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特許7654198配慮措置評価装置、配慮措置評価プログラム、配慮措置評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】配慮措置評価装置、配慮措置評価プログラム、配慮措置評価方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20250325BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019201823
(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2021068400
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-10-12
【審判番号】
【審判請求日】2024-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】520094525
【氏名又は名称】合同会社アイディペンデントうらら
(74)【代理人】
【識別番号】230118500
【弁護士】
【氏名又は名称】篠原(南部) 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】本郷 隆之
(72)【発明者】
【氏名】篠原 あかね
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】岡北 有平
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-149785(JP,A)
【文献】特開2009-32215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
被配慮者への配慮措置と、その配慮措置に対する評価とを関連付けた配慮措置評価データを取得する配慮措置評価データ取得手段、
前記被配慮者への前記配慮措置を取得する配慮措置取得手段、
前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置と、前記配慮措置評価データ取得手段において取得した前記配慮措置評価データと、に基づいて、前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置に対する評価を生成する評価生成手段、
として機能させるものであり、
前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置には、視覚障害者のための音声案内と、視覚障害者のための点字表示とが含まれており、かつ、その配慮措置に対する評価としては、前記音声案内を前記点字表示より高評価にする、
ことを特徴とする配慮措置評価プログラム。
【請求項2】
コンピュータが、
被配慮者への配慮措置と、その配慮措置に対する評価とを関連付けた配慮措置評価データを取得する配慮措置評価データ取得ステップと、
前記被配慮者への前記配慮措置を取得する配慮措置取得ステップと、
前記配慮措置取得ステップにおいて取得した前記配慮措置と、前記配慮措置評価データ取得ステップにおいて取得した前記配慮措置評価データと、に基づいて、前記配慮措置取得ステップにおいて取得した前記配慮措置に対する評価を生成する評価生成ステップと、
を実行するものであり、
前記配慮措置取得ステップにおいて取得した前記配慮措置には、視覚障害者のための音声案内と、視覚障害者のための点字表示とが含まれており、かつ、その配慮措置に対する評価としては、前記音声案内を前記点字表示より高評価にする、
ことを特徴とする配慮措置評価方法。
【請求項3】
コンピュータを、
被配慮者への配慮措置と、その配慮措置に対する評価とを関連付けた配慮措置評価データを取得する配慮措置評価データ取得手段、
前記被配慮者への前記配慮措置を取得する配慮措置取得手段、
前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置と、前記配慮措置評価データ取得手段において取得した前記配慮措置評価データと、に基づいて、前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置に対する評価を生成する評価生成手段、
として機能させるものであり、
前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置には、聴覚障害者のための文字情報の提供と、聴覚障害者のための手話通訳の提供とが含まれており、かつ、その配慮措置に対する評価としては、前記文字情報の提供を前記手話通訳の提供より高評価にする、
ことを特徴とする配慮措置評価プログラム。
【請求項4】
コンピュータが、
被配慮者への配慮措置と、その配慮措置に対する評価とを関連付けた配慮措置評価データを取得する配慮措置評価データ取得ステップと、
前記被配慮者への前記配慮措置を取得する配慮措置取得ステップと、
前記配慮措置取得ステップにおいて取得した前記配慮措置と、前記配慮措置評価データ取得ステップにおいて取得した前記配慮措置評価データと、に基づいて、前記配慮措置取得ステップにおいて取得した前記配慮措置に対する評価を生成する評価生成ステップと、
を実行するものであり、
前記配慮措置取得ステップにおいて取得した前記配慮措置には、聴覚障害者のための文字情報の提供と、聴覚障害者のための手話通訳の提供とが含まれており、かつ、その配慮措置に対する評価としては、前記文字情報の提供を前記手話通訳の提供より高評価にする、
ことを特徴とする配慮措置評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害者や外国人・高齢者などの社会的マイノリティー(社会的少数派)と呼ばれる人達への配慮措置を充実させるための装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
障害者差別解消法の施行に伴い、障害者を受け入れる団体・施設・企業は、障害者に対し、合理的配慮を行うことが義務付けられている。
【0003】
