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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-19
(45)【発行日】2025-03-28
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/60 20180101AFI20250321BHJP
   G06F 9/50 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
G06F8/60
G06F9/50 150A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024011891
(22)【出願日】2024-01-30
(65)【公開番号】P2024109100
(43)【公開日】2024-08-13
【審査請求日】2024-01-30
(31)【優先権主張番号】18/104,169
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植田 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】石井 大介
(72)【発明者】
【氏名】柚木 祥慈
【審査官】西間木 祐紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/192268(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/109817(WO,A1)
【文献】特開2020-140415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/60
G06F 9/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーション展開のためのテンプレートを選択するための方法であって、
管理サーバによって、アプリケーションを展開するための複数のテンプレートを少なくとも1つのエッジサーバまたはネットワークを介して前記少なくとも1つのエッジサーバと通信する少なくとも1つのクラウドサーバの少なくとも一方に記憶することと、
前記管理サーバによって、前記少なくとも1つのエッジサーバから、前記少なくとも1つのエッジサーバと通信状態にある複数のエッジデバイスおよび前記少なくとも1つのエッジサーバの構成情報と、展開されているアプリケーションの動作状態情報とを受信することと、
前記管理サーバによって、前記少なくとも1つのクラウドサーバから、前記少なくとも1つのクラウドサーバのインフラストラクチャリソース情報を受信することと、
前記管理サーバによって、前記構成情報、前記動作状態情報、および前記インフラストラクチャリソース情報に基づいて、前記複数のテンプレートのうちの少なくとも1つを選択することによってアプリケーションを展開することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記管理サーバによって、登録されたアプリケーションを識別するために前記動作状態情報を検索することと、
前記管理サーバによって、前記動作状態情報の一部を形成する前記登録されたアプリケーションと関連付けられたアプリケーション識別情報である前記登録されたアプリケーションおよび前記構成情報と関連付けられた登録された情報をチェックすることと、
前記管理サーバによって、展開パターンを生成するために、選択のために前記複数のテンプレートから前記少なくとも1つのテンプレートを識別するために、前記複数のテンプレートを、前記構成情報と、前記登録されたアプリケーションと関連付けられた前記動作状態情報の動作優先度または選好と照合することによって行われる前記複数のテンプレートから少なくとも1つのテンプレートを選択することと、
前記管理サーバによって、前記展開パターンと関連付けられた性能および動作費用を推定することと、
前記管理サーバによって、前記展開パターンを用いて前記登録されたアプリケーションを展開することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成情報の変化、前記動作状態情報の変化、または展開されたアプリケーションの動作性能における変化のうちの少なくとも1つを伴う事象発生の場合、前記事象発生による影響を受けた少なくとも1つのアプリケーション上でテンプレート再選択を実行することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のテンプレートの各々が、テンプレート識別子およびテンプレート識別子と関連付けられた仕様を含み、
仕様が、データ処理の性能レベルおよび処理場所に関する情報を含み、
前記複数のテンプレートを、前記構成情報と、前記登録されたアプリケーションと関連付けられた前記動作状態情報の前記動作優先度または選好と前記照合することは、前記複数のテンプレートの各々の仕様を、前記構成情報と、前記登録されたアプリケーションと関連付けられた前記動作状態情報の動作優先度または選好と照合することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
テンプレートの仕様が、信頼性レベルに関する情報をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのエッジサーバと前記少なくとも1つのクラウドサーバとの間のネットワーク接続性、およびリソース利用可能性をチェックすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
アプリケーション登録を要求することであって、ユーザが、前記登録されるアプリケーションと関連付けられた登録要件を選択することによって、展開のためにアプリケーションを登録するためにインターフェースを使用する、要求することをさらに含み、
性能推定および展開準備完了状態が、前記登録されるアプリケーションと関連付けられている選択された登録要件に基づいて生成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記動作状態情報が、アプリケーション識別子、動作優先度または選好、および要求されたテンプレートを含み、
前記動作優先度または選好が、アプリケーションについての動作状態の要件を識別する、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
展開された各アプリケーションが、関連付けられた展開パターンを有し、
各展開パターンが、前記複数のテンプレートからの少なくとも1つのテンプレートの選択である、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
アプリケーション展開のためのテンプレートを選択するための情報処理システムであって、
少なくとも1つのエッジサーバと、
前記少なくとも1つのエッジサーバと通信状態にある複数のエッジデバイスと、
少なくとも1つのクラウドサーバであって、前記少なくとも1つのクラウドサーバは、ネットワークを介して前記少なくとも1つのエッジサーバと通信する、少なくとも1つのクラウドサーバと、
管理サーバと
を備え、
前記管理サーバは、
アプリケーションを展開するための複数のテンプレートを前記少なくとも1つのエッジサーバまたは前記少なくとも1つのクラウドサーバの少なくとも一方に記憶することと、
