(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】活性物質のための医薬担体および前記担体を含有する医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 47/20 20060101AFI20250325BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20250325BHJP
A61K 31/351 20060101ALI20250325BHJP
A61K 36/718 20060101ALI20250325BHJP
A61K 36/9066 20060101ALI20250325BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20250325BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20250325BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20250325BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20250325BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20250325BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250325BHJP
A61P 17/00 20060101ALN20250325BHJP
A61P 29/00 20060101ALN20250325BHJP
【FI】
A61K47/20
A61K9/06
A61K31/351
A61K36/718
A61K36/9066
A61K45/00
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/44
A61P3/10
A61P43/00 121
A61P17/00
A61P29/00
(21)【出願番号】P 2021540520
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(86)【国際出願番号】 PL2020050003
(87)【国際公開番号】W WO2020145833
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-01-13
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521307211
【氏名又は名称】ビオッツ エス エイ
【氏名又は名称原語表記】BIOTTS S A
【住所又は居所原語表記】ul. Krakowska 141-155, 50-428 Wroclaw, Poland
(74)【代理人】
【識別番号】100091502
【氏名又は名称】井出 正威
(72)【発明者】
【氏名】ビアナット,ポール
(72)【発明者】
【氏名】メレ,ヤン
【合議体】
【審判長】磯貝 香苗
【審判官】井上 千弥子
【審判官】石井 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-542285号公報(JP,A)
【文献】特表2003-515615号公報(JP,A)
【文献】特表2008-514606号公報(JP,A)
【文献】特表2015-516455号公報(JP,A)
【文献】特開2004-075632(JP,A)
【文献】国際公開第2008/049401(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
JSTPlus/JST7580/JMEDPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒和性の非プロトン性溶媒、炭酸アミド、および不飽和脂肪酸含有植物油を含有する、
皮膚を通して活性物質
を輸送する剤形のための医薬担体(但し、水を含有するものを除く)であって、
前記非プロトン性溶媒を、前記担体の0.01重量%~5重量%の量で含有し、
前記炭酸アミドを、前記担体の0.01重量%~2重量%の量で含有し、
前記不飽和脂肪酸含有植物油を、前記担体の1重量%~5重量%の量で含有し、
前記非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシドであり、
前記炭酸アミドが、尿素であり、
前記植物油が、大風子油、亜麻仁油、ナタネ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、麻実油及びその他の不飽和脂肪酸含有植物油から選択されること、
を特徴とする無水の担体。
【請求項2】
請求項
1に記載の担体および活性物質を含む無水の医薬組成物であって、
前記医薬組成物が皮膚を通して輸送される剤形であり、前記活性物質の前記担体に対する重量比が1:10~2:1であり、前記担体が前記組成物の1重量%~20重量%を構成することを特徴とする、無水の医薬組成物。
【請求項3】
前記無水の医薬組成物を調製するために使用される賦形剤を含有し、前記活性物質の前記賦形剤に対する重量比が1:2.5~1:494であることを特徴とする、請求項
2に記載の無水の医薬組成物。
【請求項4】
前記活性物質は、天然または合成起源の活性物質から選択されることを特徴とする、請求項
2または
3に記載の無水の医薬組成物。
【請求項5】
前記賦形剤の成分が豚脂、アヒル脂、ガチョウ脂、ユーセリン(商標)、Lekobaza(商標)、Hascobaza(商標)、白色ワセリンおよび黄色ワセリン、並びにそれらの任意の組合せから選択されることを特徴とする、請求項
3または
4に記載の無水の医薬組成物。
【請求項6】
前記剤形が、軟膏又は半固形混合物であることを特徴とする、請求項2~5の何れか1項に記載の無水の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性物質のための担体を含有する半固形薬物形態に関する。本発明は、薬学および医学において適用可能である。
【背景技術】
【0002】
炎症を含むいくつかの疾患状態において並行して投与されることがある、水溶性の活性物質と他の脂溶性の活性物質が公知である。炎症は、傷害因子の影響下で、血管新生化組織中に発生する順序付けられた過程である。炎症は、一般的に外因性または内因性因子である、化学的、物理的または生物学的(病原微生物への感染)因子により引き起こされることがある。血管の変化が、炎症反応の根底にある。防御機能を有する様々な血漿タンパク質、例えば抗体または補体が患部組織に進入し得る結果として、血管拡張、組織への血液供給および血管透過性の増大が起こる。
【0003】
これらの中で、活性物質は、Curcuma longa(Curcuma domestica)である。これはショウガ科の多年生植物であり、主にその風味のために赤道帯において栽培されている。生薬原料はlong curcuma(Curcumae longae rhizoma)であり、乾燥原料に対して、クルクミンとして算出される少なくとも3%のジシノイルメタン(dicinoylmethane)誘導体(クルクミノイド)および少なくとも3%の油(主にセスキテルペン)を含有する。クルクミンは、TPA誘発性炎症、過形成および増殖を阻害することが示されている。ターメリック根茎は、ラットにおいてブレオマイシンおよびアミオダロンの使用により引き起こされる炎症応答を阻害し、肺線維症を予防した。ターメリックの抗炎症効果は、マウス上皮におけるアラキドン酸代謝の阻害に関連する。研究では、カラギーナン試験におけるクルクミンの平均の有効用量は、ラットにおいてED50=48mg/kgであり、マウスにおいてED50=100.2mg/kgであることが示された。マウスにおけるターメリックのアルコール抽出物についてはED50=309.0mg/kg、水性抽出物についてはED50=4.7mg/kg、石油エーテル抽出物についてはED50=40.7mg/kg、クルクミン単独についてはED50=8.7mg/kg。Curcuma longa rhizomeは、いくつかの慢性炎症性疾患を処置するために使用することができる。Naharらは、クルクミンを有する脂質の固形複合体を含有する製剤に対する実験を実行した。リポ多糖(LPS)誘発性炎症に対するこの製剤のインビトロの活性を、RAW 264.7マウスマクロファージ株において試験した。製剤の使用により、一酸化窒素およびプロスタグランジンE2の濃度ならびにインターロイキン-6の濃度が、用量に依存して有意に減少した。転写因子NF-κBの阻害も認められている。発表された薬理学試験の結果により、マウス表皮ミクロソーム中のシクロオキシゲナーゼの活性およびサイトソル中のリポキシゲナーゼに対する、ターメリック成分の阻害効果が示されている。Ames試験では、ターメリックの水抽出物および単離されたクルクミンは、両方とも変異原性ではなかった。
【0004】
