(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-19
(45)【発行日】2025-03-28
(54)【発明の名称】キャップ、容器、軟水器、及び、連結機構
(51)【国際特許分類】
B65D 47/20 20060101AFI20250321BHJP
C02F 1/42 20230101ALI20250321BHJP
B01J 39/18 20170101ALI20250321BHJP
B01J 39/04 20170101ALI20250321BHJP
B01J 49/06 20170101ALI20250321BHJP
B01J 49/53 20170101ALI20250321BHJP
B01J 49/75 20170101ALI20250321BHJP
【FI】
B65D47/20 100
C02F1/42 A
B01J39/18
B01J39/04
B01J49/06
B01J49/53
B01J49/75
(21)【出願番号】P 2021127467
(22)【出願日】2021-08-03
【審査請求日】2024-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 元
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 孝之
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-218266(JP,A)
【文献】特開2021-088077(JP,A)
【文献】特開2011-136719(JP,A)
【文献】特開2009-274056(JP,A)
【文献】特開2021-050037(JP,A)
【文献】特許第6688571(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2020/0095033(US,A1)
【文献】国際公開第2004/068027(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107108083(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
B65D 51/18
B65D 51/20
C02F 1/42
B01J 39/18
B01J 39/04
B01J 49/06
B01J 49/53
B01J 49/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する容器本体に装着可能に構成され、前記内容物が注入される注入口が形成された注入部を備える機器と前記容器本体とを連結するためのキャップであって、
筒状で、前記容器本体から前記内容物が流れる流路を形成するキャップ本体と、前記流路を開閉する栓部と、を備え、
前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されると前記流路を開くよう構成され、
前記栓部の前記キャップ本体に対する係止は、前記容器本体が前記機器に連結された状態で、前記栓部が前記注入部に係合して解除されるように構成され
、
前記注入部は、前記注入口を開閉する蓋部を備え、
前記栓部は、前記栓部と前記蓋部とが係合することで、前記キャップ本体に対する係止が解除されるとともに、前記蓋部を開くように構成されるキャップ。
【請求項2】
前記栓部は、前記蓋部に係合した際に、前記注入口を開いてから前記栓部の前記キャップ本体に対する係止が解除されるように構成される請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
外部から前記流路を介して前記容器本体に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段を有する請求項1又は2に記載のキャップ。
【請求項4】
内容物を収容する容器本体に装着可能に構成され、前記内容物が注入される注入口が形成された注入部を備える機器と前記容器本体とを連結するためのキャップであって、
筒状で、前記容器本体から前記内容物が流れる流路を形成するキャップ本体と、前記流路を開閉する栓部と、を備え、
前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されると前記流路を開くよう構成され、
前記栓部の前記キャップ本体に対する係止は、前記容器本体が前記機器に連結された状態で、前記栓部が前記注入部に係合して解除されるように構成され
、
外部から前記流路を介して前記容器本体に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段を有するキャップ。
【請求項5】
前記注入部は、前記キャップ本体が内挿される内挿部を備え、
前記空気流入抑制手段は、前記内挿部に当接して前記流路への空気量を抑制するよう構成される請求項
4記載のキャップ。
【請求項6】
前記内挿部は、筒状に形成された側壁を有し、
前記空気流入抑制手段は、前記内挿部の側壁の内周面に当接するよう構成される請求項
5に記載のキャップ。
【請求項7】
前記栓部は前記キャップ本体に対する係止が解除された後に、前記係止した状態に復帰不能となるように構成されている請求項1
乃至6のいずれか1項に記載のキャップ。
【請求項8】
内容物が注入される注入口が形成された注入部を備える機器に連結され、前記内容物を前記機器に注入する容器であって、
前記内容物を収容する容器本体と、前記容器本体に設けられる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のキャップと、を備え
、
前記キャップ本体又は前記容器本体に、外部から前記容器本体に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段が設けられる容器。
【請求項9】
水の硬度成分を除去し、該水の硬度を下げる軟水器であって、
前記水が投入されるタンクと、該タンクの内部に設けられ、前記水に含まれる前記硬度成分を吸着して除去するイオン交換樹脂と、該イオン交換樹脂に吸着した前記硬度成分を前記イオン交換樹脂から除去し、前記イオン交換樹脂を再生する再生剤が収容された容器本体及び該容器本体に装着されるキャップを有する容器から、前記再生剤が前記タンクの内部に注入される注入口が形成された注入部と、を備え、
前記キャップは、前記容器本体から前記注入口に前記再生剤が流れる流路を形成するキャップ本体と、該流路を開閉する栓部を備え、
前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されたときに前記流路を開くよう構成され、
前記注入部は、前記注入部に連結された前記容器の前記栓部における前記キャップ本体に対する係止を解除する係止解除部を備えるよう構成され
、
前記注入部は、前記注入口を開閉する蓋部を備え、
前記栓部は、前記栓部と前記蓋部とが係合することで、前記キャップ本体に対する係止が解除されるとともに、前記蓋部を開くように構成される軟水器。
【請求項10】
前記蓋部は、前記栓部に係合した際に、前記注入口を開いてから前記栓部の前記キャップ本体に対する係止を解除するように構成される請求項
9に記載の軟水器。
【請求項11】
前記注入部は、前記キャップ本体が内挿される内挿部を備え、
前記内挿部は、前記キャップ本体が当接して、外部から前記容器本体への空気の流入を抑制するよう構成される請求項
9又は10に記載の軟水器。
【請求項12】
水の硬度成分を除去し、該水の硬度を下げる軟水器であって、
前記水が投入されるタンクと、該タンクの内部に設けられ、前記水に含まれる前記硬度成分を吸着して除去するイオン交換樹脂と、該イオン交換樹脂に吸着した前記硬度成分を前記イオン交換樹脂から除去し、前記イオン交換樹脂を再生する再生剤が収容された容器本体及び該容器本体に装着されるキャップを有する容器から、前記再生剤が前記タンクの内部に注入される注入口が形成された注入部と、を備え、
