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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-21
(45)【発行日】2025-03-31
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/00 20240101AFI20250324BHJP
   B08B 3/04 20060101ALI20250324BHJP
【FI】
B08B1/00
B08B3/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021081832
(22)【出願日】2021-05-13
(65)【公開番号】P2022175450
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 湧星
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩司
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-327932(JP,A)
【文献】実開昭59-002486(JP,U)
【文献】特開2020-195933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00
B08B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を保持して、前記被洗浄物を回転駆動する回転駆動装置と、
前記回転駆動装置に保持されて回転する前記被洗浄物の表面を擦り洗浄する擦り洗浄材と、
前記擦り洗浄材を前記回転駆動装置の回転軸に平行に移動させる送り駆動装置と、
固定部と前記固定部に進退自在に支持される可動部を備えて、前記可動部に前記擦り洗浄材を支持して、前記擦り洗浄材を前記被洗浄物に向けて押し出す押圧支持装置と、
前記押圧支持装置の前記可動部が前記固定部に対して進退しても、前記擦り洗浄材が前記被洗浄物を押圧する押圧力が一定になるように調整する押圧力調整装置と、
前記擦り洗浄材を前記回転駆動装置の回転軸に平行に移動自在に支持する移動支持装置を備え、
前記移動支持装置は、
前記回転軸の軸方向に延びる支持桁と、
前記支持桁に固定されて、前記軸方向に延びる案内レールと、を備えるとともに、
前記支持桁と前記案内レールは、前記軸方向において、複数個のユニットに分割され、
前記ユニットは、ヒンジを介して、隣接する他の前記ユニットに連結されている
洗浄装置。
【請求項2】
被洗浄物を保持して、前記被洗浄物を回転駆動する回転駆動装置と、
前記回転駆動装置に保持されて回転する前記被洗浄物の表面を擦り洗浄する擦り洗浄材と、
前記擦り洗浄材を前記回転駆動装置の回転軸に平行に移動させる送り駆動装置と、
固定部と前記固定部に進退自在に支持される可動部を備えて、前記可動部に前記擦り洗浄材を支持して、前記擦り洗浄材を前記被洗浄物に向けて押し出す押圧支持装置と、
前記押圧支持装置の前記可動部が前記固定部に対して進退しても、前記擦り洗浄材が前記被洗浄物を押圧する押圧力が一定になるように調整する押圧力調整装置と、
前記回転駆動装置と前記送り駆動装置とを支持する共通台板を備え、
前記共通台板は、互いに進退自在に支持され複数個の部材に分割されるとともに、
前記複数個の部材が互いに引き出された状態で、前記複数個の部材を互いに位置決めする位置決め手段を備える、
洗浄装置
【請求項3】
前記擦り洗浄材を前記回転駆動装置の回転軸に平行に移動自在に支持する移動支持装置を備える、
請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記押圧支持装置の前記固定部は空気圧シリンダであって、前記可動部は前記空気圧シリンダに進退自在に支持されるピストンであり、
前記押圧力調整装置は、前記ピストンが前記空気圧シリンダに対して進退しても、前記空気圧シリンダ内の空気圧が一定になるように調整する空気圧調整装置である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記空気圧調整装置は、
空気源と前記空気圧シリンダの間に配置されて、前記空気源から前記空気圧シリンダに供給される空気の圧力を一定に保つ調整弁と、
前記空気圧シリンダに取り付けられて、前記空気圧シリンダ内の空気の圧力が前記一定の圧力を超えた場合に動作して、前記空気圧シリンダ内の空気を外部に放出する開放弁を、備える、
請求項に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記擦り洗浄材は、洗浄ブラシである、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄ブラシに洗浄水を供給する洗浄水供給手段を備える、
