(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-24
(45)【発行日】2025-04-01
(54)【発明の名称】アンモニア・石炭混合燃焼システム
(51)【国際特許分類】
F23J 15/00 20060101AFI20250325BHJP
F23K 5/00 20060101ALI20250325BHJP
F23C 1/12 20060101ALI20250325BHJP
F23D 14/62 20060101ALI20250325BHJP
F23D 14/66 20060101ALI20250325BHJP
【FI】
F23J15/00 A
F23K5/00 302
F23C1/12
F23D14/62
F23K5/00 303
F23D14/66 Z
(21)【出願番号】P 2023547908
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2022142955
(87)【国際公開番号】W WO2024082443
(87)【国際公開日】2024-04-25
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】202211275223.X
(32)【優先日】2022-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522090095
【氏名又は名称】華能国際電力股分有限公司
【住所又は居所原語表記】Huaneng Building, NO.6 FuxingmenNei Street, Xicheng District Beijing 100031 (CN)
(73)【特許権者】
【識別番号】520455014
【氏名又は名称】西安熱工研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Xi’an Thermal Power Research Institute CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.136 Xingqing Road,Beilin District,Xi’an City,Shaanxi Province,China
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン, ボー
(72)【発明者】
【氏名】バイ, ファキ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ジチャオ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ユーファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジア, ズーシィウ
(72)【発明者】
【氏名】シャン, シャオフェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, チェン
(72)【発明者】
【氏名】ズー, ケ
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-086188(JP,A)
【文献】特表2015-507163(JP,A)
【文献】特開2005-134102(JP,A)
【文献】特開2019-086190(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109058979(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112879942(CN,A)
【文献】中国実用新案第209386281(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 15/00
F23K 5/00
F23C 1/12
F23D 14/62
F23D 14/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア・石炭混合燃焼システムであって、
燃料排出口を有する燃料貯蔵タンク装置と、
順次接続されるボイラーセクションと排気セクションとを有する燃焼ボイラーであって、前記排気セクションが排気口を備え、該排気口が、前記排気セクションの前記ボイラーセクションから離れる側に設けられ、該ボイラーセクションで発生したガスを排出する前記燃焼ボイラーと、
前記燃料排出口と前記燃焼ボイラーとに連通して、前記燃料貯蔵タンク装置内の燃料を前記燃焼ボイラー内に搬送するための搬送アセンブリであって、バーナー分岐路、第1分岐路、第2分岐路、第3分岐路、及び第4分岐路を有し、前記バーナー分岐路の出口が前記ボイラーセクションに接続され、前記第1分岐路の出口が前記排気セクションに接続され且つ前記ボイラーセクションに隣接して設置され、前記第2分岐路の出口及び前記第3分岐路の出口が前記排気セクションに接続され、且つ両方とも前記第1分岐路の出口の下流に配置されることにより、850℃~1100℃でSNCR反応が起こり、前記第4分岐路の出口が前記排気セクションに接続され且つ前記排気口に隣接して設けられる前記搬送アセンブリと、
前記排気セクションに設けられ且つ前記第4分岐路の出口と前記排気口との間に位置するSCR反応器とを備え
、
前記燃焼ボイラーは、複数の側壁で囲まれたボイラー壁と複数の燃焼アセンブリとを有し、
前記ボイラー壁は取付部を有し、接続される2つの前記側壁の間に前記取付部が形成され、前記燃焼アセンブリは複数あり、複数の該燃焼アセンブリと複数の前記取付部とが一対一で対応し、前記燃焼アセンブリは前記取付部に設けられる、アンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項2】
前記燃料貯蔵タンク装置は、液体アンモニア貯蔵タンクと液体アンモニア蒸発器とをさらに有し、
