(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-21
(45)【発行日】2025-03-31
(54)【発明の名称】リアクトル
(51)【国際特許分類】
H01F 37/00 20060101AFI20250324BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20250324BHJP
H01F 27/24 20060101ALI20250324BHJP
H01F 27/245 20060101ALI20250324BHJP
【FI】
H01F37/00 M
H01F30/10 S
H01F37/00 A
H01F37/00 R
H01F27/24 K
H01F27/245
(21)【出願番号】P 2023551854
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2022036470
(87)【国際公開番号】W WO2023054593
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-03-12
(31)【優先権主張番号】P 2021159131
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄
(72)【発明者】
【氏名】高田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】清水 健志
(72)【発明者】
【氏名】角藤 清隆
(72)【発明者】
【氏名】近藤 拓真
(72)【発明者】
【氏名】田中 直樹
【審査官】小南 奈都子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-062306(JP,A)
【文献】特開2020-025036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 37/00
H01F 30/10
H01F 27/24
H01F 27/245
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に積層された複数の電磁鋼板からなるコアと、
該コアに巻回された線材からなるコイルと、
を備え、
前記電磁鋼板は、
第一方向に延びる第一部分、及び該第一部分から前記第一方向に直交する第二方向に延びるとともに前記第一方向に間隔をあけて配列された複数の第二部分を有する一対の外側部品と、
前記複数の第二部分を前記第二方向から対向させた状態で、これら第二部分同士を前記第一方向に接続する中央部品と、
前記第一部分における前記第二部分とは反対側の端縁から前記第二方向に突出するとともに前記第一方向に間隔をあけて配列された複数のフィン形成部と、
を有し
、
互いに同一の形状とされた複数の前記外側部品の前記第二部分同士が係合するようにワークが打ち抜かれることで、前記一対の外側部品が複数対形成され、
前記外側部品は、3つの前記第二部分を有し、
前記第一方向における外側に位置し、互いに第二方向における長さが異なる二つの前記第二部分のうち前記長さが短い一の第二部分の長さは、
他の前記第二部分の前記第二方向における長さと、前記第一部分の前記第二方向における幅の二倍との差未満であるリアクトル。
【請求項2】
3つの前記第二部分は、前記第一方向に並ぶ順に前記第二方向における長さが変化し、
前記第一方向における中央に位置する前記第二部分の前記第二方向における長さの二倍と、前記一の第二部分の前記第二方向における長さとの差は、
前記第一部分の前記第二方向における幅の二倍と、前記第二方向における長さが最も長い前記第二部分の長さとの和よりも大きい請求項
1に記載のリアクトル。
【請求項3】
前記複数の第二部分のうち、前記第一方向における外側に位置する前記一の第二部分の前記第二方向における長さが0である請求項
1に記載のリアクトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リアクトルに関する。
本願は、2021年9月29日に日本に出願された特願2021-159131号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
リアクタンスを発生させるための電気部品としてリアクトルが広く用いられている。リアクトルは、電磁鋼板を複数積層することで形成されたコアと、このコアに巻回された線材からなるコイルと、を備えている(例えば下記特許文献1、又は下記特許文献2)。
【0003】
リアクトル全体の寸法体格を小さくすることを目的として、1つのコアに2つのコイルを実装する例が増えている。この場合、例えば一対のE字型の外側部品と、これら外側部品同士の間に配置されるI字型の中央部品とによってコアを形成することができる。外側部品の3つの突出部のうち、中央の突出部に線材をそれぞれ巻回することで2つのコイルが形成される。
【0004】
ここで、中央の突出部と中央部品との間には、エアギャップとしての隙間が形成されている。したがって、その周囲では磁束密度が低くなる。一方で、当該中央の突出部の根元にはエアギャップが形成されていないことから、磁束密度が高くなる傾向にある。その結果、リアクトルを動作させた際に当該領域で発熱が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-93921号公報