請求項に記載の洗浄装置。
【請求項8】
複数個の前記擦り洗浄材を備える、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記被洗浄物を前記回転駆動装置の回転軸回りに回転自在に支持する回転支持装置を備えて、
前記被洗浄物は、前記回転駆動装置と前記回転支持装置の間に挟持されて、前記回転駆動装置と前記回転支持装置によって両持ち支持される、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被洗浄物に擦り洗浄材を押し当てて洗浄する洗浄装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の洗浄装置は、被洗浄物を、その中心軸を回転軸として回転させる手段と、擦り洗浄材を被洗浄物の中心軸と幾何学上実質的にねじれの関係にある軸を回転軸として回転させる手段と、擦り洗浄材を被洗浄物の表曲面に接触させながら被洗浄物の回転軸方向に移動させる手段とを備えている。特許文献1によれば、擦り洗浄材が被洗浄物の表面に満遍なく接触するので、洗浄ムラの発生が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-243510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の洗浄装置は、被洗浄物が回転体であって、被洗浄物である回転体の長さ方向において当該回転体の半径が一定である場合に、効果を奏する。しかしながら、被洗浄物が回転体であっても、径が変化する場合、あるいは被洗浄物が非回転体である場合には、擦り洗浄材が被洗浄物を押圧する力が変動する。そのために、洗浄ムラが生じるという問題が生じる。
【0005】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、洗浄ムラの発生が抑制される洗浄装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本開示に係る洗浄装置は、被洗浄物を保持して、被洗浄物を回転駆動する回転駆動装置と、回転駆動装置に保持されて回転する被洗浄物の表面を擦り洗浄する擦り洗浄材と、擦り洗浄材を回転駆動装置の回転軸に平行に移動させる送り駆動装置とを備える。これらに加えて、本開示に係る洗浄装置は、固定部と固定部に進退自在に支持される可動部を備えて、可動部に擦り洗浄材を支持して、擦り洗浄材を被洗浄物に向けて押し出す押圧支持装置と、押圧支持装置の可動部が固定部に対して進退しても、擦り洗浄材が被洗浄物を押圧する押圧力が一定になるように調整する押圧力調整装置と、擦り洗浄材を回転駆動装置の回転軸に平行に移動自在に支持する移動支持装置と、を備える。そして、移動支持装置は、回転軸の軸方向に延びる支持桁と、支持桁に固定されて、軸方向に延びる案内レールと、を備えるとともに、支持桁と案内レールは、軸方向において、複数個のユニットに分割され、ユニットは、ヒンジを介して、隣接する他のユニットに連結されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、本開示に係る洗浄装置は、擦り洗浄材が被洗浄物を押圧する押圧力が一定になるように調整する押圧力調整装置を備えるので、擦り洗浄材が押圧支持装置に対して進退しても擦り洗浄材の押圧力の変動は限定される。そのため、擦り洗浄材の押圧力の変動に起因する洗浄ムラの発生が抑制される。また、本開示に係る洗浄装置は、擦り洗浄材を回転駆動装置の回転軸に平行に移動自在に支持する移動支持装置と、を備える。そして、移動支持装置は、複数個のユニットに分割され、ユニットは、ヒンジを介して、隣接する他のユニットに連結されている。そのため、洗浄装置の運搬・移設を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る洗浄装置の正面図
図2図1に記載の洗浄装置が備える基台の構成を示す図であって、(A)は基台を拡げた状態を示す正面図、(B)は基台が備えるインデックスプランジャの構成を示す説明図、(C)は基台を縮めた状態を示す正面図、(D)は基台を(C)において、PP’線で示す平面で切断した断面図
図3図1に記載の洗浄装置が備える回転駆動装置の正面図
図4図1に記載の洗浄装置が備える回転支持装置の正面図
図5】(A)は図1に記載の洗浄装置が備える支持桁の平面図、(B)は支持桁の正面図、(C)は支持桁を折り畳んだ状態を示す平面図
図6図1に記載の洗浄装置が備える洗浄材ホルダの正面図
図7図6に記載の洗浄材ホルダが備える空気圧調整装置の構成を示す構成図
図8】第1の変形例に係る洗浄材ホルダの正面図
図9】第2の変形例に係る洗浄装置の正面図
図10】押圧支持装置と押圧力調整装置の別例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る洗浄装置の構成と作用を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面においては、同一または同等の部分に同一の符号を付している。
