(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-19
(45)【発行日】2025-03-28
(54)【発明の名称】包装用フィルムの超音波シール方法および包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 51/22 20060101AFI20250321BHJP
B65B 9/207 20120101ALI20250321BHJP
【FI】
B65B51/22 100
B65B9/207
(21)【出願番号】P 2020146105
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-08-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000206233
【氏名又は名称】大成ラミック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木暮 秀則
(72)【発明者】
【氏名】藤原 史織
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222261(JP,A)
【文献】特開2001-151208(JP,A)
【文献】特開2019-014507(JP,A)
【文献】米国特許第04517790(US,A)
【文献】特開2014-227204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/22
B65B 9/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動するホーンと、該ホーンに対向して配置されたアンビルとの間に、連続して走行する2枚の重なり合う長尺の包装用フィルムを挟持させ、該包装用フィルムどうしを、前記ホーンの振動による摩擦熱によって溶着する方法において、
対向する前記ホーンおよびアンビルは
、少なくとも一方がロール形状からなると共に、それぞれ、前記包装用フィルムの全幅を超える横方向長さを有し、
前記ホーンおよび/またはアンビルを、連続して走行する前記包装用フィルムに対して相互に近接する方向へ移動させ、または前記ホーンとアンビルを近接して固定し、
前記ホーンおよびアンビルの少なくとも一方を回転駆動して、前記包装用フィルムの走行を補助しながら、そのホーンとアンビルとの近接位置において走行する該包装用フィルムどうしを、該ホーンとアンビルとの間を滑らせながら前記ホーンによる超音波振動によって
、該包装用フィルムの走行にしたがい順次に溶着することで、所要の走行方向長さを有するシール部を形成することを特徴とする包装用フィルムの超音波シール方法。
【請求項2】
前記ホーンおよびアンビルは、相互に逆方向に回転可能な構造からなることを特徴とする請求項1に記載の包装用フィルムの超音波シール方法。
【請求項3】
前記ホーンおよびアンビルは
、一方が非回転形からなり、該ホーンおよびアンビルの少なくとも下流位置にアシストロールを設け
、前記ホーンおよびアンビルの少なくとも一方に替えて前記アシストロールを回転駆動して、前記包装用フィルムの連続した走行を補助することを特徴とする請求項1に記載の包装用フィルムの超音波シール方法。
【請求項4】
アシストロールを、対向する前記ホーンおよびアンビルの上流位置にさらに設け、
前記下流位置のアシストロールに替えて前記上流位置のアシストロールを回転駆動して、前記包装用フィルムの連続した走行を補助することを特徴とする請求項
3に記載の包装用フィルムの超音波シール方法。
【請求項5】
長手方向に連続して走行する包装用フィルムを、接着層もしくはシーラント層が対向するように中央部で折り返し、その側縁部分に、包装用フィルムの走行方向に連続して縦シール部を形成して筒状とする縦シール手段と、
該筒状の包装用フィルム内に被包装物を充填しながら、包装用フィルムの走行方向に直交する方向に、包装用フィルムの全幅にわたって延在し、包装用フィルムの走行方向に間隔をおいて横シール部を形成して包装体とする横シール手段と、
を備える包装機において、
前記横シール手段は、前記包装用フィルムを挟むように位置し、前記包装用フィルムの全幅を超える横長さを有する超音波振動するホーンと、該ホーンに対向して配置されたアンビルとを備え、
該ホーンおよ
びアンビルは、
