(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-21
(45)【発行日】2025-03-31
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/24 20110101AFI20250324BHJP
F24F 1/22 20110101ALI20250324BHJP
【FI】
F24F1/24
F24F1/22
(21)【出願番号】P 2019159297
(22)【出願日】2019-09-02
【審査請求日】2022-05-31
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002653
【氏名又は名称】弁理士法人アズテックIP
(72)【発明者】
【氏名】眞砂 秀基
【合議体】
【審判長】水野 治彦
【審判官】正木 裕也
【審判官】間中 耕治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-299974号公報(JP,A)
【文献】特開2015-040673(JP,A)
【文献】特開2015-222747号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面パネルを有する筐体に備えられた仕切板により、熱交換器及びファンが配置される熱交換器室と冷媒配管及び圧縮機が配置される機械室に前記筐体の内部が区画され、前記機械室に前記冷媒配管の一部を含む電装品モジュールが配置された空気調和機の室外機において、
前記電装品モジュールは、前記仕切板と直交し且つ前記機械室の前後方向に前記底面パネルに平行に前記仕切板の前記機械室側に取り付けられる固定板と、該固定板との間で前記冷媒配管の一部を挟むように前記固定板の上面に取り付けられるヒートシンクと、前記空気調和機の制御を行う制御回路のパワーデバイスが下面に搭載されたプリント基板と、該プリント基板の上面を覆い前記プリント基板の周囲を囲んで前記プリント基板を保持する基板ホルダとを備え、
前記プリント基板は前記パワーデバイスが前記ヒートシンクに結合されることで前記固定板に取り付けられ、
前記基板ホルダは上蓋を備え、前記基板ホルダと前記固定板によって前記電装品モジュールの内部空間が囲まれていることを特徴とする室外機。
【請求項2】
請求項1に記載の室外機において、
前記ヒートシンクから延長した放熱フィン又は前記ヒートシンクに熱的に結合された放熱フィンが設けられ、該放熱フィンは前記電装品モジュールの内部空間に露出していることを特徴とする室外機。
【請求項3】
請求項2に記載の室外機において、
前記プリント基板の下面に発熱電子部品が搭載され、前記放熱フィンは前記発熱電子部品の近傍に位置していることを特徴とする室外機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の室外機において、
前記基板ホルダは前記放熱フィンの近傍の部分に空気取込用の開口が形成されていることを特徴とする室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械室に電装品モジュールが取り付けられた空気調和機の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な空気調和機は、
図10に示すように、室外に設置される室外機10と室内に設置される室内機20を備えている。室外機10と室内機20は、冷媒配管30によって接続され冷凍サイクルを形成している。
【0003】
室外機10には、室外空気と冷媒を熱交換する室外熱交換器11、送風ファン11F、冷媒を圧縮する圧縮機12、圧縮機12から吐出された潤滑油と冷媒の混合流体から潤滑油を分離する油分離器13、流入した冷媒を膨張させて減圧する膨張弁14、流入した冷媒を気液分離するアキュムレータ15、暖房運転と冷房運転を切り替える四方弁16などが設けられている。また、室内機20には、室内空気と冷媒を熱交換する室内熱交換器21、送風ファン21Fなどが設けられている。そして、冷媒配管30は、これら室外熱交換器11、圧縮機12、油分離器13、膨張弁14、アキュムレータ15、四方弁16、室内熱交換器21を接続している。冷媒配管30は、液側冷媒配管30Lとガス側冷媒配管30Gとを含む。
【0004】
図11は室外機10を正面側から見た図である。