前記液体アンモニア貯蔵タンクは前記液体アンモニア蒸発器に接続されることにより、前記液体アンモニア貯蔵タンク内のアンモニアを液体状態から気体状態に変換し、前記液体アンモニア蒸発器の出口は、気化したアンモニアガスを排出するための前記燃料排出口を形成し、前記排気セクションは前記ボイラーセクションの下流に位置する、請求項1に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項3】
前記バーナー分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記バーナー分岐路の他端は前記ボイラーセクションにアンモニアガスを導入し、前記第1分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第1分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられて前記排気セクションに前記アンモニアガスを導入し、前記第2分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第2分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられ、前記第3分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第3分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられ、前記第4分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第4分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられる、請求項1に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項4】
前記燃焼ボイラーは、仕切りスクリーンと段付き通風口とをさらに有し、
前記段付き通風口は前記排気セクションに設けられ且つ前記第1分岐路の出口と前記第2分岐路の出口との間に位置し、前記仕切りスクリーンは前記第2分岐路の出口と前記第3分岐路の出口との間に設けられる、請求項1に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項5】
前記燃焼アセンブリは、枠体、第1バーナーグループ、及び第2バーナーグループを有し、
前記第1バーナーグループは複数の第1バーナーを有し、該第1バーナーは第1噴出口を有し、複数の該第1噴出口は前記枠体に設けられ、該枠体の高さ方向に間隔をあけて配置され、
前記第2バーナーグループは複数の第2バーナーを有し、該第2バーナーは第2噴出口を有し、複数の該第2噴出口は前記枠体に設けられ、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記第1バーナーグループの一方の側に位置し、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記第1バーナーグループの他方の側に位置する、請求項
1に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項6】
複数の前記第1噴出口は前記枠体の中間部に設けられ、複数の前記第1噴出口間の間隔は均一に配置され、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記第1バーナーグループの上方に設けられ、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記
第1バーナーグループの下方に設けられる、請求項
5に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項7】
前記第2バーナーは筒体と点火装置とを有し、
前記筒体は燃焼室を有し、前記筒体の一端は前記第2噴出口を形成し、
前記点火装置は点火器と混焼ノズルとを有し、
該混焼ノズルは前記燃焼室内に設けられ、前記混焼ノズルは筐体を有し、
該筐体はキャビティ、及び該キャビティに連通する第1気体入口と第2気体入口とを有し、前記第1気体入口がアンモニアガス源に接続され且つ前記第2気体入口が空気源に接続されることにより、空気とアンモニアガスとを前記キャビティ内で混合して混合ガスを形成し、前記点火器が前記混焼ノズルに接続され、前記キャビティ内の前記混合ガスに点火し、
前記第2バーナーは、前記第1気体入口へ流れる前記アンモニアガスを加熱するための第1ヒーターと、前記第2気体入口へ流れる前記空気を加熱するための第2ヒーターとをさらに有する、請求項
5に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項8】
前記第2バーナーはアンモニア供給管路と空気供給管路とをさらに有し、
前記アンモニア供給管路の一端は前記アンモニアガス源に接続され、前記アンモニア供給管路の他端は前記第1気体入口を介して前記キャビティに連通し、前記第1ヒーターは前記アンモニア供給管路に設けられ、
前記空気供給管路の一端は前記空気源に接続され、前記空気供給管路の他端は前記第2気体入口を介して前記キャビティに連通し、前記第2ヒーターは前記空気供給管路に設けられる、請求項
7に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項9】
前記筐体は、燃焼口、及び順次接続される点火セクションと燃焼セクションとを有し、
前記点火セクションは前記混焼ノズルの高さ方向において前記燃焼セクションの下方に位置し、前記第1気体入口及び前記第2気体入口は前記点火セクションに設けられ、前記燃焼口は前記燃焼セクションの前記点火セクションから離れる端に設けられ、前記点火器は前記点火セクションに設けられ、前記燃焼セクションの横断面積は前記点火セクションから前記燃焼セクションに向かう方向に徐々に減少する、請求項
8に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項10】
前記混焼ノズルは第1接続管と第2接続管とをさらに有し、
前記第1接続管の一端は前記点火セクションに接続され、前記第1接続管の他端は前記第1気体入口を形成し、前記第2接続管の一端は前記点火セクションに接続され、前記第2接続管の他端は前記第2気体入口を形成する、請求項
