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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-18
(45)【発行日】2025-03-27
(54)【発明の名称】受信装置及び受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/47 20110101AFI20250319BHJP
【FI】
H04N21/47
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2025007905
(22)【出願日】2025-01-20
(62)【分割の表示】P 2022179079の分割
【原出願日】2022-11-08
【審査請求日】2025-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】西垣 智夫
(72)【発明者】
【氏名】工藤 徳幸
(72)【発明者】
【氏名】小野 幸一
(72)【発明者】
【氏名】川添 裕史
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-257223(JP,A)
【文献】特開2011-250323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送コンテンツの提示中に、データ放送に基づいてアプリケーションを起動し、
前記アプリケーションの実行によるメディアサービスのコンテンツを提示するアプリケーション処理部と、
前記放送コンテンツの提示状態に切り替えることができない場合、
前記放送コンテンツの提示状態への切り替え手段を提示する切替処理部と、を備え、
前記切替処理部は、
前記アプリケーションを起動した後に、前記アプリケーションの実行により前記切り替え手段を提示する
受信装置。
【請求項2】
受信装置における受信方法であって、
放送コンテンツの提示中に、データ放送に基づいてアプリケーションを起動するステップと、
前記アプリケーションの実行によるメディアサービスのコンテンツを提示するステップと、
前記放送コンテンツの提示状態に切り替えることができない場合、
前記放送コンテンツの提示状態への切り替え手段を提示するステップと、を有し、
前記切り替え手段を提示するステップは、
前記アプリケーションを起動した後に、前記アプリケーションの実行により前記切り替え手段を提示する
受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、OTT(Over the top)サービスが急速に普及している。OTTサービスは、インターネットを介してユーザに直接提供されるメディアサービスのことである。OTTサービスは、ケーブルテレビ、地上波放送、衛星放送などの従来コンテンツの配信者として機能していた企業などを経由して提供される。OTTサービスには、VoD(Video on Demand)サービスや見逃し配信サービスなどが含まれる。VoDサービスは、ユーザが観たい時に様々な映像コンテンツを視聴することができるサービスである。見逃し配信サービスは、テレビ番組などの放送コンテンツをインターネット上でオンデマンド配信するサービスである。
【0003】
OTTサービスは、パソコン、スマートフォン、受信装置などの端末装置においてアプリケーションやウェブブラウザなどを利用して視聴することが可能である。
このような中で、地上波放送による放送コンテンツの配信中や当該放送コンテンツの配信後にデータ放送を用いて見逃し配信サービスなどのOTTサービスにユーザを誘導することが検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、少なくとも広告又は番組を含むテレビジョン放送内容に、当該内容に関連する情報を提供するウェブサイトのURL情報を挿入して同時に発信し、視聴者側で放送を受信した日時・放送局の情報を放送受信データとして記録し、該データをテレビジョン放送内容をキャプチャーしてURL情報をデータとして取得・蓄積する照会センターに照会し、該データに適合するURL情報を入手し、該URL情報に基づいてウェブサイトにアクセスして閲覧する受信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2022-38640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、データ放送によってOTTサービスのアプリケーション(登録一般アプロケーションや一般アプリケーションともいう。)やウェブブラウザを起動して放送コンテンツからOTTサービスへの誘導、切り替えはできても、OTTサービスから放送コンテンツへの切り替えができないことがあった。また、OTTサービスから放送コンテンツへの切り替え手段が解らず、ユーザの利便性が十分でないことがあった。このように、コンテンツの切り替えにおけるユーザの利便性が十分でないという課題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、コンテンツの切り替えにおけるユーザの利便性を向上させることができる受信装置及び受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、放送コンテンツの提示中に、データ放送に基づいてアプリケーションを起動し、前記アプリケーションの実行によるメディアサービスのコンテンツを提示するアプリケーション処理部と、前記放送コンテンツの提示状態に切り替えることができない場合、前記放送コンテンツの提示状態への切り替え手段を提示する切替処理部と、を備え、前記切替処理部は、前記アプリケーションを起動した後に、前記アプリケーションの実行により前記切り替え手段を提示する受信装置である。
【0009】
(2)また、本発明の一態様は、受信装置における受信方法であって、放送コンテンツの提示中に、データ放送に基づいてアプリケーションを起動するステップと、前記アプリケーションの実行によるメディアサービスのコンテンツを提示するステップと、前記放送コンテンツの提示状態に切り替えることができない場合、前記放送コンテンツの提示状態への切り替え手段を提示するステップと、を有し、前記切り替え手段を提示するステップは、前記アプリケーションを起動した後に、前記アプリケーションの実行により前記切り替え手段を提示する受信方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンテンツの切り替えにおけるユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る放送システムの構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係るコンテンツ切り替えの一例を示す概略図である。
図3】本実施形態に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るアプリケーションの起動に係るコマンドの一例を示す図である。
図5】本実施形態に係るエクストラブラウザの起動に係るコマンドの一例を示す図である。
図6】本実施形態に係るアプリケーションのバージョン識別に係るコマンドの一例を示す図である。
図7】本実施形態に係るブラウザに組み込まれた機能の確認に係るコマンドの一例を示す図である。
図8】本実施形態に係るアプリケーションをデータ放送により起動するコマンドの一例を示す図である。
図9】本実施形態に係るアプリケーションをデータ放送により起動するAPIコマンドの定義の一例を示す図である。
図10】本実施形態に係るアプリケーションをデータ放送により起動するAPIコマンドの一例を示す図である。
図11】本実施形態に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
図14】本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替えコマンドの一例を示す図である。
図15】本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の第2実施形態に係るアプリケーションの起動に係るコマンドの定義の一例を示す図である。
図17】本実施形態に係るアプリケーションの起動に係るコマンドの定義の一例を示す図である。
図18】本実施形態に係るエクストラブラウザの起動に係るコマンドの定義の一例を示す図である。
図19】本実施形態に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
[システム構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放送システムSysの構成の一例を示す図である。
放送システムSysは、放送局1、受信装置2、放送局サーバ3、及び事業者サーバ4、OTTサーバを含んで構成される。放送は、例えば、地上デジタル放送である。
ただし本発明は、地上デジタル放送に限らず、放送衛星を用いた放送であってもよい。放送衛星を用いた放送は、例えば高度BS(Broadcasting Satellites)デジタル放送又は高度広帯域CS(Communication Satellites)デジタル放送である。また、放送は、ケーブルテレビ等の有線放送であってもよい。
【0014】
放送システムSysにおいて、放送局1は、放送波によってデジタル放送信号、アプリケーション制御情報などを送信する。
アプリケーション制御情報は、本システム対応受信装置に対して番組と連動するアプリケーション、例えば、OTTサービスのアプリケーションなどを周知するとともに起動・終了のためのコマンド等の制御情報である。
放送局1は、放送システムSysにおいて、放送局サーバ3を運営する。放送局サーバ3は、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時などのメタデータを提供する。放送局1がサービス事業者に提供する情報は、放送局サーバ3が備えるAPI(Application Programming Interface)を用いて提供される。
【0015】
サービス事業者は、放送システムSysによるサービスを提供する者であり、サービスを提供するためのコンテンツ、アプリケーションの制作・配信、個々のサービスを実現するための事業者サーバ4を運営する。ここで、サービスには、放送と通信とを連携させる放送通信連携サービスも含まれる。
