(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-21
(45)【発行日】2025-03-31
(54)【発明の名称】吸収性物品の包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20250324BHJP
B65D 77/30 20060101ALI20250324BHJP
【FI】
B65D85/07
B65D77/30 C
(21)【出願番号】P 2021029617
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 幾哉
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-023508(JP,A)
【文献】特表2005-511431(JP,A)
【文献】特開2012-254283(JP,A)
【文献】特開2020-083384(JP,A)
【文献】特表2004-537474(JP,A)
【文献】特開2015-189473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/07
B65D 67/00-79/02
B65D 30/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品を個装シートとともに長手方向に折り畳んだ個装吸収性物品を包装袋に複数収納してなる吸収性物品の包装体であって、
前記包装袋に、内部の前記個装吸収性物品が視認可能な窓部が形成されるとともに、前記窓部から臨む部分の前記個装シートに、前記個装吸収性物品の厚み方向に区画された異なる色からなる複数の色領域が設けられており、
前記色領域は、第1色領域と第2色領域とからなり、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分を厚み方向に3つの領域に区画したとき、前記第1色領域は中央領域に設けられ、前記第2色領域はその両側の領域にそれぞれ設けられていることを特徴とする吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記第1色領域は、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分の厚みに対して、ほぼ1/2の割合で設けられ、前記第2色領域は、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分の厚みに対して、ほぼ1/4ずつの割合で設けられている請求項
1記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
隣り合う前記色領域の色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、色相番号が6以上ずれている請求項1
、2いずれかに記載の吸収性物品の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、失禁用パッド、パンティライナー等の吸収性物品を個装シートとともに長手方向に折り畳んで個別包装した個装吸収性物品を、包装袋に複数収納してなる吸収性物品の包装体であって、詳しくは前記包装袋に設けられた窓部から内部の個装吸収性物品の厚みを容易に認識できるようにした吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生理用ナプキン等の吸収性物品は、個装シートとともに長手方向に小さく折り畳まれ個別包装された個装吸収性物品とされるとともに、この個装吸収性物品を複数個まとめて一つの包装袋内に収納した吸収性物品の包装体として市販等されている。
【0003】
下記特許文献1には、吸収性物品を外部から視認可能にする窓を有し、複数の吸収性物品を収容する外装材を備え、吸収性物品の各々を個別に包装する包装材は、第1色領域と第2色領域とを有し、前記第1色領域及び第2色領域は、前記包装材の30%以上の領域を占めており、前記第1色領域は、吸収性物品の性能特性を表しており、前記外装材に備えられたアイコン及び前記包装材を封じる止着テープは、前記第1色領域を構成する色と同じ色区域に属する色を含む、吸収性物品の包装体が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、吸収性物品と、複数の吸収性物品を収容した包装シートとを有し、前記包装シートには、内部に収容された吸収性物品を視認可能に構成する窓部が形成され、前記吸収性物品は、前記吸収性物品の厚み方向に積層されており、前記窓部には、吸収性物品どうしの境界に沿う第1方向に延びる目印部が設けられており、前記目印部は、前記第1方向と直交し、かつ前記厚み方向に沿う第2方向に間隔を空けて複数設けられている、吸収性物品の包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3205937号公報
