(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】電池充電制御方法、システム、車両、可読記憶媒体及び機器
(51)【国際特許分類】
H02J 7/10 20060101AFI20250319BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20250319BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250319BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20250319BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20250319BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2023547093
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2022070778
(87)【国際公開番号】W WO2022166524
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】202110169031.X
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ミン
(72)【発明者】
【氏名】リャン ジャンイン
(72)【発明者】
【氏名】リ ヤンクン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ チャンジュアン
(72)【発明者】
【氏名】ティアン チン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ズオミン
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-171711(JP,A)
【文献】特開2004-056935(JP,A)
【文献】特開2004-215459(JP,A)
【文献】特開2008-118790(JP,A)
【文献】特開2018-170167(JP,A)
【文献】特開2010-049916(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0025878(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池充電制御方法であって、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定するステップと、
充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するステップと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するステップと、を含
み、
前記充電許容電流値を決定するステップにおいて、前記取得した電池の現在状態における単体電池の電圧が電流下げ閾値に達した場合、前記充電許容電流値を低くすることを特徴とする電池充電制御方法。
【請求項2】
前記電池の現在状態は、電池荷電状態、温度、電圧及び内部抵抗値を含むことを特徴とする請求項1に記載の電池充電制御方法。
【請求項3】
充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、PIループによって母線電圧と電池電圧との間の差値を計算することを特徴とする請求項1に記載の電池充電制御方法。
【請求項4】
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御する具体的な過程は、現在母線電圧と電池電圧との間の差値と、電池充電開始時間の電圧値との和を、最終の現在充電電圧値とし、当該電圧値に達するように母線電圧を制御して、充電電流の制御を実現するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の電池充電制御方法。
【請求項5】
電池充電制御方法であって、
取得した各クラスター電池の現在状態に基づいて、各クラスター電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定するステップと、
前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するステップと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するステップと、を含むことを特徴とする電池充電制御方法。
【請求項6】
各クラスター電池の間は並列接続されることを特徴とする請求項5に記載の電池充電制御方法。
【請求項7】
前記
各クラスター電池の現在状態は、全ての電池の荷電状態、温度、電圧及び内部抵抗値を含むことを特徴とする請求項5に記載の電池充電制御方法。
【請求項8】
充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、PIループによって母線電圧と電池電圧との間の差値を計算することを特徴とする請求項5に記載の電池充電制御方法。
【請求項9】
