(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-19
(45)【発行日】2025-03-28
(54)【発明の名称】血液系に使用される圧力制御弁及びその圧力調節方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/06 20130101AFI20250321BHJP
A61M 39/02 20060101ALI20250321BHJP
F16K 17/04 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
A61F2/06
A61M39/02 100
F16K17/04 Z
(21)【出願番号】P 2024201936
(22)【出願日】2024-11-19
【審査請求日】2024-11-19
(31)【優先権主張番号】202311772487.0
(32)【優先日】2023-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514276562
【氏名又は名称】燕山大学
【氏名又は名称原語表記】YANSHAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 438, Hebei Street, Haigang District, Qinhuangdao City, HeBei 066004 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100232862
【氏名又は名称】王 雪
(72)【発明者】
【氏名】蔡 偉
(72)【発明者】
【氏名】張 雲鵬
(72)【発明者】
【氏名】趙 禹煕
(72)【発明者】
【氏名】李 卓放
(72)【発明者】
【氏名】孫 ▲ロ▼軒
【審査官】松山 雛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0224047(US,A1)
【文献】実開平1-176416(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/06
F16K 17/04
A61M 39/02
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液系に使用される圧力制御弁であって、
バルブボディと、バルブキャップと、バルブコアと、密封装置と、駆動装置とを含み、前記バルブキャップは、前記バルブボディの側壁に接続され、前記バルブコア、密封装置及び駆動装置は、前記バルブキャップと前記バルブボディとを接続する箇所に設けられ、
前記バルブボディは、中空柱構造であり、かつ前記バルブボディの側壁には、貫通孔が開設され、前記貫通孔の両側におけるバルブボディの側壁には、ネジ構造を有する凹溝が開設され、
前記バルブキャップの下面は、前記バルブボディの側壁に接続され、前記バルブキャップの上面には、ボルトが通過するためのネジ穴が開設され、前記ボルトは、前記ネジ穴を通過して前記バルブボディの側壁における凹溝に接続され、前記バルブキャップの上面には、前記駆動装置を取り付けるための駆動空間がさらに設けられ、前記駆動空間の上方には、蓋板が設けられ、前記蓋板の両側は、それぞれ円柱ピンを介して前記バルブキャップに接続され、
前記バルブキャップと前記バルブボディとを接続する箇所には、排液通路が設けられ、
前記駆動装置は、モータと、電源と、回転軸と、ウェーブスプリングと、スライダとを含み、前記蓋板の下方には、前記電源、モータ、回転軸、スライダ、ウェーブスプリング及びバルブコアが順に設けられ、かつ前記電源の出力端は、前記モータの入力端に接続され、前記モータの出力端は、前記回転軸の第1端に接続され、前記回転軸の第2端は、スライダの第1端に固定接続され、前記ウェーブスプリングの第1端は、前記スライダの第2端に接触し、前記ウェーブスプリングの第2端は、前記バルブコアの第1端に接触し、
