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  • 特許-調味料塗布装置および調味料散布部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】調味料塗布装置および調味料散布部材
(51)【国際特許分類】
   A23P 20/10 20160101AFI20250319BHJP
   B05C 3/08 20060101ALI20250319BHJP
   A23P 20/12 20160101ALI20250319BHJP
   A23P 20/13 20160101ALI20250319BHJP
【FI】
A23P20/10
B05C3/08
A23P20/12
A23P20/13
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024056098
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390019987
【氏名又は名称】亀田製菓株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】野村 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】窪田 立哉
(72)【発明者】
【氏名】南日 香那
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-000020(JP,A)
【文献】特開2023-014608(JP,A)
【文献】実開昭60-115872(JP,U)
【文献】実開昭51-088555(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23P 20/00-20/25
B05C 3/08
A23L 5/00- 5/30
A23G 3/00- 3/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌部と、調味料供給部と、調味料散布部材と、を備える調味料塗布装置であって、
前記攪拌部は、内部に食品材料を収容する収容空間が形成され、前記収容空間に収容された前記食品材料を攪拌し、
前記調味料供給部は、前記食品材料に塗布する調味料を前記調味料散布部材に供給し、
前記調味料散布部材は、
上面側が開口された凹状に形成され、前記調味料供給部によって供給される調味料を貯留する貯留部と、
前記貯留部の外周部の周方向にわたって設けられ、前記貯留部から溢出する調味料を前記貯留部の外周側且つ下方側に移動させて落下させることで前記調味料を前記収容空間に供給する移動落下部と、を有する
調味料塗布装置。
【請求項2】
前記移動落下部は、前記貯留部から溢出する調味料を移動させる移動面を有し、
前記移動面は、鉛直方向に対して5度以上85度以下の範囲内の角度をなしている
請求項1に記載の調味料塗布装置。
【請求項3】
前記貯留部は、上下方向に延在する円筒状に形成され、
前記移動落下部は、円錐台状に形成され、上底面が前記貯留部の下側に配置されている
請求項1に記載の調味料塗布装置。
【請求項4】
調味料を塗布する食品材料に対して調味料を散布する調味料散布部材であって、
上面側が開口された凹状に形成され、調味料を貯留する貯留部と、
前記貯留部の外周部の周方向にわたって設けられ、前記貯留部から溢出する調味料を前記貯留部の外周側且つ下方側に移動させて落下させる移動落下部と、を有している
調味料散布部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、菓子等の食品の製造時に、食品材料の外面に調味料を塗布するための調味料塗布装置および食品材料に対して調味料を散布する調味料散布部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の調味料塗布装置としては、攪拌部と、調味料供給部と、調味料散布部と、を備え、攪拌部が、内部に食品材料を収容する収容空間を有し、収容空間に収容された食品材料を攪拌し、調味料供給部が、食品材料に塗布する調味料を前記調味料散布部に供給し、調味料散布部が、攪拌部によって攪拌されている食品材料に対して調味料を散布するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-20号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の調味料塗布装置は、調味料散布部として噴射ガンを用いており、噴射ガンから空気と共に調味料を噴射することによって、攪拌されている食品材料に対して調味料を散布している。