前記キャップは、前記容器本体から前記注入口に前記再生剤が流れる流路を形成するキャップ本体と、該流路を開閉する栓部を備え、
前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されたときに前記流路を開くよう構成され、
前記注入部は、前記注入部に連結された前記容器の前記栓部における前記キャップ本体に対する係止を解除する係止解除部を備えるよう構成され
、
前記注入部は、前記キャップ本体が内挿される内挿部を備え、
前記内挿部は、前記キャップ本体が当接して、外部から前記容器本体への空気の流入を抑制するよう構成される軟水器。
【請求項13】
水に含まれる硬度成分を吸着して除去するイオン交換樹脂を備え、前記水の硬度を下げる軟水器に、前記イオン交換樹脂に吸着した前記硬度成分を前記イオン交換樹脂から除去し、前記イオン交換樹脂を再生する再生剤が収容された容器本体を備える容器を連結するための連結機構であって、
前記軟水器は、前記再生剤が内部に流入可能な注入口が形成された注入部を備え、
前記容器は、前記容器本体に装着可能に構成されるキャップを備え、
前記キャップは、筒状で、前記容器本体から前記再生剤が流れる流路を形成し、前記注入部に連結可能なキャップ本体と、前記流路を開閉する栓部と、を備え、
前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されると前記流路を開くよう構成され、
前記注入部は、前記注入部に連結された前記容器の栓部における前記キャップ本体に対する係止を解除する係止解除部を備え
、
前記容器は、外部から前記容器本体に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段を備える連結機構。
【請求項14】
前記空気流入抑制手段は、前記キャップに設けられ、
前記注入部は、前記キャップ本体が内挿され、前記空気流入抑制手段が当接可能な被当接部を備え、
前記空気流入抑制手段は、前記被当接部に当接して前記流路への空気量を抑制するよう構成される請求項
13に記載の連結機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ、該キャップを備えた容器、軟水器、及び、連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟水器として、特許文献1に記載の軟水化装置が知られている。軟水化装置は、所定容量のタンクと、タンク内に配置され、水道水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去可能なイオン交換樹脂部と、を備える。このような軟水化装置では、水道水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンをイオン交換樹脂部が除去することで、水道水を軟水化できるとされている。しかしながら、イオン交換樹脂部は、所定量のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを除去すると、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの除去性能が低下するため、所定量の再生水をタンク内に投入してイオン交換樹脂部を再生(イオン交換樹脂部を初期状態に復元)する必要がある。
【0003】
上記軟水化装置では、タンクの上部に、タンク内に再生水を投入するための孔である再生水投入口が形成されており、容器に収容された再生水を再生水投入口に所定量投入することで、再生水によってイオン交換樹脂部を再生できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような軟水化装置では、再生水を容器から再生水投入口に投入する際に、再生水がこぼれ、所定量を適切に再生水投入口に投入できなくなることがあった。
【0006】
軟水化装置に限らず、液体を注入するために機器に形成された注入口に、容器から液体を注入する際に、液体がこぼれ、液体を機器に所定量注入できなくなるという問題は、種々の機器で発生する問題である。
【0007】
そこで、本発明は、容器本体に収容された内容物を適切に機器に注入することができるキャップ、該キャップを備えた容器、軟水器、及び、連結機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のキャップは、内容物を収容する容器本体に装着可能に構成され、前記内容物が注入される注入口が形成された注入部を備える機器と前記容器本体とを連結するためのキャップであって、筒状で、前記容器本体から前記内容物が流れる流路を形成するキャップ本体と、前記流路を開閉する栓部と、を備え、前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されると前記流路を開くよう構成され、前記栓部の前記キャップ本体に対する係止は、前記容器本体が前記機器に連結された状態で、前記栓部が前記注入部に係合して解除されるように構成される。
【0009】
かかる構成によれば、キャップは、機器に連結された際に栓部が注入部に係合してキャップ本体に対する係止が解除されるように構成されているので、キャップを機器に連結する前は、栓部が流路を閉じているので、内容物がこぼれることがなく、連結した状態では、栓部が注入部に係合して栓部が流路を開いてから、内容物がキャップ本体によって形成される流路に沿って注入口に流れるので、内容物がこぼれることを抑制できる。よって、容器本体に収容された内容物を適切に機器に注入することができる。
【0010】
また、前記栓部は前記キャップ本体に対する係止が解除された後に、前記係止した状態に復帰不能となるように構成することもできる。
【0011】
かかる構成によれば、栓部は、復帰不能であるので、係止が解除された際に、容器本体に内容物を残した状態で注入を中断することを抑制できるため、容器本体の内容物の全量を確実に機器に注入できる。
【0012】
また、前記注入部は、前記注入口を開閉する蓋部を備え、前記栓部は、前記栓部と前記蓋部とが係合することで、前記キャップ本体に対する係止が解除されるとともに、前記蓋部を開くように構成することもできる。
【0013】
かかる構成によれば、栓部は蓋部に係合した際に、注入口と流路の両方を開くので、注入口が閉じたまま内容物を注入して、内容物が注入部からあふれることを抑制できる。
【0014】
また、前記栓部は、前記蓋部に係合した際に、前記注入口を開いてから前記栓部の前記キャップ本体に対する係止が解除されるように構成することもできる。
【0015】
かかる構成によれば、注入口が開いてから栓部の係止が解除されるので、注入口が開く前に内容物が注入され、注入部から内容物があふれることを抑制できる。
【0016】
また、外部から前記流路を介して前記容器本体に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段を有するよう構成することもできる。
【0017】
かかる構成によれば、空気流入抑制手段によって流路を介して容器本体に流れる空気量を抑制できるので、容器本体に過剰に空気が流れ、内容物が容器本体から過剰に流出してしまうことで、注入口に入りきらない内容物が注入部から溢れることを抑制できる。
【0018】
また、前記注入部は、前記キャップ本体が内挿される内挿部を備え、前記空気流入抑制手段は、前記内挿部に当接して前記流路への空気量を抑制するよう構成することもできる。
【0019】