Coptisは、伝統的な日本、中国およびインドの医学において、多数の疾患を処置するために使用される。記述されたイソキノリンアルカロイド原料の薬理学的特性を考慮すると、以下の範囲:拡張、胆汁分泌促進、殺原虫(protozoicidal)、静菌および殺菌、静真菌、降圧、鎮静、解熱、鎮痛、細胞毒性、駆虫の作用を与えることができる。Coptisは、細菌細胞による毒素の放出を阻害する。Coptisは、ブドウ球菌(staphylococci)、連鎖球菌(streptococci)、肺炎球菌(pneumococci)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、炭疽菌(Bacillus anthracis)および赤痢菌(Dysenteriae Bacillus)のインビトロの成長を制限する。Coptis製剤は、リーシュマニア感染(リーシュマニア症)の処置に、首尾よく使用される。Coptis抽出物は、ベルベリンを含有する他の薬草のように、数多くの病原性原虫、例えば赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、ジアルジア(Giardia lamblia)および膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)を破壊する。数名の著者(例えばJohn ChenおよびTina Chen、2004年)は、Coptisは極めて広域スペクトル:赤痢菌(Bacillus dysenteriae)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、チフス菌(Salmonella typhi)、大腸菌(E. coli)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、バチルス・プロテウス(Bacillus proteus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、髄膜炎菌(Diplococcus meningitid)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ベータ溶血性連鎖球菌(streptococcus)、肺炎双球菌(Diplococcus pneumoniae)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)およびレプトスピラ(Leptospira)の抗菌活性を有すると報告している。彼らは、Coptisが大腸菌(E. coli)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の発生を著しく阻害すると考えている。Coptis Chinensis外用製剤は、口および喉の炎症、皮膚の炎症、生殖器、結膜炎および瞼の皮膚および粘膜の感染、眼の寄生虫症、乾癬、頭垢、直腸炎、生殖道感染の結果としての腟分泌物、皮膚および粘膜の真菌症(強力な浸出液および水-アルコール抽出物)、おでき、化膿性皮膚疾患、にきびの処置における適応が認められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、担体は、水溶性活性物質および脂溶性活性物質の両方の溶解または乳化を確実とすること、ならびに同時に、これらの物質の用量を、活性を増大させながら減少させることが可能なためにこれらのバイオアベイラビリティーを増大させること、加えて高い均質性および均一性を有し不純物の程度が低い半固形混合物およびそれを含有する組成物を得ることを可能とすることが求められる。意外なことに、前記課題は、本発明により解決された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の目的は、スルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒、炭酸アミド、および不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油を含有することを特徴とする活性物質のための医薬担体である。好ましくは、本発明による担体は、スルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒が、ジメチルスルホキシドを含む群から選択されることを特徴とする。等しく好ましくは、本発明による担体は、炭酸アミドが、尿素、カフェインまたはカフェインを含む吸収促進剤の群から選択されることを特徴とする。さらに好ましい本発明の実施形態では、担体は、不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油が、大風子油、ヒマワリ油、植物油、好ましくは亜麻仁油、ナタネ油、ピーナッツ油、麻実油を含む群から選択されることを特徴とする。別の等しく好ましい本発明の実施形態では、担体は、好ましくは白ろう、植物ろう、好ましくは黄ろう、カルナウバろう、ラノリンを含む群から選択される天然乳化剤を加えて含むことを特徴とする。別の等しく好ましい本発明の実施形態では、担体は、スルホキシド類の群からの物質を、強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒として、薬物の0.01重量%~5重量%の量で含有することを特徴とする。より好ましくは、本発明による担体は、炭酸アミドを、薬物の0.01重量%~2重量%の量で含有することを特徴とする。等しく好ましくは、本発明による担体は、不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油を、薬物の1重量%~5重量%の量で含有することを特徴とする。最も好ましくは、本発明による担体は、天然乳化物質を、薬物の0.001重量%~8重量%の量で含有することを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の目的は、本発明の第1の目的において定義されたような担体および活性物質を含み、活性物質と担体との比が1:10~2:1であり、担体が組成物の1重量%~20重量%を構成することを特徴とする、医薬組成物である。等しく好ましくは、本発明による組成物は、基質を含み、活性物質と賦形剤との重量比が1:2.5~1:494であり、好ましくは半固形の薬物形態を有することを特徴とする。より好ましくは、本発明による組成物は、天然または合成起源の活性物質、好ましくはCoptis Chinesis抽出物、Curcuma Longa抽出物またはそれらの組合せを含有する群から選択される活性物質を含むことを特徴とする。別の好ましい本発明の実施形態では、組成物は、基質成分が豚脂、より好ましくはアヒル脂(duck lard)および/またはガチョウ脂(goose lard)および/またはユーセリン、より好ましくはLekobaza、Hascobaza、白色ペトロラタム、黄色ペトロラタムおよび/または硫酸亜鉛-亜鉛塩、それらの任意の組合せ、最も好ましくは豚脂、ガチョウ脂、ユーセリンおよび硫酸亜鉛を含む群から選択されることを特徴とする。
【0008】
賦形剤の混合物は、活性物質のバイオアベイラビリティーに対するその効果を特徴とする担体を創出する。例えば、活性物質の半固形の担体は、以下の賦形剤を使用して作製される:A、好ましくはジメチルスルホキシド(DMSO)、B、好ましくは尿素(尿素)、D、大風子油(大風子油剤(Oleum Chaulmoogra))、加えて、C、好ましくは白ろう(ミツロウ(Cera alba))
【0009】
担体成分の割合を、表1に示す。
【0010】
【0011】
担体を構成する物質の混合物は、水溶性活性物質および脂溶性活性物質の両方の溶解または乳化を確実とする要素からなる。混合物A-Bは、親水性の活性物質の溶解に関与する。混合物AD、好ましくは加えてCは、親油性の物質の溶解に関与する。混合物A-B、好ましくは加えてCは、乳化特性に関与する。
・担体に使用されるAの最小量は、薬物の全重量の0.01%よりも低くてはならず、薬物の全重量の5%を超えてはならない。
・担体に使用されるBの最小量は、薬物の全重量の0.01%よりも低くてはならず、薬物の全重量の2%を超えてはならない。
・担体に使用されるCの最小量は、薬物の全重量の0.001%よりも低くてはならず、薬物の全重量の8%を超えてはならず、群Cの化合物は、本発明の基礎的担体中に使用する必要はない。
・担体に使用されるDの最小量は、薬物の全重量の1%よりも低くてはならず、薬物の全重量の5%を超えてはならない。
【0012】
本発明の目標は、これらの物質の用量を、活性を増大させながら減少させることが可能なためにこれらのバイオアベイラビリティーを増大させる、活性物質の普遍的な担体を得ることである。効果は、炎症の処置を加速し、皮膚潰瘍の処置を短縮することである。
【0013】
現状の知識では、ABD、好ましくは加えてCを含有しない混合物、特に大風子油、DMSO、尿素および白ろうが、この目的のために使用されたことが示されている。
【0014】
本発明の例示的な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を含有する医薬品の活性を示す図である(フルオレセイン)。
【
図2】蛍光色素注射部位に隣接する筋肉における緑色発光の形態で陽性応答を示し、F2群では陽性応答がないことを示す図である(フルオレセイン)。
【
図3】F3群で強力な陽性応答(肝細胞および細胞間空間の完全な染色)、残りの群で陰性応答である、倍率400xでの肝細胞の試料を図示する図である(フルオレセイン)。
【