【0005】
従来の調味料塗布装置で用いられる噴射ガンは、調味料の流路を小さくして調味料を噴射させているため、調味料として用いられる液体や粉体に関し、噴射を妨げない性質のものを選択する等の制約がある。このような制約として、液体の粘度、粉体の外径寸法、液体と粉体との混合割合等が挙げられる。このため、従来の調味料塗布装置では、複数種類の調味料の塗布を可能とするために、調味料の種類に応じた複数種類の噴射ガンを用意する必要があり、また、食品材料に塗布する調味料の種類の変更の度に噴射ガンを取り換える作業が発生することになり、食品材料に対する調味料の塗布に係るコストが増大する可能性がある。
【0006】
さらに、従来の調味料塗布装置では、噴射ガンから空気と共に調味料を噴射しているため、収容空間の外側に調味料が飛散することになり、調味料塗布装置の設置場所の衛生状態が悪化するおそれがある。このため、調味料塗布装置を設置する場所には、調味料塗布装置と共に集塵機の設置が必要となる。
【0007】
本発明の目的とするところは、収容空間の外側への調味料の飛散を抑制することで、集塵機等の機器を必要とすることなく、衛生状態を良好に保持することのできる調味料塗布装置および調味料散布部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る調味料塗布装置は、攪拌部と、調味料供給部と、調味料散布部材と、を備える調味料塗布装置であって、前記攪拌部は、内部に前記食品材料を収容する収容空間が形成され、前記収容空間に収容された食品材料を攪拌し、前記調味料供給部は、前記食品材料に塗布する調味料を前記調味料散布部材に供給し、前記調味料散布部材は、上面側が開口された凹状に形成され、前記調味料供給部によって供給される調味料を貯留する貯留部と、前記貯留部の外周部の周方向にわたって設けられ、前記貯留部から溢出する調味料を前記貯留部の外周側且つ下方側に移動させて落下させることで前記調味料を前記収容空間に供給する移動落下部と、を有する。
【0009】
また、本発明に係る調味料塗布装置は、前記移動落下部が、前記貯留部から溢出する調味料を移動させる移動面を有し、前記移動面は、鉛直方向に対して5度以上85度以下の範囲内の角度をなしている、ことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る調味料塗布装置は、前記貯留部が、上下方向に延在する円筒状に形成され、前記移動落下部は、円錐台状に形成され、上底面が前記貯留部の下側に配置されている、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る調味料散布部材は、調味料を塗布する食品材料に対して調味料を散布する調味料散布部材であって、上面側が開口された凹状に形成され、調味料を貯留する貯留部と、前記貯留部の外周部の周方向にわたって設けられ、前記貯留部から溢出する調味料を前記貯留部の外周側且つ下方側に移動させて落下させる移動落下部と、を有している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、供給された調味料を、調味料散布部材の貯留部に貯留し、貯留部の上面側の開口から溢出した調味料を、移動落下部によって貯留部の外周側且つ下方側に落下させることで、食品材料に対して調味料を散布することが可能となるので、収容空間の外側への調味料の飛散を抑制することが可能となり、集塵機等の機器を必要とすることなく、衛生状態を良好に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る調味料塗布装置の構造を説明する概略側面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る調味料散布部材の全体斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る調味料散布部材の平面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る図3におけるA-A断面図である。
図5図5は、本発明の調味料散布部材のその他の例を示す斜視図である。
図6図6は、本発明の調味料散布部材のその他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至図4は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は調味料塗布装置の構造を説明する概略側面図であり、図2は調味料散布部材の全体斜視図であり、図3は調味料散布部材の平面図であり、図4図3におけるA-A断面図である。
【0015】
