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特許7653375オレフィン重合のための触媒としての二座ジアジニルアミド錯体
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  • 特許-オレフィン重合のための触媒としての二座ジアジニルアミド錯体 図1
  • 特許-オレフィン重合のための触媒としての二座ジアジニルアミド錯体 図2A
  • 特許-オレフィン重合のための触媒としての二座ジアジニルアミド錯体 図2B
  • 特許-オレフィン重合のための触媒としての二座ジアジニルアミド錯体 図3A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-19
(45)【発行日】2025-03-28
(54)【発明の名称】オレフィン重合のための触媒としての二座ジアジニルアミド錯体
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/64 20060101AFI20250321BHJP
   C08F 210/02 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
C08F4/64
C08F210/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021575902
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 US2020039771
(87)【国際公開番号】W WO2020264261
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】62/868,513
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】ストゥーベルト、ブライアン ディー.
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-536202(JP,A)
【文献】特表2009-536200(JP,A)
【文献】特開2008-163140(JP,A)
【文献】特開2013-067813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/60-4/70
C08F 4/00-4/58
C08F 4/72-4/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)による金属-配位子錯体を含む触媒系であって、
【化1】
式中、
Mが、ジルコニウムまたはハフニウムから選択される金属であり、前記金属が、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有し、
各Xが、独立して、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C20)アリール(C-C20)ヘテロアリール、またはハロゲンから選択される単座または二座配位子であり、
nが、2または3であり、
、R、R5a、およびR5bが、独立して、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-N(R、-OR、ハロゲン、または水素から選択され、
任意選択で、RおよびRが、共有結合して芳香環を形成し、
が、置換(C-C40)アリールまたは非置換(C-C40)アリールであり、
およびzが、独立して、C(R)またはNであり、各Rが、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルであるが、ただし、zおよびzのうちの少なくとも一方がNであり、
式(I)において各RおよびRが、独立して、(C-C30)ヒドロカルビルである、触媒系。
【請求項2】
およびRが、共有結合して芳香環を形成し、前記金属-配位子錯体が、式(II)により、
【化2】
式中、
1a、R1b、R2a、R2bが、独立して、(C-C30)アルキルであり、
5a、R5b 、z、X、n、およびMが、式(I)で定義されているとおりである、請求項1に記載の触媒系。
【請求項3】
各Xが、独立して、ベンジル、フェニル、またはクロロである、請求項1に記載の触媒系。
【請求項4】
が、C(R)であり、zが、Nであり、Rが、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルである、請求項1に記載の触媒系。
【請求項5】
が、Nであり、zが、C(R)であり、Rが、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルである、請求項1に記載の触媒系。
【請求項6】
が、独立して、フェニル(2,4,6-トリ-イソプロピル)フェニル、(2,6-ジ-イソプロピル)フェニル、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、またはナフチルから選択される、請求項1に記載の触媒系。
【請求項7】
5aが、水素であり、R5bが、独立して、(C-C40)ヒドロカルビルまたは(C-C40)ヘテロヒドロカルビルから選択される、請求項1に記載の触媒系。
【請求項8】
5aが、水素であり、R5bが、独立して、フェニル、ベンジル、(2,4,6-トリ-イソプロピル)フェニル、(2,6-ジ-イソプロピル)フェニル、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、ナフチル、またはシクロプロピルから選択される、請求項1に記載の触媒系。
【請求項9】
5aおよびR5bが、水素である、請求項1に記載の触媒系。
【請求項10】
重合プロセスであって、
オレフィン重合条件下、触媒系の存在下でエチレンおよび1つ以上のオレフィンを重合して、エチレン系ポリマーを形成することを含み、前記触媒系が、請求項1に記載の式(I)による金属-配位子錯体を含む、重合プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,513号に対する優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、広義には、オレフィン重合触媒系およびプロセスに関し、より具体的には、二座ジアジニルアミド第4族遷移金属触媒を含むオレフィン重合触媒系、およびその触媒系を組み込んだオレフィン重合プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレン、エチレン系ポリマー、ポリプロピレン、およびプロピレン系ポリマーなどのオレフィン系ポリマーは、様々な触媒系によって生成される。オレフィン系ポリマーの重合プロセスに使用されるそのような触媒系の選択は、そのようなオレフィン系ポリマーの特徴および特性に寄与する重要な要因である。
【0004】
エチレン系ポリマーおよびプロピレン系は、多種多様な物品用に製造される。ポリエチレンおよびポリプロピレン重合プロセスは、様々な樹脂を異なる用途での使用に好適なものとする異なる物理的特性を有する多種多様な結果として生じるポリエチレン樹脂を生成するために、いくつかの点で変えることができる。エチレンモノマーおよび任意に1つ以上のコモノマーは、アルカンまたはイソアルカン、例えば、イソブテンなどの液体希釈剤(溶媒など)中に存在する。水素も反応器に添加することができる。エチレン系を生成するための触媒系は、典型的には、クロム系触媒系、チーグラー-ナッタ触媒系、および/または分子(メタロセンもしくは非メタロセン(分子)のどちらか)触媒系を含み得る。希釈剤および触媒系中の反応物は、反応器において高い重合温度で循環し、それによってエチレン系ホモポリマーまたはコポリマーを生成する。定期的または連続的のいずれかで、希釈剤中に溶解したポリエチレン生成物を含む反応混合物の一部は、未反応エチレンおよび1つ以上の任意選択的なコモノマーと一緒に、反応器から取り出される。反応混合物は、反応器から取り出されると、希釈剤および未反応反応物からポリエチレン生成物を取り出すために処理されてもよく、希釈剤および未反応反応物は典型的には反応器中に再循環される。代替的に、反応混合物を、第1の反応器に直列に接続された第2の反応器に送ってもよく、ここで第2のポリエチレン画分が生成され得る。ポリエチレンまたはポリプロピレン重合などのオレフィン重合に好適な触媒系を開発する研究努力にもかかわらず、高分子量および狭い分子量分布を有するポリマーを生成することができる、触媒系の効率を高める必要が依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、触媒系を含む。この触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含む。
【化1】
【0006】
式(I)において、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムから選択される金属であり、金属は、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有する。各Xは、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C20)アリール、または(C-C20)ヘテロアリールから選択される単座または二座配位子である。(X)の下付き文字nは、2または3である。
【0007】
式(I)において、R、R、R5a、R5b、およびRは、独立して、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-N(R、-OR、ハロゲン、または水素から選択され、任意選択で、RおよびRは、共有結合して芳香環を形成し、zおよびzは、独立して、C(R)またはNであり、各Rは、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルであるが、ただし、zおよびzのうちの少なくとも一方は、Nであり、式(I)の各R、R、およびRは、独立して、(C-C30)ヒドロカルビルである。
【0008】
本開示の実施形態は、重合プロセス、特にエチレン系ポリマーを生成するためのプロセスを含む。その重合プロセスは、式(I)による構造を有する金属-配位子錯体を含む触媒系の存在下でエチレンおよび任意選択で1つ以上の(C-C12)α-オレフィンを接触させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】配位子1~3を示す。