かかる構成によれば、空気流入抑制手段は、内挿部に当接して空気流入量を抑制するので、内挿部とキャップ本体の隙間から流路を介して容器本体に流れる空気の量を抑えることができるため、容器本体に過剰に空気が流れ、過剰に内容物が流れることで、注入口に流れ切らない内容物が注入部から溢れることを抑制できる。
【0020】
また、前記内挿部は、筒状に形成された側壁を有し、前記空気流入抑制手段は、前記内挿部の側壁の内周面に当接するよう構成することもできる。
【0021】
かかる構成によれば、空気流入抑制手段は、内挿部の側壁の内周面に当接するので、容器本体から内容物が排出される際の振動等で、容器本体及びキャップが内挿部の軸線方向に移動したとしても、挿し込んだキャップ本体と内挿部との間で確実に空気の流入量を抑制できる。
【0022】
また、本発明の容器は、内容物が注入される注入口が形成された注入部を備える機器に連結され、前記内容物を前記機器に注入する容器であって、前記内容物を収容する容器本体と、前記容器本体に設けられる前記キャップと、を備える。
【0023】
かかる構成によれば、栓部は、機器に装着された際に注入部に係合して係止が解除されるように構成されているので、キャップを機器に装着する際に、内容物がこぼれることがなく、かつ、内容物は、キャップ本体によって形成される流路に沿って注入口に流れるので、内容物がこぼれることを抑制でき、容器本体に収容された内容物を適切に機器に注入することができる。
【0024】
また、前記キャップ本体又は前記容器本体に、外部から前記容器本体に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段が設けられるよう構成することもできる。
【0025】
かかる構成によれば、空気流入抑制手段によって容器本体に流れる空気量を抑制できるので、容器本体に過剰に空気が流れ、内容物が容器本体から過剰に流出してしまうことで、注入口に入りきらない内容物が注入部から溢れることを抑制できる。
【0026】
また、本発明の軟水器は、水の硬度成分を除去し、該水の硬度を下げる軟水器であって、前記水が投入されるタンクと、該タンクの内部に設けられ、前記水に含まれる前記硬度成分を吸着して除去するイオン交換樹脂と、該イオン交換樹脂に吸着した前記硬度成分を前記イオン交換樹脂から除去し、前記イオン交換樹脂を再生する再生剤が収容された容器本体及び該容器本体に装着されるキャップを有する容器から、前記再生剤が前記タンクの内部に注入される注入口が形成された注入部と、を備え、前記キャップは、前記容器本体から前記注入口に前記再生剤が流れる流路を形成するキャップ本体と、該流路を開閉する栓部を備え、前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されたときに前記流路を開くよう構成され、前記注入部は、前記注入部に連結された前記容器の栓部における前記キャップ本体に対する係止を解除する係止解除部を備えるよう構成される。
【0027】
かかる構成によれば係止解除部は、連結状態で栓部の係止を解除し、流路を開くので、再生剤がこぼれることを抑制でき、容器本体に収容された再生剤を適切に軟水器に注入することができる。
【0028】
また、前記注入部は、前記注入口を開閉する蓋部を備え、前記栓部は、前記栓部と前記蓋部とが係合することで、前記キャップ本体に対する係止が解除されるとともに、前記蓋部を開くように構成することもできる。
【0029】
かかる構成によれば、蓋部は栓部に係合した際に、注入口と流路の両方を開くので、注入口が閉じたまま内容物を注入して、内容物が注入部からあふれることを抑制できる。
【0030】
また、前記蓋部は、前記栓部に係合した際に、前記注入口を開いてから前記栓部の前記キャップ本体に対する係止を解除するように構成することもできる。
【0031】
かかる構成によれば、注入口が開いてから栓部の係止が解除されるので、注入口が開く前に内容物が注入され、注入部から内容物があふれることを抑制できる。
【0032】
また、前記注入部は、前記キャップ本体が内挿される内挿部を備え、
前記内挿部は、前記キャップ本体が当接して、外部から前記容器本体への空気の流入を抑制するよう構成することもできる。
【0033】
かかる構成によれば、内挿部にキャップ本体が当接するので、軟水器の外部から容器本体に流入する空気の量を抑制できるため、容器本体に過剰に空気が流入し、過剰に内容物が流れることで、注入口に流れ切らない再生剤が注入部から溢れることを抑制できる。
【0034】
また、本発明の連結機構は、水に含まれる硬度成分を吸着して除去するイオン交換樹脂を備え、前記水の硬度を下げる軟水器に、前記イオン交換樹脂に吸着した前記硬度成分を前記イオン交換樹脂から除去し、前記イオン交換樹脂を再生する再生剤が収容された容器本体を備える容器を連結するための連結機構であって、前記軟水器は、前記再生剤が内部に流入可能な注入口が形成された注入部を備え、前記容器は、前記容器本体に装着可能に構成されるキャップを備え、前記キャップは、筒状で、前記容器本体から前記再生剤が流れる流路を形成し、前記注入部に連結可能なキャップ本体と、前記流路を開閉する栓部と、を備え、前記栓部は、前記キャップ本体に係止して前記流路を閉じ、前記係止が解除されると前記流路を開くよう構成され、前記注入部は、前記注入部に連結された前記容器の栓部における前記キャップ本体に対する係止を解除する係止解除部を備えるよう構成される。
【0035】
かかる構成によれば、係止解除部は、連結状態で栓部の係止を解除し、流路を開くので、再生剤がこぼれることを抑制でき、容器本体に収容された再生剤を適切に軟水器に注入することができる。
【0036】
また、前記容器は、外部から前記容器本体に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段を備えるよう構成することもできる。
【0037】
かかる構成によれば、空気流入抑制手段によって容器本体に流れる空気量を抑制できるので、容器本体に過剰に空気が流れ、再生剤が容器本体から過剰に流出してしまうことで、注入口に入りきらない再生剤が注入部から溢れることを抑制できる。
【0038】
また、前記空気流入抑制手段は、前記キャップに設けられ、前記注入部は、前記キャップ本体が内挿され、前記空気流入抑制手段が当接可能な被当接部を備え、前記空気流入抑制手段は、前記被当接部に当接して前記流路への空気量を抑制するよう構成することもできる。
【0039】
かかる構成によれば、注入部は、空気流入抑制手段が当接する被当接部を備えるので、キャップ本体と注入部との隙間を空気流入抑制手段が被当接部に当接することで小さくすることができ、外部から容器本体に流入する空気の量を抑制できるので、容器本体に過剰に空気が流入し、過剰に内容物が流れることで、注入口に流れ切らない再生剤が注入部から溢れることを抑制できる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、容器本体に収容された内容物を適切に機器に注入することができるキャップ、該キャップを備えた容器、軟水器、及び、連結機構を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の一実施形態に係る容器及びキャップを示す図である。
【
図5】本発明の軟水器及び連結機構の注入部を示す平面図である。
【
図11】同容器を同注入部に連結する途中段階を示す図である。
【
図12】同容器を同注入部に連結した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の一実施形態に係るキャップ2、容器1、軟水器7、及び連結機構8について、
図1乃至
図12を参照して説明する。説明の都合上、上下方向は、軟水器7の設置状態における上下を基準に説明する。
【0043】
まず、キャップ2及び容器1について、
図1乃至
図4を参照して説明する。
【0044】
