね矩形板状を呈し、四隅にボルト貫通孔201が形成されていて、このボルト貫通孔201を貫通する図示外のボルトを介して前記第1回転軸に接続される。なお、フランジ部20の平面形状は、本実施形態で例示する矩形のほか、例えば円形や異形など、相手側である前記第1回転軸の接続形状に応じて自由に変更可能である。これは、第1自在継手J1における第2ヨーク2においても同様である。
【0023】
また、第2ヨーク2における一対の第1、第2アーム部21,22は、前述した第1ヨーク1における一対の第1、第2アーム部11,12と対をなして機能するものであって、基本的に、第1ヨーク1における第1、第2アーム部11,12と同様の構成を有する。よって、第2ヨーク2の第1、第2アーム部11,12については、第1ヨーク1の第1、第2アーム部11,12と同様の構成について当該第1ヨーク1の第1、第2アーム部11,12と同じ符号を付すことにより、具体的な説明を省略する。
【0024】
なお、第2ヨーク2における第1、第2アーム部11,12の基端部には、隣接するボルト貫通孔201に臨む側縁部に、各ボルト貫通孔201にボルト(図示外)を締結するためのボルト締結工具(例えばソケットレンチ)との干渉を逃げる工具逃げ凹部202が、第1、第2アーム部11,12の延出方向に沿って切欠形成されていることが望ましい。すなわち、第1、第2アーム部11,12と前記図示外のボルト締結工具との干渉を逃げた分だけ、フランジ部20において各ボルト貫通孔201をより内側に配置することが可能となり、第2自在継手J2の小型化に寄与することができる。なお、前記工具逃げ凹部202の形成は、図2に表示した第1自在継手J1の第2ヨーク2については適用されていないものの、当該第1自在継手J1についても有効であることは言うまでもない。
【0025】
(ヨークの構成)
図4は、図3に示す第2自在継手の第1ヨークを第2ヨーク側から見た斜視図を示している。図5は、図4のA方向から見た矢視図を示している。図6は、図4のB方向から見た矢視図を示している。図7は、図3に示す十字軸3の正面図を示している。
【0026】
図4図5に示すように、第1ヨーク1は、プロペラシャフトPSの第2軸部材S2(図1参照)に摩擦圧接によって固定される円筒状の筒状基部10と、筒状基部10の第2ヨーク2との対向端部に設けられた円板状のヨークボディ部13から回転軸線Zに沿って第2ヨーク2側へ向かって平行に延びる一対の第1、第2アーム部11,12と、を有する。
【0027】
第1、第2アーム部11,12は、図4図6に示すように、筒状基部10に接続される一般部としての第1、第2アーム基部111,121と、第1、第2アーム基部111,121よりも先端側へ突出形成され、径方向の内側部に第1、第2アーム切欠部113,123が形成された第1、第2アーム先端部112,122と、を有する。この第1アーム部11と第2アーム部12は、回転軸線Zを挟んで対称となる形状を有し、当該回転軸線Zを挟んで径方向(径方向線Yの方向)に対向するように、ヨークボディ部13の外周縁において、ヨークボディ部13に対する接線方向に沿って平行に配置されている。
【0028】
また、第1、第2アーム部11,12は、図5に示すように、先端側に向かって周方向の幅(アーム側面114a,114b間の距離)が徐々に減少する先細り状に形成されている。すなわち、この第1アーム部11は、一対のアーム側面114a,114bが、第1アーム部11の先端側へ向かうほど回転軸線Zに近づくように、回転軸線Zに対して傾斜状に設けられている。なお、この第1アーム部11の一対のアーム側面114a,114bと回転軸線Zとのなす角θ1,θ2は、3度以下に設定されていることが望ましい。かかる第1アーム部11についての一連の構成は、第2アーム部12についても同様である。
【0029】
第1、第2アーム基部111,121は、図6に示すように、ヨークボディ部13の外周縁からほぼ垂直に立ち上がり、概ね一定の肉厚により比較的厚肉に形成されている。また、第1、第2アーム基部111,121の先端側には、図5に示すように、平面視円形をなす第1、第2アーム貫通孔110,120が径方向線Yに沿って貫通形成されている。
【0030】