前記バルブコアの第1端には、前記ウェーブスプリングが動作するためのスプリング空間が設けられ、前記バルブコアの中途の外側壁には、外延構造が設けられ、前記外延構造は、前記バルブコアが前記バルブボディの内部に滑り込むことを防止するものであり、前記バルブコアの第2端は、中空構造であり、かつ前記バルブコアの第2端の側壁には、複数の通液溝が開設されることを特徴とする、血液系に使用される圧力制御弁。
【請求項2】
前記バルブボディの側壁には、センサがさらに設けられ、センサは、無線装置によりセンターコンソールに接続され、かつ前記センターコンソールは、無線装置によりモータの回転をリモート制御することを特徴とする、請求項1に記載の圧力制御弁。
【請求項3】
前記バルブボディ内の液体圧力が正常値である場合、前記バルブコアの中途外延部位は、前記バルブボディの貫通孔に密着し、前記ウェーブスプリングは、伸張状態にあり、前記排液通路は、バルブボディに連通せず、
前記バルブボディ内の液体圧力が高い値である場合、液体は前記バルブコアを押し動かすことで、前記バルブコアは、ウェーブスプリングを押し付けることにより前記バルブコアの中途外延部位は前記バルブボディの貫通孔から分離し、流出する液体は、前記バルブコアを流れてから排液通路より流出することを特徴とする、請求項2に記載の圧力制御弁。
【請求項4】
前記密封装置は、シールリングであることを特徴とする、請求項1に記載の圧力制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブの技術分野に属し、特に、血液系に使用される圧力制御弁及びその圧力調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高血圧は慢性疾患であり、高血圧を完全に治すことは非常に困難であり、現在、一般的な臨床治療法は、降圧薬を長期間使用して血圧を正常範囲内にコントロールし、高血圧の合併症を効果的に予防することである。したがって、高血圧の診断と治療には長期にわたる薬物治療が必要になる。
【0003】
現在、血圧を下げる方法としては、薬物による降圧が主流である。しかし、薬が効くまでに時間がかかり、緊急時にはこの時間が患者の命を奪う主原因となる。簡単に言えば、薬物による降圧の過程は、下記である。
血圧が上昇→患者が認識→薬を使用→血圧が低下。
【0004】
血圧が上昇した後、患者認識の遅延、薬投与の遅延、薬の作用の遅延により、血圧の低下が遅れる。例えば、血圧降下薬であるニトログリセリン又はニトロプルシドナトリウムは、通常、経口投与後効果が現れるまでに約15~30分間かかる (知覚遅延と投薬遅延を算入すると、時間がさらに長くなる)。これらの遅延を解消し、血圧が上昇したらすぐに何らかの手段で血圧を下げることができれば、数え切れないほどの命が救われる可能性がある。
【0005】
生物学的経路を使用する薬物による降圧と比較して、物理的経路による降圧は、より迅速である。瀉血による降圧の原理は、人体血管の容積が変化しない状況で血量を減少させることで降圧の目的を達成することである。このような物理的経路による降圧は、ほとんど手術室での緊急事態でのみ使用され、関連する装置は比較的複雑であり、日常的な血圧降下には適していない。そのため、従来の物理的手段で血圧を下げる技術は現在ほぼ空白となっており、物理的手段で速やかに血圧を下げる装置の研究が急務となっている。
【発明の概要】
【0006】
従来技術の不足に対して、本発明は、血液系に使用される圧力制御弁及びその圧力調節方法を提供する。バルブコア、ウェーブスプリング及びモータの協働により、バルブコアはウェーブスプリングを圧縮することによりバルブボディとバルブキャップとの間の移動を実現し、これによって、バルブボディの内部における液体はバルブコアにより外へ排出され、最終的にバルブボディ内の液体圧力は常に安定状態を維持し、この空圧バルブは、物理的降圧の方式により血圧を降下することができ、かつ様々なシナリオの用途に適しており、操作が簡単で便利で、血圧を迅速かつ安全に下げるという目的を達成できる。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的手段を開示する。
