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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20250325BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20250325BHJP
   H02P 27/08 20060101ALI20250325BHJP
【FI】
B62B3/00 B
B60L9/18 J
H02P27/08
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020114620
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012639
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-06-05
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳一
(72)【発明者】
【氏名】桂 斉士
(72)【発明者】
【氏名】北村 太一
(72)【発明者】
【氏名】馬場 千佳
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】横溝 顕範
【審判官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-512307号公報(JP,A)
【文献】特開平04-355605号公報(JP,A)
【文献】特開2014-195391号公報(JP,A)
【文献】特開2016-213977号公報(JP,A)
【文献】特開平9-56015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B3/00
B60L9/18
H02P27/08
H02P6/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に取り付けられる駆動ユニットであって、
モータと、
前記移動体の車速に関する車速情報を検出する第1検出部と、
前記モータをPWM制御する制御部と、
前記制御部にオンオフ信号を出力する入力装置と、
を備え、
前記制御部は、前記入力装置からの信号がオン信号であると判断すると、前記第1検出部によって検出された車速情報に応じて、PWM信号のデューティ比を制御し、
前記制御部は、前記モータの回転速度の増加に伴い、前記デューティ比を増加させる、
駆動ユニット。
【請求項2】
前記第1検出部は、前記車速情報として前記モータの回転速度を検出する、
請求項に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記制御部は、第1モード及び第2モードを選択的に実行し、
前記制御部は、前記第1モードにおいて前記車速情報に応じて前記デューティ比が増減するように制御し、前記第2モードにおいて前記車速情報に関わらず前記デューティ比が一定となるように制御する、
請求項1又は2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記モータの電流を検出する第2検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2検出部によって検出された前記モータの電流に応じて、前記デューティ比を補正する、
請求項1からのいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記モータの温度を検出する第3検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記第3検出部によって検出された前記モータの温度に応じて、前記デューティ比を補正する、
請求項1からのいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記移動体上に載置される物体の重量を検出する第4検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記第4検出部によって検出された重量に応じて、前記デューティ比を補正する、
請求項1からのいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項7】
使用者によって操作される補正値入力装置をさらに備え、
前記制御部は、前記補正値入力装置の操作量に応じて、前記デューティ比を補正する、
請求項1からのいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項8】
モータドライバをさらに備え、
前記制御部は、前記モータドライバを介して、前記モータを制御する、
