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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-21
(45)【発行日】2025-03-31
(54)【発明の名称】変調回路
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/042 20060101AFI20250324BHJP
   H01S 5/026 20060101ALI20250324BHJP
   H01S 5/0233 20210101ALI20250324BHJP
【FI】
H01S5/042 630
H01S5/026 616
H01S5/0233
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024053202
(22)【出願日】2024-03-28
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591230295
【氏名又は名称】NTTイノベーティブデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 裕文
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 直也
(72)【発明者】
【氏名】菊池 順裕
(72)【発明者】
【氏名】碓氷 光男
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/153518(WO,A1)
【文献】特開2022-064266(JP,A)
【文献】特開平07-074420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にグランドパッドを有する基板と、
所定の信号を変調する変調器に電気信号を供給し所定方向に延びる信号線路部と、前記信号線路部と電気的に接続される終端抵抗体と、前記終端抵抗体及び前記グランドパッドに電気的に接続されるパッド部と、を備える配線部と、
を備え、
前記信号線路部、前記終端抵抗体、及び、前記パッド部は、前記基板上において、この順に、前記所定方向とは異なる方向に並ぶ、
変調回路。
【請求項2】
前記配線部は、前記グランドパッドに囲まれている、
請求項1に記載の変調回路。
【請求項3】
前記変調器を備える変調レーザチップ、及び、前記変調レーザチップを制御するためのチップ部品が前記基板上に配置され、
前記チップ部品は、前記変調レーザチップに対して、前記配線部とは対称な位置に位置する、
請求項1に記載の変調回路。
【請求項4】
前記パッド部は、複数のワイヤを介して、前記グランドパッドに接続されている、
請求項1に記載の変調回路。
【請求項5】
前記パッド部は、チップキャパシタを介して、前記グランドパッドに接続されている、
請求項1に記載の変調回路。
【請求項6】
上面にグランドパッドを有する基板と、
所定の信号を変調する変調器に電気信号を供給し所定方向に延びる信号線路部と、前記信号線路部と電気的に接続される終端抵抗体と、前記終端抵抗体に電気的に接続されるとともに前記グランドパッドに設けられる平板型のキャパシタに複数のワイヤを介して電気的に接続されるパッド部と、を備える配線部と、
を備え、
前記信号線路部、前記終端抵抗体、及び、前記パッド部は、前記基板上において、この順に、前記所定方向とは異なる方向に並ぶ、
変調回路。
【請求項7】
上面にグランドパッドを有する基板と、
所定の信号を変調する変調器に電気信号を供給し所定方向に延びる信号線路部と、前記信号線路部と電気的に接続される終端抵抗体と、前記終端抵抗体に電気的に接続されるとともに前記基板外に設けられるキャパシタに電気的に接続されるパッド部と、を備える配線部と、
を備え、
前記信号線路部、前記終端抵抗体、及び、前記パッド部は、前記基板上において、この順に、前記所定方向とは異なる方向に並ぶ、
変調回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、変調回路、特に、光送信器で用いられる変調回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、変調回路において、ワイヤ(L成分)やキャパシタ(C成分)を用いて線路の周波数特性をピーキング制御することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、RF(Radio Frequency)配線板及び終端抵抗体をDFBレーザ(Distributed Feedback Laser)とEA変調器(Electro-absorption Modulator)とを備えたEA-DFBレーザチップ(変調レーザチップ:Distributed Feedback Laser Integrated with Electro-absorption Modulator)の一方側に配置し、キャパシタ及びその接地点を変調レーザチップの他方側に配置したうえで、変調レーザチップをまたぐようにワイヤを用いて終端抵抗体とキャパシタとを接続する構造が開示されている。