【0010】
図1は、本開示の実施の形態に係る洗浄装置1の正面図である。なお、本実施の形態においては、分解、運搬及び移設の容易性を考慮した洗浄装置1を例示している。図1に示すように、洗浄装置1は設置場所に載置され固定される基台2を備える。基台2は後述する構成部品を支持する共通台板の一例である。基台2の上には、被洗浄物Wが保持されて、被洗浄物Wを図1においてTで示す軸回りに回転駆動する回転駆動装置3と、被洗浄物WをT軸回りに回転自在に支持する回転支持装置4が配置されている。そのため、被洗浄物Wは回転駆動装置3と回転支持装置4の間に挟持されて、T軸回りに回転駆動される。基台2と回転駆動装置3と回転支持装置4の詳細な構成と作用については、後述する。
【0011】
図1に示すように、基台2には4本の柱部材5が立設されている。また、被洗浄物Wの上方には、支持桁6が配置されていて、柱部材5に固定されている。支持桁6の上面には案内レール7が固定されている。支持桁6と案内レール7の詳細な構成と作用については、後述する。
【0012】
図1に示すように、案内レール7の上方には、送り駆動装置8が配置されている。送り駆動装置8は、図1において左端に配置された柱部材5に軸支されて図示しない電動機によって回転駆動される駆動プーリ81と、右端に配置された柱部材5に軸支されて自由に回転する従動プーリ82と、駆動プーリ81と従動プーリ82の間に巻き回されて、両者の間を循環する駆動ベルト83とを備える。また、送り駆動装置8は図示しないばね要素によって支持されて、駆動ベルト83に当接して、駆動ベルト83に適切な張力を与えるテンションプーリ84を備えている。
【0013】
図1に示すように、洗浄装置1は、洗浄材ホルダ9を備えている。洗浄材ホルダ9の先端には、洗浄ブラシ10が保持されている。洗浄ブラシ10は本開示の擦り洗浄材の例示であって、被洗浄物Wに当接して、被洗浄物Wを洗浄する部材である。洗浄材ホルダ9は本開示の押圧支持装置の例示であって、洗浄ブラシ10を被洗浄物Wに対して進退自在に支持して、洗浄ブラシ10を被洗浄物Wに向けて押し出す装置である。また、洗浄材ホルダ9の基部には支持架91が固定されている。支持架91は案内レール7に摺動自在に支持されて、案内レール7の長手方向自在に摺動できる。つまり、洗浄材ホルダ9は支持架91を介して、案内レール7に摺動自在に支持されて、案内レール7の長手方向自在に移動できる。洗浄材ホルダ9の図1における上下方向の移動は案内レール7によって拘束される。そのため、洗浄ブラシ10が被洗浄物Wから受ける反力は案内レール7に負荷される。このように、案内レール7は、洗浄ブラシ10を回転駆動装置3の回転軸に平行に移動自在に支持する移動支持装置として機能する。また、支持架91にはクランプ部材92が固定されていて、クランプ部材92は駆動ベルト83にクランプされている。
【0014】
このように構成されているので、送り駆動装置8を動作させて、駆動ベルト83を駆動プーリ81と従動プーリ82の間で、時計回り又は反時計回りに循環させると、洗浄ブラシ10は、図1において、+X1あるいは-X1で示す方向に移動する。つまり、洗浄ブラシ10を回転駆動装置3の回転軸に平行に移動させる送り動作がなされる。また、前述したように、洗浄装置1は回転駆動装置3を備えていて、被洗浄物Wは回転駆動装置3によって、T軸回りに回転される。そのため、洗浄装置1によれば、被洗浄物WをT軸回りに回転させながら、洗浄ブラシ10をT軸に平行に移動させて、被洗浄物Wの外表面の全体を洗浄することができる。
【0015】
なお、本明細書において、「T軸に平行」とは「T軸に対して実質的に平行」を意味する。送り動作の移動方向がT軸に平行な成分を有していて、送り動作によって、被洗浄物Wの長さ方向の洗浄対象範囲に洗浄ブラシ10を押し当てることができるならば、洗浄ブラシ10の移動方向がT軸に対して傾いても「T軸に対して実質的に平行」であるとみなされる。また、送り動作の途中で移動方向が変更されて、洗浄ブラシ10が曲線を描いて移動しても、被洗浄物Wの長さ方向の洗浄対象範囲に洗浄ブラシ10を押し当てることができるならば、「T軸に対して実質的に平行」であるとみなされる。
また、洗浄材ホルダ9の詳細な構成と作用については、後述する。
【0016】
また、図1に記載の洗浄装置1を移設する際には、基台2から回転駆動装置3と回転支持装置4を取り外すことができる。また基台2から柱部材5を取り外すことができる。柱部材5から支持桁6と送り駆動装置8を取り外すことができる。また、案内レール7と送り駆動装置8から洗浄材ホルダ9を取り外すことができる。洗浄装置1は上記のように分解できるので、移設時の運搬が容易である。また、移設先での再組立ても容易である。
【0017】