請求項1からのいずれかに記載の駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハンドリフト、台車、又は車椅子などの移動体に駆動ユニットを取り付けて、移動体の性能を高めることが提案されている。駆動ユニットは、車輪を回転駆動するためのモータを有している(特許文献1参照)。モータは、回転速度が高くなると最大出力トルクが低くなり、回転速度が低くなると最大出力トルクが高くなるという特性を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2014-512307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した駆動ユニットは、最大能力でモータを駆動すると始動時に高トルクを出力するため、始動時に急加速したり駆動輪がスリップしてしまったりするおそれがある。これらを防ぐために、駆動電圧値(又はその結果としての電流値)を一律に制限してモータのトルクを抑えると、モータの回転速度の最大値も低下してしまうという問題が発生する。このため、より適切にモータの出力トルクを制御することが要望されている。
【0005】
本発明の課題は、適切にモータの出力トルクを制御することのできる駆動ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある側面に係る駆動ユニットは、移動体に取り付けられる駆動ユニットであって、モータと、第1検出部と、制御部とを備える。第1検出部は、移動体の車速に関する車速情報を検出する。制御部は、モータをPWM制御する。制御部は、第1検出部によって検出された車速情報に応じて、PWM信号のデューティ比を制御する。
【0007】
この構成によれば、車速情報に応じて制御部がPWM信号のデューティ比を制御するため、例えば、モータの回転速度が高くなるにつれてデューティ比が大きくなるようにデューティ比を制御することができる。このため、モータの回転速度が低いときにデューティ比は小さくなるため、出力トルクも小さくなる。したがって、始動時の急加速や駆動輪がスリップするという問題を抑制することができる。また、モータの回転速度が高いときにデューティ比は大きくなるため、モータの回転速度の最大値の低下を抑制することもできる。以上のように、上述した駆動ユニットは、適切にモータの出力トルクを制御することができる。
【0008】
好ましくは、制御部は、モータの回転速度の増加に伴い、デューティ比を増加させる。
【0009】
好ましくは、第1検出部は、車速情報としてモータの回転速度を検出する。
【0010】
好ましくは、制御部は、第1モード及び第2モードを選択的に実行する。制御部は、第1モードにおいて、車速情報に応じてデューティ比が増減するように制御する。また、制御部は、第2モードにおいて、車速情報に関わらずデューティ比が一定となるように制御する。
【0011】
好ましくは、駆動ユニットは、第2検出部をさらに備える。第2検出部は、モータの電流を検出するように構成される。制御部は、第2検出部によって検出されたモータの電流に応じて、デューティ比を補正する。
【0012】
好ましくは、駆動ユニットは、第3検出部をさらに備える。第3検出部は、モータの温度を検出するように構成される。制御部は、第3検出部によって検出されたモータの温度に応じて、デューティ比を補正する。
【0013】
好ましくは、駆動ユニットは、第4検出部をさらに備える。第4検出部は、移動体上に載置される物体の重量を検出するように構成される。制御部は、第4検出部によって検出された重量に応じて、デューティ比を補正する。
【0014】
好ましくは、駆動ユニットは、補正値入力装置をさらに備える。補正値入力装置は、使用者によって操作される。制御部は、補正値入力装置の操作量に応じて、デューティ比を補正する。
【0015】
好ましくは、駆動ユニットは、モータドライバをさらに備える。制御部は、モータドライバを介して、モータを制御する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、適切にモータの出力トルクを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】駆動ユニットのブロック図。
図2】回転速度とデューティ比との関係を示すグラフ。
図3】制御部の処理の一例を示すフローチャート。
図4】制御部の処理の一例を示すフローチャート。
図5】回転速度とトルクとの関係を示すグラフ。
図6】変形例に係る制御部の処理の一例を示すフローチャート。
図7】変形例に係る駆動ユニットのブロック図。
図8】変形例に係る駆動ユニットのブロック図。
図9】変形例に係る駆動ユニットのブロック図。