【文献】特開2019-26295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、吸収性物品の包装体は、複数の個装吸収性物品が一つの包装袋内に収納された状態で販売されており、しかも包装袋の大部分には印刷が施され、内部の個装吸収性物品がほとんど見えない状態であるため、個々の個装吸収性物品がどの程度の厚みであるかは、購入した後、包装袋を開封して内部の個装吸収性物品を取り出してみないと実際には判らない。そのため、使用者は、内部の個装吸収性物品の厚みを判断するに当たって、包装袋の一部に設けられた透明な窓部から臨む個装吸収性物品の情報を頼りに行っている。
【0007】
ところが、従来の吸収性物品の包装体50では、
図13に示されるように、窓部52から臨む部分の個装吸収性物品51が単色で構成されているため、隣り合う個装吸収性物品51、51の境界が判りにくく、一見しただけでは個装吸収性物品51の厚みがどの程度なのか認識することができなかった。
【0008】
上記特許文献1に記載されたものでは、止着テープに施された色によって吸収性物品の性能特性を認識できるようになっているが、包装袋に収納された個装吸収性物品の厚みが判るようにはなっていない。
【0009】
また、上記特許文献2に記載されたものでは、窓部に設けられた目印部が吸収性物品どうしの境界に沿って延びているため、この目印部によって内部に収納された個装吸収性物品の厚みが認識できるようになっているが、前記目印部が包装袋に設けられているため、包装袋に設けられた目印部と実際の個装吸収性物品どうしの境界とがずれるおそれがあり、少しでもずれた場合には個装吸収性物品の実際の厚みがどの程度なのか一見して判断するのが難しかった。つまり、前記目印部と個装吸収性物品どうしの境界とがずれている場合には、隣り合う目印部の間に、よく見ると実際の個装吸収性物品どうしの境界線が見えるため、本来の個装吸収性物品の厚みがどの程度なのか認識しにくく、実際の個装吸収性物品の厚みより薄いと誤認するおそれがあった。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、包装袋内に収納された個装吸収性物品の厚みを認識しやすくした吸収性物品の包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために第1の態様として、吸収性物品を個装シートとともに長手方向に折り畳んだ個装吸収性物品を包装袋に複数収納してなる吸収性物品の包装体であって、
前記包装袋に、内部の前記個装吸収性物品が視認可能な窓部が形成されるとともに、前記窓部から臨む部分の前記個装シートに、前記個装吸収性物品の厚み方向に区画された異なる色からなる複数の色領域が設けられており、
前記色領域は、第1色領域と第2色領域とからなり、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分を厚み方向に3つの領域に区画したとき、前記第1色領域は中央領域に設けられ、前記第2色領域はその両側の領域にそれぞれ設けられていることを特徴とする吸収性物品の包装体が提供される。
【0012】
上記第1の態様では、前記包装袋に、内部の個装吸収性物品が視認可能な窓部が形成されるとともに、この窓部から臨む部分の個装シートに、個装吸収性物品の厚み方向に区画された異なる色からなる複数の色領域が設けられているため、これら複数の色領域で区画された部分が1つの個装吸収性物品の厚みであると判断でき、窓部を通して見える個装吸収性物品を一見しただけで、個装吸収性物品の厚みが明確に認識できるようになる。
【0013】
前記色領域は、第1色領域と第2色領域とからなり、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分を厚み方向に3つの領域に区画したとき、前記第1色領域は中央領域に設けられ、前記第2色領域はその両側の領域にそれぞれ設けられている。
【0014】
上記態様では、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分を厚み方向に3つの領域に区画したとき、前記第1色領域を中央領域に設け、第2色領域をその両側の領域にそれぞれ設けているため、吸収性物品を個装シートともに長手方向に折り畳む折り線位置が多少ずれても、両側の第2色領域が目印となって各個装吸収性物品の厚みが認識しやすくなる。
【0015】
第2態様として、前記第1色領域は、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分の厚みに対して、ほぼ1/2の割合で設けられ、前記第2色領域は、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分の厚みに対して、ほぼ1/4ずつの割合で設けられている請求項1記載の吸収性物品の包装体が提供される。