また、インクルーシブ社会実現のため、このような法律の有無にかかわらず、社会的マイノリティーと呼ばれる少数派の人達(障害者、高齢者、外国人など)に様々な配慮を行うことは当然必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
合理的配慮を評価する仕組みはこれまでに提案されていないため、先行技術文献は明示できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、社会的マイノリティーと呼ばれる人は各々特別な事情を抱えている場合が多いので、社会的マイノリティーを受け入れる団体・施設・企業はどのような配慮をすべきか、またどのような配慮をすれば合理的配慮になるのかが分からないのが現状である。
また、合理的配慮が十分に行われているか否かを判定する判定基準も皆目見当がつかないという現状である。
そこで、本発明では、社会的マイノリティーを受け入れる団体・施設・企業等に対し、どのような配慮が適切か、更にはどのような配慮措置を行えば合理的配慮になるか(合理的配慮を行っていると認められる一定の基準を充たしているか)を評価する装置等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するため、本発明では、次の手段を備える装置、コンピュータを次の手段として機能させるプログラム、コンピュータが次のステップを行う方法が提供される。
(1)被配慮者への配慮措置と、その配慮措置に対する評価とを関連付けた配慮措置評価データを取得する配慮措置評価データ取得手段と、
前記被配慮者への前記配慮措置を取得する配慮措置取得手段と、
前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置と、配慮措置データ取得手段において取得した前記配慮措置評価データと、に基づいて、前記配慮措置取得手段において取得した前記配慮措置に対する評価を生成する評価生成手段と、
前記評価生成手段において生成した前記評価を出力する評価出力手段。
(2)前記被配慮者には、障害者、または高齢者、または外国人、が含まれる。
(3)前記配慮措置には、施設のバリアフリー化または器具のバリアフリー化が含まれる。
(4)前記被配慮者には障害者が含まれ、前記配慮措置に対する前記評価は、前記障害者が有する障害の種別により変動する。
(5)前記配慮措置には、第1配慮措置と第2配慮措置とが含まれ、前記第1配慮措置の評価を前記第2配慮措置の評価より高評価にする。
(6)前記評価は、緊急時に必要となる緊急時配慮措置の有無により変動する。
(7)前記第1配慮措置とは緊急時に必要となる緊急時配慮措置であり、前記第2配慮措置とは平時に必要となる平時配慮措置である。
(8)前記評価は、生理現象に対して必要となる配慮措置の有無により変動する。
(9)前記第1配慮措置とは生理現象に対して必要となる配慮措置であり、前記第2配慮措置とは非生理現象に対して必要となる配慮措置である。
(10)前記評価は、排泄行為において必要となる配慮措置の有無により変動する。
(11)前記第1配慮措置とは排泄行為において必要となる配慮措置であり、前記第2配慮措置とは非排泄行為において必要となる配慮措置である。
(12)前記評価は、飲食に必要となる配慮措置の有無により変動する。
(13)前記第1配慮措置とは飲食行為において必要となる配慮措置であり、前記第2配慮措置とは非飲食行為において必要となる配慮措置である。
(14)前記評価は、音声案内の有無、または点字表示の有無により変動する。
(15)前記第1配慮措置とは音声案内であり、前記第2配慮措置とは点字表示である。
(16)前記評価は、文字情報の提供の有無、または手話通訳の提供の有無により変動する。
(17)前記第1配慮措置とは文字情報の提供であり、前記第2配慮措置とは手話通訳の提供である。
(18)前記評価は、専門機関または専門家により認定された認定付き配慮措置の有無により変動する。
(19)前記第1配慮措置とは専門機関または専門家により認定された認定付き配慮措置であり、前記第2配慮措置とは専門機関または専門家の認定がない非認定配慮措置である。
(20)前記評価は、自動化を施した装置の提供の有無により変動する。
(21)前記第1配慮措置とは自動化を施した装置の提供であり、前記第2配慮措置とは自動化を施していない装置の提供である。
(22)前記自動化を施した装置には、自動開閉ドア、または自動施錠ドア、またはエレベーター、または自動的に上下動する椅子、または自動的に上下動する机、が含まれる。
(23)前記評価は、前記被配慮者に、手続方法または物品の選択権を与える配慮措置の有無により変動する。
(24)前記第1配慮措置とは前記被配慮者に選択権を与える選択型配慮措置であり、前記第2配慮措置とは前記被配慮者に選択権がない非選択型配慮措置である。
(25)前記選択型配慮措置には、情報伝達手段の選択、または家具の選択、または事務機器の選択、または文具を含む事務用品の選択、または決済手段の選択、が含まれる。
(26)前記評価は、前記被配慮者を受け入れる社員または職員に対する前記被配慮者への理解を促す研修の実施の有無により変動する。
(27)前記第1配慮措置とは、前記被配慮者を受け入れる社員または職員に対し、前記被配慮者への理解を促す研修の実施であり、前記第2配慮措置とは前記研修の不実施である。
(28)前記評価は、照明器具の調整を可能にする配慮措置の有無により変動する。
(29)前記第1配慮措置とは照明器具の調整を可能にする配慮措置であり、前記第2配慮措置とは前記照明器具の調整ができない配慮措置である。
(30)前記評価は、前記配慮措置の数の多さ、または前記配慮措置の種類の多さにより変動する。
【発明の効果】
【0007】
本発明を利用すれば、社会的マイノリティーを受け入れる団体・施設や、少数派社員を雇用する企業等は、自らが実施する配慮措置に対する評価を得ることができ、充分な配慮を実施しているか否かを知ることができる。
また、特定の配慮措置(第1配慮措置)を他の配慮措置(第2配慮措置)より高評価にすることにより、きめ細やかで、より適切な評価を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】 本発明のハードウェア構成の概略図である。
図2】 本発明の処理フローを表した図である。