図1に示すように、容器1は、内容物を収容する容器本体11と、容器本体11に設けられたキャップ2と、を備える。本実施形態の容器1は、内容物として後述する再生剤を収容する。本実施形態の容器1は、容器本体11に収容された内容物を、キャップ2を介して外部に流出させることができるよう構成されている。また、本実施形態で、容器1には、後述する軟水器7のイオン交換樹脂73を再生するために適切な量の再生剤が収容される。さらに、容器1は、後述する軟水器7の注入部5に連結可能に構成される。
【0045】
容器本体11は、有底の筒状体である。また、容器本体11は、軸線方向一端部(下端部)に形成される口部から内容物又は空気を出し入れ可能な筒状体である。具体的に、容器本体11は、内部に内容物を収容する筒状の収容部12と、収容部12とキャップ2とを連結する被装着部13と、を備える。本実施形態の収容部12は、容器本体11の底部と、底部から軸線方向一方側に立設される胴部と、胴部から軸線方向一方側に延びる先細り形状の肩部と、を含む。また、本実施形態の収容部12は、軸線方向一端部が先細り形状となっているので、内容物が収容部12から外部へ流出する速度を抑制できる。本実施形態の被装着部13は、後述するキャップ2の装着部23に嵌合可能な複数の突起を外周面に備える(
図11参照)。さらに、本実施形態の被装着部13は、容器本体11の口部を有し、内容物を出し入れ可能に構成されている。また、容器本体11は、軸線方向一方側を下に向けて使用される。
【0046】
キャップ2は、容器本体11に装着可能であり、容器本体11と軟水器7の注入部5とを連結可能である。また、キャップ2は、内部を内容物が流れることができるように構成されている。具体的に、
図2乃至
図4に示すように、キャップ2は、筒状で、内部を内容物及び空気が流れることができるキャップ本体21と、キャップ本体21の内部に設けられ、キャップ本体21の内部を閉じることができる栓部22と、容器本体11の被装着部13に装着することができる装着部23と、を備える。また、キャップ2は、軟水器7の注入部5に連結された状態で、外部から容器1の内部に流入する空気量を抑制する空気流入抑制手段24と、キャップ本体21の外周面に設けられ、軟水器7の注入部5と係合して、容器1が注入部5から脱落することを抑制する固定部25と、を備える。
【0047】
キャップ本体21は、容器本体11から流出した内容物が流れる流路を形成する筒状体である。また、キャップ本体21は、内部に栓部22が係合可能に構成されている。具体的に、キャップ本体21は、流路を画定する筒状のキャップ側壁26を備える。また、キャップ側壁26は、内部に栓部22が係止可能な栓係止部27と、後述する蓋部53に当接して、蓋部53を下方に押し込む蓋押し部28と、を備える。蓋押し部28は、キャップ側壁26に設けられた径内方に向かって突出する突起である。本実施形態の蓋押し部28は、キャップ側壁26の内周の1周に亘って設けられた突起である。
【0048】
キャップ側壁26は、容器本体11に収容された内容物が流れる流路を画定する筒状の部位である。また、キャップ側壁26は、軸線方向の少なくとも一部が注入部5に挿入される。本実施形態のキャップ側壁26は、上端部に栓部22が係止可能である。具体的に、キャップ側壁26は軸線方向他端部に栓部22が係止可能な栓係止部27を備える。本実施形態の栓係止部27は、栓部22が嵌合可能に構成されている。栓係止部27には、後述する栓部22の栓本体部39が嵌合可能な嵌合凹部29が形成される。嵌合凹部29は、キャップ側壁26の内周面に一周に亘って形成される。
【0049】
空気流入抑制手段24は、容器1が軟水器7に連結された際に、外部から容器本体11に流入する空気の量を抑制する部位である。本実施形態の空気流入抑制手段24は、軟水器7の外部から容器本体11に流入する空気の量を抑制する。また、本実施形態の空気流入抑制手段24は、容器本体11に一気に多量の空気が流入することを抑制する手段である。即ち、本実施形態の空気流入抑制手段24は、軟水器7の外部から流入する空気の量を適量にすることで、一気に容器本体11に多量の空気が流入することを抑制する。具体的に、空気流入抑制手段24は、キャップ本体21の先端側に設けられる筒状部31と、外部からの空気の流入を規制する空気流入規制部30と、外部からの空気の流入を許容する空気流入許容部32と、を備える。また、本実施形態の空気流入抑制手段24は、径方向に弾性変形可能であり、自然状態での外径が注入部5の内径よりも大きい。
【0050】
空気流入規制部30は、キャップ2のうち、軟水器7の注入部5の内壁に当接可能な部位である。本実施形態の空気流入規制部30は、キャップ2(筒状部31)の外周面に設けられた径外方に突出する突起である。具体的に、空気流入規制部30は、径方向に弾性変形可能であり、自然状態での外径が、注入部5のうちキャップ2を注入部5に挿入しきった状態で空気流入規制部30が位置する部位(被当接部57)の内径よりも大きい。また、本実施形態の空気流入規制部30は、径方向に弾性変形可能であり、自然状態での外径が注入部5のうち、キャップ本体21が挿入される部分である内挿部51の内壁よりも大きく構成される。さらに、本実施形態の空気流入抑制手段24は、キャップ本体21に係止した栓部22の先端(軸線方向一端部)よりも先端側(軸線方向一端側)に配置される。また、空気流入抑制手段24は、キャップ2の軸線方向一端部に周方向の略一周に亘って設けられる径外方に突出する突起である。本実施形態の空気流入規制部30は、キャップ2の周方向のうち、後述するスリットが形成される部分(空気流入許容部32)を除いて設けられる。また、本実施形態の空気流入規制部30は、スリットによって、径方向に弾性変形可能となるように構成される。さらに、空気流入規制部30は、周方向に間を空けて複数設けられる突起である。本実施形態で、各突起の間には、空気流入許容部32としてのスリットが形成されている。また、スリットの周方向の幅は、空気流入規制部30の周方向の幅よりも小さい。
【0051】
空気流入許容部32は、キャップ2を注入部5に挿入した際に、外部からキャップ2の流路内に空気が流入することを許容する部位である。本実施形態の空気流入許容部32は、キャップ2の径方向に貫通するように形成された孔である。具体的に、空気流入許容部32は、キャップ2の先端側(軸線方向一端側)から基端側(軸線方向他端側)に向かって延びるスリットとして構成される。また、本実施形態で、スリットは、筒状部31の軸線方向一端部から他端側に延びるよう形成されている。即ち、空気流入許容部32としてのスリットは、キャップ2の軸線方向一端部から、筒状部31までに亘って延びるよう形成される。また、空気流入許容部32としてのスリットは、空気流入規制部30としての突起よりも軸線方向他端側まで延びよう形成される。即ち、空気流入許容部32は、空気流入規制部30よりも上方でキャップ2の径外方から径内方に空気が流れることを許容する部位である。さらに、空気流入許容部32としてのスリットは、キャップ2の周方向に離間して複数形成される。即ち、空気流入許容部32によって、キャップ2は、周方向に離間した複数の位置から空気が流入可能となるように構成されている。
【0052】
装着部23は、容器本体11を装着可能な部位である。具体的に、装着部23は、容器本体11の被装着部13に装着可能な部位である。本実施形態の被装着部13は、装着部23に対して外嵌可能である。さらに、装着部23は、被装着部13に水密な状態で嵌合可能である。本実施形態の装着部23は、被装着部13に嵌合した状態で、装着部23と被装着部13の間にOリングを固定可能な封水部33を備え、封水部33にOリングを配置することで被装着部13に水密な状態で嵌合することができる。また、本実施形態の装着部23は、被装着部13に対して嵌め殺しされる。即ち、本実施形態の装着部23は、被装着部13に装着した後に、取外しができないように構成されている。
【0053】