【0016】
上記第2態様では、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分を厚み方向に3つの領域に区画し、中央領域を第1色領域、両側の領域をそれぞれ第2色領域としたとき、中央の第1色領域を、各個装吸収性物品の前記窓部から臨む部分の厚みに対して約半分の幅で形成し、両側の第2色領域を約1/4の幅で形成しているため、両側の前記第2色領域とその中間の第1色領域とからなる一組の色領域を1つの個装吸収性物品の厚みとして認識しやすくなる。
【0017】
第3態様として、隣り合う前記色領域の色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、色相番号が6以上ずれている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品の包装体が提供される。
【0018】
上記第3態様では、隣り合う色領域が識別しやすいように、色相がある程度異なる色で構成している。
【発明の効果】
【0019】
以上詳説のとおり本発明によれば、包装袋内に収納された個装吸収性物品の厚みが認識しやすい吸収性物品の包装体が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る生理用ナプキン1の包装体20を示す斜視図である。
【
図2】生理用ナプキン1の包装体20の正面図である。
【
図4】
図3の個装生理用ナプキンNをIV方向から見た図である。
【
図7】生理用ナプキン1の個装要領(その1)を示す平面図である。
【
図8】生理用ナプキン1の個装要領(その2)を示す平面図である。
【
図11】変形例に係る生理用ナプキン1の包装体20の正面図である。
【
図12】変形例に係る個装生理用ナプキンNの斜視図である。
【
図13】従来の吸収性物品の包装体50を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0022】
本発明に係る生理用ナプキン1の包装体20は、
図1及び
図2に示されるように、生理用ナプキン1を個装シート10とともに長手方向に小さく折り畳んだ個装生理用ナプキンNを包装袋21に複数収納して構成されるものである。
【0023】
〔包装袋21〕
前記包装袋21は、
図1に示されるように、上面部21A、底面部21B、正面部21C、背面部21D及び一対の側面部21E、21Eを有する略直方体状に形成されたものであり、内部に複数の個装生理用ナプキンN…が収納できるようになっている。前記正面部21Cは、包装体20を陳列棚に配置する際、正面に向けて配置する面であり、購入者が最も目にしやすい面である。「略直方体状」とは、隣り合う面同士の接続辺が明確な直線で形成された直方体に限らず、全体として直方体と同視できるものも含む概念である。例えば、各面同士が接続する各辺や各頂点が若干丸くなっているものも含む。
【0024】
なお、本明細書においては、特に記載のない限り、「上下方向」とは前記上面部21A及び底面部21Bを結ぶ方向であり、「前後方向」とは前記正面部21C及び背面部21Dを結ぶ方向であり、「左右方向」とは前記側面部21E、21E同士を結ぶ方向である。
【0025】
前記包装袋21は、可撓性のある薄いシート材で製造されるのが好ましい。前記包装袋21を構成する素材は、樹脂、不織布、紙等が使用でき、限定されないが、特に、樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)が好ましく使用される。前記樹脂フィルムを使用する場合は、地色が透明のものを用いるのが好ましく、この樹脂フィルムには、所定の部位以外の包装袋21の外面の大多数の領域に、外部から内容物を視認できなくした不透明な着色印刷が施されるとともに、商品名その他の必要事項が印刷される。
【0026】
図1及び
図2に示されるように、前記包装袋21の少なくとも前記正面部21Cには、内部の個装生理用ナプキンNが視認可能な窓部23が形成されている。前記窓部23は、包装袋21の内部に収納された個装生理用ナプキンNが外部から見えるように形成されたものである。前記窓部23は、前記包装袋21が透明な樹脂フィルムからなる場合には、部分的に上述のような印刷を施さないことによって形成することができ、前記包装袋21が不織布や紙からなる場合には、開口部や、或いはこの開口部を透明な樹脂フィルムで覆った部分によって形成することができる。
【0027】
前記窓部23の形状は、特に限定されず、内部の個装生理用ナプキンNが視認しやすい形状であれば、公知の形状で形成することができる。例えば、図示例のハート形の他、円形、楕円形、多角形、星形、ダイヤ形などを挙げることができる。