特許文献1では、このような構造を採用することにより、作製誤差によりワイヤ長が変動した場合の周波数応答特性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-127168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、周波数特性の向上を図るために、変調レーザチップをまたぐように配線のための構成をサブキャリア(基板)上の広い範囲に亘って配置する必要があり、配線のための構成の配置の自由度が低くなっていた。
【0006】
そこで、本開示は、基板上における配線のための構成の配置の自由度を向上させることが可能な変調回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の変調回路は、配線部の信号線路部、終端抵抗体、及び、パッド部を、この順に、信号線路部が延びる所定方向とは異なる方向に並ぶように配置するという手法を採用する。
【0008】
具体的には、本開示の変調回路は、
上面にグランドパッドを有する基板と、
所定の信号を変調する変調器に電気信号を供給し所定方向に延びる信号線路部と、前記信号線路部と電気的に接続される終端抵抗体と、前記終端抵抗体及び前記グランドパッドに電気的に接続されるパッド部と、を備える配線部と、
を備え、
前記信号線路部、前記終端抵抗体、及び、前記パッド部は、前記基板上において、この順に、前記所定方向とは異なる方向に並ぶ。
【0009】
上記構成によれば、信号線路部、終端抵抗体、及びパッド部を信号線路部が延びる方向とは異なる方向に並べることで配線のための構成をコンパクトにまとめて配置することができる。このため、配線の終端部における自由度が向上し、ニーズに合わせて配線の終端部の実装をアレンジすることができる。
【0010】
また、前記配線部は、前記グランドパッドに囲まれていてもよい。
【0011】
これによれば、接地を行うための配線部の終端部の実装形態にバリエーションを持たせることが可能となる。
【0012】
また、前記変調器を備える変調レーザチップ、及び、前記変調レーザチップを制御するためのチップ部品が前記基板上に配置され、
前記チップ部品は、前記変調レーザチップに対して、前記配線部とは対称な位置に位置してもよい。
【0013】
これによれば、配線のための構成とそれ以外の構成とを変調レーザチップの両側に分けて配置することにより、配線のための構成とそれ以外の構成との間で配置が干渉することがなく、それぞれに与えられたスペースにおいて配置の自由度を向上させることができる。
【0014】
また、前記パッド部は、複数のワイヤを介して、前記グランドパッドに接続されていてもよい。
【0015】
これによれば、好適にピーキング制御を行うことができる。
【0016】
また、前記パッド部は、チップキャパシタを介して、前記グランドパッドに接続されていてもよい。
【0017】
これによれば、好適にピーキング制御を行うことができる。
【0018】
また、前記グランドパッドには、平板型のキャパシタが設けられ、
前記パッド部は、複数のワイヤを介して、前記平板型のキャパシタに電気的に接続されていてもよい。
【0019】
また、前記パッド部は、前記基板外に設けられるキャパシタに電気的に接続されていてもよい。
【0020】
これによれば、好適にピーキング制御を行うことができる。
【0021】
なお、上記各開示は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示の変調回路によれば、基板上における配線のための構成の配置の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の第1の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。
図2】グランドと信号線路部との間に所定のギャップを形成したことによる効果を説明する図である。
図3】本開示の第2の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。
図4】本開示の第3の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。
図5】本開示の第4の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0025】
(第1の実施形態)
本開示の第1の実施形態にかかる光送信器のモジュールについて、図1及び図2を参照しながら、説明する。図1は、第1の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。図2は、グランドと信号線路部との間に所定のギャップを形成したことによる効果を説明する図である。なお、以下の説明においては、図の左方向がモジュールの左方向に対応し、右方向がモジュールの右方向に対応し、上方向がモジュールの後方向に対応し、下方向がモジュールの前方向に対応するものとして説明する。光送信器のモジュールは「変調回路」として機能する。