現在母線電圧と電池電圧との間の差値と、電池充電開始時間の電圧値との和を、最終の現在充電電圧値とし、当該電圧値に達するように母線電圧を制御して、充電電流の制御を実現することを特徴とする請求項5に記載の電池充電制御方法。
【請求項10】
電池充電制御システムであって、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定するように配置されるパラメータ配置モジュールと、
充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するように配置される計算モジュールと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するように配置される充電制御モジュールと、を含
み、
前記パラメータ配置モジュールは、前記取得した電池の現在状態における単体電池の電圧が電流下げ閾値に達した場合、前記充電許容電流値を低くすることを特徴とする電池充電制御システム。
【請求項11】
電池充電制御システムであって、
取得した各クラスターの電池の現在状態に基づいて、各クラスター電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定するように配置されるパラメータ配置モジュールと、
前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するように配置される計算モジュールと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するように配置される充電制御モジュールと、を含むことを特徴とする電池充電制御システム。
【請求項12】
制御システムであって、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定して、充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算して、当該差値に基づいて最終要求する充電電圧値を決定するように配置される電池管理システムと、
電池管理システムの最終要求する充電電圧値を受信して、当該値で母線電圧を制御するように配置される車両全体コントローラと、を含
み、
前記電池管理システムは、前記取得した電池の現在状態における単体電池の電圧が電流下げ閾値に達した場合、前記充電許容電流値を低くすることを特徴とする制御システム。
【請求項13】
制御システムであって、
取得した各クラスター電池の現在状態に基づいて、各クラスター電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定して、前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算して、当該差値に基づいて最終要求する充電電圧値を決定するように配置される電池管理システムと、
電池管理システムの最終要求する充電電圧値を受信して、当該値で母線電圧を制御するように配置される車両全体コントローラと、を含むことを特徴とする制御システム。
【請求項14】
コンピュータ可読記憶媒体であって、複数の指令が記憶され、前記指令は端末機器のプロセッサによってロードされて、請求項1~9の何れか1項に記載の電池充電制御方法のステップを実行することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
端末機器であって、プロセッサと、コンピュータ可読記憶媒体とを含み、プロセッサは各指令を実現し、コンピュータ可読記憶媒体は複数の指令を記憶し、前記指令はプロセッサによってロードされて、請求項1~9の何れか1項に記載の電池充電制御方法のステップを実行することを特徴とする端末機器。
【請求項16】
車両であって、請求項10~13の何れか1項に記載の制御システム、請求項14に記載の可読記憶媒体、又は請求項15に記載の端末機器を含むことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池充電の技術分野に属して、具体的に電池充電制御方法、システム、車両、可読記憶媒体及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本部分の陳述は、本開示の関連の背景技術情報を提供しており、必然的に先行技術を構成するわけではない。
【0003】
現在、電流制御を行う時、電池並列接続充電システムは一般的に母線総電流を制御し、並列接続の規則に従って、各電池に分配される電流は未知であるため、一定の問題が存在し、特に、複数クラスターの電池並列接続充電システムにとって、問題が特に突出する。
【0004】
先行して満充電になるクラスター電池が存在する可能性があり、複数クラスターが並列接続されるので、1クラスターの電池が満充電になった後、過充電を防止するために、電池を引き続いて充電せず、これによって、他の電池が長期に亘って極度に未満充電の状態にあり、充電効率が低すぎて、電池の内部抵抗は寿命の衰退に連れて大きくなり、このような状況が長期に亘って出現すると、電池の実際充電量がますます小さくなり、電池の使用可能な電力量がますます小さくなり、電池の性能に影響する。
【0005】