本実施形態の調味料塗布装置1は、例えば、煎餅等の米菓の製造に用いられ、複数の食品材料のそれぞれの外面側に均一に調味料を塗布するためのものである。本実施形態において、食品材料の外面側に塗布される調味料は、例えば、油脂、醤油、味醂、液糖等の液体調味料、砂糖、塩、コショウ等の粉体調味料、液体調味料と粉体調味料とが混合された混合調味料である。
【0016】
調味料塗布装置1は、図1に示すように、複数の食品材料を攪拌するための攪拌部10と、攪拌部10に調味料を供給するための調味料供給部20と、攪拌部10において攪拌されている複数の食品材料に対して調味料供給部20によって供給された調味料を散布するための調味料散布部材30と、を備えている。
【0017】
攪拌部10は、内部に食品材料を収容する攪拌部本体11と、攪拌部本体11を回転させる駆動力を付与するための図示しない駆動力付与部と、を有している。
【0018】
攪拌部本体11は、円筒状の部材からなり、内周側に食品材料を収容する収容空間11aが形成されている。攪拌部本体11の一端部には、収容空間11aに食品材料を投入するための投入口11bが設けられている。また、攪拌部本体11の他端部には、収容空間11a内の食品材料を収容空間11aから排出するための排出口11cが設けられている。
【0019】
攪拌部本体11は、中心軸を略水平方向に向けた姿勢、且つ、投入口11bを排出口11cよりもやや高い位置に配置した姿勢を維持しながら、中心軸を回転中心として回転自在に構成されている。
【0020】
これにより、収容空間11a内の複数の食品材料は、駆動力付与部の駆動力によって攪拌部本体11を回転させることによって、食品材料の自重によって投入口11b側から排出口11c側に向かって移動する。
【0021】
また、攪拌部本体11の投入口11b側には、収容空間11aに投入する食品材料を投入口11bに案内するシュータ40が配置されている。さらに、攪拌部本体11の排出口11c側には、収容空間11aから排出された食品材料を次工程に搬送する搬送コンベア50が配置されている。
【0022】
調味料供給部20は、調味料が搬送される管状部材21を有している。管状部材21は、先端部側が攪拌部本体11の投入口11bを介して収容空間11a内に配置され、先端部が下方に向けられている。調味料供給部20は、例えば、図示しない調味料貯留タンクに貯留された調味料を、図示しないポンプ等の圧送機器によって圧送することで収容空間11a内に供給する。
【0023】
調味料散布部材30は、攪拌部本体11の調味料供給部20の先端部(収容空間11a内)に配置されている。調味料散布部材30は、図2乃至図4に示すように、調味料供給部20によって供給された調味料を貯留する貯留部31と、貯留部31から溢出する調味料を貯留部31の外周側且つ下方側に移動させて落下させる移動落下部32と、収容空間11a内に調味料散布部材30を固定する固定部33と、を有している。
【0024】
貯留部31は、上面側が開口され、下端側が閉鎖された円筒状に形成されている。即ち、貯留部31は、上面側が開口された凹状に形成され、調味料供給部20によって供給された調味料が上方から注入される。貯留部31は、所定量の調味料を貯留可能であり、所定量以上の調味料の注入によって、上端側の開口から移動落下部32に向けて溢出する。
【0025】
移動落下部32は、貯留部31の下端に上底面が接続された円錐台形状を有している。移動落下部32は、貯留部31の下端の外周部の周方向にわたって板状部材を延在させることによって円錐台形状に形成されている。移動落下部32には、貯留部31から溢出する調味料を貯留部31の下端部から外周側且つ下方側に移動させる移動面32aが形成されている。
【0026】
移動落下部32の移動面32aは、貯留部31から溢出する調味料をより効率よく移動させる観点から、鉛直方向に対する角度θが、5度以上85度以下の範囲内である、ことが好ましい。
【0027】
ここで、鉛直方向とは、移動落下部32を上方から見たときにおける、奥行き方向と同一である。すなわち、鉛直方向とは、図3における紙面奥行き方向と同一であり、図4における紙面上下方向と同一である。
【0028】
「鉛直方向に対する移動面32aの角度θ」とは、移動落下部32の鉛直方向に延びる断面における移動面32aと、鉛直方向に延びる直線Lと、が交わることで形成される角の角度のうち最小の角度のことを意味する。本発明に係る調味料塗布装置1は、角度θが5度以上85度以下であることが好ましい。
【0029】
ここで、上方から見たときの移動落下部32の輪郭が略点対称形状である場合(例えば略円形状、略正多角形状など)、移動落下部32の鉛直方向に延びる断面は、上方から見たときの移動落下部32の輪郭の対称点を含む断面であることが好ましい。すなわち、図3におけるA-A断面であることが好ましい。