図4】真皮および皮下層における緑色発光の形態での強力な陽性応答が、F1およびF3群(矢印)で最も強力であり、F3群では表皮の表面のみに陽性応答が生じたことを倍率40xで図示する図である(アクリジンオレンジ)。
【
図5】陽性応答が目視可能であり、すなわち皮膚において見られたものと類似し、低倍率でシグナルを示すために画像のコントラストを修正する必要があった、筋肉組織を示す図である(アクリジンオレンジ)。陰性応答がF2群で観察された(画像の強力なコントラスト強化、倍率100x、100xおよび400x)。
【
図6】陽性応答がF3群で生じ(矢印)、他の群では陰性の結果が観察された、倍率400xでの肝細胞試料を示す図である(アクリジンオレンジ)。
【
図7】最も強力な陽性応答がF1およびF3群で観察された、倍率100x、100xおよび40xでの結合組織細胞の試料の図である(ローダミン)。
【
図8】弱い陽性応答がF1およびF3群で目視可能である(倍率100x)、肝臓試料の図である(ローダミン)。
【
図9】試験組織の蛍光強度の平均値が、抗体を有しないビヒクルを用いて処置した対照組織の蛍光強度(100%)のパーセンテージである、正規化した値の図である。
【
図10】真皮における、試験製剤Bの平均蛍光強度の絶対値を示す図である。
【
図11】対照担体(100%)と比較した、真皮における正規化した蛍光強度のプロットである。
【
図12】得られた全ての試験された試料の比較結果の、ノンパラメトリックなクラスカル-ウォリス分散検定(ANOVA)(「多重比較についての「z」値;W、独立変数(グルーピング):S;クラスカル-ウォリス検定:H(7、N=24)=14.69333、p=,0401」)を図示する図である。
【
図13】実施例35において説明した試験の結果を示す図である。
【
図14】実施例35において説明した試験の結果を示す図である。
【実施例1】
【0016】
担体混合物(F1)を、以下のステップにおいて調製した:
【0017】
a)不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油および任意選択で天然乳化物質を、容器中、最大40℃で融解した。
【0018】
b)スルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒を、撹拌しながら、不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油と任意選択で天然乳化物質との融解混合物に添加した。
【0019】
適切な量の炭酸アミドを、スルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒と不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油Dと任意選択で天然乳化物質との混合物に添加した。
【0020】
得られた混合物を、均質な堅さおよび色が得られるまで撹拌した。
【0021】
結果として生じた混合物は、乳化特性を示した。親水性の物質を、融解混合物中に溶解した。親油性の物質を、室温の混合物中に溶解した。
【0022】
その後のステップで、混合物F2およびF3を調製した。試験に使用した混合物の組成物の一覧を、表2に提示する。
【0023】
【0024】
混合物F2は、スルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒(DMSO)を有しなかった。混合物は、乳化特性を示した。親油性の物質を、混合物中に室温で溶解した。親水性の物質は、混合物F2中に溶解しなかった。
【0025】
混合物F3は、天然乳化剤(ミツロウ)を有しなかった。親油性の物質を、混合物中に室温で溶解した。親水性の物質を、F3混合物中に約40℃で溶解した。混合物F3は、乳化特性を示さなかった。
【0026】
試験では、F1混合物が最大の普遍的特性を有することが示された。
【実施例2】
【0027】
担体混合物(F1)を、以下のステップにおいて作製した:
【0028】
a)薬物全重量の1%の量の不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油、および任意選択で薬物全重量の0.001%の量の天然乳化物質を、容器中、最大40℃で融解した。
【0029】
b)薬物全重量の0.01%の量のスルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒を、撹拌しながら、薬物全重量の1%の量の不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油と任意選択で薬物全重量の0.001%の量の天然乳化物質との融解混合物に添加した。
【0030】
薬物全重量の0.01%の量の炭酸アミドを、薬物全重量の0.01%の量のスルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒と薬物全重量の1%の量の不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油Dと任意選択で薬物全重量の0.001%の量の天然乳化物質との混合物に添加した。
【0031】
得られた混合物を、均質な堅さおよび色が得られるまで撹拌した。
【0032】
結果として生じた混合物は、乳化特性を示した。親水性の物質を、融解混合物中に溶解した。親油性の物質を、室温の混合物中に溶解した。
【実施例3】
【0033】
担体混合物(F1)を、以下のステップにおいて作製した:
【0034】
a)薬物全重量の5%の量の不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油、および任意選択で薬物全重量の8%の量の天然乳化物質を、容器中、最大40℃で融解した。
【0035】
b)薬物全重量の5%の量のスルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒を、撹拌しながら、薬物全重量の5%の量の不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油と任意選択で薬物全重量の8%の量の天然乳化物質との融解混合物に添加した。
【0036】
薬物全重量の2%の量の炭酸アミドを、薬物全重量の5%の量のスルホキシド類の群からの強力な溶媒和性の非プロトン性溶媒と薬物全重量の5%の量の不飽和脂肪酸の含有量が高い植物油Dと任意選択で薬物全重量の8%の量の天然乳化物質との混合物に添加した。
【0037】
得られた混合物を、均質な堅さおよび色が得られるまで撹拌した。
【0038】
結果として生じた混合物も、乳化特性を示した。親水性の物質を、融解混合物中に溶解した。親油性の物質を、室温の混合物中に溶解した。
【0039】
実施例1、2および3の実行の結果として、担体中で使用された個々の成分の定量的(パーセンテージ)範囲内で、混合物が得られ、本発明の第1の目的の想定が満たされたことが証明された。
【0040】
本発明の第2の目的は、半固形薬物形態の上述の担体、および適切に選択された割合の活性物質の独自の混合物の使用である。活性物質は、全て合成物質および天然起源の物質、例えばCoptis ChinensisおよびCurcuma Longa抽出物の混合物である。活性物質と担体との間の重量比は、1:10~2:1の範囲であるべきである。与えられたパーセンテージは、100部の最終製品中の濃度である。担体は、最終製品の1.0~20重量%を構成する。
【0041】
基質についての主成分は、5~20%の量の豚脂、4~15%の量のガチョウ脂、12~21%の量のユーセリンおよび0.5~2%の量の硫酸亜鉛から得られた混合物であり、活性物質と賦形剤との重量比は10:90~1:999であり、以下を含むことを特徴とする半固形薬物製剤の形態を有する:
【0042】
a)抽出物の粉末化を達成するために、親油性の物質と一部の抽出物を、好ましくは0.1%~5%の量で、工程全体について必要とされる基質を用いて、20~50℃の温度範囲で、製薬および食品用混合機中最大4000RPMで、少なくとも3分間、混合するステップ。
【0043】
b)結果として生じたステップa)からの混合物と、一部分、好ましくは6%~90%の、残りの量の工程全体について必要とされる基質とを、20~50℃の温度範囲で、製薬および食品用混合機中最大5000RPMで、少なくとも3分間、混合するステップ。
【0044】
c)結果として生じたステップb)からの混合物と、残りの量の工程全体について必要とされる基質と、次に残りの賦形剤とを、均質性を達成するために、20~50℃の温度範囲で、製薬および食品用混合機中最大4000RPMで、少なくとも3分間、混合するステップ。
【0045】
d)実験用および工業用(回転式およびピストン)ホモジナイザー中、20~50℃の温度範囲で、少なくとも5分間、均質化するステップ。
【0046】
本発明の本質は、均等に分散した活性物質を含有する、基質および活性物質の均質な混合物を創出することである。本発明によると、軟膏剤用の医薬品包装中に分注された半固形混合物が得られた。
【実施例4】
【0047】
本発明による軟膏剤を得るための方法
本発明の目的である製品を、その好ましい実施形態を表3に示し、以下の製造技術により調製した:
【0048】