事業者サーバ4は、アプリケーションの管理・配布のために、受信装置2に対してアプリケーションを送信する。事業者サーバ4は、サービス毎のサーバとして、個々のサービス(MPEG-Hサービス、AC-4サービス、VOD番組レコメンドサービス、多言語字幕サービス等)を実現するためのサーバ機能を提供する。
【0016】
MPEG-Hは、デジタルコンテナ標準、動画圧縮標準、音声圧縮標準、そして2つの順応試験標準のため、ISO/IEC Moving Picture Experts Group(MPEG)の開発下にある一連の標準である。MPEG-Hオーディオでは、例えば、オブジェクトベース音響が可能である。オブジェクトベース音響の「オブジェクト」とは、音楽や人の声などの番組を構成する音の素材一つ一つである。オブジェクトベース音響では、音の素材ごとに音声信号が記録され、素材ごとの音声制御が可能である。また、受信装置2で再生する時に、素材の再生位置情報を基に、実際に置かれているスピーカーの位置に合わせて番組を再生することも可能である。
【0017】
AC-4は、主に放送やネット配信を想定して開発された音声圧縮技術である。AC-4オーディオでも、オブジェクトベースの音響が可能である。
【0018】
事業者サーバ4は、こうしたサービスの機能面を実現するだけでなく、サービスを構成するコンテンツ(MPEG-Hオーディオデータ、AC-4オーディオデータ、VODコンテンツ、字幕データなど)を送信する。事業者サーバ4は、「リポジトリ」として、放送システムSysのアプリケーションを配布するために登録され、受信装置2からの問い合わせに応じて提供可能なアプリケーションの一覧の提供や検索を行う。
【0019】
OTTサーバ5は、OTTサービスを提供するサービス事業者によって運営され、オンデマンド配信されるコンテンツを管理する機能を有する。OTTサーバ5は、ネットワークを介して接続された端末や受信装置からの専用アプリケーション、ウェブブラウザを用いた接続・要求されるコンテンツを配信する機能を有する。
【0020】
受信装置2には、既存デジタル放送の受信機能に加えて、放送通信連携サービスを実現するための機能も含まれる。受信装置2には、ブロードバンドネットワーク接続機能に加え、次の機能を有している。
・放送からのアプリケーション制御信号に応じてアプリケーションを受信する機能
・放送からのアプリケーション制御信号に応じてアプリケーションを実行する機能
・放送と通信間の連携による提示を行う機能
・端末連携機能
【0021】
ここで、端末には、例えば、タブレット端末、パソコン、スマートフォンやスマートスピーカー等のユーザ端末が含まれる。受信装置2の端末連携機能は、他の端末の要求に応じて番組情報などの放送リソースにアクセスしたり、再生制御当の受信装置機能を呼び出したりすることが可能である。
【0022】
より具体的には、受信装置2は、次の機能を有する。
受信装置2は、放送受信再生機能として、放送波を受信する。受信装置2は、特定の放送サービスが選局されると、当該サービスを構成する映像、音声、字幕、データ放送を同期再生する機能を有する。
受信装置2は、通信コンテンツ受信再生機能として、通信ネットワーク上のサーバ(例えばOTTサーバ5)に置かれた映像コンテンツにアクセスする。受信装置2は、OTTサーバ5からVODストリーミングとして映像コンテンツを受信し、当該コンテンツを構成する映像、音声、字幕を同期再生する機能を有する。
【0023】
受信装置2は、アプリケーション制御機能として、通信ネットワーク上のサーバあるいは放送信号から取得したアプリケーション制御情報に基づき、主にマネージドアプリケーションに関してアプリケーションエンジンに対して働きかける。受信装置2は、アプリケーション単位のライフサイクル及びイベントの制御・管理を行う機能を有する。
受信装置2は、アプリケーションエンジン機能として、アプリケーションを取得する。受信装置2は、当該アプリケーションを実行する機能を有する。この機能は、例えばHTML5ブラウザで実現される。
【0024】
受信装置2は、提示同期制御機能として、放送受信による映像・音声等のストリームと、ストリーミング受信による映像・音声等のストリーム提示同期を制御する機能を有する。
受信装置2は、アプリケーションロンチャー機能として、主に放送外マネージドアプリケーションをユーザが選択、起動するためのナビゲーション機能を有する。
【0025】
なお、以下の説明において、放送局1、放送局サーバ3、事業者サーバ4、OTTサーバ5を特に区別しない場合には、OTTサーバ5として説明する。すなわち、以下で説明するOTTサーバ5は、上記で説明した放送局1、放送局サーバ3、事業者サーバ4、OTTサーバ5のいずれかの機能または一部またはすべての機能を有する。
【0026】
[コンテンツ切り替え機能]
次に、本実施形態におけるコンテンツ切り替え機能について説明する。
本実施形態に係る受信装置2は、地上デジタル放送などの放送コンテンツの表示中に、データ放送によりアプリケーションを起動する機能を有する。換言すれば、受信装置2は、遷移元となる地上デジタル放送などの放送コンテンツの表示中に、データ放送により遷移先となるアプリケーションを起動(アプリケーションに遷移)する機能を有する。また、受信装置2は、起動されたアプリケーションが終了した場合に、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツ、すなわち、遷移元の放送コンテンツの表示への切り替え処理を実行する機能を有する。
【0027】
ここで、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替え処理には、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替えを実行する切り替え実行処理と、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替え手段を提示する切り替え提示処理とが含まれる。換言すれば、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替え処理には、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツへ戻る処理(アプリケーションから遷移元の放送コンテンツに戻るよう遷移を指示する処理ともいう)と、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツへ戻るための手段を提示する処理とが含まれる。
次いで、アプリケーションの起動、アプリケーションの終了、放送コンテンツの表示等のコンテンツ切り替え機能について説明する。
【0028】
図2は、本実施形態に係るコンテンツ切り替えの一例を示す概略図である。
図示する例において、tは、時刻t0、t1、t2のように経過する時刻を表す。
放送コンテンツは、地上デジタル放送などによる放送コンテンツを表し、放送局1から継続的に送信されるコンテンツである。表示コンテンツは、受信装置2に表示されるコンテンツである。受信装置2は、時刻t0においてXチャンネル(Xch)の放送コンテンツを表示する。受信装置2は、放送コンテンツの表示中の時刻t1においてアプリケーションの起動指示を受信する。受信装置2は、起動指示に基づいて、OTTサービスのアプリケーションを起動する。受信装置2は、アプリケーションが起動したことに基づいて、OTTサービスのコンテンツを表示する。
【0029】
受信装置2は、OTTサービスのコンテンツが終了したことに基づいて、時刻t2においてOTTサービスのアプリケーションを終了する。受信装置2は、OTTサービスのアプリケーションが終了したことに基づいて、OTTサービスのアプリケーションを起動する以前の時刻t1まで表示していたXチャンネルの放送コンテンツを表示する。ここで、時刻t2で表示される放送コンテンツは、時刻t1以前のチャンネルと同じチャンネルにおいて時刻t2時点で放送されているコンテンツである。すなわち、受信装置2は、起動されたアプリケーションが終了したときに、当該アプリケーションを起動する前の放送コンテンツと同じチャンネルで放送されている放送コンテンツを表示する。
【0030】
[受信装置の構成]
次いで、受信装置2の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る受信装置2の構成の一例を示すブロック図である。
受信装置2は、メインシステム部20と、受信部21と、入力部22と、出力部25と、を含んで構成される。
受信部21は、放送波を受信する機能、すなわちチューナーとしての機能を有する。受信部21は、アンテナを介して放送波を受信する。受信部21は、ユーザ操作に基づいて選択されていているチャンネルを同調(選局)する。同調された信号は、復調され、データとしてメインシステム部20に出力される。
また、受信部21は、受信装置2と通信接続されるネットワークを介して他の端末などと各種情報を有線通信または無線通信により受信する機能、すなわち他の端末と通信するための通信部としての機能を有する。
なお、本実施形態では、受信部21がチューナーと通信部とそれぞれ備えてもよい。
【0031】
入力部22は、ユーザの操作に基づく操作信号を取得し、取得した操作信号をメインシステム部20に出力する機能を有する。操作信号は、所定の機能の実行、停止、放送チャンネルの選択、各種情報の選択・設定、音量調整、色合い調整などの指示信号が含まれる。
【0032】
なお、入力部22は、操作を受け付ける部材を備えてもよい。かかる部材として、例えば、ボタン、ダイヤル、つまみ、などの専用の部材を有していてもよいし、タッチセンサ、マウス、などの汎用の部材を有してもよい。タッチセンサは、ディスプレイと一体化され、タッチパネルとして機能してもよい。入力部22は、例えば、リモートコントローラ(リモコン)から無線で操作信号を受信するセンサを備えてもよい。センサは、例えば、赤外線センサ、など操作信号を搬送する電磁波を検出できる部材であればよい。
【0033】
出力部25は、メインシステム部20から入力される音声信号に基づく音声を出力(再生)する機能を有する。
また、出力部25は、メインシステム部20から入力される映像信号に基づく映像を表示面に表示する機能を有する。出力部25は、例えば、表示素子と、当該表示素子を駆動するための駆動回路を備える。表示素子は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどのいずれの種類のディスプレイであってもよい。
【0034】