前記少なくとも1つのエッジサーバから、前記複数のエッジデバイスおよび前記少なくとも1つのエッジサーバの構成情報と、前記情報処理システムに展開されているアプリケーションの動作状態情報とを受信することと、
前記少なくとも1つのクラウドサーバから、前記少なくとも1つのクラウドサーバのインフラストラクチャリソース情報を受信することと、
前記構成情報、前記動作状態情報、および前記インフラストラクチャリソース情報に基づいて、前記複数のテンプレートのうちの少なくとも1つを選択することによってアプリケーションを展開することと
を行うように構成されている、
情報処理システム。
【請求項11】
前記管理サーバが、
登録されたアプリケーションを識別するために前記動作状態情報を検索することと、
前記動作状態情報の一部を形成する前記登録されたアプリケーションと関連付けられたアプリケーション識別情報である前記登録されたアプリケーションおよび前記構成情報と関連付けられた登録された情報をチェックすることと、
展開パターンを生成するために、選択のために前記複数のテンプレートから前記少なくとも1つのテンプレートを識別するために、前記複数のテンプレートを、前記構成情報と、前記登録されたアプリケーションと関連付けられた前記動作状態情報の動作優先度または選好と照合することによって行われる前記複数のテンプレートから少なくとも1つのテンプレートを選択することと、
前記展開パターンと関連付けられた性能および動作費用を推定することと、
前記展開パターンを用いて前記登録されたアプリケーションを展開することと
を行うようにさらに構成されている、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記管理サーバが、
前記構成情報の変化、前記動作状態情報の変化、または展開されたアプリケーションの動作性能における変化のうちの少なくとも1つを伴う事象発生の場合、前記事象発生による影響を受けた少なくとも1つのアプリケーション上でテンプレート再選択を実行することを行うようにさらに構成されている、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数のテンプレートの各々が、テンプレート識別子およびテンプレート識別子と関連付けられた仕様を含み、
仕様が、データ処理の性能レベルおよび処理場所に関する情報を含み、
前記複数のテンプレートを、前記構成情報と、前記登録されたアプリケーションと関連付けられた前記動作状態情報の前記動作優先度または選好と前記照合することは、前記複数のテンプレートの各々の仕様を、前記構成情報と、前記登録されたアプリケーションと関連付けられた前記動作状態情報の動作優先度または選好と照合することを含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
テンプレートの仕様が、信頼性レベルに関する情報をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記管理サーバが、
前記少なくとも1つのエッジサーバと前記少なくとも1つのクラウドサーバとの間のネットワーク接続性、および前記情報処理システムのリソース利用可能性をチェックするようにさらに構成されている、
請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
アプリケーション登録を要求するためのインターフェースをさらに含み、ユーザが、前記登録されるアプリケーションと関連付けられた登録要件を選択することによって、展開のためにアプリケーションを登録するために前記インターフェースを使用し、
性能推定および展開準備完了状態が、前記登録されるアプリケーションと関連付けられている選択された登録要件に基づいて生成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記動作状態情報が、アプリケーション識別子、動作優先度または選好、および要求されたテンプレートを含み、
前記動作優先度または選好が、アプリケーションについての動作状態の要件を識別する、
請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記情報処理システムに展開されている各アプリケーションが、関連付けられた展開パターンを有し、
各展開パターンが、前記複数のテンプレートからの少なくとも1つのテンプレートの選択である、
請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、アプリケーション展開のためのテンプレートを選択するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エッジ-クラウドシステム、すなわちエッジコンピューティングおよびクラウドコンピューティングのコラボレーションは、モノのインターネット(IoT)および5Gの急速な発展に起因したデータ増大で注目を集めている。アプリケーションの要件に基づいて、IoTデータは、エッジ、クラウド、またはその間のどこかで処理され得る。システムが集めるIoTデータが増えるほど、またはシステムが実行するプロセスが高度化するほど、そのデータを処理するアプリケーション数および/または割り当てられるコンピューティングリソース量に起因してモノがより複雑化するようになっている。エッジ-クラウドシステムにおいて、アプリケーションは、そのユーザによる容易なインストールを可能にするために、柔軟に展開されることが期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
関連技術において、ターゲットアプリケーションモデルを作成することによってバックグラウンド処理としてエッジ計算ノードにアプリケーションを展開する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、システム性能とともにフィールドサイトを考慮に入れたアプリケーション展開を開示していない。エッジサーバはフィールドサイトに応じてリソースが限られており、かつクラウドサーバは動作費用に関連した異なる性能レベルを有するため、アプリケーションのコンピューティングリソース、およびユーザの動作優先度または選好を考慮に入れながら、エッジまたはクラウドにおいてアプリケーションを展開することが重要である。
【0004】
加えてエッジ-クラウドシステムは、システムを他のフィールドに拡張するためのスケーラビリティを有することが期待される。また、合理的なアプリケーション展開を容易にできるテンプレートを提供し、かつアプリケーションの性能、ユーザの動作優先度/選好、およびフィールドサイトの環境のバランスをとることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、アプリケーション展開のためのテンプレートを選択するための革新的な方法を伴う。上記方法は、管理サーバによって、アプリケーションを展開するための複数のテンプレートを少なくとも1つのエッジサーバまたは少なくとも1つのクラウドサーバの少なくとも一方に記憶することであって、少なくとも1つのクラウドサーバは、ネットワークを介して少なくとも1つのエッジサーバと通信する、記憶することと、管理サーバによって、少なくとも1つのエッジサーバから、複数のエッジデバイスおよび少なくとも1つのエッジサーバの構成情報と、展開されているアプリケーションの動作状態情報とを受信することであって、複数のエッジデバイスが少なくとも1つのエッジサーバと通信状態にある、受信することと、管理サーバによって、少なくとも1つのクラウドサーバから、少なくとも1つのクラウドサーバのインフラストラクチャリソース情報を受信することと、管理サーバによって、構成情報、動作状態情報、およびインフラストラクチャリソース情報に基づいて、複数のテンプレートのうちの少なくとも1つを選択することによってアプリケーションを展開することと、を含み得る。