【0028】
図2に示されるように、前記窓部23は、複数の個装生理用ナプキンN…が視認できるように、内部の個装生理用ナプキンNの厚み方向の長さL1(図示例では包装体20の左右方向の長さ)が、この方向の正面部21Cの長さP1に対して25%以上、好ましくは25~50%で形成されているのがよい。1つの包装体20には通常12個以上の個装生理用ナプキンN…が収納されているため、25%以上の長さで形成することにより、最低でも3個の個装生理用ナプキンN…が窓部23を通して視認できるようになる。また、前記窓部23は、内部の個装生理用ナプキンNの厚み方向と直交する方向の長さL2(図示例では包装体20の上下方向の長さ)が、この方向の正面部21Cの長さP2に対して20%以上、好ましくは20~70%、より好ましくは25~50%で形成されているのがよい。前記L2は、内部の個装生理用ナプキンNが厚み方向と直交する方向に連続して視認できる長さであり、図示例のように窓部23がハート形からなる場合、個装生理用ナプキンNの厚みと直交する方向の最大長さである。
【0029】
前記窓部23は、包装袋21の正面部21Cに1又は複数設けられている。複数設ける際は、各窓部23が離隔して配置された独立的な配置としてもよいし、一部が接続して配置された連続的な配置としてもよい。
【0030】
また、前記正面部21C以外の前記包装袋21の面部にも、内部の個装生理用ナプキンNが視認可能な窓部を形成してもよい。
【0031】
前記包装袋21の上面部21A及び底面部21Bにはそれぞれ、平面状の樹脂フィルムの両側縁同士を接合して両端が開口したチューブ状に形成した後、両端の開口を閉塞する封止部22が形成されている。前記封止部22は、上面部21A及び底面部21Bの前後方向の中央部に、左右方向の全長に亘って形成されている。前記封止部22の接合手段としては、ヒートシール、超音波シール、接着剤など、公知のものを用いることができる。
【0032】
〔個装生理用ナプキンN〕
次いで、前記包装袋21内に収納される個装生理用ナプキンNについて説明すると、前記個装生理用ナプキンNは、
図3及び
図4に示されるように、生理用ナプキン1を個装シート10とともに生理用ナプキン1の長手方向に小さく折り畳んで形成されたものである。
【0033】
なお、本明細書においては、特に記載のない限り、「長手方向」とは生理用ナプキン1の前端及び後端を結ぶ方向であり、「幅方向」とは前記長手方向と直交する生理用ナプキン1の両側を結ぶ方向である。
【0034】
前記生理用ナプキン1は、
図5及び
図6に示されるように、非肌側に配置されたポリエチレンシートなどからなる不透液性の裏面シート2と、肌側に配置されるとともに、経血やおりものなど(以下、まとめて体液ともいう。)を速やかに透過させる透液性の表面シート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、肌当接面側の両側部に長手方向のほぼ全長に亘って設けられたサイドシート7、7とを備え、かつ前記吸収体4の周囲においては、その上下端縁部では前記裏面シート2と表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合されるとともに、その両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記裏面シート2と前記サイドシート7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合された前記吸収体4が介在しないフラップ部が形成されたものである。なお、前記表面シート3と吸収体4との間であって前記表面シート3の非肌側に隣接して、前記表面シート3とほぼ同形状のセカンドシートを配置してもよい。
【0035】
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記裏面シート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、蒸れ防止の観点から透湿性を有するものを用いるのが望ましい。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記裏面シート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。
【0036】
次いで、前記表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。前記表面シート3に多数の透孔を形成した場合には、体液が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維の複合繊維を好適に用いることもできる。
【0037】