メインシステム部20は、受信装置2の動作を制御する機能を有する。メインシステム部20は、受信部21から入力される放送信号からデータ信号を分離する。メインシステム部20は、分離したデータ信号から制御信号とコンテンツ信号とを分離する。制御信号は、放送信号の受信処理に用いる各種の制御情報を搬送する信号である。コンテンツ信号は、コンテンツを搬送する信号である。メインシステム部20は、コンテンツをなす音声を示す音声信号と映像信号とを復号する。メインシステム部20は、復号した音声信号を出力部25に出力させる。また、メインシステム部20は、復号した映像信号を出力部25に出力させる。
【0035】
また、メインシステム部20は、入力部22から入力される操作信号に基づいて、受信装置2の動作を制御する機能を有する。
【0036】
また、メインシステム部20は、受信部21から入力されるOTTコンテンツをなす音声信号と映像信号とを復号する。メインシステム部20は、復号した音声信号を出力部25に出力させる。また、メインシステム部20は、復号した映像信号を出力部25に出力させる。
【0037】
また、メインシステム部20は、OTTのアプリケーションを実行する機能を有する。また、メインシステム部20は、OTTのアプリケーションの実行によるOTTコンテンツの出力と放送コンテンツの出力とを切り替え処理を実行する機能を有する。
【0038】
より詳細にメインシステム部20について説明する。
メインシステム部20は、放送波処理部23と、OTT処理部24と、切替処理部26と、を含んで構成される。
放送波処理部23は、受信部21から入力される放送信号に対して各種処理を実行する。放送波処理部23は、復調部231と、分離部232と、映像処理部233と、音声処理部234と、出力処理部235と、を含んで構成される。
復調部231は、放送信号に対して復調処理を実行する。
【0039】
分離部232は、入力されたデータを、映像データ列、音声データ列、文字スーパーデータ列、字幕データ列等に分離する。分離された音声データ列は、音声処理部234へ出力される。分離された映像データ列は、映像処理部233に出力される。
また、分離部232に分離された文字スーパーデータ列及び字幕データ列は、それぞれ、文字スーパーデコーダー及び字幕デコーダー(不図示)で復号化され、復号化された文字列は、映像に重畳される。
【0040】
映像処理部233は、入力された映像データ列を復号化する。
音声処理部234は、音声コンポーネントの音声データ列を復号化する。
出力処理部235は、復号化された映像データ列に対して色空間変換処理を行い、出力部25のディスプレイに映像を表示させ、スピーカーに音声を出力させる。
【0041】
OTT処理部24は、受信部21から入力される通信信号に対して各種処理を実行する。OTT処理部24は、コンテンツ処理部241と、コンテンツ出力処理部242と、を含んで構成される。
コンテンツ処理部241は、コンテンツデータなどの通信信号に対して復調、復号などの処理を実行する。コンテンツ処理部241は、各種処理を施した信号をコンテンツ出力処理部242に出力する。
コンテンツ出力処理部242は、コンテンツ処理部241から入力される信号に対して各種出力処理を実行する。コンテンツ出力処理部242は、各種出力処理を施した信号を出力部25に出力させる。コンテンツ出力処理部242は、例えば、復号化された映像データ列に対して色空間変換処理を行い、出力部25のディスプレイに映像を表示させ、スピーカーに音声を出力させる。
【0042】
切替処理部26は、OTTアプリケーションを起動・終了する機能を有する。切替処理部26は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前のコンテンツの表示に切り替え処理を実行する処理を実行する。切替処理部26は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替え手段を出力部25に出力させる。切替処理部26は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替えが可能か否かを判定する。切替処理部26は、判定結果に基づいて、切り替え手段を提示するか放送コンテンツの表示への切り替えを実行するかを決定する。切替処理部26は、放送コンテンツへの切り替えを指示するパラメータに対応するか否かを検出する。切替処理部26は、放送コンテンツへの切り替えを指示するパラメータに対応していないことに基づいて、放送コンテンツへの切り替え手段をデータ放送により提示させる。
【0043】
切替処理部26は、判定部261と、決定部262と、検出部263と、を含んで構成される。
判定部261は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替えが可能か否かを判定する。
決定部262は、判定結果に基づいて、切り替え手段を提示するか放送コンテンツの表示への切り替えを実行するかを決定する。
検出部263は、放送コンテンツへの切り替えを指示するパラメータに対応するか否かを検出する。
【0044】
次いで、OTTアプリケーションの起動、終了、放送コンテンツへの切り替え手段の提示について説明する。
OTTアプリケーションの起動および終了、放送コンテンツへの切り替え手段の提示は、XMLベースのBroadcast Markup Language (BML)により記述されたコマンドをデータ放送によって実行させることが可能である。また、OTTアプリケーションの起動および終了、放送コンテンツへの切り替え手段の提示は、APIコマンドを実行させてもよい。
【0045】
図4は、本実施形態に係るアプリケーションの起動に係るコマンドの一例を示す図である。
コマンドCM1は、受信装置のアプリケーションを起動するためのBMLコマンドである。startResidentApp()は、起動するアプリケーション、起動したアプリケーションが終了してBMLブラウザを再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIをそれぞれ指定することが可能なコマンドである。
図示するコマンドにおいて、起動するアプリケーションは、input String appNameによって指定することが可能である。また、起動したアプリケーションが終了してBMLブラウザが再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIは、input String returnURIによって指定することが可能である。なお、最初に提示するコンポーネントのURIを特に指定しない場合には、当該returnURIは空文字列となる。
【0046】
図5は、本実施形態に係るエクストラブラウザの起動に係るコマンドの一例を示す図である。
コマンドCM2は、受信装置2においてデータ放送ブラウザとは異なるブラウザであるエクストラブラウザを起動するためのBMLコマンドである。startExtraBrowser()は、起動するエクストラブラウザ、起動したエクストラブラウザが終了してBMLブラウザが再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIをそれぞれ指定することが可能なコマンドである。
図示する例において、起動するエクストラブラウザは、input String browserNameによって指定することが可能である。また、起動したアプリケーションが終了してBMLブラウザが再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIは、input String returnURIによって指定することが可能である。なお、最初に提示するコンポーネントのURIを特に指定しない場合には、当該returnURIは空文字列となる。
【0047】
図4図5に図示する例において、BMLブラウザは、受信装置2が予め備えるBMLコマンドを表示、実行するためのブラウザである。従来の受信装置2では、アプリケーション数が少数であったため、returnURIによって最初に提示するコンポーネントを特に指定しなくても問題なく動作することができた。しかしながら、最近の受信装置2ではアプリケーションが複数あるため、returnURIによって最初に提示するコンポーネントのURIが指定されず、かつ、BMLブラウザが再起動する場合に、アプリケーションやエクストラブラウザを起動する前の放送コンテンツに切り替えができない可能性がある。
【0048】
そこで、本実施形態では、図6図7に示すアプリケーションのバージョンを識別するコマンドおよびブラウザに組み込まれた機能を確認するコマンドを用いる。
図6は、本実施形態に係るアプリケーションのバージョン識別に係るコマンドの一例を示す図である。
【0049】
コマンドCM3は、アプリケーションのバージョンを識別するためのコマンドである。コマンドArray getResidentAppVersion(input String appName)は、引数appNameに対して、成功であれば、戻り値Array[0]、Array[1]、Array[2]、Array[3]、Array[4]のようにアプリケーション情報の配列を得る。コマンドArray getResidentAppVersion(input String appName)は、引数appNameに対して、失敗であれば、戻り値nullとなる。Array[0]は、製造者識別、あるいは拡張製造者識別を表す文字列であり、Array[1]は、受信装置のアプリケーション名を表す文字列である。Array[2]は、メジャーバージョン番号を表す文字列であり、Array[3]は、マイナーバージョン番号を表す文字列である。Array[4]は受信装置のアプリケーションごとに定める詳細情報である。
【0050】
例えば、図示する例において、コマンドCM3に引数appNameとしてExampleApplicationを規定すると、getResidentAppVersion(ExampleApplication)により、戻り値Array[4]にアプリケーションを起動する前の放送コンテンツに切り替え処理を実行する機能をサポートするか否かを表す文字列が格納される。例えば、Array[4]に値が存在すれば、アプリケーションExampleApplicationは、図4に示したコマンドCM1または図5に示したコマンドCM2を用いて起動される。
【0051】
図7は、本実施形態に係るブラウザに組み込まれた機能の確認に係るコマンドの一例を示す図である。