図2A】本発明および比較のプロ触媒から生成された、共触媒がB(Cであり、重合反応が90℃で行われたポリマーの分子量のプロットである。
図2B】本発明および比較のプロ触媒から生成された、共触媒がB(Cであり、重合反応が120℃で行われたポリマーの分子量のプロットである。
図3A】本発明および比較のプロ触媒から生成された、共触媒がビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボランであり、重合反応が90℃で行われたポリマーの分子量のプロットである。
図3B】本発明および比較のプロ触媒から生成された、共触媒がビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボランであり、重合反応が120℃で行われたポリマーの分子量のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、触媒系の具体的な実施形態を説明する。本開示の触媒系は、異なる形態で実施されてもよく、本開示に記載される特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、実施形態は、本開示が、徹底的かつ完全となり、また主題の範囲を当業者に完全に伝えるように、提供される。
【0011】
一般的な略語を、以下に列記する。
【0012】
R、Z、M、X、およびnは、上記で定義したとおりである。Me:メチル、Et:エチル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、i-Pr:イソプロピル、t-Bu:tert-ブチル、t-Oct:tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)、Tf:トリフルオロメタンスルホネート、THF:テトラヒドロフラン、EtO:ジエチルエーテル、CHCl:ジクロロメタン、CV:カラム容量(カラムクロマトグラフィーで使用)、EtOAc:酢酸エチル、C:重水素化ベンゼンまたはベンゼン-d6:CDCl:重水素化クロロホルム、NaSO:硫酸ナトリウム、MgSO:硫酸マグネシウム、HCl:塩化水素、n-BuLi:ブチルリチウム、t-BuLi:tert-ブチルリチウム、CuO:酸化銅(I)、N,N’-DMEDA:N,N’-ジメチルエチレンジアミン、KPO:三塩基性リン酸カリウム、Pd(AmPhos)Cl:ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、Pd(dppf)Cl:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(II)、KCO:炭酸カリウム、CsCO:炭酸セシウム、i-PrOBPin:2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、BrClCCClBr:1,2-ジブロモテトラクロロエタン、HfCl:塩化ハフニウム(IV)、HfBn:ハフニウム(IV)テトラベンジル、ZrCl:塩化ジルコニウム(IV)、ZrBn:ジルコニウム(IV)テトラベンジル、ZrBnCl(OEt):ジルコニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノ-ジエチルエーテレート、HfBnCl(OEt):ハフニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノ-ジエチルエーテレート、TiBn:チタン(IV)テトラベンジル、N:窒素ガス、PhMe:トルエン、PPR:並列重合反応器、MAO:メチルアルミノキサン、MMAO:変性メチルアルミノキサン、GC:ガスクロマトグラフィー、LC:液体クロマトグラフィー、NMR:核磁気共鳴、MS:質量分析、mmol:ミリモル、mL:ミリリットル、M:モル、minまたはmins:分、hまたはhrs:時間、d:日、R:滞留画分、TLC:薄層クロマトグラフィー、rpm:1分当たりの回転数。
【0013】
「独立して選択された」という用語とそれに続く複数のオプションは、R、RおよびRなど、その用語の前に表示される個々のR基が、同一または異なってもよく、その用語の前に現れる他の基の同一性について依存関係がないことを示すために本明細書では用いられる。
【0014】
「プロ触媒」という用語は、活性化剤と組み合わせたときに触媒活性を有する化合物を指す。「活性化剤」という用語は、プロ触媒を触媒的に活性な触媒に変換するようにプロ触媒と化学的に反応する化合物を指す。本明細書で使用されるとき、「共触媒」および「活性化剤」という用語は交換可能な用語である。
【0015】
ある特定の炭素原子を含有する化学基を記載するために使用される場合、「(C-C)」の形態を有する括弧付きの表現は、化学基の非置換形態がxおよびyを含めてx個の炭素原子からy個の炭素原子を有することを意味する。例えば、(C-C50)アルキルは、その非置換形態では1~50個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態および一般構造において、ある特定の化学基は、Rなどの1つ以上の置換基によって置換されてもよい。括弧付きの「(C-C)」を使用して定義される、化学基のR置換バージョンは、任意の基Rの同一性に応じてy個超の炭素原子を含有し得る。例えば、「Rがフェニル(-C)である正確に1つの基Rによって置換された(C-C50)アルキル」は、7~56個の炭素原子を含有し得る。したがって、一般に、括弧付きの「(C-C)」を使用して定義される化学基が1つ以上の炭素原子を含有する置換基Rによって置換されるとき、化学基の炭素原子の最小および最大合計数は、xおよびyの両方に、すべての炭素原子を含有する置換基R由来の炭素原子の合計数を加えることによって、決定される。
【0016】
「置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した少なくとも1個の水素原子(-H)が置換基(例えばR)によって置き換えられることを意味する。「過置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合したすべての水素原子(H)が置換基(例えばR)によって置き換えられることを意味する。「多置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した、少なくとも2個の、ただし、すべてよりは少ない水素原子が置換基によって置き換えられることを意味する。「-H」という用語は、別の原子に共有結合している水素または水素ラジカルを意味する。「水素」および「-H」は、交換可能であり、明記されていない限りは、同一の意味を有する。
【0017】
「(C-C50)ヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子の炭化水素ラジカルを意味し、そこで、各炭化水素ラジカルは、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖、環式(3個以上の炭素を有し、単環式および多環式、縮合および非縮合の多環式、ならびに二環式を含む)または非環式であり、1つ以上のRによって置換されているか、または置換されていない。
【0018】
本開示において、(C-C50)ヒドロカルビルは、非置換または置換(C-C50)アルキル、(C-C50)シクロアルキル、(C-C20)シクロアルキル-(C-C20)アルキレン、(C-C40)アリール、または(C-C20)アリール-(C-C20)アルキレン(ベンジル(-CH-C)など)であり得る。
【0019】
「(C-C50)アルキル」および「(C-C18)アルキル」という用語は、非置換または1つ以上のRによって置換されている、それぞれ、1~50個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素ラジカルおよび1~18個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素ラジカルを意味する。非置換(C-C50)アルキルの例は、非置換(C-C20)アルキル、非置換(C-C10)アルキル、非置換(C-C)アルキル、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル、1-ノニル、および1-デシルである。置換(C-C40)アルキルの例は、置換(C-C20)アルキル、置換(C-C10)アルキル、トリフルオロメチル、および[C45]アルキルである。「[C45]アルキル」という用語は、置換基を含むラジカル中に最大45個の炭素原子が存在することを意味し、例えば、それぞれ、(C-C)アルキルである1つのRによって置換されている(C27-C40)アルキルである。各(C-C)アルキルは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、1-プロピル、1-メチルエチル、または1,1-ジメチルエチルであり得る。
【0020】
「(C-C50)アリール」という用語は、6~40個の炭素原子を有し、そのうちの少なくとも6~14個の炭素原子は芳香環炭素原子である、非置換または(1つ以上のRによって)置換された単環式、二環式、または三環式芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式芳香族炭化水素ラジカルは、1つの芳香環を含み、二環式芳香族炭化水素ラジカルは2つの環を有し、三環式芳香族炭化水素ラジカルは3つの環を有する。二環式または三環式芳香族炭化水素ラジカルが存在するとき、そのラジカルの環のうちの少なくとも1つは芳香族である。芳香族ラジカルの他の1つまたは複数の環は独立して、縮合または非縮合の芳香族または非芳香族であり得る。非置換(C-C50)アリールの例としては、非置換(C-C20)アリール、非置換(C-C18)アリール、2-(C-C)アルキル-フェニル、フェニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、インダセニル、ヘキサヒドロインダセニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、およびフェナントレンが挙げられる。置換(C-C40)アリールの例としては、置換(C-C20)アリール、置換(C-C18)アリール、2,4-ビス([C20]アルキル)-フェニル、ポリフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、およびフルオレン-9-オン-1-イルが挙げられる。