また、クラスター電池に分配される充電電流が、当該クラスター電池の現在の充電電流制限を超える状況が存在する可能性があり、電池が長期に亘って過電流で充電される状態にあると、電池を損壊して、電池の寿命及び安全性能にひどく影響して、さらに、被充電対象の動作状態に影響し、各クラスター電池に対して小さな値で制御すれば、充電過程で過充電になる電池がないことを保証して、安全事故を回避するが、同じように、一部クラスター電池が依然に未満充電の状態にあるという問題を招致する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題を解决するために、本開示は電池充電制御方法、システム、車両、可読記憶媒体及び機器を提出し、充電過程で充電電圧を継続的に調節することで、充電電流を制御するという目的を達成し、各クラスターの電池の充電電流が充電電流限界値を超えないことを保証し、充電過程の制御精度を向上する一方、充電の安全性も高める。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施例によれば、本開示は以下の技術案を採用し、
本開示の第1態様は、単一クラスター並列接続電池システムに適用される電池充電制御方法を提供し、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定するステップと、
充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するステップと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するステップと、を含む。
【0008】
上記技術案において、単一クラスターの電池にとって、電池の現在状態に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値ΔUをリアルタイムに更新して調整し、単体電池の電圧が電流下げ閾値に達した場合、ΔUの値は短時間で負値になり、これによって母線電圧を低くして、電流下げの制御を実現し、電流は明らかに変動することなく、電圧と電流との追従性がよい。リアルタイムに調整することで、電池の間の充電の一致性を大きな程度で保証する。電池充電量の差を低減する。
【0009】
好適な実施形態として、前記電池の現在状態は電池荷電状態、温度、電圧及び内部抵抗値を含む。
【0010】
好適な実施形態として、充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、PIループによって母線電圧と電池電圧との間の差値を計算する。
【0011】
好適な実施形態として、前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御する具体的な過程は、現在母線電圧と電池電圧との間の差値と、電池充電開始時間の電圧値との和を、最終の現在充電電圧値とし、当該電圧値に達するように母線電圧を制御して、充電電流の制御を実現するステップを含む。
【0012】
本開示の第2態様は、複数クラスター並列接続電池システムに適用される電池充電制御方法を提供し、
取得した各クラスターの電池の現在状態に基づいて、各クラスターの電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定するステップと、
前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するステップと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するステップと、を含む。
【0013】
上記技術案によれば、複数クラスターの電池システムにおいて、全ての電池の情報を制御して総合し、複数クラスターの電池における最小の充電電流限界値を計算し、最小の充電電流限界値で充電電圧を計算してから、母線電圧を制御することで、全てのクラスターの電池の安全性を保証でき、また、実際状態に基づいて継続的に調整して制御することで、母線電圧を制御して、電池状態の変更に対する応答が迅速であり、充電過程の制御精度を向上する。
【0014】
好適な実施形態として、各クラスターの電池の間は並列接続される。
【0015】
好適な実施形態として、前記電池の現在状態は全ての電池の荷電状態、温度、電圧及び内部抵抗値を含む。
【0016】
好適な実施形態として、充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、PIループによって母線電圧と電池電圧との間の差値を計算する。
【0017】
好適な実施形態として、現在母線電圧と電池電圧との間の差値と、電池充電開始時間の電圧値との和を、最終の現在充電電圧値とし、当該電圧値に達するように母線電圧を制御して、充電電流の制御を実現する。
【0018】
本開示の第3態様は電池充電制御システムを提供し、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定するように配置されるパラメータ配置モジュールと、
充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するように配置される計算モジュールと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するように配置される充電制御モジュールと、を含む。
【0019】
本開示の第4態様は電池充電制御システムを提供し、
取得した各クラスターの電池の現在状態に基づいて、各クラスター電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定するように配置されるパラメータ配置モジュールと、