コマンドCM4は、ブラウザに組み込まれている機能を確認するためのコマンドである。コマンドgetBrowserSupport()は、引数sProvider, functionname, additionalinfoに対して、戻り値1または0を得る。sProviderは、当該機能を定義した事業体等を指定する文字列である。Functionnameは、機能名を指定する文字列である。additionalinfoは、機能に関する付加情報指定する文字列である。戻り値1は、指定された機能を有することを表す。戻り値0は指定された機能を有さないことを表す。
【0052】
例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: ExampleApplicationを規定する。ExampleApplicationがResidentAppの機能を有する場合、戻り値1を得る。戻り値1であれば、ExampleApplicationがResidentAppの機能をサポートし、アプリケーションExampleApplicationは、図4に示したコマンドCM1または図5に示したコマンドCM2を用いて起動される。
【0053】
次いで、データ放送によってアプリケーションを起動するためのコマンドの他の一例について説明する。
図9は、本実施形態に係るアプリケーションをデータ放送により起動するAPIコマンドの定義の一例を示す図である。
図10は、本実施形態に係るアプリケーションをデータ放送により起動するAPIコマンドの一例を示す図である。
コマンドexitFromManagedState()は、遷移先となる一般アプリケーションのエントリURLを表すurlを引数として、void型の戻り値を得るコマンドである。本実施形態では、APIコマンドをデータ放送により実行すると、引数urlで示されるアプリケーションが起動される。なお、本APIコマンドでは、データ放送によってアプリケーションを起動することが可能であるが、起動したアプリケーションが終了したときに、アプリケーションを起動する前のコンテンツを戻り先として指定することはできない。
【0054】
次いで、本実施形態に係るコンテンツ切り替え処理について説明する。
図11は、本実施形態に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS100において、受信装置2は、ユーザ操作による選局操作、電源操作に応じて、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。また、受信装置2は、選局された放送コンテンツを出力部25に出力させる。
【0055】
ステップS102において、放送局1は、データ放送によるBMLコマンドの実行によって受信装置2がOTTサービスに対応しているか否か、すなわち、見逃し配信アプリケーション(見逃し配信アプリ)に対応しているか否かを判定する。具体的には、放送局1は、データ放送により、図6図7に示したコマンドを実行して見逃し配信アプリに対応しているか否かを判定する。受信装置2が見逃し配信アプリに対応していると判定される場合、受信装置2はステップS104の処理を実行する。一方、受信装置2が見逃し配信アプリに対応していないと判定される場合、受信装置2は、図11に示すコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0056】
ステップS104において、受信装置2は、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否かを判定する。具体的には、受信装置2は、起動したアプリケーションが終了して最初に提示するコンポーネントのURIを指定する、returnURIに自装置が対応しているか否かに応じて、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否かを判定する。見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能でないと判定される場合、受信装置2は、ステップS106の処理を実行する。一方、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能であると判定される場合、受信装置2は、ステップS116の処理を実行する。
【0057】
ステップS106において、受信装置2は、見逃し配信アプリが終了したときに見逃し配信アプリを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替え手段を出力部25に出力させ、ユーザに提示する。見逃し配信アプリを起動する前の放送コンテンツへの切り替え手段の提示は、見逃し配信アプリが起動されるよりも前のタイミングでユーザに提示される。見逃し配信アプリが起動されるよりも前の放送コンテンツへの切り替え手段の提示は、例えば予め受信装置2の記憶部に記憶された通知情報である。当該通知情報は、受信装置に固有の通知である。当該通知情報には、放送コンテンツに戻るための受信装置2の操作手順が含まれる。
【0058】
ステップS108において、放送局1は、データ放送によるコマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図4図5図10に示したコマンドをデータ放送により実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0059】
ステップS110において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。
【0060】
ステップS112において、受信装置2は、ユーザ操作を受け付ける。
【0061】
ステップS114において、受信装置2は、例えば、ステップS106でユーザに提示した放送コンテンツへの切り替え手段等のユーザ操作を受け付けると、OTTコンテンツから放送コンテンツに切り替え、放送コンテンツを出力部25に出力させる。また、受信装置2は、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。そして、図11に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0062】
ステップS116において、放送局1は、データ放送によるコマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図4図5図10に示したコマンドをデータ放送により実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0063】
ステップS118において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。また、受信装置2は、データ放送よるコマンドの実行に基づいて、returnURIに対応する見逃し配信アプリが終了して最初に提示するコンポーネントのURIを出力部25に出力させる。例えば、受信装置2は、見逃し配信アプリが終了して最初に提示するコンポーネントのURIとして、見逃し配信アプリを起動するより前に表示していた放送コンテンツへの切り替えが指定されたことに基づいて、放送コンテンツを表示する。そして、図11に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0064】
なお、放送コンテンツへの切り替え手段の提示は、見逃し配信アプリを起動した後に、起動した見逃し配信アプリ内でガイドを表示することで実行されてもよい。
【0065】
このように、本実施形態に係る受信装置2は、放送コンテンツの表示中に、データ放送によりアプリケーションを起動する起動部(OTT処理部24)と、起動されたアプリケーションが終了した場合に前記アプリケーションを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替え処理を実行する切替処理部26と、を備える。
【0066】
これにより、受信装置2は、アプリケーションが終了したときに、アプリケーションを実行する前に表示していた放送コンテンツに切り替え処理を実行することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、コンテンツ終了による切り替えに対応していない受信装置であっても、放送コンテンツへの切り替え手段をユーザに提示することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0067】
なお、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能でないと判定される場合、すなわち、returnURIに対応していないと判定される場合、受信装置2は、ネットワークとサービスIDとに基づいて見逃し配信アプリの起動前に表示していた放送コンテンツへの切り替えを実行してもよい。
【0068】
図12は、本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS200において、受信装置2は、ユーザ操作による選局操作、電源操作に応じて、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。また、受信装置2は、選局された放送コンテンツを出力部25に出力させる。
【0069】
ステップS202において、放送局1は、データ放送によるBMLコマンドの実行によって受信装置2がOTTサービスに対応しているか否か、すなわち、見逃し配信アプリケーション(見逃し配信アプリ)に対応しているか否かを判定する。具体的には、放送局1は、データ放送により、図6図7に示したコマンドを実行して見逃し配信アプリに対応しているか否かを判定する。受信装置2が見逃し配信アプリに対応していると判定される場合、受信装置2はステップS204の処理を実行する。一方、受信装置2が見逃し配信アプリに対応していないと判定される場合、受信装置2は、図12に示すコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0070】
ステップS204において、受信装置2は、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否かを判定する。具体的には、受信装置2は、起動したアプリケーションが終了して最初に提示するコンポーネントのURIを指定する、returnURIに自装置が対応しているか否かに応じて、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否かを判定する。見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能でないと判定される場合、受信装置2は、ステップS206の処理を実行する。一方、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能であると判定される場合、受信装置2は、ステップS216の処理を実行する。