【0026】
[光送信器のモジュールの構成要素について]
本実施形態におけるモジュールにおいては、サブキャリア1の上にグランドパッド2及びRF(Radio Frequency)配線部3が形成され、レーザチップ4や各種チップ部品5が所定の箇所に搭載されている。サブキャリア1は「基板」として機能する。
【0027】
具体的には、本実施形態における光送信器のモジュールは、
上面にグランドパッド2を有するサブキャリア1と、
所定の信号を変調するEA変調器42(Electro-absorption Modulator)に電気信号を供給し所定方向に延びる信号線路部31と、信号線路部31と電気的に接続される終端抵抗体32と、終端抵抗体32及びグランドパッド2に電気的に接続されるパッド部33と、を備える配線部3と、
を備え、
信号線路部31、終端抵抗体32、及び、パッド部33は、サブキャリア1上において、この順に、所定方向とは異なる方向に並ぶ。
以下、詳細に説明する。
【0028】
サブキャリア1は、前後方向及び左右方向に延びる平板状をなす。グランドパッド2は、サブキャリア1の大部分を覆うように形成されている。グランドパッド2は、サブキャリア1上において、略カタカナの「コ」字状に形成されている。
【0029】
レーザチップ4は、EA-DFBレーザ(Distributed Feedback Laser Integrated with Electro-absorption Modulator)であり、略前後方向に延びるようにサブキャリア1の中央部に配置されている。レーザチップ4は、DFBレーザ41(Distributed Feedback Laser)及びEA変調器42を備えている。レーザチップ4の光導波路は、戻り光対策として曲げ導波路をなしている。このため、レーザチップ4は、出射端面に対して90度ではない角度で光を前方に出射するように構成されている。レーザチップ4自体は、出射光の方向が前方となるように、サブキャリア1の前後方向の辺と出射光が平行となるような向きに、サブキャリア1上において斜めに角度をつけて配置されている。レーザチップ4は「変調レーザチップ」として機能する。
【0030】
DFBレーザ41は、EA変調器42に対してレーザ光(入力光)を出射する。EA変調器42は、下記する所定の電気信号に応じた変化を与えることにより、DFBレーザ41からの入力光を変調する。EA変調器42は「変調器」として機能する。
【0031】
RF配線部3は、サブキャリア1の左部においてグランドパッド2に取り囲まれるように配置されている。RF配線部3には、信号線路部31、終端抵抗体32、及び、パッド部33が設けられている。RF配線部3は「配線部」として機能する。
【0032】
信号線路部31は、左右方向に延び、その左端部から入力される変調電気信号をレーザチップ4に供給するように構成されている。具体的には、レーザチップ4のEA変調器42の電極と信号線路部31の右端部とが所定のワイヤ10によって電気的に接続されている。これにより、信号線路部31の左端部から入力される変調電気信号が、ワイヤ10を介して、レーザチップ4(EA変調器42)に供給される。EA変調器42は、DFBレーザ41からの入力光に信号線路部31からの変調電気信号に応じた変化を与えることにより出力光を生成する。変調電気信号は「電気信号」の一例である。
【0033】
信号線路部31は、第1線路31A及び第2線路31Bを有している。第1線路31Aは、前後方向においてグランドパッド2により挟まれることにより形成されるコプレーナ線路として機能する。また、第2線路31Bは、前後方向においてパッド部33及びグランドパッド2により挟まれることにより形成されるコプレーナ線路として機能する。第1線路31Aの前後方向における幅は、第2線路31Bの前後方向における幅より広く形成されている。具体的には、第1線路31A及び第2線路31Bは、高い熱伝導率を有するセラミック材料(窒化アルミ等)の上にメタル配線を設けることにより形成される。
【0034】
終端抵抗体32は、第2線路31Bの後端部に設けられ、略矩形状をなしている。終端抵抗体32の前後方向における幅は、第2線路31Bとグランドパッド2との前後方向における幅と略同一に形成されている。
【0035】
パッド部33は、終端抵抗体32の後部に電気的に接続され、略矩形状をなしている。パッド部33は、その上に各種素子を搭載可能に所定の面積を有するように形成されている。具体的には、本実施形態においては、パッド部33の前後方向の幅は200μmであり、左右方向の幅は300μmである。本実施形態においては、パッド部33は、2本のワイヤ13、14を用いてグランドパッド2と電気的に接続されている。
【0036】
信号線路部31、終端抵抗体32、及び、パッド部33の関係の詳細については、後述する。