【0006】
本開示の態様は、アプリケーション展開のためのテンプレートを選択するための命令を記憶する、革新的な非一時的コンピュータ可読媒体を伴う。上記命令は、管理サーバによって、アプリケーションを展開するための複数のテンプレートを少なくとも1つのエッジサーバまたは少なくとも1つのクラウドサーバの少なくとも一方に記憶することであって、少なくとも1つのクラウドサーバは、ネットワークを介して少なくとも1つのエッジサーバと通信する、記憶することと、管理サーバによって、少なくとも1つのエッジサーバから、複数のエッジデバイスおよび少なくとも1つのエッジサーバの構成情報と、展開されているアプリケーションの動作状態情報とを受信することであって、複数のエッジデバイスが少なくとも1つのエッジサーバと通信状態にある、受信することと、管理サーバによって、少なくとも1つのクラウドサーバから、少なくとも1つのクラウドサーバのインフラストラクチャリソース情報を受信することと、管理サーバによって、構成情報、動作状態情報、およびインフラストラクチャリソース情報に基づいて、複数のテンプレートのうちの少なくとも1つを選択することによってアプリケーションを展開することと、を含み得る。
【0007】
本開示の態様は、アプリケーション展開のためのテンプレートを選択するための革新的なサーバシステムを伴う。サーバシステムは、管理サーバによって、アプリケーションを展開するための複数のテンプレートを少なくとも1つのエッジサーバまたは少なくとも1つのクラウドサーバの少なくとも一方に記憶することであって、少なくとも1つのクラウドサーバは、ネットワークを介して少なくとも1つのエッジサーバと通信する、記憶することと、管理サーバによって、少なくとも1つのエッジサーバから、複数のエッジデバイスおよび少なくとも1つのエッジサーバの構成情報と、展開されているアプリケーションの動作状態情報とを受信することであって、複数のエッジデバイスが少なくとも1つのエッジサーバと通信状態にある、受信することと、管理サーバによって、少なくとも1つのクラウドサーバから、少なくとも1つのクラウドサーバのインフラストラクチャリソース情報を受信することと、管理サーバによって、構成情報、動作状態情報、およびインフラストラクチャリソース情報に基づいて、複数のテンプレートのうちの少なくとも1つを選択することによってアプリケーションを展開することと、を含み得る。
【0008】
本開示の態様は、アプリケーション展開のためのテンプレートを選択するための革新的なシステムを伴う。上記システムは、管理サーバによって、アプリケーションを展開するための複数のテンプレートを少なくとも1つのエッジサーバまたは少なくとも1つのクラウドサーバの少なくとも一方に記憶する手段であって、少なくとも1つのクラウドサーバは、ネットワークを介して少なくとも1つのエッジサーバと通信する、記憶する手段と、管理サーバによって、少なくとも1つのエッジサーバから、複数のエッジデバイスおよび少なくとも1つのエッジサーバの構成情報と、展開されているアプリケーションの動作状態情報とを受信する手段であって、複数のエッジデバイスが少なくとも1つのエッジサーバと通信状態にある、受信する手段と、管理サーバによって、少なくとも1つのクラウドサーバから、少なくとも1つのクラウドサーバのインフラストラクチャリソース情報を受信する手段と、管理サーバによって、構成情報、動作状態情報、およびインフラストラクチャリソース情報に基づいて、複数のテンプレートのうちの少なくとも1つを選択することによってアプリケーションを展開する手段と、を含み得る。
【0009】
以下で、本開示の様々な特徴を実施する汎用アーキテクチャを図面を参照して説明する。図面および関連の記載は、本開示の実施例を例解するために提供されており、本開示の範囲を限定するためではない。図面全体を通して、参照番号は、参照された要素間の対応関係を示すためにも再度使用される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施例による、情報処理システム1の例示的なシステム構成図である。
図2】一実施例による、管理サーバの例示的なハードウェア構成図である。
図3】一実施例による、例示的なアプリケーション要件テーブルを示す図である。
図4】一実施例による、例示的なテンプレートテーブルを示す図である。
図5】一実施例による、例示的なテンプレート選択を示す図である。
図6】一実施例による、例示的なフィールド情報テーブルを示す図である。
図7】一実施例による、管理サーバのテンプレート選択プロセスの例示的なプロセスフローを示す図である。
図8】一実施例による、アプリケーション登録を要求するための例示的なインターフェース画面を示す図である。
図9】一実施例による、情報処理システム1における例示的なアプリケーション展開を示す図である。
図10】一実施例による、例示的な修正テンプレートテーブルを示す図である。
図11】いくつかの実施例での使用に適した例示的なコンピュータデバイスを有する例示的なコンピューティング環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本願の図および実施例の詳細を提供するものである。図間で重複する要素の参照番号および説明は、明確性のために省略される。説明全体で使用される語は例として提供されたものであり、限定することは意図されない。例えば、「自動」という語の使用は、本願の実施形態を実践する当業者の所望の実施形態に応じて、実施形態の特定の態様に対するユーザまたは管理者の制御を含む、全自動または半自動の実施を含み得る。選択は、ユーザインターフェースまたは他の入力手段を介してユーザによって実行可能であり、または所望のアルゴリズムを介して実施され得る。本明細書に記載するような実施例は、単独で、または組み合わせによってのいずれかで利用可能であり、その実施例の機能は、所望の実施形態による任意の手段を介して実施され得る。
【0012】
実施例は、エッジ-クラウドシステムにおけるアプリケーション展開のためのテンプレートを選択する情報処理システムを提供する。本システムは、アプリケーションの性能、ユーザの動作優先度または選好、およびフィールドサイトの環境のバランスをとることによって、アプリケーションの柔軟かつ合理的な展開を実現する。
【0013】