【0071】
ステップS206において、受信装置2は、現在の接続中のネットワークIDとサービスIDとを取得する。
【0072】
ステップS208において、放送局1は、データ放送によるコマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図4図5図10に示したコマンドをデータ放送により実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0073】
ステップS210において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。
【0074】
ステップS212において、受信装置2は、ステップS206で取得したネットワークIDとサービスIDで特定される放送コンテンツをアプリケーションの実行によって選局する。
【0075】
ステップS214において、受信装置2は、OTTコンテンツから放送コンテンツに切り替え、放送コンテンツを出力部25に出力させる。また、受信装置2は、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。そして、図12に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0076】
ステップS216において、放送局1は、データ放送によるコマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図4図5図10に示したコマンドをデータ放送により実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0077】
ステップS218において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。また、受信装置2は、データ放送よるコマンドの実行に基づいて、returnURIに対応する見逃し配信アプリが終了して最初に提示するコンポーネントのURIを出力部25に出力させる。例えば、受信装置2は、見逃し配信アプリが終了して最初に提示するコンポーネントのURIとして、見逃し配信アプリを起動するより前に表示していた放送コンテンツへの切り替えが指定されたことに基づいて、放送コンテンツを表示する。そして、図12に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0078】
本変形例によれば、returnURIによって放送コンテンツを指定できない受信装置であっても、ネットワークID、サービスIDに基づいてアプリケーション終了時に、アプリケーション実行前の放送コンテンツへの切り替えができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0079】
なお、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツへの切り替えが可能か否かの判定は、BMLコマンドの実行によって実行されてもよい。
【0080】
図13は、本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS300において、受信装置2は、ユーザ操作による選局操作、電源操作に応じて、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。また、受信装置2は、選局された放送コンテンツを出力部25に出力させる。
【0081】
ステップS302において、放送局1は、データ放送によるBMLコマンドの実行によって受信装置2がOTTサービスに対応しているか否か、すなわち、見逃し配信アプリケーション(見逃し配信アプリ)に対応しているか否かを判定する。具体的には、放送局1は、データ放送により、図6図7に示したコマンドを実行して見逃し配信アプリに対応しているか否かを判定する。受信装置2が見逃し配信アプリに対応していると判定される場合、受信装置2はステップS304の処理を実行する。一方、受信装置2が見逃し配信アプリに対応していないと判定される場合、受信装置2は、図13に示すコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0082】
ステップS304において、受信装置2は、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否かを判定する。具体的には、放送局1は、BMLコマンドの実行により、起動したアプリケーションが終了して最初に提示するコンポーネントのURIを指定する、returnURIに受信装置が対応しているか否かを判定する。見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能でないと判定される場合、受信装置2は、ステップS306の処理を実行する。一方、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能であると判定される場合、受信装置2は、ステップS316の処理を実行する。
【0083】
ここで、returnURIに対応するか否かの判定に用いるBMLコマンドgetResidentAppRUSupport()について説明する。ステップS304の判定に用いるコマンドは、number getResidentAppRUSupport(input String appName)である。appNameは、受信装置のアプリケーションを示す名称であり、コマンドの引数である。コマンドnumber getResidentAppRUSupport(input String appName)の実行により、戻り値1または0を得る。戻り値1は、returnURIに対応していることを示す。戻り値0はreturnURIに対応していないことを示す。
【0084】
図13に戻って、ステップS306において、放送局1は、BMLコマンドの実行により、放送コンテンツへの切り替え手段を受信装置2に表示させる。当該BMLコマンドは、array getResidentAppRUSupport2(input String appName)である。appNameは、受信装置のアプリケーションを示す名称であり、コマンドの引数である。コマンドarray getResidentAppRUSupport2(input String appName)の実行により、戻り値array[0]、array[1]を得る。戻り値array[0]は、1または0を示す。1は、returnURIに対応していることを示す。0は、returnURIに対応していないことを示す。戻り値array[1]は、Stringを示し、returnURIに対応していない受信装置に対する放送コンテンツへの切り替え手段を示す通知情報を表す。
【0085】
ステップS308において、放送局1は、データ放送によるコマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図4図5図10に示したコマンドをデータ放送により実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0086】
ステップS310において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。
【0087】
ステップS312において、受信装置2は、ユーザ操作を受け付ける。
【0088】
ステップS314において、受信装置2は、例えば、ステップS306でユーザに提示した放送コンテンツへの切り替え手段等のユーザ操作を受け付けると、OTTコンテンツから放送コンテンツに切り替え、放送コンテンツを出力部25に出力させる。また、受信装置2は、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。そして、図13に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0089】
ステップS314において、受信装置2は、OTTコンテンツから放送コンテンツに切り替え、放送コンテンツを出力部25に出力させる。また、受信装置2は、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。そして、図13に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0090】
ステップS316において、放送局1は、データ放送によるコマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図4図5図10に示したコマンドをデータ放送により実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0091】
ステップS318において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。そして、ステップS314の処理を実行する。
【0092】
このように、本変形例によれば、見逃し配信アプリから放送コンテンツへの切り替えに対応しているか否かの判定、放送コンテンツへの切り替えに対応していない場合の切り替え手順の提示をBMLコマンドによって実行することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、受信装置の性能によらず、放送コンテンツの切り替え、または切り替え手段の提示を実行することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0093】
なお、BMLコマンドの実行に代えて、ハイブリッドキャストによってアプリケーションの終了後に、アプリケーション切り替え前の放送コンテンツへの切り替え処理を実行してもよい。
【0094】
ここで、本変形例に係るコマンドについて説明する。
図14は、本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替えに係るコマンドの一例を示す図である。