図10】変形例に係る駆動ユニットのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態に係る駆動ユニット100について図面を参照しつつ説明する。駆動ユニット100は、移動体に取り付けられる。移動体として、ハンドリフト、台車、無人搬送車、車椅子、又はキックボードなどを例示することができる。移動体は、物体を運搬するように構成されている。なお、物体とは人物なども含む概念である。移動体は、例えば、車輪を含んでいる。
【0019】
<駆動ユニット>
図1に示すように、駆動ユニット100は、入力装置2、モータ3、第1検出部4、モータドライバ5、及び制御部6を備えている。また、駆動ユニット100は、バッテリ7、及び駆動輪(図示省略)を有している。
【0020】
<入力装置>
入力装置2は、例えばオンオフスイッチである。使用者が入力装置2を操作することによって、入力装置2が制御部6にオンオフ信号を出力する。この結果、モータ3が駆動したり停止したりする。
【0021】
<モータ>
モータ3は、駆動ユニット100の駆動輪を回転駆動するように構成されている。モータ3は、モータドライバ5を介してバッテリ7から電力が供給される。モータ3は、モータドライバ5から出力される電圧及び電流に応じて駆動する。
【0022】
<第1検出部>
第1検出部4は、移動体の車速に関する車速情報を検出するように構成されている。第1検出部4は、例えば、モータ3の回転速度を検出する。第1検出部4は、例えば、ロータリエンコーダなどによって構成される。第1検出部4は、制御部6に車速情報を出力する。なお、第1検出部4は、モータドライバ5を介して制御部6に車速情報を出力してもよい。第1検出部4はモータ3に内蔵されていてもよい。
【0023】
<モータドライバ>
モータドライバ5は、モータ3、制御部6、及びバッテリ7と電気的に接続されている。モータドライバ5は、バッテリ7からの電流及び電圧をモータ3に出力する。モータドライバ5は、制御部6からの指示信号に基づき、モータ3を駆動する。詳細には、モータドライバ5は、制御部6から指示信号を受信し、その指示信号に応じた電圧及び電流をモータ3に出力する。
【0024】
<制御部>
制御部6は、モータ3をPWM制御する。制御部6は、第1検出部4によって検出された車速情報に応じて、PWM信号のデューティ比を制御する。具体的には、制御部6は、モータ3の回転速度の増加に伴い、デューティ比を増加させる。
【0025】
制御部6は、入力装置2からオン信号を取得した場合、制御部6は、第1モードを実行する。第1モードにおいて、制御部6は車速情報に応じてデューティ比が増減するように制御する。
【0026】
制御部6は、車速情報に基づきPWM信号のデューティ比を演算する。なお、制御部6は、例えば、図2に示すように、モータ3の回転速度が高くなるにつれて大きくなるようにデューティ比を設定することができる。デューティ比の増加率は、例えば、一定である。すなわち、デューティ比は、直線的に増加する。なお、デューティ比の増加率は一定でなくてもよい。例えば、デューティ比の増加率は、回転速度が高くなるにつれて大きくなってもよいし、回転速度が高くなるにつれて小さくなってもよい。
【0027】
図1に示すように、制御部6は、上記のようにデューティ比を演算し、その演算結果を指示信号としてモータドライバ5に出力する。モータドライバ5は、制御部6によって算出されたデューティ比に基づき、モータ3に電圧及び電流を出力する。
【0028】
制御部6は、入力装置2からのオフ信号を取得した場合、モータ3の電気駆動を停止する。すなわち、制御部6は、モータドライバ5からモータ3への電圧及び電流の出力を停止する。
【0029】
制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)等を備えるコンピュータ(例えばマイクロコンピュータ)によって構成されている。ROMには、PWM信号のデューティ比を演算するためのプログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを実行する。
【0030】
<制御部の動作>
次に、図3及び図4のフローチャートを参照しつつ、制御部6により実行される処理の一例を説明する。
【0031】
まず、制御部6は、入力装置2からオンオフ信号を取得する(ステップS1)。そして、制御部6は、入力装置2からの信号がオン信号か否か判定する(ステップS2)。
【0032】
制御部6は、入力装置2からの信号がオン信号ではない、すなわち、入力装置2からの信号がオフ信号であると判定すると(ステップS2のNo)、モータ3の電気駆動を停止する(ステップS3)。詳細には、制御部6は、モータドライバ5からモータ3への電圧及び電流の出力を停止する。なお、モータ3が既に停止している場合は、制御部6はその停止を継続させる。
【0033】