適切に秤量された量の植物抽出物を、回転式ホモジナイザー(1000RPMで7分間)中で、9%の必要とされる量の担体と混合し、次にホモジナイザーに、5%の必要とされる量の融解基質を添加し、混合物全体を回転式ホモジナイザー(500RPMで7分間)中で粉末化した。残りの量の担体を回転式ホモジナイザーに添加し、混合し、次に融解基質の残余を添加し、均質化した(2000RPMで10分間)。
【0049】
得られた軟膏剤を、次に軟膏剤用の薬剤包装へと移した。
【0050】
【0051】
活性物質の含有量に関して均質である半固形混合物が得られ、結果として生じた植物抽出物の不純物の含有量は、実験的に選択された医薬組成物、この組成物の成分の適切な細分化、および使用された製造技術に起因して、検出レベルを下回る。
【0052】
実験的に選択された定量的割合の適切な組成物の選択、および天然の医薬物質、特定の賦形剤の使用、および上述の軟膏剤混合物製造技術の適用により、均一な含有量の活性物質を薬物の形態で得ることが可能となり、すなわち、各容積単位において同じ用量の活性物質が存在し、試験中に確認が得られた。
【0053】
試験を、Sigma AldrichからのL929細胞株(マウス線維芽細胞)、カタログ番号85011425、商品番号14G010で実行した。クライオチューブ94番由来の細胞を、試験に使用した。所与の細胞株を、PN-ISO 10993-5規格に基づいて、試験のために選択した。
【0054】
XTT法を使用した細胞毒性試験を、「Test Instruction-XTT」(IB 16.4)に基づくPN-ISO 10993-5に従って実行した。
【0055】
結果
*生存能力の限度 - 70%
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
概要:
全ての5つの試料についての平均の生存能力の%は、70%*を超え、結果は、試験材料が細胞毒性でないことを示す。
【0062】
加えて、担体の使用により、外部環境条件の有害作用に対する活性物質の保護、すなわち技術的処理中の温度および光に対する耐性が確実となる。
【実施例5】
【0063】
本発明による軟膏剤を得る方法
本発明の目的である製品を、その好ましい実施形態を表3に示し、以下の製造技術により調製した:
【0064】
適切に秤量された量の植物抽出物を、100%の必要とされる量の担体と、回転式ホモジナイザー(1000RPMで7分間、室温)中で混合し、次に混合物-1が液化するまで水浴中で加熱した。次に、25%の必要とされる量の基質を液化した混合物に添加し、次に均質な堅さ(混合物-2)が得られるまで混合した。残りの量の基質を回転式ホモジナイザーに添加し、液化した混合物-2と混合し(500RPMで7分間、室温)、次に混合物全体を均質化した(2000RPMで10分間)。
【0065】
入手した軟膏剤の混合物を、次に軟膏剤用の薬剤包装へと移した。
【0066】
【0067】
活性物質の含有量に関して均質である半固形混合物が得られ、結果として生じた植物抽出物の不純物の含有量は、実験的に選択された医薬組成物、この組成物の成分の適切な細分化、および使用された製造技術に起因して、検出レベルを下回り、これは以下の製品パラメーターの決定を可能とする試験により確認された:
ヨウ素価(A)
方法(Ph.Eur.):滴定
ヨウ素価 41.20
【0068】
ヨウ素価は、100グラムの試験された製品中に認められる脂肪酸中に存在する特定の二重結合に結合する、ヨウ素として算出されるハロゲン基由来の元素のグラム数である。ヨウ素価は、脂肪の不飽和のレベルを決定するため、製品を特定およびパラメーター化するために使用することができる。製品は、脂肪原料の起源に依存して、ある特定の限度内で、脂肪酸の組成、したがって同様にヨウ素価が異なることがある。
見掛け粘度(A)
方法(Ph.Eur.):粘度測定
見掛け粘度 836.7mPa×s
【0069】
試験の結果は、製品基準を決定するために必要であろう。このレベルの粘度で、活性物質を均質な混合物の形態に維持することが可能である。
【0070】
実験的に選択された定量的割合の適切な組成物の選択、および天然の医薬物質、特定の賦形剤の使用、および上述の軟膏剤混合物製造技術の適用により、均一な含有量の活性物質を薬物の形態で得ることが可能となった。
【0071】
加えて、担体の使用により、技術的処理中の外部環境条件の有害作用に対する活性物質の保護が確実となる。
酸価(A)
方法(Ph.Eur.):滴定
酸価 0.12
【0072】
行われた試験(酸価)により、試験された製品における遊離脂肪酸の含有量(脂肪加水分解の程度)が決定された。
鹸化価(A)
方法(Ph.Eur.):滴定
鹸化価 96.2
【0073】
試験により、脂肪酸の平均分子量が決定された。試験の結果は、遊離脂肪酸を中和し、1gの試験製品中に含有されるアシルグリセロールを鹸化するために必要とされる水酸化カリウムのミリグラム数である。
滴点
方法(Ph.Eur.):目視評価
融点 24.0℃±2%
【0074】
試験の結果は、製品基準を決定するために必要であろう。
過酸化物価(USP)(A)
方法(USP):滴定
過酸化物価 0.20
【0075】
過酸化物価は過酸化物の含有量であり、脂肪の酸化(酸敗)の程度の指標として扱われる。製品について得られた価は、正常範囲内である。
【実施例6】
【0076】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0077】
【0078】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0079】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0080】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例7】
【0081】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0082】
【0083】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 0.05g
- ビタミンC - 0.05g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した1gの量の担体組成物に添加した。
【0084】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(98.8g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0085】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:99であった。
【実施例8】
【0086】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0087】
【0088】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 20g
- ビタミンC - 20g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0089】
約10分間混合(400RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した残りの量の基質(40g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0090】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は2:1であり、担体と基質の間の比は1:2であり、担体の量は最終製品の全重量の20%を構成した。
【実施例9】
【0091】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0092】
【0093】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した1gの量の担体組成物に添加した。
【0094】
約10分間混合(400RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した残りの量の基質(97g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0095】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は2:1であり、担体と基質の間の比は1:2であり、担体の量は最終製品の全重量の1%を構成した。
【実施例10】
【0096】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0097】
【0098】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0099】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量のLekobazaを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0100】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例11】