【文献】中国実用新案第206194495号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のリアクトルではこのような発熱に対する対策が十分に講じられてこなかった。その結果、リアクトルの安定的な動作に影響が及ぶ虞があった。
【0007】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、より安定的に動作させることが可能なリアクトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示に係るリアクトルは、厚さ方向に積層された複数の電磁鋼板からなるコアと、該コアに巻回された線材からなるコイルと、を備え、前記電磁鋼板は、第一方向に延びる第一部分、及び該第一部分から前記第一方向に直交する第二方向に延びるとともに前記第一方向に間隔をあけて配列された複数の第二部分を有する一対の外側部品と、前記複数の第二部分を前記第二方向から対向させた状態で、これら第二部分同士を前記第一方向に接続する中央部品と、前記第一部分における前記第二部分とは反対側の端縁から前記第二方向に突出するとともに前記第一方向に間隔をあけて配列された複数のフィン形成部と、を有し、互いに同一の形状とされた複数の前記外側部品の前記第二部分同士が係合するようにワークが打ち抜かれることで、前記一対の外側部品が複数対形成され、前記外側部品は、3つの前記第二部分を有し、前記第一方向における外側に位置し、互いに第二方向における長さが異なる二つの前記第二部分のうち前記長さが短い一の第二部分の長さは、他の前記第二部分の前記第二方向における長さと、前記第一部分の前記第二方向における幅の二倍との差未満である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、より安定的に動作させることが可能なリアクトルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係るリアクトルの構成を示す断面図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る電磁鋼板を打ち抜く際の形状を示す説明図である。
【
図3A】本開示のその他の実施形態に係る電磁鋼板を打ち抜く際の形状の第一変形例を示す説明図である。
【
図3B】本開示のその他の実施形態に係る電磁鋼板を打ち抜く際の形状の第二変形例を示す説明図である。
【
図4】本開示のその他の実施形態に係る電磁鋼板を打ち抜く際の形状の第三変形例を示す説明図である。
【
図5】本開示のその他の実施形態に係るリアクトルの構成を示す断面図である。
【
図6】本開示のその他の実施形態に係る中央部品を打ち抜く際の形状の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(リアクトルの構成)
以下、本開示の実施形態に係るリアクトル100について、
図1と
図2を参照して説明する。リアクトル100は、電気回路上でリアクタンスを発生させるために用いられる部品である。
図1に示すように、リアクトル100は、コア1と、2つのコイル(第一コイル51、及び第二コイル52)と、を備えている。
【0012】
(コアの構成)
コア1は、板状の電磁鋼板90を厚さ方向に複数積層することで形成されている。電磁鋼板90は、一対の外側部品1aと、1つの中央部品1bと、を有している。
【0013】
外側部品1aは、第一方向D1に延びる第一部分11と、第一部分11から第一方向D1に直交する第二方向D2に突出するとともに第一方向D1に間隔をあけて配列された3つの第二部分12と、第一部分11における第二部分12とは反対側の端縁に設けられたフィン形成部13と、を有している。
【0014】
第一部分11、第二部分12、及びフィン形成部13は一体に形成されている。第一方向D1における第二部分12同士の間の離間寸法は互いに同一である。なお、ここで言う「同一」とは実質的な同一を指すものであり、製造上の誤差や設計上の公差は許容される。
【0015】
3つの第二部分12のうち、第一方向D1における中央に位置する第二部分12では、第二方向D2における寸法が他の第二部分12に比べて小さく設定されている。これは、当該中央の第二部分12と、後述する中央部品1bとの間にエアギャップを形成するためである。なお、第二部分12の数は好ましくは3つであるが、2つや4つ以上であってもよい。
【0016】
フィン形成部13は、第一方向D1に間隔をあけて複数配列されている。フィン形成部13は、第一部分11から第二方向D2に突出している。フィン形成部13は、電磁鋼板90が厚さ方向に積層された際にそれぞれフィン14を形成する。
【0017】
一対の外側部品1aのうち、一方側の外側部品1aにおけるフィン形成部13の第一方向D1における位置は、他方側の外側部品1aにおけるフィン形成部13の第一方向D1における位置と異なっている。さらに、
図2に示すように、打ち抜き加工時にフィン形成部13同士を第二方向D2から対向させた場合に、当該フィン形成部13同士が互いに係合する形状をなしている。言い換えれば、フィン形成部13は、一対の外側部品1a同士の間で、互いに補い合うように交互に配列されている。