9に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項11】
前記点火セクションの横断面積は前記混焼ノズルの高さ方向に沿って一定であり、前記第1接続管の軸線及び/又は前記第2接続管の軸線は前記点火セクションの軸線に直交する、請求項1
0に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項12】
前記第1接続管の軸線は前記第2接続管の軸線と平行であり、前記第1接続管の軸線と前記第2接続管の軸線との間に間隔がある、請求項1
1に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項13】
前記筒体は、内層スリーブ、中間層スリーブ及び外層スリーブを有し、
前記中間層スリーブは前記内層スリーブの外側に嵌められ、前記外層スリーブは前記中間層スリーブの外側に嵌められ、前記内層スリーブの一端は燃料を導入するために使用され、前記中間層スリーブの一端及び前記外層スリーブの一端は両方とも空気を導入するために使用され、前記内層スリーブはスリーブキャビティを有し、前記スリーブキャビティの前記内層スリーブに隣接する他端は前記燃焼室を形成する、請求項
8に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【請求項14】
前記中間層スリーブの他端は、前記内層スリーブの他端と前記外層スリーブの他端との間に位置する、請求項1
3に記載のアンモニア・石炭混合燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、出願番号が202211275223.Xで、出願日が2022年10月18日である中国特許出願に基づいて提出され、該中国特許出願の優先権を主張し、該中国特許出願の全ての内容が参照として本出願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、燃焼設備の技術分野に関し、特にアンモニア・石炭混合燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0003】
カーボンピークアウト及びカーボンニュートラルの背景で、アンモニアは従来の化石燃料に取って代わり、将来の発展のトレンドの1つになる。現在、国内の発電設備は石炭火力発電を主流としている。関連技術では、粉炭の燃焼時に粉炭とアンモニアガスとの混合燃焼が利用されるが、燃焼の過程では一酸化窒素などの有害ガスが発生し、環境を汚染している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本開示の実施例は、アンモニアガスのカスケード利用を実現し、有害ガスの排出を削減できるアンモニア・石炭混合燃焼システムを提供する。
【0006】
本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムは、燃料排出口を有する燃料貯蔵タンク装置と、順次接続されるボイラーセクションと排気セクションとを有する燃焼ボイラーであって、前記排気セクションが排気口を備え、該排気口が、前記排気セクションの前記ボイラーセクションから離れる側に設けられ、該ボイラーセクションで発生したガスを排出する前記燃焼ボイラーと、前記燃料排出口と前記燃焼ボイラーとに連通して、前記燃料貯蔵タンク装置内の燃料を前記燃焼ボイラー内に搬送するための搬送アセンブリであって、バーナー分岐路、第1分岐路、第2分岐路、第3分岐路、及び第4分岐路を有し、前記バーナー分岐路の出口が前記ボイラーセクションに接続され、前記第1分岐路の出口が前記排気セクションに接続され且つ前記ボイラーセクションに隣接して設置され、前記第2分岐路の出口及び前記第3分岐路の出口が前記排気セクションに接続され、且つ両方とも前記第1分岐路の出口の下流に配置されることにより、850℃~1100℃でSNCR反応が起こり、前記第4分岐路の出口が前記排気セクションに接続され且つ前記排気口に隣接して設けられる前記搬送アセンブリと、前記排気セクションに設けられ且つ前記第4分岐路の出口と前記排気口との間に位置するSCR反応器とを備える。
【0007】
本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムは、複数の分岐路を用いてアンモニアガスを燃焼ボイラー内に搬送することにより、燃焼ボイラーで燃焼して排出された排ガス内の一酸化窒素を窒素に還元し、有害物質の排出を削減することができる。そのため、本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムは、アンモニアガスのカスケード利用を実現し、有害ガスの排出を削減することができる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記燃料貯蔵タンク装置は、液体アンモニア貯蔵タンクと液体アンモニア蒸発器とをさらに有し、前記液体アンモニア貯蔵タンクは前記液体アンモニア蒸発器に接続されることにより、前記液体アンモニア貯蔵タンク内のアンモニアを液体状態から気体状態に変換し、前記液体アンモニア蒸発器の出口は、気化したアンモニアガスを排出するための前記燃料排出口を形成し、前記排気セクションは前記ボイラーセクションの下流に位置する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記バーナー分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記バーナー分岐路の他端は前記ボイラーセクションにアンモニアガスを導入し、前記第1分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第1分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられて前記排気セクションに前記アンモニアガスを導入し、前記第2分