コマンドhasCapability(query ,[param1,.,paramN])は、放送コンテンツに戻ることが可能か否か、アプリケーションの外部起動に対応するか否かを確認するためのコマンドである。引数は、query、param1、…、paramNである。戻り値の型は、Blooleanである。引数の型は、 String, String(可変個の引数をとる)である。なお、query, paramにおいて不明な指定がなされた場合にはfalseを返す。パラメータqueryはextraApp、param1はアプリケーションの名称、param2は1または0を示し、1は放送コンテンツに戻ることが可能であること、0は放送コンテンツに戻ることが不可能または不明であることを示す。
戻り値は、trueまたはfalseであり、trueはアプリケーションが外部起動可能、falseはアプリケーションの外部起動が不可能であることを示す。
【0095】
図15は、本実施形態の変形例に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS400において、受信装置2は、ユーザ操作による選局操作、電源操作に応じて、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、ハイブリッドキャスト(HC)を起動する。また、受信装置2は、選局された放送コンテンツを出力部25に出力させる。
【0096】
ステップS402において、放送局1は、ハイブリッドキャストによるコマンドの実行によって受信装置2がOTTサービスに対応しているか否か、すなわち、見逃し配信アプリケーション(見逃し配信アプリ)に対応しているか否かを判定する。具体的には、放送局1は、ハイブリッドキャストにより、図14に示したコマンドを実行して見逃し配信アプリに対応しているか否かを判定する。受信装置2が見逃し配信アプリに対応していると判定される場合、受信装置2はステップS404の処理を実行する。一方、受信装置2が見逃し配信アプリに対応していないと判定される場合、受信装置2は、図15に示すコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0097】
ステップS404において、受信装置2は、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否かを判定する。具体的には、放送局1は、図14に示したコマンドの実行により、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否かを判定する。放送コンテンツへの切り替えが可能でないと判定される場合、受信装置2は、ステップS406の処理を実行する。一方、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能であると判定される場合、受信装置2は、ステップS416の処理を実行する。
【0098】
ステップS406において、放送局1は、図14に示したコマンドの実行により、放送コンテンツへの切り替え手段を受信装置2に表示させる。
【0099】
ステップS408において、放送局1は、データ放送によるコマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図14に示したコマンドを実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0100】
ステップS410において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。
【0101】
ステップS412において、受信装置2は、ユーザ操作を受け付ける。
【0102】
ステップS414において、受信装置2は、例えば、ステップS406でユーザに提示した放送コンテンツへの切り替え手段等のユーザ操作を受け付けると、OTTコンテンツから放送コンテンツに切り替え、放送コンテンツを出力部25に出力させる。また、受信装置2は、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、HCを起動する。そして、図15に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0103】
ステップS414において、受信装置2は、OTTコンテンツから放送コンテンツに切り替え、放送コンテンツを出力部25に出力させる。また、受信装置2は、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、HCを起動する。そして、図15に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0104】
ステップS416において、放送局1は、コマンドの実行により、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、図14に示したコマンドをデータ放送により実行し、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。受信装置2は、見逃し配信アプリの実行によるOTTコンテンツを表示する。
【0105】
ステップS418において、放送局1は、OTTコンテンツの再生が完了したことに基づいて見逃し配信アプリを終了する。そして、ステップS414の処理を実行する。
【0106】
このように、本変形例によれば、見逃し配信アプリから放送コンテンツへの切り替えに対応しているか否かの判定、放送コンテンツへの切り替えに対応していない場合の切り替え手順の提示をハイブリッドキャストにおけるコマンドによって実行することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0107】
<第2の実施形態>
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0108】
[受信装置の構成]
次いで、第2の実施形態に係る受信装置2の構成について説明する。
第2の実施形態に係る受信装置2は、メインシステム部20と、受信部21と、入力部22と、出力部25と、切替処理部26と、を含んで構成される。
【0109】
切替処理部26は、OTTアプリケーションを起動、終了、放送コンテンツへ戻る処理、遷移元の放送コンテンツの表示への切り替え処理)、放送コンテンツへの戻るための手段を提示する処理(遷移元の放送コンテンツの表示への切り替え手段を提示する処理)を実行する機能を有する。切替処理部26は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前の遷移元のコンテンツへ戻る処理を実行する。切替処理部26は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前の遷移元の放送コンテンツへの戻るための手段を出力部25に出力させる。
【0110】
切替処理部26は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前の遷移元の放送コンテンツへ戻ることが可能か否かを判定する。切替処理部26は、判定結果に基づいて、戻るための手段を提示するか放送コンテンツへ戻る処理を実行するかを決定する。切替処理部26は、放送コンテンツへ戻るためのパラメータに対応するか否かを検出する。切替処理部26は、放送コンテンツへ戻るパラメータに対応していないことに基づいて、放送コンテンツへ戻るための手段をデータ放送により提示させる。
【0111】
切替処理部26は、判定部261と、決定部262と、検出部263と、を含んで構成される。
判定部261は、OTTアプリケーションが終了した後に、OTTアプリケーションを起動する前の遷移元の放送コンテンツへ戻ることが可能か否かを判定する。
決定部262は、判定結果に基づいて、遷移元に戻るための手段を提示する処理を実行するか遷移元に戻る処理を実行するかを決定する。
検出部263は、放送コンテンツへ戻るパラメータに対応するか否かを検出する。
【0112】
次いで、OTTアプリケーションの起動、終了、放送コンテンツへ戻る処理、放送コンテンツへ戻るための手段の提示について説明する。
OTTアプリケーションの起動および終了、放送コンテンツへ戻る処理、放送コンテンツへ戻るための手段を提示する処理は、BMLにより記述されたコマンドをデータ放送によって受信装置2に送信し、受信装置2において当該コマンドを実行させることが可能である。
なお、OTTアプリケーションの起動および終了、放送コンテンツへ戻る処理、放送コンテンツへ戻るための手段を提示する処理は、APIコマンドを受信装置2に実行させてもよい。
【0113】
まず、本実施形態に係るアプリケーションの起動に係るコマンドについて、図4に示すCM1を参照して説明する。
コマンドCM1は、受信装置2のアプリケーションを起動させるためのBMLコマンドである。startResidentApp()は、起動するアプリケーション、起動したアプリケーションが終了してBMLブラウザを再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIをそれぞれ指定することが可能なコマンドである。
図示するコマンドにおいて、起動するアプリケーションは、input String appNameによって指定することが可能である。また、起動したアプリケーションが終了してBMLブラウザが再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIは、input String returnURIによって指定することが可能である。 なお、最初に提示するコンポーネントのURIを特に指定しない場合には、当該returnURIは空文字列となる。
【0114】
次いで、本実施形態に係るエクストラブラウザの起動に係るコマンドについて、図5に示すコマンドCM2を参照して説明する。
コマンドCM2は、受信装置2においてデータ放送ブラウザとは異なるブラウザであるエクストラブラウザを起動するためのBMLコマンドである。startExtraBrowser()は、起動するエクストラブラウザ、起動したエクストラブラウザが終了してBMLブラウザが再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIをそれぞれ指定することが可能なコマンドである。
【0115】
図示する例において、起動するエクストラブラウザは、input String browserNameによって指定することが可能である。また、起動したアプリケーションが終了してBMLブラウザが再起動する場合に最初に提示するコンポーネントのURIは、input String returnURIによって指定することが可能である。