【0018】
中央部品1bは、上記の3つの第二部分12を第一方向D1に接続するように、当該第一方向D1に延びている。第一方向D1における中央部品1bの寸法は、第二方向D2における第二部分12の寸法の2倍である。また、第二方向D2における中央部品1bの寸法は、第一方向D1における第二部分12同士の間の離間寸法と同一である。
【0019】
(コイルの構成)
第一コイル51、及び第二コイル52は、第一方向D1における中央の第二部分12にそれぞれ線材を複数回巻きまわすことで形成される。つまり、このリアクトル100は2つの独立したコイルを有している。線材の巻き方としてはこれまで提唱されている種々の態様を採ることが可能である。
【0020】
リアクトル100を形成するに当たっては、上記のような形状に打ち抜き加工された一対の外側部品1a、及び中央部品1bを厚さ方向に複数積層した後、線材を巻きまわして第一コイル51、及び第二コイル52を形成する。その後、中央部品1bの積層体と、一対の外側部品1aの積層体とを溶接することで、リアクトル100が完成する。
【0021】
(リアクトル用電磁鋼板の打ち抜き形状について)
次いで、
図2を参照して、リアクトル用電磁鋼板90の打ち抜き形状について説明する。リアクトル用電磁鋼板90を打ち抜く際のダイ(刃)は、
図2に示す形状となっている。すなわち、一対の外側部品1aが第二部分12同士を対向させるようにして配置されている。また、上述したようにフィン形成部13は、隣接する他の外側部品1aのフィン形成部13と係合するようにして配置されている。さらに、外側部品1aの第二部分12同士の間に形成される領域のうちの少なくとも1つは、中央部品1bを形成するための領域とされている。
【0022】
(作用効果)
ここで、第一方向D1における中央の第二部分12と中央部品1bとの間には、エアギャップとしての隙間が形成されている。したがって、その周囲では磁束密度が低くなる。一方で、当該中央の第二部分12の根元(つまり、第一部分11と接続されている部分)にはエアギャップが形成されていないことから、当該領域では磁束密度が高くなる傾向にある。その結果、リアクトル100を動作させた際に当該領域で発熱が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では上記のような構成を採っている。
【0023】
上記構成によれば、第一部分11にフィン形成部13が設けられていることから、電磁鋼板90を複数積層した際に、これらフィン形成部13によって複数のフィン14が形成される。このフィン14に熱が伝播して外部の空気に曝されることにより、コア1の発熱を逃がすことができる。これにより、リアクトル100をより安定的に動作させることが可能となる。
【0024】
さらに、上記の構成では、3つの第二部分12のうち、第一方向D1における中央に位置する第二部分12は、第二方向D2における寸法が他の第二部分12よりも小さい。
【0025】
上記構成によれば、中央に位置する第二部分12と、これに対向する中央部品1bとの間にエアギャップを形成することができる。また、当該中央に位置する第二部分12の根元(つまり、第一部分11との接続部)では発熱が亢進しやすいが、第一部分11にフィン形成部13が設けられていることにより、当該発熱を外部に効率的に逃がすことができる。
【0026】
また、上記の構成では、第一方向D1における中央部品1bの寸法は、第二方向D2における第二部分12の寸法の2倍である。さらに、第二方向D2における中央部品1bの寸法は、第一方向D1における第二部分12同士の間の離間寸法と同一である。
【0027】
上記構成によれば、中央部品1bと外側部品1aとを打ち抜き加工によって形成する際に材料となる板材の歩留まりを向上させることができる。つまり、無駄となる部分を低減することができる。具体的には、第二方向D2における外側部品1aの寸法が第二部分12の突出長さの2倍とされている。これにより、一対の外側部品1aを、第二部分12同士が対向するように組み合わせた状態で打ち抜き加工をする際に、第二部分12同士の間に形成される領域を中央部品1bとして無駄なく使用することができる。
【0028】
加えて、上記の構成では、一対の外側部品1aのうち、一方側の外側部品1aにおけるフィン形成部13の第一方向D1における位置は、他方側の外側部品1aにおけるフィン形成部13の第一方向D1における位置と異なっており、フィン形成部13同士を第二方向D2から対向させた場合に、フィン形成部13同士が係合する形状をなしている。
【0029】
上記構成によれば、外側部品1a同士を第二方向D2に連続させた状態で打ち抜き加工をする際に、フィン形成部13同士が互いに係合することから、打ち抜き加工で生じる無駄な部分が低減され、歩留まりを向上させることができる。
【0030】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、フィン形成部13(フィン14)が、第一方向D1に等間隔に配列されている例について説明した。しかしながら、フィン14の態様は上記に限定されず、例えば最も発熱が亢進しやすい領域(中央の第二部分12に対応する位置)ではフィン14の密度を高くし、その他の領域ではフィン14の密度を低くする構成を採ることも可能である。