図3】 第1の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図4】 第2の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図5】 第3の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図6】 第4の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図7】 第5の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図8】 第6の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図9】 第7の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図10】 第8の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図11】 第9の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図12】 第10の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図13】 第11の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図14】 第12の配慮措置入力処理および評価点算出処理において利用する入力画面やデータを表した図である。
図15】 合理的配慮到達基準点および評価表示画面を表した図である。
図16】 障害種別により評価を変動させるためのデータベースを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0009】
本発明の実施例1を図に基づいて説明する。
まずは、本実施例で利用するハードウェアの構成例について説明する。
図1は、本発明のハードウェア構成の概略図である。
本発明は、配慮措置に関する処理を行う配慮管理サーバー1(コンピュータ)と、配慮措置を提供する側(社会的マイノリティーを受け入れる団体・施設や、少数派社員を雇用する企業等)の担当者が利用する提供者端末2(コンピュータ)とからなり、各装置(配慮管理サーバー1、提供者端末2)はインターネット3などの通信手段を介して情報の送受信ができるよう接続されている。
【0010】
各装置には、本発明を実現するためのコンピュータプログラム(アプリケーションソフト)や所定のデータが記憶されており、各装置に内蔵されている処理装置はこのコンピュータプログラムの処理命令に従って所定の処理を行う。
【0011】
次に、本実施例の各処理工程について説明する。
本実施例は、配慮措置入力処理(STEP1)、評価点算出処理(STEP2)、評価点出力処理(STEP3)を行う。
配慮措置入力処理(STEP1)は、例えば障害者を雇用する企業の担当者が、その企業が障害者(被配慮者)に対し実施している配慮措置を入力する処理である。
評価点算出処理(STEP2)は、STEP1で入力されたデータを受けて、配慮管理サーバー1がその配慮措置に対する評価点を生成・作成する処理である。
評価点出力処理(STEP3)は、STEP2で算出された評価点を、提供者端末2に送信・表示するための処理である。
【0012】
次に、各処理工程で利用される入力画面(入力方法)やデータの処理方法、各装置に記憶されているデータについて説明する。なお、ここでは障害者を雇用する企業の担当者が、その企業が実施している配慮措置を入力して評価を得るケースを説明する。
【0013】
(緊急時のバリアフリー化措置に関する評価)
図3は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第1の例であり、第1配慮措置入力画面、第1配慮措置入力データ、第1評価データベース、第1評価点を表したものである。
【0014】
(配慮措置入力処理)
第1配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第1配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第1配慮措置入力画面には、車椅子ユーザーのためにスロープを設置(施設のバリアフリー化)しているか否か、スロープを設置している場合そのスロープは災害時の避難所に通じる経路(ここでは「出口」)に設置されているか否か、更には避難所に通じない経路(ここでは「喫煙室」のような一般的な場所)に設置されているか否か、を入力するものである。
その企業では避難所に通じる経路にも、喫煙室のような一般的な場所にもスロープを設置しているとする。その場合、担当者は何れにも設置していることを示す情報を入力し(ここでは3つのチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0015】
これにより、提供者端末2は、第1配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0016】
(評価点算出処理)
第1配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する(配慮措置取得手段)。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第1評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、被配慮者への配慮措置とそれに対応する点数(最終的な判定評価の要素となる評価:評価要素)とを各々対応付けた(関連付けた)ものであり、配慮管理サーバー1はこれを所定の処理により取得する(配慮措置評価データ取得手段)。
配慮管理サーバー1は、受信した第1配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する。すなわち、「スロープ設置:有り」なので、それに対応する「基礎点:10」を抽出し、「出口にスロープ設置:有り」なので、それに対応する「加点:5」を抽出し、「喫煙室にスロープ設置:有り」なので、それに対応する「加点:0」を抽出する。
【0017】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第1評価点:15」を生成・作成する(評価生成手段)。