【0101】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0102】
【0103】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0104】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量のHascobazaを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0105】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例12】
【0106】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0107】
【0108】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0109】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量の黄色ワセリンを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0110】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例13】
【0111】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0112】
【0113】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0114】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量の白色ワセリンを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0115】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例14】
【0116】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0117】
【0118】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0119】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量のLekobazaを使用し、豚脂をガチョウ脂の代わりに使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0120】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例15】
【0121】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0122】
【0123】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0124】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量のHascobazaを使用し、アヒル脂をガチョウ脂の代わりに使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0125】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例16】
【0126】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0127】
【0128】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0129】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量の白色ワセリンを使用し、豚脂をガチョウ脂の代わりに使用し、硫酸亜鉛の代わりに類似した量の塩化亜鉛を使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0130】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例17】
【0131】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0132】
【0133】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順(1つの重要な違いがあり、大風子油の代わりに類似した量の亜麻仁油を使用した)に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0134】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0135】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例18】
【0136】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0137】
【0138】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順(1つの重要な違いがあり、大風子油の代わりに類似した量のナタネ油を使用した)に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0139】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0140】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例19】
【0141】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0142】
【0143】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順(1つの重要な違いがあり、大風子油の代わりに類似した量の落花生油を使用した)に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0144】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0145】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例20】
【0146】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0147】
【0148】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順(1つの重要な違いがあり、大風子油の代わりに類似した量のヒマワリ油を使用した)に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0149】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0150】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例21】
【0151】
親油性および親水性の物質を含有する医薬品の調製の方法
ビタミンの群からの等量の物質を、基準物質として使用した:
a)ビタミンA - 脂溶性物質
b)ビタミンC - 水溶性物質
【0152】
【0153】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。以下の量の活性物質:
- ビタミンA - 1g
- ビタミンC - 1g
を、F1について説明された手順(1つの重要な違いがあり、大風子油の代わりに類似した量の麻実油を使用した)に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0154】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0155】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例22】
【0156】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0157】
ダパグリフロジンプロパンジオール
ダパグリフロジンは、非常に強力な(Ki:0.55nM)選択的かつ可逆的なナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)の阻害剤である。
【0158】
SGLT2は、腎臓中に選択的に発現し、70を超える他の種類の組織(肝臓、筋肉組織、脂肪組織、乳房、膀胱および脳を含む)ではこの種類の発現が同時に欠如している。SGLT2は、糸球体濾過から血液中へのグルコース再吸収に関与する主な輸送体である。2型糖尿病では、高血糖が存在するにもかかわらず、グルコース再吸収が腎臓中でなお行われている。ダパグリフロジンは、腎臓のグルコース再吸収を減少させ、グルコースの尿排出をもたらすことにより、空腹時および食後のグルコースの制御を改善する。グルコースの排出は、初回用量後に観察され、用量間の24時間間隔の間継続し、処置期間を通して持続する。腎臓によりこれらの作用機序に起因して除去されるグルコースの量は、血中グルコースレベルおよび糸球体濾過速度(GFR)の程度に依存する。ダパグリフロジンは、低血糖に応じた正常な内因性グルコース産生を妨害しない。ダパグリフロジンは、インスリンの分泌および作用とは無関係に機能する。HOMAベータ細胞(ベータ細胞機能のホメオスタシスモデル評価)の改善が、前臨床試験において観察された。