第1、第2アーム貫通孔110,120は、概ね一定の内径を有しており、内部にニードル軸受4を介して十字軸3の両軸部31,33を軸支する(図3参照)。また、第1、第2アーム貫通孔110,120の外側端部には、図4図5に示すように、ニードル軸受4のかしめ固定に供する第1、第2ザグリ部110a,120aが、第1、第2アーム貫通孔110,120の内周面に対して段差状に拡径形成されている。
【0031】
第1、第2ザグリ部110a,120aは、特に図5に示すように、周方向の両端部が、軸方向において第1、第2アーム外側縁面取り部115,125(後述する第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125b)と重なるように設けられている。この第1、第2ザグリ部110a,120aは、内側端部に形成された第1、第2段部110b,120bをかしめて当該第1、第2段部110b,120bの内周縁部を内側へ塑性変形させることにより、第1、第2アーム貫通孔110,120に収容されるニードル軸受4の脱落が規制される(図3参照)。
【0032】
また、第1、第2アーム基部111,121の先端部内側には、図6に示すように、先端に向かって第1、第2アーム基部111,121のアーム内側面111a,121aの距離を徐々に拡大してなる第1、第2アーム内側傾斜部111c,121cが形成されている。
【0033】
第1、第2アーム先端部112,122は、特に図4図5に示すように、軸方向において第1、第2アーム貫通孔110,120よりも外側に設けられ、当該第1、第2アーム貫通孔110,120の外周縁に沿って概ね円弧状に形成されている。また、第1、第2アーム先端部112,122は、図5に示すように、概ね楕円形状を呈し、径方向長さL1が軸方向長さL2よりも小さく設定されている。
【0034】
第1、第2アーム切欠部113,123は、図6に示すように、第1、第2アーム部11,12のアーム内側面111a,121aを径方向(径方向線Yの方向)の外側へ段差状に窪ませることによって形成されている。この第1、第2アーム切欠部113,123は、第1、第2アーム貫通孔110,120の外周縁に臨むように設けられていて、当該第1、第2アーム切欠部113,123を介して十字軸3の両軸部31,33を第1、第2アーム部11,12の先端側から第1、第2アーム貫通孔110,120に挿入可能となっている。
【0035】
また、第1、第2アーム基部111,121の外側における周方向の両側縁部には、図5に示すように、当該両側縁部に沿って延びる第1、第2アーム外側縁面取り部115,125が形成されている。第1、第2アーム外側縁面取り部115,125は、主として、平面状の切削面を有するC面取りによって構成されている。なお、この第1、第2アーム外側縁面取り部115,125は、軸方向において概ね一定の周方向幅となるように形成されている。
【0036】
また、第1、第2アーム基部111,121の内側における周方向の両側縁部には、図6に示すように、当該両側縁部に沿って延びる第1、第2アーム内側縁面取り部116,126が形成されている。第1、第2アーム内側縁面取り部116,126は、主として、平面状の切削面を有するC面取りによって構成されている。
【0037】
図8は、図5のC-C線に沿って切断した第1アーム部の横断面図を示している。
【0038】
図8に示すように、第1、第2アーム基部111,121は、アーム内側面111a,121aとアーム外側面111b,121bとが平行をなしていて、軸方向(第1、第2アーム部11,12の延出方向)において概ね一定の肉厚を有する、横断面がほぼ矩形状となるように形成されている。
【0039】
また、第1、第2アーム基部111,121の外側における両側縁部には、当該両側縁部に沿って延びる第1、第2アーム外側縁面取り部115,125が切欠形成されている。すなわち、第1、第2アーム外側縁面取り部115,125が形成されていることで、第1、第2アーム基部111,121の周方向両側端縁が、第1、第2アーム先端部112,122よりも径方向内側へ窪んだ構成となっている。また、前記第1、第2アーム外側縁面取り部115,125と同様に、第1、第2アーム基部111,121の内側の両側縁部においても、当該両側縁部に沿って延びる第1、第2アーム内側縁面取り部116,126が切欠形成されている。
【0040】