【0018】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、災害時を含む緊急時に必要となる緊急時配慮措置(第1配慮措置)と、緊急時以外、すなわち平時に必要となる平時配慮措置(第2配慮措置)とを区別し、緊急時配慮措置を平時配慮措置より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。これにより、少数派の人達が命に関わる事態に直面した場合でも、適切に避難・救助できる等、適切な配慮を行うことができる。
【0019】
(トイレ等の排泄処理に関するバリアフリー化措置に関する評価)
図4は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第2の例であり、第2配慮措置入力画面、第2配慮措置入力データ、第2評価データベース、第2評価点を表したものである。
【0020】
(配慮措置入力処理)
第2配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第2配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第2配慮措置入力画面には、足腰に障害があり歩行困難な人のために手摺りを設置しているか否か、その手摺りはトイレ(排泄行為などの生理現象において必要な場所)に設置されているか否か、更には生理現象・排泄行為とは無関係な場所(例えば、会議室のような一般的な場所)に設置されているか否か、を入力するものである。
その企業ではトイレにも、会議室のような一般的な場所にも手摺りを設置しているとする。その場合、担当者は何れにも設置していることを示す情報を入力し(ここでは3つのチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0021】
これにより、提供者端末2は、第2配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0022】
(評価点算出処理)
第2配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第2評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第2配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0023】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第2評価点:16」を生成・作成する。
【0024】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、排泄行為を含む生理現象において必要な措置(第1配慮措置)と、それ以外の措置(第2配慮措置)とを区別し、排泄行為を含む生理現象に対する措置を他の配慮措置より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。少数派の人達にとって排泄物の処理や排泄行為は特に困難であり、デリケートな問題である。よって、排泄行為を含む生理現象に対する措置を充実させる必要があり、このようにすればそれを実現でき、適切な配慮を促すことができる。
【0025】
(飲食のバリアフリー化措置に関する評価)
図5は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第3の例であり、第3配慮措置入力画面、第3配慮措置入力データ、第3評価データベース、第3評価点を表したものである。
【0026】
(配慮措置入力処理)
第3配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第3配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第3配慮措置入力画面には、足腰に障害があり歩行困難な人のために手摺りを設置しているか否か、その手摺りは食堂(飲食行為において必要な場所)に設置されているか否か、更には非飲食行為(基本的に飲食とは無関係な場所。例えば、会議室のような一般的な場所。)に設置されているか否か、を入力するものである。
その企業では食堂にも、会議室のような一般的な場所にも手摺りを設置しているとする。その場合、担当者は何れにも設置していることを示す情報を入力し(ここでは3つのチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0027】
これにより、提供者端末2は、第3配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0028】
(評価点算出処理)
第3配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第3評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第3配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0029】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第3評価点:16」を生成・作成する。
【0030】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、飲食において必要な措置(第1配慮措置)と、それ以外の措置(第2配慮措置)とを区別し、飲食に対する措置を他の配慮措置より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。少数派の人達は、食物アレルギーを持っている場合や特定の薬を食後に摂取するため定期的に食事をする必要があるなどの場合があり、飲食行為は特に重要であり、デリケートな問題である。よって、飲食に関する配慮を充実させる必要があり、このようにすればそれを実現でき、適切な配慮を促進することができる。
【0031】
(視覚障害者へのバリアフリーに関する評価)
図6は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第4の例であり、第4配慮措置入力画面、第4配慮措置入力データ、第4評価データベース、第4評価点を表したものである。