【0159】
ダパグリフロジンにより誘発されたグルコースの尿排出は、カロリー消費および体重減少に関連する。ダパグリフロジンによるグルコースおよびナトリウム共輸送体の阻害は、軽度の利尿および一過性のナトリウム利尿にも関連する。
【0160】
ダパグリフロジンは、末梢組織へのグルコース輸送に重要な他のグルコース輸送体を阻害せず、腸におけるグルコース吸収に関与する主な輸送体であるSGLT1よりも、SGLT2に対して1400倍を超えてより選択的である。
【0161】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。5mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0162】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0163】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、活性物質と担体の間の比は1:10であり、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例23】
【0164】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0165】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。10mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した1gの量の担体組成物に添加した。
【0166】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(98.8g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0167】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:99であった。
【実施例24】
【0168】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0169】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。実施例4において説明した20gの量の一部の担体を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加し、20mgの量の活性物質を続けた。
【0170】
約10分間混合(400RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した残りの基質(20g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0171】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:2であり、担体の量は最終製品の全重量の20%を構成した。
【実施例25】
【0172】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0173】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。実施例4において説明した1gの量の一部の担体を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した1gの量の担体組成物に添加し、35mgの量の活性物質を続けた。
【0174】
約10分間混合(400RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した残りの基質(96g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0175】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:97であり、担体の量は最終製品の全重量の1%を構成した。
【実施例26】
【0176】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0177】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。50mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0178】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量のLekobazaを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0179】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例27】
【0180】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0181】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。70mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0182】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量のHascobazaを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0183】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例28】
【0184】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0185】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。100mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0186】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量の黄色ワセリンを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0187】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例29】
【0188】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0189】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。105mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0190】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量の白色ワセリンを使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0191】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【0192】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。140mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0193】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量のLekobazaを使用し、豚脂をガチョウ脂の代わりに使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0194】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例30】
【0195】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0196】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。210mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0197】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量の白色のHascobazaを使用し、アヒル脂をガチョウ脂の代わりに使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0198】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例31】