【0031】
また、例えば、平板状を成すワークW(母材)に対して打ち抜き加工を実施する際の変形例として
図3Aに示すような形状を採ることも可能である。
【0032】
打ち抜き加工に際しては、
図3A中に実線で示したような形状を有するダイ(刃)によってワークWから部品が打ち抜かれる。以下、ワークWが打ち抜き加工されることで形成された複数の外側部品群10aの構成を説明する。
【0033】
複数の外側部品群10aは、ワークWが広がる方向に隣り合って配置されている。各外側部品群10aは、互いに同一の形状とされた複数の組立前外側部品1a´が一方向に一体の状態で並ぶことによって構成されている。
なお、これら外側部品群10aが互いに隣り合う方向における端に配置された外側部品群10aは、例えば、1つの組立前外側部品1a´によって構成されてもよい。
【0034】
各外側部品群10aにおける各組立前外側部品1a´は、第一方向D1に延びる第一部分11´と、この第一部分11´から第二方向D2に突出するとともに第一方向D1に間隔をあけて配列された3つの第二部分12´とを有している。
【0035】
図3Aの例では、組立前外側部品1a´の第一方向D1に並ぶ3つの第二部分12´における外側に配置された2つの第二部分12´のうち、一の第二部分12´の第二方向D2における長さが、長さが同一とされた他の2つの第二部分12´の第二方向D2における長さよりも短い。以下、説明の便宜上、3つの第二部分12´における外側に配置された2つの第二部分12´のうち、第二方向D2における長さが短い第二部分12´(上記一の第二部分12´)を「第二部分12a」と称し、もう一方の第二部分12´を「第二部分12b」と称する。また、これら第二部分12a及び第二部分12bの間に配置された第二部分12´を「第二部分12c」と称する。したがって、第二方向D2における第二部分12bの長さと、第二方向D2における第二部分12cの長さとは、同一である。
【0036】
一の外側部品群10aにおける各組立前外側部品1a´の第二部分12aは、一の外側部品群10aに隣り合う他の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12aに係合するようにワークW中に配置されている。ここでいう「係合」とは、一の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12a及び第二部分12cの間に、他の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12aが隙間無く嵌るようにワークW中に配置された状態を意味している。なお、一の外側部品群10a中の上記の一方向における端のうち一方の側に配置された組立前外側部品1a´の第二部分12aは、例えば、この一の外側部品群10aに隣り合う他の外側部品群10a中の組立前外側部品1a´の第二部分12aに係合せずにワークW中に配置されてもよい。
【0037】
同時に、一の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12bは、一の外側部品群10aに隣り合う他の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12bに係合するようにワークW中に配置されている。ここでいう「係合」とは、一の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12b及び第二部分12cの間に、他の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12bが隙間無く嵌るようにワークW中に配置された状態を意味している。なお、一の外側部品群10a中の上記の一方向における端のうち一方の側に配置された組立前外側部品1a´の第二部分12bは、例えば、この一の外側部品群10aに隣り合う他の外側部品群10a中の組立前外側部品1a´の第二部分12bに係合せずにワークW中に配置されてもよい。
【0038】
この際、一の外側部品群10a中で一方向に隣り合う二つの組立前外側部品1a´のうち、一方の組立前外側部品1a´における第二部分12cは、他方の組立前外側部品1a´の第一部分11´における第一方向D1の端縁に第一方向D1で一体に接続されている。
図3A中では、この接続部分を点線で示している。またこの際、隣り合う外側部品群10aのそれぞれの組立前外側部品1a´における第二部分12c同士は、第二方向D2で互いに隙間無く当接するようにワークW中に配置されている。
【0039】
また、第二部分12aの第二方向D2における長さをLとし、第一部分11´の第二方向D2における幅(長さ)をL1とし、第二部分12b及び第二部分12cのそれぞれの長さをL2とした際に、下記式(i)が成立する。
L≦L2-2×L1 …(i)
すなわち、第一方向D1における外側に位置し、互いに第二方向D2における長さが異なる二つの第二部分12´のうち、長さが短い第二部分12´(第二部分12a)の第二方向D2における長さLは、他の第二部分12´(第二部分12b及び第二部分12c)の第二方向D2における長さL2と、第一部分11´の第二方向D2における幅L1(長さ)の2倍との差以下である。