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第2分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられ、前記第3分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第3分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられ、前記第4分岐路の一端は前記燃料排出口に接続され、前記第4分岐路の他端の出口は前記排気セクション内に設けられる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記燃焼ボイラーは、仕切りスクリーンと段付き通風口とをさらに有し、前記段付き通風口は前記排気セクションに設けられ且つ前記第1分岐路の出口と前記第2分岐路の出口との間に位置し、前記仕切りスクリーンは前記第2分岐路の出口と前記第3分岐路の出口との間に設けられる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記燃焼ボイラーは、複数の側壁で囲まれたボイラー壁と複数の燃焼アセンブリとを有し、前記ボイラー壁は取付部を有し、接続される2つの前記側壁の間に前記取付部が形成され、前記燃焼アセンブリは複数あり、複数の該燃焼アセンブリと複数の前記取付部とが一対一で対応し、前記燃焼アセンブリは前記取付部に設けられる。
【0012】
いくつかの実施例では、前記燃焼アセンブリは、枠体、第1バーナーグループ、及び第2バーナーグループを有し、前記第1バーナーグループは複数の第1バーナーを有し、該第1バーナーは第1噴出口を有し、複数の該第1噴出口は前記枠体に設けられ、該枠体の高さ方向に間隔をあけて配置され、前記第2バーナーグループは複数の第2バーナーを有し、該第2バーナーは第2噴出口を有し、複数の該第2噴出口は前記枠体に設けられ、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記第1バーナーグループの一方の側に位置し、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記第1バーナーグループの他方の側に位置する。
【0013】
いくつかの実施例では、複数の前記第1噴出口は前記枠体の中間部に設けられ、複数の前記第1噴出口間の間隔は均一に配置され、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記第1バーナーグループの上方に設けられ、複数の前記第2噴出口のうち少なくとも1つが前記バーナーグループの下方に設けられる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第2バーナーは、筒体と点火装置とを有し、前記筒体は燃焼室を有し、前記筒体の一端は前記第2噴出口を形成し、前記点火装置は点火器と混焼ノズルとを有し、該混焼ノズルは前記燃焼室内に設けられ、前記混焼ノズルは筐体を有し、該筐体はキャビティ、及び該キャビティに連通する第1気体入口と第2気体入口とを有し、前記第1気体入口がアンモニアガス源に接続され且つ前記第2気体入口が空気源に接続されることにより、空気とアンモニアガスとを前記キャビティ内で混合して混合ガスを形成し、前記点火器が前記混焼ノズルに接続され、前記キャビティ内の前記混合ガスに点火し、前記第2バーナーは、前記第1気体入口へ流れる前記アンモニアガスを加熱するための第1ヒーターと、前記第2気体入口へ流れる前記空気を加熱するための第2ヒーターとをさらに有する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第2バーナーはアンモニア供給管路と空気供給管路とをさらに有し、前記アンモニア供給管路の一端は前記アンモニアガス源に接続され、前記アンモニア供給管路の他端は前記第1気体入口を介して前記キャビティに連通し、前記第1ヒーターは前記アンモニア供給管路に設けられ、前記空気供給管路の一端は前記空気源に接続され、前記空気供給管路の他端は前記第2気体入口を介して前記キャビティに連通し、前記第2ヒーターは前記空気供給管路に設けられる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記筐体は、燃焼口、及び順次接続される点火セクションと燃焼セクションとを有し、前記点火セクションは前記混焼ノズルの高さ方向において前記燃焼セクションの下方に位置し、前記第1気体入口及び前記第2気体入口は前記点火セクションに設けられ、前記燃焼口は前記燃焼セクションの前記点火セクションから離れる端に設けられ、前記点火器は前記点火セクションに設けられ、前記燃焼セクションの横断面積は前記点火セクションから前記燃焼セクションに向かう方向に徐々に減少する。
【0017】
いくつかの実施例では、前記混焼ノズルは第1接続管と第2接続管とをさらに有し、前記第1接続管の一端は前記点火セクションに接続され、前記第1接続管の他端は前記第1気体入口を形成し、前記第2接続管の一端は前記点火セクションに接続され、前記第2接続管の他端は前記第2気体入口を形成する。
【0018】
いくつかの実施例では、前記点火セクションの横断面積は前記混焼ノズルの高さ方向に沿って一定であり、前記第1接続管の軸線及び/又は前記第2接続管の軸線は前記点火セクションの軸線に直交する。
いくつかの実施例では、前記第1接続管の軸線は前記第2接続管の軸線と平行であり、前記第1接続管の軸線と前記第2接続管の軸線との間に間隔がある。
【0019】
いくつかの実施例では、前記筒体は、内層スリーブ、中間層スリーブ及び外層スリーブを有し、前記中間層スリーブは前記内層スリーブの外側に嵌められ、前記外層スリーブは前記中間層スリーブの外側に嵌められ、前記内層スリーブの一端は燃料を導入するために使用され、前記中間層スリーブの一端及び前記外層スリーブの一端は両方とも空気を導入するために使用され、前記内層スリーブはスリーブキャビティを有し、前記スリーブキャビティの前記内層スリーブに隣接する他端は前記燃焼室を形成する。
【0020】