少なくとも一方がロール形状からなると共に、連続して走行する前記包装用フィルムに対して相互に近接または離間する方向へ移動するように構成され、
前記横シール部の形成に際して
、前記ホーンおよびアンビルの少なくとも一方を回転駆動して、前記包装用フィルムの走行を補助しながら、前記ホーンとアンビルとの近接位置で、前記包装用フィルムどうしを、該ホーンとアンビルとの間を滑らせながら前記ホーンによる超音波振動によって、該包装用フィルムの走行にしたがい順次に溶着することで、所要の走行方向長さを有する横シール部を形成するものであることを特徴とする包装機。
【請求項6】
前記ホーンおよびアンビルは、相互に逆方向に回転可能な構造からなることを特徴とする請求項
5に記載の包装機。
【請求項7】
前記ホーンおよびアンビルは
、一方が非回転形からなり、該ホーンおよびアンビルの少なくとも下流位置に、
前記ホーンおよびアンビルの少なくとも一方に替わって回転駆動されて前記包装用フィルムの連続した走行を補助するアシストロールを
備えることを特徴とする請求項
5に記載の包装機。
【請求項8】
対向する前記ホーンおよびアンビルの上流位置に
、前記下流位置のアシストロールに替わって回転駆動されて前記包装用フィルムの連続した走行を補助するアシストロールを備えることを特徴とする請求項
7に記載の包装機。
【請求項9】
前記縦シール手段が、超音波振動するホーンと、該ホーンに対向して配置されたアンビルとを備える超音波シール装置からなることを特徴とする請求項
5~
8のいずれか1項に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動するホーンと、該ホーンに対向して配置されたアンビルとの間に、連続して走行する2枚の重なり合う長尺の包装用フィルムを介在させ、該包装用フィルムどうしを、前記ホーンによる振動によって溶着する超音波シール方法と、超音波シール方法を利用した包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、長尺の軟質の包装用フィルムを袋状に成形し、飲食物、調味液、医薬品、化粧品等の液状物、粘稠物もしくは粉、粒状物、その他の被包装物を充填包装した包装体を連続して製造する装置として、特許文献1のような縦型充填包装機が知られている。この縦型充填包装機では、帯状の包装用フィルムを二つに折り畳み、重なり合う側縁どうしを包装用フィルムの走行方向に連続してシールして筒状とする縦シールロールと、その筒状とした包装用フィルムを、被包装物を充填しながら一定の間隔で全幅にわたってシールして横シール部を形成する横シールロールとを具えている。
【0003】
このような充填包装機では、包装用フィルムの融着接合に際し、一対のシールロールの周面にそれぞれシール板を設け、対向するシール板どうしによって重なり合う2枚の包装用フィルムを挟持して、加熱および加圧することにより該包装用フィルムどうしを融着接合する、所謂ヒートシール方式が広く採用されている。
【0004】
一方、特許文献2の自動包装機では、超音波発振機により振動子を振動させて、その振動を増幅してホーンに伝達し、該ホーンの先端部分とアンビル(受台)によって包装用フィルムを挟み込み、該包装用フィルムを超音波振動と加圧力による摩擦熱によって熱溶着する、超音波シール方式が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-96849号公報
【文献】特開2007-269377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記超音波シール方式は、ヒートシール方式に比べて被包装物への熱ダメージがなく、超音波振動によってシール位置に介在する被包装物を排除させることができるため、シール部内への被包装物の噛み込みを阻止しながら包装用フィルムを熱溶着することができる点に利点がある。また、ヒートシール方式によってシールすることができないような、厚い包材や発熱が起こりにくい材料などにも好適に利用することができ、さらに消費電力が少ないためランニングコストを削減できる点で非常に優れている。
【0007】
しかし、超音波シール方式によって大面積の平滑なシール部を形成しようとすると、圧力が分散して所期した通りにシールすることができない場合があり、また圧力を上げると振動発振器に高負荷がかかり停止してしまうため、通常、超音波シールによって形成されるシール部の包装用フィルムの送り方向長さ(以下、「シール長さ」と言う。)は1~2mm程度であった。