【0021】
「(C-C50)シクロアルキル」という用語は、非置換であるかまたは1つ以上のRによって置換されている、3~50個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素ラジカルを意味する。他のシクロアルキル基(例えば(C-C)シクロアルキル)は、x~y個の炭素原子を有し、非置換であるか、または1つ以上のRによって置換されているかのいずれかであるものと同様な様式で定義される。非置換(C-C40)シクロアルキルの例は、非置換(C-C20)シクロアルキル、非置換(C-C10)シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、およびシクロデシルである。置換(C-C40)シクロアルキルの例は、置換(C-C20)シクロアルキル、置換(C-C10)シクロアルキル、シクロペンタノン-2-イル、および1-フルオロシクロヘキシルである。
【0022】
「ヘテロ原子」という用語は、水素または炭素以外の原子を指す。1個または2個以上のヘテロ原子を含有する基の例としては、O、S、S(O)、S(O)、Si(R、P(R)、N(R)、-N=C(R、-Ge(R-、または-Si(R)-が挙げられ、各Rおよび各Rは、非置換(C-C18)ヒドロカルビルまたは-Hであり、各Rは非置換(C-C18)ヒドロカルビルである。「ヘテロ炭化水素」という用語は、炭化水素の1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている分子または分子骨格を指す。「(C-C50)ヘテロヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ラジカルを意味し、「(C-C50)ヘテロヒドロカルビレン」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ジラジカルを意味する。(C-C50)ヘテロヒドロカルビルまたは(C-C50)ヘテロヒドロカルビレンのヘテロ炭化水素は、1個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロヒドロカルビルのラジカルは、炭素原子上またはヘテロ原子上に存在することができる。ヘテロヒドロカルビレンの2つのラジカルは、単一の炭素原子上または単一のヘテロ原子上に存在することができる。加えて、ジラジカルの2つのラジカルのうちの一方は炭素原子上に存在することができ、他方のラジカルは異なる炭素原子上に存在することができ、2つのラジカルのうちの一方は炭素原子上に存在することができ、他方はヘテロ原子上に存在することができ、または、2つのラジカルのうちの一方はヘテロ原子上に存在することができ、他方のラジカルは異なるヘテロ原子上に存在することができる。各(C-C50)ヘテロヒドロカルビルおよび(C-C50)ヘテロヒドロカルビレンは、非置換または(1つ以上のRによって)置換、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖、環式(単環式および多環式、縮合多環式および非縮合多環式を含む)または非環式であってもよい。
【0023】
(C-C50)ヘテロヒドロカルビルは、非置換であっても置換されてもよい。(C-C50)ヘテロヒドロカルビルの非限定的な例としては、(C-C50)ヘテロアルキル、(C-C50)ヒドロカルビル-O-、(C-C50)ヒドロカルビル-S-、(C-C50)ヒドロカルビル-S(O)-、(C-C50)ヒドロカルビル-S(O)-、(C-C50)ヒドロカルビル-Si(R-、(C-C50)ヒドロカルビル-N(R)-、(C-C50)ヒドロカルビル-P(R)-、(C-C50)ヘテロシクロアルキル、(C-C19)ヘテロシクロアルキル-(C-C20)アルキレン、(C-C20)シクロアルキル-(C-C19)ヘテロアルキレン、(C-C19)ヘテロシクロアルキル-(C-C20)ヘテロアルキレン、(C-C50)ヘテロアリール、(C-C19)ヘテロアリール-(C-C20)アルキレン、(C-C20)アリール-(C-C19)ヘテロアルキレン、または(C-C19)ヘテロアリール-(C-C20)ヘテロアルキレンが挙げられる。
【0024】
「(C-C50)ヘテロアリール」という用語は、合計4~50個の炭素原子および1~10個のヘテロ原子を有する、非置換であるかまたは(1つ以上のRによって)置換されている単環式、二環式、または三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、1つのヘテロ芳香環を含み、二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、2つの環を有し、三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、3つの環を有する。二環式または三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルが存在する場合、ラジカルにおける環のうちの少なくとも1つは、ヘテロ芳香族である。ヘテロ芳香族ラジカルの他の1つまたは複数の環は独立して、縮合または非縮合および芳香族または非芳香族であることができる。他のヘテロアリール基(例えば、一般に(C-C)ヘテロアリール、(C-C12)ヘテロアリールなど)は、x~y個の炭素原子(4~12個の炭素原子など)を有し、かつ非置換または1つもしくは2つ以上のRによって置換されているものと同様な様式で定義される。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5員環または6員環である。5員環は、5マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子数であり、1、2または3であり得、各ヘテロ原子は、O、S、N、またはPであり得る。5員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピロール-1-イル、ピロール-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピラゾール-1-イル、イソキサゾール-2-イル、イソチアゾール-5-イル、イミダゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、チアゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、テトラゾール-1-イル、テトラゾール-2-イルおよびテトラゾール-5-イルが挙げられる。6員環は、6マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子数であり、1または2であり得、ヘテロ原子は、NまたはPであり得る。6員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、ピリジン-2-イル、ピリミジン-2-イルおよびピラジン-2-イルである。二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、縮合5,6-または6,6-環系であり得る。縮合5,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、インドール-1-イル、およびベンズイミダゾール-1-イルが挙げられる。縮合6,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、キノリン-2-イル、およびイソキノリン-1-イルが挙げられる。三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは縮合5,6,5-、5,6,6-、6,5,6-、または6,6,6-環系であり得る。縮合5,6,5-環系の例としては、1,7-ジヒドロピロロ[3,2-f]インドール-1-イルが挙げられる。縮合5,6,6-環系の例としては、1H-ベンゾ[f]インドール-1-イルが挙げられる。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,6,6-環系の例としては、アクリジン-9-イルである。
【0025】
「(C-C50)ヘテロアルキル」という用語は、1~50個の炭素原子、またはそれよりも少ない炭素原子、およびヘテロ原子のうちの1個以上を含有する飽和直鎖または分岐鎖ラジカルを意味する。「(C-C50)ヘテロアルキレン」という用語は、1~50個の炭素原子および1個または2個以上のヘテロ原子を含有する飽和直鎖または分岐鎖ジラジカルを意味する。ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレンのヘテロ原子としては、Si(R、Ge(R、Si(R、Ge(R、P(R、P(R)、N(R、N(R)、N、O、OR、S、SR、S(O)、およびS(O)が挙げられ得、ヘテロアルキルおよびヘテロアルキレン基の各々は、非置換または1つ以上のRによって置換されている。
【0026】
非置換(C-C40)ヘテロシクロアルキルの例としては、非置換(C-C20)ヘテロシクロアルキル、非置換(C-C10)ヘテロシクロアルキル、アジリジン-1-イル、オキセタン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、ピロリジン-1-イル、テトラヒドロチオフェン-S,S-ジオキシド-2-イル、モルホリン-4-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロアゼピン-4-イル、3-オキサ-シクロオクチル、5-チオ-シクロノニル、および2-アザ-シクロデシルが挙げられる。
【0027】
「ハロゲン原子」または「ハロゲン」という用語は、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、またはヨウ素原子(I)のラジカルを意味する。「ハロゲン化物」という用語は、フッ化物(F)、塩化物(Cl)、臭化物(Br)またはヨウ化物(I)のハロゲン原子のアニオン形態を意味する。
【0028】