図11に示すように、室外機10は、筐体17に備えられた仕切板171によって、筐体17の内部が熱交換器室10Aと機械室10Bに区画され、熱交換器室10Aには前述した室外熱交換器11と送風ファン11Fが配置されている。機械室10Bには、前述した圧縮機12、油分離器13、膨張弁14、アキュムレータ15、四方弁16などが収容され、これらは筐体17の前面の図示しないサービスパネルを取り外すことにより、外部からメンテナンス可能となっている。なお、
図11では部品の一部は隠れて図示されていない。
【0005】
この機械室10Bには、さらに、その上下方向のほぼ中間位置に電装品モジュール40が配置されている。この電装品モジュール40は、空気調和機の全体の動作を制御する制御回路、空気調和機の各種設定を行うための設定回路、空気調和機の動作状態を表示する表示回路、外部から供給される交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータ回路、コンバータ回路から出力された直流電力を所望の周波数の交流電力に変換して出力するインバータ回路、その他の回路などを搭載したモジュールであり、プリント基板41にそれらの回路を実現するための複数の電子部品が搭載されている。プリント基板41は、機械室10Bの奥側に配管スペースを確保できるように1枚で構成され、電装品モジュール40内に上下方向の姿勢で取り付けられている。
【0006】
図12にプリント基板41を背面側から見た図を示す。このプリント基板41は上下方向が弱電領域41Aと強電領域41Bに分けられている。弱電領域41Aには、例えば、前記した制御回路の一部を構成するマイコン等の電子部品41A1、設定回路を構成するスイッチ41A2、プラグを抜き差しする小電力用コネクタ41A3、表示器としてのLED41A4等の弱電系の電子部品が搭載される。また、強電領域41Bには、電力変換を行うための強電系の複数の電子部品、例えばコンバータ回路のICやインバータ回路のICなどのパワーデバイス41B1、平滑用の大容量電解コンデンサ41B2、コンバータ用のリアクトル41B3、大電力用コネクタ41B4、その他の図示しない電子部品が搭載される。
【0007】
強電領域41Bには、さらに、パワーデバイス41B1で発生する熱を冷却するための冷却器50が配置されている。この冷却器50は冷媒配管30の液側冷媒配管30Lに取り付けられる図示しないヒートシンクを備える。そのヒートシンクはパワーデバイス41B1が発生する熱が伝わるようにプリント基板41の正面側に配置されている。
図10を参照して液側冷媒配管30Lは、冷房運転時には室外熱交換器11で凝縮した冷媒が流れ、暖房運転時には室内熱交換器21で凝縮され膨張弁14で減圧された冷媒が流れるので、その冷媒によって冷却器50のヒートシンクが冷却され、パワーデバイス41B1の温度が所定値以下に保持される。以上説明した空気調和機については、特許文献1に記載がある。
【0008】
しかし、上記のようにプリント基板41を上下方向に取り付ける構造では、機械室10Bの上下方向サイズを大きくする必要があり、室外機自体の高さが高くなる。近年の空気調和機には、設置の自由度が高いコンパクトな室外機が要求されており、室外機の高さが高くなる構造はその要求に逆行することになる。
【0009】
そこで、プリント基板41を、前記した弱電領域41Aに配置される電子部品を搭載したメイン基板と、前記した強電領域41Bに配置される電子部品を搭載したパワー基板に分けて形成し、機械室10B内に上下方向に沿って取り付けた固定板の一方の面にメイン基板を取り付け、他方の面にパワー基板を取り付けることが考えられる。これによれば、メイン基板とパワー基板のそれぞれの上下方向のサイズを、それらメイン基板とパワー基板を上下方向に並べた場合に相当する1枚のプリント基板41の上下方向のサイズよりも小さくできるので、室外機の上下方向サイズの小型化が可能となる。
【0010】
しかし、このようにメイン基板とパワー基板という2枚のプリント基板を使用する場合は、それらメイン基板とパワー基板の間の接続ワイヤの増加や組立工数の増加によってコスト高を招く問題がある。
【0011】
この問題を解決するために、冷媒配管30の液側冷媒配管30Lに取り付けたヒートシンクを固定板の上面に取り付け、その固定板を仕切板171に直交するように機械室10B内に左右方向に取り付け、パワーデバイスを下面に搭載した1枚のプリント基板41をその固定板の上方に取り付けて、そのパワーデバイスを固定板の上面のヒートシンクと熱的に合させるよう構成した電装品モジュールを実現することが考えられる。
【0012】