【0040】
ここで、上記式(i)における右辺のL1及びL2のそれぞれは、予め設定された固定値である。つまり、Lの長さは、L2とL1の二倍との差を示す長さ(定数)以下であれば自由に設定することができる。
【0041】
なお、上記式(i)は、余剰部分Xを形成しない場合、等式として成立する。一方、余剰部分Xを形成した場合、上記式(i)における左辺が右辺よりも余剰部分Xの第二方向D2の寸法分小さい不等式として成立する。
【0042】
このような寸法条件を満たすことにより、一の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第一部分11´と、他の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第一部分11´との間には、余剰部分Xが形成される。
なお、第二部分12cの第一方向D1における長さは、例えば、第二部分12a及び第二部分12bの第一方向D1における長さの略2倍とされている。
【0043】
打ち抜き加工により形成された外側部品群10aは、組立前外側部品1a´毎に分割されることで複数の外側部品1aとなる。具体的には、外側部品群10aは、
図3A中の点線で切り取られることで複数の外側部品1aとなる。
さらに、打ち抜き加工によって形成された余剰部分Xは、上述したフィン形成部13として活用することができる。なお、フィン形成部13における
第二方向D2の寸法は、第一部分11´の第二方向D2における幅L1や第二部分12aの第二方向D2における長さLを変更することで調整可能である。したがって、フィン形成部13の第二方向D2における長さを容易に調整することができる。
【0044】
また、上記構成によれば、外側部品1aの第二部分12のうち、長さの短い一の第二部分12同士が係合した状態でワークW中に配置されることにより、打ち抜き加工に際して無駄な部分が発生することを抑制することができる。また、互いに隣接する2つの第一部分11同士の間に生じた余剰部分Xをフィン形成部13として活用することができるため、歩留まりを更に向上させることができる。
【0045】
また、上述した打ち抜き加工の形状によれば、ワークWから互いに同一の形状とされた複数の外側部品1aを形成することができる。つまり、互いに同一の形状とされた複数の外側部品1aのうち一の第二部分12同士が係合するようにワークWが打ち抜かれることで、一対の外側部品1aが複数対形成される。したがって、歩留まりを更に向上させることができる。
【0046】
また、例えば、平板状を成すワークW(母材)に対して打ち抜き加工を実施する際の変形例として
図3Bに示すような形状を採ることも可能である。
図3B中に示す変形例の組立前外側部品1a´は、
図3A中で示した組立前外側部品1a´に対して、第二部分12cの第二方向D2における長さが異なる。具体的には、
図3B中に示す第二部分12cの第二方向D2における長さは、
図3A中に示す第二部分12cの第二方向D2における長さよりも短く、第二部分12aの第二方向D2における長さよりも長い。すなわち、組立前外側部品1a´の3つの第二部分12´の第二方向D2における第一部分11´からの突出長さが、第一方向D1に並ぶ順に変化しており、第二方向D2における長さは、第二部分12b、第二部分12c、第二部分12aの順に短くなる。以下、
図3Aを用いて説明した構成と共通する構成については、図中に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図3Bに示すように、第二部分12aの第二方向D2における長さをL´とし、第一部分11´の第二方向D2における幅(長さ)をL1´とし、第二部分12cの長さをL2´とする。この際、L´及びL2´は、L1´及びL3との関係で下記式(ii)を成立させる。
2×L2´―L´≧2×L1´+L3 …(ii)
【0048】
ここで、上記式(ii)における右辺のL1´及びL3のそれぞれは、予め設定された固定値である。つまり、L2´の二倍とL´との差を示す長さは、L1´の二倍とL3との和を示す長さ(定数)以上であれば自由に設定することができる。
【0049】
なお、上記式(ii)は、余剰部分Xを形成しない場合、等式として成立する。一方、余剰部分Xを形成した場合、上記式(ii)における左辺が右辺よりも余剰部分Xの第二方向D2の寸法分大きい不等式として成立する。また、L3とL2´とが等しい場合(L3=L2´)、L´≦L2´―2×L1´となり、上記式(i)が成立する。
【0050】
図3Bを用いて説明した上記構成によっても、
図3Aを用いて説明した構成によって奏される作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
また、平板状を成すワークW(母材)に対して打ち抜き加工を実施する際の変形例として
図4に示すような形状を採ることも可能である。以下、
図3A及び
図3Bを用いて説明した構成と共通する構成については、図中に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
図4を参照して説明する組立前外側部品1a´は、
図3A及び
図3Bを参照して説明した組立前外側部品1a´が有する第二部分12aを有していない。言い換えれば、外側に位置する一の第二部分12(