それゆえ、超音波シール方式は、とくに高い破袋強度を必要とする液状物の充填包装体用の包装機への採用が難しく、また特許文献1のように連続して製造された包装体を単包ずつに切り離すにはシール部のシール長さが短すぎて(1~2mm)、その中央位置で切断することが非常に難しく、カット位置が少しずれただけでも被包装物が漏れ出すおそれがある。
【0008】
そのため、従来より、超音波シール方式によってシール長さの長いシール部を形成する方法について、種々検討されており、例えば、ホーンやアンビルの表面にローレット加工(網目状など)を施して接触面積を減らすことでシール長さの長いシール部を形成することが提案されている。しかし、この方法では溶着時に被包装物がローレット(網目)の間に入り込んでシール部内に噛み込まれ、該シール部を切断した際に噛み込まれた被包装物が染み出してくることや、切断刃に汚れが蓄積して錆が発生したり、他の包装体を汚損する等の問題点があった。
【0009】
また、特許文献2の包装機は、横シール機構の横ヒートシーラ(ホーンとアンビル)によって包装フィルムを挟み込んだまま下方に移動させた後、該横シール機構を1包装袋分上方に復帰作動させて再度横シールを行うことで被包装物を間欠的に充填包装する、所謂、ボックスモーション形の包装機であり、包装袋の生産効率が悪く、また被包装物が液状物である場合には、横シール位置に介在する液状物をしごき出すことができず、横シール部内に液状物が噛み込まれてしまい、シール不良を発生するおそれがあった。
【0010】
そこで、この発明では、超音波シール方式によって連続して走行する包装用フィルムに対し、所定のシール長さを有するシール部を形成する方法と、その方法を利用した包装機を提供することを目的とし、とくには、包装用フィルム内に被包装物を連続充填しながら、被包装物の噛み込みを阻止しつつ所定のシール長さを有するシール部を形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的の実現に向けた研究の中で、発明者は、超音波振動するホーンと、該ホーンに対向して配置されたアンビルとの間に、連続して走行する2枚の重なり合う長尺の包装用フィルムを挟持させ、該包装用フィルムどうしを、前記ホーンの振動による摩擦熱によって溶着する方法において、対向する前記ホーンおよびアンビルは、少なくとも一方がロール形状からなると共に、それぞれ、前記包装用フィルムの全幅を超える横方向長さを有し、前記ホーンおよび/またはアンビルを、連続して走行する前記包装用フィルムに対して相互に近接する方向へ移動させ、または前記ホーンとアンビルを近接して固定し、前記ホーンおよびアンビルの、少なくとも一方を回転駆動して、前記包装用フィルムの走行を補助しながら、そのホーンとアンビルとの近接位置において走行する該包装用フィルムどうしを、該ホーンとアンビルとの間を滑らせながら前記ホーンによる超音波振動によって該包装用フィルムの走行にしたがい順次に溶着することで、所要の走行方向長さを有するシール部を形成することを特徴とする包装用フィルムの超音波シール方法が有効であることを突き止め、この発明を開発するに到った。
【0012】
なお、この発明の超音波シール方法において、
(1)前記ホーンおよびアンビルは、相互に逆方向に回転可能な構造からなること、
(2)前記ホーンおよびアンビルは、一方が非回転形からなり、該ホーンおよびアンビルの少なくとも下流位置にアシストロールを設け、前記ホーンおよびアンビルの少なくとも一方に替えて前記アシストロールを回転駆動して、前記包装用フィルムの連続した走行を補助すること、
(3)アシストロールを、対向する前記ホーンおよびアンビルの上流位置にさらに設け、前記下流位置のアシストロールに替えて前記上流位置のアシストロールを回転駆動して、前記包装用フィルムの連続した走行を補助すること、
がより好ましい解決手段となる。
【0013】