なお、最初に提示するコンポーネントのURIを特に指定しない場合には、当該returnURIは空文字列となる。
【0116】
BMLブラウザは、受信装置2が予め備えるBMLコマンドを表示、実行するためのブラウザである。従来の受信装置2では、アプリケーション数が少数であったため、returnURIによって最初に提示するコンポーネントを特に指定しなくても問題なく動作することができた。しかしながら、最近の受信装置2では、アプリケーションが複数ある。そのため、returnURIによって最初に提示するコンポーネントのURIが指定されない場合には、BMLブラウザが再起動する場合にアプリケーションやエクストラブラウザを起動する前の放送コンテンツに切り替えができない可能性がある。
【0117】
そこで、本実施形態では、アプリケーションのバージョンを識別するコマンドおよびブラウザに組み込まれた機能を確認するコマンドを用いる。図6、7に示すコマンドを参照して説明する。
【0118】
コマンドCM3は、アプリケーションのバージョンを識別するためのコマンドである。コマンドArray getResidentAppVersion(input String appName)は、引数appNameに対して、成功であれば、戻り値Array[0]、Array[1]、Array[2]、Array[3]、Array[4]のようにアプリケーション情報の配列を得る。コマンドArray getResidentAppVersion(input String appName)は、引数appNameに対して、失敗であれば、戻り値nullとなる。Array[0]は、製造者識別、あるいは拡張製造者識別を表す文字列であり、Array[1]は、受信装置のアプリケーション名を表す文字列である。Array[2]は、メジャーバージョン番号を表す文字列であり、Array[3]は、マイナーバージョン番号を表す文字列である。Array[4]は受信装置のアプリケーションごとに定める詳細情報である。
【0119】
例えば、図示する例において、コマンドCM3に引数appNameとしてExampleApplicationを規定すると、getResidentAppVersion(ExampleApplication)により、戻り値Array[4]にアプリケーションを起動する前の放送コンテンツに切り替え処理を実行する機能をサポートするか否かを表す文字列が格納される。例えば、Array[4]に値が存在すれば、アプリケーションExampleApplicationは、図4に示したコマンドCM1または図5に示したコマンドCM2を用いて起動される。
【0120】
次いで、本実施形態に係るブラウザに組み込まれた機能の確認に係るコマンドの一例を、図7を参照して説明する。
コマンドCM4は、ブラウザに組み込まれている機能を確認するためのコマンドである。コマンドgetBrowserSupport()は、引数sProvider、 functionname、 additionalinfoに対して、戻り値1または0を得る。sProviderは、当該機能を定義した事業体等を指定する文字列である。Functionnameは、機能名を指定する文字列である。additionalinfoは、機能に関する付加情報指定する文字列である。戻り値1は、指定された機能を有することを表す。戻り値0は指定された機能を有さないことを表す。
【0121】
例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: ExampleApplicationを規定する。ExampleApplicationがResidentAppの機能を有する場合、戻り値1を得る。戻り値1であれば、ExampleApplicationがResidentAppの機能をサポートし、アプリケーションExampleApplicationは、図4に示したコマンドCM1または図5に示したコマンドCM2を用いて起動される。
【0122】
図8は、本実施形態に係るアプリケーションをデータ放送により起動するコマンドの一例を示す図である。
コマンドCM5は、アプリケーションをデータ放送により起動するAPIコマンドである。コマンドgetBrowserSupport()は、引数uriname, MIME_type, Ex_infoに対して、戻り値1または0を得る。戻り値1は、指定された機能を有することを表す。戻り値0は指定された機能を有さないことを表す。
【0123】
図16は、本発明の第2実施形態に係るアプリケーションの起動に係るコマンドの定義の一例を示す図である。
本実施形態では、図7において示したコマンドCM4を用いて、更にアプリケーションの起動に係るパラメータの対応、およびアプリケーション終了後に遷移元に戻る機能を有するか否かを確認する。
【0124】
コマンドCM4は、ブラウザに組み込まれている機能を確認するためのコマンドである。コマンドgetBrowserSupport()は、引数functionname、引数additionalinfoに対して、戻り値1または0を得る。引数functionnameは、機能名を指定する文字列である。引数additionalinfoは、機能に関する付加情報指定する文字列である。戻り値1は、指定された機能を有することを表す。戻り値0は指定された機能を有さないことを表す。
【0125】
例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: SmarttvFunction、 additionalinfo: Ctrl.ExtAppを規定する。受信装置がSmarttvFunctionの機能を有する場合、戻り値1を得る。戻り値1であれば、SmarttvFunctionの機能をサポートし、アプリケーションは、図8に示したコマンドCM5を用いて起動される。
【0126】
また、例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: SmarttvFunction、 additionalinfo: returnToBroadcastを規定する。受信装置がコマンドCM5によって起動したアプリケーション終了後に遷移元に戻る機能を有する場合、戻り値1を得る。
【0127】
すなわち、引数functionname: SmarttvFunction、 additionalinfo: Ctrl.ExtAppを用いたコマンドCM4は、起動するアプリケーションが、起動に対応するOTTサービスのアプリケーションであるか否かを確認するためのコマンドである。また、引数functionname: SmarttvFunction、 additionalinfo: returnToBroadcastを用いたコマンドCM4は、アプリケーション終了後に遷移元の放送コンテンツへ戻る機能を有するか否かを確認するためのコマンドである。
【0128】
図17は、本実施形態に係るアプリケーションの起動に係るコマンドの定義の一例を示す図である。
本実施形態では、図7において示したコマンドCM4を用いて、更にアプリケーションの起動に係るコマンドCM1に対応するか否か、およびアプリケーション終了後に遷移元に戻るか機能を有するか否かを確認する。
【0129】
例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: SmarttvAppLauncherを規定する。受信装置がresidentAppの機能を有する場合、戻り値1を得る。戻り値1であれば、アプリケーションは、図4に示したコマンドCM1を用いて起動される。
【0130】
また、例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: returnToBroadcastを規定する。受信装置がコマンドCM1によって起動したアプリケーション終了後に遷移元に戻る機能を有する場合、戻り値1を得る。
【0131】
すなわち、引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: 、SmarttvAppLauncherを用いたコマンドCM4は、起動するアプリケーションが、図4に示すコマンドCM1による起動に対応するOTTサービスのアプリケーションであるか否かを確認するためのコマンドである。また、引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: returnToBroadcastを用いたコマンドCM4は、ResidentAppによって起動したアプリケーション終了後に遷移元の放送コンテンツへ戻る機能を有するか否かを確認するためのコマンドである。
【0132】
図18は、本実施形態に係るエクストラブラウザの起動に係るコマンドの定義の一例を示す図である。
本実施形態では、図7において示したコマンドCM4を用いて、更にエクストラブラウザの起動に係るコマンドCM2に対応するか否か、およびエクストラブラウザの終了後に遷移元に戻るか機能を有するか否かを確認する。
【0133】
例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: SmarttvAppBrowser1を規定する。受信装置がresidentAppの機能を有する場合、戻り値1を得る。戻り値1であれば、SmarttvAppBrowser1がResidentAppの機能をサポートし、アプリケーションSmarttvAppBrowser1は、図5に示したコマンドCM2を用いて起動される。
【0134】
また、例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: SmarttvAppBrowser2を規定する。受信装置がresidentAppの機能を有する場合、戻り値1を得る。戻り値1であれば、SmarttvAppBrowser2がResidentAppの機能をサポートし、アプリケーションSmarttvAppBrowser2は、図5に示したコマンドCM2を用いて起動される。
【0135】
ここで、引数SmarttvAppBrowse1と引数SmarttvAppBrowser2とは、アプリケーション起動関数を用いて第4引数をURL形式で指定する登録一般アプリケーションの起動に対応するか、アプリケーション起動関数を用いて第4引数をAppID形式で指定する登録一般アプリケーションの起動に対応するかに応じて用いる引数が異なる。
【0136】