「飽和」という用語は、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、ならびに(ヘテロ原子含有基において)炭素-窒素、炭素-リン、および炭素-ケイ素二重結合を欠くことを意味する。飽和化学基が1つ以上の置換基Rで置換されている場合、1つ以上の二重および/または三重結合は、任意で、置換基R中に存在してもしなくてもよい。「不飽和」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、または(ヘテロ原子含有基において)1つ以上の炭素-窒素二重結合、炭素-リン二重結合、または炭素-ケイ素二重結合を含有し、置換基R(存在する場合)、または(ヘテロ)芳香環(存在する場合)中に存在し得る二重結合を含まないことを意味する。
【0029】
本開示の実施形態は、プロ触媒、触媒系、および本開示の触媒系を含む重合プロセスを含む。この触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含む。
【化2】
【0030】
式(I)において、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムから選択される金属であり、金属は、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有する。各Xは、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C20)アリール、または(C-C20)ヘテロアリールから選択される単座または二座配位子である。(X)の下付き文字nは、2または3である。
【0031】
式(I)において、R、R、R5a、R5b、およびRは、独立して、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-N(R、-OR、ハロゲン、または水素から選択され、任意選択で、RおよびRは、共有結合して芳香環を形成し、zおよびzは、独立して、C(R)またはNであり、各Rは、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルであるが、ただし、zおよびzのうちの少なくとも一方は、Nであり、かつ式(I)の各R、R、およびRは、独立して、(C-C30)ヒドロカルビルである。
【0032】
1つ以上の実施形態では、RおよびRが、共有結合して芳香環を形成し、金属-配位子錯体が、式(II)による。
【化3】
【0033】
式(II)において、R1a、R1b、R2a、R2bは、独立して、(C-C30)アルキルまたは-Hであり、R5a、R5b、z、z、X、n、およびMは、式(I)で定義されるとおりである。
【0034】
1つ以上の実施形態では、式(I)において、zはC(R)であり、zはNであり、Rは、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルである。他の実施形態では、zはNであり、zはC(R)であり、Rは、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルである。
【0035】
1つ以上の実施形態では、Rは水素または(C-C20)アルキルである。様々な実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、n-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、またはtert-オクチルである。
【0036】
様々な実施形態では、式(I)または(II)において、Rは、置換(C-C40)アリールまたは非置換(C-C40)アリールである。1つ以上の実施形態では、Rは、独立して、フェニル、ベンジル、(2,4,6-トリ-イソプロピル)フェニル、(2,6-ジ-イソプロピル)フェニル、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、ナフチル、またはシクロプロピルから選択される。
【0037】
いくつかの実施形態では、式(I)または(II)において、Rが、水素であり、R5aが、水素であり、R5bが、独立して、(C-C40)ヒドロカルビルまたは(C-C40)ヘテロヒドロカルビルから選択される。1つ以上の実施形態では、R5bは、独立して、フェニル、ベンジル、(2,4,6-トリ-イソプロピル)フェニル、(2,6-ジ-イソプロピル)フェニル、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、ナフチル、またはシクロプロピルから選択される。いくつかの実施形態では、R5aおよびR5bのうちの少なくとも一方は、(C-C40)ヒドロカルビルまたは(C-C40)ヘテロヒドロカルビルである。
【0038】
1つ以上の実施形態では、R5aおよびR5bのいずれか一方のみが、ピロール-1-イル、ピロール-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピラゾール-1-イル、イソキサゾール-2-イル、イソチアゾール-5-イル、イミダゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、チアゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、テトラゾール-1-イル、テトラゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリミジン-2-イル、ピラジン-2-イル、キノリン-2-イル、イソキノリン-1-イル、および9H-カルバゾール-9-イルからなる群から選択される。
【0039】
1つ以上の実施形態では、式(II)において、R1a、R1b、R2a、R2bは、独立して、水素、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、n-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、またはtert-オクチルである。
【0040】
式(I)または(II)による金属-配位子錯体において、各Xは、共有結合、配位結合、またはイオン結合を介してMと結合する。いくつかの実施形態では、各Xは同一性を有する。金属-配位子錯体は、6つ以下の金属-配位子結合を有し、全体として電荷中性であり得るか、または金属中心と関連する陽性電荷を有してもよい。いくつかの実施形態では、触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含み、式中、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、各Xは、独立して、(C-C20)アルキル、(C-C20)ヘテロアルキル、(C-C20)アリール、(C-C20)ヘテロアリール、(C-C12)ジエン、またはハロゲンから選択される。1つ以上の実施形態では、各Xは、独立して、ベンジル、フェニル、またはクロロである。
【0041】
いくつかの実施形態では、単座配位子はモノアニオン性配位子であり得る。モノアニオン性配位子は-1の正味の形式酸化状態を有する。各モノアニオン性配位子は独立して、ヒドリド、(C-C40)ヒドロカルビルカルバニオン、(C-C40)ヘテロヒドロカルビルカルバニオン、ハロゲン化物、ニトレート、カーボネート、ホスフェート、スルフェート、HC(O)O、HC(O)N(H)、(C-C40)ヒドロカルビルC(O)O、(C-C40)ヒドロカルビルC(O)N((C-C20)ヒドロカルビル)、(C-C40)ヒドロカルビルC(O)N(H)、R、R、R、R、R、またはRSiであり得、式中、各R、R、およびRは独立して、水素、(C-C40)ヒドロカルビル、もしくは(C-C40)ヘテロヒドロカルビルであるか、またはRおよびRは一緒になって、(C-C40)ヒドロカルビレンもしくは(C-C20)ヘテロヒドロカルビレンを形成し、Rは、上で定義されているとおりである。
【0042】
他の実施形態では、少なくとも1つの単座配位子Xは、他のいずれの配位子Xとも独立して、中性配位子であってもよい。特定の実施形態では、中性配位子は、RNR、ROR、RSR、またはRPRなどの中性ルイス塩基基であり、式中、各Rは、独立して、水素、[(C-C10)ヒドロカルビル]Si(C-C10)ヒドロカルビル、(C-C40)ヒドロカルビル、[(C-C10)ヒドロカルビル]Si、または(C-C40)ヘテロヒドロカルビルであり、各RおよびRは、独立して、以前に定義されるとおりである。
【0043】
加えて、各Xは、他のいずれの配位子Xとも独立して、ハロゲン、非置換(C-C20)ヒドロカルビル、非置換(C-C20)ヒドロカルビルC(O)O-、またはRN-である単座配位子であり得、式中、RおよびRの各々は独立して、非置換(C-C20)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、各単座配位子Xは、塩素原子、(C-C10)ヒドロカルビル(例えば、(C-C)アルキルもしくはベンジル)、非置換(C-C10)ヒドロカルビルC(O)O-、またはRN-であり、式中、RおよびRの各々は独立して、非置換(C-C10)ヒドロカルビルである。式(I)、(II)、および(III)の1つ以上の実施形態では、Xは、ベンジル、クロロ、-CHSiMe、またはフェニルである。
【0044】
さらなる実施形態では、各Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、1,1-ジメチルエチル、2-メチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、またはクロロから選択される。いくつかの実施形態では、各Xはベンジルである。場合によっては、少なくとも2つのXは互いに異なる。少なくとも2つのXが、少なくとも1つのXとは異なる実施形態では、Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、1,1-ジメチルエチル、2-メチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、およびクロロのうちの異なる1つである。さらなる実施形態では、二座配位子は、2,2-ジメチル-2-シラプロパン-1,3-ジイルまたは1,3-ブタジエンである。