また、この発明は、長手方向に連続して走行する包装用フィルムを、接着層もしくはシーラント層が対向するように中央部で折り返し、その側縁部分に、包装用フィルムの走行方向に連続して縦シール部を形成して筒状とする縦シール手段と、該筒状の包装用フィルム内に被包装物を充填しながら、包装用フィルムの走行方向に直交する方向に、包装用フィルムの全幅にわたって延在し、包装用フィルムの走行方向に間隔をおいて横シール部を形成して包装体とする横シール手段と、を備える包装機において、前記横シール手段は、前記包装用フィルムを挟むように位置し、前記包装用フィルムの全幅を超える横長さを有する超音波振動するホーンと、該ホーンに対向して配置されたアンビルとを備え、該ホーンおよびアンビルは、少なくとも一方がロール形状からなると共に、連続して走行する前記包装用フィルムに対して相互に近接または離間する方向へ移動するように構成され、前記横シール部の形成に際して、前記ホーンおよびアンビルの、少なくとも一方を回転駆動して、前記包装用フィルムの走行を補助しながら、前記ホーンとアンビルとの近接位置で、前記包装用フィルムどうしを、該ホーンとアンビルとの間を滑らせながら前記ホーンによる超音波振動によって、該包装用フィルムの走行にしたがい順次に溶着することで、所要の走行方向長さを有する横シール部を形成するものであることを特徴とする包装機を提案する。
【0014】
なお、この発明の包装機においては、
(1)前記ホーンおよびアンビルは、相互に逆方向に回転可能な構造からなること、
(2)前記ホーンおよびアンビルは、一方が非回転形からなり、該ホーンおよびアンビルの少なくとも下流位置に、前記ホーンおよびアンビルの少なくとも一方に替わって回転駆動されて前記包装用フィルムの連続した走行を補助するアシストロールを備えること、
(3)対向する前記ホーンおよびアンビルの上流位置に、前記下流位置のアシストロールに替わって回転駆動されて前記包装用フィルムの連続した走行を補助するアシストロールを備えること、
(4)前記縦シール手段が、超音波振動するホーンと、該ホーンに対向して配置されたアンビルとを備える超音波シール装置からなること、
がより好ましい解決手段となる。
【発明の効果】
【0015】
この発明の包装用フィルムの超音波シール方法によれば、ホーンと該ホーンに対向して配置されたアンビルとの間を連続して走行する二枚の包装用フィルムを、ホーンによって超音波振動させながら、該ホーンとアンビルとの間を滑らせて走行方向に連続して溶着させることができるので、過負荷になることなく、従来よりもシール長さの長いシール部を形成することができ、しかも包装用フィルム内に被包装物を連続して充填しながらシールする場合にも、ホーンによる超音波振動によってシール位置に介在する被包装物を排除する(振るい落とす)ことができるためシール部内への被包装物の噛み込みを有効に防止することができる。
【0016】
この発明の包装機によれば、超音波シール方式によって被包装物を充填しながら連続して包装体を製造することができるため生産効率に優れ、また包装用フィルムを短い時間で溶着することができるため、消費電力を削減することができ、ランニングコストを削減することができる。また、ヒートシール方式では接合することが難しい、レトルト用CPPフィルムのような厚みのある材料や、モノマテリアル(PE単体素材、PET単体素材)などの材料であっても溶着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の包装機の一実施形態を示す模式図である。
【
図2】この発明の超音波シール方法の一実施形態を説明する図であり、(a)は横シール前、(b)は横シール時、(c)横シール終了時のホーンおよびアンビルの状態を示す図である。
【
図3】この発明の包装機の他の実施形態を示す模式図である。
【
図4】この発明の超音波シール方法の他の実施形態を説明する図であり、(a)は横シール前、(b)は横シール開始時、(c)は横シール途中、(d)は横シール終了時のホーンおよびアンビルの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、この発明の実施形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は、この発明の包装機の一実施形態として縦型の充填包装機1の構成を示す模式図であり、該充填包装機1は、液状物等からなる被包装物を充填した包装体を連続して製造できるように構成されている。なお、この発明は、
図1の縦型の充填包装機に限定されるものではなく、縦ピロー型の包装機や横ピロー型の包装機、多列充填包装機等の各種の包装機に好適に利用することができる。また、被包装物としては、飲食物、調味料、医薬品、化粧品その他の液状ないし粘稠状あるいはゼリー状、粉粒状、固形状等の流動性物質を好適に用いることができる。
【0019】