図3A及び
図3Bを参照して説明した第二部分12a)の長さが0とされている。
【0053】
一の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12bは、一の外側部品群10aに隣り合う他の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´の第二部分12bに係合するようにワークW中に配置されている。また、一の外側部品群10a及びこの一の外側部品群10aに隣り合う他の外側部品群10aのそれぞれにおける組立前外側部品1a´の第一部分11´の第二部分12cよりも外側の部分のうち、第二部分12bとは反対側の部分は、第二方向D2で互いに当接している。
【0054】
各組立前外側部品1a´の第二部分12cの第二方向D2における長さL3´は、第一部分11´の第二方向D2における幅L4(長さ)の2倍よりも長い。このような寸法条件を満たすことにより、一の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´と、他の外側部品群10aにおける組立前外側部品1a´との間には、余剰部分Xが形成される。
【0055】
図4を用いて説明した上記構成によっても、
図3A及び
図3Bを参照して説明した構成によって奏される作用効果と同様の作用効果を奏することができる。また、組立前外側部品1a´が、第二部分12aを有さないため、
図3A及び
図3Bを参照して説明した構成に対して、第二方向D2における第二部分12aの長さ分の余剰部分Xを確保することができる。つまり、長さが0である一の第二部分12同士が対向した状態で配置されることにより、互いに隣接する2つの第一部分11同士の間に形成される余剰部分Xの大きさを最大化することができる。つまり、この余剰部分Xをフィン形成部13として活用するに当たって、フィン形成部13を最大化することが可能となる。
【0056】
また、
図3A、
図3B、及び
図4を参照しながら説明した上記組立前外側部品1a´を用いることで、以下に
図5を用いて説明するリアクトル100を構成することができる。
図5中では、このリアクトル100を構成するに当たり、
図3Bを参照しながら説明した組立前外側部品1a´を用いる場合を一例として説明する。
【0057】
図5に示すように、リアクトル100は、コア1と、2つのコイル(第一コイル51、及び第二コイル52)と、を備えている。
【0058】
(コアの構成)
コア1は、上述した実施形態と同様に、板状のリアクトル用電磁鋼板90を厚さ方向に複数積層することで形成されている。リアクトル用電磁鋼板90は、一対の外側部品1aと、中央部品1bと、を有している。この外側部品1aは、
図3Bを用いて説明した外側部品群10aを構成する複数の組立前外側部品1a´が互いに切り離されることで取得されたものである。
【0059】
外側部品1aは、第一方向D1に延びる第一部分11と、第一部分11の長辺から第二方向D2に延びる3つの第二部分12と、第一部分11における第二部分12とは反対側の端縁に設けられたフィン形成部13と、を有している。ここでいう第一部分11は、
図3Bを用いて説明した第一部分11´に相当し、第二部分12は、
図3Bを用いて説明した第二部分12´に相当する。
【0060】
このような形状の外側部品1aが、第一方向D1を基準として点対称となるような姿勢で一対設けられている。
【0061】
中央部品1bは、第一方向D1に延びる第三部分23と、第一方向D1における第三部分23の両端部から第二方向D2で互いに離間するように突出する二つの突出部分24と、を有している。
【0062】
第三部分23は、一方の外側部品1aにおける3つの第二部分12のうち、第一方向D1における外側に位置する第二部分12(第二部分12b)の端部と、他方の外側部品1aにおける3つの第二部分12のうち、第一方向D1における外側に位置する第二部分12(第二部分12b)の端部とを互いに接続している。
【0063】
突出部分24の第二方向D2における突出長さは、第一方向D1における外側に位置する第二部分のうち、長さの長い第二部分12(第二部分12b)の第二方向D2における長さから、長さの短い第二部分12(第二部分12a)の第二方向D2における長さを引いた長さに等しい。この突出部分24は、第二方向D2で第二部分12(第二部分12a)に当接している。
【0064】
(コイルの構成)
第一コイル51、及び第二コイル52は、第一方向D1における中央に配置された第二部分12にそれぞれ線材を複数回巻きまわすことで形成される。つまり、このリアクトル100は2つの独立したコイルを有している。線材の巻き方としてはこれまで提唱されている種々の態様を採ることが可能である。
【0065】
この際、第一コイル51及び第二コイル52と、中央部品1bの第三部分23との間には、隙間S(エアギャップ)が形成されている。
また、中央部品1bの突出部分24の第二方向D2における突出長さが上述した寸法条件を満たすとともに、この突出部分24が第二方向D2で第二部分12(第二部分12a)に当接しているため、外側部品1aの3つの第二部分12のうち中央に配置された第二部分12(第二部分12c)と、中央部品1bの第三部分との間には隙間Sが形成されている。