バルブボディと、バルブキャップと、バルブコアと、密封装置と、駆動装置とを含み、前記バルブキャップは、前記バルブボディの側壁に接続され、前記バルブコア、密封装置及び駆動装置は、前記バルブキャップと前記バルブボディとを接続する箇所に設けられ、
前記バルブボディは、中空柱構造であり、かつ前記バルブボディの側壁には、貫通孔が開設され、前記貫通孔の両側におけるバルブボディの側壁には、ネジ構造を有する凹溝が開設され、
前記バルブキャップの下面は、前記バルブボディの側壁に接続され、前記バルブキャップの上面には、ボルトが通過するためのネジ穴が開設され、前記ボルトは、前記ネジ穴を通過して前記バルブボディの側壁における凹溝に接続され、前記バルブキャップの上面には、前記駆動装置を取り付けるための駆動空間がさらに設けられ、前記駆動空間の上方には、蓋板が設けられ、前記蓋板の両側は、それぞれ円柱ピンを介して前記バルブキャップに接続され、
前記バルブキャップと前記バルブボディとを接続する箇所には、排液通路が設けられ、
前記駆動装置は、モータと、電源と、回転軸と、ウェーブスプリングと、スライダとを含み、前記蓋板の下方には、前記電源、モータ、回転軸、スライダ、ウェーブスプリング及びバルブコアが順に設けられ、かつ前記電源の出力端は、前記モータの入力端に接続され、前記モータの出力端は、前記回転軸の第1端に接続され、前記回転軸の第2端は、スライダの第1端に固定接続され、前記ウェーブスプリングの第1端は、前記スライダの第2端に接触し、前記ウェーブスプリングの第2端は、前記バルブコアの第1端に接触し、
前記バルブコアの第1端には、前記ウェーブスプリングが動作するためのスプリング空間が設けられ、前記バルブコアの中途の外側壁には、外延構造が設けられ、前記外延構造は、前記バルブコアが前記バルブボディの内部に滑り込むことを防止するものであり、前記バルブコアの第2端は、中空構造であり、かつ前記バルブコアの第2端の側壁には、複数の通液溝が開設される、血液系に使用される圧力制御弁。
【0008】
選択的に、前記バルブボディの側壁には、センサがさらに設けられ、センサは、無線装置によりセンターコンソールに接続され、かつ前記センターコンソールは、無線装置によりモータの回転をリモート制御する。
【0009】
選択的に、前記バルブボディ内の液体圧力が正常値である場合、前記バルブコアの中途外延部位は、前記バルブボディの貫通孔に密着し、前記ウェーブスプリングは、伸張状態にあり、前記排液通路は、バルブボディに連通せず、前記バルブボディ内の液体圧力が高い値である場合、液体は前記バルブコアを押し動かすことで、前記バルブコアは、ウェーブスプリングを押し付けることにより前記バルブコアの中途外延部位は前記バルブボディの貫通孔から分離し、流出する液体は、前記バルブコアを流れてから排液通路より流出する。
【0010】
選択的に、前記密封装置は、シールリングである。
【0011】
また、本発明は、血液系に使用される圧力制御弁の圧力調節方法をさらに提供する。下記のステップを含む。
S1:バルブボディの内部に液体を注入し、センサにより液体の内部圧力を検出して初期圧力として記録し、バルブコアの中途がバルブボディ1の貫通孔に緊密に接触し、ウェーブスプリングは変化しない。
S2:バルブボディ内の液体圧力が高くなり始め、バルブコアが上動し、ウェーブスプリングが圧縮し始め、これによって、液体は排液通路より排出される。
S3:バルブボディ内の液体圧力が正常状態に回復したことがセンサによって検出された後、センターコンソールは、モータの回転を制御することで回転軸を駆動し、ウェーブスプリング及びそのバルブコアを押し動かし、これによって、バルブコアの中途にある外延は新たにバルブボディの側壁の貫通孔に密着して初期状態に回復する。モータの回転数はN:
【数1】
である。ここで、ΔLは、スプリングが取り付けられた後に圧縮される必要がある長さであり、h
0は、このときのスプリング空間の取り付け高さであり、Pは、開弁圧を調整するためのネジのピッチであり、Hは、このときのウェーブスプリングの高さであり、p
0は、バルブコアの開弁圧値であり、dは、バルブコアの直径であり、Kは、スプリングの剛性である。
モータの回転時間はt:
【数2】
である。ここで、nはモータの回転速度である。