第1、第2アーム外側縁面取り部115,125は、切削面が平面状に形成されたC面取り状の第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aと、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aとアーム側面114a,124aとの間を滑らかに接続するR面取り状の第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125bと、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aとアーム側面114b,124bとの間を滑らかに接続するR面取り状の第1、第2アーム外側縁第2R面取り部115c,125cと、を有する。なお、第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125b及び第1、第2アーム外側縁第2R面取り部115c,125cは、いずれも半径3mmのR面取り(R3)に設定されることが望ましい。
【0041】
同様に、第1、第2アーム内側縁面取り部116,126は、切削面が平面状に形成されたC面取り状の第1、第2アーム内側縁C面取り部116a,126aと、第1、第2アーム内側縁C面取り部116a,126aとアーム側面114a,124aとの間を滑らかに接続するR面取り状の第1、第2アーム内側縁第1R面取り部116b,126bと、第1、第2アーム内側縁C面取り部116a,126aとアーム側面114b,124bとの間を滑らかに接続するR面取り状の第1、第2アーム内側縁第2R面取り部116c,126cと、を有する。なお、第1、第2アーム内側縁第1R面取り部116b,126b及び第1、第2アーム内側縁第2R面取り部116c,126cは、いずれも半径3mmのR面取り(R3)に設定されることが望ましい。
【0042】
ここで、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aは、第1、第2アーム内側縁C面取り部116a,126aよりも大きく形成されている。具体的には、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aの周方向幅W1が第1、第2アーム内側縁C面取り部116a,126aの周方向幅W3よりも大きく設定されていて、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aの径方向幅W2と第1、第2アーム内側縁C面取り部116a,126aの径方向幅W4は同じに設定されている。
【0043】
(本実施形態の作用効果)
図9は、本実施形態に係る第1ヨーク1の回転半径R1と従来のヨークXの回転半径Rxとを比較した図であって、第1ヨーク1と従来のヨークXに係る第1アーム部11,X1の平面図を示している。なお、本図に係る以下の説明では、第1ヨーク1及び従来のヨークXについて、便宜上、第1アーム部11,X1を例示して説明するが、第2アーム部12,X2についても同様である。
【0044】
前記従来のヨークXは、第1アーム部X1の外側における回転方向の両側縁部が角部によって構成されている。すなわち、従来のヨークXの第1アーム部X1は、アーム外側面111bとアーム側面114a,114bとがほぼ直角に接続されている。このため、ヨークXの回転半径Rxが大きくなり、他の車載部品と干渉してしまうおそれがあった。
【0045】
なお、この際、ヨークXの回転半径を低減する手段として、一方のアーム部(第1アーム部X1)のアーム外側面111bと、他方のアーム部(図示外の第2アーム部)のアーム外側面と、の間の距離を短縮することが考えられる。しかし、かかるヨークXのサイズダウンを行うには、ヨークXを鍛造するための金型を新たに設計することを余儀なくされ、ヨークXとプロペラシャフトPSの製造コストの低廉化に寄与することが困難であった。
【0046】
これに対して、本実施形態に係る第1ヨーク1によれば、以下の効果が奏せられることにより、前記従来のヨークXの技術的課題を解決することができる。
【0047】