【0066】
(中央部品の打ち抜き形状について)
次いで、
図6を参照して、中央部品1bの打ち抜き形状について説明する。打ち抜き加工に際しては、
図6中に実線で示したような形状を有するダイ(刃)によってワークWから部品が打ち抜かれる。
【0067】
図6に示すように、ワークW内に配置された複数の組立前中央部品1b´は、第三部分23´及びこの第三部分23´から延びる突出部分24´同士が一方向に対向するとともに組を成した状態で隙間無く並ぶようにワークW中に配置されている。さらに、複数の組立前中央部品1b´からなる組が、上記一方向に交差する方向に連続的に複数敷き詰められるようにワークW中に配置されている。これにより、ワークWから複数の組立前中央部品1b´が打ち抜かれることで、各組立前中央部品1b´が中央部品1bとなる。
【0068】
ここで、リアクトル100が駆動された際に第一コイル51及び第二コイル52の周囲に発生した磁束の流れる向きの一例(矢印A)を
図5中に示す。
第一方向D1における中央に位置した第二部分12(第二部分12c)にコイル(第一コイル51及び第二コイル52)が巻回されたことで、1つのコア1にコイルが1つ実装される通常のEIコアの構成と比較して、発生する損失量も2倍となる。これに対して、コア1の表面積は、例えば、通常のEIコアの表面積の2倍未満に留まるため、コア1における単位発熱量あたりの表面積の割合が、通常のEIコアよりも低くなり、コア1の温度がより高まる可能性がある。具体的には、コア1の表面積は、例えば、通常のEIコアの表面積の136%に留まり、この際、コア1における単位発熱量あたりの表面積の割合は、通常のEIコアの68.2%となる。
なお、ここでいう「通常のEIコア」とは、電磁鋼板90が外側部品1aと中央部品1bとを1つずつ有しており、外側部品1aの第一方向D1における外側に配置された2つの第二部分12(第二部分12a及び第二部分12b)が同一の長さであり、中央部品1bが第三部分23のみを有している場合を意味する。
【0069】
上記の構成によれば、第二部分12cと第三部分23との間にエアギャップとしての隙間Sが形成されるため、当該隙間Sによって磁束の流れが減衰され、これら第二部分12c及び第三部分23の中央における発熱量が抑制される。
一方で、第一部分11では、当該隙間Sが形成されていないため、磁束が減衰せず、鉄損が増加する結果、第一部分11が発熱しやすい。上記の構成によれば、放熱用のフィン形成部13が第一部分11に設けられているため、このフィン形成部13によって第一部分11の熱が放散される。その結果、第一部分11に熱が滞留しにくい。
したがって、コア1における熱の滞留を抑制することができるとともに、コア1全体の温度を均一化することができる。
【0070】
また、上記の隙間Sが形成されるため、この隙間Sに存在する空気によって第一コイル51及び第二コイル52を冷却することができる。したがって、コア1の温度が上昇することを抑制することができる。
【0071】
また、上記構成によれば、中央部品1bを打ち抜く際に、中央部品1b同士の間で隙間を形成することなくこの中央部品1bをワークWから打ち抜くことができる。したがって、中央部品1bを形成するに当たり、歩留まりを改善することができる。
なお、リアクトル100を構成するに当たり、
図3A及び
図4を用いて説明した組立前外側部品1a´を用いてもよい。
【0072】
[付記]
実施形態に記載のリアクトル100は、例えば以下のように把握される。
【0073】
(1)第1の態様に係るリアクトル100は、厚さ方向に積層された複数の電磁鋼板90からなるコア1と、該コア1に巻回された線材からなるコイル(第一コイル51,第二コイル52)と、を備え、前記電磁鋼板90は、第一方向D1に延びる第一部分11、及び該第一部分11から前記第一方向D1に直交する第二方向D2に延びるとともに前記第一方向D1に間隔をあけて配列された複数の第二部分12を有する一対の外側部品1aと、前記複数の第二部分12を前記第二方向D2から対向させた状態で、これら第二部分12同士を前記第一方向D1に接続する中央部品1bと、前記第一部分11における前記第二部分12とは反対側の端縁から前記第二方向D2に突出するとともに前記第一方向D1に間隔をあけて配列された複数のフィン形成部13と、を有する。
【0074】
上記構成によれば、第一部分11にフィン形成部13が設けられていることから、電磁鋼板90を複数積層した際に、これらフィン形成部13によって複数のフィン14が形成される。これにより、コア1の発熱を外部に逃がすことができる。
【0075】
(2)第2の態様に係るリアクトル100は、(1)のリアクトル100であって、前記複数の第二部分12のうち、前記第一方向D1における中央に位置する前記第二部分12は、前記第二方向D2における寸法が他の前記第二部分12よりも小さくてもよい。
【0076】
上記構成によれば、中央に位置する第二部分12と、これに対向する中央部品1bとの間にエアギャップを形成することができる。また、当該中央に位置する第二部分12の根元(つまり、第一部分11との接続部)では発熱が亢進しやすいが、第一部分11にフィン形成部13が設けられていることにより、当該発熱を外部に効率的に逃がすことができる。
【0077】