固定部25は、注入部5に係合可能なキャップ本体21の外周面に設けられる部位である。固定部25は、軸線方向に離間して配置され、キャップ本体21から径外方に突出する一対の係止突起34と、周方向に離間して配置され、キャップ本体21から径外方に突出する一対の係止突起34の間に延びる回り止め部35とを備える。また、固定部25は、キャップ本体21の外周面に複数配置される。本実施形態で、固定部25は、キャップ本体21の外周面に周方向に略180度離れて1対配置される。
【0054】
一対の係止突起34は、機器に連結したときに上部に設けられる突起である上部係止突起36と、下部に設けられる突起である下部係止突起37と、を備える。即ち、係止突起34は、軸線方向他端側に設けられる突起である上部係止突起36と、上部係止突起36から軸線方向一端側に離間して配置される突起である下部係止突起37と、を備える。上部係止突起36及び下部係止突起37は、周方向に略平行に延びる突起である。また、上下方向で上部係止突起36及び下部係止突起37の間には、注入部5の注入突起55が嵌合する固定空間25aを画定する。また、下部係止突起37には、注入部5の注入突起55を固定空間25aに挿入可動な程度の固定開口37aが形成される。さらに、一対の係止突起34は、固定空間25aに向かって突出する抜け止め部38を備える。本実施形態の抜け止め部38は、上部係止突起36及び下部係止突起37の両方に設けられる。また、抜け止め部38は、周方向で固定開口37aと隣り合う位置に設けられている。本実施形態で、上部係止突起36及び下部係止突起37の軸線方向の距離(固定空間25aの上下方向の幅)は、注入突起55の上下方向の幅と略等しい。また、抜け止め部38が設けられる部分の軸線方向の距離は、注入突起55の上下方向の幅よりも少し小さい。
【0055】
栓部22は、キャップ本体21の内部に形成される流路を閉じることができる部位である。また、栓部22は、キャップ本体21に係止して流路を閉じることができ、係止が解除されると流路を開くように構成されている。さらに、栓部22は、注入部5に係合して、キャップ本体21の内部に形成される流路を開くことができるように構成された栓である。具体的に、栓部22は、キャップ本体21に係止して流路を閉じる栓本体部39と、栓本体部39から軸線方向一端側に延伸し、注入部5と係合可能な栓延伸部40と、を備える。本実施形態の栓部22は、キャップ本体21の栓係止部27に係止可能である。具体的に、栓部22は、栓係止部27に形成された嵌合凹部29に栓本体部39が嵌合することで、キャップ本体21に係止される。本実施形態の栓部22は、軸線方向他端側から軸線方向一端側に移動してキャップ本体21(嵌合凹部29)に嵌合し、軸線方向一端側から軸線方向他端側に移動してキャップ本体21(嵌合凹部29)との嵌合が解除されるように構成される。さらに、本実施形態の栓部22は、容器本体11の内容物(再生剤)に浮くことができるように構成されている。即ち、本実施形態の栓部22は、容器本体11の内容物よりも比重が小さい。
【0056】
栓本体部39は、嵌合凹部29に嵌合可能な板状体である。また、栓本体部39は、嵌合凹部29に嵌合した状態で、流路を閉じる部位である。即ち、栓本体部39は、嵌合凹部29に嵌合して、栓部22をキャップ本体21に係止し、流路を閉じる部位である。さらに、栓本体部39の嵌合凹部29への嵌合が解除されると、栓部22のキャップ本体21への係止も解除される。本実施形態に栓本体部39は、弾性変形可能に構成されており、弾性変形して嵌合凹部29に嵌合する。また、本実施形態の栓本体部39は、自然状態で外径が嵌合凹部29の内径よりも大きく、嵌合凹部29に嵌合したときに縮径するように変形し、復元しようとすることで、栓本体部39の外縁部が嵌合凹部29に密着して、軸線方向に内容物が流れないように(水密に)流路を閉じる。
【0057】
栓延伸部40は、栓本体部39から下方に延伸する棒状の部位である。また、栓延伸部40は、注入部5と係合して、栓部22のキャップ本体21への係止を解除可能である。さらに、栓延伸部40は、注入部5と係合して、栓本体部39の嵌合凹部29への嵌合を解除して、栓部22のキャップ本体21への係止を解除可能である。本実施形態の栓延伸部40は、栓部22がキャップ本体21に係止している状態で、軸線方向で蓋押し部28の近傍まで延びる。また、栓延伸部40は、キャップ2を注入部5に連結する際に、後述する係止解除部59(蓋部53)に当接可能である。
【0058】
次に、上記の容器1が連結される注入部5について
図5乃至
図7を参照して説明する。
【0059】
注入部5は、キャップ2が装着された容器本体11を連結可能であり、容器本体11から内容物が注入される部位である。また、注入部5は、注入された内容物を機器の内部へ流入させるように構成されている。具体的に、注入部5は、キャップ2が内挿される内挿部51と、内挿部51の下方に設けられ、内容部を機器の内部へ流入される注入口5aが形成された注入口部52と、注入口5aを開閉する蓋部53と、を備える。
【0060】
内挿部51は、注入部5の上端に設けられ、キャップ2を内挿可能な筒状の部位である。具体的に、内挿部51は、キャップ2が内挿される内挿空間51aを画定する筒状の内挿本体部54と、内挿本体部54に設けられ、固定部25に嵌合可能な注入突起55と、内挿本体部54の径外方に設けられ、内挿本体部54からあふれた内容物を貯留可能な貯留部56と、を備える。
【0061】
内挿本体部54は、キャップ本体21の外径よりも内径が大きい筒状体である。また、内挿本体部54は、空気流入量抑制手段の外径よりも内径が小さい筒状体である。内挿本体部54は、空気流入抑制手段24(空気流入規制部30)が当接する被当接部57を備える。本実施形態の被当接部57は、内挿本体部54の側壁である。また、本実施形態の被当接部57は、空気流入規制部30が当接可能な部位である。このような内挿本体部54では、空気流入規制部30が被当接部57に当接するが、キャップ本体21と内挿本体部54の側壁との間には隙間が形成されるので、空気流入規制部30が当接している部分においては、空気がキャップ2に流入することが規制され、空気流入規制部30が当接していない部分(空気流入許容部32に対応する部分)においては、隙間を介してキャップ2に空気が流入可能となる。
【0062】
注入突起55は、固定部25に嵌合可能な径内方に向かって突出する突起である。また、注入突起55は、周方向に離間して複数配置される突起である。また、注入突起55は、内挿部51の上端部に設けられる突起である。本実施形態で、注入突起55は、内挿部51の周方向に略180度離間して1対(2つ)配置されている。さらに、注入突起55の上下方向の幅は、上部係止突起36及び下部係止突起37の上下方向の距離と略等しい。また、本実施形態の注入突起55は、周方向の中央部分が一部肉抜きされている。
【0063】
貯留部56は、内挿本体部54の上方に設けられ、内挿本体部54から溢れた内容物を一時的に貯留する部位である。また、貯留部56は、一時的に貯留した内容物を内挿本体部54に流入することができるように構成されている。具体的に、貯留部56は、内挿空間51aと連通し、内容物を貯留可能な空間である貯留空間56aを画定する。本実施形態の貯留部56は、箱型である。また、貯留部56の底部は、内挿本体部54側(内挿空間51a側)が下となるように傾斜している。
【0064】
注入口部52は、内挿本体部54の下方に設けられ、機器の内部に内容物が流入可能となる注入口5aが形成された筒状の部位である。また、注入口部52には、注入口5aの下方において、内容物が機器の内部へと流入可能となる注入窓52aが形成されている。具体的に注入口部52は、上下方向に延びる筒状体であり、蓋部53によって開閉される注入口5aと、注入口5aの下方で、径方向に貫通した窓である注入窓52aと、が形成されている。即ち、注入口5aに流入した内容物は、注入窓52aを介して機器の内部へと流入する。具体的に、注入口部52は、注入窓52aを画定する窓枠部521と、窓枠部521の下方に設けられる注入端部522と、を備える。