前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するように配置される計算モジュールと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するように配置される充電制御モジュールと、を含む。
【0020】
本開示の第5態様は制御システムを提供し、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定して、充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算して、当該差値に基づいて最終要求する充電電圧値を決定するように配置される電池管理システムと、
電池管理システムの最終要求する充電電圧値を受信して、当該値で母線電圧を制御するように配置される車両全体コントローラと、を含む。
【0021】
本開示の第6態様は制御システムを提供し、
取得した各クラスターの電池の現在状態に基づいて、各クラスター電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定して、前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算して、当該差値に基づいて最終要求する充電電圧値を決定するように配置される電池管理システムと、
電池管理システムの最終要求する充電電圧値を受信して、当該値で母線電圧を制御するように配置される車両全体コントローラと、を含む。
【0022】
本開示の第7態様はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、複数の指令が記憶され、前記指令は端末機器のプロセッサによってロードされて、前記何れか1つの電池充電制御方法中のステップを実行する。
【0023】
本開示の第8態様は端末機器を提供し、プロセッサと、コンピュータ可読記憶媒体とを含み、プロセッサは各指令を実現し、コンピュータ可読記憶媒体は複数の指令を記憶し、前記指令はプロセッサによってロードされて、前記何れか1つの電池充電制御方法のステップを実行する。
【0024】
本開示の第9態様は車両を提供し、上記制御システム、可読記憶媒体又は端末機器を含む。
【発明の効果】
【0025】
従来技術に比べると、本開示の有益な効果は以下の通りであり、
本開示は、電池の現在状態を監視することで、母線電圧と電池電圧との間の差値ΔUの値をリアルタイムに調整し、電池システムの単体電圧が電流下げ閾値に達した場合、ΔUの値は短時間で負値になり、これによって母線電圧を低くして、電流下げの制御を実現する。シミュレーション結果から分かるように、本開示の制御方法は電池SOCが常に安定に増加して、電流が明らかに変動することないことを保証でき、電圧と電流との追従性がよい。
【0026】
本開示は複数クラスター並列接続電池システムに適用される場合、全ての電池の情報を総合して、複数クラスターの電池における最小の充電電流限界値を計算し、最小の充電電流限界値で充電電圧を計算してから、母線電圧を制御することで、各電池の安全性能を最大限に保証する。
【0027】
本開示において、充電電圧を継続的に調節することで、充電電流を制御するという目的を達成し、電池状態の変更に対する応答が迅速であり、電池管理システムに検出誤差が存在する場合でも、PIループの調節によって検出誤差の影響を除去して、充電過程の制御精度をさらに向上し、制御精度を向上すれば、充電安全性も向上する。
【0028】
本開示において、充電過程で充電電流に対する制御が正確であるため、充電が終了した場合、電池システム全体の実際の充電容量が、満充電状態に近似し、各電池状態が略一致することを保証して、電池保護にさらに寄与し、充電時間が長くなることなく、充電効率を効果的に向上する。
【0029】
本開示の上記目的、特徴及び利点がより明らか且つ分かりやすくなるために、以下、好適な実施例を挙げて、添付の図面を結合して、詳しく説明する。
【0030】
本開示の一部を構成する明細書の図面は、本開示に対するさらなる理解を提供し、本開示の模式的な実施例及びその説明は本開示に対する不当な限定を構成せず、本開示を解釈するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の実施例1の制御原理の模式図である。
【
図2】本開示の実施例1の充電過程の模式図である。
【
図3】本開示の実施例1の充電効果の模式図である。
【
図4】本開示の実施例2の制御原理の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面及び実施例を結合して本開示をさらに説明する。
【0033】
ここで、以下の詳しい説明は何れも例示的なものであり、本開示に対してさらなる説明を提供する。特に説明がない限り、本明細書が使用する全ての技術及び科学用語は、本開示の当業者の通常理解と同様な意味を具備する。
【0034】
ここに使用する用語は本開示による例示的な実施形態を限定せず、ただ具体的な実施形態を記載するためのものである。明細書において明らかに指示しない限り、ここに使用する単数形態は複数形態も含み、また、本明細書において「包含」及び/又は「含む」という用語を使用する場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、ユニット及び/又はそれらの組み合わせが存在することを示す。