図1は、一実施例による、情報処理システム1の例示的なシステム構成図である。図1に示すように、情報処理システム1は、センサ101、デバイス102、フィールドサーバ104、フィールドゲートウェイ105、通信ネットワーク106、クラウド107、および管理サーバ108などであるがそれらに限定されない構成要素を含み得る。第1のフィールドサーバであるフィールドサーバ104-1は、第1のセンサであるセンサ101-1および第1のデバイスであるデバイス102-1などのフィールドデバイスに直接接続されている。第1のフィールドサーバ104-1と第1のセンサ101-1と第1のデバイス102-1の組み合わせは、第1のフィールドを構成する。第2のフィールドサーバ104-2は、第2のセンサ101-2および第2のデバイス102-2などのフィールドデバイスを制御する第1のコントローラ103-1と接続されている。第2のフィールドサーバ104-2、第1のコントローラ103-1、第2のセンサ101-2、および第2のデバイス102-2は共に、第2のフィールドを構成する。同様に、第3のフィールドサーバ104-3は、第3のセンサ101-3および第3のデバイス102-3などのフィールドデバイスを制御する第2のコントローラ103-2に接続されている。第3のフィールドサーバ104-3、第2のコントローラ103-2、第3のセンサ101-3、および第3のデバイス102-3は、第3のフィールドを構成する。フィールドゲートウェイ105は、第4のセンサ101-4および第4のデバイス102-4などのフィールドデバイスと直接接続されている。フィールドゲートウェイ105、第4のセンサ101-4、および第4のデバイス102-4は、第4のフィールドを構成する。ここで、例えば、第1のフィールドは、中規模フィールドである。第2のフィールドおよび第3のフィールドは、第1のフィールドと比較すると大規模フィールドであり、第4のフィールドは、第1のフィールドと比較すると小規模フィールドである。
【0014】
クラウド107は、クラウドサーバ171-1~171-Mを含み得る第1のエリア170-1、クラウドサーバ172-1~172-Nを含み得る第2のエリア170-2などを備える。第1のエリア170-1、第2のエリア170-2、および他のエリアは、まとめてエリア170と呼ばれる。第1のクラウドサーバ171-1~M番目クラウドサーバ171-Mは、まとめて「クラウドサーバ171」と呼ばれる。第1のクラウドサーバ172-1~N番目クラウドサーバ172-Nは、まとめて「クラウドサーバ172」と呼ばれる。各エリア170は、異なる物理的位置に配置される。通信ネットワーク106は、情報処理システム1の様々な構成要素間での通信およびデータ交換を可能にする。
【0015】
管理サーバ108は、アプリケーション要件テーブル3、テンプレートテーブル4、フィールド情報テーブル6、インターフェース画面181、テンプレート選択182、および性能推定183を含み得る。アプリケーション要件テーブル3は、情報処理システム1に展開されているアプリケーションの動作状態要件に関係する情報を記憶する。テンプレートテーブル4は、情報処理システム1においてインフラストラクチャリソースの作成を単純化するように設計されたコードである、アプリケーションと関連付けられたテンプレートデータの情報を記憶する。フィールド情報テーブル6は、情報処理システム1における各フィールドに関連する情報を記憶する。インターフェース画面181は、アプリケーション登録のための要求を受信する。テンプレート選択182は、その要求に基づいてテンプレートテーブル4からテンプレートを選択するために使用される。性能推定183は、要求に基づいた展開の一部として必要とされるインフラストラクチャリソースの費用を計算および推定する。
【0016】
図2は、一実施例による、管理サーバ108の例示的なハードウェア構成図である。管理サーバ108は、バス206によって接続されている、プロセッサ201、メモリデバイス202、入力デバイス203、出力デバイス204、および通信インターフェース205などであるがそれらに限定されないハードウェア構成要素を含み得る。プロセッサ201は、メモリデバイス202に記憶されているプログラム/命令を読み出すことによって、図1に示すようなインターフェース画面181、テンプレート選択182、および性能推定183などの機能を実現する。
【0017】
メモリデバイス202は、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、フラッシュメモリなどのうちの任意のものを含み得る。メモリデバイス202はまた、図1に示すアプリケーション要件テーブル3、テンプレートテーブル4、およびフィールド情報テーブル6の情報を記憶し得る。入力デバイス203は、データ入力を受信し、キーボード、マウス、またはタッチスクリーンなどのデバイスであり得る。出力デバイス204は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)またはプリンタなどのデバイスを介してデータを出力する。通信インターフェース205は、通信ネットワーク106を介してデータを送信および受信するインターフェースである。いくつかの実施例では、プロセッサ201、メモリデバイス202、入力デバイス203、出力デバイス204、および通信インターフェース205のハードウェアは各々が、1つまたは複数のデバイスとしてサーバ上で構成され得、または複数のハードウェアが単一のデバイスとしてサーバ上で構成され得る。いくつかの実施例では、管理サーバ108は、クラウドサーバ171またはクラウドサーバ172上に構成される。
【0018】
図3は、一実施例による、例示的なアプリケーション要件テーブル3を示す図である。アプリケーション要件テーブル3は、アプリケーションについての動作状態要件の情報を記憶する。アプリケーション要件テーブル3は、フィールドID302、ターゲットアプリケーションID303、および各要件ID301と関連付けられた動作優先度/選好304などであるがそれらに限定されない欄を含み得る。フィールドID302は、図1で説明されるようなフィールド識別子に対応する。例えば、第1のフィールドはフィールドID「1」を有する。ターゲットアプリケーションID303は、インターフェース画面181を介して登録されたアプリケーションを識別する。動作優先度/選好304は、アプリケーションについての動作状態要件を識別する。
【0019】
いくつかの実施例では、アプリケーション要件テーブル3はまた、アプリケーションとテンプレートとの間の関係情報を記憶し得る。アプリケーション要件テーブル3は、テーブル32に示すような各アプリケーションID321のための必要とされるテンプレート322の欄を含む。図3に示すように、アプリケーションID321が「1」であるアプリケーションは、エッジ処理、データ処理、およびデータ管理を含むテンプレートを必要とする。例えば、エッジ処理は、クラウド107に転送されたデータ量を減少させるコンピュータビジョンのための画像前処理手順であり得る。データ処理は、画像特徴抽出などの有意の情報を生成するためのデータ収集および操作を伴い得る。データ管理は、データの取り込み、記憶、および維持のプロセスを伴い得る。
【0020】
図4は、一実施例による、例示的なテンプレートテーブル4を示す図である。テンプレートテーブル4は、インフラストラクチャリソースの作成を単純化するように設計されたコードである、アプリケーションと関連付けられたテンプレートデータを記憶する。図4に示すように、図3に示すアプリケーションID「1」と関連付けられた必要な3つのテンプレートの各々は、テーブル41、テーブル42、およびテーブル43のそれぞれに別個で記憶される。テーブル41は、データ処理テンプレートID411および仕様412の欄を含む。ここで、テーブル41は、中、高、および低からなる3つの異なる性能レベルを示す3つのテンプレートを含む。例えば、テーブル41に示す第1の行「1」は、データ処理テンプレートID411に記憶されており、「性能:中/場所:クラウド」は仕様412に記憶されている。換言すれば、データ処理テンプレートID411が「1」であるテンプレートが選択されるとき、データ処理の対応する性能レベルは中であり、プロセスはクラウド107で実行される。
【0021】