【0045】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体の化学基(例えば、XおよびR-R)のいずれかまたはすべては、非置換であり得る。他の実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体の化学基XおよびR-Rのいずれも1つもしくは2つ以上のRで置換されないか、またはそれらのいずれかもしくはすべては、1つもしくは2つ以上のRで置換され得る。2つまたは3つ以上のRが式(I)の金属-配位子錯体の同じ化学基に結合している場合、化学基の個々のRは、同じ炭素原子もしくはヘテロ原子に、または異なる炭素原子もしくはヘテロ原子に結合し得る。いくつかの実施形態では、化学基XおよびR-RのいずれもRで過置換されていなくてもよく、いずれかまたはすべてがRで過置換されていてもよい。Rで過置換されている化学基では、個々のRはすべて同一であっても、独立して選択されてもよい。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態は、重合プロセスを含む。重合プロセスは、オレフィン重合条件下、触媒系の存在下で、エチレンおよび任意選択で1つ以上の(C-C12)α-オレフィンを接触させてエチレン系ポリマーを形成することを含む。この触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含む。
【0047】
本開示の実施形態は、プロ触媒を含む。プロ触媒は、重合プロセスにおける金属-配位子錯体としての使用に適している可能性がある。いくつかの実施形態によるプロ触媒は、触媒系に関して前述したように、式(I)または式(II)を有する金属-配位子錯体である。
【0048】
例示的は実施形態では、触媒系は、以下に列挙したプロ触媒1~22の構造のいずれかを有する式(I)による金属-配位子錯体を含み得る。図1に示されるように、プロ触媒1~6は、対応する配位子1~3から合成され得る。
【化4】
【0049】
共触媒成分
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系は、オレフィン重合反応の金属系触媒を活性化するための当該技術分野で既知の任意の技術によって触媒的に活性にされ得る。例えば、式(I)の金属-配位子錯体によるプロ触媒は、錯体を活性化共触媒と接触させるか、または錯体を活性化共触媒と組み合わせることによって、触媒的に活性にされ得る。加えて、式(I)による金属-配位子錯体は、中性であるプロ触媒形態、およびベンジルまたはフェニルなどのモノアニオン性配位子の損失によって正に帯電され得る触媒形態の両方を含む。本明細書に使用するのに好適な活性化共触媒としては、アルキルアルミニウム、ポリマーまたはオリゴマーアルモキサン(アルミノキサンとしても知られる)、中性ルイス酸、および非ポリマー、非配位、イオン形成化合物(酸化条件下でのそのような化合物の使用を含む)が挙げられる。好適な活性化技術は、バルク電気分解である。前述の活性化共触媒および技法のうちの1つ以上の組み合わせもまた企図される。「アルキルアルミニウム」という用語は、モノアルキルアルミニウムジヒドリドもしくはモノアルキルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニムウヒドリドもしくはジアルキルアルミニウムハライド、またはトリアルキルアルミニウムを意味する。ポリマーまたはオリゴマーアルモキサンの例としては、メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン、およびイソブチルアルモキサンが挙げられる。
【0050】
ルイス酸活性化共触媒は、本明細書に記載の(C-C20)ヒドロカルビル置換基を含有する第13族金属化合物を含む。いくつかの実施形態では、13族金属化合物は、トリ((C-C20)ヒドロカルビル)-置換アルミニウムまたはトリ((C-C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物である。他の実施形態では、13族金属化合物は、トリ(ヒドロカルビル)-置換アルミニウム、トリ((C-C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物、トリ((C-C10)アルキル)アルミニウム、トリ((C-C18)アリール)ホウ素化合物、およびそれらのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体である。さらなる実施形態では、13族金属化合物は、トリス(フルオロ置換フェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。いくつかの実施形態では、活性化共触媒は、トリス((C-C20)ヒドロカルビルボレート(例えば、トリチルテトラフルオロボレート)またはトリ((C-C20)ヒドロカルビル)アンモニウムテトラ((C-C20)ヒドロカルビル)ボラン(例えば、ビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)である。本明細書で使用される場合、「アンモニウム」という用語は、((C-C20)ヒドロカルビル)、((C-C20)ヒドロカルビル)N(H)、((C-C20)ヒドロカルビル)N(H) 、(C-C20)ヒドロカルビルN(H) 、またはN(H) である窒素カチオンを意味し、各(C-C20)ヒドロカルビルは、2つ以上存在する場合、同じであっても、異なっていてもよい。
【0051】
中性ルイス酸活性化共触媒の組み合わせとしては、トリ((C-C)アルキル)アルミニウムとハロゲン化トリ((C-C18)アリール)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの組み合わせを含む混合物が挙げられる。他の実施形態は、そのような中性ルイス酸混合物とポリマーまたはオリゴマーアルモキサンとの組み合わせ、および単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとポリマーまたはオリゴマーアルモキサンとの組み合わせである。(金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)[例えば(第4族金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)]のモルの数の比は、1:1:1~1:10:30であり、他の実施形態では1:1:1.5~1:5:10である。
【0052】
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系を活性化して、1つ以上の共触媒、例えば、カチオン形成共触媒、強ルイス酸、またはそれらの組み合わせと組み合わせることによって、活性触媒組成物を形成することができる。好適な活性化共触媒としては、ポリマーまたはオリゴマーアルミノキサン、特にメチルアルミノキサン、ならびに不活性、相溶性、非配位性、イオン形成性化合物が挙げられる。例示的な好適な共触媒としては、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、ビス(水素化タローアルキル)メチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1-)アミン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0053】
いくつかの実施形態では、2つ以上の前述の活性化共触媒を互いに組み合わせて使用することができる。共触媒の組み合わせの特定の例は、トリ((C-C)ヒドロカルビル)アルミニウム、トリ((C-C)ヒドロカルビル)ボラン、またはアンモニウムボレートとオリゴマーもしくはポリマーアルモキサン化合物との混合物である。式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数と1つ以上の活性化共触媒の総モル数との比は、1:10,000~100:1である。いくつかの実施形態では、この比は、少なくとも1:5000であり、他のいくつかの実施形態では、少なくとも1:1000および10:1以下であり、他のいくつかの実施形態では、1:1以下である。アルモキサンを単独で活性化共触媒として使用する場合、用いられるアルモキサンのモル数は、式(I)の金属-配位子錯体のモル数の少なくとも100倍であることが好ましい。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを単独で活性化共触媒として使用する場合、いくつかの他の実施形態では、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数に対して用いられるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのモル数は、0.5:1~10:1、1:1~6:1、または1:1~5:1である。残りの活性化共触媒は一般に、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル量におおよそ等しいモル量で用いられる。
【0054】
ポリオレフィン
前の段落に記載される触媒系は、オレフィン、主にエチレンおよびプロピレンの重合に利用される。いくつかの実施形態では、重合スキーム中に単一種類のオレフィンまたはα-オレフィンのみが存在し、ホモポリマーを生成する。しかしながら、追加のα-オレフィンを重合手順に組み込んでもよい。追加のα-オレフィンコモノマーは、典型的には、20個以下の炭素原子を有する。例えば、α-オレフィンコモノマーは、3~10個の炭素原子、または3~8個の炭素原子を有し得る。例示的なα-オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、および4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上のα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群から、または代替的に1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群から選択することができる。
【0055】