また、例えば、図示する例において、コマンドCM4に引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: returnToBroadcastFromBを規定する。受信装置がコマンドCM2によって起動したアプリケーション終了後に遷移元に戻る機能を有する場合、戻り値1を得る。
【0137】
すなわち、引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: smarttvAppBrowser1を用いたコマンドCM4は、起動するエクストラブラウザが、図5に示すコマンドCM2による起動に対応するエクストラブラウザであるか否かを確認するためのコマンドである。また、引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: marttvAppBrowser2を用いたコマンドCM4は、起動するエクストラブラウザが、図5に示すコマンドCM2による起動に対応するエクストラブラウザであるか否かを確認するためのコマンドである。また、引数functionname: ResidentApp、 additionalinfo: returnToBroadcastFromBを用いたコマンドCM4は、起動したエクストラブラウザ終了後に遷移元の放送コンテンツへ戻る機能を有するか否かを確認するためのコマンドである。
【0138】
次いで、本実施形態に係るコンテンツ切り替え処理について説明する。
図19は、本発明の第2の実施形態に係るコンテンツ切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS500において、受信装置2は、ユーザ操作による選局操作、電源操作に応じて、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。また、受信装置2は、選局された放送コンテンツを出力部25に出力させる。次いで、ステップS502に処理を実行する。
【0139】
ステップS502において、放送局1は、データ放送によるBMLコマンドの実行によって受信装置2がOTTサービスに対応しているか否か、すなわち、見逃し配信アプリケーション(見逃し配信アプリ)に対応しているか否かを判定する。具体的には、放送局1は、データ放送により、コマンドCM4を受信装置2に実行させることで、受信装置2が見逃し配信アプリに対応しているか否かを判定する。受信装置2が見逃し配信アプリに対応していると判定される場合(ステップS502 YES)、放送局1は、ステップS504の処理を実行する。一方、受信装置2が見逃し配信アプリに対応していないと判定される場合(ステップS502 NO)、放送局1は、図19に示すコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0140】
ステップS504において、放送局1は、見逃し配信アプリ終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否か、すなわち、見逃し配信アプリ起動前の遷移元である放送コンテンツに戻る機能を有するか否かを判定する。具体的には、放送局1は、コマンドCM4を受信装置2に実行させることで、起動したアプリケーションが終了後に、見逃し配信アプリ起動前に表示していた放送コンテンツに切り替え可能か否か、すなわち、アプリケーション終了後に遷移元に戻る機能を有するか否かを判定する。受信装置2が見逃し配信アプリ終了後に、遷移元の放送コンテンツへ戻る機能を有さないと判定される場合(ステップS504 NO)、放送局1は、ステップS506の処理を実行する。一方、受信装置2が見逃し配信アプリ終了後に、遷移元の放送コンテンツへ戻る機能を有すると判定される場合(ステップS504 YES)、放送局1は、ステップS516の処理を実行する。
【0141】
ステップS506において、放送局1は、見逃し配信アプリが終了したときに見逃し配信アプリを起動する前の放送コンテンツの表示への切り替え手段、すなわち、見逃し配信アプリ終了後に遷移元の放送コンテンツへ戻るための手段を出力部25に出力させ、ユーザに提示させる。見逃し配信アプリ終了後に遷移元の放送コンテンツへ戻るための手段の提示は、見逃し配信アプリが起動されるよりも前のタイミング、すなわち、見逃し配信アプリへ遷移する前にユーザに対して提示される。遷移元の放送コンテンツへ戻るための手段の提示は、例えばデータ放送によってBMLコマンドを受信装置2に実行させることで、遷移元の放送コンテンツへ戻るためのメッセージを受信装置2に表示させる。当該メッセージには、放送コンテンツに戻るための受信装置2の操作手順が含まれる。その後、放送局1は、ステップS508の処理を実行する。
【0142】
ステップS508において、放送局1は、データ放送によるコマンドを受信装置2に実行させ、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。具体的には、放送局1は、コマンドCM1、コマンドCM2、コマンドCM3、コマンドCM4の各コマンドをデータ放送により受信装置2に実行させ、受信装置2の見逃し配信アプリを起動する。放送局1は、ステップS510の処理を実行する。
【0143】
ステップS510において、放送局1は、OTTコンテンツの再生(配信)が完了したことに基づいて受信装置2に見逃し配信アプリを終了させる。放送局1は、ステップS512の処理を実行する
【0144】
ステップS512において、放送局1は、ステップS506において提示した遷移元へ戻るための手段に応じたユーザ操作を受け付ける。放送局1は、ステップS514の処理を実行する。
【0145】
ステップS514において、放送局1は、ユーザ操作に応じてOTTコンテンツからから遷移元へ戻り、放送コンテンツを出力部25に出力させる。また、受信装置2は、選局されているコンテンツに対応するデータ放送を起動し、BMLブラウザを起動する。そして、図19に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0146】
ステップS516において、放送局1は、データ放送によるコマンドを受信装置2に実行させることより、受信装置2の見逃し配信アプリを起動させる。具体的には、放送局1は、コマンドCM1、コマンドCM2、コマンドCM3、コマンドCM4の各コマンドをデータ放送により受信装置2に実行させ、受信装置2の見逃し配信アプリを起動させる。放送局1は、ステップS518の処理を実行する。
【0147】
ステップS518において、放送局1は、OTTコンテンツの再生(配信)が完了したことに基づいて受信装置2の見逃し配信アプリを終了させる。また、放送局1は、データ放送よるコマンドを受信装置2に実行させることで、見逃し配信アプリを起動前に表示していた遷移元へ戻る処理を実行し、遷移元である放送コンテンツを受信装置2に表示させる。そして、図19に係るコンテンツ切り替え処理を終了する。
【0148】
なお、放送コンテンツへ戻るための手段の提示は、見逃し配信アプリを起動した後に、起動した見逃し配信アプリ内でガイドを表示することで実行されてもよい。
【0149】
このように、本実施形態に係る受信装置2は、アプリケーションに対応する放送コンテンツの表示中に、データ放送によりアプリケーションを起動する起動部(OTT処理部24)と、アプリケーションが終了した場合に、アプリケーションを起動する前の放送コンテンツへ戻る処理が実行可能か否かを判定する判定部261と、前の放送コンテンツへ戻る処理が実行可能でないと判定される場合に、前の放送コンテンツへ戻るための手段を提示する提示部(出力部25)と、を備える。
【0150】
これにより、受信装置2は、アプリケーションが終了したときに、アプリケーションを実行する前に表示していた放送コンテンツへ戻る処理が実行可能か否かを確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0151】
なお、上述した実施形態における放送局1、受信装置2、放送局サーバ3、事業者サーバ4、OTTサーバ5の一部、例えば、受信装置2の分離部232、映像処理部233、音声処理部234、出力処理部235、判定部261、決定部262、検出部263、コンテンツ処理部241、コンテンツ出力処理部242の少なくとも一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、放送局1、受信装置2、放送局サーバ3、事業者サーバ4、OTTサーバ5に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0152】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0153】
また、上述した実施形態における放送局1、受信装置2、放送局サーバ3、事業者サーバ4、OTTサーバ5の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。放送局1、受信装置2、放送局サーバ3、事業者サーバ4、OTTサーバ5の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0154】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0155】
Sys 放送システム
1 放送局
2 受信装置
3 放送局サーバ
4 事業者サーバ
5 OTTサーバ
20 メインシステム部
21 受信部
22 入力部
23 放送波処理部
231 復調部
232 分離部
233 映像処理部
234 音声処理部
235 出力処理部
24 OTT処理部
241 コンテンツ処理部
242 コンテンツ出力処理部
25 出力部
26 切替処理部
261 判定部
262 決定部
263 検出部
【要約】
【課題】コンテンツの切り替えにおけるユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】アプリケーション処理部は、放送コンテンツの提示中に、データ放送に基づいてアプリケーションを起動し、前記アプリケーションの実行によるメディアサービスのコンテンツを提示し、切替処理部は、前記放送コンテンツの提示状態に切り替えることができない場合、前記放送コンテンツの提示状態への切り替え手段を提示し、前記アプリケーションを起動した後に、前記アプリケーションの実行により前記切り替え手段を提示する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19