テーブル42は、データ管理テンプレートID421および仕様422の欄を含む。ここで、テーブル42は、中、高、および低からなる3つの異なる性能レベルを示す3つのテンプレートを含み、各々がプロセス実行場所としてクラウド107を有する。テーブル43は、エッジ処理テンプレートID431および仕様432の欄を含む。ここでテーブル43は、高および低からなる2つの異なる性能レベルを示す2つのテンプレートを含み、フィールドおよびクラウド107の対応場所を有する。
【0022】
図5は、一実施例による、例示的なテンプレート選択182を示す図である。テンプレート選択182は、選択されたテンプレートの情報を記憶する。テンプレート選択182は、各フィールドID501について、選択されたテンプレート1(502)、選択されたテンプレート2(503)、選択されたテンプレート3(504)などであるがそれらに限定されない欄を含み得る。フィールドID501は、図1で説明されるフィールドに対応する。例として第1のエントリを参照すると、「1」はフィールドID501に記憶され、第1のフィールドに対応し、「データ処理テンプレート:ID1」は選択されたテンプレート1(502)に記憶され、「データ管理テンプレート:ID1」は選択されたテンプレート2(503)に記憶され、「エッジ処理テンプレート:ID1」は選択されたテンプレート3(504)に記憶される。換言すれば、第1のフィールドで実行されるアプリケーションに対して、テーブル41のデータ処理テンプレートID411が「1」であるテンプレート、テーブル42のデータ管理テンプレートID421が「1」であるテンプレート、およびテーブル43のエッジ処理テンプレートID431が「1」であるテンプレートが選択されている。
【0023】
図6は、一実施例による、例示的なフィールド情報テーブル6を示す図である。フィールド情報テーブル6は、図1で説明される各フィールドに関連する情報を記憶する。フィールド情報テーブル6は、フィールドID601下の各エントリについてのフィールド設計602およびエッジコンピューティングリソース603などであるがそれらに限定されない欄を含み得る。フィールドID601は、図1で説明されるフィールドを識別する。フィールド情報テーブル6の第1のエントリを例として参照すると、「1」がフィールドID601に記憶されており、エントリのフィールド設計602は、第1のフィールドを構成する、第1のフィールドサーバ104-1と第1のセンサ101-1と第1のデバイス102-1の組み合わせを示し、エッジコンピューティングリソース603は、「フィールドサーバ/-機械仕様:中/-利用可能なリソース:/-コア:X1/-メモリ:X2」を示す。換言すれば、第1のフィールドサーバ104-1は、第1のフィールドとして第1のセンサ101-1および第1のデバイス102-1を接続し、エッジコンピューティングリソースとしてアプリケーションを実行する。第1のフィールドサーバ104-1の機械仕様レベルは中であり、その利用可能なコアおよびメモリは、それぞれ「X1」および「X2」である。
【0024】
管理サーバ108は、アプリケーション要件テーブル3が更新されると、実行を開始する。管理サーバ108は、定期的にアプリケーション要件テーブル3の更新をチェックし得る。図7は、一実施例による、管理サーバ108のテンプレート選択プロセスの例示的なプロセスフローを示す図である。このプロセスは、S701で開始し、管理サーバ108がアプリケーション要件テーブル3を検索し、新しいアプリケーションを識別する。次に、S702で、管理サーバ108は、アプリケーション要件テーブル3の登録された情報およびフィールド情報テーブル6のフィールド情報をチェックする。S703で、管理サーバ108は、動作優先度/選好304およびフィールド情報を考慮に入れて、図5に示すようなテンプレートセットである展開パターンを選択する。
【0025】
S704で、管理サーバ108は、その展開パターンに必要なインフラストラクチャリソースの性能および動作費用を推定する。管理サーバ108は、そのインフラストラクチャリソースの情報に関する問い合わせをクラウド107に行い、クラウド107から情報を受信する。ここで、管理サーバ108は、アプリケーションの性能、動作優先度/選好304、およびエッジコンピューティングリソース603などのフィールド情報の間のバランスに基づいて展開パターンを再選択してもよい。次に、管理サーバ108は、S705で、フィールドサイトとクラウド107との間のネットワーク接続性およびエッジ-クラウドシステムのリソース利用可能性などのフィールドサイトの準備完了状態をチェックする。S706で、管理サーバ108は、選択されたテンプレートで登録されたアプリケーションを展開する。
【0026】
図8は、一実施例による、アプリケーション登録を要求するための例示的なインターフェース画面80を示す図である。ユーザは、図1に示す第1のフィールドサーバ104-1、第2のフィールドサーバ104-2、第3のフィールドサーバ104-3、フィールドゲートウェイ105、またはクラウド107を介して管理サーバ108に接続され、アプリケーション登録を要求するために、インターフェース画面181を用いてアプリケーション登録を要求できる。アプリケーション登録を要求するのと同時にまたはその前に、ユーザは自分のフィールド情報を管理サーバ108に提供する。第1のフィールドサーバ104-1、第2のフィールドサーバ104-2、第3のフィールドサーバ104-3、およびフィールドゲートウェイ105は、各フィールドと関連付けられた情報を収集し、それらを管理サーバ108に送信し得る。
【0027】
図8に示すように、アプリケーション登録を要求するためのインターフェース画面80は、フィールドID800の各エントリについて、アプリケーションカタログ801、選択されたアプリケーションの仕様802、展開選好803、性能推定804、展開準備完了状態805、および展開ボタン806を含み得る。フィールドID800は、図1に示すフィールドの識別情報を示す。ユーザがアプリケーション登録を要求するためのインターフェース画面80にアクセスしたとき、フィールドID800が、管理サーバ108によって決定され、割り当てられ得る。アプリケーションカタログ801は、ユーザが自分のフィールドに展開するアプリケーションを選択するための空間である。選択されたアプリケーションの仕様802は、アプリケーションカタログ801において選択されたアプリケーションの仕様を示すための空間である。
【0028】
展開選好803は、ユーザが自分の動作状態の要件を入力する空間である。例えば、ユーザは、自分の選好として、図3に示すように「バランス」、「高性能」、「低コスト」、などのキーワードを選択し得る。性能推定804は、アプリケーションカタログ801で選択されたアプリケーションと展開選好803で選択された動作状態要件との両方に基づいて、「性能」、「月額費用」などの推定結果を示す。ユーザは、推定結果が自分の予測と合致しない場合、キーワードを再選択できる。展開準備完了状態805は、アプリケーションカタログ801で選択されたアプリケーションと展開選好803で選択された動作状態要件との両方に基づいて、フィールドID800によって識別されたフィールドからのクラウド107への「ネットワーク接続性」、図6に示すエッジコンピューティングリソース603の「利用可能なリソース」などのアプリケーション展開の準備完了状態を示す。展開ボタン806は、ユーザが自分の選択を画定したときに押下され、その後、アプリケーション展開が開始される。
【0029】