エチレン系ポリマー、例えば、エチレンのホモポリマーおよび/またはインターポリマー(コポリマーを含む)、ならびにα-オレフィンなどの任意選択的な1つ以上のコモノマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも50重量パーセント含み得る。「少なくとも50重量パーセントから」によって包含される個々の値および部分範囲はすべて、別個の実施形態として本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマー、エチレンのホモポリマーおよび/またはインターポリマー(コポリマーを含む)、ならびにα-オレフィンなどの任意選択的な1つ以上のコモノマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも60重量パーセント、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも70重量パーセント、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも80重量パーセント、エチレン由来のモノマー単位を50~100重量パーセント、またはエチレン由来のモノマー単位の80~100重量パーセント含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも90モルパーセント含み得る。少なくとも90モルパーセントからのすべての個々の値および部分範囲は本明細書に含まれ、別個の実施形態として本明細書に開示される。例えば、エチレン系ポリマーは、エチレン由来の単位を少なくとも93モルパーセント、単位を少なくとも96モルパーセント、エチレン由来の単位を少なくとも97モルパーセント、または代替的に、エチレン由来の単位を90~100モルパーセント、エチレン由来の単位を90~99.5モルパーセント、もしくはエチレン由来の単位を97~99.5モルパーセントを含み得る。
【0057】
エチレン系ポリマーのいくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、50%未満であり、他の実施形態は、少なくとも0.5モルパーセント(mol%)~25mol%を含み、さらなる実施形態では、追加のα-オレフィンの量は少なくとも5mol%~10mol%を含む。いくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンは1-オクテンである。
【0058】
任意の従来の重合プロセスを使用してエチレン系ポリマーを生成してもよい。そのような従来の重合プロセスとしては、1つ以上の従来の反応器、例えばループ反応器、等温反応器、流動床気相反応器、撹拌槽型反応器、バッチ反応器などの並列、直列、またはそれらの任意の組み合わせを使用する、溶液重合プロセス、気相重合プロセス、スラリー相重合プロセス、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、ここで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系および任意選択的に1つ以上の共触媒の存在下で重合される。別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、ここで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示および本明細書に記載の触媒系および任意選択的に1つ以上の他の触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意に1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器または第2の反応器において使用することができる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、そこで、エチレン、および任意に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器において重合される。
【0060】
別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、単一反応器系、例えば単一ループ反応器系において、溶液重合で生成することができ、そこで、エチレン、および任意に1つ以上のα-オレフィンは、本開示内に記載の触媒系および任意に1つ以上の共触媒の存在下で、前の段落に記載のように重合される。
【0061】
エチレン系ポリマーは、1つ以上の添加剤をさらに含むことができる。そのような添加剤としては、帯電防止剤、色増強剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、紫外線安定剤、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。エチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーおよび1つ以上の添加剤の重量に基づいて、そのような添加剤を合計約0~約10重量パーセントを含み得る。エチレン系ポリマーは、充填剤をさらに含んでもよく、その充填剤としては、有機または無機充填剤を挙げることができるが、それらに限定されない。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーとすべての添加剤または充填剤の合計重量に基づいて、例えば炭酸カルシウム、タルク、またはMg(OH)などの約0~約20重量パーセントの充填剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、1つ以上のポリマーとさらに配合されてブレンドを形成することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーを生成するための重合プロセスは、触媒系の存在下でエチレンと少なくとも1つの追加のα-オレフィンを重合することを含むことができ、触媒系は、式(I)の少なくとも1つの金属-配位子錯体を組み込む。式(I)の金属-配位子錯体を組み込むかかる触媒系から得られたポリマーは、ASTM D792(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、例えば、0.850g/cm~0.950g/cm、0.880g/cm~0.920g/cm、0.880g/cm~0.910g/cm、または0.880g/cm~0.900g/cmの密度を有し得る。
【0063】
別の実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるポリマーは、5~15のメルトフロー比(I10/I)を有し、メルトインデックスIは、ASTM D1238(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、190℃および2.16kgの荷重で測定され、メルトインデックスI10は、ASTM D1238に従って、190℃および10kgの荷重で測定される。他の実施形態では、メルトフロー比(I10/I)は5~10であり、他では、メルトフロー比は5~9である。
【0064】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるポリマーは、1~25の分子量分布(MWD)を有し、MWDは、M/Mとして定義され、Mは、重量平均分子量であり、Mは、数平均分子量である。他の実施形態では、触媒系から得られたポリマーは、1~6のMWDを有する。別の実施形態は、1~3のMWDを含み、他の実施形態は、1.5~2.5のMWDを含む。
【0065】
本開示に記載される触媒系の実施形態は、形成されたポリマーの高分子量およびポリマーに組み込まれたコモノマーの量の結果として、固有のポリマー特性をもたらす。
【0066】
すべての溶媒および試薬を、商業的供給源から入手し、別段の記載がない限り、受け取ったまま使用する。無水トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、およびジエチルエーテルを、活性アルミナ、および場合によってはQ-5反応物質を通過させることによって精製する。窒素充填グローブボックス中で行われた実験に使用された溶媒は、活性化4Åモレキュラーシーブ上での貯蔵によってさらに乾燥させる。感湿反応用ガラス器具を、使用前に一晩オーブン内で乾燥させる。NMRスペクトルを、Varian 400-MRおよびVNMRS-500分光計で記録する。LC-MS分析は、Waters 2424 ELS検出器、Waters 2998 PDA検出器、およびWaters 3100 ESI質量検出器と組み合わせたWaters e2695分離モジュールを使用して行う。LC-MS分離は、XBridge C18 3.5μm 2.1×50mmカラムで、5:95~100:0のアセトニトリルおよび水の勾配(イオン化剤として0.1%のギ酸を含む)を使用して行う。HRMS分析は、エレクトロスプレーイオン化を備えたAgilent 6230 TOF質量分析計と組み合わせたZorbax Eclipse Plus C18 1.8μm 2.1×50mmカラムを備えたAgilent 1290 Infinity LCを使用して行う。H NMRデータは、次のように報告する:化学シフト(多重度(br=幅広線、s=1重線、d=2重線、t=3重線、q=4重線、p=5重線、sex=6重線、sept=7重線、およびm=多重線)、積分値、および帰属)。基準物質として重水素化溶媒中の残留プロトンを使用して、H NMRデータの化学シフトをテトラメチルシラン内部からの低磁場のppm(TMS、δスケール)で報告する。13C NMRデータは、Hデカップリングを用いて決定し、化学シフトは、基準として重水素化溶媒中の残留炭素を使用して、テトラメチルシラン(TMS、δスケール)からの低磁場(ppm)として報告する。
【0067】
PPRスクリーニング実験の一般的手順
ポリオレフィン触媒スクリーニングは、ハイスループット並列圧力反応器(PPR)システムで行う。PPRシステムは、不活性雰囲気グローブボックス内の48個の単一セル(6×8マトリックス)反応器のアレイで構成されている。各セルは、約5mLの内部作動液体積を有するガラスインサートを備える。各セルは独立した圧力制御を有し、セル内の液体を800rpmで連続的に撹拌する。触媒溶液は、別段の記載がない限り、適切な量のプロ触媒をトルエン中に溶解することによって調製する。すべての液体(例えば、溶媒、1-オクテン、実験に適切なチェーンシャトリング剤溶液、および触媒溶液)を、ロボットシリンジを介して単一セル反応器に添加する。ガス状試薬(すなわち、エチレン、H)は、ガス注入ポートを介して単一セル反応器に添加される。各実行前に、反応器を80℃に加熱し、エチレンでパージし、通気する。
【0068】
Isopar-Eの一部分を反応器に添加する。反応器を実行温度まで加熱し、エチレンで適切なpsigまで加圧する。試薬のトルエン溶液を、(1)500nmolの捕捉剤MMAO-3Aとともに1-オクテン、(2)活性化剤(共触媒-1、共触媒-2など)、および(3)触媒の順序で添加する。
【0069】