図中のRは、包装用フィルムを巻回した状態にした原反ロール、10は原反ロールRから送り出される包装用フィルムであり、例えば、2軸延伸エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂等からなるベースフィルム層と、例えば無延伸のエチレン-ビニルアセテート共重合体樹脂等からなるシーラント層とを積層した積層フィルムからなる。
【0020】
この長尺の包装用フィルム10を、その長手方向に走行させながら、フィルム折返し部20において、シーラント層が互いに向かい合わせになるように幅方向に折り返して、その両側縁部同士を重ね合わせ、該両側縁部同士を縦シール部形成部21によって長手方向に連続して縦シールして縦シール部11を形成して筒状とする。
【0021】
次に、筒状となった前記包装用フィルム10‘内に被包装物供給用のノズル22から連続して被包装物Mを充填すると共に、横シール部形成部23によって、製造する包装体Pの袋長さに合わせて一定の間隔で、被包装物Mを絞り出しながら筒状の包装用フィルム10’を全幅にわたって挟持して融着接合し、横シール部12を形成する。
【0022】
続いて、一対の横シールロールからなる冷却部25により、横シール部12を再度挟持して冷却し、その接合を定着させることで、多数の包装体Pを製袋しつつ、各包装体P内に被包装物Mを自動的に充填包装する。なお、上記のようにして製造された包装体Pは、切断部26によって横シール部12を包装用フィルム10’の走行方向中央位置で切断し、単包または複数包ずつにして出荷することになる。
【0023】
このような構成からなる充填包装機1において、横シール部形成部23は、超音波シール装置からなり、
図2に示したように、振動発振器(図示しない)から発生した周波数が20kHz以上の超音波エネルギーを共振させて先端部分に伝えるホーン30と、該ホーン30と包装用フィルム10’を挟んで対向するように配置され、ホーン30の押圧力を受け止めて、ホーン30に対して応力を発生させるアンビル31と、を備えている。
【0024】
ホーン30およびアンビル31は、シールする筒状の包装用フィルム10’の全幅を超える横方向長さを有し、
図2では、一実施形態としてホーン30とアンビル31がいずれも回転可能なローラーによって構成されている。
【0025】
図2に従って、横シール部形成部23(ホーン30およびアンビル31)によって横シール部12を形成する方法を説明する。
図2(a)は、横シール部12の形成前のホーン30およびアンビル31の状態を示す図である。一対のホーン30およびアンビル31は、ホーン30および/またはアンビル31を例えばエアシリンダー(図示しない)によって相互に近接および離間する方向(前後方向)に移動可能に構成するか、または
被包装物を充填しない場合にホーン30およびアンビル31を包装用フィルム10’を挟んで近接する位置に(固定して)配置する。なお、本実施形態では、ホーン30のみが移動可能に構成されている場合を一例として説明する。
【0026】
図2(b)は、横シール部12の形成時のホーン30およびアンビル31の状態を示す図である。横シール部12の形成開始にあたり、ホーン30がアンビル31に近接する方向に移動(前進)し、ホーン30とアンビル31によって包装用フィルム10’を挟持する。これにより、挟持位置において、ホーン30の超音波振動による摩擦熱によって包装用フィルム10’が溶着し、瞬時に横シール部12が形成されることになる。
【0027】
このとき、ホーン30およびアンビル31はいずれもロール形状からなり、包装用フィルム10’を挟んで相互に逆方向に回転しているため、その回転に従って包装用フィルム10’の挟持位置を連続的(順次)に溶着することができ、図に拡大して示すように包装用フィルム10’の走行方向に長い、横シール部12を形成することができる。
【0028】
また、ホーン30およびアンビル31はいずれもロール形状からなり、包装用フィルム10’の走行方向に沿って回転するため、包装用フィルム10’との摩擦抵抗を減らすことでき、走行する包装用フィルム10’を、ホーン30とアンビル31との間を滑らせながら下流へスムーズに送り出すことができる。
【0029】
また、ホーン30およびアンビル31は、少なくとも一方を回転駆動させることで、包装用フィルム10’の搬送補助手段としての機能を果たすことができ、所期したとおりのシール長さと強度を有する横シール部12を形成することができる。
【0030】
横シール部12が所定の長さで形成されると、