【0012】
選択的に、S2において、通路から排出される液体の液体量はΔV:
【数3】
である。ここで、Lは、管路の総長さであり、tは、管路の平均厚さであり、dは、管路の平均直径であり、Eは、管路の平均弾性率であり、kは、液体の体積弾性係数であり、ΔPは、血圧がバルブコアの開弁圧よりも高い場合の、血圧がバルブコアの開弁圧を超えた値であり、V
0は、血管における血の大気圧下での体積であり、p
0は、バルブコアの開弁圧値である。
【0013】
従来技術と比較して、本発明は、以下の有益な効果を有する。
(1)本発明では、バルブボディ、バルブキャップ、バルブコア、密封装置及び駆動装置の協働により、使得バルブコアは、ウェーブスプリングを押し付けるか又は緩めることによりバルブボディとバルブキャップとの間での上下移動を実現し、最終的に高血圧の症状が出たときに直ちに動作することができ、これによって、できるだけ早く血圧を下げ、迅速かつ安全に血圧を下げる効果を達成することができる。
【0014】
(2)本発明は、圧力調節方法によりバルブコアの動作時間を正確に確認することで血圧値を正確に調節することができる。また、本装置は、リモートに調節することもでき、異なる使用者又は使用者の異なる時期に応じて異なるスキームを立て、異なる段階の精確な降圧需要を満たすことができる。
【0015】
(3)本発明は、バルブボディ、バルブキャップ、バルブコア、密封装置及び駆動装置を設けることによって、使用者に薬剤耐性が発生して薬の効果が失われることが防止され、長期間効果的かつ安全に血圧を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の血液系に使用される圧力制御弁の全体構造の模式図である。
【
図2】本発明の血液系に使用される圧力制御弁の断面図である。
【
図3】本発明の血液系に使用される圧力制御弁の断面斜視図である。
【
図4】本発明の血液系に使用される圧力制御弁のバルブコア構造の模式図である。
【
図5】
図5a-5bは、本発明の実施例1における血管を示す図である。
【0017】
符号の説明
1-バルブボディ;2-血圧センサ;3-センサO型シールリング;4-O型シールリング;5-C型シールリング;6-バルブキャップ;7-ボルト;8-矩形シールリング;9-円柱ピン;10-蓋板;11-モータ;12-回転軸;13-スライダ;14-ウェーブスプリング;15-バルブコア;16-通液溝;17-外延構造;18-スプリング空間。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の例示的な実施例、特徴及び態様について詳細に説明する。図面における同じ符号は、機能的に同一又は類似の要素を識別する。実施例の様々な態様が図面に示されているが、特に指示がない限り、図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0019】
本発明は、血液系に使用される圧力制御弁を提供する。本装置は、人体の血管にそのまま配置することができ、その配置方法は、他の医療用手術機器の人体への配置と同じである。
【0020】
図1-4に示すように、血液系に使用される圧力制御弁は、バルブボディ1と、バルブキャップ6と、バルブコア15と、密封装置と、駆動装置とを含み、バルブキャップ6は、バルブボディ1の側壁に接続され、バルブコア15、密封装置及び駆動装置は、バルブキャップ6とバルブボディ1を接続する箇所に設けられる。
【0021】
バルブボディ1は、中空柱構造であり、かつバルブボディ1の側壁に貫通孔が開設される。貫通孔の両側におけるバルブボディ1の側壁には、ネジ構造を有する凹溝が開設される。
【0022】
バルブキャップ6の下面は、バルブボディ1の側壁に接続され、バルブキャップ6の上面には、ボルトが通過するためのネジ穴が開設される。ボルトは、ネジ穴を通過してバルブボディ1の側壁における凹溝に接続される。バルブキャップ6の上面には、駆動装置を取り付けるための駆動空間がさらに設けられる。駆動空間の上方には、蓋板が設けられる。蓋板の両側は、それぞれ円柱ピンを介してバルブキャップ6に接続される。