【0035】
本開示において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「側」、「底」などの用語が指示する方位又は位置関係は、図面による方位又は位置関係であり、本開示の何れかの部材又は素子を特に指示するためのものではなく、本開示の各部材又は素子構造関係を便利に記載するための関係語に過ぎず、本開示に対する限定として理解されるべきではない。
【0036】
本開示において、「固定接続」、「連結」、「接続」などの用語を広義で理解すべきであり、固定接続であってもよいし、一体接続又は取り外し可能な接続であってもよいし、直接連結であってもよいし、中間媒体による間接的な連結であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて、上記用語の本開示中の具体的な意味を決定すればよく、本開示に対する限定として理解されるべきではない。
【0037】
当業者は本発明が提供する技術案の改良を明らかに理解するために、複数クラスター電池並列接続充電の解決策を例として詳しく紹介する。
【0038】
現在の複数クラスター電池並列接続充電の解決策の第1種は定電圧充電方式であり、その実現方法は、母線電圧を1つの固定値に制御することで、電池を充電する。定電圧充電過程で、電池電圧が母線電圧に等しくなるまで、充電電流は電池電圧が母線電圧に接近することに連れて小さくなる。実際のプロジェクトでこのような方法は理想の効果に達しにくく、両クラスター電池の内部抵抗の差、及び回路抵抗の差などの先天的要因のため、複数クラスター電流の間で、電流ムラという現象が出現し、そうすれば、先行して満充電になる電池があり、複数クラスターが並列接続されるため、1クラスターの電池が満充電になった後、過充電を防止するために、電池を引き続いて充電できず、このようになると、他の電池が長期に亘って未満充電の状態にあり、充電効率が低すぎて、電池の内部抵抗は寿命の衰退に連れて大きくなり、定電圧充電の解決策を使用すれば、長年にわたって蓄積されると、実際の充電量がますます小さくなり、電池の使用可能な電力量がますます小さくなる。
【0039】
充電容量が少ない他に、定電圧充電は過充電、過電流という問題を招致しやすく、電池の内部抵抗が小さいため、電池電圧が低い場合、母線電圧が高く設定されると、充電の瞬間に非常に大きな電流衝撃があり、数百さらに数千Aに達する場合もあり、大きな電流衝撃は電気デバイス及び電池寿命を損傷させ、最も重要なことは、電池の過分極を招致して、電池電圧の増加速度が早まって、安全使用のために、電池は事前保護を行って、長期に亘って使用すれば、安全事故を招致する恐れがある。
【0040】
従って、現在、第2種の段階的な電流下げ充電の制御解決策が大幅に適用されている。
【0041】
段階的な電流下げ充電は、母線電流を段階的に低減させるように制御することで、電池を充電することである。リチウム電池を充電する時、電池の電圧によって電池が満充電になるかどうかを判定し、電流の大きさが異なる時、リチウム電池は異なる分極特性を表現し、概して、電流が大きいほど、分極が大きく、即ち、充電電圧の上限に達する時間が短く、概して、充電可能な電力量が少ない。従って、電池分極が電流の大きさに連れて変更するという特点によれば、段階的な電流下げ充電の解決策を使用し、即ち、充電が開始する時、大きな電流値で定電流充電を行って、電池電圧がほぼ満充電に達した場合、電流を半分低減して充電を行って、この時、電流が低下して、電池の分極が弱まるため、電圧はある程度で低減し、電池は継続的に充電でき、このように繰り返して、電流が所定値以下に低減して、電圧の上限に充電すると、充電が終了するとみなされる。このような充電方法の利点は以下の通りであり、即ち、充電効率が高く、充電時間が増加しない場合、充電可能な電力量がより多く、そして、充電電圧に基づいて充電を制御するため、上記の定電圧充電の解決策より安全である。
【0042】
現在、複数クラスターで動作する電池システムは何れも定電流充電の解決策を使用し、定電流充電の解決策は単一クラスターの電池システムに適用されると、利点が多いが、複数クラスター電池システムに適用されると、定電圧充電と同様な問題がある。
【0043】
複数クラスターの電池システムにおいて定電流充電を行う時、電池管理システムは電池のリアルタイムな電圧及び温度などのパラメータに基づいて車両全体コントローラに電池の充電電流値を要求し、車両全体コントローラは電池管理システムの要求値に基づいて母線電流値を調整して、充電制御という目的を達成する。複数クラスターが並列接続されるシステムにおいて、全ての電池の状態は完全に一致するのは不可能であり、以上に言及された、異なる電池の充電速度の不一致、内部抵抗の不一致、寿命衰退速度の不一致以外に、さらに構造設計などの要因による放熱問題によって招致される電池温度の不一致などの問題があり、何れも異なる電池管理システムが要求する充電電流値の不一致を招致し、車両全体コントローラは母線電流しか制御できないため、要求する複数の充電電流値から最小値を選択して母線電流を制御することしかできず、そうすれば、充電過程で過充電になる電池が出現して、安全事故を招致することがないように保証できる。このような制御方法を使用しても、定電圧充電と同様な問題が出現し、即ち、1クラスターの電池のみが満充電になり、他のものは依然に未満充電の状態にある。