いくつかの実施例では、前記中間層スリーブの他端は、前記内層スリーブの他端と前記外層スリーブの他端との間に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムの概略構成図である。
【
図2】本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムの燃焼ボイラーの概略構成図である。
【
図3】本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムの燃焼アセンブリの概略構成図である。
【
図4】本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムの燃焼アセンブリの概略構成図である。
【
図5】本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムの第2バーナーの概略構成図である。
【
図6】本発明の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムの混焼ノズルの概略構成図である。
【
図7】本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムの混焼ノズルの概略構成図である。
【
図8】
図7におけるA-A箇所の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施例を詳しく説明し、本実施例の一例は図面に示されている。以下、図面を参照して説明される実施例は単に例示するものであり、本開示を説明するためのものであり、本開示への限定として理解してはならない。
【0023】
図1~
図8に示すように、本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムは、燃料貯蔵タンク装置1、燃焼ボイラー2、搬送アセンブリ6、及びSCR反応器7を備える。
【0024】
燃料貯蔵タンク装置1は、燃料排出口121を有する。燃焼ボイラー2は順次接続されるボイラーセクション21及び排気セクション22を有し、排気セクション22は排気口を有し、排気口は、排気セクション22のボイラーセクション21から離れる側に設けられ、ボイラーセクション21で発生したガスを排出する。
【0025】
図1に示すように、燃料貯蔵タンク装置1は、液体アンモニア貯蔵タンク11と液体アンモニア蒸発器12とをさらに有する。液体アンモニア貯蔵タンク11は液体アンモニア蒸発器12に接続されることにより、液体アンモニア貯蔵タンク11内のアンモニアが液体状態から気体状態に変換される。液体アンモニア蒸発器12の出口は、気化したアンモニアガスを排出する燃料排出口121を形成する。排気セクション22は、ボイラーセクション21の下流に位置し、つまり、ボイラーセクション21内で燃焼して発生した排ガスが排気セクション22を通過して排気口から排出することができる。
【0026】
搬送アセンブリ6は、燃料排出口121と燃焼ボイラー2とに連通して、燃料貯蔵タンク装置1内の燃料を燃焼ボイラー2内に搬送する。搬送アセンブリ6は、バーナー分岐路61、第1分岐路62、第2分岐路63、第3分岐路64、及び第4分岐路65を有する。バーナー分岐路61の出口はボイラーセクション21に接続され、第1分岐路62の出口は排気セクション22に接続され且つボイラーセクション21に隣接して設置され、第2分岐路63の出口及び第3分岐路64の出口は、排気セクション22に接続され、且つ両方とも第1分岐路62の出口の下流に配置されることにより、850℃~1100℃でSNCR反応が起こり、第4分岐路65の出口は、排気セクション22に接続され且つ排気口に隣接して設置される。
【0027】
SCR反応器7は、排気セクション22に設けられ、且つ第4分岐路65の出口と排気口との間に位置する。
【0028】
図1に示すように、バーナー分岐路は、一端が燃料排出口121に接続され、他端がボイラーセクション21にアンモニアガスを導入するように構成される。第1分岐路62は、一端が燃料排出口121に接続され、他端の出口が排気セクション22内に設けられて排気セクション22にアンモニアガスを導入するように構成される。同様に、第2分岐路63は、一端が燃料排出口121に接続され、他端の出口が排気セクション22内に設けられ、第3分岐路64は、一端が燃料排出口121に接続され、他端の出口が排気セクション22内に設けられ、第4分岐路65は、一端が燃料排出口121に接続され、他端の出口が排気セクション22内に設けられる。
【0029】
また、
図1に示すように、燃焼ボイラー2は、仕切りスクリーン9と段付き通風口8とを有し、段付き通風口8は、排気セクション22に設けられ且つ第1分岐路62の出口と第2分岐路63の出口との間に位置する。仕切りスクリーン9は、第2分岐路63の出口と第3分岐路64の出口との間に位置する。
【0030】
なお、ボイラーセクション21で燃焼した後の煙道ガスの温度は、排気セクション22から排出される方向に向かって徐々に低下する。即ち、ボイラーセクション21に近い煙道ガスの温度は最も高く、第1分岐路62の出口における温度、第2分岐路63の出口における温度、第3分岐路64の出口における温度、第4分岐路65の出口における温度は徐々に低下する。
【0031】
なお、第2分岐路63の出口は、仕切りスクリーン9のボイラーセクション21に隣接する側に位置し、第3分岐路64の出口は、仕切りスクリーン9の第3分岐路64の出口に隣接する側に位置する。
【0032】
すなわち、本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムは、複数の分岐路を用いてアンモニアガスを燃焼ボイラー2内に搬送し、搬送アセンブリ6を用いて燃焼ボイラー2の異なる温度セクションにアンモニアガスを導入することにより、燃焼ボイラー2で燃焼して排出された排ガス内の一酸化窒素を窒素に還元し、有害物質の排出を削減することができる。
【0033】
そのため、本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムは、アンモニアガスのカスケード利用を実現し、有害ガスの排出を削減することができる。