前記裏面シート2と表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえば綿状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。吸収体4の製造方法は、柔軟性に富むように積繊パルプとするのが望ましいが、嵩を小さくできるエアレイド吸収体としてもよい。前記吸収体4は、形状保持および拡散性向上のため、クレープ紙や不織布などからなる被包シート(図示せず)で囲繞してもよい。
【0038】
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
【0039】
前記表面シート3の幅寸法は、図示例では、吸収体4の幅と略同等とされ、吸収体4を覆うだけに止まり、それより外方側は前記表面シート3とは別のサイドシート7、具体的には経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いて構成されたサイドシート7が配設されている。
【0040】
かかるサイドシート7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくは体液の隠蔽性を高めるため、坪量を高めた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を13~23g/m2として作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
【0041】
前記サイドシート7は、幅方向中間部より外側部分を所定の内側位置から裏面シート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって接着され、これら前記サイドシート7と裏面シート2との積層シート部分により吸収体4の両側部に吸収体4が介在しないサイドフラップ部が形成されている。このフラップ部は、ほぼ体液排出部Hに対応する部分の両側部に左右一対のウイング状フラップW、Wを形成している。このウイング状フラップWを含む長手区間が着用者の股下部に対応する。また、前記ウイング状フラップW、Wの後方に、幅方向に延出した左右一対のヒップホールド用フラップ部が形成されるようにしてもよい。
【0042】
一方、前記サイドシート7の内方側部分は、図示例では、表面シート3の肌側に積層された状態で吸収体4側(表面シート3の肌側面)に接着されているが、幅方向に折り畳んで、この折り畳み部に長手方向に沿って弾性伸縮部材を配設することにより、着用者の肌側に向けて起立する立体ギャザーが形成されるようにしてもよい。
【0043】
前記表面シート3と裏面シート2との間に吸収体4が介在された本体部分の非肌側面(裏面シート2の外面)には、身体への装着時に下着に対する固定のために適宜の塗布パターンによって1又は複数条の、図示例ではナプキン長手方向に沿って3条の本体ズレ止め粘着剤層8、8…が形成されているとともに、これら本体ズレ止め粘着剤層8、8…が本体用剥離材5(
図9参照。)によって剥離可能に覆われている。また、前記ウイング状フラップW、Wの非肌側面(裏面シート2の外面)には、下着に対する装着時に、前記ウイング状フラップW、Wを基端部の折返し線RL(
図1参照。)位置にて反対側に折り返し、下着のクロッチ部分に巻き付けて止着するためのウイングズレ止め粘着剤層9、9が形成されるとともに、これらウイングズレ止め粘着剤層9、9が幅方向に横断する1枚のウイング用剥離材6(
図8及び
図9参照。)によって剥離可能に覆われている。また、前記ウイング状フラップWの後方に前述のヒップホールド用フラップ部が形成される場合において、このヒップホールド用フラップ部の非肌側面(裏面シート2の外面)にズレ止め粘着剤層が設けられるようにし、前記ウイング用剥離材6を後方に延在させた部分によって、これらヒップホールド用フラップ部に形成されたズレ止め粘着剤層が剥離可能に覆われるようにしてもよい。
【0044】
上述の生理用ナプキン1を個装するには、
図7に示されるように、両側のフラップ部をそれぞれほぼ吸収体4の側縁部を基端として、表面シート3側に折り畳んだ後、
図8及び
図9に示されるように、前記本体ズレ止め粘着剤層8、8…の当接部に本体用剥離材5が固着された個装シート10上に配置するとともに、前記ウイングズレ止め粘着剤層9、9を前記ウイング用剥離材6で覆い、生理用ナプキン1を個装シート10とともに長手方向に折り畳む。
【0045】
前記個装シート10は、所定寸法に形成された矩形状のシートが用いられる。素材的には、不織布、プラスチックフィルム、紙などを使用することができる。前記個装シート10は、短手寸法が生理用ナプキン1の展開幅(ウイング状フラップW、Wの先端間距離)よりも幅狭で、両側のフラップ部の折り畳み状態(
図7の状態)よりも幅広とされる所定長さの矩形状に形成されている。