【0037】
チップ部品5は、任意のチップ部品であり、例えば、キャパシタやサーミスタ等のパッシブな素子である。チップ部品5(キャパシタ)は、図に示されるようにワイヤ11を用いてDFBレーザ41と電気的に接続され、DFBレーザ41の制御のために用いられてもよい。チップ部品5は、例えば、およそ400μm角の正方形状をなしている。
【0038】
[各構成要素の配置関係について]
次に、上記において説明した各構成要素のサブキャリア1上における配置関係について、詳細に説明する。
【0039】
図1に示されるように、レーザチップ4は、サブキャリア1の左右方向における略中央部に略前後方向に延びるように搭載されている。一方、RF配線部3の信号線路部31は、レーザチップ4の左方に配置され、左右方向に延びる略直方体状をなしている。つまり、信号線路部31は、レーザチップ4とは異なる方向に延びている。このように、信号線路部31がレーザチップ4の延びる前後方向とは異なる左右方向に延びる略直方体状をなしていることで、信号線路部31の前方又は後方に終端抵抗体32やパッド部33をまとめて配置するためのスペースを確保することが可能である。
【0040】
また、信号線路部31、終端抵抗体32、及び、パッド部33は、この順に、前後方向に並ぶ。つまり、信号線路部31、終端抵抗体32、及び、パッド部33の並ぶ方向は、レーザチップ4の延びる方向に略等しい。言い換えると、信号線路部31、終端抵抗体32、及び、パッド部33の並ぶ方向は、信号線路部31の延びる方向と略直交している。このように、信号線路部31、終端抵抗体32、及びパッド部33を信号線路部31が延びる方向とは異なる方向に並べることでRF配線のための構成をコンパクトにまとめて配置することができる。RF配線の終端部における自由度が向上し、ニーズに合わせてRF配線の終端部の実装をアレンジすることができる。
【0041】
そして、本実施形態では、信号線路部31をレーザチップ4の延びる前後方向とは異なる左右方向に延びる略直方体状をなすように配置したことにより確保したスペースを利用して、終端抵抗体32やパッド部33を適切に配置している。そして、特に、パッド部33を設けることにより、RF配線部3の終端部の実装形態(レイアウト)にバリエーションを持たせることができる。
【0042】
そのうえで、本実施形態においては、確保したスペースを利用して複数本のワイヤを用いてパッド部33とグランドパッド2とを電気的に接続する。その際にワイヤの長さと本数により、好適にピーキング制御を行っている。なお、ワイヤの数は2本に限定されない。ワイヤは1本であってもよいし、3本以上のワイヤを用いてピーキング制御を行ってもよい。
【0043】
また、本実施形態では、RF配線部3とチップ部品とは、左右方向において、レーザチップ4(EA変調器42)に対して略対称な位置に配置されている。つまり、本実施形態では、RF配線のための構成をレーザチップ4の左側にまとめて配置するとともに、レーザチップ4の右側にできたスペースにRF配線のための構成以外の構成を配置している。言い換えると、本実施形態では、RF配線のための構成以外の構成をRF配線部3とは反対側に実装することにより、RF終端部の実装のための十分なスペースを確保している。
【0044】
また、RF配線部3はグランドパッド2により、取り囲まれている。これにより、接地を行うためのRF配線部3の終端部の実装形態にバリエーションを持たせることが可能となる。
【0045】
[信号線路部とグランドパッドとの間のギャップについて]
次に、RF配線部3の信号線路部31とグランドパッド2との間に形成されるギャップについて、図2を参照しつつ、詳細に説明する。本実施形態では、信号線路部31とグランドパッド2との間のギャップを調整することで、インピーダンスマッチングを行っている。
【0046】
図2に示されるように、信号線路部31の第1線路31Aは、前後方向においてaμmの幅を有している。また、前後方向において、第1線路31Aとグランドパッド2との間には所定のギャップg1が形成されている。ギャップg1を形成するグランドパッド2の2枚の壁の前後方向における距離は、bμmに設定されている。
【0047】
一方、第2線路31Bは、前後方向においてa´μmの幅を有している。また、前後方向において、第2線路31Bとグランドパッド2との間、及び、第2線路31Bとパッド部33との間には、所定のギャップg2が形成されている。ギャップg2を形成するグランドパッド2の壁とパッド部33の壁との間の距離は、b´μmに設定されている。
【0048】
ここで、一般に、コプレーナ線路のインピーダンス特性は、伝送線路の幅と、伝送線路を挟み込むグランドの壁の間の距離との比によって決まる。つまり、本実施形態において、第1線路31Aのインピーダンス特性は、上記のaμmとbμmとの間の比によって決まり、第2線路31Bのインピーダンス特性は、上記のa´μmとb´μmとの間の比によって決まる。
【0049】