各液体の添加後に少量のIsopar-Eを加え、最終的な添加後に全反応体積が5mLになるようにする。触媒を添加すると、PPRソフトウェアは各セルの圧力の監視を開始する。圧力(およそ2~6psig以内)を、設定値マイナス1psiでバルブを開き、圧力が2psiより高くなったときにバルブを閉じることによる、エチレンガスの追加の添加によって維持する。すべての圧力低下を、実行期間、または取り込みもしくは変換要求値に達するまでのいずれか早く起こる期間にわたって、エチレンの「取り込み」または「変換」として累積的に記録する。各反応を、反応器圧力よりも40~50psi高い圧力で4分間、アルゴン中の10%一酸化炭素の添加によってクエンチする。「クエンチ時間」が短いほど、触媒がより活性であることを意味する。任意の所与のセルにおける過剰なポリマーの形成を防止するために、反応は、所定の取り込みレベル(120℃の実行で50psig、150℃の実行で75psig)に達した時点でクエンチされる。すべての反応をクエンチした後、反応器を70℃まで冷却する。反応器を通気させ、窒素で5分間パージして、一酸化炭素を除去し、管を取り外す。ポリマー試料を遠心蒸発器内で12時間70℃で乾燥させ、重さを量って、ポリマー収率を決定し、IR(1-オクテンの組み込み)およびGPC(分子量)分析に供した。
【0070】
SymRAD HT-GPC分析
分子量データは、ハイブリッドのSymyx/Dow構築ロボット支援希釈高温度ゲル浸透クロマトグラフィー装置(Sym-RAD-GPC)における分析によって決定する。ポリマー試料を、300百万分率(ppm)のブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)によって安定化された10mg/mLの濃度で、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)中に160℃で120分間加熱することによって溶解する。250μLアリコートの試料を注入する直前に、各試料を1mg/mLに希釈した。GPCは、160℃で2.0mL/分の流速で2つのPolymer Labs PLgelの10μmの混合-Bカラム(300×10mm)を備える。試料検出を、濃度モードでPolyChar IR4検出器を使用して行う。狭ポリスチレン(PS)標準の従来の較正は、この温度でのTCBにおけるPSおよびPEの既知のMark-Houwink係数を使用してホモポリエチレン(PE)に調整された見かけの単位で利用される。
【0071】
1-オクテン組み込みIR分析
HT-GPC分析用の試料の実行がIR分析に先行する。IR分析の場合、試料の堆積および1-オクテン組み込みの分析には、48ウェルのHTシリコンウエハを利用する。分析では、試料を160℃まで210分間以下加熱し、試料を再加熱して磁気GPC撹拌棒を取り外し、J-KEM Scientific加熱式ロボット振とう機においてガラス棒の撹拌棒を用いて振とうする。試料をTecan MiniPrepの75堆積ステーションを使用して加熱しながら堆積させ、1,2,4-トリクロロベンゼンを窒素パージ下、160℃でウエハの堆積ウェルから蒸発させる。1-オクテンの分析は、NEXUS 670 E.S.P.FT-IRを使用して、HTシリコンウエハ上で行う。
【0072】
バッチ反応器重合手順
バッチ反応器での重合反応は、4LのParr(商標)バッチ反応器内で行われる。反応器は、電気加熱マントルによって加熱し、冷却水を含有する内部蛇管冷却コイルによって冷却した。反応器および加熱/冷却システムの両方は、Camile(商標)TGプロセスコンピュータによって制御および監視される。反応器の底部には、反応器の内容物をステンレス鋼のダンプポットに移すダンプ弁が取り付けられている。ダンプポットには、触媒失活溶液(典型的には、5mLのIrgafos/Irganox/トルエン混合液)が事前に充填されている。ポットおよびタンクの両方を窒素でパージして、ダンプポットを30ガロンのブローダウンタンクに通気する。重合または触媒補給のために使用したすべての溶媒を溶媒精製カラムに通過させて、重合に影響を及ぼし得る一切の不純物を除去する。1-オクテンおよびIsoparEを、A2アルミナを含有する第1のカラム、Q5を含有する第2のカラムの2つのカラムに通す。エチレンを、A204アルミナおよび4Aモレキュラーシーブを含有する第1のカラム、Q5反応物質を含有する第2のカラムの2つのカラムに通す。移送に使用されるNを、A204アルミナ、4Aモレキュラーシーブ、およびQ5を含有する単一のカラムに通す。
【0073】
反応器は、反応器の負荷に応じて、IsoparE溶媒、および/または1-オクテンを含有し得るショットタンクからまず装填する。ショットタンクは、ショットタンクに取り付けたラボスケールを使用して負荷設定点まで充填する。液体供給物を添加した後、反応器を重合温度設定点に加熱する。エチレンが使用される場合、反応圧力設定点を維持するための反応温度で、エチレンが反応器に添加される。添加されるエチレンの量は、マイクロモーション流量計によって監視される。いくつかの実験では、120℃での標準条件は、1155gのIsoparE中の88gのエチレンおよび568gの1-オクテンであり、150℃での標準条件は、1043gのIsoparE中の81gのエチレンおよび570gの1-オクテンである。
【0074】
プロ触媒および活性化剤を適切な量の精製トルエンと混合して、モル濃度の溶液を得る。プロ触媒および活性化剤は、不活性グローブボックス内で処理され、シリンジ内に引き込まれ、触媒ショットタンク内に加圧移送される。シリンジを5mLのトルエンで3回すすぐ。触媒が添加された直後に、実行タイマーが始まる。エチレンを使用する場合は、それは、反応器内の反応圧力設定点を維持するためにカミールによって添加される。重合反応を10分間実行し、次いで、撹拌機を停止し、下部のダンプ弁を開放して、反応器の内容物をダンプポットに移す。ダンプポットの内容物をトレイ中に注ぎ、ラボフード内に置き、そこで、溶媒を一晩蒸発させる。残存するポリマーを含むトレイを真空オーブンに移し、真空下で140℃まで加熱して、いずれの残存する溶媒も除去する。トレイが周囲温度に冷却された後、効率を測定するためにポリマーの収量が測定され、ポリマー試験に供された。
【実施例
【0075】
実施例1~6は、配位子中間体、配位子および単離されたプロ触媒の合成手順である。配位子の構造1~3を、図1に示す。プロ触媒1~6は、配位子1~3から合成された。実施例7は、反応条件および重合手順を提供する。実施例8では、プロ触媒1~6の重合反応の結果が表にされ、論じられている。本開示の1つ以上の特徴は、次の実施例の観点で例示される。
【0076】
実施例1-中間体1の合成。ジアジニルイミン1は、対応するアルデヒドをメタノール中で2,6-ジイソプロピルアニリンと縮合させることにより調製した。メタノール(20mL)に溶解したアルデヒド(1.0g、9.2mmol)を室温で撹拌しながら、ニートのアニリン(1.8g、10.2mmol)を滴下した。混合物を不活性雰囲気下で覆い、65℃で24時間加熱した。中間体1は、2:1のトルエン/ヘキサンから-10℃で66%の収率で沈殿した。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.96(d,J=4.9Hz,1H)、8.35(s,1H)、7.40(t,J=4.9Hz,1H)、7.20-7.11(m,2H)、3.00(hept,J=6.9Hz,1H)、1.69(s,1H)、1.17(d,J=6.9Hz,6H)。13C NMR(101MHz、CDCl3)δ 161.97、161.66、157.97、148.46、137.29、124.91、123.18、121.68、28.02、23.81。
【0077】
実施例2-中間体2の合成。ジアジニルイミン2は、対応するアルデヒドをメタノール中で2,6-ジイソプロピルアニリンと縮合させることにより調製した。メタノール(20mL)に溶解したアルデヒド(1.0g、9.2mmol)を室温で撹拌しながら、ニートのアニリン(1.8g、10.2mmol)を滴下した。混合物を不活性雰囲気下で覆い、65℃で24時間加熱した。中間体2は、2:1のトルエン/ヘキサンから-10℃で28%の収率で沈殿した。H NMR(400 MHz,CDCl)δ 9.49(dd,J=1.5,0.5Hz,1H)、8.72-8.64(m,2H)、8.34(d,J=0.5Hz,1H)、7.22-7.11(m,3H)、2.96(hept,J=6.8Hz,2H)、1.64(s,1H)、1.19(d,J=6.9Hz,12H)。13C NMR(101MHz、CDCl)δ 161.32、149.37、148.15、145.98、144.36、143.77、137.28、125.06、123.32、28.18、23.60。
【0078】
実施例3-中間体3の合成。ニートの2,6-ジイソプロピルアニリン(1.51g、8.52mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中のキノキサリン-2-カルボキサルデヒド(0.934g、5.91mmol)の撹拌された赤色懸濁液に、室温で滴下し、続いて固体硫酸マグネシウム(1g)を一度に加えた。赤橙色の懸濁液を不活性雰囲気下で一晩撹拌した。24時間後、混合物を室温で濾過した。合わせた赤色の溶液を2容量当量のメタノールおよび数滴のヘキサンで希釈し、次に-10℃で冷却した。生成物をオレンジ色の針として39%の収率で回収した(1.060g、3.34mmol)。H NMR(400 MHz,CDCl)δ 9.80(s,1H)、8.50(d,J=0.4Hz,1H)、8.24-8.15(m,2H)、7.91-7.79(m,2H)、7.24-7.13(m,3H)、3.01(hept,J=6.9Hz,2H)、1.21(d,J=6.8Hz,13H)。13C NMR(101MHz、CDCl)δ161.97、148.49、148.21、143.84、143.42、142.12、137.22、131.30、130.70、129.96、129.66、125.13、123.33、28.23、23.61。
【0079】