この電装品モジュールによれば、コスト高を招くことなく室外機の上下方向のサイズを小さくすることができ、且つ冷媒配管を流れる冷媒によってパワーデバイスを冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上記構造では、ヒートシンクに接して熱的に結合するパワーデバイスについては効果的な冷却が行われるが、ヒートシンクに接しない発熱電子部品の冷却が不十分となる問題がある。
【0015】
本発明の目的は、ヒートシンクに接しない発熱電子部品であっても冷却が十分に行われるようにした電装品モジュールを備えた空気調和機の室外機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一形態は、底面パネルを有する筐体に備えられた仕切板により、熱交換器及びファンが配置される熱交換器室と冷媒配管及び圧縮機が配置される機械室に前記筐体の内部が区画され、前記機械室に前記冷媒配管の一部を含む電装品モジュールが配置された空気調和機の室外機において、前記電装品モジュールは、前記仕切板と直交し且つ前記機械室の前後方向に前記底面パネルに平行に前記仕切板の前記機械室側に取り付けられる固定板と、該固定板との間で前記冷媒配管の一部を挟むように前記固定板の上面に取り付けられるヒートシンクと、前記空気調和機の制御を行う制御回路のパワーデバイスが下面に搭載されたプリント基板と、該プリント基板の上面を覆い前記プリント基板の周囲を囲んで前記プリント基板を保持する基板ホルダとを備え、前記プリント基板は前記パワーデバイスが前記ヒートシンクに結合されることで前記固定板に取り付けられ、前記基板ホルダは上蓋を備え、前記基板ホルダと前記固定板によって前記電装品モジュールの内部空間が囲まれていることを特徴とする。
【0017】
また、前記ヒートシンクから延長した放熱フィン又は前記ヒートシンクに熱的に結合された放熱フィンが設けられ、該放熱フィンは前記電装品モジュールの内部空間に露出していることを特徴とする。
【0018】
さらに、前記プリント基板の下面に発熱電子部品が搭載され、前記放熱フィンは前記発熱電子部品の近傍に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基板ホルダと固定板によってヒートシンクとプリント基板を含む電装品モジュールの内部空間が囲まれるので、ヒートシンクに接しない発熱電子部品の冷却効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】筺体を底面パネルのみとした同室外機の斜視図である。
【
図3】筺体を底面パネルのみとし、且つ電装品モジュールを分解した同室外機の斜視図である。
【
図4】電装品モジュールのプリント基板の平面図である。
【
図9】別の例の電装品モジュールの右側面図である。
【
図11】従来の室外機のサービスパネルを取り外した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を説明する。
図10~
図12で説明したものと同じものには同じ符号を付けた。室外機100は、
図1に示すように、その筐体110が、前面パネル111、その前面パネル111の右横のサービスパネル112、右側面パネル113、左側面パネル114、天面パネル115、背面パネル116、底面パネル117を備え、底面パネル117には脚118が取り付けられている。
【0022】
以下の説明では、前面パネル111側を前、背面パネル116側を後、右側面パネル113側を右、左側面パネル114側を左、天面パネル116側を上、底面パネル117側を下とする。
【0023】
図2、
図3に、筐体110の前面パネル111、サービスパネル112、右側面パネル113、左側面パネル114、天面パネル115、背面パネル116を取り去った内部部品の状態を示す。筐体110は、仕切板119によって筐体110の内部が左右方向に区画され、左側の区画である前面パネル111の後側が熱交換器室110Aになり、右側の区画であるサービスパネル112の後側が機械室110Bになっている。
【0024】
熱交換器室110Aには、
図12で説明した室外熱交換器11や送風ファン11Fが配置されている。室内熱交換器11は、熱交換器室110Aの背面パネル116の内側から左側面パネル114の内側を覆うようにL字形状に立設されている。送風ファン11Fは、ファン支持フレーム61で支持され、熱交換器室110Aの中央に設けられている。ファン支持フレーム61は、その下端が底面パネル117に取り付けられ、その上端は取付金具62で室外熱交換器11に支持され、さらにファン支持フレーム61の上端に接合した取付金具63によって前面パネル111に支持されている。