【0023】
バルブキャップ6とバルブボディ1とを接続箇所には、排液通路が設けられる。排液管路は、高圧状態のときに過剰な液体を排出して液体圧力を減少させるためのものである。
【0024】
駆動装置は、モータ11と、電源と、回転軸12と、ウェーブスプリング14と、スライダ13とを含む。蓋板の下方には、順に電源、モータ11、回転軸12、スライダ13、ウェーブスプリング14及びバルブコア15が設けられ、かつ電源の出力端は、モータ11の入力端に接続され、モータ11の出力端は、回転軸12の第1端に接続され、回転軸12の第2端は、スライダ13の第1端に固定接続され、ウェーブスプリング14の第1端は、スライダ13の第2端に接触し、ウェーブスプリング14の第2端は、バルブコア15の第1端に接触する。
【0025】
電源は、無線方式により充電することができ、人体の外部に充電ポートを直接確保してもよく、手術によって電源を交換することもできる。
【0026】
バルブコア15の第1端には、ウェーブスプリング14が動作するためのスプリング空間18が設けられる。バルブコア15の中途の外側壁には、外延構造17が設けられる。外延構造17は、バルブコア15がバルブボディ1の内部に滑り込むことを防止するためのものである。バルブコア15の第2端は、中空構造であり、かつバルブコア15の第2端の側壁には、複数の通液溝16が開設される。
【0027】
バルブボディ1の側壁には、血圧センサ2がさらに設けられる。センサは、無線装置によりセンターコンソールに接続され、かつセンターコンソールは、無線装置によりモータ11の回転をリモート制御する。
【0028】
バルブボディ1内の液体圧力が正常値である場合、バルブコア15の中途にある外延部位は、バルブボディ1の貫通孔に密着し、ウェーブスプリング14は、伸張状態にあり、排液通路は、バルブボディ1内に連通しない。バルブボディ1内の液体圧力が高い値である場合、液体はバルブコア15を押し動かすことでバルブコア15はウェーブスプリング14を押し付け、これによって、バルブコア15の中途にある外延部位はバルブボディ1の貫通孔から分離し、流出する液体は、バルブコア15を経過した後に排液通路より流出する。
【0029】
密封装置は、シールリングである。シールリングは、C型シールリング又はO型シールリングであってもよく、必要に応じて適宜に選択すればよい。
【0030】
また、本発明は、血液系に使用される圧力制御弁の圧力調節方法をさらに提供する。この方法は、以下のステップを含む。
【0031】
S1:バルブボディ1の内部に液体を注入し、センサにより液体の内部圧力を検出して初期圧力として記録し、バルブコア15の中途がバルブボディ1の貫通孔に緊密に接触し、ウェーブスプリング14は変化しない。
【0032】
S2:バルブボディ1内の液体圧力が高くなり始め、バルブコア15が上動し、ウェーブスプリング14が圧縮し始め、これによって、液体は排液通路より排出される。
【0033】
S3:バルブボディ1内の液体圧力が正常状態に回復したことがセンサによって検出された後、センターコンソールは、モータ11の回転を制御することで回転軸12を駆動し、ウェーブスプリング14及びそのバルブコア15を押し動かし、これによって、バルブコア15の中途にある外延は新たにバルブボディ1の側壁の貫通孔に密着して初期状態に回復する。初期状態(取り付け空間が最大の状態)から開弁圧がp
0の状態(取り付け空間がh
0の状態)に調節するには、モータ11の回転数を確認する必要がある。モータ11の回転数は、N:
【数4】
である。ここで、ΔLは、スプリングが取り付けられた後に圧縮される必要がある長さであり、h
0は、このときのスプリング空間18の取り付け高さであり、Pは、開弁圧を調整するためのネジのピッチであり、Hは、このときのウェーブスプリング14の高さであり、p
0は、バルブコア15の開弁圧値であり、dは、バルブコア15の直径であり、Kは、スプリングの剛性である。
【0034】
モータ11の回転時間は、t:
【数5】
である。ここで、nは、モータ11の回転速度である。
【0035】
S2において、通路から排出される液体の液体量はΔV:
【数6】
である。ここで、Lは、管路の総長さであり、tは、管路の平均厚さであり、dは、管路の平均直径であり、Eは、管路の平均弾性率であり、kは、液体の体積弾性係数であり、ΔPは、血圧がバルブコア15の開弁圧よりも高い場合の、血圧がバルブコア15の開弁圧を超えた値であり、V
0は、血管における血の大気圧下での体積であり、p
0は、バルブコア15の開弁圧値である。
【0036】
実施例
本発明の圧力制御弁を人体の血液循環系に導入し、具体的には、血管を切断し、切断箇所の一端をバルブボディ1の入口に接続し、他端をバルブボディ1の出口に接続することで、血液は、バルブボディ1の入口から本発明の圧力制御弁に流入し、バルブボディ1の出口から本発明の圧力制御弁から流出する。
【0037】
バルブボディ1内の血液は、バルブボディ1と、O型シールリング4、血圧センサ2、センサO型シールリング3及びバルブコア15とから構成されるキャビティを満たす。血液が圧力を有するため、バルブコア15の下端は、力の作用を受ける。
【0038】
バルブコア15の上端において、モータ11の回転及び回転軸12とスライダ13によって形成されたネジ対偶により、スライダ13の下端と、バルブコア15の上端との距離を調節することができる。ウェーブスプリング14が回転軸12とバルブコア15との間に位置するため、モータ11の回転により、ウェーブスプリング14は圧縮又は回復し、これによって、ウェーブスプリング14の付勢力の調節が実現される。
【0039】
ウェーブスプリング14が付勢力を有するため、バルブコア15の上端は、力の作用を受ける。以上のことから、バルブコア15は、上端に作用する力、下端に作用する力及びO型シールリング4の支持力の作用下で、バランスが保たれる。
【0040】
血液の圧力が十分に大きくない場合、下端に作用する力は十分ではないため、上端に作用する力を克服してバルブコア15とO型シールリング4の密封を解除することができない。
【0041】
血液の圧力が十分に大きい場合、下端に作用する力は十分に大きくなるため、上端に作用する力を克服してバルブコア15とO型シールリング4の密封を解除することができる。これによって、血液は、バルブボディ1、バルブキャップ6、O型シールリング4、C型シールリング5、血圧センサ2、矩形シールリングによって形成されたキャビティ内に入る。このとき、人体の血液系における血量が減少するが、人体の血液系の容積が変化しないため、血圧が低下し、血圧が所定の値に低下すると、下端に作用する力は上端に作用する力を克服できないため、バルブコア15とO型シールリング4の密封を解除することができず、血液が外へ溢れなくなる。バルブボディ1、バルブキャップ6、O型シールリング4、C型シールリング5、血圧センサ2、矩形シールリングによって形成されたキャビティ内に溢れた血液は、バルブキャップ6とバルブボディ1によって形成されたO型排血口から排出することができる。
【0042】
血圧センサ2は、その下端の装置により対応位置の血圧を測定できるとともに、血圧値を対応する設備に送信することができる。
【0043】
本発明の排血量は、下記の方法により概算することができる。
図5に示すように、
図5aは、血管モデルであり、
図5bは、血管壁の力受け状態の図である。ここで、Lは、人体血管の総長さであり、tは、人体血管の平均厚さであり、dは、人体血管の平均直径であり、Eは、人体血管の平均弾性率(血管の変形が弾性範囲内にありかつフックの法則を満たす)である。血圧がpの血液が血管内を流動するときに、血管壁が受ける力の状態を
図5bに示す。鉛直方向における力の釣り合いから、
【数7】
であることが分かる。
【0044】
仮に正の応力δが血管壁の縦断面において均一に分布することを仮定すると、
【数8】
であることが分かる。
【0045】
以上の両式を連立すると、
【数9】
ことが得られる。
【0046】
【0047】
血管内壁の横断面における周長変化量ΔCと、元周長Cとの関係は、
【数11】
となる。
【0048】
血圧pでの血管内壁の周長C
pは、
【数12】
となる。
【0049】
血圧pでの血管内壁の直径d
pは、
【数13】