具体的には、本実施形態に係るプロペラシャフトPSのヨーク(第1、第2ヨーク1,2)は、回転軸(第1、第2軸部材S1,S2)に固定される固定部(筒状基部10)と、固定部(筒状基部10)から前記回転軸の回転軸線Zの方向である軸方向に沿って延出し、回転軸線Zを挟んで前記軸方向に直交する径方向に対向する一対のアーム部である第1アーム部11及び第2アーム部12と、第1アーム部11と第2アーム部12を軸支する十字軸3と、第1アーム部11の基端側に設けられた第1、第2アーム基部111,121と、第1、第2アーム基部111,121よりも先端側に設けられ、径方向の内側部が凹状に窪むことにより第1、第2アーム基部111,121に対して比較的薄肉に形成された第1、第2アーム先端部112,122と、第1アーム部11及び第2アーム部12において、第1、第2アーム基部111,121の前記径方向の外側であって、かつ回転軸線Zの周方向の両側端縁に沿って前記軸方向に延びるように設けられ、第1、第2アーム基部111,121の外側から回転軸線Zに向かって凹む第1、第2アーム外側縁面取り部115,125と、を備えている。
【0048】
このように、本実施形態では、第1、第2アーム基部111,121の外側の両側端縁に沿ってそれぞれ第1、第2アーム外側縁面取り部115,125が形成されている。これにより、本実施形態に係る第1ヨーク1の第1、第2アーム部11,12の回転半径R1は、図9に明示されているように、従来のヨークXの第1、第2アーム部X1,X2の回転半径Rxよりも小さいものとなる。その結果、第1ヨーク1における第1、第2アーム部11,12の回転半径R1を縮小可能となり、第1ヨーク1及びこれを用いるプロペラシャフトPSのレイアウト性の向上を図ることができる。
【0049】
また、本実施形態では、第1、第2アーム外側縁面取り部115,125は、切削面が平面状に形成されてなるC面取り状の第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aと、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aと第1、第2アーム基部111,121の前記周方向の一側面(アーム側面114a)とを滑らかに接続するR面取り状の第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125bと、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aと第1、第2アーム基部111,121の前記周方向の他側面(アーム側面114b)とを滑らかに接続するR面取り状の第1、第2アーム外側縁第2R面取り部115c,125cと、を有する。
【0050】
このように、第1、第2アーム外側縁面取り部115,125では、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aが、第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125bと第1、第2アーム外側縁第2R面取り部115c,125cとで接続されていることにより、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aの周方向の両側端縁の角部化が抑制され、当該角部化による応力集中の発生を抑制することができる。
【0051】
また、第1、第2アーム外側縁C面取り部115a,125aが、第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125bと第1、第2アーム外側縁第2R面取り部115c,125cで接続されていることにより、第1ヨーク1を鍛造する際の型抜きが良好なものとなり、第1ヨーク1の成型性の向上を図ることができる。
【0052】
また、本実施形態では、第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125b及び第1、第2アーム外側縁第2R面取り部115c,125cは、いずれも半径3mmのR面取りによって構成されている。
【0053】
第1、第2アーム外側縁面取り部115,125におけるR面取りを大きく設定することにより、第1、第2アーム部11,12の回転半径を小さくすることができる反面、第1、第2アーム部11,12の断面積が減少し、第1、第2アーム部11,12の強度の低下を招来してしまうおそれがある。
【0054】
