(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20250325BHJP
B65D 77/06 20060101ALI20250325BHJP
A45D 34/00 20060101ALN20250325BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D77/06 H
A45D34/00 510Z
(21)【出願番号】P 2024515460
(86)(22)【出願日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 KR2023006598
(87)【国際公開番号】W WO2024029696
(87)【国際公開日】2024-02-08
【審査請求日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0097480
(32)【優先日】2022-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】524088504
【氏名又は名称】シニルピービーシー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】524088515
【氏名又は名称】ハン,ミョンジン
(73)【特許権者】
【識別番号】524088526
【氏名又は名称】ハン,ミョンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ミョンジン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ミョンヒョン
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-088582(JP,A)
【文献】特開2012-245993(JP,A)
【文献】実開平05-034167(JP,U)
【文献】特開平07-223689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 77/06
B05B 11/00
A45D 34/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に挿入空間が形成されて、前記挿入空間の入口が上端に形成される外部容器;
前記挿入空間の入口の上側に、前記外部容器とは分離された状態で位置して、ポンプキャップを有するエアレス排出ポンプ;及び
前記挿入空間内に挿入され、内側に形成される貯蔵空間に内容物が貯蔵され、上端に前記挿入空間の入口から上側に突出して、前記貯蔵空間の入口を有する突出部が形成され、前記突出部が前記ポンプキャップにネジ結合することにより、前記エアレス排出ポンプを固定させ、前記エアレス排出ポンプのポンピングによって内側に形成される負圧により収縮する材質からなることで、収縮によって、廃棄の際、前記エアレス排出ポンプと共に前記外部容器から分離されるようにする内部容器;を含み、
前記外部容器は、
前記ポンプキャップとは分離されるものの、前記入口の上端に拡径して、前記ポンプキャップの下端を支持するための拡張支持部が一体に形成され、
前記内部容器は、
外側面が前記外部容器の内側面と嵌め込み結合する構造を提供しないことで、収縮によって、外側面が前記外部容器の内側面から分離されるようにし、
前記ポンプキャップの下端と前記拡張支持部との間を介して外部と連結されるように、前記外部容器の入口の内側面と、前記内部容器の入口の外側面のいずれかに周りに沿って多数設けられて、前記内部容器と前記外部容器との間に空気が流入するようにする空気流入通路を更に含む、
製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器。
【請求項2】
前記ポンプキャップは、
内周面に雌ネジ部が形成され、
前記内部容器は、
前記雌ネジ部にネジ結合するための雄ネジ部が、前記突出部の外周面に形成される、
請求項1に記載の製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器。
【請求項3】
前記外部容器は、
前記内部容器の圧縮により、前記挿入空間内に形成される負圧を解消するように、外気が流入する圧縮流入孔が少なくとも1つ以上形成される、
請求項1に記載の製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアレスタイプの包装容器に関し、より詳細は、内部容器の入口側と外部容器の入口側とがブロー(Blow)成形工程の高温下でも、互いに付着することを防止して、外部容器と内部容器との分離状態を維持させ、これにより、エアレスタイプの排出ポンプと内部容器との同時廃棄に対する信頼性を向上させるようにする、製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、容器内に貯蔵されている内容物を一定量排出して使用できるようにする手段の1つとして化粧品容器には、エアレス排出ポンプ(Airless outlet pump)を容器の入口に取り付けて使用する。