【0046】
個装方法は、
図8に示されるように、少なくとも個装シート10の一方側短辺10bが生理用ナプキン1の前後端部の一方(前端)より外側に位置するように個装シート10上に生理用ナプキン1を配置するとともに、前記個装シート10と、本体用剥離材5及びウイング用剥離材6とをそれぞれホットメルト接着剤等により、所定の固着領域で堅固に固着する。
【0047】
前記個装シート10の所定位置に生理用ナプキン1を載置したならば、幅方向に沿う折り線X1、X2、X3位置にて長手方向に生理用ナプキン1を個装シート10とともに生理用ナプキン1側に折り畳む。前記折り線は、生理用ナプキン1の後側から順に、後側折り線X1、中間折り線X2、前側折り線X3を有している。
【0048】
折り畳む手順としては、先ずはじめに、後側折り線X1位置にて長手方向にナプキン後端部を個装シート10とともに生理用ナプキン1側に折り畳んだならば、この二つ折りされた部分を中間折り線X2位置にて長手方向に個装シート10とともにウイング状フラップW、Wの配設領域に折り畳む。その後、前側折り線X3位置にてナプキン前端部を二つ折りされた後端部の上面に重なるように折り畳み、
図3に示されるように、個装シート10の開口した両側縁部10a、10aをエンボス圧着、加熱融着、接着剤等、適宜の封鎖手段の単独または組み合わせによって封鎖する。また、個装シート10の長手方向端縁10bは、接着剤により接合した後、好ましくはタブテープ11により封止する。以上により生理用ナプキン1の個装が完了する。
【0049】
このようにして長手方向に折り畳まれた個装生理用ナプキンNは、
図3に示されるように、扁平な矩形に形成され、一方の対向する2辺がそれぞれ折返し部10c、10cとされ、他方の対向する2辺がそれぞれ封止部(前記両側縁部10a、10a)とされる。
【0050】
前記個装生理用ナプキンNを包装袋21に収納する向きは、個装生理用ナプキンNの前記折返し部10cが、前記窓部23を備えた包装袋21の正面部21Cに対向するように配置する。
図1では、前記折返し部10cを形成する一対の辺部がそれぞれ正面部21C及び背面部21Dに対向するとともに、前記封止部(両側縁部10a、10a)を形成する一対の辺部がそれぞれ上面部21A及び底面部21Bに対向し、かつ個装生理用ナプキンNの平面が、両側面部21E、21E間の左右方向に直交する縦向きに配置されている。また、図示しないが、前記折返し部10cを形成する一対の辺部がそれぞれ正面部21C及び背面部21Dに対向するとともに、前記封止部(両側縁部10a、10a)を形成する一対の辺部がそれぞれ側面部21E、21Eに対向し、かつ個装生理用ナプキンNの平面が、上面部21A及び底面部21B間の上下方向に直交する横向きに配置してもよい。好ましくは、
図1に示される縦向きの形態である。このように、個装生理用ナプキンNは、正面部21Cに形成された窓部23を通して個装生理用ナプキンNの折返し部10cが視認可能な向きで包装袋21内に収納されている。また、縦向きに配置する場合は、上下方向に2段以上に積層して配置してもよい。
【0051】
〔個装シート10の色領域〕
本発明にかかる生理用ナプキン1の包装体20では、前記窓部23から臨む部分の前記個装シート10に、個装生理用ナプキンNの厚み方向に区画された異なる色からなる複数の色領域、図示例では第1色領域12と第2色領域13とが設けられている。すなわち、個装生理用ナプキンNのうち、前記窓部23から臨む部分の個装シート10の折返し部10cに、生理用ナプキン1を個装シート10とともに折り畳む際の折り線に沿って、前記第1色領域12及び第2色領域13が設けられている。前記第1色領域12及び第2色領域13は、前記折り線に沿うとともに、個装生理用ナプキンNの厚み方向(生理用ナプキン1の長手方向)に隣接して設けられており、各個装生理用ナプキンNの厚さの範囲内において前記窓部23を通して複数の色領域が視認できるようになっている。
図1に示されるように、窓部23から見える複数の個装生理用ナプキンNのそれぞれに、前記第1色領域12及び第2色領域13が設けられることにより、全体として縞模様が形成され、図示例のように個装生理用ナプキンNを縦向きに配置した形態では縦縞が形成され、図示しないが個装生理用ナプキンNを横向きに配置した形態では横縞が形成される。
【0052】
前記窓部23から臨む部分の前記個装シート10に前記複数の色領域12、13を形成することにより、これら複数の色領域で区画された部分が1つの個装生理用ナプキンNの厚みであると判断でき、窓部23を一見しただけで、個装生理用ナプキンNの厚みが明確に認識できるようになる。つまり、窓部23から見える複数の色領域によって形成される規則的な縞模様のうち、縞を構成する1つの単位となる色領域の組み合わせを1つの個装生理用ナプキンNと認識でき、個装生理用ナプキンNの厚みが一目ではっきりと認識できる。このため、包装袋21に収納された状態でも、個装生理用ナプキンNの厚みが厚いか薄いかが明確に判断でき、鞄に入れて持ち歩くときなどの携帯状態をイメージしやすくなる。生理用ナプキン1の厚みは、装着時の違和感を軽減するため極力薄くしたものや、ある程度の厚みを有することにより使用者に安心感を与えるようにしたものなど様々であるが、その厚みがどの程度なのかが、包装袋21から取り出さなくても明確に認識できるようになる。