図2(c)に示すようにホーン30がアンビル31から離間する方向に移動(後進)して元の位置に戻り、横シール部12の形成が終了する。
【0031】
次に、この発明の包装機の他の実施形態を
図3および
図4に従って説明する。
図3は、本実施形態の包装機として縦型の充填包装機1の構成を示す図であり、
図4は、
図3の充填包装機1において横シール部形成部23によって超音波シールする方法を説明する図である。なお、前記実施形態と異なる部分についてのみ説明し、同様の構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0032】
横シール部形成部23は、
図4に示すようにホーン30とアンビル31とを備える超音波装置からなり、図に示すように、ホーン30は非回転形からなり、シールする筒状の包装用フィルム10’の全幅を超える横方向長さを有し、先端部分30aが平坦な形状で、超音波エネルギーが集中するように先端部30aに向かって先細りになっている。一方、アンビル31は、ロール形状からなり、ホーン30の先端部分30aと同じ横方向長さを持っている。
【0033】
なお、ホーン30およびアンビル31は、包装用フィルム10’を挟持することができればどのような形状であってもよく、例えば、アンビル31を、ホーン30と略同形の、先端部分が平坦なものによって形成することもできる。
【0034】
ところで、本実施形態のようにホーン30およびアンビル31の少なくとも一方が、非回転形からなる(図では、ホーン30が非回転形からなる)場合、横シール時にホーン30およびアンビル31による挟持によって包装用フィルム10’の搬送が阻害され、包装用フィルム10’の走行が妨げられて蛇行したり、シワ等を発生するおそれがある。そのため、図に示すようにホーン30およびアンビル31の下流位置に、包装用フィルム10’の搬送を補助するアシストロール24を設けることで、該アシストロール24によって包装用フィルム10’の下流への移送がスムーズになり、所望のフィルム搬送速度でフィルムを送り出すことができる。なお、一対のアシストロール24は、所要の搬送速度となるように包装用フィルム10’の送り速度と同期して駆動制御され、包装用フィルム10’の送り速度は、例えば、充填包装機の天ロール27に設けたエンコーダによって包装用フィルム10の速度を実測し、所望の送り速度となるように縦シールロール21を駆動制御することで決定される。
【0035】
図4(a)は、横シール部12の形成前のホーン30およびアンビル31の状態を示す図である。ホーン30および/またはアンビル31は、エアシリンダー(図示しない)によって相互に近接および離間する方向に移動可能に構成され、本実施形態ではホーン30のみが移動可能に構成されている。
【0036】
図4(b)は、横シール部12の形成開始時のホーン30およびアンビル31の状態を示す図である。横シール部12の形成開始にあたり、ホーン30がアンビル31に近接する方向に移動(前進)し、ホーン30とアンビル31によって包装用フィルム10’を挟持する。これにより、挟持位置において、ホーン30の超音波振動による摩擦熱によって包装用フィルム10’が瞬時に溶着する。
【0037】
包装用フィルム10’は、
図4(c)に示すようにホーン30とアンビル31によって挟持された状態で、横シール部形成部23の下流位置に設けた一対のアシストロール24によって滑りながら下方に引き出される。そのため、包装用フィルム10’の走行に従って、その挟持位置が連続的(順次)に溶着され、図に拡大して示すように包装用フィルム10’の走行方向に長い、横シール部12が形成される。
【0038】
なお、横シール部12の形成に際し、包装用フィルム10’は、前記したようにアシストロール24によって走行が補助されると共に、走行方向上流位置に設けたブレーキロール(原反ロールR等)によってテンションがかかり、緊張状態(フィルムが弛んでいない状態)となっているため、ホーン30およびアンビル31によって走行が阻害されることなく、スムーズに搬送されることになる。
【0039】
横シール部12が所定の長さで形成されると、
図4(d)に示すようにホーン30がアンビル31から離間する方向に移動(後進)して元の位置に戻り、横シール部12の形成が終了する。
【0040】