【0034】
いくつかの実施例では、燃焼ボイラー2は、複数の側壁で囲まれたボイラー壁23と、複数の燃焼アセンブリ24とを有する。ボイラー壁23は、取付部231を有し、接続される2つの側壁の間に取付部231が形成され、燃焼アセンブリ24は複数あり、複数の燃焼アセンブリ24と複数の取付部231とは一対一で対応し、燃焼アセンブリ24は、取付部231に設けられる。
【0035】
図1及び
図2に示すように、例えば、接線方向燃焼ボイラー(tangentially fired boiler)2が四角接線方向燃焼ボイラー2である場合、複数の側壁で囲まれた断面は正四角形であり、取付部231は正四角形の角に形成される。
【0036】
図に示すように、接続される2つの側壁は接続セクションによって接続され、接続セクションの接線方向燃焼ボイラー2の炉室に位置する側に取付部231が形成される。
【0037】
いくつかの実施例では、燃焼アセンブリ24は、枠体241、第1バーナー242グループ、及び第2バーナー3グループを有し、第1バーナー242グループは、複数の第1バーナー242を有し、第1バーナー242は、第1噴出口2421を有し、複数の第1噴出口2421は、枠体241に設けられ枠体241の高さ方向に沿って間隔をあけて配置される。第2バーナー3グループは、複数の第2バーナー3を有し、第2バーナー3は、第2噴出口311を有し、複数の第2噴出口311は、枠体241に設けられ、複数の第2噴出口311のうち少なくとも1つは第1バーナー242グループの一方の側に位置し、複数の第2噴出口311のうち少なくとも1つは第1バーナー242グループの他方の側に位置する。
【0038】
図3及び
図4に示すように、複数の第1噴出口2421は、枠体241の中間部に設けられ、複数の第1噴出口2421間の間隔が均一に設置されることで、複数の第1バーナー242の使用時の燃焼効果がより均一且つ安定的になる。複数の第2噴出口311のうち少なくとも1つは第1バーナー242グループの上方に設けられ、且つ複数の第2噴出口311のうち少なくとも1つはバーナーグループの下方に設けられる。
【0039】
図3に示すように、複数の第2噴出口311のうちの2つは第1バーナー242グループの上方に設けられ、複数の第2噴出口311のうちの1つは第1バーナー242グループの下方に設けられる。
【0040】
第1バーナー242は、直流バーナーであってもよい。
【0041】
図5に示すように、第2バーナー3は、筒体31と点火装置32とを有し、筒体31は燃焼室3121を有し、筒体31の一端は第2噴出口311を形成し、点火装置32は、点火器321と混焼ノズル322とを有し、混焼ノズル322は燃焼室3121内に設けられ、混焼ノズル322は筐体3221を有し、筐体3221は、キャビティ3222、及びキャビティ3222に連通する第1気体入口32212と第2気体入口32213とを有する。第1気体入口32212がアンモニアガス源に接続され、第2気体入口32213が空気源に接続されることにより、空気とアンモニアガスとをキャビティ3222内で混合して混合ガスを形成する。点火器321は混焼ノズル322に接続されて、キャビティ3222内の混合ガスに点火する。第2バーナー3は、第1気体入口32212へ流れるアンモニアガスを加熱するための第1ヒーター41と、第2気体入口32213へ流れる空気を加熱するための第2ヒーター51とをさらに有する。
【0042】
なお、混焼ノズル322が点火器321によって着火する前に、混焼ノズル322のキャビティ3222内には、加熱されたアンモニアガスと空気との混合ガスが含まれるため、点火器321を用いて混合ガスをより容易に着火することができる。筒体31の燃焼室3121内には燃料又は燃料と空気との混合物を導入することができるため、着火された混合ガスで燃焼室3121内の燃料を着火することができ、本開示の実施例に係る燃焼アセンブリ24の燃焼効果を向上させることができる。
【0043】
つまり、本開示の実施例に係るアンモニア・石炭混合燃焼システムにおける第2バーナー3は、アンモニアガス及び空気が混焼ノズル322に入る前に、別々に予熱することができ、点火エネルギーを低減し、点火を容易にすることができる。また、混合予熱は一定の危険が伴うため、本開示の実施例に係る燃焼アセンブリ24は、アンモニアガス及び空気を別々に予熱することができるため、点火時の安全性が向上する。
【0044】
なお、第2バーナー3はアンモニア・石炭バーナーであってもよい。即ち、本開示の実施例に係る燃焼アセンブリ24がボイラーに取り付けられて使用される時、粉炭の燃え付き経路が長いため、2つの第2バーナー3を第1バーナー242グループの上方に設けることで、粉炭の十分な燃焼を確保する。また、ボイラーが低負荷である場合、1つの第2バーナー3を第1バーナー242グループの下方に設けることにより、燃焼アセンブリ24はより良好な燃焼安定効果を得ることができる。
【0045】
いくつかの実施例では、第2バーナー3はアンモニア供給管路4と空気供給管路5とをさらに有し、アンモニア供給管路4の一端はアンモニアガス源に接続され、アンモニア供給管路4の他端は第1気体入口32212を介してキャビティ3222に連通し、第1ヒーター41はアンモニア供給管路4に設けられる。空気供給管路5の一端は空気源に接続され、空気供給管路5の他端は第2気体入口32213を介してキャビティ3222に連通し、第2ヒーター51は空気供給管路5に設けられる。
【0046】
図6及び
図7に示すように、アンモニア供給管路4の他端は筐体3221に接続され、且つアンモニア供給管路4の出口は混焼ノズル322のキャビティ3222に連通するため、第1気体入口32212を経由してアンモニアガスを混焼ノズル322のキャビティ3222内に供給することができる。空気供給管路5の他端は筐体3221に接続され、且つ空気供給管路5の出口は混焼ノズル322のキャビティ3222に連通するため、第2気体入口32213を経由して空気を混焼ノズル322のキャビティ3222内に供給することができる。
【0047】