【0025】
機械室110Bには、
図10、
図11で説明した冷媒配管30、圧縮機12、油分離器13、膨張弁14、アキュムレータ15、四方弁16などが収容されているが、
図2、
図3ではその一部のみを示している。機械室110Bは、サービスパネル112を取り外すことにより、室外機100の前面側から視認可能となっている。
【0026】
図3に示す200は電装品モジュールである。電装品モジュール200は、プリント基板210と、そのプリント基板210の上面210aを覆うようにそのプリント基板210に着脱自在に取り付けられる基板ホルダ220と、プリント基板210の下面210bに搭載されたパワーデバイス212を冷却するヒートシンク240と、ヒートシンク240が取り付けられる固定板230を備える。
【0027】
基板ホルダ220は、上蓋221を取り外した状態では、アーム222を介してプリント基板210の上面210aを上方から視認できるようになっている。
【0028】
固定板230は板金製であり、縦板231と横板232により側面視でL字形状に形成されている。そして、縦板231は仕切板119の機械室110B側に対面する状態で仕切板119に取り付けられる。横板232は仕切板119と直交する方向に機械室11Bの前後方向に底板パネル117と平行となるように伸びている。この固定板230と基板ホルダ220により囲まれる内部空間60に、前記したプリント基板210が配置されている。
【0029】
図4に示すように、プリント基板210の下面210bは、前側から後側にかけて、前側領域210b3、中央領域210b1、後側領域210b2に分割されている。そして、中央領域210b1には、パワーICなどのパワーデバイス211が3つ搭載されている。中央領域210b1の各パワーデバイス211が搭載される箇所には、開口212が形成されている。また、後側領域210b2には図示しない入力ACフィルタなどを含む強電系の電子部品が搭載され、前側領域210b3には図示しない外部接続用コネクタなどを含む弱電系の電子部品が搭載される。
【0030】
基板ホルダ220は、
図3と
図6に示したように、上蓋221と、格子形状に配置されたアーム222と、アーム222の周囲を囲む枠板223を備える。枠板223には内側に斜面が斜め内側下方向を向く三角形の爪224が形成されている。爪224は、プリント基板210の下面210bの前縁部と後縁部に係止する。そして、アーム222がプリント基板210の上面210aを押圧することで、そのプリント基板210が基板ホルダ220内に保持されている。基板ホルダ220の枠板223の下端を
図6の矢印方向に広げれば、枠板223が外側に撓んで爪223がプリント基板210から外れ、そのプリント基板210を取り外すことができる。基板ホルダ220にプリント基板210を保持させるときは、プリント基板210の縁部を爪223に押し当ててからアーム222に当接するまで、そのプリント基板210を基板ホルダ220内に押し込めば良い。
【0031】
横板232の上面232aの中央には、冷媒配管30Lが配置されている。この冷媒配管30Lは、
図7を合わせて参照して、基板ホルダ220の枠板223の右側面223aに設けた開口223a1から電装品モジュール200内に引き込まれ、仕切板119を向く側の部分31でU字形状となるように折り曲げられている。折り曲げられた冷媒配管30Lは、前後方向に底板パネル117と並行に並ぶように配置され、横板232における縦板231と反対側、つまり
図3における右側の先端において曲折部32により下方に折り曲げられている。
【0032】
図6に戻って、ヒートシンク240は、半丸形状に穿った2本の溝241が下面に形成され、固定板230の横板232の上面232aに配置された冷媒配管30Lを、その溝241で横板232に押さえ付けるように、ネジB1,B2によって横板232に取り付けられている。前記したパワーデバイス211は、リード211aによってプリント基板210の下面210bに半田付けされており、ヒートシンク240に熱的に結合させる際は、プリント基板210に形成された開口212からプラスドライバを挿入してネジB3でそのヒートシンク240にネジ止めする。プリント基板210はパワーデバイス211がヒートシンク240にネジB3で結合されることで、固定板230に取り付けられる。
【0033】