【0065】
蓋部53は、注入口5aを開閉可能な蓋である。また、蓋部53は、キャップ2の栓部22に係合して、栓部22のキャップ本体21への係止を解除可能な部位である。本実施形態の蓋部53は、内容物が注入されない時には、機器の内部に塵や埃などが入らないように注入口5aを塞ぎ、内容物が注入される際には注入口5aを開くように構成されている。具体的に、蓋部53は、注入口5aを開閉する板状の蓋本体部58と、蓋本体部58から上方に向かって延び、栓延伸部40と係合可能な係止解除部59と、蓋本体部58の下方に設けられ、蓋本体部58が注入口5aを閉じるように付勢する付勢部60と、を備える。
【0066】
係止解除部59は、蓋本体部58から上方に向かって延びる部位である。また、係止解除部59は、栓延伸部40と係合して、下方に移動可能に構成されている。さらに、係止解除部59は、下方に移動することで、蓋本体部58を付勢部60の付勢に抗って押し下げ、注入口5aを開くよう構成されている。また、係止解除部59は、栓延伸部40と係合して、栓部22のキャップ本体21に対する係止を解除するよう構成されている。具体的に、係止解除部59は、栓延伸部40を押し上げることで、栓部22全体を押し上げ、栓本体部39の嵌合凹部29への嵌合を解除して、栓部22のキャップ本体21に対する係止を解除する。本実施形態の係止解除部59は、栓延伸部40によって押し下げられて注入口5aを開いてから栓部22を押し上げて栓部22の係止を解除するように構成される。また、係止解除部59は、キャップ本体21に係止する状態に復帰しようとする栓部22の栓延伸部40に当接して、該復帰を阻害するように構成される。本実施形態の係止解除部59は、キャップ本体21の蓋押し部28に当接可能な段部61と、段部61よりも上方まで延び、径方向の長さが段部61よりも小さい復帰規制部62と、を備える(
図12参照)。段部61は、後述するキャップ本体21の注入部5に対する連結の途中で、栓部22のキャップ本体21に対する係止が解除された後に、蓋押し部28に当接し、蓋押し部28によって上方への移動が規制される。
【0067】
復帰規制部62は、段部61が蓋押し部28に当接した状態でキャップ本体21の内部に進入した状態となる部位である。また、復帰規制部62は、キャップ本体21に対する係止が解除された栓部22が、重力等によって下方に移動し、キャップ本体21に係止する状態に復帰することを規制する部位である。即ち、本実施形態の栓部22は、内容物より比重が小さいので、内容物に浮くことで、内容物を注入完了するまで係止した状態に復帰することが不能となり、しかも、容器1内部の内容物が減ったときにも、復帰規制部62によって、復帰が規制されるので、キャップ本体21に係止した状態に復帰することが不能となる。
【0068】
付勢部60は、蓋本体部58及び蓋本体部58に連結される係止解除部59を上方に付勢する部位である。具体的に付勢部60は、蓋本体部58の下部に連結される弾性体である付勢本体部63と、付勢本体部63の下方を固定する付勢底部64と、を備える。本実施形態の付勢本体部63は、コイルバネであり、自然状態での長さが付勢底部64から注入口5aまでの長さよりも長い。また、付勢底部64は、注入口部52に固定され、上下方向に移動不能である。具体的に、付勢底部64は、注入端部522に固定される。付勢部60は、蓋本体部58が下方に押し下げられることで、付勢本体部63が圧縮され、蓋本体部58を押し下げる力がなくなると復元し、蓋本体部58を上方に押し上げる。また、本実施形態で、蓋本体部58が付勢部60の付勢に抗って下方に移動し、注入口5aを開いた状態で、蓋本体部58が付勢底部64に当接するように構成される。即ち、蓋本体部58が所定量下方に移動すると、蓋本体部58と付勢底部64が当接し、所定量以上、蓋本体部58及び蓋本体部58に連結された係止解除部59が下方に移動することが規制される。
【0069】
本実施形態の付勢部60が蓋本体部58を上方に付勢する力は、内容物を収容した容器1における栓部22とキャップ本体21との係止を解除するために必要な栓部22を押し上げる力よりも小さい。即ち、本実施形態の蓋部53は、蓋本体部58が所定量下方に移動し、注入口5aを開いた状態で、蓋本体部58及び係止解除部59が下方に移動することが規制されてから、係止解除部59が栓部22を上方に押し上げ、栓部22とキャップ本体21との係止を解除する。
【0070】
次に、上記注入部5が設けられる機器である軟水器7及び連結機構8について
図8乃至
図10を参照して説明する。
【0071】
図8に示すように、本実施形態の軟水器7は、いわゆるシャワー式軟水器であり、浴室内に配置され、シャワー用の水(例えば温水)を軟水化する装置である。このような軟水器7は、水の硬度成分を除去し、水の硬度を下げ、水を軟水化する装置である。なお、軟水化とは、水の硬度を下げることを言い、例えば、硬水を軟水にする処理や、硬水の処理前よりも硬度の低い硬水にする処理や、軟水をより硬度の低い軟水にする処理等を指す。本実施形態の軟水器7は、水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンといった硬度成分を除去する。具体的に、軟水器7は、軟水化処理の対象となる水が水供給口71から投入されるタンク72と、タンク72の内部に設けられ、水供給口71からの水(被処理水)を軟水化処理するためのイオン交換樹脂73が充填された処理部74と、処理部74で処理された軟水を排出する水排出口75と、容器1に収容された再生剤がタンク72の内部に注入される注入口5aが形成された注入部5と、を備えている。水供給口71は、例えば、浴室の混合栓にホースを介して接続され、混合栓から供給される被処理水をタンク72内に供給できる。また、水排出口75は、軟水化処理が完了した水をシャワーヘッドにホースを介して供給する。
【0072】
処理部74は、イオン交換樹脂73を格納し、被処理水を軟水化処理する部位である。具体的に、処理部74は、タンク72の上下方向の中途部分に配置される。処理部74では、被処理水が密に設けられたイオン交換樹脂73に浸透することで、被処理水の硬度成分が除去される。具体的に、処理部74には、粒状のイオン交換樹脂73が密に設けられ、被処理水がイオン交換樹脂73の間に浸透することで軟水化処理がなされる。
【0073】
イオン交換樹脂73は、被処理水に含まれる硬度成分を吸着して被処理水から除去する。しかしながら、イオン交換樹脂73が吸着できる硬度成分の量には限界があり、一定量の硬度成分を吸着したイオン交換樹脂73は、それ以上硬度成分を吸着できなくなる。そこで、イオン交換樹脂73が一定量の硬度成分を吸着した際には、イオン交換樹脂73が吸着した硬度成分を除去する(再生する)ために、イオン交換樹脂73から硬度成分を除去可能な再生剤を処理部74に投入する必要がある。また、イオン交換樹脂73を適切に再生するためには、所定量の再生剤を処理部74に投入しなければならない。さらに、本実施形態のイオン交換樹脂73は、粒状の樹脂が集合して構成されている。なお、イオン交換樹脂73が一定量の硬度成分を吸着したことは、例えば、使用回数や、被処理水の通水量、前回の再生からの経過時間などから推測することができる。
【0074】
タンク72は、内部に処理部74を有し、所定量の水を収容可能な部位である。具体的に、タンク72は内部に、処理部74が配置される空間と、処理部74よりも上方の空間で、処理部74に投入される被処理水や再生剤が一時的に溜まる滞留空間72aと、処理部74よりも下方の空間で、処理された被処理水が排出されるまでに一時的に溜まる排出待機空間72bと、を画定する。水供給口71及び注入部5は、滞留空間72aに被処理水及び再生剤を投入可能であり、水排出口75は、排出待機空間72bから被処理水を排出可能である。本実施形態で、タンク72内に投入された被処理水及び再生剤は、重力によって、滞留空間72aから処理部74へ、処理部74から排出待機空間72bへ、と落下するように移動する。