【0030】
「鉛直方向に対する、移動面32aの角度θ」について、図4を用いて具体的に説明する。
【0031】
図4における移動落下部32は、上方から見たときの輪郭が略円形状であり、略点対称形状である。よって、上方から見たときの移動落下部32の輪郭の対称点を含む断面(すなわち、図3におけるA-A断面であり、図4に該当する)を観測することによって鉛直方向に対する、移動面32aの角度を算出する。図4における直線Lは鉛直方向に延びる直線に該当する。直線Lと、移動面32aと、が交わることで形成される角の角度のうち最小の角度θを「鉛直方向に対する、移動面32aの角度」とする。
【0032】
固定部33は、管状部材21の先端部に固定される固定リング33aと、固定リング33aと移動落下部32とを連結する一対の連結部33bと、を有している。
【0033】
以上のように構成された調味料塗布装置1において、食品材料に調味料を塗布する場合には、攪拌部10の攪拌部本体11を駆動力付与部によって回転させると共に、調味料供給部20によって攪拌部本体11の収容空間11a内に調味料を供給する。
【0034】
シュータ40から供給される複数の食品材料は、攪拌部本体11の投入口11bを介して収容空間11aに投入され、攪拌部本体11の回転によって収容空間11aにおいて攪拌されると共に、食品材料の自重によって投入口11b側から排出口11c側に向かって移動する。収容空間11aの排出口11c側の複数の食品材料は、排出口11cを介して収容空間11aから排出され、搬送コンベア50によって次工程に向けて搬送される。
【0035】
このとき、収容空間11aにおける投入口11b側においては、調味料供給部20によって収容空間11aに供給された調味料が、調味料散布部材30を介して複数の食品材料に対して散布される。
【0036】
調味料供給部20によって収容空間11aに供給された調味料は、調味料散布部材30において、固定部33の固定リング33aの内周側を通って貯留部31に注入される。貯留部31に対する調味料の注入が継続されると、貯留部31に注入された調味料は、貯留部31の上面側の開口から溢出する。貯留部31から溢出した調味料は、貯留部31の外周側を下方に移動して移動落下部32の移動面32aの上部に到達し、移動面32aによって貯留部31の径方向外側且つ下方側に斜め下方に移動し、移動落下部32の下端部から落下する。
【0037】
このとき、貯留部31の上面側の開口から溢出する調味料は、開口の周方向の全体から溢出し、移動落下部32の移動面32aの周方向にわたって調味料が斜め下方に移動する。これにより、調味料供給部20によって収容空間11aに供給された調味料は、調味料散布部材30によって、移動落下部32の下部側の径方向の大きさまで広げられた後に、下方に位置する複数の食品材料に向けて落下する。尚、調味料供給部20から収容空間11aに供給調味料散布部材30に供給される調味料の量は、貯留部31の上面側の開口から溢出する調味料の量が一定であれば、ほぼ均一となる。
【0038】
このように、本実施形態の調味料塗布装置によれば、攪拌部10と、調味料供給部20と、調味料散布部材30と、を備える調味料塗布装置1であって、攪拌部10は、内部に食品材料が収容される収容空間11aが形成され、収容空間11aに収容された食品材料を攪拌し、調味料供給部20は、食品材料に塗布する調味料を調味料散布部材30に供給し、調味料散布部材30は、上面側が開口された凹状に形成され、調味料供給部20によって供給される調味料を貯留する貯留部31と、貯留部31の外周部の周方向にわたって設けられ、貯留部31から溢出する調味料を貯留部31の外周側且つ下方側に移動させて落下させることで調味料を収容空間11aに供給する移動落下部32と、を有する。
【0039】
また、本実施形態の調味料散布部材によれば、調味料を塗布する食品材料に対して調味料を散布する調味料散布部材30であって、上面側が開口された凹状に形成され、調味料を貯留する貯留部31と、貯留部31の外周部の周方向にわたって設けられ、貯留部31から溢出する調味料を貯留部31の外周側且つ下方側に移動させて落下させる移動落下部32と、を有している。
【0040】
これにより、供給された調味料を、調味料散布部材30の貯留部31に貯留し、貯留部31の上面側の開口から溢出した調味料を、移動落下部32によって貯留部の外周側且つ下方側に落下させることで、食品材料に対して調味料を散布することが可能となるので、収容空間11aの外側への調味料の飛散を抑制することが可能となり、集塵機等の機器を必要とすることなく、衛生状態を良好に保持することが可能となる。また、調味料を構成する液体の粘度や粉体の外径寸法にかかわらず、食品材料に対して調味料を散布することができるので、食品材料に塗布する調味料の種類にかかわらず、食品材料に対して好適に調味料を塗布することが可能となる。