以上から本実施例の電装品モジュール200によれば、プリント基板210を備える電装品モジュール200が、前後方向に底板パネル117に対してほぼ平行に機械室110B内に取り付けられるので、上下方向に機械室110B内に取り付けられる場合と比較して、その電装品モジュール200が室外機100の上下方向に占めるサイズを大幅に小さくすることができ、室外機100を小型化できる。
【0034】
また、プリント基板210は1枚であるので、2枚のプリント基板を使用する場合と比較して、2枚のプリント基板の間の接続ワイヤの増加や組立工数の増加を防ぎ、コスト安を実現することができる。
【0035】
また、プリント基板210の仮面210bに搭載されたパワーデバイス211は、冷媒配管30Lを流れる冷媒によって冷却されたヒートシンク240によって冷却される。このため、パワーデバイス211は充分冷却される。
【0036】
また、プリント基板210を含むように基板ホルダ220と固定板230で囲まれた内部空間60は、冷媒配管30Lを引き込むための基板ホルダ220の開口223a1以外はプリント基板210、基板ホルダ220で囲まれるので、その内部空間60の空気はヒートシンク240によって効果的に冷却される。このため、プリント基板210の下面210bの後側領域210b2に搭載された強電系の発熱電子部品は、ヒートシンク240に直接接触していなくても、その空気によって冷却される。
【0037】
また、プリント基板210の上面を覆う上蓋221を備えることで、電装品モジュール200内の電子部品を、冷媒配管30L等から発生する結露から防ぐことができる。
【0038】
また、プリント基板210の下面210bには、上記のように後側領域210b2に入力ACフィルタなどを含む強電系の電子部品が搭載され、前側領域210b3には外部接部用コネクタなどを含む弱電系の電子部品が搭載される。したがって、手前のサービスパネル112側に外部接続部品が配置されるので、アクセスが容易となって組立時やメンテナンス時の作業性が良好となる。
【0039】
また、弱電系の電子部品が手前のサービスパネル112側に配置され、高電圧が加わる強電系の電子部品は背面パネル116側に配置されるので、メンテナンス時の感電を防止することができる。
【0040】
また、後側領域210b2と前側領域210b3の間の中央領域210aにパワーデバイス211が配置されるため、冷媒配管30Lを後側領域210b2や前側領域210b3を迂回することなくパワーデバイス211の下方に配置できるので、冷媒配管30Lの引き回し距離が短くなり、構造を簡素化できる。
【0041】
図8、
図9はヒートシンク240の別の例を示す図である。ここでは、ヒートシンク240に放熱フィン242を連続して形成して、その放熱フィン242がプリント基板210の裏面210bの入力ACフィルタなどを含む強電系の電子部品が搭載される後側領域210b2の近傍にまで伸びるようにしている。このとき、基板ホルダ220の枠板223の右側面223aの放熱フィン242に近い部分に、空気を取り入れるための開口250を形成することが望ましい。
【0042】
このように放熱フィン242を設けることで、その放熱フィン242をプリント基板210の後側領域210b2に近づけることができるので、その後側領域210b2に搭載された発熱電子部品の冷却効果を高くすることができる。さらに開口250を形成することで、基板ホルダ220と固定板230で囲まれた内部空間内のある程度熱せられた空気及び開口250から取り込まれ熱されていない空気も冷却して、後側領域210b2の発熱電子部品を冷却できるので、その冷却はより効果的となる。なお、放熱フィン242は、ヒートシンク240とは別構造の放熱フィンに置き換え、その別構造の放熱フィンをヒートシンク240に接触させて熱的に結合させても良い。
【符号の説明】
【0043】
100:室外機、110:筐体、110A:熱交換器室、110B:機械室、111:正面パネル、112:サービスパネル、113:右側面パネル、114:左側面パネル、115:天面パネル、116:背面パネル、117:底面パネル、118:脚、119:仕切板
200:電装品モジュール、210:プリント基板、210a:上面、210b:下面、210b1:中央領域、210b2:後側領域、219b3:前側領域、212:パワーデバイス、220:基板ホルダ、221:上蓋、222:アーム、223:枠板、223a:右側面、224:爪、230:固定板、321:縦板、232:横板、240:ヒートシンク、241:溝、242:放熱フィン、250:開口
30:冷媒配管、30L:液側冷媒配管、30G:ガス側冷媒配管、
B1,B2,B3:ネジ