【0053】
前記第1色領域12と第2色領域13の一実施形態例として、
図1、
図2及び
図4に示されるように、各個装生理用ナプキンNの窓部23から臨む部分を厚み方向に2つの領域に区画したとき、前記第1色領域12は一方側の領域に設けられ、前記第2色領域13は他方側の領域に設けられるようにすることができる。これにより、
図1及び
図2に示されるように、隣り合う個装生理用ナプキンN、Nの間で第1色領域12と第2色領域13とが交互に配置されるため、第1色領域12及び第2色領域13の組み合わせを1つの個装生理用ナプキンNとして厚みがより明確に認識できる。すなわち、色の異なる第1色領域12と第2色領域13とが隣り合って交互に配置されるため、第1色領域12及び第2色領域13が1つの個装生理用ナプキンNと認識しやすくなるとともに、隣り合う個装生理用ナプキンNの隣接する部分には異なる色領域が配置されるため、隣り合う個装生理用ナプキンNとの境界が明確に区別できるようになる。
【0054】
ここで、前記第1色領域12及び第2色領域13は、各個装生理用ナプキンNの窓部23から臨む部分の厚みに対して、ほぼ1/2ずつの割合で設けるのがよい。これによって、前記窓部23を通して第1色領域12と第2色領域13がほぼ均等の幅で交互に配置されるため、この第1色領域12及び第2色領域13の組を1つの個装生理用ナプキンNの厚みと認識しやすくなる。前記第1色領域12と第2色領域13をほぼ等幅に形成するには、
図10に示されるように、前側折り線X3を境界として、その前後にそれぞれほぼ等幅の第1色領域12及び第2色領域13を形成することにより成すことができる。
【0055】
前記第1色領域12及び第2色領域13は、
図10に示されるように、個装シート10を折り畳む折り線X3に沿って設けるとともに、その隣接する前後部にもそれぞれ同様に設けるのが好ましい。これにより、折り位置がずれても、前記第1色領域12及び第2色領域13が所望の部位に配置されるようになる。
【0056】
なお、各個装生理用ナプキンNの窓部23から臨む部分を厚み方向に2つの領域に区画し、それぞれの領域を第1色領域12、第2色領域13とし、第1色領域12及び第2色領域13を折り線X3を境界としてその前後にそれぞれ配置する際、前記第1色領域12及び第2色領域13を、各個装生理用ナプキンNの窓部23から臨む部分の厚みに対して、1/2より大きな幅で形成してもよい。これにより、第1色領域12と第2色領域13の境界できっちりと半分に折り畳まれず、折り線が若干前後にずれた場合でも、前後部に色領域が延在しているため、一方の色領域の側端から別の色が見えてしまうことがなくなる。
【0057】
隣り合う前記色領域の色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、色相番号が6以上ずれているのがよい。これにより、隣り合う2つの色領域を区別しやすくなる。また、隣り合う前記色領域の色は、白基調の色と黒基調の色でもよい。ここで、白基調の色とは、標準白色板(L*=96.76、a*=+0.44、b*=2.17)に対する(L*a*b*)色空間のΔL*が4.0以下の色であり、黒基調の色とは、前記標準白色板に対する(L*a*b*)色空間のΔL*が54.0以上の色である。また、隣り合う前記色領域の色は、赤、青、黄などの特定の色相を有する色と、白基調の色又は黒基調の色とで構成してもよい。
【0058】
隣り合う色領域を明確に区別しやすくするため、隣り合う前記色領域の色は補色の関係にあるのがより好ましい。補色の関係とは、色相環において正反対に配置された色同士のことを意味し、色の表現法によって異なるが、例えば、RYBの場合は、赤と緑、青と橙、黄と紫、RGBの場合は、赤とシアン、マゼンタと緑、黄と青の関係が挙げられる。更に、前記第1色領域12と第2色領域13とで1つの個装生理用ナプキンNを形成していることが明確に認識できるようにするため、第1色領域12と第2色領域13との境界部分の色が混じり合って徐々に変化するグラデーションを形成してもよい。
【0059】
前記第1色領域12及び第2色領域13を施すには、前記第1色領域12と第2色領域13のいずれか一方を個装シート10の地色とし、この個装シート10の外面の所定領域に、いずれか他方の色領域を印刷又は別部材の接合により設けることができる。
【0060】
前記色領域は、