図9は、一実施例による、情報処理システム1における例示的なアプリケーション展開を示す図である。第1のフィールドを用いたアプリケーションの展開を例として使用すると、動作優先度/選好304は、図3に示すように「バランス」である。第1のフィールドが中規模フィールドであるため、テンプレートを選択する際に、管理サーバ108は、アプリケーションの性能、ユーザの動作優先度または選好、フィールドサイトの環境などのバランスがとれているとき、性能レベル「中」を有するテンプレートを優先する。
【0030】
第2のフィールドについてのアプリケーションの展開に関して、選好304の動作優先度は、図3に示すように「高性能」である。第2のフィールドは、第1のフィールドと比較すると大規模フィールドであるため、テンプレートを選択する際に、管理サーバ108は、そのような選択に基づくと動作費用が増加し得る場合でも、性能レベル「高」を有するテンプレートを優先する。いくつかの実施例では、クラウド107内のエリア170は、通信におけるレイテンシを低減するように指定され得る。例えば、管理サーバ108は、フィールドサーバ104-2とクラウド107との間のネットワーク遅延を減少させるために、クラウドサーバ171の位置としてエリア170-1を選択してもよい。
【0031】
第3のフィールドについてのアプリケーションの展開に関して、選好304の動作優先度は、図3に示すように「低コスト」である。第3のフィールドは大規模フィールドであるため、管理サーバ108は、大規模ステータスであるため、性能レベル「中」を有するテンプレートを選択し得る。
【0032】
第4のフィールドについてのアプリケーションの展開に関して、選好304の動作優先度は、図3に示すように「低コスト」である。第4のフィールドは小規模フィールドであるため、管理サーバ108は、性能レベル「低」を有するテンプレートを優先し、それによって動作費用が低いままとなる。管理サーバ108は、場所が「クラウド」であるエッジ処理テンプレートを選択し得、クラウドサーバ171またはクラウドサーバ172の一方は、図6に示すように、フィールドゲートウェイ105のための利用可能なリソースの欠落に起因してエッジ処理を処理し得る。
【0033】
いくつかの実施例では、管理サーバ108はまた、展開パターンを選択する際に信頼性レベルも考慮に入れ得る。信頼性は、冗長性、セキュリティ、およびプライバシーの関数に関する情報を含み得る。信頼性レベルが高いほど、より多くの関数が展開される。換言すれば、信頼性レベルが高いほど、関連する動作費用も高くなる。いくつかの実施例では、プライバシー問題を鑑みて、アプリケーションの性能にかかわらず、エッジコンピューティングが必要とされる場合がある。
【0034】
図10は、一実施例による、例示的な修正テンプレートテーブル1000を示す図である。図10に示すように、修正テンプレートテーブル1000は、データ処理テンプレートID1041および仕様1042などであるがそれらに限定されない欄を含み得る。図4に示すようなテンプレートテーブル4とは対照的に、仕様1042は、「性能」および「場所」に加えて「信頼性レベル」を含む。図10の第1のエントリを例として参照すると、「11」がデータ処理テンプレートID1041に記憶され、「性能:中/場所:クラウド/信頼性レベル:中」が仕様1042に記憶される。換言すれば、データ処理テンプレートID1041が「11」であるテンプレートが選択されるとき、データ処理の性能レベルは中であり、プロセスはクラウド107で実行され、信頼性レベルは中である。
【0035】
管理サーバ108は、フィールド情報テーブル6の情報の変化(例えば、フィールドデバイスの拡張または除去など)など、アプリケーションに影響を及ぼす事象の発生に基づいて、テンプレートを再選択し、アプリケーションを再展開し得る。さらに、管理サーバ108は、アプリケーションの動作性能またはアプリケーション要件テーブル3の情報の変化(例えば、動作優先度/選好304の変化など)に基づいてテンプレートを再選択し、アプリケーションを再展開し得る。
【0036】
上述した上記実施例は、互いに組み合わされ得る。上記実施例が上述されたが、本発明は、その主題に限定されない。本発明の技術的範囲に存在すると考えられる他の態様はまた、本発明の有効範囲に含まれる。さらに、上記実施形態は、理解が容易なようにして本発明を説明するために詳細に説明されており、本発明は、必ずしも、その実施形態で説明された構成の全てを含む必要はない。さらに、制御線および情報線が本発明を説明するために必要な範囲で、図示されており、その成果物のために必要な全ての制御線および情報線が必ずしも示されていない場合がある。実質上、構成のほぼ全てが相互接続されることを理解され得る。
【0037】
上記実施例は、様々な利益および利点を有し得る。例えば、本情報処理システムを利用すると、アプリケーションは、エッジ-クラウドシステムに柔軟に展開可能である。加えて、エッジ-クラウドシステムによるアプリケーションの柔軟かつ合理的な展開は、アプリケーションの性能、ユーザの動作優先度/選好、フィールドサイトの環境などのバランスをとることによって可能となる。
【0038】
図11は、いくつかの実施例での使用に適した例示的なコンピュータデバイス1105を有する例示的なコンピューティング環境1100を示す図である。コンピューティング環境1100におけるコンピュータデバイス1105は、1つまたは複数の処理部、コア、またはプロセッサ1110、メモリ1115(例えばRAM、ROM、および/または同様のもの)、内部ストレージ1120(例えば磁気、光学、ソリッドステートのストレージ、および/または有機)、および/またはI/Oインターフェース1125を含むことが可能であり、そのいずれかは、情報を通信するための通信機構またはバス1130上で結合されることが可能であり、またはコンピュータデバイス1105に組み込まれ得る。I/Oインターフェース1125は、所望の実施に応じて、カメラから画像を受信する、またはプロジェクターまたはディスプレイに対して画像を提供するようにさらに構成される。
【0039】
コンピュータデバイス1105は、入力/ユーザインターフェース1135および出力デバイス/インターフェース1140に通信可能に結合され得る。入力/ユーザインターフェース1135および出力デバイス/インターフェース1140の一方または両方のいずれかは、有線または無線インターフェースであることが可能であり、取り外し可能であることが可能である。入力/ユーザインターフェース1135は、入力を提供するために使用可能である、物理的または仮想的な任意のデバイス、コンポーネント、センサまたはインターフェース(例えば、ボタン、タッチスクリーンインターフェース、キーボード、ポインティング/カーソルコントロール、マイクロフォン、カメラ、ブライユ、動きセンサ、加速度計、光学読取装置、および/または同様のもの)を含み得る。出力デバイス/インターフェース1140は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカー、ブライユ、または同様のものを含み得る。いくつかの実施例では、入力/ユーザインターフェース1135および出力デバイス/インターフェース1140は、コンピュータデバイス1105とともに組み込まれることが可能であり、またはそれと物理的に結合されることが可能である。他の実施例では、他のコンピュータデバイスが、コンピュータデバイス1105のための入力/ユーザインターフェース1135および出力デバイス/インターフェース1140として機能し得る、またはその機能を提供し得る。
【0040】