一方、制御部6は、入力装置2からの信号がオン信号であると判定すると(ステップS2のYes)、第1モードを実行する(ステップS4)。
【0034】
図4に示すように、第1モードにおいて、制御部6は、以下の処理を実行する。まず、制御部6は、第1検出部4によって検出された車速情報を取得する(ステップS41)。制御部6は、第1検出部4から直接、車速情報を取得してもよいし、モータドライバ5を介して車速情報を取得してもよい。
【0035】
次に、制御部6は、取得した車速情報に基づき、デューティ比を演算する(ステップS42)。具体的には、制御部6は、モータ3の回転速度とデューティ比との関係を表す関数又はテーブルなどにしたがって、デューティ比を演算する。
【0036】
そして、算出されたデューティ比に基づいてモータドライバ5が電圧及び電流をモータ3に出力するように、制御部6はモータドライバ5に指示信号を出力する(ステップS43)。
【0037】
以上のように構成された駆動ユニット100によると、図5に示すように、以下のような効果を得ることができる。なお、図5は、モータ3の回転速度とモータ3の出力トルクとの関係を示すグラフである。
【0038】
図5の点線は、デューティ比を制御せずにデューティ比を一定として(例えばデューティ比100%)モータ3を駆動させた場合の回転速度とトルクとの関係を示している。回転速度が低いとき、すなわち始動時に最大トルクでモータが回転する。このため、急加速やスリップなどの問題が生じるおそれがある。
【0039】
そこで、デューティ比を一律に低下させると(例えばデューティ比50%)、回転速度とトルクとの関係は図5の二点鎖線のようになる。このようにデューティ比を小さくすることで始動時のトルクも小さくすることができるため、始動時の急加速やスリップを防ぐことができる。一方で、回転速度の最大値も低下してしまうという問題が生じる。
【0040】
これに対して、本実施形態に係る駆動ユニット100では、制御部6が、モータ3の回転速度に応じてデューティ比を制御している。このため、モータ3の回転速度が低いときはデューティ比を小さくすることで出力トルクを小さくして、始動時の急加速及び駆動輪のスリップなどを抑制することができる。また、モータ3の回転速度が高くなるにつれてデューティ比を大きくすることができるため、モータ3の回転速度の最大値の低下を防止することもできる。すなわち、本実施形態に係る駆動ユニット100では、モータ3の回転速度とモータ3の出力トルクとの関係は、図5の実線で示すようになる。
【0041】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0042】
変形例1
制御部6は、第1モードと第2モードとを選択的に実行してもよい。使用者は、入力装置2を介して、モードを選択する。例えば、使用者は、オフモード、第1モード、及び第2モードを選択する。使用者が入力装置2を操作することによって、入力装置2が制御部6にモード選択信号を出力する。なお、オフモードが選択された場合、モータ3の電気駆動は停止する。
【0043】
使用者が第1モードを選択した場合、制御部6は、上記実施形態と同様に、第1モードを実行する。
【0044】
一方、使用者が第2モードを選択した場合、制御部6は、第2モードを実行する。第2モードでは、制御部6は、車速情報に関わらずデューティ比が一定とするように制御する。すなわち、制御部6は、第1モードのようなデューティ比の演算を実行しない。制御部6は、車速情報に関わらず一定のデューティ比となるように、モータドライバ5に指示信号を出力する。モータドライバ5は、制御部6からの指示に基づき、一定のデューティ比(例えば100%)でモータ3に電圧及び電流を出力する。
【0045】
図6は、変形例1における制御部6の処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、制御部6は、入力装置2からのモード選択信号を取得する(ステップS11)。
【0046】
制御部6は、モード選択信号がオフモードを示しているか否かを判定する(ステップS12)。制御部6は、モード選択信号がオフモードを示していると判定した場合(ステップS12のYes)、モータ3を停止する(ステップS13)。
【0047】
制御部6は、モード選択信号がオフモードを示していないと判定した場合(ステップS12のNo)、モード選択信号が第1モードを示しているか否かを判定する(ステップS14)。
【0048】
制御部6は、モード選択信号が第1モードを示していると判定した場合(ステップS14のYes)、第1モードを実行する(ステップS15)。
【0049】
一方、制御部6は、モード選択信号が第1モードを示していないと判定した場合(ステップS14のNo)、第2モードを実行する(ステップS16)。すなわち、制御部6は、演算することなく所定のデューティ比で電圧及び電流を出力するようにモータドライバ5に指示信号を出力する。