【0199】
ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害剤(SGLT2)の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0200】
ダパグリフロジンプロパンジオール
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。240mgの量の活性物質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体組成物に添加した。
【0201】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)(1つの重要な違いがあり、ユーセリンの代わりに類似した量の白色ワセリンを使用し、豚脂をガチョウ脂の代わりに使用し、硫酸亜鉛の代わりに類似した量の塩化亜鉛を使用した)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0202】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【0203】
異なる物理化学的性質の物質を、皮膚を通して輸送する可能性、およびこれらの物質のバイオアベイラビリティーに対する影響を確認するために、動物モデルに対して蛍光マーカー(フルオレセイン、ローダミン、アクリジンオレンジ)を使用して試験を実行した。
【0204】
フルオレセイン(C20H12O5))-キサンテン色素である、332.31g/molの分子量を有する有機化学化合物の、キサンテン誘導体。アルカリ性溶液中、フルオレセインは緑黄色の蛍光を示し、1対数千万の希釈でさえも目視可能である。
【0205】
アクリジンオレンジ(C17H19N3))は、分子量265.36g/molの有機化合物である。これは、核酸選択的カチオン性蛍光染料として使用され、細胞周期を決定するために有用である。これは膜透過性であるため、インターカレーションまたは静電的相互作用によりDNAおよびRNAとそれぞれ相互作用する。
【0206】
ローダミン(Rodamine)B(C28H31N2O3Cl)-分子量479.01g/molのローダミン基由来の有機化学化合物。蛍光染料として、すなわち生物学的製剤を染色するために使用される。
【0207】
試験材料を、最初に4℃で1時間平衡化し、次に冷凍した。材料を、Leica CM1950クリオスタット中、-20℃で切断した。10μm厚さの切片を70%アルコールで固定し、Euperal中に載せた。材料を、UV-2A(EX450-490、DM-500、BA-515)およびB-2A((EX330-380、DM-400、BA-420)フィルタを備えたNikon Eclipse80i蛍光顕微鏡を使用して分析した。日常的にヘマトキシリンおよびエオシンで染色される組織学的製剤を、切片から作製した。全ての画像を、400msの一定の露光時間で撮った。選択された画像を、次にNis elements Arソフトウェアで修正し、構造を明らかにした。
【0208】
試験をBuffaloラットに対して実施し、無作為化し、the Department of Biostructure and Animal Physiologyの動物施設における標準条件下で、玩具を有するケージの中で別々に飼育した。
【0209】
動物を、各々3匹の12の群に分けた。
【0210】
肋骨臀部の終端セグメントおよび尾の基部の近くの背部の皮膚を剪毛した後、製剤を半固形形態で9日間塗布した。
【0211】
実験において使用した製剤F1、F2、F3を、表2において説明した(実施形態1)。
【0212】
フルオレセイン
図1(フルオレセイン)では、真皮および皮膚層中に緑色発光の形態で目視可能な強力な陽性応答があり、F3群で最も強力である(白色の矢印)。F3群では、潤滑された皮膚と潤滑されていない皮膚の間の境界が目視可能である(青色の線)。特徴的な青色発光を有する毛(赤色の矢印)が、皮膚中で目視可能である。F2群での真皮中の目視可能な発光はない。陽性応答は、表面のみで観察された(白色の矢印)。倍率40x。
【0213】
図2では、蛍光色素注射部位に隣接する筋肉における緑色発光の形態で陽性応答が見られる(矢印)。F2群では陽性応答なし。倍率100x。
【0214】
図3では、F3群で肝細胞および強力な陽性応答(肝細胞および細胞間空間の完全な染色)が見られる。他の群では陰性応答。倍率400x。
【0215】
この蛍光色素の使用により、物質の皮膚を通した筋肉および肝臓への透過性が最も良好に示される。F1群では、表皮および皮膚に付着した筋肉中で陽性シグナルが観察される。陽性応答は、肝臓および尾の基部から尾骨でも観察された。皮膚(矢印)ならびに筋肉および肝臓中の非常に明瞭な境界線を有する等しく強力なシグナルが、F3群で観察された。
【0216】
図4(アクリジンオレンジ)では、真皮および皮下層における緑色発光の形態での強力な陽性応答があり、F1およびF3群(矢印)で最も強力である。F3群では、表皮の表面のみに陽性応答が生じた。倍率40x。
【0217】
図5(筋肉組織)では、皮膚のものと類似した陽性応答が目視可能であり、低倍率でシグナルを示すために画像のコントラストを修正する必要があった。陰性反応がF2群で観察された(画像の強力なコントラスト強化)。倍率100x、100xおよび400x。
【0218】
肝臓試料を示す
図6では、陽性応答がF3群で目視可能である(矢印)。陰性結果が、他の群で観察された。倍率400x。
【0219】
この蛍光色素ならびに別のローダミンの使用は、細胞中の色素の通過および蓄積が記述されることを条件として、物質の皮膚を通した身体への浸透の試験に適用することができる。この蛍光色素は、細胞密度(上皮、筋肉組織、肝細胞)が高い領域においてはるかに良好に露光され、そのため皮膚または皮下の結合組織において露光はより少ない。
【0220】
図7では、ローダミンは、真皮中の腺細胞および他の結合組織細胞を非常に強力に染色した。最も強力な陽性応答は、F1およびF3群で観察された。倍率100x、100xおよび40x。
【0221】
肝臓試料を示す
図8では、弱い陽性応答がF1およびF3群で目視可能である。倍率100x。
【0222】
ローダミンは、皮膚の要素、例えば表皮腺細胞(皮脂線および汗腺の両方)、真皮細胞(線維芽細胞、マクロファージおよびリンパ球)を染色する非常に高い能力を示し、血液関門を通過した後に、肝臓中に部分的に蓄積された。
【実施例32】
【0223】
タンパク質の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
抗体の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0224】
Tリンパ球上に存在する分子である、CD3抗原に対する抗体は、Tリンパ球受容体(TCR)の一部であるタンパク質複合体であり、5つの鎖:δ、γ、ε、ζおよびηで作製される。CD3鎖は、抗原と結合したTリンパ球受容体からのシグナル伝達を細胞中へと媒介する。CD3は、Bリンパ球のIgαおよびIgβ分子と等価である。
【0225】
CD3鎖の各々は、別々の遺伝子によりコードされる:
1.CD3γ鎖は、男性における11q23染色体上に位置するCD3G遺伝子によりコードされ、
2.CD3δ鎖は、同様に11q23染色体上に位置するCD3D遺伝子によりコードされ、
3.CD3ζ鎖は、1q22-q25染色体上に位置するCD247(以前はCD3Z)遺伝子によりコードされる。
【0226】
選択的スプライシングの結果として、CD3ζ鎖は、より少ないリンパ球活性化モチーフを含有する形態で産生されることができ、CD3ηと称される。この形態のタンパク質は、主に胸腺細胞中で産生され、TCR複合体中でCD3ζと部分的に置き換わる。CD3ηについてのmRNAも成熟T細胞中で検出されるが、その含有量はCD3ηについてのmRNAよりもはるかに小さく(10倍以上)、したがって、CD3ηはその機能を主にTリンパ球の発生中に実行すると考えられる。
【0227】
胸腺におけるTリンパ球の発生中、CD3タンパク質発現を前胸腺細胞の段階で、しかし細胞の細胞質中でのみ認めることができる。類似の状況は前胸腺細胞段階で生じるが、TCRαおよびTCRβ鎖の発現が始まるとき、CD3分子は細胞膜中にも出現する。CD3の膜(表面)発現は、Tリンパ球のさらなる各発生段階に特徴的であり、細胞が死ぬまで持続する。
【0228】
T細胞に加えて、細胞質中にのみ位置する弱いCD3発現が、プルキンエ細胞中で認められた。
【0229】
CD3γ、CD3δおよびCD3εペプチド鎖は、同じ免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、アミノ酸配列および構造における強い類似性を示す。これらは全て細胞外免疫グロブリン様ドメインを有し、これに活性化したITAM配列を含有する細胞膜および細胞質側末端を通過するらせん状断片が続く。γ、δおよびε鎖の各々は、2つのITAMモチーフを含有する。次に、CD3ζ鎖は細胞外免疫グロブリンドメインを有しないが、代わりに細胞質部分中に4つのITAMモチーフを含有する。CD3ηバリアントは、3つのITAMモチーフを有する。各CD3分子の膜貫通領域は負に帯電し、正に帯電したTCR鎖との複合体の形成をもたらす。このように、TCRα-CD3γ-CD3ε-CD3ζ-CD3ζおよびTCRβ-CD3δ-CD3ε複合体が形成され、一緒になって完全なTCR複合体を形成する。