そこで、本実施形態では、第1、第2アーム外側縁第1R面取り部115b,125b及び第1、第2アーム外側縁第2R面取り部115c,125cが半径3mmのR面取りで構成されていることによって、第1、第2アーム部11,12の回転半径R1の縮小と、第1、第2アーム部11,12の強度低下の抑制との両立を図ることができる。
【0055】
また、本実施形態では、第1アーム部11及び第2アーム部12の前記周方向の側面(アーム側面114a,114b)と回転軸線Zとのなす角θ1,θ2が3度以下に設定されていることを特徴とするプロペラシャフトのヨーク。
【0056】
このように、第1、第2アーム部11,12における各アーム側面114a,114bと回転軸線Zとのなす角θ1,θ2、いわゆるドラフトアングルが3度以下に設定されていることによって、第1、第2アーム部11,12の外側面間の距離(第1アーム基部111の外側面と第2アーム基部121の外側面との距離)が縮小され、第1、第2アーム部11,12の回転半径R1をより小さくすることができる。また、第1、第2アーム部11,12の外側面間の距離が縮小されることによって、第1ヨーク1の屈曲角をより大きく確保することが可能となり、車両に対するプロペラシャフトPSの組み付け作業性を向上させることができる。
【0057】
一方、第1、第2アーム部11,12の各アーム側面114a,114bと回転軸線Zとのなす角θ1,θ2である、いわゆるドラフトアングルを小さく設定しすぎた場合、第1ヨーク1を鍛造する際の型抜きが困難となってしまう。そこで、第1、第2アーム部11,12の各アーム側面114a,114bと回転軸線Zとのなす角θ1,θ2が3度以下に設定されていることによって、第1ヨーク1の鍛造時における良好な型抜きを確保することができる。
【0058】
また、本実施形態では、第1、第2アーム先端部112,122は、前記径方向の長さが前記軸方向の長さよりも短い楕円形状を有する。
【0059】
このように、第1、第2アーム先端部112,122について、径方向長さL1が軸方向長さL2よりも短い楕円形状とされていることによって、第1、第2アーム先端部112,122を真円形状とする場合と比べて、第1、第2アーム部11,12の回転半径R1を縮小することができる。
【0060】
また、本実施形態では、第1アーム部11及び第2アーム部12は、十字軸3が挿入される第1、第2アーム貫通孔110,120の外側端部に第1、第2ザグリ部110a,120aを有し、第1、第2ザグリ部110a,120aは、前記軸方向において、一部が第1、第2アーム外側縁面取り部115,125と重なるように設けられている。
【0061】
このように、第1、第2ザグリ部110a,120aの一部が、第1、第2アーム外側縁面取り部115,125と重なるように設けられていることで、当該第1、第2ザグリ部110a,120aの形成に伴い、第1、第2アーム貫通孔110,120周縁の第1、第2アーム外側縁面取り部115,125のアーム外側面111b,121b側の端縁を削除することができる。これにより、前記第1、第2ザグリ部110a,120aにより削除された分、第1、第2アーム部11,12の回転半径R1を縮小することができる。
【0062】
(変形例)
図10は、本発明に係るプロペラシャフトのヨークの変形例を示す図であり、図5のC-C線に沿って切断した断面図に相当し、第1アーム部の横断面図を示している。
【0063】
図10に示すように、本実施形態に係るプロペラシャフトのヨーク(第1ヨーク1)は、第1、第2アーム基部111,121の各アーム外側面111b,121bが、それぞれ外方(径方向外側)へ向かって膨出する概ね円弧状の曲面によって形成されている。換言すれば、本実施形態では、第1、第2アーム基部111,121の各アーム外側面111b,121bが外方へ膨出形成されていることで、前記第1実施形態に係る第1、第2アーム基部111,121よりも比較的大きい断面積が確保されている。
【0064】
以上のように、本実施形態では、第1、第2アーム基部111,121の各アーム外側面111b,121bが外方へ膨出する円弧状の曲面によって形成されていることで、第1、第2アーム基部111,121の断面積が増大する結果、第1、第2アーム基部111,121の強度(剛性)を向上させることができる。
【0065】
本発明は、前記実施形態で例示した構成や態様に限定されるものではなく、前述した本発明の作用効果を奏し得るような形態であれば、適用対象の仕様やコスト等に応じて自由に変更可能である。