【0050】
なお、制御部6は、第1モード及び第2モードに加えて、第3モードを選択的に実行してもよい。第3モードにおいて、制御部6は、第2モードのときと同様に処理を実行する。なお、第3モードでは、第2モードよりもデューティ比が小さい。
【0051】
変形例2
上記実施形態では、制御部6は、モータ3の回転速度にのみ基づいてデューティ比を制御しているが、駆動ユニット100の構成はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、駆動ユニット100は、第2検出部8をさらに備えていてもよい。第2検出部8は、モータ3の電流を検出するように構成されている。第2検出部8は、検出したモータ3の電流に関する情報を制御部6に出力する。
【0052】
制御部6は、第2検出部8によって検出されたモータ3の電流に応じて、デューティ比を補正する。詳細には、制御部6は、まず、モータ3の回転速度に応じたデューティ比を演算する。そして、制御部6は、その算出したデューティ比を、モータ3の電流に応じて補正する。
【0053】
例えば、制御部6は、モータ3の電流が低いほど、デューティ比が大きくなるようにデューティ比を補正することができる。他にも、制御部6は、モータ3の電流が所定の閾値以下の場合にのみ、デューティ比を補正して大きくしてもよい。
【0054】
変形例3
図8に示すように、駆動ユニット100は、第3検出部9をさらに備えていてもよい。第3検出部9は、モータ3の温度を検出するように構成されている。第3検出部9は、検出したモータ3の温度に関する情報を制御部6に出力する。
【0055】
制御部6は、第3検出部9によって検出されたモータ3の温度に応じて、デューティ比を補正する。詳細には、制御部6は、まず、モータ3の回転速度に応じたデューティ比を演算する。そして、制御部6は、その算出したデューティ比を、モータ3の温度に応じて補正する。
【0056】
例えば、制御部6は、モータ3の温度が低いほど、デューティ比が小さくなるようにデューティ比を補正することができる。また、制御部6は、モータ3の温度が低いほど、デューティ比が大きくなるようにデューティ比を補正してもよい。
【0057】
他にも、制御部6は、モータ3の温度が所定の閾値以上の場合にのみ、デューティ比を補正して小さくしてもよい。また、制御部6は、モータ3の温度が所定の閾値以下の場合にのみ、デューティ比を補正して大きくしてもよい。
【0058】
変形例4
図9に示すように、駆動ユニット100は、第4検出部10をさらに備えていてもよい。第4検出部10は、移動体上に載置される物体の重量を検出するように構成されている。第4検出部10は、検出した物体の重量に関する情報を制御部6に出力する。なお、移動体上に載置される物体としては、ハンドリフトや台車によって搬送される搬送物だけでなく、車椅子やキックボードに乗車する人物も含む概念である。
【0059】
制御部6は、第4検出部10によって検出された物体の重量に応じて、デューティ比を補正する。詳細には、制御部6は、まず、モータ3の回転速度に応じたデューティ比を演算する。そして、制御部6は、その算出したデューティ比を、物体の重量に応じて補正する。
【0060】
例えば、制御部6は、物体の重量が重いほど、デューティ比が大きくなるようにデューティ比を補正することができる。
【0061】
変形例5
図10に示すように、駆動ユニット100は、さらに、補正値入力装置11を有していてもよい。補正値入力装置11は、例えば、レバーとすることができる。使用者がこの補正値入力装置11を操作し、その操作量を調整することによって、デューティ比を補正することができる。
【0062】
詳細には、制御部6は、まず、モータ3の回転速度に応じたデューティ比を演算する。そして、制御部6は、補正値入力装置11の操作量に応じて、デューティ比を補正する。例えば、補正値入力装置11の操作量が大きい場合は、制御部6は、デューティ比が大きくなるようにデューティ比を補正する。なお、補正値入力装置11は、連続的に操作量が増減するような構成であってもよいし、段階的に操作量が増減するような構成であってもよい。
【0063】
変形例6
第1検出部4が検出する車速情報は、モータ3の回転速度でなくてもよい。例えば、第1検出部4は、加速度センサであってもよい。制御部6は、この加速度センサによって検出された移動体の加速度に基づき車速を演算し、その算出された車速に応じてデューティ比を制御してもよい。
【符号の説明】
【0064】
2 入力装置
3 モータ
4 第1検出部
5 モータドライバ
6 制御部
8 第2検出部
9 第3検出部
10 第4検出部
11 補正値入力装置
100 駆動ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10