【0044】
また、電池管理システムの検出精度の影響のため、実際の制御効果がより悪く、依然に過充電のリスクが存在し、また、電力量は全部満充電状態になることを保証しにくく、使用要求を満たすために、電力量を多く分配する必要があるため、多くのコストを増やす。
【0045】
以上のように、複数クラスターが並列接続される電池にとって、その総電圧は同様であるため、充電電流を制御する好適な方式は、母線電圧を制御して、母線電圧の上昇及び低下によって、充電電流を制御するという目的を達成する。
【0046】
各クラスター電池にとって、許容される充電電流値は現在の電池の状態に応じて異なり、当該許容電流値に基づいて計算することで取得される電圧も異なり、いくつかのクラスターの計算後の電圧値のうちの最低電圧を充電電圧とすることで、各クラスターの電池の充電電流が何れも制限電流値を超えないという要求を満たすことができる。
【0047】
伝統の充電解決策において、定電圧充電値又は定電流充電値は設定された後、不変であり、次の段階の制御条件を満たさないまでに、充電制御値は変更せず、これによって、充電制御は柔軟ではなく、電池状態に即時に応答しにくく、電池が故障するか、又はいくつかのデバイス損壊が出現した時、充電の制御に即時に応答できない。
【0048】
従来の充電解決策の欠陥を解决するために、本開示は充電方法を提供し、充電効率を向上するとともに、充電過程の安全を保証できる。充電許容電流値によって母線電圧と電池電圧とが保持すべき差値を計算し、電池電圧を上げるように、電流制御を実現する。電圧を制御することで、電流制御を実現する方式は、伝統の充電方法より柔軟であり、応答速度がより迅速になり、充電電流を常に充電電流限界値以下に保持するとともに、充電の全体過程を延長することなく、充電効率を向上する。
【0049】
以下、異なる実施例を使用して詳しく紹介し、
実施例1:
単一クラスター並列接続電池システムにとって、制御原理は
図1を参照すればよく、本実施例において、PIループ制御の方式で電圧制御・電流制限の制御を行う。
【0050】
まず、電池の現在状態、例えばSOC、温度、電圧、内部抵抗などに基づいて、現在状態で電池システムの充電許容電流値を計算する。無論、他の実施例において、他の状態パラメータ、例えば湿度、使用済み時間などを包含するか又は参照してもよい。
【0051】
例示として、充電の制御ロジックは以下のように設定され、定電流3Cは、最高単体電圧が2.55Vに達するまで充電し、電流下げ2Cは、最高単体電圧が2.6Vに達するまで充電し、電流下げ1Cは、最高単体電圧が2.7Vに達するまで充電し、
図2を参照すればよい。
【0052】
許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差を取得して、差値をPI部分の入力として、計算モデルに入力し、
そして、PIループ計算を行って、実際の原理は電圧電流関係であり、ΔU値を取得し、当該値は、充電電流を第1ステップによる充電許容電流値に制御するための、母線電圧と電池電圧との間の差値、即ち、ΔU値であり、
最後、電池充電の開始時間の電圧値と、前のステップによるΔU値との和を取得して、最終要求する充電電圧値とし、当該電圧値に達するように母線電圧を制御して、充電電流のリアルタイムな調整制御を実現する。
【0053】
上記解決策は、電池の現在状態を監視することで、ΔUの値をリアルタイムに調整し、システムの単体電圧が電流下げ閾値に達した場合、ΔUの値は短時間で負値になり、これによって母線電圧を低くして、電流下げの制御を実現する。
【0054】
上記の充電方法を使用して充電テストを行って、充電過程の曲線について
図3を参照すればよく、充電曲線から分かるように、電池SOCは安定に増加し、電流は明らかに変動することなく、電圧と電流との追従性がよい。
【0055】
実施例2:
複数クラスター並列接続電池システムにとって、充電電圧の計算は、複数クラスターの電池情報を総合する必要があり、当業者が技術案を容易に理解するように、本実施例において、両クラスターの電池並列接続システムを例として説明するが、本技術案は、両クラスターの電池並列接続システムにしか適用できないわけではなく、両クラスター以上並列接続電池システムは何れも本技術案を使用する。
【0056】
複数クラスター電池並列接続システムの制御は、全ての電池の情報を総合して、複数クラスターの電池における最小の充電電流限界値を計算し、最小の充電電流限界値で充電電圧を計算してから、母線電圧をリアルタイムに調整して制御する。
【0057】
具体的に記載するように、SOC、温度、電圧、内部抵抗などを含むが、これらに限定されない電池の現在状態に基づいて、現在状態で電池システムの充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を、最小の充電電流限界値として決定するステップと、
最小の充電電流限界値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差を取得し、差値をPI部分の入力として、計算モデルに入力するステップと、
そして、PIループ計算を行って、実際の原理は電圧電流関係であり、ΔU値を取得するステップであって、当該値は、充電電流を取得される最小の充電電流限界値に制御するための、母線電圧と電池電圧との間の差値、即ち、ΔU値であるステップと、