次に、図2を参照して、洗浄装置1が備える基台2の構成と作用を説明する。図2(A)は基台2を拡げた状態を示す正面図であり、図2(B)は基台2が備えるインデックスプランジャ24,25の構成を示す説明図である。図2(C)は基台2を縮めた状態を示す正面図である。図2(D)は基台2を図2(C)において、PP’線で示す平面で切断した断面図である。
【0018】
図2(A)に示すように、基台2は、第1の部材21、第2の部材22及び第3の部材23を備えている。そして、第2の部材22は自身の長手方向に進退自在に第1の部材21に支持されている。第3の部材23は自身の長手方向に進退自在に第2の部材22に支持されている。基台2の使用時には、図2(A)に示すように、第2の部材22は第1の部材21から、第3の部材23は第2の部材22から引き出される。その結果、基台2は長さ方向に展開される。
【0019】
また、図2(A)に示すように、基台2は、インデックスプランジャ24,25を備えている。第1~3の部材21~23は、インデックスプランジャ24,25によって位置決め固定されている。インデックスプランジャ24,25は、図2(B)に示すように、本体26と、本体26に対して図の上下方向に進退自在に取り付けられたピン27と、ピン27の上端に固定されたノブ28を備えている。インデックスプランジャ24の本体26は第1の部材21に固定されている。インデックスプランジャ25の本体26は第2の部材22に固定されている。図2(B)に示す状態において、インデックスプランジャ24のピン27は、第2の部材22に形成された嵌合穴29に嵌合されている。インデックスプランジャ25のピン27は、第3の部材23に形成された嵌合穴29に嵌合されている。このように、インデックスプランジャ24,25のピン27を嵌合穴29に嵌合させることによって、第1~3の部材21~23は相互に位置決め固定される。また、ノブ28を持って、ピン27を図の上方に引き上げて、ピン27を嵌合穴29から引き出せば、第1~3の部材21~23の相互の位置決め固定が解除される。なお、インデックスプランジャ24,25の本体26は図示しないロック機構を備えていて、ピン27はピン27を嵌合穴29に嵌合させた状態と、ピン27を嵌合穴29から引き出した状態でロックされる。また、図2(A)に示すように、第2の部材22と第3の部材23には、図2(A)に示す状態においてピン27が嵌合される嵌合穴29と、後述する図2(C)に示す状態においてピン27が嵌合される嵌合穴29’とが穿設されている。このように、インデックスプランジャ24,25は、第1~3の部材21~23を相互に位置決めする位置決め手段として機能する。
【0020】
また、洗浄装置1を分解して、基台2を格納あるいは運搬する場合には、図2(C)と図2(D)に示すように、第2の部材22を第1の部材21に、第3の部材23を第2の部材22に、それぞれ引き込んで、基台2の長さを縮めることができる。また、図2(C)と図2(D)に示す状態においては、インデックスプランジャ24,25のピン27は嵌合穴29’に嵌合される。そのため、図2(C)と図2(D)に示す状態においても、インデックスプランジャ24,25によって、第1~3の部材21~23は相互に位置決め固定される。
【0021】
このように、基台2は複数個の部材で構成されていて、該複数個の部材を基台2の長さ方向において、互いに進退させることができる。そのため、洗浄装置1を分解した場合に、基台2の長さを縮めることができるので、基台2の格納あるいは運搬が容易になる。
【0022】
図3は洗浄装置1が備える回転駆動装置3の正面図である。図3に示すように、回転駆動装置3は電動機31を備えている。電動機31の出力軸はカップリング32を介して駆動軸33に接続されている。駆動軸33の先端には保持部支持盤34が固定され、保持部支持盤34にはストッパ35と保持部36が固定されている。また、駆動軸33は2台の軸受台37で回転自在に支持されている。また電動機31と軸受台37は、それぞれ、支持台38を介して第3の部材23に固定されている。以上の構成を備えているので、ストッパ35と保持部36は電動機31によって回転駆動されて、T軸回りに回転する。
【0023】
本実施の形態において、被洗浄物Wは中空円筒状の部材である。保持部36は、中空円筒状の被洗浄物Wの一方端から被洗浄物Wに嵌挿されて被洗浄物Wを保持する部材である。保持部36は、薄肉中空円筒状の部材であって、図3に示すように、その端部に、長さ方向に延びる複数個のスリットを備えている。また、複数個のスリットは円周状に配列されている。保持部36は、かかる複数個のスリットを備えているので、その先端において、径を縮める方向に容易に変形する。そのため、被洗浄物Wの嵌挿が容易になる。また、保持部36と被洗浄物Wの間のフィット性を向上させるために、保持部36の外周側の表面はスポンジ材で被覆されている。
【0024】