前記一対のアシストロール24は、筒状の包装用フィルム10’の少なくとも縦シール部11側の側端部を挟持するように設けることが好ましい。また、アシストロール24の材質はとくに限定されないが、例えばゴムライニングやフッ素ゴム、ウレタンゴム、鉄、ステンレスなどを用いることができる。
【0041】
またアシストロール24を、筒状の包装用フィルム10’の両端部をそれぞれ挟持するように設けた場合には、横シールにあたり、包装用フィルム10’の両側部をそれぞれアシストロール24によって挟持しながら下方に引き出すことで、横シール位置の包装用フィルム10’を緊張状態とすることができ、横シール部12内にシワ等が発生することを抑制することができ、液漏れ等のシール不良の発生を防止することができる。
【0042】
さらに、横シール部12の形成時、被包装物は筒状の包装用フィルム10’内に連続して充填されているものの、横シール位置では被包装物がホーン30およびアンビル31によってしごき出されると共に、ホーン30による振動によって排除される(振るい落とされる)ため、横シール部12内に被包装物が噛み込まれることを抑制することができ、シール不良の発生を効果的に防止することができる。
【0043】
横シール部12のシール長さ(包装用フィルム10’の走行方向長さ)は、連続して製造される包装体Pを、切断部26によって包装用フィルム10’の走行方向中央部で切断する際のズレや、単包の包装体Pとしたときの破袋強度の点から2.4mm以上とすることが好ましく、より好ましくは2.4~30mmであり、所要のシール長さとなるように、包装用フィルム10’の搬送速度やホーン30とアンビル31による包装用フィルム10’の挟持時間、ホーン30の超音波発信時間等を適宜決定する。
【0044】
アシストロール24は、横シール部形成部23の下流位置のみならず、上流位置に設けてもよく、この場合には、例えば、上流側のアシストロール24では、包装用フィルム10が所望の走行速度で一定速度となるように駆動制御して搬送を補助する一方、下流側のアシストロール24では、上流側のアシストロール24よりも回転数を速くして、包装用フィルム10’を下方に引き出すようにすることで、横シール部形成部23における横シール予定位置の包装用フィルム10’を緊張状態としてシワや弛み等の発生を抑制することができ、横シール部12のシワ等に基づくシール不良の発生を効果的に防止することができる。
【0045】
なお、上記実施形態では、この発明の超音波シール方法および包装機について、包装用フィルム10’内に被包装物を連続して充填包装する場合を一例として説明した。被包装物を連続して充填包装する場合、ホーン30およびアンビル31の少なくとも一方を移動可能にして、該ホーン30およびアンビル31によって被包装物を絞り出しながらシールを行う必要があるが、被包装物を包装用フィルム10’内に充填しない場合(被包装物が未充填の包装袋を製造する場合)には、ホーン30およびアンビル31を、包装用フィルム10’を挟んで、近接する位置に固定して配置してもよく、この場合には、横シールのタイミングに合わせて、ホーン30を振動/停止させることで、走行する包装用フィルム10’の所定の位置に、所定の走行方向長さで横シール部12を形成することができる。
【0046】
また、この発明の包装機1においては、横シール部形成部23のみならず、縦シール部形成部21もまた超音波シール装置からなることが好ましく、例えば厚みのある包装用フィルム(レトルトCPPフィルム)など、従来のヒートシール方式では充填速度を速めることができなかった包装用フィルムに対して有効であり、効果的に製造効率を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
上記実施形態では三方シール形の包装体を製造する場合を示したが、この発明は、三方シール形の包装体に限定されるものではなく、四方シール形や背貼りシール形などの各種の包装体(包装袋)の包装機に適用することができる。また、この発明の超音波シール方法は、包装体(包装袋)のみならず包装用フィルムを用いた各種の容器等に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
R 原反ロール
P 包装体
M 被包装物
1 充填包装機
10、10’ 包装用フィルム
11 縦シール部
12 横シール部
20 フィルム折返し部
21 縦シール部形成部
22 被包装物供給部
23 横シール部形成部
24 アシストロール
25 冷却部
26 切断部
27 天ロール
30 ホーン
31 アンビル