【0003】
エアレス排出ポンプを使用しない場合、容器の開口部が開いている状態で、化粧中に容器に入っている化粧品が待機中の空気に接触するとともに、異物が流入し続いて、化粧品が容易に汚染及び変質する問題点があった。化粧品が急速に汚染及び変質しないとしても、使用のため蓋を開放する度に化粧品の固有の香と臭いは勿論であり、水分が抜け出しやすくなることで、化粧品本来の成分を失う重大な問題点があった。
【0004】
かかる問題点を解決するための方法として、エアレス排出ポンプを有する包装容器を使用するが、包装容器の内部を真空状態で保管できるように構成し、かつ、これの上部には、エアが供給されていない状態で、内容物を一定量ポンピングして吐出することができるようにする。すなわち、容器内の化粧品を使用する際には、エアレス排出ポンプのヘッドを一回押すと、適正量の化粧品がポンピングして外部に吐出されることで、使用の便利性と貯蔵性を図ったものである。これらのエアレス排出ポンプを備えた包装容器は、上記した化粧品だけでなく、医薬品などの収容を始め、様々な液状物の貯蔵に使用されている。
【0005】
従来は、エアレス排出ポンプを有する包装容器に関する技術として、韓国登録特許第10-2009626号の「効率の良い廃棄可能なエアレスタイプの包装容器」が示されたことがあるが、これは、上端に開口が形成され、上部の外周面に雄ネジ部が形成される外部容器;前記外部容器の内側に取り付けられて、前記外部容器の上端を囲むように折り部が設けられる、上端に形成される出入口を介して内容物が内側に貯蔵され、内側の負圧によって収縮する材質からなる内部容器;前記内部容器の外側面または前記外部容器の内側面のうち周りに沿って多数設けられる離隔突起が、前記折り部の末端から下部まで突出することにより、前記内部容器と前記外部容器との間に空気が流入するようにする空気流入通路;前記雄ネジ部にポンプキャップがネジ締結することにより、前記内部容器に挿入するように、前記外部容器の上端に固定されるエアレス排出ポンプ;前記内部容器の上端に上方に向けて設けられる第1の回転許容結合部;及び前記ポンプキャップが前記雄ネジ部にネジ締結するとき、前記第1の回転許容結合部に離脱を抑えるように挟まれるために、前記ポンプキャップの内側に下方に向けて設けられ、前記第1の回転許容結合部に挟まれた状態で、前記第1の回転許容結合部から回転可能にする第2の回転許容結合部;を含む。
【0006】
このような従来技術は、内部容器と外部容器の二重構造の特性上、ブロー(Blow)成形工程で製作されるが、外部容器の開口と内部容器の出入口とがエアレス排出ポンプのポンプキャップにネジ結合及び嵌め込み結合で固定されることで、外部容器の入口側と内部容器の入口側とが重なるしかない構造を有するようになり、これにより、ブロー成形工程の際、高温により外部容器の入口側と内部容器の入口側とが付着して、廃棄の際、内部容器を外部容器から分離させるのに困難である問題点を持っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来技術に対する問題点を解決するために、成形金型によって、加熱と成形空気圧の注入により内部容器と外部容器とを同時にブロー成形する場合でも、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが互いに重畳する部分を最小化することで、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが、高温下でも付着することを防止するようにして、外部容器と内部容器との分離状態を維持させ、これにより、エアレスタイプの排出ポンプと内部容器との同時廃棄に対する信頼性を向上させ、外部容器のリサイクル効率を大きく向上させることで、廃棄物処理コストを抑えるとともに、資源の無駄使いを防止することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するために本発明の一側面によれば、内側に挿入空間が形成されて、前記挿入空間の入口が上端に形成される外部容器;前記挿入空間の入口の上側に、前記外部容器とは分離された状態で位置して、ポンプキャップを有するエアレス排出ポンプ;及び前記挿入空間内に挿入され、内側に形成される貯蔵空間に内容物が貯蔵され、上端に前記挿入空間の入口から上側に突出して、前記貯蔵空間の入口を有する突出部が形成され、前記突出部が前記ポンプキャップにネジ結合することにより、前記エアレス排出ポンプを固定させ、前記エアレス排出ポンプのポンピングによって内側に形成される負圧により収縮する材質からなることで、収縮によって、廃棄の際、前記エアレス排出ポンプと共に前記外部容器から分離されるようにする内部容器;を含む、製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器が提供される。
【0009】
前記ポンプキャップは、内周面に雌ネジ部が形成され、前記内部容器は、前記雌ネジ部にネジ結合するための雄ネジ部が、前記突出部の外周面に形成されていてもよい。