実施例4-配位子1の合成。撹拌棒を備えた200mLの枝付きフラスコを、不活性雰囲気下で、中間体1(0.5g、2mmol)で満たした。Nが流出すると、メタノール(50mL)が添加された。フラスコを氷浴中で15分間冷却し、固体のNaBH(0.75g、20mmol)を穏やかなNパージ下で少しずつ添加した。添加中にガスの発生が観察された。完全に添加した後、フラスコを氷浴中に残し、黄色の混合物を不活性雰囲気下で撹拌し、室温まで一晩ゆっくりと温めた。塩化アンモニウム水溶液(75mL)を添加することにより反応をクエンチし、得られた懸濁液をCHCl(3×40mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥し、回転蒸発器で乾燥するまで真空排気した。ピリミジンアミン配位子1は、88%の収率で黄橙色の油として単離された。H NMR(400MHz,C)δ 8.14(d,J=4.9Hz,1H)、7.16-7.09(m,1H)、6.19-6.11(m,3H)、4.84(s,1H)、4.58(s,1H)、3.67(hept,J=6.8Hz,1H)、1.26(d,J=6.9Hz,6H)。13C NMR(101MHz、CDCl)δ 168.10、157.22、143.35、142.61、123.94、123.75、119.47、57.02、27.99、24.41。
【0080】
実施例5-配位子2の合成。撹拌棒を備えた200mLの枝付きフラスコを、不活性雰囲気下で、中間体2(0.5g、2mmol)で満たした。Nが流出すると、メタノール(50mL)が添加された。フラスコを氷浴中で15分間冷却し、固体のNaBH(0.75g、20mmol)を穏やかなNパージ下で少しずつ添加した。添加中にガスの発生が観察された。完全に添加した後、フラスコを氷浴中に残し、黄色の混合物を不活性雰囲気下で撹拌し、室温まで一晩ゆっくりと温めた。塩化アンモニウム水溶液(75mL)を添加することにより反応をクエンチし、得られた懸濁液をCHCl(3×40mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥し、回転蒸発器で乾燥するまで真空排気した。ピリミジンアミン配位子2は、98%の収率で黄橙色の油として単離された。H NMR(400 MHz,CDCl)δ 9.49(dd,J=1.5,0.5Hz,1H)、8.72-8.64(m,2H)、8.34(d,J=0.5Hz,1H)、7.22-7.11(m,3H)、2.96(hept,J=6.8Hz,2H)、1.64(s,1H)、1.19(d,J=6.9Hz,12H)。13C NMR(101MHz、CDCl)δ 154.72、144.19、144.18、143.51、142.97、142.53、124.52、123.85、54.57、27.92、24.39。
【0081】
実施例6-プロ触媒1~6のインサイツ合成。小規模反応を、グローブボックス内のCまたはトルエン中のM(CHPh)および配位子1、2、または3の5または10mMのストック溶液を別々に調製することによって実施した。溶液を所望の化学量論で組み合わせ、周囲温度で完全に混合した。少なくとも30分後にH NMR分光法により監視すると、並列圧力反応器(PPR)重合実験に関連する条件下で、所望のプロ触媒への完全な変換を示した。
【0082】
実施例7-PPR重合実験。各実験にエチレン欠乏条件を提供する、選択された温度および圧力(90℃/100.5psig、120℃/150.0psig、または150℃/213.4psig)で2.24の初期オクテン:エチレンモル比というオクテンの負荷が決定された。共重合スクリーンは、ZrBnまたはHfBnのトルエン溶液を配位子1、2、または3のトルエン溶液と手で混合することによって実施し、周囲グローブボックス温度で少なくとも1時間反応させた。各溶液は、B(C(5当量)または[HNMe(C1837][B(C](1.5当量)のいずれかで別々に活性化され、各反応器は、isopar-Eで満たして総量を5.0mLにし、MMAO-3A(500nmol)が少なくとも20mgのポリマーを生成するようにした。分子量分布(M、M)は、ロボット支援希釈高温ゲル浸透クロマトグラフィー(SymRAD-GPC)での分析によって決定された。ポリマー試料を170℃で1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB、300ppm BHTで安定化)に溶解した。試料を1mg/mLの試料濃度に希釈し、各注入の間に10分の間隔を設けて注入ごとに400μLのアリコートで分注した。GPCは、2つのPolymer Labs PLgel 10μm MIXED-Bカラム(300×10mm)を、160℃で2.0mL/分の流速で使用した。試料検出は、PolyChar IR4検出器を濃度モードで使用して行った。狭いポリスチレン(PS)標準の従来の較正を、160℃でTCB中のPSおよびPEについての既知のMark-Houwink係数を用いてポリエチレン(PE)に調整された見かけの単位を用いて利用した。デカンをフローマーカーとして使用して、較正設定および実験試料の両方の流量完全性を確保した。データはPolyChar GPCソフトウェアを使用して描かれた。
【0083】
実施例8-重合反応
触媒活性(クエンチ時間およびポリマー収率の観点から)ならびに得られたポリマー特性を、プロ触媒1~6について評価した。重合反応は、バッチ反応器および並列圧力反応器(PPR)で行った。
【0084】
プロ触媒1~6を、比較プロ触媒、比較例C1(Comp.C1)および比較例C2(Comp C2)と比較した。比較例C1および比較例C2の構造を以下に示す。
【化5】
【0085】
表1~4に記録された結果は、インサイツで産生されたプロ触媒から生成されたものである。重合実験は、活性化剤を使用して90℃、120℃または150℃のPPR反応器で実施し、MMAO-3(120℃で500nmolまたは150℃で750nmol)はスカベンジャーとして用いられた。表1においては、[HNMe(C1837][B(C]が、プロ触媒に対する1.5モル当量の量の活性化剤であった。表2においては、B(Cが、プロ触媒に対する5モル当量の量の活性化剤であった、そして。
【表1-1】
【表1-2】
【表2】
【0086】
プロ触媒1~6は、ジアジン供与体の類似体、ピリミジン、ピラジン、およびキノキサリンである。プロ触媒1~6は、PPR共重合スクリーンに2モルパーセント~12モルパーセントの範囲の1-オクテンを組み込んだ高分子量ポリマーを生成した。
【0087】
プロ触媒1~6は、分子量(M)が120℃で400kg/molを超え、150℃で250kg/molを超えるポリマーを生成した。
【0088】
表2では、キノキサリン誘導体であるプロ触媒6(Procat.6)が、90℃で1,300kg/molを超える分子量を示すポリマーを生成した。
【0089】
図2A図2B図3A、および図3Bのプロットに記録されたデータは、ジアジン供与体であるプロ触媒1~6によって生成されたポリマーの分子量が、同一のPPRスクリーニング条件下で動作するピリジン供与体について得られたものよりも大きいことを示している。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
式(I)による金属-配位子錯体を含む触媒系であって、
【化1】
式中、
Mが、ジルコニウムまたはハフニウムから選択される金属であり、前記金属が、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有し、
各Xが、独立して、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C20)アリール、または(C-C20)ヘテロアリールから選択される単座または二座配位子であり、
nが、2または3であり、
、R、R5a、R5b、およびRが、独立して、(C-C40)ヒドロカルビル、(C-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-N(R、-OR、ハロゲン、または水素から選択され、
任意選択で、RおよびRが、共有結合して芳香環を形成し、
およびzが、独立して、C(R)またはNであり、各Rが、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルであるが、ただし、zおよびzのうちの少なくとも一方がNであり、
式(I)において各R、R、およびRが、独立して、(C-C30)ヒドロカルビルである、触媒系。
項2.
およびRが、共有結合して芳香環を形成し、前記金属-配位子錯体が、式(II)により、
【化2】
式中、
1a、R1b、R2a、R2bが、独立して、(C-C30)アルキルであり、
5a、R5b、z、z、X、n、およびMが、式(I)で定義されているとおりである、項1に記載の触媒系。
項3.
各Xが、独立して、ベンジル、フェニル、またはクロロである、項1または2に記載の触媒系。
項4.
が、C(R)であり、zが、Nであり、Rが、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルである、先行項のいずれか一項に記載の触媒系。
項5.
が、Nであり、zが、C(R)であり、Rが、-Hまたは(C-C30)ヒドロカルビルである、項1~3のいずれか一項に記載の触媒系。
項6.
が、置換(C-C40)アリールまたは非置換(C-C40)アリールである、先行項のいずれか一項に記載の触媒系。
項7.
が、独立して、フェニル、ベンジル、(2,4,6-トリ-イソプロピル)フェニル、(2,6-ジ-イソプロピル)フェニル、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、ナフチル、またはシクロプロピルから選択される、項1~5のいずれか一項に記載の触媒系。
項8.
が、水素であり、R5aが、水素であり、R5b独立して、(C-C40)ヒドロカルビルまたは(C-C40)ヘテロヒドロカルビルから選択される、項1~5のいずれか一項に記載の触媒系。
項9.
が、水素であり、R5aが、水素であり、R5bが、独立して、フェニル、ベンジル、(2,4,6-トリ-イソプロピル)フェニル、(2,6-ジ-イソプロピル)フェニル、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、ナフチル、またはシクロプロピルから選択される、項1~5のいずれか一項に記載の触媒系。
項10.
5aおよびR5bが、水素である、項1~7のいずれか一項に記載の触媒系。
項11.
重合プロセスであって、
オレフィン重合条件下、触媒系の存在下でエチレンおよび1つ以上のオレフィンを重合して、エチレン系ポリマーを形成することを含み、前記触媒系が、先行項のいずれか一項に記載の式(I)による金属-配位子錯体を含む、重合プロセス。
項12.
本開示のいずれかの構造によるプロ触媒。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B