(3)第3の態様に係るリアクトル100は、(1)又は(2)のリアクトル100であって、前記第一方向D1における前記中央部品1bの寸法は、前記第二方向D2における前記第二部分12の寸法の2倍であってもよい。
【0078】
上記構成によれば、中央部品1bと外側部品1aとを打ち抜き加工によって形成する際に材料となる板材の歩留まりを向上させることができる。つまり、無駄となる部分を低減することができる。具体的には、一対の外側部品1aを、第二部分12同士が対向するように組み合わせた状態で打ち抜き加工をする際に、第二部分12同士の間に形成される領域を中央部品1bとして無駄なく使用することができる。
【0079】
(4)第4の態様に係るリアクトル100は、(1)から(3)のいずれかのリアクトル100であって、前記第二方向D2における前記中央部品1bの寸法は、前記第一方向D1における前記第二部分12同士の間の離間寸法と同一であってもよい。
【0080】
上記構成によれば、一対の外側部品1aを、第二部分12同士が対向するように組み合わせた状態で打ち抜き加工をする際に、第二部分12同士の間に形成される領域を中央部品1bとしてさらに無駄なく使用することができる。
【0081】
(5)第5の態様に係るリアクトル100は、(1)から(4)のいずれかのリアクトル100であって、前記一対の外側部品1aのうち、一方側の前記外側部品1aにおける前記フィン形成部13の前記第一方向D1における位置は、他方側の前記外側部品1aにおける前記フィン形成部13の前記第一方向D1における位置と異なっており、前記フィン形成部13同士を前記第二方向D2から対向させた場合に、該フィン形成部13同士が係合する形状をなしていてもよい。
【0082】
上記構成によれば、外側部品1a同士を第二方向D2に連続させた状態で打ち抜き加工をする際に、フィン形成部13同士が互いに係合することから、打ち抜き加工で生じる無駄な部分が低減され、歩留まりを向上させることができる。
【0083】
(6)第6の態様に係るリアクトル100は、(1)のリアクトル100であって、互いに同一の形状とされた複数の前記外側部品1aの前記第二部分12同士が係合するようにワークWが打ち抜かれることで、前記一対の外側部品1aが複数対形成され、前記外側部品1aは、3つの前記第二部分12を有し、前記第一方向D1における外側に位置し、互いに第二方向D2における長さが異なる二つの前記第二部分12のうち前記長さが短い一の第二部分12の長さは、他の前記第二部分12の前記第二方向D2における長さと、前記第一部分11の前記第二方向D2における幅の二倍との差未満であってもよい。
【0084】
上記構成によれば、外側部品1aの第二部分12のうち、長さの短い一の第二部分12同士が係合した状態で配置することにより、打ち抜き加工に際して無駄な部分が生じることを抑制することができる。また、上記のような寸法条件を満たすことにより、一の第二部分12同士が係合した状態では、互いに隣接する2つの第一部分11同士の間に余剰部分Xが形成される。この余剰部分Xを、フィン形成部13として活用することが可能となる。
【0085】
(7)第7の態様に係るリアクトル100は、(6)のリアクトル100であって、3つの前記第二部分12は、前記第一方向D1に並ぶ順に前記第二方向D2における長さが変化し、前記第一方向D1における中央に位置する前記第二部分12の前記第二方向D2における長さの二倍と、前記一の第二部分12の第二方向D2における長さとの差は、前記第一部分11の前記第二方向D2における幅の二倍と、前記第二方向D2における長さが最も長い前記第二部分12の長さとの和よりも大きくてもよい。
【0086】
上記構成によれば、第一方向D1における中央に位置する第二部分12と中央部品1bとの間に隙間S(エアギャップ)が形成されるため、これら第二部分12及び中央部品1bで発熱の発生が抑制される。
【0087】
(8)第8の態様に係るリアクトル100は、(6)のリアクトル100であって、前記複数の第二部分のうち、前記第一方向における外側に位置する前記一の第二部分の前記第二方向における長さが0であってもよい。
【0088】
上記構成によれば、一の第二部分12の長さが0、つまり存在しない。これにより、長さが0である一の第二部分12同士が対向した状態で配置することにより、打ち抜き加工に際して無駄な部分が生じることを抑制することができる。また、互いに隣接する2つの第一部分11同士の間に形成される余剰部分Xの大きさを最大化することができる。これにより、当該余剰部分Xをフィン形成部13として活用するに当たって、フィン形成部13を最大化することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示によれば、より安定的に動作させることが可能なリアクトルを提供することができる。
【符号の説明】
【0090】
1…コア 1a…外側部品 1a´…組立前外側部品 1b…中央部品 1b´…組立前中央部品 10a…外側部品群 11,11´…第一部分 12,12´,12a,12b,12c…第二部分 13…フィン形成部 14…フィン 23,23´…第三部分 24,24´…突出部分 51…第一コイル 52…第二コイル 90…電磁鋼板 100…リアクトル D1…第一方向 D2…第二方向 S…隙間 W…ワーク X…余剰部分