【0010】
前記外部容器は、前記入口の上端に拡径して、前記ポンプキャップの下端を支持するための拡張支持部が一体に形成されていてもよい。
【0011】
前記外部容器の入口の内側面と、前記内部容器の入口の外側面のいずれかに周りに沿って多数設けられて、前記内部容器と前記外部容器との間に空気が流入するようにする空気流入通路を更に含んでいてもよい。
【0012】
前記外部容器は、前記内部容器の圧縮により、前記挿入空間内に形成される負圧を解消するように、外気が流入する圧縮流入孔が少なくとも1つ以上形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器によれば、成形金型によって、加熱と成形空気圧の注入により内部容器と外部容器とを同時にブロー成形する場合でも、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが互いに重畳する部分を最小化することで、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが、高温下でも付着することを防止するようにし、外部容器と内部容器との分離状態を維持することができ、これにより、エアレスタイプの排出ポンプと内部容器との同時廃棄に対する信頼性を向上させることができ、外部容器のリサイクル効率を大きく向上させることで、廃棄物処理コストを抑えるとともに、資源の無駄使いを防止するようにする効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器を示した断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器の使用を終了して、廃棄の必要な状態を示した断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器における外部容器を示した平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器におけるエアレス排出ポンプと内部容器とを分離させた状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、種々の変更によって様々な実施形態を有することができるため、特定の実施形態を例として図面に示して説明しようとする。また、本発明は、このような特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の技術思想に含まれるあらゆる変更、均等物乃至代替物を含むものであると理解される。
【0016】
以下では、添付の図面を参照して、本発明による実施形態について詳説することとし、図面符号に関係なく、同一又は対応する構成要素に対しては同じ参照番号を付して、これに対して重複する説明を省略することとする。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器を示した断面図であり、
図2は、本発明の一実施形態による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器の使用を終了して、廃棄の必要な状態を示した断面図である。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器100は、外部容器110と、排出ポンプ120と、内部容器130と、を含んでいてもよい。
【0019】
外部容器110は、内側に挿入空間111が形成されて、挿入空間111の入口112が上端に形成される。外部容器110は、円筒状を一例に例示したものの、これに必ずしも限るものではなく、様々な形態を有していてもよいことは勿論である。
【0020】
外部容器110は、後述するポンプキャップ121とは分離されるものの(
図1、
図2及び
図4参照)、挿入空間111の入口112の上端に拡径して、ポンプキャップ121の下端を支持するための拡張支持部113が一体に形成されていてもよいが、これらの拡張支持部113によって下方に加圧力が作用するエアレス排出ポンプ120のポンプキャップ121の下端を安定的に支持するようにすることができる。
【0021】
外部容器110は、挿入空間111内に挿入された内部容器130の圧縮により、挿入空間111内に形成される負圧を解消するように、外気の流入する圧縮流入孔114が少なくとも1つ以上形成されていてもよい。よって、圧縮流入孔114によって外部容器110の内側に外気が流入できるようになることで、内部容器130の圧縮が円滑に行われるようにすることができる。
【0022】
エアレス排出ポンプ120は、挿入空間111の入口112の上側に外部容器110とは分離された状態で位置し、ポンプキャップ121を有する。ポンプキャップ121は、内周面に雌ネジ部122が形成されていてもよい。
【0023】
エアレス排出ポンプ120は、内部容器130にポンプキャップ121の雌ネジ部122がネジ締結することにより、内部容器130に挿入されるように、外部容器110から分離された状態で固定されるものの、吸入チューブ123が内部容器130内に挿入されることにより、上部のヘッド124の押さえ動作によるポンピング力によって、内部容器130から吸入チューブ123を介して内容物を吸い込み、吐出口125を介して吐出されるようにすることができる。