【0066】
以上説明した実施形態等に基づくプロペラシャフトのヨークとしては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
【0067】
すなわち、当該プロペラシャフトのヨークは、その1つの態様において、プロペラシャフトのヨークであって、回転軸に固定される固定部と、前記固定部から前記回転軸の回転軸線の方向である軸方向に沿って延出し、前記回転軸線を挟んで前記軸方向に直交する径方向に対向する一対のアーム部である第1アーム部及び第2アーム部と、前記第1アーム部と前記第2アーム部を軸支する十字軸と、前記第1アーム部及び前記第2アーム部の基端側に設けられたアーム基部と、前記第1アーム部及び前記第2アーム部において前記アーム基部よりも先端側に設けられ、前記径方向の内側部が凹状に窪むことにより前記アーム基部に対して比較的薄肉に形成されたアーム先端部と、前記第1アーム部及び前記第2アーム部において、前記アーム基部の前記径方向の外側であって、かつ前記回転軸線の周方向の両側端縁に沿って前記軸方向に延びるように設けられ、前記アーム基部の外側から前記回転軸線に向かって凹むアーム外側縁面取り部と、を備えている。
【0068】
前記プロペラシャフトのヨークの好ましい態様において、前記アーム外側縁面取り部は、切削面が平面状に形成されてなるC面取り状のアーム外側縁C面取り部と、前記アーム外側縁C面取り部と前記アーム基部の前記周方向の一側面とを滑らかに接続するR面取り状のアーム外側縁第1R面取り部と、前記アーム外側縁C面取り部と前記アーム基部の前記周方向の他側面とを滑らかに接続するR面取り状のアーム外側縁第2R面取り部と、を有する。
【0069】
別の好ましい態様では、前記プロペラシャフトのヨークの態様のいずれかにおいて、前記アーム外側縁第1R面取り部及び前記アーム外側縁第2R面取り部は、いずれも半径3mmのR面取りによって構成されている。
【0070】
さらに別の好ましい態様では、前記プロペラシャフトのヨークの態様のいずれかにおいて、前記第1アーム部及び前記第2アーム部の前記周方向の側面と前記回転軸線とのなす角が3度以下に設定されている。
【0071】
さらに別の好ましい態様では、前記プロペラシャフトのヨークの態様のいずれかにおいて、前記アーム先端部は、前記径方向の長さが前記軸方向の長さよりも短い楕円形状を有する。
【0072】
さらに別の好ましい態様では、前記プロペラシャフトのヨークの態様のいずれかにおいて、前記アーム基部は、外側面が外方へ向かって膨出する円弧状の曲面によって形成されている。
【0073】
さらに別の好ましい態様では、前記プロペラシャフトのヨークの態様のいずれかにおいて、前記第1アーム部及び前記第2アーム部は、前記十字軸が挿入されるアーム貫通孔の外側端部にザグリ部を有し、前記ザグリ部は、前記軸方向において、一部が前記アーム外側縁面取り部と重なるように設けられている。
【0074】
また、前述した実施形態に基づくプロペラシャフトとしては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
【0075】
すなわち、当該プロペラシャフトは、その一態様として、軸部と、ヨークとを備えたプロペラシャフトであって、前記ヨークは、回転軸に固定される固定部と、前記固定部から前記回転軸の回転軸線の方向である軸方向に沿って延出し、前記回転軸線を挟んで前記軸方向に直交する径方向に対向する一対のアーム部である第1アーム部及び第2アーム部と、前記第1アーム部と前記第2アーム部を軸支する十字軸と、前記第1アーム部及び前記第2アーム部の基端側に設けられたアーム基部と、前記第1アーム部及び前記第2アーム部において前記アーム基部よりも先端側に設けられ、前記径方向の内側部が凹状に窪むことにより前記アーム基部に対して比較的薄肉に形成されたアーム先端部と、前記第1アーム部及び前記第2アーム部において、前記アーム基部の前記径方向の外側であって、かつ前記回転軸線の周方向の両側端縁に沿って延びるように設けられ、前記アーム基部の外側から前記回転軸線に向かって凹むアーム外側縁面取り部と、を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10