【0041】
また、移動落下部32は、貯留部31から溢出する調味料を移動させる移動面32aを有し、移動面32aは、鉛直方向に対して5度以上85度以下の範囲内の角度をなしている、ことが好ましい。
【0042】
これにより、食品材料に塗布する調味料を、移動落下部32の移動面32aに沿ってより確実に移動させることが可能となる。
【0043】
また、貯留部31は、上下方向に延在する円筒状に形成され、移動落下部32は、円錐台状に形成されている。移動落下部の上底面が貯留部31の下側に配置されている、ことが好ましい。
【0044】
これにより、簡易な形状の貯留部31および移動落下部32によって調味料散布部材30を構成することが可能となるので、製造コストの低減を図ると共に調味料散布部材30の清掃を容易に行うことが可能となる。
【0045】
尚、前記実施形態では、攪拌部10として、収容空間11aを有する攪拌部本体11と、攪拌部本体11を回転させる駆動力を付与するための駆動力付与部と、を有する攪拌部10を示したが、これに限られるものではない。攪拌部としては、例えば、収容空間を有する攪拌部本体と、収容空間内において回転自在に設けられ、収容空間内の食品材料を攪拌する攪拌部材と、を有するものであってもよい。
【0046】
また、前記実施形態では、攪拌部10として、収容空間11a、投入口11bおよび排出口11cを有する筒状の攪拌部本体11を備え、攪拌部本体11を回転せることによって食品材料を攪拌すると共に投入口11bから排出口11cに向かって搬送するものを示したが、これに限られるものではない。攪拌部としては、例えば、収容空間と、投入口および排出口を兼ねる一の開口部を有する攪拌部本体を備え、開口部を介して収容空間に対する食品材料の投入および排出を行うようにしてもよい。
【0047】
また、前記実施形態では、調味料散布部材30が、上下方向に延在する円筒状に形成された貯留部31と、移動落下部32が、円錐台状に形成され、上底面が貯留部31の下側に配置されている移動落下部32と、を有するものを示したが、これに限られるものではない。調味料散布部材30は、例えば、図5に示すように、半球状に形成され、球面を上方に向けた姿勢で貯留部31の下側に配置された移動落下部34を有するものでもよいし、図6に示すように、角錐台状に形成され、上底面が貯留部31の下側に配置されている移動落下部35を有するものでもよい。また、調味料散布部材の貯留部は、上面側に開口が形成されているものであれば、円筒状に限るものではなく、例えば、外周面が多角形の筒状であってもよい。
【0048】
また、前記実施形態では、貯留部31の下端部に移動落下部32の上端部が接続された調味料散布部材30を示したが、これに限られるものではなく、貯留部と移動落下部とが互いに上下方向に離間していてもよい。
【0049】
また、前記実施形態では、調味料散布部材30において、調味料供給部20から供給された調味料を、貯留部31に貯留し、貯留部31の上面側の開口から溢出した調味料を移動落下部32の移動面32aに沿って移動させ、移動落下部32の下端部から下方に落下させるようにしたものを示したがこれに限られるものではない。貯留部31の底部および移動落下部32の一方または両方に複数の貫通孔を形成し、調味料を、複数の貫通孔を介して下方に落下させると共に、移動落下部32の下端部から下方に落下させることで、食品材料に対して調味料を散布するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 調味料塗布装置
10 攪拌部
11 攪拌部本体
11a 収容空間
20 調味料供給部
30 調味料散布部材
31 貯留部
32,34,35 移動落下部
32a 移動面
【要約】
【課題】収容空間の外側への調味料の飛散を抑制することで、集塵機等の機器を必要とすることなく、衛生状態を良好に保持することのできる調味料塗布装置を提供する。
【解決手段】攪拌部と、調味料供給部と、調味料散布部材30と、を備える調味料塗布装置であって、攪拌部は、内部に食品材料を収容する収容空間が形成され、収容空間に収容された食品材料を攪拌し、調味料供給部は、食品材料に塗布する調味料を調味料散布部材30に供給し、調味料散布部材30は、上面側が開口された凹状に形成され、調味料供給部によって供給される調味料を貯留する貯留部31と、貯留部31の外周部の周方向にわたって設けられ、貯留部31から溢出する調味料を貯留部31の外周側且つ下方側に移動させて落下させることで調味料を収容空間に供給する移動落下部32と、を有する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6