【0024】
エアレス排出ポンプ120は、内部容器130に貯蔵された液状の内容物を一定量ずつ排出させながら、内部容器130内の内容物が外部の空気に接触することを防止するようになるが、この構成は、公知の構成であって、公知の技術や既存製品が使用され得ることは勿論である。
【0025】
内部容器130は、挿入空間111内に挿入され、内側に形成される貯蔵空間131に内容物が貯蔵され、上端に挿入空間111の入口112から上側に突出して、貯蔵空間131の入口132を有する突出部133が形成され、突出部133がポンプキャップ121にネジ結合することにより、エアレス排出ポンプ120を固定させ、エアレス排出ポンプ120のポンピングによって内側に形成される負圧により収縮する材質からなることで、収縮によって、廃棄の際、エアレス排出ポンプ120と共に外部容器110から分離されるようにする(
図4参照)。ここで、内容物は、化粧品を例に挙げられるものの、これに限らず、薬品やシロップを含め、化学剤だけでなく、様々な液状物が該当し得る。内部容器130は、外側面が外部容器110の内側面と嵌め込み結合する構造を提供しないことで、収縮によって、外側面が外部容器110の内側面から分離されるようにする(
図1、
図2及び
図4参照)。
【0026】
外部容器110と内部容器130は、一例として、互いに重なった状態で、フリーフォーム射出成形乃至ブロー成形によって所望の体積と形態を有するように製作され得るものの、これに限らず、他の例として、構造的に許容される範囲内におけるそれぞれ個別製作されて、互いに重なるように製造されてもよいことは勿論である。
【0027】
内部容器130は、ポンプキャップ121の雌ネジ部122にネジ結合するための雄ネジ部134が突出部133の外周面に形成されていてもよい。
【0028】
本発明による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器100は、ポンプキャップ121の下端と拡張支持部113との間を介して外部と連結されるように、外部容器110の入口112の内側面と、内部容器130の入口132の外側面のいずれかに周りに沿って多数設けられて、内部容器130と外部容器110との間に空気が流入するようにする空気流入通路140を更に含んでいてもよい。よって、外部容器110と内部容器130との組立て後、ブロー(Blow)成形過程時または製作を終了した後の使用時、内部容器130の収縮によって、外部容器110内に形成される負圧が空気流入通路140によって解除されるようにすることで、ブロー成形と内部容器130の圧縮による使用が円滑に行われるようにすることができる。一方、
図1及び
図3のように、空気流入通路140は、外部容器110の入口112の内側に形成されることを例に挙げたが、必ずしもこれに限るものではなく、他の例として、内部容器130の入口132の内側に形成されていてもよいことは勿論である。
【0029】
このような本発明による製作と廃棄の容易なエアレスタイプの包装容器によれば、成形金型によって、加熱と成形空気圧の注入により内部容器と外部容器とを同時にブロー成形する場合でも、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが互いに重畳する部分を最小化することで、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが、高温下でも付着することを防止するようにして、外部容器と内部容器との分離状態を維持することができる。
【0030】
また、本発明によれば、上記した作用により、エアレスタイプの排出ポンプと内部容器との同時廃棄に対する信頼性を向上させることができ、外部容器のリサイクル効率を大きく向上させることで、廃棄物処理コストを抑えるとともに、資源の無駄使いを防止することができる。
【0031】
このように、添付の図面を参照して本発明を説明したが、本発明の技術思想を外れない範囲内における様々な変形が可能である。よって、本発明の範囲は、上記した実施形態に限って定めてはならず、特許請求の範囲、そして、このような特許請求の範囲と均等なものなどによって定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、成形金型によって、加熱と成形空気圧の注入により内部容器と外部容器とを同時にブロー成形する場合でも、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが互いに重畳する部分を最小化することで、内部容器の入口側と外部容器の入口側とが、高温下でも付着することを防止するようにし、外部容器と内部容器との分離状態を維持することができ、これにより、エアレスタイプの排出ポンプと内部容器との同時廃棄に対する信頼性を向上させることができ、外部容器のリサイクル効率を大きく向上させるようにする効果を有する。