【0032】
(配慮措置入力処理)
第4配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第4配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第4配慮措置入力画面は、視覚障害者への配慮としてバリアフリー案内を提供しているか否か、そのバリアフリー案内は音声案内か、更にはその案内は点字表示か、を入力するものである。
その企業では音声案内も点字表示も提供しているとする。その場合、担当者は何れにも設置していることを示す情報を入力し(ここでは3つのチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0033】
これにより、提供者端末2は、第4配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0034】
(評価点算出処理)
第4配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第4評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第4配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0035】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第4評価点:19」を生成・作成する。
【0036】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、視覚障害者への配慮として音声案内の提供(第1配慮措置)と、点字表示の提供(第2配慮措置)とを区別し、音声案内を点字表示より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。視覚障害者のうち、点字を理解できる人は少ない(視覚障害者のうち10%しかいないという調査結果もある)ので、視覚障害者への配慮としては音声案内を重視・促進する必要がある。よって、このようにすれば視覚障害者への適切な配慮を促進することができる。
【0037】
(聴覚障害者へのバリアフリーに関する評価)
図7は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第5の例であり、第5配慮措置入力画面、第5配慮措置入力データ、第5評価データベース、第5評価点を表したものである。
【0038】
(配慮措置入力処理)
第5配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第5配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第5配慮措置入力画面には、聴覚障害者への配慮としてバリアフリー相談会を提供しているか否か、そのバリアフリー相談会において筆談用具を提供(文字情報の提供)しているか、更にはその相談会において手話通訳を提供しているか、を入力するものである。
その企業では筆談用具も手話通訳も提供しているとする。その場合、担当者は何れにも設置していることを示す情報を入力し(ここでは3つのチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0039】
これにより、提供者端末2は、第5配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0040】
(評価点算出処理)
第5配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第5評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第5配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0041】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第5評価点:20」を生成・作成する。
【0042】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、聴覚障害者への配慮として筆談用具の提供(第1配慮措置)と、手話通訳の提供(第2配慮措置)とを区別し、筆談用具の提供を手話通訳の提供より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。聴覚障害者のうち、手話通訳を理解する人は少ない(聴覚障害者のうち20%しかいないという調査結果もある)ので、聴覚障害者への配慮としては筆談用具を重視・促進する必要がある。よって、このようにすれば聴覚障害者への適切な配慮を促進することができる。
なお、ここでは「文字情報の提供」の例として筆談用具の提供を用いたが、筆談用具の提供に限らず、動画や画像への字幕の付与なども含まれる場合があるものとする。
【0043】
(バリアフリー器具に関する評価)
図8は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第6の例であり、第6配慮措置入力画面、第6配慮措置入力データ、第6評価データベース、第6評価点を表したものである。
【0044】
(配慮措置入力処理)
第6配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第6配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第6配慮措置入力画面には、簡易スロープの提供をしているか否か、提供している場合その簡易スロープは専門機関や専門家が認定したスロープなのか、認定されていない非認定スロープなのか、を入力するものである。
その企業では認定付きのスロープを提供しているとする。その場合、担当者は「簡易スロープの提供」と「専門家の認定付きスロープ提供」を示す情報を入力し(ここではそれに対応する2つのチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0045】
これにより、提供者端末2は、第6配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0046】
(評価点算出処理)