【0075】
注入部5は、タンク72の上部に設けられ、タンク72の外部から再生剤を滞留空間72aに投入可能である。具体的に、注入部5の投入口は、滞留空間72aに連通しており、注入部5に注入された内容物(再生剤)は、タンク72の内部の滞留空間72aに投入される。
【0076】
図10に示すように、連結機構8は、再生剤が収容された容器1と、軟水器7の内部に再生剤が流入可能な注入口5aが形成された注入部5と、を備える。容器1及び注入部5の構成は、前述の容器1及び注入部5と同様の構成である。
【0077】
以上のような構成の容器1に収容された内容物(再生剤)を機器(軟水器7)に注入する方法について
図10乃至
図12を参照して説明する。
【0078】
図10に示すように、内容物を機器に注入する際には、キャップ2を注入部5に内挿する。具体的に、容器1をキャップ2が下に位置するように向け、キャップ2を注入部5に挿し込む。
【0079】
図11に示すように、キャップ2を注入部5に挿し込んでいくと、栓延伸部40と係止解除部59が当接する。このとき、栓部22がキャップ本体21に係止する力が、付勢部60が蓋本体部58を押し上げる力よりも大きいので、栓延伸部40によって係止解除部59が押し下げられ、係止解除部59に連結された蓋本体部58が付勢底部64に当接するまで下方に移動することで、注入口5aが開かれる。
【0080】
図12に示すように、蓋本体部58が付勢底部64に当接してからさらにキャップ2を注入部5に挿し込んでいくと、係止解除部59によって、栓延伸部40が上方に押し上げられ、栓本体部39と嵌合凹部29との嵌合が解除され、栓部22のキャップ本体21に対する係止が解除される。栓部22の係止が解除されることで、流路が開き、内容物が注入部5に流入する。流入した内容物は、注入口5aを介して機器の内部(滞留空間72a)へと流入する。さらに、係止が外れた栓部22は、内容物に浮いて、容器1内で上方へと移動する。また、係止が外れた栓部22が、内容物の流れによって下方に移動したとしても、復帰規制部62は栓部22がキャップ本体21と係止する状態に復帰することを阻害するので、栓部22はキャップ本体21と係止する状態に復帰できなくなる。
【0081】
流路が開いた後は、蓋押し部28が係止解除部59の段部61に当接して、付勢部60の付勢に抗って蓋部53を下方に押し下げる。これにより、流入途中に蓋部53が注入口5aを閉じることを抑制できる。
【0082】
また、容器1を注入部5に連結した状態は、注入突起55及び固定部25の嵌合によって維持される。具体的に、キャップ2を注入部5に挿入する際に、注入突起55を固定開口37aから固定空間25aに挿入し、容器1を上下方向中心に回動させることで、注入突起55が一対の係止突起34の間に配置される。注入突起55が一対の係止突起34の間に配置されることで、容器1が注入部5から脱落することが抑制される。
【0083】
容器本体11内部の内容物の機器への注入が完了してから、容器1は注入部5との連結を解除され、取り外される。注入部5から容器1が取り外されると、蓋部53を上方から押す部材がなくなるため、付勢部60によって蓋本体部58が上方に押し上げられ、注入口5aが閉じられる。
【0084】
以上のような構成のキャップ2によれば、機器に連結された際に栓部22が注入部5に係合してキャップ本体21に対する係止が解除されるように構成されているので、キャップ2を機器に連結する前は、栓部22が流路を閉じているので、内容物がこぼれることがなく、連結した状態では、栓部22が注入部5に係合して栓部22が流路を開いてから、内容物がキャップ本体21によって形成される流路に沿って注入口5aに流れるので、内容物がこぼれることを抑制できる。よって、容器本体11に収容された内容物を適切に機器に注入することができる。
【0085】
また、栓部22は、復帰不能であるので、係止が解除された際に、容器本体11に内容物を残した状態で注入を中断することを抑制できるため、容器本体11の内容物の全量を確実に機器に注入できる。
【0086】
さらに、栓部22は蓋部53に係合した際に、注入口5aと流路の両方を開くので、注入口5aが閉じたまま内容物を注入して、内容物が注入部5からあふれることを抑制できる。
【0087】
また、注入口5aが開いてから栓部22の係止が解除されるので、注入口5aが開く前に内容物が注入され、注入部5から内容物があふれることを抑制できる。
【0088】
さらに、空気流入抑制手段24によって流路を介して容器本体11に流れる空気量を抑制できるので、容器本体11に過剰に空気が流れ、内容物が容器本体11から過剰に流出してしまうことで、注入口5aに入りきらない内容物が注入部5から溢れることを抑制できる。
【0089】
また、空気流入抑制手段24は、内挿部51に当接して空気流入量を抑制するので、内挿部51とキャップ本体21の隙間から流路を介して容器本体11に流れる空気の量を抑えることができるため、容器本体11に過剰に空気が流れ、過剰に内容物が流れることで、注入口5aに流れ切らない内容物が注入部5から溢れることを抑制できる。
【0090】
さらに、空気流入抑制手段24は、内挿部51の側壁の内周面に当接するので、容器本体11から内容物が排出される際の振動等で、容器本体11及びキャップ2が内挿部51の軸線方向に移動したとしても、挿し込んだキャップ本体21と内挿部51との間で確実に空気の流入量を抑制できる。
【0091】
また、空気流入抑制手段24は、内挿部51の内周面に当接する空気流入規制部30を備え、空気流入規制部30は、径方向に弾性変形可能であり、自然状態で外径が内挿部51の内径よりも大きいよう構成されている。よって、空気流入規制部30を内挿部51に挿入すると、空気流入規制部30の外面が内挿部51の内面に当接して、空気流入規制部30の外径が縮径する方向に弾性変形する。そして、空気流入規制部30が内挿部51に挿入された状態で空気流入規制部30が拡径する方向に復元しようとするため、空気流入規制部30の外面が内挿部51の内面に当接した状態を維持でき、確実に空気の流入を抑制できる。
【0092】
さらに、空気流入抑制手段24は、筒状で、内挿部51の内壁に当接する空気流入規制部30と、空気流入規制部30の先端から基端側に向かって延びる複数のスリットを有する空気流入許容部32と、を備え、空気流入規制部30は、スリットによって径方向に弾性変形可能に構成され、かつ、自然状態で外径が内挿部51の内径よりも大きいよう構成され、空気流入許容部32は、スリットによって空気流入規制部30が内挿部51に当接した状態で、空気が機器の外部から流路に流入可能なように構成されている。よって、空気流入規制部30の弾性変形によって確実に空気流入規制部30が内挿部51に当接した状態とすることができ、かつ、空気流入許容部32(スリット)によって、空気が流入可能となるので、キャップ本体21の構成で、容器本体11に流入する空気の量を適切な量にすることができる。具体的に、空気流入規制部30によって外部の空気が全く容器1内に流入しないとすれば、容器1とタンク72の間で空気がうまく流れないエア詰まりと呼ばれる現象を起こし、タンク72内の空気と容器1内の再生剤が入れ替わらず、再生剤が全く流れない又は少量しか流れない恐れがある。そこで、空気流入許容部32によって、外部から空気を流入可能とすることで、容器1内の再生剤が流出可能となり、重力によってタンク72内に流入可能となるので、エア詰まりを起こすことを抑制でき、確実に再生剤を機器に注入できる。
【0093】