図10に示されるように、生理用ナプキン1を個装シート10とともに長手方向に折り畳む折り線X1~X3のうち、前側折り線X3に沿って設けるのが好ましい。この前側折り線X3は、上述の折り畳み手順で説明したように、2つ折りした生理用ナプキン1の後方部分の上面に生理用ナプキン1の前方部分を積層する、最後に折り畳む折り線であり、折り位置のずれが生じにくく、比較的安定した位置に折れ線が形成されやすい。このため、前記前側折り線X3に沿って色領域を設けることにより、前記第1色領域12及び第2色領域13が所望の位置に形成されやすくなる。
【0061】
図示例のように、前記色領域は、前側折り線X3のみに沿って設け、その他の折り線X1、X2には設けないのが好ましい。すなわち、前記色領域が、一対の折返し部10c、10cのうち片側の折返し部10cのみに設けられている。前記窓部23は、包装袋21の正面部21Cのみに設けられ、反対側の背面部21Dには設けられないことが多いので、正面部21Cに前記前側折り線X3で折り畳まれた折返し部10cを対向させて、個装生理用ナプキンNを包装袋21内に収納することにより、窓部23を通して第1色領域12及び第2色領域13が見えるようになる。また、色領域を設ける範囲が限定できるため、製造が簡略化できる。更に、生理用ナプキン1の装着時に、個装生理用ナプキンNを包装袋21から取り出して開封する際、前記色領域が設けられた折返し部10cを上側にして開封することにより、常に個装された生理用ナプキン1の前側が上方に向いた状態で取り出すことができるため、装着時に生理用ナプキン1の上下を気にせず、個装から取り出した状態のまま下着に装着することで、装着作業が簡略化できる。
【0062】
その一方で、前記色領域は、図示しないが、生理用ナプキン1を個装シート10とともに長手方向に折り畳む折り線X1~X3のうち、中間折り線X2及び前側折り線X3の両方に沿ってそれぞれ設けてもよい。すなわち、前記色領域が、一対の折返し部10c、10cの両方に設けられている。この場合は、向きを気にせずに個装生理用ナプキンNを包装袋21内に収納することができるとともに、窓部23を包装袋21の正面部21Cのみならず背面部21Dにも設けた場合でも、この背面部21Dに設けられた窓部23から内部の個装生理用ナプキンNの色領域が見えるようになる。
【0063】
前記色領域は、個装シート10うち、少なくとも前記窓部23から臨む幅方向の一部に設けられていればよいが、
図10に示されるように、個装シート10の全幅に亘って設けるのが好ましい。これにより、包装袋21に収納された個装生理用ナプキンNが包装袋21内で多少ずれても、窓部23から色領域が確実に見えるようになる。
【0064】
前記色領域の他の実施形態例について、
図11及び
図12に基づいて説明する。
図11及び
図12に示される形態例も、上記形態例と同様に、色領域が第1色領域12と第2色領域13とで構成されている。そして、本形態例では、各個装生理用ナプキンNの前記窓部23から臨む部分を厚み方向に3つの領域に区画したとき、前記第1色領域12は区画した3つの領域のうち中央領域に設けられ、前記第2色領域13はその両側の領域にそれぞれ設けられている。つまり、各個装生理用ナプキンNの窓部23を通して見える折返し部10cには、厚み方向の中央部に折り線に沿って第1色領域12が設けられ、その両側にそれぞれ第2領域13が設けられることにより、第1色領域12が第2色領域13、13で挟まれた状態となっている。このため、両側の第2色領域13、13で挟まれた部分が1つの個装生理用ナプキンNの厚みであると認識しやすくなる。従って、両側の第2色領域13、13が目印となって各個装生理用ナプキンNの厚みが認識できるため、生理用ナプキン1を個装シート10とともに長手方向に折り畳む際の折り線位置が多少ずれても、両側の第2色領域13、13が見えている限り、個装生理用ナプキンNの厚みが認識できるようになる。
【0065】
このとき、前記第1色領域12の幅は、各個装生理用ナプキンNの窓部23から臨む部分の厚みに対して、ほぼ1/2の割合で形成し、前記第2色領域13の幅は、各個装生理用ナプキンNの窓部23から臨む部分の厚みに対して、ほぼ1/4ずつの割合で形成するのがよい。このように、隣り合う個装生理用ナプキンNとの境界の目印となる第2色領域13の幅を中央部の第1色領域12の幅の約半分とすることにより、個装生理用ナプキンNを区分けする輪郭線としての役割が明確となり、1つの個装生理用ナプキンNの厚みを認識しやすくなる。
【符号の説明】
【0066】
1…生理用ナプキン、2…裏面シート、3…表面シート、4…吸収体、5…本体用剥離材、6…ウイング用剥離材、7…サイドシート、8…本体ズレ止め粘着剤層、9…ウイングズレ止め粘着剤層、10…個装シート、11…タブテープ、12…第1色領域、13…第2色領域、20…包装体、21…包装袋、22…封止部、23…窓部、N…個装生理用ナプキン