第6配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第6評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第6配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0047】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第6評価点:19」を生成・作成する。
【0048】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、専門機関や専門家が認定した簡易スロープ(バリアフリー器具)の提供(第1配慮措置)と、非認定の簡易スロープの提供(第2配慮措置)とを区別し、認定付きの簡易スロープを非認定の簡易スロープより評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。車椅子の中には電動の車椅子など非常に重いものがあり、強度が弱い簡易スロープを利用するとスロープが破損し事故につながる場合がある。すなわち、バリアフリーに詳しくない人が安易に簡易スロープを設置すると非常に危険な場合がある。よって、専門機関や専門家が認定したバリアフリー器具(簡易スロープ等)の利用を重視・促進する必要がある。よって、このようにすれば適切な配慮を促進することができる。
【0049】
(自動化装置に関する評価)
図9は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第7の例であり、第7配慮措置入力画面、第7配慮措置入力データ、第7評価データベース、第7評価点を表したものである。
【0050】
(配慮措置入力処理)
第7配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第7配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第7配慮措置入力画面には、バリアフリー事務室の提供をしているか否か、提供している場合その事務室には自動ドア(自動化を施した装置)が設置されているか否か、手動ドアが設置されているか否か、を入力するものである。
その企業では自動ドアを設置しているとする。その場合、担当者は「バリアフリー事務室の提供」と「自動ドアの設置」を示す情報を入力し(ここではそれに対応する2つのチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0051】
これにより、提供者端末2は、第7配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0052】
(評価点算出処理)
第7配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第7評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第7配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0053】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第7評価点:15」を生成・作成する。
【0054】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、自動ドアの設置(第1配慮措置)と、手動ドアの設置(第2配慮措置)とを区別し、自動ドアの設置を手動ドアの設置より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。障害者にとって手動でドアを開閉するのは困難な場合がある。よって、自動ドアの設置を重視・促進する必要がある。よって、このようにすれば適切な配慮を促進することができる。
なお、ここでは「自動化を施した装置」として「自動ドア(自動開閉ドア)」を例に説明したが、これに限るものではない。自動化を施した装置には、自動施錠ドア、エレベーター、手動ではなく自動的に上下動する椅子や机などが含まれる場合がある。
【0055】
(手続方法の選択に関する評価)
図10は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第8の例であり、第8配慮措置入力画面、第8配慮措置入力データ、第8評価データベース、第8評価点を表したものである。
【0056】
(配慮措置入力処理)
第8配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第8配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第8配慮措置入力画面には、手続方法の選択権の有無を入力するものである。
その企業では、例えば休暇届けを行う際、書面による届け出、電話による届け出、電子メールによる届け出など、各障害に合った届出方法(手続き方法)の選択を障害者に認めている。よって、担当者は「手続方法の選択権あり」を示す情報を入力し(ここではそれに対応するチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0057】
これにより、提供者端末2は、第8配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0058】
(評価点算出処理)
第8配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第8評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第8配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0059】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第8評価点:8」を生成・作成する。