ストッパ35は、被洗浄物Wの端面に密着して、該端面を水密に封止する部材である。つまり、ストッパ35を備える事によって、被洗浄物Wの端面が水密に封止されるので、被洗浄物Wの内部への水の侵入が防止される。
【0025】
図4は洗浄装置1が備える回転支持装置4の詳細な構成を示す正面図である。図4に示すように、回転支持装置4は移動台41を備えている。移動台41は図示しない摺動台を介して、第1の部材21に取り付けられている。また、回転支持装置4は、移動台41と摺動台の間に図示しないロック装置を備えている。そのため、ロックを解除した状態においては、移動台41を第1の部材21に対して、図4において+X2あるいは-X2で示す方向に移動させることができる。移動台41をロックすると、移動台41は第1の部材21に固定される。
【0026】
そして、図4に示すように移動台41には軸受42が固定されている。軸受42には回転軸43がT軸回りに回転自在に軸支されている。回転軸43の先端には軸継手44が取り付けられ、軸継手44には保持部支持盤45が固定されている。保持部支持盤45にはゴム材46が固定され、ゴム材46の先端にはスポンジ材47が固定されている。以上の構成を備えているので、ゴム材46とスポンジ材47は、T軸回りに自由回転する。
【0027】
図4に示すように、被洗浄物Wの端面はスポンジ材47に押し当てられる。そのため、被洗浄物Wとスポンジ材47との間の摩擦力によって、被洗浄物Wは回転支持装置4に保持される。スポンジ材47は被洗浄物Wの端面の凹凸になじんで、端面を水密に封止する。ゴム材46は被洗浄物Wを回転支持装置4に取り付ける際の衝撃を緩和して、被洗浄物Wの破損を防ぐクッション材として機能する。
【0028】
なお、被洗浄物Wの洗浄装置1への取り付けは、以下の手順で行われる。すなわち、移動台41のロックを解除して、移動台41を-X2方向に移動させて、回転駆動装置3と回転支持装置4の間の間隔を拡げる。次に、回転駆動装置3と回転支持装置4の間に被洗浄物Wを入れて、回転駆動装置3の保持部36を被洗浄物Wに嵌挿させる。その後で、移動台41を+X2方向に移動させて、回転支持装置4のスポンジ材47を被洗浄物Wに当接させて、被洗浄物Wを押圧する。最後に移動台41を第1の部材21に対してロックする。以上の手順を経て、被洗浄物Wは回転駆動装置3と回転支持装置4の間に挟持される。被洗浄物Wの洗浄装置1から取り出しは、上記の手順を逆にたどって実施される。
【0029】
次に、図5(A)~(C)を参照して、支持桁6の構成と作用を説明する。なお、図5(A)は支持桁6の平面図であり、図5(B)は支持桁6の正面図である。また、図5(C)は支持桁6を折り畳んだ状態を示す平面図である。
【0030】
図5(A)と図5(B)に示すように、支持桁6は、その長さ方向において、4個の支持桁ユニット61に分割されている。4個の支持桁ユニット61はヒンジ62を介して、互いに連結されている。また、案内レール7も、その長さ方向において、4個の部材に分割されていて、分割された部材のそれぞれが、4個の支持桁ユニット61のそれぞれにボルト71によって固定されている。
【0031】
なお、案内レール7にはボルト71が挿通される図示しないボルト穴が形成されている。そして、該ボルト穴は案内レール7の長さ方向に延びる長穴である。そのため、ボルト71を緩めて、ボルト71を長穴に対して相対的にずらすことによって、案内レール7の支持桁ユニット61に対する取り付け位置を微調整することができる。
【0032】
上記のように、4個の支持桁ユニット61がヒンジ62を介して、互いに連結されていて、4個の支持桁ユニット61はヒンジ62回りに相対的に回動する。そのため、洗浄装置1を分解して、支持桁6を取り出した場合に、支持桁ユニット61をヒンジ62回りに回動させることによって、支持桁6を折り畳むことができる。つまり、支持桁6の形態を図5(A)に示す形態から図5(C)に示す形態に変更することができる。支持桁6を折り畳むことによって、支持桁6の格納と運搬が容易になる。また、洗浄装置1の運搬・移設が容易になる。
【0033】
なお、ヒンジ62は図示しないロック装置を備えていて、ヒンジ62は図5(A)に示す状態と図5(C)に示す状態においてロックされる。つまり、図5(A)に示す状態と図5(C)に示す状態は、ヒンジ62が備えるロック装置によって保持される。
【0034】
次に、図6を参照して、洗浄材ホルダ9の詳細な構成と作用を説明する。なお図6は、洗浄材ホルダ9の正面図である。図6に示すように、洗浄材ホルダ9は洗浄ブラシ10を被洗浄物Wに向けて押し出す空気圧シリンダ93を備えている。空気圧シリンダ93には、空気圧によって動作するピストン94が進退自在に取り付けられている。ピストン94の先端には洗浄ブラシ10が取り付けられている。なお、空気圧シリンダ93は本開示の押圧支持装置の固定部の一例であり、ピストン94は押圧支持装置の可動部の一例である。なお、空気圧シリンダ93のピストン94は被洗浄物Wの表面に対して垂直に進退する。また、空気圧シリンダ93は後述する空気圧調整装置を備えているので、ピストン94が空気圧シリンダ93に対して進退しても、ピストン94の押圧力の変動は限定される。つまり、被洗浄物Wの表面に凹凸があって、そのために空気圧シリンダ93と被洗浄物Wの表面の間の距離dが変動して、その結果、ピストン94が空気圧シリンダ93に対して進退しても、洗浄ブラシ10が被洗浄物Wの表面を押す力の変動は限定される。