最後、電池充電の開始時間の電圧値と前のステップによるΔU値との和を取得して、最終要求する充電電圧値とし、当該電圧値に達するように母線電圧を制御して、充電電流の制御を実現するステップと、を含む。
【0058】
無論、
図4に示すように、各充電電流限界値をPIループに入力して計算して、異なるΔU値を取得してから、計算モジュールによって、最小の充電電流限界値に対応するΔU値を決定してもよく、計算される充電電圧値は最終充電電圧値である。
【0059】
このような充電方法は、充電電圧を継続的に調節することで、充電電流を制御するという目的を達成し、電池状態の変更に対する応答が迅速であり、電池管理システムに検出誤差が存在する場合でも、PI調節によって検出誤差の影響を除去して、充電過程の制御精度をさらに向上し、制御精度を向上すれば、充電安全性も向上する。充電過程で充電電流に対する制御が正確であるため、充電が終了した場合、電池システム全体の実際の充電容量が伝統方法より多いが、充電時間が長くなることないため、充電効率を効果的に向上する。
【0060】
実施例3:
単一クラスター電池並列接続システムの充電制御システムであって、実施例1が提供する制御方法を実現する。
【0061】
本実施例において、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定するように配置されるパラメータ配置モジュールと、
充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するように配置される計算モジュールと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するように配置される充電制御モジュールと、を含む。
【0062】
実施例4:
複数クラスター電池並列接続システムの充電制御システムであって、実施例2が提供する制御方法を実現する。
【0063】
本実施例において、
取得した各クラスターの電池の現在状態に基づいて、各クラスターの電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定するように配置されるパラメータ配置モジュールと、
前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算するように配置される計算モジュールと、
前記母線電圧と電池電圧との間の差値に基づいて、母線電圧を制御して、充電制御を実現するように配置される充電制御モジュールと、を含む。
【0064】
実施例5:
単一クラスター電池並列接続システムは車両に適用される場合、電池管理システムを使用して車両全体コントローラと協働して、実施例1が提供する制御方法を実現する。
【0065】
本実施例において、制御システムであって、
取得した電池の現在状態に基づいて、適合する充電許容電流値を決定して、充電許容電流値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算して、当該差値に基づいて最終要求する充電電圧値を決定するように配置される電池管理システムと、
電池管理システムの最終要求する充電電圧値を受信して、当該値で母線電圧を制御するように配置される車両全体コントローラと、を含む。
【0066】
実施例6:
複数クラスター電池並列接続システムは車両に適用される場合、電池管理システムを使用して車両全体コントローラと協働して、実施例2が提供する制御方法を実現する。
【0067】
本実施例において、制御システムは、
取得した各クラスターの電池の現在状態に基づいて、各クラスター電池の適合する充電許容電流値を計算して、そのうちの最小値を決定して、前記充電許容電流値の最小値とリアルタイムサンプリングによる電流値との差値に基づいて、母線電圧と電池電圧との間の差値を計算して、当該差値に基づいて最終要求する充電電圧値を決定するように配置される電池管理システムと、
電池管理システムの最終要求する充電電圧値を受信して、当該値で母線電圧を制御するように配置される車両全体コントローラと、を含む。
【0068】
実施例7:
コンピュータ可読記憶媒体であって、複数の指令が記憶され、前記指令は端末機器のプロセッサによってロードされて、実施例1又は実施例2が提供する電池充電制御方法中のステップを実行する。
【0069】
実施例8:
端末機器であって、プロセッサと、コンピュータ可読記憶媒体とを含み、プロセッサは各指令を実現し、コンピュータ可読記憶媒体は複数の指令を記憶し、前記指令はプロセッサによってロードされて、実施例1又は実施例2が提供する電池充電制御方法中のステップを実行する。
【0070】
実施例9:
車両であって、実施例3~実施例6の何れか1項の制御システム、又は実施例7の可読記憶媒体、或いは実施例8の端末機器を含む。
【0071】
以上は、本開示の好適な実施例であり、本開示を限定せず、当業者にとって、本開示は各種の修正及び変更を有してもよい。本開示の精神及び原則内で完成した任意の修正、等価置換、改良などは何れも本開示の保護範囲内に該当する。
【0072】
以上、図面を結合して本開示の具体的な実施形態を記載したが、本開示の保護範囲を限定せず、当業者であれば分かるように、本開示の技術案に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしなくても、完成できる各種の修正又は変形は依然的に本開示の保護範囲内に属する。