【0060】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、手続方法の選択権がある場合(第1配慮措置)と、選択権がない場合(第2配慮措置)とを区別し、選択権がある場合を選択権がない場合より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。例えば、視覚障害者の場合は休暇届けを書面に記載するのは困難であり、電話による届け出の方が便利な場合があり、選択可能な手続方法の採用を重視・促進する必要がある。よって、このようにすれば適切な配慮を促進することができる。
なお、ここでは「選択可能な手続方法」とは、書面、電話、電子メール、テレビ会議などが含まれる場合がある。また、器具などの物品とは、例えば、バリアフリーに配慮した文具や家具などが含まれる場合がある。
【0061】
(バリアフリー研修会実施に関する評価)
図11は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第9の例であり、第9配慮措置入力画面、第9配慮措置入力データ、第9評価データベース、第9評価点を表したものである。
【0062】
(配慮措置入力処理)
第9配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第9配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第9配慮措置入力画面には、障害者を受け入れる職員や他の職員に対し、障害者の理解を深めるためのバリアフリー研修会を実施しているか否かを入力するものである。
その企業ではそのようなバリアフリー研修会を実施している。よって、担当者は「バリアフリー研修会の実施」を示す情報を入力し(ここではそれに対応するチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0063】
これにより、提供者端末2は、第9配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0064】
(評価点算出処理)
第9配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第9評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第9配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0065】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第9評価点:12」を生成・作成する。
【0066】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、バリアフリー研修会を実施している場合(第1配慮措置)と、実施していない場合(第2配慮措置)とを区別し、実施している場合を実施していない場合より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。障害者を雇用する上で、障害の特性や日常的に配慮すべき点を研修にて職員が学ぶことは非常に大切であり、バリアフリー研修会の実施を重視・促進する必要がある。よって、このようにすれば適切な配慮を促進することができる。
【0067】
(照明器具に関する評価)
図12は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第10の例であり、第10配慮措置入力画面、第10配慮措置入力データ、第10評価データベース、第10評価点を表したものである。
【0068】
(配慮措置入力処理)
第10配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第10配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第10配慮措置入力画面には、雇用する障害者に対し、照明器具の調整手段を提供しているか否かを入力するものである。
その企業では、照明の明るさや色合い、向きなどを調整する手段を提供している。よって、担当者は「照明器具の調整手段の提供」を示す情報を入力し(ここではそれに対応するチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0069】
これにより、提供者端末2は、第10配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0070】
(評価点算出処理)
第10配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第10評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第10配慮入力データに基づいて、各々の点数(基礎点と加点とからなる点数)を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0071】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第10評価点:7」を生成・作成する。
【0072】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、照明器具の調整手段を提供している場合(第1配慮措置)と、提供していない場合(第2配慮措置)とを区別し、提供している場合を提供していない場合より評価点を高くしている(第1配慮措置を採用している場合は加点して高評価にしている)。障害者の中には、通常の照明だと眩しいなどの症状を持つ人がおり、照明器具の調整手段の提供を重視・促進する必要がある。よって、このようにすれば適切な配慮を促進することができる。
【0073】
(バリアフリー化手段の数に関する評価)
図13は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第11の例であり、第11配慮措置入力画面、第11配慮措置入力データ、第11評価データベース、第11評価点を表したものである。
【0074】
(配慮措置入力処理)
第11配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第11配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第11配慮措置入力画面は、点字ブロックなどのバリアフリー化手段の数を入力するものである。