【0035】
なお、本実施の形態において、洗浄ブラシ10は、円盤状のブラシを想定している。そして円盤の直径は200mmを想定している。また、洗浄ブラシ10の毛足の長さは50mm程度を想定している。また、洗浄ブラシ10の毛の素材は柔軟なプラスチックを想定している。
【0036】
図7は、洗浄材ホルダ9の空気圧シリンダ93が備える空気圧調整装置95の構成を示す構成図である。図7に示すように、空気圧調整装置95は、圧力調整弁96と逆止弁97と開放弁98を備えている。圧力調整弁96は空気源99と逆止弁97の間に配置されて、空気源99から供給される圧縮空気を事前に設定された圧力まで減圧する調整弁である。逆止弁97は、圧力調整弁96と空気圧シリンダ93の間に配置されて、空気圧シリンダ93内の空気の空気源99への逆流を防止する弁である。開放弁98は空気圧シリンダ93に取り付けられて、空気圧シリンダ93内の空気圧が事前に設定された圧力を超えた場合に開放されて、空気圧シリンダ93内の空気を外部に放出する弁である。圧力調整弁96の設定圧力と開放弁98の設定圧力は等しくされている。つまり、圧力調整弁96を通って空気圧シリンダ93に供給される空気の圧力と、開放弁98が開放される時の空気圧シリンダ93内の空気の圧力は等しくされている。空気源99は空気圧を利用する機器に圧縮空気を供給する装置あるいは設備の総称である。空気源99の形式あるいは形態は限定されない。
【0037】
ここで空気圧調整装置95の作用を説明する。例えば、被洗浄物Wの表面に凹凸があって、被洗浄物Wの表面が空気圧シリンダ93に対して相対的に接近して、ピストン94が空気圧シリンダ93の中に押し込まれると、空気圧シリンダ93の内部の空気圧が上昇する。空気圧シリンダ93の内部の空気圧が上昇すると、開放弁98が開いて、空気圧シリンダ93の内部の空気が外部に放出される。その結果、空気圧シリンダ93の内部の空気圧は開放弁98の設定圧力に戻る。逆に、被洗浄物Wの表面が空気圧シリンダ93に対して相対的に離隔して、ピストン94が空気圧シリンダ93から引き出されると、空気圧シリンダ93の内部の空気圧が下降する。空気圧シリンダ93の内部の空気圧が下降すると、空気源99から圧力調整弁96を経由して圧縮空気が空気圧シリンダ93に供給される。その結果、空気圧シリンダ93の内部の空気圧は圧力調整弁96の設定圧力に戻る。また、前述したように、圧力調整弁96の設定圧力と開放弁98の設定圧力は等しくされている。そのため、ピストン94が空気圧シリンダ93に対して進退しても、空気圧シリンダ93の内部の空気圧が一定になるように調整される。したがって、例えば、被洗浄物Wの表面に凹凸があって、被洗浄物Wの表面と空気圧シリンダ93の距離が変動しても、洗浄ブラシ10が被洗浄物Wの表面を押圧する力の変動は限定される。
【0038】
このように、上記の実施の形態に係る洗浄装置1によれば、被洗浄物Wが回転体である場合に、被洗浄物Wの長さ方向において回転体の半径が変化しても、あるいは被洗浄物Wの表面に凹凸があっても、洗浄ブラシ10が被洗浄物Wの表面を押圧する力の変動は限定される。そのため、押圧力の変動に起因する洗浄ムラの発生が抑制される。
【0039】
また、上記の実施の形態に係る洗浄装置1は、基台2が伸縮自在に構成され、支持桁6が折り畳み自在に構成されているので、洗浄装置1を分解した場合に基台2と支持桁6の長さを縮めることができる。そのため、洗浄装置1の運搬と移設が容易になる。
【0040】
さて、本実施の形態に係る洗浄装置1による被洗浄物Wの洗浄は、次の順序で実施される。まず、回転支持装置4のロックを解除して、回転支持装置4を基台2に対してスライドさせて、回転駆動装置3と回転支持装置4の間の間隔を拡げる。次に、回転駆動装置3と回転支持装置4の間に被洗浄物Wを入れる。その後に、回転駆動装置3と回転支持装置4の間の間隔を狭めて、被洗浄物Wを回転駆動装置3と回転支持装置4の間に保持して、回転支持装置4を基台2に対してロックする。その後に、回転駆動装置3を動作させて、つまり、電動機31を回転させて、被洗浄物WをT軸回りに回転させる。次に洗浄材ホルダ9に圧縮空気を供給して、洗浄ブラシ10を被洗浄物Wに押し当てる。
【0041】
その後で、送り駆動装置8を動作させて、つまり、駆動ベルト83を駆動プーリ81と従動プーリ82の間で回して、洗浄ブラシ10の送り動作を開始する。送り動作と回転動作を組み合わせることによって、被洗浄物Wの洗浄対象領域に洗浄ブラシ10が順次押し当てられて、洗浄対象領域が順次洗浄される。