なお、第1ヒーター41がアンモニア供給管路4に設けられるため、アンモニア供給管路4内のアンモニアガスを加熱することができる。そして、第1気体入口32212を経由して、加熱されたアンモニアガスが混焼ノズル322のキャビティ3222内に供給される。同様に、第2ヒーター51が空気供給管路5に設けられるため、空気供給管路5内の空気を加熱することができる。そして、第2気体入口32213を経由して、加熱された空気が混焼ノズル322のキャビティ3222内に供給される。これにより、混合したアンモニアガスと空気とを加熱することが回避され、本開示の実施例に係る燃焼アセンブリ24の安全性が確保される。
【0048】
いくつかの実施例では、筐体3221は、燃焼口32215、及び順次接続される点火セクション32211及び燃焼セクション32214を有し、点火セクション32211は混焼ノズル322の高さ方向において燃焼セクション32214の下方に位置し、第1気体入口32212及び第2気体入口32213は点火セクション32211に設けられ、燃焼口32215は燃焼セクション32214の点火セクション32211から離れる端に設けられ、点火器321は点火セクション32211に設けられる。
【0049】
図6に示すように、燃焼セクション32214は点火セクション32211の上方に位置し、アンモニアガスは第1気体入口32212を経由して点火セクション32211に流入することができ、空気は第2気体入口32213を経由して点火セクション32211に流入することができる。
【0050】
なお、燃焼口32215が燃焼セクション32214の上端に設けられ且つ第1気体入口32212及び第2気体入口32213から離れるため、アンモニアガスと空気との混合により有益である。アンモニアガスと空気とが混合した後、点火セクション32211に位置する点火器321を用いて混合ガスに点火することができる。
【0051】
燃焼セクション32214の横断面積は、点火セクション32211から燃焼セクション32214に向かう方向に徐々に減少する。図に示すように、燃焼セクション32214の横断面積は下方から上方へ徐々に減少し、すなわち、混焼ノズル322のキャビティ3222内の混合ガスが点火された後、下部が広くて上部が狭いという燃焼セクション32214の構造により、燃焼する炎をより遠く、より集束させて噴射することができる。
【0052】
いくつかの実施例では、混焼ノズル322は、第1接続管3223と第2接続管3224とをさらに有し、第1接続管3223の一端は点火セクション32211に接続され、第1接続管3223の他端は第1気体入口32212を形成し、第2接続管3224の一端は点火セクション32211に接続され、第2接続管3224の他端は第2気体入口32213を形成する。
【0053】
図6に示すように、第1接続管3223の後端は点火セクション32211に接続され、第1接続管3223の前端の開口は第1気体入口32212を形成し、第2接続管3224の前端は点火セクション32211に接続され、第2接続管3224の後端の開口は第2気体入口32213を形成する。
【0054】
なお、第1接続管3223はアンモニア供給管路4と混焼ノズル322との間に接続されることにより、アンモニア供給管路4の接続が容易になる。すなわち、異なる形状のアンモニアガス出口に適応するために、第1接続管3223の開口の形状を、アンモニア供給管路のアンモニアガス出口の形状に応じて変更することができる。同様に、第2接続管3224は空気供給管路5と混焼ノズル322との間に接続されることにより、空気供給管路5の接続が容易になる。
【0055】
いくつかの実施例では、点火セクション32211の横断面積は混焼ノズル322の高さ方向に沿って一定であり、第1接続管3223の軸線及び/又は第2接続管3224の軸線は点火セクション32211の軸線に直交する。
【0056】
図6及び
図7に示すように、点火セクション32211の横断面は円形であり、即ち点火セクション32211は円筒形である。第1接続管3223の軸線は点火セクション32211の軸線に直交し、又は、第2接続管3224の軸線は点火セクション32211の軸線に直交し、又は、第1接続管3223の軸線及び第2接続管3224の軸線は両方とも点火セクション32211の軸線に直交する。
【0057】
なお、点火セクション32211の軸線の延在方向が上下方向と一致する場合、第1接続管3223の軸線及び第2接続管3224の軸線のうち少なくとも一方の延在方向は上下方向に直交する。
【0058】
第1接続管3223の軸線は第2接続管3224の軸線と平行であり、第1接続管3223の軸線と第2接続管3224の軸線との間に間隔がある。なお、例えば、図に示すように、第1接続管3223の軸線の延在方向及び第2接続管3224の軸線の延在方向は前後方向と一致し、且つ第1接続管3223の軸線と第2接続管3224の軸線とは左右方向において間隔をあけている。
【0059】
つまり、アンモニアガス及び空気はそれぞれ第1接続管3223及び第2接続管3224を経由して混焼ノズル322のキャビティ3222に入り、気体が混焼ノズル322に入るとき、気体の流れ方向が点火セクション32211の側壁に接し、これにより、アンモニアガスと空気とが混焼ノズル322内で環状に混合され、混合がより十分になり、混合ガスの点火に有利である。
【0060】
いくつかの実施例では、筒体31は、内層スリーブ312、中間層スリーブ313及び外層スリーブ314を有し、中間層スリーブ313は内層スリーブ312の外側に嵌められ、外層スリーブ314は中間層スリーブ313の外側に嵌められ、内層スリーブ312の一端は燃料を導入するために使用され、中間層スリーブ313の一端及び外層スリーブ314の一端は空気を導入するために使用され、内層スリーブ312の他端の内部は燃焼室3121を形成する。
【0061】
図5に示すように、中間層スリーブ313は内層スリーブ312に外嵌され、且つ中間層スリーブ313の左端の内壁面と内層スリーブ312の左端の外壁面との間に間隔がある。外層スリーブ314は中間層スリーブ313に外嵌され、且つ外層スリーブ314の内壁面と中間層スリーブ313の外壁面との間に間隔がある。
【0062】