その企業では、点字ブロックを10個以上設置している。よって、担当者は「10個以上」を示す情報を入力し(ここではそれに対応するチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0075】
これにより、提供者端末2は、第11配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0076】
(評価点算出処理)
第11配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第11評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第11配慮入力データに基づいて、各々の点数を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0077】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第11評価点:8」を生成・作成する。
【0078】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、点字ブロックなどのバリアフリー化手段(配慮措置)の数が多くなるほど評価を高くして、評価を変動させている。
このようにすれば、バリアフリー化手段を充実させることができ、適切な配慮を促進することができる。
なお、バリアフリー化手段とは、点字ブロックのほか、音声案内、文字情報の提供、手話通訳など、施設・用具・コミュニケーション等をバリアフリーにする様々なものが含まれる場合があるものとする。
【0079】
(バリアフリー化手段の種類に関する評価)
図14は、配慮措置入力処理(STEP1)および評価点算出処理(STEP2)の第12の例であり、第12配慮措置入力画面、第12配慮措置入力データ、第12評価データベース、第12評価点を表したものである。
【0080】
(配慮措置入力処理)
第12配慮措置入力画面は、提供者端末2から、雇用した障害者に対して行っている配慮措置(或いは、行う予定の配慮措置)を入力する際に利用する情報入力画面である。
提供者端末2は、配慮管理サーバー1にアクセスして、第12配慮措置入力画面(入力画面を構成するデータ)を取得し、入力画面を提供者端末2が備える表示モニタに表示する。
第12配慮措置入力画面には、点字ブロックや筆談用具などのバリアフリー化手段の種類の多さ(数)を入力するものである。
その企業では、バリアフリー化手段を5種類以上設置している。よって、担当者は「5種類以上」を示す情報を入力し(ここではそれに対応するチェックボックスにチェックを入れる)、送信ボタンをクリックする。
【0081】
これにより、提供者端末2は、第12配慮措置入力データを生成し、これを配慮管理サーバー1に送信する。
【0082】
(評価点算出処理)
第12配慮措置入力データを受信した配慮管理サーバー1は、これを記憶装置に記憶する。
配慮管理サーバー1の記憶装置には、第12評価データベースが記憶されている。これは、企業が採用した配慮措置の評価を行うための基礎となるデータであり、配慮措置とそれに対応する点数とを各々対応付けた(関連付けた)ものである。
配慮管理サーバー1は、受信した第12配慮入力データに基づいて、各々の点数を検索・抽出する(なお、この処理は第1評価点算出のケースと同様である)。
【0083】
次に、配慮管理サーバー1は、検索・抽出した点数を合計し、「第12評価点:8」を生成・作成する。
【0084】
これにより、企業等が採用する配慮措置を適切に評価することができ、少数派の人達に対し適切な配慮を行うことができる。
また、この例では、点字ブロックなどのバリアフリー化手段(配慮措置)の種類が多くなるほど評価を加点して高くすることにより評価を変動させている。
このようにすれば、バリアフリー化手段の種類を充実させることができ、適切な配慮を促進することができる。
【0085】
図15は、合理的配慮到達基準点(合理的配慮に達していると判断できる点数)を表したデータであり、ここでは100点を基準点とする。
配慮管理サーバー1は、上記の第1評価から第12評価を合計し、合計評価点164点を算出し、記憶装置に予め記憶されているコメントと点数とを合わせて、評価コメントデータ(複数の評価要素からなる最終的な判定評価)「入力された配慮措置の評価は164点です。基準点100点に到達しており、合理的配慮を充分に行っていると評価できます。」を作成し、これを提供者端末2に送信(出力)する(評価出力手段)。なお、基準点に達していない場合は、「合理的配慮が不十分です。」等の評価コメントデータを作成する。
これを受信した提供者端末2は、記憶装置に記憶するとともに、表示モニタに図13のように表示する。
これにより、担当者は自社の配慮措置の評価を知ることができる。
なお、上記12の例は例示であり、この一部だけでも評価は可能である。また、上記12の例以外の配慮措置を入力して評価を受けることも可能である。
【0086】
図16は、障害種別により配慮措置への評価を変動させたものである。
障害種別が視覚障害の場合、音声案内は有効であるため評価点は10点である。しかし、同じ音声案内という配慮措置であっても障害種別が聴覚障害の場合、音声案内は有効でないため評価点は2点である。
このように障害種別により配慮措置への評価を変動させれば、よりきめ細やかな評価を行うことができ、評価が適切なものになる。
【0087】
上記実施例では特定のケースについて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、同様の役割を果たすことができれば、他のハードウェア、他のデータやデータ項目、他の処理手順・処理内容、他の表示内容等であってもよい。
データの出力とは、データを送信すること、データを印刷すること、データを表示モニタに表示すること等が含まれる場合がある。また、各装置間で送受信されるデータは各装置の記憶装置に記憶されるものである。
上記実施例ではインターネットを介して処理しているが、これを1台のコンピュータで処理してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 配慮管理サーバー
2 提供者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16