この間、被洗浄物Wの表面に凹凸があっても、洗浄ブラシ10が被洗浄物Wを押圧する力の変動は、空気圧調整装置95によって抑制される。なお、送り動作の回数は限定されない。洗浄対象領域の一方端から他方端まで1回だけ送り動作が行われても良いし、一方端と他方端の間を複数回往復しても良い。被洗浄物Wの洗浄対象領域は被洗浄物Wの全表面には限定されない。被洗浄物Wの洗浄対象領域が被洗浄物Wの一部である場合には、送り動作がなされる範囲も限定される。
【0042】
洗浄ブラシ10による被洗浄物Wの洗浄が完了したら、洗浄材ホルダ9への圧縮空気の供給を停止して、洗浄ブラシ10を被洗浄物Wから離す。そして、回転駆動装置3と送り駆動装置8の運転を停止する。最後に、回転支持装置4のロックを解除して、回転支持装置4を基台2に対してスライドさせて、回転駆動装置3と回転支持装置4の間の間隔を拡げて、被洗浄物Wを洗浄装置1から取り出す。なお、前述したように、本実施の形態に係る洗浄装置1によれば、上記の洗浄の過程において、洗浄ブラシ10が被洗浄物Wを押圧する押圧力の変動が限定されるので、洗浄ムラの発生が抑制される。
【0043】
図8は、本開示の第1の変形例に係る洗浄材ホルダ9の詳細な構成を示す正面図である。図8に示すように、第1の変形例に係る洗浄材ホルダ9は、支持架91の上に洗浄水タンク100を備えている。そして、洗浄水タンク100から洗浄ブラシ10に洗浄水を供給する給水ホース101を備えている。このように、第1の変形例に係る洗浄材ホルダ9は洗浄水タンク100と給水ホース101を備えているので、被洗浄物Wに洗浄水を流しながら、洗浄ブラシ10を被洗浄物Wに当てることができる。つまり、第1の変形例に係る洗浄材ホルダ9によれば、被洗浄物Wを水洗いすることができる。このように、洗浄水タンク100と給水ホース101は、洗浄ブラシ10に洗浄水を供給する洗浄水供給手段として機能する。なお、洗浄ブラシ10に代えて塗装ブラシを備えて、洗浄タンク100に塗料を入れれば、洗浄装置1を被洗浄物Wに塗料を筆塗りする塗装装置として活用することができる。
【0044】
上記において、洗浄装置1に洗浄ブラシ10を1個だけ備える例を示した。つまり、洗浄装置1に擦り洗浄材を1個だけ備える例を示した。しかしながら、洗浄装置1が備える擦り洗浄材は1個には限定されない。洗浄装置1は複数個の擦り洗浄材を備えていても良い。例えば、図9に示すように、洗浄装置1に2台の洗浄材ホルダ9を備えて、一方の洗浄材ホルダ9の先端に洗浄ブラシ10を取り付け、他方の洗浄材ホルダ9の先端にタオル11を取りつけても良い。この洗浄装置1によれば、洗浄ブラシ10による洗浄に続けて、タオル11による拭き取りを行うことができる。
【0045】
以上説明したように、上記の実施の形態及び変形例に係る洗浄装置1は空気圧調整装置95を備えるので、空気圧シリンダ93と被洗浄物Wとの間の距離が変化しても、洗浄ブラシ10が被洗浄物Wを押圧する押圧力の変動が限定される。そのため、被洗浄物Wが回転体である場合に、被洗浄物Wの長さ方向において回転体の半径が変化しても、あるいは被洗浄物Wの表面に凹凸があっても、洗浄ムラが発生しにくくなる。
【0046】
しかしながら、本開示の技術的範囲は上記の実施の形態及び変形例によっては限定されない。本開示は特許請求の範囲に記載の技術的思想の限りにおいて、自由に、応用、変形、あるいは改良して実施することができる。
【0047】
上記の実施の形態において、空気圧調整装置95が圧力調整弁96と開放弁98を備える例を示したが、空気圧調整装置は、圧力調整弁96と開放弁98を備えるものには限定されない。圧力調整弁96と開放弁98に代えて、2台の電動弁と空気圧シリンダ93内の空気圧を測定する圧力計を備えて、空気圧シリンダ93内の空気圧の変化に応じて、2台の電動弁を動作させるコンピュータを空気圧調整装置として機能させても良い。
【0048】
上記の実施の形態において、押圧支持装置の具体例として、空気圧シリンダ93と空気圧シリンダ93に進退自在に支持されるピストン94を示したが、押圧支持装置は空気圧で駆動されるものには限定されない。押圧支持装置は油圧で駆動されるものであっても良いし、サーボモータで駆動されるものであっても良い。
【0049】
押圧支持装置がサーボモータで駆動される場合には、押圧力調整装置は以下に示すように構成されても良い。すなわち、図10に示すように、サーボモータ200と、サーボモータ200で駆動されるボールねじ201と、ボールねじ201に螺合されるナット202と、ナット202をスライド自在に支持するスライドベース203とで、押圧支持装置204を構成する場合に、擦り洗浄材300とナット202の間に力覚センサ205を配置して、力覚センサ205で検出される擦り洗浄材300が被洗浄物Wから受ける反力の変動に応じてサーボモータ200を制御して、反力を一定に保つコンピュータ206を押圧力調整装置として機能させても良い。
【0050】