コンピュータデバイス1105の例は、高移動性デバイス(例えばスマートフォン、車両および他の機械に搭載されたデバイス、人や動物によって保持されるデバイス、および同様のもの)、モバイルデバイス(例えばタブレット、ノートブック、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、携帯型テレビ、ラジオ、および同様のもの)、および移動性のために設計されていないデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、他のコンピュータ、情報キオスク、1つまたは複数のプロセッサが組み込まれたテレビおよび/または1つまたは複数のプロセッサが結合されたテレビ、ラジオ、および同様のもの)を含み得るが、それに限定されない。
【0041】
コンピュータデバイス1105は、同一または異なる構成の1つまたは複数のコンピュータデバイスを含む、任意の数のネットワーク接続されたコンポーネント、デバイス、およびシステムとの通信のために、(例えば、I/Oインターフェース1125を介して)外部ストレージ1145およびネットワーク1150に通信可能に結合され得る。コンピュータデバイス1105または任意の接続済みコンピュータデバイスは、サーバ、クライアント、シンサーバ、汎用機械、専用機械、またはその他として機能し、そのサービスを提供し、またはそれらの名称で呼ばれることが可能である。
【0042】
I/Oインターフェース1125は、コンピューティング環境1100における少なくとも全ての接続済みコンポーネント、デバイス、およびネットワークへ、および/またはそこからの情報通信のために、任意の通信またはI/Oプロトコルまたは規約(例えばEthernet、802.11x、Universal System Bus、WiMax(登録商標)、モデム、セルラーネットワークプロトコル、および同様のもの)を使用する有線および/または無線インターフェースを含み得るが、それに限定されない。ネットワーク1150は、(例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、電話網、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、および同様のものなどの)任意のネットワークまたはネットワークの組み合わせであり得る。
【0043】
コンピュータデバイス1105は、一時的媒体および非一時的媒体を含むコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を使用、および/またはそれを使用して通信することが可能である。一時的媒体は、伝送媒体(例えば金属ケーブル、光ファイバー)、信号、搬送波、および同様のものを含む。非一時的媒体は、磁気媒体(例えば、ディスクおよびテープ)、光学媒体(例えばCD ROM、デジタルビデオディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、ソリッドステート媒体(例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージ)、および他の不揮発性ストレージまたはメモリを含む。
【0044】
コンピュータデバイス1105は、いくつかの例示的なコンピューティング環境1100において技法、方法、アプリケーション、プロセス、またはコンピュータ実行可能命令を実施するために使用され得る。コンピュータ実行可能命令は、一時的媒体から取り出され、非一時的媒体に記憶され、そこから取り出されることが可能である。実行可能命令は、任意のプログラミング言語、スクリプト言語、および機械言語(例えばC、C++、C#、Java(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Python(登録商標)、Perl、JavaScript(登録商標)、およびその他)のうちの1つまたは複数に由来し得る。
【0045】
プロセッサ1110は、ネイティブな環境または仮想環境において、任意のオペレーティングシステム(OS)(不図示)の下で実行できる。論理ユニット1160と、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)ユニット1165と、入力ユニット1170と、出力ユニット1175と、異なるユニットが、相互に、OSと、および他のアプリケーション(不図示)と通信するためのユニット間通信機構1195とを含む1つまたは複数のアプリケーションが配備され得る。上述したユニットおよび要素は、設計、機能、構成、または実施において異なることが可能であり、上記説明に限定されない。プロセッサ1110は、中央演算処理装置(CPU)などのハードウェアプロセッサの形態を有することができ、またはハードウェアユニットとソフトウェアユニットの組み合わせであり得る。
【0046】
いくつかの実施例では、APIユニット1165によって情報または実行命令が受信されると、それは、1つまたは複数の他のユニット(例えば、論理ユニット1160、入力ユニット1170、出力ユニット1175)に伝えられ得る。いくつかの例において、論理ユニット1160は、ユニット間の情報フローを制御し、上述したいくつかの実施例において、APIユニット1165、入力ユニット1170、出力ユニット1175によって提供されたサービスを指示するように構成され得る。例えば、1つまたは複数のプロセスまたは実施のフローは、単独で、またはAPIユニット1165と併せて、論理ユニット1160によって制御され得る。入力ユニット1170は、実施例で説明した計算に対する入力を取得するように構成されてもよく、出力ユニット1175は、実施例で説明した計算に基づく出力を提供するように構成されてもよい。
【0047】
プロセッサ1110は、管理サーバ108によって、アプリケーションを展開するための複数のテンプレートを、少なくとも1つのエッジサーバまたは少なくとも1つのクラウドサーバの少なくとも一方に記憶するように構成でき、少なくとも1つのクラウドサーバは、図1に示すように、ネットワークを介して少なくとも1つのエッジサーバと通信する。プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、少なくとも1つのエッジサーバから、複数のエッジデバイスおよび少なくとも1つのエッジサーバの構成情報と、展開されているアプリケーションの動作状態情報とを受信するように構成され得、複数のエッジデバイスが、図1に示すように、少なくとも1つのエッジサーバと通信状態にある。プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、図1に示すように、少なくとも1つのクラウドサーバから、少なくとも1つのクラウドサーバのインフラストラクチャリソース情報を受信するように構成され得る。プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、図1に示すように、構成情報、動作状態情報、およびインフラストラクチャリソース情報に基づいて、複数のテンプレートのうちの少なくとも1つを選択することによってアプリケーションを展開するように構成され得る。
【0048】
プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、図7に示すように、登録されたアプリケーションを識別するために動作状態情報を検索するように構成され得る。プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、図7に示すように、登録されたアプリケーションおよび構成情報と関連付けられた登録された情報をチェックするように構成され得、登録された情報が、動作状態情報の一部を形成する登録されたアプリケーションと関連付けられたアプリケーション識別情報である。プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、図7に示すように、展開パターンを生成するために、複数のテンプレートから少なくとも1つのテンプレートを選択するように構成され得、複数のテンプレートから少なくとも1つのテンプレートを選択することは、選択のために複数のテンプレートから少なくとも1つのテンプレートを識別するために、複数のテンプレートを、構成情報と、登録されたアプリケーションと関連付けられた動作状態情報の動作優先度または選好と照合することによって行われる。プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、図7に示すように、展開パターンと関連付けられた性能および動作費用を推定するように構成され得る。プロセッサ1110はまた、管理サーバ108によって、図7に示すように、展開パターンを用いて登録されたアプリケーションを展開するように構成され得る。
【0049】
プロセッサ1110はまた、図8に示すように、アプリケーション登録を要求するように構成され得、ユーザが、登録されるアプリケーションと関連付けられた登録要件を選択することによって、展開のためにアプリケーションを登録するためにインターフェースを使用し、性能推定804および展開準備完了状態805が、登録されるアプリケーションと関連付けられている選択された登録要件に基づいて生成される。
【0050】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ内の動作のアルゴリズムおよび記号的表現によって提示される。それらのアルゴリズムの記載および記号的表現は、それらの革新の本質を他の当業者に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、所望の最終状態または結果につながる一連の定義されたステップである。実施例では、実行されたステップは、有形の結果を実現するために有形の量の物理的な操作を必要とする。
【0051】
特記しない限り、説明から明らかなように、本明細書全体を通して、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」、または同様のものなどの語を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内で物理的(電子的)量として表されるデータを操作して、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタまたは他の情報記憶デバイス、伝送デバイスまたは表示デバイス内の物理的量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステムまたは他の情報処理デバイスのアクションおよびプロセスを含み得ることが理解される。
【0052】
実施例は、本明細書において動作を実行するための装置にさらに関係してもよい。この装置は、求められた目的のために特別に構築されてもよく、または1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成される1つまたは複数の汎用コンピュータを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読信号媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、光学ディスク、磁気ディスク、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートデバイスおよびドライブ、または電子情報を記憶するのに適した任意の他の種類の有形または非一時的媒体などであるがそれに限定されない有形の媒体を含み得る。コンピュータ可読信号媒体は、搬送波などの媒体を含み得る。本明細書で提示されたアルゴリズムおよび表示は、いずれかの特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関係しない。コンピュータプログラムは、所望の実施形態の動作を実行する命令を含む純粋なソフトウェアによる実施を含み得る。
【0053】
様々な汎用システムは、本明細書の例によるプログラムおよびモジュールとともに使用されてもよく、または所望の方法のステップを実行することにより特化した装置を構築することが結果として便利であってもよい。さらに、いずれかの特定のプログラミング言語を参照して実施例は説明されていない。本明細書に記載するような実施例の教示を実施するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されるであろう。プログラミング言語の命令は、例えば、中央演算装置(CPU)、プロセッサ、またはコントローラなど、1つまたは複数の処理デバイスによって実行され得る。
【0054】
本発明が属する分野で知られるように、上述された動作は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの何らかの組み合わせによって実行され得る。実施例の様々な態様は、回路および論理デバイス(ハードウェア)を使用して実施されてもよい一方、他の態様は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに本願の実施を実行する方法を実行させる、機械可読媒体(ソフトウェア)上に記憶された命令を使用して実施されてもよい。さらに、本願のいくつかの実施例はハードウェアのみで実行されてもよい一方、他の実施例はソフトウェアのみで実行されてもよい。さらに、説明された様々な機能は単体のユニットで実行されることが可能であり、または任意の数の手法で多数のコンポーネントにわたって分散され得る。ソフトウェアによって実行されると、方法は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令に基づいて、汎用コンピュータなどのプロセッサによって実行されてもよい。必要に応じて、命令は、圧縮形式および/または暗号化形式で媒体に記憶され得る。
【0055】
さらに、本願の他の実施は、本明細書の考慮および本願の教示の実践から、当業者にとって明らかであろう。説明された実施例の様々な態様および/または構成要素は、単体または何らかの組み合わせで使用されてもよい。本明細書および実施例は例としてのみ考慮されることが意図され、本願の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0056】
1 情報処理システム
101 センサ
102 デバイス
103 コントローラ
104 フィールドサーバ
105 フィールドゲートウェイ
106 通信ネットワーク
107 クラウド
108 管理サーバ
201 プロセッサ
202 メモリデバイス
203 入力デバイス
204 出力デバイス
205 通信インターフェース
1105 コンピュータデバイス
1110 プロセッサ
1115 メモリ
1120 内部ストレージ
1125 I/Oインターフェース
1135 入力/ユーザインターフェース
1140 出力デバイス/インターフェース
1145 外部ストレージ
1150 ネットワーク
1160 論理ユニット
1165 APIユニット
1170 入力ユニット
1175 出力ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11