また、キャップ2は、筒状で内挿部51に挿入可能なキャップ本体21と、機器の外部から流路を介して容器本体11に流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段24と、を備え、空気流入抑制手段24は、キャップ本体21の外径よりも外径が大きい。よって、空気流入抑制手段24は、キャップ本体21の外径よりも大きいので、確実に内挿部51に当接することができる。
【0094】
さらに、上記の容器1によれば、栓部22は、機器に装着された際に注入部5に係合して係止が解除されるように構成されているので、キャップ2を機器に装着する際に、内容物がこぼれることがなく、かつ、内容物は、キャップ本体21によって形成される流路に沿って注入口5aに流れるので、内容物がこぼれることを抑制でき、容器本体11に収容された内容物を適切に機器に注入することができる。
【0095】
また、空気流入抑制手段24によって容器本体11に流れる空気量を抑制できるので、容器本体11に過剰に空気が流れ、内容物が容器本体11から過剰に流出してしまうことで、注入口5aに入りきらない内容物が注入部5から溢れることを抑制できる。
【0096】
さらに、容器1は、容器本体11に外部から流入する空気の量を抑制する空気流入抑制手段24を備え、空気流入抑制手段24は、筒状で、内挿部51の内壁に当接する空気流入規制部30と、容器本体11に外部からの空気の流入を許容する空気流入許容部32と、を備える。よって、容器本体11に過剰に空気が流入して、内容物が容器本体11から過剰に流出してしまうことで、注入口5aに入りきらない内容物が注入部5から溢れることを抑制しつつも、空気流入許容部32により容器本体11に外部から空気を流入されることができるので、エア詰まりによって機器に内容物を適切に注入できなくなることを抑制できる。
【0097】
また、上記の軟水器7によれば、係止解除部59は、連結状態で栓部22の係止を解除し、流路を開くので、再生剤がこぼれることを抑制でき、容器本体11に収容された再生剤を適切に軟水器7に注入することができる。
【0098】
さらに、蓋部53は栓部22に係合した際に、注入口5aと流路の両方を開くので、注入口5aが閉じたまま内容物を注入して、内容物が注入部5からあふれることを抑制できる。
【0099】
また、注入口5aが開いてから栓部22の係止が解除されるので、注入口5aが開く前に内容物が注入され、注入部5から内容物があふれることを抑制できる。
【0100】
さらに、内挿部51にキャップ本体21が当接するので、軟水器7の外部から容器本体11に流入する空気の量を抑制できるため、容器本体11に過剰に空気が流入し、過剰に内容物が流れることで、注入口5aに流れ切らない再生剤が注入部5から溢れることを抑制できる。
【0101】
また、注入部5は、キャップ本体21が内挿される筒状の内挿本体部54と、内挿本体部54よりも上部に設けられ、内挿本体部54からあふれた内容物を一時的に貯留可能な貯留部56を備え、貯留部56は、一時的に貯留した内容物を内挿本体部54に注入可能に構成されている。よって、容器1を機器に連結した直後などに、一時的に内容物が過剰に容器1から流出した場合であっても、注入口5aに入りきらない内容物を貯留部で一時的に貯留することができるので、内容物が注入部5からあふれることを抑制できる。
【0102】
さらに、上記の連結機構8によれば、係止解除部59は、連結状態で栓部22の係止を解除し、流路を開くので、再生剤がこぼれることを抑制でき、容器本体11に収容された再生剤を適切に軟水器7に注入することができる。
【0103】
また、空気流入抑制手段24によって容器本体11に流れる空気量を抑制できるので、容器本体11に過剰に空気が流れ、再生剤が容器本体11から過剰に流出してしまうことで、注入口5aに入りきらない再生剤が注入部5から溢れることを抑制できる。
【0104】
さらに、注入部5は、空気流入抑制手段24が当接する被当接部57を備えるので、キャップ本体21と注入部5との隙間を空気流入抑制手段24が被当接部57に当接することで小さくすることができ、外部から容器本体11に流入する空気の量を抑制できるので、容器本体11に過剰に空気が流入し、過剰に内容物が流れることで、注入口5aに流れ切らない再生剤が注入部5から溢れることを抑制できる。
【0105】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0106】
例えば、機器の例として、軟水器7を、内容物の例として再生剤を挙げて説明したが、このような場合に限らず、軟水器7以外の機器及び該機器に注入される内容物について本発明を適用することもできる。
【0107】
また、キャップ2は、容器本体11に嵌め殺しされる場合について説明したが、このような場合に限らず、容器本体11に着脱可能なように構成することもできるし、キャップ2と容器本体11が一体として構成することもできる。
【0108】
さらに、栓部22は係止が解除された場合に、再生剤に浮き、少なくとも再生剤の注入が完了するまで復帰不能となる場合について説明したが、このような場合に限らず、復帰可能に構成することもできる。
【0109】
また、蓋部53は、栓部22と係合して注入口5aを開く場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、キャップ本体21を連結する前に蓋部53を開くことができるように構成することもできる。
【0110】
さらに、蓋部53は、栓部22の係止を解除する前に注入口5aを開く場合について説明したが、このような構成に限らず、栓部22の係止を解除するのと同時に注入口5aを開くように構成することもできるし、栓部22の係止を解除してから注入口5aを開くように構成することもできる。なお、このように構成する場合には、上記実施形態の貯留部56を備える注入部5のように、注入部5がある程度の再生剤を受けることができるように構成されていることが好ましい。
【0111】
また、空気流入規制部30は、スリットによって弾性変形可能な場合について説明したが、このような場合に限らず、例えば、空気流入規制部30が弾性を有する材料で構成されることで、弾性変形可能に構成されることもできる。
【0112】
さらに、空気流入規制部30は、内挿部51の側壁の内周面に当接する場合について説明したが、このような場合に限らず、例えば、内挿部51に形成された段差のような、内挿部51の側壁の以外の部位に当接するように構成することもできる。
【0113】
また、空気流入許容部32は、キャップ本体21に形成されるスリットとして構成される場合について説明したが、このような場合に限らず、例えば、容器本体11に形成される孔として構成されることもできる。容器本体11に形成される孔として構成する場合には、流路を開くまでは孔を閉塞部材で塞いで、内部の内容物が漏れないようにしておき、流路を開いてから閉塞部材を取外すことで、容器本体11に適切な量の空気を送ることができる。
【符号の説明】
【0114】
1…容器、2…キャップ、5…注入部、5a…注入口、7…軟水器、8…連結機構、11…容器本体、12…収容部、13…被装着部、21…キャップ本体、22…栓部、23…装着部、24…空気流入抑制手段、25…固定部、25a…固定空間、26…キャップ側壁、27…栓係止部、28…蓋押し部、29…嵌合凹部、30…空気流入規制部、31…筒状部、32…空気流入許容部、33…封水部、34…係止突起、35…回り止め部、36…上部係止突起、37…下部係止突起、38…抜け止め部、39…栓本体部、40…栓延伸部、51…内挿部、52…注入口部、521…窓枠部、522…注入端部、53…蓋部、54…内挿本体部、55…注入突起、56…貯留部、57…被当接部、58…蓋本体部、59…係止解除部、60…付勢部、61…段部、62…復帰規制部、63…付勢本体部、64…付勢底部、71…水供給口、72…タンク、73…イオン交換樹脂、74…処理部、75…水排出口