となる。
【0050】
血圧pでの血管内の血液流通面積S
pは、
【数14】
となる。
【0051】
血圧pでの血管の容積V
pは、
【数15】
となる。
【0052】
血液の体積弾性係数をkとすると、血圧pでの血管中の血液を大気圧下に置いた場合の体積V
0とV
pの関係は、
【数16】
である。
【0053】
【0054】
ある患者が設定した開弁血圧値がp
0であり、血圧がp
0をもとにΔp増加した場合、人体血液安全弁が排出すべき血量は、
【数18】
である。
【0055】
モータ11の回転数及びその動作時間は、具体的に下記である。即ち、人体血液系安全弁の開弁圧値をp0、スプリング剛性をk、スプリングの元長さをL、バルブコア15の直径をd、開弁圧ネジを調整するためのピッチをP、スプリング空間18の最大取り付け高さをH、最小取り付け高さをhとする。ここで、L>H>hであり、かつスプリングが弾性範囲内で動作する。
【0056】
開弁圧が最小値P
0minである場合、スプリング空間18の取り付け高さはHであり、この場合、バルブコア15の力の釣り合いから、
【数19】
であることが分かり、
【数20】
が得られる。
【0057】
開弁圧が最大値P
0maxである場合、スプリング空間18の取り付け高さはhであり、この場合、バルブコア15の力の釣り合いから、
【数21】
であることが分かり、
【数22】
が得られる。
【0058】
以上より、開弁圧P
0の値の範囲は、
【数23】
である。
【0059】
ここで、L、K、H、h、dは、いずれも固有パラメータであり、バルブの基本構造が確定された(即ち、H、h、dが既に確定された)場合、スプリングのパラメータLとKを調整することによりP
0の値の範囲を調整することができる。LとKを確定する方法は、下記である。即ち、P
0minとP
0maxは、目標値として既知数となり、
【数24】
であることが分かる。
【0060】
H、h、dが確定されかつP
0minとP
0maxが既知数であるため、L及びKは、
【数25】
であることが求められる。
【0061】
開弁圧値がP
0である場合、バルブコア15の力の釣り合いから、h
0はこの場合のスプリング空間18の取り付け高さであることが分かる。
【数26】
【0062】
【0063】
これによって、スプリングは、取り付けられた後に圧縮する必要な長さΔLは、
【数28】
である。
【0064】
必要なモータ11の回転数Nは、
【数29】
となる。
【0065】
モータ11の回転速度をnとすると、モータ11の回転時間tは、
【数30】
となる。
【0066】
Nとtの算式において、H、d、P、L、Kは固有パラメータであり、P0は目標値として既知数であるため、Nとtは確定することができる。
【0067】
以上の実施例は、本発明の好ましい実施形態を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の思想から逸脱しない限り、当業者が本発明の技術的手段に対して行った様々な変形及び改良は、いずれも本発明の特許請求の範囲で特定された保護範囲に含まれるべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】血圧を迅速かつ安全に下げる圧力制御弁及びその圧力調節方法を提供する。
【解決手段】圧力制御弁は、バルブボディ1と、バルブキャップ6と、バルブコアと、密封装置と、駆動装置とを含み、バルブキャップ6は、バルブボディ1の側壁に接続され、バルブコア、密封装置及び駆動装置は、バルブキャップ6とバルブボディ1とを接続する箇所に設けられ、バルブキャップの下面は、バルブボディの側壁に接続され、バルブキャップ6の上面には、ボルト7が通過するためのネジ穴が開設され、ボルト7は、ネジ穴を通過してバルブボディの側壁における凹溝に接続され、バルブキャップ6の上面には、駆動装置を取り付けるための駆動空間がさらに設けられ、駆動空間の上方には、蓋板10が設けられ、蓋板10の両側は、それぞれ円柱ピンを介してバルブキャップ6に接続される。バルブを制御することにより血液中の過剰な血液を排出し、これによって血力を制御する。
【選択図】
図1