【0230】
Tリンパ球は、炎症の発生に大きく関与する細胞である。この理由から、その作用がCD3(したがってTリンパ球)活性化を阻害すると推測される薬剤を、自己免疫疾患および1型糖尿病における抗炎症特性について試験した。
【0231】
CD3に対する、蛍光染料または酵素と共役したモノクローナル抗体により、細胞数測定および免疫組織化学方法を使用して、血液および組織中のこれらの細胞の発生頻度または数が決定される。
【0232】
診断においては、CD3の決定は、白血病に対して特に有用である。
【0233】
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。100mgの量の活性物質(50μg/抗CD3抗体懸濁液のgの濃度)を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体の組成物に添加した。
【0234】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(80g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0235】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:5であった。
【実施例33】
【0236】
タンパク質の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
抗体の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0237】
CD3抗原に対する抗体
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。100mgの量の活性物質(50μg/抗CD3抗体懸濁液のgの濃度)を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した1gの量の担体の組成物に添加した。
【0238】
約10分間混合(200RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した基質(98.8g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0239】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に粉末化した物質とともに得、担体と基質の間の比は1:99であった。
【実施例34】
【0240】
タンパク質の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
抗体の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0241】
CD3抗原に対する抗体
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。実施例4において説明した20gの量の一部の基質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した20gの量の担体の組成物に添加し、100mgの量の活性物質(25μg/抗CD3抗体懸濁液のgの濃度)を続けた。
【0242】
約10分間混合(400RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した残りの基質(20g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0243】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に上昇した物質を用いて得、担体と基質の間の比は1:2であり、担体の量は最終製品の全重量の20%を構成した。
【実施例35】
【0244】
タンパク質の群からの物質を含有する医薬品の調製の方法
抗体の群からの物質を、基準物質として使用した:
【0245】
CD3抗原に対する抗体
実施例1において説明したF1担体の組成比を、実験において使用した。実施例4において説明した1gの量の一部の基質を、F1について説明された手順に従って得て40セルシウス度で融解した1gの量の担体の組成物に添加し、100mgの量の活性物質(25μg/抗CD3抗体懸濁液のgの濃度)を続けた。
【0246】
約10分間混合(400RPM)した後、均質な混合物を得て、使用した物質を混合後に完全に溶解した。そのように得られた混合物を、実施例4において説明した残りの基質(96g)に、8分間撹拌しながら(500RPM)添加した。
【0247】
結果として、均質な堅さおよび色の製剤を、均一に上昇した物質を用いて得、担体と基質の間の比は1:97であり、担体の量は最終製品の全重量の1%を構成した。
【0248】
実験を、説明された溶液の機能性を確認するために実行した。
【0249】
試験の目標は、ミセル担体中に封入されたAlexa Fluor 647蛍光染料を用いて標識された抗マウスCD3ε抗原の皮膚浸透性能力を評価することであった。担体中に封入された抗体の特異性のため、試験をマウスモデルに対して実施した。
【0250】
抗体を有する10mgの担体、および基剤(抗体を有しない担体)を、マウスの耳に塗布し、シリコーン軟膏を左および右の耳のそれぞれの内側に使用してスライドに載せた。耳全体の担体の均一な分布を、カバーガラスを載せた後に達成した。説明した手法を、製剤A(F2+CD3)、B(F1+CD3)、C(両親媒性基質+CD3)、D(親油性基質+CD3)ならびに対照の基剤A0(F2)、B0(f1)、C0(両親媒性基質)およびD0(親油性基質)に対して使用した。そのように調製した製剤を、37℃で4時間、インキュベートした。この時間の後、カバーガラスを除去し、試験担体を除去し、新しいカバーガラスを載せて画像を記録した。製剤の最初の比較のために、画像化を、倍率25xの水レンズを使用したLeica SP8 MP共焦点顕微鏡を用いて実施した。646~750nmの範囲の蛍光発光を、638nmレーザー(抗体を可視化するため)、624~653nmの範囲の638nmレーザー光反射(皮膚層を可視化するため)および900nmの波長を有する赤外レーザーを用いた励起後の第2高調波についての440~459nmの範囲(真皮中のコラーゲンを可視化するため)で励起させたAF647色素について収集した。試料を、Z軸で、表皮および真皮の全体の厚さを包含する約100μmの深さでスキャンした。3つの無作為に選択された視野を、各製剤について画像化した。
【0251】
図9は、試験組織の平均蛍光強度が、抗体を有しない担体を用いて処置した対照組織の蛍光強度(100%)のパーセンテージである、正規化した値を示す。
【0252】
全ての担体およびこれらの対照の最初の比較後、製剤B(F1+CD3)を、基剤混合物で処置した組織と比較して、この担体で処置した組織の蛍光強度に最も大きな差異があるため(p=0.1)、その後の分析のために選択した。残りの担体については、調査した組織の蛍光強度は対照組織と比較して差異がなく、担体が分析した耳の表皮層を通過せず、真皮中へ深く浸透しなかったことを示し得る。
【0253】
最初の評価後、製剤B(F1+CD3)を、より多くの組織(n=3)に対して試験した。
【0254】
データを、チャートの形態で示す。
図10は、担体B(F1+CD3)およびB0(F1)基礎混合物(basal mixture)についての平均蛍光強度の絶対値を示し、一方で
図11は正規化した値を示し、担体B(F1+CD3)で処置した組織の蛍光強度の平均値は、基剤混合物で処置した組織の蛍光強度(100%)の%である。
【0255】
4つの系列の結果、A、B、CおよびDについて決定した平均値の最初の比較のために、ノンパラメトリックなクラスカル-ウォリス分散検定(ANOVA)を、ノンパラメトリックな事後ピアートゥピアー比較のためのメディアン検定およびダン検定と一緒に使用した(表4および
図12)。
【0256】
【0257】
得られた結果に基づいて、シリーズBについて得られたデータを、さらなる統計分析にかけた。13回の反復から算出された変数Prep_B_baseおよびPrep_B_AF647の平均値を、パラメトリックなスチューデントのt検定により比較した。分析した変数についての分布の正規性を、Kolmogorov-Smirnov、LillieforsおよびW Shapiro-Wilkの検定により評価した。LeveneおよびBrown-Forsythの検定を、これらの等分散性を評価するために使用した。使用した全ての統計分析および検定で、有意水準はα=0.05または多重比較の場合にはボンフェローニ補正により修正したその値であった。
【0258】
【0259】
【0260】
結論:
Alexa Fluor 647蛍光染料で標識されたマウスCD3ε抗原に対する抗体を含有する製剤Bの使用後、蛍光強度は、抗体なしの対照と比較して約40%増大する。
【0261】
残りの製剤については、抗体を有する担体および対照の担体で処置した組織の間に差異は観察されなかった。