あるいは、力覚センサ205を備える代わりに、押圧支持装置204が被洗浄物Wから受ける反力の変化に起因するサーボモータ200の負荷トルクの変動を検出して、コンピュータ206で負荷トルクが一定になるようにサーボモータ200を制御しても良い。
【0051】
上記の実施の形態において、被洗浄物Wが回転駆動装置3と回転支持装置4で両持ち支持される例を示したが、本開示に係る洗浄装置は、回転駆動装置3に加えて、回転支持装置4を備えるものには限定されない。本開示に係る洗浄装置は、回転支持装置4を省いても良い。この場合、被洗浄物Wは回転駆動装置3に片持ち支持される。
【0052】
上記の実施の形態において、洗浄装置1が、送り駆動装置8に加えて、移動支持装置として機能する案内レール7を備える例を示したが、本開示に係る洗浄装置は、移動支持装置を備えるものには限定されない。送り駆動装置に移動支持装置としての機能があれば、移動支持装置を別個に設ける必要はない。
【0053】
上記の実施の形態において、送り駆動装置の具体例として、ベルト・プーリ機構を利用するものを示したが、本開示に係る洗浄装置は、ベルト・プーリ機構を送り駆動装置として備えるものには限定されない。本開示に係る洗浄装置が備える送り駆動装置は、ボールねじあるいはリニアモータを利用するものであっても良い。なお、送り駆動装置が、ボールねじあるいはリニアモータを利用するものである場合、移動支持装置を別個に設ける必要はない。
【0054】
上記の実施の形態において、回転駆動装置3の回転速度と送り駆動装置8の送り速度は、自由に選択できる。また、回転駆動装置3と送り駆動装置8は、個別に独立して制御されても良いし、同期制御されても良い。
【0055】
上記の実施の形態において、擦り洗浄材の具体例として、洗浄ブラシ10とタオル11を示したが、本開示に係る擦り洗浄材は洗浄ブラシ10とタオル11には限定されない。擦り洗浄材の素材、構成、構造は限定されない。擦り洗浄材は、回転自在に支持されたローラブラシであっても良いし、回転駆動されるローラブラシであっても良い。また、洗浄材ホルダ9に擦り洗浄材を着脱自在に取り付けて、擦り洗浄材の交換を可能にしても良い。
【0056】
上記の実施の形態において、洗浄水供給手段の具体例として、洗浄水タンク100と給水ホース101を組み合わせたものを例示した。そして、洗浄水タンク100が支持架91に固定されて、洗浄ブラシ10とともに回転駆動装置3の回転軸に平行に移動する例を示した。しかしながら、洗浄水タンク100は洗浄装置1の他の部位に固定されて動かないものであっても良いし、洗浄装置1から離隔した場所に設置されていても良い。あるいは、洗浄水タンク100を省いて、洗浄装置1が設置される場所にある既存の給水管に給水ホース101を繋いだものを洗浄水供給手段としても良い。
【0057】
上記の実施の形態において、位置決め手段の具体例として、インデックスプランジャ24,25を例示したが、本開示に係る位置決め手段は、インデックスプランジャには限定されない。本開示に係る位置決め手段は、互いに進退自在に支持された複数の部材を、特定の位置で機械的に位置決めする機能を有していれば十分であり、その形式及び形状は限定されない。
【0058】
また、上記の実施の形態において、中空円筒状の被洗浄物Wを例示したが、本開示に係る洗浄装置による洗浄対象である被洗浄物は中空円筒状あるいは中空円管状の部材には限定されない。被洗浄物は中実円柱状の部材であっても良い。そもそも、被洗浄物の外形は回転体には限定されない。回転駆動装置に保持されて、回転駆動される物体であれば、被洗浄物の外形は非回転体であっても良い。被洗浄物の外形は不定形であっても良い。
【符号の説明】
【0059】
1 洗浄装置、2 基台、3 回転駆動装置、4 回転支持装置、5 柱部材、6 支持桁、7 案内レール、8 送り駆動装置、9 洗浄材ホルダ、10 洗浄ブラシ、11 タオル、21 第1の部材、22 第2の部材、23 第3の部材、24,25 インデックスプランジャ、26 本体、27 ピン、28 ノブ、29,29’ 嵌合穴、31 電動機、32 カップリング、33 駆動軸、34 保持部支持盤、35 ストッパ、36 保持部、37 軸受台、38 支持台、41 移動台、42 軸受、43 回転軸、44 軸継手、45 保持部支持盤、46 ゴム材、47 スポンジ材、61 支持桁ユニット、62 ヒンジ、71 ボルト、81 駆動プーリ、82 従動プーリ、83 駆動ベルト、84 テンションプーリ、91 支持架、92 クランプ部材、93 空気圧シリンダ、94 ピストン、95 空気圧調整装置、96 圧力調整弁、97 逆止弁、98 開放弁、99 空気源、100 洗浄水タンク、101 給水ホース、200 サーボモータ、201 ボールねじ、202 ナット、203 スライドベース、204 押圧支持装置、205 力覚センサ、206 コンピュータ、300 擦り洗浄材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10