なお、内層スリーブ312は燃料又は燃料と空気との混合物を燃焼室3121に導入するために使用され、混焼ノズル322から噴出された炎で燃焼室3121内の燃料に点火する。中間層スリーブ313及び外層スリーブ314は空気を導入するために使用され、燃料の燃焼に必要な空気を提供し、燃焼効果を確保する。
【0063】
いくつかの実施例では、中間層スリーブ313の他端の端面は、内層スリーブ312の他端の端面と外層スリーブ314の他端の端面との間に位置する。
【0064】
図5に示すように、中間層スリーブ313の左端面は、内層スリーブ312の左端面と外層スリーブ314の左端面との間に位置する。
【0065】
なお、内層スリーブ312の左端の内部の燃料が点火された後、中間層スリーブ313の左端面及び外層スリーブ314の左端面が内層スリーブ312の左端面の左側に位置するため、燃料の燃焼のために必要な酸素をよりよく提供することができ、本開示の実施例に係るバーナーの燃焼効果がよりよくなる。
【0066】
本開示の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本開示を容易に説明し且つ説明を簡素化するためのものであり、指示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造又は操作されることを指示したり暗示したりするものではないため、本開示への限定として理解してはならないことを理解されたい。
【0067】
また、「第1」、「第2」という用語は説明という目的のみに使用され、相対的重要性を指示又は暗示するもの、あるいは指示される技術特徴の数を暗黙的に指示するものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」によって限定される特徴は少なくとも1つの当該特徴を明示するか、又は暗黙的に含むことができる。本開示の説明では、具体的な限定がない限り、「複数」の少なくとも2つを意味し、例えば2つ、3つ等である。
【0068】
本開示では、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は広義的に理解すべきである。例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的なものであってもよい。機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、又は互いに通信できるものであってもよい。直接的な接続であってもよく、中間媒体による間接的な接続であってもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0069】
本開示では、明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1と第2特徴が直接接触してもよく、又は第1と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。そして、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあること示すか、又は第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみを示す。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることを示すか、あるいは第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことのみを示す。
【0070】
本開示では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、または「いくつかの例」などの用語は、当該実施例又は一例に合わせて説明される具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施例又は一例に含まれることを示す。本明細書では、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は一例を対象とするとは限らない。そして、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特点はいずれか1つ又は複数の実施例或いは一例において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者は本明細書で説明される異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は示例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0071】
上記実施例を示しかつ説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示への限定として理解してはならず、当業者による上記実施例の変化、修正、入れ替えと変形はいずれも本開示の保護範囲内にあることを理解されたい。
【符号の説明】
【0072】
1 燃料貯蔵タンク装置
11 液体アンモニア貯蔵タンク
12 液体アンモニア蒸発器
121 燃料排出口
2 燃焼ボイラー
21 ボイラーセクション
22 排気セクション
221 排気口
23 ボイラー壁
231 取付部
24 燃焼アセンブリ
241 枠体
242 第1バーナー
2421 第1噴出口
3 第2バーナー
31 筒体
311 第2噴出口
312 内層スリーブ
3121 燃焼室
313 中間層スリーブ
314 外層スリーブ
32 点火装置
321 点火器
322 混焼ノズル
3221 筐体
3222 キャビティ
32211 点火セクション
32212 第1気体入口
32213 第2気体入口
32214 燃焼セクション
32215 燃焼口
3223 第1接続管
3224 第2接続管
4 アンモニア供給管路
41 第1ヒーター
5 空気供給管路
51 第2ヒーター
6 搬送アセンブリ
61 バーナー分岐路
62 第1分岐路
63 第2分岐路
64 第3分岐路
65 第4分岐路
7 SCR反応器
8 段付き通風口
9 仕切りスクリーン