そして、本実施形態では、第1線路31Aと第2線路31Bとのインピーダンス整合を行うために、各線路の幅や各ギャップを形成する壁の間の距離を調整することにより、上記の比が一定となるように設計されている。これにより、信号の反射を抑制することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
本開示の第2の実施形態にかかるモジュールについて、図3を参照しながら説明する。図3は、第2の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。なお、第1の実施形態における構成と同様の構成については、同一の参照番号を付し、説明を省略する。なお、本実施形態における構成及び配置は、第1の実施形態において説明した効果と同様の効果が得られる。
【0051】
第2の実施形態においては、チップキャパシタ6がパッド部33とグランドとの間にまたがるように配置されている。
【0052】
チップキャパシタ6は、表面実装型のチップキャパシタであり、チップキャパシタ6の一端はパッド部33と電気的に接続され、チップキャパシタ6の他端はグランドパッド2に電気的に接続され接地されている。本構成により、DC(Direct Current)カットによる消費電力抑制の効果もある。
【0053】
(第3の実施形態)
本開示の第3の実施形態にかかるモジュールについて、図4を参照しながら説明する。図4は、第3の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。なお、第1の実施形態における構成と同様の構成については、同一の参照番号を付し、説明を省略する。なお、本実施形態における構成及び配置は、第1の実施形態において説明した効果と同様の効果が得られる。
【0054】
第3の実施形態においては、グランドパッド2上において左右方向に延びるように平板型のチップキャパシタ7が配置されている。チップキャパシタ7は、2本のワイヤ15、16を用いてパッド部33と電気的に接続されている。つまり、本実施形態においては、パッド部33は、2本のワイヤ15、16及びチップキャパシタ7を介して、グランドパッド2に接続されている。なお、ワイヤの数は2本に限定されない。ワイヤは1本であってもよいし、3本以上のワイヤを用いてもよく、ワイヤの長さと本数により、ピーキング制御を行ってもよい。本構成により、DCカットによる消費電力抑制の効果もある。
【0055】
(第4の実施形態)
本開示の第4の実施形態にかかるモジュールについて、図5を参照しながら説明する。図5は、第4の実施形態にかかる光送信器のモジュールの平面図である。なお、第1の実施形態における構成と同様の構成については、同一の参照番号を付し、説明を省略する。なお、本実施形態における構成及び配置は、第1の実施形態において説明した効果と同様の効果が得られる。
【0056】
第4の実施形態においては、図の上下及び左右方向においてサブキャリア1の外部にチップキャパシタ8が配置されている。チップキャパシタ8は、2本のワイヤ17、18を用いてパッド部33と電気的に接続されている。なお、ワイヤの数は2本に限定されない。ワイヤは1本であってもよいし、3本以上のワイヤを用いてもよく、ワイヤの長さと本数により、ピーキング制御を行ってもよい。本構成により、DCカットによる消費電力抑制の効果もある。
【0057】
(その他の実施形態)
上記のRF配線部3の終端部の実装態様は適宜組み合わせて実施することができる。また、サブキャリア1周辺のパッケージグランドピン等とパッド部33とを電気的に接続してもよい。
【0058】
また、本開示の内容は、光送信器に限定されず、変調信号を用いる回路全般に対して応用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1:サブキャリア
2:グランドパッド
3:RF配線部
4:レーザチップ
41:DFBレーザ
42:EA変調器
5:チップ部品
6、7、8:チップキャパシタ
10、11、12、13、14、15、16、17、18:ワイヤ
31:信号線路部
31A:第1線路
31B:第2線路
32:終端抵抗体
33:パッド部
g1:第1ギャップ
g2:第2ギャップ
【要約】
【課題】本開示は、基板上における配線のための構成の配置の自由度を向上させることが可能な変調回路を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の変調回路は、上面にグランドパッド2を有するサブキャリア1と、所定の信号を変調する変調器42に電気信号を供給し所定方向に延びる信号線路部31と、信号線路部31と電気的に接続される終端抵抗体32と、終端抵抗体32及びグランドパッド2に電気的に接続されるパッド部33と、を備える配線部3と、を備え、信号線路部31、終端抵抗体32、及び、パッド部33は、サブキャリア1上において、この順に、所定方向とは異なる方向に並ぶ。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5